JP2004061439A - 調合染毛剤の染色結果予測方法および配合比率決定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】未熟な美容師や素人であっても、基準染毛剤の混合によって染色される毛髪の仕上がり色を高精度で簡単に予測することができる調合染毛剤の染色結果予測方法を提供すること。
【解決手段】少なくとも複色の染毛剤A・B・C…を調合して調合染毛剤Mを生成し、この調合染毛剤Mで染色される毛髪が呈する近似色を予測する方法であって、
サンプル毛束Sを前記染毛剤A・B・C…で各々染色して試染毛束A’・B’・C’…を作製し、これら各試染毛束A’・B’・C’…が示す色合いをマンセル表色系カラーサークル1上に座標a・b・c…としてプロットする一方、
一染毛剤に他染毛剤を添加していき、前記マンセル表色系カラーサークル1上で色変化を確認しながら調合して各染毛剤同士の色強度の相対関係を求め、
前記座標a・b・c…の距離比分関係に基づいて、調合染毛剤Mによって染色される毛髪の仕上がり色を予測できるという技術的手段を採用した。
【選択図】 図1
【解決手段】少なくとも複色の染毛剤A・B・C…を調合して調合染毛剤Mを生成し、この調合染毛剤Mで染色される毛髪が呈する近似色を予測する方法であって、
サンプル毛束Sを前記染毛剤A・B・C…で各々染色して試染毛束A’・B’・C’…を作製し、これら各試染毛束A’・B’・C’…が示す色合いをマンセル表色系カラーサークル1上に座標a・b・c…としてプロットする一方、
一染毛剤に他染毛剤を添加していき、前記マンセル表色系カラーサークル1上で色変化を確認しながら調合して各染毛剤同士の色強度の相対関係を求め、
前記座標a・b・c…の距離比分関係に基づいて、調合染毛剤Mによって染色される毛髪の仕上がり色を予測できるという技術的手段を採用した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、毛髪の染色手法の改良、更に詳しくは、未熟な美容師や素人であっても、調合染毛剤で染色される毛髪が呈する近似色を高精度で簡単に予測することができ、また、その配合比率をも求めることができる調合染毛剤の染色結果予測方法および配合比率決定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周知のとおり、ヘアースタイルは各人の個性を特徴付ける重要な要素であり、毛髪の長短やパーマネントといった髪型だけでなく、最近では、老若男女を問わず、毛髪に金色や茶色、赤色などの染色処理を施すヘアカラーが流行している。
【0003】
ところで、各ユーザーの目的色は多種多様であり、その要望に応えるべくオリジナルな毛色に染め上げるためには、まず、基準色の染毛剤を調合することによって調合染毛剤を作製するのであるが、この際、調合者は複色の基準染毛剤の調合比率を検討して混合後の結果色を予測し、この調合染毛剤で染色した毛髪の近似色を予測するのである。
【0004】
しかしながら、2色の染毛剤の混合であれば、ある程度の精度で中間色を予測することが可能であったが、3色以上の染毛剤を調合するとなると、結果色を予測することは困難であり、どうしても勘に頼るしかなく、全く違った混色結果になることもしばしばあった。
【0005】
また、ユーザーが指定する目的色を作り出すための基準染毛剤の調合比を決定するのは非常に困難であり、熟練した美容師であっても失敗が多く、なかなか作り出すことができないという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、染毛する際に上記のような困難があったことに鑑みて為されたものであり、未熟な美容師や素人であっても、基準染毛剤の混合によって染色される毛髪の仕上がり色を高精度で簡単に予測することができる調合染毛剤の染色結果予測方法を提供することを技術的課題とする。
【0007】
また、本発明は、目的色を作り出すための基準染毛剤の調合比を簡単に求めることができる配合比率決定方法を提供することを技術的課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者が上記課題を解決するために採用した手段を添付図面を参照して説明すれば次のとおりである。
【0009】
即ち、本発明は、少なくとも複色の染毛剤A・B・C…を調合して調合染毛剤Mを生成し、この調合染毛剤Mで染色される毛髪が呈する近似色を予測する方法であって、
サンプル毛束Sを前記染毛剤A・B・C…で各々染色して試染毛束A’・B’・C’…を作製し、これら各試染毛束A’・B’・C’…が示す色合いをマンセル表色系カラーサークル1上に座標a・b・c…としてプロットする一方、
一染毛剤に他染毛剤を添加していき、前記マンセル表色系カラーサークル1上で色変化を確認しながら調合して各染毛剤同士の色強度の相対関係を求め、
前記座標a・b・c…の距離比分関係に基づいて、調合染毛剤Mによって染色される毛髪の仕上がり色を予測できるという技術的手段を採用することによって調合染毛剤の染色結果予測方法を完成した。
【0010】
また、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、円周に沿って、赤、赤橙、橙、黄橙、黄、黄緑、緑、青緑、青、青紫、紫、赤紫の12色相が対面補色関係になるように配色され、かつ、中心に向かって小彩度になるようにカラーグラデーションを表示して形成せるマンセル表色系カラーサークル1を用いるという技術的手段を採用した。
【0011】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、円周に沿って、赤、赤橙、橙、黄橙、黄、黄緑、緑、青緑、青、青紫、紫、赤紫の12色相が30度毎の等間隔に対面補色関係になるように配色され、か
