JP2004059779A - 金属酸化物微粒子分散エポキシ樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エポキシ樹脂中に、金属を燃焼して得られる金属酸化物微粒子が全量に対して60重量部以上配合され、該金属酸化物微粒子が一次分散していることを特徴とするエポキシ樹脂組成物、その製造方法。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エポキシ樹脂に高濃度に1次分散された混合されたエポキシ樹脂組成物、及びその製造方法に関する。また、本発明は、耐吸湿性、耐ハンダクラック性に優れ、低膨張性の半導体封止用エポキシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置などの電子部品の封止方法として、セラミックスや、熱硬化性樹脂を用いる方法が、従来より行われている。なかでも、エポキシ樹脂系封止材による封止が、経済性及び性能のバランスより好ましく広く行われている。
【0003】
近年の半導体装置の高機能化、高集積化等に伴い、従来の主流であったボンディングワイヤーを用いる方法に変わって、バンプ(突起電極)により半導体素子と基板を電気的に接続する方法、いわゆるフリップチップを用いた表面実装が増加している。このフリップチップ実装方式の半導体装置では、ヒートサイクル試験でバンプの接合部等にクラック等の欠陥が発生する場合がある。その為これを防止するために、半導体素子と基板の隙間及びバンプの周囲等をエポキシ樹脂系封止材で充填し硬化することにより改良する方法(アンダーフィル)が行われている。
【0004】
フリップチップ実装方式等の半導体装置を封止する封止材は、耐湿信頼性、耐電気腐食性、耐ヒートサイクル性等の特性が要求されるが、その為に、封止材中にシリカ等の無機充填材を配合することにより吸湿率を低下させると共に熱膨張率を低下させることにより耐湿信頼性や耐ヒートサイクル性を向上させる方法が行われている。
【0005】
シリカ等の無機充填材の配合量を増加させる程、封止材の吸湿率の低下と熱膨張係数の低下が可能となり、耐湿信頼性や耐ヒートサイクル性を向上できるが、一方無機充填材の配合量を増加させる程、封止材の粘度が増加し、流動性が著しく低下する傾向があり問題となる。特に、フリップチップ実装においては、十数μm程度の半導体素子と基板の隙間に封止材を充填する必要があるため、封止材には高い浸入充填性が要求される。よって、このような封止材には、無機充填材の充填率を高くしてもなるべく粘度が高くならずに、高い侵入充填性を得る為に、無機充填材として球状で比表面積の小さい無機粒子が要求されている。
【0006】
係る観点から、シリカ粒子を火炎中で溶融する方法(例えば、特開昭58−145613号公報)等により得た球状シリカを封止材用充填材に使用する試みがなされている(例えば、特開平9−235357号公報、特開平10−53694号公報)。
【0007】
しかしながら、これらの球状シリカは、比表面積の点においてまだ十分小さいものではなかった。また一般的に火炎溶融法によって得られる球状シリカは、数十μm程度の大粒子径の粒子を含む傾向があり数十μm程度の半導体と基板の隙間に侵入充填するには問題があった。また、表面には凹凸形状が多く、真球度に劣るなどの点でも十分ではなかった。
【0008】
また、異なる粒径分布を有する無機充填材を併用し液状封止材の流動性を良好にしようとする試みも提案されている(例えば、特開平2−228354号公報、特開平3−177450号公報、特開平5−230341号公報、特開平4−253760、特開平5−206333号公報等)。しかしながら、これらに開示された方法は、使用する無機充填材の比表面積が大きかったり、形状が破砕状であったり、エポキシ化合物と硬化剤などからなるエポキシ樹脂組成物の粘度が高すぎたり、固体状であったりする理由より、封止材として十分な流動性を得るに至っていない。
【0009】
また、シリカ粒子を表面処理して封止材用充填材に使用する試みがなされており、例えば、特開平6−283633号公報には、半導体封止用エポキシ樹脂中に分散するシリカ粒子表面をメチルエチルケトン中で酸無水物を用いてエステル化処理し、樹脂中での分散性を向上することが開示されている。
【0010】
しかしながら、上記の技術では、樹脂中で無機質充填剤粒子が凝集しやすく、不均一で、粘度が高く、その結果、流動性が低く、更なる成形性向上を図ることができないという問題があった。しかも、エポキシ樹脂と硬化剤を一緒にシリカを分散させたメチルエチルケトンに添加した後溶媒を真空蒸留させている。また、混合物の中に酢酸も存在し、エポキシ当量を維持したまま溶媒を完全に除去することは不可能であると考えられる。つまり、この公報は硬化組成物を作成するものであり、本発明のごとくシリカ分散エポキシ樹脂を調整するものと違うものである。
