JP2004005180A - スイッチ領域の決定方法及び面走査型入力装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】スイッチの操作性を向上する。
【解決手段】アームレスト11上には分布型荷重センサ12及びタッチパッド13が載置されている。分布型荷重センサ12は、荷重分布を検出し、この荷重分布検出情報は、領域設定装置14を構成する選択手段15へ送られる。選択手段15は、分布型荷重センサ12から得られる荷重分布検出情報に基づいて、記憶手段16に記憶されている3つのスイッチ領域のうちのいずれか1つを選択する。選択手段15は、選択したスイッチ領域を操作画面131上に設定する。
【選択図】 図1
【解決手段】アームレスト11上には分布型荷重センサ12及びタッチパッド13が載置されている。分布型荷重センサ12は、荷重分布を検出し、この荷重分布検出情報は、領域設定装置14を構成する選択手段15へ送られる。選択手段15は、分布型荷重センサ12から得られる荷重分布検出情報に基づいて、記憶手段16に記憶されている3つのスイッチ領域のうちのいずれか1つを選択する。選択手段15は、選択したスイッチ領域を操作画面131上に設定する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スイッチ領域の決定方法及び面走査型入力装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特開平9−109802号公報には、車載機器(例えば、ナビゲーションシステム等)を操作するための操作装置が開示されている。この種の操作装置における複数のスイッチを配列した入力操作手段の例としては、操作画面を指で走査して情報入力を行う面走査型入力装置がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
操作画面内におけるスイッチの配置や大きさは、スイッチの操作性に影響を与えるため、スイッチの配置や大きさを適正に設定する必要がある。スイッチの配置や大きさは、操作をする指(例えば、人差し指)の大きさや、操作画面内のスイッチの総数などを基準にして決定されることが多い。しかし、これらの基準のみでは、スイッチの操作性を更に向上することは難しい。
【0004】
本発明は、スイッチの操作性を向上することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そのために請求項1の発明では、指の動きに影響を与える身体的拘束状態のもとで試験面に前記指を押接し、前記試験面に対する前記指の接触面積を計測し、計測された前記接触面積に基づいて、スイッチ配列面におけるスイッチ領域を決定するようにした。
【0006】
請求項2の発明では、請求項1において、前記身体的拘束状態は、肩を動作支点とした状態、肘を動作支点として手首の左右動を許容した状態、肘を動作支点として手首の左右動を禁止した状態、手首を動作支点とした状態、及び指の根元を動作支点とした状態のうちのいずれかとした。
【0007】
請求項1及び請求項2の発明において、決定されたスイッチ領域は、接触面積の計測の前提条件である身体的拘束状態のもとでのスイッチの操作性の向上に有効である。
【0008】
請求項3乃至請求項6の発明は、操作画面におけるスイッチ領域にタッチして情報入力を行う面走査型入力装置を対象とし、請求項3の発明では、指の動きに影響を与える身体的拘束状態を検出する拘束状態検出手段と、前記拘束状態検出手段によって検出された結果に基づいて、前記操作画面内における前記スイッチ領域を設定する領域設定手段とを備えた面走査型入力装置を構成した。
【0009】
請求項4の発明では、請求項3において、複数の身体的拘束状態に対して1対1に対応して設定された複数のスイッチ領域を記憶する記憶手段と、前記拘束状態検出手段によって検出された身体的拘束状態に対応するスイッチ領域を前記記憶手段に記憶されている複数のスイッチ領域から選択する選択手段とを備えた前記領域設定手段を構成した。
【0010】
請求項3及び請求項4の発明において、領域設定手段によって設定されたスイッチ領域は、検出された身体的拘束状態に対応するスイッチ領域である。身体的拘束状態に対応するスイッチ領域をこの身体的拘束状態のもとでのスイッチの操作に適切な領域となるように決定しておけば、領域設定手段によって設定されたスイッチ領域は、検出された身体的拘束状態のもとでのスイッチの操作性を向上する。
【0011】
請求項5の発明では、請求項3及び請求項4にいずれか1項において、前記拘束状態検出手段は、肩を動作支点とした身体的拘束状態と、肘を動作支点とした身体的拘束状態と、手首を動作支点とした身体的拘束状態とを検出可能とし、前記領域設定手段は、肩を動作支点とした身体的拘束状態に対応する第1のスイッチ領域と、肘を動作支点とした身体的拘束状態に対応する第2のスイッチ領域と、手首を動作支点とした身体的拘束状態に対応する第3のスイッチ領域とを設定可能とした。
【0012】
第1〜第3のスイッチ領域を設定可能とした構成は、スイッチの操作性の向上に特に有効である。
請求項6の発明では、請求項3乃至請求項5のいずれか1項において、前記拘束状態検出手段は、分布型荷重センサとし、前記分布型荷重センサは、定位置にいる人の腕部を載置可能な位置に配置し、前記操作画面は、前記分布型荷重センサに前記腕部を載置した状態で前記指によって走査可能な位置に配置した。
【0013】
分布型荷重センサは、腕部の載置の有無あるいは腕部の載置状態によって身体的拘束状態を検出する。分布型荷重センサは、拘束状態検出手段として好適である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した第1の実施の形態を図1〜図5に従って説明する。図1(a)に示すように、自動車内のアームレスト11上には分布型荷重センサ12及びタッチパッド13が載置されている。分布型荷重センサ12には運転席の運転者の肘や手首が載せられる。分布型荷重センサ12は、定位置である運転席にいる人の腕部10を載置可能な位置に配置されている。図1(b)に示すタッチパッド13の操作画面131は、分布型荷重センサ12に腕部10を載置した状態で人差し指101によって走査可能な位置に配置されている。分布型荷重センサ12は、荷重分布を検出し、この荷重分布検出情報は、領域設定装置14を構成する選択手段15へ送られる。
