JP2004056059A - アライメント方法、アライメント装置、及び電子線露光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】結像光学系の方位及び偏芯によるアライメント誤差を除いて、マスクとウエハとを正確にアライメントするアライメント方法を提供する。
【解決手段】本方法では、マスクとウエハとのアライメント誤差を測定するために第1及び第2回目の露光用として第1及び第2の専用マスク30、31を使用する。第1マスクはマスク周辺領域にアライメントマーク34を備えている。第2マスクは第1マスクの回路パターン形成領域に相当する領域に格子状に配列された孤立マーク37からなる測定用パターン36とアライメントマーク38を備える。第1回目の露光では第1マスクを使ってアライメントマークをウエハの下地層上に形成する。第2回目の露光では下地層上にレジスト膜を成膜した後、下地層上に形成したアライメントマークを用いて第2マスクのアライメントを行い、次いで測定用パターンを形成する。測定用パターンのアライメントマークに対するアライメント誤差を測定する。アライメント誤差に基づいてアライメント誤差を相殺するようにマスクとウエハとのアライメントを行う。
【選択図】 図1
【解決手段】本方法では、マスクとウエハとのアライメント誤差を測定するために第1及び第2回目の露光用として第1及び第2の専用マスク30、31を使用する。第1マスクはマスク周辺領域にアライメントマーク34を備えている。第2マスクは第1マスクの回路パターン形成領域に相当する領域に格子状に配列された孤立マーク37からなる測定用パターン36とアライメントマーク38を備える。第1回目の露光では第1マスクを使ってアライメントマークをウエハの下地層上に形成する。第2回目の露光では下地層上にレジスト膜を成膜した後、下地層上に形成したアライメントマークを用いて第2マスクのアライメントを行い、次いで測定用パターンを形成する。測定用パターンのアライメントマークに対するアライメント誤差を測定する。アライメント誤差に基づいてアライメント誤差を相殺するようにマスクとウエハとのアライメントを行う。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アライメント方法、アライメント装置、及び電子線露光装置に関し、更に詳細には、アライメントする際に使用するアライメント装置の撮像素子の光軸方位、及び結像光学系の偏芯を高精度で調整することなく、高精度でウエハとマスクとの位置合わせを可能とするアライメント方法、並びにそのようなアライメント方法を実施するアライメント装置、及び電子線露光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ウエハ上にパターンを転写するマスクと、パターンが転写されるウエハとの相対位置をリアルタイムに測定して、ウエハとマスクとの位置合わせを行うアライメント装置が、電子線等倍近接リソグラフィやX線等倍リソグラフィを適用する露光装置で使用されている。
露光装置は、通常、露光装置本体と、アライメント装置とを有し、光学系としてアライメント装置のアライメント光学系と、露光装置本体の露光光学系との二つの光学系を備えている。また、アライメント光学系は、照射光をウエハに照射する照射光学系と、ウエハやマスクのアライメントマークの像を検出する結像光学系とから構成されている。
【0003】
例えば第2955668号特許公報、第3048904号特許公報、及び第3235782号特許公報に記載の発明のように、アライメント光学系によりレジストを感光させない長波長光をマスク及びウエハにそれぞれ形成されたアライメントマークに斜め入射させてアライメントマークの像を撮像素子に結像させ、画像処理を行ってマーク位置を測定し、マスクとウエハとの位置ずれ誤差を検出する照明光斜め入射式のアライメント方式がある。
尚、本明細書では、ウエハに設けられた位置合わせ用のウエハマークと、マスクに設けられた位置合わせ用のマスクマークの双方をアライメントマークの用語で総称することもある。
【0004】
ここで、図10を参照して、照明光斜め入射式のアライメント装置の結像光学系の構成と機能を簡単に説明する。図10はアライメント装置の結像光学系の機能を示す概略斜視図である。
アライメント装置の結像光学系10は、アライメントマークを観察する顕微鏡12と、アライメントマークの像を結像させるCCD撮像素子14と、画像処理装置(図示せず)とを備えている。
【0005】
アライメント装置10でアライメント誤差を測定する際には、図10に示すように、マスク16に設けられたマスクマーク18とウエハ20に設けられたウエハマーク22とを顕微鏡12で観察しつつCCD撮像素子14に結像させる。
顕微鏡12及びCCD撮像素子14を結ぶ光軸がマスク16及びウエハ20に対して傾斜しているために、顕微鏡12の物体面24とマスク14及びウエハ20が交線Lで交わる領域で、マスクマーク18とウエハマーク18とを同時に顕微鏡12で観察することができる。
マスクマーク18とウエハマーク18の強度分布を画像処理することによって、顕微鏡光軸とマスク法線がつくる入射面に垂直な方向の位置ずれρと、マスク16とウエハ20との間隔αを求めることができる。図10中、θは光軸とマスク法線との角度である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、アライメント装置の結像光学系の構成要素の一つであるCCD撮像素子は、電子素子なので、高精度の機械的な配置で取り付けることが困難である。従って、CCD撮像素子の光軸の方位に取り付け誤差が生じる。
【0007】
また、結像光学系が、露光電子線や露光X線の露光ビーム、電子線光学系(露光光学系)、マスク、マスクステージ、ウエハステージ等と干渉しないように、結像光学系の光学部品を配置しなければならないという制約がある。
更には、マスク及びウエハのアライメントマークの位置を高精度に測定するためには、開口数NAの大きな対物レンズを使用しなければならないので、アライメント光学系の光軸θを45°程度まで傾斜させなければならないという制約がある。そのため、結像光学系の方位角に誤差が生じ易い。
その結果、顕微鏡12の物体面24とマスク16及びウエハ20との交線Lに対して、CCD撮像素子14の方位(走査方向)が平行或いは垂直でなくなるので、図10から明らかなように、マスクマーク18とウエハマーク22との相対位置に測定誤差が発生する。
また、機械的な加工誤差によって顕微鏡12のアライメント装置への取付け角度の誤差即ち結像光学系全体が偏芯しているときにも、マスクマーク18とウエハマーク22の相対位置に測定誤差が発生する。
【0008】
CCD撮像素子の光軸方位、結像光学系の偏芯によるアライメント誤差を低減する方法の第1は、CCD撮像素子の光軸方位、結像光学系の偏芯を正確に調整することである。
ところで、近年、開発が進められている100nm以下のパターンを露光するためには、測定誤差の近似計算によれば、CCD撮像素子の方位角の偏差、結像光学系の偏芯を少なくとも10−4 rad以下にする必要がある。
【0009】
しかし、顕微鏡12の物体面24とマスク16及びウエハ20との交線Lに対するCCD撮像素子14の方位を10−4 rad以下の誤差で測定する手段が現在のところ見当たらないので、CCD撮像素子14の方位を10−4 rad以下の誤差内に調整することができない。また、結像光学系の偏芯を測定することも容易ではないので、機械精度以上に小さくすることは困難である。
つまり、従来の技術では、CCD撮像素子の方位の偏差及び結像光学系の偏芯によって発生するアライメントの測定誤差を除くことは困難である。
【0010】
そこで、本発明の目的は、結像光学系の方位及び偏芯によるアライメント誤差を取り除いて、マスクとウエハとを正確にアライメントするアライメント方法及びアライメント装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
露光装置のアライメント装置には、一般的に、前述した結像光学系が4本装備され、4方向からマスクとウエハとの位置ずれを測定する。そして、この4方向の測定値から、マスクとウエハとの相対的な並進移動の誤差、マスクとウエハとの間の回転誤差、及びマスクとウエハとの間の倍率誤差からなるアライメント誤差を検出している。
本発明者は、上記課題を解決する研究の過程で、上述のアライメント誤差を近似計算し、表1に示すような式で、それぞれ、並進移動の誤差、回転誤差、及び倍率誤差を表示できることを見い出した。
【表1】
【0012】
表1では、マスクとウエハとの間のX軸方向及びY軸方向の並進移動誤差は、それぞれ、Δx及びΔy、マスクとウエハとの間の回転誤差はΨm−Ψw、並びにマスクとウエハとの間の倍率誤差はδMで示されている。
また、表1に示す近似計算結果では、図11に示すように、4本の結像光学系のそれぞれの測定位置P1、P2、P3、及びP4の座標を、(0、a)、(a、−b)、(0、−a)、及び(−a、b)とし、4本の結像光学系のCCD撮像素子22A〜Dの方位角をそれぞれα、β、γ、及びδ、4本の結像光学系の光軸のZ軸に対する回転角をそれぞれs、t、u、及びvとし、マスク及びウエハの方位角をそれぞれΨm及びΨwとしており、ρは顕微鏡光軸とマスク法線がつくる入射面に垂直な方向のウエハのウエハマークとマスクのマスクマークとの位置ずれである。
【0013】
本発明者は、上述の表1の結果から、並進移動誤差、回転誤差、及び倍率誤差は、全て、CCD撮像素子の方位角α、β、γ、δ、結像光学系のZ軸に対する回転角s、t、u、及びv、マークの位置ずれρ、及びウエハの方位角Ψw、座標値a、bで規定され、一つのアライメント装置に固有の一定な値の個別的系統的誤差であることに着目した。
