JP2004060558A - 内燃機関及びその運転制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】低いエミッションを保持しつつ、小型化を達成することが出来て、しかも、低負荷時における未燃ガスの増加を防止することが出来る様な内燃機関及びその運転制御方法の提供。
【解決手段】内燃機関の負荷を検出する負荷検出手段(7)と、内燃機関の回転数を検出する回転数検出手段(4)と、負荷検出手段(7)及び/または回転数検出手段(4)の検出結果に基いて燃焼状態を制御する制御手段(C)とを備えており、該制御手段(C)は、回転数検出手段(4)で検出された回転数が所定値以上である場合と、負荷検出手段(7)で検出された負荷が第1の所定負荷以上である場合と、該負荷検出手段(7)で検出された負荷が第2の所定負荷以下である場合には理論空燃比で且つ三元触媒法により排気を浄化する様に運転して、それ以外の場合には希薄燃焼運転を行う制御をする様に構成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】内燃機関の負荷を検出する負荷検出手段(7)と、内燃機関の回転数を検出する回転数検出手段(4)と、負荷検出手段(7)及び/または回転数検出手段(4)の検出結果に基いて燃焼状態を制御する制御手段(C)とを備えており、該制御手段(C)は、回転数検出手段(4)で検出された回転数が所定値以上である場合と、負荷検出手段(7)で検出された負荷が第1の所定負荷以上である場合と、該負荷検出手段(7)で検出された負荷が第2の所定負荷以下である場合には理論空燃比で且つ三元触媒法により排気を浄化する様に運転して、それ以外の場合には希薄燃焼運転を行う制御をする様に構成されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関(例えば、ガスヒートポンプ等で用いられるガスエンジン:ガスヒートポンプについては、以下、「GHP」と表記)に関するものであり、より詳細には、内燃機関における燃焼方式の改良にかかるものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車、航空機、火力発電、各種工場から排出される排ガスにはNOxやSOx、或いは臭気物質、ばいじん等のほか、未燃焼の炭化水素(未燃炭化水素)が含有されている。これらを含む排ガスに対しては種々の対策が採られ、さらに研究、開発が進められている。この点はガスエンジン、ガスタービン等を使用するコージェネレーションシステムや空調機器(ガスヒートポンプGHPなど)から排出される排ガスについても同様である。
【0003】
排ガス性状を改善する従来の燃焼法は、大別して、(1)リーン燃焼法、(2)ストイキ燃焼+三元触媒、(3)リーン/リッチ燃焼+吸蔵還元触媒、がある。
(1)のリーン燃焼法については、ガスエンジン、ガスタービン、ボイラー、或いは加熱炉などでは、燃料ガスとして都市ガスその他、メタン、エタン、プロパン、ブタン等を含む燃料ガスが使用されているが、その燃焼効率や熱効率を高めるために空気比すなわち燃料ガスに対する空気の比率を燃料ガスリーン(lean)側、すなわち燃料ガスに対して空気量を燃料ガスの完全燃焼に必要な理論空気量を超えて1.1〜3.0倍にする、時によっては5.0倍にするいわゆる希薄(リーン)燃焼方式が適用されてきている。
【0004】
そのような希薄燃焼方式の場合には、その排ガス中に少量の低級炭化水素(HC、特にメタン)、窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO)等とともに、多量の酸素及び水蒸気が共存することになる。これまで、特に低級炭化水素を微量含む(例えば5000ppm程度以下)燃焼排ガス中の炭化水素を酸化し、除去する手法としては、排ガス中の3成分(HC、NOx、CO)を同一触媒で浄化するいわゆる3元触媒による処理法が開発されている。
【0005】
しかし、3元触媒による処理法では酸素が殆ど存在しない排ガスに対してしか有効に適用することはできず、酸素過剰でかつ、排ガス中の炭化水素がメタンでは有効に作用しない。また、酸化触媒としてPt(白金)やPd(パラジウム)を単独で使用するPt/Al203やPd/Al203等があるが、これらは有機溶剤やCOの酸化触媒としては有効であるが、そのようなPtやPdの単独の触媒ではメタンの酸化除去には有効に作用しない。
【0006】
(2)のストイキ+3元触媒における燃焼方式については、空気過剰率が1.0のストイキ運転によって発生した排ガス中の3成分(HC、NOx、CO)を同一触媒で浄化するいわゆる3元触媒による処理法である。ストイキ燃焼は、リーン燃焼に比べて熱効率は下がるものの理論空燃比における燃焼とともに、3元触媒を使うことで排ガス中におけるNOxのほかリーン燃焼では低減しない、CO、HCなどを低減することを目的としている。
【0007】
(3)のリーン/リッチ切替+吸蔵還元触媒については、リーン燃焼で運転中に触媒のNOx吸蔵剤(BaO等)がNOxと反応して吸蔵(BaNO3)され、飽和状態に近づいたところで短期間だけストイキ燃焼に切替え、ストイキ燃焼で発生したCOやHC等の未燃分を還元剤として吸蔵したNOxをN2に変えることで吸蔵剤を再生させる。
この反応は、一瞬で完了するので、殆どの運転はリーン燃焼になる。これによりストイキ燃焼時における熱効率の低減が、全体の燃焼効率に殆ど影響を与えることなくかつ、NOx、CO、HCなどの排出量もリーン燃焼と比べてさらに低く抑えることが可能になる。
【0008】
上記その他から、リーン燃焼では高効率でかつ、NOx低減には有効であるが、低速回転時及び低負荷時には、燃焼が不安定になり、未燃ガスの生成によってHC及びCOの低減もやや不充分である。また、同一容積のシリンダではリッチ或いはストイキに比較して出力が少ない欠点がある。
【0009】
