JP2004058438A - 印刷データ処理装置、印刷データ処理システム、印刷データ処理方法、およびプログラム - Google Patents
印刷データ処理装置、印刷データ処理システム、印刷データ処理方法、およびプログラム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004058438A JP2004058438A JP2002219477A JP2002219477A JP2004058438A JP 2004058438 A JP2004058438 A JP 2004058438A JP 2002219477 A JP2002219477 A JP 2002219477A JP 2002219477 A JP2002219477 A JP 2002219477A JP 2004058438 A JP2004058438 A JP 2004058438A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- data
- processing
- layout
- print data
- setting file
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Abandoned
Links
Images
Landscapes
- Color Image Communication Systems (AREA)
- Record Information Processing For Printing (AREA)
- Color, Gradation (AREA)
- Editing Of Facsimile Originals (AREA)
- Facsimile Image Signal Circuits (AREA)
Abstract
【課題】色校正に伴うレイアウトデータの修正を、RIP装置において、かつ必要な箇所だけ行える印刷データ処理システムを提供する。
【解決手段】RIP処理部を備える出力装置が、レシピファイルRFの生成と、レシピファイルRFに基づいてRGB表色系を有する写真原稿データPT1のCMYK変換処理と補正処理とを行う、画像変換処理部を備える。RIP処理後の校正刷りの結果、特定の写真の色再現が不適切な場合は、出力装置の画像変換処理部において当該写真原稿データPT1についてのレシピファイルRFを再設定し、再度画像変換処理とRIP処理とを行う。これにより、レイアウトデータ作成装置まで遡ってレイアウトデータLD全体を修正せずとも、適切な印刷データを得ることができる。
【選択図】 図10
【解決手段】RIP処理部を備える出力装置が、レシピファイルRFの生成と、レシピファイルRFに基づいてRGB表色系を有する写真原稿データPT1のCMYK変換処理と補正処理とを行う、画像変換処理部を備える。RIP処理後の校正刷りの結果、特定の写真の色再現が不適切な場合は、出力装置の画像変換処理部において当該写真原稿データPT1についてのレシピファイルRFを再設定し、再度画像変換処理とRIP処理とを行う。これにより、レイアウトデータ作成装置まで遡ってレイアウトデータLD全体を修正せずとも、適切な印刷データを得ることができる。
【選択図】 図10
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、商業印刷用の印刷システムにおける、印刷データのラスタライズ処理技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタルカメラの性能向上に伴い、従来の銀塩カメラにて撮影した写真と遜色のない画像を得ることができるようになってきている。これに伴い、銀塩カメラにて撮影した写真(アナログ写真)に代わり、デジタルカメラで撮影して得られた写真データを、印刷用写真原稿として使用する(入稿する)ことが日常化しつつある。印刷データを制作するフローも、必然的に従来とは異なってきている。
【0003】
例えば、アナログ写真を用いて印刷物を作成する場合、写真に関しては図11(a)に示すような処理フローにより行われる。まず、被写体を銀塩カメラにて撮影し(ステップS101)、フィルムを現像する(ステップS102)ことで写真原稿が得られる(ステップS103)。次に、得られた写真原稿について、作成しようとする印刷物におけるおよそのレイアウト(配置、大きさ、向きなど)を定めるラフレイアウト(ステップS104)を行った後、CMYK表色系に従って色分解を行うスキャナ分解(ステップS105)がなされる。スキャナ分解の前にラフレイアウトを行うのは、最良な品質の印刷物を得るためには、最終的にレイアウトされた状態を踏まえたスキャナ分解を行う必要があるからである。そして、レイアウトソフトウェアによって、スキャナにて取り込まれた写真データと文字・線画データとがレイアウトされる(ステップS106)。レイアウトが完成すると、レイアウト内容を含む印刷データはRIP(ラスターイメージプロセッサ)に受け渡され、各色版ごとに、ベクターデータとして記述されている印刷データを、印刷機が解析可能なラスターデータに変換するラスタライズ処理(RIP処理)が実行される(ステップS107)。その後、各色版ごとに、色校正のための校正刷り(ゲラ刷り)が行われ(ステップS108)る。その結果、色再現性に問題がなければ、出力処理がなされ、不十分であれば、色指定等を修正して、再びスキャナ分解が実行されることとなる(ステップS109、S110)。
【0004】
これに対し、デジタルカメラで得られる写真データを用いた場合の処理フローは、例えば図11(b)のようになる。まず被写体をデジタルカメラにて撮影(ステップS111)した後、画像処理ソフトウェアにて、例えばトリミング等の画像処理を行う(ステップS112)。なお、デジタルカメラで撮影して得られる写真データは一般にRGB表色系に基づくデータであるので、画像処理もRGB表色系に基づいて行われる。画像処理を施すことで、デジタルデータとしての写真原稿データが完成する(ステップS113)。次に、レイアウトソフトウェアにおいて、この写真原稿データを取り込んで、文字・線画原稿データをも含めた印刷物全体についてのラフレイアウトが行われる(ステップS114)。そして、印刷物についてのおよそのレイアウトが確定した時点で、写真原稿データをCMYK表色系を有するデータに変換するCMYK変換処理を画像処理ソフトウェア等で行い(ステップS115)、これをレイアウトデータと関連づける(差し替える)ことでレイアウトが完成する(ステップS116)。レイアウトが完成すると、RIP処理、色校正のための校正刷りが、アナログ写真の場合と同様に実行される(ステップS117,S118)。その結果、色再現性に問題がなければ、出力処理がなされ、不十分であれば、CMYK変換処理に際しての色指定等を修正する(ステップS119、S120)。
【0005】
すなわち、デジタルカメラで撮影した写真データを用いる場合、現像や集版などの処理が不要な一方、出力に至るまでデジタルデータとしてソフトウェア上で処理が可能であり、工程が著しく短縮されるという利点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、アナログ写真の場合であっても、デジタルカメラで取得した写真データの場合であっても、校正刷りの結果が不十分であれば、制作フローをさかのぼって必要な修正を行い、再処理する必要がある点では同一である。特に、後者の場合は、出力までの各段階で全てデジタルデータとして画像を扱っているにもかかわらず、色再現性の問題には関係のないレイアウトの時点までさかのぼらねばならないのは、処理効率を向上させる際の阻害要因となっている。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、レイアウト段階まで制作フローをさかのぼることなく、印刷データの色再現性を修正することができる印刷システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、印刷物のレイアウトを定める印刷データをラスタライズ処理するラスタライズ処理手段を備える印刷データ処理装置であって、RGB表色系により表されるデジタルデータである第1写真原稿データをCMYK表色系により表される第2写真原稿データへと変換する色空間変換処理を行う色空間変換手段、前記第2写真原稿データの補正処理を行う補正手段、および、印刷物のレイアウトを行った結果を表すレイアウト情報と前記第1写真原稿データとの関連づけを、前記第2写真原稿データとの関連づけに変更する差替処理を行う差替手段、を含む画像変換手段、をさらに備え、前記画像変換手段において実行されるべき処理内容を記述する設定ファイルには前記レイアウト情報が含まれることを特徴とする。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の印刷データ処理装置であって、前記差替処理が実行された後のレイアウトデータを印刷データとしてラスタライズ処理に供することを特徴とする。
【0010】
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の印刷データ処理装置であって、前記設定ファイルの生成と修正とを行う設定ファイル生成手段、をさらに備え、前記印刷データ基づく校正刷りの結果が適切でない場合に、前記設定ファイル生成手段において設定ファイルを再設定し、新たな設定ファイルに基づいて前記画像変換手段において再画像変換処理を行うことを特徴とする。
【0011】
また、請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の印刷データ処理装置であって、前記第1写真原稿データは、デジタルカメラによって取得されたデータに基づくことを特徴とする。
【0012】
また、請求項5の発明は、請求項4に記載の印刷データ処理装置であって、前記第1写真原稿データは、デジタルカメラによって取得された後、デジタルカメラの機種に依存しない基準表色系により表されるデータに変換された後に与えられていることを特徴とする。
【0013】
また、請求項6の発明は、印刷物のレイアウトを定める印刷データを処理するシステムであって、a)印刷物のレイアウトを定めるレイアウトデータを作成するレイアウトデータ作成装置と、b−1)前記レイアウトの対象となっている写真に相当し、RGB表色系により表された第1写真原稿データに対し、所定の画像変換処理を施して第2写真原稿データを得る画像変換手段、および、b−2)前記第2写真原稿データを含む印刷データに対しラスタライズ処理を行うラスタライズ処理手段、を備える印刷データ処理装置と、を備え、前記レイアウトデータ作成装置が、a−1)前記第1写真原稿データが表現する写真の、印刷物におけるレイアウトを行い、その結果を前記第1写真原稿データと関連づけたレイアウト情報として保持するレイアウト作成手段と、a−2)前記画像変換処理において実行されるべき処理内容を記述する設定ファイルに前記レイアウト情報を合成する、レイアウト情報合成手段と、を備え、前記印刷データ処理装置の画像変換手段が、b−1−1)前記設定ファイルに基づき前記第1写真原稿データをCMYK表色系により表される第2写真原稿データへと変換する色空間変換処理を行う色空間変換手段、b−1−2)前記設定ファイルに基づき前記第2写真原稿データの補正処理を行う補正手段、b−1−3)前記レイアウト情報と前記第1写真原稿データとの関連づけを、前記第2写真原稿データとの関連づけに変更する差替処理を行う差替手段、および、b−1−4)前記設定ファイルの生成と修正とを行う設定ファイル生成手段、を備え、前記印刷データが、前記差替処理が行われたレイアウト情報を含み、前記印刷データ基づく校正刷りの結果が適切でない場合に、前記設定ファイル生成手段において設定ファイルを再設定し、新たな設定ファイルに基づいて前記画像変換手段において再画像変換処理を行うことを特徴とする。
【0014】
