JP2004061867A - 光デバイスおよびこれを利用する光ファイバー - Google Patents

光デバイスおよびこれを利用する光ファイバー Download PDF

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Abstract

【課題】光通信機能を有する光ファイバーを実現可能な光デバイスを提供し、ファイバー一体型光通信システムを実現する。
【解決手段】フォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイスを有する光デバイスを、光ファイバーの中心部、あるいは末端部に配置し、前記マイクロ光デバイスと光ファイバーのコア部を光学的に結合する。あるいは、フォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイスを有する光デバイスを光ファイバーのクラッド部あるいは表面に配置し、該光デバイスをレーザとして機能させることにより光増幅機能を有する光ファイバーとして動作させる。さらに、フォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイスを光ファイバーのコア部と光学的に結合させる手段を光ファイバーの末端に構成する。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信等の光を信号伝達の手段に用いるに好適なマイクロ光デバイスに関する。本発明のマイクロ光デバイスを有する光デバイスと組み合わせて使用することにより光能動的な光ファイバーを実現することができる。
【0002】
【従来の技術】
従来の光通信システムは、半導体レーザ等の光能動素子と光能動素子間を結ぶ光ファイバーから構成されている。光ファイバーにはいろいろなものがあるが、最も広く用いられているのが石英ガラスファイバーである。石英ガラスファイバーは、石英(SiO)からなるクラッド部と、酸化ゲルマニウム(GeO)を微量にふくむ石英からなるコア部からなる。コア部はクラッド部よりもわずかに高い屈折率を有し、光はコア部を反射を繰り返しながら導波する。
【0003】
光ファイバーは光受動素子であり、それ自身光機能性をもたない。したがって、光通信システムを構成するには、半導体レーザあるいは光電変換素子等の光能動デバイスと光ファイバーを光学的に結合する必要がある。光能動デバイスと光ファイバーを光学的に結合する方法には、いろいろなものがある。例えば、「光ファイバー通信」(池田正宏著、コロナ社、東京、1997年)52ページに説明されているように、光能動デバイスと光ファイバーを低損失で光学的に結合する方法としては、
(a)光学レンズを用いて光能動デバイスと光ファイバーを光学的に結合する方法、
(b)光ファイバーの末端部をテーパー状に加工して末端部に光学レンズの機能を持たせ、光能動デバイスと光ファイバーを光学的に結合する方法、
などがある。
【0004】
このような方法で光能動デバイスと光ファイバーを結合するには、光能動デバイスと光ファイバーとの間で光学的なアライメントをとる必要がある。しかし、このような光学的アライメントは必ずしも容易ではない。このため、従来の光通信システムは、結合性に問題があった。また、通常の光能動デバイスは、光ファイバーと比較して大きいので、従来の光通信システムを小型化することは困難であった。従来の光通信システムが、その高速性・大容量性にもかかわらず、幹線系でしか用いられていないことは、これらの問題点に起因する。
【0005】
そこで、近年光ファイバーそのものに光機能性をもたせようとする試みがなされている。光ファイバー自体が光能動性を持てば、光ファイバーと光能動デバイスを結合する必要がないので、従来の光通信システムの問題点は解決する。
【0006】
従来の技術は、光ファイバーのコア部の光学的性質を化学的、光学的、物理的、あるいは機械的に修飾して光ファイバーに光機能性を持たせようとしてきた。光ファイバーの光学的性質を化学的に修飾した例として、エルビウムドープ光ファイバー増幅器がある。この光増幅器は、エルビウムイオンを石英ガラスファイバーのコア部にドープすることにより光ファイバーに光増幅機能を付与したものである。この増幅器の光ファイバーコア部にエルビウムイオンを励起する光を入力すると、エルビウムイオンが励起される。ここで、波長が1.55μmの信号光を入力すると、励起エルビウムイオンが信号光により誘導放出を起し、信号光が増幅される。
【0007】
光ファイバーの光学的性質を光学的に修飾した例としては、ファイバー型誘導ラマン増幅器がある。この増幅器に、信号光と信号光よりも波長がラマンシフト量だけ短い励起光を入力すると、誘導ラマン散乱現象により信号光が増幅される。
【0008】
エルビウムドープ光ファイバー増幅器および誘導ラマン散乱増幅器については、光エレクトロニクス辞典(光エレクトロニクス辞典、東京、1993年)第77〜92ページに詳細な説明がある。
【0009】
光ファイバーの光学的性質を物理的に修飾した例として、熱光学効果および音響光学効果を利用して光ファイバー中に回折格子を形成した研究がある。熱光学効果とは、材料を熱した場合に材料の屈折率が変化する現象である。オプティカルエンジニアリング(Optical Engineering)第40巻7号1156〜1157ページには、熱光学効果を利用して光ファイバー中に回折格子を形成した例が記載されている。この研究では、回折格子形状のヒータを光ファイバー表面に設置し、ヒータを加熱して熱光学効果による屈折率変化を誘起することにより、回折格子を光ファイバー中に形成している。
【0010】
音響光学効果とは、材料に弾性波を伝播させた場合に、材料中に弾性波形状の周期的な屈折率変化が形成される現象である。オプティカルエンジニアリング(Optical Engineering)第40巻8号1513〜1515ページには、音響光学効果を利用して光ファイバー中に回折格子を形成した例が記載されている。この研究では、光ファイバーの末端部に取り付けた圧電素子を動作させ、光ファイバー中に音響光学効果による屈折率変化を誘起し、回折格子を光ファイバー中に形成している。
【0011】
光ファイバの光学的性質を機械的に修飾した例としては、特表2001−516469号公報の提案がある。同公報は、光ファイバーのコア部およびクラッド部を直接、構造的に加工してフォトニック結晶とし、光フィルターあるいは光センサーの機能を有する光ファイバーの構成方法を提案している。
【0012】
フォトニック結晶とは、光に対して透明な材料(たとえばSiO)の中に周期的な屈折率変化を誘起して得られるマイクロ光デバイスであり、例えば材料に空孔を周期的に形成することにより作成できる。フォトニック結晶は光が進入できない波長領域(フォトニックバンドギャップ)を有し、フォトニックバンドギャップ中の光を強く反射する性質を有する。フォトニック結晶に関する総説は、応用物理学会誌第68巻1335頁〜1345頁に記載されている。
【0013】
フォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイスは、フォトニック結晶がフォトニックバンドギャップ中の波長の光を強く反射することを利用した光デバイスである。フォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイスは、透明な基板中に空孔が周期的に形成されているフォトニック結晶領域とそうでない領域を形成したものであり、フォトニック結晶領域でない部分を光が導波する。フォトニック結晶領域の形状を変えることにより、いろいろな形状の光導波路および光機能を有するマイクロ光デバイスが実現できる。
【0014】
フォトニック結晶を利用すれば、急峻曲がり光導波路、光フィルター、超小型波長分波器、超小型レーザ等、従来にないマイクロ光デバイスが実現されると考えられている。たとえば、WO94/16345には、急峻曲がり光導波路としての機能を有するフォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイスの提案がなされている。特開平11−271541号公報にはフォトニック結晶構造を有する超小型光分波回路、特開平11−330619号公報にはフォトニック結晶構造を有する超小型レーザの提案がなされている。また、特開2002−006278号公報には、光回路および光スイッチの機能を有するフォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイスを構成する方法が示されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術は、光ファイバーのコア部の光学的性質を化学的、光学的、物理的、あるいは機械的に修飾して光ファイバーに光機能性を持たせようと試みてきた。
【0016】
しかし、従来の技術には、光ファイバーに持たせることができる機能が限定されるという問題点があった。従来技術が光ファイバーに持たせることができる機能は、光増幅機能、光回折機能、光フィルター機能、および光センサー機能である。従来技術は、光通信システムの基本となる受発光機能を光ファイバーに持たせることができない。
【0017】
例えば、従来のエルビウムドープファイバー光増幅器およびファイバー型誘導ラマン増幅器を動作させるためには、ファイバーを励起するためのレーザ光源とこれらの光増幅器を光学的に結合する必要がある。
【0018】
光ファイバーを加工してフォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイスを形成し、光ファイバーに機能を持たせようとする特表2001−516469号公報の提案は注目に値する。フォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイスには受発光機能を有するものがあるので、そのようなマイクロ光デバイスを有する光デバイスの内部に形成すれば、受発光機能をもつ光ファイバーを作成できるように考えられるからである。
【0019】
しかし、同公報の提案する方法では、受発光機能を有する光ファイバーを作成することはできない。受発光機能を有するフォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイスを作成するには、受発光機能を有する材料を用いる必要があるが、この公報の提案は受発光機能を有さない光ファイバーを加工してフォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイスをファイバー中に作成するにすぎないからである。受発光機能を有する材料で光ファイバーを形成すればこの問題は解決するが、受発光機能を有する材料は光の吸収係数が大きいので、この場合、光ファイバーとして作用しない。従って、この提案の方法では、受発光機能を有する光ファイバーを実現することはできない。
【0020】
このように従来の技術では、光通信システムの基本となる受発光機能を光ファイバーに持たせることができず、従来の光通信システムの問題を解決できない。
【0021】
本発明の目的は、光フィルター、光スイッチ、光分岐、光増幅、発光、および受光機能等の各種の能動機能を持つ、フォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイスを有する光デバイスを提供してファイバー一体型光通信システムの実現を支援することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、光ファイバーとは独立したフォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイスを有する光デバイスを、これと一体的に構成すべき光ファイバーの外径とほぼ同じ大きさで作成することにより達成される。本発明の光デバイスは光ファイバーの端部あるいは途中に挿入する形で光ファイバーと結合されてファイバー一体型光通信システムを実現できる。前記マイクロ光デバイスと光ファイバーのコア部が光学的に結合する助けとするため、必要なら、この間に光学レンズを挿入するのが有効である。