そして、予めテスト露光を行い、並進移動誤差、回転誤差、及び倍率誤差を測定し、アライメント時にテスト露光で求めた誤差分をキャンセルするようにマスクとウエハの位置を補正することにより、或いは、露光時に電子線のマスクへの照射方向を修正することにより、アライメント誤差を消滅できることを見い出し、本発明を発明するに到った。
【0014】
上記目的を達成するために、上述の知見に基づいて、本発明に係るアライメント方法は、位置合わせ用マークとしてマスク及びウエハにそれぞれ設けられたマスクマーク及びウエハマークをアライメント装置の撮像素子に結像させ、次いで画像処理によるマスクマーク及びウエハマークの位置検出によってマスクとウエハとの位置ずれを測定し、位置ずれが生じないようにマスクとウエハとの相対的な位置合わせを行うアライメント方法において、
アライメント装置の撮像素子の光軸方位の偏差、及び結像光学系の偏芯によって発生するウエハとマスクとの間のアライメント誤差を測定する測定工程と、
測定したアライメント誤差に基づいてアライメント誤差を相殺するようにマスクとウエハとの相対位置を補正して、マスク及びウエハアライメントを行うアライメント工程と
を有することを特徴としている。
【0015】
前述のように、撮像素子の光軸方位の偏差及び結像光学系の偏芯によるアライメント誤差は、近似的には、一つのアライメント装置に固有の個別的系統的誤差であるから、アライメント誤差を測定し、以後アライメント誤差を相殺するようにアライメントを行うことにより、ウエハとマスクとを高精度で位置合わせすることができる。
本発明方法により、撮像素子の光軸方位の偏差及び結像光学系の偏芯によるアライメント誤差を除去できるので、撮像素子の方位角及び結像光学系の偏芯を都度、測定し、調整することが不要となる。
本発明方法の測定工程では、基本的には、アライメント誤差として、マスクとウエハとの間の並進移動誤差、マスクとウエハとの間の回転誤差、及びマスクとウエハとの間の倍率誤差を測定する。
【0016】
本発明方法の実施態様の測定工程では、
ウエハ上にウエハマークを設ける第1のステップと、
ウエハ上にレジスト膜を成膜し、次いでウエハマークに対して所定の位置関係を有する測定用パターンを形成する第2のステップと、
ウエハマークに対する測定用パターンのアライメント誤差を測定する第3のステップと
を有する。
【0017】
例えば、測定工程の第1のステップでは、ウエハ上に半導体装置製造用のマスクを使ってウエハマークを転写し、第2のステップでは、ウエハマークに対して位置合わせした後、同じ半導体装置製造用のマスクを使って回路パターンを測定用パターンとして転写する。
【0018】
本発明方法の好適な実施態様では、マスク周辺領域にウエハマークを有する第1の専用マスクと、第1の専用マスクのマーク周辺領域に対応する領域の内側にウエハマークに対する所定の位置関係で設けられた測定用パターンを有する第2の専用マスクとを用意し、
第1のステップでは、第1の専用マスクを使ってウエハマークをウエハ上に転写し、
第2のステップでは、ウエハマーク上にレジスト膜を成膜し、次いでウエハマークに位置合わせして第2の専用マスクを使ってレジスト膜に測定用パターンを転写し、
第3のステップでは、測定用パターンのウエハマークに対するアライメント誤差を測定する。
【0019】
例えば、第2の専用マスクとして、複数個の格子点位置に配置した孤立マークを測定用パターンとする専用マスクを使用する。
また、第2の専用マスクとして、1次元又は2次元の回折格子状パターンを測定用パターンとする専用マスクを使用し、第3のステップでは、測定用パターンのウエハマークに対するアライメント誤差を干渉計で測定する。
これにより、露光パターンの形状歪によって生じる測定誤差を低減できる。
【0020】
また、第1の専用マスクとして、ウエハマークと、ウエハマークの内側に複数本の1次元回折格子状パターンからなる第1の測定用パターンとを有する専用マスクを使用し、
第2の専用マスクとして、第1の専用マスクの1次元回折格子状パターンの周期とは異なる周期の1次元回折格子状パターンからなる第2の測定用パターンを有する専用マスクを使用し、 第3のステップでは、第1の専用マスクと第2の専用マスクとの相互に周期の異なる2枚の格子状パターンにより生じるモワレ縞からアライメント誤差を測定する。
本実施態様では、アライメント誤差の測定に際して、高精度の顕微鏡、高精度のウエハの位置測定装置を必要としない。
【0021】
本発明方法を実施する本発明に係るアライメント装置(以下、第1の発明と言う)は、撮像素子と画像処理装置とを備え、位置合わせ用マークとしてマスク及びウエハにそれぞれ設けられたマスクマーク及びウエハマークを撮像素子に結像させ、次いで画像処理装置によるマスクマーク及びウエハマークの位置検出によってマスクとウエハの位置ずれを測定し、位置ずれが生じないようにマスクとウエハとの相対的な位置合わせを行うアライメント装置において、
撮像素子の光軸方位の偏差及び結像光学系の偏芯によって発生するウエハとマスクとの間のアライメント誤差を測定し、測定したアライメント誤差を相殺するようにマスクとウエハとの相対位置を補正するアライメントを行うようにしたことを特徴としている。
【0022】
本発明方法は、アライメント装置で適用できることに加えて、電子線露光装置にも適用できる。つまり、電子線光学系の偏芯によるアライメント誤差は、アライメント装置の結像光学系の偏芯によるアライメント誤差と同様に、近似的には、一つの電子線光学系に固有の個別的系統的誤差であるから、アライメント誤差を測定し、以後アライメント誤差を相殺するようにアライメントを行うことにより、ウエハとマスクとを高精度で位置合わせすることができる。
【0023】
即ち、本発明に係る電子線露光装置(以下、第2の発明と言う)は、ウエハ上に近接配置されたマスクを介して低エネルギー電子線をウエハに照射してウエハを露光する電子線露光装置において、
電子線露光装置の電子線光学系のアライメント誤差を測定し、次いでアライメント誤差を相殺するように電子線の入射方向を調整するようにしたことを特徴としている。
電子線光学系の偏芯によるアライメント誤差を除去できるので、電子線光学系の偏芯を都度、測定し、調整することが不要となる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に、添付図面を参照し、実施形態例を挙げて本発明の実施の形態を具体的かつ詳細に説明する。
実施形態例1
本実施形態例は、本発明に係るアライメント方法の実施形態の一例である。本実施形態例では、半導体装置の製造用マスクをアライメント誤差測定用マスクとして使用する。
先ず、アライメント誤差の測定工程の第1のステップでは、試験ウエハ上にレジスト膜を成膜し、次いで位置合わせマークと回路パターンを有する実際の半導体装置製造用マスクを使ってレジスト膜を露光し、半導体装置の実際の回路パターンとウエハマークを有するエッチングマスクを試験ウエハの下地層上に形成する。続いて、エッチングマスクを使ってエッチングして下地層にウエハマークと回路パターンとを形成する。
次いで、第2のステップでは、レジスト膜を試験ウエハの下地層上に成膜し、位置合わせした後、同じ半導体装置製造用マスクを使って下地層の回路パターンと同じ回路パターンをレジスト膜上に転写して、回路パターンのレジストパターンを形成する。
続いて、第3のステップでは、下地層上のウエハマークとレジスト膜上の回路パターンとのアライメント誤差、つまり並進移動誤差、回転誤差、及び倍率誤差を測定する。測定結果は、表1に示される式で算出されるものとほぼ同じである。
本実施形態例の方法では、ウエハのウエハマークとして下地層上のウエハマークを使用し、測定用パターンとして回路パターンのレジストパターンを使用している。
【0025】
次いで、実際のアライメントでは、測定したアライメント誤差を相殺するように、つまり逆方向のアライメント誤差を持つように、マスクとウエハとの相対位置を補正してアライメントを行い、露光を行う。
【0026】
アライメント誤差を表1で表示するとき、4本の各アライメント光学系の補正値は、表2に示すとおりである。
【表2】
表2で、XC 1 、YC 1 、X C 2 、及びYC 2 は、それぞれ、補正された、P1のX座標、P2のY座標、P3のX座標、及びP4のY座標を意味する。それ以外の座標は補正する必要はない。また、(Δx,Δy)は並進誤差を、Ψeは回転誤差を、σmは倍率誤差を意味する。つまり、ウエハとマスクとの相対的位置誤差が補正値になるように、ウエハとマスクとを位置合わせする。
【0027】
CCD撮像素子の方位及び結像光学系の偏芯によるアライメント誤差は、表1に示すように、一つのアライメント装置に特有の個別的系統的誤差であって一定値である。
そこで、ウエハ上にマスクをアライメントする際にアライメント誤差を相殺すようにアライメントを行うことにより、アライメント誤差を無くすことができる。
【0028】
実施形態例2
本実施形態例は、本発明に係るアライメント方法の実施形態の別の例であって、図1(a)及び(b)は、それぞれ、本実施形態例の方法で使用するアライメント誤差測定用の第1の専用マスク及び第2の専用マスクの構成を示す平面図である。
実施形態例1では半導体装置の製造に使用するマスクを使って、半導体装置の実際の回路パターンを測定用パターンとしてアライメント誤差を測定しているが、回路パターンは複雑なパターンで構成されているために、アライメント誤差を測定することが容易ではない。
そこで、本実施形態例では、マスクとウエハとのアライメント誤差を測定するために、実施形態例1で使用した実際のマスクに代えて、アライメント誤差測定用の2枚の専用マスク、つまり第1回目の露光用の第1の専用マスク30と第2回目の露光用の第2の専用マスク31とを使用する。
【0029】