ストイキ+三元触媒運転では、ストイキ運転ではリーン運転に比較して熱効率が高くできない、また、三元触媒は酸素が少ない排ガスに対してしか有効に作用しない等の欠点がある。
【0010】
リーン/リッチ切替燃焼+吸蔵還元触媒では、リーンを主とするため、部分負荷時など定格運転に対して低負荷運転では燃焼温度が低下して触媒の活性低下をきたし排ガス浄化作用が低減する。また、吸蔵還元触媒は、三元触媒と比較するとNOx、HC、COなどの除去率が低い欠点がある。さらに、吸蔵還元触媒では、NOxを吸蔵触媒に酸化吸蔵し、それをストイキまたはリッチ側でCO、H2、HCなどの還元成分により還元放出する際にNOx吸蔵元素の硫黄被毒を起こす欠点がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、低いエミッションを保持しつつ、小型化を達成することが出来て、しかも、低負荷時における未燃ガスの増加を防止することが出来る様な内燃機関及びその運転制御方法の提供を目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の内燃機関は、内燃機関の負荷を検出する負荷検出手段(7)と、内燃機関の回転数を検出する回転数検出手段(4)と、負荷検出手段(7)及び/または回転数検出手段(4)の検出結果に基いて燃焼状態を制御する制御手段(C)とを備えており、該制御手段(C)は、回転数検出手段(4)で検出された回転数が所定値以上である場合と、負荷検出手段(7)で検出された負荷が第1の所定負荷以上である場合と、該負荷検出手段(7)で検出された負荷が第2の所定負荷以下である場合には理論空燃比で且つ三元触媒法により排気を浄化する様に運転して、それ以外の場合には希薄燃焼運転を行う制御をする様に構成されている。
【0013】
上記内燃機関を空調機器のGHPに適用する場合には、負荷検出手段は例えば冷媒圧縮機の回転抵抗と回転数を検出すればよく、機関の回転数検出手段は例えばクランク軸の回転数を検出すればよい。そして、機関が排ガス特性が安定に運転できる高回転数域と、排ガス特性が安定に運転できる低負荷の第1の所定負荷以上でかつ、高負荷の第2の所定負荷以内とで希薄燃焼をさせ、それ以外の領域では理論空燃比(ストイキ)で運転しその排ガスは三元触媒で浄化させるようにする。なお、第2の所定負荷は、それ以上の負荷では熱効率よりも出力を必要とする例えば定格負荷以上の高出力を発生させる負荷領域にしている。
【0014】
上記内燃機関の運転制御方法は、内燃機関の負荷を検出する負荷検出工程と、内燃機関の回転数を検出する回転数検出工程、負荷検出工程及び/または回転数検出工程の検出結果に基いて燃焼状態を制御する燃焼状態制御工程とを備えており、該燃焼状態制御工程では、回転数検出手段(4)で検出された回転数が所定値以上である場合と、負荷検出手段(7)で検出された負荷が第1の所定負荷以上である場合と、該負荷検出手段(7)で検出された負荷が第2の所定負荷以下である場合には理論空燃比で且つ三元触媒法により排気を浄化して、それ以外の場合には希薄燃焼運転を行う様に構成されている。
【0015】
このようにして、回転数検出工程で得た機関回転数が未燃ガスのない熱効率のよい所定値以上である場合と、負荷検出工程で得た負荷が排ガス特性が安定に運転できる低負荷の第1の所定負荷以上でかつ、高負荷の第2の所定負荷以内の定格運転を含む領域で希薄燃焼をさせ、それ以外の領域では理論空燃比(ストイキ)で運転しその排ガスは三元触媒で浄化させるようにする。なお、第2の所定負荷は、それ以上の負荷では熱効率よりも高出力を必要とする領域にしている。
【0016】
このようにして、高出力を必要とする場合は、ストイキの理論空燃比で運転して排ガスは三元触媒により排気の浄化をさせる。これによって、シリンダ容積を同一のままでリーン燃焼よりも高出力を発生させることができる。
【0017】
なお、空調機や自動車のような負荷の変動する機関の熱効率や排ガス特性の評価には、たとえば12モード運転による総合評価が行われるので、高出力を必要な時にストイキ運転でNOx排出量が多くなっても全体の総合評価としては、許容されることもある。そのような場合には、シリンダ容積を定格運転に適する容積にして熱効率のよいリーン運転をし、高負荷ではストイキ運転で高出力させるようにすれば、機関の小型化がはかれる。
【0018】
なお、機関の低負荷時には、スロットル弁開度を絞り機関への混合気供給量を減少させて出力抑制をしているが、スロットル弁開度の絞りによる流過抵抗の増加が機関効率を大きく低下させている。
このスロットル弁における流過抵抗増加対策としては、機関の吸気抵抗を検出して所定値以上においては、排ガスの1部を還流させて混合気に混流させ、スロットル弁開度を上げて流過抵抗を低減させるとよい。吸気側に還流させる排ガスは圧力差のみで還流が可能である。
この結果、低負荷時おいても、機関の吸気抵抗による効率低下を回避できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
図1において、本発明の構成をブロック図によって示している。
燃料ガスの流入量を調整する流量調整弁12を介装した燃料管Pgと、清浄空気を送気する空気管Paとが、ミキサ14に連結されていて、ミキサ14は混合気管16でスロットル弁18に連通されている。
【0020】
流量調整弁12に弁開度を制御する開度調整装置13が装着され、開度調整装置13はラインC4Lによって後記する制御手段の制御装置Cに連通さている。スロットル弁18に弁開度を制御する混合気流量調整手段17が装着され、混混合気流量調整手段17はラインC3Lによって制御装置Cに連通さている。
【0021】
スロットル弁18は、吸気マニホールド21を介してシリンダ2で形成される燃焼室2cに連通され、燃焼室2cは排気マニホールド23を介して排ガス処理装置8に連通されている。スロットル弁18にスロットル弁の弁開度を制御する開度調整装置17が装着され、開度調整装置17はラインC3Lによって制御装置Cに連通さている。また、排気マニホールド23に排ガス性状を検出する排ガスセンサ24が装着され、ライン24Lによって制御装置Cに連通されている。
