JP2004055726A - 積層コア製造装置および積層コア製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】薄板コア群から積層コアだけを確実に抜き出す積層コア製造装置および積層コア製造方法を提供する。
【解決手段】抜き出し部材50は、薄板コア群20の先頭から所定厚みの積層コア60を構成する薄板コア22と当接している。受け部材52は、薄板コア群20を挟んで抜き出し部材50と反対側に設置されており、積層コア60に続く薄板コア22と当接している。受け部材52と抜き出し部材50との積層方向の間隔は、ほぼ1枚の薄板コア22の板厚分である。プレス装置で母材をプレスし薄板コア22を形成する前に母材の板厚情報を読み取り装置により読み取り、読み取り装置から制御装置80に送出しておく。制御装置80は、この板厚情報に基づき、積層コア60の最後尾に位置する薄板コア22の板厚方向の中央部に抜き出し部材50の当接端位置がくるように、調整装置40を制御してシャフト44を突出させる。
【選択図】 図1
【解決手段】抜き出し部材50は、薄板コア群20の先頭から所定厚みの積層コア60を構成する薄板コア22と当接している。受け部材52は、薄板コア群20を挟んで抜き出し部材50と反対側に設置されており、積層コア60に続く薄板コア22と当接している。受け部材52と抜き出し部材50との積層方向の間隔は、ほぼ1枚の薄板コア22の板厚分である。プレス装置で母材をプレスし薄板コア22を形成する前に母材の板厚情報を読み取り装置により読み取り、読み取り装置から制御装置80に送出しておく。制御装置80は、この板厚情報に基づき、積層コア60の最後尾に位置する薄板コア22の板厚方向の中央部に抜き出し部材50の当接端位置がくるように、調整装置40を制御してシャフト44を突出させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の厚みに薄板コアを積層して構成される積層コアを薄板コア群から抜き出す積層コア製造装置および積層コア製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
所定の厚みに積層して構成される積層コアを薄板コアを積層した薄板コア群から抜き出す積層コア製造装置として、実開平5−95185号公報に開示されているものが知られている。積層コア製造装置は、薄板コア群から積層コアを抜き出すため、薄板コア群の積層方向に沿った軸線と直交する方向に積層コアを押し出す切り出し刃と、薄板コア群を挟んで切り出し刃と反対側に設置されている受け刃とを備えている。
【0003】
切り出し刃は、薄板コア群の先頭から積層コアを構成する最後尾の薄板コアまでと当接し、薄板コア群から積層コアを押し出す。受け刃は、積層コアの最後尾の薄板コアの直後に位置する薄板コアが抜き出し対象の積層コアとともに抜き出されることを防止するため、少なくとも積層コアの最後尾の薄板コアの直後に位置する薄板コアを係止する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、薄板コアの板厚のばらつきが大きいと、切り出し刃が薄板コア群から積層コアを抜き出すときに失敗することがある。例えば、薄板コアの板厚方向における切り出し刃と受け刃との間隔が大きいと、積層コアの最後尾の薄板コアの直後に位置する薄板コアを受け刃が係止せず積層コアに続く薄板コアが積層コアとともに抜き出されることがある。逆に、薄板コアの板厚方向における切り出し刃と受け刃との間隔が小さいと、切り出し刃が押し出す薄板コアと受け刃が係止する薄板コアとが同じになり、薄板コアが破損することがある。
【0005】
特に、積層コアの渦電流損失を低減するために薄板コアの板厚を薄くすると、薄板コアの板厚方向における切り出し刃と受け刃との間隔を小さくする必要があるので、薄板コアの板厚のばらつきにより積層コアの抜き出しに失敗しやすくなる。
