JP2004058695A - 振動デバイス及びその駆動方法並びにその振動加速度の決定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両における振動デバイスを、人の振動分別閾よりも大きく、人が不快を感じないような最適な振動加速度で振動するようにする。
【解決手段】車両50の運転席50aの左側に土台51を載置し、土台51の上に加振装置53を設ける。加振装置53はソレノイド等を備え、加振装置53の上に設けられている振動板54を任意の振動速度で振動板54を振動することができるようになっている。運転席50aに被験者55を座らせ、その左手の指先が振動板54の表面に触れるようにする。そして、任意の振動加速度で振動板54を振動させながら、被験者55に振動刺激を感じるか否か質問を行う。そして、任意の振動加速度毎に、振動刺激を感じると応えた人数を求め、振動感受率を計算し、計算された振動感受率から、100%の人が振動刺激を感じると予測される最小振動加速度を求める。
【選択図】 図5
【解決手段】車両50の運転席50aの左側に土台51を載置し、土台51の上に加振装置53を設ける。加振装置53はソレノイド等を備え、加振装置53の上に設けられている振動板54を任意の振動速度で振動板54を振動することができるようになっている。運転席50aに被験者55を座らせ、その左手の指先が振動板54の表面に触れるようにする。そして、任意の振動加速度で振動板54を振動させながら、被験者55に振動刺激を感じるか否か質問を行う。そして、任意の振動加速度毎に、振動刺激を感じると応えた人数を求め、振動感受率を計算し、計算された振動感受率から、100%の人が振動刺激を感じると予測される最小振動加速度を求める。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に備えられるタッチパネル等に代表される振動デバイス及びその駆動方法並びにその振動加速度の決定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えば、車両においては、エアコン、カーナビ、ラジオ、オーディオといった機能の操作を1つの操作デバイスに集約させ、より運転に集中できるようにすることが行われていた。そして、このような操作デバイスとして、特開2000−194427号公報に開示されたタッチ操作入力装置があり、このタッチ操作入力装置は、ディスプレイとタッチパネル(タッチトレーサ)とを備えていた。そして、ディスプレイに複数の操作機能項目を表示させ、タッチトレーサの入力パッドを、運転者が指先等でタッチ操作することによってディスプレイの画面上に表示された複数の操作機能項目を選択入力できるようになっていた。
【0003】
また、このタッチ操作入力装置は、振動制御部とソレノイドとを備え、操作機能項目の選択入力に基づいてソレノイドを作動させ、タッチトレーサの入力パッドを振動させることが可能となっていた。これにより、運転者が指先等でタッチ操作をすると、入力パッドが振動されて指先に振動が伝わるようになり、運転者は、ディスプレイの画面を見なくても、どこをタッチ操作しているか確認できるようになっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、人は、指先に伝えられる全ての振動を感じることができるわけではなく、振動分別閾(振動が感じられるか感じられないかの境目の値)を有していることが知られていた。従って、上記のような入力パッドに代表される振動デバイスは、人に感知されるために、前記振動分別閾以上の振動加速度で振動される必要があった。そこで、振動弁別閾の計測や導出が行われるようになっていたが、これらの計測や導出は、実験室レベルで行われ、周囲の環境がほぼ停止した状態で行われていた。従って、実際の運転中のように、周囲に各種の振動が生じている状況での計測や導出は行われておらず、上記のような車両における振動デバイスの振動分別閾は不明確であった。
【0005】
また、人は、指先に伝えられる振動に対して、不快感を抱く場合があり、タッチパネルの加振手段の振動速度を、人が不快に感じないように最適な値にすることが望まれていた。しかし、このような最適値に関する計測や導出についても、実験室レベルのみ行われており、周囲に各種の振動が生じている状況では行われていなかった。従って、実際の運転に即した状況での、人の振動分別閾や振動の最適値を得ることが望まれていた。
【0006】
本発明は、車両におけるタッチパネル等に代表される振動デバイスの振動を、人の振動分別閾よりも大きく、かつ、人が不快を感じないような最適な振動加速度とする、振動デバイス及びその駆動方法並びにその振動加速度の決定方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、接触部材と、同接触部材の人体による接触に応答して前記接触部材を振動させる加振手段とを備えた振動デバイスにおいて、前記加振手段を16.5m/s2以上の振動加速度で振動させる振動パターンを記憶する記憶部と、前記記憶部の前記振動パターンに従って、前記加振手段の振動を制御する制御手段とを備えたことを要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の振動デバイスにおいて、前記振動パターンは、130Hzの振動周波数で前記加振手段を振動させるものであることを要旨とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の振動デバイスにおいて、前記振動パターンは35.4±18.3m/s2の範囲内の振動加速度で前記加振手段を振動させるものであることを要旨とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、接触部材と、同接触部材の人体による接触に応答して前記接触部材を振動させる加振手段とを備えた振動デバイスの駆動方法において、前記加振手段は、前記人体の振動感受率が100%となるような振動加速度で前記接触部材を振動させることを要旨とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、接触部材と、同接触部材の人体による接触に応答して前記接触部材を振動させる加振手段とを備えた振動デバイスの振動加速度の決定方法において、車両に備えられた振動部材を振動させ、前記振動部材の振動加速度を変化させながら、前記振動部材に被験者の人体を接触させ、前記人体に生じる振動刺激に基づいて前記振動加速度を測定する測定段階を備え、前記測定段階において測定された前記振動加速度に基づいて前記振動デバイスの前記接触部材が振動するように前記振動デバイスを設計することを要旨とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の振動デバイスの振動加速度の決定方法において、前記測定段階において測定された前記振動加速度に基づいて、前記人体に前記振動刺激が生じる最小振動加速度を決定する決定段階を備え、前記決定段階において決定された前記最小振動加速度以上の前記振動加速度で前記振動デバイスの前記接触部材が振動するように前記振動デバイスを設計することを要旨とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項5に記載の振動デバイスの振動加速度の決定方法において、前記測定段階において測定された前記振動加速度に基づいて、前記人体の前記振動刺激を前記被験者が適度であると感じる時における、推奨振動加速度を決定する決定段階を備え、前記決定段階において決定された前記推奨振動加速度の範囲内で前記振動デバイスの前記接触部材が振動するように前記振動デバイスを設計することを要旨とする。
【0014】
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、振動デバイスの接触部材を記憶部に記憶されている振動パターンに基づいて振動させるようにし、その振動パターンは、16.5m/s2以上の振動加速度で振動させるパターンとするようにした。
【0015】
従って、接触部材の振動をほとんどの人の振動分別閾以上とすることができ、ほとんどの人が振動デバイスの振動を感じることができるようになる。
請求項2に記載の発明によれば、振動デバイスの接触部材を記憶部に記憶されている振動パターンに基づいて振動させるようにし、その振動パターンは、130Hzの振動周波数で振動させるパターンとするようにした。
【0016】
従って、振動デバイスの仕様として成立するであろう値であるとともに、人の振動検出に大きく関与する触覚受容器に適した振動周波数の範囲で振動デバイスを振動させることができる。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、振動デバイスの接触部材を記憶部に記憶されている振動パターンに基づいて振動させるようにし、その振動パターンは、35.4±18.3m/s2の範囲内の振動加速度で振動させるパターンとするようにした。
【0018】
従って、接触部材の振動を、ほとんどの人が不快に感じないような、推奨される振動加速度の範囲内とすることができるようになる。
請求項4に記載の発明によれば、振動デバイスの接触部材を人体の振動感受率が100%となるような振動加速度で接触部材を振動させるようにした。従って、接触部材の振動をほとんどの人の振動分別閾以上とすることができ、ほとんどの人が振動デバイスの振動を感じることができるようになる。
【0019】
