JP2004063770A - 電極間接続構造体の形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電極間接続構造体の形成において、第1接続対象物11に対して、それに設けられた第1電極部11aを覆うように樹脂膜12を形成する工程と、樹脂膜12に対して、第1電極部11aが露出するように開口部12aを形成する工程と、開口部12aに金属ボール13を供給する工程と、第2電極部14aを有する第2接続対象物14と第1接続対象物11とを、第2電極部14aと金属ボール13とが対向するように積層配置する工程と、第1電極部11aおよび第2電極部14aが金属ボール13を介して電気的に接続されるとともに樹脂膜12が金属ボール13を被覆して硬化するように、第1接続対象物11と第2接続対象物14を積層方向に押圧しつつ加熱処理する工程とを行う。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電極間接続構造体の形成方法に関する。より具体的には、電気的接続を伴う半導体チップと半導体チップの接合、半導体チップの配線基板への実装、および、配線基板と配線基板の接合などに適用可能な、電極間接続構造体の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、プリント配線板やセラミック基板への電子部品の実装に関しては、高密度化の要求が高まっており、半導体チップについては、かかる要求を満たす方式としてベアチップ実装方式が注目されている。ベアチップ実装においては、半導体チップと基板配線との電気的接続をワイヤボンディングにより達成する従来のフェイスアップ実装に代わり、半導体チップおよび配線基板のランド電極間にハンダバンプや金バンプを介在させることによって達成するフェイスダウン実装すなわちフリップチップ接合が採用される傾向にある。また、ハンダバンプや金バンプを介して電気的接続を図る技術は、半導体チップ−半導体チップ間および配線基板−配線基板間などにおいても採用される場合がある。
【0003】
図5および図6は、配線基板に対して半導体チップをフリップチップ接合するための従来方法の一例を示す。従来のフリップチップ接合方法においては、まず、図5(a)に示すように、半導体チップ51の有する電極51aに対応した位置に予め開口部52aが設けられたメタルマスク52を用意する。次に、図5(b)に示すように、開口部52aと電極51aとを位置合わせして、メタルマスク52を半導体チップ51上に載置する。次に、図5(c)に示すように、印刷法により、所定のハンダ粉末を含んだハンダペースト53をメタルマスク52の開口部52aに供給する。次に、図5(d)に示すように、ハンダペースト53を残してメタルマスク52を半導体チップ51の表面から取り外す。次に、図5(e)に示すように、ハンダペースト53中のハンダ粉末を一旦溶融させるための加熱処理を経て、電極51a上にバンプ54を形成する。
【0004】
半導体チップ51の電極51aにバンプ54を形成した後、図6(a)に示すように、別途用意した配線基板55の上に半導体チップ51を積層配置する。配線基板55には、バンプ54に対応する位置に電極55aが予め形成されている。本工程では、電極55aとバンプ54とが対向するように位置合わせを行いつつ半導体チップ51を配線基板55上に搭載する。次に、図6(b)に示すように、バンプ54をリフローさせるための加熱処理を経て、電極51aおよび電極55aに対してバンプ54を溶融接合させる。これにより、バンプ54を介して電極51aおよび電極55aを電気的に接続する。このようにして、配線基板55に対する半導体チップ51のフリップチップ接合が達成される。そして、このようなフリップチップ接合においては、図6(c)に示すように、半導体チップ51と配線基板55との間に、接着剤ないしアンダーフィル剤56が充填されて硬化される。アンダーフィル剤56は、電極51aおよび電極55aを電気的に接続する導体部であるバンプ54や、半導体チップ51および配線基板55の表面を保護するとともに、半導体チップ51および配線基板55の間の機械的接合力の少なくとも一部を担うことによって、当該フリップチップ接合部について、長期間に渡る接続信頼性を確保するためのものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような従来の接合方法では、図5(b)の工程においてメタルマスク52を半導体チップ51上に載置する際に、開口部52aと電極51aとを位置合わせする必要があり、電極51aの配設ピッチが小さくなるほど、適切に位置合わせすることが困難となる。特に、電極51aの配設ピッチが200μm以下である場合には、メタルマスク52を載置する際に生ずる位置ずれの程度は相対的に極めて大きくなる傾向にある。メタルマスク52の位置ずれは、バンプ54の形成位置に影響を与え、配線基板55に対して半導体チップ51が当該バンプ54を介してフリップチップ接合された状態において、導通不良を招来する場合がある。
【0006】
また、例えば200μm以下のピッチで設けられた電極51aに形成できるバンプ54の径は、電極51aのサイズをピッチの1/2とした場合、約70μmであり、このようなサイズのバンプ54を介してフリップチップ接合された半導体チップ51と配線基板55の離隔距離は50μm以下となる。半導体チップ51と配線基板55の離隔距離がそのように微小である場合、図6(c)を参照して上述した工程においてアンダーフィル剤56を充填する際に、半導体チップ51または配線基板55とアンダーフィル剤56との間にボイドが発生し易くなり、半導体チップ51および配線基板55の間にアンダーフィル剤56を適切に充填することが困難となる。
【0007】
このように、上述の従来のフリップチップ接合方法は、特に半導体チップおよび配線基板に狭ピッチないし高密度で電極が設けられている場合に、バンプ形成における位置精度に乏しく、且つ、アンダーフィル剤の充填に困難性を有する。
そのため、上述の従来のフリップチップ接合方法では、高密度化が進む半導体チップ−配線基板間の実装において良好な接続信頼性を得るのは、困難である。
【0008】
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、上述の従来の問題点を解消ないし軽減することを課題とし、良好な接続信頼性を達成可能であって高密度実装に適した電極間接続構造体形成方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明により提供される電極間接続構造体の形成方法は、第1電極部を有する第1接続対象物に対して、第1電極部を覆うように樹脂膜を形成する工程と、樹脂膜に対して、第1電極部が露出するように開口部を形成する工程と、開口部に金属ボールを供給する供給工程と、第1接続対象物、および、第2電極部を有する第2接続対象物を、開口部に供給された金属ボールと第2電極部とが対向するように積層配置する工程と、第1電極部および第2電極部が金属ボールを介して電気的に接続されるとともに、樹脂膜が金属ボールを被覆して硬化するように、第1接続対象物および第2接続対象物を積層方向に押圧しつつ加熱処理を行う接合工程と、を含むことを特徴とする。この電極間接続構造体形成方法は、例えば、電気的接続を伴う半導体チップと半導体チップの接合、半導体チップの配線基板への実装、および、配線基板と配線基板の接合を行う際に、適用することができる。
【0010】
このような電極間接続構造体形成方法は、電気的接続を伴う半導体チップと半導体チップの接合、半導体チップの配線基板への実装、および、配線基板と配線基板の接合などにおいて、良好な接続信頼性を達成可能であって高密度実装に適している。