【0015】
領域設定装置14は、選択手段15と記憶手段16とからなる。記憶手段16は、図1(b)に示すタッチパッド13の操作画面131における第1のスイッチ領域A1,A2,A3,A4,A5,A6,A7,A8,A9,A10,A11,A12を記憶している。記憶手段16は、図2(a)に示す第2のスイッチ領域B1,B2,B3,B4,B5,B6,B7,B8,B9,B10,B11,B12を記憶している。又、記憶手段16は、図2(b)に示す第3のスイッチ領域D1,D2,D3,D4,D5,D6,D7,D8,D9,D10,D11,D12を記憶している。以下、Akは、第1のスイッチ領域A1〜A12のうちのいずれかを表し、Bkは、第2のスイッチ領域B1〜B12のうちのいずれかを表し、Dkは、第3のスイッチ領域D1〜D12のうちのいずれかを表すものとする。kは1〜12の整数を表す。
【0016】
第1〜第3のスイッチ領域Ak,Bk,Dkは、スイッチの形状と、スイッチの面積と、操作画面131内におけるスイッチの位置とによって規定される。スイッチの位置は、スイッチ配列面としての操作画面131を平面座標系と見なしてスイッチ領域の面積重心の位置を座標表示することによって規定される。
【0017】
選択手段15は、分布型荷重センサ12から得られる荷重分布検出情報に基づいて、記憶手段16に記憶されている第1〜第3のスイッチ領域Ak,Bk,Dkのうちのいずれか1つを選択する。選択手段15は、選択したスイッチ領域を操作画面131上に設定する。分布型荷重センサ12は、指の動きに影響を与える身体的拘束状態を検出する拘束状態検出手段である。領域設定装置14は、分布型荷重センサ12によって検出された結果に基づいて、操作画面131内における第1〜第3のスイッチ領域Ak,Bk,Dkを設定する領域設定手段である。
【0018】
運転席の前方には表示装置17が設置されている。表示装置17は、車載機器19を操作するためのメニューを表示する。メニューは、操作画面131上の第1〜第3のスイッチ領域Ak,Bk,Dkの数(本実施の形態では12個)だけ用意されている。第1〜第3のスイッチ領域Ak,Bk,Dkにおけるkは、いずれも同じ数字とすると、第1〜第3のスイッチ領域Ak,Bk,Dkは、それぞれ1つの同じメニューに対応している。操作画面131を指で走査してスイッチ領域Ak,Bk,Dkにタッチすると、このタッチ情報が入力制御装置18へ送られる。入力制御装置18は、タッチパッド13から送られるタッチ情報に基づいて、タッチしたスイッチ領域Ak,Bk,Dkに対応するメニューを強調する制御を行う。この強調は、例えば色変更、明るさ増強等による。
【0019】
タッチしたスイッチ領域Ak,Bk,Dkを指で押圧すると、この押圧情報が入力制御装置18へ送られる。入力制御装置18は、タッチパッド13から送られる押圧情報に基づいて、押圧したスイッチ領域Ak,Bk,Dkに対応するメニューで表される操作情報を車載機器19に出力する。
【0020】
図1(b)に示す第1のスイッチ領域Akの配置パターン、図2(a)に示す第2のスイッチ領域Bkの配置パターン、及び図2(b)に示す第3のスイッチ領域Dkの配置パターンは、それぞれ異なる。第1〜第3のスイッチ領域Ak,Bk,Dkの決定は、以下のようにして行われる。
【0021】
図3(a)に示すように、座席20の左横に支持台21及び透明な平板22を置き、座席20に座った状態で平板22の上面221に左手の人差し指の第1関節より先の部分を載せて押圧する。この押圧力は、例えば3N程度となるようにする。平板22の上面221を人差し指で押圧している状態を平板22の下側からカメラで撮影し、上面221に対する人差し指の接触面積を計測する。図4(a)〜(e)は、複数人の被験者(本実施の形態では14人)のうちの1人に関する実験結果である。
【0022】
図4(a)におけるa1〜a12は、支持台21及び平板22のいずれにも肘及び手首を付けないで上面221を人差し指で押接したときの上面221に対する人差し指の接触面を示す。この状態は、肩を動作支点とした第1の身体的拘束状態〈1〉である。
【0023】
図4(b)におけるb1〜b12は、図3(a)に示す支持台21上の×位置に肘の根元を載せ、かつ手首の左右動を自由として上面221を人差し指で押接したときの上面221に対する人差し指の接触面を示す。この状態は、肘を動作支点として手首の左右動を許容した第2の身体的拘束状態〈2〉である。
【0024】
図4(c)におけるc1〜c12は、図3(a)に示す支持台21上の×位置に肘の根元を載せ、かつ手首の左右動を禁止して上面221を人差し指で押接したときの上面221に対する人差し指の接触面を示す。この状態は、肘を動作支点として手首の左右動を禁止した第3の身体的拘束状態〈3〉である。
【0025】
図4(d)におけるd1〜d12は、平板22上に手首を載せ、かつ手首の左右動を自由として上面221を人差し指で押接したときの上面221に対する人差し指の接触面を示す。この状態は、手首を動作支点とした第4の身体的拘束状態〈4〉である。
【0026】
図4(e)におけるe1〜e12は、平板22上に手首を載せ、かつ手首の左右動を禁止して上面221を人差し指で押接したときの上面221に対する人差し指の接触面を示す。この状態は、手首を動作支点として手首の左右動を禁止した第5の身体的拘束状態〈5〉である。
【0027】
図5(a)のグラフは、図4(a)〜(e)における接触面a3,a7,a11,b3,b7,b11,c3,c7,c11,d3,d7,d11,e3,e7,e11の接触位置と、これらの接触面の幅〔図4(a)にHで一例を示す〕を正規化した正規化幅との関係を表すグラフである。正規化幅は、幅を人差し指の第1関節より先での最大幅Wで割った値である。
【0028】