請求項5に記載の発明によれば、車両に備えた振動部材を振動させ、振動部材の振動加速度を変化させながら、振動部材に被験者の人体を接触させ、人体に生じる振動刺激に基づいて振動加速度を測定するようにした。そして、振動デバイスを設計する際には、測定された振動加速度に基づいて、振動デバイスの接触部材の振動加速度を決定するようにした。
【0020】
従って、静止した場所ではなく、車両内で振動部材の振動加速度を測定し、その結果に基づいて振動デバイスを設計するので、車両内において使用される振動デバイスの設計の正確性を向上させることができる。
【0021】
請求項6に記載の発明によれば、車両内の振動部材によって測定された振動加速度から、人体に振動刺激が生じる振動加速度の最小値を決定するようにし、決定された最小振動加速度以上の振動加速度で振動デバイスの接触部材が振動するように振動デバイスを設計するようにした。
【0022】
従って、接触部材の振動を人の振動分別閾以上とすることができ、ほとんどの人が接触部材の振動を感じることができるよう振動デバイスを設計することができるようになる。
【0023】
請求項7に記載の発明によれば、車両内の振動部材によって測定された振動加速度から、被験者が人体に感じる振動刺激を適度であると感じる時における、推奨振動加速度を決定するようにし、決定された推奨振動加速度の範囲内で振動デバイスの接触部材が振動するように振動デバイスを設計するようにした。
【0024】
従って、接触部材の振動を、推奨振動加速度の範囲内とすることができ、ほとんどの人が接触部材の振動を不快に感じないように振動デバイスを設計することができるようになる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した車両用ディスプレイシステムの一実施形態を図1〜図4に従って説明する。
【0026】
図1に示すように、車両用ディスプレイシステム11は、ディスプレイ12及び振動デバイスとしてのタッチ操作入力装置14(以下、タッチトレーサという)を備える。そして、ディスプレイ12は、その画面12aが、車両内において運転者や同乗者が容易に視認できるような位置に配置されており、エアコン、オーディオの操作状況やナビゲーションシステムの案内地図画面等を表示するものである。また、ディスプレイ12はタッチトレーサ14からの操作入力情報に応じて所定の画面を表示するようになっている。
【0027】
タッチトレーサ14は、車両内のアームレストの近傍など、運転者及び同乗者が容易に操作できる場所に設けられ、タッチ操作入力によって、エアコン、オーディオ、ナビゲーションシステム等の操作を行うものである。そして、図2に示すように、タッチトレーサ14はアウターケーシング15とインナーケーシング16とを備え、アウターケーシング15は、その下側が開口する箱体となっている。さらに、アウターケーシング15には、その上面15aの中央に四角形状の開口部17が設けられている。
【0028】
インナーケーシング16は、上側が開口する箱体となっており、その大きさは、インナーケーシング16の外側面が、前記アウターケーシング15の内側面に嵌合可能となるような大きさとなっている。従って、アウターケーシング15とインナーケーシング16とは、アウターケーシング15の内側面とインナーケーシング16の外側面とが嵌合され、1つの箱体を形成するようになっている。
【0029】
また、前記インナーケーシング16の内底部からは、突起部19が形成されており、その突起部19の上には第1のプリント配線基板21が載置されている。そして、第1のプリント配線基板21の上には、前記アウターケーシング15の開口部17と対向する位置に、タッチ用スイッチ23が設けられている。さらに、第1のプリント配線基板21の上には、圧縮コイルばね24が設けられており、圧縮コイルばね24は、前記タッチ用スイッチ23を中心に挿入するようにして前記第1のプリント配線基板21上に配設されている。
【0030】
そして、圧縮コイルばね24の上には、接触部材としての入力パッド25が設けられており、タッチ用スイッチ23と入力パッド25とは、圧縮コイルばね24によって離間する方向に付勢されている。また、インナーケーシング16には、前記アウターケーシング15の開口部17の縁に沿って、断面が略T字形状に形成された枠体26が設けられている。そして、前記入力パッド25は、その上面がこの枠体26に当接することによって、上方への移動が規制されるようになっている。
【0031】
すなわち、入力パッド25が運転者の人体としての指等で下方に押圧されると、圧縮コイルばね24が圧縮され、入力パッド25が、断面略T字形状に形成された枠体26に案内されながら下方にスライドする。そして、入力パッド25とタッチ用スイッチ23とが当接して、タッチ用スイッチ23がオン状態とされるようになっている。また、入力パッド25の下面には、加振手段を構成するソレノイド27が設けられており、必要に応じてソレノイド27を通電させることによって、入力パッド25を振動させることが可能となっている。
【0032】
さらに、前記インナーケーシング16の上端には第2のプリント配線基板28が載置されている。そして、図3に示すように、第2のプリント配線基板28は、前記アウターケーシング15の開口部17と重なる部分が四角形状に開口している。そして、第2のプリント配線基板28の上には、その開口の各辺に沿って、第1の光センサユニット29a、第2の光センサユニット29b、第3の光センサユニット29c、第4の光センサユニット29dが設けられている。
【0033】
前記第1〜第4光センサユニット29a〜29dは、それぞれ複数のLED31とフォトトランジスタ32とを交互に並べるようにして構成されている。そして、フォトトランジスタ32は隣接するLED31よりも前記開口部17から遠い位置に設けられている。
【0034】
なお、第1及び第2の光センサユニット29a,29bは、前記開口部17の横方向の二辺に沿って、それぞれ平行に設けられており、第1の光センサユニット29aは、LED31を8個、フォトトランジスタ32を7個有している。また、第2の光センサユニット29bは、LED31を7個、フォトトランジスタ32を8個有している。従って、前記開口部17を挟んで、第1の光センサユニット29aのLED31と第2の光センサユニット29bのフォトトランジスタ32とが対向配置されているとともに、第1の光センサユニット29aのフォトトランジスタ32と第2の光センサユニット29bのLED31とが対向配置されている。そして、第1及び第2の光センサユニット29a,29bによって、開口部17を縦方向に横切る15本の光軸が形成されるようになっている。
【0035】
また、第3及び第4の光センサユニット29c,29dは、それぞれ、前記開口部17の右側及び左側の縦方向の辺に沿って設けられており、右側の第3の光センサユニット29cは、LED31を6個、フォトトランジスタ32を5個有している。また、左側の第4の光センサユニット29dは、LED31を5個、フォトトランジスタ32を6個有している。従って、前記開口部17を挟んで、第3の光センサユニット29cのLED31と第4の光センサユニット29dのフォトトランジスタ32とが対向配置されているとともに、第3の光センサユニット29cのフォトトランジスタ32と第4の光センサユニット29dのLED31とが対向配置されている。従って、第3及び第4の光センサユニット29c,29dによって、開口部17を横方向に横切る11本の光軸が形成されている。
【0036】
次に、上記のように構成した車両用ディスプレイシステム11の電気的構成について説明する。
図4に示すように、車両用ディスプレイシステム11は、制御手段としてのCPU41、記憶部としてのROM42、RAM43、加振手段を構成する振動制御部45、操作信号入出力部46を備える。そして、これらは互いにバス47を介して接続されている。
【0037】
CPU41は、車両用ディスプレイシステム11の各種動作を制御するものであり、バス47を介して前記ディスプレイ12と接続され、ディスプレイ12に各種情報を出力する。また、CPU41は、振動制御部45と接続され、その振動制御部45は前記ソレノイド27に接続されている。つまり、CPU41は振動制御部45を介してソレノイド27の振動を制御するようになっている。
【0038】
さらに、CPU41は操作信号入出力部46と接続され、この操作信号入出力部46は、前記タッチ用スイッチ23、LED31、フォトトランジスタ32に接続されている。つまり、CPU41は、操作信号入出力部46を介してタッチ用スイッチ23の各種操作信号を入力するとともに、LED31から投光された光を受光するフォトトランジスタ32の信号を検出するようになっている。
【0039】
CPU41は、ROM42と接続され、このROM42に記憶されている各種プログラムに従って動作し、その演算処理結果を一時RAM43に記憶するようになっている。詳述すると、ROM42には、タッチ位置算出プログラム、タッチ位置表示プログラム、振動発生プログラム、その他各種のプログラムが備えられている。
【0040】
タッチ位置算出プログラムは、運転者等が入力パッド25のどの位置をタッチしているかを算出するためのプログラムである。すなわち、CPU41は、LED31から投光された光を受光するフォトトランジスタ32の信号を、前記操作信号入出力部46を介して入力すると、タッチ位置算出プログラムに従って、入力パッド25のタッチされている位置の位置座表を算出する。なお、位置座標は、フォトトランジスタ32うち、指で遮られることによって光を受光しなくなったものを特定することにより算出されるようになっている。
【0041】