【0011】
一方、特開昭60−255602号公報には、酸素を含む雰囲気内においてバーナにより化学炎を形成し、この化学炎中に金属粉末を粉塵雲を形成しうる量投入して燃焼させて、酸化物超微粒子5〜100nmを合成する製造方法の開示がある。また、特開平1−24004号公報には、酸化物を構成する金属粉末をキャリアガスとともに反応容器内へ供給する第1工程と、該反応容器内で発火させて火炎を形成し、該金属粉末を燃焼させ酸化物の粉末を合成する第2工程とからなる酸化物粉末の製造方法において、第1工程は、小粒径の金属酸化物と上記金属粉末との混合物を供給し、第2工程は、上記金属酸化物を核として上記金属粉末の燃焼により合成される酸化物により粒成長させることを特徴とする酸化物粉末の製造方法の開示がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
シリカをエポキシ樹脂に分散させる方法として、ロール等による機械分散が一般的である。しかし、アドマファイン(商標名)のような微粒子シリカの場合は、完全に分散させることが困難である。このため、微粒子の粘度低下効果などは十分に引き出せない。シリカを有機溶媒に分散させた後、樹脂を添加して溶媒を除去する方法も考えられるが、溶媒を完全に除去するために高温加熱が必要である。しかし、シリカの存在下で、加熱するとエポキシが反応してエポキシ当量が変化し粘度が高くなる。しかも反応自身はシリカの表面状態によって異なるので制御が不可能である。
【0013】
無機粒子含有樹脂複合材料において、無機粒子とマトリックスポリマーとの間を強固な結合で結ぶことは重要である。粒子の表面を改質してマトリックスと結合を強くする方法として、シランカップリング剤で処理するのは一般的である。しかし、金属を燃焼して得られる金属酸化物粉体であるアドマファイン(商標名)のような微粒子の場合は処理によって凝集が起こりやすく、樹脂中に分散しにくくなり、粘度が高くなる問題点がある。例えば、エポキシシラン処理シリカをエポキシ樹脂に配合する場合は粘度が非常に高くなることがその典型である。
つまり、シリカ粒子がエポキシ樹脂と反応する特性を有するため、高流動を実現できないことが問題であった。
【0014】
本発明は、上記問題点を改善するために成されたもので、その目的とするところは、無機充填材の配合量が多い場合であっても、良好な流動性を有し、取り扱いに優れ、フリップチップ実装の際に半導体素子と基板間の十数μmのギャップにも効率良く侵入充填できる封止材を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明者は上記金属を燃焼して得られる金属微粒子をエポキシ樹脂中に高濃度に1次分散させることに着目し本発明に至った。
第1に本発明は、エポキシ樹脂中に、金属を燃焼して得られる金属酸化物微粒子が全量に対して60重量部以上配合され、該金属酸化物微粒子が一次分散していることを特徴とするエポキシ樹脂組成物である。
【0016】
金属を燃焼して得られる金属酸化物粉体とは、珪素、アルミニウム、マグネシウム、ジルコニウム、チタン等の金属粉末、その他ムライト組成に調合したアルミニウム粉末とシリコン粉末、スピネル組成に調合したマグネシウム粉末とアルミニウム粉末、コージェライト組成に調合したアルミニウム粉末、マグネシウム粉末、シリコン粉末等の金属粉末混合物をキャリアガスとともに酸素を含む雰囲気中で化学炎を形成し、この化学炎中に目的とするシリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)、チタニア(TiO2)、ジルコニア(ZrO2)等の金属酸化物や、複合酸化物の超微粒子を得るものである。本発明では、シリカを主成分とする金属酸化物粉体が好ましい。また、前記金属を燃焼してうる金属酸化物粉体は、平均粒子径が0.05μmから10μmの真球状粒子であるものが好ましい。
【0017】
本発明のエポキシ樹脂組成物中では、金属を燃焼して得られる金属酸化物微粒子が、全量に対して60重量%以上、一次分散している。半導体封止材料として、鉛フリーのハンダに耐えるためには、90重量%以上が好ましく、95重量%以上がより好ましい。本発明のエポキシ樹脂組成物は、このような超微粒子の金属酸化物粉末が凝縮することなく、均一に1次分散している。
【0018】
金属を燃焼して得られる金属酸化物粉体の表面がシランカップリング剤で処理されていることは樹脂との親和性を高める上で好ましい。シランカップリング剤としては、アミノ基、グリシジル基、メルカプト基、ウレイド基、ヒドロシ基、アルコキシ基、メルカプト基から選択される活性基を有する化合物またはその組み合わせである。具体的には、シランカップリング剤として、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン等の疎水性シラン化合物やメルカプトシラン等が例示される。