図5(b)のグラフは、図4(a)〜(e)における接触面a3,a7,a11,b3,b7,b11,c3,c7,c11,d3,d7,d11,e3,e7,e11の接触位置と、これらの接触面の長さ〔図4(a)にLで一例を示す〕を正規化した正規化長との関係を表すグラフである。正規化長は、長さを人差し指の第1関節より先での長さTで割った値である。
【0029】
図5(c)のグラフは、図4(a)〜(e)における接触面a3,a7,a11,b3,b7,b11,c3,c7,c11,d3,d7,d11,e3,e7,e11の接触位置と、これらの接触面の接触面積を正規化した正規化面積との関係を表すグラフである。正規化面積は、接触面積を面積(W×T)で割った値である。
【0030】
図5(a),(b),(c)における横軸の接触位置は、人差し指101が支持台21から最も遠い位置に延ばされたときの接触面における面積重心位置からの距離である。●は、接触面a3,a7,a11に対応した実測結果であり、○は、接触面b3,b7,b11に対応した実測結果である。◇は、接触面c3,c7,c11に対応した実測結果であり、□は、接触面d3,d7,d11に対応した実測結果である。△は、接触面e3,e7,e11に対応した実測結果である。
【0031】
第1のスイッチ領域Akの決定は、図4(a)における接触面の接触位置と接触面積とを考慮して行われている。第2のスイッチ領域Bkの決定は、図4(b)における接触面の接触位置と接触面積とを考慮して行われており、第3のスイッチ領域Dkの決定は、図4(d)における接触面の接触位置と接触面積とを考慮して行われている。
【0032】
なお、図3(a)における平板22上の曲線E1は、第1の身体的拘束状態〈1〉での人差し指101の移動限界を表し、曲線E2は、第2の身体的拘束状態〈2〉での人差し指101の移動限界を表す。曲線E3は、第3の身体的拘束状態〈3〉での人差し指101の移動限界を表し、曲線E4は、第4の身体的拘束状態〈4〉での人差し指101の移動限界を表す。曲線E5は、第5の身体的拘束状態〈5〉での人差し指101の移動限界を表す。曲線E1,E2,E3,E4,E5は、被験者14人のうちのいずれか1人の実験結果を表す。
【0033】
図3(b)のグラフにおける直線範囲F1,F2,F3,F4,F5は、身体的拘束状態〈1〉,〈2〉,〈3〉,〈4〉,〈5〉と、左右方向〔図3(a)において左右方向〕における被験者14人の人差し指101の移動限界の長さとの関係を表す。図3(c)のグラフにおける直線範囲G1,G2,G3,G4,G5は、身体的拘束状態〈1〉,〈2〉,〈3〉,〈4〉,〈5〉と、前後方向〔図3(a)において上下方向〕における被験者14人の人差し指101の移動限界の長さとの関係を表す。
【0034】
次に、分布型荷重センサ12、タッチパッド13及び領域設定装置14からなる面走査型入力装置の作用を説明する。
分布型荷重センサ12上に肘、手首等の腕部を載せていない場合、選択手段15は、分布型荷重センサ12からの加重分布情報に基づいて、身体的拘束状態を第1の身体的拘束状態〈1〉と判定する。この判定に基づき、選択手段15は、記憶手段16に記憶されている第1のスイッチ領域Akを選択して操作画面131に第1のスイッチ領域Akを設定する。
【0035】
分布型荷重センサ12上に肘を載せ、かつ手首を載せていない場合、選択手段15は、分布型荷重センサ12からの加重分布情報に基づいて、身体的拘束状態を第2の身体的拘束状態〈2〉と判定する。この判定に基づき、選択手段15は、記憶手段16に記憶されている第2のスイッチ領域Bkを選択して操作画面131に第2のスイッチ領域Bkを設定する。
【0036】
分布型荷重センサ12上に手首を載せている場合、選択手段15は、分布型荷重センサ12からの加重分布情報に基づいて、身体的拘束状態を第4の身体的拘束状態〈4〉と判定する。この判定に基づき、選択手段15は、記憶手段16に記憶されている第3のスイッチ領域Dkを選択して操作画面131に第3のスイッチ領域Dkを設定する。
【0037】
第1の実施の形態では以下の効果が得られる。
(1−1)図4(a),(b),(c),(d),(e)及び図5(a),(b),(c)の実験結果から明らかなように、平板22の上面221に対する人差し指101の接触状態(接触位置及び接触面積)は、身体的拘束状態〈1〉,〈2〉,〈3〉,〈4〉,〈5〉によって異なる。例えば、身体的拘束状態が第1の身体的拘束状態〈1〉の場合、上面221に対する人差し指101の接触面の正規化幅、正規化長及び正規化面積は、いずれもあまり変化しない。しかし、身体的拘束状態が第4,5の身体的拘束状態〈4〉,〈5〉の場合には、操作画面131に対する人差し指101の接触面の正規化幅、正規化長及び正規化面積は、いずれも大きく変化する。即ち、第1の身体的拘束状態〈1〉の場合のスイッチの操作状態と、第4,5の身体的拘束状態〈4〉,〈5〉の場合の操作状態とは、大きく異なる。
【0038】
図1(b)の第1のスイッチ領域Akは、アームレスト11の上に腕部10を載せない状態での操作画面131に対する人差し指101の接触状態(接触位置及び接触面積)を考慮して、スイッチの操作性を高めるように決定されている。図2(a)の第2のスイッチ領域Bkは、アームレスト11の上に肘を載せ、かつ手首を載せない状態での操作画面131に対する人差し指101の接触状態を考慮して、スイッチの操作性を高めるように決定されている。図2(b)の第3のスイッチ領域Dkは、アームレスト11の上に手首を載せた状態での操作画面131に対する人差し指101の接触状態を考慮して、スイッチの操作性を高めるように決定されている。
【0039】
即ち、領域設定手段としての領域設定装置14によって設定されたスイッチ領域は、分布型荷重センサ12によって検出された身体的拘束状態のもとでのスイッチの操作性を高めるように決定されたスイッチ領域である。従って、運転者の身体的拘束状態が変わっても、操作画面131上のスイッチの操作性は、常に良好である。
【0040】
(1−2)拘束状態検出手段である分布型荷重センサ12は、肩を動作支点とした身体的拘束状態と、肘を動作支点とした身体的拘束状態と、手首を動作支点とした身体的拘束状態とを検出可能である。領域設定装置14は、肩を動作支点とした身体的拘束状態に対応する第1のスイッチ領域Akと、肘を動作支点とした身体的拘束状態に対応する第2のスイッチ領域Bkと、手首を動作支点とした身体的拘束状態に対応する第3のスイッチ領域Dkとを設定可能である。
