JP2004064329A - デジタル信号の伝送方法、デジタル信号の伝送方式、外部ユニットおよびオーディオシステム - Google Patents

デジタル信号の伝送方法、デジタル信号の伝送方式、外部ユニットおよびオーディオシステム Download PDF

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Abstract

【課題】自動車に配設される可聴音波形用信号線などの信号線を用いて、外部ユニット4からヘッドユニットへデジタル信号を伝送すること。アナログ入力式のヘッドユニットおよびデジタル入力式のヘッドユニットのどちらに対しても信号を出力すること。
【解決手段】外部ユニット4は、デジタル信号を抵抗55(57),54で分圧した後、接続部材32,33に接続されている2つの信号線へ平衡型で出力する。ヘッドユニットは、接続部材33に接続されている残りの1本の信号線を基準として、2つの信号線の電圧を検出し、その電圧差を増幅する。また、ローパスフィルタ40の抵抗素子であって信号線の終端抵抗素子である並列抵抗素子54に、分圧されたデジタル信号を印加する。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル信号の伝送方法、デジタル信号の伝送方式、外部ユニットおよびオーディオシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図8は、自動車内に配設される従来のオーディオシステムを示すシステム構成図である。
【0003】
従来のオーディオシステムでは、チェンジャユニット121においてコンパクトディスクなどの波形データをアナログの波形信号に変換する。波形信号は、外部ユニット接続ケーブル122の信号線を介してヘッドユニット123まで伝送され、さらにスピーカケーブル124を介してスピーカ125まで伝送される。スピーカ125は、この波形信号のエンベロープに従って振動板を振動させて、音声や音楽などの可聴音を出力する。
【0004】
以下、このスピーカ125から可聴音を出力することができるアナログの波形信号を可聴音波形信号と記載する。また、スピーカケーブル124などのその可聴音波形信号を伝送するための信号線を可聴音波形用信号線と記載する。
【0005】
そして、このような従来のオーディオシステムでは、可聴音波形信号が、チェンジャユニット121からスピーカ125まで伝送される。そのため、チェンジャユニット121から出力される信号の当初の波形と比べて、スピーカ125に入力される信号の波形は、なまっていたり、減衰していたりしている。このように、スピーカ125に供給される可聴音波形信号の波形は、チェンジャユニット121から出力される可聴音波形信号の波形とは異なる波形となる。したがって、従来のオーディオシステムにおいては、コンパクトディスクが本来持っている音質を再現することは難しい。
【0006】
そこで、従来の一部のオーディオシステムでは、チェンジャユニット121からデジタルの波形データあるいはそれを変調したデジタル変調信号を出力し、光ケーブルあるいは同軸ケーブルを介してヘッドユニット123に伝え、ヘッドユニット123において、可聴音波形信号を生成することが実施されている。このように、従来の一部のオーディオシステムでは、チェンジャユニット121からヘッドユニット123までの間がデジタル化されて、可聴音波形信号が伝送される距離が短くなり、音質が改善される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この従来の一部のオーディオシステムを使用することで、チェンジャユニット121からヘッドユニット123へ、波形データなどのデジタルデータあるいはそれを変調したデジタル変調信号などを伝送させる場合、当然のことながら、チェンジャユニット121とヘッドユニット123との両方を、デジタル用のものに一度に交換したり、アナログとデジタルの両方の入力が可能なものを用意したりする必要がある。
【0008】
しかも、工場の生産ラインにおいて自動車に配設される外部ユニット接続ケーブル122は、このようなデジタル変調信号などを伝送することができない。したがって、外部ユニット接続ケーブル122とは別に、新たに同軸ケーブルや光ケーブルなどのケーブルを車内に引き回し、この新たなケーブルを用いてチェンジャユニット121とヘッドユニット123とを接続する必要がある。
【0009】
その結果、従来のオーディオシステムにおいて、音質を改善するためにチェンジャユニット121からヘッドユニット123までの信号伝送をデジタル化しようとした場合、デジタル用またはアナログとデジタル兼用のチェンジャユニット121やヘッドユニット123などに加えて高価な光ケーブルなどを購入する必要がある。しかも、新たなケーブルを引き回すための工賃などを支払わなければならない。
【0010】
本発明は、以上のような課題を解決し、自動車内等に配設されるアナログ用の可聴音波形用信号線などの信号線を用いても、波形データなどのデジタルデータやデジタル変調信号などのデジタル信号を伝送することができるデジタル信号の伝送方法、デジタル信号の伝送方式およびオーディオシステムを得ることを目的とする。
【0011】
本願の他の発明は、アナログ入力式のヘッドユニットおよびデジタル入力式のヘッドユニットのどちらに対しても信号を出力することができる外部ユニットおよびオーディオシステムを得ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るデジタル信号の伝送方法は、デジタル信号を伝送するデジタル信号の伝送方法であって、少なくとも3本の信号線を用い、デジタル信号の送信側では、デジタル信号およびデジタル信号とは逆相のデジタル信号を抵抗分圧して、少なくとも3本の信号線の中から選択された2本の信号線へ出力し、デジタル信号の受信側では、少なくとも3本の信号線の中の残りの信号線を基準として選択された2本の信号線の電圧を検出して、それら選択された2本の信号線の電圧の電圧差を増幅するものである。
【0013】
本発明に係るデジタル信号の伝送方式は、デジタル信号を伝送するデジタル信号の伝送方式であって、少なくとも3本の信号線を使用し、少なくとも3本の信号線の中から選択された2本の信号線の両端において、残りの信号線との間に終端抵抗素子を接続し、選択された2本の信号線の一端側から、残りの信号線を基準として、終端抵抗素子と分圧抵抗素子とで抵抗分圧した上記デジタル信号を平衡型で入力し、信号線の他端側では、残りの信号線を基準として、2本の信号線の電圧を検出するとともに、それら2本の信号線の電圧差を同相ノイズ除去アンプで増幅するものである。
【0014】
本発明に係るオーディオシステムは、デジタル信号を出力する外部ユニットと、デジタル信号を可聴音波形信号へ変換するデジタル入力機能を有するヘッドユニットと、可聴音波形信号のエンベロープに従って可聴音を出力するスピーカと、を備えるオーディオシステムであって、外部ユニットとヘッドユニットとを少なくとも3本の信号線で接続し、少なくとも3本の信号線の中から選択された2本の信号線の両端において、残りの信号線との間に終端抵抗素子を接続し、外部ユニットは、残りの信号線を基準として、終端抵抗素子と分圧抵抗素子とで抵抗分圧したデジタル信号を、選択された2本の信号線へ平衡型で出力し、デジタル入力機能を有するヘッドユニットは、残りの信号線を基準として、2本の信号線の電圧を検出するとともに、それら2本の信号線の電圧差を同相ノイズ除去アンプで増幅し、その増幅された信号に基づいて可聴音波形信号を生成するものである。
【0015】
本発明に係るオーディオシステムは、さらに、終端抵抗素子は、100Ωよりも小さい抵抗値であるとともに、外部ユニットが2本の信号線へ出力するデジタル信号の振幅は、0.1V以下であるものである。
【0016】
本願の他の発明に係る外部ユニットは、Lチャンネル用の接続部材と、Rチャンネル用の接続部材と、グランドに接続されるグランド用の接続部材と、Lチャンネル用の波形データおよびRチャンネル用の波形データを出力する音源と、Lチャンネル用の波形データをLチャンネル用の可聴音波形信号へ変換してLチャンネル用の接続部材へ出力するとともに、Rチャンネル用の波形データをRチャンネル用の可聴音波形信号へ変換してRチャンネル用の接続部材へ出力する変換手段と、Lチャンネル用の接続部材と変換手段との間およびRチャンネル用の接続部材と変換手段との間に設けられる2つのローパスフィルタと、を備える外部ユニットであって、各ローパスフィルタは、Lチャンネル用の接続部材と変換手段との間にあるいはRチャンネル用の接続部材と変換手段との間に並列に接続されるコンデンサ、変換手段とコンデンサとの間に直列に接続される直列抵抗素子、並びに、コンデンサとグランドとの間に接続される並列抵抗素子と、を備え、Lチャンネル用の波形データおよびRチャンネル用の波形データを変調したデジタル変調信号および、このデジタル変調信号と位相が180度ずれた逆相のデジタル変調信号を生成する変調手段と、変換手段および変調手段の動作を制御する制御手段と、を設け、デジタル変調信号を一方のコンデンサと並列抵抗素子との間に供給し、逆相のデジタル変調信号を他方のコンデンサと並列抵抗素子との間に供給するものである。