【0011】
本発明において、金属ボールが供給ないし配置される開口部は、樹脂膜に対して形成される。この樹脂膜は、接合工程の加熱処理を経て、第1接続対象物および第2接続対象物の間で硬化して、第1および第2接続対象物を接合する。これにより、樹脂膜において、アンダーフィル剤に求められる接続対象物間の接合機能が得られる。また、接合工程では、第1および第2接続対象物を積層方向に押圧しつつ加熱処理を行ない、接続対象物間に介在する樹脂膜および金属ボールには当該積層方向に押圧力が作用して、樹脂膜が金属ボールを被覆して硬化する。
これにより、樹脂膜において、アンダーフィル剤に求められる電気的接続部の保護機能が得られる。このように、本発明によると、第2接続対象物との接合の前に第1接続対象物上に予め形成されている樹脂膜が、形成される電極間接続構造体においてアンダーフィル剤として機能することとなり、その結果、第1および第2接続対象物の間において良好な接続信頼性を達成することが可能なのである。例えば特開昭63−3422号公報には、ICチップ−基板間をハンダボールにより電気的かつ機械的に接続する技術が開示されているが、当該接続構造体は、ICチップ−基板間を機械的に接合するとともにハンダボールによる電気的接続部を被覆保護するためのアンダーフィル剤を伴わない構成をとる。そのため、当該公報に開示されている技術によると、接続対象物間において良好な接続信頼性を達成するのは困難な傾向にある。
【0012】
本発明においては、第2接続対象物との接合の前に第1接続対象物に対して予め積層形成された樹脂膜がアンダーフィル剤として機能することとなるため、電極間が接続された状態における第1接続対象物および第2接続対象物の間へのアンダーフィル剤の充填を行う必要がない。そのため、第1および第2接続対象物の間において短い離隔距離が許容される。例えば、当該離隔距離を50μm以下とすることも可能である。その結果、第1および第2接続対象物において、例えば200μm以下の微細なピッチで電極を設けることが可能となる。また、本発明において、金属ボールが供給される開口部は、第1接続対象物上に積層形成された樹脂膜に対して、例えばフォトリソグラフィやUV−YAGレーザにより形成される。第1および第2接続対象物の表面に設けられている電極の配設ピッチが例えば200μm以下と微細であっても、フォトリソグラフィ技術やUV−YAGレーザによると、樹脂膜に対して、電極に対応する微細なピッチで開口部を位置精度よく形成することができる。そのため、第1接続対象物と第2接続対象物の電気的接続を図るための導電部材である金属ボールは、第1接続対象物の各電極部上に対して、微細なピッチであっても位置精度よく供給ないし配置されることとなる。このように、本発明によると、第1接続対象物および第2接続対象物の間において短い離隔距離が許容されるとともに、接続対象物間の電気的接続を図るための金属ボールを位置精度よく配置することができるため、電極密度ないし配線密度の高い即ち高密度実装化が図られた電極間接続構造体を形成することが可能なのである。
【0013】
このように、本発明に係る電極間接続構造体の形成方法は、良好な接続信頼性を達成可能であって高密度実装に適している。
【0014】
加えて、本発明においては、第1接続対象物と第2接続対象物との電気的接続を担うために第1接続対象物上の樹脂膜における開口部に供給される導電部材は、金属ボールである。金属ボールは、多数の開口部に対して容易かつ適切に供給することが可能である。
【0015】
好ましくは、接合工程の前において、第1接続対象物に対して形成された樹脂膜の厚さに対する、開口部に供給された金属ボールの高さの比の値は、0.8〜1.3である。接合工程の前における樹脂膜の厚さとは、第1接続対象物の上に樹脂膜が積層されている状態であって接合工程が行われる前の、樹脂膜最上露出表面と第1接続対象物表面との間の長さをいう。また、接合工程の前における金属ボールの高さとは、開口部に金属ボールが受容された状態であって接合工程が行われる前の、第1接続対象物表面から金属ボール頂部までの高さをいう。樹脂膜厚に対する金属ボール高さの比に関する上述のような構成は、接合工程において、第1および第2接続対象物を積層方向に押圧しつつ加熱処理を行なう際に、樹脂膜が金属ボールを被覆するように、樹脂膜および金属ボールが積層方向に圧し潰されて良好に密着するうえで好適である。
【0016】
好ましい実施の形態では、接合工程の前において、開口部に供給された金属ボールは開口部から突き出ている。このような構成によると、第1接続対象物に対して第2接続対象物を搭載する際に、第2接続対象物は、樹脂膜に当接するより先に、第2電極部を介して金属ボールに当接することとなる。第2電極部と金属ボールがこのようにして確実に接触する状態を経ることは、続いて行う接合工程において、第2電極部と金属ボールを適切に接続するうえで好適である。また、他の好ましい実施の形態では、接合工程の前において、開口部に供給された金属ボールは開口部の内に退避している。このような構成によると、第1接続対象物に対して第2接続対象物を搭載する際に、第2接続対象物は、金属ボールに当接する前に樹脂膜に当接することとなる。このような構成は、搭載時において第1および第2接続対象物に作用する衝撃を緩和するうえで好適である。
【0017】
好ましい実施の形態においては、供給工程では、スキージングにより、開口部に金属ボールを供給する。他の好ましい実施の形態においては、供給工程では、金属ボールを吸引可能な吸着部を有する吸着ヘッドにより、開口部に金属ボールを供給する。これらの構成によると、多数の開口部に対して金属ボールを効率よく供給することができ、その結果、電極間接続構造体の形成効率を向上することが可能となる。
【0018】
好ましくは、供給工程の前に、開口部に対応して開口するマスクを樹脂膜の上に設け、供給工程では、当該マスクを介して開口部に金属ボールを供給する。このような構成によると、供給工程において、一旦開口部に入り込んだ金属ボールが開口部から飛び出してしまうのを抑制し、各開口部に対して金属ボールを適切に供給することが可能となる。
【0019】
好ましくは、接合工程では、金属ボールは、第1電極部および/または第2電極部に対して溶融接合される。また、金属ボールは、80〜400℃の融点を有するのが好ましい。このような低融点の金属ボールを採用することにより、接合工程における加熱処理の温度を低く設定することができ、従って、接合工程において、第1および第2接続対象物に作用する熱的負荷を低減することが可能となる。
【0020】
好ましくは、接合工程では、金属ボールは、第1電極部および/または第2電極部に対して圧接される。本発明では、金属ボールを溶融せずに、第1電極部および/または第2電極部に圧接することにより、電気的接続を達成することもできる。このような構成によると、接合工程における加熱処理の温度を低く設定することができ、従って、接合工程において、第1および第2接続対象物に作用する熱的負荷を低減することが可能となる。
【0021】
好ましくは、金属ボールは、コア部と当該コア部を覆う被覆部とからなる複合構造を有する。例えば、体積割合の大きなコア部を低抵抗金属により構成し、且つ、低融点の又は軟質の金属により被覆部を構成すると、電極間接続構造体において、第1および第2電極部との界面における接続状態が良好であって接続抵抗の低い電気的接続部を形成することができる。このように、上述の構成の複合構造を有する金属ボールは、良好な電気的接続部を形成するうえで好適な場合がある。
【0022】
