JP2004058381A - 段ボールシート及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】例えば野菜、花等の植物の苗の育成に用いられる育苗ポットを収納する育苗ポット用トレーのケースなどに供する段ボールシート及びその製造方法を提案する。
【解決手段】本発明の段ボールシートは、表用原紙及び中芯原紙及び裏用原紙の3種類の板紙原紙から構成され、各原紙はそれぞれ3層以上の古紙主体原料で構成された板紙であって、各原紙の全層に内添による耐水処理がなされており、防黴剤の内添率及び添加位置が、▲1▼表用原紙と裏用原紙の最外層の防黴剤の内添率が1〜4%,▲2▼表用原紙と裏用原紙の最内層の防黴剤の内添率が0.5〜4%,▲3▼中芯原紙の両側の最外層の防黴剤の内添率が0.5〜4%,の各条件を満足する。
【選択図】 なし
【解決手段】本発明の段ボールシートは、表用原紙及び中芯原紙及び裏用原紙の3種類の板紙原紙から構成され、各原紙はそれぞれ3層以上の古紙主体原料で構成された板紙であって、各原紙の全層に内添による耐水処理がなされており、防黴剤の内添率及び添加位置が、▲1▼表用原紙と裏用原紙の最外層の防黴剤の内添率が1〜4%,▲2▼表用原紙と裏用原紙の最内層の防黴剤の内添率が0.5〜4%,▲3▼中芯原紙の両側の最外層の防黴剤の内添率が0.5〜4%,の各条件を満足する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば野菜、花等の植物の苗の育成に用いられる育苗ポットを収納する育苗ポット用トレーのケースなどに供する段ボールシート及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より育苗ポット用トレーには安価な塩化ビニル等のプラスチック製トレーが使用されている。これらトレーは、育苗終了後に廃棄物として埋め立てや焼却処分されている。
しかし、埋め立てされるとこれらのトレーは生分解しないので、合成樹脂分が土壌中に長期間残留するし、焼却されると処理条件によりダイオキシンが発生する等の問題があり、リサイクル性を有するトレーが要望されている。
また、トレーに収納される育苗ポット中の植物を生育させるため、長期間にわたり散水が行われ、トレーにも水が掛けられてしまうので、優れた防黴性及び耐水性を有することが要望されてきている。即ち防黴性を十分に持っていないと、水が頻繁に掛けられるために表面又は端面に黴が発生し、トレーの外観が悪くなる上、トレーを手で持って移動する際にカビが手に付着するため不衛生である。また、十分な耐水性を持っていないと、掛けられた水によりトレーの強度が低下し、トレーの形状が保たれないことがある。
【0003】
近年、このような要望に答えるべく防黴処理された紙製品が開発されている。例えば特開平9−67797号公報には天然繊維及び合成繊維による紙製品に抗菌防黴剤を内添塗布したり、抗菌防黴剤を印刷インキ、塗料、染料液又は表面強化剤或いは接着剤、撥水剤に混合添加後、紙の表面に処理することが提案されている。しかし、長期間散水される等の過酷な条件のなかで耐えうる紙製品の製造方法には言及されていない。
【0004】
特開2001−130649公報には青果物の鮮度を保持するために抗菌加工した段ボールシートが提案されている。しかし、本シートは禁忌品といわれるポリエチレンやポリプロピレン樹脂をラミネートするためリサイクル性が劣る。
【0005】
特開2002−112637公報には生分解性樹脂及び防黴剤及び撥水剤が内添された育苗トレーが提案されている。しかし、パルプモールドからなるので多くの育苗ポットを収納して移動するときに強度が弱く底破れする。また本トレーは生分解を目的としたもので、リサイクル性がない。さらに生分解性繊維を使用すると防黴性が落ちるという欠点がある。
【0006】
また、コストに言及すると、高価な防黴剤を大量に使用することにより大幅なコストアップとなり、いかに防黴剤の使用を抑えるかが、コストパフォーマンスを満たすうえでのポイントとなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは鋭意検討の結果、前記問題を解決する防黴性、耐水性、コストパフォーマンス、保型性、リサイクル性を有し、前述のような育苗ポット用トレーに好適に用いることができる段ボールシートを開発することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記に鑑み提案されたもので、表用原紙及び中芯原紙及び裏用原紙の3種類の板紙原紙から構成され、各原紙はそれぞれ3層以上の古紙主体原料で構成された板紙であって、各原紙の全層に内添による耐水処理がなされており、防黴剤の内添率及び添加位置が、
