JP3259190B2 - 投影光学系のディストーション検査方法 - Google Patents

投影光学系のディストーション検査方法

Info

Publication number
JP3259190B2
JP3259190B2 JP25610392A JP25610392A JP3259190B2 JP 3259190 B2 JP3259190 B2 JP 3259190B2 JP 25610392 A JP25610392 A JP 25610392A JP 25610392 A JP25610392 A JP 25610392A JP 3259190 B2 JP3259190 B2 JP 3259190B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pattern
optical system
measurement
projection optical
distortion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP25610392A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06109588A (ja
Inventor
伸貴 馬込
恭一 諏訪
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
Priority to JP25610392A priority Critical patent/JP3259190B2/ja
Priority to US08/126,393 priority patent/US5402224A/en
Publication of JPH06109588A publication Critical patent/JPH06109588A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3259190B2 publication Critical patent/JP3259190B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体素子、又は液晶
表示素子等の製造時に使われる投影露光装置等に組み込
まれた超精密投影光学系のディストーション(倍率誤
差、投影像の歪曲収差)等を計測する方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、投影露光装置内の投影光学系は極
めてきびしい規格のもとで設計、製造が行なわれてい
る。特に投影光学系のディストーション特性について
は、投影露光装置に組み込んだ状態で最も良好になるよ
うに調整される。この際、そのディストーション特性は
いくつかの公知の方法のうちの1つで計測される。そこ
でそれらの公知の方法について以下説明する。
【0003】 特公昭63−38697号公報 この公報に開示された方法は、テストレチクル上に形成
された主バーニア(主尺)と副バーニア(副尺)とを、
感光基板(ダミーウェハ等)のレジスト層に重ね焼き
し、現像した後のレジストパターン(主尺、副尺)のず
れ量を目視検査するものである。具体的にはテストレチ
クルRtの中心点とパターン形成領域内の測定したい複
数点との夫々に、主バーニアパターンBmと副バーニア
パターンBsとを接近させて形成する。検査にあたって
は、レチクルRtの全面を感光基板上の一定位置に露光
した後、中心点の主バーニアパターンBmの投影像が、
先に露光された他の複数点の副バーニアパターンBsの
各位置に重なるように、感光基板を順次移動させては露
光することを繰り返す。その移動はレーザ干渉計等の高
精度測長器を備えた精密移動ステージによって行なわ
れ、またその移動量はレチクルRt上の中心点と他の複
数点との設計上の間隔に対応して一義的に決められてお
り、その間隔分に応じた距離だけ移動ステージを精密に
移動させてから、感光基板上に先に露光されている副バ
ーニアパターンBsの位置に、中心点の主バーニアパタ
ーンBmの投影像を露光する。
【0004】現像後の感光基板には、レチクルRt上の
中心点に対応する主バーニアパターンのレジスト像の周
辺に主バーニアパターンと副バーニアパターンとが重な
り合ったレジスト像が複数ケ所に形成される。その重な
り合ったバーニアのレジスト像を目視(顕微鏡)によっ
て読み取ると、その点での重ね合わせ誤差量が求まる。
移動ステージの送りが十分に正確であれば、バーニアの
読み値(重ね合わせ誤差量)はその点でのディストーシ
ョン量に相当したものとなる。そこで重なり合ったバー
ニアレジスト像を各点で読むことによって、各点でのデ
ィストーション量(偏差量)を求め、投影光学系の投影
視野全体でのディストーション特性を確認している。
【0005】 特開昭59−94032号公報 この公報に開示された方法は、先の従来例と異なり、
感光基板への焼き付けを不要としたものであり、投影露
光装置内の移動ステージ上に微小スリット開口付きの光
電センサーを設け、投影されたレチクルパターンの一部
を直接光電検出するようにしたものである。具体的に
は、テストレチクル上の設計で決められた複数の位置の
夫々にスリット状のマークを形成しておき、このレチク
ルの全面を投影光学系によって移動ステージ側へ投影す
る。そして投影された各マークの像が光電センサーで検
出されるように移動ステージを移動させ、その位置をレ
ーザ干渉計で計測することによって、各マークの投影位
置が求まる。その後、計測された各マーク位置と、レチ
クル上でのマーク配置との関係から、計算によって投影
光学系のディストーション特性を求めている。
【0006】 特開昭63−177421号公報 この公報に開示された方法は、上記、の従来技術の光
電センサーの代りに、スリット状の発光マークを移動ス
テージ上に設け、この発光マークを投影光学系を介して
レチクル側へ逆投影し、移動ステージを移動させてレチ
クル上のマークを発光マーク像で走査し、レチクルを透
過した光量を露光用照明光学系内に設けた光電センサー
で受光する方式を用いるものである。そしてこの発光マ
ークとレチクル上の複数のマークの夫々とが重なる移動
ステージの座標位置をレーザ干渉計で計測し、計測座標
値とレチクル上のマーク配置とに基づいてディストーシ
ョン特性を計測している。
【0007】 その他の手法 他の方法として、予め位置のわかっている複数のマーク
が形成されたテストレチクルを、投影光学系を介して感
光基板上に露光し、現像後に生成された各マークのレジ
スト像の位置関係を、高精度な測定装置で直接計測し、
その計測値をレチクル上の各マークの設計位置と比較す
ることでディストーション特性を求めることも可能であ