【0017】
本願の他の発明に係る外部ユニットは、さらに、コンデンサと並列抵抗素子との間と、変調手段との間に、分圧抵抗素子を設けるものである。
【0018】
好ましくは、並列抵抗素子は、100Ωよりも小さい抵抗値であるとともに、分圧抵抗素子は、デジタル変調信号あるいは逆相のデジタル変調信号によって並列抵抗素子に発生する電圧が0.1V以下となるような抵抗値であるものである。
【0019】
本願の他の発明に係る外部ユニットは、さらに、制御手段は、変換手段および変調手段を択一的に動作させるものである。
【0020】
好ましくは、Lチャンネル用の接続部材およびRチャンネル用の接続部材に、ミュート回路を接続し、制御手段は、変調手段を動作させている期間は、ミュート回路を動作させない状態に維持するものである。
【0021】
本願の他の発明に係る外部ユニットは、さらに、制御手段は、変換手段および変調手段を共に動作させるものである。
【0022】
本願の他の発明に係るオーディオシステムは、少なくとも2つのスピーカと、各スピーカへ可聴音波形信号を出力するとともに、デジタル入力機能を有するヘッドユニットと、上述するいずれか1つの外部ユニットと、デジタル入力機能を有するヘッドユニットと外部ユニットとを接続する少なくとも3本の可聴音波形用信号線と、を備え、ヘッドユニットは、少なくとも3本の可聴音波形用信号線から入力されるデジタル変調信号と逆相のデジタル変調信号との電圧差を増幅することでデジタル変調信号を再生し、この再生したデジタル信号に基づいてLチャンネル用の可聴音波形信号およびRチャンネル用の可聴音波形信号を生成するものである。
【0023】
本願の他の発明に係るオーディオシステムは、少なくとも2つのスピーカと、各スピーカへ可聴音波形信号を出力するとともに、アナログ入力機能を有するヘッドユニットと、上述するいずれか1つの外部ユニットと、デジタル入力機能を有するヘッドユニットと外部ユニットとを接続する少なくとも3本の可聴音波形用信号線と、を備え、外部ユニットは可聴音波形信号を出力し、ヘッドユニットは、可聴音波形信号を各スピーカへ出力するものである。
【0024】
本願の他の発明に係るオーディオシステムは、少なくとも2つのスピーカと、各スピーカへ可聴音波形信号を出力するとともに、アナログ入力機能を有するヘッドユニットと、請求項5から10の中のいずれか1項記載の外部ユニットと、ヘッドユニットに接続される変換アダプタと、変換アダプタと外部ユニットとを接続する少なくとも3本の可聴音波形用信号線と、を備え、変換アダプタは、少なくとも3本の可聴音波形用信号線から入力されるデジタル変調信号と逆相のデジタル変調信号との電圧差を増幅することでデジタル変調信号を再生し、この再生したデジタル信号に基づいてLチャンネル用の可聴音波形信号およびRチャンネル用の可聴音波形信号を生成してヘッドユニットへ出力するものである。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係るデジタル信号の伝送方法、デジタル信号の伝送方式、外部ユニットおよびオーディオシステムを、図面に基づいて説明する。なお、デジタル信号の伝送方法およびデジタル信号の伝送方式は、オーディオシステムの構成および動作の一部として説明する。
【0026】
実施の形態1.
【0027】
図1は、本発明の実施の形態1に係るオーディオシステムのユニット構成およびユニット配置を示すシステム構成図である。このオーディオシステムは、自動車用の所謂カーオーディオシステムであり、自動車1に配設されるものである。
【0028】
オーディオシステムは、自動車1のダッシュボードに配置されるヘッドユニット2と、自動車1のドアや後部座席裏に配設される複数個のスピーカ3と、トランクルーム内などに配設される外部ユニットとなるチェンジャユニット4と、を備える。
【0029】
チェンジャユニット4とヘッドユニット2とは、外部ユニット接続ケーブル5で接続されている。チェンジャユニット4が自動車1のトランク内に配設される場合、この外部ユニット接続ケーブル5の全長は、3m以上、8m以下になる。ヘッドユニット2と各スピーカ3とは、スピーカケーブル6で接続されている。これら外部ユニット接続ケーブル5やスピーカケーブル6は、工場の生産ラインにおいて内装などが施されていない状態において、自動車1のフレーム内や内装の裏側などに配設される。
【0030】
スピーカケーブル6は、一対の信号線が絶縁材で被覆されたものである。このスピーカケーブル6は、ヘッドユニット2から出力されたアナログの可聴音波形信号を、スピーカ3まで伝送するものである。スピーカ3は、この可聴音波形信号のエンベロープに従って振動板を振動させ、音声や音楽などの可聴音を出力する。人が聞くことができる音の周波数は、20〜200kHzである。
【0031】
このように数百kHz以下の低周波の可聴音波形信号を伝送するスピーカケーブル6の信号線は、一般的に、その太さのみが規定される。実際には、1mmから4mmの太さの信号線が多用されている。また、信号線の特性インピーダンスはほとんど問題とならない。そのため、一対の信号線は、単に、互いに平行となるように絶縁材で被覆されている。以下、可聴音波形信号を伝送する信号線を、上述したように、可聴音波形用信号線と記載する。
【0032】
図2は、図1中の外部ユニット接続ケーブル5の断面図である。
【0033】
外部ユニット接続ケーブル5は、絶縁材で被覆されている電源線11、絶縁材で被覆されている電源グランド線12、絶縁材で被覆されている複数本の制御信号線13、アナログ音声信号伝送ケーブル14などで構成されている。
【0034】
また、これらのケーブル14および配線11,12,13は、アルミニウムなどの導電性のシールド箔15で被覆され、さらにそのシールド箔15は絶縁材16で被覆されている。シールド箔15は、剥き出しのシールド用グランド線17と接触している。このように、シールド用グランド線17と接続されたシールド箔15で被覆することで、制御信号線13やアナログ音声信号伝送ケーブル14などと、自動車1の金属フレーム(グランド電位)との電気的な結合や干渉を防止することができる。また、制御信号線13やアナログ音声信号伝送ケーブル14などからの不要輻射を抑制することができる。
【0035】
アナログ音声信号伝送ケーブル14は、絶縁材で被覆されているLチャンネル用の可聴音波形用信号線18、絶縁材で被覆されているRチャンネル用の可聴音波形用信号線19、および、絶縁材で被覆されているグランド用の可聴音波形用信号線20と、これらをまとめて被覆する絶縁材21と、からなる。Lチャンネル用の可聴音波形用信号線18、Rチャンネル用の可聴音波形用信号線19およびグランド用の可聴音波形用信号線20は、互いに平行となるように、絶縁材21で被覆されている。
【0036】
なお、これら3本の可聴音波形用信号線18,19,20は、スピーカケーブル6と同様に、その太さのみが規定され、AWG28程度の太さの信号線が用いられる。
【0037】
図3は、図1中のチェンジャユニット4を示す回路図である。
【0038】
チェンジャユニット4は、外部ユニット接続ケーブル5の各制御信号線13が接続される複数個の制御信号用の接続部材31と、Lチャンネル用の可聴音波形用信号線18が接続されるLチャンネル用の接続部材32と、Rチャンネル用の可聴音波形用信号線19が接続されるRチャンネル用の接続部材33と、グランド用の可聴音波形用信号線20が接続されるグランド用の接続部材34と、を備える。グランド用の接続部材34は、チェンジャユニット4のグランド35に接続される。また、チェンジャユニット4には、他にも、電源線11あるいは電源グランド線12などが接続される図示外の接続部材がある。チェンジャユニット4は、この電源線11から供給される電力で動作する。
【0039】