【0023】
本発明の目的は、また、光ファイバーとは独立したフォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイスを有する光デバイスを光ファイバーのクラッド部あるいは表面に配置し、前記光デバイスがレーザとして作用し、前記デバイスと光ファイバーのコア部が光学的に結合されることにより実現される。
【0024】
【発明の実施の形態】
フォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイスを有する光デバイスを、光ファイバーと一体的に結合させることにより、レーザ、受光素子、光増幅器、光スイッチを始めとする光能動性の機能を有する光ファイバー、あるいは光フィルター、光合分波回路、光分岐回路、光導波路等の光受動性の機能を有する光ファイバーを実現することができる。
【0025】
本発明の光デバイスにおけるフォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイスのサイズは、光デバイスの機能にもよるが、光波長の5〜10倍程度の大きさで構成できる。例えば、石英ガラスを用いたマイクロ光デバイスのサイズは、光通信に用いられる光の波長が約1.6μmであり石英ガラスの屈折率が約2であるので、40〜80μm程度である。このように、フォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイスは、光ファイバーの径のサイズ(例えば、125μm)と比較して十分に小さい。従って、本発明によるフォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイスを有する光デバイスも十分に小さいものとでき、光ファイバーとほぼ同一径の大きさで作成して、光通信用光ファイバーの端部に実装することができ、あるいは、光ファイバーの周辺部に実装することができる。
【0026】
以下,本発明を具体的な実施形態に基いて説明するが、本発明は、以下の実施形態に限定されない。図中、特に断らない限り、同一の機能をもつものには同じ参照符号を付けてある。また、フォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイスを有する光デバイスは、光デバイス全体を言うときは光デバイスと表現し、これに使用されているマイクロ光デバイス自体を表現するときには、マイクロ光デバイスまたはフォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイスということにする。
【0027】
(第1の実施形態)
本発明の最も単純な実施形態について述べる。第1の実施形態では、直線型の光導波路として機能する光デバイスを光ファイバーの途中に挿入した光ファイバーの例を示す。
【0028】
図1は、第1の実施形態の水平面での断面を示す図、図2は、図1のA−Aの位置で矢印方向に見た断面を示す図である。1はフォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイス、2は光学レンズ、3は石英光ファイバーのクラッド部、401および402は石英光ファイバーのコア部、5は、例えば、SiOあるいはポリメチルメタクリレート(PMMA)からなるカバー、6はマイクロ光デバイス1のフォトニック光導波路、7は光路、8はマイクロ光デバイス1を光ファイバーの中心部に配置するためのステージであり、上面にマイクロ光デバイス1が貼り付けられる。光路7が示すように、マイクロ光デバイス1のフォトニック光導波路6と石英光ファイバーのコア部401および402は光学レンズ2により光学的に結合されている。この構成により、光デバイス200により光ファイバー201と202とを結合することができ、光導波路として機能する光ファイバーが実現できたことになる。なお、図1では、マイクロ光デバイス1の光導波路6は空間ではないが、分かりやすくするため白抜きとした。これは以下の実施例においても同じである。
【0029】
図3(A)−(C)は第1の実施形態の光デバイス200を作成する手順の一例を示す図である。この例では、図3(A)に示すように、カバー5を水平位置で2等分に分割した下部カバー5に光学レンズ2の取り付け位置を規定するための凹部2および2、マイクロ光デバイス1を張り付けたステージ8の取り付け位置を規定するための凹部8を形成する。凹部8の中心部にはステージ8の上面の高さを微調整するためのねじの挿入孔8を形成する。図示は省略したが、上部カバー5にも光学レンズ2の取り付け位置を規定するための凹部2および2に対応する位置に同様の凹部を形成する。
【0030】
図3(B)に示すように、それぞれの凹部に光学レンズ2およびステージ8を置いた後、図3(C)に示すように、上部カバー5をかぶせる。ステージ8の上面にはマイクロ光デバイス1が貼り付けられている。また、ステージ8にはねじの挿入孔8に対応する位置にねじ孔8が設けられる。挿入孔8およびねじ孔8を通して調整ねじ8を挿入する。
【0031】
図3(C)に示す状態に組み立てられた後に一方の光学レンズ2の側から光を入射させて、他方の光学レンズ2から光が検出できるように、調整ねじ8を調整する。ここで、ステージ8の構造の具体例は開示しないが、簡単な操作で微調整のできる構造であれば、何でも良い。
【0032】
マイクロ光デバイス1の上面斜視図を図4(A)に、そのB−B位置で矢印方向に見た断面を図4(B)に、それぞれ、示す。9は石英ガラス基板であり、フォトニック光導波路6となる領域以外にはほぼ円形の空孔10が周期的に形成されている。11は空孔10が周期的に形成されている領域である。領域11における空孔10の周期は、λ/2nとなっている。ここで、nは石英ガラス基板9の屈折率(約1.46)、λはマイクロ光デバイス1に入射する光の波長である。また、石英ガラス基板9に形成した空孔10は貫通しないで、下部にλ/2n以下の厚みを残すものとした。これは、ステージ8にマイクロ光デバイス1が接着剤で貼り付けられるときに、接着剤が空孔10内に侵入しないようにする意味で有利である。マイクロ光デバイス1の機能としては、空孔10が貫通するかしないかは関係ない。
【0033】
第1の実施形態ではλの値を1.55μmとした。領域11はフォトニック結晶領域として作用し、波長がλの光を反射する。6は、空孔10が形成されていない石英ガラス基板9の領域であり、その幅はλ/nである。領域6の幅はλ/nであるので、波長がλより長い光は領域6に進入できず、波長がλの光を導波する。このように、マイクロ光デバイス1は光導波路の機能と光フィルターの機能をあわせもっている。
【0034】
マイクロ光デバイス1のサイズは、空孔10が15周期程度ならんだ正方状のフォトニック結晶領域の大きさとほぼ等しい。空孔10の周期は約0.53μmであるので、マイクロ光デバイス1のサイズは約8×8μmである。一方、石英ガラスファイバーの径は約125μmであるので、図1に示すように、マイクロ光デバイス1を光ファイバーの中心部に設置した光デバイス200を光ファイバーと一体化できる。
【0035】
図1および図2に示すように、波長がλの光を石英光ファイバー201のコア部401中を矢印方向に導波させると、導波光は401の端から放射され光学レンズ2により絞りこまれてマイクロ光デバイス1の領域6の一端から入射される。領域6に入射された光は6中を導波してマイクロ光デバイス1の領域6の他端から放射され、光学レンズ2により石英光ファイバー202のコア部402に導かれる。
【0036】
一方、波長がλよりも長い光をコア部401から入射した場合、光はマイクロ光デバイス1の領域6に進入できず、コア部402に出力されない。
【0037】
ここでは、石英光ファイバーに本発明の光デバイス200を適用したが、プラスチック光ファイバーを用いても第1の実施形態と同じ機能を有する光ファイバーを構成できる。プラスチック光ファイバーは、石英光ファイバーよりも大きな径を有するので、プラスチック光ファイバーを用いた場合にも、マイクロ光デバイス1を光ファイバーの中心部に設置して、光デバイス200を光ファイバーと一体化できる。
【0038】
また、近年研究が進み、例えば、特願2001−59033に紹介されているフォトニック光ファイバーを用いても、第1の実施形態と同じ機能を有する光ファイバーを構成できる。フォトニック光ファイバーとは、コア部がフォトニック光導波路となっている光ファイバーのことである。
【0039】
図5はマイクロ光デバイス1を用いて第1の実施形態と同じ機能を有する光ファイバーを構成した例を示す断面図である。1は図4に示したフォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイス、6はそのフォトニック光導波路領域、12はフォトニック光ファイバーのクラッド部、130および131はフォトニック光ファイバーのコア部であり、中空となっている。フォトニック光ファイバーのコア部130と131の直径は導波光の波長λの1/2である。フォトニック光ファイバーのコア部130および131の直径とフォトニック光導波路領域6の幅は、ほぼ同じであるので、フォトニック光導波路領域6の両側にフォトニック光ファイバーのコア部130および131を直接接触させて光学的に結合することができる。
【0040】
この構成ではマイクロ光デバイス1の光導波路領域6を、一方のフォトニック光ファイバー201のコア部130と一致するように貼り付け、カバー5をクラッド部12の外周と一致するように配置して貼り付けた後、他方のフォトニック光ファイバー202を同様に貼り付ければよいから、ステージ8のような構造物は不要である。マイクロ光デバイス1のフォトニック光導波路6は接触させることにより、コア部130および131と光学的に結合されている。
【0041】
図6はフォトニック光ファイバー201と従来型の光ファイバー202とを組み合わせることによって第1の実施形態に類似の光ファイバーを構成した例を示す断面図である。ここでは、マイクロ光デバイス1の左側にフォトニック光ファイバー201を備え、右側に従来型の石英ガラスファイバー202の光ファイバー202を備える例を示す。12、3はそれぞれのクラッド部、132、403はそれぞれのコア部である。マイクロ光デバイス1のフォトニック光導波路6はフォトニックファイバーのコア部132と接触することにより、光学的に結合されている。またフォトニック光導波路6と石英ガラスファイバーのコア部403は光学レンズ2により光学的に結合されている。この例では、図示は省略したが、マイクロ光デバイス1は、片端がフリーとなるので、ステージ8のような構造物で支持されるのが良い。この場合、図3で説明したような構造を採りうる。
【0042】
以上のように、本発明の光デバイスは、石英光ファイバー、プラスチック光ファイバー、あるいはフォトニック光ファイバーのいずれとでも組み合わせて使用できる。そこで、必要がない限り、以下の実施形態では石英光ファイバーと組み合わせて使用するものとして説明する。
【0043】
(第2の実施形態)
L字型の導波路として機能するフォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイスを有する光デバイスをファイバーの途中に配置した構成例について述べる。
【0044】