好ましくは、樹脂膜は感光性を有している。この場合、開口部の形成にフォトリソグラフィを採用することが可能となる。また、好ましくは、樹脂膜はフィルム状樹脂組成物から形成される。フィルム状樹脂組成物によると、第1接続対象物に対して樹脂膜を簡易に形成することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電極間接続構造体形成方法の一連の工程を表す。本実施形態では、フリップチップ接合方法を例に挙げて説明する。本実施形態においては、まず、図1(a)に示すように、表面に電極11aが設けられている配線基板11に対して、電極11aを覆うように樹脂膜12を積層形成する。配線基板11は、例えば、セラミック基板や半導体基板(半導体ウエハ)に所定の配線(図示略)が形成されたものである。或は、配線基板11は、ガラスエポキシ基板、BTレジン基板、テフロン基板などの有機基板に所定の配線(図示略)が形成されたものである。樹脂膜12の形成においては、フィルム状の樹脂組成物を、配線基板11に対して載置した後、例えば50〜140℃で加熱しつつ圧着する。或は、液状樹脂組成物を、スピンコートにより配線基板11の表面に塗布し、それを乾燥してもよい。
【0024】
樹脂膜12を形成するための樹脂組成物は、熱硬化性樹脂である主剤と、これに対応する硬化剤と、硬化促進剤と、無機フィラーとを含んで、フィルム状に成形されるか、或は液状とされる。予め所定の厚さで成形されたものを使用できること、および、液状樹脂組成物を使用する場合に必要な塗布後のプリベーク工程を省略できることなどから、樹脂膜12を形成する材料としてはフィルム状樹脂組成物を採用するのが好ましい。フィルム状樹脂組成物を使用する場合、フィルムの厚さについては、配線基板11および後述の半導体チップ14の電極ピッチ、電極サイズ、および、接続信頼性の観点から推定される接続高さに基づいて決定する。
【0025】
熱硬化性樹脂である主剤としてはエポキシ樹脂が好ましい。エポキシ樹脂としては、固形タイプまたは液状タイプの、ビスフェノールA型エポキシ、ビスフェノールF型エポキシ、ナフタレン型エポキシ、臭素化エポキシ、フェノールノボラック型エポキシ、クレゾールノボラック型エポキシ、ビフェニル型エポキシなどが挙げられる。フィルム状樹脂組成物を作製する場合、または、液状樹脂組成物を作製する場合に応じて、固形タイプまたは液状タイプの上述のエポキシ材料は、適宜使い分けられる。
【0026】
硬化剤としては、イミダゾール系硬化剤、酸無水物硬化剤、アミン系硬化剤などが挙げられる。イミダゾール系硬化剤としては、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−[2−メチルイミダゾール−(1)]−エチル−S−トリアジン、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾールなどが挙げられる。酸無水物硬化剤としては、無水フタル酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水ハイミック酸、テトラブロモ無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物などが挙げられる。アミン系硬化剤としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、メンセンジアミン、イソホロンジアミン、メタキシレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルスルフォンなどが挙げられる。
【0027】
硬化促進剤としては、イミダゾール系硬化促進剤や有機ホスフィン系硬化促進剤を使用することができる。イミダゾール系硬化促進剤としては、1−メチル−2−エチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾールなどが挙げられる。有機ホスフィン系硬化促進剤としては、トリフェニルホスフィンなどが挙げられる。
【0028】
無機フィラーとしては、シリカ粉末やアルミナ粉末を用いることができる。樹脂膜12を形成するための樹脂組成物において、その熱膨張率を適切な範囲に制御するという観点からは、無機フィラーの含有率は30〜70wt%とするのが好ましい。
【0029】
樹脂膜12に感光性を付与する場合には、樹脂膜12を形成するための樹脂組成物に対してアクリルモノマーおよび光重合開始剤を添加する。アクリルモノマーとしては、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、1,6−ヘキサンジオールアクリレート、ラウリルアクリレート、アルキルアクリレート、セチルアクリレート、ステアリルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ベンジルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、エチルアカルビートルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェノキシポリエチレンアクリレート、メトキシトリプロピレングリコールアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸モノ−(2−アクリロイルオキシ−1−メチル−エチル)エステル、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸モノ−(2−アクリロイルオキシ−1−メチル−エチル)エステル、ジメチルアミノエチルアクリレート、トリフルオロエチルアクリレート、ヘキサフルオロプロピルアクリレートなどの単官能モノマーや、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ビスフェノールA,EO付加物ジアクリレート、グリセリンメタクリレートアクリレートなどの2官能モノマーや、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチルプロパンEO付加トリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパンEO付加物トリアクリレート、グリセリンPO付加物トリアクリレート、トリスアクリロイルオキシエチルフォスフェート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートなどの多官能モノマーなどを用いることができる。ただし、アクリルモノマーに代えて又はこれと共にビスフェノールA−ジエポキシ−アクリル酸付加物などのオリゴマーを用いることもできる。樹脂膜12を形成するための樹脂組成物において、アクリルモノマーの含有率は、1〜30wt%が好ましい。
【0030】
光重合開始剤としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モノフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モノフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ビル−1−イル)チタニウムなどを用いることができる。樹脂膜12を形成するための樹脂組成物において、光重合開始剤の含有率は、0.1〜3wt%が好ましい。
【0031】
樹脂膜12を形成するための樹脂組成物には、更に、ポリエステル樹脂やアクリル樹脂などの熱可塑性樹脂を添加してもよい。
【0032】