▲1▼表用原紙と裏用原紙の最外層の防黴剤の内添率が1〜4%
▲2▼表用原紙と裏用原紙の最内層の防黴剤の内添率が0.5〜4%
▲3▼中芯原紙の両側の最外層の防黴剤の内添率が0.5〜4%
の各条件を満足することを特徴とする段ボールシート及びその製造方法に関するものである。
【0009】
上述のように本発明の段ボールシートは3種類の板紙原紙よりなり、各原紙はそれぞれ3層以上で構成され、その特定の層に防黴剤を内添し、耐水処理に用いる薬剤(薬品)は各原紙の全層に同じ割合で内添するため、前記特定の層には防黴剤と耐水剤が内添されることになる。そして、原料は安価な古紙主体で構成されており、防黴剤等の薬品も必須な部分のみに必要な量が添加されているので、防黴効果及び耐水効果及びコストパフォーマンスの優れた段ボールシートとなり、例えば育苗ポット用トレーなどに好適に利用できる。そして、このシートを用いて育苗ポット用トレーに成型した場合、剛性があるので、多くの育苗ポットを収納しても、移動の際に底が破れたりすることがない。また、シートを構成する原紙は古紙主体であるため、板紙製造会社で簡単にリサイクルができる。
尚、前記の防黴剤及び耐水剤を特定の層に所定量内添することにより、一定長期間(7ケ月)までの防黴性及び保型性が得られるが、さらに長期間(8ケ月以上)の防黴性を得るには、表用原紙及び裏用原紙の最外層の表面に、撥水剤の固形分付着量を0.1〜2.0g/m2とした塗工層を設ける。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明による段ボールシートを製造する一例を示す。
まず、円網多筒抄紙機で3種類の板紙原紙を抄造する。この円網多筒抄紙機は6〜7層の抄合わせマシンであり、各層に原料バット(槽)を有している。
各板紙原紙は6層抄で、坪量210g/m2とし各層の坪量は33〜41g/m2とする。尚、段ボールシートの一番上に位置する板紙原紙を表用原紙とする。中間の板紙原紙は中芯原紙とする。一番下に位置する板紙原紙を裏用原紙とする。原紙の配合は段ボール等の古紙主体原料からなる。
表用原紙と裏用原紙は#1バット(1層目のバット)では段ボール古紙100%もしくは100%に近いスラリーに、防黴剤1〜4%{内添率の計算は(市販品の有姿重量/原料固形分重量×100)、以下同じ}と耐水剤{ロジンサイズ剤1.5%、乾燥紙力増強剤0.3%、湿潤紙力増強剤0.1%、硫酸バンド6.0%をそれぞれ内添する,内添率の計算は(薬品固形分重量/原料固形分重量×100)とする,但し硫酸バンドだけは(市販品の有姿重量/原料固形分重量×100)とする,以下、総称して単に耐水剤という}をそれぞれ内添する。#6バット(6層目のバット)には防黴剤0.5〜4%と耐水剤をそれぞれ内添して抄造を行い巻取り原紙を製造する。
中芯原紙は#1及び#6バットに防黴剤0.5〜4%と耐水剤をそれぞれ内添して巻取り原紙を製造する。
尚、耐水剤については表用原紙及び裏用原紙及び中芯原紙の全層に均等に内添されている。
そして、前記表用原紙及び中芯原紙及び裏用原紙をコルゲートマシンで貼合して段ボールシートを製造する。表用原紙と裏用原紙は、段ボールシートになった場合、それぞれ1層目が最外層に、6層目が最内層になるように貼合される。
尚、必要に応じて、キャレンダーで撥水剤を1層目だけに固形分付着量0.1〜2.0g/m2になるように塗工した表用原紙及び裏用原紙を製造し、前記中芯原紙と貼合して段ボールシートとする。塗工面は段ボールシートの最外層の表面になるようにする。撥水剤の固形分付着量とはシート1m2あたりに付着している撥水剤の固形分重量である。
【0011】
薬品(防黴剤及び耐水剤)の最適な添加量は、段ボールシートの用途や条件、コストなどにより決定され、前述のように表用原紙と裏用原紙の最外層の防黴剤の内添率は1〜4%、より好ましくは1〜3%であり、最内層の防黴剤の内添率は0.5〜4%、より好ましくは0.5〜2%とする。また、前述のように中芯原紙の両側の最外層の防黴剤の内添率は0.5〜4%、より好ましくは0.5〜2%とする。この防黴剤の内添率が前記範囲に満たないと十分な防黴効果が得られず、4%を超えると抄紙時の脱水が困難になり、抄紙性に悪影響を及ぼす。
