JP2004064422A - 撮像装置 - Google Patents

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Takayuki Iida
飯田 孝之
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Abstract

【課題】デジタルカメラ等の撮像装置において取得した画像データについて、撮影時の感動をそのままプリント注文に結びつける。
【解決手段】デジタルカメラ2において取得した画像データ0を表示手段26に表示し、プリント注文したい場合には転送選択ボタン27を押下してその画像データS0を選択画像データS1としてデータメモリ28に記憶する。デジタルカメラ2が無線LAN通信機器の通信可能範囲内に移動すると、無線LAN通信を行う通信手段41により選択画像データS1が無線LANを介して、プリント注文の処理を行う送信先に送信される。
【選択図】     図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮影により画像データを取得し、取得された画像データを画像サーバ等に送信可能なデジタルカメラ等の撮像装置、撮像装置から画像データを読み出して画像サーバ等に送信可能なデータ通信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
デジタルカメラ等の撮像装置においては、撮像しようとする画像や撮像により取得した画像を、撮像装置に設けられた液晶モニタに表示することができる。このように液晶モニタに画像を表示することにより、撮像する被写体像の画角や明るさを確認したり、撮像された画像を表示してどのような画像が撮像されたかを確認することができる。また、デジタルカメラはメモリカードに画像データを記録するため、銀塩フィルムに撮影された画像を記録する銀塩カメラと比較して、非常に多くの画像を撮影することが可能である。また、記録した画像データを削除することも可能である。したがって、画像を何度でも取り直すことができることから、撮影者の納得のいく画像を得ることができる。
【0003】
また、デジタルカメラにおいて取得された画像のプリント注文を行うデジタルフォトサービスシステムが提案されている。このシステムにおいては、デジタルカメラの液晶画面に画像データを表示しつつプリント注文内容を表す注文情報を生成し、これを画像データとともにラボに受け渡して、ラボにおいて画像データのプリント出力を行うものである。また、デジタルカメラから画像データをパソコンに移動し、パソコンにおいて同様に注文情報を生成することも可能である。このようなデジタルフォトサービスシステムによれば、従来の銀塩フィルムと同様にプリントを得ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したデジタルフォトサービスシステムを用いてデジタルカメラにおいて取得された画像データのプリント注文を行う作業は非常に面倒である。とくにデジタルカメラにおいてプリント注文を行う場合、デジタルカメラの液晶モニタが小さいことから、プリント注文を行う画像を選択する作業が非常に煩わしいものとなる。
【0005】
一方、銀塩カメラがプリント出力を行うことを前提として撮影を行うものであることから、記録に残しておきたいと思ったシーンや感動したシーンのように、撮影したシーンは必ずプリント出力される。
【0006】
これに対して、デジタルカメラは、上述したように画像データの削除が容易であるため、記録に残しておきたいと思ったシーンや感動したシーンを撮影しても、撮影後しばらくしてからその画像を見たときには撮影時における撮影者の思いは薄れてしまっていることが多く、その結果、画像データを削除してしまうことが多い。しかしながら、そのような画像を削除してしまうと撮影時の感動をプリントとして残すことができなくなってしまう。
【0007】
このため、撮影直後に、画像データを指定された送信先へ送信することにより、撮影時の感動をプリントとして生かすようにした方法が提案されている(特開2000−175092号公報)。しかしながら、特開2000−175092号公報に記載された方法では、取得された全ての画像データが送信されるため、プリント注文を所望しない画像データについても送信されてプリントがなされてしまうこととなる。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、撮影者が必要とする画像データについて、撮影時の感動をそのままプリント注文に簡易に結びつけることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明による撮像装置は、撮像により画像データを取得する撮像手段と、
前記撮像手段により取得された前記画像データのうち、プリント生成物を生成する送信先に送信する画像データを選択する画像選択手段と、
前記撮像手段により取得された前記画像データおよび前記画像選択手段により選択された選択画像データを記憶する画像記憶手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0010】
「プリント生成物」とは、プリント、アルバムプリント、ポストカードのみならず、画像がプリントされたTシャツ、画像データが記録されたCD−R等のメディアをも含むものである。
【0011】
なお、本発明による撮像装置においては、無線LAN通信機器と無線LANによるデータ通信を行う通信手段と、
前記送信先を記憶する送信先記憶手段と、
前記無線LAN通信機器と前記無線LANによるデータ通信を行う際に必要な認証情報を記憶する認証情報記憶手段と、
前記通信手段が前記無線LAN通信機器の通信可能範囲内にあるか否かを判定し、該判定が肯定された場合にのみ、前記無線LAN通信機器とデータ通信を行って前記認証情報記憶手段に記憶された前記認証情報を前記無線LAN通信機器に送信し、該無線LAN通信機器において前記認証情報による認証がなされると、前記選択画像データを、前記無線LAN通信機器経由で前記送信先に送信するよう、前記通信手段を制御する制御手段とをさらに備えるようにしてもよい。
【0012】
また、少なくとも前記通信手段を、撮像装置に対して取り外し自在な専用チップに設けるようにしてもよい。さらに、前記認証情報記憶手段および/または前記送信先記憶手段を前記通信手段とともに専用チップに設けてもよい。
【0013】
「通信手段」は、無線LANによるデータ通信を行うものであり、データ転送速度としては、8〜11MB以上、通信料金として定額制のものを想定している。
【0014】
「無線LAN通信機器」は、例えば、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers:米国電気電子技術者協会)において標準化された規格に準拠したものが用いられる。より具体的には、IEEE802.11a、IEEE802.11b等の規格に準拠したものを用いることが好ましい。IEEE802.11bは、2.4GHz帯を使用し、最大11Mbpsの転送速度を規格化した現在主流のものである。IEEE802.11aは、5.0GHz帯を使用し、最大54Mbpsの転送速度を規格化したものである。なお、2.4GHz帯を使用し、最大54Mbpsの転送速度を規格化したIEEE802.11gも提案されている。