樹脂膜12の形成の後、図1(b)に示すように、樹脂膜12に対して、各電極11aに対応する箇所に開口部12aを形成する。開口部12aの形成には、UV−YAGレーザ、炭酸ガスレーザ、エキシマレーザなどを用いることができる。感光性を有する樹脂膜12を形成した場合には、開口部12aの形成にはフォトリソグラフィを採用することができる。電極11aへのダメージを抑制するという観点からは、フォトリソグラフィを採用するのが好ましい。フォトリソグラフィを採用する場合には、樹脂膜12に対して、所定のフォトマスク(図示せず)を介しての露光処理およびその後の現像処理を施すことにより、各電極11aが露出するように開口部12aを形成する。上述の各種レーザまたはフォトリソグラフィによると、樹脂膜12に対して、微細なピッチで位置精度よく開口部12aを形成することが可能である。
【0033】
次に、供給工程において、図1(c)に示すように、開口部12aに金属ボール13を供給する。具体的には、樹脂膜12上の所定箇所に複数の金属ボール13を載置し、スキージ(図示略)を用いたスキージングにより、これら金属ボール13を移動させて各開口部12aに受容させる。全ての開口部12aに金属ボール13が受容されるまで、スキージングを繰り返す。スキージは、樹脂膜12に損傷を与えることを回避ないし軽減するため、ウレタンゴムスキージを用いるのが好ましい。
【0034】
供給工程においては、メタルマスクを使用してもよい。具体的には、まず、図2(a)に示すように、樹脂膜12の開口部12aに対応する位置に開口部15aを有するメタルマスク15を、樹脂膜12の上に位置合わせしつつ配置する。
次に、メタルマスク15上の所定箇所に載置された金属ボール13を、スキージ(図示略)を用いたスキージングにより移動させて、図2(b)に示すように、メタルマスク15の開口部15aを介して各開口部12aに受容させる。全ての開口部12aに金属ボール13が受容されるまで、スキージングを繰り返す。次に、図2(c)に示すように、メタルマスク15を樹脂膜12の表面から取り外し、上述した図1(c)に示す状態とする。このような方法によると、一旦開口部12aに入り込んだ金属ボール13が開口部12aから飛び出してしまうのを充分に抑制し、各開口部12aに対して金属ボール13を適切に供給することができる。このような方法は、金属ボール13の直径が比較的大きな場合に特に効果的である。また、メタルマスク15に代えて、開口部12aに対応する開口部と充分な膜厚とを有するレジストパターンをマスクとして使用して、図2に示すような工程を経てもよい。
【0035】
供給工程においては、スキージに代えて、金属ボール移載用の吸着ヘッドを使用してもよい。具体的には、まず、図3(a)に示すように、吸着ヘッド16の吸着ノズル16aにより金属ボール13を真空吸着しつつ、金属ボール13を開口部12aないし電極11aの上方に移送する。吸着ノズル16aは、配線基板11の電極11aに対応する位置に設けられている。次に、図3(b)に示すように、吸着ヘッド16を下降させて、金属ボール13を電極11aに対して近接させる。次に、吸着ヘッド16の真空吸着を解除して金属ボール13を開口部12aに受容させた後、吸着ヘッド16を移動させ、上述した図1(c)に示す状態とする。このような方法によっても、一旦開口部12aに入り込んだ金属ボール13が開口部12aから飛び出してしまうのを抑制し、各開口部12aに対して金属ボール13を適切に供給することができる。吸着ヘッド16を使用する場合においても、図2に示すようなメタルマスク15を介在させて開口部12aに金属ボール13を供給してもよい。
【0036】
また、供給工程の前に、各開口部12aにおける電極11aに対して、テトラエチレングリコールなどの溶剤、または、エポキシと硬化剤とを含む液状樹脂組成物を塗布しておいてもよい。これらの溶剤または液状樹脂組成物が電極11aと金属ボール13の間に介在することによって、加熱処理を伴う後述の接合工程において金属ボール13を溶融させる場合に、電極11aに対する金属ボール13の濡れ性が向上する。また、供給工程の前に電極11a上に液状樹脂組成物を供給しておく場合、当該液状樹脂組成物は、その粘性により、電極11aに対して金属ボール13を仮固定する役割を担うことにもなる。このような仮固定は、供給工程において、一旦開口部12aに入り込んだ金属ボール13が開口部12aから飛び出してしまうのを抑制する。電極11aに塗布される溶剤や液状樹脂組成物としては、電極11aと金属ボール13の電気的接続を有意に阻害しないように、後述の接合工程において、加熱処理により充分に揮発するか或は樹脂膜中に取り込まれるものを使用する。
【0037】
金属ボール13を構成する材料は、Al,Au,Pd,Sn,Pb,Ag,Cu,In,Bi,Zn,Sbなどから選択される単体金属、または、これらから選択される複数の単体金属からなる合金である。また、金属ボール13は、コア部と当該コア部を覆う被覆部とからなる複合構造を有するものであってもよい。
例えば、低抵抗であるCuボールによりコア部を構成し、当該Cuコア部の表面に、Cuよりも低融点で低硬度のSnにより、被覆部としての薄いめっき膜を形成する。このような複合構造を有する金属ボール13では、後述の接合工程において、配線基板11の電極11aや半導体チップ14の電極14aと直接接触するのはSnめっき膜である。電気抵抗の小さい金属材料を主体としつつ、対向する電極と接触する箇所には比較的低融点または低硬度の金属材料を用いると、電極間の接続において低抵抗の電気的接続を良好に達成することができる。
【0038】
本実施形態では、図1(c)に示すように金属ボール13が開口部12aに配置された状態において、樹脂膜12の厚さL1に対する金属ボール13の高さL2の比の値(L2/L1)は、1よりも大きく且つ1.3以下である。すなわち、金属ボール13の頂部は、所定の制限内において、図1(c)に示すように開口部12aから突き出ている。本実施形態では、配線基板11の基板表面から突出する電極11aを表しているので、金属ボール13の高さL2は、電極11aの突出長さと金属ボール13の直径との和に相当する。電極11aが配線基板11の基板表面から退避している場合には、金属ボール13の高さL2は、金属ボール13の直径と電極11aの退避長さとの差に相当する。また、配線基板11の基板表面に対して電極11aの最上表面が面一である場合には、金属ボール13の高さL2は、金属ボール13の直径に相当する。
【0039】
また、図1(c)に示すように金属ボール13が開口部12aに配置された状態において、樹脂膜12の厚さL1に対する金属ボール13の高さL2の比の値(L2/L1)が0.8〜1.3の範囲にある場合、後述の接合工程において、配線基板11および半導体チップ14を積層方向に押圧しつつ加熱処理を行なう際に、樹脂膜12が金属ボール13を被覆するように、樹脂膜12および金属ボール13が積層方向に圧し潰されて良好に密着するうえで好適である。
【0040】
また、金属ボール13の融点は、好ましくは80〜400℃である。このような低融点の金属ボール13を採用することにより、後述の接合工程における加熱処理の温度を低く設定することができ、従って、接合工程において、配線基板11および半導体チップ14に作用する熱的負荷を低減することが可能となる。
【0041】
金属ボール13の供給の後、図1(d)に示すように、配線基板11に対して半導体チップ14を搭載する。具体的には、樹脂膜12の開口部12aに供給されている金属ボール13と半導体チップ14の電極14aとが対向するように位置合わせした後、半導体チップ14に所定の荷重を付与しつつ、配線基板11に半導体チップ14を搭載する。このとき、金属ボール13が開口部12aから突き出ているので、半導体チップ14は、その電極14aを介して先ず金属ボール13に当接する。
【0042】