尚、前述のように必要に応じて表用原紙及び裏用原紙の最外層の表面に撥水剤の固形分付着量を0.1〜2.0g/m2、より好ましくは0.1〜1.0g/m2とした塗工層を設けても良く、この塗工層の撥水剤付着量は、例えば段ボールシートを育苗ポット用トレーに用いた場合の育苗期間の長さに応じて適宜に決定すれば良い。この撥水剤付着量が0.1g/m2に満たないと十分な撥水効果が得られず、また2.0g/m2を超えると抄紙した原紙の滑りが高すぎて巻取り適性に悪影響を及ぼす(巻取りから原紙がはみでるいわゆるタケノコ現象が生じる)。
【0012】
本発明に使用される防黴剤は特に限定するものではないが、主要成分が有機窒素系、有機窒素硫黄系、有機硫黄系、チアゾール誘導体、第4級アンモニウム塩からなる防黴剤が使用される。
【0013】
また、本発明に使用される耐水剤としては、特開平7−334104号公報に記載されているようなJIS P8140に規定する1分コッブ法における吸水度が30g/m2以下であって、24時間水浸漬重量増加率が60%以下になるような耐水剤を用いる。この性状を満たすような耐水剤としては、サイズ剤、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、硫酸バンドをそれぞれ内添することが挙げられる。サイズ剤としてはロジン系、スチレンアクリル系等のものが、乾燥紙力増強剤としてはポリアクリルアミド系等のものが、湿潤紙力増強剤としてはポリアミドエピクロロヒドリン系、ポリアミドエポキシ系、尿素系等のものが使用できる。
【0014】
さらに、本発明に使用される撥水剤は特に限定するものではないが、主要成分がパラフィン系、ワックス系、アクリル系、フッ素系からなる撥水剤が使用される。
【0015】
【実施例】
本発明を下記の実施例と比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。各実施例及び各比較例において、内添率%はスラリー中の原料固形分に対する防黴剤及び耐水剤の重量添加率を表し、撥水剤の付着量g/m2は固形分付着量を表す。
【0016】
〔実施例1〕
(表用原紙及び裏用原紙の作製;参考実施例)
円網多筒抄紙機で段ボール古紙100%の板紙の巻取り原紙を製造した。
製造方法は1及び6層目は防黴剤と耐水剤のそれぞれを内添し、2〜5層目は耐水剤のみを内添した。1層目に1.7%の防黴剤と耐水剤をそれぞれ内添し、6層目に0.5%の防黴剤と耐水剤をそれぞれ内添した。耐水剤は3種類の原紙の1〜6層目に均一量内添された。つまり1層目の内添処方は(防黴剤1.7%、ロジンサイズ剤1.5%、乾燥紙力増強剤0.3%、湿潤紙力増強剤0.1%、硫酸バンド6.0%、対原料固形分)である。前記方法で巻取り原紙を2巻製造した。それぞれを参考実施例の表用原紙と裏用原紙とした。尚、防黴剤は大和化学工業(株)のアモルデン(有機窒素系)を使用した。
(中芯原紙の作製)
1層目と6層目に防黴剤0.5%と耐水剤をそれぞれ内添し、前記と同様に抄造して巻取り原紙を製造し、中芯原紙とした。
こうして得られた表用原紙、裏用原紙、及び中芯原紙を合わせた3種類の巻取り原紙をコルゲートマシンで貼合して段ボールシートを製造した。
【0017】
〔実施例2〕
撥水剤を表用原紙と裏用原紙の1層目(段ボールシートとした場合の最外層)に0.1g/m2塗工した以外は実施例1と同様に段ボールシートを製造した。撥水剤は星光化学工業(株)のパラテックスNS−6(パラフィン系、固形分濃度30%)を使用した。
【0018】
〔参考比較例〕
耐水剤の2〜5層目の内添を行わなかった以外は参考実施例と同様に表用原紙を製造した。
【0019】
〔比較例1〕
表用原紙及び裏用原紙の1層目の防黴剤の内添率を0.9%とした以外は実施例1と同様に段ボールシートを製造した。
【0020】
〔比較例2〕
中芯原紙の1層目及び6層目の防黴剤の内添率を0.4%とした以外は実施例1と同様に段ボールシートを製造した。
【0021】
〔比較例3〕
表用原紙及び裏用原紙の最内層の防黴剤の内添率を0.4%とした以外は実施例1と同様に段ボールシートを製造した。