また、請求項7の発明は、印刷物のレイアウトを定める印刷データを処理する方法であって、a−1)所定の設定ファイルに基づきRGB表色系により表されるデジタルデータである第1写真原稿データをCMYK表色系により表される第2写真原稿データへと変換する色空間変換処理を行う色空間変換工程、a−2)前記設定ファイルに基づき前記第2写真原稿データの補正処理を行う補正工程、および、a−3)印刷物のレイアウトを行った結果を表すレイアウト情報と前記第1写真原稿データとの関連づけを、前記第2写真原稿データとの関連づけに変更する差替処理を行う差替工程、を含む画像変換工程と、b)印刷データをラスタライズ処理するラスタライズ処理工程と、を備え、前記画像変換工程と前記ラスタライズ処理工程とが一の装置において行われることを特徴とする。
【0015】
また、請求項8の発明は、請求項7に記載の印刷データ処理方法であって、前記ラスタライズ工程を経た印刷データに基づき校正刷りを行う校正印刷工程をさらに備え、かつ、前記画像変換工程が、a−4)前記設定ファイルの生成と修正とを行う設定ファイル生成工程、をさらに備え、前記校正刷りの結果が適切でない場合に、前記設定ファイル生成工程において前記設定ファイルを再設定し、新たな設定ファイルに基づいて前記画像変換工程と前記ラスタライズ処理工程とを再度行うことを特徴とする。
【0016】
また、請求項9の発明は、コンピュータにおいて実行されることにより、請求項1ないし請求項6のいずれかの印刷データ処理装置として機能することを特徴とする。
【0017】
また、請求項10の発明は、コンピュータにおいて実行されることにより、請求項1ないし請求項6のいずれかの印刷データ処理装置における画像変換手段として機能することを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
<システム構成>
図1は、本発明の実施の形態に係る印刷システム1の構成を示す図である。印刷システム1は、デジタルカメラ2にて取得された写真データから、印刷に適した写真原稿データを作成する写真原稿作成装置3と、写真原稿データや文書データ、線画データ等を用いて、作成しようとする印刷物のレイアウトを行うためのレイアウトデータ作成装置4と、印刷データをラスタライズ処理(RIP処理)した後、印刷する出力装置7とを主として備える。すなわち、出力装置7は、RIP処理装置と、印刷装置とが組み合わされて構成されるものである。なお、写真データはイメージスキャナ6等の入力装置によって取得する態様でもよい。また、RIP処理がなされた印刷データに基づく校正刷りを行うための校正装置8をさらに備える態様でもよい。校正装置8としては、例えばDDCP(Direct Digital Color Prooler)などを用いることができる。
【0019】
デジタルカメラ2には、印刷物として要求される画質を満足する画像を取得できるだけの解像度、好ましくは600万画素以上の解像度を備えたものが用いられる。デジタルカメラ2によって取得される写真データは、RGB表色系にて表現されるデータである。デジタルカメラ2と写真原稿作成装置3との間をUSBケーブルなどの接続ケーブルCB1により接続することにより、あるいは、デジタルカメラ2において記録可能な可搬性の記録媒体(図示せず)に当該写真データを記録し、これを写真原稿作成装置3において読み取ることにより、取得された写真データは写真原稿作成装置3へと受け渡されることとなる。
【0020】
写真原稿作成装置3は、汎用のパーソナルコンピュータによって実現されるものである。すなわち、写真原稿作成装置3には、CPU31a、ROM31b、およびRAM31cから構成され、後述する各機能を実現する制御部31、ハードディスクなどにより構成され、デジタルカメラから受け取った写真データなどを保存するための記憶部32、オペレータが各種の指示を入力するためのマウスやキーボードなどの操作部33、ディスプレイ等の表示部34、種々の可搬性の記録媒体との間でデータのリード/ライトを行うためのR/W部35、および他の装置等との間でデータの受け渡しを行うためのインターフェースとしての通信部36が主として備わっている。
【0021】
レイアウトデータ作成装置4も、やはり、汎用のパーソナルコンピュータによって実現されるものであり、基本的には写真原稿作成装置3と同一の構成を有している。すなわち、レイアウトデータ作成装置4にも、CPU41a、ROM41b、およびRAM41cから構成される後述する各機能を実現する制御部41、記憶部42、操作部43、表示部44、R/W部45、および通信部46が主として備わっている。レイアウトデータ作成装置4においては、操作部43を通じて指示される指示内容に基づいて、表示部44に作業状態を表示させつつ印刷物のレイアウトを行うことができる。
【0022】
出力装置7は、CPU71a、ROM71b、およびRAM71cから構成される後述する各機能を実現する制御部71、記憶部72、操作部73、表示部74、R/W部75、および通信部76など、コンピュータによりその機能が実現される各部を備わっているのに加えて、所定の印刷用紙に印刷を行う印刷部77をさらに備えている。
【0023】
なお、写真原稿作成装置3とレイアウトデータ作成装置4との間、およびレイアウトデータ作成装置4と出力装置7との間におけるデータの受け渡しは、それぞれ通信線CB2、CB3を介して行われる態様であってもよいし、可搬性の記録媒体を介して行われる態様であってもよい。
【0024】
図2は、写真原稿作成装置3の制御部31において実現される機能を説明するための図である。制御部31においては、記憶部32に記憶されている所定のプログラム321が実行されることにより、CPU31a、ROM31b、およびRAM31cの作用によって、色空間調整部311が実現される。
【0025】
色空間調整部311はデジタルカメラ2に固有の色空間に基づいて記述されている写真データを、表示デバイスに依存しない(デバイスインディペンデントな)色空間に基づいて記述された写真データに変換する色空間変換処理を行う。この変換を行うことにより、写真データが、レイアウトデータ作成装置4や出力装置7等、他の表示デバイスに写真原稿データとして受け渡されたとしても、それぞれの表示デバイスにおいて同じ画像が再現されることになる。
【0026】
写真原稿作成装置3は、さらに、所定のプログラムの実行により、画像の不要部分をトリミングするためのトリミング処理部312と、不要な画像内容を消去あるいは置換するレタッチ処理を行うためのレタッチ処理部313とを備える態様であってもよい。
【0027】
これらの処理部をさらに備える場合、写真原稿作成装置3は、上述のような処理を経た後、色空間変換処理を行うこととなる。色変換処理を経ることで得られる写真データは、写真原稿データとしてレイアウトデータ作成装置4に受け渡される。
【0028】
図3は、レイアウトデータ作成装置4の制御部41において実現される機能を説明するための図である。制御部41においては、記憶部42に記憶されている所定のプログラム421、422が実行されることにより、CPU41a、ROM41b、およびRAM41cの作用によって、レイアウト作成部51と、処理内容生成部52とが実現される。レイアウト作成部51はいわゆるレイアウトソフトウェアであるプログラム421により、処理内容生成部52はプログラム422により実現されるものとする。また、プログラム422は、プログラム421に対するプラグインプログラムとして実行されるものとする。
【0029】
レイアウト作成部51は、印刷物の各要素(文字、写真、線画)に対応するオブジェクトについてのレイアウトを定めたレイアウトデータを作成するために備わる。処理内容生成部52は、レイアウト作成部51において当該写真原稿データに対し定められたレイアウト情報を、後述するレシピファイルRFに合成するために備わる。レイアウト情報が含まれるレシピファイルRFをレイアウトデータとともに出力装置7に受け渡すことにより、出力装置7の後述する画像変換処理部81において、実際に写真原稿データがレイアウトされる状態(サイズ、向きなど)を考慮した変換処理や画像補正処理が行われることになる。
【0030】
レイアウト作成部51は、印刷物のレイアウトを定めるために、レイアウト情報保持部511と、座標処理部512と、変形処理部513と、線画処理部514と文書データ処理部515とを主として備える。
【0031】
印刷物のレイアウトは、記憶部42に保存されているオブジェクトを操作部43により選択し、さらにドラッグアンドドロップなどの操作がなされることにより、あるいは、操作部43を用いて直接にデータを作成することにより、レイアウト作成部51の各部が機能し、実行される。なお、レイアウト時には、写真原稿データはRGB表色系のまま取り扱われる。
【0032】
レイアウト情報保持部511は、次述する各部によって各オブジェクトをレイアウトすることで定められるレイアウト情報(座標、サイズ、回転など)を、常に最新の状態に保持し、変更がなされる度にこれを更新する。なお、写真原稿データのレイアウトに際しては、表示部44における画面表示上のデータと、レイアウト情報とに対し変更が与えられるのみで、元々のオブジェクトのデータは記憶部42に保持されたままである。すなわち、レイアウト情報には、もとの写真データファイルとの関連づけのためのファイル情報も含まれる。
【0033】
座標処理部512は、操作部43を通じた設定指示に基づいて、レイアウトの対象となるそれぞれのオブジェクトの座標を設定する。例えば、矩形の写真原稿データであれば、左上角を基準点として、座標処理部512はその座標位置を設定指示に従って定める。
【0034】
変形処理部513は、操作部43を通じた設定指示に基づいて、レイアウトの対象となるそれぞれのオブジェクトの変形処理を行う。変形処理部513は、印刷物上でオブジェクトが占める領域のサイズ(縦、横)を変更するためのサイズ処理部513Sとオブジェクトの向き(姿勢)を変更するための回転処理部513Rとを備えている。
【0035】
線画処理部514は、線種や線幅の変更など、線画データに特有の種々の処理を行う。操作部43を用いて直接に線画データを作成する際の処理も、線画処理部514が担う。
【0036】
文書データ処理部515は、文字原稿の流し込みや、フォント、段落の設定・変更など、文書データに特有の種々の処理を担う。操作部43を用いて直接に文書データを作成する際の処理も、文書データ処理部515が担う。
【0037】
レイアウト作成部51の各部において上述のような種々の処理を行うことで、各オブジェクトについてのレイアウト情報が定められると、所望する印刷物についてのレイアウトが定まることになる。すなわち、各オブジェクトについてのレイアウト情報が設定されたレイアウトデータが作成されることになる。作成されたレイアウトデータは、記憶部42に保存される。さらに、レイアウト情報は処理内容生成部52によってレシピファイルRFに合成される。
【0038】
ここで、レシピファイルRFについて説明する。レシピファイルRFとは、出力装置7の画像変換処理部81において行うべき画像処理の処理内容をまとめた設定ファイルであり、処理内容生成部52の後述するレシピファイル生成部523において作成され、記憶部42に保存されている。強調したい色成分や、色再現において重要視されるポイントは、被写体の種類ごとに異なるので、レシピファイルRFは、通常、被写体の種類に対応して、最適なパラメータ設定がなされた複数のファイルが用意される。図4は、レシピファイルRFのファイル構造を模式的に示す図である。図4(a)に示すように、レシピファイルRFは、ICCプロファイル61と、特性設定パラメータ62と、微調整パラメータ63とを備えている。画像変換処理部81においては、図4(a)において左側に記載されている内容からその内容が参照され、対応する処理がなされていく。
【0039】
ICCプロファイル61は、写真原稿データの色再現性を保つために設定される、各画像に共通に用いられる基準プロファイルである。
【0040】
特性設定パラメータ62は、被写体の種類等、画像の内容に応じて、写真原稿データの特性を定める種々の項目を設定するためのものである。すなわち、特性設定パラメータ62の各項目を、被写体の種類に応じて設定することで、被写体に適したレシピファイルRFが作成されることになる。図5は、特性設定パラメータ62の設定項目を一覧として示す設定項目テーブルTBL1を示す図である。特性設定パラメータ62にこれらの設定項目について、階調レベル設定P1は、網点濃度の濃淡レンジの設定を行う項目である。トーンカーブ設定P2は、トーンカーブにより中間調の設定や半調の設定を行う項目である。カラーコレクション設定P3は、インキの色特性の理想からのずれを補正するための項目である。K版設定P4とは、CMYの各色の重なり部分をK版に置き換えるUCRやGCRなどの設定を行う項目である。グレーバランス設定P5とは、適正なグレーを表現するためのCMY各色のバランスを設定する項目である。シャープネス設定P6とは、USM(アンシャープマスキング)などにより、画像のシャープネスを強めるための項目である。解像度設定P7とは、ピクセル補間処理などで画像の解像度を変換するための項目である。