る。また現像を伴なわない方法として、感光基板のレジ
スト層に露光されたマークの潜像、又は感光基板の表面
にレジスト層の代りに形成されたフォトクロミック層に
露光して可視化されたマーク像を検出することも可能で
ある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の各従
来技術には、それぞれ以下のような欠点、又は問題点が
存在する。まず、の技術においては、感光基板を載置
するステージを2次元的に繰り返しステップ移動させて
一部重複露光するため、各ステップ移動位置へのステー
ジの静止精度やヨーイング精度等がディストーション量
の計測値に誤差となって含まれてしまう。さらに、テス
トレチクルRt上の中心部の主バーニアパターンBmか
ら周辺部の副バーニアパターンBsまでの距離は、最大
50mm程度と長くなるため、テストレチクル製造時のバ
ーニアパターンの描画誤差(配置誤差)が大きくなるこ
とがあり、これがディストーション量の計測値に誤差と
なって含まれてくる。このようなレチクル製造時の誤差
分は、予め別の高精度な測定装置を用いて計測してお
き、ディストーション量の算出時に補正値とすれば相殺
されることになるが、その補正量の精度分、換言すれば
高精度な測定装置の計測精度分の誤差は残留してしま
う。
【0009】またの従来技術では、多数回の一部重複
露光を必須とするので、全ての重複露光が完了するまで
比較的長い時間がかかる。測定のために露光作業時間が
長くなるのは、オペレータの負担、スループットの低下
があることもさることながら、移動ステージの位置測定
に使われるレーザ干渉計の安定性(空気ゆらぎ等)に起
因した位置決め精度の劣化(ドリフト)の影響をそのま
ま受けるという点で大きな問題点となる。
【0010】次の、の従来技術においては、の技
術で必須の現像処理がないだけオペレータの負担は軽減
されるが、移動ステージの走り精度、レーザ干渉計の安
定性、レチクル上のマークの配置誤差等の問題について
は、の技術の場合と全く同じに発生することになる。
さらに、の技術でも、ステージの移動回数が多く、
このため、全てのマーク(例えば200ケ所程度)の位
置を計測し終るまで、かなりの時間がかかることにな
る。
【0011】の従来技術のうち、潜像等を検出する場
合は、現像処理が省略される点では楽であるが、潜像の
検出精度の向上が課題となるばかりでなく、先のの技
術と同様、移動ステージの走り精度レーザ干渉計の時間
的安定性、レチクルマークの配置誤差等も、さけられな
い問題として残っていた。以上、従来のディストーショ
ン計測では、露光装置側の問題として移動ステージのス
テップ移動精度や走り精度(レーザ干渉計の不安定要因
も含む)が共通した欠点となっている。さらにの技術
では露光作業に多大の時間が必要になり、、、の
技術では計測作業に多大の時間が必要になるといった問
題点があった。
【0012】そこで本発明は、それらの問題点を解決
し、精度を向上させたディストーション検査方法を提供
することを目的とする。
【0013】
【課題を解決する為の手段】そこで本発明においては、
テストレチクル上の計測用マークを感光性基板(フォト
レジスト層、又はフォトクロミック層で被覆された基
板)へ重ね合わせ露光する回数を最低限2回にするよう
にし、その間、移動ステージの移動は1回だけにするよ
うにした。すなわち本発明では、検査すべき投影光学系
の視野内でディストーション量を測定すべき複数の点の
夫々に対応したマスク(レチクルR)の各位置に、第1
の計測用パターン(BMx、又はBMy)と第2の計測
用パターン(BSx、又はBSy)との一対を、一方向
(X方向、又はY方向)に一定量の間隔ΔT(ΔX、又
はΔY)で接近して設けたマスクを感光基板(ウェハ
W)へ投影露光する第1工程を実施する。その後、ただ
ちにマスクと感光基板とを相対的に間隔ΔTで決まる量
だけ移動(マスクを移動させるときはΔT、ウェハWを
移動させるときは投影倍率Mを考慮してM・ΔT)させ
てから、同じマスクのパターンを感光基板へ投影露光す
る第2工程を実施する。間隔ΔTはマスク上では1mm程
度であるため、第1工程の露光と第2工程の露光との間
の時間的な間隔は、マスクやウェハの移動時間のみであ
り、通常は1秒以内である。その後、感光基板上に形成
された第1計測用パターンと第2計測パターンとの重ね
合わせ像(非測定方向に横ずれしていてもよい)の相対
的なずれ量を、投影視野の互いに異なる複数の像高点の
夫々について測定する。この測定値は、ディストーショ
ン曲線上の対応する像高点での微小幅ΔTに関する微分
値、換言すればある像高点におけるディストーション曲
線上の傾き量になっている。
【0014】そして次に、測定されたずれ量を像高値の
順番に順次積算することで、その像高点でのディストー
ション量を算出する工程を実施する。ここで言う積算と
は、例えばある像高点でのディストーション量を、その
点よりも小さい像高点の夫々で測定された値の加算値と
して求めることを意味する。
【0015】
【作用】本発明の原理を図1を参照して説明する。図1
(A)は、投影光学系の視野の中心、すなわち光軸から
の像高をX軸(横軸)にとり、ディストーション量D
(x)を縦軸にとったディストーション特性の一例であ
る。レチクル上に形成される計測用パターンはX方向に
一定間隔Sx(例えばレチクル上で5mm)で複数個配置
され、各計測用パターン内で重ね合わせすべきパターン
同士はX方向にΔX(ΔX<<Sx)だけ離れているもの
とする。感光基板上に最初に露光された計測用パターン
群(X軸上に間隔Sxで位置する)は、図1(A)のよ
うなディストーション特性を伴って転写されている。こ
こでディストーション量D(x)は、本来、理想格子点
に転写されるべき点像が、その理想格子点に対して投影
視野内で光軸から離れる方向に変位したときに正の値を
取り、逆に光軸に近づく方向に変位したとき負の値を取
るものとする。
【0016】次にレチクルと感光基板とを相対的にΔX
だけずらして再び露光を行なう。このとき、感光基板上
に転写される計測用パターン群は、図1(B)中の破線
で示したディストーション特性D(x+ΔX)を伴って
露光される。こうして、ΔXの変位を与えた重ね合せ露
光によって、X方向に間隔Sxで形成された2つのパタ
ーンのX方向のずれ量を、間隔Sx毎の各位置x0 、x
1 、x2 ……について計測する。それによって図1
(C)のようなデータが得られる。各位置x0 、x1
2 ……の夫々でのずれ量D'(x)は、その位置におけ
る2つのディストーション特性D(x)とD(x+Δ
X)との差分に相当するものであり、換言するとディス
トーション特性D(x)上での微分係数(傾き量)に対
応している。
【0017】そこでこれらのデータに基づいて、図1