次に、接合工程において、配線基板11に対して半導体チップ14を所定の荷重で押圧した状態において所定の加熱処理を行なうことによって、図1(e)に示すように、配線基板11と半導体チップ14を機械的に接合するとともに、電極11aと電極14aとを電気的に接続する。
【0043】
加熱処理の昇温過程においては、まず、配線基板11および半導体チップ14の間の樹脂膜12は金属ボール13の融点以下の温度で一旦軟化する。このとき、軟化した樹脂膜12は、押圧されて歪んだ金属ボール13と密着する。上述のように、接合工程前における樹脂膜12の厚さL1に対する金属ボール13の高さL2の比の値(L2/L1)は0.8〜1.3の範囲にあるので、軟化した樹脂膜12が金属ボール13を被覆するように、樹脂膜12と金属ボール13は良好に密着する。続いて、金属ボール13が溶融または圧接することにより電極11aおよび電極14aが電気的に接続されるとともに、樹脂膜12において硬化反応が進行する。このとき、電極14aに対して金属ボール13が予め当接した状態にあるため、これらの間の電気的接続は確実に達成され、これとともに、樹脂膜12の硬化によって、配線基板11と半導体チップ14とが機械的に接合される。金属ボール13を電極11aおよび電極14aと溶融接合させる場合には、加熱処理における最高温度は、金属ボール13の融点よりも10〜50℃高い温度とするのが好ましい。また、電極11aおよび電極14aに対する金属ボール13の圧接により電気的接続を達成するためには、金属ボール13を構成する材料は、電極11a,14aとの間で充分な接触面積を得るべくIn,Sn,Auなどの軟質な金属が好ましい。
【0044】
以上のような第1の実施形態に係る電極間接続構造体形成方法においては、金属ボール13を受け入れる開口部12aは、熱硬化性の樹脂膜12に形成される。この樹脂膜12は、接合工程の加熱処理により、配線基板11および半導体チップ14の間で硬化して、両者を接合する。これにより、樹脂膜12において、アンダーフィル剤に求められる接続対象物間の接合機能が得られる。また、接合工程では、配線基板11および半導体チップ14を積層方向に押圧しつつ加熱処理を行ない、樹脂膜12および金属ボール13には当該積層方向に押圧力が作用して、樹脂膜12が金属ボール13を被覆しつつ硬化する。これにより、樹脂膜12において、アンダーフィル剤に求められる電気的接続部の保護機能が得られる。このように、配線基板11において予め形成されている樹脂膜12が、形成されるフリップチップ接合部においてアンダーフィル剤として機能することとなり、その結果、配線基板11および半導体チップ14の間において良好な接続信頼性を達成することが可能である。
【0045】
また、第1の実施形態に係る電極間接続構造体形成方法においては、半導体チップ14との接続の前に配線基板11に対して予め積層形成された樹脂膜12がアンダーフィル剤として機能することとなるため、電極間が接続された状態における配線基板11および半導体チップ14の間の隙間へのアンダーフィル剤の充填を行う必要がない。そのため、配線基板11および半導体チップ14の間において短い離隔距離が許容され、その結果、配線基板11および半導体チップ14において微細なピッチで電極11a,14aを設けることが可能となる。また、金属ボール13が供給される開口部12aは、配線基板11上に積層形成された樹脂膜12に対して、例えばフォトリソグラフィやUV−YAGレーザにより形成される。配線基板11および半導体チップ14の表面に設けられている電極11a,14aの配設ピッチが微細であっても、フォトリソグラフィ技術やUV−YAGレーザによると、樹脂膜12に対して、電極11a,14aに対応する微細なピッチで開口部12aを位置精度よく形成することができる。したがって、配線基板11と半導体チップ14の電気的接続を図るための金属ボール13は、配線基板11における開口部12aに対して、微細なピッチであっても位置精度よく供給され得る。このように、上述の電極間接続構造体形成方法によると、配線基板11および半導体チップ14の間において短い離隔距離が許容されるとともに、配線基板11および半導体チップ14の電気的接続を図るための金属ボール13を位置精度よく配置することができるため、電極密度ないし配線密度の高い即ち高密度実装化が図られた電極間接続構造体を形成することが可能なのである。
【0046】
図4は、本発明の第2の実施形態に係る電極間接続構造体形成方法を表す。本実施形態についても、フリップチップ接合方法を例に挙げて説明する。まず、図4(a)に示すように、表面に電極21aが設けられている配線基板21に対して、電極21aを覆うように樹脂膜22を積層形成する。次に、図4(b)に示すように、樹脂膜22に対して、各電極21aに対応する箇所に開口部22aを形成する。樹脂膜22の構成材料、並びに、樹脂膜22および開口部22aの形成方法については、第1の実施形態において樹脂膜12および開口部12aに関して上述したのと同様である。
【0047】
次に、図4(c)に示すように、開口部22aに金属ボール23を供給する。
金属ボール23の構成材料については、第1の実施形態において上述した金属ボール13の構成材料と同様である。また、開口部22aに対する金属ボール23の供給方法については、第1の実施形態において上述した開口部12aに対する金属ボール13の供給方法と同様である。すなわち、金属ボール23は、スキージングにより、或は吸着ヘッド16を使用することにより、開口部22aに供給することができ、その際、メタルマスク15などのマスクを利用することができる。また、第1の実施形態と同様に、供給工程の前に、各開口部22aにおける電極21aに対して、テトラエチレングリコールなどの溶剤、または、エポキシと硬化剤とを含む液状樹脂組成物を供給しておいてもよい。
【0048】
本実施形態では、図4(c)に示すように金属ボール23が開口部22aに配置された状態において、樹脂膜22の厚さL1に対する金属ボール23の高さL2の比の値(L2/L1)は、0.8以上であって且つ1よりも小さい。すなわち、金属ボール23の頂部は、所定の制限内において、図4(c)に示すように、開口部22aの内へと退避している。金属ボール23に関するその他の構成および構成材料については、第1の実施形態において金属ボール13に関して上述したのと同様である。
【0049】
金属ボール23の供給の後、図4(d)に示すように、配線基板21に対して半導体チップ24を搭載する。具体的には、樹脂膜22の開口部22aに供給されている金属ボール23と半導体チップ24の電極24aとが対向するように位置合わせした後、半導体チップ24に所定の荷重を付与しつつ、配線基板21に半導体チップ24を搭載する。このとき、金属ボール23の頂部が開口部22aの内へ充分に退避している場合には、半導体チップ24は、その基板表面を介して、先ず、軟質な樹脂膜22に当接する。この場合、搭載時において半導体チップ24および配線基板21に作用する衝撃は少なく、衝撃に起因して特に半導体チップ24が劣化するのを抑制することができる。
【0050】
次に、接合工程において、配線基板21に対して半導体チップ24を所定の荷重で押圧した状態において所定の加熱処理を行なうことによって、図4(e)に示すように、配線基板21と半導体チップ24を機械的に接合するとともに、電極21aと電極24aとを電気的に接続する。
【0051】