チェンジャユニット4は、複数個の制御信号用の接続部材31およびディップスイッチ36が接続される制御手段としてのチェンジャコントローラ37と、複数枚のコンパクトディスク(CD:Compact Disk)が挿入される音源としてのCDチェンジャ本体38と、を備える。
【0040】
CDチェンジャ本体38は、選択されたコンパクトディスクの音楽ファイルを読出し、この音楽ファイルに記述されているデジタルの波形データを読み出して出力するものである。コンパクトディスクのファイルに基づいて出力される波形データには、Lチャンネル用のデジタルの波形データと、Rチャンネル用のデジタルの波形データとがある。
【0041】
Lチャンネル用のデジタルの波形データは、変換手段の一部であるLチャンネル用のDAC(Digital to Analog Converter)39で可聴音波形信号に変換される。Lチャンネル用の可聴音波形信号は、Lチャンネル用のローパスフィルタ40で可聴周波数よりも高い高周波成分を取り除かれた後、Lチャンネル用の接続部材32へ出力される。これにより、チェンジャユニット4からLチャンネル用の可聴音波形用信号線18へ、Lチャンネル用の可聴音波形信号が出力される。また、チェンジャユニット4からヘッドユニット2へ、Lチャンネル用の可聴音波形信号が伝送されることになる。
【0042】
Rチャンネル用のデジタルの波形データは、変換手段の一部であるRチャンネル用のDAC41で可聴音波形信号に変換される。Rチャンネル用の可聴音波形信号は、Rチャンネル用のローパスフィルタ42で可聴周波数よりも高い高周波成分を取り除かれた後、Rチャンネル用の接続部材33へ出力される。これにより、チェンジャユニット4からRチャンネル用の可聴音波形用信号線19へ、Rチャンネル用の可聴音波形信号が出力される。また、チェンジャユニット4からヘッドユニット2へ、Rチャンネル用の可聴音波形信号が伝送されることになる。
【0043】
また、Lチャンネル用のデジタルの波形データおよびRチャンネル用のデジタルの波形データは、変調手段であるデジタル変調回路51へ入力される。このデジタル変調回路51は、Lチャンネル用のデジタルの波形データおよびRチャンネル用のデジタルの波形データを、「IEC(International Electrotechnical Commission)−60958 TYPE−2」(所謂S/PDIF)の規格に準拠するデジタル変調信号に変換する。なお、「IEC−60958 TYPE−2」の規格では、このデジタル変調信号をデジタルオーディオ信号と呼んでいる。
【0044】
この「IEC−60958 TYPE−2」の規格は、デジタルの波形データをデジタル変調信号に変換して伝送する規格の中の1つである。そして、その他のデジタル伝送規格と同様に、信号を伝送する信号線の種類や特性インピーダンス、信号のフォーマット、信号の振幅や周波数などの各種の要件が規定されている。
【0045】
また、「IEC−60958 TYPE−2」の規格には、不平衡型で伝送する場合と、デジタル変調信号を平衡型(差動)で伝送する場合との、二種類の伝送方式が規定されている。
【0046】
不平衡型でデジタル変調信号を伝送する場合には、同軸ケーブルや、光ケーブルを使用する。同軸ケーブルは、円筒形状の絶縁部材の中心に一方の信号線を配設するとともに、絶縁部材の周囲に他方のグランド用の信号線としてのシールド箔を配設したものである。そして同軸ケーブルの2つの信号線の間のインピーダンスは、信号線全長に亘って75Ωとなるように形成されている。また、0.5Vプラスマイナス20%(0.4V以上、0.6V以下)の振幅のデジタル変調信号を使用する。これにより、不平衡型でデジタル変調信号を伝送する場合には、約10mの長さの同軸ケーブルの一端からデジタル変調信号を入力して、そのデジタル変調信号と同様の波形の信号を、同軸ケーブルの他端において検出することができる。つまり、デジタル変調信号を約10m伝送することができる。
【0047】
平衡型でデジタル変調信号を伝送する場合には、XLRケーブル(バランスケーブル)や、光ケーブルを使用する。XLRケーブルは、絶縁体に被覆された複数本の信号線が互いに平行となるように被覆されているものであり、信号線全長に亘って一定の特性インピーダンスになっている。また、互いに逆相で変化する3〜10Vの振幅の2つのデジタル変調信号を使用する。これにより、平衡型でデジタル変調信号を伝送する場合には、約数百メートルの長さのXLRケーブルの一端から、2つの信号線それぞれにデジタル変調信号を入力するとともに、XLRケーブルの他端側において得られる2つの波形信号の差をとることで、XLRケーブルの他端側においてデジタル変調信号と同様の波形の信号を検出することができる。つまり、デジタル変調信号を数百メートル伝送することができる。
【0048】
なお、波形データを伝送する他のデジタル伝送規格としては、たとえば「IEC−60958 TYPE−1」(所謂AES/EBU)がある。このデジタル伝送規格でも、信号線全長に亘って一定の特性インピーダンスであるXLRケーブルを使用することが規定されている。
【0049】
このように各種のデジタル伝送規格では、特性インビーダンスが所定の値に揃っている信号線やケーブルを使用することが前提となっている。
【0050】
しかしながら、この実施の形態1においてチェンジャユニット4とヘッドユニット2とを接続するアナログ音声信号伝送ケーブル14や可聴音波形用信号線18,19,20は、可聴音波形信号などの低周波のアナログの波形信号を伝送するために用いられる信号線である。そして、このアナログ音声信号伝送ケーブル14の可聴音波形用信号線18,19,20は、上述するように、所定の一定の特性インピーダンスであることは保証されていない。
【0051】
実際に、従来においては、アナログ音声信号伝送ケーブル14の2本の可聴音波形用信号線(たとえばLチャンネル用の可聴音波形用信号線18とグランド用の可聴音波形用信号線20と)の一端から、「IEC−60958 TYPE−2」の規格に準拠する不平衡型のデジタル変調信号を入力しても、波形が乱れてしまい、その他端においてデジタル変調信号の波形を再生することはできない。
【0052】
また、アナログ音声信号伝送ケーブル14の3本の可聴音波形用信号線18,19,20の一端から、「IEC−60958 TYPE−2」の規格に準拠する平衡型のデジタル変調信号を入力しても、波形が乱れてしまい、その他端においてデジタル変調信号の波形を再生することはできない。
【0053】
そこで、この実施の形態1では、デジタル変調回路51から出力される、「IEC−60958 TYPE−2」の規格に準拠するデジタル変調信号を、そのままに可聴音波形用信号線18,19,20へ出力するのではなく、デジタル変調信号を下記の工夫点で変換した上で、可聴音波形用信号線18,19,20へ出力する。
【0054】
具体的には、第一に、Lチャンネル用のローパスフィルタ40およびRチャンネル用のローパスフィルタ42は、それぞれ、接続部材32,33とDAC39,41との間に並列に接続されるコンデンサ52と、コンデンサ52とDAC39およびコンデンサ52とDAC41との間に直列に接続される直列抵抗素子53と、コンデンサ52とグランド35との間に接続される並列抵抗素子54と、で構成する。なお、直列抵抗素子53は、コンデンサ52とDAC39およびコンデンサ52とDAC41との間にそれぞれ直列に接続されるので、なるべく小さい抵抗値が好ましい。
【0055】
なお、このように、Lチャンネル用の接続部材32とグランド35との間に接続することで、後述するように、並列抵抗素子54は、Lチャンネル用の可聴音波形用信号線18と、グランド用の可聴音波形用信号線20との間に接続されることになる。また、Rチャンネル用の接続部材33とグランド35との間に接続することで、後述するように、並列抵抗素子54は、Rチャンネル用の可聴音波形用信号線19と、グランド用の可聴音波形用信号線20との間に接続されることになる。
【0056】
第二に、デジタル変調回路51から出力されるデジタル変調信号は、分圧抵抗素子55を介して、Lチャンネル用のローパスフィルタ40のコンデンサ52と並列抵抗素子54との間に印加する。また、デジタル変調信号は、インバータ56で反転する。反転されたデジタル信号は、Lチャンネル用のローパスフィルタ40に供給されているデジタル信号とは位相が180度ずれた逆相になっている。この逆相のデジタル変調信号は、分圧抵抗素子57を介して、Rチャンネル用のローパスフィルタ42のコンデンサ52と並列抵抗素子54との間に印加する。並列抵抗素子54は、デジタル変調信号にとって終端抵抗素子となる。なお、デジタル変調信号をRチャンネル側に入力するとともに、逆相のデジタル変調信号をLチャンネル側に入力してもよい。これにより、Lチャンネル用の可聴音波形用信号線18と、Rチャンネル用の可聴音波形用信号線19とは、互いに逆相で変化するデジタル変調信号を伝送することになる。通信方式は、平衡型となる。つまり、Lチャンネル用の可聴音波形用信号線18と、Rチャンネル用の可聴音波形用信号線19とには、グランド用の可聴音波形用信号線20を基準として、デジタル変調信号が平衡型で入力されることになる。