【0022】
排ガス処理装置8は、三元触媒装置または、NOx吸蔵装置で構成されていて、図示しないマフラに連通する排気管25に連通されている。
【0023】
機関の出力を外部に伝達するエンジン出力軸3は、駆動ライン6によって負荷となる圧縮式冷凍機Rに連通されている。出力軸3に回転数を検出する検出手段の回転数センサ4が装着されてライン4Lによって制御装置Cに連通されている。
【0024】
圧縮式冷凍機Rは、圧縮機R1、コンデンサR2、受液器R3、膨脹弁R4、室内向けの蒸発器R5で構成される負荷変動を伴う通常の冷凍装置で構成されている。圧縮機R1に機関の負荷検出手段である負荷センサ7が装着され、ラインR1Lによって制御装置Cに連通されている
【0025】
制御装置Cは、負荷センサ7と、エンジン回転数センサ4と、排ガスセンサ24とからの検出信号を受信するインタフェースC2と、スロットル弁開度を決定する弁開度決定手段C3と、燃料流量調整弁開度を決定する弁開度決定手段C4と、モード決定ユニットC1によって構成されている。
モード決定ユニットC1は各種検出信号によって、機関の運転モード、たとえば、リーン運転、ストイキ運転等を決定しその運転モードに従う燃料流量及び混合気流量を供給するよう指示する機能を有して構成され、弁開度決定手段C3及び弁開度決定手段C4を介して混合気流量及び燃料流量を制御するよう構成されている。
【0026】
上機構成による内燃機関の運転制御方法を図2及び図3のフローチャートによって説明する。
【0027】
図2は、図1のブロック構成図における排ガス処理装置8として三元触媒装置を搭載した内燃機関の運転制御方法を示している。
【0028】
ステップS1で運転を開始する。ついで、負荷側の要求に応えているエンジンの回転数と負荷を検出する(ステップS2)。
【0029】
ステップ3では、エンジン回転数が安定運転と所定の排ガス性状を確保できる所定値以上の高回転数にあるか?を判定する。高回転数YESであれば、リーン運転が基準となる。
また、エンジン負荷が低負荷の第1の所定負荷より大きいか?を判定する。大きければYESでリーン運転が基準となる。
また、エンジン負荷が高負荷の第2の所定負荷より小さいか?を判定する。小さければYESでリーン運転が基準となる。
【0030】
以上の各判定がすべてYESであればステップS4に進んでリーン燃焼運転をする。そして、ステップS6に進む。
【0031】
前記判定のうちどれかがNOであればステップS5に進んで、供給燃料を増加させてストイキ運転をし、その排ガスは三元触媒の機能によって浄化させる運転をする。例えば、エンジン回転数が高回転数で、エンジン負荷が第1の所定値を越えていても、エンジン負荷が第2の所定値を越えていれば高出力に適する(ストイキ運転+三元触媒)運転をする。そして、ステップS6に進む。
【0032】
ステップS6では、運転継続を確認して、運転停止信号がYESであれば運転停止をし(ステップS7)、運転停止がNOであればステップS2に戻って運転を継続する。
【0033】
このようにして、安定な運転が可能な領域では熱効率のよいかつ、NOxの少ないリーン運転をし、排ガス性能の悪くなる領域や特別に高出力を必要とする領域ではストイキ運転で出力を上げて三元触媒によって排ガス浄化をする。
【0034】
図3は、図1における排ガス処理装置8としてNOx触媒装置を搭載した内燃機関の運転制御方法を示している。
【0035】
ステップS11で運転を開始する。ついで、負荷側の要求に応えているエンジンの回転数と負荷を検出する(ステップS12)。
【0036】
ステップ13では、エンジン回転数が安定運転と所定の排ガス性状を確保できる所定値以上の高回転数にあるか?を判定する。高回転数YESであれば、リーン/リッチ運転が基準となる。
また、エンジン負荷が低負荷の第1の所定負荷より大きいか?を判定する。大きければYESでリーン/リッチ運転が基準となる。
また、エンジン負荷が高負荷の第2の所定負荷より小さいか?を判定する。小さければYESでリーン/リッチ運転が基準となる。
【0037】
以上の判定がすべてYESであればステップS14に進んでリーン/リッチ燃焼運転をする。そして、ステップS6に進む。
【0038】
前記判定のうちどれかがNOであればステップS15に進んで、ストイキ運転をし、その排ガスはNOx吸蔵触媒の機能によって浄化させる運転をする。例えば、エンジン回転数が高回転数で、エンジン負荷が第1の所定値を越えていても、エンジン負荷が第2の所定値を越えていれば高出力に適する(ストイキ運転+NOx吸蔵触媒)運転をする。そして、ステップS16に進む。
【0039】
ステップS16では、運転継続を確認して、運転停止信号がYESであれば運転停止をし(ステップS17)、運転停止がNOであればステップS12に戻って運転を継続する。
【0040】
このようにして、安定な運転が可能な領域では熱効率のよいかつ、NOxの少ないリーン運転またはリーン/リッチ運転をし、排ガス性能の悪くなる領域や特別に高出力を必要とする領域ではストイキ運転と、三元触媒(リーン運転と組んで)またはNOx吸蔵(リーン/リッチ運転と組んで)による排ガス浄化をする。
【0041】
図4は、負荷として圧縮冷凍機のような変動負荷でNOx排出を評価する12モード運転での結果を示している。触媒装置に一定な特性と、一定な量の排ガスを供給して触媒装置から排出されるNOx濃度(PPM)を計測したものである。
【0042】
Aは、吸蔵触媒によるNOxの吸蔵を、高回転数2点、低〜中回転数4点を冷房Refと暖房He運転した結果であり、Bは同じ運転によるNOxを還元した結果であり、Cは同じ運転でのNOxの三元触媒による浄化の結果である。この結果から、NOxについては、NOx吸蔵触媒の使用結果が格段によいことがわかる。
【0043】