(D)のような積分を行なう。すなわち、位置xn での
求めるべきディストーション量をF(xn )としたと
き、F(xn )={D'(x0 )+D'(x1 )……+D'
(xn )}・Sx/ΔXの代数和の演算を行なう。ここ
でnは投影視野の中心点を零とした計測点の順番(0、
1、2……)を表わし、F(x0 )={D'(x0 )}・
Sx/ΔX、F(x1 )={D'(x0 )+D'(x1 )}
・Sx/ΔXとなる。以上の計算で得られた各位置
0 、x1 、x2 ……での積算値F(x)をプロットし
た特性は、ディストーション特性D(x)、又はD(x
+ΔX)に他ならない。
【0018】このように、レチクルと感光基板とを相対
的にΔXだけ移動させて重ね合わせ露光すると、形成さ
れた2つのパターンの位置ずれ量はディストーション特
性(曲線)上の傾き量として計測される。一般にこの種
の投影光学系のディストーションは元々、極めて小さい
ので、測定すべき点の数はなるべく多くした方がよい。
また、各測定点でのパターンの位置ずれ量も極めて小さ
いので、分解能が極めて高い測定センサーや測定方式を
用いることが必要となる。
【0019】
【実施例】次に本発明の第1の実施例について、図2〜
図5を参照して説明する。図2は本実施例で使われるレ
チクルR上に形成される各種パターンの配置を示す。レ
チクルR上のパターン形成領域は矩形枠状の遮光帯SB
によって区画されている。そして、遮光帯SBの外側で
レチクルRの周囲の3ケ所には、投影露光装置(以下、
ステッパーと呼ぶ)へ装着する際の位置決め(レチクル
アライメント)に使われるレチクルマークRM1 、RM
2 、RM3 が形成されている。
【0020】パターン形成領域内には、9×9のマトリ
ックス状に81個の計測用パターン群MPが形成されて
いる。各パターン群MPはX方向に間隔Sx、Y方向に
間隔Syで配列され、そのうち1つのパターン群MPは
レチクルRの中心点、すなわち投影光学系の光軸が通る
点に配置される。また1つのパターン群MPは電子線露
光装置(EB露光装置)の1フィールドの大きさ(例え
ば5mm角)よりも小さなサイズで作られており、1つの
パターン群MP内のパターン要素は、EB露光装置の電
子ビームによるラスター走査、ベクター走査等によって
一度に描画されて作られる。ただし、レチクルR上の全
てのパターン群MPを描画するため、EB露光装置の精
密移動ステージはX方向にピッチSx、Y方向にピッチ
Syずつステップ移動しては、各ステップ位置でパター
ン群MPを描画する。
【0021】さて、1つのパターン群MP内には、図2
中の円内に拡大して示すように、同一寸法の3つのパタ
ーン要素領域CPA、CPX、CPYが含まれている。
パターン要素領域CPAは計測中心となる部分であり、
この領域CPAの中心点に対して、領域CPXの中心点
はX方向にΔXだけ離れ、領域CPYの中心点はY方向
にΔYだけ離れている。
【0022】各領域CPA、CPX、CPY内に形成さ
れるパターン要素は、本実施例では図3に示したよう
に、1次元の格子パターンとする。領域CPA内には、
X方向に一定のピッチで形成された格子パターンBMx
と、Y方向に一定のピッチで形成された格子パターンB
My(外形寸法はBMxと同じ)とが互いに90°の関
係で設けられる。領域CPX内には、格子パターンBM
xからX方向にΔXだけ間隔をあけるとともに、Y方向
にYmだけオフセットさせた位置にパターンBMxと全
く同じ形状、構造の格子パターンBSxが設けられる。
さらに領域CPY内には、格子パターンBMyからY方
向にΔYだけ間隔をあけるとともに、X方向にXmだけ
オフセットさせた位置にパターンBMyと全く同じ格子
パターンBSyが設けられる。これら格子パターンBM
x、BMy、BSx、BSyのピッチ方向と直交する方
向の幅はDsであり、本実施例ではXm=Ym>Dsに
設定される。
【0023】このようなレチクルRをステッパーに装着
して露光する場合、本実施例では図4に示すようにずら
し露光が行なわれる。フルフィールドを利用するステッ
パーの場合、レチクルR上のパターンは上下反転、左右
反転の鏡像関係で感光基板へ転写される。しかしなが
ら、説明を簡単にするため、図4では図3のパターン配
置をそのまま感光基板へ露光したものとして示してあ
る。図4は、1つのパターン群MPについてのみ示す
が、レチクルR上の他のパターン群MPについても全く
同じである。まず、最初の露光によって、図4中に実線
で示すように3つのパターン要素領域CPA、CPX、
CPYが感光基板上に転写される。そして2回目の露光
のとき(図4中に1点鎖線で示す状態)には感光基板が
X方向にΔX’だけ精密に移動され、さらに3回目の露
光のとき(図4中に破線で示す状態)には、1回目の露
光位置から感光基板がY方向にΔY’だけ移動される。
これによって、1回目に露光された領域CPAの像の位
置には、領域CPX、CPYの各像が丁度重なり合って
転写される。感光基板の移動量ΔX’、ΔY’はレチク
ルR上の領域CPA、CPX、CPYの各間隔ΔX、Δ
Yに対応したものであり、ステッパーの投影光学系の投
影倍率をM(1/5縮小の場合、M=5)とすると、Δ
X=M・ΔX’、ΔY=M・ΔY’に定められる。
【0024】以上のようにして、3つの領域CPA、C
PX、CPYの各像が重なって露光された感光基板上の
部分には、図5に示すように4つの格子パターンBM
x、BMy、BSx、BSyの各像が整列して転写さ
れ、感光基板を現像することによって、各格子パターン
がレジスト像(凹凸パターン)として出現する。ここで
感光基板上の格子パターンBSx、BMxのX方向の位
置ずれ量と、格子パターンBSy、BMyのY方向の位
置ずれ量とを計測することによって、そのパターン群M
Pが位置する投影視野内の点でのディストーション変化
率(傾き量)が、X方向とY方向との両方に関して求め
られる。
【0025】以上の説明から明らかなように、3つの領
域CPA、CPX、CPYの各像が重ね焼きされるた
め、図5に示すような格子パターン配列を得るには、レ
チクルR上の領域CPA、CPX、CPYの夫々は、ク
ロム等で全面的に遮光層にしておき、その中に格子パタ
ーンBS、BMの各スリットを透明部として刻設してお
く必要がある。これは感光基板上のレジスト層がポジ
型、ネガ型のいずれの場合も同じである。
【0026】本実施例の場合、図2のレチクルRを用い
るとしたので、感光基板上に転写された1ショットの領
域(実際はΔX’、ΔY’だけ大きくなる)内には、図
5のような重ね合わせ部分がX、Y方向にそれぞれ間隔
Sx、Syで各9個ずつ、計81個形成される。それら
の重ね合せ部分のうち、レチクルRの中心(ショット中