【0041】
また、図6は、代表的な被写体の画像処理に際して要求される画像補正の内容を、一覧として示す補正内容テーブルTBL2を示す図である。補正内容テーブルTBL2において示された特徴に応じて、特性設定パラメータ62の各項目が適宜設定されたレシピファイルRFが作成され、各被写体を含む画像の処理に際して利用されることになる。
【0042】
また、微調整パラメータ63は、そうした特性設定パラメータ62の各項目についてさらに微調整を加えるために設定されるパラメータである。図7は、微調整パラメータ63の代表的な処理メニューを示す微調整メニューテーブルTBL3を示す図である。
【0043】
出力装置7の画像変換処理部81において、レシピファイルRFに基づいて画像変換処理を行うことにより、単なるCMYK変換のみでは印刷物上に再現しきれない、あるいは強調されない被写体の質感をより高める目的とする画像補正処理が可能となる。
【0044】
このようなレシピファイルRFの処理を主として担うのが、処理内容生成部52である。処理内容生成部52は、レシピファイル選択部521と、レシピファイル合成部522と、レシピファイル生成部523とを備える。
【0045】
レシピファイル選択部521は、レイアウトされたそれぞれの写真原稿データごとに、その画像内容に適したレシピファイルRFを選択するためのものである。またレシピファイル合成部522は、選択されたレシピファイルRFに対し、レイアウト情報を合成するためのものである。オペレータが、操作部43を通じてレシピファイル選択部521を機能させることにより、レイアウト対象となったそれぞれの写真原稿データに適したレシピファイルRFを選択すると、レシピファイル合成部522において、それぞれの写真原稿データのレイアウト情報が、レシピファイルに合成されることとなる。図4(b)は、レイアウト情報64が合成されたレシピファイルであるレシピファイルRF1の構成を示している。レイアウト情報64は、ICCプロファイル61と特性設定パラメータ62との間に位置するように合成される。これにより、画像変換処理部81においては、ICCプロファイルに引き続き、レイアウト情報64が参照されることになる。レシピファイル生成部523は、所望する画像補正処理を出力装置7において行わせるために、オペレータ自らが特性設定パラメータ62や微調整パラメータ63を適宜設定してレシピファイルRFを作成するためのものである。
【0046】
レシピファイルRFは、上述したように、処理内容生成部52によってレイアウト情報と合成された後、操作部43を通じたオペレータからの指示に応じて、出力装置7の画像変換処理部81に対応するレイアウトデータと共に受け渡される。なお、実際には、レイアウトに付随して、レイアウトの対象となった各オブジェクトのデータ(写真原稿データ、文書データ、線画データ)も受け渡される。あるいは、PostScript(アドビシステムズ社の登録商標)形式やPDF(Portable Document Format)形式のデータのように、各オブジェクトのデータがレイアウトデータに埋め込まれたデータとして受け渡されてもよい。
【0047】
図8は、出力装置7の制御部71において実現される機能を説明するための図である。制御部71においては、記憶部72に記憶されている所定のプログラム721〜723が実行されることにより、CPU71a、ROM71b、およびRAM71cの作用によって、画像変換処理部81と、RIP処理部82と、印刷制御部83とが実現される。画像変換処理部81はいわゆる画像処理ソフトウェアであるプログラム721により、RIP処理部82はプログラム722により、印刷制御部83はプログラム723により実現されるものとする。
【0048】
画像変換処理部81は、レイアウトデータ作成装置4から受け渡されたレイアウトデータにおいてレイアウトの対象となっているそれぞれの写真原稿データごとに、対応するレシピファイルRFの内容に従って、写真原稿データをCMYK変換する色空間変換処理と、所定の画像補正処理とを行い、さらに写真原稿データの差替処理を行って、印刷データを得るために備わる。
【0049】
画像変換処理部81は、レシピファイル解析部812と、色空間変換部813と、色調補正部814と、シャープネス補正部815と、解像度変換部816と、レシピファイル生成部817と、レイアウト情報差替部818とを主として備える。
【0050】
レシピファイル解析部812は、レシピファイルRFの内容を解析する。色空間変換部813は、CMYK変換した写真原稿データを生成する。CMYK変換処理がなされた後、レシピファイルRFの特性設定パラメータ62や微調整パラメータ63の設定内容に応じて、次述する各部における処理が実行される。
【0051】
色調補正部814は、レシピファイルRFの内容に応じて、濃淡レベルの補正やトーンカーブの補正を実行する。シャープネス補正部815は、レシピファイルRFの内容に応じて、USM補正を実行する。解像度変換部816は、レシピファイルRFの内容に応じて、画像の解像度を変換する。これらの各部における処理がなされた写真原稿データは、いったん記憶部72に保存される。
【0052】
レイアウト情報差替部818は、CMYK変換後の写真原稿データと、レイアウトデータにもともと含まれる写真レイアウト情報とを関連づけた、新たな写真レイアウト情報を作成し、レイアウトデータのもともとの写真レイアウト情報と新たな写真レイアウト情報とを差し替える。この差し替えがなされることにより生成するデータが、印刷データであり、この印刷データが次のRIP処理に供されることになる。
【0053】
レシピファイル生成部817は、レイアウトデータ作成装置4に備わるレシピファイル生成部523と同様に、特性設定パラメータ62や微調整パラメータ63を設定することによって、レシピファイルRFを生成する。あるいはまた、いったん生成された後、記憶部72に保存されているレシピファイルRFの修正処理も担う。
【0054】
RIP処理部82は、上述のように、印刷用のCMYK表色系を有する写真データと写真レイアウト情報とが関連づけられた印刷データを、印刷機において処理可能な、CMYKの各色版のそれぞれに対応するラスターデータとするためのRIP処理を行うために備わる。RIP処理の技術としては、公知の技術が利用できる。
【0055】
印刷制御部83は、印刷部77における印刷の実行を制御するために備わる。印刷制御部83の制御に従って、印刷部77が、RIP処理により得られた各色版ごとのデータに基づき所定の印刷用紙への印刷を実行する。
【0056】
<印刷データ作成処理フロー>
次に、レイアウトデータ作成装置4におけるレイアウトデータの作成から、出力装置7における印刷に至るまでの処理の流れを説明する。図9は、レイアウトデータの作成から、RIP処理に至るまでの処理の流れを説明する図である。
【0057】
まずはじめに、作成すべき印刷物においてレイアウトの対象となる写真原稿データや文書データが用意され、レイアウト処理がレイアウト作成部51の機能により実行される(ステップS1)。いま、レイアウトデータLDを、写真原稿データPT1と文書データDDとをレイアウトすることにより作成するものとする。写真原稿データPT1は、人物を撮影して得られたものであり、上述のように、写真原稿作成装置3において、色空間変換処理されたうえで記憶部42へ保存されたものである。文書データDDは、例えばテキストファイル形式のデータとして、記憶部42へ保存される。オペレータが表示部44においてレイアウト状況を視認しつつ、操作部43を操作してレイアウト処理を実行することで、写真原稿データPT1や文書データDDのレイアウトが決定される。その際、レイアウトデータLDの構成要素である写真原稿データPT1や文書データDDのレイアウト情報は、レイアウトの実行中には常に変更されうるが、レイアウト情報保持部511により最新の状態に保持され、レイアウトの決定とともに確定される。
【0058】
図9の場合において、写真原稿データPT1についての確定したレイアウト情報が写真レイアウト情報LI1であるとする。写真レイアウト情報LI1は、写真原稿データPT1が、座標(x1、y1)を基準座標として、原サイズに比して150%に拡大された状態でレイアウトされることを示している。
【0059】
写真レイアウト情報LI1が定まると、次に、処理内容生成部52における処理内容生成処理が実行される(ステップS2)。オペレータが、記憶部42に記憶された複数のレシピファイルRFのなかから、レイアウトが確定した写真原稿データPT1に対し行うべき画像処理内容を含むレシピファイルRFを選択すると、写真レイアウト情報LI1をレシピファイルRFに合成する処理が実行される。合成後のレシピファイルRFは記憶部42に保存される。
【0060】
全てのレイアウト処理が終了すると、レイアウトデータ作成装置4から出力装置7へと、レイアウトデータLD(レイアウト対象となる写真原稿データ等のオブジェクトデータも含む)とレシピファイルRFとが受け渡される(ステップS3)。
【0061】
出力装置7においては、受け取ったこれらのデータをいったん記憶部72に保存する。そして、オペレータにより操作部73を通じて所定の実行指示が与えられると、画像変換処理部81において、画像変換処理が実行される(ステップS4)。すなわち、レシピファイルRFの内容に従って、写真原稿データPT1に対する色空間変換処理と、画像補正処理とが実行される。これにより、CMYK表色系を有し、かつ、レシピファイルRFに記述された内容の画像補正が施された写真原稿データPT2が生成される。
【0062】
そして引き続き、レイアウト情報差替部818が、写真レイアウト情報LI1のファイル情報を、レイアウトに用いた写真原稿データPT1からCMYK変換後の写真原稿データPT2へと書き換える。この書き換えに伴い新たな写真レイアウト情報LI2が作成される。これが画像差替処理である(ステップS5)。そして、この新たな写真レイアウト情報LI2を含むレイアウトデータLDが、印刷データとしてRIP処理に引き続き供される(ステップS6)こととなる。
【0063】
図10は、RIP処理から出力処理に至るまでの流れを説明する図である。印刷データをRIP処理することにより、CMYKの各色版に相当する分版データが生成されるので、これらの分版データを用いて、RIP処理の妥当性や、印刷における色再現性をチェックするための校正刷りが実行される(ステップS7)。校正刷りは、印刷制御部83の制御に基づき印刷部77において実行してもよいし、印刷システム1が校正装置8を備える場合は、分版された印刷データを校正装置8に送り、校正装置8において実行してもよい。校正刷りにより得られるゲラ(校正印刷物)をチェックした結果、問題がなければ、そのまま、本格的な出力処理、すなわち印刷部77による印刷が実行される(ステップS9)。あるいは、いったん記憶部72に印刷データを保存しておき、操作部73を通じたオペレータの指示に応じて、印刷が実行される。
【0064】
校正刷りの結果が十分でない場合、例えば、ゲラにおいて写真原稿データに対し本来意図していた色が表現されていない場合は、写真原稿データに対するCMYK変換、さらにはその後の画像補正処理をやり直す必要がある。本発明の場合は、レシピファイルRFに従ってこれらの処理が実行されているので、意図する色が印刷物において表現されるように、レシピファイルRFを再設定する必要がある。本発明においては、出力装置7に備わるレシピファイル生成部817によって、既存のレシピファイルRFの修正や、新たなレシピファイルRFの設定が可能であるので、レシピファイル生成部817においてレシピファイルを再設定(ステップS10)した後、引き続き画像変換処理部81において再画像変換処理(ステップS11)を行うことができる。
【0065】