つ、中心に向かって小彩度になるようにカラーグラデーションを表示して形成せるマンセル表色系カラーサークル1を用いるという技術的手段を採用した。
【0012】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、色票パネルが等間隔に配列されて形成せるマンセル表色系カラーサークル1を用いるという技術的手段を採用した。
【0013】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、サンプル毛束Sを染色した試染毛束A’・B’・C’…が各色票パネル上に配置されて成るマンセル表色系カラーサークル1を用いるという技術的手段を採用した。
【0014】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、マンセル表色系カラーサークル1をコンピュータ表示手段に表示し、座標a・b・c…を画面上にプロットし、これら座標a・b・c…の距離比分関係に基づいて電算処理することによって、調合染毛剤Mによって染色される毛髪の仕上がり色を予測できるという技術的手段を採用した。
【0015】
また、本発明は、毛髪を目的色に染色すべく調合染毛剤Mを生成するために必要な複色の染毛剤の配合比率を決定する方法であって、
目的とする毛髪の色合いを目的色座標Tとしてマンセル表色系カラーサークル1上の対応位置にプロットする一方、
染毛剤A・B・C…で各々染色して試染毛束A’・B’・C’…を作製し、各試染毛束A’・B’・C’…の示す色強度をマンセル表色系カラーサークル1上に仮定座標a’ ・b’ ・c’ …としてプロットし、
これらの仮定座標a’ ・b’ ・c’ …と前記目的色座標Tとの距離比分関係に基づいて、調合染毛剤Mを作製するために必要な各染毛剤A・B・C…の混合分量比率を決定するという技術的手段を採用することによって調合染毛剤の配合比率決定方法を完成した。
【0016】
また、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、円周に沿って、赤、赤橙、橙、黄橙、黄、黄緑、緑、青緑、青、青紫、紫、赤紫の12色相が対面補色関係になるように配色され、かつ、中心に向かって小彩度になるようにカラーグラデーションを表示して形成せるマンセル表色系カラーサークル1を用いるという技術的手段を採用した。
【0017】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、マンセル表色系カラーサークル1をコンピュータ表示手段に表示し、仮定座標a’ ・b’ ・c’ …および目的とする毛髪の色合いを目的色座標Tとしてマンセル表色系カラーサークル1上の対応位置にプロットする一方、仮定座標a’ ・b’ ・c’ …と目的色座標Tとの距離比分関係に基づいて電算処理することによって、これらの仮定座標a’ ・b’ ・c’ …と前記目的色座標Tとの距離比分関係に基づいて、調合染毛剤Mを作製するために必要な各染毛剤A・B・C…の混合分量比率を決定するという技術的手段を採用した。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を具体的に図示した図面に基いて更に詳細に説明すると次のとおりである。
【0019】
『第1実施形態』
本発明の第1実施形態を図1から図4に基いて説明する。図中、符号1で指示するものはマンセル表色系カラーサークルであり、このマンセル表色系カラーサークル1は、円周に沿って、赤、赤橙、橙、黄橙、黄、黄緑、緑、青緑、青、青紫、紫、赤紫の12色相が(本実施形態では、30度毎の等間隔に)対面補色関係になるように配色され、かつ、中心に向かって小彩度になるようにカラーグラデーションを表示して形成されている。
【0020】
しかして、本実施形態におけるマンセル表色系カラーサークル1を用いる調合染毛剤の染色結果予測方法を順を追って説明する。本実施形態に使用する染毛剤は、それぞれ色合いを有しているが、この色合いは、色相(Hue)、明度(Value)、彩度(Chroma)の3要素から成り、色相には補色関係や干渉強さ(以下、色強度という)があるために、同質量の染毛剤を混合してもマンセル表色系カラーサークル1上において中間点となる中間色を呈するとは限らないため、染色剤同士の色強度の相対関係の求める必要があり、その方法を以下に説明する。
【0021】
はじめに2色の場合の求め方を説明する(図1参照)。まず、基準となる各染毛剤AおよびBでサンプル毛束S(白髪やヤク毛など)をそれぞれ染色し、こうして染色したものが、マンセル表色系カラーサークル1内のどの位置に相当するかを目視で決定し、座標aおよび座標bとしてプロットし、これら2点を結ぶ線分abを作図する。
【0022】
そして、線分abの中点を点pとし、この点pにあたる染毛剤の中間色を作製するために、一染毛剤に他染毛剤を添加していき、前記マンセル表色系カラーサークル1上で色変化を確認しながら調合する。この際、染毛剤Aおよび染毛剤Bの配合量をそれぞれx(g)、y(g)とすると、染毛剤Aと染毛剤Bの色強度比は、
1/x:1/y=y:x
と表わすことができる。また、染毛剤Aおよび染毛剤Bの比率を調整しながら調合することにより、マンセル表色系カラーサークル1上の線分ab上に表示される色を作り出すことができる。なお、染毛剤を薄めて使用した場合は、希釈倍率を乗じれば良い。
【0023】
次に、3色の色強度の相対関係の求め方を説明する(図2参照)。本実施形態では、赤系、青系、黄色系のものをそれぞれ選出した。この際、3色の濃淡の差異が大きい場合は、濃い方を薄めて判定する方が望ましい。