【0022】
〔比較例4〕
表用原紙と裏用原紙と中芯原紙の全層(1〜6層目)の防黴剤の内添率を0.4%とした以外は実施例1と同様に段ボールシートを製造した。
【0023】
参考実施例及び参考比較例の表用原紙について以下の特性試験を行い、その結果を表1に示した。尚、裏用原紙は表用原紙と同一の方法で製造されたものなので試験は省略した。
紙試験用の標準状態は、JIS P8111による。
・坪量の測定は、JIS P8124による。
・24時間水浸漬重量増加率は、自社法による。
【0024】
【表1】
【0025】
表1より明らかなように、表用原紙及び裏用原紙の2〜5層目に耐水剤を内添しなかった参考比較例は、24時間水浸漬重量増加率が高く、耐水性が低すぎ、使用できない。この原紙をコルゲートマシンで貼合して段ボールシートを成型しても長期間の散水に耐えられず保型性は保たれない。
【0026】
実施例1〜2及び比較例1〜4の各段ボールシートにて育苗ポット用トレーを成型し、以下のような防黴試験を行い、その結果を表2に示した。
・防黴試験はビニールハウスのなかの、土壌の上に育苗ポット用トレーを置き、7ケ月間から10ケ月間、朝夕欠かさず散水を行い、育苗ポット用トレーに発生した黴の様子を下記の判定基準で評価した。
−−;10ケ月間、表面及び端面にまったく発生しない。
−;7ケ月間、表面及び端面にまったく発生しない。
10ケ月目に表面の1/3未満に黴が発生する。
±;7ケ月以内に端面にのみ発生あり。
+;7ケ月以内に表面の1/3未満に発生あり。
++;7ケ月以内に表面の1/3未満に発生あり、端面に発生あり。
+++;7ケ月以内に表面の1/3〜2/3に発生あり、端面に発生あり。
++++;7ケ月以内に表面の2/3以上に発生あり、端面に発生あり。
【0027】
【表2】
【0028】
表2より明らかなように、実施例1の段ボールシートにて成型した育苗ポットトレーは7ケ月以内は表面及び端面に黴の発生はなかったが、10ケ月目に表面に黴が発生した。撥水剤を塗工した実施例2の段ボールシートでは10ケ月間まったく黴の発生はなかった。したがって、通常育苗ポット用トレーの防黴持続期間は7ケ月が要望され、実施例1の段ボールシートでも十分に耐用され得るが、さらに長期間の防黴性を持続させるには、撥水剤の塗工が必要であり、実施例2の段ボールシートが十分に耐用され得ることが確認された。
一方、比較例1の段ボールシートは最外層の防黴剤の内添率が1.0%に満たないので、7ケ月以内に表面に黴が発生した。
また、比較例2及び比較例3の段ボールシートでは7ケ月以内に黴が表面には発生していなかったが、中芯原紙及び中芯原紙に接する表用原紙及び裏用原紙の最内層の防黴剤の内添量が0.5%に満たないので、段ボールシートの端面に黴が発生していた。
3種類の原紙の全層に0.4%の防黴剤を内添した比較例4も表用原紙及び裏用原紙及び中芯原紙の内添量が所定量に満たないので、7ケ月以内に表面及び端面に黴が発生していた。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の段ボールシートは、古紙主体原料からなる3種類の板紙原紙から構成される段ボールシートであって、特定の位置(層)に特定量の防黴剤が内添され、耐水剤は原紙の全層に内添されているので、例えば野菜、花等の植物の苗の育成に用いられる育苗ポットを収納するための育苗ポット用トレーのケースなどに供した場合には、長期間の散水に充分耐えるだけの防黴性及び耐水性を有し、またコストパフォーマンスも優れるものとなる。また、本発明の段ボールシートは、古紙を主体原料とするので優れたリサイクル性を有する。特に表用原紙及び裏用原紙の最外層の表面に、撥水剤の固形分付着量を0.1〜2.0g/m2とした塗工層を設けたものは、さらに長期間の防黴性を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)参考実施例の表用原紙及び裏用原紙の構成を示す断面図、(b)参考比較例の表用原紙の構成を示す断面図である。
【図2】実施例1の段ボールシートの構成を示す断面図である。
【図3】実施例2の段ボールシートの構成を示す断面図である。
【図4】比較例1の段ボールシートの構成を示す断面図である。
【図5】比較例2の段ボールシートの構成を示す断面図である。