第1の専用マスク30は、図1(a)に示すように、第2の専用マスク31の測定用パターン形成領域32に対応する領域32(便宜上同じ符号を付している)の外側のマスク周辺領域に4方向の方位で配置された4個のアライメントマーク34A〜Dを備えている専用マスクである。
第2の専用マスク31は、図1(b)に示すように、回路パターン形成領域32に格子状に配列された孤立マーク37からなる測定用パターン36と、回路パターン形成領域32の外側領域に4方向の方位で配置された4個のアライメントマーク38A〜Dとを有する専用マスクである。
【0030】
本実施形態例の方法では、先ず、アライメント誤差の測定工程の第1のステップとして第1回目の露光を行う。第1回目の露光では、第1の専用マスク30を使って、ウエハの下地層上のレジスト膜を露光し、次いでアライメントマーク34A〜Dを下地層に形成する。
次いで、第2のステップとして第2回目の露光を行う。第2回目の露光では、下地層上にレジスト膜を成膜した後、第2回目の露光で、下地層上に形成したアライメントマーク34A〜Dを用いて第2の専用マスク31のアライメントを行い、次いで格子状に並んだ孤立マーク37からなる測定用パターン36を露光し、現像して、測定用パターン36のレジストパターンを形成する。
続いて、第3のステップとして、測定用パターン36のレジストパターンのアライメントマーク34に対するアライメント誤差を測定する。
【0031】
第1及び第2の専用マスク30、31を使ってアライメント誤差を予め測定する際には、図2に示すような測定装置を使用する。図2はアライメント誤差の測定装置の構成を示す模式図である。
アライメント誤差の測定装置40は、図2に示すように、ウエハWを載置して自在にX、Y方向に移動し、Z軸回りに回転するウエハステージ42と、光軸をウエハステージ42に直交させるようにしてウエハステージ42の上方に配置された高分解能の顕微鏡44と、顕微鏡44を介してアライメントマークを撮像する撮像素子(図示せず)と、撮像素子に結像した像を画像処理するコンピュータ46とを備えている。
ウエハステージ42は、ウエハWの位置を正確に計測するガラススケール48、レーザ測長機(図示せず)等の位置測定装置、及びコンピュータ36を介して、クローズドループ制御により精密に位置制御される。
【0032】
測定用パターン36のアライメント誤差を測定する際には、測定装置40を使って、測定用パターン36の孤立マーク37の位置を顕微鏡44で観察し、コンピュータ46で画像処理を行い、第1回の露光で形成したアライメントマーク34に対する孤立マーク37のアライメント誤差を測定する。
ウエハ全面を測定するために、ウエハステージ42をガラススケール48、レーザ測長機等でクローズドループ制御しつつウエハWを移動させて、アライメント誤差を測定する。
【0033】
実際のアライメントでは、測定したアライメント誤差を相殺するように、つまり逆方向のアライメント誤差を持つように、マスクとウエハとの相対位置を補正してアライメントを行い、露光を行う。
【0034】
実施形態例3
本実施形態例は、本発明に係るアライメント方法の実施形態の更に別の例であって、図3は本実施形態例の方法で使用するアライメント誤差測定用の第1の専用マスクの構成を示す平面図、図4(a)及び(b)は、それぞれ、測定用パターンとして設けられた孤立マーク及びアライメントマークの構成を示す平面図である。
本実施形態例では、専用マスクの構成が実施形態例2の専用マスクと異なる2枚の専用マスク、第1及び第2の専用マスクを使って2回の露光を行い、アライメント誤差を測定することを除いて、実施形態例2と同様にアライメント誤差を測定する。
本実施形態例で使用する第1の専用マスク50は、図3に示すように、格子状に配置された多数個の孤立マーク54からなる測定用パターン52と、測定用パターン52の外側に4方向の方位で配置されているアライメントマーク56A〜Dとを備えている。
【0035】
第2の専用マスク51は、孤立マークの構成が異なることを除いて、第1の専用マスク50と同じ構成であって、第2の専用マスクの孤立マークは、第1の専用マスク50の孤立マーク54と同じ位置の格子点に重なるように配置されている。
【0036】
第1の専用マスク50の孤立マーク54は、図4(a)に示すように、一辺が20μmの正方形の各辺に沿って設けられた大マークとして構成されている。
第2の専用マスクの孤立マーク58は、同じく、図4(a)に示すように、第1の専用マスク50の孤立マーク54の内側領域に相当する第2の専用マスクの領域に設けられ、一辺が10μmの正方形の各辺に沿って設けられた小マークとして構成されている。
尚、図4(a)は第1の専用マスク50と第2の専用マスク51との位置合わせで、アライメント誤差が無いときの孤立パターン54、58の重なり状態を示している。
【0037】
第1の専用マスク50のアライメントマーク56は、図4(b)に示すように、一辺Aが50μm角の正方形内の両側の縁部に微小な正方形の小マーク60が4列の格子状に配置されている。
第2の専用マスクのアライメントマーク62は、図4(b)に示すように、第1の専用マスク50のアライメントマーク54の中央部の空き領域に対応する第2の専用マスクの領域に、4列の小マーク64が正方形から突出するように配置されている。
尚、図4(b)は第1の専用マスク50と第2の専用マスクとの位置合わせで、アライメント誤差が無いときのアライメントマーク56、62の重なり状態を示している。
【0038】
アライメント誤差の測定工程の第1及び第2のステップとして、第1及び第2の専用マスク50、51を使って第1回及び第2回の露光を行い、図5に示すように、第1の専用マスク50の孤立マーク54の大マーク内に第2の専用マスク51の孤立マーク58の小マークを位置させる。図5は位置合わせした状態での第1及び第2の専用マスク50、51の測定用パターンの位置関係を示す平面図である。
次いで、第3のステップで、アライメント誤差の測定を行う。各格子点にある四角形の大マーク54及び小マーク58の重心位置を各々測定し、重心位置のずれからアライメント誤差を測定する。
また、実施形態例2のアライメント誤差の測定装置40を使って、高解像の顕微鏡44で大マーク56及び小マーク58を拡大して観察し、画像処理を行って重心位置のずれを測定することもできる。
【0039】
実施形態例4
本実施形態例は、本発明に係るアライメント方法の実施形態の更に別の例であって、図6は本実施形態例の方法で使用する第2の専用マスクの構成を示す平面図である。
本実施形態例では、第1の専用マスクとして実施形態例2の第1の専用マスク30と同じ構成の専用マスクを使用する。
第2の専用マスク70は、図5に示すように、ラインパターン72aを等間隔に並べた一次元回折格子状パターンからなる測定用パターン72と、マスク周辺領域に4方向の方位で設けられたアライメントマーク74A〜Dとを備えている。
更に、第2の専用マスク70とは別の第2の専用マスクとして、測定用パターン72の回折格子状パターン72aに直交する方向の回折格子状パターンを備える専用マスクを用意する。
【0040】
アライメント誤差の測定工程では、実施形態例2と同様にして、第1のステップである第1回目の露光で、第1の専用マスク30を使ってアライメントマーク34A〜Dをウエハの下地層上に形成する。
次いで、第2のステップである第2回目の露光で、第2の専用マスク70を使って測定用パターン72を露光し、現像して、レジストパターンを形成する。
続いて、第3のステップとして、測定用パターン72のアライメントマーク34に対するアライメント誤差を測定する。
【0041】
アライメント誤差を測定する際には、図7に示すような測定装置を使用する。図7はアライメント誤差の測定装置の構成を示す模式図である。
アライメント誤差の測定装置80は、図7に示すように、ウエハWを載置して自在にX、Y方向に移動し、Z軸回りに回転するウエハステージ82と、ウエハステージ82上のウエハWにレーザ光を照射する照射光学系と、ウエハWを観察する観察光学系とを備えている。
ウエハステージ82は、ガラススケール、レーザ測長機84等でコンピュータ86を介したクローズドループ制御により精密に位置制御される。
【0042】
照射光学系は、照明光の光源として設けられ、レーザ光を出射するレーザ装置88と、レーザ光を二つの光束に分割するビームスプリッタ90と、音響光学素子を備え、一方の光束に周波数シフトを与えるAOM92と、一方の光束を他方の光束の入射方向とは対称な入射方向からウエハの回折格子パターンに入射させるミラー94とを備えている。
二つの光束の双方が、ウエハに垂直な方向に回折するように、ウエハへの光束の入射角と、回折格子パターンのピッチが設定されている。
【0043】
観察光学系は、光軸をウエハステージ82に直交させるようにしてウエハステージ82の上方に配置された高分解能の顕微鏡を介してアライメントマークを撮像するフォトディテクタ96と、撮像素子に結像した像の位相を測定する2光束干渉計からなる位相測定器98と備え、位相測定器98を介して撮像素子に結像した像をコンピュータ86が画像処理する。
【0044】
アライメント誤差の測定の際には、第1の専用マスクのアライメントマークに対する回折格子パターンの相対位置を局所的に2光束レーザ干渉計98で測定し、その測定値から、並進移動、回転、倍率のアライメント誤差を計算する。
上述の二つの光束で形成された回折格子からの干渉波の干渉縞をフォトディテクタ96で検出し、得られるビート信号から回折格子パターンの局所的な位置を高精度に測定する。測定位置は、ガラススケール、レーザ測長機84等で高精度にクローズドループ制御されたウエハステージ82でウエハWを移動することによって変更する。
【0045】
