JP2006351917A - 光集積回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体光集積回路における信号光の損失を補償し、微弱な信号光の送受信が可能としてより大規模が回路が実現できるようにする。
【解決手段】ポンプ光ガイド層102と基板101とポンプ光ガイド層102との界面に形成された回折格子103と、ポンプ光ガイド層102の上に形成された反射層104と、反射層104の上に形成された信号光導波層105と、基板101の上に形成されたポンプレーザ(光源)106と、信号光導波層105の上に形成された発光素子107,光検出素子108とを備える。光導波路が構成される信号光導波層105に対し、ポンプレーザ106より出射されたポンプ光が供給され、伝播する信号光がラマン散乱により増幅される。
【選択図】 図1
【解決手段】ポンプ光ガイド層102と基板101とポンプ光ガイド層102との界面に形成された回折格子103と、ポンプ光ガイド層102の上に形成された反射層104と、反射層104の上に形成された信号光導波層105と、基板101の上に形成されたポンプレーザ(光源)106と、信号光導波層105の上に形成された発光素子107,光検出素子108とを備える。光導波路が構成される信号光導波層105に対し、ポンプレーザ106より出射されたポンプ光が供給され、伝播する信号光がラマン散乱により増幅される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、シリコンなどのIV族半導体を用いたコアよりなる光集積回路に関する。
大規模な光集積回路は、光多重分離回路や光路切り替えスイッチなどのフォトニックネットワークの光機能デバイスの高度化のみならず、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)の処理速度を凌駕する光ICの実現を図る上での重要な基盤技術である。従来より、GaAsやInPなどの化合物半導体で大規模な光集積回路の検討が進められてきたが、結晶品質の点で大規模化は困難であるとされてきた。一方、大面積で均質性が高く大規模集積化が可能であることがエレクトロニクス分野で実証されてきたSiやGeをはじめとするIV族半導体が、光集積回路を実現する有望な材料であることが明らかになりつつある。
特に半導体の屈折率(〜3.5)は、ガラス(1.5)の約2倍と高いため、例えば、図7に示すようなリッジ形のコア703、及び図8に示すような埋め込み形のコア804でも、微細な光導波路を形成することが可能である。なお、図7は、半導体基板701の上に、クラッドとなる誘電体分離層702を介してコア703を備えた状態を示す断面図である。また、図8は、半導体基板801の上に、クラッドとなる誘電体分離層802を介して半導体層803を備え、この半導体層803の層に溝を形成することでコア804が形成され、低屈折率誘電体材料からなる上部のクラッド805によりコア804が覆われている状態を示す断面図である。さらに、これらの光導波路は、高い閉じ込め率により数μmの曲率半径でも低損失な曲げ導波路が実現できるため、これら光導波路を利用した高密度・大規模光集積回路の実現が期待されている(非特許文献1参照)。
A. Vonsovici, et al., "Si/Si1-xGex/S low-loss waveguides fabricated using selective growth", Proc. SPIE, Vol.4293, pp.100-105, 2001.