【0024】
そして、前出の2種類の調合の場合と同様にして、染毛剤Aおよび染毛剤Bの色強度比を求める。まず、これらの座標a・b・cのうち、2点(aおよびb)を選び出して線分abを作図し、この線分abの中点を点p(中間色)とする。
【0025】
染毛剤Aのx(g)に染毛剤Bを混合して仮調合染毛剤M1 を作製してサンプル毛束Sを染毛し、目視で中間色になる配合比率を求める。この際の配合量をそれぞれx(g)、y(g)とすると、染毛剤Aと染毛剤Bの色強度比は、
1/x:1/y=y:x
となる。染毛剤を薄めて使用した場合は、希釈倍率を乗じれば良い。
【0026】
また、同様にして染毛剤Aと染毛剤Cの色強度比を求める。マンセル表色系カラーサークル1上に座標aおよび座標cの2点を結ぶ線分acを作図し、この線分acの中点を点q(中間色)とする。そして、染毛剤Aのx(g)に染毛剤Cを混合して作製した仮調合染毛剤M2 でサンプル毛束Sを染色し、目視によって点qの色になる染毛剤Cの配合量をz(g)とすると、染毛剤Aと染毛剤Cの色強度比は、
1/x:1/z=z:x=yz:xy
と表わすことができる。前述同様に染毛剤を薄めて使用した場合は、希釈倍率を乗じれば良い。
【0027】
更にまた、同様にして、染毛剤Bと染毛剤Cの色強度比を求める。マンセル表色系カラーサークル1上に座標bおよび座標cの2点を結ぶ線分bcを作図し、この線分bcの中点を点r(中間色)とする。染毛剤Bのy(g)に染毛剤Cを混合して作製した仮調合染毛剤M3 でサンプル毛束Sを染色し、目視によって点rの色になる染毛剤Cの配合量をz’(g)とすると、染毛剤Bと染毛剤Cの色強度比は、
1/y:1/z’=z’:y=z’x:xy
と表わすことができる。
【0028】
こうして求められた前記染毛剤Aおよび染毛剤Bとの色強度比の結果と、染毛剤Aおよび染毛剤Cとの色強度比の結果、染毛剤Bおよび染毛剤Cとの色強度比の結果とを合わせることによって、
yz:zx:xy
または、 yz’:z’x:xy
または、 yz:z’x:xy
と表わすことができる。この際、z=z’であるとすると、染毛剤Aおよび染毛剤B、染毛剤Cの色強度比は、結果的に、
yz:zx:xy
と表わすことができるので、何れか2色を選択して色強度比を求めれば良いことになる。
【0029】
この際、上記で求めたzとz’との間に誤差が生じると不都合であるので、より高精度な色強度比を求める方法を図3に基いて以下に説明する。
【0030】
まず、染毛剤Aと染毛剤Bを混合してできる仮調合染毛剤M1 の色は、染毛剤Aをxw(g)と染毛剤Bをyv(g)とを混合して作製されたものであって、このときの染毛剤Aおよび染毛剤Bの混合比に固定した上で、この仮調合染毛剤M1 に染毛剤Cを混合して無彩色(即ち、マンセル表色系カラーサークル1の中心点O)になるような染毛剤Cの配合量z1 の値を求めることによって、より高精度な3色間の色強度の比率を決定することができる。
【0031】
そして、仮調合染毛剤M2 の色は、染毛剤Bをn/(Bの色強度)(g)、染毛剤Cをm/(Cの色強度)(g)の比率(=yv:z1 )で混合することによって作ることができるので、染毛剤Bおよび染毛剤Cの色強度比は、
z1 n:vym
と表わすことができる。従って、無彩色を作るための3色の調合比率と作図上のv,m,nの比率を算出することによって染毛剤Aおよび染毛剤B、染毛剤Cの色強度比は、
ynz1 :xnz1 :mvxy
と表わすことができる。
【0032】
更にまた、別に加える染毛剤の色強度を求めたいときは、この3色のうち2色との関連を前段同様にして決定すれば良い。この際、マンセル表色系カラーサークル1上において出来るだけ離れた位置関係にあるような2点を選択する方が精度を高めるためにより好ましい。
【0033】
こうして求められた染毛剤同士の色強度比を利用して、染毛剤を調合する場合の混色結果予測方法を以下に説明する。
【0034】
(i)3種類の染毛剤を調合する場合の混色結果予測(図4参照)
この場合、染毛剤2色+染毛剤1色を混合するとして考える。例えば、染毛剤Aおよび染毛剤Bおよび染毛剤Cを、x(g)、y(g)、z(g)混合する場合、方法としては、
(ア)(染毛剤A+染毛剤B)+染毛剤C、
(イ)(染毛剤B+染毛剤C)+染毛剤A、
(ウ)(染毛剤A+染毛剤C)+染毛剤Bの3通りが考えられるが、このうち2通りについて考えれば良い。
【0035】
この際、染毛剤Aおよび染毛剤Bおよび染毛剤Cの色強度比が、A1 :B1 :C1 であるとすると、各染毛剤の配合量と色強度を乗じて求めた配合比率は、
xA1 :yB1 :zC1
と表わすことができる。
【0036】
そして、(ア)に従って、染毛剤Aと染毛剤Bの2色の線分abを(xA1 +yB1 )等分し、点aからyB1 離れた地点の色を調合色ABとする。次に、(イ)に従って、染毛剤Bと染毛剤Cの2色の線分bcを(yB1 +zC1 )等分し、点bからzC1 離れた地点の色を調合色BCとする。
【0037】
こうして作図された線分c・ABと線分a・BCとの交点Rに対応するマンセル表色系カラーサークル1上に示される色合いが、染毛剤Aをx(g)、染毛剤Bをy(g)、染毛剤Cをz(g)混合した際に出来る近似色であると予測することができる。この際、線分b・ACも前記交点Rで交差することから、3通りのうち2通りを実施すれば良い。
【0038】
(ii)4種類以上の染毛剤を調合する場合の混色結果予測(図5参照)
この場合、まず、前記した3種類の場合の予測方法を使用して3色の混色結果を求め、染毛剤3色+染毛剤1色を混合するとして考える。例えば、染毛剤Aおよび染毛剤Bおよび染毛剤Cおよび染毛剤Dを、それぞれx(g)、y(g)、z(g)、t(g)ずつ混合する場合、方法としては、