【0019】
本発明に用いるエポキシ樹脂としては特に限定されず、1分子中にエポキシ基を2個以上有するモノマー、オリゴマー、及びポリマー全般が用いられる。例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂等が例示される。これらは単独でも混合して用いてもよい。無機充填材はエポキシ樹脂組成物中に高充填されることが好ましいため、エポキシ樹脂組成物の流動性を良好に維持するには低粘度樹脂が好ましい。
【0020】
第2に、本発明は、金属を燃焼して得られる金属酸化物微粒子を有機溶媒に分散させ、シラザン類の存在下にエポキシ樹脂を配合し、前記有機溶媒を除去することを特徴とする金属酸化物微粒子分散エポキシ樹脂組成物の製造方法である。
【0021】
本発明の方法により、金属酸化物(シリカ等)をエポキシ樹脂へ高充填することが可能である。ヘキサメチルジシラザン(HMDS)等で金属酸化物表面を酸性から塩基性に変換し、金属酸化物のエポキシ樹脂に対する活性を抑制しエポキシ樹脂との反応による粘性増加を抑制する。これにより、エポキシ樹脂充填時に低粘度且つ高流動性を実現することが可能となった。なお、有機溶媒による表面処理工程と、HMDSによる表面処理工程とは順序の入替え可能である。
【0022】
本発明で用いられる有機溶媒は、エポキシ樹脂との反応性がない非プロトン性のものであって、金属酸化物微粒子を良く分散させるものである。具体的には、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、ベンゼン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、ジメチルエーテル、シクロヘキサン等が例示される。
【0023】
金属酸化物微粒子が分散した有機溶媒に添加されるシラザン類とは、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサフェニルジシラザン等のシラザン類から選択される化合物またはその組み合わせである。この中で、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)が、シリカ等の金属酸化物微粒子の凝集を抑制し、酸性であるシリカを塩基性に傾け、有機物に対する親和性を向上させ均一性を向上させてエポキシ樹脂に対する安定性を向上させる等の点で好ましい。有機溶媒中のシラザン類の存在量は、10〜1000ppmが好ましく、10ppm未満であると添加効果に乏しく、1000ppmを越えるとシラザン類の分解性生物がエポキシ樹脂中に残存して、樹脂の強度の低下、密着性の低下、着色等の不都合が生じる。
エポキシ樹脂配合物から有機溶媒及びシラザン類を除去するには、減圧下に加熱蒸留すればよい。組成物中に残留する揮発分が0.5%以下であることが好ましい。
【0024】
本発明のエポキシ樹脂組成物の製造方法においては、更に、金属を燃焼して得られる金属酸化物微粒子中の粗大粒子を除去する工程を含むことが好ましい。この工程は、上記エポキシ樹脂組成物の製造方法中のどの部分に加えられても良い。
【0025】
金属を燃焼して得られる金属酸化物粉体としては、平均粒径が0.05から10μmである真球状シリカを主成分とするものが好ましい。また、平均粒径の分散は単一のものに限られず、平均粒径1.5〜5μmの金属酸化物微粒子に、平均粒径0.2〜1.0μmの金属酸化物微粒子を2〜3.0重量%配合されたものは、エポキシ樹脂組成物中の金属酸化物濃度を高めることに有効である。
【0026】
第3に、本発明は、上記のエポキシ樹脂組成物に、硬化剤成分及び硬化触媒成分を含む半導体封止用エポキシ樹脂組成物である。
上記硬化剤成分としては、アミン系、酸無水物系、フェノ−ル系硬化剤など特に限定されない。
【0027】
アミン系硬化剤としては、脂肪族ポリアミン、ポリアミドポリアミン、脂環族ポリアミン、芳香族ポリアミンおよびその他がある。脂肪族ポリアミンとしては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン及びジエチルアミノプロピルアミン等が例示される。ポリアミドポリアミンとしては、ポリアミドポリアミンが例示される。脂環族ポリアミンとしては、メンセンジアミン、イソホロンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカンアダクト、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン及びビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン等が例示される。芳香族ポリアミンとしては、メタキシレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン及びm−フェニレンジアミン等が例時される。その他としては、ジシアンジアミド及びアジピン酸ジヒラシドが例示される。また、アミン系硬化剤の配合割合は、エポキシ樹脂のエポキシ基に対するアミノ基の活性水素の当量比(エポキシ基/活性水素)が通常1/0.8〜1/1.2、好ましくは1/0.9〜1/1.1の範囲が良い。