図5は、最高回転数E1、E2での希薄(リーン)運転を2点と、最低〜中間回転数の運転を4点にして、冷房Ref及び暖房Heによる12モード運転の結果を、データを線で連結したラインDで示している。縦軸に示すNOx(HC)の濃度は、リーン最高回転数E1、E2のほうが理論空燃比(ストイキ)+三元触媒による運転よりも高くなっている。
【0044】
上記の結果から、実用を再現した12モード運転ではNOxに限定すれば、ストイキ運転と三元触媒による浄化の効果は充分であって、リーンとストイキを合目的に組み合わせて運転する本発明の妥当性が明らかである。
【0045】
図6は、低負荷時におけるスロットル弁の開度減少による流過抵抗増加を抑制する構成をブロック図で示している。
【0046】
機関の低負荷時には、スロットル弁開度を絞り機関への混合気供給量を減少させて出力抑制をしているが、スロットル弁開度の絞りによる流過抵抗の増加が機関効率を大きく低下させている。
【0047】
このスロットル弁における流過抵抗増加対策としては、機関の吸気抵抗を検出して所定値以上においては、排ガスの1部を還流させて混合気に混流させ、スロットル弁開度を大きくして流過抵抗を低減させるようにしている。
【0048】
図6において、清浄空気を送気する空気管Paと燃料ガスを供給する燃料還Pgとがミキサ14で連結され、ミキサ14は合流部16aを介した混合気管16によってスロットル弁18に連通されている。
【0049】
スロットル弁18は、吸気マニホールド21を介して機関の燃焼室を形成するシリンダ2に連通され、シリンダ2は排気マニホールド23によって排ガス処理装置8に連通されている。なおリーン燃焼だけで、触媒による排ガス処理のない運転形態では、排ガス処理装置8は付設されなくてもよい。
【0050】
排気マニホールド23の排ガス処理装置8の手前に分岐部23aが設けられ、分岐部23aはガバナ20を介した還流管23bによって前記合流部16aに連通されている。
【0051】
吸気マニホールド21のスロットル弁18側に負圧センサ19が取付けられ、負圧センサ19はライン20Lによってガバナ20に連通されている。この場合負圧センサ19にたよることなく、負圧でガバナ20を作動させる構成であってもよい。
【0052】
ガバナ20は、吸気マニホールド21の負圧が所定値以下の低圧では還流管23bを介して排ガスを吸気側に還流させる機能を有して構成されている。
【0053】
上記、図6構成の低負荷時におけるスロットル弁18の吸気抵抗低減の作用を説明する。
予混合ガスによる低負荷運転では、必要とする機関出力を確保する混合ガスのシリンダ2への供給は少なくてよく、その供給量はスロットル弁18の開度減少によって行う。
【0054】
スロットル弁18の開度減少は、弁通路面積の縮小によって過大な流過抵抗をもたらし、機関の吸気抵抗を増加させることになる。その吸気抵抗の増加は、吸気効率の減少と流体摩擦損失となって機関の効率を低減させることになる。
【0055】
従って、低負荷時運転では負圧センサ19の検出する負圧が所定値以下となった場合には、ガバナ20内の通過弁が開弁されて排ガスGxの1部G1は還流管23bによって合流部16aに還流される。
【0056】
合流部16aに還流された排ガスGxの1部G1は、ミキサ14からの予混合気と混合してスロットル弁18に供給され、排ガス圧力とシリンダ2の吸入負圧によって機関内に供給される。
【0057】
上記のようにして排ガスGxの1部Gを混入した予混合ガスは、当初必要な出力を、吸気抵抗を伴うことなく出力できる。従って、スロットル弁18の開度縮小による流過抵抗を省き、この結果、低負荷時おいても機関の吸気抵抗による効率低下を回避できる。
【0058】
【発明の効果】
本発明の効果を以下に列挙する。
(1) 定格以上の出力を要する高負荷運転を燃料供給の多いストイキ運転と三元触媒またはNOx吸蔵触媒による浄化によって、低排ガスを保持しつつ、エンジンの出力を増大できるので、エンジンを小型化でき、システム全体の小型、軽量化ができる。
(2) 特にリーン燃焼またはリーン/リッチ燃焼とストイキ燃焼の切替えを行うことで、リーン燃焼における低負荷時の未燃ガス排出を低減できる。
(3) 通常、高回転域に定格運転があるのでリーン燃焼域が広く使用され、定格条件におけるエンジン効率が向上される。
(4) 実用変動負荷に応じる運転では、低回転数域の運転が多く、ストイキ運転+触媒浄化によって排ガス特性の顕著な改善ができる。
(5) 低負荷時におけるスロットル弁の流過抵抗による機関効率の低減には、排ガスの還流によってスロットル弁の開度増加をして流過抵抗を減少させることで、効率低減を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施形態を示すブロック構成図。
【図2】図1の構成において排ガス処理装置として三元触媒を搭載した内燃機関の運転制御方法をしめすフローチャート。
【図3】図1の構成において排ガス処理装置として吸蔵還元触媒を搭載した内燃機関の運転制御方法をしめすフローチャート。
【図4】12モード運転による触媒試験結果をNOx吸蔵、還元、及び三元触媒について示す表図。
【図5】12モード運転におけるリーン燃焼と、ストイキ+三元触媒の結果をNOx濃度で表示した図。
【図6】低負荷時のスロットル弁流過抵抗を減少させるための排ガス還流制御を示すブロック構成図。
【符号の説明】
C・・・制御装置(制御手段)
R・・・圧縮式冷凍機
R1・・圧縮機
2・・・シリンダ
3・・・出力軸(クランク軸)
4・・・負荷センサ(負荷検出手段)
7・・・回転数センサ(回転数検出手段)
8・・・排ガス処理装置
12・・燃料流量調整弁
14・・ミキサ
18・・スロットル弁