タッチ位置表示プログラムは、前記タッチ位置算出プログラムにおいて算出された位置座標を前記ディスプレイ12上に表示させるためのプログラムである。すなわち、CPU41は、前記タッチ位置算出プログラムに従って、位置座標を算出すると、タッチ位置表示プログラムに従って位置座標を示す表示(矢印等)をディスプレイ12上に出力する。
【0042】
振動発生プログラムは、前記タッチ値位置算出プログラムにおいて算出された位置座標に応じて、各種の振動パターンで入力パッド25を振動させるためのプログラムである。すなわち、CPU41は、前記位置算出プログラムにしたがって、位置座標を算出すると、その位置座標に応じた振動パターンで前記ソレノイド27を振動させ、入力パッド25に触れている運転者等の指に振動が伝達されるようになる。なお、振動パターンとは、ソレノイド27の振動の振動周波数や振動加速度、振動時間、振動のリズム等によって決まっており、位置座標に対応させてROM42に記憶されている。そして、CPU41が必要に応じて読み出すようになっている。
【0043】
従って、運転者等が、タッチトレーサ14の入力パッド25に指を触れると、タッチトレーサ14の前記LED31からフォトトランジスタ32に発せられる光のうちのいくつかが遮断される。そして、指で遮れたことによって光を受光しなくなったフォトトランジスタ32から信号が操作信号入出力部46を介してCPU41に入力される。そして、CPU41は、入力された信号に基づいて指で遮られた位置座標を算出し、ディスプレイ12上に表示する。
【0044】
さらに、CPU41は、算出した位置座標に基づいて振動パターンを読み出し、読み出した振動パターンで前記ソレノイド27を振動させる。その結果、入力パッド25に触れている運転者等の指に所定の振動パターンで振動が伝達され、運転者は振動パターンを認識できるようになる。そして、運転者は、認識した振動パターンに基づいて、現在入力パッド25のどの位置をタッチしているかを理解することができ、ディスプレイ12を見なくてもどの位置をタッチしているか確実に確認することができる。
【0045】
続いて、運転者等が振動パターンに基づいてタッチ位置を特定し、この状態で入力パッド25を押圧操作することにより、タッチ用スイッチ23がオンされ、この信号が操作信号入出力部46を介してCPU41に入力される。そして、入力パッド25のタッチ位置に対応して、エアコン、オーディオやナビゲーションシステムといった各種装置の操作が行われるようになる。
【0046】
次に、上記のように構成された車両用ディスプレイシステム11の入力パッド25における振動を、運転者等が確実に認識できるようにするための、ROM42に記憶されている振動パターンの振動加速度の範囲を決定する方法について説明する。
【0047】
通常、人が振動物に指等を接触させたときに、その振動の振動加速度を変化させると、人がその振動に対して感じる感覚が変化することが知られている。そこでまず、前記入力パッド25の振動分別閾、すなわち前記入力パッド25の振動を、人が指で感じることができるか否かの境界値を測定する実験について説明する。
【0048】
図5に示すように、本実験は、車両50の内部で行うようになっており、車両50の運転席50aの左側に土台51を載置し、土台51の上には、車両進行方向に順に、アームレスト52、加振装置53が設けられている。なお、土台51と前記アームレスト52とを合わせた高さH1は、407mmとなるようにし、土台51と加振装置53とを合わせた高さH2は、380mmとなるようにした。
【0049】
そして、加振装置53の上には前記入力パッド25を模した振動部材としての振動板54を設け、その形状は縦55mm、横74mmの板状の長方形形状を有するようにした。また、加振装置53は、図示しないソレノイド等を備えるようにし、任意の振動速度で前記振動板54を振動させることが可能となるようにした。
【0050】
そして、測定段階に移り、以上のように構成された車両50の運転席50aに、被験者55を座らせ、その左肘をアームレスト52に載せた状態で、左手の指先を前記振動板54の表面を触れさせるようにした。また、被験者55には、「走行」、「アイドリング」、「エンジン停止」の3種類の状況となるように車両50を運転させるようにした。なお、「アイドリング」とは、本実験では車両停車中を想定しており、車両50の図示しないシフトレバーのシフトポジションをDレンジにした状態でブレーキをかけた状況とした。
【0051】
そして、前記3種類の状況毎に、被験者55に振動板54の表面を人差し指で走査させ、任意の振動加速度A1で振動板54を振動させながら、被験者55に振動刺激を感じるか否か質問を行った。なお、このときの振動の波形は正弦波で、振動周波数は約130Hzとなるようにした。
【0052】
なお、人間は、メルケル細胞、マイスナー小体、パチニ小体、ルフィニ終末の4種類の触覚受容器によって触覚刺激を感じるといわれており、特に、振動刺激に対してはマイスナー小体とパチニ小体が応答する。これらの応答特性は、振動周波数が50Hz以下ではマイスナー小体が、100Hz以上(300Hz以下)ではパチニ小体が、50Hzから100Hzでは両者ともが、振動検出に大きく関与すると思われる。そこで、本実験では、前記車両用ディスプレイシステム11のタッチトレーサ14の仕様として成立するであろう値であるとともに、パチニ小体が応答する領域である、130Hzの振動周波数で振動板54を振動させ、被験者55の振動に対する感受性を評価することにした。
【0053】
また、被験者55としては、20〜50歳代の、男性13名及び女性1名の計14名に対して同様の実験を行った。そして、決定段階に移り、任意の振動加速度毎に、振動刺激を感じると答えた人数を求め、次の式に基づいて振動感受率Rを求めた。
【0054】
振動感受率R=振動刺激を感じると答えた人数/被験者55の人数
そして、その結果、下記の表1に示すような結果となった。
【0055】
【表1】
図6は、この表1をグラフ化したものであり、走行時を二重丸で、アイドリング時を白丸で、エンジン停止時を黒丸で示し、これらの値を近似させた近似曲線Cを実線で示している。そして、この近似曲線Cの式を求めたところ、次の通りとなった。
【0056】
振動感受率R=100/(1+EXP(−2×(振動加速度A1−6)))
そして、この近似曲線Cの式に基づき、振動感受率Rがほぼ100%となる振動加速度A1を求めたところ、16.5m/s2であることがわかった。すなわち、振動加速度A1=16.5m/s2が、振動板54の一般的な振動弁別閾であると言える。そして、前記車両用ディスプレイシステム11の設計する時には、この値を入力パッド25の振動の最小振動加速度となるように、前記ROM42に記憶されている振動パターンを決定することにより、ほぼ100%の人が振動を感じるようにすることができる。
【0057】
また、振動感受率Rがほぼ75%となる振動加速度A1は、6.55m/s2であることがわかり、最小振動加速度を6.55m/s2以上として前記入力パッド25が振動するように前記ROM42の振動パターンを設計すれば、ほぼ75%の人が振動を感じるようにすることができ、設計上の目安とすることができる。
【0058】
次に、前記入力パッド25の振動を、運転者等が不快を感じないで認識できるようにするための、ROM42に記憶されている振動パターンの推奨振動加速度の範囲を測定するための実験について説明する。
【0059】
前記の最小振動弁別閾を決定するための実験と同様の車両50を使用し、図5に示すように、運転席50aに被験者55を座らせ、測定段階に移って、「走行」、「アイドリング」、「エンジン停止」の3種類の状況となるように車両50を運転させるようにした。そして、前記3種類の状況毎に、被験者55に振動板54の表面を人差し指で走査させ、任意の振動加速度A2で振動板54を振動させながら、被験者55に振動刺激が適度であると感じるか否か質問を行った。そして、適度でないと応えた場合には、振動加速度A2の値を変化させ、被験者55が適度であると感じるまで変化させるようにした。なお、このときの振動の波形は正弦波で、前記振動分別閾の測定の実験と同様にして、振動周波数は約130Hzとなるようにした。
【0060】
また、被験者55としては、20〜50歳代の、男性13名及び女性1名の計14名に対して同様の実験を行った。そして、決定段階に移り、振動刺激が適度であると回答された振動加速度A2の値に基づいて、各状況における平均振動加速度と標準偏差を求めた。
【0061】
すると、図7に示すように、「走行」状態においては、振動加速度は、点P1で示すように、35.0m/s2となり、標準偏差は、実線S1に示すように、±7.4m/s2となった。また、「アイドリング」状態においては、振動加速度は、点P2で示すように、37.7m/s2となり、標準偏差は、実線S2に示すように±4.2m/s2となった。さらに、「エンジン停止」状態においては、点P3で示すように、33.6m/s2となり、標準偏差は、実線S3に示すように±6.2m/s2となった。
【0062】
そして、以上の3種類の状況毎に求められた振動加速度の平均は、実線S4で示すように、35.4m/s2となり、標準偏差は、破線B1,B2に示すように、±18.3(3σ)m/s2となった。従って、前記車両用ディスプレイシステム11を設計する時には、実線S4と破線B1,B2で示された振動加速度と標準偏差に基づき、振動加速度を、35.4±18.3(3σ)m/s2とすれば良いことがわかる。そして、この値を前記タッチトレーサ14の入力パッド25の推奨振動加速度として設計することにより、ほとんどの人が入力パッド25の振動を適したものであると感じることができるようになる。
【0063】