本発明の目的は、薄板コア群から積層コアだけを確実に抜き出す積層コア製造装置および積層コア製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1または7記載の積層コア製造装置によると、薄板コア群の積層方向の位置を薄板コアの板厚情報に基づき調整する。薄板コア群の積層方向の位置を調整すると、薄板コア群に含まれる積層コアの積層方向の位置が調整される。ここで薄板コア群の積層方向とは、薄板コアが積層されていく方向だけでなく、その反対方向も含んでいる。薄板コアの板厚がばらついても、抜き出し部材が積層コアの最後尾に位置する薄板コアと当接し、受け部材が積層コアに続く少なくとも1枚の薄板コアと当接する。したがって、積層コアに続く薄板コアが積層コアとともに薄板コア群から抜き出されることを防止する。また、積層コアの最後尾に位置する薄板コアが抜き出し部材と受け部材との間で挟持されることを防止し、薄板コアの破損を防止する。積層コアの抜き出し作業が中断されないので、製造装置を自動化することにより薄板コア群から連続して積層コアを抜き出すことができる。
【0007】
本発明の請求項2記載の積層コア製造装置によると、薄板コアの母材をプレスする前に取得した母材の板厚情報に基づき、一つの母材から形成された薄板コア群の積層方向の位置を調整する。したがって、母材毎に薄板コア群の積層方向の位置を調整する調整量を一定にすることができる。
【0008】
本発明の請求項3記載の積層コア製造装置によると、積層コアの最後尾に位置する薄板コアの板厚方向のほぼ中央部に抜き出し部材の当接端位置が調整される。したがって、積層コアに続く薄板コアと抜き出し部材が当接することを防止するとともに、薄板コア群から所定厚の積層コアを確実に抜き出すことができる。
【0009】
本発明の請求項4または5記載の積層コア製造装置によると、視覚装置またはセンサが検出する情報に基づき、積層コアの最後尾に位置する薄板コアの板厚方向のほぼ中央部に抜き出し部材の当接端位置が調整される。抜き出し部材の当接端位置が積層コアの最後尾に位置する薄板コアの中央部に確実に調整されるので、積層コアに続く薄板コアと抜き出し部材が当接することを防止するとともに、薄板コア群から所定厚の積層コアを確実に抜き出すことができる。
【0010】
本発明の請求項6記載の積層コア製造装置によると、抜き出し部材が積層コアを抜き出すときに抜き出し方向と反対方向に受ける抵抗値の大きさが所定値以上であれば、抵抗値の大きさが所定値よりも小さくなるように薄板コア群の積層方向の位置を調整する。抵抗値が大きいと、抜き出し部材と受け部材とが同じ薄板コアを挟持していることを示している。所定値より小さい抵抗値になるように薄板コア群の積層方向の位置を調整することにより、抜き出し部材と受け部材とが同じ薄板コアを挟持することを防止できる。
【0011】
本発明の請求項8記載の積層コア製造装置によると、薄板コア群の積層方向の位置を薄板コアの板厚情報に基づき調整するので、薄板コアの板厚がばらついても、抜き出し部材が積層コアの最後尾に位置する薄板コアと当接する。さらに、吸引手段が、積層コアに続く少なくとも1枚の薄板コア、あるいは積層コアの最後尾に位置する薄板コアおよび積層コアに続く少なくとも1枚の薄板コアを吸引する。薄板コア群を挟んで抜き出し部材と反対側に薄板コアを係止する受け部材を用いることなく、積層コアとともに積層コアに続く薄板コアが積層コアとともに抜き出されることを防止する。積層コアの抜き出し作業が中断されないので、製造装置を自動化することにより薄板コア群から連続して積層コアを抜き出すことができる。
【0012】