24・・排ガスセンサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関(例えば、ガスヒートポンプ等で用いられるガスエンジン:ガスヒートポンプについては、以下、「GHP」と表記)に関するものであり、より詳細には、内燃機関における燃焼方式の改良にかかるものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車、航空機、火力発電、各種工場から排出される排ガスにはNOxやSOx、或いは臭気物質、ばいじん等のほか、未燃焼の炭化水素(未燃炭化水素)が含有されている。これらを含む排ガスに対しては種々の対策が採られ、さらに研究、開発が進められている。この点はガスエンジン、ガスタービン等を使用するコージェネレーションシステムや空調機器(ガスヒートポンプGHPなど)から排出される排ガスについても同様である。
【0003】
排ガス性状を改善する従来の燃焼法は、大別して、(1)リーン燃焼法、(2)ストイキ燃焼+三元触媒、(3)リーン/リッチ燃焼+吸蔵還元触媒、がある。
(1)のリーン燃焼法については、ガスエンジン、ガスタービン、ボイラー、或いは加熱炉などでは、燃料ガスとして都市ガスその他、メタン、エタン、プロパン、ブタン等を含む燃料ガスが使用されているが、その燃焼効率や熱効率を高めるために空気比すなわち燃料ガスに対する空気の比率を燃料ガスリーン(lean)側、すなわち燃料ガスに対して空気量を燃料ガスの完全燃焼に必要な理論空気量を超えて1.1〜3.0倍にする、時によっては5.0倍にするいわゆる希薄(リーン)燃焼方式が適用されてきている。
【0004】
そのような希薄燃焼方式の場合には、その排ガス中に少量の低級炭化水素(HC、特にメタン)、窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO)等とともに、多量の酸素及び水蒸気が共存することになる。これまで、特に低級炭化水素を微量含む(例えば5000ppm程度以下)燃焼排ガス中の炭化水素を酸化し、除去する手法としては、排ガス中の3成分(HC、NOx、CO)を同一触媒で浄化するいわゆる3元触媒による処理法が開発されている。
【0005】
しかし、3元触媒による処理法では酸素が殆ど存在しない排ガスに対してしか有効に適用することはできず、酸素過剰でかつ、排ガス中の炭化水素がメタンでは有効に作用しない。また、酸化触媒としてPt(白金)やPd(パラジウム)を単独で使用するPt/Al203やPd/Al203等があるが、これらは有機溶剤やCOの酸化触媒としては有効であるが、そのようなPtやPdの単独の触媒ではメタンの酸化除去には有効に作用しない。
【0006】
(2)のストイキ+3元触媒における燃焼方式については、空気過剰率が1.0のストイキ運転によって発生した排ガス中の3成分(HC、NOx、CO)を同一触媒で浄化するいわゆる3元触媒による処理法である。ストイキ燃焼は、リーン燃焼に比べて熱効率は下がるものの理論空燃比における燃焼とともに、3元触媒を使うことで排ガス中におけるNOxのほかリーン燃焼では低減しない、CO、HCなどを低減することを目的としている。
【0007】
(3)のリーン/リッチ切替+吸蔵還元触媒については、リーン燃焼で運転中に触媒のNOx吸蔵剤(BaO等)がNOxと反応して吸蔵(BaNO3)され、飽和状態に近づいたところで短期間だけストイキ燃焼に切替え、ストイキ燃焼で発生したCOやHC等の未燃分を還元剤として吸蔵したNOxをN2に変えることで吸蔵剤を再生させる。
この反応は、一瞬で完了するので、殆どの運転はリーン燃焼になる。これによりストイキ燃焼時における熱効率の低減が、全体の燃焼効率に殆ど影響を与えることなくかつ、NOx、CO、HCなどの排出量もリーン燃焼と比べてさらに低く抑えることが可能になる。
【0008】
上記その他から、リーン燃焼では高効率でかつ、NOx低減には有効であるが、低速回転時及び低負荷時には、燃焼が不安定になり、未燃ガスの生成によってHC及びCOの低減もやや不充分である。また、同一容積のシリンダではリッチ或いはストイキに比較して出力が少ない欠点がある。
【0009】
ストイキ+三元触媒運転では、ストイキ運転ではリーン運転に比較して熱効率が高くできない、また、三元触媒は酸素が少ない排ガスに対してしか有効に作用しない等の欠点がある。
【0010】
リーン/リッチ切替燃焼+吸蔵還元触媒では、リーンを主とするため、部分負荷時など定格運転に対して低負荷運転では燃焼温度が低下して触媒の活性低下をきたし排ガス浄化作用が低減する。また、吸蔵還元触媒は、三元触媒と比較するとNOx、HC、COなどの除去率が低い欠点がある。さらに、吸蔵還元触媒では、NOxを吸蔵触媒に酸化吸蔵し、それをストイキまたはリッチ側でCO、H2、HCなどの還元成分により還元放出する際にNOx吸蔵元素の硫黄被毒を起こす欠点がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、低いエミッションを保持しつつ、小型化を達成することが出来て、しかも、低負荷時における未燃ガスの増加を防止することが出来る様な内燃機関及びその運転制御方法の提供を目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の内燃機関は、内燃機関の負荷を検出する負荷検出手段(7)と、内燃機関の回転数を検出する回転数検出手段(4)と、負荷検出手段(7)及び/または回転数検出手段(4)の検出結果に基いて燃焼状態を制御する制御手段(C)とを備えており、該制御手段(C)は、回転数検出手段(4)で検出された回転数が所定値以上である場合と、負荷検出手段(7)で検出された負荷が第1の所定負荷以上である場合と、該負荷検出手段(7)で検出された負荷が第2の所定負荷以下である場合には理論空燃比で且つ三元触媒法により排気を浄化する様に運転して、それ以外の場合には希薄燃焼運転を行う制御をする様に構成されている。
【0013】