図7に第2の実施形態の水平面での断面を示す。これは、第1の実施形態の図1に対応する図である。2は光学レンズ、3は石英ガラスファイバー201,202のクラッド部、5はカバー、7は光路、14はL字型の導波路を有するフォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイス、15はマイクロ光デバイス14中に形成されているL字型フォトニック光導波路、404および405は石英ガラスファイバー201,202のコア部である。L字型フォトニック光導波路15とコア部404および405は、光学レンズ2により光学的に結合されている。第2の実施形態は、L字型の導波路を有するフォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイスを有する光デバイス200を用いて構成されている点が第1の実施形態とは異なり、他の点は第1の実施形態と同じである。図7でも、マイクロ光デバイス14の光導波路15を白抜きで示した。
【0045】
第2の実施形態の断面構造は、第1の実施形態の断面構造と類似した断面構造と類似であるので断面図は省略した。
【0046】
マイクロ光デバイス14の上面斜視図を図8(A)に、そのC−C位置で矢印方向に見た断面を図8(B)に、それぞれ、示す。9は石英ガラス基板、10は空孔、11は、石英ガラス基板9に空孔10が周期的に設けられている領域であり、波長がλの光を反射するフォトニック結晶領域となっている。フォトニック結晶領域11における空孔10の周期はλ/nである。ここで、λは光の波長、nは石英ガラス基板9の屈折率(約1.46)である。15は石英ガラス基板9に空孔10が設けられていない領域である。ここに波長λの光を入射した場合、この領域15はフォトニック光導波路として作用し、光をL字型に導波する。フォトニック光導波路15の幅はλ/nであるので波長がλより長い光はフォトニック光導波路15に進入できない。したがって、この領域15は光フィルターとしても作用する。第2の実施形態では、波長λの値を1.55μmとした。この例でも、空孔10は石英ガラス基板9を貫通しないものとした。
【0047】
図7に示すように、波長がλの光を石英ガラスファイバー201のコア部404中に矢印の方向に導波させると、光はコア部404の端部から放射され、光学レンズ2により絞りこまれてフォトニック光導波路として作用する領域15中に入射される。領域15の一端に入射された光は、フォトニック光導波路15中を導波して、領域15の他端から出力され、光学レンズ2により石英ガラスファイバー202のコア部405中に導かれる。
【0048】
波長がλよりも長い光をコア部404に入射した場合、光はフォトニック光導波路15に進入できず、光はコア部405に出力されない。
【0049】
なお、従来型の光ファイバー、例えば、石英ガラスファイバーのみで第2の実施形態のような光ファイバー形状を実現することはできない。これは、従来型の光ファイバーでは、光の閉じ込めが弱いため、急峻な曲がり導波を行うとファイバーの屈曲部で光の放射損失が大きくなってしまうからである。第2の実施形態は、光ファイバーの急峻曲げ形状を実現でき、光ファイバーにより複雑な光回路を構成する場合に適している。
【0050】
(第3の実施形態)
光分岐回路として機能するフォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイスを有する光デバイスをファイバーの途中に配置した構成例について述べる。
【0051】
図9に第3の実施形態の水平面での断面を示す。これは、第1の実施形態の図1に対応する図である。2は光学レンズ、3は石英ガラスファイバー201−203のクラッド部、406、407、および408は石英ガラスファイバー201−203のコア部、5はカバー、7は光路、16はT字型の光分岐導波路として機能するフォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイスである。マイクロ光デバイス16中に形成されているT字型の光分岐導波路の一端には光学レンズ2を介してコア部406が結合され、T字型の光分岐導波路の他の二端には光学レンズ2を介してコア部407および408が結合される。第3の実施形態は、T字型の導波路を有するフォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイスを用いて光デバイス200が構成されている点が第1、第2の実施形態とは異なり、他の点は第1、第2の実施形態と同じである。図8でも、マイクロ光デバイス16の導波路を白抜きで示す。
【0052】
第3の実施形態の断面構造図は省略した。第3の実施形態は、第1の実施形態の断面構造と類似した断面構造を有する。
【0053】
マイクロ光デバイス16の上面斜視図を図10(A)に、そのD−D位置で矢印方向に見た断面を図10(B)に、それぞれ、示す。9は石英ガラス基板、10は空孔、11は、石英ガラス基板9に空孔10が周期的に設けられている領域であり、波長λの光を反射するフォトニック結晶領域となっている。フォトニック結晶領域11における空孔10の周期はλ/nである。ここで、λは光の波長、nは石英ガラス基板9の屈折率(約1.46)である。17、18および19は、石英ガラス基板9に空孔10が設けられていない領域である。ここに波長λの光を入射した場合、これらの領域17、18および19はフォトニック光導波路として作用する。領域17、18および19の結合点に存在する空孔20により、領域17に入射した光が散乱され領域18および19に導波される。すなわちフォトニック光導波路17、18および19は相互に光学的に結合され、一端に入射される光がT字型に分岐される。フォトニック光導波路17の幅はλ/nであるので波長がλより長い光はフォトニック光導波路17に進入できない。したがって、この領域17は光フィルターとしても作用する。第3の実施形態では、波長λの値を1.55μmとした。この例でも、空孔10は石英ガラス基板9を貫通しないものとした。D−D位置での断面図で見ると空孔20のみであるが、フォトニック結晶領域11における空孔10は、図4(B)に示すように、多数存在するからである。
【0054】
フォトニック光導波路17に光学レンズ2を介してコア部406が結合され、フォトニック光導波路18に光学レンズ2を介してコア部407が、フォトニック光導波路19に光学レンズ2を介してコア部408が結合される。
【0055】
図9に示すように、波長が1.55μmの光をコア部406中を矢印方向に導波させると、光はコア部406の端部より出射され、光学レンズ2により絞りこまれてフォトニック光導波路17に入射される。入射された光はフォトニック光導波路17を導波し、空孔20により散乱されてフォトニック光導波路18および19に導かれ、フォトニック光導波路18を導波した光は光学レンズ2によりコア部407へ、フォトニック光導波路19を導波した光は光学レンズ2によりコア部408へ、それぞれ、出力される。同様に、コア部407に光を入力した場合、光はコア部406および408へ出力され、コア部408に光を入力した場合、光はコア部406と407へ出力される。この際、コア部406と407へ出力される光の強度は、原理上、コア部407に入力される光の1/2となる。
【0056】
波長がλよりも長い光をコア部406に入射した場合、光はフォトニック光導波路17に進入できず、光はコア部407および408のいずれにも出力されない。コア部407あるいは408に光を入射した場合も同様である。
【0057】
(第4の実施形態)
光分岐回路として機能するフォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイスを有する光デバイスをファイバーの途中に配置した構成例について述べる。
【0058】
図11に第4の実施形態の水平面での断面を示す。これは、第1の実施形態の図1に対応する図である。2は光学レンズ、3は石英ガラスファイバー201−204のクラッド部、409、410、411および412は石英ガラスファイバー201−204のコア部、5はカバー、7は光路、21は十字型の光分岐導波路として機能するフォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイスである。マイクロ光デバイス21中に形成されている十字型の光分岐導波路の一端には光学レンズ2を介してコア部409が結合され、十字型の光分岐導波路の他の3端には光学レンズ2を介してコア部410,411および412が結合される。第4の実施形態は、十字型の導波路を有するフォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイスを有する光デバイス200を用いて構成されている点が第3の実施形態とは異なり、他の点は第3の実施形態と同じである。図11でも、マイクロ光デバイス21の光導波路を白抜きで示す。
【0059】
第4の実施形態の断面構造図は省略した。第4の実施形態は、第1の実施形態の断面構造と類似した断面構造を有する。
【0060】
マイクロ光デバイス21の上面斜視図を図12(A)に、そのE−E位置で矢印方向に見た断面を図12(B)に、それぞれ、示す。9は石英ガラス基板、10は空孔、11は、石英ガラス基板9に空孔10が周期的に設けられている領域であり、波長λの光を反射するフォトニック結晶領域となっている。フォトニック結晶領域11における空孔10の周期はλ/nである。ここで、λは光の波長、nは石英ガラス基板9の屈折率(約1.46)である。22,23,24および25は、石英ガラス基板9に空孔10が設けられていない領域である。ここに波長λの光を入射した場合、これらの領域22,23,24および25はフォトニック光導波路として作用する。領域22,23,24および25の結合点に存在する空孔26により、領域22に入射した光が散乱され領域23,24および25に導波される。すなわちフォトニック光導波路22,23,24および25は相互に光学的に結合され、一端に入射される光が十字型に分岐される。
【0061】
フォトニック光導波路22の幅はλ/nであるので波長がλより長い光はフォトニック光導波路22に進入できない。したがって、この領域22は光フィルターとしても作用する。第4の実施形態では、波長λの値を1.55μmとした。この例でも、空孔26は石英ガラス基板9を貫通しないものとした。E−E位置での断面図で見ると空孔26のみであるが、フォトニック結晶領域11における空孔10は、図4(B)に示すように、多数存在するからである。
【0062】
フォトニック光導波路22に光学レンズ2を介してコア部409が結合され、フォトニック光導波路23に光学レンズ2を介してコア部410が、フォトニック光導波路24に光学レンズ2を介してコア部411が、フォトニック光導波路25に光学レンズ2を介してコア部412が結合される。
【0063】
図11に示すように、波長が1.55μmの光をコア部409中を矢印方向に導波させると、光はコア部409の端部より出射され、光学レンズ2により絞りこまれてフォトニック光導波路22に入射される。入射された光はフォトニック光導波路22を導波し、空孔26により散乱されてフォトニック光導波路23,24および25に導かれ、フォトニック光導波路23を導波した光は光学レンズ2によりコア部410へ、フォトニック光導波路24を導波した光は光学レンズ2によりコア部411へ、フォトニック光導波路25を導波した光は光学レンズ2によりコア部412へ、それぞれ、出力される。同様に、コア部410に光を入力した場合、光はコア部409,411および4412へ出力される。他のコア部411,412に光を入力した場合も同様に他の3つのコア部へ出力される。この際、出力される光の強度は、原理上、入力される光の1/3となる。
【0064】
波長がλよりも長い光をコア部409から入射した場合、光はフォトニック光導波路22に進入できず、光はコア部410−412のいずれにも出力されない。他のコア部に光を入射した場合も同様である。