本発明の請求項9または10記載の積層コア製造装置によると、係止部材および抜き出し部材の積層方向の位置、あるいは受け部材の積層方向の位置を薄板コアの板厚情報に基づき調整する。つまり、受け部材が薄板コア群と当接する積層方向の位置を調整する。受け部材が積層コアを構成する薄板コアと当接せず、積層コアに続く薄板コアと当接するので、積層コアに続く薄板コアが積層コアとともに薄板コア群から抜き出されることを防止するとともに、積層コアの最後尾に位置する薄板コアが抜き出し部材と受け部材との間で挟持されることを防止する。積層コアの抜き出し作業が中断されないので、製造装置を自動化することにより薄板コア群から連続して積層コアを抜き出すことができる。
【0013】
本発明の請求項11記載の積層コア製造方法によると、薄板コアの板厚情報に基づき、抜き出し部材および受け部材の少なくとも一方の薄板コア群に対する積層方向の相対位置を調整する。つまり、薄板コア群に対し抜き出し部材または受け部材の積層方向の位置を調整するか、あるいは抜き出し部材および受け部材に対し薄板コア群の積層方向の位置を調整する。薄板コアの板厚がばらついても、抜き出し部材が積層コアの最後尾に位置する薄板コアと当接し、受け部材が積層コアに続く少なくとも1枚の薄板コアと当接する。したがって、積層コアに続く薄板コアが積層コアとともに薄板コア群から抜き出されることを防止するとともに、積層コアの最後尾に位置する薄板コアが抜き出し部材と受け部材との間で挟持されることを防止する。積層コアの抜き出し作業が中断されないので、製造装置を自動化することにより薄板コア群から連続して積層コアを抜き出すことができる。
【0014】
本発明の請求項12記載の積層コア製造方法によると、母材をプレスして薄板コアを形成する前に母材に記録されている板厚情報を取得し、この板厚情報に基づき一つの母材から形成された薄板コア群の積層方向の移動量を調整する。したがって、母材毎に薄板コア群の積層方向の調整量を一定にすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を示す複数の実施例を図に基づいて説明する。
(第1実施例)
本発明の第1実施例による積層コア製造装置を図4に示す。プレス装置10は、薄板状の母材から図3に示す略T字状の薄板コア22を打ち抜く。母材はロール状に巻かれており、母材製造時の板厚情報がバーコードまたは2次元コード等により母材に記録されている。プレス装置10で母材を打ち抜く前に、図示しない読み取り装置により母材に記録されている板厚情報を読みとっておく。読みとった板厚情報は、図1に示す制御装置80に送出される。制御装置80は、特許請求の範囲に記載した調整装置の一部を構成している。
【0016】
母材から打ち抜かれた薄板コア22は、図4に示す搬送シュート12を通り付勢手段としてのコンベア14に送られる。薄板コア22は搬送レール16に支持されながら、コンベア14により係止部材としてのベース30側に送られる。ベース30側に送られた薄板コア22はベース30に係止され、ベース30側から積層されていく。積層された薄板コア22は薄板コア群20を形成している。
図1に示す調整装置40は、駆動部42およびシャフト44を有している。シャフト44は駆動部42の駆動力によりベース30から薄板コア群20側に突出可能である。
【0017】
抜き出し部材50は図示しない駆動部とともに抜き出し装置を構成しており、薄板コア群20の先頭から所定厚みの積層コア60を構成する薄板コア22と当接している。抜き出し部材50は、薄板コア群20の積層方向の軸線と直交する図1の上下方向に駆動される。受け部材52は、薄板コア群20を挟んで抜き出し部材50と反対側に設置されており、積層コア60に続く少なくとも1枚の薄板コア22と当接している。受け部材52と抜き出し部材50との積層方向の間隔は、ほぼ1枚の薄板コア22の板厚から2枚の薄板コア22よりも小さい板厚の間で設定されている。第1実施例では、受け部材52と抜き出し部材50との積層方向の間隔は、ほぼ1枚の薄板コア22の板厚に設定されている。
図3に示す視覚装置としてのモニタカメラ70は、所定の厚みに積層された積層コア60の最後尾に位置する薄板コア22の板厚方向の中央部を検出する。
【0018】