上記内燃機関を空調機器のGHPに適用する場合には、負荷検出手段は例えば冷媒圧縮機の回転抵抗と回転数を検出すればよく、機関の回転数検出手段は例えばクランク軸の回転数を検出すればよい。そして、機関が排ガス特性が安定に運転できる高回転数域と、排ガス特性が安定に運転できる低負荷の第1の所定負荷以上でかつ、高負荷の第2の所定負荷以内とで希薄燃焼をさせ、それ以外の領域では理論空燃比(ストイキ)で運転しその排ガスは三元触媒で浄化させるようにする。なお、第2の所定負荷は、それ以上の負荷では熱効率よりも出力を必要とする例えば定格負荷以上の高出力を発生させる負荷領域にしている。
【0014】
上記内燃機関の運転制御方法は、内燃機関の負荷を検出する負荷検出工程と、内燃機関の回転数を検出する回転数検出工程、負荷検出工程及び/または回転数検出工程の検出結果に基いて燃焼状態を制御する燃焼状態制御工程とを備えており、該燃焼状態制御工程では、回転数検出手段(4)で検出された回転数が所定値以上である場合と、負荷検出手段(7)で検出された負荷が第1の所定負荷以上である場合と、該負荷検出手段(7)で検出された負荷が第2の所定負荷以下である場合には理論空燃比で且つ三元触媒法により排気を浄化して、それ以外の場合には希薄燃焼運転を行う様に構成されている。
【0015】
このようにして、回転数検出工程で得た機関回転数が未燃ガスのない熱効率のよい所定値以上である場合と、負荷検出工程で得た負荷が排ガス特性が安定に運転できる低負荷の第1の所定負荷以上でかつ、高負荷の第2の所定負荷以内の定格運転を含む領域で希薄燃焼をさせ、それ以外の領域では理論空燃比(ストイキ)で運転しその排ガスは三元触媒で浄化させるようにする。なお、第2の所定負荷は、それ以上の負荷では熱効率よりも高出力を必要とする領域にしている。
【0016】
このようにして、高出力を必要とする場合は、ストイキの理論空燃比で運転して排ガスは三元触媒により排気の浄化をさせる。これによって、シリンダ容積を同一のままでリーン燃焼よりも高出力を発生させることができる。
【0017】
なお、空調機や自動車のような負荷の変動する機関の熱効率や排ガス特性の評価には、たとえば12モード運転による総合評価が行われるので、高出力を必要な時にストイキ運転でNOx排出量が多くなっても全体の総合評価としては、許容されることもある。そのような場合には、シリンダ容積を定格運転に適する容積にして熱効率のよいリーン運転をし、高負荷ではストイキ運転で高出力させるようにすれば、機関の小型化がはかれる。
【0018】
なお、機関の低負荷時には、スロットル弁開度を絞り機関への混合気供給量を減少させて出力抑制をしているが、スロットル弁開度の絞りによる流過抵抗の増加が機関効率を大きく低下させている。
このスロットル弁における流過抵抗増加対策としては、機関の吸気抵抗を検出して所定値以上においては、排ガスの1部を還流させて混合気に混流させ、スロットル弁開度を上げて流過抵抗を低減させるとよい。吸気側に還流させる排ガスは圧力差のみで還流が可能である。
この結果、低負荷時おいても、機関の吸気抵抗による効率低下を回避できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
図1において、本発明の構成をブロック図によって示している。
燃料ガスの流入量を調整する流量調整弁12を介装した燃料管Pgと、清浄空気を送気する空気管Paとが、ミキサ14に連結されていて、ミキサ14は混合気管16でスロットル弁18に連通されている。
【0020】
流量調整弁12に弁開度を制御する開度調整装置13が装着され、開度調整装置13はラインC4Lによって後記する制御手段の制御装置Cに連通さている。スロットル弁18に弁開度を制御する混合気流量調整手段17が装着され、混混合気流量調整手段17はラインC3Lによって制御装置Cに連通さている。
【0021】
スロットル弁18は、吸気マニホールド21を介してシリンダ2で形成される燃焼室2cに連通され、燃焼室2cは排気マニホールド23を介して排ガス処理装置8に連通されている。スロットル弁18にスロットル弁の弁開度を制御する開度調整装置17が装着され、開度調整装置17はラインC3Lによって制御装置Cに連通さている。また、排気マニホールド23に排ガス性状を検出する排ガスセンサ24が装着され、ライン24Lによって制御装置Cに連通されている。
【0022】
排ガス処理装置8は、三元触媒装置または、NOx吸蔵装置で構成されていて、図示しないマフラに連通する排気管25に連通されている。
【0023】
機関の出力を外部に伝達するエンジン出力軸3は、駆動ライン6によって負荷となる圧縮式冷凍機Rに連通されている。出力軸3に回転数を検出する検出手段の回転数センサ4が装着されてライン4Lによって制御装置Cに連通されている。
【0024】
圧縮式冷凍機Rは、圧縮機R1、コンデンサR2、受液器R3、膨脹弁R4、室内向けの蒸発器R5で構成される負荷変動を伴う通常の冷凍装置で構成されている。圧縮機R1に機関の負荷検出手段である負荷センサ7が装着され、ラインR1Lによって制御装置Cに連通されている
【0025】
制御装置Cは、負荷センサ7と、エンジン回転数センサ4と、排ガスセンサ24とからの検出信号を受信するインタフェースC2と、スロットル弁開度を決定する弁開度決定手段C3と、燃料流量調整弁開度を決定する弁開度決定手段C4と、モード決定ユニットC1によって構成されている。
モード決定ユニットC1は各種検出信号によって、機関の運転モード、たとえば、リーン運転、ストイキ運転等を決定しその運転モードに従う燃料流量及び混合気流量を供給するよう指示する機能を有して構成され、弁開度決定手段C3及び弁開度決定手段C4を介して混合気流量及び燃料流量を制御するよう構成されている。
【0026】
上機構成による内燃機関の運転制御方法を図2及び図3のフローチャートによって説明する。
【0027】
図2は、図1のブロック構成図における排ガス処理装置8として三元触媒装置を搭載した内燃機関の運転制御方法を示している。
【0028】
ステップS1で運転を開始する。ついで、負荷側の要求に応えているエンジンの回転数と負荷を検出する(ステップS2)。
【0029】