【0065】
第1から4の実施形態では、各種の形状の光導波路として機能するフォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイスを有する光デバイスを光ファイバーのと中に挿入する構成としたが、他の光導波路あるいは光分岐回路として機能するフォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイスを有する光デバイスを用いて光ファイバーを構成することも可能である。
【0066】
(第5の実施形態)
光スイッチとして機能するフォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイスを有する光デバイスをファイバーの途中に配置した構成例について述べる。
【0067】
図13は、第5の実施形態の水平面での断面を示す図、図14は、図13のF−Fの位置で矢印方向に見た断面を示す図である。第5の実施形態は、第1の実施形態に類似の構造である。27は光スイッチとして機能するフォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイス、28はマイクロ光デバイス27の上面に設置されている上部電極、29はマイクロ光デバイス28の下面に設置されている下部電極、30および31は外部電極であり、電気配線32を介して、上部電極28および下部電極29にそれぞれ接続されている。33および34は外部電極30および31に必要な電気信号を伝達する手段、413および414は石英光ファイバーのコア部である。他の構造は第1の実施形態と同じである。
【0068】
第5の実施形態は、マイクロ光デバイス27が外部電極30および31を介して導入される電気信号によって、光スイッチとして機能させられる点に於いて第1の実施形態と異なる。
【0069】
マイクロ光デバイス27の上面斜視図を図15(A)に、そのG−G位置で矢印方向に見た断面を図15(B)に、それぞれ、示す。901はニオブ酸リチウム(LiNbO)基板であり、第1の実施形態では石英ガラス基板9であったのに代えられる。10は空孔、11は空孔10が周期的に形成されている領域、35および36は空孔10が形成されていない領域、28は上部電極、29は下部電極である。上部電極28はニオブ酸リチウム基板901の空孔10が形成されていない領域35および36とほぼ同じ幅でマイクロ光デバイス27の上面に設けられ、下部電極29はニオブ酸リチウム基板901の下面の全面に形成されている。第5の実施形態では、マイクロ光デバイス27はステージ8で支持されているが、下部電極29がマイクロ光デバイス27の下面の全面に形成されているので、空孔10が貫通するものとしても良い。
【0070】
第5の実施形態では、図15(B)に示す断面を参照してもわかるように、第1の実施形態で光導波路6とされていた領域の中央部に空孔10が形成されている。図16は、これを分かりやすくするために、マイクロ光デバイス27の上部電極28を除去して、空孔10が周期的に形成されている状況を示すマイクロ光デバイス27の上面斜視図である。ただし、上部電極28の配置される領域を一点鎖線で示す。上部電極28で覆われている領域の内、波線の領域37は、領域11と同じように、空孔10が周期的に形成されている。
【0071】
空孔10が周期的に形成されている領域11および37における空孔10の周期はλ/2nである。λはマイクロ光デバイス27に入射される光の波長、nはニオブ酸リチウム901の屈折率(約2.29)である。第5の実施形態では、波長λの値を1.55μmとした。ニオブ酸リチウム901はこの波長域で透明であるので、空孔10が周期的に形成されている領域11および37は、波長がλの光を反射するフォトニック結晶領域として作用する。
【0072】
空孔10が形成されていない領域35および36の幅はλ/nであり、これらは波長λの光を導波するフォトニック光導波路となっている。光導波路35と石英光ファイバーのコア部413、光導波路36と石英光ファイバーのコア部414は光学レンズ2を介して光学的に結合されている。ニオブ酸リチウム901は電気光学効果を示すので、上部電極28と下部電極29の間に所定の電圧を印加した場合には、電気光学効果により上部電極28で覆われた領域37の屈折率が変化する。
【0073】
図13に示すように、波長λの光を石英光ファイバーのコア部413中を矢印の方向に導波させると、光は光学レンズ2により光導波路35中に絞りこまれ35中を導波する。上部電極28で覆われた領域37は波長λの光をブラッグ反射するので、上部電極28および下部電極29の間に所定の電圧を印加しない場合は、導波光は光導波路36に出力されない。したがって、導波光は石英光ファイバーのコア部414に出力されない。
【0074】
一方、外部電極30および31に必要な電気信号を伝達する手段33および34および電気配線32を介して、上部電極28および下部電極29の間に所定の電圧を印加すると、上部電極28で覆われた領域37のニオブ酸リチウム901の屈折率が電気光学効果により変化してn’に変化する。その結果、領域37のニオブ酸リチウム901中での導波光の波長はλ/n’となる。この領域37に配列された空孔10の周期は、λ/2nであるので、この場合には導波光は周期的に配列された空孔10によりブラッグ反射されなくなる。これは、電気光学効果によりフォトニック結晶の光の禁制帯(フォトニックバンドギャップ)が変化することに起因する。フォトニック結晶の光の禁制帯(フォトニックバンドギャップ)の変化により光の導波が変化することは、本願の発明者らの提案にかかわるWO 02/33478 A1に詳細に記載されている。したがって、上部電極28および下部電極29の間に所定の電圧を印加した状態で波長λの光を石英光ファイバーのコア部413から領域35に入射すると、光は領域37の部分を導波して領域36に出力され、光学レンズ2により石英光ファイバーのコア部414へ導かれる。
【0075】
このように、マイクロ光デバイス27は光スイッチとして機能し、上部電極28および下部電極29の間に印加する電圧を変化させることにより石英光ファイバーのコア部413と414の光学的結合状態を変化させることができる。
【0076】
第5の実施形態では、上部電極28および下部電極29の間に印加する信号電圧を伝達する手段33および34は光ファイバーの表面にファイバーに並行して配置されているので、光ファイバーの末端部から、マイクロ光デバイス27の動作を制御することができる。
【0077】
(第6の実施形態)
光増幅器として機能するフォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイスを有する光デバイスをファイバーの途中に配置した構成例について述べる。
【0078】
図17は、第6の実施形態の水平面での断面を示す図、図18は、図17のH−Hの位置で矢印方向に見た断面を示す図である。第6の実施形態は、フォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイス38が光増幅器として機能する点だけが第5の実施形態と異なる。39および40は上部電極および下部電極であり、光増幅器として機能するフォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイス38の両面に設けられる。413および414は石英光ファイバーのコア部である。他の部分の構造および機能は、第5の実施形態と同じであるので、説明を省略する。
【0079】
マイクロ光デバイス38の上面斜視図を図19(A)に、そのH−H位置で矢印方向に見た断面を図19(B)に、それぞれ、示す。9は、第1の実施例と同様、石英ガラス基板である。10は空孔、11は空孔10が周期的に形成されている領域、41は空孔10が形成されていない領域、39は上部電極、40は下部電極である。上部電極39は石英ガラス基板9の空孔10が形成されていない領域41よりやや広い幅でマイクロ光デバイス38の上面に設けられ、下部電極40は石英ガラス基板9の下面の全面に形成されている。第6の実施形態では、図19(B)に示す断面を参照して分かるように、第1の実施形態で光導波路6とされていた領域の部分で、上部電極39とほぼ同じ長さで、且つ、光導波路6とされていた領域とほぼ同じ幅に亘って、電気的に励起されて波長がλの光を放出する材料43が埋め込まれている。材料43は上部電極39および下部電極40と電気的に接触している。材料43としては、たとえばInGaAsPを用いることができる。この場合、上部電極39をp型InPとして陽極、下部電極40をn型InPとして陰極とすれば良い。
【0080】
図20は、これを分かりやすくするために、マイクロ光デバイス38の上部電極39を除去して、電気的に励起されて波長がλの光を放出する材料43が埋め込まれている状況を示すマイクロ光デバイス38の上面斜視図である。ただし、上部電極39が設けられる領域を一点鎖線で示す。領域41は、光学レンズ2により光ファイバーのコア部413および414と光学的に結合されている。図19(B)に示すように、材料43を石英ガラス基板9の中に埋め込むには、半導体の製造技術として知られる積層技術が有用である。
【0081】
空孔10が周期的に形成されている領域11における空孔の周期はλ/2nである。λはマイクロ光デバイス38に入射される光の波長、nは石英ガラス基板9の屈折率(約1.46)である。第6の実施形態では、波長λの値を1.55μmとした。石英ガラス基板9はこの波長域で透明であるので、空孔10が周期的に形成されている領域11は波長λの光を反射するフォトニック結晶領域として作用する。
【0082】
図17に示すように、光ファイバーのコア部413中に波長がλの光を矢印方向に導波させると、光は光学レンズ2により光導波路41へと絞り込まれ41中を導波する。第5の実施形態と同様、上部電極39および下部電極40に電圧が印加されていない状態では、導波光は増幅されずに光導波路41に出力され、そのまま石英光ファイバーのコア部414に出力される。一方、上部電極39および下部電極40に電圧を印加することにより、上部電極39で覆われた領域43中に反転分布が形成され、43中で波長λの光が誘導放出され、誘導放出光は導波光の信号を強化するように作用する。誘導放出光と導波光は光学レンズ2により光ファイバーのコア部414へと導かれる。
【0083】
第6の実施形態でも、第5の実施形態と同様、上部電極398および下部電極40の間に印加する信号電圧を伝達する手段33および34を光ファイバーの表面にファイバーに並行して配置すれば、光ファイバーの末端部から、マイクロ光デバイス38の動作を制御することができる。
【0084】
(第7の実施形態)
レーザとして動作するフォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイスを有する光デバイスをファイバーの表面に配置した構成例について述べる。レーザの構造としては、例えば特開平11−330619号公報が提案しているフォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイスを用いることができる。
【0085】
図21(A)は、第7の実施形態のファイバー軸方向の垂直面での断面を、(B)は、J−J位置で矢印方向に見た断面を、それぞれ、示す。図を見やすくするために、レーザとして機能するフォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイス45関連以外の構成については断面を示すハッチングを省略した。3は石英ガラスファイバーのクラッド部、7は光路、44は透明な外被、415は10%程度のエルビウムイオンがドープされている石英ガラスファイバーのコア部、45はレーザとして機能するフォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイスである。