(ア)(染毛剤A+染毛剤B+染毛剤C)+染毛剤D、
(イ)(染毛剤A+染毛剤B+染毛剤D)+染毛剤C、
(ウ)(染毛剤A+染毛剤C+染毛剤D)+染毛剤B、
(エ)(染毛剤B+染毛剤C+染毛剤D)+染毛剤Aの4通りが考えられるが、これらのうち2通りについて考えれば良い。
【0039】
そして、染毛剤Aおよび染毛剤Bおよび染毛剤Cを混合してできる調合色E1 を求め、また、染毛剤Aおよび染毛剤Bおよび染毛剤Dを混合してできる調合色E2 を求める。そして、線分dE1 および線分cE2 との交点Rに対応するマンセル表色系カラーサークル1上に示される色合いが、これら4種類の染毛剤の混合色であると予測することができる。
【0040】
『第2実施形態』
次に、本発明の第2実施形態を図6に基いて説明する。本実施形態は、染毛剤3種類で目的色を作製するためのそれぞれの染毛剤の配合比率を求める方法である。
【0041】
まず、マンセル表色系カラーサークル1上において、目的色座標をTとしてプロットする。そして、仮定座標a’・b’・c’をプロットし、点b’および点Tを通る直線と、線分a’c’との交点をiとし、点c’および点Tを通る直線と、線分a’b’との交点をjとする。
【0042】
この際、マンセル表色系カラーサークル1上における線分a’jの距離をe、線分b’jの距離をfとし、同様に、線分a’iの距離をs、線分c’iの距離をtとする。
【0043】
ここで、jの色を作製するための染毛剤Aと染毛剤Bとの配合比率は、
x,y,zを、各染色剤同士の中間色を作製するための配合量比であるとして、
f/y:e/x
となり、また、iの色を作製するための染毛剤Aと染毛剤Cとの配合比率は、
t/z:s/x
となる。従って、目的色座標Tの位置の色を作製する場合の染色剤Aと染色剤Bと染色剤Cとの配合比率は、
ft/y:et/x:fsz/xy
と表わすことができる。
【0044】
このようにして、染毛剤Aおよび染毛剤Bおよび染毛剤Cの色強度を求めて、かつ、マンセル表色系カラーサークル1上に仮定座標a’・b’・c’をプロットして作図して交点iおよび交点jを求めることによって、e,fおよびs,tの距離をそれぞれ求めることができることから、各染毛剤の必要分量を求めることができるのである。
【0045】
本発明は概ね上記のように構成されるが、本発明は図示の実施形態に限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内において種々の変更が可能であって、例えば、マンセル表色系カラーサークル1は、精度は若干落ちるが、10色相であっても良い。また、色票パネルが等間隔に配列されて形成せるマンセル表色系カラーサークル1を用いることもでき、サンプル毛束Sを染色した試染毛束A’・B’・C’…が各色票パネル上に配置したマンセル表色系カラーサークル1を用いることもできる。
【0046】
更にまた、必要に応じて、マンセル表色系カラーサークル1をコンピュータ表示手段に表示して座標a・b・c…を画面上にプロットし、これら座標a・b・c…の距離比分関係に基づいて電算処理することによって、調合染毛剤Mによって染色される毛髪の色合いを予測したり、目的色を作製するための配合比率を決定することもでき、何れのものも本発明の技術的範囲に属する。
【0047】
【発明の効果】
以上、実施形態をもって説明したとおり、本発明にあっては、マンセル表色系カラーサークルを用いて図上に作図するだけで良いので、未熟な美容師や素人であっても、調合染毛剤で染色される毛髪が呈する近似色を高精度で簡単に予測することができ、また、その配合比率をも簡単に求めることができる。従って、調合に失敗して染毛剤の材料をムダにすることもないことから、実用上の利用価値は頗る高いものがあると云える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態におけるマンセル表色系カラーサークル1上の作図を表わす説明図である。
【図2】本発明の第1実施形態におけるマンセル表色系カラーサークル1上の作図を表わす説明図である。
【図3】本発明の第1実施形態におけるマンセル表色系カラーサークル1上の作図を表わす説明図である。
【図4】本発明の第1実施形態におけるマンセル表色系カラーサークル1上の作図を表わす説明図である。
【図5】本発明の第1実施形態におけるマンセル表色系カラーサークル1上の作図を表わす説明図である。
【図6】本発明の第2実施形態におけるマンセル表色系カラーサークル1上の作図を表わす説明図である。
【符号の説明】
1 マンセル表色系カラーサークル
【発明の属する技術分野】
本発明は、毛髪の染色手法の改良、更に詳しくは、未熟な美容師や素人であっても、調合染毛剤で染色される毛髪が呈する近似色を高精度で簡単に予測することができ、また、その配合比率をも求めることができる調合染毛剤の染色結果予測方法および配合比率決定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周知のとおり、ヘアースタイルは各人の個性を特徴付ける重要な要素であり、毛髪の長短やパーマネントといった髪型だけでなく、最近では、老若男女を問わず、毛髪に金色や茶色、赤色などの染色処理を施すヘアカラーが流行している。
【0003】
ところで、各ユーザーの目的色は多種多様であり、その要望に応えるべくオリジナルな毛色に染め上げるためには、まず、基準色の染毛剤を調合することによって調合染毛剤を作製するのであるが、この際、調合者は複色の基準染毛剤の調合比率を検討して混合後の結果色を予測し、この調合染毛剤で染色した毛髪の近似色を予測するのである。
【0004】