そして、以上の実験結果をもとに、本実施形態における車両用ディスプレイシステム11の入力パッド25の振動パターンは、振動分別閾以上であり、かつ、運転者が不快に感じない値である、35.4±18.3(3σ)m/s2の範囲内の振動加速度で振動するように設計され、ROM42に記憶されている。また、その振動周波数は、タッチトレーサ14の仕様として成立するであろう値であるとともに、人の振動検出に大きく関与する触覚受容器を応答させることができる値である、130Hzとなるように設計され、ROM42に記憶されている。
【0064】
上記実施形態によれば、以下のような特徴を得ることができる。
(1)上記実施形態では、車両用ディスプレイシステム11の入力パッド25が、35.4±18.3(3σ)m/s2の範囲内の振動加速度で振動するように、ROM42に記憶されている振動パターンを設計するようにした。従って、入力パッド25の振動をほとんどの人の振動分別閾以上とすることができ、ほとんどの人が入力パッド25の振動を感じることができるようになる。また同時に、入力パッド25の振動を、推奨される振動加速度の範囲内として、ほとんどの人が振動に対して不快を感じないようにすることができる。
【0065】
(2)上記実施形態では、車両用ディスプレイシステム11の入力パッド25を、130Hzの振動周波数で振動するようにROM42に記憶されている振動パターンを設計するようにした。従って、入力パッド25の振動の振動周波数の範囲を、タッチトレーサ14の仕様として成立するであろう値であるとともに、人の振動検出に大きく関与する触覚受容器に適した値とすることができる。
【0066】
(3)上記実施形態では、車両50に設けた振動板54を振動させ、振動板54の振動加速度A1,A2を変化させながら、振動板54に被験者55の指を接触させ、指に生じる振動刺激に基づいて振動加速度A1,A2を測定するようにした。そして、車両用ディスプレイシステム11を設計する際には、測定された振動加速度A1,A2に基づいて、タッチトレーサ14の入力パッド25の振動加速度を決定するようにした。
【0067】
従って、静止した場所ではなく、車両50内で振動板54の振動加速度を測定し、その結果に基づいて車両用ディスプレイシステム11を設計するので、車両50内において使用される車両用ディスプレイシステム11の設計の正確性を向上させることができる。
【0068】
(4)上記実施形態では、車両50の振動板54によって測定された振動加速度A2から、被験者55に振動刺激が生じる振動加速度の最小値を決定するようにした。そして、決定された最小振動加速度以上の振動加速度で車両用ディスプレイシステム11の入力パッド25が振動するように車両用ディスプレイシステム11を設計するようにした。
【0069】
従って、入力パッド25の振動を人の振動分別閾以上とすることができ、ほとんどの人が入力パッド25の振動を感じることができるように車両用ディスプレイシステム11を設計することができる。
【0070】
(5)上記実施形態では、車両50の振動板54によって測定された振動加速度A2から、被験者55が指に感じる振動刺激が適度であると感じるときにおける、推奨振動加速度を決定するようにした。そして、決定された推奨振動加速度の範囲内で車両用ディスプレイシステム11の入力パッド25が振動するように車両用ディスプレイシステム11を設計するようにした。
【0071】
従って、入力パッド25の振動を、推奨振動加速度の範囲内とすることができ、ほとんどの人が入力パッド25の振動を不快に感じないように車両用ディスプレイシステム11を設計することができるようになる。
【0072】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、車両用ディスプレイシステム11の入力パッド25を、ROM42に記憶されている振動パターンが、35.4±18.3(3σ)m/s2の範囲内の振動加速度で振動するように設計するようにした。これを、16.5m/s2以上の振動加速度で振動するように設計してもよい。
【0073】
このようにすれば、ほとんどの運転者の振動分別閾以上の振動加速度で入力パッド25を振動させることができる。
・上記実施形態では、振動デバイスとして、タッチトレーサ14に具体化したが、車両50内において、運転者等が指で接触してその振動を認識する装置であれば、その他の装置に具体化するようにしてもよい。
【0074】
・上記実施形態では、車両用ディスプレイシステム11の入力パッド25を模した振動板54にて最小振動加速度や、推奨振動加速度を測定するようにしたが、入力パッド25そのものを使用して測定するようにしてもよい。
【0075】
・上記実施形態では、タッチトレーサ14の指による接触位置は、LED31及びフォトトランジスタ32との間の光の遮断によって検知するようにしたが、その他のセンサで検知するようにしてもよい。例えば、指による入力パッド25への押圧力を検知するものなどでもよい。
【0076】
・上記実施形態では、振動板54の振動周波数を約130Hzとして実験を行ったが、その他の周波数で実験を行うようにしてもよい。また、タッチトレーサ14の振動周波数を130Hz以外の周波数で振動させるようにしてもよい。
【0077】
・上記実施形態では、ROM42に記憶されている振動パターンによって入力パッド25の振動周波数や振動加速度を変化できるようにした。これを、できないようにしてもよい。そして、このような場合には、タッチトレーサ14に設けられているソレノイド27として、入力パッド25を、常に目的の振動周波数や振動加速度で振動させるものを使用するようにしてもよい。
【0078】
次に上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(1)接触部材と、同接触部材の人体による接触に応答して前記接触部材を振動させる加振手段とを備えた振動デバイスにおいて、
前記加振手段を6.55m/s2以上の振動加速度で振動させる振動パターンを記憶する記憶部と、
前記記憶部の前記振動パターンに従って、前記加振手段の振動を制御する制御手段と
を備えたことを特徴とする振動デバイス。
【0079】
従って、この(1)に記載の発明によれば、多くの人が振動デバイスの振動を認識できるようにすることができる。
(2)請求項1〜3及び上記(1)のいずれか1つに記載の振動デバイスにおいて、前記振動デバイスは、車両内に設けられていることを特徴とする振動デバイス。
【0080】
従って、この(2)に記載の発明によれば、静止空間ではなく、各種の振動が生じている車両内において、運手者等が、振動デバイスの振動を確実に認識できるようにすることができる。
【0081】
(3) 接触部材と、同接触部材の人体による接触に応答して前記接触部材を振動させる加振手段とを備えた振動デバイスの駆動方法において、
前記加振手段は、前記人体の振動感受率が75%となるような振動加速度で前記接触部材を振動させることを特徴とする振動デバイスの駆動方法。
【0082】
従って、この(3)に記載の発明によれば、多くの人の振動分別閾以上とすることができ、多くの人が振動デバイスの振動を感じることができるようになる。
(4) 上記(3)に記載の振動デバイスの駆動方法において、
前記振動加速度は6.55m/s2以上であることを特徴とする振動デバイスの駆動方法。
【0083】
従って、この(4)に記載の発明によれば、多くの人の振動分別閾以上とすることができ、多くの人が振動デバイスの振動を感じることができるようになる。
(5)請求項5〜7のいずれか1つに記載の振動デバイスの振動加速度の決定方法において、
前記測定段階は、前記被験者の前記振動刺激に対する感覚評価に基づいて、前記振動加速度を測定する段階であることを特徴とする振動デバイスの振動加速度の決定方法。
【0084】
従って、この(5)に記載の発明によれば、人の感覚によって振動が認識され、操作される振動デバイスにおいて、有効な評価に基づいて振動加速度を測定することができる。
【0085】
【発明の効果】
以上、詳述したように、請求項1〜4,6及び7に記載の発明によれば、ほとんどの人が振動を感じることができるような振動デバイスを提供することができる。
【0086】
加えて、請求項3及び7に記載の発明によれば、ほとんどの人が振動を不快に感じないような振動デバイスを提供することができる。
加えて、請求項5に記載の発明によれば、車両内において使用される振動デバイスの設計の正確性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の車両用ディスプレイシステムの斜視図。
【図2】同じく、タッチトレーサの部分断面図。
【図3】同じく、タッチトレーサの部分断面図。
【図4】同じく、車両用ディスプレイシステムの電気的構成図。
【図5】同じく、実験に使用した車両の状況図。
【図6】同じく、振動分別閾の測定結果を示すグラフ。
【図7】同じく、推奨振動加速度の測定結果を示すグラフ。
【符号の説明】
A1,A2…振動加速度、R…振動感受率、14…振動デバイスとしてのタッチ操作入力装置(タッチトレーサ)、25…接触部材としての入力パッド、27…加振手段を構成するソレノイド、41…制御手段としてのCPU、42…記憶部としてのROM、45…加振手段を構成する振動制御部、50…車両、54…振動部材としての振動板、55…被験者。