ステップ3では、エンジン回転数が安定運転と所定の排ガス性状を確保できる所定値以上の高回転数にあるか?を判定する。高回転数YESであれば、リーン運転が基準となる。
また、エンジン負荷が低負荷の第1の所定負荷より大きいか?を判定する。大きければYESでリーン運転が基準となる。
また、エンジン負荷が高負荷の第2の所定負荷より小さいか?を判定する。小さければYESでリーン運転が基準となる。
【0030】
以上の各判定がすべてYESであればステップS4に進んでリーン燃焼運転をする。そして、ステップS6に進む。
【0031】
前記判定のうちどれかがNOであればステップS5に進んで、供給燃料を増加させてストイキ運転をし、その排ガスは三元触媒の機能によって浄化させる運転をする。例えば、エンジン回転数が高回転数で、エンジン負荷が第1の所定値を越えていても、エンジン負荷が第2の所定値を越えていれば高出力に適する(ストイキ運転+三元触媒)運転をする。そして、ステップS6に進む。
【0032】
ステップS6では、運転継続を確認して、運転停止信号がYESであれば運転停止をし(ステップS7)、運転停止がNOであればステップS2に戻って運転を継続する。
【0033】
このようにして、安定な運転が可能な領域では熱効率のよいかつ、NOxの少ないリーン運転をし、排ガス性能の悪くなる領域や特別に高出力を必要とする領域ではストイキ運転で出力を上げて三元触媒によって排ガス浄化をする。
【0034】
図3は、図1における排ガス処理装置8としてNOx触媒装置を搭載した内燃機関の運転制御方法を示している。
【0035】
ステップS11で運転を開始する。ついで、負荷側の要求に応えているエンジンの回転数と負荷を検出する(ステップS12)。
【0036】
ステップ13では、エンジン回転数が安定運転と所定の排ガス性状を確保できる所定値以上の高回転数にあるか?を判定する。高回転数YESであれば、リーン/リッチ運転が基準となる。
また、エンジン負荷が低負荷の第1の所定負荷より大きいか?を判定する。大きければYESでリーン/リッチ運転が基準となる。
また、エンジン負荷が高負荷の第2の所定負荷より小さいか?を判定する。小さければYESでリーン/リッチ運転が基準となる。
【0037】
以上の判定がすべてYESであればステップS14に進んでリーン/リッチ燃焼運転をする。そして、ステップS6に進む。
【0038】
前記判定のうちどれかがNOであればステップS15に進んで、ストイキ運転をし、その排ガスはNOx吸蔵触媒の機能によって浄化させる運転をする。例えば、エンジン回転数が高回転数で、エンジン負荷が第1の所定値を越えていても、エンジン負荷が第2の所定値を越えていれば高出力に適する(ストイキ運転+NOx吸蔵触媒)運転をする。そして、ステップS16に進む。
【0039】
ステップS16では、運転継続を確認して、運転停止信号がYESであれば運転停止をし(ステップS17)、運転停止がNOであればステップS12に戻って運転を継続する。
【0040】
このようにして、安定な運転が可能な領域では熱効率のよいかつ、NOxの少ないリーン運転またはリーン/リッチ運転をし、排ガス性能の悪くなる領域や特別に高出力を必要とする領域ではストイキ運転と、三元触媒(リーン運転と組んで)またはNOx吸蔵(リーン/リッチ運転と組んで)による排ガス浄化をする。
【0041】
図4は、負荷として圧縮冷凍機のような変動負荷でNOx排出を評価する12モード運転での結果を示している。触媒装置に一定な特性と、一定な量の排ガスを供給して触媒装置から排出されるNOx濃度(PPM)を計測したものである。
【0042】
Aは、吸蔵触媒によるNOxの吸蔵を、高回転数2点、低〜中回転数4点を冷房Refと暖房He運転した結果であり、Bは同じ運転によるNOxを還元した結果であり、Cは同じ運転でのNOxの三元触媒による浄化の結果である。この結果から、NOxについては、NOx吸蔵触媒の使用結果が格段によいことがわかる。
【0043】
図5は、最高回転数E1、E2での希薄(リーン)運転を2点と、最低〜中間回転数の運転を4点にして、冷房Ref及び暖房Heによる12モード運転の結果を、データを線で連結したラインDで示している。縦軸に示すNOx(HC)の濃度は、リーン最高回転数E1、E2のほうが理論空燃比(ストイキ)+三元触媒による運転よりも高くなっている。
【0044】
上記の結果から、実用を再現した12モード運転ではNOxに限定すれば、ストイキ運転と三元触媒による浄化の効果は充分であって、リーンとストイキを合目的に組み合わせて運転する本発明の妥当性が明らかである。
【0045】
図6は、低負荷時におけるスロットル弁の開度減少による流過抵抗増加を抑制する構成をブロック図で示している。
【0046】
機関の低負荷時には、スロットル弁開度を絞り機関への混合気供給量を減少させて出力抑制をしているが、スロットル弁開度の絞りによる流過抵抗の増加が機関効率を大きく低下させている。
【0047】
このスロットル弁における流過抵抗増加対策としては、機関の吸気抵抗を検出して所定値以上においては、排ガスの1部を還流させて混合気に混流させ、スロットル弁開度を大きくして流過抵抗を低減させるようにしている。
【0048】
図6において、清浄空気を送気する空気管Paと燃料ガスを供給する燃料還Pgとがミキサ14で連結され、ミキサ14は合流部16aを介した混合気管16によってスロットル弁18に連通されている。
【0049】
スロットル弁18は、吸気マニホールド21を介して機関の燃焼室を形成するシリンダ2に連通され、シリンダ2は排気マニホールド23によって排ガス処理装置8に連通されている。なおリーン燃焼だけで、触媒による排ガス処理のない運転形態では、排ガス処理装置8は付設されなくてもよい。
【0050】
排気マニホールド23の排ガス処理装置8の手前に分岐部23aが設けられ、分岐部23aはガバナ20を介した還流管23bによって前記合流部16aに連通されている。
【0051】