ところが、IV族半導体の代表であるSiの通信波長帯における損失は、SiO2を光導波路材料とするプレーナ形光回路(PLC)の100倍程度の大きさとなる(〜0.1dB/mm)。このため、たとえ高屈折率による閉じ込めにより100分の1程度の小型化を実現したとしても、損失を考慮したFOM(Figure of Merit)が1となり、大規模化が困難であるとされていた。従って、大規模光集積化を実現するためには、現状のSi光導波路のさらなる低損失化、もしくは損失の補償が必要となる。
例えば、シリコンを用いた上述構成の光導波路では、コアの表面の粗さが損失の原因となっており、コアの表面をより平坦に形成することで、低損失の光導波路が形成可能となり、大規模光集積回路への適用が検討できる。しかしながら、導波路コア表面の平坦性は、微細加工技術に依存し、現状では損失を一桁以上低減するだけの加工技術を実現することは困難な状況にある。
一方、損失の補償については、従来より、光導波路を伝播(導波)している信号光を増幅して利得を付与することで行われている。例えば、反転分布による半導体光増幅素子を用いることで、信号光を増幅することが可能である。しかしながら、増幅対象となる信号光は、当然ながら半導体のバンドギャップエネルギーを越えており、素子に吸収される。また、増幅素子を構成する構成する半導体は、伝導帯のキャリアの応答速度が速く、複数の波長の光に対して均一性の高い利得媒質となる。このため、導波路に沿って複数の信号光を個別に増幅伝播させると、伝搬させた複数の信号光が干渉し、波長が異なる信号光毎の個別の信号伝達が不能となり、光集積回路には適用し難い。
また、希土類元素を添加することで、光導波路を導波している信号光を増幅して利得を付与する技術もある。希土類原子をドープ(添加)した光増幅素子(媒体)は、複数の波長の光に対して不均一性が高く、局所的に異なる信号光を個別に増幅伝達することが可能である。しかしながら、希土類による増幅では、利得係数が極めて低いため、高密度光集積回路の光導波路に適用することは困難である。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、半導体光集積回路における信号光の損失を補償し、微弱な信号光の送受信が可能としてより大規模が回路が実現できるようにすることを目的とする。
本発明に係る光集積回路は、所定の光が透過する反射層と、この反射層の主表面上に配置されて半導体からなるコアと、反射層よりなるクラッド及びコアから構成された信号光導波路と、反射層の裏面側より信号光導波路の全域にポンプ光を供給するポンプ光供給手段と、反射層とコアの上面側の界面とにより構成された共振器と、信号光導波路に信号光を放出する発光素子と、信号光導波路を伝播する信号光を検出する光検出素子と、発光素子及び光検出素子に接続された回路とを少なくとも備え、反射層はポンプ光を透過するようにしたものである。ポンプ光が供給されると、信号光導波路では、誘導ラマン散乱により信号光が増幅される。
上記光集積回路において、ポンプ光供給手段は、ポンプ光を間欠的に供給するものであればよい。また、反射層は、少なくとも異なる2つの反射率を備え、ポンプ光供給手段によるポンプ光の供給に同期して反射層の反射率を変化させる同期制御手段により、反射率を変化させることで、信号光導波路に対し、より効率よく間欠的なポンプ光の供給が可能となる。例えば、反射層は、第1の屈折率を備えたn型の第1半導体層と、第2の屈折率を備えたp型の第2半導体層とが交互に積層されて構成され、反射層の一方の側の第1半導体層の一部に接触して設けられた電子注入電極と、反射層の他方の側の第2半導体層の一部に接触して設けられた正孔注入電極とを備えるものであり、同期制御手段は、電子注入電極と正孔注入電極とに電圧を印加することで、反射層の反射率を変化させるものであればよい。
上記光集積回路において、ポンプ光供給手段は、反射層の裏面の側に信号光導波路に沿って設けられ、信号光導波路の光導波方向にポンプ光が伝播するポンプ光ガイド層と、このポンプ光ガイド層の反射層と対向する反対側の面に設けられた回折格子と、ポンプ光ガイド層のポンプ光入力端面にポンプ光を供給する光源とを少なくとも備えるものである。また、発光素子は、コアに接触して形成された絶縁層と、この絶縁層の一部を介して配置された第1金属電極及び第2金属電極とから構成され、第1金属電極と第2金属電極とは異なる金属から構成され、第1金属電極と第2金属電極とは、絶縁層の一部を介してトンネル電流が流れる範囲で離間しているものである。また、光検出素子は、p型の半導体部分とn型の半導体部分とを備えたpin型光検出器であり、コアに近接して配置されているものである。