【0028】
酸無水物系硬化剤としては、分子量は140〜200程度のものが好適に用いられる。例えば、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸及びメチルヘキサヒドロ無水フタル酸等の無色ないし淡黄色の酸無水物等が例示される。上記酸無水物系硬化剤の配合割合は、エポキシ樹脂のエポキシ基に対する酸無水物基の当量比(エポキシ基/酸無水物基)が、1/0.5〜1/1.3の範囲が好ましい。
【0029】
フェノ−ル系硬化剤としては、分子中に2個以上、好ましくは3個以上のフェノ−ル性水酸基を有するものである。具体的には、フェノ−ルや置換フェノ−ル、例えば、o−クレゾ−ル、p−クレゾ−ル、t−ブチルフェノ−ル、クミルフェノ−ル、フェニルフェノ−ルとホルムアルデヒドを酸やアルカリで反応したものが例示される。ホルムアルデヒドの替わりに、ほかのアルデヒド、例えば、ベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、サリチルアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、グリオキザ−ル及びテレフタルアルデヒドを用いたものも利用できる。レゾルシンとアルデヒドの反応物やポリビニルフェノ−ルも本発明の硬化剤として用いることができる。また、フェノ−ル系硬化剤の配合割合は、エポキシ樹脂のエポキシ基に対する硬化剤のフェノ−ル性水酸基の当量比(エポキシ基/フェノ−ル性水酸基)が通常、1/0.8〜1/1.2、好ましくは1/0.9〜1/1.1の範囲が耐熱性及び耐湿性の点から選ばれる。
上記硬化触媒成分としては、三級アミン、四級アンモニウム塩、イミダゾ−ル化合物、ホウ素化合物及び有機金属錯塩等が例示される。
【0030】
三級アミンとしては、トリエタノ−ルアミン、テトラメチルヘキサンジアミン、トリエチレンジアミン、ジメチルアニリン、ジメチルアミノエタノ−ル、ジエチルアミノエタノ−ル、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノ−ル、N,N’−ジメチルピペラジン、ピリジン、ピコリン、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、ベンジルジメチルアミン及び2−(ジメチルアミノ)メチルフェノ−ル等がある。四級アンモニウム塩としては、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウムクロライド及びステアリルトリメチルアンモニウムクロライド等がある。イミダゾ−ル類としては、2−メチルイミダゾ−ル、2−ウンデシルイミダゾ−ル、2−エチルイミダゾ−ル、1−ベンジル−2−メチルイミダゾ−ル及び1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾ−ル等がある。ホウ素化合物としては、テトラフェニルボロン塩類、例えば、トリエチレンアミンテトラフェニルボレ−ト、N−メチルモルホリンテトラフェニルボレ−ト等がある。有機金属錯塩としては、例えば、リン酸塩等が挙げられ、そのリン酸塩としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリス−2,6ジメトキシフェニルホスフィン、トリ−pトリルホスフィン、亜リン酸トリフェニル、テトラ−n−ブチルホスホニウム−o,o−ジエチルホスホロジチオエ−ト及びテトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド等がある。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、実施例と比較例を用いて本発明を説明する。
実施例1
金属を燃焼して得られるシリカであるアドマファインSO−25H(商標名)を70重量部と、メチルエチルケトン(MEK)30重量部と混合して、分散機で分散した。シリカに対して100ppmのヘキサメチルジシラザン(HMDS)を添加した後エポキシ樹脂37.7重量部を混合した。溶媒を真空加熱蒸留して除去し、シリカ分散エポキシ樹脂組成物を得た。アドマファインはエポキシ樹脂中に凝集せず、均一に1次分散していた。
【0032】
実施例2