心)に位置するものを基準として、X方向に並んだ重ね
合せ部分内の格子パターンBMx、BSx(レジスト
像)の各位置ずれ量を計測すると、先に図1で示したよ
うに、投影視野内のX軸方向に関するディストーション
特性F(x)が求まる。同様に、ショット中心に位置す
る重ね合わせ部分を基準としてY方向に並んだ重ね合わ
せ部分内の格子パターンBMy、Bsy(レジスト像)
の各位置ずれ量を計測すると、投影視野内のY軸方向に
関するディストーション特性が求まる。
【0027】ここで、格子パターン、要素領域CPA、
CPX、CPY、間隔Sx、Sy、ΔX、ΔY等の具体
的な寸法の一例をあげる。この種のステッパーの投影光
学系は1/5縮小の場合、投影視野として感光基板上で
30mm程度の直径を有し、それに内接する最大の正方形
の一辺の寸法は約21mmである。そこで1ショット内に
9×9個のパターン群MPの像を均等に配列するとなる
と、感光基板上でのパターン群MPの像の間隔Sx/
M、Sy/Mは約2.5mmにすればよい。
【0028】すなわち、レチクルR上では間隔Sx、S
yを12.5mmにすればよい。一方、感光基板上に形成さ
れる格子パターンBSx、BSy、BMx、BMyのレ
ジスト像はライン・アンド・スペースのピッチとして2
μm、線幅として1μm程度が安定に転写できる。そこ
で格子パターンとしての格子本数を40本、格子の長さ
を40μm程度にすると、1つの格子パターンの感光基
板上での寸法は約80×40μmになり、これはレチク
ル上では0.4×0.2mmになる。ちなみに、図3で示した
幅Dsがレチクル上で0.2mmになる。そこで図3中の間
隔Xm、Ymをレチクル上で0.3mmにすると、要素領域
CPA、CPX、CPYの夫々のレチクル上での寸法は
ほぼ1×1mm角になる。従って領域CPA、CPX、C
PY内の各格子パターンのX、Y方向の間隔ΔX、ΔY
は、レチクル上で1mm以上あればよいことになり、各領
域間のスペースを考慮しても、1.2mm程度で十分であ
る。このことから、1つのパターン群MPを構成する3
つの領域CPA、CPX、CPYのレチクル上での全体
的な寸法は、2.2×2.2mm角の範囲内に納まり、EB露
光装置の1フィールドのサイズよりも小さくできる。ま
た、1つのパターン群MPの投影像の大きさは、1/5
縮小のとき感光基板上で0.44×0.44mm角であり、図
4のようにΔX’、ΔY'(0.24mm)だけずらして重ね
合わせ露光したときの専有面積は、感光基板上で0.68
×0.68mm角の範囲に納まる大きさである。そのため、
図4のような重ね合わせ露光部分(0.68mm角)を、1
ショット内に密に配列するとなると、3つの領域CP
A、CPX、CPYの夫々の像が重なった部分のX方
向、Y方向の間隔(ピッチ)、すなわちSx/M、Sy
/Mは約1mm程度にできる。従って1ショット内(投影
視野内)で約1mm間隔毎にディストーション量の変化率
が計測できることになる。
【0029】ところで、レチクルRと感光基板の相対的
な移動によって、全てのパターン群MPの像が一斉にΔ
X’、ΔY’だけ移動することになるので、投影視野の
中心点(像高値が零の点)を挾んでX軸、Y軸の夫々の
正方向と負方向とでは、計測される各格子パターンの位
置ずれ量の符号は反転する。すなわち、常に主尺となる
格子パターンBMx(BMy)に対して副尺となる格子
パターンBSx(BSy)の位置ずれ量を計測する場
合、投影視野中心(ショット中心)を通るX軸上に存在
する各測定点でのディストーション変化率D'(x)は図
6に示すように、像高値が零の点(ショット中心)を挾
んでほぼ点対称の関係になる。尚、図6は、図1(C)
に示した特性のエンベロープを示したものである。
【0030】また、変化率D'(x)は、図1(C)に示
すように、ΔX(又はΔX')のずらしによって像高値が
零の位置x0 でも微小な値を取る。しかしながら、位置
0での変化率の値D'(x0 )は積分演算上で現われる
定数項とみなせるので、他の測定位置x1 、x2 ……の
夫々での値D'(x1 )、D'(x2 )……からD'(x0
を引いたものを以降の積算演算に使ったり、あるいは積
算によって得られた図1(D)の特性から一率にF(x
0 )の値を差し引くことによって、像高値が零の点での
ディストーション量を零にする規格化が可能である。こ
のことから、レチクルRの中心点に1つのパターン群M
Pを設けておくことには大きな意義がある。その中心点
のパターン群MPの重ね合わせ露光によって得られた格
子パターンBM、BSの位置ずれ量、すなわち変化率
D'(x0 )には、レチクルの製造時に決められた間隔Δ
X、ΔYとレチクルと感光基板との実際のずらし量Δ
X’、ΔY’との間の誤差量(移動誤差分)のみが含ま
れるのである。これに対して中心点以外のパターン群M
Pで計測された変化率には、移動誤差分とディストーシ
ョン量変化率との両方が重畳して含まれている。
【0031】ところで、投影視野内の任意の測定点にお
けるディストーションの大きさと方向を求める場合、そ
の測定点で得られたX方向のディストーション量F(x
n )とY方向のディストーション量F(yn )との両方
をベクトル合成すればよい。こうして、投影視野内の多
数の測定点でのディストーション・ベクトルをコンピュ
ータの計算により求め、そのベクトルを矢印の長さと方
向とで表示するようにすれば、投影視野内のディストー
ション特性の傾向が面として視覚上で確認することがで
きる。もちろん、図1(D)に示した1次元のディスト
ーション特性をグラフィックスによって表示してもよ
い。
【0032】さて、図5に示したような格子パターンB
M、BS間の位置ずれ量(ディストーションによる分)
は極めて小さな値である。そのため、位置ずれ量の計測
にあたってはナノ・メータ・オーダの分解能を有する計
測センサーが必要となる。図7は、そのような要求にみ
あう位置ずれ検出装置の一例を示し、基本的な構成は特
開昭62−56818号公報に開示されているので、こ
こでは簡単に説明する。この図7で感光基板W上の1組
の格子パターンBMx、BSxをBPとすると、可干渉
性の2本のレーザビームLB1、LB2は対物レンズG
1を介して平行光束となって基板W上に対称的に傾斜し
て投射される。傾斜方向は格子パターンのピッチ方向と
一致している。このときビームLB1とLB2とは一定
の周波数差Δfをもっている。このとき格子パターンB
Pから垂直に回折光が発生するように、2本のビームL
B1、LB2の入射角が設定される。ビームLB1の投
射によって垂直に発生した回折光(1次光)と、ビーム
LB2の投射によって垂直に発生した回折光(1次光)
とは、互いに干渉して差周波数Δfで強度変調されたビ
ート光BTとなって対物レンズG1、レンズ系G2へ戻