以上説明したように、本発明によれば、ポンプ光が供給される信号光導波路の全域において、誘導ラマン散乱により信号光が増幅されるようにしたので、光集積回路における信号光の損失が補償され、微弱な信号光の送受信が可能となり、より大規模が回路が実現できるようになるという優れた効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態における光集積回路の構成例を概略的に示す断面図である。なお、図1(a)は、信号光の導波方向に平行な断面を示し、図1(b)は、信号光の導波方向に垂直な断面を示し、図1(c)は、信号光の導波方向に垂直な断面の部分を拡大して示している。図1に示す光集積回路は、例えば、p型とされた単結晶シリコンからなる基板101の上に、ポンプ光ガイド層102と基板101とポンプ光ガイド層102との界面に形成された回折格子(グレーティング)103と、ポンプ光ガイド層102の上に形成された反射層104と、反射層104の上に形成された信号光導波層105と、基板101の上に形成されたポンプレーザ(光源)106と、信号光導波層105の上に形成された発光素子107,光検出素子108とを備えている。
信号光導波層105は、下層の反射層104に対してバッファ層となる下部層105bと、信号光が導波する中心となるコア105aとから構成されたリッジ構造とされている。コア105aは、断面形状が200nm角の矩形に形成され、下部層105bは、厚さ200nm程度に形成されている。反射層104においては、反射層104を下部クラッドとし、信号光導波層105の上層(例えば空気層)を上部クラッドとした光導波路が構成され、コア105aの部分で光閉じこめがなされる。また、反射層104と信号光導波層105(コア105a)の上面側の界面とにより共振器が構成されている。なお、回折格子103は、ポンプ光ガイド層102の反射層104と対向する反対側の面に形成されていればよい。
このように光導波路が構成される信号光導波層105に対し、ポンプレーザ106より出射されたポンプ光が供給され、伝播する信号光がラマン散乱により増幅される。ポンプレーザ106より出射されてポンプ光ガイド層102の光入力端面より入射したポンプ光は、ポンプ光ガイド層102を伝播する。ポンプ光ガイド層102を伝播するポンプ光は、信号光導波層105に沿って設けられた回折格子103により、基板101の法線方向に反射され、反射されたポンプ光は、反射層104を透過して信号光導波層105に供給される。このように、図1に示す光集積回路によれば、ポンプレーザ106,ポンプ光ガイド層102,及び回折格子103よりなるポンプ光供給手段により、信号光が伝播する光導波路の全域に渡ってポンプ光が供給され、光導波路の全域において、伝播(導波)する信号光が、ラマン散乱により増幅される。
ポンプレーザ106は、上述したポンプ光の供給源となる光源(ポンプ光源)であり、例えば、半導体モード同期レーザ素子を用いることができる。このようなレーザ素子は、数10μm程度と小型であり、信号光導波層105とともに基板101の上にモノリシックに搭載することが可能である。ここで、半導体モード同期レーザ素子の場合、出射される光のモードフィールドはほぼスポット状であり、基板101の全域に渡ってポンプ光を供給することは困難である。しかしながら、図1(b)に示すように、隣り合う2つの信号光導波層105の間のポンプ光ガイド層102に溝121を設け、また、信号光導波層105の形成領域の下部に回折格子103が配設されているようにし、ポンプ光の伝達路が限定されいるようにすれば、各信号光導波層105に対応して各々ポンプ光源を用意すればよい。図1に示す例では、2つの信号光導波層105を備えているので、これらにあわせて、2つのポンプ光源(ポンプレーザ106)が設けられていればよい。
上述したようにポンプ光が供給される導波路が構成される信号光導波層105に設けられた発光素子107は、鉄層171とニッケル層172とが、絶縁層173を介して近設配置されたトンネル発光素子である。例えば、鉄層171に形成されている針とニッケル層172に形成されている針とが、絶縁層173を介して間隔10nm以下で近づけて配置されている。この状態で、鉄層171とニッケル層172との間に電圧を印加すると、2つの針の間にトンネル電流が流れ、2つの異なる金属の仕事関数の差分に相当する光が、発光素子107より放出される。発光素子107より放出された光(信号光)は、信号光導波層105よりなる導波路を伝播(導波)する。Fe−Ni間のトンネル電流による発光では、波長1.91μmの光が放出される。シリコンの光学フォノンのエネルギーを考慮すると、上述したポンプ光の波長が1.2μm程度であれば、発光素子107より放出された信号光は、信号光導波層105よりなる導波路を増幅されながら伝播する。