【0057】
第三に、並列抵抗素子54は、100Ωよりも小さい抵抗値、好ましくは50Ωよりも小さい抵抗値とする。これにより、Lチャンネル用の可聴音波形用信号線18と、Rチャンネル用の可聴音波形用信号線19とは、高周波的には、低い抵抗値にて終端される。その結果、この並列抵抗素子54を100Ω以上とした場合に比べて、可聴音波形用信号線18,19,20の両端部分での信号の反射などが生じ難くなり、波形品質が改善される。
【0058】
第四に、分圧抵抗素子55,57は、並列抵抗素子54の抵抗値の4倍以上、10倍以下の抵抗値に、好ましくは、5倍以上、7倍以下の抵抗値にして、デジタル変調信号の振幅を0.1V以下にする。したがって、たとえば、デジタル変調回路51から5Vないしは3.3Vなどのロジックレベルの振幅のデジタル変調信号が出力される場合には、そのデジタル変調回路51から出力されるデジタル変調信号の振幅は、0.1V以下の振幅にまで減らされて、Lチャンネル用の可聴音波形用信号線18へ出力される。同様に、インバータ56から5Vないしは3.3Vなどのロジックレベルの振幅のデジタル変調信号が出力される場合には、インバータ56から出力される0.5Vの振幅の逆相のデジタル変調信号の振幅は、0.1V以下の振幅にまで減らされて、Rチャンネル用の可聴音波形用信号線19へ出力される。その結果、振幅が0.1V以上である場合には、可聴音波形用信号線18,19,20の両端部分での信号の反射などによって積分されたような波形が出力されるが、そのような積分波形が少なくなり、波形品質が改善される。
【0059】
この第一から第四の工夫によってデジタル変調信号を変換することで、8mのアナログ音声信号伝送ケーブル14(互いに平行に配設される3本の可聴音波形用信号線18,19,20)の一端から平衡型にてデジタル変調信号を入力し、その他端においてLチャンネル用の可聴音波形用信号線18の電圧とRチャンネル用の可聴音波形用信号線19の電圧との電圧差を検出することで、デジタル変調信号の波形を再生することができる。
【0060】
また、第一から第四の工夫によってデジタル変調信号を変換することで、アナログ音声信号伝送ケーブル14(互いに平行に配設される3本の可聴音波形用信号線18,19,20)に、同相ノイズやインパルスノイズなどが重畳されてしまった場合であっても、可聴音波形用信号線18,19,20の他端において、デジタル変調信号の波形を正しく再生することができる。
【0061】
さらに、第一から第四の工夫によってデジタル変調信号を変換することで、不要輻射を減らすことができる。FCC(Federal Communications Commission)規格のクラスB基準を満たすことができる。
【0062】
特に、並列抵抗素子54の抵抗値を50Ω以下とし、分圧抵抗素子55,57の抵抗値を並列抵抗素子54の抵抗値の5倍以上とし、さらに、可聴音波形用信号線18,19,20に入力される信号の振幅を20mVとすることで、デジタル変調信号の波形とほぼ相似形の波形を、アナログ音声信号伝送ケーブル14(互いに平行に配設される3本の可聴音波形用信号線18,19,20)の他端において再生することができる。
【0063】
なお、3mから8mのアナログ音声信号伝送ケーブル14(互いに平行に配設される3本の可聴音波形用信号線18,19,20)の一端から平衡型でデジタル変調信号を入力したとしても、並列抵抗素子54が100Ω以上である場合や、分圧抵抗素子55,57の抵抗値が並列抵抗素子54の抵抗値の4倍よりも小さくて、可聴音波形用信号線18,19,20に入力される信号の振幅が0.1Vを超えてしまうような場合には、デジタル変調信号の反射の影響や、デジタル変調信号の波形のなまりが大きくなる。そして、アナログ音声信号伝送ケーブル14(互いに平行に配設される3本の可聴音波形用信号線18,19,20)の一端から入力されたデジタル変調信号は、アナログ音声信号伝送ケーブル14(互いに平行に配設される3本の可聴音波形用信号線18,19,20)の他端においては、それが積分されてしまったような階段状の波形になってしまう。その結果、可聴音波形用信号線18,19,20の他端において、Lチャンネル用の可聴音波形用信号線18と、Rチャンネル用の可聴音波形用信号線19との電圧差を検出したとしても、デジタル変調信号の波形を再生しにくくなる。
【0064】
チェンジャコントローラ37は、複数個の制御信号用の接続部材31から入力される制御信号と、ディップスイッチ36に設定されている設定情報とに基づいて、CDチェンジャ本体38と、デジタル変調回路51と、2つのDAC39,41と、2つのミュート回路としてのミュートトランジスタ43と、を制御する。ミュートトランジスタ43は、ローパスフィルタ40,42のコンデンサ52および並列抵抗素子54の全体と並列に接続されている。
【0065】
具体的には、外部ユニット接続ケーブル5の電源線11から電力が供給されると、チェンジャコントローラ37は、CDチェンジャ本体38、デジタル変調回路51および2つのDAC39,41を停止するとともに、2つのミュートトランジスタ43をオン制御する。これにより、電源投入時に、不用意な信号がアナログ音声信号伝送ケーブル14へ出力されてしまうことは無い。
【0066】
制御信号用の接続部材31から起動信号が入力されると、チェンジャコントローラ37は、たとえば、CDチェンジャ本体38に、一番目のコンパクトディスクの1曲目のデジタルの波形データを出力させる。
【0067】
また、その起動信号と前後して制御信号用の接続部材31からアナログ出力の出力選択信号が入力されると、チェンジャコントローラ37は、2つのDAC39,41を起動するとともに、ミュートトランジスタ43をオフ制御する。そして、次の出力選択信号が入力されるまでの間、デジタル変調回路51は、常に停止している。これにより、チェンジャユニット4からアナログ音声信号伝送ケーブル14へは、アナログの可聴音波形信号が出力される。なお、このアナログ出力の場合、チェンジャコントローラ37は、DAC39,41から可聴音波形信号が出力されていないときなどには、ミュートトランジスタ43をオン制御する。
【0068】
逆に、起動信号と前後して制御信号用の接続部材31からデジタル出力の出力選択信号が入力されると、チェンジャコントローラ37は、デジタル変調回路51を起動する。この間、2つのDAC39,41は、常に停止する。且つ、ミュートトランジスタ43は、常にオフ制御される。これにより、チェンジャユニット4からアナログ音声信号伝送ケーブル14へは、デジタル変調信号が出力される。
【0069】
このように、起動信号と前後して出力選択信号が入力されることで初めてDAC39,41あるいはデジタル変調回路51が動作するので、たとえば、アナログ入力式のヘッドユニット2と後述するデジタル入力式のヘッドユニット7とを取り違えて取り付けてしまったとしても、これらヘッドユニット2,7へ誤った信号を出力してしまうことはない。これにより、ヘッドユニット2,7の破壊や異音の出力を防止することができる。
【0070】
なお、チェンジャコントローラ37は、ディップスイッチ36において予めアナログ出力かあるいはデジタル出力かが設定されている場合には、ディップスイッチ36の設定にしたがう方式で出力する。これにより、出力選択信号を出力することができないヘッドユニットへも、そのヘッドユニットに合う信号を選択して出力することができる。
【0071】
図4は、図1中のヘッドユニット2を示す回路図である。
【0072】
このヘッドユニット2は、スピーカケーブル6として可聴音波形用信号線が接続される複数組のスピーカ用の接続部材61と、アナログ音声信号伝送ケーブル14の各可聴音波形用信号線18,19,20が接続される3個のアナログチェンジャ用の接続部材62,63,64と、その他の外部ユニットからの図示外の可聴音波形用信号線が接続される複数組のその他用の接続部材65と、外部ユニット接続ケーブル5の各制御信号線13が接続される複数個の制御信号用の接続部材66と、を備える。なお、図示しないが、接続部材には他にも、電源線11あるいは電源グランド線12が接続されるものなどがある。ヘッドユニット2は、この電源線11へ所定の電力を出力する。また、図示しないが、ヘッドユニット2には、この他にもチューナ機能、テーププレイヤ機能、CD再生機能などが備わっていてもよい。