【図6】比較例3の段ボールシートの構成を示す断面図である。
【図7】比較例4の段ボールシートの構成を示す断面図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば野菜、花等の植物の苗の育成に用いられる育苗ポットを収納する育苗ポット用トレーのケースなどに供する段ボールシート及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より育苗ポット用トレーには安価な塩化ビニル等のプラスチック製トレーが使用されている。これらトレーは、育苗終了後に廃棄物として埋め立てや焼却処分されている。
しかし、埋め立てされるとこれらのトレーは生分解しないので、合成樹脂分が土壌中に長期間残留するし、焼却されると処理条件によりダイオキシンが発生する等の問題があり、リサイクル性を有するトレーが要望されている。
また、トレーに収納される育苗ポット中の植物を生育させるため、長期間にわたり散水が行われ、トレーにも水が掛けられてしまうので、優れた防黴性及び耐水性を有することが要望されてきている。即ち防黴性を十分に持っていないと、水が頻繁に掛けられるために表面又は端面に黴が発生し、トレーの外観が悪くなる上、トレーを手で持って移動する際にカビが手に付着するため不衛生である。また、十分な耐水性を持っていないと、掛けられた水によりトレーの強度が低下し、トレーの形状が保たれないことがある。
【0003】
近年、このような要望に答えるべく防黴処理された紙製品が開発されている。例えば特開平9−67797号公報には天然繊維及び合成繊維による紙製品に抗菌防黴剤を内添塗布したり、抗菌防黴剤を印刷インキ、塗料、染料液又は表面強化剤或いは接着剤、撥水剤に混合添加後、紙の表面に処理することが提案されている。しかし、長期間散水される等の過酷な条件のなかで耐えうる紙製品の製造方法には言及されていない。
【0004】
特開2001−130649公報には青果物の鮮度を保持するために抗菌加工した段ボールシートが提案されている。しかし、本シートは禁忌品といわれるポリエチレンやポリプロピレン樹脂をラミネートするためリサイクル性が劣る。
【0005】
特開2002−112637公報には生分解性樹脂及び防黴剤及び撥水剤が内添された育苗トレーが提案されている。しかし、パルプモールドからなるので多くの育苗ポットを収納して移動するときに強度が弱く底破れする。また本トレーは生分解を目的としたもので、リサイクル性がない。さらに生分解性繊維を使用すると防黴性が落ちるという欠点がある。
【0006】
また、コストに言及すると、高価な防黴剤を大量に使用することにより大幅なコストアップとなり、いかに防黴剤の使用を抑えるかが、コストパフォーマンスを満たすうえでのポイントとなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは鋭意検討の結果、前記問題を解決する防黴性、耐水性、コストパフォーマンス、保型性、リサイクル性を有し、前述のような育苗ポット用トレーに好適に用いることができる段ボールシートを開発することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記に鑑み提案されたもので、表用原紙及び中芯原紙及び裏用原紙の3種類の板紙原紙から構成され、各原紙はそれぞれ3層以上の古紙主体原料で構成された板紙であって、各原紙の全層に内添による耐水処理がなされており、防黴剤の内添率及び添加位置が、
▲1▼表用原紙と裏用原紙の最外層の防黴剤の内添率が1〜4%
▲2▼表用原紙と裏用原紙の最内層の防黴剤の内添率が0.5〜4%
▲3▼中芯原紙の両側の最外層の防黴剤の内添率が0.5〜4%
の各条件を満足することを特徴とする段ボールシート及びその製造方法に関するものである。
【0009】
上述のように本発明の段ボールシートは3種類の板紙原紙よりなり、各原紙はそれぞれ3層以上で構成され、その特定の層に防黴剤を内添し、耐水処理に用いる薬剤(薬品)は各原紙の全層に同じ割合で内添するため、前記特定の層には防黴剤と耐水剤が内添されることになる。そして、原料は安価な古紙主体で構成されており、防黴剤等の薬品も必須な部分のみに必要な量が添加されているので、防黴効果及び耐水効果及びコストパフォーマンスの優れた段ボールシートとなり、例えば育苗ポット用トレーなどに好適に利用できる。そして、このシートを用いて育苗ポット用トレーに成型した場合、剛性があるので、多くの育苗ポットを収納しても、移動の際に底が破れたりすることがない。また、シートを構成する原紙は古紙主体であるため、板紙製造会社で簡単にリサイクルができる。