しかしながら、2色の染毛剤の混合であれば、ある程度の精度で中間色を予測することが可能であったが、3色以上の染毛剤を調合するとなると、結果色を予測することは困難であり、どうしても勘に頼るしかなく、全く違った混色結果になることもしばしばあった。
【0005】
また、ユーザーが指定する目的色を作り出すための基準染毛剤の調合比を決定するのは非常に困難であり、熟練した美容師であっても失敗が多く、なかなか作り出すことができないという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、染毛する際に上記のような困難があったことに鑑みて為されたものであり、未熟な美容師や素人であっても、基準染毛剤の混合によって染色される毛髪の仕上がり色を高精度で簡単に予測することができる調合染毛剤の染色結果予測方法を提供することを技術的課題とする。
【0007】
また、本発明は、目的色を作り出すための基準染毛剤の調合比を簡単に求めることができる配合比率決定方法を提供することを技術的課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者が上記課題を解決するために採用した手段を添付図面を参照して説明すれば次のとおりである。
【0009】
即ち、本発明は、少なくとも複色の染毛剤A・B・C…を調合して調合染毛剤Mを生成し、この調合染毛剤Mで染色される毛髪が呈する近似色を予測する方法であって、
サンプル毛束Sを前記染毛剤A・B・C…で各々染色して試染毛束A’・B’・C’…を作製し、これら各試染毛束A’・B’・C’…が示す色合いをマンセル表色系カラーサークル1上に座標a・b・c…としてプロットする一方、
一染毛剤に他染毛剤を添加していき、前記マンセル表色系カラーサークル1上で色変化を確認しながら調合して各染毛剤同士の色強度の相対関係を求め、
前記座標a・b・c…の距離比分関係に基づいて、調合染毛剤Mによって染色される毛髪の仕上がり色を予測できるという技術的手段を採用することによって調合染毛剤の染色結果予測方法を完成した。
【0010】
また、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、円周に沿って、赤、赤橙、橙、黄橙、黄、黄緑、緑、青緑、青、青紫、紫、赤紫の12色相が対面補色関係になるように配色され、かつ、中心に向かって小彩度になるようにカラーグラデーションを表示して形成せるマンセル表色系カラーサークル1を用いるという技術的手段を採用した。
【0011】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、円周に沿って、赤、赤橙、橙、黄橙、黄、黄緑、緑、青緑、青、青紫、紫、赤紫の12色相が30度毎の等間隔に対面補色関係になるように配色され、か
つ、中心に向かって小彩度になるようにカラーグラデーションを表示して形成せるマンセル表色系カラーサークル1を用いるという技術的手段を採用した。
【0012】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、色票パネルが等間隔に配列されて形成せるマンセル表色系カラーサークル1を用いるという技術的手段を採用した。
【0013】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、サンプル毛束Sを染色した試染毛束A’・B’・C’…が各色票パネル上に配置されて成るマンセル表色系カラーサークル1を用いるという技術的手段を採用した。
【0014】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、マンセル表色系カラーサークル1をコンピュータ表示手段に表示し、座標a・b・c…を画面上にプロットし、これら座標a・b・c…の距離比分関係に基づいて電算処理することによって、調合染毛剤Mによって染色される毛髪の仕上がり色を予測できるという技術的手段を採用した。
【0015】
また、本発明は、毛髪を目的色に染色すべく調合染毛剤Mを生成するために必要な複色の染毛剤の配合比率を決定する方法であって、
目的とする毛髪の色合いを目的色座標Tとしてマンセル表色系カラーサークル1上の対応位置にプロットする一方、
染毛剤A・B・C…で各々染色して試染毛束A’・B’・C’…を作製し、各試染毛束A’・B’・C’…の示す色強度をマンセル表色系カラーサークル1上に仮定座標a’ ・b’ ・c’ …としてプロットし、
これらの仮定座標a’ ・b’ ・c’ …と前記目的色座標Tとの距離比分関係に基づいて、調合染毛剤Mを作製するために必要な各染毛剤A・B・C…の混合分量比率を決定するという技術的手段を採用することによって調合染毛剤の配合比率決定方法を完成した。
【0016】
また、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、円周に沿って、赤、赤橙、橙、黄橙、黄、黄緑、緑、青緑、青、青紫、紫、赤紫の12色相が対面補色関係になるように配色され、かつ、中心に向かって小彩度になるようにカラーグラデーションを表示して形成せるマンセル表色系カラーサークル1を用いるという技術的手段を採用した。
【0017】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、マンセル表色系カラーサークル1をコンピュータ表示手段に表示し、仮定座標a’ ・b’ ・c’ …および目的とする毛髪の色合いを目的色座標Tとしてマンセル表色系カラーサークル1上の対応位置にプロットする一方、仮定座標a’ ・b’ ・c’ …と目的色座標Tとの距離比分関係に基づいて電算処理することによって、これらの仮定座標a’ ・b’ ・c’ …と前記目的色座標Tとの距離比分関係に基づいて、調合染毛剤Mを作製するために必要な各染毛剤A・B・C…の混合分量比率を決定するという技術的手段を採用した。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を具体的に図示した図面に基いて更に詳細に説明すると次のとおりである。