また、信号光導波層105に設けられた光検出素子108は、例えば、p型のゲルマニウム層181と不純物が導入されていないi型のゲルマニウム層182とn型のゲルマニウム層183とから構成されたpin構造の光検出素子である。ゲルマニウムのバンドギャップエネルギーは、0.67eV(1.85μm)であり、光検出素子108は中心波長1.85μmに感度を有したものとなる。従って、発光素子107より放出され、信号光導波層105よりなる導波路を増幅されながら伝播する信号光は、光検出素子108により検出される。なお、光検出素子108の周囲には、素子分離のための溝151及び溝152が形成されている。
また、図1に示す光集積回路では、反射層104に、電子注入電極109及び正孔注入電極110が接続して設けられ、キャリアの横注入による屈折率の変化により、反射率が変化する。例えば、図1(c)に示すように、反射層104は、リン(P)が添加されてn型とされたn型シリコン層141とホウ素(B)が添加されてp型とされたp型シリコン層142とが交互に積層されたブラッグ反射ミラーである。このように構成された反射層104によれば、図2に示すように、2つのスペクトル応答関数の状態を備え、電子注入電極109及び正孔注入電極110によりキャリアが注入されると、スペクトル応答関数が短波長側にシフトする。
このように、反射層104では、電子注入電極109及び正孔注入電極110によるキャリア注入状態とキャリア非注入状態とにより、2つのスペクトル応答関数の状態を変更可能であり、高い反射率の状態と低い反射率との状態が制御可能である。例えば、キャリア非注入状態では、スペクトル応答関数の長波長側の全反射端が信号光の波長の位置となり、キャリア注入状態では、スペクトル応答関数の長波長側の反射率が極小が信号光の波長の位置となるように、キャリアの注入量を制御すれば、キャリア注入の有無により大きな反射率の差が得られる。このように構成された反射層104の反射の状態を、同期制御手段によりポンプレーザ106から供給されるパルス状のポンプ光に同期させることで、より効率的に信号光導波層105よりなる導波路伝播する信号光が増幅できる。ゲルマニウム及びシリコンとゲルマニウムの混晶などを利用することで、より屈折率の差が大きい2つの層を交互に積層することで、より大きな反射率の差が得られるようになる。
ここで、上述したラマン散乱による増幅についてより詳細に説明する。まず、誘導ラマン散乱について説明する。誘導ラマン散乱とは、図3に示すように、ポンプ光により半導体(シリコン)の電子を励起して分極を形成するとともに、分極が緩和する過程で原子が励起状態に移行し、移行した励起状態と基底状態との差分のエネルギーに対応するストークス光を放出する過程であり、次の(1)式に示すエネルギー保存則が満たされている(非特許文献:T. K. Liang et al., "Efficient Raman amplification in sikicon-on-insulator wavegauides", Appl. Phys. Lett., Vol. 85, pp.3343-3345, 2004.参照)。なお、シリコンやゲルマニウムなどのIV族半導体では、上記差分のエネルギーが、光学フォノンのエネルギーに相当する。
hωp=hωsp+hωf・・・(1)
ここで、ωpは入射光の角周波数、ωspはストークス光の角周波数、ωfは光学フォノンの角周波数である。
ここで、ωpは入射光の角周波数、ωspはストークス光の角周波数、ωfは光学フォノンの角周波数である。
励起により形成される分極の寿命が適当に長いと、位相が整合した分極が多数形成されるので、ストークス光に相当する光信号を入力するとコヒーレントな分極の緩和により信号光が増幅され出力されることになる。原子の励起状態は速やかに緩和して基底状態にもどるので光ポンピングの飽和は回避される。このような誘導ラマン散乱による光信号の増幅作用は、分極の3次の応答による非線形光学現象に基づくものであり、半導体及び誘電体を問わず、ほとんどの光学媒質が有している性質である。