ただし、一つの第2の専用マスク72で測定できる位置は、回折格子パターンのラインに垂直な方向のみである。そこで、2次元的な位置ずれを測定するために、第1の専用マスク30及び前述した別の専用マスクを使って別のウエハ上に第1回目の露光及び第2回目の露光を行い、回折格子パターンを測定する。尚、このときの干渉計は、前述のような2光束干渉計でなくても、回折波の位相を測定できる通常の干渉計であればよい。
本実施形態例の方法は、第2及び3実施形態例に比較して、露光パターンの形状歪によって生じる測定誤差が小さい。
【0046】
実施形態例5
本実施形態例は、本発明に係るアライメント方法の実施形態の更に別の例であって、図8は本実施形態例の方法で使用する第2の専用マスクの構成を示す平面図である。
本実施形態例では、第1の専用マスクとして実施形態例2の第1の専用マスク30と同じ構成の専用マスクを使用する。
第2の専用マスク100は、図8に示すように、実施形態例4の回折格子パターンからなる測定用パターン72を相互に直交させるようにして重ねてなる四角形ドット102aの2次元的回折格子パターンからなる測定用パターン102と、マスク周辺領域に4方向の方位で設けられたアライメントマーク104A〜Dとを有する専用マスクである。
【0047】
以下、実施形態例4と同様にして、アライメント誤差の測定工程では、第1のステップである第1回目の露光で第1の専用マスク30を使ってアライメントマーク34A〜Dをウエハの下地層上に形成する。
次いで、第2のステップである第2回目の露光で第2の専用マスク100を使って測定用パターン102を露光し、現像して、パターン形成する。
続いて、第3のステップとして、測定用パターン102のアライメントマーク34に対するアライメント誤差を実施形態例4で使用した測定装置80を使用して測定する。
ウエハWを90°回転して測定することで、2次元的な位置ずれの分布を測定することができる。
【0048】
実施形態例6
本実施形態例は、本発明に係るアライメント方法の実施形態の更に別の例であって、図9は本実施形態例の方法で使用する第1及び第2の専用マスクにより形成されるモワレパターンを示す図である。
本実施形態例では、第1の専用マスクとして、実施形態例4の第1の専用マスク70と、第2の専用マスクとして、第1の専用マスク70の測定用パターン72の回折格子状パターンと周期が相互に僅かに異なる回折格子パターンを測定用パターンとして有する専用マスク(図示せず)を使用する。
【0049】
露光されたパターンには、第1及び第2の専用マスクの回折格子パターンの相対的な位置ずれによって、図9に示すようなモワレパターン106が生じる。
そこで、Y方向のラインからなる回折格子状パターンにより生じるモワレパターンから、X方向の並進移動と回転のアライメント誤差を測定することができる。また、X方向のラインからなる回折格子状パターンにより生じるモワレパターンから、Y方向の並進移動と倍率のアライメント誤差を測定することができる。更に、全面のモワレパターンを撮像素子に結像し画像処理を行うことによって、両マスクの相対的な位置ずれを測定することができる。
【0050】
本実施形態例の特徴は、実施形態例2及び3で必要とされる高精度な顕微鏡、レーザ測長機、ガラススケール等のコストの嵩む装置が必要ないことである。
【0051】
実施形態例1から6の方法を適用することにより、アライメント誤差を低減しが第1の発明に係るアライメント装置を実現することができる。
【0052】
実施形態例7
本実施形態例は、第2の発明に係る実施形態の一例である。
ステンシルマスクとウエハを数10μm程度に近接させ、ステンシルマスクに電子線を照射して露光する電子線露光装置では、電子線光学系の偏芯による誤差は、アライメント装置と同様に、装置に固有な系統的誤差であって、誤差の値は一定である。
従って、電子線の入射方向を電子線光学系によって調整することにより、局所的な描画位置を制御することができる。
そこで、本実施形態例では、実施形態例1から実施形態例6の方法のいずれかを使って、アライメント誤差を算出し、次いでアライメント誤差を相殺するように電子線の入射方向を調整することにより、電子線露光装置のアライメント誤差を補償することができる。
【0053】
【発明の効果】
本発明方法によれば、アライメント装置の撮像素子の光軸方位の偏差及び結像光学系の偏芯によって発生するウエハとマスクとの間のアライメント誤差を予め測定し、次いで測定したアライメント誤差に基づいてアライメント誤差を相殺するようにマスクとウエハとの相対位置を補正して、マスクとウエハとのアライメントを行うことにより、撮像素子の光軸方位、及び結像光学系全体の偏芯を高精度に調整する必要なく、高精度でウエハとマスクとのアライメントを行うことができる。
また、アライメント誤差測定に際し、専用マスクを使用することにより、アライメントの系統的誤差を容易に測定することができる。
第1の発明によれば、本発明方法の技術的思想を適用することにより、撮像素子の光軸方位、及び結像光学系全体の偏芯を高精度に調整する必要なく、高精度でウエハとマスクとのアライメントを行うことができるアライメント装置を実現している。
また、第2の発明によれば、電子線露光装置の電子線光学系のアライメント誤差を測定し、次いでアライメント誤差を相殺するように電子線の入射方向を調整することにより、アライメント誤差を補正することができる電子線露光装置を実現している。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)及び(b)は、それぞれ、実施形態例2の方法で使用するアライメント誤差測定用の第1の専用マスク及び第2の専用マスクの構成を示す平面図である。
【図2】実施形態例2の方法で使用するアライメント誤差の測定装置の構成を示す模式図である。
【図3】実施形態例3の方法で使用するアライメント誤差測定用の第1及び第2の専用マスクの構成を示す平面図である。
【図4】図4(a)及び(b)は、それぞれ、孤立マークの構成を示す平面図、及びアライメントマークの構成を示す平面図である。
【図5】位置合わせした状態での実施形態例3の第1及び第2の専用マスクの測定用パターンの位置関係を示す平面図である。
【図6】実施形態例4の方法で使用する第2の専用マスクの構成を示す平面図である。
【図7】実施形態例4の方法で使用するアライメント誤差の測定装置の構成を示す模式図である。
【図8】実施形態例5の方法で使用する第2の専用マスクの構成を示す平面図である。
【図9】実施形態例6の方法で使用する第1及び第2の専用マスクにより形成されるモワレパターンを示す平面図である。
【図10】アライメント装置の結像光学系の機能を示す概略斜視図である。
【図11】アライメント装置の結像光学系とマスク及びウエハとの関係を説明する斜視図である。
【符号の説明】
10……アライメント装置の結像光学系、12……顕微鏡、14……CCD撮像素子、16……マスク、18……マスクマーク、20……ウエハ、22……ウエハマーク、24……顕微鏡の物体面、30……実施形態例2の第1の専用マスク、31……実施形態例2の第2の専用マスク、32……測定用パターン形成領域、34……アライメントマーク、36……測定用パターン、37……孤立パターン、38……アライメントマーク、40……実施形態例2のアライメント誤差の測定装置、42……ウエハステージ、44……顕微鏡、46……コンピュータ、48……ガラススケール、50……実施形態例3で使用する第1の専用マスク、51……第2の専用マスク、52……測定用パターン、54……第1の専用マスクの孤立マーク、56……第1の専用マスクのアライメントマーク、58……第2の専用マスクの孤立マーク、60……小マーク、62……第2の専用マスクのアライメントマーク、64……小マーク、70……実施形態例4の第2の専用マスク、72……測定用パターン、72a……ラインパターン、74……アライメントマーク、80……実施形態例4のアライメント誤差の測定装置、82……ウエハステージ、84……レーザ測長機、86……コンピュータ、88……レーザ装置、90……ビームスプリッタ、92……A0M、94……ミラー、96……フォトディテクタ、98……位相測定器、100……実施形態例5の第2の専用マスク、102……測定用パターン、102a……四角形ドット、104……アライメントマーク、106……モワレパターン。
【発明の属する技術分野】
本発明は、アライメント方法、アライメント装置、及び電子線露光装置に関し、更に詳細には、アライメントする際に使用するアライメント装置の撮像素子の光軸方位、及び結像光学系の偏芯を高精度で調整することなく、高精度でウエハとマスクとの位置合わせを可能とするアライメント方法、並びにそのようなアライメント方法を実施するアライメント装置、及び電子線露光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ウエハ上にパターンを転写するマスクと、パターンが転写されるウエハとの相対位置をリアルタイムに測定して、ウエハとマスクとの位置合わせを行うアライメント装置が、電子線等倍近接リソグラフィやX線等倍リソグラフィを適用する露光装置で使用されている。
露光装置は、通常、露光装置本体と、アライメント装置とを有し、光学系としてアライメント装置のアライメント光学系と、露光装置本体の露光光学系との二つの光学系を備えている。また、アライメント光学系は、照射光をウエハに照射する照射光学系と、ウエハやマスクのアライメントマークの像を検出する結像光学系とから構成されている。
【0003】
例えば第2955668号特許公報、第3048904号特許公報、及び第3235782号特許公報に記載の発明のように、アライメント光学系によりレジストを感光させない長波長光をマスク及びウエハにそれぞれ形成されたアライメントマークに斜め入射させてアライメントマークの像を撮像素子に結像させ、画像処理を行ってマーク位置を測定し、マスクとウエハとの位置ずれ誤差を検出する照明光斜め入射式のアライメント方式がある。