り、ビームスプリッタBSMで分割され、一方はアパー
チャ板APmを介して光電センサーDTmで受光され、
他方はアパーチャ板APsを介して光電センサーDTs
で受光される。アパーチャ板APm、APsは対物レン
ズG1、レンズ系G2によって感光基板Wと共役に配置
されるアパーチャ板APmには格子パターンBMxから
のビート光BTのみを透過させる開口が設けられ、アパ
ーチャ板APsには格子パターンBSxからのビート光
BTのみを透過させる開口が設けられる。光電センサー
DTm、DTsはいずれも周波数Δfの正弦波状の交流
信号を出力し、両信号は位置ずれ検出系100に印加さ
れる。2つの交流信号は、格子パターンBMx、BSx
のX方向の位置ずれ量に応じた位相差をもつため、その
位相差を検出系100で高精度に測定する。検出系10
0はデジタルコンピュータ等を含み、2つの交流信号の
波形をサンプリングした後、フーリエ積分の手法によっ
て位相差φを求め、それを位置ずれ量へ換算する。ここ
でフーリエ積分による位相差計測の分解能を±0.72°
とすると、格子パターンのピッチPgを2μmとし、ビ
ート光BTとして1次回折光を使う場合、位相差φの±
180°のレンジは、位置ずれ量として±Pg/4に相
当するから、位置ずれ量の計測分解能は、(±Pg/
4)×(0.72/180)=±Pg/1000となり、
±2nmが得られる。またビート光をBTとして3次回折
光を使うように、ビームLB1、LB2の入射角を設定
すると、位相差φが±180°のレンジに対する位置ず
れ量は、±Pg/4に対して1/3にされ、計測分解能
は±Pg/3000にも及ぶ。
【0033】さて、図8は、図1に示したレチクルRを
装着して、ディストーション検査されるステッパーの概
略的な構成を示し、レチクルRはレチクルマークR
1 、RM2 、RM3 をレチクルアライメント系RA
1、RA2、RA3の夫々で検出することによって、投
影レンズPLの光軸AXに対してアライメントされる。
このステッパーには投影レンズPLのみを介して、感光
基板としてのウェハW上のアライメントマーク等を検出
するTTL方式のアライメント系TWAx、TWAyが
設けられる。また投影レンズPLの視野を介することな
くウェハマークを検出するオフ・アクシス方式のアライ
メント系OWAも設けられる。ウェハWは、X、Y方向
に2次元移動するウェハステージWST上に載置され、
その座標位置は、レーザ干渉計IFMx、IFMy、I
FMθによって計測される。従って、レチクルRとウェ
ハWとを相対的にΔX’、又はΔY’だけ移動させると
きは、干渉計IFMx、IFMy(又はIFMθ)の測
長値に基づいてウェハステージWSTを駆動制御する。
【0034】また、図7に示した位置ずれ検出系は、図
8中のTTL方式のアライメント系TWAx、TWA
y、又はオフ・アクシス方式のアライメント系OWA内
に組み込むことができる。その場合、ステッパーとコー
ター・デベロッパーとをインライン化しておけば、レチ
クルRの装着からディストーション検査までの一連の工
程を自動化することができ、ステッパーが自らディスト
ーションをチェックする機能、すなわちセルフチェック
の無人化が達成される。
【0035】次に本発明の第2の実施例による測定方式
を説明するが、ここでは基本的に特開平2−31142
号公報に開示されているような技術を利用する。図9
は、X方向用の主バーニアとしての格子パターンBMx
と副バーニアとしての格子パターンBSxとを表わし、
パターンBMxとBSxの各中心点Cm、CsはX方向
にΔXだけ離れている。本実施例では2つの格子パター
ンBMx、BSxの各投影像を重ね合わせ露光する際、
中心点Cm、Cs同士がほぼ完全に一致するように設定
されている。
【0036】さて、本実施例では、図9の場合、格子パ
ターンBSxのラインアンドスペースがY軸に対してθ
だけ傾いている。また格子パターンBSxの遮光ライン
(斜線部)の幅Pcとスペースの幅Pdとは、それぞれ
格子パターンBMxのスペースの幅Pbと遮光ライン
(斜線分)の幅Paとに対応したものとなっている。さ
らに格子パターンBMxの中心点を通る線LL上でのス
ペース部の間隔(ピッチ)はgm であり、格子パターン
BSxの中心点を通る線LL上での遮光ライン部の間隔
(ピッチ)はgs である。本実施例では説明を簡単にす
るため、Pa=Pd、Pb=Pc、gm =gs とする。
また格子パターンBSxの各ライン、スペースの傾き角
θはレチクルパターンの描画が可能な程度に小さな値、
例えば2〜3°程度に定められている。
【0037】このような格子パターンBMx、BSxが
形成されたレチクルを用いて、ポジレジスト層が塗布さ
れたウェハW上に重ね合わせ露光を行ない、現像すると
図10に示すように、くさび状のレジストパターンPr
1 、Pr2 が出現する。このくさび状レジストパターン
Pr1 、Pr2 は、格子パターンBMx、BSxの各遮
光ラインの重ね合わせによって、2回の露光で全く感光
されなかった部分である。くさび状のレジストパターン
Pr1 とPr2 とのY方向の長さK1 、K2 は、2つの
格子パターンBMx、BSxの各中心点Cm、Csが完
全に一致するように重ね合わせ露光されたとき、等しく
なる。尚、1本のくさび状レジストパターンの頂角はθ
であり、レジストパターンPr1 、Pr2 のY方向の全
長は、レチクル上の格子パターンの長さDsに対応し
て、Ds’となる。投影倍率の値をMとすると、理想的
にはDs=M・Ds’になるがレジスト層への露光量の
与え方、現像条件等によって長さDs’は理想値に対し
て若干短くなる。
【0038】さて図10のようなレジストパターンが得
られた段階で、くさび状レジストパターンPr1 、Pr
2 のY方向の全長Ds’を測定し、それを2等分する線
LL’の位置、すなわちDs’/2を算出する。次にレ
ジストパターンPr1 、Pr 2 の夫々のY方向の長さK
1 、K2 を測定する。本実施例の場合、2つの格子パタ
ーンBMx、BSxの各中心点Cm、Csが完全に一致
したときはK1 =K2になり、ディストーション量、も
しくは位置ずらし量ΔXに対する誤差分によって、実際
の重ね合わせ位置がΔXよりもわずかに小さいときはK
1 >K2 になり、逆にΔXよりもわずかに大きいときは
1 <K2 になる。まずK1 =K2 のときは、図10中
に示したレジストパターンPr1 、Pr2 のY方向に関
する中心点LccがDs’/2となる中心線LL’と合致
するはずである。またレジストパターンPr1 とPr2
との間には、Y方向にDs’−(K1 +K2 )の幅でぬ
け領域が存在する。
【0039】このことから、中心線LL’に対する中心
線LccのY方向の偏差量が、2つの格子パターンBM