【0086】
レーザ45は、石英ガラスファイバーが完成した後、このクラッド部3の表面に、出力光が石英ガラスファイバー軸方向になるように貼り付ける形で配置される。レーザ45が貼り付けられた後、透明な外被、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)よりなる外被44により、レーザ45が露出しないように、光ファイバーの表面を覆う。レーザ45は、図21(B)に示すように、同心円状に適当数、例えば、8個ほぼ均等な間隔で配置する。
【0087】
レーザ45の構造の例は後述するが、石英ガラスファイバーのコア部415にドープされているエルビウムイオンを励起する光(波長0.98μmの光)を出力する。透明な外被44をポリメチルメタクリレート(PMMA)(屈折率1.4)を用いて形成すると、石英ガラスファイバーのクラッド部3(屈折率1.5)よりも低い屈折率を有するので、光路7に示すように、レーザ45が放出する光は外被44からクラッド部3へ導かれる。クラッド部3はコア部415よりも低い屈折率を有するので、クラッド部3に導かれた光は、さらにコア部415中に導かれる。ここで、クラッド部3とコア部415とは屈折率が大きく違わないので、クラッド部3からコア部415への光の入射では、光路7の屈折は表示しなかった。
【0088】
図21(B)に示すように、レーザ45を励起するための電気信号を供給する線を46,47で示した。この構造は、第5、第6の実施形態で信号線を光ファイバーに並行に配置したのと同様であり、光ファイバーの末端部において線46、47を信号回路に接続して電気信号を供給することにより、レーザ45を動作させることが可能である。
【0089】
レーザ45の上面斜視図を図22(A)に、そのK−K位置で矢印方向に見た断面を図22(B)に、それぞれ、示す。レーザ45は、特開平11−330619号公報に記載されているマイクロ光デバイスに類似のフォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイスを有する光デバイスである。9はガラス基板、10は空孔、48は上部電極、49は下部電極、50は空孔10が周期的に形成されていないガラス基板9の領域である。下部電極49はガラス基板9の下面全体に形成されている。図23は、上部電極48を除いた場合のレーザ45の上面斜視図を示したものである。ただし、上部電極48の配置される領域を一点鎖線で示す。51は、空孔10が形成されていないガラス基板9の領域、52は電気的に励起されて波長が0.98μmの光を放出する材料である。52の材料としては、例えばGaInAsPを用いることができる。電気的に励起されて光を放出する材料52はガラス基板9の内部に埋め込まれており、上部電極48および下部電極49と電気的に接触している。即ち、両電極48、49の間に電圧を印加することにより、光を放出する材料52を電気的に励起することができる。空孔10が形成されていない50および51の領域を除くガラス基板9の部分には空孔10が6方格子状に周期的に形成されており、0.98μmの光を反射するフォトニック結晶を持つマイクロ光デバイスとして作用する。このため、領域50は波長が0.98μmの光を導波するフォトニック光導波路、領域51は同波長の光を閉じ込める光共振器として作用する。
【0090】
上部電極48および下部電極49は、それぞれ、図21(B)示す電気信号を供給する線46および47と電気的に接続されており、46と47の間に電圧を印加すると、光を放出する材料52が電気的に励起され、波長が0.98μmの光が放出される。領域51は、波長が0.98μmの光を閉じ込める光共振器として作用するので、52はレーザ発振し、発生したレーザ光は光導波路50により外部に導かれる。
【0091】
第7の実施形態では、光導波路50の方向をファイバー軸方向と一致させるようにレーザ45を配置することにより、光導波路50から放出されるレーザ光が、図21(A)に光路7として例示したようにファイバー中を導波する。
【0092】
波長が0.98mmの光で励起されたエルビウムイオンは、自然放出を経て励起状態13/2で安定し、エルビウムの励起状態13/2は波長が1.55μmの光で誘導放出を起すことが知られている。従って、図21(A)に示すように、レーザ45を動作させた状態で、波長が1.55μmの信号光を石英ガラスファイバーのコア部415中を導波させると、信号光は励起エルビウムの誘導放出により増幅される。このように、第7の実施形態は、エルビウムドープファイバー型光増幅器として機能する。
【0093】
なお、他の希土類イオンを石英ガラスファイバーのコア部415にドープし、同希土類イオンを励起する光を放出するレーザとして機能するフォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイス45を用いて第7の実施形態と類似のファイバー型光増幅器として作用する光ファイバーを構成することもできる。
【0094】
第7の実施形態では、石英ガラスファイバーのクラッド部3の外面にフォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイスを有する光デバイス45を配置したが、これをクラッド部3の内部に配置することも可能である。
【0095】
図24(A)は、第7の実施形態の変形例のファイバー軸方向の垂直面での断面を、(B)は、L−L位置で矢印方向に見た断面を、それぞれ、示す。ここでも、図21と同様ハッチングは省略した。54は外被であり、石英ガラスファイバーのクラッド部3よりも低い屈折率を有する材料、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)(屈折率1.4)を用いて形成する。この変形例では、クラッド部3を半導体の製造技術で採用されているエッチングによりくり抜いた後、フォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイス45を挿入する。その後、レーザ45を励起するための電気信号を供給する線46,47をクラッド部3の外面に沿わせた後、外被54で覆う。この例でも、外被54は石英ガラスファイバーのクラッド部3よりも低い屈折率を有し、クラッド部3はコア部415よりも低い屈折率を有するので、レーザ45が放出する光はコア部415に導かれる。マイクロ光デバイス45の光導波路50の方向をファイバー軸方向と一致させるように配置することにより、光導波路50から放出されるレーザ光が、図24(A)に光路7として例示したようにファイバー中を導波し、エルビウムドープファイバー型光増幅器として作用する。
【0096】
なお、第7の実施形態は、エルビウムイオンがドープされているプラスチック光ファイバーを用いても、実現できることは言うまでもない。
【0097】
第7の実施形態によれば、励起光源と光ファイバーが一体化したファイバー型光増幅器となっているので、励起用光源を別途必要とする従来のファイバー型光増幅器と比較して、よりコンパクトであり、海底ケーブル等の長距離光通信システムの光中継器に適している。
【0098】
(第8の実施形態)
レーザとして動作するフォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイスを有する光デバイスを光ファイバーの表面に配置した他の構成例について述べる。
【0099】
図25は、第8の実施形態のファイバー軸方向の垂直面での断面を示す。ここでも、図21と同様ハッチングは省略した。第8の実施形態はマイクロ光デバイス55が波長1.45μmのレーザ光を放出すること、マイクロ光デバイス55による光路7の進行方向と信号光の進行方向が逆であること、を除けば図21に示す第7の実施形態と同じである。したがって、断面図は省略した。マイクロ光デバイスを有する光デバイス55は、図22、図23で説明したレーザ45と類似の構造の光デバイスであるが、光を放出する材料52が、放出する光の波長に対応して、GaIn1−xAs1−yとされている。ここで、xおよびyの値は材料52が波長1.45μmの光を発するように設定される。レーザ55が放出する光の波長1.45μmを信号光の波長1.55μmと比較して0.1μm小さいものとしたのは、波長が1.55μm付近での石英ガラスファイバー中でのラマンシフト量は約0.1μmであるからである。
【0100】
光エレクトロニクス辞典(光エレクトロニクス辞典編集委員会、産業調査会、東京、1993)86ページに記載されているように、石英ガラスファイバーに信号光と、信号光よりもラマンシフト量だけ波長が短い光を入力すると、誘導ラマン散乱効果により信号光が増幅される。誘導ラマン散乱効果は、光が材料中の光学フォノンと相互作用することに起因し、ラマンシフト量だけ波長がずれた光が出力される現象である。この光出力は、ストークス線とよばれ、ストークス線に対応した信号光があればストークス線のエネルギーは信号光の増幅に使われるので、この第7の実施形態の他の変形例によりファイバー型ラマン増幅器が実現できる。なお、この誘導ラマン散乱効果は、信号光とレーザ光とが逆の進行方向である場合に限られるわけではないが、逆の進行方向とした方が、より安定した効果が得られる。
【0101】
なお、第8の実施形態でも、第7の本実施形態と同様、フォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイスを有する光デバイス55をクラッド部3の内部に配置した構成とすること、プラスチック光ファイバーを用いることも可能である。
【0102】
第8の実施形態は、第7の本実施形態と同様、励起光源とファイバーが一体化したファイバー型ラマン増幅器として作用するので、従来のファイバー型光増幅器と比較してコンパクトであるという利点を有し、海底ケーブル等の長距離光通信システムの光中継器に適している。
【0103】
(第9の実施形態)
レーザあるいは受光素子して機能するフォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイスを有する光デバイスを光ファイバーの末端部に配置する例について述べる。
【0104】
図26は、第9の実施形態の水平面での断面を示す図、図27は、図26のM−Mの位置で矢印方向に見た断面を示す図である。2は光学レンズ、3は石英ガラスファイバーのクラッド部、5はカバー、7は光路、8はステージ、56はレーザあるいは受光素子として機能するフォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイス、57はマイクロ光デバイス56上面に設置された上部電極、417は石英ガラスファイバーのコア部である。マイクロ光デバイス56は光学レンズ2によりコア部417と光学的に結合されている。8はマイクロ光デバイス56を支持するステージ、58はマイクロ光デバイス56の下部電極、59および60は外部電極、61は電気配線である。マイクロ光デバイス56の上部電極57と下部電極58は外部電極59と60と電気配線61により、それぞれ、電気的に接続されている。
【0105】
図3を参照して第1の実施形態におけるマイクロ光デバイス1および光学レンズ2の取り付け方の概要を説明したのと同様に、第9の実施形態でもマイクロ光デバイス56および光学レンズ2をカバー5内に保持することができる。ただし、第9の実施形態では、外部電極60が図3における調整ねじ8の操作に邪魔にならないように工夫された構造とすることが必要である。また、組み立て後の高さ合わせが必要な場合、図3の例のように貫通光を利用することができないから、光学レンズ2の右側から光を照射して、マイクロ光デバイス56の側面の所定の位置に焦点を結ぶことを確認するなどの工夫が必要である。このためには、カバー5が、例えば、SiOあるいはポリメチルメタクリレート(PMMA)等とされて透明であるのが良い。