【0073】
なお、その他の外部ユニットとしては、たとえば、ラジオ電波やテレビ電波を受信するチューナユニットや、MDやDVDなどを再生するチェンジャユニットや、アンプユニットや、カーナビゲーションユニットなどがある。その他の外部ユニットと、ヘッドユニット2とは、アナログ音声信号伝送ケーブル14で接続すればよい。
【0074】
また、ヘッドユニット2は、各組のスピーカ用の接続部材61に接続される複数個のアンプ67と、アナログチェンジャ用の接続部材62,63,64および複数組のその他用の接続部材65の中から選択された1つの組の接続部材をアンプ67に接続するソースセレクタ68と、複数個の制御信号用の接続部材31、入力デバイス69および表示デバイス70が接続されるシステムコントローラ71と、を備える。
【0075】
システムコントローラ71は、オーディオシステムの電源投入とともに起動される。また、たとえば、入力デバイス69においてコンパクトディスクの再生が選択されると、システムコントローラ71は、ソースセレクタ68にアナログチェンジャ用の接続部材62,63,64を選択させるとともに、制御信号用の接続部材31へCD用のチェンジャユニット4への起動信号を出力する。また、システムコントローラ71は、制御信号用の接続部材31へアナログ出力の出力選択信号を出力する。なお、システムコントローラ71は、必要に応じて表示デバイス70に情報を表示させる。
【0076】
これら起動信号およびアナログ出力の出力選択信号が入力されると、チェンジャユニット4は、アナログ音声信号伝送ケーブル14へ、可聴音波形信号を出力する。このとき、チェンジャユニット4のデジタル変調回路51は停止しているので、アナログ音声信号伝送ケーブル14には、可聴音波形信号のみが出力される。
【0077】
可聴音波形信号は、アナログ音声信号伝送ケーブル14にて伝送されて、アナログチェンジャ用の接続部材62,63,64に入力され、さらにソースセレクタ68を介してアンプ67に入力される。アンプ67は、この可聴音波形信号を増幅してスピーカ3へ出力する。スピーカ3は、この増幅された可聴音波形信号のエンベロープに従って図示外の振動板を振動させて、音声や音楽などの可聴音を出力する。
【0078】
以上のように、図3に示すチェンジャユニット4と、図4に示すアナログ入力式のヘッドユニット2とを組み合わせることで、この実施の形態1に係るオーディオシステムは、チェンジャユニット4に挿入されているコンパクトディスクの音楽ファイルに基づいてスピーカ3から音声や音楽などの可聴音を出力することができる。なお、たとえば、アナログ入力およびデジタル入力が可能なヘッドユニットなどのように、他のアナログ入力機能を有するヘッドユニットと、図3に示すチェンジャユニット4とを組み合わせたとしても、同様の効果を得ることができる。
【0079】
なお、この実施の形態1に係るチェンジャユニット4は、ヘッドユニット2が出力選択信号を出力できないようなものであったとしても、チェンジャユニット4のディップスイッチ36にアナログ出力を設定することで、選択されたコンパクトディスクの可聴音波形信号をヘッドユニット2へ出力することができる。そして、スピーカ3からは、この可聴音波形信号に基づく音声や音楽などの可聴音が出力される。
【0080】
次に、図4に示すアナログ入力式のヘッドユニット2を、図5に示すデジタル入力式のヘッドユニット7へ交換した場合のオーディオシステムについて説明する。
【0081】
このデジタル入力式のヘッドユニット7では、アナログ音声信号伝送ケーブル14の各可聴音波形用信号線18,19,20は、3個のデジタルチェンジャ用の接続部材81,82,83に接続される。以下の説明では、アナログ音声信号伝送ケーブル14のLチャンネル用の可聴音波形用信号線18が接続される接続部材を、Lチャンネル側の接続部材81と記載し、アナログ音声信号伝送ケーブル14のRチャンネル用の可聴音波形用信号線19が接続される接続部材を、Rチャンネル側の接続部材82と記載する。なお、残りの接続部材は、グランド用の接続部材83である。グランド用の接続部材83は、ヘッドユニット7のグランドに接続される。
【0082】
Lチャンネル側の接続部材81は、並列抵抗素子54と同じ抵抗値の終端抵抗素子84を介して、同相ノイズ除去アンプ85に接続されている。Rチャンネル側の接続部材82も、並列抵抗素子54と同じ抵抗値の終端抵抗素子84を介して、同相ノイズ除去アンプ85に接続されている。グランド用の接続部材83は、ヘッドユニット7のグランドに接続されている。
【0083】
なお、このように、Lチャンネル側の接続部材81とグランドとの間に接続することで、後述するように、終端抵抗素子84は、Lチャンネル用の可聴音波形用信号線18と、グランド用の可聴音波形用信号線20との間に接続されることになる。また、Rチャンネル側の接続部材82とグランドとの間に接続することで、後述するように、終端抵抗素子84は、Rチャンネル用の可聴音波形用信号線19と、グランド用の可聴音波形用信号線20との間に接続されることになる。
【0084】
同相ノイズ除去アンプ85は、電流回路86にエミッタが接続される2つのトランジスタ87,88と、各トランジスタ87,88のコレクタと電源との間に接続される2つの負荷抵抗素子89と、各トランジスタ87,88のベースに接続される2つのコンデンサ90と、を備える。そして、Lチャンネル側の接続部材81と、Rチャンネル側の接続部材82とは、このコンデンサ90にそれぞれ接続されている。
【0085】
なお、電流回路86は、グランドに接続されている。したがって、Lチャンネル用の可聴音波形用信号線18の電圧は、グランド用の可聴音波形用信号線20を基準として検出される。また、Rチャンネル用の可聴音波形用信号線19の電圧は、グランド用の可聴音波形用信号線20を基準として検出される。
【0086】
信号経路に直列に接続されるこれらのコンデンサ90は、接続部材81,82に入力される信号の高周波成分のみによる電圧の変化を各トランジスタ87,88のベースへ供給する。2つのトランジスタ87,88は、それらのベース入力電圧に電圧差が生じると、ベース入力電圧が高いほうのトランジスタ87,88により多くの電流が流れる。そして、その電流で負荷抵抗素子89に電圧が発生する。
【0087】
ここでは、Rチャンネル側の負荷抵抗素子89の電圧が出力電圧として出力されている。
【0088】
したがって、Lチャンネル側の接続部材81の電圧がRチャンネル側の接続部材82の電圧よりも高周波的に高くなると、Rチャンネル側のトランジスタ88により少ない電流が流れ、出力電圧はハイレベルになる。逆に、Lチャンネル側の接続部材81の電圧がRチャンネル側の接続部材82の電圧よりも高周波的に低くなると、Rチャンネル側のトランジスタ88により多くの電流が流れ、出力電圧はローレベルになる。
【0089】
つまり、チェンジャユニット4のLチャンネル用の接続部材32から出力されるデジタル変調信号がハイレベルになると、同相ノイズ除去アンプ85の出力電圧はハイレベルとなる。逆に、チェンジャユニット4のLチャンネル用の接続部材32から出力されるデジタル変調信号がローレベルになると、同相ノイズ除去アンプ85の出力電圧はローレベルとなる。
【0090】
また、トランジスタ87,88は、その電流増幅率で入力電圧を増幅し、その増幅された電圧を出力電圧として出力する。したがって、Lチャンネル側の接続部材81の電圧に対するRチャンネル側の接続部材82の電圧の電位差が小さくとも、出力電圧には、大きな電圧変化が生じる。
【0091】
その結果、Lチャンネル側の接続部材81と、Rチャンネル側の接続部材82との間の電圧差が、高周波的に40mV程度と非常に小さい場合であったとしても、同相ノイズ除去アンプ85は、「IEC−60958 TYPE−2」の規格に準拠する振幅の、不平衡型のデジタル変調信号を出力することができる。
【0092】
そして、この同相ノイズ除去アンプ85の出力電圧、すなわちデジタル変調信号は、デジタル復調回路91に入力される。デジタル復調回路91は、デジタル変調信号に基づいて、Lチャンネル用の波形データと、Rチャンネル用の波形データとを再生する。なお、デジタル復調回路91用の集積回路素子は、たとえばデジタル変調信号の振幅が200mV以上あれば、これに基づいて波形データを再生することができる。
【0093】