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に備えられるタッチパネル等に代表される振動デバイス及びその駆動方法並びにその振動加速度の決定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えば、車両においては、エアコン、カーナビ、ラジオ、オーディオといった機能の操作を1つの操作デバイスに集約させ、より運転に集中できるようにすることが行われていた。そして、このような操作デバイスとして、特開2000−194427号公報に開示されたタッチ操作入力装置があり、このタッチ操作入力装置は、ディスプレイとタッチパネル(タッチトレーサ)とを備えていた。そして、ディスプレイに複数の操作機能項目を表示させ、タッチトレーサの入力パッドを、運転者が指先等でタッチ操作することによってディスプレイの画面上に表示された複数の操作機能項目を選択入力できるようになっていた。
【0003】
また、このタッチ操作入力装置は、振動制御部とソレノイドとを備え、操作機能項目の選択入力に基づいてソレノイドを作動させ、タッチトレーサの入力パッドを振動させることが可能となっていた。これにより、運転者が指先等でタッチ操作をすると、入力パッドが振動されて指先に振動が伝わるようになり、運転者は、ディスプレイの画面を見なくても、どこをタッチ操作しているか確認できるようになっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、人は、指先に伝えられる全ての振動を感じることができるわけではなく、振動分別閾(振動が感じられるか感じられないかの境目の値)を有していることが知られていた。従って、上記のような入力パッドに代表される振動デバイスは、人に感知されるために、前記振動分別閾以上の振動加速度で振動される必要があった。そこで、振動弁別閾の計測や導出が行われるようになっていたが、これらの計測や導出は、実験室レベルで行われ、周囲の環境がほぼ停止した状態で行われていた。従って、実際の運転中のように、周囲に各種の振動が生じている状況での計測や導出は行われておらず、上記のような車両における振動デバイスの振動分別閾は不明確であった。
【0005】
また、人は、指先に伝えられる振動に対して、不快感を抱く場合があり、タッチパネルの加振手段の振動速度を、人が不快に感じないように最適な値にすることが望まれていた。しかし、このような最適値に関する計測や導出についても、実験室レベルのみ行われており、周囲に各種の振動が生じている状況では行われていなかった。従って、実際の運転に即した状況での、人の振動分別閾や振動の最適値を得ることが望まれていた。
【0006】
本発明は、車両におけるタッチパネル等に代表される振動デバイスの振動を、人の振動分別閾よりも大きく、かつ、人が不快を感じないような最適な振動加速度とする、振動デバイス及びその駆動方法並びにその振動加速度の決定方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、接触部材と、同接触部材の人体による接触に応答して前記接触部材を振動させる加振手段とを備えた振動デバイスにおいて、前記加振手段を16.5m/s2以上の振動加速度で振動させる振動パターンを記憶する記憶部と、前記記憶部の前記振動パターンに従って、前記加振手段の振動を制御する制御手段とを備えたことを要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の振動デバイスにおいて、前記振動パターンは、130Hzの振動周波数で前記加振手段を振動させるものであることを要旨とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の振動デバイスにおいて、前記振動パターンは35.4±18.3m/s2の範囲内の振動加速度で前記加振手段を振動させるものであることを要旨とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、接触部材と、同接触部材の人体による接触に応答して前記接触部材を振動させる加振手段とを備えた振動デバイスの駆動方法において、前記加振手段は、前記人体の振動感受率が100%となるような振動加速度で前記接触部材を振動させることを要旨とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、接触部材と、同接触部材の人体による接触に応答して前記接触部材を振動させる加振手段とを備えた振動デバイスの振動加速度の決定方法において、車両に備えられた振動部材を振動させ、前記振動部材の振動加速度を変化させながら、前記振動部材に被験者の人体を接触させ、前記人体に生じる振動刺激に基づいて前記振動加速度を測定する測定段階を備え、前記測定段階において測定された前記振動加速度に基づいて前記振動デバイスの前記接触部材が振動するように前記振動デバイスを設計することを要旨とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の振動デバイスの振動加速度の決定方法において、前記測定段階において測定された前記振動加速度に基づいて、前記人体に前記振動刺激が生じる最小振動加速度を決定する決定段階を備え、前記決定段階において決定された前記最小振動加速度以上の前記振動加速度で前記振動デバイスの前記接触部材が振動するように前記振動デバイスを設計することを要旨とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項5に記載の振動デバイスの振動加速度の決定方法において、前記測定段階において測定された前記振動加速度に基づいて、前記人体の前記振動刺激を前記被験者が適度であると感じる時における、推奨振動加速度を決定する決定段階を備え、前記決定段階において決定された前記推奨振動加速度の範囲内で前記振動デバイスの前記接触部材が振動するように前記振動デバイスを設計することを要旨とする。
【0014】
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、振動デバイスの接触部材を記憶部に記憶されている振動パターンに基づいて振動させるようにし、その振動パターンは、16.5m/s2以上の振動加速度で振動させるパターンとするようにした。
【0015】
従って、接触部材の振動をほとんどの人の振動分別閾以上とすることができ、ほとんどの人が振動デバイスの振動を感じることができるようになる。
請求項2に記載の発明によれば、振動デバイスの接触部材を記憶部に記憶されている振動パターンに基づいて振動させるようにし、その振動パターンは、130Hzの振動周波数で振動させるパターンとするようにした。
【0016】
従って、振動デバイスの仕様として成立するであろう値であるとともに、人の振動検出に大きく関与する触覚受容器に適した振動周波数の範囲で振動デバイスを振動させることができる。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、振動デバイスの接触部材を記憶部に記憶されている振動パターンに基づいて振動させるようにし、その振動パターンは、35.4±18.3m/s2の範囲内の振動加速度で振動させるパターンとするようにした。
【0018】
従って、接触部材の振動を、ほとんどの人が不快に感じないような、推奨される振動加速度の範囲内とすることができるようになる。
請求項4に記載の発明によれば、振動デバイスの接触部材を人体の振動感受率が100%となるような振動加速度で接触部材を振動させるようにした。従って、接触部材の振動をほとんどの人の振動分別閾以上とすることができ、ほとんどの人が振動デバイスの振動を感じることができるようになる。
【0019】
請求項5に記載の発明によれば、車両に備えた振動部材を振動させ、振動部材の振動加速度を変化させながら、振動部材に被験者の人体を接触させ、人体に生じる振動刺激に基づいて振動加速度を測定するようにした。そして、振動デバイスを設計する際には、測定された振動加速度に基づいて、振動デバイスの接触部材の振動加速度を決定するようにした。
【0020】
従って、静止した場所ではなく、車両内で振動部材の振動加速度を測定し、その結果に基づいて振動デバイスを設計するので、車両内において使用される振動デバイスの設計の正確性を向上させることができる。
【0021】
請求項6に記載の発明によれば、車両内の振動部材によって測定された振動加速度から、人体に振動刺激が生じる振動加速度の最小値を決定するようにし、決定された最小振動加速度以上の振動加速度で振動デバイスの接触部材が振動するように振動デバイスを設計するようにした。
【0022】
従って、接触部材の振動を人の振動分別閾以上とすることができ、ほとんどの人が接触部材の振動を感じることができるよう振動デバイスを設計することができるようになる。
【0023】
請求項7に記載の発明によれば、車両内の振動部材によって測定された振動加速度から、被験者が人体に感じる振動刺激を適度であると感じる時における、推奨振動加速度を決定するようにし、決定された推奨振動加速度の範囲内で振動デバイスの接触部材が振動するように振動デバイスを設計するようにした。
【0024】
従って、接触部材の振動を、推奨振動加速度の範囲内とすることができ、ほとんどの人が接触部材の振動を不快に感じないように振動デバイスを設計することができるようになる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した車両用ディスプレイシステムの一実施形態を図1〜図4に従って説明する。
【0026】
図1に示すように、車両用ディスプレイシステム11は、ディスプレイ12及び振動デバイスとしてのタッチ操作入力装置14(以下、タッチトレーサという)を備える。そして、ディスプレイ12は、その画面12aが、車両内において運転者や同乗者が容易に視認できるような位置に配置されており、エアコン、オーディオの操作状況やナビゲーションシステムの案内地図画面等を表示するものである。また、ディスプレイ12はタッチトレーサ14からの操作入力情報に応じて所定の画面を表示するようになっている。
【0027】
タッチトレーサ14は、車両内のアームレストの近傍など、運転者及び同乗者が容易に操作できる場所に設けられ、タッチ操作入力によって、エアコン、オーディオ、ナビゲーションシステム等の操作を行うものである。そして、図2に示すように、タッチトレーサ14はアウターケーシング15とインナーケーシング16とを備え、アウターケーシング15は、その下側が開口する箱体となっている。さらに、アウターケーシング15には、その上面15aの中央に四角形状の開口部17が設けられている。
【0028】
インナーケーシング16は、上側が開口する箱体となっており、その大きさは、インナーケーシング16の外側面が、前記アウターケーシング15の内側面に嵌合可能となるような大きさとなっている。従って、アウターケーシング15とインナーケーシング16とは、アウターケーシング15の内側面とインナーケーシング16の外側面とが嵌合され、1つの箱体を形成するようになっている。
【0029】
また、前記インナーケーシング16の内底部からは、突起部19が形成されており、その突起部19の上には第1のプリント配線基板21が載置されている。そして、第1のプリント配線基板21の上には、前記アウターケーシング15の開口部17と対向する位置に、タッチ用スイッチ23が設けられている。さらに、第1のプリント配線基板21の上には、圧縮コイルばね24が設けられており、圧縮コイルばね24は、前記タッチ用スイッチ23を中心に挿入するようにして前記第1のプリント配線基板21上に配設されている。
【0030】
そして、圧縮コイルばね24の上には、接触部材としての入力パッド25が設けられており、タッチ用スイッチ23と入力パッド25とは、圧縮コイルばね24によって離間する方向に付勢されている。また、インナーケーシング16には、前記アウターケーシング15の開口部17の縁に沿って、断面が略T字形状に形成された枠体26が設けられている。そして、前記入力パッド25は、その上面がこの枠体26に当接することによって、上方への移動が規制されるようになっている。
【0031】
すなわち、入力パッド25が運転者の人体としての指等で下方に押圧されると、圧縮コイルばね24が圧縮され、入力パッド25が、断面略T字形状に形成された枠体26に案内されながら下方にスライドする。そして、入力パッド25とタッチ用スイッチ23とが当接して、タッチ用スイッチ23がオン状態とされるようになっている。また、入力パッド25の下面には、加振手段を構成するソレノイド27が設けられており、必要に応じてソレノイド27を通電させることによって、入力パッド25を振動させることが可能となっている。
【0032】
さらに、前記インナーケーシング16の上端には第2のプリント配線基板28が載置されている。そして、図3に示すように、第2のプリント配線基板28は、前記アウターケーシング15の開口部17と重なる部分が四角形状に開口している。そして、第2のプリント配線基板28の上には、その開口の各辺に沿って、第1の光センサユニット29a、第2の光センサユニット29b、第3の光センサユニット29c、第4の光センサユニット29dが設けられている。
【0033】
前記第1〜第4光センサユニット29a〜29dは、それぞれ複数のLED31とフォトトランジスタ32とを交互に並べるようにして構成されている。そして、フォトトランジスタ32は隣接するLED31よりも前記開口部17から遠い位置に設けられている。
【0034】
なお、第1及び第2の光センサユニット29a,29bは、前記開口部17の横方向の二辺に沿って、それぞれ平行に設けられており、第1の光センサユニット29aは、LED31を8個、フォトトランジスタ32を7個有している。また、第2の光センサユニット29bは、LED31を7個、フォトトランジスタ32を8個有している。従って、前記開口部17を挟んで、第1の光センサユニット29aのLED31と第2の光センサユニット29bのフォトトランジスタ32とが対向配置されているとともに、第1の光センサユニット29aのフォトトランジスタ32と第2の光センサユニット29bのLED31とが対向配置されている。そして、第1及び第2の光センサユニット29a,29bによって、開口部17を縦方向に横切る15本の光軸が形成されるようになっている。
【0035】
また、第3及び第4の光センサユニット29c,29dは、それぞれ、前記開口部17の右側及び左側の縦方向の辺に沿って設けられており、右側の第3の光センサユニット29cは、LED31を6個、フォトトランジスタ32を5個有している。また、左側の第4の光センサユニット29dは、LED31を5個、フォトトランジスタ32を6個有している。従って、前記開口部17を挟んで、第3の光センサユニット29cのLED31と第4の光センサユニット29dのフォトトランジスタ32とが対向配置されているとともに、第3の光センサユニット29cのフォトトランジスタ32と第4の光センサユニット29dのLED31とが対向配置されている。従って、第3及び第4の光センサユニット29c,29dによって、開口部17を横方向に横切る11本の光軸が形成されている。
【0036】
次に、上記のように構成した車両用ディスプレイシステム11の電気的構成について説明する。
図4に示すように、車両用ディスプレイシステム11は、制御手段としてのCPU41、記憶部としてのROM42、RAM43、加振手段を構成する振動制御部45、操作信号入出力部46を備える。そして、これらは互いにバス47を介して接続されている。
【0037】
CPU41は、車両用ディスプレイシステム11の各種動作を制御するものであり、バス47を介して前記ディスプレイ12と接続され、ディスプレイ12に各種情報を出力する。また、CPU41は、振動制御部45と接続され、その振動制御部45は前記ソレノイド27に接続されている。つまり、CPU41は振動制御部45を介してソレノイド27の振動を制御するようになっている。
【0038】
さらに、CPU41は操作信号入出力部46と接続され、この操作信号入出力部46は、前記タッチ用スイッチ23、LED31、フォトトランジスタ32に接続されている。つまり、CPU41は、操作信号入出力部46を介してタッチ用スイッチ23の各種操作信号を入力するとともに、LED31から投光された光を受光するフォトトランジスタ32の信号を検出するようになっている。
【0039】
CPU41は、ROM42と接続され、このROM42に記憶されている各種プログラムに従って動作し、その演算処理結果を一時RAM43に記憶するようになっている。詳述すると、ROM42には、タッチ位置算出プログラム、タッチ位置表示プログラム、振動発生プログラム、その他各種のプログラムが備えられている。
【0040】
タッチ位置算出プログラムは、運転者等が入力パッド25のどの位置をタッチしているかを算出するためのプログラムである。すなわち、CPU41は、LED31から投光された光を受光するフォトトランジスタ32の信号を、前記操作信号入出力部46を介して入力すると、タッチ位置算出プログラムに従って、入力パッド25のタッチされている位置の位置座表を算出する。なお、位置座標は、フォトトランジスタ32うち、指で遮られることによって光を受光しなくなったものを特定することにより算出されるようになっている。
【0041】
タッチ位置表示プログラムは、前記タッチ位置算出プログラムにおいて算出された位置座標を前記ディスプレイ12上に表示させるためのプログラムである。すなわち、CPU41は、前記タッチ位置算出プログラムに従って、位置座標を算出すると、タッチ位置表示プログラムに従って位置座標を示す表示(矢印等)をディスプレイ12上に出力する。
【0042】
振動発生プログラムは、前記タッチ値位置算出プログラムにおいて算出された位置座標に応じて、各種の振動パターンで入力パッド25を振動させるためのプログラムである。すなわち、CPU41は、前記位置算出プログラムにしたがって、位置座標を算出すると、その位置座標に応じた振動パターンで前記ソレノイド27を振動させ、入力パッド25に触れている運転者等の指に振動が伝達されるようになる。なお、振動パターンとは、ソレノイド27の振動の振動周波数や振動加速度、振動時間、振動のリズム等によって決まっており、位置座標に対応させてROM42に記憶されている。そして、CPU41が必要に応じて読み出すようになっている。
【0043】
従って、運転者等が、タッチトレーサ14の入力パッド25に指を触れると、タッチトレーサ14の前記LED31からフォトトランジスタ32に発せられる光のうちのいくつかが遮断される。そして、指で遮れたことによって光を受光しなくなったフォトトランジスタ32から信号が操作信号入出力部46を介してCPU41に入力される。そして、CPU41は、入力された信号に基づいて指で遮られた位置座標を算出し、ディスプレイ12上に表示する。
【0044】
さらに、CPU41は、算出した位置座標に基づいて振動パターンを読み出し、読み出した振動パターンで前記ソレノイド27を振動させる。その結果、入力パッド25に触れている運転者等の指に所定の振動パターンで振動が伝達され、運転者は振動パターンを認識できるようになる。そして、運転者は、認識した振動パターンに基づいて、現在入力パッド25のどの位置をタッチしているかを理解することができ、ディスプレイ12を見なくてもどの位置をタッチしているか確実に確認することができる。
【0045】
続いて、運転者等が振動パターンに基づいてタッチ位置を特定し、この状態で入力パッド25を押圧操作することにより、タッチ用スイッチ23がオンされ、この信号が操作信号入出力部46を介してCPU41に入力される。そして、入力パッド25のタッチ位置に対応して、エアコン、オーディオやナビゲーションシステムといった各種装置の操作が行われるようになる。