【0106】
図28にマイクロ光デバイス56の上面斜視図を、図29に上部電極57を取り除いた状態での上面斜視図を、それぞれ、示す。第9の実施形態におけるマイクロ光デバイス56は、図22、図23を参照して説明した第7の実施形態におけるマイクロ光デバイス45と類似の構造である。したがって、断面図は省略した。9は石英ガラス基板、10は空孔、57は上部電極、58は下部電極、62は空孔10が形成されていない石英ガラス基板9の領域である。図29では、上部電極57の配置される領域を一点鎖線で示す。下部電極58は基板9の全面に形成されている。上部電極57で覆われた領域の石英ガラス基板9の中央部には電気的に励起されて光を放出する材料または光を受けて電圧を発生する光電変換材料64が設けられ、その周辺の領域63は空孔10が周期的に形成されていない領域とされている。光を放出する材料または光電変換材料64は上部電極57および下部電極58と電気的に接属されたものとされている。電気的に励起されて光を放出する材料としてはGaInAsP、光電変換材料としてはGeを用いることができる。この場合、光電変換材料64の受発光波長を1.55μmとすることができる。
【0107】
石英ガラス基板9の領域62および63、材料64の領域を除く領域はフォトニック結晶として作用する。材料64が電気的に励起されて発光する材料である場合、これらの領域は材料64が発する波長の光を反射し、領域62はこの波長の光を導波するフォトニック光導波路、領域64はこの波長を閉じ込める光共振器として機能する。両電極57,58の間に電圧を印加し、材料64を電気的に励起すると、その内部に反転分布が形成される。材料64は光共振器として機能する領域63の内部に配置されているので、材料64は誘導放出により発光し、発生したレーザ光は領域62に導かれ、光学レンズ2により光学的に結合されている石英ガラスファイバーのコア部417中に出力される。
【0108】
一方、材料64が光電変換材料である場合、マイクロ光デバイス56は受光素子として機能する。石英ガラスファイバーのコア部417中に信号光を導波させると、導波光はコア部417より出力され光学レンズ2により領域62中に入力される。領域62に入力された光は62中を導波して領域63に到達し、材料64により電気信号に変換される。電気信号は、両電極57,58に間に出力される。
【0109】
このように、第9の実施形態によれば、材料64が電気的に励起されて発光する材料である場合、マイクロ光デバイス56はレーザとして動作し、材料64が光電変換材料である場合、マイクロ光デバイス56は受光素子として機能する。
【0110】
第9の実施形態は、光ファイバー端部にレーザあるいは受光機能を有するマイクロ光デバイスを実装するものであるから、一端にレーザ機能を有するマイクロ光デバイスを実装し、他端に受光機能を有するマイクロ光デバイスを実装するものとすれば、他の光能動デバイスとの結合なしで、光通信を行うことができる。このような光通信機能を有するファイバーは、従来の光通信システムと比較して顕著に小さい。
【0111】
(第10の実施形態)
第9の実施形態の適用例として、例えば、既に建物内などに敷設されているファイバーを外部の電子回路と接続し、光通信を行う方法について述べる。
【0112】
図30は第10の実施形態のマイクロ光デバイス56を有する光デバイスを含む端部構造と既設の光ファイバーとの結合関係を説明する断面構造図である。図30に示す構造は、図27と対比して明らかなように、カバー5の周辺に外部電極59および60に必要な電気信号を伝達する手段33および34を設けるとともに、これに電気信号を与え、あるいは、これから電気信号を取り出すための信号線72を設けるとともに、これらの端部構造全体を取り囲む形のフランジ付きのホルダ66が付加された点を除けば、第9の実施形態と同じである。信号線72の他端には信号の授受のための電子回路(図示せず)が備えられる。
【0113】
第10の実施形態のマイクロ光デバイス56を有する光デバイスを含む端部構造は、ホルダ66の開口部100に既設のファイバー101の端部を挿入される。既設のファイバー101が挿入された状態を図31に示す。その結果、図27に示す第9の実施形態の構造が実現でき、光通信を行うことができる。この例では、既設のファイバー101の端部は、当然のことながら、清浄できれいに仕上がった端面とされていることが必要である。そのため、端面の条件が悪いときは、端部を切断して、新しい端面を出す等の工夫が必要である。
【0114】
図32は第10の実施形態の変形例としてマイクロ光デバイス56を有する光デバイスを含む端部構造をファイバー101の端部に予め実装しておく例を示す断面図である。図27および図31と、図32とを対比して分かるように、この例では、電子回路に接続された信号線72と、外部電極59および60に必要な電気信号を伝達する手段33および34とを備えたフランジ付のホルダ66を用意する。一方、図27に示す第9の実施形態の構造の端部に、フランジ102付のガイドを設ける。そして、ファイバーと電子回路を接続するときは、ホルダ66の開口部に、第9の実施形態の構造の端部をフランジ102がホルダ66のフランジと接触するまで押し込むことにより、図31と同様にホルダ66とマイクロ光デバイス56を含むファイバーの端部構造とを結合させた状態が実現できる。
【0115】
第10の実施形態およびこの変形例において、マイクロ光デバイス56がレーザとして動作するフォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイスである場合、信号線72に接続された電子回路をレーザ駆動用の電子回路とすれば、マイクロ光デバイス56を有する光デバイスをレーザ動作させて光信号を送信することができる。同様に、マイクロ光デバイス56を有する光デバイスが受光素子として動作するフォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイスを有する光デバイスである場合、信号線72に接続された電子回路を受光素子駆動用の電子回路とすれば、マイクロ光デバイス56を有する光デバイスにより光信号を受信して光通信を行うことができる。
【0116】
(第11の実施形態)
レーザして動作する部分および受光素子として動作する部分とを独立に備えるフォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイスを有する光デバイスを光ファイバーの末端部に配置した構成例を示す。
【0117】
図33(A)は、第11の実施形態の水平面での断面を、(B)は図33(A)のN−Nの位置で矢印方向に見た断面を示す図である。73はレーザとして動作する部分および受光素子として動作する部分を独立に備えるフォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイス、74および75はマイクロ光デバイス73の上部電極である。2は光学ガラス、3は石英光ファイバーのクラッド部、418は石英光ファイバーのコア部である。第11の実施形態は、フォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイスを有する光デバイスがレーザおよび受光素子の両方の機能が独立して設けられている点が第9の実施形態とは異なる。他の部分は、第9の実施形態と同じである。第9の実施形態と同じ部分の符号の説明は省略する。したがって、レーザとして動作する部分および受光素子として動作する部分に対応して上部電極74および75が独立に設けられる。76は下部電極であり、上部電極74および75に共通に設けられる。78は電気的に励起されて発光する材料、79は光電変換材料、80、81および82は外部電極、84は電気配線である。電気的に励起されて発光する材料78の材料としてはInGaAsPを用いることができ、光電変換材料79の材料としてはGeを用いることができる。この場合、発光する材料78の発光波長および光電変換材料79の受光波長を1.55μmとすることができる。なお下部電極76を、上部電極74および75に対応して独立に設けるものとしても良い。これは、他の実施形態においても同様である。
【0118】
電気的に励起されて発光する材料78および光電変換材料79はマイクロ光デバイス73の内部に埋め込まれ、下部電極76、上部電極74および75と電気的に接触している。それぞれの電極は電気配線84により上部電極74、75および下部電極76と電気的に接続されている。
【0119】
マイクロ光デバイス73の上面斜視図を図34(A)に、そのO−O位置で矢印方向に見た断面を図34(B)に、それぞれ、示す。9は石英ガラス基板、10は空孔、85は空孔10が形成されていない石英ガラス基板9の領域である。図35は、これを分かりやすくするために、マイクロ光デバイス73の上部電極74,75を除去して、電気的に励起されて発光する材料78および光電変換材料79とその周辺の空孔10の形成の状況を示すマイクロ光デバイス73の上面斜視図である。ただし、上部電極74,75の配置される領域を一点鎖線で示す。
【0120】
レーザとして動作する部分および受光素子として動作する部分を独立に備えるフォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイス73は、先に第7の実施形態で説明したマイクロ光デバイス45と類似の構造をもつ電気的に励起されて発光する材料78および光電変換材料79の周りの構造を光導波路として機能するY字型のフォトニック光導波路85により結合したものである。
【0121】
上部電極74と下部電極76の間に電圧を印加すると、材料78は電気的に励起されて発光する。材料78は空孔10を設けない領域86の内部に配置されているので、86はレーザ共振器として作用し、発生したレーザ光は光導波路85から光学ガラス2を介して石英光ファイバーのコア部418へ出力される。
【0122】
一方、コア部418より光学ガラス2を介して光導波路85に同じ波長の光を入射すると、光は85を導波して空孔10を設けない領域87に到達し、光電変換材料79により電気信号に変換され、上部電極75と下部電極76の間に電圧を発生する。このとき、同じように光導波路85に入射された光は、領域86にも到達するが、材料78は電気的に励起されて発光する材料であり、上部電極74と下部電極76の間に電圧が発生することはない。このように、マイクロ光デバイスを有する光デバイス73はレーザおよび受光素子として、独立して動作する部分を有する。
【0123】
第11の実施形態では、第10の実施形態で説明したのと同様の方法により、外部の電気回路と接続できる。レーザを駆動する、図示しない電子回路からの信号線を外部電極80および82に接続し、マイクロ光デバイス73に電気信号を送ればレーザ動作する。他方、受光素子からの信号を受信する、図示しない電子回路を外部電極84および82に接続すれば、マイクロ光デバイス73は、石英光ファイバーのコア部418を介して伝送されるレーザ光を入力とする受光素子として動作する。
【0124】
第11の実施形態は発光および受光機能を有する光デバイス73を備えるから、光ファイバー自体が光通信システムとなっている。例えば、本実施形態の光デバイス73を光ファイバーの両末端に実装すれば、光双方向通信機能を有する光通信システムが簡単に実現できる。
【0125】
この光通信システムは、従来の光通信システムのように光能動デバイスと光ファイバーの結合が不要であり、結合性にすぐれている。また、この光通信システムは従来の光通信システムと比較して顕著に小さい。
【0126】
(第12の実施形態)