【0015】
無線LAN通信機器は、駅、バス停、役所、銀行、コンビニエンスストア、ファーストフード店、繁華街の中心地等、人が立ち寄ることが多い場所やインターネットカフェ等に設置されることが好ましい。また、ローミング機能により、撮像装置を移動させながら通信を行うことができるものであることが好ましい。
【0016】
「認証情報」としては、ESS−IDを用いることができる。ESS−IDとは、無線LANの国際標準規格IEEE802.11が採用するIDであり、固定した相手先との接続を確立させるために必要な認証情報である。ESS−IDは、撮像装置の通信手段と無線LAN通信機器とで同一のものが用いられる。このESS−IDは、大文字/小文字の識別が可能であり、半角32文字以下により構成される。具体的には、ESS−IDとしてMACアドレス(Media Access Control Address)を用いることができる。
【0017】
なお、無線LAN通信機器とのデータ通信においては、WEP(Wired Equivalent Privacy)を設定することが好ましい。WEPは、無線パケットに暗号化キーを設定することにより、セキュリティを強化する機能である。このようにWEPを設定した場合においては、撮像装置の通信手段において設定したWEPと無線LAN通信機器において設定したWEPとが一致した場合にのみ、通信が確立される。
【0018】
本発明によるデータ通信装置は、本発明による撮像装置に接続され、前記画像記憶手段から前記選択画像データを読み出して前記送信先に送信するデータ通信装置であって、
無線LAN通信機器と無線LANによるデータ通信を行う通信手段と、
前記送信先を記憶する送信先記憶手段と、
前記無線LAN通信機器と前記無線LANによるデータ通信を行う際に必要な認証情報を記憶する認証情報記憶手段と、
前記無線LAN通信機器とデータ通信を行って前記認証情報記憶手段に記憶された前記認証情報を前記無線LAN通信機器に送信し、該無線LAN通信機器において前記認証情報による認証がなされると、前記選択画像データを前記無線LAN通信機器経由で前記送信先に送信するよう、前記通信手段を制御する制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0019】
「データ通信装置」は、無線LAN通信機器の通信可能エリア内に設置されるものであり、撮像装置と接続して画像データを読み出し、無線LANにより画像データを無線LAN通信機器に送信できるものであれば、無線LANによる通信機器を備えたデータ読出ケーブル等いかなるものをも用いることができる。なお、撮像装置を充電する機能を有するクレイドルに撮像装置から画像データを読み出す機能および無線LANにより画像データを送信する機能を設けてデータ通信装置として用いることが好ましい。
【0020】
なお、本発明によるデータ送信装置においては、前記撮像装置に充電を行う充電手段をさらに備えるようにしてもよい。
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、撮像手段により取得された画像データは画像記憶手段に記憶される。この際、画像選択手段によりプリント生成物を生成する送信先に送信するよう選択された画像データは、選択画像データとして画像記憶手段に記憶される。このように、撮影者がプリント生成物を生成しようと思った画像データは、他の画像データとは異なる選択画像データとして画像記憶手段に記憶されるため、撮影者は、撮影後にプリント生成物を生成したいと思った画像データを簡易に選択することができ、その結果、後から画像を確認した際にどの画像データをプリント注文すべきかを容易に認識することができる。
【0022】
また、請求項2の発明によれば、無線LAN通信機器とデータ通信が行われて認証情報記憶手段に記憶された認証情報が無線LAN通信機器に送信される。無線LAN通信機器において認証情報による認証がなされると、選択画像データが無線LAN通信機器経由で送信先に送信される。そして、送信先においては、選択画像データが受信され、選択画像データに基づいてプリント生成物が生成される。
【0023】
このため、撮影者がプリント生成物を生成しようと思った選択画像データは、撮影者が本発明による撮像装置を携帯して無線LAN通信機器の通信可能エリアに移動するのみで、無線LANにより無線LAN通信機器経由で送信先に送信される。したがって、記録に残しておきたいシーンや感動したシーンを撮影した後に、画像選択手段により画像データを選択しておけば、撮影者は無線LAN通信機器の通信可能エリアに移動するのみで、選択画像データが送信先に送信され、選択画像データに基づいてプリント生成物が得られる。よって、撮影者は複数の画像からプリント注文したい画像を選択する等の煩わしい操作を行うことなく、撮影時の感動をプリント生成物として残すことができる。
【0024】
一方、通信手段を取り外し自在な専用チップに設けることにより、この専用チップを既存の撮像装置に設けるのみで、無線LAN通信機器と通信を行って、選択画像データの送信を行うことができる。また、複数のデジタルカメラを使い回すことも容易となる。
【0025】
本発明のデータ通信装置によれば、無線LAN通信機器とデータ通信が行われて認証情報記憶手段に記憶された認証情報が無線LAN通信機器に送信される。無線LAN通信機器において認証情報による認証がなされると、本発明による撮像装置の画像記憶手段に記憶された選択画像データが無線LAN通信機器経由で送信先に送信される。そして、送信先においては、選択画像データが受信され、選択画像データに基づいてプリント生成物が生成される。
【0026】
このため、請求項2の発明と同様に、撮影者がプリント生成物を生成しようと思った選択画像データは、撮影者が本発明による撮像装置を本発明によるデータ通信装置に接続することにより、無線LANにより無線LAN通信機器経由で送信先に送信される。したがって、記録に残しておきたいシーンや感動したシーンを撮影した後に、画像選択手段により画像データを選択しておけば、撮影者が撮像装置をデータ通信装置に接続するのみで選択画像データが送信先に送信され、選択画像データに基づいてプリント生成物が得られる。よって、撮影者は複数の画像からプリント注文する画像を選択する等の煩わしい操作を行うことなく、撮影時の感動をプリント生成物として残すことができる。
【0027】