【0041】
操作画面131上のスイッチの操作は、肩を動作支点とした身体的拘束状態と、肘を動作支点とした身体的拘束状態と、手首を動作支点とした身体的拘束状態とのうちのいずれかの状態で行われるのが殆どである。従って、第1〜第3のスイッチ領域Ak,Bk,Dkを身体的拘束状態に応じて設定可能とした構成は、スイッチの操作性の向上に特に有効である。
【0042】
(1−3)分布型荷重センサ12は、拘束状態検出手段として好適である。
(1−4)アームレスト11上に手首を付いた第3の身体的拘束状態〈3〉で操作画面131上のスイッチを操作する場合、人差し指101の移動限界は、曲線E3で示す範囲となる。第3の身体的拘束状態〈3〉で操作画面131上のスイッチを操作する可能性が一番大きいとすると、操作画面131の大きさは、人差し指101の移動限界を表す曲線E3を包含する大きさであればよい。そうすると、操作画面131の大きさは、縦×横=15cm×20cm程度であればよい。
【0043】
本発明では、以下のような実施の形態も可能である。
(1)第1の実施の形態において、操作画面131上のスイッチの位置を例えば図2(b)のように特定しておき、身体的拘束状態に応じてスイッチ領域の面積のみを変更するようにスイッチ領域を決定すること。
【0044】
(2)第1の実施の形態において、分布型荷重センサ12上に腕部10を載せない状態では、領域設定装置14が操作画面131上にスイッチ領域を設定しないようにすること。
【0045】
(3)第1の実施の形態において、分布型荷重センサ12上に腕部10を載せない状態と、分布型荷重センサ12上に手首のみを載せた状態との場合にのみ、領域設定装置14が操作画面131上にスイッチ領域を設定するようにすること。
【0046】
(4)第1の実施の形態において、分布型荷重センサ12によって指の根元を支点とした第5の身体的拘束状態を検出可能に構成し、領域設定装置14が第5の身体的拘束状態に対応する第4のスイッチ領域を設定可能となるように構成すること。
【0047】
(5)タッチパッドの操作画面を曲面とした面走査型入力装置に本発明を適用すること。この場合、操作画面の曲面と同じ形状の曲面からなる試験面に対する指の接触面を計測して曲面の操作画面上のスイッチ領域を決定するのがよい。
【0048】
(6)機械的なプッシュスイッチのスイッチ領域の決定に本発明を適用すること。
前記した実施の形態から把握できる請求項記載以外の発明について以下に記載する。
【0049】
〔1〕請求項1乃至請求項4のいずれか1項において、前記指は、人差し指であるスイッチ領域の決定方法。
〔2〕請求項1乃至請求項4、及び前記〔1〕項のいずれか1項において、前記スイッチ領域は、スイッチの形状と、前記スイッチの面積と、前記操作画面内における前記スイッチの位置とによって規定されるスイッチの領域の決定方法。
【0050】
〔3〕請求項5乃至請求項9のいずれか1項において、前記操作画面は、平面である面走査装置。
〔4〕請求項5乃至請求項9、前記〔3〕項のいずれか1項において、前記操作画面における前記スイッチ領域を押圧して情報入力を行う面走査型入力装置。
【0051】
【発明の効果】
指の動きに影響を与える身体的拘束状態のもとで試験面に指を押接し、前記試験面に対する前記指の接触面積を計測し、計測された前記接触面積に基づいて、スイッチ配列面におけるスイッチ領域を決定する発明では、スイッチの操作性を向上し得るという優れた効果を奏する。
【0052】
拘束状態検出手段によって検出された結果に基づいて、操作画面内におけるスイッチ領域を設定する発明では、面走査型入力装置におけるスイッチの操作性を向上し得るという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態を示し、(a)は、ブロック図を組み込んだ簡略側面図。(b)は、第1のスイッチ領域を表している操作画面を示す平面図。
【図2】(a)は、第2のスイッチ領域を表している操作画面を示す平面図。(b)は、第3のスイッチ領域を表している操作画面を示す平面図。
【図3】(a)は、実験装置を示す平面図。(b)は、各身体的拘束状態における人差し指の左右方向の移動範囲を示すグラフ。(c)は、各身体的拘束状態における人差し指の前後方向の移動範囲を示すグラフ。
【図4】(a)は、第1の身体的拘束状態における操作画面に対する人差し指の接触状態を示す平面図。(b)は、第2の身体的拘束状態における操作画面に対する人差し指の接触状態を示す平面図。(c)は、第3の身体的拘束状態における操作画面に対する人差し指の接触状態を示す平面図。(d)は、第4の身体的拘束状態における操作画面に対する人差し指の接触状態を示す平面図。(e)は、第5の身体的拘束状態における操作画面に対する人差し指の接触状態を示す平面図。
【図5】(a)は、操作画面に対する人差し指の接触状態を正規化幅と接触位置との関係で表したグラフ。(b)は、操作画面に対する人差し指の接触状態を正規化長と接触位置との関係で表したグラフ。(c)は、操作画面に対する人差し指の接触状態を正規化面積と接触位置との関係で表したグラフ。
【符号の説明】
10…腕部。101…人差し指。12…拘束状態検出手段としての分布型荷重センサ。131…スイッチ配列面としての操作画面。14…領域設定手段としての領域設定装置。15…領域設定手段を構成する選択手段。16…領域設定手段を構成する記憶手段。221…試験面としての上面。A1〜A12,B1〜B12,D1〜D12…スイッチ領域。
【発明の属する技術分野】
本発明は、スイッチ領域の決定方法及び面走査型入力装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特開平9−109802号公報には、車載機器(例えば、ナビゲーションシステム等)を操作するための操作装置が開示されている。この種の操作装置における複数のスイッチを配列した入力操作手段の例としては、操作画面を指で走査して情報入力を行う面走査型入力装置がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