レーザして動作する部分および受光素子として動作する部分とを独立に備えるフォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイスを2つ有する光デバイスを光ファイバーの末端部に配置した構成例を示す。
【0127】
図36は、第12の実施形態の光デバイス90の上面斜視図である。2は光学レンズ、3は石英ガラスファイバーのクラッド部、5はカバー、7は光路、90はフォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイスを有する光デバイス、91、92、93および94はマイクロ光デバイス90の表面上に設置された上部電極、419は石英光ファイバーのコア部である、光デバイス90は、レーザおよび受光素子としての機能を有する2つのマイクロ光デバイス96,97を備える。図37に示すように、マイクロ光デバイス90の下面には共通の下部電極89が設置さる。それぞれのマイクロ光デバイスは、図35を参照して説明したように、空孔10が設けられた領域と、空孔10が設けられない領域とがあり、光導波路98、99が形成される。それぞれのマイクロ光デバイスは、それぞれ異なる波長で動作する。また、それぞれのマイクロ光デバイスは、それぞれをコア部419と結合するためのプリズムの機能を有するマイクロ光デバイス95を介して、光学レンズ2によりコア部419と光学的に結合されている。
【0128】
レーザおよび受光素子としての機能を有するそれぞれのマイクロ光デバイス96,97は第11の実施形態で説明したマイクロ光デバイス73と同じ構造である。ただし、第12の実施形態は、2つのマイクロ光デバイス96,97のそれぞれが、異なる波長で動作するように、それぞれのマイクロ光デバイス96,97の電気的に励起されて発光する材料および光電変換材料および空孔10の間隔が異なるものとされる。励起されて発光する材料には、例えばGaInAsPを用いることができる。GaInAsPの発光波長はその組成により異なるので、マイクロ光デバイス96,97とで、その組成の異なるGaInAsPを用いれば、励起されてλ1の光を発し、あるいは、励起されて波長がλ2の光を発するものとすることができる。光電変換材料には、例えばGeを用いることができる。Geは石英光ファイバーによる光通信の波長の近傍では、幅広い波長に対して応答するから、GaInAsPによる励起光の波長λ1の光および波長λ2の光のいずれに対しても光電変換することができる。
【0129】
図37に、プリズムの機能を有するマイクロ光デバイス95とレーザおよび受光素子としての機能を有するそれぞれのマイクロ光デバイス96,97との配置関係を説明する図を示す。
【0130】
プリズムの機能を有するマイクロ光デバイス95は、例えば、特開平11−271541号公報に開示されているように、フォトニック結晶が波長分波回路として作用することに着目して構成されたものであり、波長λ1の光と波長λ2の光を分離・結合する波長分波回路として機能する。石英光ファイバーのコア部419より波長λ1の光、あるいは、波長λ2の光が光デバイス95に入射されると、それらの光は分離され、それぞれ光デバイス99あるいは光デバイス98へ分離して導かれる。プリズムの機能を有するマイクロ光デバイス95とレーザおよび受光素子としての機能を有するそれぞれのマイクロ光デバイス96,97の光導波路98、99とを、図37に示すように、波長λ1の光と波長λ2の光の光路7に対応した位置に配置する。その結果、マイクロ光デバイス96,97のそれぞれの発生するレーザ光は光路7に示すパスを通ってプリズムの機能を有するマイクロ光デバイス95から石英光ファイバーのコア部419へ出力され、逆にコア部419からデバイス95に入射される光は光路7に示すパスを通って光導波路98、99に導波される。
【0131】
レーザとして動作する光デバイスは、第11の実施形態と同様、励起されて発光する材料を挟みつけている形の上部電極91と下部電極89との間および上部電極93と下部電極89との間に電圧を印加すれば良い。受光素子として動作する光デバイスも、第11の実施形態と同様、光電変換材料を挟みつけている形の上部電極92と下部電極89との間および上部電極94と下部電極89との間から信号電圧を取り出せば良い。
【0132】
このように、第12の実施形態によれば、異なる複数の波長を同時に送受信できる光ファイバー通信システムが実現できる。現在でも、光ファイバーによる通信システムは光波長多重通信システムとなっているから、第12の実施形態による光デバイスを光ファイバーの波長多重に対応させれば、極めて小型の光双方向光多重通信システムが実現できる。
【0133】
(光通信システムへの展開の実施形態)
上述のフォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイスを有する光デバイスと光ファイバーとを結合して光通信システムへ展開したいくつかの具体例を述べる。
【0134】
図38は、第9,10,11および12の実施形態で説明したような光デバイス109を石英ガラスファイバー光ファイバー108の両末端に光学的に結合して得られる光通信システムを模式的に示す図である。なお、この場合、光ファイバー108の一端に光デバイス109を設けた構造のものが準備されているときは、それぞれの光ファイバー108の他端は光学的に結合される必要があるが、その場合には、例えば、融着法により容易に結合できる。融着法は、結合する光ファイバコア相互の位置合わせをおこなった後、気体放電等に方法により接着部を加熱・溶融することにより光ファイバーを結合する方法である。融着法に関する説明は、光ファイバー通信」(池田正宏著、コロナ社、東京、1997年)42〜43ページに記載されている。
【0135】
図39は、図38で説明したシステムを3端子に展開した例を示す図である。各端には光デバイス109が設けられるが、両端に光デバイス109が設けられ光ファイバー108はT字分岐の光デバイス110で分岐された後、L字型の折り曲げの光デバイス111で他の光ファイバー108に結合された後残りの末端に光デバイス109が設けられる。このような場合、T字分岐の光デバイス110には第3の実施形態で説明した光デバイスが採用でき、L字型の折り曲げの光デバイス111には第2の実施形態で説明した光デバイスが採用できる。
【0136】
図40は、図39で説明した3端子システムの分岐されたファイバー108の一部を第7の実施形態の増幅機能を持たせる光デバイスを挿入した光ファイバー112としたシステムの例を示す図である。この例では、分岐されたファイバー108の末端に設けられた光デバイス109から、光ファイバー112の光デバイスに必要な電気を供給する手段113をファイバー108に並行して設けたものとした。
【0137】
また、図40では光分岐機能、光増幅機能、および光通信機能を有する光デバイスによる光ファイバーの通信システムを構成したが、第5の実施形態で説明した光スイッチとして機能する光デバイスがシステムに組み込まれても良いことは自明である。
【0138】
図41−図43は、図38−図40で説明したシステムを電子回路を含むシステムに展開して光通信を行うシステムの、より具体的なシステム構成として示す図である。ここで、114、118は、図38−図40に示す光ファイバー108に対応する光ファイバーであるが、T字分岐の光デバイス110、L字型の折り曲げの光デバイス111は表示を省略した。119は電気回路基板であり、その上に各端末が持つべき機能に対応する機能を実現するための電子回路117、118および121が実装されている。電気回路基板119と光ファイバー114および118との間は結合手段115で結合されていて、結合手段115は、例えば、図30を参照して説明した第10の実施例のホルダ66付の光デバイスとされる。結合手段115には各電子回路117、118および121の信号を光デバイスに伝送して光デバイスを駆動する増幅回路、あるいは光デバイスで受講された信号を受信するための増幅回路116が接続される。
【0139】
結合手段115の光デバイスの機能およびこれに接続すべき電子回路117、118および121、さまざまな光通信システムが実現できる。しかも、本発明によれば、ファイバー自体に組み可能な増幅機能を持つ光デバイスを組み込んだファイバーを利用すれば、容易に遠距離の伝送が可能な光通信システムが実現できる。
【0140】
このように、本発明によれば、光通信機能を有する光ファイバーを提供し、ファイバー一体型光通信システムを実現することができる。
【0141】
本発明の光ファイバーを用いた光通信システムは、ローカルエリアネットワーク等、利便性が要求される装置間ネットワークに用いることができ、しかも、光波長多重通信機能を有する光ファイバーも実現できるので、光波長多重通信によるローカルエリアネットワークを実現することも可能である。その結果、光波長多重通信によるローカルエリアネットワークでは、従来幹線系の光通信システムでしか実現できなかった高速光通信(40Gbit/秒)が可能となり、従来は不可能であった分散処理、大容量ダウンロードビジネス等が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の水平面での断面を示す図。
【図2】図1のA−Aの位置で矢印方向に見た断面を示す図。
【図3】(A)−(C)は第1の実施形態の光デバイス200を作成する手順の一例を示す図。
【図4】(A)は図3に示すマイクロ光デバイス1の上面斜視図を示す図。(B)はB−B位置で矢印方向に見た断面示す図。
【図5】マイクロ光デバイス1を用いて第1の実施形態と同じ機能を有する光ファイバーを構成した例を示す断面図。
【図6】フォトニック光ファイバー201と従来型の光ファイバー202とを組み合わせることによって第1の実施形態に類似の光ファイバーを構成した例を示す断面図。
【図7】第2の実施形態の水平面での断面を示す図。
【図8】(A)は第2の実施形態のマイクロ光デバイス14の上面斜視図を示す図、(B)はC−C位置で矢印方向に見た断面を示す図。
【図9】第3の実施形態の水平面での断面を示す図。
【図10】(A)は第3の実施形態のマイクロ光デバイス16の上面斜視図を示す図、(B)はD−D位置で矢印方向に見た断面を示す図。
【図11】第4の実施形態の水平面での断面を示す図。
【図12】(A)は第4の実施形態のマイクロ光デバイス21の上面斜視図を示す図。(B)はE−E位置で矢印方向に見た断面を示す図。
【図13】第5の実施形態の水平面での断面を示す図。
【図14】図13のF−Fの位置で矢印方向に見た断面を示す図。
【図15】(A)は第5の実施形態のマイクロ光デバイス27の上面斜視図を示す図、(B)はG−G位置で矢印方向に見た断面を示す図。
【図16】第5の実施形態のマイクロ光デバイス27の上部電極28を除去した上面斜視図を示す図。
【図17】第6の実施形態の水平面での断面を示す図。
【図18】図17のH−Hの位置で矢印方向に見た断面を示す図。
【図19】(A)は第6の実施形態のマイクロ光デバイス38の上面斜視図を示す図、(B)はH−H位置で矢印方向に見た断面を示す図。
【図20】第6の実施形態のマイクロ光デバイス27の上部電極39を除去した上面斜視図を示す図。
【図21】(A)は第7の実施形態のファイバー軸方向の垂直面での断面を示す、(B)は、J−J位置で矢印方向に見た断面を示す図。
【図22】(A)は第7の実施形態のレーザ45の上面斜視図を示す図、(B)はK−K位置で矢印方向に見た断面を示す図。
【図23】第7の実施形態のレーザ45の上部電極48を除去した上面斜視図を示す図。
【図24】(A)は第7の実施形態の変形例のファイバー軸方向の垂直面での断面を示す図、(B)はL−L位置で矢印方向に見た断面を示す図。
【図25】第8の実施形態のファイバー軸方向の垂直面での断面を示す図。