また、撮像装置に充電を行う充電手段を設けることにより、撮像装置への充電と選択画像データの送信とを同時に行うことができる。ここで、撮像装置の充電は必須のものであるため、充電中に選択画像データを送信するようにすれば、撮像装置のユーザは日々必ず行う作業の中で、とくに選択画像データを送信するための操作を行わなくても選択画像データを送信することができる。したがって、選択画像データの送信のためのユーザの負担を軽減することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は本発明の第1の実施形態による撮像装置を適用したデジタルカメラの構成を示す概略ブロック図、図2は第1の実施形態によるデジタルカメラの背面側斜視図である。図1および図2に示すように、デジタルカメラ2は、撮像により被写体の画像を表す画像データS0を取得する撮像手段21と、デジタルカメラ2全体の制御を行うとともに画像データS0の記録制御、通信制御、表示制御、画像データS0の注文内容を記述した注文情報Cの生成等を行う制御手段22と、表示のために画像データS0を記憶するフレームメモリ23と、レリーズボタンや通信ボタン、送信ボタン、十字キー、電話番号を入力するための数字キー等を有する入力手段24と、画像データをJPEGに代表される手法で圧縮したり、圧縮したデータを解凍する処理を行う圧縮解凍手段25と、画像データS0等種々の情報を表示する液晶モニタ等からなる表示手段26と、撮影時においてプリント注文を行うために後述する送信先に画像データS0を送信する旨を確定する転送確定ボタン27と、画像データS0および選択画像データS1を記憶するデータメモリ28と、後述するように選択画像データS1を送信する際に無線LAN通信機器と通信を行うための通信チップ4を接続するための通信インターフェース29とを備える。
【0029】
通信チップ4は、後述するネットワークプリントシステムにおける無線LAN通信機器と無線LANによるデータ通信を行う通信手段41と、デジタルカメラ2の固有情報および無線LAN通信機器との通信時に必要な認証情報Nを記憶した認証情報記憶手段42と、選択画像データS1の送信先のURLを記憶した送信先記憶手段43とを備える。
【0030】
撮像手段21は、撮影レンズ、ズーム機構、シャッタ、CCD等を有し、シャッタの駆動により被写体を撮影して被写体の画像を表す画像データS0を得る。
【0031】
制御手段22には、動作プログラム等が記憶されているROMと、プログラム実行時の作業領域となる記憶手段であるRAMにより構成されているメモリ22Aが接続されている。
【0032】
転送確定ボタン27は、撮像時において画像データS0を表示手段26に表示した際に、撮影者であるデジタルカメラ2のユーザが、表示された画像のプリント注文を行いたい場合にユーザにより押下される。これにより、撮影直後にフレームメモリ23に記録された画像データS0は、選択画像データS1としてデータメモリ28に記録される。なお、プリント注文としてはプリント出力のみならず、CD−R等のメディアへの選択画像データS1の記録、後述するネットワークプリントシステムの画像サーバへの保管をも含む。
【0033】
また、転送確定ボタン27を押下すると、入力手段24からの入力により、選択画像データS1に対する注文内容を設定することができる。例えば、選択画像データS1を後述するネットワークプリントシステムの画像サーバに保管したり、プリント出力したり、CD−R等のメディアに記録する旨を設定することができる。なお、注文内容をプリント出力とした場合には、ユーザによる入力手段24からの入力により、プリントサイズ、枚数およびプリント種類(例えばポストカードプリント、アルバムプリント等)が注文内容として設定される。そして、注文内容が設定されると、注文内容を記述した注文情報Cが制御手段22において生成され、これが選択画像データS1とともにデータメモリ28に記憶される。なお、注文内容の設定は表示手段26に表示される注文内容設定画面において行うことができる。また、注文情報Cは選択画像データS1毎に生成してもよいが、1つの注文情報Cのみを生成し、選択画像データS1を選択する毎に、新たな選択画像データS1についての注文内容を1つの注文情報Cに追記してもよい。
【0034】
データメモリ28は、選択画像データS1を記憶する第1記憶領域28Aと、プリント注文を行わないと決定した画像データS0を記憶する第2記憶領域28Bと、プリント注文するかそのままデジタルカメラ2に保管するかユーザが迷っている場合に画像データS0を記憶する一時記憶領域28Cとにメモリ領域が分割されている。
【0035】
そして、転送確定ボタン27が押下されることにより選択された選択画像データS1は第1記憶領域28Aに記憶され、デジタルカメラ2に保管すると決定された画像データS0は第2記憶領域28Cに記憶され、ユーザがプリント注文するか否か迷っている画像データS0は一時記憶領域28Cに記憶される。なお、画像データS0の第2記憶領域28Bまたは一時記憶領域28Cへの記憶は、入力手段24からのユーザによる指示により行われる。
【0036】
通信チップ4の通信手段41は、後述するネットワークプリントシステムにおける無線LAN通信機器と無線LANによるデータ通信を行うためのものであり、その通信速度は8〜11Mbps以上のものが用いられる。通信規格は後述する無線LAN通信機器と同様にIEEE802.11bの規格に準拠している。
【0037】
認証情報記憶手段42には、通信手段41が無線LAN通信機器との通信を行う際に必要な認証情報Nおよびデジタルカメラ2の固有情報が記憶されている。
【0038】
認証情報Nとしては、無線LAN通信機器のMACアドレスに対応するESS−IDが用いられる。また、暗号化のためのWEPが設定されてなる。また、このWEPは無線LAN通信機器と同一のものが用いられる。
【0039】
デジタルカメラ2の固有情報としては、デジタルカメラ2の機種名が用いられる。また、機種名とともに画像データS0を取得した際の撮影条件を固有情報に含めてもよい。このように、デジタルカメラ2の機種名および撮影条件をデジタルカメラ2の固有情報として選択画像データS1とともにネットワークプリントシステムに送信することにより、ネットワークプリントシステムに設置された写真店のミニラボ等において、選択画像データS1を取得したデジタルカメラ2の機種に応じた画像処理を選択画像データS1に対して施したり、撮影条件に応じた画像処理を選択画像データS1に対して施すことができる。
【0040】
送信先記憶手段43には、選択画像データS1の送信先のURLが記憶される。具体的にはネットワークプリントシステムに設置された写真店のURLが記憶される。そして、選択画像データS1の送信時には、送信先記憶手段43に記憶されたURLが参照されて、選択画像データS1が送信先に送信される。
【0041】
なお、複数の送信先のURLを送信先記憶手段43に記憶し、選択画像データS1の送信先をユーザに選択させるようにしてもよい。
【0042】
図3はネットワークプリントシステムの構成を示す概略ブロック図である。図3に示すように、ネットワークプリントシステム1は、デジタルカメラ2において撮像により取得され、プリント注文を行うべく選択された選択画像データS1についてのプリントサービスを提供するものである。
【0043】
図3に示すようにネットワークプリントシステム1は、ブロードバンドタウン1A、ブロードバンドホットスポット1B、およびブロードバンドサテライト1Cを備える。なお、ネットワークプリントシステム1は、複数のブロードバンドホットスポット1B、および複数のブロードバンドサテライト1Cを備えるものであってもよい。