例えば、写真原稿データPT1の被写体である人物の肌の色が、ゲラにおいてはやや青みがかっているとすると、本来意図する仕上がりに比して、不健康な印象を与えてしまうことになる。こうした場合は、画像変換処理部81の色調補正部814が、当初のレシピファイルRFにおける設定されているC(シアン)のトーンカーブ設定よりも、中間調をより落としたトーンカーブに従って補正処理を実行するように、レシピファイルRFの設定内容を変更する必要がある。
【0066】
このようにレシピファイルRFを修正した後、画像変換処理部81において写真原稿データPT1に対して再画像変換処理を実行する。そして新たに得られる印刷データに対してRIP処理、さらには校正刷りを実行する。再度の校正刷りの結果、不具合が改善されていれば、以降は通常の出力処理に移ることができる。さらに不具合が生じれば、再びレシピファイルの再設定からやり直すことになる。
【0067】
なお、レシピファイルRFは個々の写真原稿データごとに個別に設定されているので、それらの処理の際には、色校正において問題がある写真原稿データについてのみ、処理を行えばよい。すなわち、出力装置7における処理のみ、さらには再処理が必要な写真原稿データのみで修正作業が完結するので、レイアウトデータ作成装置4に戻って、レイアウトデータ全体について修正処理を行う必要がない。
【0068】
以上、説明したように、本発明に係る出力装置7においては、RIP処理とその後の印刷処理とを行うことに加えて、RGB表色系にて与えられた写真原稿データを印刷用のCMYK表色系を有するデータに変換し、所定の補正処理を行う画像変換処理を実行するうえ、さらには画像変換処理の処理内容についての設定ファイルであるレシピファイルを生成および修正することが可能である。これにより、校正刷りの結果、ある写真原稿データの色再現性に不具合があった場合であっても、出力装置7においては、不具合のある写真原稿データについてのみに対応するレシピファイルを再設定し、その再設定後のレシピファイルに基づいて再画像変換処理を行うことができる。レイアウトデータ作成装置にまで遡って、レイアウトデータ全体に対して修正処理を行う必要がなくなるので、修正に伴う印刷処理の遅延を抑制でき、さらには処理フローの混乱による生じる不具合の発生を抑制することができる。
【0069】
<変形例>
上述の実施の形態では、画像変換処理の設定ファイルとしてレシピファイルを用いているが、XML(eXtensible Markup Language)形式で記述されるJDF(Job Definition Format)ファイルをレシピファイルとして利用する態様であってもよい。印刷のワークフローにおいて汎用性のあるJDFファイルを用いることで、画像変換処理だけでなく、他の処理をも含めた統合的な処理についての設定が可能となる。
【0070】
また、上述の実施の形態においては、出力装置7は印刷部77を備え、RIP処理後の分版データに基づいて、印刷を行う態様であったが、これに代わり、出力装置7から分版データに基づいて製版フィルムが作成される態様、例えば、出力装置7がRIP処理機能を備えるイメージセッタとして実現される態様や、もしくは、出力装置7において分版データに基づき直接に刷版が作成される態様、すなわち、出力装置7がRIP処理機能を備えたCTP(Computer To Plate)装置として実現される態様であってもよい。これらの場合、校正装置8として、ケミカル校正装置や、平台校正装置等を用いることができる。
【0071】
あるいは、上述の実施の形態においては、出力装置7において画像変換処理から出力に至るまでの処理を担っているが、画像変換処理とRIP処理とを行うRIP装置と、出力装置とが分離した態様であってもよい。この場合でも、RIP処理までを前者のRIP装置で行い、後者の出力装置に印刷データを受け渡すことで、本発明の効果を得ることができる。
【0072】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1ないし請求項10の発明によれば、ラスタライズ処理を行う印刷データ処理装置において、レイアウト情報が付加された設定ファイルに基づき、第1写真原稿データを印刷に適した第2写真原稿データに変換し、写真がレイアウトされた状態に適した画像補正を実行するので、レイアウトデータ作成装置における処理の負荷が軽減されるとともに、画像変換処理に際してマニュアルにてレイアウト情報を設定する必要がなくなるので、印刷データ作成処理を効率化しつつ、写真がレイアウトされた状態に適した画像補正を実行することが可能となる。
【0073】
また、請求項2、および請求項7ないし請求項9の発明によれば、画像変換処理とラスタライズ処理とを一の装置において一連の処理として実行することができるので、ラスタライズに至るまでの処理を効率化することができる。
【0074】
また、請求項3ないし請求項6、請求項8、および請求項9の発明によれば、不具合のある写真原稿データについてのみ再画像変換処理を行い、印刷データを作り直すことができる。これにより、レイアウトデータ作成装置にまで遡って、レイアウトデータ全体に対して修正処理を行う必要がなくなるので、修正に伴う処理の遅延を抑制でき、さらには処理フローの混乱による生じる不具合の発生を抑制することができる。
【0075】
また、請求項4の発明によれば、デジタルカメラで取得された写真データを印刷に適した写真原稿データとして利用することができる。
【0076】
また、請求項5の発明によれば、デジタルカメラで取得された写真データを、その色再現性を維持しつつ、印刷に適した写真原稿データとして利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る印刷システム1の構成を示す図である。
【図2】写真原稿作成装置3の制御部31において実現される機能を説明するための図である。
【図3】レイアウトデータ作成装置4の制御部41において実現される機能を説明するための図である。
【図4】レシピファイルRFのファイル構造を模式的に示す図である。
【図5】特性設定パラメータ62の設定項目を一覧として示す設定項目テーブルTBL1を示す図である。
【図6】代表的な被写体の画像処理に際して要求される画像補正の内容を、一覧として示す補正内容テーブルTBL2を示す図である。
【図7】微調整パラメータ63の代表的な処理メニューを示す微調整メニューテーブルTBL3を示す図である。
【図8】出力装置7の制御部71において実現される機能を説明するための図である。
【図9】レイアウトデータの作成から、RIP処理に至るまでの処理の流れを説明する図である。
【図10】RIP処理から出力処理に至るまでの流れを説明する図である。
【図11】従来の印刷物のレイアウト処理の流れを説明する図である。
【符号の説明】
1 印刷システム
2 デジタルカメラ
3 写真原稿作成装置
4 レイアウトデータ作成装置
6 イメージスキャナ
7 出力装置
8 校正装置
LD レイアウトデータ
RF、RF1 レシピファイル
TBL1 設定項目テーブル
TBL2 補正内容テーブル
TBL3 微調整メニューテーブル
【発明の属する技術分野】
本発明は、商業印刷用の印刷システムにおける、印刷データのラスタライズ処理技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタルカメラの性能向上に伴い、従来の銀塩カメラにて撮影した写真と遜色のない画像を得ることができるようになってきている。これに伴い、銀塩カメラにて撮影した写真(アナログ写真)に代わり、デジタルカメラで撮影して得られた写真データを、印刷用写真原稿として使用する(入稿する)ことが日常化しつつある。印刷データを制作するフローも、必然的に従来とは異なってきている。
【0003】
例えば、アナログ写真を用いて印刷物を作成する場合、写真に関しては図11(a)に示すような処理フローにより行われる。まず、被写体を銀塩カメラにて撮影し(ステップS101)、フィルムを現像する(ステップS102)ことで写真原稿が得られる(ステップS103)。次に、得られた写真原稿について、作成しようとする印刷物におけるおよそのレイアウト(配置、大きさ、向きなど)を定めるラフレイアウト(ステップS104)を行った後、CMYK表色系に従って色分解を行うスキャナ分解(ステップS105)がなされる。スキャナ分解の前にラフレイアウトを行うのは、最良な品質の印刷物を得るためには、最終的にレイアウトされた状態を踏まえたスキャナ分解を行う必要があるからである。そして、レイアウトソフトウェアによって、スキャナにて取り込まれた写真データと文字・線画データとがレイアウトされる(ステップS106)。レイアウトが完成すると、レイアウト内容を含む印刷データはRIP(ラスターイメージプロセッサ)に受け渡され、各色版ごとに、ベクターデータとして記述されている印刷データを、印刷機が解析可能なラスターデータに変換するラスタライズ処理(RIP処理)が実行される(ステップS107)。その後、各色版ごとに、色校正のための校正刷り(ゲラ刷り)が行われ(ステップS108)る。その結果、色再現性に問題がなければ、出力処理がなされ、不十分であれば、色指定等を修正して、再びスキャナ分解が実行されることとなる(ステップS109、S110)。
【0004】
これに対し、デジタルカメラで得られる写真データを用いた場合の処理フローは、例えば図11(b)のようになる。まず被写体をデジタルカメラにて撮影(ステップS111)した後、画像処理ソフトウェアにて、例えばトリミング等の画像処理を行う(ステップS112)。なお、デジタルカメラで撮影して得られる写真データは一般にRGB表色系に基づくデータであるので、画像処理もRGB表色系に基づいて行われる。画像処理を施すことで、デジタルデータとしての写真原稿データが完成する(ステップS113)。次に、レイアウトソフトウェアにおいて、この写真原稿データを取り込んで、文字・線画原稿データをも含めた印刷物全体についてのラフレイアウトが行われる(ステップS114)。そして、印刷物についてのおよそのレイアウトが確定した時点で、写真原稿データをCMYK表色系を有するデータに変換するCMYK変換処理を画像処理ソフトウェア等で行い(ステップS115)、これをレイアウトデータと関連づける(差し替える)ことでレイアウトが完成する(ステップS116)。レイアウトが完成すると、RIP処理、色校正のための校正刷りが、アナログ写真の場合と同様に実行される(ステップS117,S118)。その結果、色再現性に問題がなければ、出力処理がなされ、不十分であれば、CMYK変換処理に際しての色指定等を修正する(ステップS119、S120)。
【0005】
すなわち、デジタルカメラで撮影した写真データを用いる場合、現像や集版などの処理が不要な一方、出力に至るまでデジタルデータとしてソフトウェア上で処理が可能であり、工程が著しく短縮されるという利点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、アナログ写真の場合であっても、デジタルカメラで取得した写真データの場合であっても、校正刷りの結果が不十分であれば、制作フローをさかのぼって必要な修正を行い、再処理する必要がある点では同一である。特に、後者の場合は、出力までの各段階で全てデジタルデータとして画像を扱っているにもかかわらず、色再現性の問題には関係のないレイアウトの時点までさかのぼらねばならないのは、処理効率を向上させる際の阻害要因となっている。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、レイアウト段階まで制作フローをさかのぼることなく、印刷データの色再現性を修正することができる印刷システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、印刷物のレイアウトを定める印刷データをラスタライズ処理するラスタライズ処理手段を備える印刷データ処理装置であって、RGB表色系により表されるデジタルデータである第1写真原稿データをCMYK表色系により表される第2写真原稿データへと変換する色空間変換処理を行う色空間変換手段、前記第2写真原稿データの補正処理を行う補正手段、および、印刷物のレイアウトを行った結果を表すレイアウト情報と前記第1写真原稿データとの関連づけを、前記第2写真原稿データとの関連づけに変更する差替処理を行う差替手段、を含む画像変換手段、をさらに備え、前記画像変換手段において実行されるべき処理内容を記述する設定ファイルには前記レイアウト情報が含まれることを特徴とする。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の印刷データ処理装置であって、前記差替処理が実行された後のレイアウトデータを印刷データとしてラスタライズ処理に供することを特徴とする。