加熱処理の昇温過程においては、まず、配線基板21および半導体チップ24の間の樹脂膜22は金属ボール23の融点以下の温度で一旦軟化する。このとき、軟化した樹脂膜22は、押圧されて歪んだ金属ボール23と密着する。接合工程前における樹脂膜22の厚さL1に対する金属ボール23の高さL2の比の値(L2/L1)は0.8〜1.3の範囲にあるので、軟化した樹脂膜22が金属ボール23を被覆するように、樹脂膜22と金属ボール23は良好に密着する。続いて、金属ボール23が溶融または圧接することにより電極21aおよび電極24aが電気的に接続されるとともに、樹脂膜22において硬化反応が進行する。金属ボール23を電極21aおよび電極24aと溶融接合させる場合には、加熱処理における最高温度は、金属ボール23の融点よりも10〜50℃高い温度とするのが好ましい。また、電極21aおよび電極24aに対する金属ボール23の圧接により電気的接続を達成するためには、金属ボール23を構成する材料は、電極21a,24aとの間で充分な接触面積を得るべくIn,Sn,Auなどの軟質な金属が好ましい。
【0052】
以上のような第2の実施形態に係る電極間接続構造体形成方法においても、第1の実施形態に係る方法と同様に、配線基板21において予め形成されている樹脂膜22が、形成されるフリップチップ接合部においてアンダーフィル剤として機能することとなり、その結果、配線基板21および半導体チップ24の間において良好な接続信頼性を達成することが可能である。
【0053】
また、第2の実施形態に係る電極間接続構造体の形成方法においても、第1の実施形態に係る方法と同様に、電極間が接続された状態における配線基板21および半導体チップ24の間の隙間へのアンダーフィル剤の充填を行う必要がないため、配線基板21および半導体チップ24の間において短い離隔距離が許容され、その結果、配線基板21および半導体チップ24において微細なピッチで電極21a,24aを設けることが可能となる。これとともに、配線基板21および半導体チップ24の表面に設けられている電極21a,24aの配設ピッチが微細であっても、フォトリソグラフィやUV−YAGレーザによって、樹脂膜22に対して、電極21a,24aに対応する微細なピッチで開口部22aを位置精度よく形成することができ、その結果、配線基板21と半導体チップ24の電気的接続を図るための金属ボール23は、開口部22aに対して、微細なピッチであっても位置精度よく供給され得る。このように、第2の実施形態に係るの電極間接続構造体形成方法によっても、第1の実施形態に係る方法によるのと同様に、電極密度ないし配線密度の高い即ち高密度実装化が図られた電極間接続構造体を形成することが可能なのである。
【0054】
以上、本発明に係る電極間接続構造体形成方法をフリップチップ接合方法を例に挙げて説明した。本発明は、フリップチップ接合に限らず、半導体チップと半導体チップの接合、および、配線基板と配線基板の接合においても適用することができる。また、本発明は、複数の半導体素子が造り込まれている半導体ウエハ、または、複数の回路ユニットが造り込まれている多面取り基板などにおいても適用することが可能である。例えば、まず、樹脂膜12,22の形成、開口部12a,22aの形成、金属ボール13,23の供給、および、半導体チップ14,24の接合を、半導体ウエハまたは多面取り基板である配線基板11に対して行う。次に、所定の箇所に半導体チップ14,24が接合された半導体ウエハや多面取り基板を個片に分割し、各電極間接続構造体を得る。
【0055】
【実施例】
次に、本発明の実施例について説明する。
【0056】
【実施例1】
<樹脂フィルムの作製>
主剤としての固形タイプのビスフェノールA型エポキシ(商品名:AER6042、旭化成エポキシ製)を61wt%、主剤としての液状タイプのビスフェノールF型エポキシ(商品名:GY260、日立化成製)を15wt%、固形の硬化剤としてのイミダゾール(商品名:2MZ−A、四国化成製)を7wt%、アクリル樹脂としてのポリメチルメタクリレート(商品名:PMMA、アルドリッチ製)を7wt%、アクリルモノマーとしてのビスフェノールA−ジエポキシ−アクリル酸付加物(商品名:V#540、大阪有機化学工業製)を9wt%、光重合開始剤としての2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モノフォリノフェニル)−ブタン−1−オン(商品名:イルガキュア369、チバスペシャリティケミカルズ製)を1wt%含有する中間樹脂組成物を調製した。この中間樹脂組成物と、平均粒径4μmのシリカ粉末とを、重量比1:1(シリカ粉末の添加率は50wt%)で混連し、100μmの厚さのフィルムを成形することによって本実施例の樹脂フィルムを作製した。フィルムの成形に際しては、シリカ粉末を添加および混合した後の樹脂組成物をメチルケトン中に溶解ないし分散させ、分散液をPETフィルム上に塗工した後に乾燥により溶媒を除去した。
【0057】
<電極間接続構造体の作製>
上述のようにして作製した樹脂フィルムを、セラミック基板(電極数3000個、電極径100μm、電極ピッチ200μm)に対して、電極を覆うように、ロールマウンタ(エム・シー・ケー製)を使用して80℃の加熱下で貼り付けて樹脂膜を形成した。次に、当該樹脂膜に対し、露光および現像を施して、電極が露出するように直径110μmの開口部を形成した。現像は、N−メチル−2−ピロリドンを用いて行った。形成した各開口部に対し、合金組成がSn−3.5%Agで直径100μmのハンダボールを、ウレタンゴムスキージによるスキージングにより供給した。この状態において、樹脂膜の厚さL1に対するハンダボールの高さL2の比の値(L2/L1)は1である。次に、当該セラミック基板の電極と同じピッチで形成された電極を有する半導体チップを、半導体チップの電極とセラミック基板の電極とを位置合わせしつつ配線基板に対して搭載し、半導体チップに20gの荷重を加えながら、4℃/minの昇温速度で260℃に加熱した。このようにして、半導体チップがセラミック基板にフリップチップ接合されて、半導体チップとセラミック基板の間に封止樹脂が介在する本実施例の電極間接続構造体を作製した。
【0058】
【実施例2】
<樹脂フィルムの作製>
主剤としての固形タイプのビスフェノールA型エポキシ(商品名:AER6042、旭化成エポキシ製)を67wt%、主剤としての液状タイプのビスフェノールF型エポキシ(商品名:GY260、日立化成製)を17wt%、固形の硬化剤としてのイミダゾール(商品名:2MZ−A、四国化成製)を8wt%、アクリル樹脂としてのポリメチルメタクリレート(商品名:PMMA、アルドリッチ製)を8wt%含有する中間樹脂組成物を調製した。この中間樹脂組成物と、平均粒径4μmのシリカ粉末とを、重量比1:1(シリカ粉末の添加率は50wt%)で混連し、100μmの厚さのフィルムを成形することによって本実施例の樹脂フィルムを作製した。
【0059】
<電極間接続構造体の作製>
上述のようにして作製した樹脂フィルムを、セラミック基板(電極数3000個、電極径100μm、電極ピッチ200μm)に対して、電極を覆うように、ロールマウンタ(エム・シー・ケー製)を使用して80℃の加熱下で貼り付けて樹脂膜を形成した。次に、当該樹脂膜に対し、UV−YAGレーザを用いて、電極が露出するように直径110μmの開口部を形成した。現像は、N−メチル−2−ピロリドンを用いて行った。形成した各開口部に対し、合金組成がSn−3.5%Agで直径100μmのハンダボールを、ウレタンゴムスキージによるスキージングにより供給した。この状態において、樹脂膜の厚さL1に対するハンダボールの高さL2の比の値(L2/L1)は1である。次に、当該セラミック基板の電極と同じピッチで形成された電極を有する半導体チップを、半導体チップの電極とセラミック基板の電極とを位置合わせしつつ配線基板に対して搭載し、半導体チップに20gの荷重を加えながら、4℃/minの昇温速度で260℃に加熱した。このようにして、半導体チップがセラミック基板にフリップチップ接合されて、半導体チップとセラミック基板の間に封止樹脂が介在する本実施例の電極間接続構造体を作製した。