また、再生されたLチャンネル用のデジタルの波形データと、Rチャンネル用のデジタルの波形データとはそれぞれ、DAC92において可聴音波形信号に変換された後、ソースセレクタに入力される。
【0094】
なお、デジタル入力式のヘッドユニット7のシステムコントローラ93は、デジタル出力の出力選択信号を出力する。
【0095】
これ以外のデジタル入力式のヘッドユニット7の構成要素は、図4に示すアナログ入力式のヘッドユニット2の構成要素と同一であり、同一の符号を付して説明を省略する。
【0096】
そして、このようなデジタル入力式のヘッドユニット7のシステムコントローラ93は、オーディオシステムの電源投入とともに起動される。また、たとえば、入力デバイス69においてコンパクトディスクの再生が選択されると、システムコントローラ93は、ソースセレクタ68にデジタルチェンジャ用の接続部材81,82,83を選択させるとともに、制御信号用の接続部材66へCD用のチェンジャユニット4への起動信号を出力する。また、システムコントローラ93は、制御信号用の接続部材66へデジタル出力の出力選択信号を出力する。なお、システムコントローラ93は、必要に応じて表示デバイス70に情報を表示させる。
【0097】
これら起動信号およびデジタル出力の出力選択信号の入力されると、チェンジャユニット4は、アナログ音声信号伝送ケーブル14へ、デジタル変調信号と、逆相のデジタル変調信号とを出力する。このとき、チェンジャユニット4のDAC39,41は停止しているので、アナログ音声信号伝送ケーブル14には、これらデジタル変調信号のみが出力される。また、チェンジャユニット4のミュートトランジスタ43は常にオフ状態に維持されるので、デジタル変調信号は確実に出力される。
【0098】
デジタル変調信号は、アナログ音声信号伝送ケーブル14にて伝送されて、デジタルチェンジャ用の接続部材81,82,83に入力された後、同相ノイズ除去アンプ85において、逆相のデジタル変調信号との差分増幅演算(同相ノイズを除去する演算)がなされる。
【0099】
デジタル復調回路91は、この同相ノイズ除去アンプ85の出力電圧から、Lチャンネル用のデジタルの波形データと、Rチャンネル用のデジタルの波形データとを再生する。再生されたLチャンネル用のデジタルの波形データと、Rチャンネル用のデジタルの波形データはそれぞれ、DAC92において可聴音波形信号に変換される。可聴音波形信号は、ソースセレクタ68を介してアンプ67に入力される。アンプ67は、この可聴音波形信号を増幅してスピーカ3へ出力する。スピーカ3は、この増幅された可聴音波形信号のエンベロープに従って振動板を振動させて、音声や音楽などの可聴音を出力する。
【0100】
以上のように、図3に示すチェンジャユニット4と、図5に示すデジタル入力式のヘッドユニット7とを組み合わせることで、この実施の形態1に係るオーディオシステムは、チェンジャユニット4に挿入されているコンパクトディスクの音楽ファイルに基づいてスピーカ3から音声や音楽などの可聴音を出力することができる。なお、たとえば、アナログ入力およびデジタル入力が可能なヘッドユニットなどのように、他のデジタル入力機能を有するヘッドユニットと、図3に示すチェンジャユニット4とを組み合わせたとしても、同様の効果を得ることができる。
【0101】
また、チェンジャユニット4からはデジタルの波形データがデジタル変調信号されて出力され、デジタルの波形データはヘッドユニット7において可聴音波形信号へ変換される。そのため、チェンジャユニット4からヘッドユニット7へ可聴音波形信号を伝送した場合に比べて、減衰の少ない可聴音波形信号を各スピーカ3へ供給することができる。その結果、コンパクトディスクの原音に近い品質の良い音をスピーカ3から出力することができる。
【0102】
なお、このように、図3に示すチェンジャユニット4と、図5に示すデジタル入力式のヘッドユニット7とを組み合わせた場合、デジタル変調信号は、以下の条件1から4を満たす伝送方式で伝送されている。
【0103】
条件1. グランド用の可聴音波形用信号線20と、Lチャンネル用の可聴音波形用信号線18と、Rチャンネル用の可聴音波形用信号線19との3本の可聴音波形用信号線を使用する。
【0104】
条件2. Lチャンネル用の可聴音波形用信号線18と、Rチャンネル用の可聴音波形用信号線19とは、並列抵抗素子54および終端抵抗素子84で終端されている。
【0105】
条件3. デジタル変調信号は、分圧抵抗素子55と並列抵抗素子54とで分圧されて、Lチャンネル用の可聴音波形用信号線18の一端側から入力される。逆相のデジタル変調信号は、分圧抵抗素子55と並列抵抗素子54とで分圧されて、Rチャンネル用の可聴音波形用信号線19の一端側から入力される。グランド用の可聴音波形用信号線20は、チェンジャユニット4とヘッドユニット7とのグランド同士を接続している。
【0106】
条件4. ヘッドユニット7では、グランド用の可聴音波形用信号線20を基準として、Lチャンネル用の可聴音波形用信号線18の電圧と、Rチャンネル用の可聴音波形用信号線19の電圧とを同相ノイズ除去アンプ85へ入力する。この同相ノイズ除去アンプ85は、それらの電圧同士の差を増幅する。
【0107】
また、この実施の形態1に係るチェンジャユニット4は、ヘッドユニット7が出力選択信号を出力できないようなものであったとしても、チェンジャユニット4のディップスイッチ36にデジタル出力を設定することで、選択されたコンパクトディスクの波形データ(デジタル変調信号)をヘッドユニット7へ出力することができる。そして、スピーカ3からは、この可聴音波形信号に基づく音声や音楽などの可聴音が出力される。
【0108】
以上のように、この実施の形態1に係るオーディオシステムでは、ヘッドユニットだけをアナログ入力式のものと、デジタル入力式のものとで入替えるだけで、チェンジャユニット4は、可聴音波形信号およびデジタル変調信号の中の1つの信号を適切に選択して出力することができる。
【0109】
しかも、この実施の形態1に係るオーディオシステムでは、チェンジャユニット4からヘッドユニットへ伝送される信号を、アナログの可聴音波形信号からデジタルのデジタル変調信号へ変更する場合に、新たに同軸ケーブルや光ケーブルなどを車内に引き回す必要が無い。このような引き回し作業は専門的な技術を必要とし、且つ、内装を外したりする付随作業工程が多いため、高い作業工賃が発生してしまう。
【0110】
その結果、この実施の形態1に係るオーディオシステムでは、アナログ入力式のヘッドユニット2をデジタル入力式のヘッドユニット7へ変更するだけで、新たなケーブルを引き回すなどの作業をすること無しに簡単に且つ安価に、音質をグレードアップすることができる。しかも、極めて小さい振幅のデジタル変調信号を平衡型で伝送しているので、ケーブルからのラジエーションを極めて小さくすることができる。
【0111】
この実施の形態1に係るアナログとデジタル兼用のチェンジャユニット4やデジタル入力専用のヘッドユニット7は、アナログ出力専用のチェンジャユニットやアナログ入力専用のヘッドユニット2と比べた場合、追加部品点数が非常に少ない。しかも、その追加される部品は、安価で汎用的な部品である。特に、ローパスフィルタ40のコンデンサ52を、デジタル変調信号をケーブル14に出力するための注入コンデンサとしても兼用するなどして、既存回路の部品との共通化を図っているので、追加する部品点数も少なくなっている。
【0112】
したがって、この実施の形態1に係るチェンジャユニット4やデジタル入力式のヘッドユニット7は、同軸ケーブルや光ケーブルなどの専用のケーブルを使用する、従来のデジタル出力式のチェンジャユニットやデジタル入力式のヘッドユニットに比べて、安価なユニットになる。しかも、波形データは、ヘッドユニット7内でデコードされるまではデジタル信号のままで伝送されるので、これら同軸ケーブルや光ケーブルなどの専用のケーブルを使用する従来のデジタル出力式のチェンジャユニットやデジタル入力式のヘッドユニットと同等の音質を得ることができる。
【0113】
なお、以上の実施の形態1は、本発明の好適な実施の形態の例であるが、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、変更が可能である。
【0114】