図1および図3に示す制御装置80は、プレス装置10で薄板コア22を打ち抜く前に読み取り装置が母材から読みとった板厚情報、ならびにモニタカメラ70が検出する積層コア60の最後尾に位置する薄板コア22の板厚方向の中央部の位置を視覚情報として入力する。制御装置80は、これら板厚情報および視覚情報に基づき、シャフト44の突き出し量を制御する。図1および図3では制御装置80を一つで示しているが、調整装置40、抜き出し装置のそれぞれに制御装置を設置してもよい。
【0019】
次に、積層コア60の製造方法について説明する。
(1)まず、プレス装置10で母材をプレスし薄板コア22を形成する前に母材の板厚情報を読み取り装置により読み取り、読み取り装置から制御装置80に送出しておく。制御装置80は、この板厚情報に基づき、積層コア60の最後尾に位置する薄板コア22の板厚方向の中央部に抜き出し部材50の当接端位置がくるようにシャフト44の突出量を算出する。
(2)母材から板厚情報を取得した後、プレス装置10により母材から薄板コア22の打ち抜きを開始する。
【0020】
(3)図1の(B)に示すように、調整装置40の駆動部42は、制御装置80が算出した突出量になるように薄板コア群20に向けシャフト44を突出させる。すると、図2に示すように、積層コア60の最後尾に位置する薄板コア22の板厚方向の中央部に抜き出し部材50の当接端が設定され、積層コア60に続く薄板コア22の板厚方向の中央部に受け部材52の当接端が設定される。
【0021】
(4)制御装置80は、抜き出し装置の駆動部42を制御し、図1の(C)に示すように抜き出し部材50を上方に移動させることにより薄板コア群20から積層コア60を抜き出す。積層コア60に続く薄板コア22は受け部材52により係止されているので、薄板コア群20に留まっている。
(5)図1の(C)に示すように薄板コア群20から抜き出された積層コア60は、図示しない装置により薄板コア群20から取り出される。
【0022】
プレス装置10で母材を打ち抜いて形成された薄板コア22はコンベア14に搬送されてベース30側に送られてくるので、次の積層コア60を抜き出すため、上記(4)および(5)の工程を繰り返す。一つの母材を加工し終わったら次の母材をセットし、上記(1)の工程から開始する。
【0023】
上記(1)から(5)の工程において、(1)は薄板コア22の板厚情報を得る情報取得工程であり、(2)はプレス工程であり、(3)は薄板コア群20の積層方向の位置を調整する調整工程であり、(4)および(5)は薄板コア群20から積層コア60を抜き出す抜き出し工程である。
【0024】
第1実施例では、母材の板厚情報に基づき、薄板コア群20の積層方向の位置を調整することにより、積層コア60の最後尾に位置する薄板コア22の板厚方向のほぼ中央部に抜き出し部材50の当接端位置が設定される。受け部材52は積層方向に1枚の薄板コア22の板厚分抜き出し部材50から離れているので、積層コア60に続く薄板コア22の板厚方向のほぼ中央部に受け部材52の当接端位置が設定される。
【0025】
積層コア60の最後尾に位置する薄板コア22が抜き出し部材50と受け部材52との間に挟持されることを防止するとともに、受け部材52が積層コア60に続く薄板コア22を確実に係止する。したがって、積層コア60の渦電流損失を低減するために薄板コア22の板厚を薄くしても、薄板コア22を破損することなく薄板コア群20から確実に積層コア60を抜き出すことができる。積層コア60の抜き出し工程を中断することなく、連続して積層コア60を製造することができる。したがって、積層コア製造装置の自動化に適している。
【0026】
また、抜き出し部材50が積層コア60を抜き出すときに積層コア60が抜き出し方向と反対方向に受ける抵抗の大きさを検出する検出装置を設置し、検出装置が検出する抵抗値が所定値以上であれば、受け部材52と抜き出し部材50とが同じ薄板コア22を挟持していると判断し、調整装置40により薄板コア群20の積層方向の位置を調整することも可能である。積層コア60が抜き出し方向と逆方向に受ける抵抗の大きさを検出する検出装置を用いることにより、抜き出し部材50と受け部材52とが同じ薄板コア22を挟持することを確実に防止する。積層コア60の抜き出し工程で薄板コア22が破損することを防止するので、積層コア60の製造が中断することを防止する。