尚、本明細書では、ウエハに設けられた位置合わせ用のウエハマークと、マスクに設けられた位置合わせ用のマスクマークの双方をアライメントマークの用語で総称することもある。
【0004】
ここで、図10を参照して、照明光斜め入射式のアライメント装置の結像光学系の構成と機能を簡単に説明する。図10はアライメント装置の結像光学系の機能を示す概略斜視図である。
アライメント装置の結像光学系10は、アライメントマークを観察する顕微鏡12と、アライメントマークの像を結像させるCCD撮像素子14と、画像処理装置(図示せず)とを備えている。
【0005】
アライメント装置10でアライメント誤差を測定する際には、図10に示すように、マスク16に設けられたマスクマーク18とウエハ20に設けられたウエハマーク22とを顕微鏡12で観察しつつCCD撮像素子14に結像させる。
顕微鏡12及びCCD撮像素子14を結ぶ光軸がマスク16及びウエハ20に対して傾斜しているために、顕微鏡12の物体面24とマスク14及びウエハ20が交線Lで交わる領域で、マスクマーク18とウエハマーク18とを同時に顕微鏡12で観察することができる。
マスクマーク18とウエハマーク18の強度分布を画像処理することによって、顕微鏡光軸とマスク法線がつくる入射面に垂直な方向の位置ずれρと、マスク16とウエハ20との間隔αを求めることができる。図10中、θは光軸とマスク法線との角度である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、アライメント装置の結像光学系の構成要素の一つであるCCD撮像素子は、電子素子なので、高精度の機械的な配置で取り付けることが困難である。従って、CCD撮像素子の光軸の方位に取り付け誤差が生じる。
【0007】
また、結像光学系が、露光電子線や露光X線の露光ビーム、電子線光学系(露光光学系)、マスク、マスクステージ、ウエハステージ等と干渉しないように、結像光学系の光学部品を配置しなければならないという制約がある。
更には、マスク及びウエハのアライメントマークの位置を高精度に測定するためには、開口数NAの大きな対物レンズを使用しなければならないので、アライメント光学系の光軸θを45°程度まで傾斜させなければならないという制約がある。そのため、結像光学系の方位角に誤差が生じ易い。
その結果、顕微鏡12の物体面24とマスク16及びウエハ20との交線Lに対して、CCD撮像素子14の方位(走査方向)が平行或いは垂直でなくなるので、図10から明らかなように、マスクマーク18とウエハマーク22との相対位置に測定誤差が発生する。
また、機械的な加工誤差によって顕微鏡12のアライメント装置への取付け角度の誤差即ち結像光学系全体が偏芯しているときにも、マスクマーク18とウエハマーク22の相対位置に測定誤差が発生する。
【0008】
CCD撮像素子の光軸方位、結像光学系の偏芯によるアライメント誤差を低減する方法の第1は、CCD撮像素子の光軸方位、結像光学系の偏芯を正確に調整することである。
ところで、近年、開発が進められている100nm以下のパターンを露光するためには、測定誤差の近似計算によれば、CCD撮像素子の方位角の偏差、結像光学系の偏芯を少なくとも10−4 rad以下にする必要がある。
【0009】
しかし、顕微鏡12の物体面24とマスク16及びウエハ20との交線Lに対するCCD撮像素子14の方位を10−4 rad以下の誤差で測定する手段が現在のところ見当たらないので、CCD撮像素子14の方位を10−4 rad以下の誤差内に調整することができない。また、結像光学系の偏芯を測定することも容易ではないので、機械精度以上に小さくすることは困難である。
つまり、従来の技術では、CCD撮像素子の方位の偏差及び結像光学系の偏芯によって発生するアライメントの測定誤差を除くことは困難である。
【0010】
そこで、本発明の目的は、結像光学系の方位及び偏芯によるアライメント誤差を取り除いて、マスクとウエハとを正確にアライメントするアライメント方法及びアライメント装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
露光装置のアライメント装置には、一般的に、前述した結像光学系が4本装備され、4方向からマスクとウエハとの位置ずれを測定する。そして、この4方向の測定値から、マスクとウエハとの相対的な並進移動の誤差、マスクとウエハとの間の回転誤差、及びマスクとウエハとの間の倍率誤差からなるアライメント誤差を検出している。
本発明者は、上記課題を解決する研究の過程で、上述のアライメント誤差を近似計算し、表1に示すような式で、それぞれ、並進移動の誤差、回転誤差、及び倍率誤差を表示できることを見い出した。
【表1】
【0012】
表1では、マスクとウエハとの間のX軸方向及びY軸方向の並進移動誤差は、それぞれ、Δx及びΔy、マスクとウエハとの間の回転誤差はΨm−Ψw、並びにマスクとウエハとの間の倍率誤差はδMで示されている。
また、表1に示す近似計算結果では、図11に示すように、4本の結像光学系のそれぞれの測定位置P1、P2、P3、及びP4の座標を、(0、a)、(a、−b)、(0、−a)、及び(−a、b)とし、4本の結像光学系のCCD撮像素子22A〜Dの方位角をそれぞれα、β、γ、及びδ、4本の結像光学系の光軸のZ軸に対する回転角をそれぞれs、t、u、及びvとし、マスク及びウエハの方位角をそれぞれΨm及びΨwとしており、ρは顕微鏡光軸とマスク法線がつくる入射面に垂直な方向のウエハのウエハマークとマスクのマスクマークとの位置ずれである。
【0013】
本発明者は、上述の表1の結果から、並進移動誤差、回転誤差、及び倍率誤差は、全て、CCD撮像素子の方位角α、β、γ、δ、結像光学系のZ軸に対する回転角s、t、u、及びv、マークの位置ずれρ、及びウエハの方位角Ψw、座標値a、bで規定され、一つのアライメント装置に固有の一定な値の個別的系統的誤差であることに着目した。
そして、予めテスト露光を行い、並進移動誤差、回転誤差、及び倍率誤差を測定し、アライメント時にテスト露光で求めた誤差分をキャンセルするようにマスクとウエハの位置を補正することにより、或いは、露光時に電子線のマスクへの照射方向を修正することにより、アライメント誤差を消滅できることを見い出し、本発明を発明するに到った。
【0014】
上記目的を達成するために、上述の知見に基づいて、本発明に係るアライメント方法は、位置合わせ用マークとしてマスク及びウエハにそれぞれ設けられたマスクマーク及びウエハマークをアライメント装置の撮像素子に結像させ、次いで画像処理によるマスクマーク及びウエハマークの位置検出によってマスクとウエハとの位置ずれを測定し、位置ずれが生じないようにマスクとウエハとの相対的な位置合わせを行うアライメント方法において、
アライメント装置の撮像素子の光軸方位の偏差、及び結像光学系の偏芯によって発生するウエハとマスクとの間のアライメント誤差を測定する測定工程と、
測定したアライメント誤差に基づいてアライメント誤差を相殺するようにマスクとウエハとの相対位置を補正して、マスク及びウエハアライメントを行うアライメント工程と
を有することを特徴としている。
【0015】
前述のように、撮像素子の光軸方位の偏差及び結像光学系の偏芯によるアライメント誤差は、近似的には、一つのアライメント装置に固有の個別的系統的誤差であるから、アライメント誤差を測定し、以後アライメント誤差を相殺するようにアライメントを行うことにより、ウエハとマスクとを高精度で位置合わせすることができる。
本発明方法により、撮像素子の光軸方位の偏差及び結像光学系の偏芯によるアライメント誤差を除去できるので、撮像素子の方位角及び結像光学系の偏芯を都度、測定し、調整することが不要となる。
本発明方法の測定工程では、基本的には、アライメント誤差として、マスクとウエハとの間の並進移動誤差、マスクとウエハとの間の回転誤差、及びマスクとウエハとの間の倍率誤差を測定する。
【0016】
本発明方法の実施態様の測定工程では、
ウエハ上にウエハマークを設ける第1のステップと、
ウエハ上にレジスト膜を成膜し、次いでウエハマークに対して所定の位置関係を有する測定用パターンを形成する第2のステップと、
ウエハマークに対する測定用パターンのアライメント誤差を測定する第3のステップと
を有する。
【0017】
例えば、測定工程の第1のステップでは、ウエハ上に半導体装置製造用のマスクを使ってウエハマークを転写し、第2のステップでは、ウエハマークに対して位置合わせした後、同じ半導体装置製造用のマスクを使って回路パターンを測定用パターンとして転写する。
【0018】
本発明方法の好適な実施態様では、マスク周辺領域にウエハマークを有する第1の専用マスクと、第1の専用マスクのマーク周辺領域に対応する領域の内側にウエハマークに対する所定の位置関係で設けられた測定用パターンを有する第2の専用マスクとを用意し、
第1のステップでは、第1の専用マスクを使ってウエハマークをウエハ上に転写し、
第2のステップでは、ウエハマーク上にレジスト膜を成膜し、次いでウエハマークに位置合わせして第2の専用マスクを使ってレジスト膜に測定用パターンを転写し、
第3のステップでは、測定用パターンのウエハマークに対するアライメント誤差を測定する。
【0019】
例えば、第2の専用マスクとして、複数個の格子点位置に配置した孤立マークを測定用パターンとする専用マスクを使用する。
また、第2の専用マスクとして、1次元又は2次元の回折格子状パターンを測定用パターンとする専用マスクを使用し、第3のステップでは、測定用パターンのウエハマークに対するアライメント誤差を干渉計で測定する。
これにより、露光パターンの形状歪によって生じる測定誤差を低減できる。
【0020】
また、第1の専用マスクとして、ウエハマークと、ウエハマークの内側に複数本の1次元回折格子状パターンからなる第1の測定用パターンとを有する専用マスクを使用し、