たとえば、実施の形態1では、アナログ入力式のヘッドユニット2に替えて、同相ノイズ除去アンプ85、デジタル復調回路91およびDAC92を備えるデジタル入力式のヘッドユニット7を接続する場合を例に説明している。この他にもたとえば、図5に示す同相ノイズ除去アンプ85、デジタル復調回路91およびDAC92を備える変換アダプタを、アナログ入力式のヘッドユニット2とアナログ音声信号伝送ケーブル14との間に接続してもよい。そして、このように変換アダプタを用いる場合には、チェンジャユニット4のディップスイッチ36でデジタル出力を設定すればよい。この変形例に係るオーディオシステムでも、アナログ入力式のヘッドユニット2とアナログ音声信号伝送ケーブル14との間に変換アダプタを挿入するだけで、新たなケーブルを引き回すこと無しに簡単に且つ安価に、音質をグレードアップすることができる。
【0115】
実施の形態1では、CD用のチェンジャユニット4において、可聴音波形信号と、平衡型のデジタル変調信号とを切り替えて出力している。この他にもたとえば、MDやDVD用のチェンジャユニットや、ステレオのチューナユニットや、ステレオのアンプユニットや、ステレオ音声出力のカーナビゲーションユニットなどにおいて、可聴音波形信号と、平衡型のデジタル変調信号とを切り替えて出力するようにしてもよい。
【0116】
実施の形態1では、チェンジャユニット4などの外部ユニットとヘッドユニット7との間で、アナログ音声信号伝送ケーブル14を用いてデジタル変調信号を伝送している。この他にもたとえば、家庭内で使用するステレオシステムでのテープデッキユニットやCDプレーヤユニットと、アンプユニットとの接続など、音声信号を扱う機器や信号線全般において、本発明のデジタル変調信号を使用しても良い。
【0117】
この変形例の場合、外部ユニット接続ケーブル5やアナログ音声信号伝送ケーブル14だけでなく、2組のスピーカケーブル6でこれらのユニットを接続してもよい。また、各スピーカケーブル6の中の1本の可聴音波形用信号線は共に、グランドに接続する。スピーカケーブル6は非常に安価で且つどこでも入手がし易く、さらに、配線の引き回しが容易で目立たない。そのため、たとえばリビングルームなどにおいて、CDプレーヤユニットを手元に設置するとともに、アンプユニットをスピーカ近くに設置することで、手元でコンパクトディスクを交換できる利便性と、音質の向上との両立を図ることができる。なお、スピーカケーブル6が剥き出しのままである場合には、このようなデジタル変調信号を伝送したときに、スピーカケーブル6から放射される電磁波のレベルがFCC規格のクラスB基準を満たすことができない可能性もある。そのような場合には、必要に応じて、スピーカケーブル6をグランドに接続されたシールド部材などで被覆すればよい。
【0118】
実施の形態1では、4つの工夫点にてデジタル変調信号を変換した上で、アナログ音声信号伝送ケーブル14へ出力している。他にもたとえば、アナログ音声信号伝送ケーブル14やスピーカケーブル6に比べて信号の反射や減衰が少ないケーブルを使用する場合には、第二から第四の工夫点の中から適宜選択して利用することで、デジタル波形信号を伝送することができる。
【0119】
実施の形態1では、ローパスフィルタ40,42は、直列抵抗素子53、コンデンサ52および並列抵抗素子54で構成されている。ローパスフィルタ40,42は、他にもたとえば、図6に示すように、抵抗素子101とコンデンサ102とを井桁状に多段に配列して、その多段のローパスフィルタを通過した信号をアンプ103で増幅し、さらに、その増幅された可聴音波形信号を、直列抵抗素子53、コンデンサ52および並列抵抗素子54で構成されるローパスフィルタの最終段回路で、フィルタリングするようにしてもよい。なお、このローパスフィルタの2つの入力端子104は、DACのプラス出力とマイナス出力とに接続される。出力端子105は、接続部材32,33に接続される。また、このローパスフィルタ40,42は、直流キャンセル用のコンデンサ106と、無信号時にグランド出力とするための高抵抗素子107と、を備える。
【0120】
実施の形態1では、DAC39,41の出力と接続部材32,33とは、直接に接続されている。この他にもたとえば、Lチャンネル側の例を示す図7のように、DAC39,41の出力と接続部材32や図示省略の接続部材33との間に直列にコンデンサ111を配設するとともに、接続部材32,33側の配線112とグランドとを高い抵抗値の抵抗素子113で接続してもよい。これにより、チェンジャユニット4から出力信号が出力されていないときや、チェンジャユニット4が動作していないときには、接続部材32,33をグランド電位に維持することができる。
【0121】
実施の形態1では、チェンジャユニット4は、アナログ出力である可聴音波形信号と、デジタル出力であるデジタル変調信号の中から選択された1つの信号のみを、アナログ音声信号伝送ケーブル14へ出力している。この他にもたとえば、可聴音波形信号とデジタル変調信号とを同時に、アナログ音声信号伝送ケーブル14へ出力してもよい。但し、このように可聴音波形信号とデジタル変調信号とが同時に伝送される場合には、ヘッドユニット2,7側には、それぞれの信号成分のみを抽出するローパスフィルタあるいはハイパスフィルタを設ける必要がある。これらのフィルタは、ヘッドユニット2,7と一体化されていても、あるいは、ヘッドユニット2,7とは別体に形成されて、ヘッドユニット2,7とアナログ音声信号伝送ケーブル14との間に接続されていてもよい。
【0122】
特に、変換アダプタに、これらのローパスフィルタおよびハイパスフィルタを設け、ローパスフィルタから可聴音波形信号を出力させるとともに、ハイパスフィルタからデジタル変調信号を出力させるようにしてもよい。また、ヘッドユニット7をアナログ兼用のものとしてもよい。
【0123】
なお、このように可聴音波形信号とデジタル変調信号とを同時に出力する場合、可聴音波形信号とデジタル変調信号とは、同一の音源(実施の形態1ではCDチェンジャ本体38)からの信号あるいはデータに基づくものであってもよいが、互いに異なる音源からの信号あるいはデータに基づくものであってもよい。また、特にデジタル変調信号については、音源以外のたとえばDVD、テレビ、ナビゲーション装置などの画像データや文字データであっても、さらには複数のソースからのデジタルデータを多重化したものであってもよい。
【0124】
実施の形態1では、Lチャンネル用の可聴音波形用信号線18、Rチャンネル用の可聴音波形用信号線19およびグランド用の可聴音波形用信号線20の3本の信号線を使用している。この場合、グランド用の可聴音波形用信号線20は、Lチャンネル用の可聴音波形用信号線18との間で並列抵抗素子54や終端抵抗素子84が接続されるとともに、Rチャンネル用の可聴音波形用信号線19との間で並列抵抗素子54や終端抵抗素子84が接続されることになる。つまり、グランド用の可聴音波形用信号線20は、Lチャンネル用の可聴音波形用信号線18と、Rチャンネル用の可聴音波形用信号線19との共通の1本のグランド用の可聴音波形用信号線となっている。この他にもたとえば、Lチャンネル用の可聴音波形用信号線18に対応させてグランド用の可聴音波形用信号線を設けるとともに、Rチャンネル用の可聴音波形用信号線19に対応させて別のグランド用の可聴音波形用信号線を設けるようにしてもよい。但し、ヘッドユニット7において、グランド用の可聴音波形用信号線を基準として、Lチャンネル用の可聴音波形用信号線18の電圧と、Rチャンネル用の可聴音波形用信号線19の電圧とを検出しているので、共通の1本のグランド用の可聴音波形用信号線20を使用するほうが、微小な電圧同士の電位差を好適に検出することができる。
【0125】
【発明の効果】
本発明では、自動車内等に配設されるアナログ用の可聴音波形用信号線などの信号線を用いても、デジタルの波形データなどのデジタルデータやデジタル変調信号などのデジタル信号を伝送することができる。
【0126】
本願の他の発明では、アナログ入力式のヘッドユニットおよびデジタル入力式のヘッドユニットのどちらに対しても信号を出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係るオーディオシステムのユニット構成およびユニット配置を示すシステム構成図である。
【図2】図1中の外部ユニット接続ケーブルの断面図である。
【図3】図1中のチェンジャユニットを示す回路図である。
【図4】図1中のアナログ入力式のヘッドユニットを示す回路図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係るデジタル入力式のヘッドユニットを示す回路図である。
【図6】ローパスフィルタの変形例を示す回路図である。
【図7】デジタル入力式のヘッドユニットの出力部の変形例を示す回路図である。
【図8】従来のオーディオシステムを示すシステム構成図である。