【0060】
【実施例3】
<液状樹脂組成物の調製>
主剤としての固形タイプのビスフェノールA型エポキシ(商品名:AER6042、旭化成エポキシ製)を41wt%、主剤としての液状タイプのビスフェノールF型エポキシ(商品名:GY260、日立化成製)を10wt%、固形の硬化剤としてのイミダゾール(商品名:2MZ−A、四国化成製)を4.7wt%、アクリル樹脂としてのポリメチルメタクリレート(商品名:PMMA、アルドリッチ製)を4.7wt%、アクリルモノマーとしてのビスフェノールA−ジエポキシ−アクリル酸付加物(商品名:V#540、大阪有機化学工業製)を6wt%、光重合開始剤としての2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モノフォリノフェニル)−ブタン−1−オン(商品名:イルガキュア369、チバスペシャリティケミカルズ製)を0.6wt%、溶媒としてのメチルエチルケトンを33wt%含有する中間樹脂組成物を調製した。この中間樹脂組成物と、平均粒径4μmのシリカ粉末とを、重量比4:1(シリカ粉末の添加率は20wt%)で混連し、樹脂膜形成用の液状樹脂組成物を調製した。
【0061】
<電極間接続構造体の作製>
上述のようにして調製した液状樹脂組成物を、セラミック基板(電極数3000個、電極径100μm、電極ピッチ200μm)に対して、電極を覆うように150μmの厚さにスピンコーティングし、80℃の温度下で乾燥して100μmの樹脂膜を形成した。次に、当該樹脂膜に対し、露光および現像を施して、電極が露出するように直径110μmの開口部を形成した。現像は、N−メチル−2−ピロリドンを用いて行った。形成した各開口部に対し、合金組成がSn−3.5%Agで直径100μmのハンダボールを、ウレタンゴムスキージによるスキージングにより供給した。この状態において、樹脂膜の厚さL1に対するハンダボールの高さL2の比の値(L2/L1)は1である。次に、当該セラミック基板の電極と同じピッチで形成された電極を有する半導体チップを、半導体チップの電極とセラミック基板の電極とを位置合わせしつつ配線基板に対して搭載し、半導体チップに20gの荷重を加えながら、4℃/minの昇温速度で260℃に加熱した。このようにして、半導体チップがセラミック基板にフリップチップ接合されて、半導体チップとセラミック基板の間に封止樹脂が介在する本実施例の電極間接続構造体を作製した。
【0062】
【実施例4】
合金組成がSn−3.5%Agで直径100μmのハンダボールに代えて、合金組成が63%Sn−Pbで直径100μmのハンダボールを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、セラミック基板に対する樹脂膜の形成から半導体チップのフリップチップ接合までを行い、本実施例の電極間接続構造体を作製した。
【0063】
【実施例5】
合金組成がSn−3.5%Agで直径100μmのハンダボールに代えて、合金組成が63%Sn−Pbで直径100μmのハンダボールを用いたこと以外は、実施例2と同様にして、セラミック基板に対する樹脂膜の形成から半導体チップのフリップチップ接合までを行い、本実施例の電極間接続構造体を作製した。
【0064】
【実施例6】
合金組成がSn−3.5%Agで直径100μmのハンダボールに代えて、合金組成が63%Sn−Pbで直径100μmのハンダボールを用いたこと以外は、実施例3と同様にして、セラミック基板に対する樹脂膜の形成から半導体チップのフリップチップ接合までを行い、本実施例の電極間接続構造体を作製した。
【0065】
【実施例7】
実施例1と同様にして作製した樹脂フィルムを、セラミック基板(電極数3000個、電極径100μm、電極ピッチ200μm)に対して、電極を覆うように、ロールマウンタ(エム・シー・ケー製)を使用して80℃の加熱下で貼り付けて樹脂膜を形成した。次に、当該樹脂膜に対し、露光および現像を施して、電極が露出するように直径110μmの開口部を形成した。現像は、N−メチル−2−ピロリドンを用いて行った。次に、樹脂膜に形成した開口部に対応する位置に当該開口部と同一開口形状(直径110μm)の開口部を有するメタルマスク(厚さ50μm)を、樹脂膜上に位置合せしつつ載置した。次に、メタルマスクの開口部を介して、樹脂膜の各開口部に対し、合金組成がSn−3.5%Agで直径120μmのハンダボールを、ウレタンゴムスキージによるスキージングにより供給した。この状態において、樹脂膜の厚さL1に対するハンダボールの高さL2の比の値(L2/L1)は1.2である。次に、メタルマスクを樹脂膜から取り外した。次に、当該セラミック基板の電極と同じピッチで形成された電極を有する半導体チップを、半導体チップの電極とセラミック基板の電極とを位置合わせしつつ配線基板に対して搭載し、半導体チップに20gの荷重を加えながら、4℃/minの昇温速度で260℃に加熱した。このようにして、半導体チップがセラミック基板にフリップチップ接合されて、半導体チップとセラミック基板の間に封止樹脂が介在する本実施例の電極間接続構造体を作製した。
【0066】
【実施例8】
実施例1と同様にして作製した樹脂フィルムを、セラミック基板(電極数3000個、電極径100μm、電極ピッチ200μm)に対して、電極を覆うように、ロールマウンタ(エム・シー・ケー製)を使用して80℃の加熱下で貼り付けて樹脂膜を形成した。次に、当該樹脂膜に対し、露光および現像を施して、電極が露出するように直径110μmの開口部を形成した。現像は、N−メチル−2−ピロリドンを用いて行った。次に、形成した各開口部に対し、合金組成がSn−3.5%Agで直径120μmのハンダボールを、吸着ヘッドを使用して供給した。具体的には、まず、吸着ヘッドの吸着ノズルによりハンダボールを吸引吸着した後、ハンダボールを当該セラミック基板の上方まで移送した。そして、位置合せした後、吸着ヘッドを下降させてハンダボールを開口部に近接させた。
続いて、吸着ヘッドの真空吸着を解除して金属ボールを開口部に受容させた。このようにして、吸着ヘッドにより、樹脂膜の開口部に対してハンダボールを供給した。この状態において、樹脂膜の厚さL1に対するハンダボールの高さL2の比の値(L2/L1)は1.2である。次に、当該セラミック基板の電極と同じピッチで形成された電極を有する半導体チップを、半導体チップの電極とセラミック基板の電極とを位置合わせしつつ配線基板に対して搭載し、半導体チップに20gの荷重を加えながら、4℃/minの昇温速度で260℃に加熱した。このようにして、半導体チップがセラミック基板にフリップチップ接合されて、半導体チップとセラミック基板の間に封止樹脂が介在する本実施例の電極間接続構造体を作製した。
【0067】
【実施例9】
樹脂膜に対して開口部を形成した後に、各開口部にて露出されたセラミック基板の電極に対してテトラエチレングリコールを塗布した以外は実施例1と同様にして、セラミック基板に対する樹脂膜の形成から半導体チップのフリップチップ接合までを行い、本実施例の電極間接続構造体を得た。
【0068】
【実施例10】
樹脂膜に対して開口部を形成した後に、各開口部にて露出されたセラミック基板の電極に対して所定のエポキシ含有樹脂組成物を塗布し、且つ、合金組成がSn−3.5%Agで直径100μmのハンダボールに代えて、Inよりなる直径100μmのハンダボールを用いたこと以外は実施例1と同様にして、セラミック基板に対する樹脂膜の形成から半導体チップのフリップチップ接合までを行い、本実施例の電極間接続構造体を得た。本実施例で使用したエポキシ含有樹脂組成物は、ビスフェノールA型エポキシ、および、酸無水物としてのヘキサヒドロ無水フタル酸を1:1(重量比)で混合し、当該混合物に対して、活性剤としてのコハク酸2wt%と、硬化促進剤としての1−メチル−2−エチルイミダゾール0.01wt%とを添加して混合することによって、調製した。