【0044】
ブロードバンドタウン1Aは、選択画像データS1を保管する大容量の画像サーバ11Aと、選択画像データS1に基づいてプリントPを生成したり、選択画像データS1をCD−R等のメディアに記録するミニラボ12Aと、複数の無線LAN通信機器13Aとが有線LANによりネットワーク接続されてなり、写真店14がサービスを提供可能な地域に設置されるものである。
【0045】
なお、画像サーバ11Aおよびミニラボ12Aは、ネットワークプリントシステム1を運営する写真店14に設置されてなるものである。
【0046】
ミニラボ12Aは、後述するようにデジタルカメラ2から送信された注文情報Cに記述された注文内容に基づいて、画像サーバ11Aに保管された選択画像データS1を読み出してプリントPを生成したり、読み出した選択画像データS1をCD−R、DVD−R等のメディアに記録する。このため、ミニラボ12Aには、選択画像データS1に対して画像処理を施す画像処理手段、プリンタ、メディアドライブ等が設置されてなる。
【0047】
無線LAN通信機器13Aは、ネットワークプリントシステム1を運営する写真店14がサービスを提供可能な地域内の各所に設置される。例えば、駅、バス停、役所、銀行、コンビニエンスストア、ファーストフード店、繁華街の中心地等、人が立ち寄ることが多い場所やインターネットカフェ等に設置される。
【0048】
ここで、無線LAN通信機器13Aとしては、例えばBUFFALO製のAirstation WLA−L11Gを用いることができる。この無線LAN通信機器13Aは、有線LANと無線LANとの間の通信が可能であり、IEEE802.11bの規格に準拠しており、無線上で11Mbpsの通信が可能なものである。また、Wi−Fi(the standard for Wireless Fidelity)認定済みであるため、Wi−Fiに対応する種々の製品との通信が可能となっている。また、障害物の少ないオフィスでは50m、障害物の多いオフィスでは25m、屋外では160m(見通し)の範囲での無線LANによる通信が可能となっている。さらに、ローミング機能に対応しているため、デジタルカメラ2のユーザが移動していても通信を行うことができる。さらに、ネットワーク負荷を軽減する多チャンネル(14ch)機能を搭載しており、さらにMACアドレス登録機能、WEPによるセキュリティ機能を有する。
【0049】
MACアドレスは、ネットワーク機器毎の固有の物理アドレスであり、先頭3バイトはベンダーコードであって、IEEEが管理および割り当てを行っている。残り3バイトはユーザコードであり、ネットワーク機器の製造メーカが独自の番号で管理および割り当てを行っている。また、MACアドレスには重複はなく、6バイトのデータにより、ユニークな物理アドレスが割り当てられている。また、MACアドレスは6バイトで表されるため、理論上は170万個までのネットワーク機器をWi−Fi規格により識別可能となっている。
【0050】
有線LANおよび無線LANのインフラは、例えば東京電力が提供する「スピードネット」を用いることができる。この「スピードネット」は、東京電力のファイバー網と電柱に設置された無線アンテナにより、定額にてADSLと略同等のデータ転送速度のサービスを提供するものである。なお、無線アンテナから50〜300mの範囲において無線LANによる通信を行うことが可能である。この場合、無線アンテナを設置する場所に無線LAN通信機器13Aを設置することにより、「スピードネット」のインフラを用いてネットワークプリントシステム1を構築することができる。
【0051】
なお、モバイルインターネットサービス株式会社(MIS)が提供する無線LANによる通信サービスを本実施形態における有線LANおよび無線LANのインフラとして用いるようにしてもよい。
【0052】
なお、無線LAN通信機器13Aの設置場所の近傍、すなわち無線LAN通信機器13Aの通信可能エリア内に、デジタルカメラ2の充電を行うとともに、デジタルカメラ2からデータを読み出して無線LAN通信機器13Aに送信する通信機能を有するクレイドル17を設置してもよい。クレイドル17は、デジタルカメラ2に充電を行うとともに、データメモリ28から選択画像データS1を読み出す端子17Aと、無線LAN通信機器13Aとの通信を行う通信手段17Bとを備える。ここで、通信手段17Bには、認証情報記憶手段および送信先記憶手段が設けられる。なお、クレイドル17はデジタルカメラ2を充電するために100V電源に接続されてなる。
【0053】
このようなクレイドル17を設けることにより、通信チップ4を有さないデジタルカメラ2からも選択画像データS1を無線LAN通信機器13Aに送信できることとなる。とくに、クレイドル17がデジタルカメラ2のユーザの自宅にあり、かつユーザの自宅が無線LAN通信機器13Aの通信可能エリア内にある場合には、必ず行うデジタルカメラ2の充電中に選択画像データS1を無線LAN通信機器13Aに送信することができる。ここで、デジタルカメラ2の充電は必須のものであるため、充電中に選択画像データS1を送信するようにすれば、デジタルカメラ2のユーザは日々必ず行う作業の中で、とくに選択画像データS1を送信するための操作を行わなくても画像データを送信することができる。したがって、選択画像データS1の送信のためのユーザの負担を軽減することができる。
【0054】
ブロードバンドホットスポット1Bは、選択画像データS1を一時的に保管する、画像サーバ11Aよりも容量が小さい画像サーバ11Bと、無線LAN通信機器13Aと同様の機能を有する無線LAN通信機器13Bとが有線LANによりネットワーク接続されてなるものである。また、ブロードバンドホットスポット1Bはブロードバンドタウン1Aと有線LANによりネットワーク接続されている。このブロードバンドホットスポット1Bは、ネットワークプリントシステム1を運営する写真店14がプリントサービスを提供する地域から離れた遠隔地に設置されるものであり、例えば、写真店14が小田原に存在する場合、東京ディズニーランドやユニバーサルスタジオジャパン等の小田原から遠隔地にあるテーマパーク、全国各地の観光地、隣町の繁華街、空港、全国各地の主要駅、ファーストフード店、高速道路のサービスエリア等に設置される。
【0055】
なお、無線LAN通信機器13Bを複数設けてもよく、さらに、ブロードバンドタウン1Aと同様に、無線LAN通信機器13Bの近傍にクレイドル17を設置してもよい。
【0056】
ブロードバンドサテライト1Cは、選択画像データS1を一時的に保管する画像サーバ11Aよりも容量が小さい画像サーバ11Cと、選択画像データS1に基づくプリントPを生成するミニラボ12Cと、無線LAN通信機器13Aと同様の機能を有する無線LAN通信機器13Cとが有線LANによりネットワーク接続されてなるものである。また、ブロードバンドサテライト1Cはブロードバンドタウン1Aと有線LANによりネットワーク接続されている。このブロードバンドサテライト1Cはブロードバンドホットスポット1Bと同様に、ネットワークプリントシステム1を運営する写真店14がサービスを提供する地域から離れた遠隔地に設置されるものである。