【0046】
次に、上記のように構成された車両用ディスプレイシステム11の入力パッド25における振動を、運転者等が確実に認識できるようにするための、ROM42に記憶されている振動パターンの振動加速度の範囲を決定する方法について説明する。
【0047】
通常、人が振動物に指等を接触させたときに、その振動の振動加速度を変化させると、人がその振動に対して感じる感覚が変化することが知られている。そこでまず、前記入力パッド25の振動分別閾、すなわち前記入力パッド25の振動を、人が指で感じることができるか否かの境界値を測定する実験について説明する。
【0048】
図5に示すように、本実験は、車両50の内部で行うようになっており、車両50の運転席50aの左側に土台51を載置し、土台51の上には、車両進行方向に順に、アームレスト52、加振装置53が設けられている。なお、土台51と前記アームレスト52とを合わせた高さH1は、407mmとなるようにし、土台51と加振装置53とを合わせた高さH2は、380mmとなるようにした。
【0049】
そして、加振装置53の上には前記入力パッド25を模した振動部材としての振動板54を設け、その形状は縦55mm、横74mmの板状の長方形形状を有するようにした。また、加振装置53は、図示しないソレノイド等を備えるようにし、任意の振動速度で前記振動板54を振動させることが可能となるようにした。
【0050】
そして、測定段階に移り、以上のように構成された車両50の運転席50aに、被験者55を座らせ、その左肘をアームレスト52に載せた状態で、左手の指先を前記振動板54の表面を触れさせるようにした。また、被験者55には、「走行」、「アイドリング」、「エンジン停止」の3種類の状況となるように車両50を運転させるようにした。なお、「アイドリング」とは、本実験では車両停車中を想定しており、車両50の図示しないシフトレバーのシフトポジションをDレンジにした状態でブレーキをかけた状況とした。
【0051】
そして、前記3種類の状況毎に、被験者55に振動板54の表面を人差し指で走査させ、任意の振動加速度A1で振動板54を振動させながら、被験者55に振動刺激を感じるか否か質問を行った。なお、このときの振動の波形は正弦波で、振動周波数は約130Hzとなるようにした。
【0052】
なお、人間は、メルケル細胞、マイスナー小体、パチニ小体、ルフィニ終末の4種類の触覚受容器によって触覚刺激を感じるといわれており、特に、振動刺激に対してはマイスナー小体とパチニ小体が応答する。これらの応答特性は、振動周波数が50Hz以下ではマイスナー小体が、100Hz以上(300Hz以下)ではパチニ小体が、50Hzから100Hzでは両者ともが、振動検出に大きく関与すると思われる。そこで、本実験では、前記車両用ディスプレイシステム11のタッチトレーサ14の仕様として成立するであろう値であるとともに、パチニ小体が応答する領域である、130Hzの振動周波数で振動板54を振動させ、被験者55の振動に対する感受性を評価することにした。
【0053】
また、被験者55としては、20〜50歳代の、男性13名及び女性1名の計14名に対して同様の実験を行った。そして、決定段階に移り、任意の振動加速度毎に、振動刺激を感じると答えた人数を求め、次の式に基づいて振動感受率Rを求めた。
【0054】
振動感受率R=振動刺激を感じると答えた人数/被験者55の人数
そして、その結果、下記の表1に示すような結果となった。
【0055】
【表1】
図6は、この表1をグラフ化したものであり、走行時を二重丸で、アイドリング時を白丸で、エンジン停止時を黒丸で示し、これらの値を近似させた近似曲線Cを実線で示している。そして、この近似曲線Cの式を求めたところ、次の通りとなった。
【0056】
振動感受率R=100/(1+EXP(−2×(振動加速度A1−6)))
そして、この近似曲線Cの式に基づき、振動感受率Rがほぼ100%となる振動加速度A1を求めたところ、16.5m/s2であることがわかった。すなわち、振動加速度A1=16.5m/s2が、振動板54の一般的な振動弁別閾であると言える。そして、前記車両用ディスプレイシステム11の設計する時には、この値を入力パッド25の振動の最小振動加速度となるように、前記ROM42に記憶されている振動パターンを決定することにより、ほぼ100%の人が振動を感じるようにすることができる。
【0057】
また、振動感受率Rがほぼ75%となる振動加速度A1は、6.55m/s2であることがわかり、最小振動加速度を6.55m/s2以上として前記入力パッド25が振動するように前記ROM42の振動パターンを設計すれば、ほぼ75%の人が振動を感じるようにすることができ、設計上の目安とすることができる。
【0058】
次に、前記入力パッド25の振動を、運転者等が不快を感じないで認識できるようにするための、ROM42に記憶されている振動パターンの推奨振動加速度の範囲を測定するための実験について説明する。
【0059】
前記の最小振動弁別閾を決定するための実験と同様の車両50を使用し、図5に示すように、運転席50aに被験者55を座らせ、測定段階に移って、「走行」、「アイドリング」、「エンジン停止」の3種類の状況となるように車両50を運転させるようにした。そして、前記3種類の状況毎に、被験者55に振動板54の表面を人差し指で走査させ、任意の振動加速度A2で振動板54を振動させながら、被験者55に振動刺激が適度であると感じるか否か質問を行った。そして、適度でないと応えた場合には、振動加速度A2の値を変化させ、被験者55が適度であると感じるまで変化させるようにした。なお、このときの振動の波形は正弦波で、前記振動分別閾の測定の実験と同様にして、振動周波数は約130Hzとなるようにした。
【0060】
また、被験者55としては、20〜50歳代の、男性13名及び女性1名の計14名に対して同様の実験を行った。そして、決定段階に移り、振動刺激が適度であると回答された振動加速度A2の値に基づいて、各状況における平均振動加速度と標準偏差を求めた。
【0061】
すると、図7に示すように、「走行」状態においては、振動加速度は、点P1で示すように、35.0m/s2となり、標準偏差は、実線S1に示すように、±7.4m/s2となった。また、「アイドリング」状態においては、振動加速度は、点P2で示すように、37.7m/s2となり、標準偏差は、実線S2に示すように±4.2m/s2となった。さらに、「エンジン停止」状態においては、点P3で示すように、33.6m/s2となり、標準偏差は、実線S3に示すように±6.2m/s2となった。
【0062】
そして、以上の3種類の状況毎に求められた振動加速度の平均は、実線S4で示すように、35.4m/s2となり、標準偏差は、破線B1,B2に示すように、±18.3(3σ)m/s2となった。従って、前記車両用ディスプレイシステム11を設計する時には、実線S4と破線B1,B2で示された振動加速度と標準偏差に基づき、振動加速度を、35.4±18.3(3σ)m/s2とすれば良いことがわかる。そして、この値を前記タッチトレーサ14の入力パッド25の推奨振動加速度として設計することにより、ほとんどの人が入力パッド25の振動を適したものであると感じることができるようになる。
【0063】
そして、以上の実験結果をもとに、本実施形態における車両用ディスプレイシステム11の入力パッド25の振動パターンは、振動分別閾以上であり、かつ、運転者が不快に感じない値である、35.4±18.3(3σ)m/s2の範囲内の振動加速度で振動するように設計され、ROM42に記憶されている。また、その振動周波数は、タッチトレーサ14の仕様として成立するであろう値であるとともに、人の振動検出に大きく関与する触覚受容器を応答させることができる値である、130Hzとなるように設計され、ROM42に記憶されている。
【0064】
上記実施形態によれば、以下のような特徴を得ることができる。
(1)上記実施形態では、車両用ディスプレイシステム11の入力パッド25が、35.4±18.3(3σ)m/s2の範囲内の振動加速度で振動するように、ROM42に記憶されている振動パターンを設計するようにした。従って、入力パッド25の振動をほとんどの人の振動分別閾以上とすることができ、ほとんどの人が入力パッド25の振動を感じることができるようになる。また同時に、入力パッド25の振動を、推奨される振動加速度の範囲内として、ほとんどの人が振動に対して不快を感じないようにすることができる。
【0065】
(2)上記実施形態では、車両用ディスプレイシステム11の入力パッド25を、130Hzの振動周波数で振動するようにROM42に記憶されている振動パターンを設計するようにした。従って、入力パッド25の振動の振動周波数の範囲を、タッチトレーサ14の仕様として成立するであろう値であるとともに、人の振動検出に大きく関与する触覚受容器に適した値とすることができる。
【0066】
(3)上記実施形態では、車両50に設けた振動板54を振動させ、振動板54の振動加速度A1,A2を変化させながら、振動板54に被験者55の指を接触させ、指に生じる振動刺激に基づいて振動加速度A1,A2を測定するようにした。そして、車両用ディスプレイシステム11を設計する際には、測定された振動加速度A1,A2に基づいて、タッチトレーサ14の入力パッド25の振動加速度を決定するようにした。
【0067】
従って、静止した場所ではなく、車両50内で振動板54の振動加速度を測定し、その結果に基づいて車両用ディスプレイシステム11を設計するので、車両50内において使用される車両用ディスプレイシステム11の設計の正確性を向上させることができる。