【0010】
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の印刷データ処理装置であって、前記設定ファイルの生成と修正とを行う設定ファイル生成手段、をさらに備え、前記印刷データ基づく校正刷りの結果が適切でない場合に、前記設定ファイル生成手段において設定ファイルを再設定し、新たな設定ファイルに基づいて前記画像変換手段において再画像変換処理を行うことを特徴とする。
【0011】
また、請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の印刷データ処理装置であって、前記第1写真原稿データは、デジタルカメラによって取得されたデータに基づくことを特徴とする。
【0012】
また、請求項5の発明は、請求項4に記載の印刷データ処理装置であって、前記第1写真原稿データは、デジタルカメラによって取得された後、デジタルカメラの機種に依存しない基準表色系により表されるデータに変換された後に与えられていることを特徴とする。
【0013】
また、請求項6の発明は、印刷物のレイアウトを定める印刷データを処理するシステムであって、a)印刷物のレイアウトを定めるレイアウトデータを作成するレイアウトデータ作成装置と、b−1)前記レイアウトの対象となっている写真に相当し、RGB表色系により表された第1写真原稿データに対し、所定の画像変換処理を施して第2写真原稿データを得る画像変換手段、および、b−2)前記第2写真原稿データを含む印刷データに対しラスタライズ処理を行うラスタライズ処理手段、を備える印刷データ処理装置と、を備え、前記レイアウトデータ作成装置が、a−1)前記第1写真原稿データが表現する写真の、印刷物におけるレイアウトを行い、その結果を前記第1写真原稿データと関連づけたレイアウト情報として保持するレイアウト作成手段と、a−2)前記画像変換処理において実行されるべき処理内容を記述する設定ファイルに前記レイアウト情報を合成する、レイアウト情報合成手段と、を備え、前記印刷データ処理装置の画像変換手段が、b−1−1)前記設定ファイルに基づき前記第1写真原稿データをCMYK表色系により表される第2写真原稿データへと変換する色空間変換処理を行う色空間変換手段、b−1−2)前記設定ファイルに基づき前記第2写真原稿データの補正処理を行う補正手段、b−1−3)前記レイアウト情報と前記第1写真原稿データとの関連づけを、前記第2写真原稿データとの関連づけに変更する差替処理を行う差替手段、および、b−1−4)前記設定ファイルの生成と修正とを行う設定ファイル生成手段、を備え、前記印刷データが、前記差替処理が行われたレイアウト情報を含み、前記印刷データ基づく校正刷りの結果が適切でない場合に、前記設定ファイル生成手段において設定ファイルを再設定し、新たな設定ファイルに基づいて前記画像変換手段において再画像変換処理を行うことを特徴とする。
【0014】
また、請求項7の発明は、印刷物のレイアウトを定める印刷データを処理する方法であって、a−1)所定の設定ファイルに基づきRGB表色系により表されるデジタルデータである第1写真原稿データをCMYK表色系により表される第2写真原稿データへと変換する色空間変換処理を行う色空間変換工程、a−2)前記設定ファイルに基づき前記第2写真原稿データの補正処理を行う補正工程、および、a−3)印刷物のレイアウトを行った結果を表すレイアウト情報と前記第1写真原稿データとの関連づけを、前記第2写真原稿データとの関連づけに変更する差替処理を行う差替工程、を含む画像変換工程と、b)印刷データをラスタライズ処理するラスタライズ処理工程と、を備え、前記画像変換工程と前記ラスタライズ処理工程とが一の装置において行われることを特徴とする。
【0015】
また、請求項8の発明は、請求項7に記載の印刷データ処理方法であって、前記ラスタライズ工程を経た印刷データに基づき校正刷りを行う校正印刷工程をさらに備え、かつ、前記画像変換工程が、a−4)前記設定ファイルの生成と修正とを行う設定ファイル生成工程、をさらに備え、前記校正刷りの結果が適切でない場合に、前記設定ファイル生成工程において前記設定ファイルを再設定し、新たな設定ファイルに基づいて前記画像変換工程と前記ラスタライズ処理工程とを再度行うことを特徴とする。
【0016】
また、請求項9の発明は、コンピュータにおいて実行されることにより、請求項1ないし請求項6のいずれかの印刷データ処理装置として機能することを特徴とする。
【0017】
また、請求項10の発明は、コンピュータにおいて実行されることにより、請求項1ないし請求項6のいずれかの印刷データ処理装置における画像変換手段として機能することを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
<システム構成>
図1は、本発明の実施の形態に係る印刷システム1の構成を示す図である。印刷システム1は、デジタルカメラ2にて取得された写真データから、印刷に適した写真原稿データを作成する写真原稿作成装置3と、写真原稿データや文書データ、線画データ等を用いて、作成しようとする印刷物のレイアウトを行うためのレイアウトデータ作成装置4と、印刷データをラスタライズ処理(RIP処理)した後、印刷する出力装置7とを主として備える。すなわち、出力装置7は、RIP処理装置と、印刷装置とが組み合わされて構成されるものである。なお、写真データはイメージスキャナ6等の入力装置によって取得する態様でもよい。また、RIP処理がなされた印刷データに基づく校正刷りを行うための校正装置8をさらに備える態様でもよい。校正装置8としては、例えばDDCP(Direct Digital Color Prooler)などを用いることができる。
【0019】
デジタルカメラ2には、印刷物として要求される画質を満足する画像を取得できるだけの解像度、好ましくは600万画素以上の解像度を備えたものが用いられる。デジタルカメラ2によって取得される写真データは、RGB表色系にて表現されるデータである。デジタルカメラ2と写真原稿作成装置3との間をUSBケーブルなどの接続ケーブルCB1により接続することにより、あるいは、デジタルカメラ2において記録可能な可搬性の記録媒体(図示せず)に当該写真データを記録し、これを写真原稿作成装置3において読み取ることにより、取得された写真データは写真原稿作成装置3へと受け渡されることとなる。
【0020】
写真原稿作成装置3は、汎用のパーソナルコンピュータによって実現されるものである。すなわち、写真原稿作成装置3には、CPU31a、ROM31b、およびRAM31cから構成され、後述する各機能を実現する制御部31、ハードディスクなどにより構成され、デジタルカメラから受け取った写真データなどを保存するための記憶部32、オペレータが各種の指示を入力するためのマウスやキーボードなどの操作部33、ディスプレイ等の表示部34、種々の可搬性の記録媒体との間でデータのリード/ライトを行うためのR/W部35、および他の装置等との間でデータの受け渡しを行うためのインターフェースとしての通信部36が主として備わっている。
【0021】
レイアウトデータ作成装置4も、やはり、汎用のパーソナルコンピュータによって実現されるものであり、基本的には写真原稿作成装置3と同一の構成を有している。すなわち、レイアウトデータ作成装置4にも、CPU41a、ROM41b、およびRAM41cから構成される後述する各機能を実現する制御部41、記憶部42、操作部43、表示部44、R/W部45、および通信部46が主として備わっている。レイアウトデータ作成装置4においては、操作部43を通じて指示される指示内容に基づいて、表示部44に作業状態を表示させつつ印刷物のレイアウトを行うことができる。
【0022】
出力装置7は、CPU71a、ROM71b、およびRAM71cから構成される後述する各機能を実現する制御部71、記憶部72、操作部73、表示部74、R/W部75、および通信部76など、コンピュータによりその機能が実現される各部を備わっているのに加えて、所定の印刷用紙に印刷を行う印刷部77をさらに備えている。
【0023】
なお、写真原稿作成装置3とレイアウトデータ作成装置4との間、およびレイアウトデータ作成装置4と出力装置7との間におけるデータの受け渡しは、それぞれ通信線CB2、CB3を介して行われる態様であってもよいし、可搬性の記録媒体を介して行われる態様であってもよい。
【0024】
図2は、写真原稿作成装置3の制御部31において実現される機能を説明するための図である。制御部31においては、記憶部32に記憶されている所定のプログラム321が実行されることにより、CPU31a、ROM31b、およびRAM31cの作用によって、色空間調整部311が実現される。
【0025】
色空間調整部311はデジタルカメラ2に固有の色空間に基づいて記述されている写真データを、表示デバイスに依存しない(デバイスインディペンデントな)色空間に基づいて記述された写真データに変換する色空間変換処理を行う。この変換を行うことにより、写真データが、レイアウトデータ作成装置4や出力装置7等、他の表示デバイスに写真原稿データとして受け渡されたとしても、それぞれの表示デバイスにおいて同じ画像が再現されることになる。
【0026】
写真原稿作成装置3は、さらに、所定のプログラムの実行により、画像の不要部分をトリミングするためのトリミング処理部312と、不要な画像内容を消去あるいは置換するレタッチ処理を行うためのレタッチ処理部313とを備える態様であってもよい。
【0027】
これらの処理部をさらに備える場合、写真原稿作成装置3は、上述のような処理を経た後、色空間変換処理を行うこととなる。色変換処理を経ることで得られる写真データは、写真原稿データとしてレイアウトデータ作成装置4に受け渡される。
【0028】
図3は、レイアウトデータ作成装置4の制御部41において実現される機能を説明するための図である。制御部41においては、記憶部42に記憶されている所定のプログラム421、422が実行されることにより、CPU41a、ROM41b、およびRAM41cの作用によって、レイアウト作成部51と、処理内容生成部52とが実現される。レイアウト作成部51はいわゆるレイアウトソフトウェアであるプログラム421により、処理内容生成部52はプログラム422により実現されるものとする。また、プログラム422は、プログラム421に対するプラグインプログラムとして実行されるものとする。
【0029】
レイアウト作成部51は、印刷物の各要素(文字、写真、線画)に対応するオブジェクトについてのレイアウトを定めたレイアウトデータを作成するために備わる。処理内容生成部52は、レイアウト作成部51において当該写真原稿データに対し定められたレイアウト情報を、後述するレシピファイルRFに合成するために備わる。レイアウト情報が含まれるレシピファイルRFをレイアウトデータとともに出力装置7に受け渡すことにより、出力装置7の後述する画像変換処理部81において、実際に写真原稿データがレイアウトされる状態(サイズ、向きなど)を考慮した変換処理や画像補正処理が行われることになる。
【0030】
レイアウト作成部51は、印刷物のレイアウトを定めるために、レイアウト情報保持部511と、座標処理部512と、変形処理部513と、線画処理部514と文書データ処理部515とを主として備える。
【0031】
印刷物のレイアウトは、記憶部42に保存されているオブジェクトを操作部43により選択し、さらにドラッグアンドドロップなどの操作がなされることにより、あるいは、操作部43を用いて直接にデータを作成することにより、レイアウト作成部51の各部が機能し、実行される。なお、レイアウト時には、写真原稿データはRGB表色系のまま取り扱われる。
【0032】
レイアウト情報保持部511は、次述する各部によって各オブジェクトをレイアウトすることで定められるレイアウト情報(座標、サイズ、回転など)を、常に最新の状態に保持し、変更がなされる度にこれを更新する。なお、写真原稿データのレイアウトに際しては、表示部44における画面表示上のデータと、レイアウト情報とに対し変更が与えられるのみで、元々のオブジェクトのデータは記憶部42に保持されたままである。すなわち、レイアウト情報には、もとの写真データファイルとの関連づけのためのファイル情報も含まれる。