操作画面内におけるスイッチの配置や大きさは、スイッチの操作性に影響を与えるため、スイッチの配置や大きさを適正に設定する必要がある。スイッチの配置や大きさは、操作をする指(例えば、人差し指)の大きさや、操作画面内のスイッチの総数などを基準にして決定されることが多い。しかし、これらの基準のみでは、スイッチの操作性を更に向上することは難しい。
【0004】
本発明は、スイッチの操作性を向上することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そのために請求項1の発明では、指の動きに影響を与える身体的拘束状態のもとで試験面に前記指を押接し、前記試験面に対する前記指の接触面積を計測し、計測された前記接触面積に基づいて、スイッチ配列面におけるスイッチ領域を決定するようにした。
【0006】
請求項2の発明では、請求項1において、前記身体的拘束状態は、肩を動作支点とした状態、肘を動作支点として手首の左右動を許容した状態、肘を動作支点として手首の左右動を禁止した状態、手首を動作支点とした状態、及び指の根元を動作支点とした状態のうちのいずれかとした。
【0007】
請求項1及び請求項2の発明において、決定されたスイッチ領域は、接触面積の計測の前提条件である身体的拘束状態のもとでのスイッチの操作性の向上に有効である。
【0008】
請求項3乃至請求項6の発明は、操作画面におけるスイッチ領域にタッチして情報入力を行う面走査型入力装置を対象とし、請求項3の発明では、指の動きに影響を与える身体的拘束状態を検出する拘束状態検出手段と、前記拘束状態検出手段によって検出された結果に基づいて、前記操作画面内における前記スイッチ領域を設定する領域設定手段とを備えた面走査型入力装置を構成した。
【0009】
請求項4の発明では、請求項3において、複数の身体的拘束状態に対して1対1に対応して設定された複数のスイッチ領域を記憶する記憶手段と、前記拘束状態検出手段によって検出された身体的拘束状態に対応するスイッチ領域を前記記憶手段に記憶されている複数のスイッチ領域から選択する選択手段とを備えた前記領域設定手段を構成した。
【0010】
請求項3及び請求項4の発明において、領域設定手段によって設定されたスイッチ領域は、検出された身体的拘束状態に対応するスイッチ領域である。身体的拘束状態に対応するスイッチ領域をこの身体的拘束状態のもとでのスイッチの操作に適切な領域となるように決定しておけば、領域設定手段によって設定されたスイッチ領域は、検出された身体的拘束状態のもとでのスイッチの操作性を向上する。
【0011】
請求項5の発明では、請求項3及び請求項4にいずれか1項において、前記拘束状態検出手段は、肩を動作支点とした身体的拘束状態と、肘を動作支点とした身体的拘束状態と、手首を動作支点とした身体的拘束状態とを検出可能とし、前記領域設定手段は、肩を動作支点とした身体的拘束状態に対応する第1のスイッチ領域と、肘を動作支点とした身体的拘束状態に対応する第2のスイッチ領域と、手首を動作支点とした身体的拘束状態に対応する第3のスイッチ領域とを設定可能とした。
【0012】
第1〜第3のスイッチ領域を設定可能とした構成は、スイッチの操作性の向上に特に有効である。
請求項6の発明では、請求項3乃至請求項5のいずれか1項において、前記拘束状態検出手段は、分布型荷重センサとし、前記分布型荷重センサは、定位置にいる人の腕部を載置可能な位置に配置し、前記操作画面は、前記分布型荷重センサに前記腕部を載置した状態で前記指によって走査可能な位置に配置した。
【0013】
分布型荷重センサは、腕部の載置の有無あるいは腕部の載置状態によって身体的拘束状態を検出する。分布型荷重センサは、拘束状態検出手段として好適である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した第1の実施の形態を図1〜図5に従って説明する。図1(a)に示すように、自動車内のアームレスト11上には分布型荷重センサ12及びタッチパッド13が載置されている。分布型荷重センサ12には運転席の運転者の肘や手首が載せられる。分布型荷重センサ12は、定位置である運転席にいる人の腕部10を載置可能な位置に配置されている。図1(b)に示すタッチパッド13の操作画面131は、分布型荷重センサ12に腕部10を載置した状態で人差し指101によって走査可能な位置に配置されている。分布型荷重センサ12は、荷重分布を検出し、この荷重分布検出情報は、領域設定装置14を構成する選択手段15へ送られる。
【0015】
領域設定装置14は、選択手段15と記憶手段16とからなる。記憶手段16は、図1(b)に示すタッチパッド13の操作画面131における第1のスイッチ領域A1,A2,A3,A4,A5,A6,A7,A8,A9,A10,A11,A12を記憶している。記憶手段16は、図2(a)に示す第2のスイッチ領域B1,B2,B3,B4,B5,B6,B7,B8,B9,B10,B11,B12を記憶している。又、記憶手段16は、図2(b)に示す第3のスイッチ領域D1,D2,D3,D4,D5,D6,D7,D8,D9,D10,D11,D12を記憶している。以下、Akは、第1のスイッチ領域A1〜A12のうちのいずれかを表し、Bkは、第2のスイッチ領域B1〜B12のうちのいずれかを表し、Dkは、第3のスイッチ領域D1〜D12のうちのいずれかを表すものとする。kは1〜12の整数を表す。
【0016】
第1〜第3のスイッチ領域Ak,Bk,Dkは、スイッチの形状と、スイッチの面積と、操作画面131内におけるスイッチの位置とによって規定される。スイッチの位置は、スイッチ配列面としての操作画面131を平面座標系と見なしてスイッチ領域の面積重心の位置を座標表示することによって規定される。
【0017】