尚、前記の防黴剤及び耐水剤を特定の層に所定量内添することにより、一定長期間(7ケ月)までの防黴性及び保型性が得られるが、さらに長期間(8ケ月以上)の防黴性を得るには、表用原紙及び裏用原紙の最外層の表面に、撥水剤の固形分付着量を0.1〜2.0g/m2とした塗工層を設ける。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明による段ボールシートを製造する一例を示す。
まず、円網多筒抄紙機で3種類の板紙原紙を抄造する。この円網多筒抄紙機は6〜7層の抄合わせマシンであり、各層に原料バット(槽)を有している。
各板紙原紙は6層抄で、坪量210g/m2とし各層の坪量は33〜41g/m2とする。尚、段ボールシートの一番上に位置する板紙原紙を表用原紙とする。中間の板紙原紙は中芯原紙とする。一番下に位置する板紙原紙を裏用原紙とする。原紙の配合は段ボール等の古紙主体原料からなる。
表用原紙と裏用原紙は#1バット(1層目のバット)では段ボール古紙100%もしくは100%に近いスラリーに、防黴剤1〜4%{内添率の計算は(市販品の有姿重量/原料固形分重量×100)、以下同じ}と耐水剤{ロジンサイズ剤1.5%、乾燥紙力増強剤0.3%、湿潤紙力増強剤0.1%、硫酸バンド6.0%をそれぞれ内添する,内添率の計算は(薬品固形分重量/原料固形分重量×100)とする,但し硫酸バンドだけは(市販品の有姿重量/原料固形分重量×100)とする,以下、総称して単に耐水剤という}をそれぞれ内添する。#6バット(6層目のバット)には防黴剤0.5〜4%と耐水剤をそれぞれ内添して抄造を行い巻取り原紙を製造する。
中芯原紙は#1及び#6バットに防黴剤0.5〜4%と耐水剤をそれぞれ内添して巻取り原紙を製造する。
尚、耐水剤については表用原紙及び裏用原紙及び中芯原紙の全層に均等に内添されている。
そして、前記表用原紙及び中芯原紙及び裏用原紙をコルゲートマシンで貼合して段ボールシートを製造する。表用原紙と裏用原紙は、段ボールシートになった場合、それぞれ1層目が最外層に、6層目が最内層になるように貼合される。
尚、必要に応じて、キャレンダーで撥水剤を1層目だけに固形分付着量0.1〜2.0g/m2になるように塗工した表用原紙及び裏用原紙を製造し、前記中芯原紙と貼合して段ボールシートとする。塗工面は段ボールシートの最外層の表面になるようにする。撥水剤の固形分付着量とはシート1m2あたりに付着している撥水剤の固形分重量である。
【0011】
薬品(防黴剤及び耐水剤)の最適な添加量は、段ボールシートの用途や条件、コストなどにより決定され、前述のように表用原紙と裏用原紙の最外層の防黴剤の内添率は1〜4%、より好ましくは1〜3%であり、最内層の防黴剤の内添率は0.5〜4%、より好ましくは0.5〜2%とする。また、前述のように中芯原紙の両側の最外層の防黴剤の内添率は0.5〜4%、より好ましくは0.5〜2%とする。この防黴剤の内添率が前記範囲に満たないと十分な防黴効果が得られず、4%を超えると抄紙時の脱水が困難になり、抄紙性に悪影響を及ぼす。
尚、前述のように必要に応じて表用原紙及び裏用原紙の最外層の表面に撥水剤の固形分付着量を0.1〜2.0g/m2、より好ましくは0.1〜1.0g/m2とした塗工層を設けても良く、この塗工層の撥水剤付着量は、例えば段ボールシートを育苗ポット用トレーに用いた場合の育苗期間の長さに応じて適宜に決定すれば良い。この撥水剤付着量が0.1g/m2に満たないと十分な撥水効果が得られず、また2.0g/m2を超えると抄紙した原紙の滑りが高すぎて巻取り適性に悪影響を及ぼす(巻取りから原紙がはみでるいわゆるタケノコ現象が生じる)。
【0012】
本発明に使用される防黴剤は特に限定するものではないが、主要成分が有機窒素系、有機窒素硫黄系、有機硫黄系、チアゾール誘導体、第4級アンモニウム塩からなる防黴剤が使用される。
【0013】