【0019】
『第1実施形態』
本発明の第1実施形態を図1から図4に基いて説明する。図中、符号1で指示するものはマンセル表色系カラーサークルであり、このマンセル表色系カラーサークル1は、円周に沿って、赤、赤橙、橙、黄橙、黄、黄緑、緑、青緑、青、青紫、紫、赤紫の12色相が(本実施形態では、30度毎の等間隔に)対面補色関係になるように配色され、かつ、中心に向かって小彩度になるようにカラーグラデーションを表示して形成されている。
【0020】
しかして、本実施形態におけるマンセル表色系カラーサークル1を用いる調合染毛剤の染色結果予測方法を順を追って説明する。本実施形態に使用する染毛剤は、それぞれ色合いを有しているが、この色合いは、色相(Hue)、明度(Value)、彩度(Chroma)の3要素から成り、色相には補色関係や干渉強さ(以下、色強度という)があるために、同質量の染毛剤を混合してもマンセル表色系カラーサークル1上において中間点となる中間色を呈するとは限らないため、染色剤同士の色強度の相対関係の求める必要があり、その方法を以下に説明する。
【0021】
はじめに2色の場合の求め方を説明する(図1参照)。まず、基準となる各染毛剤AおよびBでサンプル毛束S(白髪やヤク毛など)をそれぞれ染色し、こうして染色したものが、マンセル表色系カラーサークル1内のどの位置に相当するかを目視で決定し、座標aおよび座標bとしてプロットし、これら2点を結ぶ線分abを作図する。
【0022】
そして、線分abの中点を点pとし、この点pにあたる染毛剤の中間色を作製するために、一染毛剤に他染毛剤を添加していき、前記マンセル表色系カラーサークル1上で色変化を確認しながら調合する。この際、染毛剤Aおよび染毛剤Bの配合量をそれぞれx(g)、y(g)とすると、染毛剤Aと染毛剤Bの色強度比は、
1/x:1/y=y:x
と表わすことができる。また、染毛剤Aおよび染毛剤Bの比率を調整しながら調合することにより、マンセル表色系カラーサークル1上の線分ab上に表示される色を作り出すことができる。なお、染毛剤を薄めて使用した場合は、希釈倍率を乗じれば良い。
【0023】
次に、3色の色強度の相対関係の求め方を説明する(図2参照)。本実施形態では、赤系、青系、黄色系のものをそれぞれ選出した。この際、3色の濃淡の差異が大きい場合は、濃い方を薄めて判定する方が望ましい。
【0024】
そして、前出の2種類の調合の場合と同様にして、染毛剤Aおよび染毛剤Bの色強度比を求める。まず、これらの座標a・b・cのうち、2点(aおよびb)を選び出して線分abを作図し、この線分abの中点を点p(中間色)とする。
【0025】
染毛剤Aのx(g)に染毛剤Bを混合して仮調合染毛剤M1 を作製してサンプル毛束Sを染毛し、目視で中間色になる配合比率を求める。この際の配合量をそれぞれx(g)、y(g)とすると、染毛剤Aと染毛剤Bの色強度比は、
1/x:1/y=y:x
となる。染毛剤を薄めて使用した場合は、希釈倍率を乗じれば良い。
【0026】
また、同様にして染毛剤Aと染毛剤Cの色強度比を求める。マンセル表色系カラーサークル1上に座標aおよび座標cの2点を結ぶ線分acを作図し、この線分acの中点を点q(中間色)とする。そして、染毛剤Aのx(g)に染毛剤Cを混合して作製した仮調合染毛剤M2 でサンプル毛束Sを染色し、目視によって点qの色になる染毛剤Cの配合量をz(g)とすると、染毛剤Aと染毛剤Cの色強度比は、
1/x:1/z=z:x=yz:xy
と表わすことができる。前述同様に染毛剤を薄めて使用した場合は、希釈倍率を乗じれば良い。
【0027】
更にまた、同様にして、染毛剤Bと染毛剤Cの色強度比を求める。マンセル表色系カラーサークル1上に座標bおよび座標cの2点を結ぶ線分bcを作図し、この線分bcの中点を点r(中間色)とする。染毛剤Bのy(g)に染毛剤Cを混合して作製した仮調合染毛剤M3 でサンプル毛束Sを染色し、目視によって点rの色になる染毛剤Cの配合量をz’(g)とすると、染毛剤Bと染毛剤Cの色強度比は、
1/y:1/z’=z’:y=z’x:xy
と表わすことができる。
【0028】
こうして求められた前記染毛剤Aおよび染毛剤Bとの色強度比の結果と、染毛剤Aおよび染毛剤Cとの色強度比の結果、染毛剤Bおよび染毛剤Cとの色強度比の結果とを合わせることによって、
yz:zx:xy
または、 yz’:z’x:xy
または、 yz:z’x:xy
と表わすことができる。この際、z=z’であるとすると、染毛剤Aおよび染毛剤B、染毛剤Cの色強度比は、結果的に、
yz:zx:xy
と表わすことができるので、何れか2色を選択して色強度比を求めれば良いことになる。
【0029】
この際、上記で求めたzとz’との間に誤差が生じると不都合であるので、より高精度な色強度比を求める方法を図3に基いて以下に説明する。
【0030】
まず、染毛剤Aと染毛剤Bを混合してできる仮調合染毛剤M1 の色は、染毛剤Aをxw(g)と染毛剤Bをyv(g)とを混合して作製されたものであって、このときの染毛剤Aおよび染毛剤Bの混合比に固定した上で、この仮調合染毛剤M1 に染毛剤Cを混合して無彩色(即ち、マンセル表色系カラーサークル1の中心点O)になるような染毛剤Cの配合量z1 の値を求めることによって、より高精度な3色間の色強度の比率を決定することができる。
【0031】
そして、仮調合染毛剤M2 の色は、染毛剤Bをn/(Bの色強度)(g)、染毛剤Cをm/(Cの色強度)(g)の比率(=yv:z1 )で混合することによって作ることができるので、染毛剤Bおよび染毛剤Cの色強度比は、