【0033】
座標処理部512は、操作部43を通じた設定指示に基づいて、レイアウトの対象となるそれぞれのオブジェクトの座標を設定する。例えば、矩形の写真原稿データであれば、左上角を基準点として、座標処理部512はその座標位置を設定指示に従って定める。
【0034】
変形処理部513は、操作部43を通じた設定指示に基づいて、レイアウトの対象となるそれぞれのオブジェクトの変形処理を行う。変形処理部513は、印刷物上でオブジェクトが占める領域のサイズ(縦、横)を変更するためのサイズ処理部513Sとオブジェクトの向き(姿勢)を変更するための回転処理部513Rとを備えている。
【0035】
線画処理部514は、線種や線幅の変更など、線画データに特有の種々の処理を行う。操作部43を用いて直接に線画データを作成する際の処理も、線画処理部514が担う。
【0036】
文書データ処理部515は、文字原稿の流し込みや、フォント、段落の設定・変更など、文書データに特有の種々の処理を担う。操作部43を用いて直接に文書データを作成する際の処理も、文書データ処理部515が担う。
【0037】
レイアウト作成部51の各部において上述のような種々の処理を行うことで、各オブジェクトについてのレイアウト情報が定められると、所望する印刷物についてのレイアウトが定まることになる。すなわち、各オブジェクトについてのレイアウト情報が設定されたレイアウトデータが作成されることになる。作成されたレイアウトデータは、記憶部42に保存される。さらに、レイアウト情報は処理内容生成部52によってレシピファイルRFに合成される。
【0038】
ここで、レシピファイルRFについて説明する。レシピファイルRFとは、出力装置7の画像変換処理部81において行うべき画像処理の処理内容をまとめた設定ファイルであり、処理内容生成部52の後述するレシピファイル生成部523において作成され、記憶部42に保存されている。強調したい色成分や、色再現において重要視されるポイントは、被写体の種類ごとに異なるので、レシピファイルRFは、通常、被写体の種類に対応して、最適なパラメータ設定がなされた複数のファイルが用意される。図4は、レシピファイルRFのファイル構造を模式的に示す図である。図4(a)に示すように、レシピファイルRFは、ICCプロファイル61と、特性設定パラメータ62と、微調整パラメータ63とを備えている。画像変換処理部81においては、図4(a)において左側に記載されている内容からその内容が参照され、対応する処理がなされていく。
【0039】
ICCプロファイル61は、写真原稿データの色再現性を保つために設定される、各画像に共通に用いられる基準プロファイルである。
【0040】
特性設定パラメータ62は、被写体の種類等、画像の内容に応じて、写真原稿データの特性を定める種々の項目を設定するためのものである。すなわち、特性設定パラメータ62の各項目を、被写体の種類に応じて設定することで、被写体に適したレシピファイルRFが作成されることになる。図5は、特性設定パラメータ62の設定項目を一覧として示す設定項目テーブルTBL1を示す図である。特性設定パラメータ62にこれらの設定項目について、階調レベル設定P1は、網点濃度の濃淡レンジの設定を行う項目である。トーンカーブ設定P2は、トーンカーブにより中間調の設定や半調の設定を行う項目である。カラーコレクション設定P3は、インキの色特性の理想からのずれを補正するための項目である。K版設定P4とは、CMYの各色の重なり部分をK版に置き換えるUCRやGCRなどの設定を行う項目である。グレーバランス設定P5とは、適正なグレーを表現するためのCMY各色のバランスを設定する項目である。シャープネス設定P6とは、USM(アンシャープマスキング)などにより、画像のシャープネスを強めるための項目である。解像度設定P7とは、ピクセル補間処理などで画像の解像度を変換するための項目である。
【0041】
また、図6は、代表的な被写体の画像処理に際して要求される画像補正の内容を、一覧として示す補正内容テーブルTBL2を示す図である。補正内容テーブルTBL2において示された特徴に応じて、特性設定パラメータ62の各項目が適宜設定されたレシピファイルRFが作成され、各被写体を含む画像の処理に際して利用されることになる。
【0042】
また、微調整パラメータ63は、そうした特性設定パラメータ62の各項目についてさらに微調整を加えるために設定されるパラメータである。図7は、微調整パラメータ63の代表的な処理メニューを示す微調整メニューテーブルTBL3を示す図である。
【0043】
出力装置7の画像変換処理部81において、レシピファイルRFに基づいて画像変換処理を行うことにより、単なるCMYK変換のみでは印刷物上に再現しきれない、あるいは強調されない被写体の質感をより高める目的とする画像補正処理が可能となる。
【0044】
このようなレシピファイルRFの処理を主として担うのが、処理内容生成部52である。処理内容生成部52は、レシピファイル選択部521と、レシピファイル合成部522と、レシピファイル生成部523とを備える。
【0045】
レシピファイル選択部521は、レイアウトされたそれぞれの写真原稿データごとに、その画像内容に適したレシピファイルRFを選択するためのものである。またレシピファイル合成部522は、選択されたレシピファイルRFに対し、レイアウト情報を合成するためのものである。オペレータが、操作部43を通じてレシピファイル選択部521を機能させることにより、レイアウト対象となったそれぞれの写真原稿データに適したレシピファイルRFを選択すると、レシピファイル合成部522において、それぞれの写真原稿データのレイアウト情報が、レシピファイルに合成されることとなる。図4(b)は、レイアウト情報64が合成されたレシピファイルであるレシピファイルRF1の構成を示している。レイアウト情報64は、ICCプロファイル61と特性設定パラメータ62との間に位置するように合成される。これにより、画像変換処理部81においては、ICCプロファイルに引き続き、レイアウト情報64が参照されることになる。レシピファイル生成部523は、所望する画像補正処理を出力装置7において行わせるために、オペレータ自らが特性設定パラメータ62や微調整パラメータ63を適宜設定してレシピファイルRFを作成するためのものである。
【0046】
レシピファイルRFは、上述したように、処理内容生成部52によってレイアウト情報と合成された後、操作部43を通じたオペレータからの指示に応じて、出力装置7の画像変換処理部81に対応するレイアウトデータと共に受け渡される。なお、実際には、レイアウトに付随して、レイアウトの対象となった各オブジェクトのデータ(写真原稿データ、文書データ、線画データ)も受け渡される。あるいは、PostScript(アドビシステムズ社の登録商標)形式やPDF(Portable Document Format)形式のデータのように、各オブジェクトのデータがレイアウトデータに埋め込まれたデータとして受け渡されてもよい。
【0047】
図8は、出力装置7の制御部71において実現される機能を説明するための図である。制御部71においては、記憶部72に記憶されている所定のプログラム721〜723が実行されることにより、CPU71a、ROM71b、およびRAM71cの作用によって、画像変換処理部81と、RIP処理部82と、印刷制御部83とが実現される。画像変換処理部81はいわゆる画像処理ソフトウェアであるプログラム721により、RIP処理部82はプログラム722により、印刷制御部83はプログラム723により実現されるものとする。
【0048】
画像変換処理部81は、レイアウトデータ作成装置4から受け渡されたレイアウトデータにおいてレイアウトの対象となっているそれぞれの写真原稿データごとに、対応するレシピファイルRFの内容に従って、写真原稿データをCMYK変換する色空間変換処理と、所定の画像補正処理とを行い、さらに写真原稿データの差替処理を行って、印刷データを得るために備わる。
【0049】
画像変換処理部81は、レシピファイル解析部812と、色空間変換部813と、色調補正部814と、シャープネス補正部815と、解像度変換部816と、レシピファイル生成部817と、レイアウト情報差替部818とを主として備える。
【0050】
レシピファイル解析部812は、レシピファイルRFの内容を解析する。色空間変換部813は、CMYK変換した写真原稿データを生成する。CMYK変換処理がなされた後、レシピファイルRFの特性設定パラメータ62や微調整パラメータ63の設定内容に応じて、次述する各部における処理が実行される。
【0051】
色調補正部814は、レシピファイルRFの内容に応じて、濃淡レベルの補正やトーンカーブの補正を実行する。シャープネス補正部815は、レシピファイルRFの内容に応じて、USM補正を実行する。解像度変換部816は、レシピファイルRFの内容に応じて、画像の解像度を変換する。これらの各部における処理がなされた写真原稿データは、いったん記憶部72に保存される。
【0052】
レイアウト情報差替部818は、CMYK変換後の写真原稿データと、レイアウトデータにもともと含まれる写真レイアウト情報とを関連づけた、新たな写真レイアウト情報を作成し、レイアウトデータのもともとの写真レイアウト情報と新たな写真レイアウト情報とを差し替える。この差し替えがなされることにより生成するデータが、印刷データであり、この印刷データが次のRIP処理に供されることになる。
【0053】
レシピファイル生成部817は、レイアウトデータ作成装置4に備わるレシピファイル生成部523と同様に、特性設定パラメータ62や微調整パラメータ63を設定することによって、レシピファイルRFを生成する。あるいはまた、いったん生成された後、記憶部72に保存されているレシピファイルRFの修正処理も担う。
【0054】
RIP処理部82は、上述のように、印刷用のCMYK表色系を有する写真データと写真レイアウト情報とが関連づけられた印刷データを、印刷機において処理可能な、CMYKの各色版のそれぞれに対応するラスターデータとするためのRIP処理を行うために備わる。RIP処理の技術としては、公知の技術が利用できる。
【0055】
印刷制御部83は、印刷部77における印刷の実行を制御するために備わる。印刷制御部83の制御に従って、印刷部77が、RIP処理により得られた各色版ごとのデータに基づき所定の印刷用紙への印刷を実行する。
【0056】
<印刷データ作成処理フロー>
次に、レイアウトデータ作成装置4におけるレイアウトデータの作成から、出力装置7における印刷に至るまでの処理の流れを説明する。図9は、レイアウトデータの作成から、RIP処理に至るまでの処理の流れを説明する図である。
【0057】
まずはじめに、作成すべき印刷物においてレイアウトの対象となる写真原稿データや文書データが用意され、レイアウト処理がレイアウト作成部51の機能により実行される(ステップS1)。いま、レイアウトデータLDを、写真原稿データPT1と文書データDDとをレイアウトすることにより作成するものとする。写真原稿データPT1は、人物を撮影して得られたものであり、上述のように、写真原稿作成装置3において、色空間変換処理されたうえで記憶部42へ保存されたものである。文書データDDは、例えばテキストファイル形式のデータとして、記憶部42へ保存される。オペレータが表示部44においてレイアウト状況を視認しつつ、操作部43を操作してレイアウト処理を実行することで、写真原稿データPT1や文書データDDのレイアウトが決定される。その際、レイアウトデータLDの構成要素である写真原稿データPT1や文書データDDのレイアウト情報は、レイアウトの実行中には常に変更されうるが、レイアウト情報保持部511により最新の状態に保持され、レイアウトの決定とともに確定される。
【0058】
図9の場合において、写真原稿データPT1についての確定したレイアウト情報が写真レイアウト情報LI1であるとする。写真レイアウト情報LI1は、写真原稿データPT1が、座標(x1、y1)を基準座標として、原サイズに比して150%に拡大された状態でレイアウトされることを示している。
【0059】