x、BSxの重ね合わせ時のX方向の位置合わせ誤差分
(ディストーションによる誤差分も含む)に比例する。
中心線Lccと中心線LL’とのY方向の偏差量をΔYc
とすると、次式で表わされる。 ΔYc=(Ds’−(K1 +K2 ))/2+K1 −Ds’/2…(1) あるいは、 ΔYc=Ds’/2−(K2 +(Ds’−(K1 +K2 ))/2)…(2) 式(1)はくさび状レジストパターンPr1 側から求め
る式であり、式(2)はくさび状レジストパターンPr
2 側から求める式である。上記式(1)、(2)はいず
れも式(3)のようにまとめられる。
【0040】ΔYc=(K1 −K2 )/2…(3) さらにくさび状レジストパターンの頂角θから、2つの
格子パターンBMx、BSxのX方向の位置合わせ時の
誤差分をΔDxとすると、 ΔDx≒ΔYc・sin θ…(4) で表わされる。ここで頂角θが3°程度とすると、偏差
量ΔYcはX方向の誤差量ΔDxを約20倍に拡大した
ものとして得られる。従ってくさび状レジストパターン
Pr1 、Pr2 のY方向の寸法K1 、K2 の測定分解能
が、例えば0.02μm程度得られているものとすると、
それはX方向の誤差量計測に換算して約1nmの分解能と
いうことになる。
【0041】そこで図9に示した格子パターンBMx、
BSxを、図2、又は図3に示したパターン要素領域C
PA、CPXの夫々に形成しておけば、第1の実施例と
同様にX方向に関するディストーション量の変化率が高
精度に測定できる。Y方向に関しても同じ原理でディス
トーション量の変化率が測定できる。なお、図10に示
したくさび状レジストパターンPr1 、Pr2 の寸法計
測には、図8に示したステッパーのTTL方式のアライ
メント系TWAx、又はTWAy、あるいはオフ・アク
シス方式のアライメント系OWA等を使うとよい。その
場合、レジストパターンPr1 、Pr2 が周期構造をも
つことを利用して、スリット状のレーザスポットをウェ
ハW上に投射するアライメント系を組み込み、その周期
構造によって発生する回折光の強度変化を、スリット状
のレーザスポットとウェハ(レジストパターンPr1
Pr2 )との相対走査に同期して光電検出する方式(例
えば特開平2−31142号公報に開示)を採用すると
よい。
【0042】本実施例の場合も、くさび状レジストパタ
ーンPr1 、Pr2 を現像によって出現させるものとし
たが、2つの格子パターンBMx、BSxの重ね合わせ
像のレジスト層における潜像あるいはフォトクロミック
層に出現した像を検出するようにしてもよい。あるいは
図8に示したステッパーのウェハステージWST上に固
設された基準板FMの表面(投影視野以上の面積)にフ
ォトクロミック層を形成しておき、ここにレチクル上の
各パターンを重ね合わせ露光し、可視化像を作るように
し、その可視化像をオフ・アクシス方式のアライメント
系OWAで検出するようにしてもよい。フォトクロミッ
ク層に紫外線でマンクロパターンの像を投影して焼き付
けた後、その像の適、不適を観察用顕微鏡で観察し、不
適の場合にはフォトクロミック層に強力な可視光を照射
して像を消去することは、特公昭41−10550号公
報で知られているので、その技術を利用すればよい。
【0043】以上、本発明の各実施例では、ΔX、又は
ΔYのずらし露光の際、ウェハステージWSTを移動す
るとしたが、レチクルR側を移動させてもよい。この場
合、レチクルRを保持するレチクルステージの移動位置
を計測する測長器(エンコーダ、ポテンショメータ、又
はレーザ干渉計)を用いて、レチクルRを比較的高精度
にΔX、ΔYだけ移動させることが望ましい。また、フ
ルフィールドタイプの投影光学系の投影視野内では、一
般に光軸AXから同一の像高点であれば、どの点でも同
じディストーション量をもつため、X方向のみの計測に
よって代表的にディストーション特性を調べるようにし
てもよい。その場合の露光動作は2回でよいことにな
る。さらにマスク上に形成する第1、及び第2の計測用
パターンは極めて接近して配置されるため、EB描画装
置による描画誤差も極めて少ない。しかしながら、マス
ク上に形成される第1、第2の計測用パターンの対を、
マスク上のほぼ全面の複数ケ所に描画する場合、各位置
の間隔(Sx、Sy)はマスク上ではEB描画装置の1
フィールドのサイズよりも大きくなってしまう。このた
め、計測パターン対の夫々の配置誤差の問題が考えられ
る。しかしながら、その配置誤差は仮りに存在していた
としても、実用上大きな誤差とはならない。なぜなら、
計測パターンのわずかな配置誤差があっても、その誤差
量自体はマスクと感応基板との相対移動量ΔT(ΔX、
ΔY)にくらべて格段に小さく、かつその計測点での微
分値(傾き)も通常1よりは小さいためである。さらに
複数の計測用パターン対のマスク上での配置誤差は、予
め精密に計測しておく必要もなく、必要であれば2重露
光された感応基板上のパターン像の位置(像高値)とし
て実測すればよいだけである。
【0044】
【発明の効果】以上、本発明によれば従来のようにある
像高点でのディストーション量を直接計測するのではな
く、第1の計測用パターンと第2の計測用パターンとの
ずれ量(このずれ量は、ある像高点におけるディストー
ション曲線上の傾き量、あるいは、ディストーション曲
線上での微分値に対応する)を計測できるだけ、マスク
と感応基板とを微動させて少なくとも2回の重ね合わせ
露光を行なえばよいので、露光作業は従来の方法よりも
格段に軽減され、作業時間も短縮される。またマスクと
感応基板との相対移動量も小さくてよく、しかも1回目
の露光と2回目の露光との間も極めて短いので、移動ス
テージの位置計測センサー(レーサ干渉計等)の誤差も
最小限に押えられ、実用上皆無と考えてよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明する図である。
【図2】本発明の実施例として好適なレチクルのパター
ン配置を示す平面図である。
【図3】図2中の1ケ所のパターン群の内部配置を示す
平面図である。
【図4】パターン群の重ね合わせの方法を説明する図で
ある。
【図5】重ね合わせ露光によって得られたパターン形状
を示す図である。
【図6】ディストーション特性の一例を示すグラフであ
る。
【図7】図5のパターンを計測するための光学的計測手
段の一例を示す図である。
【図8】代表的なステッパーの構成を示す斜視図であ
る。
【図9】第2の実施例によるパターン形状を示す図であ
る。
【図10】第2の実施例によって得られたレジスト像の
形状を示す図である。
【符号の説明】