選択手段15は、分布型荷重センサ12から得られる荷重分布検出情報に基づいて、記憶手段16に記憶されている第1〜第3のスイッチ領域Ak,Bk,Dkのうちのいずれか1つを選択する。選択手段15は、選択したスイッチ領域を操作画面131上に設定する。分布型荷重センサ12は、指の動きに影響を与える身体的拘束状態を検出する拘束状態検出手段である。領域設定装置14は、分布型荷重センサ12によって検出された結果に基づいて、操作画面131内における第1〜第3のスイッチ領域Ak,Bk,Dkを設定する領域設定手段である。
【0018】
運転席の前方には表示装置17が設置されている。表示装置17は、車載機器19を操作するためのメニューを表示する。メニューは、操作画面131上の第1〜第3のスイッチ領域Ak,Bk,Dkの数(本実施の形態では12個)だけ用意されている。第1〜第3のスイッチ領域Ak,Bk,Dkにおけるkは、いずれも同じ数字とすると、第1〜第3のスイッチ領域Ak,Bk,Dkは、それぞれ1つの同じメニューに対応している。操作画面131を指で走査してスイッチ領域Ak,Bk,Dkにタッチすると、このタッチ情報が入力制御装置18へ送られる。入力制御装置18は、タッチパッド13から送られるタッチ情報に基づいて、タッチしたスイッチ領域Ak,Bk,Dkに対応するメニューを強調する制御を行う。この強調は、例えば色変更、明るさ増強等による。
【0019】
タッチしたスイッチ領域Ak,Bk,Dkを指で押圧すると、この押圧情報が入力制御装置18へ送られる。入力制御装置18は、タッチパッド13から送られる押圧情報に基づいて、押圧したスイッチ領域Ak,Bk,Dkに対応するメニューで表される操作情報を車載機器19に出力する。
【0020】
図1(b)に示す第1のスイッチ領域Akの配置パターン、図2(a)に示す第2のスイッチ領域Bkの配置パターン、及び図2(b)に示す第3のスイッチ領域Dkの配置パターンは、それぞれ異なる。第1〜第3のスイッチ領域Ak,Bk,Dkの決定は、以下のようにして行われる。
【0021】
図3(a)に示すように、座席20の左横に支持台21及び透明な平板22を置き、座席20に座った状態で平板22の上面221に左手の人差し指の第1関節より先の部分を載せて押圧する。この押圧力は、例えば3N程度となるようにする。平板22の上面221を人差し指で押圧している状態を平板22の下側からカメラで撮影し、上面221に対する人差し指の接触面積を計測する。図4(a)〜(e)は、複数人の被験者(本実施の形態では14人)のうちの1人に関する実験結果である。
【0022】
図4(a)におけるa1〜a12は、支持台21及び平板22のいずれにも肘及び手首を付けないで上面221を人差し指で押接したときの上面221に対する人差し指の接触面を示す。この状態は、肩を動作支点とした第1の身体的拘束状態〈1〉である。
【0023】
図4(b)におけるb1〜b12は、図3(a)に示す支持台21上の×位置に肘の根元を載せ、かつ手首の左右動を自由として上面221を人差し指で押接したときの上面221に対する人差し指の接触面を示す。この状態は、肘を動作支点として手首の左右動を許容した第2の身体的拘束状態〈2〉である。
【0024】
図4(c)におけるc1〜c12は、図3(a)に示す支持台21上の×位置に肘の根元を載せ、かつ手首の左右動を禁止して上面221を人差し指で押接したときの上面221に対する人差し指の接触面を示す。この状態は、肘を動作支点として手首の左右動を禁止した第3の身体的拘束状態〈3〉である。
【0025】
図4(d)におけるd1〜d12は、平板22上に手首を載せ、かつ手首の左右動を自由として上面221を人差し指で押接したときの上面221に対する人差し指の接触面を示す。この状態は、手首を動作支点とした第4の身体的拘束状態〈4〉である。
【0026】
図4(e)におけるe1〜e12は、平板22上に手首を載せ、かつ手首の左右動を禁止して上面221を人差し指で押接したときの上面221に対する人差し指の接触面を示す。この状態は、手首を動作支点として手首の左右動を禁止した第5の身体的拘束状態〈5〉である。
【0027】
図5(a)のグラフは、図4(a)〜(e)における接触面a3,a7,a11,b3,b7,b11,c3,c7,c11,d3,d7,d11,e3,e7,e11の接触位置と、これらの接触面の幅〔図4(a)にHで一例を示す〕を正規化した正規化幅との関係を表すグラフである。正規化幅は、幅を人差し指の第1関節より先での最大幅Wで割った値である。
【0028】
図5(b)のグラフは、図4(a)〜(e)における接触面a3,a7,a11,b3,b7,b11,c3,c7,c11,d3,d7,d11,e3,e7,e11の接触位置と、これらの接触面の長さ〔図4(a)にLで一例を示す〕を正規化した正規化長との関係を表すグラフである。正規化長は、長さを人差し指の第1関節より先での長さTで割った値である。
【0029】
図5(c)のグラフは、図4(a)〜(e)における接触面a3,a7,a11,b3,b7,b11,c3,c7,c11,d3,d7,d11,e3,e7,e11の接触位置と、これらの接触面の接触面積を正規化した正規化面積との関係を表すグラフである。正規化面積は、接触面積を面積(W×T)で割った値である。
【0030】
図5(a),(b),(c)における横軸の接触位置は、人差し指101が支持台21から最も遠い位置に延ばされたときの接触面における面積重心位置からの距離である。●は、接触面a3,a7,a11に対応した実測結果であり、○は、接触面b3,b7,b11に対応した実測結果である。◇は、接触面c3,c7,c11に対応した実測結果であり、□は、接触面d3,d7,d11に対応した実測結果である。△は、接触面e3,e7,e11に対応した実測結果である。
【0031】
第1のスイッチ領域Akの決定は、図4(a)における接触面の接触位置と接触面積とを考慮して行われている。第2のスイッチ領域Bkの決定は、図4(b)における接触面の接触位置と接触面積とを考慮して行われており、第3のスイッチ領域Dkの決定は、図4(d)における接触面の接触位置と接触面積とを考慮して行われている。
【0032】