ところで、IV族に属するSiの場合、分極の緩和時間が比較的長く応答係数が大きいという特徴がある。このようなSiに対して連続光で光ポンピングを行うと分極が累積してポンプレベルが飽和してししまうほか、ポンプ光に対する2光子吸収により発生するフリーキャリアも蓄積し、導波路の損失が増大してしまう。これに対し、図1に示す光集積回路では、前述したように短パルスによる(間欠的な)ポンピング光で光ポンピングを行うようにしているので、上述したような飽和や損失の増大を回避させる方法であるのみならず、位相がそろった分極の形成を保持することが可能とされ、Siを媒質とするラマン増幅をより効率的に行える構成となっている。
また、従来のラマン増幅器のように、励起光を入射する場所を分散して挿入しようとすると、波長多重の合波器が必要となり、光集積回の高密度化を阻害する要因となる。これに対し、図1に示す光集積回路によれば、半導体よりなる光導波路の全体に対し、導波路の光軸に垂直な方向に沿ってポンプ光を照射することで、上述した問題を解消している。加えて、図1に示す光集積回路では、反射層104を構成要素とする導波路に垂直な方向の共振器を備えるようにしているので、信号光導波層105に供給されるポンプ光の強度を増強としている。このように、ポンプ光の強度が増強されるので、光導波路の全域に光パルス光を同時に照射するようにしても、ポンプ光のパワー密度の低下が抑制されるようになる。
ところで、上述したように共振器を用いる場合、共振器のQ値を高めることで、ポンプ光の光強度をより増強することができるが、共振器のQ値を高めて増強度を向上させようとすると、共振器が鋭い波長応答特性を持つようになる。このように、共振器が鋭い波長応答性を持つ状態では、広帯域のスペクトル分布を持つ光パルスの強度を増強することが困難となる。ここで、前述したように、図1に示す光集積回路によれば、ポンプレーザ106より得られる光パルスの繰り返し周波数に、反射層104の反射率を同期させて制御し、光パルスが通過するとき反射率が最小となり、これ以外では高い反射率が維持されるようにした。この結果、図4に示すように、共振器内の光密度(c)は、光パルスの通過毎(a)に増強され、残留する分極の密度(d)は、ほぼ一定に保持されるようになる。なお、図4(b)は、反射層104における反射の状態(タイミング)を示している。このような増幅作用を持つ図1に示す光集積回路を用いれば、見かけ上損失のない光信号伝播路が構成されており、回路のより大規模化が実現可能となる。
次に、本発明の実施の形態における他の光集積回路について説明する。図5は、図1に示す光集積回路に演算処理回路などを組み込んだ状態を示す平面図である。図5に示す光集積回路では、コア105aよりなる2組の信号光導波路(信号光導波層105)を備え、各信号光導波路には、各々反射層104を及びポンプレーザ106が設けられ、ポンプレーザ106からのポンピング光が、反射層104に反射されて信号光導波路に供給可能とされている。また、上記信号光導波路には、複数の演算処理回路503が、信号接続部504により接続されている。信号接続部504は、複数の発光素子及び光検出素子から構成されているものである。なお、図5では、省略しているが、反射層104と信号光導波路との間には、図1に示す反射層104と同様の反射層を備え、この反射層には、正孔注入電極110及び電子注入電極(図示せず)が接続されている。
図5に示す光集積回路では、各ポンプレーザ106は、レーザ制御回路501により例えば出力光が制御されている。また、正孔注入電極110及び図示しない電子注入電極には、同期制御回路(同期制御手段)502により電圧が印加され、図示しない反射層に対してキャリアの注入が可能とされている。また、同期制御回路502は、レーザ制御回路501の制御に同期し、各ポンプレーザ106から出射されるパルスポンプ光に同期し、図示しない反射層に対してキャリアの注入を制御している。このように構成された光集積回路によれば、各演算処理回路503の間のデータ転送が、ポンプ光により光増幅されている上記信号光導波路を伝播する信号光によりなされる。
次に、本発明の実施の形態における他の光集積回路について説明する。図6は、本発明の実施の形態における他の光集積回路の構成例を示す平面図(a)及び断面図(b)である。図6に示す光集積回路では、基板601の上に反射層602を介し、リング共振器フィルタを備えた光導波路層603が配置されている。この光集積回路では、基板601の裏面側に配置されたポンプレーザ604より出射されたポンプ光は、例えばフレネルレンズよりなる光学系605により平行光とされ、基板601の裏面側より入射し、反射層602を透過して光導波路層603に供給される。反射層602は、図1に示す反射層104と同様に半導体からなるブラッグ反射ミラーであり、ポンプレーザ604より出射されるポンプ光のパルスに同期して、反射の状態が制御されている。