【0057】
また、ブロードバンドサテライト1Cはミニラボ12Cを有するため、遠隔地において選択画像データS1を受信して、直ちにプリントPを生成することができる。但し、ミニラボ12Cはブロードバンドタウン1Aの写真店14に設置されるミニラボ12Aと比較して小規模であり、例えばLサイズプリントのみしか生成することができないものである。このため、ミニラボ12Cには転送部15が設けられており、この転送部15により注文情報Cに記述された注文内容がミニラボ12Cにおいて処理可能なものであるか否かが判定される。そして、注文情報Cに記述された注文内容が、ミニラボ12Cにおいて処理可能である場合にのみ、ミニラボ12CにおいてプリントPが生成される。逆に、注文情報Cに記述された注文内容がミニラボ12Cにおいて処理できないものである場合には、ブロードバンドサテライト1Cにおいて受信した注文情報Cおよび選択画像データS1が、転送部15によりブロードバンドタウン1Aの写真店14に送信されて、ここでプリントPの生成が行われる。
【0058】
なお、ブロードバンドサテライト1Cにおいては、無線LAN通信機器13Cを複数設けてもよく、さらに、ブロードバンドタウン1Aと同様に、無線LAN通信機器13Cの近傍にクレイドル17を設置してもよい。
【0059】
そして、無線LAN通信機器13A〜13Cの通信可能エリア内にデジタルカメラ2のユーザが移動し、通信手段41が無線LAN通信機器13A〜13Cと通信可能となると、制御手段22により通信チップ4の認証情報記憶手段42から認証情報Nが読み出されて、通信手段41を介して選択画像データS1を送信先記憶手段43に記憶された送信先である画像サーバ11Aに送信するように、無線LAN通信機器13A〜13Cに送信される。無線LAN通信機器13A〜13Cにおいては、認証情報Nを送信したデジタルカメラ2が、写真店14が運営するネットワークプリントシステム1に登録されたものであるか否かの判定がなされる。そして、この判定が肯定されることにより認証がなされると、制御手段22により、データメモリ28の第1記憶領域28Aに記録された選択画像データS1が注文情報Cさらにはデジタルカメラ2の固有情報とともに、通信手段41を介して無線LAN通信機器13A〜13Cに送信される。
【0060】
次いで、本実施形態の動作について説明する。まず、デジタルカメラ2において撮影時に行われる処理について説明する。図4は、デジタルカメラ2において撮影時に行われる処理を示すフローチャートである。まず、撮像手段21において被写体の撮影が行われて画像データS0が取得されフレームメモリ23に記憶されるとともに(ステップS1)、表示手段26に表示される(ステップS2)。
【0061】
次いで、ユーザにより転送確定ボタン27が押下されたか否かが判定され(ステップS3)、ステップS3が肯定されると、その画像データS0がプリント注文を行う選択画像データS1とされ、ユーザによる入力手段24からのプリント注文の内容に基づいて注文情報Cが生成される(ステップS4)。そして、選択画像データS1が注文情報Cとともにデータメモリ28の第1記憶領域28Aに記憶され(ステップS5)、処理を終了する。
【0062】
ステップS3が否定されると、ユーザにより入力手段24から画像データS0をデジタルカメラ2に保管する旨の入力がなされたか否かが判定される(ステップS6)。ステップS6が肯定されると、ユーザが撮影した画像データS0がデータメモリ28の第2記憶領域28Bに記憶され(ステップS7)、処理を終了する。
【0063】
ステップS6が否定されると、ユーザが画像データS0のプリント注文を行うかデジタルカメラ2に保管するかを迷っているものとして、画像データS0がデータメモリ28の一時記憶領域28Cに記憶され(ステップS8)、処理を終了する。
【0064】
次いで、デジタルカメラ2からの選択画像データS1の送信時において行われる処理について説明する。図5は選択画像データS1の送信時において行われる処理を示すフローチャートである。なお、デジタルカメラ2の選択画像データS1の送信時においては、ブロードバンドタウン1A、ブロードバンドホットスポット1B、およびブロードバンドサテライト1Cのいずれにおいても行われる処理は同一であるため、ここではデジタルカメラ2からブロードバンドタウン1Aに選択画像データS1を送信する場合の処理についてのみ説明する。
【0065】
また、以降の説明においては、デジタルカメラ2においては、無線LAN通信機器13Aと通信を行うために必要な認証情報Nが既に取得されて認証情報記憶手段42に記憶されてなり、撮像により複数の選択画像データS1が取得され、複数の選択画像データS1についての注文情報Cも生成されてデータメモリ28の第1記憶領域28Aに記憶されて、選択画像データS1の転送準備が完了しているものとする。
【0066】
まず、デジタルカメラ2においては、制御手段22により通信チップ4の通信手段41がブロードバンドタウン1Aにおける無線LAN通信機器13Aと通信可能なエリア内にあるか否かが監視されており(ステップS11)、ステップS11が肯定されると、制御手段22により認証情報記憶手段42に記憶された認証情報Nが読み出されて、通信手段41を介して無線LAN通信機器13Aに認証情報Nが送信される(ステップS12)。
【0067】
なお、クレイドル17にデジタルカメラ2をセットして選択画像データS1の送信を行う場合には、デジタルカメラ2のユーザがクレイドル17にデジタルカメラ2をセットすると、通信手段17Bの認証情報記憶手段に記憶された認証情報Nが読み出されて、クレイドル17に対応する無線LAN通信機器13Aに認証情報Nが送信される。
【0068】
認証情報Nは無線LAN通信機器13Aにより受信される(ステップS13)。無線LAN通信機器13Aにおいては、認証情報Nに基づいて認証情報Nを送信したデジタルカメラ2が、写真店14が運営するネットワークプリントシステム1に登録されたものであるか否かの判定、すなわち認証OKであるか否かの判定がなされる(ステップS14)。ステップS14が否定されると、通信が不成立として処理を終了する。一方、認証がなされると、その旨を表す情報がデジタルカメラ2に送信される(ステップS15)。
【0069】
デジタルカメラ2においては情報が受信され(ステップS16)、制御手段22により、注文情報Cおよび選択画像データS1がデータメモリ28の第1記憶領域28Aから読み出され、さらに送信先記憶手段43に記憶された送信先のURLへ選択画像データS1を送信するよう、選択画像データS1および注文情報Cが無線LAN通信機器13Aに送信される(ステップS17)。なお、選択画像データS1は例えば撮影日時が古いものから順に無線LAN通信機器13Aに送信される。
【0070】