【符号の説明】
2 ヘッドユニット(アナログ入力式)
3 スピーカ
4 チェンジャユニット(外部ユニット)
7 ヘッドユニット(デジタル入力式)
18 Lチャンネル用の可聴音波形用信号線(信号線、可聴音波形用信号線)
19 Rチャンネル用の可聴音波形用信号線(信号線、可聴音波形用信号線)
20 グランド用の可聴音波形用信号線(信号線、可聴音波形用信号線)
32 Lチャンネル用の接続部材
33 Rチャンネル用の接続部材
34 グランド用の接続部材
35 グランド
37 チェンジャコントローラ(制御手段)
38 CDチェンジャ本体(音源)
39 Lチャンネル用のDAC(変換手段の一部)
40,42 ローパスフィルタ
41 Rチャンネル用のDAC(変換手段の一部)
43 ミュートトランジスタ(ミュート回路)
51 デジタル変調手段(変調手段)
52 コンデンサ
53 直列抵抗素子
54 並列抵抗素子(終端抵抗素子)
55 分圧抵抗素子
84 終端抵抗素子
85 同相ノイズ除去アンプ

Claims (13)

  1. デジタル信号を伝送するデジタル信号の伝送方法であって、
    少なくとも3本の信号線を用い、
    上記デジタル信号の送信側では、上記デジタル信号および上記デジタル信号とは逆相のデジタル信号を抵抗分圧して、上記少なくとも3本の信号線の中から選択された2本の信号線へ出力し、
    上記デジタル信号の受信側では、上記少なくとも3本の信号線の中の残りの信号線を基準として上記選択された2本の信号線の電圧を検出して、それら選択された2本の信号線の電圧の電圧差を増幅することを特徴とするデジタル信号の伝送方法。
  2. デジタル信号を伝送するデジタル信号の伝送方式であって、
    少なくとも3本の信号線を使用し、
    上記少なくとも3本の信号線の中から選択された2本の上記信号線の両端において、残りの上記信号線との間に終端抵抗素子を接続し、
    上記選択された2本の信号線の一端側から、上記残りの信号線を基準として、上記終端抵抗素子と分圧抵抗素子とで抵抗分圧した上記デジタル信号を平衡型で入力し、
    上記信号線の他端側では、上記残りの信号線を基準として、上記2本の信号線の電圧を検出するとともに、それら2本の信号線の電圧差を同相ノイズ除去アンプで増幅することを特徴とするデジタル信号の伝送方式。
  3. デジタル信号を出力する外部ユニットと、上記デジタル信号を可聴音波形信号へ変換するデジタル入力機能を有するヘッドユニットと、上記可聴音波形信号のエンベロープに従って可聴音を出力するスピーカと、を備えるオーディオシステムであって、
    上記外部ユニットと上記ヘッドユニットとを少なくとも3本の信号線で接続し、
    上記少なくとも3本の信号線の中から選択された2本の上記信号線の両端において、残りの上記信号線との間に終端抵抗素子を接続し、
    上記外部ユニットは、上記残りの信号線を基準として、上記終端抵抗素子と分圧抵抗素子とで抵抗分圧した上記デジタル信号を、上記選択された2本の信号線へ平衡型で出力し、
    上記デジタル入力機能を有するヘッドユニットは、上記残りの信号線を基準として、上記2本の信号線の電圧を検出するとともに、それら2本の信号線の電圧差を同相ノイズ除去アンプで増幅し、その増幅された信号に基づいて上記可聴音波形信号を生成することを特徴とするオーディオシステム。
  4. 前記終端抵抗素子は、100Ωよりも小さい抵抗値であるとともに、
    前記外部ユニットが前記2本の信号線へ出力する前記デジタル信号の振幅は、0.1V以下であることを特徴とする請求項3記載のオーディオシステム。
  5. Lチャンネル用の接続部材と、
    Rチャンネル用の接続部材と、
    グランドに接続されるグランド用の接続部材と、
    Lチャンネル用の波形データおよびRチャンネル用の波形データを出力する音源と、
    上記Lチャンネル用の波形データをLチャンネル用の可聴音波形信号へ変換して上記Lチャンネル用の接続部材へ出力するとともに、上記Rチャンネル用の波形データをRチャンネル用の可聴音波形信号へ変換して上記Rチャンネル用の接続部材へ出力する変換手段と、
    上記Lチャンネル用の接続部材と上記変換手段との間および上記Rチャンネル用の接続部材と上記変換手段との間に設けられる2つのローパスフィルタと、を備える外部ユニットであって、
    上記各ローパスフィルタは、上記Lチャンネル用の接続部材と上記変換手段との間にあるいは上記Rチャンネル用の接続部材と上記変換手段との間に並列に接続されるコンデンサ、上記変換手段と上記コンデンサとの間に直列に接続される直列抵抗素子、並びに、上記コンデンサと上記グランドとの間に接続される並列抵抗素子と、を備え、
    上記Lチャンネル用の波形データおよびRチャンネル用の波形データを変調したデジタル変調信号および、このデジタル変調信号と位相が180度ずれた逆相のデジタル変調信号を生成する変調手段と、
    上記変換手段および上記変調手段の動作を制御する制御手段と、を設け、
    上記デジタル変調信号を一方の上記コンデンサと上記並列抵抗素子との間に供給し、上記逆相のデジタル変調信号を他方の上記コンデンサと上記並列抵抗素子との間に供給することを特徴とする外部ユニット。
  6. 前記コンデンサと前記並列抵抗素子との間と、前記変調手段との間に、分圧抵抗素子を設けることを特徴とする請求項5記載の外部ユニット。
  7. 前記並列抵抗素子は、100Ωよりも小さい抵抗値であるとともに、
    前記分圧抵抗素子は、前記デジタル変調信号あるいは前記逆相のデジタル変調信号によって前記並列抵抗素子に発生する電圧が0.1V以下となるような抵抗値であることを特徴とする請求項6記載の外部ユニット。
  8. 前記制御手段は、前記変換手段および前記変調手段を択一的に動作させることを特徴とする請求項5記載の外部ユニット。
  9. 前記Lチャンネル用の接続部材および前記Rチャンネル用の接続部材に、ミュート回路を接続し、
    前記前記制御手段は、前記変調手段を動作させている期間は、前記ミュート回路を動作させない状態に維持することを特徴とする請求項8記載の外部ユニット。
  10. 前記制御手段は、前記変換手段および前記変調手段を共に動作させることを特徴とする請求項5記載の外部ユニット。
  11. 少なくとも2つのスピーカと、
    上記各スピーカへ可聴音波形信号を出力するとともに、デジタル入力機能を有するヘッドユニットと、
    請求項5から10の中のいずれか1項記載の外部ユニットと、
    上記デジタル入力機能を有するヘッドユニットと上記外部ユニットとを接続する少なくとも3本の可聴音波形用信号線と、を備え、
    上記ヘッドユニットは、上記少なくとも3本の可聴音波形用信号線から入力される前記デジタル変調信号と前記逆相のデジタル変調信号との電圧差を増幅することでデジタル変調信号を再生し、この再生したデジタル信号に基づいてLチャンネル用の上記可聴音波形信号およびRチャンネル用の上記可聴音波形信号を生成することを特徴とするオーディオシステム。
  12. 少なくとも2つのスピーカと、
    上記各スピーカへ可聴音波形信号を出力するとともに、アナログ入力機能を有するヘッドユニットと、
    請求項5から10の中のいずれか1項記載の外部ユニットと、
    上記デジタル入力機能を有するヘッドユニットと上記外部ユニットとを接続する少なくとも3本の可聴音波形用信号線と、を備え、
    上記外部ユニットは前記可聴音波形信号を出力し、上記ヘッドユニットは、前記可聴音波形信号を上記各スピーカへ出力することを特徴とするオーディオシステム。
  13. 少なくとも2つのスピーカと、
    上記各スピーカへ可聴音波形信号を出力するとともに、アナログ入力機能を有するヘッドユニットと、
    請求項5から10の中のいずれか1項記載の外部ユニットと、
    上記ヘッドユニットに接続される変換アダプタと、
    上記変換アダプタと上記外部ユニットとを接続する少なくとも3本の可聴音波形用信号線と、を備え、
    上記変換アダプタは、上記少なくとも3本の可聴音波形用信号線から入力される前記デジタル変調信号と前記逆相のデジタル変調信号との電圧差を増幅することでデジタル変調信号を再生し、この再生したデジタル信号に基づいてLチャンネル用の上記可聴音波形信号およびRチャンネル用の上記可聴音波形信号を生成して上記ヘッドユニットへ出力することを特徴とするオーディオシステム。
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