第2の専用マスクとして、第1の専用マスクの1次元回折格子状パターンの周期とは異なる周期の1次元回折格子状パターンからなる第2の測定用パターンを有する専用マスクを使用し、 第3のステップでは、第1の専用マスクと第2の専用マスクとの相互に周期の異なる2枚の格子状パターンにより生じるモワレ縞からアライメント誤差を測定する。
本実施態様では、アライメント誤差の測定に際して、高精度の顕微鏡、高精度のウエハの位置測定装置を必要としない。
【0021】
本発明方法を実施する本発明に係るアライメント装置(以下、第1の発明と言う)は、撮像素子と画像処理装置とを備え、位置合わせ用マークとしてマスク及びウエハにそれぞれ設けられたマスクマーク及びウエハマークを撮像素子に結像させ、次いで画像処理装置によるマスクマーク及びウエハマークの位置検出によってマスクとウエハの位置ずれを測定し、位置ずれが生じないようにマスクとウエハとの相対的な位置合わせを行うアライメント装置において、
撮像素子の光軸方位の偏差及び結像光学系の偏芯によって発生するウエハとマスクとの間のアライメント誤差を測定し、測定したアライメント誤差を相殺するようにマスクとウエハとの相対位置を補正するアライメントを行うようにしたことを特徴としている。
【0022】
本発明方法は、アライメント装置で適用できることに加えて、電子線露光装置にも適用できる。つまり、電子線光学系の偏芯によるアライメント誤差は、アライメント装置の結像光学系の偏芯によるアライメント誤差と同様に、近似的には、一つの電子線光学系に固有の個別的系統的誤差であるから、アライメント誤差を測定し、以後アライメント誤差を相殺するようにアライメントを行うことにより、ウエハとマスクとを高精度で位置合わせすることができる。
【0023】
即ち、本発明に係る電子線露光装置(以下、第2の発明と言う)は、ウエハ上に近接配置されたマスクを介して低エネルギー電子線をウエハに照射してウエハを露光する電子線露光装置において、
電子線露光装置の電子線光学系のアライメント誤差を測定し、次いでアライメント誤差を相殺するように電子線の入射方向を調整するようにしたことを特徴としている。
電子線光学系の偏芯によるアライメント誤差を除去できるので、電子線光学系の偏芯を都度、測定し、調整することが不要となる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に、添付図面を参照し、実施形態例を挙げて本発明の実施の形態を具体的かつ詳細に説明する。
実施形態例1
本実施形態例は、本発明に係るアライメント方法の実施形態の一例である。本実施形態例では、半導体装置の製造用マスクをアライメント誤差測定用マスクとして使用する。
先ず、アライメント誤差の測定工程の第1のステップでは、試験ウエハ上にレジスト膜を成膜し、次いで位置合わせマークと回路パターンを有する実際の半導体装置製造用マスクを使ってレジスト膜を露光し、半導体装置の実際の回路パターンとウエハマークを有するエッチングマスクを試験ウエハの下地層上に形成する。続いて、エッチングマスクを使ってエッチングして下地層にウエハマークと回路パターンとを形成する。
次いで、第2のステップでは、レジスト膜を試験ウエハの下地層上に成膜し、位置合わせした後、同じ半導体装置製造用マスクを使って下地層の回路パターンと同じ回路パターンをレジスト膜上に転写して、回路パターンのレジストパターンを形成する。
続いて、第3のステップでは、下地層上のウエハマークとレジスト膜上の回路パターンとのアライメント誤差、つまり並進移動誤差、回転誤差、及び倍率誤差を測定する。測定結果は、表1に示される式で算出されるものとほぼ同じである。
本実施形態例の方法では、ウエハのウエハマークとして下地層上のウエハマークを使用し、測定用パターンとして回路パターンのレジストパターンを使用している。
【0025】
次いで、実際のアライメントでは、測定したアライメント誤差を相殺するように、つまり逆方向のアライメント誤差を持つように、マスクとウエハとの相対位置を補正してアライメントを行い、露光を行う。
【0026】
アライメント誤差を表1で表示するとき、4本の各アライメント光学系の補正値は、表2に示すとおりである。
【表2】
表2で、XC 1 、YC 1 、X C 2 、及びYC 2 は、それぞれ、補正された、P1のX座標、P2のY座標、P3のX座標、及びP4のY座標を意味する。それ以外の座標は補正する必要はない。また、(Δx,Δy)は並進誤差を、Ψeは回転誤差を、σmは倍率誤差を意味する。つまり、ウエハとマスクとの相対的位置誤差が補正値になるように、ウエハとマスクとを位置合わせする。
【0027】
CCD撮像素子の方位及び結像光学系の偏芯によるアライメント誤差は、表1に示すように、一つのアライメント装置に特有の個別的系統的誤差であって一定値である。
そこで、ウエハ上にマスクをアライメントする際にアライメント誤差を相殺すようにアライメントを行うことにより、アライメント誤差を無くすことができる。
【0028】
実施形態例2
本実施形態例は、本発明に係るアライメント方法の実施形態の別の例であって、図1(a)及び(b)は、それぞれ、本実施形態例の方法で使用するアライメント誤差測定用の第1の専用マスク及び第2の専用マスクの構成を示す平面図である。
実施形態例1では半導体装置の製造に使用するマスクを使って、半導体装置の実際の回路パターンを測定用パターンとしてアライメント誤差を測定しているが、回路パターンは複雑なパターンで構成されているために、アライメント誤差を測定することが容易ではない。
そこで、本実施形態例では、マスクとウエハとのアライメント誤差を測定するために、実施形態例1で使用した実際のマスクに代えて、アライメント誤差測定用の2枚の専用マスク、つまり第1回目の露光用の第1の専用マスク30と第2回目の露光用の第2の専用マスク31とを使用する。
【0029】
第1の専用マスク30は、図1(a)に示すように、第2の専用マスク31の測定用パターン形成領域32に対応する領域32(便宜上同じ符号を付している)の外側のマスク周辺領域に4方向の方位で配置された4個のアライメントマーク34A〜Dを備えている専用マスクである。
第2の専用マスク31は、図1(b)に示すように、回路パターン形成領域32に格子状に配列された孤立マーク37からなる測定用パターン36と、回路パターン形成領域32の外側領域に4方向の方位で配置された4個のアライメントマーク38A〜Dとを有する専用マスクである。
【0030】
本実施形態例の方法では、先ず、アライメント誤差の測定工程の第1のステップとして第1回目の露光を行う。第1回目の露光では、第1の専用マスク30を使って、ウエハの下地層上のレジスト膜を露光し、次いでアライメントマーク34A〜Dを下地層に形成する。
次いで、第2のステップとして第2回目の露光を行う。第2回目の露光では、下地層上にレジスト膜を成膜した後、第2回目の露光で、下地層上に形成したアライメントマーク34A〜Dを用いて第2の専用マスク31のアライメントを行い、次いで格子状に並んだ孤立マーク37からなる測定用パターン36を露光し、現像して、測定用パターン36のレジストパターンを形成する。
続いて、第3のステップとして、測定用パターン36のレジストパターンのアライメントマーク34に対するアライメント誤差を測定する。
【0031】
第1及び第2の専用マスク30、31を使ってアライメント誤差を予め測定する際には、図2に示すような測定装置を使用する。図2はアライメント誤差の測定装置の構成を示す模式図である。
アライメント誤差の測定装置40は、図2に示すように、ウエハWを載置して自在にX、Y方向に移動し、Z軸回りに回転するウエハステージ42と、光軸をウエハステージ42に直交させるようにしてウエハステージ42の上方に配置された高分解能の顕微鏡44と、顕微鏡44を介してアライメントマークを撮像する撮像素子(図示せず)と、撮像素子に結像した像を画像処理するコンピュータ46とを備えている。
ウエハステージ42は、ウエハWの位置を正確に計測するガラススケール48、レーザ測長機(図示せず)等の位置測定装置、及びコンピュータ36を介して、クローズドループ制御により精密に位置制御される。
【0032】
測定用パターン36のアライメント誤差を測定する際には、測定装置40を使って、測定用パターン36の孤立マーク37の位置を顕微鏡44で観察し、コンピュータ46で画像処理を行い、第1回の露光で形成したアライメントマーク34に対する孤立マーク37のアライメント誤差を測定する。
ウエハ全面を測定するために、ウエハステージ42をガラススケール48、レーザ測長機等でクローズドループ制御しつつウエハWを移動させて、アライメント誤差を測定する。
【0033】
実際のアライメントでは、測定したアライメント誤差を相殺するように、つまり逆方向のアライメント誤差を持つように、マスクとウエハとの相対位置を補正してアライメントを行い、露光を行う。
【0034】
実施形態例3
本実施形態例は、本発明に係るアライメント方法の実施形態の更に別の例であって、図3は本実施形態例の方法で使用するアライメント誤差測定用の第1の専用マスクの構成を示す平面図、図4(a)及び(b)は、それぞれ、測定用パターンとして設けられた孤立マーク及びアライメントマークの構成を示す平面図である。
本実施形態例では、専用マスクの構成が実施形態例2の専用マスクと異なる2枚の専用マスク、第1及び第2の専用マスクを使って2回の露光を行い、アライメント誤差を測定することを除いて、実施形態例2と同様にアライメント誤差を測定する。
本実施形態例で使用する第1の専用マスク50は、図3に示すように、格子状に配置された多数個の孤立マーク54からなる測定用パターン52と、測定用パターン52の外側に4方向の方位で配置されているアライメントマーク56A〜Dとを備えている。
【0035】