無線LAN通信機器13Aにおいては、注文情報Cおよび選択画像データS1が受信され(ステップS18)、さらに送信先のURLに基づいて画像サーバ11Aに送信されここで注文情報Cおよび選択画像データS1が保管される(ステップS19)。
【0071】
その一方で、デジタルカメラ2においては、データメモリ28の第1記憶領域28Aに記録された全ての選択画像データS1の送信が完了したか否かが判定され(ステップS20)、ステップS20が肯定されると処理を終了する。なお、送信された選択画像データS1は送信された順に第1記憶領域28Aから削除される。ステップS20が否定されると、デジタルカメラ2のユーザが移動している可能性を考慮して、通信手段41が無線LAN通信機器13Aの通信可能エリア内にあるか否かが判定される(ステップS21)。ステップS21が肯定されるとステップS17に戻り、さらに選択画像データS1の送信が続けられる。ステップS21が否定されると、未送信の選択画像データS1が第1記憶領域28Aに残っている旨を表す未送信情報が生成され、これがデータメモリ28の第1記憶領域28Aに記録され(ステップS22)、ステップS11に戻る。なお、未送信情報を生成する際には、ビープ音等の音声により未送信の選択画像データS1が第1記憶領域28Aに残っている旨をユーザに知らせるようにしてもよい。
【0072】
ここで、デジタルカメラ2のユーザは、データメモリ28の第1記憶領域28Aに未送信情報が記録されているか否かを確認し、未送信情報が記録されている場合には、全ての選択画像データS1が送信されていないことを知ることができる。この場合、デジタルカメラ2のユーザは、無線LAN通信機器13Aと通信可能なエリアに移動して、未送信の選択画像データS1の送信を行えばよい。
【0073】
一方、無線LAN通信機器13Aにおいては、第1記憶領域28Aに記憶された全ての選択画像データS1が受信されたか否かが判定され(ステップS23)、ステップS23が肯定されると、選択画像データS1の受信が完了した旨の電子メールがデジタルカメラ2に送信され(ステップS24)、処理を終了する。なお、ステップS23が否定された場合にはステップS18に戻り、選択画像データS1の受信が引き続き行われる。
【0074】
デジタルカメラ2のユーザは、この電子メールにより、選択画像データS1のブロードバンドタウン1A経由での画像サーバ11Aへの送信が確実に行われたことを知ることができる。
【0075】
次いで、ネットワークプリントシステム1において選択画像データS1の受信後に行われる処理について説明する。図6は、ブロードバンドタウン1Aにおいて選択画像データS1の受信後に行われる処理を示すフローチャートである。なお、本実施形態においてはデジタルカメラ2のユーザが選択画像データS1のプリント出力を注文内容として注文情報Cに記述したものとする。なお、ブロードバンドホットスポット1Bに選択画像データS1を送信した場合には、ブロードバンドホットスポット1Bの画像サーバ11Bに選択画像データS1が一時的に保管された後、送信先のURLに基づいてブロードバンドタウン1Aの画像サーバ11Aに選択画像データS1が送信される。
【0076】
画像サーバ11Aはミニラボ12Aにより定期的にアクセスされ、ミニラボ12Aにより新たな選択画像データS1が画像サーバ11Aに保管されたか否かが判定される(ステップS31)。新たな選択画像データS1が保管されている場合にはステップS31が肯定され、その新たな選択画像データS1とともに送信された注文情報Cがミニラボ12Aに読み出される(ステップS32)。
【0077】
そして注文情報Cに記述された注文内容に基づいて、画像サーバ11Aから選択画像データS1が読み出され、必要な画像処理が施された後プリント出力される(ステップS33)。具体的には、注文内容に示されたサイズ、枚数、プリント種類に応じて選択画像データS1のプリント出力が行われる。そしてプリント出力が完了すると、写真店14における受け付け番号とともに、プリントが完了した旨を表す電子メールがデジタルカメラ2のユーザに送信され(ステップS34)、処理を終了する。
【0078】
デジタルカメラ2のユーザは、電子メールにより、送信した選択画像データS1についてのプリントが完了した旨を知り、写真店14にプリントPを取りに出かけることができる。この際、電子メールとともに送信された受け付け番号によりユーザの認証が行われて、プリントPがユーザに渡される。なお、デジタルカメラ2のユーザと写真店14との契約により、プリントPをユーザに配送することになっている場合には、予め登録された配送先(例えばユーザの住所)にプリントPが配送される。
【0079】
なお、プリント料金の決済は、ユーザと写真店14との間で行ってもよいが、デジタルカメラ2のユーザは無線LANによる通信を行うための通信料金をプロバイダに支払っている。したがって、ユーザとプロバイダとの間で写真店14への決済を行うようにしてもよい。この場合、プロバイダは独自の割引サービスをユーザに提供しているが、写真店14への利用状況にも応じてさらに通信料金を割り引く等の写真店14を介したさらなる割引サービスをユーザに提供することも可能となる。
【0080】
図7は、ブロードバンドサテライト1Cにおいて選択画像データS1の受信後に行われる処理を示すフローチャートである。なお、ここでもデジタルカメラ2のユーザが選択画像データS1のプリント出力を注文内容として注文情報Cに記述したものとする。
【0081】
デジタルカメラ2のユーザが、ブロードバンドサテライト1Cに選択画像データS1を送信する場合とは、ユーザがブロードバンドサテライト1Cが設置された出先にいる場合である。このため、ユーザは出先に出かける際に、送信先記憶手段43に、ブロードバンドサテライト1Cの画像サーバ11CのURLを記憶しておき、選択画像データS1の送信先としてブロードバンドサテライト1Cの画像サーバ11Cを選択することにより、選択画像データS1がブロードバンドサテライト1Cの画像サーバ11Cに送信され、ここで保管されることとなる。なお、送信先の選択は、表示手段26に送信先を表示し、入力手段24により送信先を選択することにより行われる。
【0082】
画像サーバ11Cはミニラボ12Cにより定期的にアクセスされ、ミニラボ12Cにより新たな選択画像データS1が画像サーバ11Cに保管されたか否かが判定される(ステップS41)。新たな選択画像データS1が保管されている場合にはステップS41が肯定され、その新たな選択画像データS1とともに送信された注文情報Cがミニラボ12Cに読み出される(ステップS42)。
【0083】
そして、転送部15により注文情報Cに記述された注文内容がミニラボ12Cにおいて処理可能なものであるか否かが判定され(ステップS43)、ステップS43が肯定されると、画像サーバ11Cから選択画像データS1が読み出され、必要な画像処理が施された後、注文情報Cに記述された注文内容に基づいて選択画像データS1がプリント出力される(ステップS44)。具体的には、注文内容に示されたサイズ、枚数、プリント種類に応じて選択画像データS1のプリント出力が行われる。そしてプリント出力が完了すると、ブロードバンドサテライト1Cにおける受け付け番号とともに、プリントが完了した旨を表す電子メールがデジタルカメラ2のユーザに送信され(ステップS45)、処理を終了する。