z1 n:vym
と表わすことができる。従って、無彩色を作るための3色の調合比率と作図上のv,m,nの比率を算出することによって染毛剤Aおよび染毛剤B、染毛剤Cの色強度比は、
ynz1 :xnz1 :mvxy
と表わすことができる。
【0032】
更にまた、別に加える染毛剤の色強度を求めたいときは、この3色のうち2色との関連を前段同様にして決定すれば良い。この際、マンセル表色系カラーサークル1上において出来るだけ離れた位置関係にあるような2点を選択する方が精度を高めるためにより好ましい。
【0033】
こうして求められた染毛剤同士の色強度比を利用して、染毛剤を調合する場合の混色結果予測方法を以下に説明する。
【0034】
(i)3種類の染毛剤を調合する場合の混色結果予測(図4参照)
この場合、染毛剤2色+染毛剤1色を混合するとして考える。例えば、染毛剤Aおよび染毛剤Bおよび染毛剤Cを、x(g)、y(g)、z(g)混合する場合、方法としては、
(ア)(染毛剤A+染毛剤B)+染毛剤C、
(イ)(染毛剤B+染毛剤C)+染毛剤A、
(ウ)(染毛剤A+染毛剤C)+染毛剤Bの3通りが考えられるが、このうち2通りについて考えれば良い。
【0035】
この際、染毛剤Aおよび染毛剤Bおよび染毛剤Cの色強度比が、A1 :B1 :C1 であるとすると、各染毛剤の配合量と色強度を乗じて求めた配合比率は、
xA1 :yB1 :zC1
と表わすことができる。
【0036】
そして、(ア)に従って、染毛剤Aと染毛剤Bの2色の線分abを(xA1 +yB1 )等分し、点aからyB1 離れた地点の色を調合色ABとする。次に、(イ)に従って、染毛剤Bと染毛剤Cの2色の線分bcを(yB1 +zC1 )等分し、点bからzC1 離れた地点の色を調合色BCとする。
【0037】
こうして作図された線分c・ABと線分a・BCとの交点Rに対応するマンセル表色系カラーサークル1上に示される色合いが、染毛剤Aをx(g)、染毛剤Bをy(g)、染毛剤Cをz(g)混合した際に出来る近似色であると予測することができる。この際、線分b・ACも前記交点Rで交差することから、3通りのうち2通りを実施すれば良い。
【0038】
(ii)4種類以上の染毛剤を調合する場合の混色結果予測(図5参照)
この場合、まず、前記した3種類の場合の予測方法を使用して3色の混色結果を求め、染毛剤3色+染毛剤1色を混合するとして考える。例えば、染毛剤Aおよび染毛剤Bおよび染毛剤Cおよび染毛剤Dを、それぞれx(g)、y(g)、z(g)、t(g)ずつ混合する場合、方法としては、
(ア)(染毛剤A+染毛剤B+染毛剤C)+染毛剤D、
(イ)(染毛剤A+染毛剤B+染毛剤D)+染毛剤C、
(ウ)(染毛剤A+染毛剤C+染毛剤D)+染毛剤B、
(エ)(染毛剤B+染毛剤C+染毛剤D)+染毛剤Aの4通りが考えられるが、これらのうち2通りについて考えれば良い。
【0039】
そして、染毛剤Aおよび染毛剤Bおよび染毛剤Cを混合してできる調合色E1 を求め、また、染毛剤Aおよび染毛剤Bおよび染毛剤Dを混合してできる調合色E2 を求める。そして、線分dE1 および線分cE2 との交点Rに対応するマンセル表色系カラーサークル1上に示される色合いが、これら4種類の染毛剤の混合色であると予測することができる。
【0040】
『第2実施形態』
次に、本発明の第2実施形態を図6に基いて説明する。本実施形態は、染毛剤3種類で目的色を作製するためのそれぞれの染毛剤の配合比率を求める方法である。
【0041】
まず、マンセル表色系カラーサークル1上において、目的色座標をTとしてプロットする。そして、仮定座標a’・b’・c’をプロットし、点b’および点Tを通る直線と、線分a’c’との交点をiとし、点c’および点Tを通る直線と、線分a’b’との交点をjとする。
【0042】
この際、マンセル表色系カラーサークル1上における線分a’jの距離をe、線分b’jの距離をfとし、同様に、線分a’iの距離をs、線分c’iの距離をtとする。
【0043】
ここで、jの色を作製するための染毛剤Aと染毛剤Bとの配合比率は、
x,y,zを、各染色剤同士の中間色を作製するための配合量比であるとして、
f/y:e/x
となり、また、iの色を作製するための染毛剤Aと染毛剤Cとの配合比率は、
t/z:s/x
となる。従って、目的色座標Tの位置の色を作製する場合の染色剤Aと染色剤Bと染色剤Cとの配合比率は、
ft/y:et/x:fsz/xy
と表わすことができる。
【0044】
このようにして、染毛剤Aおよび染毛剤Bおよび染毛剤Cの色強度を求めて、かつ、マンセル表色系カラーサークル1上に仮定座標a’・b’・c’をプロットして作図して交点iおよび交点jを求めることによって、e,fおよびs,tの距離をそれぞれ求めることができることから、各染毛剤の必要分量を求めることができるのである。
【0045】
本発明は概ね上記のように構成されるが、本発明は図示の実施形態に限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内において種々の変更が可能であって、例えば、マンセル表色系カラーサークル1は、精度は若干落ちるが、10色相であっても良い。また、色票パネルが等間隔に配列されて形成せるマンセル表色系カラーサークル1を用いることもでき、サンプル毛束Sを染色した試染毛束A’・B’・C’…が各色票パネル上に配置したマンセル表色系カラーサークル1を用いることもできる。
【0046】
更にまた、必要に応じて、マンセル表色系カラーサークル1をコンピュータ表示手段に表示して座標a・b・c…を画面上にプロットし、これら座標a・b・c…の距離比分関係に基づいて電算処理することによって、調合染毛剤Mによって染色される毛髪の色合いを予測したり、目的色を作製するための配合比率を決定することもでき、何れのものも本発明の技術的範囲に属する。