なお、図3(a)における平板22上の曲線E1は、第1の身体的拘束状態〈1〉での人差し指101の移動限界を表し、曲線E2は、第2の身体的拘束状態〈2〉での人差し指101の移動限界を表す。曲線E3は、第3の身体的拘束状態〈3〉での人差し指101の移動限界を表し、曲線E4は、第4の身体的拘束状態〈4〉での人差し指101の移動限界を表す。曲線E5は、第5の身体的拘束状態〈5〉での人差し指101の移動限界を表す。曲線E1,E2,E3,E4,E5は、被験者14人のうちのいずれか1人の実験結果を表す。
【0033】
図3(b)のグラフにおける直線範囲F1,F2,F3,F4,F5は、身体的拘束状態〈1〉,〈2〉,〈3〉,〈4〉,〈5〉と、左右方向〔図3(a)において左右方向〕における被験者14人の人差し指101の移動限界の長さとの関係を表す。図3(c)のグラフにおける直線範囲G1,G2,G3,G4,G5は、身体的拘束状態〈1〉,〈2〉,〈3〉,〈4〉,〈5〉と、前後方向〔図3(a)において上下方向〕における被験者14人の人差し指101の移動限界の長さとの関係を表す。
【0034】
次に、分布型荷重センサ12、タッチパッド13及び領域設定装置14からなる面走査型入力装置の作用を説明する。
分布型荷重センサ12上に肘、手首等の腕部を載せていない場合、選択手段15は、分布型荷重センサ12からの加重分布情報に基づいて、身体的拘束状態を第1の身体的拘束状態〈1〉と判定する。この判定に基づき、選択手段15は、記憶手段16に記憶されている第1のスイッチ領域Akを選択して操作画面131に第1のスイッチ領域Akを設定する。
【0035】
分布型荷重センサ12上に肘を載せ、かつ手首を載せていない場合、選択手段15は、分布型荷重センサ12からの加重分布情報に基づいて、身体的拘束状態を第2の身体的拘束状態〈2〉と判定する。この判定に基づき、選択手段15は、記憶手段16に記憶されている第2のスイッチ領域Bkを選択して操作画面131に第2のスイッチ領域Bkを設定する。
【0036】
分布型荷重センサ12上に手首を載せている場合、選択手段15は、分布型荷重センサ12からの加重分布情報に基づいて、身体的拘束状態を第4の身体的拘束状態〈4〉と判定する。この判定に基づき、選択手段15は、記憶手段16に記憶されている第3のスイッチ領域Dkを選択して操作画面131に第3のスイッチ領域Dkを設定する。
【0037】
第1の実施の形態では以下の効果が得られる。
(1−1)図4(a),(b),(c),(d),(e)及び図5(a),(b),(c)の実験結果から明らかなように、平板22の上面221に対する人差し指101の接触状態(接触位置及び接触面積)は、身体的拘束状態〈1〉,〈2〉,〈3〉,〈4〉,〈5〉によって異なる。例えば、身体的拘束状態が第1の身体的拘束状態〈1〉の場合、上面221に対する人差し指101の接触面の正規化幅、正規化長及び正規化面積は、いずれもあまり変化しない。しかし、身体的拘束状態が第4,5の身体的拘束状態〈4〉,〈5〉の場合には、操作画面131に対する人差し指101の接触面の正規化幅、正規化長及び正規化面積は、いずれも大きく変化する。即ち、第1の身体的拘束状態〈1〉の場合のスイッチの操作状態と、第4,5の身体的拘束状態〈4〉,〈5〉の場合の操作状態とは、大きく異なる。
【0038】
図1(b)の第1のスイッチ領域Akは、アームレスト11の上に腕部10を載せない状態での操作画面131に対する人差し指101の接触状態(接触位置及び接触面積)を考慮して、スイッチの操作性を高めるように決定されている。図2(a)の第2のスイッチ領域Bkは、アームレスト11の上に肘を載せ、かつ手首を載せない状態での操作画面131に対する人差し指101の接触状態を考慮して、スイッチの操作性を高めるように決定されている。図2(b)の第3のスイッチ領域Dkは、アームレスト11の上に手首を載せた状態での操作画面131に対する人差し指101の接触状態を考慮して、スイッチの操作性を高めるように決定されている。
【0039】
即ち、領域設定手段としての領域設定装置14によって設定されたスイッチ領域は、分布型荷重センサ12によって検出された身体的拘束状態のもとでのスイッチの操作性を高めるように決定されたスイッチ領域である。従って、運転者の身体的拘束状態が変わっても、操作画面131上のスイッチの操作性は、常に良好である。
【0040】
(1−2)拘束状態検出手段である分布型荷重センサ12は、肩を動作支点とした身体的拘束状態と、肘を動作支点とした身体的拘束状態と、手首を動作支点とした身体的拘束状態とを検出可能である。領域設定装置14は、肩を動作支点とした身体的拘束状態に対応する第1のスイッチ領域Akと、肘を動作支点とした身体的拘束状態に対応する第2のスイッチ領域Bkと、手首を動作支点とした身体的拘束状態に対応する第3のスイッチ領域Dkとを設定可能である。
【0041】
操作画面131上のスイッチの操作は、肩を動作支点とした身体的拘束状態と、肘を動作支点とした身体的拘束状態と、手首を動作支点とした身体的拘束状態とのうちのいずれかの状態で行われるのが殆どである。従って、第1〜第3のスイッチ領域Ak,Bk,Dkを身体的拘束状態に応じて設定可能とした構成は、スイッチの操作性の向上に特に有効である。
【0042】
(1−3)分布型荷重センサ12は、拘束状態検出手段として好適である。
(1−4)アームレスト11上に手首を付いた第3の身体的拘束状態〈3〉で操作画面131上のスイッチを操作する場合、人差し指101の移動限界は、曲線E3で示す範囲となる。第3の身体的拘束状態〈3〉で操作画面131上のスイッチを操作する可能性が一番大きいとすると、操作画面131の大きさは、人差し指101の移動限界を表す曲線E3を包含する大きさであればよい。そうすると、操作画面131の大きさは、縦×横=15cm×20cm程度であればよい。
【0043】
本発明では、以下のような実施の形態も可能である。
(1)第1の実施の形態において、操作画面131上のスイッチの位置を例えば図2(b)のように特定しておき、身体的拘束状態に応じてスイッチ領域の面積のみを変更するようにスイッチ領域を決定すること。
【0044】
(2)第1の実施の形態において、分布型荷重センサ12上に腕部10を載せない状態では、領域設定装置14が操作画面131上にスイッチ領域を設定しないようにすること。
【0045】