【0084】
デジタルカメラ2のユーザは、電子メールにより、送信した選択画像データS1についてのプリントが完了した旨を知り、ブロードバンドサテライト1CにプリントPを取りに出かけることができる。この際、電子メールとともに送信された受け付け番号によりユーザの認証が行われて、プリントPがユーザに渡される。なお、デジタルカメラ2のユーザと写真店14との契約により、プリントPをユーザに配送することになっている場合には、予め登録された配送先(例えばユーザの住所)にプリントPが配送される。
【0085】
ここで、ブロードバンドサテライト1Cは、テーマパーク等のデジタルカメラ2のユーザの出先に設置されているため、ユーザは撮像により取得した選択画像データS1のプリントPを、出先において直ちに受け取ることができることとなる。
【0086】
一方、ステップS43が否定された場合には、注文内容がミニラボ12Cにおいて処理できないことから、転送部15において、注文情報Cおよび選択画像データS1が写真店14の画像サーバ11Aに送信される(ステップS46)。そして、デジタルカメラ2のユーザが送信した選択画像データS1のプリントが写真店14で行われることになった旨を表す電子メールがユーザに送信され(ステップS47)、処理を終了する。
【0087】
電子メールを受け取ったユーザは、送信した選択画像データS1が写真店14で行われることになった旨を知ることができる。
【0088】
このように、本実施形態によれば、デジタルカメラ2においてユーザがプリント注文を行うと選択した画像データS0は選択画像データS1としてデータメモリ28の第1記憶領域28Aに記憶されるため、ユーザは撮影後にプリント注文したいと思った画像データS0を簡易に選択することができ、後から画像を確認した場合にどの画像データS0をプリント注文すべきかを容易に認識することができる。
【0089】
また、通信手段41が無線LAN通信機器13A〜13Cとデータ通信を行って認証がなされると、選択画像データS1を無線LAN通信機器13A〜13C経由で送信先記憶手段43に記憶された画像サーバ11AのURLに選択画像データS1を送信するようにしたため、デジタルカメラ2のユーザがプリント生成物を生成しようと思った選択画像データS1は、ユーザがデジタルカメラ2を携帯して無線LAN通信機器13A〜13Cの通信可能エリアに移動するのみで、画像サーバ11Aに送信される。このため、記録に残しておきたいシーンや感動したシーンを撮影した後に、転送確定ボタン27により選択画像データS1を選択しておけば、ユーザは無線LAN通信機器13A〜13Cの通信可能エリアへ移動するのみで、選択画像データS1は画像サーバ11Aに送信され、選択画像データS1に基づいてプリントPが得られることとなる。したがって、デジタルカメラ2のユーザは複数の画像からプリント注文を行う画像を選択する等の煩わしい操作を行うことなく、撮影時の感動をプリントPとして残すことができる。
【0090】
一方、通信手段41、認証情報記憶手段42、および送信先記憶手段43を取り外し自在な通信チップ4に設けることにより、この通信チップ4を通信インターフェース29に接続するのみで、無線LAN通信機器13A〜13Cと通信を行って、選択画像データS1の送信を行うことができる。また、複数のデジタルカメラを使い回すことも容易となる。
【0091】
なお、通信手段41のみを通信チップ4に設け、認証情報記憶手段42および送信先記憶手段43をデジタルカメラ2に設けてもよい。
【0092】
また、無線LAN通信機器13Aの近傍にクレイドル17を設置し、クレイドル17においてデジタルカメラ2の充電および選択画像データS1の送信を行うことにより、デジタルカメラ2が無線LAN通信機器13Aと通信を行うための通信チップ4を有さなくても、撮像により取得した選択画像データS1をネットワークプリントシステム1に送信することができる。
【0093】
とくに、充電機能を有するクレイドル17から選択画像データS1の送信を行うことにより、デジタルカメラ2を使用している限り必ず行われるデジタルカメラ2の充電中に選択画像データS1の送信を行うことができる。
【0094】
次いで、本発明の第2の実施形態について説明する。図8は本発明の第2の実施形態による撮像装置を適用したデジタルカメラの構成を示す概略ブロック図である。なお、第2の実施形態において第1の実施形態と同一の構成については同一の参照番号を付し、詳細な説明は省略する。上記第1の実施形態においては、通信インターフェース29に通信チップ4を接続して選択画像データS1の送信を行っているが、第2の実施形態においては、通信チップ4に設けられた通信手段41、認証情報記憶手段42および送信先記憶手段43にそれぞれ対応する通信手段51、認証情報記憶手段52および送信先記憶手段53をデジタルカメラ2に設けた点が第1の実施形態と異なるものである。
【0095】
このように、通信手段51、認証情報記憶手段52および送信先記憶手段53をデジタルカメラ2に設けることによっても、上記第1の実施形態と同様に、データメモリ28の第1記憶領域28Aに記憶された選択画像データS1を、無線LAN通信機器13A〜13C経由で画像サーバ11Aに送信することができる。
【0096】
次いで、本発明の第3の実施形態について説明する。図9は本発明の第3の実施形態による撮像装置を適用したデジタルカメラの構成を示す概略ブロック図である。なお、第3の実施形態において第2の実施形態と同一の構成については同一の参照番号を付し、詳細な説明は省略する。上記第2の実施形態においては、データメモリ28の第2記憶領域28Bに記憶されたプリント注文を行わないと決定された画像データS0を、デジタルカメラ2に対して着脱可能なメモリカード等の記録媒体32に記録するようにした点が第2の実施形態と異なる。このため、第3の実施形態においては、画像データS0を着脱可能な記録媒体32に記録したり読み出したりするためにデータを変換する記録媒体インターフェース31を備えてなる。
【0097】
次いで、第3の実施形態において行われる処理について説明する。図10は第3の実施形態によるデジタルカメラ2において撮影時に行われる処理を示すフローチャートである。まず、撮像手段21において被写体の撮影が行われて画像データS0が取得されフレームメモリ23に記憶されるとともに(ステップS51)、表示手段26に表示される(ステップS52)。
【0098】
次いで、ユーザにより転送確定ボタン27が押下されたか否かが判定され(ステップS53)、ステップS53が肯定されると、その画像データS0がプリント注文を行う選択画像データS1とされ、ユーザによる入力手段24からのプリント注文の内容に基づいて注文情報Cが生成される(ステップS54)。そして、選択画像データS1が注文情報Cとともにデータメモリ28の第1記憶領域28Aに記憶され(ステップS55)、処理を終了する。
【0099】