第2の専用マスク51は、孤立マークの構成が異なることを除いて、第1の専用マスク50と同じ構成であって、第2の専用マスクの孤立マークは、第1の専用マスク50の孤立マーク54と同じ位置の格子点に重なるように配置されている。
【0036】
第1の専用マスク50の孤立マーク54は、図4(a)に示すように、一辺が20μmの正方形の各辺に沿って設けられた大マークとして構成されている。
第2の専用マスクの孤立マーク58は、同じく、図4(a)に示すように、第1の専用マスク50の孤立マーク54の内側領域に相当する第2の専用マスクの領域に設けられ、一辺が10μmの正方形の各辺に沿って設けられた小マークとして構成されている。
尚、図4(a)は第1の専用マスク50と第2の専用マスク51との位置合わせで、アライメント誤差が無いときの孤立パターン54、58の重なり状態を示している。
【0037】
第1の専用マスク50のアライメントマーク56は、図4(b)に示すように、一辺Aが50μm角の正方形内の両側の縁部に微小な正方形の小マーク60が4列の格子状に配置されている。
第2の専用マスクのアライメントマーク62は、図4(b)に示すように、第1の専用マスク50のアライメントマーク54の中央部の空き領域に対応する第2の専用マスクの領域に、4列の小マーク64が正方形から突出するように配置されている。
尚、図4(b)は第1の専用マスク50と第2の専用マスクとの位置合わせで、アライメント誤差が無いときのアライメントマーク56、62の重なり状態を示している。
【0038】
アライメント誤差の測定工程の第1及び第2のステップとして、第1及び第2の専用マスク50、51を使って第1回及び第2回の露光を行い、図5に示すように、第1の専用マスク50の孤立マーク54の大マーク内に第2の専用マスク51の孤立マーク58の小マークを位置させる。図5は位置合わせした状態での第1及び第2の専用マスク50、51の測定用パターンの位置関係を示す平面図である。
次いで、第3のステップで、アライメント誤差の測定を行う。各格子点にある四角形の大マーク54及び小マーク58の重心位置を各々測定し、重心位置のずれからアライメント誤差を測定する。
また、実施形態例2のアライメント誤差の測定装置40を使って、高解像の顕微鏡44で大マーク56及び小マーク58を拡大して観察し、画像処理を行って重心位置のずれを測定することもできる。
【0039】
実施形態例4
本実施形態例は、本発明に係るアライメント方法の実施形態の更に別の例であって、図6は本実施形態例の方法で使用する第2の専用マスクの構成を示す平面図である。
本実施形態例では、第1の専用マスクとして実施形態例2の第1の専用マスク30と同じ構成の専用マスクを使用する。
第2の専用マスク70は、図5に示すように、ラインパターン72aを等間隔に並べた一次元回折格子状パターンからなる測定用パターン72と、マスク周辺領域に4方向の方位で設けられたアライメントマーク74A〜Dとを備えている。
更に、第2の専用マスク70とは別の第2の専用マスクとして、測定用パターン72の回折格子状パターン72aに直交する方向の回折格子状パターンを備える専用マスクを用意する。
【0040】
アライメント誤差の測定工程では、実施形態例2と同様にして、第1のステップである第1回目の露光で、第1の専用マスク30を使ってアライメントマーク34A〜Dをウエハの下地層上に形成する。
次いで、第2のステップである第2回目の露光で、第2の専用マスク70を使って測定用パターン72を露光し、現像して、レジストパターンを形成する。
続いて、第3のステップとして、測定用パターン72のアライメントマーク34に対するアライメント誤差を測定する。
【0041】
アライメント誤差を測定する際には、図7に示すような測定装置を使用する。図7はアライメント誤差の測定装置の構成を示す模式図である。
アライメント誤差の測定装置80は、図7に示すように、ウエハWを載置して自在にX、Y方向に移動し、Z軸回りに回転するウエハステージ82と、ウエハステージ82上のウエハWにレーザ光を照射する照射光学系と、ウエハWを観察する観察光学系とを備えている。
ウエハステージ82は、ガラススケール、レーザ測長機84等でコンピュータ86を介したクローズドループ制御により精密に位置制御される。
【0042】
照射光学系は、照明光の光源として設けられ、レーザ光を出射するレーザ装置88と、レーザ光を二つの光束に分割するビームスプリッタ90と、音響光学素子を備え、一方の光束に周波数シフトを与えるAOM92と、一方の光束を他方の光束の入射方向とは対称な入射方向からウエハの回折格子パターンに入射させるミラー94とを備えている。
二つの光束の双方が、ウエハに垂直な方向に回折するように、ウエハへの光束の入射角と、回折格子パターンのピッチが設定されている。
【0043】
観察光学系は、光軸をウエハステージ82に直交させるようにしてウエハステージ82の上方に配置された高分解能の顕微鏡を介してアライメントマークを撮像するフォトディテクタ96と、撮像素子に結像した像の位相を測定する2光束干渉計からなる位相測定器98と備え、位相測定器98を介して撮像素子に結像した像をコンピュータ86が画像処理する。
【0044】
アライメント誤差の測定の際には、第1の専用マスクのアライメントマークに対する回折格子パターンの相対位置を局所的に2光束レーザ干渉計98で測定し、その測定値から、並進移動、回転、倍率のアライメント誤差を計算する。
上述の二つの光束で形成された回折格子からの干渉波の干渉縞をフォトディテクタ96で検出し、得られるビート信号から回折格子パターンの局所的な位置を高精度に測定する。測定位置は、ガラススケール、レーザ測長機84等で高精度にクローズドループ制御されたウエハステージ82でウエハWを移動することによって変更する。
【0045】
ただし、一つの第2の専用マスク72で測定できる位置は、回折格子パターンのラインに垂直な方向のみである。そこで、2次元的な位置ずれを測定するために、第1の専用マスク30及び前述した別の専用マスクを使って別のウエハ上に第1回目の露光及び第2回目の露光を行い、回折格子パターンを測定する。尚、このときの干渉計は、前述のような2光束干渉計でなくても、回折波の位相を測定できる通常の干渉計であればよい。
本実施形態例の方法は、第2及び3実施形態例に比較して、露光パターンの形状歪によって生じる測定誤差が小さい。
【0046】
実施形態例5
本実施形態例は、本発明に係るアライメント方法の実施形態の更に別の例であって、図8は本実施形態例の方法で使用する第2の専用マスクの構成を示す平面図である。
本実施形態例では、第1の専用マスクとして実施形態例2の第1の専用マスク30と同じ構成の専用マスクを使用する。
第2の専用マスク100は、図8に示すように、実施形態例4の回折格子パターンからなる測定用パターン72を相互に直交させるようにして重ねてなる四角形ドット102aの2次元的回折格子パターンからなる測定用パターン102と、マスク周辺領域に4方向の方位で設けられたアライメントマーク104A〜Dとを有する専用マスクである。
【0047】
以下、実施形態例4と同様にして、アライメント誤差の測定工程では、第1のステップである第1回目の露光で第1の専用マスク30を使ってアライメントマーク34A〜Dをウエハの下地層上に形成する。
次いで、第2のステップである第2回目の露光で第2の専用マスク100を使って測定用パターン102を露光し、現像して、パターン形成する。
続いて、第3のステップとして、測定用パターン102のアライメントマーク34に対するアライメント誤差を実施形態例4で使用した測定装置80を使用して測定する。
ウエハWを90°回転して測定することで、2次元的な位置ずれの分布を測定することができる。
【0048】
実施形態例6
本実施形態例は、本発明に係るアライメント方法の実施形態の更に別の例であって、図9は本実施形態例の方法で使用する第1及び第2の専用マスクにより形成されるモワレパターンを示す図である。
本実施形態例では、第1の専用マスクとして、実施形態例4の第1の専用マスク70と、第2の専用マスクとして、第1の専用マスク70の測定用パターン72の回折格子状パターンと周期が相互に僅かに異なる回折格子パターンを測定用パターンとして有する専用マスク(図示せず)を使用する。
【0049】
露光されたパターンには、第1及び第2の専用マスクの回折格子パターンの相対的な位置ずれによって、図9に示すようなモワレパターン106が生じる。
そこで、Y方向のラインからなる回折格子状パターンにより生じるモワレパターンから、X方向の並進移動と回転のアライメント誤差を測定することができる。また、X方向のラインからなる回折格子状パターンにより生じるモワレパターンから、Y方向の並進移動と倍率のアライメント誤差を測定することができる。更に、全面のモワレパターンを撮像素子に結像し画像処理を行うことによって、両マスクの相対的な位置ずれを測定することができる。
【0050】
本実施形態例の特徴は、実施形態例2及び3で必要とされる高精度な顕微鏡、レーザ測長機、ガラススケール等のコストの嵩む装置が必要ないことである。
【0051】
実施形態例1から6の方法を適用することにより、アライメント誤差を低減しが第1の発明に係るアライメント装置を実現することができる。
【0052】
実施形態例7
本実施形態例は、第2の発明に係る実施形態の一例である。
ステンシルマスクとウエハを数10μm程度に近接させ、ステンシルマスクに電子線を照射して露光する電子線露光装置では、電子線光学系の偏芯による誤差は、アライメント装置と同様に、装置に固有な系統的誤差であって、誤差の値は一定である。
従って、電子線の入射方向を電子線光学系によって調整することにより、局所的な描画位置を制御することができる。
そこで、本実施形態例では、実施形態例1から実施形態例6の方法のいずれかを使って、アライメント誤差を算出し、次いでアライメント誤差を相殺するように電子線の入射方向を調整することにより、電子線露光装置のアライメント誤差を補償することができる。