【0069】
【温度サイクル試験】
実施例1〜10の電極間接続構造体の各々について、温度サイクル試験により接続信頼性を調べた。具体的には、まず、電極間接続構造体における各電極間接続部について初期導通抵抗を測定した。次に、−55℃〜125℃の範囲で温度サイクル試験を行った後、各接続部の導通抵抗を測定した。温度サイクル試験は、−55℃での15分間冷却、室温での10分間放置、および125℃での15分間加熱を1サイクルとし、このサイクルを2000回繰り返した。その結果、実施例1〜10の全ての電極間接続構造体について、各接続部における抵抗上昇は10%以下であり、良好な接続部が形成されていることが確認された。
【0070】
【耐湿試験】
実施例1〜10の電極間接続構造体の各々について、耐湿試験により接続信頼性を調べた。具体的には、まず、電極間接続構造体における各電極間接続部について、25℃および湿度60%の環境下で導通抵抗を測定した。次に、各電極間接続構造体を、121℃および湿度85%の環境下に放置し、1000時間経過後における各接続部の導通抵抗を測定した。その結果、実施例1〜10の全ての電極間接続構造体について、各接続部における抵抗上昇は10%以下であり、良好な接続部が形成されていることが確認された。
【0071】
以上のまとめとして、本発明の構成およびそのバリエーションを以下に付記として列挙する。
【0072】
(付記1)第1電極部を有する第1接続対象物に対して、前記第1電極部を覆うように樹脂膜を形成する工程と、
前記樹脂膜に対して、前記第1電極部が露出するように開口部を形成する工程と、
前記開口部に金属ボールを供給する供給工程と、
前記第1接続対象物、および、第2電極部を有する第2接続対象物を、前記開口部に供給された金属ボールと前記第2電極部とが対向するように積層配置する工程と、
前記第1電極部および前記第2電極部が前記金属ボールを介して電気的に接続されるとともに、前記樹脂膜が前記金属ボールを被覆して硬化するように、前記第1接続対象物および前記第2接続対象物を積層方向に押圧しつつ加熱処理を行う接合工程と、を含むことを特徴とする、電極間接続構造体の形成方法。
(付記2)前記接合工程の前において、前記第1接続対象物に対して形成された前記樹脂膜の厚さに対する、前記開口部に供給された前記金属ボールの高さの比の値は、0.8〜1.3である、付記1に記載の電極間接続構造体の形成方法。
(付記3)前記接合工程の前において、前記開口部に供給された前記金属ボールは当該開口部から突き出ている、付記1または2に記載の電極間接続構造体の形成方法。
(付記4)前記接合工程の前において、前記開口部に供給された前記金属ボールは当該開口部の内に退避している、付記1または2に記載の電極間接続構造体の形成方法。
(付記5)前記供給工程では、スキージングにより、前記開口部に前記金属ボールを供給する、付記1から4のいずれか1つに記載の電極間接続構造体の形成方法。
(付記6)前記供給工程では、前記金属ボールを吸引可能な吸着部を有する吸着ヘッドにより、前記開口部に前記金属ボールを供給する、付記1から4のいずれか1つに記載の電極間接続構造体の形成方法。
(付記7)前記供給工程の前に、前記開口部に対応して開口するマスクを前記樹脂膜の上に設け、前記供給工程では、当該マスクを介して前記開口部に前記金属ボールを供給する、付記1から6のいずれか1つに記載の電極間接続構造体の形成方法。
(付記8)前記接合工程では、前記金属ボールは、前記第1電極部および/または前記第2電極部に対して溶融接合される、付記1から7のいずれか1つに記載の電極間接続構造体の形成方法。
(付記9)前記金属ボールは、80〜400℃の融点を有する、付記1から8のいずれか1つに記載の電極間接続構造体の形成方法。
(付記10)前記接合工程では、前記金属ボールは、前記第1電極部および/または前記第2電極部に対して圧接される、付記1から7のいずれか1つに記載の電極間接続構造体の形成方法。
(付記11)前記金属ボールは、コア部と当該コア部を覆う被覆部とからなる複合構造を有する、付記1から10のいずれか1つに記載の電極間接続構造体の形成方法。
(付記12)前記樹脂膜は感光性を有する、付記1から11のいずれか1つに記載の電極間接続構造体の形成方法。
(付記13)前記樹脂膜はフィルム状樹脂組成物から形成される、付記1から12のいずれか1つに記載の電極間接続構造体の形成方法。
【0073】
【発明の効果】
半導体チップと半導体チップの接合、半導体チップの配線基板への実装、配線基板と配線基板の接合などにおいて、本発明の電極間接続構造体形成方法を適用すると、良好な接続信頼性を達成することができ、併せて、適切に高密度実装化を図ることもできる。例えば、250μm以下のピッチで配列する電極を有する半導体チップ同士の接合であっても、或は、250μm以下のピッチで配列する電極を有する半導体チップの配線基板へのフリップチップ実装であっても、良好な接続信頼性を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る電極間接続構造体形成方法を表す。
【図2】図1に示す方法の供給工程において、メタルマスクを使用する場合の工程を表す。
【図3】図1に示す方法の供給工程において、吸着ヘッドを使用する場合の工程を表す。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る電極間接続構造体形成方法を表す。
【図5】フリップチップ接合における従来の工程を表す。
【図6】図5に続く工程を表す。
【符号の説明】
11,21 配線基板
11a,21a 電極
12,22 樹脂膜
12a,22a 開口部
13,23 金属ボール
14,24 半導体チップ
14a,24a 電極
15 メタルマスク
16 吸着ヘッド
Claims (5)
- 第1電極部を有する第1接続対象物に対して、前記第1電極部を覆うように樹脂膜を形成する工程と、
前記樹脂膜に対して、前記第1電極部が露出するように開口部を形成する工程と、
前記開口部に金属ボールを供給する供給工程と、
前記第1接続対象物、および、第2電極部を有する第2接続対象物を、前記開口部に供給された金属ボールと前記第2電極部とが対向するように積層配置する工程と、
前記第1電極部および前記第2電極部が前記金属ボールを介して電気的に接続されるとともに、前記樹脂膜が前記金属ボールを被覆して硬化するように、前記第1接続対象物および前記第2接続対象物を積層方向に押圧しつつ加熱処理を行う接合工程と、を含むことを特徴とする、電極間接続構造体の形成方法。 - 前記接合工程の前において、前記第1接続対象物に対して形成された前記樹脂膜の厚さに対する、前記開口部に供給された前記金属ボールの高さの比の値は、0.8〜1.3である、請求項1に記載の電極間接続構造体の形成方法。
- 前記接合工程の前において、前記開口部に供給された前記金属ボールは当該開口部から突き出ている、請求項1または2に記載の電極間接続構造体の形成方法。
- 前記接合工程の前において、前記開口部に供給された前記金属ボールは当該開口部の内に退避している、請求項1または2に記載の電極間接続構造体の形成方法。
- 前記供給工程の前に、前記開口部に対応して開口するマスクを前記樹脂膜の上に設け、前記供給工程では、当該マスクを介して前記開口部に前記金属ボールを供給する、請求項1から4のいずれか1つに記載の電極間接続構造体の形成方法。
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