写真レイアウト情報LI1が定まると、次に、処理内容生成部52における処理内容生成処理が実行される(ステップS2)。オペレータが、記憶部42に記憶された複数のレシピファイルRFのなかから、レイアウトが確定した写真原稿データPT1に対し行うべき画像処理内容を含むレシピファイルRFを選択すると、写真レイアウト情報LI1をレシピファイルRFに合成する処理が実行される。合成後のレシピファイルRFは記憶部42に保存される。
【0060】
全てのレイアウト処理が終了すると、レイアウトデータ作成装置4から出力装置7へと、レイアウトデータLD(レイアウト対象となる写真原稿データ等のオブジェクトデータも含む)とレシピファイルRFとが受け渡される(ステップS3)。
【0061】
出力装置7においては、受け取ったこれらのデータをいったん記憶部72に保存する。そして、オペレータにより操作部73を通じて所定の実行指示が与えられると、画像変換処理部81において、画像変換処理が実行される(ステップS4)。すなわち、レシピファイルRFの内容に従って、写真原稿データPT1に対する色空間変換処理と、画像補正処理とが実行される。これにより、CMYK表色系を有し、かつ、レシピファイルRFに記述された内容の画像補正が施された写真原稿データPT2が生成される。
【0062】
そして引き続き、レイアウト情報差替部818が、写真レイアウト情報LI1のファイル情報を、レイアウトに用いた写真原稿データPT1からCMYK変換後の写真原稿データPT2へと書き換える。この書き換えに伴い新たな写真レイアウト情報LI2が作成される。これが画像差替処理である(ステップS5)。そして、この新たな写真レイアウト情報LI2を含むレイアウトデータLDが、印刷データとしてRIP処理に引き続き供される(ステップS6)こととなる。
【0063】
図10は、RIP処理から出力処理に至るまでの流れを説明する図である。印刷データをRIP処理することにより、CMYKの各色版に相当する分版データが生成されるので、これらの分版データを用いて、RIP処理の妥当性や、印刷における色再現性をチェックするための校正刷りが実行される(ステップS7)。校正刷りは、印刷制御部83の制御に基づき印刷部77において実行してもよいし、印刷システム1が校正装置8を備える場合は、分版された印刷データを校正装置8に送り、校正装置8において実行してもよい。校正刷りにより得られるゲラ(校正印刷物)をチェックした結果、問題がなければ、そのまま、本格的な出力処理、すなわち印刷部77による印刷が実行される(ステップS9)。あるいは、いったん記憶部72に印刷データを保存しておき、操作部73を通じたオペレータの指示に応じて、印刷が実行される。
【0064】
校正刷りの結果が十分でない場合、例えば、ゲラにおいて写真原稿データに対し本来意図していた色が表現されていない場合は、写真原稿データに対するCMYK変換、さらにはその後の画像補正処理をやり直す必要がある。本発明の場合は、レシピファイルRFに従ってこれらの処理が実行されているので、意図する色が印刷物において表現されるように、レシピファイルRFを再設定する必要がある。本発明においては、出力装置7に備わるレシピファイル生成部817によって、既存のレシピファイルRFの修正や、新たなレシピファイルRFの設定が可能であるので、レシピファイル生成部817においてレシピファイルを再設定(ステップS10)した後、引き続き画像変換処理部81において再画像変換処理(ステップS11)を行うことができる。
【0065】
例えば、写真原稿データPT1の被写体である人物の肌の色が、ゲラにおいてはやや青みがかっているとすると、本来意図する仕上がりに比して、不健康な印象を与えてしまうことになる。こうした場合は、画像変換処理部81の色調補正部814が、当初のレシピファイルRFにおける設定されているC(シアン)のトーンカーブ設定よりも、中間調をより落としたトーンカーブに従って補正処理を実行するように、レシピファイルRFの設定内容を変更する必要がある。
【0066】
このようにレシピファイルRFを修正した後、画像変換処理部81において写真原稿データPT1に対して再画像変換処理を実行する。そして新たに得られる印刷データに対してRIP処理、さらには校正刷りを実行する。再度の校正刷りの結果、不具合が改善されていれば、以降は通常の出力処理に移ることができる。さらに不具合が生じれば、再びレシピファイルの再設定からやり直すことになる。
【0067】
なお、レシピファイルRFは個々の写真原稿データごとに個別に設定されているので、それらの処理の際には、色校正において問題がある写真原稿データについてのみ、処理を行えばよい。すなわち、出力装置7における処理のみ、さらには再処理が必要な写真原稿データのみで修正作業が完結するので、レイアウトデータ作成装置4に戻って、レイアウトデータ全体について修正処理を行う必要がない。
【0068】
以上、説明したように、本発明に係る出力装置7においては、RIP処理とその後の印刷処理とを行うことに加えて、RGB表色系にて与えられた写真原稿データを印刷用のCMYK表色系を有するデータに変換し、所定の補正処理を行う画像変換処理を実行するうえ、さらには画像変換処理の処理内容についての設定ファイルであるレシピファイルを生成および修正することが可能である。これにより、校正刷りの結果、ある写真原稿データの色再現性に不具合があった場合であっても、出力装置7においては、不具合のある写真原稿データについてのみに対応するレシピファイルを再設定し、その再設定後のレシピファイルに基づいて再画像変換処理を行うことができる。レイアウトデータ作成装置にまで遡って、レイアウトデータ全体に対して修正処理を行う必要がなくなるので、修正に伴う印刷処理の遅延を抑制でき、さらには処理フローの混乱による生じる不具合の発生を抑制することができる。
【0069】
<変形例>
上述の実施の形態では、画像変換処理の設定ファイルとしてレシピファイルを用いているが、XML(eXtensible Markup Language)形式で記述されるJDF(Job Definition Format)ファイルをレシピファイルとして利用する態様であってもよい。印刷のワークフローにおいて汎用性のあるJDFファイルを用いることで、画像変換処理だけでなく、他の処理をも含めた統合的な処理についての設定が可能となる。
【0070】
また、上述の実施の形態においては、出力装置7は印刷部77を備え、RIP処理後の分版データに基づいて、印刷を行う態様であったが、これに代わり、出力装置7から分版データに基づいて製版フィルムが作成される態様、例えば、出力装置7がRIP処理機能を備えるイメージセッタとして実現される態様や、もしくは、出力装置7において分版データに基づき直接に刷版が作成される態様、すなわち、出力装置7がRIP処理機能を備えたCTP(Computer To Plate)装置として実現される態様であってもよい。これらの場合、校正装置8として、ケミカル校正装置や、平台校正装置等を用いることができる。
【0071】
あるいは、上述の実施の形態においては、出力装置7において画像変換処理から出力に至るまでの処理を担っているが、画像変換処理とRIP処理とを行うRIP装置と、出力装置とが分離した態様であってもよい。この場合でも、RIP処理までを前者のRIP装置で行い、後者の出力装置に印刷データを受け渡すことで、本発明の効果を得ることができる。
【0072】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1ないし請求項10の発明によれば、ラスタライズ処理を行う印刷データ処理装置において、レイアウト情報が付加された設定ファイルに基づき、第1写真原稿データを印刷に適した第2写真原稿データに変換し、写真がレイアウトされた状態に適した画像補正を実行するので、レイアウトデータ作成装置における処理の負荷が軽減されるとともに、画像変換処理に際してマニュアルにてレイアウト情報を設定する必要がなくなるので、印刷データ作成処理を効率化しつつ、写真がレイアウトされた状態に適した画像補正を実行することが可能となる。
【0073】
また、請求項2、および請求項7ないし請求項9の発明によれば、画像変換処理とラスタライズ処理とを一の装置において一連の処理として実行することができるので、ラスタライズに至るまでの処理を効率化することができる。
【0074】
また、請求項3ないし請求項6、請求項8、および請求項9の発明によれば、不具合のある写真原稿データについてのみ再画像変換処理を行い、印刷データを作り直すことができる。これにより、レイアウトデータ作成装置にまで遡って、レイアウトデータ全体に対して修正処理を行う必要がなくなるので、修正に伴う処理の遅延を抑制でき、さらには処理フローの混乱による生じる不具合の発生を抑制することができる。
【0075】
また、請求項4の発明によれば、デジタルカメラで取得された写真データを印刷に適した写真原稿データとして利用することができる。
【0076】
また、請求項5の発明によれば、デジタルカメラで取得された写真データを、その色再現性を維持しつつ、印刷に適した写真原稿データとして利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る印刷システム1の構成を示す図である。
【図2】写真原稿作成装置3の制御部31において実現される機能を説明するための図である。
【図3】レイアウトデータ作成装置4の制御部41において実現される機能を説明するための図である。
【図4】レシピファイルRFのファイル構造を模式的に示す図である。
【図5】特性設定パラメータ62の設定項目を一覧として示す設定項目テーブルTBL1を示す図である。
【図6】代表的な被写体の画像処理に際して要求される画像補正の内容を、一覧として示す補正内容テーブルTBL2を示す図である。
【図7】微調整パラメータ63の代表的な処理メニューを示す微調整メニューテーブルTBL3を示す図である。
【図8】出力装置7の制御部71において実現される機能を説明するための図である。
【図9】レイアウトデータの作成から、RIP処理に至るまでの処理の流れを説明する図である。
【図10】RIP処理から出力処理に至るまでの流れを説明する図である。
【図11】従来の印刷物のレイアウト処理の流れを説明する図である。
【符号の説明】
1 印刷システム
2 デジタルカメラ
3 写真原稿作成装置
4 レイアウトデータ作成装置
6 イメージスキャナ
7 出力装置
8 校正装置
LD レイアウトデータ
RF、RF1 レシピファイル
TBL1 設定項目テーブル
TBL2 補正内容テーブル
TBL3 微調整メニューテーブル
Claims (10)
- 印刷物のレイアウトを定める印刷データをラスタライズ処理するラスタライズ処理手段を備える印刷データ処理装置であって、
RGB表色系により表されるデジタルデータである第1写真原稿データをCMYK表色系により表される第2写真原稿データへと変換する色空間変換処理を行う色空間変換手段、
前記第2写真原稿データの補正処理を行う補正手段、
および、
印刷物のレイアウトを行った結果を表すレイアウト情報と前記第1写真原稿データとの関連づけを、前記第2写真原稿データとの関連づけに変更する差替処理を行う差替手段、
を含む画像変換手段、
をさらに備え、
前記画像変換手段において実行されるべき処理内容を記述する設定ファイルには前記レイアウト情報が含まれることを特徴とする印刷データ処理装置。 - 請求項1に記載の印刷データ処理装置であって、
前記差替処理が実行された後のレイアウトデータを印刷データとしてラスタライズ処理に供することを特徴とする印刷データ処理装置。 - 請求項1または請求項2に記載の印刷データ処理装置であって、
前記設定ファイルの生成と修正とを行う設定ファイル生成手段、
をさらに備え、
前記印刷データ基づく校正刷りの結果が適切でない場合に、前記設定ファイル生成手段において設定ファイルを再設定し、新たな設定ファイルに基づいて前記画像変換手段において再画像変換処理を行うことを特徴とする印刷データ処理装置。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の印刷データ処理装置であって、
前記第1写真原稿データは、デジタルカメラによって取得されたデータに基づくことを特徴とする印刷データ処理装置。 - 請求項4に記載の印刷データ処理装置であって、
前記第1写真原稿データは、デジタルカメラによって取得された後、デジタルカメラの機種に依存しない基準表色系により表されるデータに変換された後に与えられていることを特徴とする印刷データ処理装置。 - 印刷物のレイアウトを定める印刷データを処理するシステムであって、