【0068】
(4)上記実施形態では、車両50の振動板54によって測定された振動加速度A2から、被験者55に振動刺激が生じる振動加速度の最小値を決定するようにした。そして、決定された最小振動加速度以上の振動加速度で車両用ディスプレイシステム11の入力パッド25が振動するように車両用ディスプレイシステム11を設計するようにした。
【0069】
従って、入力パッド25の振動を人の振動分別閾以上とすることができ、ほとんどの人が入力パッド25の振動を感じることができるように車両用ディスプレイシステム11を設計することができる。
【0070】
(5)上記実施形態では、車両50の振動板54によって測定された振動加速度A2から、被験者55が指に感じる振動刺激が適度であると感じるときにおける、推奨振動加速度を決定するようにした。そして、決定された推奨振動加速度の範囲内で車両用ディスプレイシステム11の入力パッド25が振動するように車両用ディスプレイシステム11を設計するようにした。
【0071】
従って、入力パッド25の振動を、推奨振動加速度の範囲内とすることができ、ほとんどの人が入力パッド25の振動を不快に感じないように車両用ディスプレイシステム11を設計することができるようになる。
【0072】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、車両用ディスプレイシステム11の入力パッド25を、ROM42に記憶されている振動パターンが、35.4±18.3(3σ)m/s2の範囲内の振動加速度で振動するように設計するようにした。これを、16.5m/s2以上の振動加速度で振動するように設計してもよい。
【0073】
このようにすれば、ほとんどの運転者の振動分別閾以上の振動加速度で入力パッド25を振動させることができる。
・上記実施形態では、振動デバイスとして、タッチトレーサ14に具体化したが、車両50内において、運転者等が指で接触してその振動を認識する装置であれば、その他の装置に具体化するようにしてもよい。
【0074】
・上記実施形態では、車両用ディスプレイシステム11の入力パッド25を模した振動板54にて最小振動加速度や、推奨振動加速度を測定するようにしたが、入力パッド25そのものを使用して測定するようにしてもよい。
【0075】
・上記実施形態では、タッチトレーサ14の指による接触位置は、LED31及びフォトトランジスタ32との間の光の遮断によって検知するようにしたが、その他のセンサで検知するようにしてもよい。例えば、指による入力パッド25への押圧力を検知するものなどでもよい。
【0076】
・上記実施形態では、振動板54の振動周波数を約130Hzとして実験を行ったが、その他の周波数で実験を行うようにしてもよい。また、タッチトレーサ14の振動周波数を130Hz以外の周波数で振動させるようにしてもよい。
【0077】
・上記実施形態では、ROM42に記憶されている振動パターンによって入力パッド25の振動周波数や振動加速度を変化できるようにした。これを、できないようにしてもよい。そして、このような場合には、タッチトレーサ14に設けられているソレノイド27として、入力パッド25を、常に目的の振動周波数や振動加速度で振動させるものを使用するようにしてもよい。
【0078】
次に上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(1)接触部材と、同接触部材の人体による接触に応答して前記接触部材を振動させる加振手段とを備えた振動デバイスにおいて、
前記加振手段を6.55m/s2以上の振動加速度で振動させる振動パターンを記憶する記憶部と、
前記記憶部の前記振動パターンに従って、前記加振手段の振動を制御する制御手段と
を備えたことを特徴とする振動デバイス。
【0079】
従って、この(1)に記載の発明によれば、多くの人が振動デバイスの振動を認識できるようにすることができる。
(2)請求項1〜3及び上記(1)のいずれか1つに記載の振動デバイスにおいて、前記振動デバイスは、車両内に設けられていることを特徴とする振動デバイス。
【0080】
従って、この(2)に記載の発明によれば、静止空間ではなく、各種の振動が生じている車両内において、運手者等が、振動デバイスの振動を確実に認識できるようにすることができる。
【0081】
(3) 接触部材と、同接触部材の人体による接触に応答して前記接触部材を振動させる加振手段とを備えた振動デバイスの駆動方法において、
前記加振手段は、前記人体の振動感受率が75%となるような振動加速度で前記接触部材を振動させることを特徴とする振動デバイスの駆動方法。
【0082】
従って、この(3)に記載の発明によれば、多くの人の振動分別閾以上とすることができ、多くの人が振動デバイスの振動を感じることができるようになる。
(4) 上記(3)に記載の振動デバイスの駆動方法において、
前記振動加速度は6.55m/s2以上であることを特徴とする振動デバイスの駆動方法。
【0083】
従って、この(4)に記載の発明によれば、多くの人の振動分別閾以上とすることができ、多くの人が振動デバイスの振動を感じることができるようになる。
(5)請求項5〜7のいずれか1つに記載の振動デバイスの振動加速度の決定方法において、
前記測定段階は、前記被験者の前記振動刺激に対する感覚評価に基づいて、前記振動加速度を測定する段階であることを特徴とする振動デバイスの振動加速度の決定方法。
【0084】
従って、この(5)に記載の発明によれば、人の感覚によって振動が認識され、操作される振動デバイスにおいて、有効な評価に基づいて振動加速度を測定することができる。
【0085】
【発明の効果】
以上、詳述したように、請求項1〜4,6及び7に記載の発明によれば、ほとんどの人が振動を感じることができるような振動デバイスを提供することができる。
【0086】
加えて、請求項3及び7に記載の発明によれば、ほとんどの人が振動を不快に感じないような振動デバイスを提供することができる。
加えて、請求項5に記載の発明によれば、車両内において使用される振動デバイスの設計の正確性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の車両用ディスプレイシステムの斜視図。
【図2】同じく、タッチトレーサの部分断面図。
【図3】同じく、タッチトレーサの部分断面図。
【図4】同じく、車両用ディスプレイシステムの電気的構成図。
【図5】同じく、実験に使用した車両の状況図。
【図6】同じく、振動分別閾の測定結果を示すグラフ。
【図7】同じく、推奨振動加速度の測定結果を示すグラフ。
【符号の説明】
A1,A2…振動加速度、R…振動感受率、14…振動デバイスとしてのタッチ操作入力装置(タッチトレーサ)、25…接触部材としての入力パッド、27…加振手段を構成するソレノイド、41…制御手段としてのCPU、42…記憶部としてのROM、45…加振手段を構成する振動制御部、50…車両、54…振動部材としての振動板、55…被験者。
Claims (7)
- 接触部材と、同接触部材の人体による接触に応答して前記接触部材を振動させる加振手段とを備えた振動デバイスにおいて、
前記加振手段を16.5m/s2以上の振動加速度で振動させる振動パターンを記憶する記憶部と、
前記記憶部の前記振動パターンに従って、前記加振手段の振動を制御する制御手段と
を備えたことを特徴とする振動デバイス。 - 請求項1に記載の振動デバイスにおいて、
前記振動パターンは、130Hzの振動周波数で前記加振手段を振動させるものであることを特徴とする振動デバイス。 - 請求項1又は2に記載の振動デバイスにおいて、
前記振動パターンは35.4±18.3m/s2の範囲内の振動加速度で前記加振手段を振動させるものであることを特徴とする振動デバイス。 - 接触部材と、同接触部材の人体による接触に応答して前記接触部材を振動させる加振手段とを備えた振動デバイスの駆動方法において、
前記加振手段は、前記人体の振動感受率が100%となるような振動加速度で前記接触部材を振動させることを特徴とする振動デバイスの駆動方法。 - 接触部材と、同接触部材の人体による接触に応答して前記接触部材を振動させる加振手段とを備えた振動デバイスの振動加速度の決定方法において、
車両に備えられた振動部材を振動させ、前記振動部材の振動加速度を変化させながら、前記振動部材に被験者の人体を接触させ、前記人体に生じる振動刺激に基づいて前記振動加速度を測定する測定段階を備え、
前記測定段階において測定された前記振動加速度に基づいて前記振動デバイスの前記接触部材が振動するように前記振動デバイスを設計することを特徴とする振動デバイスの振動加速度の決定方法。 - 請求項5に記載の振動デバイスの振動加速度の決定方法において、
前記測定段階において測定された前記振動加速度に基づいて、前記人体に前記振動刺激が生じる最小振動加速度を決定する決定段階を備え、
前記決定段階において決定された前記最小振動加速度以上の前記振動加速度で前記振動デバイスの前記接触部材が振動するように前記振動デバイスを設計することを特徴とする振動デバイスの振動加速度の決定方法。 - 請求項5に記載の振動デバイスの振動加速度の決定方法において、
前記測定段階において測定された前記振動加速度に基づいて、前記人体の前記振動刺激を前記被験者が適度であると感じる時における、推奨振動加速度を決定する決定段階を備え、
前記決定段階において決定された前記推奨振動加速度の範囲内で前記振動デバイスの前記接触部材が振動するように前記振動デバイスを設計することを特徴とする振動デバイスの振動加速度の決定方法。
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