【0047】
【発明の効果】
以上、実施形態をもって説明したとおり、本発明にあっては、マンセル表色系カラーサークルを用いて図上に作図するだけで良いので、未熟な美容師や素人であっても、調合染毛剤で染色される毛髪が呈する近似色を高精度で簡単に予測することができ、また、その配合比率をも簡単に求めることができる。従って、調合に失敗して染毛剤の材料をムダにすることもないことから、実用上の利用価値は頗る高いものがあると云える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態におけるマンセル表色系カラーサークル1上の作図を表わす説明図である。
【図2】本発明の第1実施形態におけるマンセル表色系カラーサークル1上の作図を表わす説明図である。
【図3】本発明の第1実施形態におけるマンセル表色系カラーサークル1上の作図を表わす説明図である。
【図4】本発明の第1実施形態におけるマンセル表色系カラーサークル1上の作図を表わす説明図である。
【図5】本発明の第1実施形態におけるマンセル表色系カラーサークル1上の作図を表わす説明図である。
【図6】本発明の第2実施形態におけるマンセル表色系カラーサークル1上の作図を表わす説明図である。
【符号の説明】
1 マンセル表色系カラーサークル
Claims (9)
- 少なくとも複色の染毛剤A・B・C…を調合して調合染毛剤Mを生成し、この調合染毛剤Mで染色される毛髪が呈する近似色を予測する方法であって、
サンプル毛束Sを前記染毛剤A・B・C…で各々染色して試染毛束A’・B’・C’…を作製し、これら各試染毛束A’・B’・C’…が示す色合いをマンセル表色系カラーサークル1上に座標a・b・c…としてプロットする一方、
一染毛剤に他染毛剤を添加していき、前記マンセル表色系カラーサークル1上で色変化を確認しながら調合して各染毛剤同士の色強度の相対関係を求め、
前記座標a・b・c…の距離比分関係に基づいて、調合染毛剤Mによって染色される毛髪の仕上がり色を予測できることを特徴とする調合染毛剤の染色結果予測方法。 - 円周に沿って、赤、赤橙、橙、黄橙、黄、黄緑、緑、青緑、青、青紫、紫、赤紫の12色相が対面補色関係になるように配色され、かつ、中心に向かって小彩度になるようにカラーグラデーションを表示して形成せるマンセル表色系カラーサークル1を用いることを特徴とする請求項1記載の調合染毛剤の染色結果予測方法。
- 円周に沿って、赤、赤橙、橙、黄橙、黄、黄緑、緑、青緑、青、青紫、紫、赤紫の12色相が30度毎の等間隔に対面補色関係になるように配色され、かつ、中心に向かって小彩度になるようにカラーグラデーションを表示して形成せるマンセル表色系カラーサークル1を用いることを特徴とする請求項1または2記載の調合染毛剤の染色結果予測方法。
- 色票パネルが等間隔に配列されて形成せるマンセル表色系カラーサークル1を用いることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の調合染毛剤の染色結果予測方法。
- サンプル毛束Sを染色した試染毛束A’・B’・C’…が各色票パネル上に配置されて成るマンセル表色系カラーサークル1を用いることを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載の調合染毛剤の染色結果予測方法。
- マンセル表色系カラーサークル1をコンピュータ表示手段に表示し、座標a・b・c…を画面上にプロットし、これら座標a・b・c…の距離比分関係に基づいて電算処理することによって、調合染毛剤Mによって染色される毛髪の仕上がり色を予測できることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の調合染毛剤の染色結果予測方法。
- 毛髪を目的色に染色すべく調合染毛剤Mを生成するために必要な複色の染毛剤の配合比率を決定する方法であって、
目的とする毛髪の色合いを目的色座標Tとしてマンセル表色系カラーサークル1上の対応位置にプロットする一方、
染毛剤A・B・C…で各々染色して試染毛束A’・B’・C’…を作製し、各試染毛束A’・B’・C’…の示す色合いをマンセル表色系カラーサークル1上に仮定座標a’ ・b’ ・c’ …としてプロットし、
これらの仮定座標a’ ・b’ ・c’ …と前記目的色座標Tとの距離比分関係に基づいて、調合染毛剤Mを作製するために必要な各染毛剤A・B・C…の混合分量比率を決定することを特徴とする調合染毛剤の配合比率決定方法。 - 円周に沿って、赤、赤橙、橙、黄橙、黄、黄緑、緑、青緑、青、青紫、紫、赤紫の12色相が対面補色関係になるように配色され、かつ、中心に向かって小彩度になるようにカラーグラデーションを表示して形成せるマンセル表色系カラーサークル1を用いることを特徴とする請求項7記載の調合染毛剤の染毛剤配合比率決定方法。
- マンセル表色系カラーサークル1をコンピュータ表示手段に表示し、仮定座標a’ ・b’ ・c’ …および目的とする毛髪の色合いを目的色座標Tとしてマンセル表色系カラーサークル1上の対応位置にプロットする一方、仮定座標a’ ・b’ ・c’ …と目的色座標Tとの距離比分関係に基づいて電算処理することによって、これらの仮定座標a’ ・b’ ・c’ …と前記目的色座標Tとの距離比分関係に基づいて、調合染毛剤Mを作製するために必要な各染毛剤A・B・C…の混合分量比率を決定することを特徴とする請求項7または8記載の調合染毛剤の染毛剤配合比率決定方法。
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