【0053】
【発明の効果】
本発明方法によれば、アライメント装置の撮像素子の光軸方位の偏差及び結像光学系の偏芯によって発生するウエハとマスクとの間のアライメント誤差を予め測定し、次いで測定したアライメント誤差に基づいてアライメント誤差を相殺するようにマスクとウエハとの相対位置を補正して、マスクとウエハとのアライメントを行うことにより、撮像素子の光軸方位、及び結像光学系全体の偏芯を高精度に調整する必要なく、高精度でウエハとマスクとのアライメントを行うことができる。
また、アライメント誤差測定に際し、専用マスクを使用することにより、アライメントの系統的誤差を容易に測定することができる。
第1の発明によれば、本発明方法の技術的思想を適用することにより、撮像素子の光軸方位、及び結像光学系全体の偏芯を高精度に調整する必要なく、高精度でウエハとマスクとのアライメントを行うことができるアライメント装置を実現している。
また、第2の発明によれば、電子線露光装置の電子線光学系のアライメント誤差を測定し、次いでアライメント誤差を相殺するように電子線の入射方向を調整することにより、アライメント誤差を補正することができる電子線露光装置を実現している。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)及び(b)は、それぞれ、実施形態例2の方法で使用するアライメント誤差測定用の第1の専用マスク及び第2の専用マスクの構成を示す平面図である。
【図2】実施形態例2の方法で使用するアライメント誤差の測定装置の構成を示す模式図である。
【図3】実施形態例3の方法で使用するアライメント誤差測定用の第1及び第2の専用マスクの構成を示す平面図である。
【図4】図4(a)及び(b)は、それぞれ、孤立マークの構成を示す平面図、及びアライメントマークの構成を示す平面図である。
【図5】位置合わせした状態での実施形態例3の第1及び第2の専用マスクの測定用パターンの位置関係を示す平面図である。
【図6】実施形態例4の方法で使用する第2の専用マスクの構成を示す平面図である。
【図7】実施形態例4の方法で使用するアライメント誤差の測定装置の構成を示す模式図である。
【図8】実施形態例5の方法で使用する第2の専用マスクの構成を示す平面図である。
【図9】実施形態例6の方法で使用する第1及び第2の専用マスクにより形成されるモワレパターンを示す平面図である。
【図10】アライメント装置の結像光学系の機能を示す概略斜視図である。
【図11】アライメント装置の結像光学系とマスク及びウエハとの関係を説明する斜視図である。
【符号の説明】
10……アライメント装置の結像光学系、12……顕微鏡、14……CCD撮像素子、16……マスク、18……マスクマーク、20……ウエハ、22……ウエハマーク、24……顕微鏡の物体面、30……実施形態例2の第1の専用マスク、31……実施形態例2の第2の専用マスク、32……測定用パターン形成領域、34……アライメントマーク、36……測定用パターン、37……孤立パターン、38……アライメントマーク、40……実施形態例2のアライメント誤差の測定装置、42……ウエハステージ、44……顕微鏡、46……コンピュータ、48……ガラススケール、50……実施形態例3で使用する第1の専用マスク、51……第2の専用マスク、52……測定用パターン、54……第1の専用マスクの孤立マーク、56……第1の専用マスクのアライメントマーク、58……第2の専用マスクの孤立マーク、60……小マーク、62……第2の専用マスクのアライメントマーク、64……小マーク、70……実施形態例4の第2の専用マスク、72……測定用パターン、72a……ラインパターン、74……アライメントマーク、80……実施形態例4のアライメント誤差の測定装置、82……ウエハステージ、84……レーザ測長機、86……コンピュータ、88……レーザ装置、90……ビームスプリッタ、92……A0M、94……ミラー、96……フォトディテクタ、98……位相測定器、100……実施形態例5の第2の専用マスク、102……測定用パターン、102a……四角形ドット、104……アライメントマーク、106……モワレパターン。
Claims (10)
- 位置合わせ用マークとしてマスク及びウエハにそれぞれ設けられたマスクマーク及びウエハマークをアライメント装置の撮像素子に結像させ、次いで画像処理による前記マスクマーク及び前記ウエハマークの位置検出によって前記マスクと前記ウエハとの位置ずれを測定し、位置ずれが生じないように前記マスクと前記ウエハとの相対的な位置合わせを行うアライメント方法において、
前記アライメント装置の撮像素子の光軸方位の偏差、及び結像光学系の偏芯によって発生する前記ウエハと前記マスクとの間のアライメント誤差を測定する測定工程と、
前記測定したアライメント誤差に基づいてアライメント誤差を相殺するように前記マスクと前記ウエハとの相対位置を補正して、前記マスク及び前記ウエハのアライメントを行うアライメント工程と
を有することを特徴とするアライメント方法。 - 前記測定工程では、前記アライメント誤差として、前記マスクと前記ウエハとの間の並進移動誤差、前記マスクと前記ウエハとの間の回転誤差、及び前記マスクと前記ウエハとの間の倍率誤差を測定することを特徴とする請求項1に記載のアライメント方法。
- 前記測定工程では、
前記ウエハ上に前記ウエハマークを設ける第1のステップと、
前記ウエハ上にレジスト膜を成膜し、次いで前記ウエハマークに対して所定の位置関係を有する測定用パターンを形成する第2のステップと、
前記ウエハマークに対する前記測定用パターンのアライメント誤差を測定する第3のステップと
を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のアライメント方法。 - 前記測定工程の第1のステップでは、前記ウエハ上に半導体装置製造用のマスクを使って前記ウエハマークを転写し、
前記第2のステップでは、前記ウエハマークに対して位置合わせした後、前記同じ半導体装置製造用のマスクを使って回路パターンを前記測定用パターンとして転写することを特徴とする請求項3に記載のアライメント方法。 - マスク周辺領域に前記ウエハマークを有する第1の専用マスクと、前記第1の専用マスクのマーク周辺領域に対応する領域の内側に前記ウエハマークに対する所定の位置関係で設けられた前記測定用パターンを有する第2の専用マスクとを用意し、
前記第1のステップでは、前記第1の専用マスクを使って前記ウエハマークを前記ウエハ上に転写し、
前記第2のステップでは、前記ウエハマーク上にレジスト膜を成膜し、次いで前記ウエハマークに位置合わせして前記第2の専用マスクを使ってレジスト膜に前記測定用パターンを転写し、
前記第3のステップでは、前記測定用パターンの前記ウエハマークに対するアライメント誤差を測定することを特徴とする請求項3に記載のアライメント方法。 - 前記第2の専用マスクとして、複数個の格子点位置に配置した孤立マークを前記測定用パターンとする専用マスクを使用することを特徴とする請求項5に記載のアライメント方法。
- 前記第2の専用マスクとして、1次元又は2次元の回折格子状パターンを測定用パターンとする専用マスクを使用し、前記第3のステップでは、前記測定用パターンの前記ウエハマークに対するアライメント誤差を干渉計で測定することを特徴とする請求項5に記載のアライメント方法。
- 前記第1の専用マスクとして、前記ウエハマークと、前記ウエハマークの内側に複数本の1次元回折格子状パターンからなる第1の測定用パターンとを有する専用マスクを使用し、
前記第2の専用マスクとして、前記第1の専用マスクの1次元回折格子状パターンの周期とは異なる周期の1次元回折格子状パターンからなる第2の測定用パターンを有する専用マスクを使用し、
前記第3のステップでは、前記第1の専用マスクと前記第2の専用マスクとの相互に周期の異なる2枚の格子状パターンにより生じるモワレ縞からアライメント誤差を測定することを特徴とする請求項5に記載のアライメント方法。 - 撮像素子と画像処理装置とを備え、位置合わせ用マークとしてマスク及びウエハにそれぞれ設けられたマスクマーク及びウエハマークを前記撮像素子に結像させ、次いで前記画像処理装置による前記マスクマーク及び前記ウエハマークの位置検出によって前記マスクと前記ウエハの位置ずれを測定し、位置ずれが生じないように前記マスクと前記ウエハとの相対的な位置合わせを行うアライメント装置において、
前記撮像素子の光軸方位の偏差及び前記結像光学系の偏芯によって発生する前記ウエハと前記マスクとの間のアライメント誤差を測定し、前記測定したアライメント誤差を相殺するように前記マスクと前記ウエハとの相対位置を補正するアライメントを行うようにしたことを特徴とするアライメント装置。 - ウエハ上に近接配置されたマスクを介して低エネルギー電子線をウエハに照射してウエハを露光する電子線露光装置において、
前記電子線露光装置の電子線光学系のアライメント誤差を測定し、次いで前記アライメント誤差を相殺するように電子線の入射方向を調整するようにしたことを特徴とする電子線露光装置。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014010270A (ja) * | 2012-06-29 | 2014-01-20 | Dainippon Printing Co Ltd | マスクアライメント装置、マスクアライメント方法、フィルム製造装置、フィルム製造方法 |
-
2002
- 2002-07-24 JP JP2002215306A patent/JP2004056059A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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