【図26】第9の実施形態の水平面での断面を示す図。
【図27】図26のM−Mの位置で矢印方向に見た断面を示す図。
【図28】第9の実施形態のマイクロ光デバイス56の上面斜視図を示す図。
【図29】第9の実施形態のマイクロ光デバイス56の上部電極57を取り除いた状態での上面斜視図を示す図。
【図30】第10の実施形態のマイクロ光デバイス56を有する光デバイスを含む端部構造と既設の光ファイバーとの結合関係を説明する断面構造図。
【図31】第10の実施形態のマイクロ光デバイス56を有する光デバイスを含む端部構造と既設の光ファイバーとの結合状態を説明する断面構造図。
【図32】第10の実施形態の変形例としてマイクロ光デバイス56を有する光デバイスを含む端部構造をファイバー101の端部に予め実装しておく例を示す断面図。
【図33】(A)は第11の実施形態の水平面での断面を示す図、(B)はN−Nの位置で矢印方向に見た断面を示す図。
【図34】(A)は第11の実施形態のマイクロ光デバイス73の上面斜視図を示す図、(B)はO−O位置で矢印方向に見た断面を示す図。
【図35】第11の実施形態のマイクロ光デバイス73の上部電極74,75を取り除いた状態での上面斜視図を示す図。
【図36】第12の実施形態の光デバイス90の上面斜視図を示す図。
【図37】プリズムの機能を有するマイクロ光デバイス95とレーザおよび受光素子としての機能を有するそれぞれのマイクロ光デバイス96,97との配置関係を説明する図。
【図38】第9,10,11および12の実施形態で説明したような光デバイス109を石英ガラスファイバー光ファイバー108の両末端に光学的に結合して得られる光通信システムを模式的に示す図。
【図39】図39は、図38で説明したシステムを3端子に展開した例を示す図。
【図40】図39で説明した3端子システムの分岐されたファイバー108の一部を第7の実施形態の増幅機能を持たせる光デバイスを挿入した光ファイバー112としたシステムの例を示す図。
【図41】図38で説明したシステムを電子回路を含むシステムに展開して光通信を行うシステムのより具体的なシステム構成を示す図。
【図42】図39で説明したシステムを電子回路を含むシステムに展開して光通信を行うシステムのより具体的なシステム構成を示す図。
【図43】図40で説明したシステムを電子回路を含むシステムに展開して光通信を行うシステムのより具体的なシステム構成を示す図。
【符号の説明】
1:フォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイス、2:光学レンズ、3:石英光ファイバーのクラッド部、5:カバー、6:フォトニック光導波路、7:光路、8:ステージ、9:石英ガラス基板、10:空孔、11:10が周期的に形成されている9の領域、12:フォトニック光ファイバーのクラッド部、14:フォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイス、15:フォトニック光導波路、16:フォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイス、17:フォトニック光導波路、18:フォトニック光導波路、19:フォトニック光導波路、20:空孔、21:フォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイス、22:フォトニック光導波路、23:フォトニック光導波路、24:フォトニック光導波路、25:フォトニック光導波路、26:空孔、27:フォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイス、28:電極、29:電極、30:電極、31:電極、32:電気ケーブル、33:電源を供給する手段、34:電源を供給する手段、35:フォトニック光導波路、36:フォトニック光導波路、37:電極が配置されている901の部分、38:フォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイス、39:電極、40:電極、41:フォトニック光導波路、42:電極が配置されている9の部分、43:電気的に励起されて発光する材料、44:外被、45:フォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイス、46:電源を供給する手段、47:電源を供給する手段、48:電極、49:電極、50:フォトニック光導波路、51:光共振器として作用する9の部分、52電気的に励起されて発光する材料、54:外被、55:フォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイス、56:フォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイス、57:電極、58:電極、59:電極、60:電極、61:電気ケーブル、62:フォトニック光導波路、63:光共振器として作用する9の部分、64:電気的に励起されて発光する材料あるいは光電変換機能を有する材料、65:電極が配置されている9の部分、66:結合用ガイド、72:電気ケーブル、73:フォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイス、74:電極、75:電極、76:電極、78:光電変換機能を有する材料、79:電気的に励起されて発光する材料、80:電極、81:電極、82:電極、84:電気ケーブル、85:フォトニック光導波路、86:光共振器として作用する9の部分、87:光共振器として作用する9の部分、90:フォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイス、91:電極、92:電極、93:電極、94:電極、95:フォトニック結晶を利用したマイクロデバイス、96:フォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイス、97:フォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイス、98:フォトニック光導波路、99:フォトニック光導波路、100:電極が配置されている9の部分、108:石英光ファイバー、109:本発明の光ファイバー、110:本発明の光ファイバー、111:本発明の光ファイバー、112:本発明の光ファイバー、113:電源を供給する手段、114:本発明の光ファイバー、115:本発明の光ファイバーと外部電気回路を結合する手段、116:本発明の光ファイバーを駆動する電子回路、117:電子回路、118:電子回路、119:電気回路基板、121:電子回路、130:フォトニック光ファイバーのコア部、131,132:フォトニック光ファイバーのコア部、200:光デバイス、201−204:光ファイバー、401:石英光ファイバーのコア部、402:石英光ファイバーのコア部、403:石英光ファイバーのコア部、404:石英光ファイバーのコア部、405:石英光ファイバーのコア部、406:石英光ファイバーのコア部、407:石英光ファイバーのコア部、408:石英光ファイバーのコア部、409:石英光ファイバーのコア部、410:石英光ファイバーのコア部、411:石英光ファイバーのコア部、412:石英光ファイバーのコア部、413:石英光ファイバーのコア部、414:石英光ファイバーのコア部、415:エルビウムイオンがドープされている石英光ファイバーのコア部、416:石英光ファイバーのコア部、417:石英光ファイバーのコア部、418:石英光ファイバーのコア部、419:石英光ファイバーのコア部、901:ニオブ酸リチウム基板。

Claims (15)

  1. フォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイス、該マイクロ光デバイスを先端に保持するとともに、保持されたマイクロ光デバイスの光導波路と光ファイバーのコア部が光学的に結合されるための支持手段を有する光デバイスよりなり、前記支持手段を介して前記光デバイスが前記光ファイバーと結合可能とされることを特徴とする光デバイス。
  2. 前記マイクロ光デバイスの光導波路と光ファイバーのコア部とは光学レンズを介して光学的に結合される請求項1記載の光デバイス。
  3. 前記支持手段は、前記光デバイスが結合されるべき断面がほぼ円形の前記光ファイバーの外径とほぼ同一の外径を有するカバー内に保持された軸中心方向への位置が調整可能なステージを備える請求項1記載の光デバイス。
  4. 前記光デバイスが結合されるべき前記光ファイバーがフォトニック結晶を利用した光ファイバーである請求項1記載の光デバイス。
  5. 前記光デバイスの光導波路がL字型、T字型あるいは十字型である請求項1記載の光デバイス。
  6. フォトニック結晶を構成する基板、該基板の両面に設けられた電極、該電極間に必要な電気信号を供給する手段を備えるフォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイス、該マイクロ光デバイスを先端に保持するとともに、保持されたマイクロ光デバイスの光導波路と光ファイバーのコア部が光学的に結合されるための支持手段を有する光デバイスよりなり、前記支持手段を介して前記光デバイスが前記光ファイバーと結合可能とされることを特徴とする光デバイス。
  7. 前記基板の前記電極間に挟まれた領域の一部に電気的に励起されて所定の波長の光を放出する材料が埋め込まれている請求項6記載の光デバイス。
  8. 前記基板の前記電極間に挟まれた領域の一部に光で励起されて電気信号を発生する光電変換材料が埋め込まれている請求項6記載の光デバイス。
  9. 前記基板の一面の前記電極の電極が独立して2つ設けられ、これらの電極の1つと他面の電極との間に挟まれた前記基板の領域の一部に電気的に励起されて所定の波長の光を放出する材料が埋め込まれ、これらの電極の他の1つと他面の電極との間に挟まれた前記基板の領域の一部に光で励起されて電気信号を発生する光電変換材料が埋め込まれている請求項6記載の光デバイス。
  10. フォトニック結晶を構成する基板、該基板の両面に設けられた電極、該電極間に必要な電気信号を供給する手段を備えるフォトニック結晶を利用したマイクロ光デバイス、該マイクロ光デバイスを先端に保持するとともに、保持されたマイクロ光デバイスの光導波路と光ファイバーのコア部が光学的に結合されるための支持手段を有する光デバイス、前記支持手段を介して前記光デバイスに結合された前記光ファイバーとよりなることを特徴とする光能動性を持つ光ファイバー。
  11. 前記基板の前記電極間に挟まれた領域の一部に電気的に励起されて所定の波長の光を放出する材料が埋め込まれている請求項10記載の光ファイバー。
  12. 前記基板の前記電極間に挟まれた領域の一部に光で励起されて電気信号を発生する光電変換材料が埋め込まれている請求項10記載の光ファイバー。
  13. 前記基板の一面の前記電極の電極が独立して2つ設けられ、これらの電極の1つと他面の電極との間に挟まれた前記基板の領域の一部に電気的に励起されて所定の波長の光を放出する材料が埋め込まれ、これらの電極の他の1つと他面の電極との間に挟まれた前記基板の領域の一部に光で励起されて電気信号を発生する光電変換材料が埋め込まれている請求項10記載の光ファイバー。
  14. 前記光デバイスが光ファイバーの一端に結合され、該光デバイスの外面と結合して前記光デバイスの電極に所定の電気信号を供給する手段を備えるホルダと結合可能とされた請求項10記載の光ファイバー。
  15. 前記光デバイスの電極に所定の電気信号を供給する手段がファイバー外面に並行して備えられる請求項10記載の光ファイバー。
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