また、本発明に使用される耐水剤としては、特開平7−334104号公報に記載されているようなJIS P8140に規定する1分コッブ法における吸水度が30g/m2以下であって、24時間水浸漬重量増加率が60%以下になるような耐水剤を用いる。この性状を満たすような耐水剤としては、サイズ剤、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、硫酸バンドをそれぞれ内添することが挙げられる。サイズ剤としてはロジン系、スチレンアクリル系等のものが、乾燥紙力増強剤としてはポリアクリルアミド系等のものが、湿潤紙力増強剤としてはポリアミドエピクロロヒドリン系、ポリアミドエポキシ系、尿素系等のものが使用できる。
【0014】
さらに、本発明に使用される撥水剤は特に限定するものではないが、主要成分がパラフィン系、ワックス系、アクリル系、フッ素系からなる撥水剤が使用される。
【0015】
【実施例】
本発明を下記の実施例と比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。各実施例及び各比較例において、内添率%はスラリー中の原料固形分に対する防黴剤及び耐水剤の重量添加率を表し、撥水剤の付着量g/m2は固形分付着量を表す。
【0016】
〔実施例1〕
(表用原紙及び裏用原紙の作製;参考実施例)
円網多筒抄紙機で段ボール古紙100%の板紙の巻取り原紙を製造した。
製造方法は1及び6層目は防黴剤と耐水剤のそれぞれを内添し、2〜5層目は耐水剤のみを内添した。1層目に1.7%の防黴剤と耐水剤をそれぞれ内添し、6層目に0.5%の防黴剤と耐水剤をそれぞれ内添した。耐水剤は3種類の原紙の1〜6層目に均一量内添された。つまり1層目の内添処方は(防黴剤1.7%、ロジンサイズ剤1.5%、乾燥紙力増強剤0.3%、湿潤紙力増強剤0.1%、硫酸バンド6.0%、対原料固形分)である。前記方法で巻取り原紙を2巻製造した。それぞれを参考実施例の表用原紙と裏用原紙とした。尚、防黴剤は大和化学工業(株)のアモルデン(有機窒素系)を使用した。
(中芯原紙の作製)
1層目と6層目に防黴剤0.5%と耐水剤をそれぞれ内添し、前記と同様に抄造して巻取り原紙を製造し、中芯原紙とした。
こうして得られた表用原紙、裏用原紙、及び中芯原紙を合わせた3種類の巻取り原紙をコルゲートマシンで貼合して段ボールシートを製造した。
【0017】
〔実施例2〕
撥水剤を表用原紙と裏用原紙の1層目(段ボールシートとした場合の最外層)に0.1g/m2塗工した以外は実施例1と同様に段ボールシートを製造した。撥水剤は星光化学工業(株)のパラテックスNS−6(パラフィン系、固形分濃度30%)を使用した。
【0018】
〔参考比較例〕
耐水剤の2〜5層目の内添を行わなかった以外は参考実施例と同様に表用原紙を製造した。
【0019】
〔比較例1〕
表用原紙及び裏用原紙の1層目の防黴剤の内添率を0.9%とした以外は実施例1と同様に段ボールシートを製造した。
【0020】
〔比較例2〕
中芯原紙の1層目及び6層目の防黴剤の内添率を0.4%とした以外は実施例1と同様に段ボールシートを製造した。
【0021】
〔比較例3〕
表用原紙及び裏用原紙の最内層の防黴剤の内添率を0.4%とした以外は実施例1と同様に段ボールシートを製造した。
【0022】
〔比較例4〕
表用原紙と裏用原紙と中芯原紙の全層(1〜6層目)の防黴剤の内添率を0.4%とした以外は実施例1と同様に段ボールシートを製造した。
【0023】
参考実施例及び参考比較例の表用原紙について以下の特性試験を行い、その結果を表1に示した。尚、裏用原紙は表用原紙と同一の方法で製造されたものなので試験は省略した。
紙試験用の標準状態は、JIS P8111による。
・坪量の測定は、JIS P8124による。
・24時間水浸漬重量増加率は、自社法による。
【0024】
【表1】
【0025】
表1より明らかなように、表用原紙及び裏用原紙の2〜5層目に耐水剤を内添しなかった参考比較例は、24時間水浸漬重量増加率が高く、耐水性が低すぎ、使用できない。この原紙をコルゲートマシンで貼合して段ボールシートを成型しても長期間の散水に耐えられず保型性は保たれない。
【0026】
実施例1〜2及び比較例1〜4の各段ボールシートにて育苗ポット用トレーを成型し、以下のような防黴試験を行い、その結果を表2に示した。
・防黴試験はビニールハウスのなかの、土壌の上に育苗ポット用トレーを置き、7ケ月間から10ケ月間、朝夕欠かさず散水を行い、育苗ポット用トレーに発生した黴の様子を下記の判定基準で評価した。