R レチクル CPA、CPX、CPY 計測用パターン形成領域 BSx、BSy、BMx、BMy 計測用パターン PL 投影レンズ W ウェハ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01M 11/00 - 11/08 G03F 1/00 - 1/16 H01L 21/30 G01B 11/00 - 11/30

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マスクに形成されたパターンの像を感光基
    板に転写するための投影光学系のディストーションを検
    査する方法において、 前記マスクは、第1の計測用パターンと、前記第1の計
    測用パターンに対して所定間隔離して配置された第2の
    計測用パターンとをそれぞれ複数備え、 複数の前記第1の計測用パターンを、前記投影光学系を
    介して所定面に投影する第1工程と、 前記マスクと前記所定面とを相対移動させた後、複数の
    前記第2の計測用パターンを、前記投影光学系を介して
    前記所定面に投影する第2工程と、 前記第1の計測用パターンと前記第2の計測用パターン
    との相対的なずれ量を、前記所定面における前記投影光
    学系の投影視野内の互いに異なる位置でそれぞれ測定す
    る第3工程と、 前記第3工程で測定されたずれ量を積算し、前記投影光
    学系の投影視野内における任意位置のディストーション
    量を算出する第4工程とを含むことを特徴とする投影光
    学系のディストーション検査方法。
  2. 【請求項2】前記第3工程は、前記ずれ量を、前記投影
    光学系の投影視野内の互いに異なる像高点のそれぞれで
    測定し、 前記第4工程は、前記ずれ量を像高値の順番に積算した
    値を、その像高点でのディストーション量として算出す
    ることを特徴とする請求項1に記載の検査方法。
  3. 【請求項3】前記第1の計測用パターンは、第1の方向
    に配列された第1格子パターンと、前記第1の方向と交
    差する第2の方向に配列された第2格子パターンとを有
    し、 前記第2の計測用パターンは、前記第1の方向に配置さ
    れ、かつ前記第1格子パターンに対して第1の所定間隔
    離して配置される第3格子パターンと、前記第2の方向
    に配置され、かつ前記第2格子パターンに対して第2の
    所定間隔離して配置される第4格子パターンとを有する
    ことを特徴とする請求項1または請求項 に記載の検査
    方法。
  4. 【請求項4】前記第1工程は、前記第1格子パターンと
    前記第2格子パターンとを、前記投影光学系を介して同
    時に前記所定面に投影し、 前記第2工程は、前記マスクと前記所定面とを前記第1
    の所定間隔に対応する量に基づいて相対移動させた後、
    前記第3格子パターンを、前記投影光学系を介して前記
    所定面に投影する工程と、前記マスクと前記所定面とを
    前記第2の所定間隔に対応する量に基づいて相対移動さ
    せた後、前記第4格子パターンを、前記投影光学系を介
    して前記所定面に投影する工程とを有することを特徴と
    する請求項3に記載の検査方法。
  5. 【請求項5】前記第3工程は、前記第1格子パターンと
    前記第3格子パターンとの位置ずれ量及び前記第2格子
    パターンと前記第4格子パターンとの位置ずれ量を測定
    し、 前記第4工程は、前記第1の方向におけるディストーシ
    ョン特性と、前記第2の方向におけるディストーション
    特性とを算出する工程と、算出された前記ディストーシ
    ョン特性のそれぞれを合成して、グラフィックス表示す
    る工程とを有することを特徴とする請求項3に記載の検
    査方法。
  6. 【請求項6】前記第1の計測用パターンは、格子パター
    ンであり、 前記第2の計測用パターンは、 前記第1の計測用パター
    ンに対して所定角度傾斜して形成された格子パターン
    であり、 前記第2の工程は、前記第1の工程で前記所定面に投影
    された前記第1の計測用パターンに対して、前記第2の
    計測用パターンを重ね合わせ露光し、 前記第3の工程は、重ね合わせ露光によって形成された
    くさび状のパターンに基づいて、前記ずれ量を測定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の検査方法。
  7. 【請求項7】マスクに形成されたパターンの像を感光基
    板に転写するための投影光学系のディストーションを検
    査する方法において、 前記マスクは、第1の計測用パターンと、前記第1の計
    測用パターンに対して所定間隔離して配置された第2の
    計測用パターンとをそれぞれ複数備え、 複数の前記第1の計測用パターンを、前記投影光学系を
    介して所定面に投影する第1工程と、 前記マスクと前記所定面とを相対移動させた後、複数の
    前記第2の計測用パターンを、前記投影光学系を介して
    前記所定面に投影する第2工程と、 前記第1の計測用パターンと前記第2の計測用パターン
    との相対的なずれ量を、前記所定面における前記投影光
    学系の投影視野内の互いに異なる位置でそれぞれ測定す
    る第3工程と、 前記第3工程で測定されたずれ量に基づいて、前記投影
    光学系の投影視野内におけるディストーション特性上の
    傾き量を算出する第4工程とを含むことを特徴とする投
    影光学系のディストーション検査方法。
  8. 【請求項8】前記第3工程は、前記ずれ量を前記投影光
    学系の投影視野内の互いに異なる像高点のそれぞれで測
    定することを特徴とする請求項7に記載の検査方法。
JP25610392A 1992-09-25 1992-09-25 投影光学系のディストーション検査方法 Expired - Fee Related JP3259190B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25610392A JP3259190B2 (ja) 1992-09-25 1992-09-25 投影光学系のディストーション検査方法
US08/126,393 US5402224A (en) 1992-09-25 1993-09-24 Distortion inspecting method for projection optical system

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25610392A JP3259190B2 (ja) 1992-09-25 1992-09-25 投影光学系のディストーション検査方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06109588A JPH06109588A (ja) 1994-04-19