図6に示す光集積回路では、光導波路層603に形成されているリング共振器フィルタにおいて、入力端より入力された波長λ1,λ2,λ3,λ4の合成信号光が、リング共振器フィルタよりなる光アドドロップマルチプレクサにより分離され、各々の出射端より出力される。また、これらの信号光は、ポンプ光の供給により増幅されて状態で、光導波路層603を伝播する。このような、ポンプ光の全面照射は、励起レベルの劣化を招くという欠点を持つ。しかしながら、リング共振器フィルタからなる光アッドドロップマルチプレクサなどの複雑な2次元光回路では、光導波路に沿ったポンプ光のガイドの形成が困難であり、このような場合においては、上述したようにポンプ光の全面照射により、光導波路の一括励起が可能となる。
101…基板、102…ポンプ光ガイド層、103…回折格子、104…反射層、105…信号光導波層、105a…コア、105b…下部層、106…ポンプレーザ、107…発光素子、108…光検出素子、109…電子注入電極、110…正孔注入電極、121…溝、141…n型シリコン層、142…p型シリコン層、151,152…溝、171…鉄層、172…ニッケル層、173…絶縁層、181…p型のゲルマニウム層、182…i型のゲルマニウム層、183…n型のゲルマニウム層。
Claims (7)
- 所定の光が透過する反射層と、
この反射層の主表面上に配置されて半導体からなるコアと、
前記反射層よりなるクラッド及び前記コアから構成された信号光導波路と、
前記反射層の裏面側より前記信号光導波路の全域にポンプ光を供給するポンプ光供給手段と、
前記反射層と前記コアの上面側の界面とにより構成された共振器と、
前記信号光導波路に信号光を放出する発光素子と、
前記信号光導波路を伝播する信号光を検出する光検出素子と、
前記発光素子及び前記光検出素子に接続された回路と
を少なくとも備え、
前記反射層は前記ポンプ光を透過することを特徴とする光集積回路。 - 請求項1記載の光集積回路において、
前記ポンプ光供給手段は、前記ポンプ光を間欠的に供給する
ことを特徴とする光集積回路。 - 請求項2記載の光集積回路において、
前記反射層は、少なくとも異なる2つの反射率を備え、
前記ポンプ光供給手段によるポンプ光の供給に同期して前記反射層の反射率を変化させる同期制御手段を備えることを特徴とする光集積回路。 - 請求項3記載の光集積回路において、
前記反射層は、第1の屈折率を備えたn型の第1半導体層と、第2の屈折率を備えたp型の第2半導体層とが交互に積層されて構成され、
前記反射層の一方の側の前記第1半導体層の一部に接触して設けられた電子注入電極と、
前記反射層の他方の側の前記第2半導体層の一部に接触して設けられた正孔注入電極と
を備え、
前記同期制御手段は、前記電子注入電極と前記正孔注入電極とに電圧を印加することで、前記反射層の反射率を変化させる
ことを特徴とする光集積回路。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の光集積回路において、
前記ポンプ光供給手段は、
前記反射層の裏面の側に前記信号光導波路に沿って設けられ、前記信号光導波路の光導波方向にポンプ光が伝播するポンプ光ガイド層と、
このポンプ光ガイド層の前記反射層と対向する反対側の面に設けられた回折格子と、
前記ポンプ光ガイド層のポンプ光入力端面にポンプ光を供給する光源と
を少なくとも備えることを特徴とする光集積回路。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の光集積回路において、
前記発光素子は、
前記コアに接触して形成された絶縁層と、
この絶縁層の一部を介して配置された第1金属電極及び第2金属電極と
から構成され、
前記第1金属電極と前記第2金属電極とは異なる金属から構成され、
前記第1金属電極と前記第2金属電極とは、前記絶縁層の一部を介してトンネル電流が流れる範囲で離間している
ことを特徴とする光集積回路。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載の光集積回路において、
前記光検出素子は、
p型の半導体部分とn型の半導体部分とを備えたpin型光検出器であり、
前記コアに近接して配置されている
ことを特徴とする光集積回路。
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