(3)第1の実施の形態において、分布型荷重センサ12上に腕部10を載せない状態と、分布型荷重センサ12上に手首のみを載せた状態との場合にのみ、領域設定装置14が操作画面131上にスイッチ領域を設定するようにすること。
【0046】
(4)第1の実施の形態において、分布型荷重センサ12によって指の根元を支点とした第5の身体的拘束状態を検出可能に構成し、領域設定装置14が第5の身体的拘束状態に対応する第4のスイッチ領域を設定可能となるように構成すること。
【0047】
(5)タッチパッドの操作画面を曲面とした面走査型入力装置に本発明を適用すること。この場合、操作画面の曲面と同じ形状の曲面からなる試験面に対する指の接触面を計測して曲面の操作画面上のスイッチ領域を決定するのがよい。
【0048】
(6)機械的なプッシュスイッチのスイッチ領域の決定に本発明を適用すること。
前記した実施の形態から把握できる請求項記載以外の発明について以下に記載する。
【0049】
〔1〕請求項1乃至請求項4のいずれか1項において、前記指は、人差し指であるスイッチ領域の決定方法。
〔2〕請求項1乃至請求項4、及び前記〔1〕項のいずれか1項において、前記スイッチ領域は、スイッチの形状と、前記スイッチの面積と、前記操作画面内における前記スイッチの位置とによって規定されるスイッチの領域の決定方法。
【0050】
〔3〕請求項5乃至請求項9のいずれか1項において、前記操作画面は、平面である面走査装置。
〔4〕請求項5乃至請求項9、前記〔3〕項のいずれか1項において、前記操作画面における前記スイッチ領域を押圧して情報入力を行う面走査型入力装置。
【0051】
【発明の効果】
指の動きに影響を与える身体的拘束状態のもとで試験面に指を押接し、前記試験面に対する前記指の接触面積を計測し、計測された前記接触面積に基づいて、スイッチ配列面におけるスイッチ領域を決定する発明では、スイッチの操作性を向上し得るという優れた効果を奏する。
【0052】
拘束状態検出手段によって検出された結果に基づいて、操作画面内におけるスイッチ領域を設定する発明では、面走査型入力装置におけるスイッチの操作性を向上し得るという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態を示し、(a)は、ブロック図を組み込んだ簡略側面図。(b)は、第1のスイッチ領域を表している操作画面を示す平面図。
【図2】(a)は、第2のスイッチ領域を表している操作画面を示す平面図。(b)は、第3のスイッチ領域を表している操作画面を示す平面図。
【図3】(a)は、実験装置を示す平面図。(b)は、各身体的拘束状態における人差し指の左右方向の移動範囲を示すグラフ。(c)は、各身体的拘束状態における人差し指の前後方向の移動範囲を示すグラフ。
【図4】(a)は、第1の身体的拘束状態における操作画面に対する人差し指の接触状態を示す平面図。(b)は、第2の身体的拘束状態における操作画面に対する人差し指の接触状態を示す平面図。(c)は、第3の身体的拘束状態における操作画面に対する人差し指の接触状態を示す平面図。(d)は、第4の身体的拘束状態における操作画面に対する人差し指の接触状態を示す平面図。(e)は、第5の身体的拘束状態における操作画面に対する人差し指の接触状態を示す平面図。
【図5】(a)は、操作画面に対する人差し指の接触状態を正規化幅と接触位置との関係で表したグラフ。(b)は、操作画面に対する人差し指の接触状態を正規化長と接触位置との関係で表したグラフ。(c)は、操作画面に対する人差し指の接触状態を正規化面積と接触位置との関係で表したグラフ。
【符号の説明】
10…腕部。101…人差し指。12…拘束状態検出手段としての分布型荷重センサ。131…スイッチ配列面としての操作画面。14…領域設定手段としての領域設定装置。15…領域設定手段を構成する選択手段。16…領域設定手段を構成する記憶手段。221…試験面としての上面。A1〜A12,B1〜B12,D1〜D12…スイッチ領域。
Claims (6)
- 指の動きに影響を与える身体的拘束状態のもとで試験面に前記指を押接し、前記試験面に対する前記指の接触面積を計測し、計測された前記接触面積に基づいて、スイッチ配列面におけるスイッチ領域を決定するスイッチ領域の決定方法。
- 前記身体的拘束状態は、肩を動作支点とした状態、肘を動作支点として手首の左右動を許容した状態、肘を動作支点として手首の左右動を禁止した状態、手首を動作支点とした状態、及び指の根元を動作支点とした状態のうちのいずれかである請求項1に記載のスイッチ領域の決定方法。
- 操作画面におけるスイッチ領域にタッチして情報入力を行う面走査型入力装置において、
指の動きに影響を与える身体的拘束状態を検出する拘束状態検出手段と、
前記拘束状態検出手段によって検出された結果に基づいて、前記操作画面内における前記スイッチ領域を設定する領域設定手段とを備えた面走査型入力装置。 - 前記領域設定手段は、複数の身体的拘束状態に対して1対1に対応して設定された複数のスイッチ領域を記憶する記憶手段と、前記拘束状態検出手段によって検出された身体的拘束状態に対応するスイッチ領域を前記記憶手段に記憶されている複数のスイッチ領域から選択する選択手段とを備えている請求項3に記載の面走査型入力装置。
- 前記拘束状態検出手段は、肩を動作支点とした身体的拘束状態と、肘を動作支点とした身体的拘束状態と、手首を動作支点とした身体的拘束状態とを検出可能であり、前記領域設定手段は、肩を動作支点とした身体的拘束状態に対応する第1のスイッチ領域と、肘を動作支点とした身体的拘束状態に対応する第2のスイッチ領域と、手首を動作支点とした身体的拘束状態に対応する第3のスイッチ領域とを設定可能である請求項3及び請求項4のいずれか1項に記載の面走査型入力装置。
- 前記拘束状態検出手段は、分布型荷重センサであり、前記分布型荷重センサは、定位置にいる人の腕部を載置可能な位置に配置されており、前記操作画面は、前記分布型荷重センサに前記腕部を載置した状態で前記指によって走査可能な位置に配置されている請求項3乃至請求項5のいずれか1項に記載の面走査型入力装置。
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