吸気マニホールド21のスロットル弁18側に負圧センサ19が取付けられ、負圧センサ19はライン20Lによってガバナ20に連通されている。この場合負圧センサ19にたよることなく、負圧でガバナ20を作動させる構成であってもよい。
【0052】
ガバナ20は、吸気マニホールド21の負圧が所定値以下の低圧では還流管23bを介して排ガスを吸気側に還流させる機能を有して構成されている。
【0053】
上記、図6構成の低負荷時におけるスロットル弁18の吸気抵抗低減の作用を説明する。
予混合ガスによる低負荷運転では、必要とする機関出力を確保する混合ガスのシリンダ2への供給は少なくてよく、その供給量はスロットル弁18の開度減少によって行う。
【0054】
スロットル弁18の開度減少は、弁通路面積の縮小によって過大な流過抵抗をもたらし、機関の吸気抵抗を増加させることになる。その吸気抵抗の増加は、吸気効率の減少と流体摩擦損失となって機関の効率を低減させることになる。
【0055】
従って、低負荷時運転では負圧センサ19の検出する負圧が所定値以下となった場合には、ガバナ20内の通過弁が開弁されて排ガスGxの1部G1は還流管23bによって合流部16aに還流される。
【0056】
合流部16aに還流された排ガスGxの1部G1は、ミキサ14からの予混合気と混合してスロットル弁18に供給され、排ガス圧力とシリンダ2の吸入負圧によって機関内に供給される。
【0057】
上記のようにして排ガスGxの1部Gを混入した予混合ガスは、当初必要な出力を、吸気抵抗を伴うことなく出力できる。従って、スロットル弁18の開度縮小による流過抵抗を省き、この結果、低負荷時おいても機関の吸気抵抗による効率低下を回避できる。
【0058】
【発明の効果】
本発明の効果を以下に列挙する。
(1) 定格以上の出力を要する高負荷運転を燃料供給の多いストイキ運転と三元触媒またはNOx吸蔵触媒による浄化によって、低排ガスを保持しつつ、エンジンの出力を増大できるので、エンジンを小型化でき、システム全体の小型、軽量化ができる。
(2) 特にリーン燃焼またはリーン/リッチ燃焼とストイキ燃焼の切替えを行うことで、リーン燃焼における低負荷時の未燃ガス排出を低減できる。
(3) 通常、高回転域に定格運転があるのでリーン燃焼域が広く使用され、定格条件におけるエンジン効率が向上される。
(4) 実用変動負荷に応じる運転では、低回転数域の運転が多く、ストイキ運転+触媒浄化によって排ガス特性の顕著な改善ができる。
(5) 低負荷時におけるスロットル弁の流過抵抗による機関効率の低減には、排ガスの還流によってスロットル弁の開度増加をして流過抵抗を減少させることで、効率低減を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施形態を示すブロック構成図。
【図2】図1の構成において排ガス処理装置として三元触媒を搭載した内燃機関の運転制御方法をしめすフローチャート。
【図3】図1の構成において排ガス処理装置として吸蔵還元触媒を搭載した内燃機関の運転制御方法をしめすフローチャート。
【図4】12モード運転による触媒試験結果をNOx吸蔵、還元、及び三元触媒について示す表図。
【図5】12モード運転におけるリーン燃焼と、ストイキ+三元触媒の結果をNOx濃度で表示した図。
【図6】低負荷時のスロットル弁流過抵抗を減少させるための排ガス還流制御を示すブロック構成図。
【符号の説明】
C・・・制御装置(制御手段)
R・・・圧縮式冷凍機
R1・・圧縮機
2・・・シリンダ
3・・・出力軸(クランク軸)
4・・・負荷センサ(負荷検出手段)
7・・・回転数センサ(回転数検出手段)
8・・・排ガス処理装置
12・・燃料流量調整弁
14・・ミキサ
18・・スロットル弁
24・・排ガスセンサ
Claims (2)
- 内燃機関の負荷を検出する負荷検出手段と、内燃機関の回転数を検出する回転数検出手段と、負荷検出手段及び/または回転数検出手段の検出結果に基いて燃焼状態を制御する制御手段とを備えており、該制御手段は、回転数検出手段で検出された回転数が所定値以上である場合と、負荷検出手段で検出された負荷が第1の所定負荷以上である場合と、該負荷検出手段で検出された負荷が第2の所定負荷以下である場合には理論空燃比で且つ三元触媒法により排気を浄化する様に運転して、それ以外の場合には希薄燃焼運転を行う制御をする様に構成されていることを特徴とする内燃機関。
- 内燃機関の負荷を検出する負荷検出工程と、内燃機関の回転数を検出する回転数検出工程、負荷検出工程及び/または回転数検出工程の検出結果に基いて燃焼状態を制御する燃焼状態制御工程とを備えており、該燃焼状態制御工程では、回転数検出手段で検出された回転数が所定値以上である場合と、負荷検出手段で検出された負荷が第1の所定負荷以上である場合と、該負荷検出手段で検出された負荷が第2の所定負荷以下である場合には理論空燃比で且つ三元触媒法により排気を浄化して、それ以外の場合には希薄燃焼運転を行う様に構成されていることを特徴とする内燃機関の運転制御方法。
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JP2008051462A (ja) * | 2006-08-28 | 2008-03-06 | Sanyo Electric Co Ltd | 空調・発電システムおよび空調・発電システムの制御方法 |
JP2008240557A (ja) * | 2007-03-26 | 2008-10-09 | Osaka Gas Co Ltd | エネルギシステム |
JP2015010592A (ja) * | 2013-07-02 | 2015-01-19 | 大阪瓦斯株式会社 | エンジンシステム |
-
2002
- 2002-07-30 JP JP2002221178A patent/JP2004060558A/ja active Pending
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