a)印刷物のレイアウトを定めるレイアウトデータを作成するレイアウトデータ作成装置と、
b−1)前記レイアウトの対象となっている写真に相当し、RGB表色系により表された第1写真原稿データに対し、所定の画像変換処理を施して第2写真原稿データを得る画像変換手段、
および、
b−2)前記第2写真原稿データを含む印刷データに対しラスタライズ処理を行うラスタライズ処理手段、
を備える印刷データ処理装置と、
を備え、
前記レイアウトデータ作成装置が、
a−1)前記第1写真原稿データが表現する写真の、印刷物におけるレイアウトを行い、その結果を前記第1写真原稿データと関連づけたレイアウト情報として保持するレイアウト作成手段と、
a−2)前記画像変換処理において実行されるべき処理内容を記述する設定ファイルに前記レイアウト情報を合成する、レイアウト情報合成手段と、
を備え、
前記印刷データ処理装置の画像変換手段が、
b−1−1)前記設定ファイルに基づき前記第1写真原稿データをCMYK表色系により表される第2写真原稿データへと変換する色空間変換処理を行う色空間変換手段、
b−1−2)前記設定ファイルに基づき前記第2写真原稿データの補正処理を行う補正手段、
b−1−3)前記レイアウト情報と前記第1写真原稿データとの関連づけを、前記第2写真原稿データとの関連づけに変更する差替処理を行う差替手段、
および、
b−1−4)前記設定ファイルの生成と修正とを行う設定ファイル生成手段、を備え、
前記印刷データが、前記差替処理が行われたレイアウト情報を含み、前記印刷データ基づく校正刷りの結果が適切でない場合に、前記設定ファイル生成手段において設定ファイルを再設定し、新たな設定ファイルに基づいて前記画像変換手段において再画像変換処理を行うことを特徴とする印刷データ処理システム。 - 印刷物のレイアウトを定める印刷データを処理する方法であって、
a−1)所定の設定ファイルに基づきRGB表色系により表されるデジタルデータである第1写真原稿データをCMYK表色系により表される第2写真原稿データへと変換する色空間変換処理を行う色空間変換工程、
a−2)前記設定ファイルに基づき前記第2写真原稿データの補正処理を行う補正工程、
および、
a−3)印刷物のレイアウトを行った結果を表すレイアウト情報と前記第1写真原稿データとの関連づけを、前記第2写真原稿データとの関連づけに変更する差替処理を行う差替工程、
を含む画像変換工程と、
b)印刷データをラスタライズ処理するラスタライズ処理工程と、
を備え、
前記画像変換工程と前記ラスタライズ処理工程とが一の装置において行われることを特徴とする印刷データ処理方法。 - 請求項7に記載の印刷データ処理方法であって、
前記ラスタライズ工程を経た印刷データに基づき校正刷りを行う校正印刷工程をさらに備え、
かつ、
前記画像変換工程が、
a−4)前記設定ファイルの生成と修正とを行う設定ファイル生成工程、
をさらに備え、
前記校正刷りの結果が適切でない場合に、前記設定ファイル生成工程において前記設定ファイルを再設定し、新たな設定ファイルに基づいて前記画像変換工程と前記ラスタライズ処理工程とを再度行うことを特徴とする印刷データ処理方法。 - コンピュータにおいて実行されることにより、請求項1ないし請求項6のいずれかの印刷データ処理装置として機能することを特徴とするプログラム。
- コンピュータにおいて実行されることにより、請求項1ないし請求項6のいずれかの印刷データ処理装置における画像変換手段として機能することを特徴とするプログラム。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002219477A JP2004058438A (ja) | 2002-07-29 | 2002-07-29 | 印刷データ処理装置、印刷データ処理システム、印刷データ処理方法、およびプログラム |
EP03016084A EP1387568A3 (en) | 2002-07-29 | 2003-07-15 | Printing system and layout data generation device |
US10/619,492 US20040017476A1 (en) | 2002-07-29 | 2003-07-16 | Printing system, layout data generation device, print data processing device and program |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002219477A JP2004058438A (ja) | 2002-07-29 | 2002-07-29 | 印刷データ処理装置、印刷データ処理システム、印刷データ処理方法、およびプログラム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004058438A true JP2004058438A (ja) | 2004-02-26 |
Family
ID=31940367
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002219477A Abandoned JP2004058438A (ja) | 2002-07-29 | 2002-07-29 | 印刷データ処理装置、印刷データ処理システム、印刷データ処理方法、およびプログラム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004058438A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009152890A (ja) * | 2007-12-20 | 2009-07-09 | Tohoku Ricoh Co Ltd | 画像編集装置、画像編集方法、画像形成装置及び画像形成方法 |
WO2010084805A1 (ja) | 2009-01-21 | 2010-07-29 | 三菱マテリアル株式会社 | ラジアスエンドミル |
US7826103B2 (en) | 2005-07-28 | 2010-11-02 | Canon Kabushiki Kaisha | Printing system, information processing apparatus, printing apparatus, control methods thereof, and program |
-
2002
- 2002-07-29 JP JP2002219477A patent/JP2004058438A/ja not_active Abandoned
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7826103B2 (en) | 2005-07-28 | 2010-11-02 | Canon Kabushiki Kaisha | Printing system, information processing apparatus, printing apparatus, control methods thereof, and program |
JP2009152890A (ja) * | 2007-12-20 | 2009-07-09 | Tohoku Ricoh Co Ltd | 画像編集装置、画像編集方法、画像形成装置及び画像形成方法 |
WO2010084805A1 (ja) | 2009-01-21 | 2010-07-29 | 三菱マテリアル株式会社 | ラジアスエンドミル |
EP2383060A1 (en) * | 2009-01-21 | 2011-11-02 | Mitsubishi Materials Corporation | Radius end mill |
EP2383060A4 (en) * | 2009-01-21 | 2013-10-16 | Mitsubishi Materials Corp | STRAWBERRIES WITH ROUNDED TAIL |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3962313B2 (ja) | 印刷製版における検版 | |
JP5592161B2 (ja) | 画像編集装置、画像編集方法及びプログラム | |
US8861022B2 (en) | Image processing apparatus with preview display function, image processing method, and image processing program | |
JP3953994B2 (ja) | 画像処理情報関連付け処理装置、印刷システム、レイアウトデータの出力可能化方法、およびプログラム | |
JP3689325B2 (ja) | 色再現特性補正方法 | |
JP5014284B2 (ja) | 画像処理装置、画像処理方法、およびプログラム | |
JP5578147B2 (ja) | 印刷システム、印刷方法、および印刷プログラム | |
US7573589B2 (en) | Methods and systems for automated color proofing | |
JP2006197457A (ja) | カラーチャート作成方法、カラーチャート作成装置、およびカラーチャート作成プログラム、ならびに色変換定義修正方法 | |
JP3641041B2 (ja) | 画像データの出力方法及び画像データ出力装置 | |
JP2003348366A (ja) | 画像処理方法及び画像処理装置 | |
JP2002112022A (ja) | 画像形成装置、画像形成方法、および画像形成プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体 | |
JP4369151B2 (ja) | 画像処理装置および画像処理方法並びにこれらに用いるプログラム | |
US8705889B2 (en) | Image processing apparatus, image forming system, and image forming method with geometric processing | |
EP1387568A2 (en) | Printing system and layout data generation device | |
EP1569438A2 (en) | Color conversion system,color conversion apparatus and color conversion program storage medium | |
JP4830923B2 (ja) | 画像処理装置及び画像処理方法 | |
JP2004058438A (ja) | 印刷データ処理装置、印刷データ処理システム、印刷データ処理方法、およびプログラム | |
JP4522051B2 (ja) | 画像処理装置および画像処理方法並びにこれらに用いるプログラム | |
JP6736299B2 (ja) | 印刷装置、印刷方法、および、プログラム | |
JP4325256B2 (ja) | 画像処理装置およびそのプログラム | |
JP3853712B2 (ja) | 印刷データ作成装置、印刷データ作成システム、印刷データ作成方法、およびプログラム | |
JP7321885B2 (ja) | 画像処理装置、画像処理方法、およびプログラム | |
JP4775289B2 (ja) | 画像処理装置及び画像処理方法 | |
JP2004274546A (ja) | 出力色の調整方法、カラー画像形成装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050314 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080520 |
|
A762 | Written abandonment of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A762 Effective date: 20080617 |