ステップS53が否定されると、ユーザにより入力手段24から画像データS0をデジタルカメラ2に保管する旨の入力がなされたか否かが判定される(ステップS56)。ステップS56が肯定されると、ユーザが撮影した画像データS0がデータメモリ28の第2記憶領域28Bに記憶される(ステップS57)。そして、所定時間経過後に。第2記憶領域28Bに記憶された画像データS0が、記録媒体インターフェース31を介して記録媒体32に記録され(ステップS58)、処理を終了する。
【0100】
ステップS56が否定されると、ユーザが画像データS0のプリント注文を行うかデジタルカメラ2に保管するかを迷っているものとして、画像データS0がデータメモリ28の一時記憶領域28Cに記憶され(ステップS59)、処理を終了する。
【0101】
この後、第1の実施形態と同様に、デジタルカメラ2のユーザが無線LAN通信機器13A〜13Cの通信可能エリア内に移動すると、データメモリ28の第1記憶領域28Aに記憶された選択画像データS1が無線LAN通信機器13A〜13Cを介して送信先である画像サーバ11Aに送信される。
【0102】
なお、上記第3の実施形態においては、上記第2の実施形態において、第2記憶領域28Bに記憶された画像データS0を記録媒体32に記録しているが、第1の実施形態によるデジタルカメラ2に、第3の実施形態と同様に記録媒体インターフェース31を設け、第2記憶領域28Bに記憶された画像データS0を記録媒体32に記録してもよい。
【0103】
次いで、本発明の第4の実施形態について説明する。図11は本発明の第4の実施形態による撮像装置を適用したデジタルカメラの構成を示す概略ブロック図である。なお、第4の実施形態において第3の実施形態と同一の構成については同一の参照番号を付し、詳細な説明は省略する。第4の実施形態によるデジタルカメラ2は、通信手段51と同様の機能を有する通信手段61を記録媒体32に設けた点が第3の実施形態と異なる。
【0104】
第4の実施形態においては、ネットワークプリントシステム1を運営する写真店14において、無線LAN通信機器13A〜13Cとのみ通信可能な通信手段61を記録媒体32に取り付け、通信手段33を取り付けた記録媒体32を写真店14がデジタルカメラ2のユーザに提供するようにすれば、ユーザがプリント注文を行うべく選択した選択画像データS1は、その写真店14が運営するネットワークプリントシステム1にのみ送信されることとなる。このため、写真店14は容易にユーザを取り込むことができ、その結果、売り上げを向上させることができる。
【0105】
なお、上記第4の実施形態において、認証情報記憶手段52および送信先記憶手段53をデジタルカメラ2に設けているが、記録媒体32に設けてもよく、通信手段61に設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による撮像装置を適用したデジタルカメラの構成を示す概略ブロック図
【図2】第1の実施形態によるデジタルカメラの背面側斜視図
【図3】ネットワークプリントシステムの構成を示す概略ブロック図
【図4】第1の実施形態によるデジタルカメラの撮影時に行われる処理を示すフローチャート
【図5】選択画像データの送信時において行われる処理を示すフローチャート
【図6】ブロードバンドタウンにおいて選択画像データの受信後に行われる処理を示すフローチャート
【図7】ブロードバンドサテライトにおいて選択画像データの受信後に行われる処理を示すフローチャート
【図8】本発明の第2の実施形態による撮像装置を適用したデジタルカメラの構成を示す概略ブロック図
【図9】本発明の第3の実施形態による撮像装置を適用したデジタルカメラの構成を示す概略ブロック図
【図10】第3の実施形態によるデジタルカメラの撮影時に行われる処理を示すフローチャート
【図11】本発明の第4の実施形態による撮像装置を適用したデジタルカメラの構成を示す概略ブロック図
【符号の説明】
1  ネットワークプリントシステム
1A  ブロードバンドタウン
1B  ブロードバンドホットスポット
1C  ブロードバンドサテライト
2  デジタルカメラ
4  通信チップ
11A〜11C  画像サーバ
12A,12C  ミニラボ
13A〜13C  無線LAN通信機器
14  写真店
15  転送部
21  撮像手段
22  制御手段
22A  メモリ
23  フレームメモリ
24  入力手段
25  圧縮解凍手段
26  表示手段
27  転送確定ボタン
28  データメモリ
29  通信インターフェース
31  記録媒体インターフェース
32  記録媒体
41,51,61  通信手段
42,52  認証情報記憶手段
43,53  送信先記憶手段

Claims (5)

  1. 撮像により画像データを取得する撮像手段と、
    前記撮像手段により取得された前記画像データのうち、プリント生成物を生成する送信先に送信する画像データを選択する画像選択手段と、
    前記撮像手段により取得された前記画像データおよび前記画像選択手段により選択された選択画像データを記憶する画像記憶手段とを備えたことを特徴とする撮像装置。
  2. 無線LAN通信機器と無線LANによるデータ通信を行う通信手段と、
    前記送信先を記憶する送信先記憶手段と、
    前記無線LAN通信機器と前記無線LANによるデータ通信を行う際に必要な認証情報を記憶する認証情報記憶手段と、
    前記通信手段が前記無線LAN通信機器の通信可能範囲内にあるか否かを判定し、該判定が肯定された場合にのみ、前記無線LAN通信機器とデータ通信を行って前記認証情報記憶手段に記憶された前記認証情報を前記無線LAN通信機器に送信し、該無線LAN通信機器において前記認証情報による認証がなされると、前記選択画像データを、前記無線LAN通信機器経由で前記送信先に送信するよう、前記通信手段を制御する制御手段とをさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
  3. 少なくとも前記通信手段が取り外し自在な専用チップに設けられてなることを特徴とする請求項2記載の撮像装置。
  4. 請求項1記載の撮像装置に接続され、前記画像記憶手段から前記選択画像データを読み出して前記送信先に送信するデータ通信装置であって、
    無線LAN通信機器と無線LANによるデータ通信を行う通信手段と、
    前記送信先を記憶する送信先記憶手段と、
    前記無線LAN通信機器と前記無線LANによるデータ通信を行う際に必要な認証情報を記憶する認証情報記憶手段と、
    前記無線LAN通信機器とデータ通信を行って前記認証情報記憶手段に記憶された前記認証情報を前記無線LAN通信機器に送信し、該無線LAN通信機器において前記認証情報による認証がなされると、前記選択画像データを前記無線LAN通信機器経由で前記送信先に送信するよう、前記通信手段を制御する制御手段とを備えたことを特徴とするデータ通信装置。
  5. 前記撮像装置に充電を行う充電手段をさらに備えたことを特徴とする請求項4記載のデータ通信装置。
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