−−;10ケ月間、表面及び端面にまったく発生しない。
−;7ケ月間、表面及び端面にまったく発生しない。
10ケ月目に表面の1/3未満に黴が発生する。
±;7ケ月以内に端面にのみ発生あり。
+;7ケ月以内に表面の1/3未満に発生あり。
++;7ケ月以内に表面の1/3未満に発生あり、端面に発生あり。
+++;7ケ月以内に表面の1/3〜2/3に発生あり、端面に発生あり。
++++;7ケ月以内に表面の2/3以上に発生あり、端面に発生あり。
【0027】
【表2】
【0028】
表2より明らかなように、実施例1の段ボールシートにて成型した育苗ポットトレーは7ケ月以内は表面及び端面に黴の発生はなかったが、10ケ月目に表面に黴が発生した。撥水剤を塗工した実施例2の段ボールシートでは10ケ月間まったく黴の発生はなかった。したがって、通常育苗ポット用トレーの防黴持続期間は7ケ月が要望され、実施例1の段ボールシートでも十分に耐用され得るが、さらに長期間の防黴性を持続させるには、撥水剤の塗工が必要であり、実施例2の段ボールシートが十分に耐用され得ることが確認された。
一方、比較例1の段ボールシートは最外層の防黴剤の内添率が1.0%に満たないので、7ケ月以内に表面に黴が発生した。
また、比較例2及び比較例3の段ボールシートでは7ケ月以内に黴が表面には発生していなかったが、中芯原紙及び中芯原紙に接する表用原紙及び裏用原紙の最内層の防黴剤の内添量が0.5%に満たないので、段ボールシートの端面に黴が発生していた。
3種類の原紙の全層に0.4%の防黴剤を内添した比較例4も表用原紙及び裏用原紙及び中芯原紙の内添量が所定量に満たないので、7ケ月以内に表面及び端面に黴が発生していた。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の段ボールシートは、古紙主体原料からなる3種類の板紙原紙から構成される段ボールシートであって、特定の位置(層)に特定量の防黴剤が内添され、耐水剤は原紙の全層に内添されているので、例えば野菜、花等の植物の苗の育成に用いられる育苗ポットを収納するための育苗ポット用トレーのケースなどに供した場合には、長期間の散水に充分耐えるだけの防黴性及び耐水性を有し、またコストパフォーマンスも優れるものとなる。また、本発明の段ボールシートは、古紙を主体原料とするので優れたリサイクル性を有する。特に表用原紙及び裏用原紙の最外層の表面に、撥水剤の固形分付着量を0.1〜2.0g/m2とした塗工層を設けたものは、さらに長期間の防黴性を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)参考実施例の表用原紙及び裏用原紙の構成を示す断面図、(b)参考比較例の表用原紙の構成を示す断面図である。
【図2】実施例1の段ボールシートの構成を示す断面図である。
【図3】実施例2の段ボールシートの構成を示す断面図である。
【図4】比較例1の段ボールシートの構成を示す断面図である。
【図5】比較例2の段ボールシートの構成を示す断面図である。
【図6】比較例3の段ボールシートの構成を示す断面図である。
【図7】比較例4の段ボールシートの構成を示す断面図である。
Claims (3)
- 表用原紙及び中芯原紙及び裏用原紙の3種類の板紙原紙から構成され、各原紙はそれぞれ3層以上の古紙主体原料で構成された板紙であって、各原紙の全層に内添による耐水処理がなされており、防黴剤の内添率及び添加位置が、
▲1▼表用原紙と裏用原紙の最外層の防黴剤の内添率が1〜4%
▲2▼表用原紙と裏用原紙の最内層の防黴剤の内添率が0.5〜4%
▲3▼中芯原紙の両側の最外層の防黴剤の内添率が0.5〜4%
の各条件を満足することを特徴とする段ボールシート。 - 表用原紙及び裏用原紙の最外層の表面に、撥水剤の固形分付着量を0.1〜2.0g/m2とした塗工層を設けたことを特徴とする請求項1に記載の段ボールシート。
- 古紙主体原料のスラリーに、耐水剤と所定量の防黴剤を内添して抄造を行うことにより請求項1に記載の3種類の板紙原紙を抄造し、それらをコルゲートマシンで貼合して段ボールシートを製造し、必要に応じて請求項2の撥水剤の塗工層を設けることを特徴とする段ボールシートの製造方法。
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