アドマファインSO−25Hをエポキシシラン、アミノシラン、アクリルシランで処理してから、上記実施例1と同様にシリカ分散エポキシ樹脂組成物を得た。実施例2の各サンプルの粘度データーを図1に示した。
【0033】
比較例1
アドマファインSO−25Hを70重量部とMEK30重量部と混合して、分散機で分散した。エポキシ樹脂37.7重量部を混合した。溶媒を真空加熱蒸留して除去したが、エポキシが反応して極端に粘度が増加し、容器から出せなかった。
【0034】
比較例2
アドマファインSO−25Hを70重量部とエポキシ樹脂37.7重量部を遊星型混合機で混合した。混合時間と粘度の関係を図2に示した。本発明の場合より粘度が高かった。
【0035】
実施例3
アドマファインSO−25Hをヘンシェル型混紛機に投入し、紛体に対して100ppmのHMDSを攪拌しながら噴霧して処理を行った。処理後のアドマファインSO−25H70重量部とMEK30重量部と混合して、分散機で分散した後エポキシ樹脂37.7重量部を混合した。溶媒を真空加熱蒸留して除去し、シリカ分散エポキシ樹脂組成物を得た。得られた組成物の粘度を図3に示した。
【0036】
【発明の効果】
本発明のシリカ等の金属酸化物が均一分散されたエポキシ樹脂組成物は、従来の混練法で得られない▲1▼高シリカ濃度、▲2▼1次粒子として分散され、粗粒及び擬集がない高分散度、▲3▼低粘度、▲4▼低粗粒量のシリカエポキシ樹脂組成物が得られ、半導体、ディスプレー封止、セラ代替材料、精密樹脂部品等に好ましく適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のフィラー表面状態における粘度を示す図。
【図2】比較例における粘度を示す図。
【図3】本発明の実施例における粘度を示す図。
Claims (11)
- エポキシ樹脂中に、金属を燃焼して得られる金属酸化物微粒子が全量に対して60重量部以上配合され、該金属酸化物微粒子が一次分散していることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
- 前記金属を燃焼して得られる金属酸化物粉体が、平均粒径が0.05から10μmであるシリカを主成分とするものであることを特徴とする請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 前記金属を燃焼して得られる金属酸化物粉体の表面がシランカップリング剤で処理されたことを特徴とする請求項1または2に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 金属を燃焼して得られる金属酸化物微粒子を有機溶媒に分散させ、シラザン類の存在下にエポキシ樹脂を配合し、前記有機溶媒を除去することを特徴とする金属酸化物微粒子分散エポキシ樹脂組成物の製造方法。
- 更に、前記金属を燃焼して得られる金属酸化物微粒子中の粗大粒子を除去する工程を含むことを特徴とする請求項4に記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法。
- 前記金属を燃焼して得られる金属酸化物粉体が、平均粒径が0.05から10μmである真球状シリカを主成分とするものであることを特徴とする請求項4または5に記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法。
- 前記金属を燃焼して得られる金属酸化物粉体が、平均粒径1.5〜5μmの金属酸化物微粒子に、平均粒径0.2〜1.0μmの金属酸化物微粒子を2〜3.0重量%配合されたものであることを特徴とする請求項4から6のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法。
- 前記金属を燃焼して得られる金属酸化物粉体の表面がシランカップリング剤で処理されたことを特徴とする請求項4から7のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法。
- 前記シラザン類の混合時の存在量が、1ppmから1000ppmであることを特徴とする請求項4から8のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法。
- 組成物中に残留する揮発分が0.5%以下であることを特徴とする請求項4から9のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法。
- 請求項1から3のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物に、硬化剤成分及び硬化触媒成分を含む半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
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