JP3259190B2 true JP3259190B2 (ja) 2002-02-25

Family

ID=17287934

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25610392A Expired - Fee Related JP3259190B2 (ja) 1992-09-25 1992-09-25 投影光学系のディストーション検査方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3259190B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6947119B2 (en) 2002-07-30 2005-09-20 Canon Kabushiki Kaisha Distortion measurement method and exposure apparatus

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7126668B2 (en) * 2004-04-28 2006-10-24 Litel Instruments Apparatus and process for determination of dynamic scan field curvature
JP4690664B2 (ja) * 2004-05-14 2011-06-01 セイコーオプティカルプロダクツ株式会社 光学特性の補間方法およびその方法を用いたレンズの評価装置
JP6774269B2 (ja) * 2016-08-26 2020-10-21 キヤノン株式会社 計測方法、計測装置、露光装置及び物品の製造方法
CN113725108B (zh) * 2021-08-06 2023-12-01 广东工业大学 大板扇出型封装芯片的漂移定位测量方法及装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6947119B2 (en) 2002-07-30 2005-09-20 Canon Kabushiki Kaisha Distortion measurement method and exposure apparatus

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06109588A (ja) 1994-04-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5402224A (en) Distortion inspecting method for projection optical system
US5216257A (en) Method and apparatus for alignment and overlay of submicron lithographic features
KR100317100B1 (ko) 마스크
US6481003B1 (en) Alignment method and method for producing device using the alignment method
JP3927774B2 (ja) 計測方法及びそれを用いた投影露光装置
US5521036A (en) Positioning method and apparatus
US4908656A (en) Method of dimension measurement for a pattern formed by exposure apparatus, and method for setting exposure conditions and for inspecting exposure precision
US4699515A (en) Process of transfer of mask pattern onto substrate and apparatus for alignment therebetween
US7948616B2 (en) Measurement method, exposure method and device manufacturing method
US6850327B2 (en) Inspection method and apparatus for projection optical systems
TW200806957A (en) Measurement method and apparatus, exposure apparatus
EP0652487A1 (en) Rotational deviation detecting method and system using a periodic pattern
US6198527B1 (en) Projection exposure apparatus and exposure method
US5638179A (en) Method for measuring amount of bend of moving mirror
US6169602B1 (en) Inspection method and apparatus for projection optical systems
US5442418A (en) Exposure method
JP3259190B2 (ja) 投影光学系のディストーション検査方法
JP3336357B2 (ja) 位置合わせ装置及び位置合わせ方法
JP3427113B2 (ja) ステージ精度評価方法
JP2696962B2 (ja) 線幅測定方法及び該方法を用いた露光装置の検査方法
JP3448673B2 (ja) 投影露光装置
JP2010147109A (ja) 評価方法、露光装置およびデバイス製造方法
JP3259341B2 (ja) 位置合わせ方法、及びその位置合わせ方法を用いた露光方法、及びその露光方法を用いたデバイス製造方法
JPH09330862A (ja) 露光装置の調整方法
JP3427836B2 (ja) 位置合わせ装置及び位置合わせ方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071214

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101214

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees