JP2004058771A - 車両用操舵制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】操舵軸駆動用のアクチュエータを2つのCPUにより制御するとともに、それら2つのCPU間のデータ通信精度を簡便な方式により向上させた車両用操舵制御システムを提供する。
【解決手段】データ転送に際して、先行するデータIDから次のデータIDに切り替える際に、レベルが互いに逆方向に切り替わるビット対が必ず混在するように、個々のブロックを特定するためのデータIDの内容及び切り替えシーケンスを定めてある。このようなビット対が存在すれば、レベル傾向の同じノイズが重畳したとき、その一方のビットには、必ず正規のビットレベル変化を打ち消すようにノイズが作用し、ビット対の逆方向のレベル変化は失われる。そこで、逆方向レベル変化を示すビット対が生じないID切り替えが存在しないように、データIDの内容と切り替えシーケンスを定めておくことにより、ノイズ重畳後のIDビットの内容が偶然別のデータIDに一致する不具合が極めて生じにくくなり、ノイズの影響を効果的に排除することができる。
【選択図】 図16

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車等の車両の操舵制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の操舵装置、特に自動車用の操舵装置において、近年、その更なる高機能化の一端として、操舵ハンドルの操作角(ハンドル操作角)と車輪操舵角とを1:1比率に固定せず、ハンドル操作角の車輪操舵角への変換比(舵角変換比)を車両の運転状態に応じて可変とした、いわゆる可変舵角変換比機構を搭載したものが開発されている。車両の運転状態としては、例えば、車両速度(車速)を例示でき、高速運転時においては舵角変換比を小さくすることにより、ハンドル操作角の増加に対して操舵角が急激に大きくならないようにすれば、高速走行の安定化を図ることができる。他方、低速走行時には、逆に舵角変換比を大きくすることで、一杯まで切るのに必要なハンドルの回転数を減少させることができ、車庫入れや縦列駐車あるいは幅寄せなど、操舵角の大きい運転操作を非常に簡便に行なうことができる。
【0003】
舵角変換比を可変化する機構としては、例えば特開平11−334604号公報に開示されているように、ハンドル軸と車輪操舵軸とを、ギア比が可変な歯車式伝達部にて直結したタイプのものがあるが、この構成は、歯車式伝達部のギア比変更機構が複雑になる欠点がある。そこで、ハンドル軸と車輪操舵軸とを分離し、モータ等のアクチュエータにより車輪操舵軸を回転駆動するタイプのものが、例えば特開平11−334628号公報等に提案されている。具体的には、角度検出部が検出するハンドル操作角と車両運転状態とに応じて定まる舵角変換比とに基づいて、コンピュータ処理により最終的に必要な車輪操舵角を演算し、その演算された車輪操舵角が得られるように、ハンドル軸から機械的に切り離された車輪操舵軸をアクチュエータ(モータ)により回転駆動する。
【0004】
上記の操舵制御方式では、車輪操舵軸の角度位置がアクチュエータの動作によって決定されるので、車輪操舵軸の舵角制御の精度や円滑性を確保するために、ハンドル軸の角度位置、車輪操舵軸の角度位置あるいは車速などを正確にモニタする必要がある。また、モータの電流や、モータの電源電圧なども、アクチュエータの動作制御を司る上で重要なパラメータとなりうる。そこで、制御の精度を向上するために、モータ制御を直接司る主CPUに加え、該主CPUの動作が正常であるかどうかを監視する副CPUを設けることが有効である。副CPUは、制御に必要なパラメータ演算等、モータの動作制御に必要なデータ処理を主CPUと並行して行なうとともに、そのデータ処理結果を主CPUとの間で通信することにより上記の監視を行なう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の構成において、副CPUの監視機能は、主CPUと副CPUとの間のデータ通信の精度が確保されていることが前提となる。しかし、通信によるデータ転送にはノイズなどの影響による、エラー発生が問題となる。特に、パラレル通信によりデータのやり取りを行なう場合は、信号線の数が多くなるのでノイズの影響を特に受けやすい。特に、送信すべきデータが複数組あり、各データの組をデータIDにより特定しながら送受信する場合、そのデータIDがノイズの影響で誤認識されてしまうと、受信したデータ内容に混同が生じたり、データが誤ったメモリエリアに書き込まれたりするなどのトラブルを生じやすくなる。
【0006】
本発明は、操舵軸駆動用のアクチュエータを2つのCPUにより制御するとともに、それら2つのCPU間のデータ通信精度を簡便な方式により向上させた車両用操舵制御システムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
本発明は、操舵用のハンドル軸の操作角と車両の運転状態とに応じて車輪操舵軸に与えるべき操舵角を決定し、当該操舵角が得られるように車輪操舵軸をアクチュエータにより回転駆動するようにした車両用操舵制御システムにおいて、上記の課題を解決するために、
ハンドル軸の角度位置(ハンドル軸角度位置)を検出するハンドル軸角度検出部と、
車輪操舵軸の角度位置(操舵軸角度位置)を検出する操舵軸角度検出部と、
車両の運転状態を検出する運転状態検出部と、
検出されたハンドル軸の角度位置(ハンドル軸角度位置)と車両の運転状態とに基づいて車輪操舵軸の目標角度位置を決定し、該操舵軸角度位置が目標角度位置に近づくように、アクチュエータの動作を制御する操舵制御部とを備え、
操舵制御部は、アクチュエータの動作制御主体をなす主CPUと、アクチュエータへの動作指令内容を決定するために主CPUが行なうデータ処理の少なくとも一部を、該主CPUと並行して行なう監視用の副CPUとを有し、主CPUと副CPUとの一方を送信側CPU、他方を受信側CPUとして、送信側CPUのデータ処理結果を示すデータを該送信側CPUから受信側CPUへ通信により転送し、受信側CPUが、自身のデータ処理結果と送信側CPUから受信したデータ処理結果とに基づいて、主CPUが最終的に行なうべきデータ処理内容の確定を行なうものであり、
送信側CPUから受信側CPUへ転送すべきデータの全体が、データIDにて個々に特定される複数のブロックに分割され、データIDを切り替えながらブロック単位にてデータ転送が順次行なわれるとともに、データIDは、第一ビットレベルと第二ビットレベルとのいずれかに設定されるIDビットを複数含むパラレルビット列からなり、さらに、データ転送において、先行するデータIDから次のデータIDに切り替える際に、第一ビットレベルから第二ビットレベルに変化する第一種ビットと、第二ビットレベルから第一ビットレベルに変化する第二種ビットとの双方がパラレルビット列内に必ず生ずるように、個々のブロックを特定するためのデータIDの内容及び切り替えシーケンスが定められてなることを特徴とする。
【0008】
上記本発明においては、アクチュエータ制御を司る主CPUと監視用の副CPUとの間のデータ通信を、データIDを切り替えながらブロック単位にてデータ転送することにより行なう。データIDは、第一ビットレベルと第二ビットレベルとのいずれかに設定されるIDビットを複数含むパラレルビット列により特定される。
【0009】
複数ビットからなるデータIDをパラレル通信によりやり取りする場合、ノイズが発生すると、通信経路をなす複数の信号線にその影響が及ぶ。そして、ノイズ源が同じであれば、どの信号線にも、デジタル的には同じレベルのノイズ信号が重畳されることになる(例えば、サージノイズの場合はHレベル)。従来、データIDにより一連のデータを転送する場合、データIDに連番を付与し、その番号順にデータID及びデータの送信を行なっていた。具体的には、連番のデータIDを直接的に2進法のビット情報に翻訳し、番号順のシーケンスにてデータ転送を行なうことになる。しかし、ノイズの影響を受けると、次のような問題が生じやすくなる。すなわち、2進法の番号順にデータIDが切り替わる際に、図17に示すように、「0110B(6D)」から「0111B(7D)」(本明細書では、2進法の「1」をHレベルに、「0」をLレベルに対応させるが、逆の論理を用いてもよいことはもちろんである)への切り替えなど、データIDによっては、3つまでのビットレベルが同一に保持され、1つのビットレベルのみ変化することがある。この変化するビットの変化後のレベルが、重畳するノイズのレベルと一致していると、ノイズ重畳によりデータIDがあたかも次のデータIDへ切り替わったように識別され、前のデータIDのデータが出力されているにもかかわらず、ノイズ重畳後は、それが次のデータIDが示すデータとして取り込まれてしまうトラブルにつながる。
【0010】
本発明においては、データ転送に際して先行するデータIDから次のデータIDに切り替える際に、第一ビットレベル(例えば「H」)から第二ビットレベル(例えば「L」)に変化する第一種ビットと、第二ビットレベルから第一ビットレベルに変化する第二種ビットとの双方がパラレルビット列内に必ず生ずるように、個々のブロックを特定するためのデータIDの内容及び切り替えシーケンスを定めてある(つまり、データIDを切り替える際に、レベルが互いに逆方向に切り替わるビット対が必ず混在するようになっている)。このようなビット対が存在すれば、レベル傾向の同じノイズが重畳したとき、その一方のビットには、必ず正規のビットレベル変化を打ち消すようにノイズが作用し、ビット対の逆方向のレベル変化は失われる。そこで、逆方向レベル変化を示すビット対が生じないID切り替えが存在しないように、データIDの内容と切り替えシーケンスを定めておけば、ノイズ重畳後のIDビットの内容が偶然別のデータIDに一致する不具合が極めて生じにくくなり、ノイズの影響を効果的に排除することができる。
【0011】
本発明においてデータIDは、同一種別のデータを複数組転送したい場合に、その転送順位のみを特定するものとして使用することももちろん可能である。しかし、本発明の効果は、データIDにより異種のデータを特定する目的において、最も顕著に発揮される。具体的には、転送すべきデータが、データ種別の互いに異なる複数のブロックを含む場合であり、データIDは、データ種別に応じて互いに異なる内容に設定される。これにより、データID誤認識によるデータ種別の混同、ひいては、混同されたデータが本来とは異なるメモリエリアに書き込まれたりする、といった不具合を効果的に回避できる。
【0012】
車両用の操舵制御システムにおいては、近年コスト削減のため、操舵制御部に使用できるCPUの性能にも制限が加えられることが多く、CPUの内部処理ビット数やクロック周波数も低く抑えられる傾向にある。しかし、これと相反する要請として、操舵制御システムにおいては、ハンドル操作に操舵軸の回転をリアルタイムに追従させるため、操舵軸の駆動制御は可及的に迅速かつ円滑に行なうことが求められる。リアルタイム操舵制御を考慮した場合、操舵制御処理の一周期は長くとも数百μsに留めざるを得ず、この周期内にエコノミカルなCPUを用いて、種々のセンサからの出力取込や制御パラメータ決定演算をできるだけ多く行なわなければならない。従って、送信側CPUから受信側CPUへのデータ転送シーケンスも、限られた処理周期内にてできるだけ多くのデータ種別が網羅できるよう、転送すべきデータは、含まれるブロックのデータ種別を全て異なるものとし、データIDを、それらブロックに一対一に対応するものを、全て異なる内容に設定することが望ましいといえる。従来の方法では、こうした状況ではノイズによるデータID誤認の影響が特に生じやすかったが、本発明の採用により、このような場合においても、データID誤認の問題は発生せず、しかも、データIDの設定だけで対応できるので、ハードウェア的なコストアップ要因は皆無である。
【0013】
次に、データIDは、送信側CPUと受信側CPUとの間でどちらの方向に送信しても、データ転送処理は成立しうる。例えば、受信側CPUから必要なデータのデータIDをデータ送信元である送信側CPUに送信し、これを受けた送信側CPUがデータIDに対応したブロックを受信側CPUに転送するような方式も可能である。しかし、この方式は、送信側CPU側で、受けたデータIDに基づいて、送信すべきデータのブロックを検索する処理が必要となるため、無駄なステップが多くなる。また、受信側CPUは、データのブロックを受信するたびに、データの受信完了信号(いわゆるアクノリッジ信号)を返すようにすれば、データ送受信の精度が高められるが、余分な処理ステップ数がさらに必要となることはいうまでもない。そして、特に前述のような制限されたCPU環境下では、データ転送処理においてもなるべく余分なジョブを排除し、限られた周期内で必要なデータを高精度に転送することを考慮しなければならない。
【0014】
そこで、本発明においては、データIDは、送信側CPUから受信側CPUに向けて一方向的に送信されるものとし、受信側CPUは、各データIDにて特定される個々のブロックの受信に対しては、個別の受信完了信号を送信側CPUに返さないように構成することが有効であるといえる。この構成によると、送信側CPUは、データのブロックをデータIDとともに受信側CPUへ一方的に送信するだけで事足り、他方、受信側CPUは、データIDを参照して、受けたブロックに含まれるデータを予め定められたメモリエリアに格納するだけでよい。また、ブロックごとにいちいちアクノリッジ信号を返さないので、結果的に余分なステップはほとんど生じない。このような処理は、本発明の採用により、データID誤認のトラブルが本質的に生じにくいことが前提となって、初めて利用可能となるのである。なお、受信側CPUは、データIDの内容により最後のブロックの受信を確認した後、送信側CPUに受信完了信号を返すようにしておけば、すべてのデータ送信が完了したこと自体は送信側CPUにおいて問題なく確認でき、データ送受信の精度が損なわれることがない。
【0015】
送信側CPUと受信側CPUとは、パラレルデータポートを介してデータ通信を行なうものとすることができる。パラレル通信の採用により、CPU間のデータ転送レートを高めることができる。こうしたパラレルデータポートの採用は、採用可能なCPUの前記した低廉化の背景とも関係している。つまり、CPUの内部処理ビット数やクロック周波数を低く留めざるを得ない場合は、データ転送レート確保のため、パラレル通信の採用が不可欠ともなりうる。この場合、パラレルデータポートの予め定められた第一ビット列をデータIDに割り当て、残余のビット列の少なくとも一部をなす第二ビット列を転送されるべきデータに割り当てておけば、データIDの送信とブロックの送信とを、共通の周期により同時に制御できるので、CPUの処理負担をより軽減できる利点がある。
【0016】
主CPUのデータ処理内容を副CPUが監視する場合、例えば主CPUのデータ処理結果を副CPUに送信し、副CPU側にて、該副CPU側のデータ処理結果との照合を行ない、問題が発生した場合にのみ副CPU側から主CPU側に通知を行なうようにしてもよい。また、送信側CPUを副CPUとし、受信側CPUを主CPUとして、主CPUが副CPUからのデータ処理結果を受信し、主CPU側のデータ処理結果と照合して、その照合結果に基づき最終的に行なうべきデータ処理内容の確定を行なうこともできる。もちろん、主CPUと副CPUとの間で双方向のデータ通信を行なってもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
図1は、本発明が適用される車両用操舵制御システムの、全体構成の一例を模式的に示したものである(なお、本実施形態において「車両」は自動車とするが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではない)。該車両用操舵制御システム1は、操舵用ハンドル2に直結されたハンドル軸3と、車輪操舵軸8とが機械的に分離された構成を有する。車輪操舵軸8はアクチュエータとしてのモータ6により回転駆動される。車輪操舵軸8の先端はステアリングギアボックス9内に延び、該車輪操舵軸8とともに回転するピニオン10がラックバー11を軸線方向に往復動させることにより、車輪13,13の転舵角が変化する。なお、本実施形態の車両用操舵制御システム1においては、ラックバー11の往復動が、周知の油圧式、電動式あるいは電動油圧式のパワーアシスト機構12により駆動補助されるパワーステアリングが採用されている。
【0018】
ハンドル軸3の角度位置φは、ロータリエンコーダ等の周知の角度検出部からなるハンドル軸角度検出部101により検出される。他方、車輪操舵軸8の角度位置θは、同じくロータリエンコーダ等の角度検出部からなる操舵軸角度検出部103により検出される。また、本実施形態においては、自動車の運転状態を検出する運転状態検出部として、車速Vを検出する車速検出部(車速センサ)102が設けられている。車速検出部102は、例えば車輪13の回転を検出する回転検出部(例えばロータリエンコーダやタコジェネレータ)で構成される。そして、操舵制御部100が、検出されたハンドル軸3の角度位置φと車速Vとに基づいて、車輪操舵軸8の目標角度位置θ’を決定し、該車輪操舵軸8の角度位置θが目標角度位置θ’に近づくように、モータドライバ18を介してモータ6の動作を制御する。
【0019】
なお、ハンドル軸3と車輪操舵軸8との間には、両者を一体回転可能にロック結合したロック状態と、該ロック結合を解除したアンロック状態との間で切り替え可能なロック機構19が設けられている。ロック状態では、ハンドル軸3の回転角が変換されることなく(つまり、舵角変換比が1:1)車輪操舵軸8に伝達され、マニュアルステアリングが可能となる。該ロック機構19のロック状態への切り替えは、異常発生時などにおいて操舵制御部100からの指令によりなされる。
【0020】
図2は、モータ6による車輪操舵軸8の駆動部ユニットの構成例を、自動車への取付状態にて示すものである。該駆動部ユニット14において、ハンドル2(図1)の操作によりハンドル軸3を回転させると、モータケース33がその内側に組み付けられたモータ6とともに一体的に回転するようになっている。本実施形態においては、ハンドル軸3は、ユニバーサルジョイント319を介して入力軸20に連結され、該入力軸20がボルト21,21を介して第一カップリング部材22に結合されている。この第一カップリング部材22にはピン31が一体化されている。他方、ピン31は、第二カップリング部材32の一方の板面中央から後方に延びるスリーブ32a内に係合してはめ込まれている。他方、筒状のモータケース33は、第二カップリング部材32の他方の板面側に一体化されている。なお、符号44はゴムあるいは樹脂にて構成されたカバーであり、ハンドル軸3と一体的に回転する。また、符号46は、コックピットパネル48に一体化された駆動部ユニット14を収容するためのケースであり、符号45は、カバー44とケース46との間をシールするシールリングである。
【0021】
モータケース33の内側には、コイル35,35を含むモータ6のステータ部分23が一体的に組み付けられている。該ステータ部分23の内側には、モータ出力軸36がベアリング41を介して回転可能に組み付けられている。また、モータ出力軸36の外周面には永久磁石からなる電機子34が一体化されており、この電機子34を挟む形でコイル35,35が配置されている。なお、コイル35,35からは、モータケース33の後端面に連なるように給電端子50が取り出され、該給電端子50において給電ケーブル42によりコイル35,35に給電がなされる。
【0022】
後述の通り、本実施形態においてモータ6はブラシレスモータであり、給電ケーブル42は、該ブラシレスモータの各相のコイル35,35に個別に給電する素線を集合させた帯状の集合ケーブルとして構成されている。そして、モータケース33の後端側に隣接する形でハブ43aを有するケーブルケース43が設けられ、その中に給電ケーブル42が、ハブ43aに対してゼンマイ状に巻かれた形で収容されている。給電ケーブル42の、給電端子50に接続されているのと反対の端部は、ケーブルケース43のハブ43aに固定されている。そして、ハンドル軸3がモータケース33ひいては給電端子50とともに正方向又は逆方向に回転すると、ケーブルケース43内の給電ケーブル42は、ハブ43aへの巻き付き又は繰り出しを生じさせることにより、上記モータケース33の回転を吸収する役割を果たす。
【0023】
モータ出力軸36の回転は、減速機構7を介して所定比率(例えば1/50)に減速された上で車輪操舵軸8に伝達される。本実施形態において減速機構7は、ハーモニックドライブ減速機にて構成してある。すなわち、モータ出力軸36には、楕円型のインナーレース付ベアリング37が一体化され、その外側に変形可能な薄肉の外歯車38がはめ込まれている。そして、この外歯車38の外側に、カップリング40を介して車輪操舵軸8が一体化された内歯車39,139が噛み合っている。内歯車39,139は、同軸的に配置された内歯車(以下、第一内歯車ともいう)39と内歯車(以下、第二内歯車ともいう)139とからなり、第一内歯車39がモータケース33に固定されて該モータケース33と一体回転する一方、第二内歯車139はモータケース33に非固定とされ、該モータケース33に対して相対回転可能とされている。第一内歯車39はこれと噛み合う外歯車38との歯数差がゼロであり、外歯車38との間での相対回転を生じない(つまり、回転するモータ出力軸36に対して、第一内歯車39ひいてはモータケース33及びハンドル軸3が、遊転可能に結合されているともいえる)。他方、第二内歯車139は外歯車38よりも歯数が大きく(例えば2)、内歯車139の歯数をN、外歯車38と内歯車139との歯数差をnとすると、モータ出力軸36の回転をn/Nに減速した形で車輪操舵軸8に伝達する。また、内歯車39,139は、本実施形態においては、コンパクト化を図るために、ハンドル軸3の入力軸20、モータ出力軸36及び車輪操舵軸8が同軸的に配置されている。
【0024】
次に、ロック機構19は、ハンドル軸3に対して相対回転不能なロックベース部(本実施形態においてはモータケース33)側に固定されたロック部材51と、ロック受けベース部(本実施形態においては、モータ出力軸36側)に設けられたロック受け部材52とを有する。図3に示すように、ロック部材51は、ロック受け部材52に形成されたロック受け部53に係合するロック位置と、該ロック受け部53から退避したアンロック位置との間で進退可能に設けられている。本実施形態においては、車輪操舵軸8と一体的に回転するロック受け部材52の周方向にロック受け部53が所定の間隔で複数形成され、ロック部材51の先端に設けられたロック部51aが、車輪操舵軸8の回転角位相に応じて、それら複数のロック受け部53の任意の1つのものに選択的に係合するようになっている。ハンドル軸3はモータケース33に対し(本実施形態では、カップリング22及びピンにより)相対回転不能に結合されている。ロック部材51とロック受け部材52とが非係合(非ロック状態)の場合は、モータ出力軸36はモータケース33に対して回転し、その回転が外歯車38を経て第一内歯車39及び第二内歯車139にそれぞれ伝達される。モータケース33に固定された第一内歯車39は、前述の通り外歯車38に対して相対回転しないので、結果的にハンドル軸3と同速で回転する(つまり、ハンドル操作に追従して回転する)。また、第二内歯車139は、モータ出力軸36の回転を車輪操舵軸8に減速して伝達し、車輪操舵軸8の回転駆動を担う。他方、ロック部材51とロック受け部材52とが係合してロック状態になると、モータ出力軸36はモータケース33に対して相対回転不能となる。そして、減速機構7の内歯車39,139のうち、第一内歯車39がモータケース33に固定されているから、第一内歯車39、外歯車38及び第二内歯車139の順でハンドル軸3の回転が車輪操舵軸8に直接伝達されることとなる。
【0025】
なお、本実施形態においては、ロック受け部材52は、モータ出力軸36の一端の外周面に取り付けられ、各ロック受け部53は、該ロック受け部材52の外周面から半径方向に切れ込む凹状に形成されている。また、図2に示すように、ロック部材51は、モータケース33に設けられた回転ベース300に対し、車輪操舵軸8とほぼ平行な軸線周りに回転可能に取り付けられ、その後端部55aが結合されている。また、ソレノイド55の付勢が解除されたときに、ロック部材51を元の位置に弾性復帰させる弾性部材54が設けられている。ソレノイド55の付勢及び付勢解除の動作により、ソレノイド55aの先端に設けられた凸部55aとロック部材51の一端部51bに形成された溝部を介してロック部材51の先端に形成されたロック部51aが、前記したロック/アンロックのためにロック受け部材52に対し接近/離間する。なお、ソレノイド55の付勢時がロック状態となるアンロック状態となるかは選択可能であるが、本実施形態では、ソレノイド55の付勢時にアンロックとなるように定めてある。これによると、電源遮断時等においてソレノイド55が付勢解除されたとき、弾性部材54の作用によりロック状態となり、マニュアル操舵が可能となる。
【0026】
図4は、操舵制御部100の電気的構成の一例を示すブロック図である。操舵制御部100の要部をなすのは2つのマイコン110及び120である。主マイコン110は、主CPU111、制御プログラムを格納したROM112、CPU111のワークエリアとなる主CPU側RAM113及び入出力インターフェース114を有する。また、副マイコン120は、副CPU121、制御プログラムを格納したROM122、副CPU121のワークエリアとなる副CPU側RAM123及び入出力インターフェース124を有する。車輪操舵軸8を駆動するモータ6(アクチュエータ)の動作制御を直接行なうのは主マイコン110であり、副マイコン120は、必要なパラメータ演算等、モータ6の動作制御に必要なデータ処理を主マイコン110と並行して行なうとともに、そのデータ処理結果を主マイコン110との間で通信することにより、主マイコン110の動作が正常であるかどうかを監視・確認し、必要に応じて情報の補完を行なう補助制御部としての機能を果たす。本実施形態において主マイコン110と副マイコン120とのデータ通信は、入出力インターフェース114,124間のパラレル通信によりなされる。なお、両マイコン110及び120は、自動車の運転終了後(すなわち、イグニッションOFF後)においても、図示しない安定化電源からの電源電圧Vcc(例えば+5V)の供給を受け、RAM113,123あるいはEEPROM(後述)115の記憶内容が保持されるようになっている。
【0027】
ハンドル軸角度検出部101、車速検出部102及び操舵軸角度検出部103の各出力は、主マイコン110及び副マイコン120の入出力インターフェース114,124にそれぞれ分配入力される。本実施形態では、いずれの検出部もロータリエンコーダで構成され、そのエンコーダからの計数信号が図示しないシュミットトリガ部を経て入出力インターフェース114,124のデジタルデータポートに直接入力されている。また、主マイコン110の入出力インターフェース114には、前述のロック機構19の駆動部をなすソレノイド55が、ソレノイドドライバ56を介して接続されている。
【0028】
モータ6はブラシレスモータ、本実施形態では3相ブラシレスモータにて構成されている。図2に示すコイル35,35は、図5に示すように、120゜間隔で配置された3相のコイルU,V,Wからなり、これらのコイルU,V,Wと、電機子34との相対的な角度関係が、モータ内に設けられた角度センサをなすホールICにより検出される。そして、これらホールICの出力を受けて、図1のモータドライバ18は、図5に示すように、コイルU,V,Wの通電を、W→U(1)、U→V(3)、V→W(5)のごとく循環的に順次切り替える(正方向回転の場合:逆方向回転の場合は、上記の逆順のスイッチングとなる)。図8(b)に、正方向回転の場合の、各相のコイルの通電シーケンスを示している(「H」が通電、「L」が非通電を表す:逆方向回転の場合は、図の左右を反転したシーケンスとなる)。図中の括弧書きの数字は、図5の対応する番号における電機子34の角度位置を表している。
【0029】
図4に戻り、モータ6の回転制御は、上記コイルU,V,Wの各相の通電切り替えシーケンスに、駆動制御部100(本実施形態では、主マイコン110)からのPWM信号によるデューティ比制御シーケンスが重畳された形で行なわれる。図7は、モータドライバ18の回路例を示すもので、コイルU,V,Wの各端子u,u’,v,v’,w、w’に対応したFET(半導体スイッチング素子)75〜80が、周知のH型ブリッジ回路を構成するように配線されている(符号87〜92は、コイルU,V,Wのスイッチングに伴なう誘導電流のバイパス経路を形成するフライホイールダイオードである)。ANDゲート81〜86によりモータ側のホールIC(角度センサ)からのスイッチング信号と駆動制御部100からのPWM信号との論理積信号を作り、これを用いてFET75〜80をスイッチング駆動すれば、通電に関与する相のコイルを選択的にPWM通電することができる。なお、PWM通電の方式によっては、H型ブリッジ回路の上段(75,77,79)あるいは下段(76,78,80)のFETにのみPWM信号を入力すればよく、この場合は、ANDゲート81〜86のうち対応するものを省略して、ホールICからのスイッチング信号を直接入力するように構成することができる。
【0030】
なお、駆動制御部100側においてFET75〜80にPWM信号を順次与えるためのタイミングは、ホールIC(角度センサ)からの信号を駆動制御部100に分配することにより認識させてもよいが、本実施形態では、別途、角度センサとしてのロータリエンコーダを用いてこれを検出している。このロータリエンコーダはモータ出力軸36の回転角度を検出するものであり、その角度検出値は減速後の車輪操舵軸8の角度位置と一義的な対応関係を有する。そこで、本実施形態では、このロータリエンコーダを操舵軸角度検出部103として利用する。
【0031】
図8(a)は、上記のロータリエンコーダを模式的に示すもので、ブラシレスモータの通電シーケンスを制御するために、時系列的な出現順序が定められたコイル通電パターンを各々特定するためのビットパターン(角度識別パターン)が、円板の周方向に一定の角度間隔で形成されたものである。本実施形態においてビットパターンは、図面中ハッチング領域で示すスリットであり、回転体をなす円板の周方向に区間を定めて形成されたスリット群が、円板の半径方向に複数組(本実施形態では3組)形成されている。検出部としては、各スリット群に対応した図示しない透過型光センサ(例えばフォトカプラなど)が用いられ、半径方向の各スリット郡の形成位置において、スリットが検出されるか否かの組合せにより、円板の回転角度位相を示すビットパターンを出力する。
【0032】
本実施形態においては、3相ブラシレスモータを使用しているので、図8(b)に示すコイルU,V,Wの通電シーケンスが得られるように、その(1)〜(6)(図5参照)の通電パターンに対応した6種類のビットパターンが、円板の周方向に30゜間隔で形成されている。従って、モータ6の電機子34が回転すると、これと同期回転する上記ロータリエンコーダからは、現在通電されるべきコイルを特定するビットパターンが刻々出力される。そこで、駆動制御部100は、このエンコーダのビットパターンを読み取ることにより、PWM信号を送るべきコイルの端子(すなわち、図7のFET75〜80)を自発的に決定することができる。
【0033】
モータ出力軸36の回転は減速されて車輪操舵軸8に伝達されるから、車輪操舵軸8が1回転する間に、ロータリエンコーダが設けられるモータ出力軸36は複数回回転する。従って、モータ出力軸36の絶対角度位置のみを示すエンコーダのビットパターンからは、車輪操舵軸8の絶対角度位置を知ることはできない。従って、図4に示すように、RAM113(123)内に、ビットパターン変化の検出回数を計数するカウンタ(操舵軸角度位置カウンタ)を形成し、操舵軸角度位置(θ)をそのカウント数から求めるようにしてある。従って、機能的にはインクリメント型ロータリエンコーダに相当するものとみなすことができる。なお、モータ出力軸36(モータ6の電機子)の絶対角度位置についてはビットパターンの種別により読み取ることができるから、そのビットパターンの変化順序をモニタすれば、モータ出力軸36ひいては車輪操舵軸8の回転方向(すなわち、ハンドルを切る向きである)を知ることができる。従って、車輪操舵軸8の回転方向が正であれば上記のカウンタをインクリメントし、逆であればカウンタをデクリメントする。
【0034】
モータドライバ18には、モータ6の電源となる車載バッテリー57が接続されている。モータドライバ18が受電するバッテリー57の電圧(電源電圧)Vsは、自動車の各所に分散した負荷の状態や、オルターネータの発電状態により随時変化する(例えば9〜14V)。本実施形態においては、このような変動するバッテリー電圧Vsを、安定化電源回路を介さず、モータ電源電圧として直接使用する。操舵制御部100は、このように相当幅にて変動する電源電圧Vsの使用を前提として、モータ6の制御を行なうので、電源電圧Vsの測定部が設けられている。本実施形態では、モータ6への通電経路(ドライバ18の直前)から電圧測定用の分岐経路が引き出され、そこに設けられた分圧抵抗60,60を経て電圧測定信号を取り出している。該電圧測定信号はコンデンサ61により平滑化された後、電圧フォロワ62を経て入出力インターフェース114,124のA/D変換機能付入力ポート(以下、A/Dポートという)に入力される。
【0035】
また、過電流発生の有無など、モータ6の通電状態を監視するために、モータ6への通電経路上に電流検出部が設けられている。具体的には、経路上に設けられたシャント抵抗(電流検出抵抗)58の両端電圧差を電流センサ70により測定し、入出力インターフェース114,124のA/Dポートに入力するようにしている。電流センサ70は、例えば図6に示すように、シャント抵抗58の両端電圧を、電圧フォロワ71,72を介して取り出し、オペアンプ73と周辺の抵抗器74とからなる差動増幅器75により増幅して出力するものである。差動増幅器75の出力は、シャント抵抗58を流れる電流値に比例したものとなるので、これを電流測定値Isとして用いることができる。なお、シャント抵抗以外にも、ホール素子や電流検出コイルなど、電磁的な原理に基づいて電流検出するプローブを用いてもよい。
【0036】
図4に戻り、両マイコン110,120のRAM113,123には、それぞれ以下のようなメモリエリアが形成されている。
▲1▼車速測定値メモリ:車速センサ102からの現在の車速の測定値を記憶する。
▲2▼ハンドル軸角度位置(φ)カウンタメモリ:ハンドル軸角度位置検出部101をなすロータリエンコーダからの計数信号をカウントし、ハンドル軸角度位置φを示すそのカウント値を記憶する。なお、ロータリエンコーダは回転方向の識別が可能なものを使用し、正方向回転の場合はカウンタをインクリメントし、逆方向回転の場合はデクリメントする。
▲3▼舵角変換比(α)算出値メモリ:車速測定値に基づいて算出された舵角変換比αを記憶する。
▲4▼目標操舵軸角度位置(θ’)算出値メモリ:現在のハンドル軸角度位置φと舵角変換比αとの値から、例えばφ×αにより算出された操舵軸角度位置の目標値、すなわち目標操舵軸角度位置θ’の値を記憶する。
▲5▼操舵軸角度位置(θ)カウンタメモリ:操舵軸角度検出部103をなすロータリエンコーダからの計数信号をカウントし、操舵軸角度位置θを示すそのカウント値を記憶する。
▲6▼Δθ算出値メモリ:目標操舵軸角度位置θ’と現在の操舵軸角度位置θとの隔たりΔθ(=θ’−θ)の算出値を記憶する。
▲7▼電源電圧(Vs)測定値メモリ:モータ6の電源電圧Vsの測定値を記憶する。
▲8▼デューティ比(η)決定値メモリ:モータ6をPWM通電するための、Δθと電源電圧Vsとに基づいて決定されたデューティ比ηを記憶する。
▲9▼電流(Is)測定値メモリ:電流センサ70による電流Isの測定値を記憶する。
【0037】
また、主マイコン110の入出力インターフェース114には、運転終了時(つまり、イグニッションOFF時)における車輪操舵軸8の角度位置、すなわち終了角度位置を記憶するためのEEPROM115が第二の記憶部として設けられている。該EEPROM115(PROM)は、主CPU111が主CPU側RAM112に対するデータ読出し/書込みを行なう第一の動作電圧(+5V)においては、主CPU111によるデータの読出しのみが可能であり、他方、第一の動作電圧(+5V)とは異なる第二の動作電圧(本実施形態では、第一の動作電圧より高い電圧が採用される:例えば+7V)を設定することにより主CPU111によるデータの書込みが可能となるものであり、主CPU111が暴走しても内容が誤って書き換えられることがない。第二の動作電圧は、EEPROM115と入出力インターフェース114との間に介在する図示しない昇圧回路によって生成される。
【0038】
以下、車両用操舵制御システム1の動作について説明する。
図12には、主マイコン110による制御プログラムの主ルーチンの処理の流れを示すものである。S1は初期化処理であり、前回イグニッションスイッチをOFFにしたときの終了処理にてEEPROM115に書き込まれている車輪操舵軸8の終了角度位置(後述)を読み出し、該終了角度位置を、処理開始に際しての車輪操舵軸8の初期角度位置として設定することを要旨とする。具体的には、終了角度位置を示すカウンタ値を、前述の操舵軸角度位置カウンタメモリにセットする。なお、後述するEEPROM115へのデータ書込み完了フラグは、この時点でクリアしておく。
【0039】
初期化処理が終了すれば、S2に進んで操舵制御処理となる。該操舵制御処理は、パラメータサンプリングの間隔を均一化するために、一定の周期(例えば数百μs)にて繰り返し実行される。その詳細を、図13により説明する。S201においては、現在の車速Vの測定値をリードし、次いでS202ではハンドル軸角度位置φをリードする。そして、S203においては、車速Vの算出値から、ハンドル軸角度位置φを目標操舵軸角度位置θ’に変換するための舵角変換比αを決定する。舵角変換比αは、車速Vに応じて異なる値が設定される。具体的には、図10に示すように、車速Vが一定以上に大きい状態では、舵角変換比αは小さく設定され、車速Vが一定以下に小さい低速走行時には舵角変換比αは大きく設定される。本実施形態では、図9に示すような、種々の車速Vに対応した舵角変換比αの設定値を与えるテーブル130をROM112(122)に格納しておき、このテーブル130を参照して現在の車速Vに対応する舵角変換比αを補間法により算出する。なお、本実施形態においては、車両の運転状態を示す情報として車速Vを用いているが、これ以外にも、車両が受ける横圧や路面の傾斜角等を車両の運転状態を示す情報としてセンサにより検出し、その検出値に応じて舵角変換比αを特有の値に設定することが可能である。また、車速Vに応じて舵角変換比αの基本値を決定し、上記のような車速以外の情報に基づいて、その基本値を随時補正して使用することも可能である。
【0040】
S204では、検出されたハンドル軸角度位置φに、決定された舵角変換比αを乗じて目標操舵軸角度位置θ’を算出する。そして、S205において、現在の操舵軸角度位置θを読み取る。この操舵軸角度位置θの読み取りは、具体的には以下のようにして行っている。図8のロータリエンコーダからのビットパターンの変化を計数信号として、操舵軸角度位置カウンタにより計数し、その計数値によって与えられる。ビットパターンが変化したかどうかは、前回周期にて検出したビットパターンをメモリ記憶ないしハードウェア的にラッチしておき、次に入るビットパターンと照合したとき、両者が一致したかどうかにより検出できる。前述の通り、各ビットパターンはエンコーダの円板の回転位相を個別に表すものであるから、円板の回転方向によりビットパターンの変化シーケンスも変わる。従って、あるビットパターンがその前後のビットパターンのいずれに変化したかを見て回転方向を識別し、カウンタの計数値をインクリメントするかデクリメントするかを決める。
【0041】
図13に戻り、S206では、上記のようにして更新確定された現在の操舵軸角度位置θ(操舵軸角度位置カウンタから求められたもの)と目標操舵軸角度位置θ’との隔たりΔθ(=θ’−θ)を算出する。さらにS207においては、現在の電源電圧Vsの測定値を読み取る。モータ6は、目標操舵軸角度位置θ’と現在の操舵軸角度位置θとの差Δθが縮小するように車輪操舵軸8を回転駆動する。そして、操舵軸角度位置θが目標操舵軸角度位置θ’に迅速かつスムーズに近づくことができるように、Δθが大きいときはモータ6の回転速度を大きくし、逆にΔθが小さいときはモータ6の回転速度を小さくする。基本的にはΔθをパラメータとした比例制御であるが、オーバーシュートやハンチング等を抑制し、制御の安定化を図るために、Δθの微分あるいは積分を考慮した周知のPID制御を行なうことが望ましい。
【0042】
モータ6は前述の通りPWM制御されており、回転速度は、そのデューティ比ηを変更することにより調整される。電源電圧Vsが一定であれば、デューティ比により回転速度をほぼ一義的に調整できるが、本実施形態では前述の通り電源電圧Vsは一定でない。従って、電源電圧Vsも考慮してデューティ比ηを定めるようにする(S208)。例えば、図11に示すように、種々の電源電圧VsとΔθとの各組合せに対応したデューティ比ηを与える二次元のデューティ比変換テーブル131をROM112(122)に格納しておき、電源電圧Vsの測定値とΔθの算出値に対応するデューティ比ηの値を読み取って用いることができる。なお、モータ6の回転速度は負荷によっても変動する。この場合、電流センサ70によるモータ電流Isの測定値を元に、モータ負荷の状態を推定し、デューティ比ηを補正して用いることも可能である。
【0043】
上記のデータ処理は、図4の主マイコン110(主CPU111)と副マイコン120(副CPU121)との双方にて並列的に実行される。本実施形態では、主マイコン110の動作が正常であるかどうかが、以下のような通信処理によって副マイコン120により監視されている。すなわち、主マイコン110のRAM113に記憶された各パラメータの演算結果、つまり主CPU111側のデータ処理結果が、副マイコン120に前記したパラレル通信により随時転送され、副マイコン120側にて、RAM123に記憶された副CPU121側のデータ処理結果と内容照合され、例えば照合の一致・不一致に基づいて異常発生の判定がなされる。副マイコン120側において異常判定があれば、結果が主マイコン110に通知される。主マイコン110側では、これを受けて制御の修正や、場合により、前記したロック機構19によるマニュアルステアリング処理に切り替える処理などを行なう。主マイコン110と副マイコン120との間でパラレル通信によりやり取りされる主なデータは、以下のようなものである:車速測定値、ハンドル軸角度位置(あるいは、ロータリエンコーダからの計数信号を表すビットパターンなど)、舵角変換比、目標操舵軸角度位置、操舵軸角度位置(カウンタ値)、電源電圧測定値、電流測定値。ただし、これ以外にも、判定結果や処理の許可・不許可などを表すフラグ値など、種々のデータが含まれる。
【0044】
図4に示すように、主マイコン110から副マイコン120へのデータ転送は、パラレルデータポートを有する入出力インターフェース114,124間にて行なわれる。パラレルデータポートのうち、予め定められた第一ビット列(本実施形態では4ビット)をデータIDに割り当て、残余のビット列をなす第二ビット列をデータ転送に割り当てる。データ転送のための通信処理は、主CPU111側はROM112に、副CPU121側はROM122にそれぞれ格納された通信プログラムによって行なわれる。図14は送信側CPUをなす主CPU121側の、また、図15は受信側CPUをなす副CPU121側の、各通信処理の流れを示すフローチャートである。処理に必要なパラメータ(例えば現在及び前回のデータID)のメモリは、RAM113,123に形成されている。
【0045】
まず、主CPU121によるデータ送信処理の流れを図14により説明する。S401において、最初のデータIDをセットし、S402ではそのデータIDに対応するデータのブロックをRAM113から読み出す。そして、S403において、セットされたデータIDと読み出されたブロックを、入出力インターフェース114のパラレルデータポートから出力する。データIDとデータの出力は一定期間継続し、データIDのブロック送信が最後のものでなければ、S405に進んで次のデータIDをセットする。その後、S402に戻って、上記の処理を繰り返す。後述の通り副CPU121からは、個々のブロック受信に対する受信完了信号(アクノリッジ信号)が返されないので、一定の出力継続時間が満了すればデータIDと送信ブロック内容を切り替えて、一方的に副CPU121側へ送信する処理である。
【0046】
データIDは、図16に示すように、Hレベル(「1」:第一ビットレベル)とLレベル(「0」:第二ビットレベル)とのいずれかに設定されるIDビットを複数(本実施形態では4ビット)含むパラレルビット列からなる。このIDビットの列は、二進法による番号としてみたとき、データIDのID番号を意味しているともいえるが、データIDの転送順序は、そのID番号の順序とは全く無関係に、以下の規則を優先して設定されている。すなわち、データ転送に際して先行するデータIDから次のデータIDに切り替える際に、「1」から「0」に変化する第一種ビットと、「0」から「1」に変化する第二種ビットとの双方がパラレルビット列内に必ず生ずるように、データIDの内容及び切り替えシーケンスが定められている。
【0047】
図16では、合計12のデータIDが定められ、図に示す順序で、順次切り替えてブロックの転送がなされる。各データIDが示すブロックは、データ種別の互いに異なるものとされている。また、データIDは、それらブロックに一対一に対応するものが、全て異なる内容に設定されている。図では便宜的に切り替えシーケンス上のデータIDの順位を1〜12の連番にて示しているが、個々のデータIDのビットが示す番号は、例えば1番では1110B(=14D)、2番では0101B(=5D)、というようにビットが示す番号とデータID切り替えの順序とは全く無関係である。他方、第一ビット及び第三ビットに着目すれば、1番では「1」、2番では「0」であるから、「1」から「0」に変化する第一種ビットであり、第四ビットに着目すれば、1番では「0」、2番では「1」であるから、「0」から「1」に変化する第二種ビットである。つまり、ビットレベルの変化方向が互いに逆となる、第一種ビットと第二種ビットとの双方がパラレルビット列内に生じている。他の隣接するデータIDについても確認してみればわかる通り、このような第一種ビットと第二種ビットとの混在は、すべてのデータIDの切り替え時に生じている。このように第一種ビットと第二種ビットとが常に混在するようにデータIDの切り替えシーケンスを定めることで、ノイズによるデータID誤認等の不具合が効果的に防止されることは、既に「課題を解決するための手段及び作用・効果」の欄にて詳しく説明したので、ここでは繰り返さない。
【0048】
RAM113から読み出されるブロックのビット数は、最大で前記した第二ビット列のビット数までである。この最大ビット数の範囲内であれば、これよりもビット数の小さい制御パラメータ(例えば、精度があまり要求されない桁数の小さいデータやフラグ値など)を複数割り当てて同時に送信することができる。逆に最大ビット数を超える大きなビット数の制御パラメータ(例えば、車速測定値、ハンドル軸角度位置、操舵軸角度位置、電源電圧測定値、電流測定値など、精度の要求される桁数の大きいデータ)は、分割して複数のブロックに割り振り(例えば上位ビットと下位ビット)、順次転送することもできる。
【0049】
図14に戻り、副CPU121からは、最後のブロック受信に対する受信完了信号(アクノリッジ信号)は返されるようになっているので、S404にて最後のデータIDのブロック送信が完了すればS406に進み、送信先である副CPU121から、データの受信完了信号を受けているかどうかを確認する。受信完了信号を受けていれば、データ送信処理は終了する。なお、S407において、一定時間待って受信完了信号が来なかった場合は、副CPU121側で何らかのトラブルが発生したと判断し、S408に進んで異常対応処理とする。操舵制御処理の1周期の残り時間に余裕があれば、上記のデータ転送のシーケンスをもう一度繰り返してもよいし、余裕のない場合は、この1周期のデータは不採用とする処理を行なってもよい。なお、予め定められた複数周期にわたって、データ送信処理における副CPU121からの受信完了信号がない場合は、副CPU121の故障と判定し、前記したロック機構19を作動させてマニュアル操舵とすることも可能である。
【0050】
図15は、副CPU121側のデータの受信処理の流れを示すものである。S301でデータID値を初期化し、これを前回データIDとしてセットする。S302では、データIDの受信ポートをリードし、S303で、そのデータIDが前回データIDから変化したかどうかを確認する。Yesの場合はS304に進み、そのデータIDが正しいデータIDであるかどうかを判定する。この判定は、RAM123などに正しいデータIDの内容とシーケンスとを示す参照データを記憶しておき、その参照データとの照合により行なうことができる。既に説明した通り、本発明のようにデータIDの内容と転送シーケンスとを定めることにより、ノイズが重畳すれば、他のいずれのデータIDとも異なる内容に変化する結果、S304での判定にて異常データIDとして容易に除外できる。
【0051】
そして、S304でデータIDが正しいと判定されれば、S305にて該データIDとともに送られてきているデータのブロックを取り込む(なお、S303及びS304においてNoの場合は、S302に戻ってデータIDの受信ポートを再度リードし、以下、同様の処理となる)。例えばROM122内には、転送されるブロック内の各ビットの、RAM123における格納アドレスがデータID毎に記憶されており、これを参照してブロックを構成するデータのRAM123への書込みが行なわれる。もし、ノイズ等によりデータIDに誤認が生ずると、違うデータIDが示す格納アドレスにデータの書込みが行なわれることにつながるが、本実施形態では、本発明の採用によりデータIDの誤認が生じにくくなっているので、こうした不具合が極めて生じにくい。
【0052】
S307では、ブロックの取込が完了後、現在のデータIDを前回データIDとしてセットしなおし、S302に戻って次のブロック取込のため、以下の処理を繰り返す。この処理の流れからも明らかな通り、個々のブロック取込に対応した受信完了信号の送信は行なわない。しかし、S306において最後のデータIDに対応するブロックの受信を確認したら、S308に進んで、全データの受信完了を通知するために、主CPU111(受信側CPU)に対し受信完了信号を返す。
【0053】
図13に戻り、主マイコン110側では、上記のようなデータ通信により、副マイコン120(副CPU121)による監視を受けつつ、S208にて最終的なデューティ比ηを決定する。そして、その決定されたデューティ比ηを元にPWM信号を生成する。さらに、操舵軸角度検出部103をなすロータリエンコーダからの信号を参照してモータドライバ18に対し、通電に関与する相のコイルをスイッチングするFET(図7)へ該PWM信号を出力することにより、モータ6をPWM制御する。
【0054】
図12に戻り、自動車の運転終了時には以下のような処理を行なう。すなわち、S3において、イグニッションスイッチがOFFされているかどうかを確認し、もしOFFされている場合はS4の終了処理となる。すなわち、イグニッションスイッチがOFFになっている場合は、自動車の運転が終了したことを意味するから、主マイコン110において操舵軸角度位置カウンタに記憶されている、車輪操舵軸8の終了角度位置を読み出し、これをEEPROM115に格納し、さらに、RAM113に設けられたデータ書込み完了フラグをセットして処理を終了する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両用操舵制御システムの全体構成を模式的に示す図。
【図2】駆動部ユニットの一実施例を示す縦断面図。
【図3】図2のA−A断面図。
【図4】本発明の車両用操舵制御システムの電気的構成の一例を示すブロック図。
【図5】本発明の実施形態に使用する3相ブラシレスモータの動作説明図。
【図6】電流センサの回路例を示す図。
【図7】3相ブラシレスモータのドライバ部分の一例を示す回路図。
【図8】図5の3相ブラシレスモータに使用するロータリエンコーダの説明図。
【図9】舵角変換比と車速との関係を与えるテーブルの模式図。
【図10】車速に応じて舵角変換比を変化させるパターンの一例を示す模式図。
【図11】モータ電源電圧と角度偏差Δθとによりデューティ比を決定するための二次元テーブルの模式図。
【図12】本発明の車両用操舵制御システムにおけるコンピュータ処理の主ルーチンの一例を示すフローチャート。
【図13】図12の操舵制御処理の詳細の一例を示すフローチャート。
【図14】主CPU側におけるデータ送信処理の流れを示すフローチャート。
【図15】副CPU側におけるデータ受信処理の流れを示すフローチャート。
【図16】データIDの内容と転送シーケンスとの設定例を示すタイミングチャート。
【図17】データIDに及ぼすノイズの影響を説明する図。
【符号の説明】
3 ハンドル軸
6 モータ(アクチュエータ)
8 車輪操舵軸
100 操舵制御部
101 ハンドル軸角度検出部
103 操舵軸角度検出部
111 主CPU
121 副CPU

Claims (6)

  1. 操舵用のハンドル軸の操作角と車両の運転状態とに応じて前記車輪操舵軸に与えるべき操舵角を決定し、当該操舵角が得られるように前記車輪操舵軸をアクチュエータにより回転駆動するようにした車両用操舵制御システムにおいて、
    前記ハンドル軸の角度位置(以下、ハンドル軸角度位置という)を検出するハンドル軸角度検出部と、
    前記車輪操舵軸の角度位置(以下、操舵軸角度位置という)を検出する操舵軸角度検出部と、
    前記車両の運転状態を検出する運転状態検出部と、
    検出されたハンドル軸角度位置と車両の運転状態とに基づいて前記車輪操舵軸の目標角度位置を決定し、該操舵軸角度位置が前記目標角度位置に近づくように、前記アクチュエータの動作を制御する操舵制御部とを備え、
    前記操舵制御部は、前記アクチュエータの動作制御主体をなす主CPUと、前記アクチュエータへの動作指令内容を決定するために前記主CPUが行なうデータ処理の少なくとも一部を、該主CPUと並行して行なう監視用の副CPUとを有し、前記主CPUと前記副CPUとの一方を送信側CPU、他方を受信側CPUとして、前記送信側CPUのデータ処理結果を示すデータを該送信側CPUから前記受信側CPUへ通信により転送し、前記受信側CPUが、自身のデータ処理結果と前記送信側CPUから受信したデータ処理結果とに基づいて、前記主CPUが最終的に行なうべきデータ処理内容の確定を行なうものであり、
    前記送信側CPUから前記受信側CPUへ転送すべきデータの全体が、データIDにて個々に特定される複数のブロックに分割され、前記データIDを切り替えながらブロック単位にてデータ転送が順次行なわれるとともに、前記データIDは、第一ビットレベルと第二ビットレベルとのいずれかに設定されるIDビットを複数含むパラレルビット列からなり、さらに、前記データ転送において、先行するデータIDから次のデータIDに切り替える際に、前記第一ビットレベルから前記第二ビットレベルに変化する第一種ビットと、前記第二ビットレベルから前記第一ビットレベルに変化する第二種ビットとの双方が前記パラレルビット列内に必ず生ずるように、個々のブロックを特定するためのデータIDの内容及び切り替えシーケンスが定められてなることを特徴とする車両用操舵制御システム。
  2. 前記転送すべきデータが、データ種別の互いに異なる複数のブロックを含み、前記データIDは、前記データ種別に応じて互いに異なる内容に設定される請求項1記載の車両用操舵制御システム。
  3. 前記転送すべきデータは、含まれるブロックのデータ種別が全て異なるものであり、前記データIDは、それらブロックに一対一に対応するものが、全て異なる内容に設定されてなる請求項2記載の車両用操舵制御システム。
  4. 前記データIDは、前記送信側CPUから前記受信側CPUに向けて一方向的に送信されるものであり、前記受信側CPUは、各データIDにて特定される個々のブロックの受信に対しては、個別の受信完了信号を前記送信側CPUに返さない請求項2又は3に記載の車両用操舵制御システム。
  5. 前記受信側CPUは、前記データIDの内容により最後のブロックの受信を確認した後、前記送信側CPUに受信完了信号を返すものである請求項4記載の車両用操舵制御システム。
  6. 前記送信側CPUと前記受信側CPUとはパラレルデータポートを介してデータ通信を行なうものであり、前記パラレルデータポートの予め定められた第一ビット列が前記データIDに割り当てられ、残余のビット列の少なくとも一部をなす第二ビット列が前記転送されるべきデータに割り当てられている請求項1ないし5のいずれか1項に記載の車両用操舵制御システム。
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