【0027】
第1実施例では、ベース30、抜き出し部材50および受け部材52に対し、シャフト44の突出量を調整し薄板コア群20の積層方向の位置を調整した。これに対し、薄板コア22の板厚情報に基づき受け部材52の積層方向の位置を調整してもよい。また、薄板コア22の板厚情報に基づき、受け部材52に対しベース30および抜き出し部材50の積層方向の位置を調整してもよい。この場合、ベース30および抜き出し部材50を図1の右方向である薄板コア群20の付勢方向に移動してもよい。
【0028】
(第2実施例)
本発明の第2実施例を図5に示す。第1実施例と実質的に同一部分に同一符号を付す。第2実施例においても、第1実施例と同様に薄板コア22の板厚情報に基づき薄板コア群20の積層方向の位置を調整する。
第2実施例では、第1実施例の受け部材52に代え、吸引手段として電磁石90を用いている。電磁石90は薄板コア群20に対し抜き出し部材50と同じ側に設置されている。制御装置80は、抜き出し部材50が積層コア60を抜き出すときに電磁石90への通電をオンし、それ以外のとき電磁石90への通電をオフする。電磁石90は、積層コア60に続く薄板コア22、あるいは積層コア60の最後尾に位置する薄板コア22および積層コア60に続く薄板コア22を磁力で吸引する。
【0029】
薄板コア群20に対し抜き出し部材50と同じ側に電磁石90が設置されているので、抜き出し部材50が薄板コア群20から積層コア60を抜き出すとき、積層コア60の最後尾に位置する薄板コア22が部材間に挟持されることを確実に防止する。電磁石90に代え永久磁石を用いることも可能である。
【0030】
以上説明した上記複数の実施例では、母材をプレス加工する前に母材に記録した板厚情報を読みとり、この板厚情報に基づき薄板コア群20の積層方向の位置を調整した。他の方法として、母材の板厚情報を計測するなどして予め入手し、入手した板厚情報に基づき操作者が駆動部42を制御する制御装置80にシャフト44の突出量を入力してもよい。
また、ベース30側に薄板コア群20を付勢する付勢手段として、コンベア14以外に、薄板コア22を重力方向に積層し重力でベース30に薄板コア群20を付勢してもよい。
【0031】
積層コア60の最後尾に位置する薄板コア22の板厚方向の中央部を検出するモニタカメラ70に代え、積層コア60に走査光線を照射し、積層コア60から反射する反射光線を入力して薄板コア22の境界を検出するセンサを用い、積層コア60の最後尾に位置する薄板コア22の板厚方向の中央部を検出してもよい。
【0032】
積層コア60の積層方向の調整量は、抜き出し部材50の当接端位置が積層コア60の最後尾に位置する薄板コア22の中央部になるように設定されることが望ましい。最後尾に位置する薄板コア22の中央部に限らず、抜き出し部材50が積層コア60の最後尾に位置する薄板コア22に確実に当接し、積層コア60に続く薄板コア22と当接しない範囲内で薄板コア群20の積層方向の位置が調整されればよい。
また、薄板コア群20から積層コア60を抜き出す前に、積層コア60を溶接等で結合しておいてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における積層コアの抜き出し工程を示しており、(A)はベース付近の薄板コア群を示す説明図であり、(B)は薄板コア群の積層方向を調整する状態を示す説明図であり、(C)は積層コアを抜き出す状態を示す説明図である。
【図2】抜き出し部材と受け部材との位置を示す説明図である。
【図3】薄板コアの形状を示す正面図である。
【図4】第1実施例の積層コア製造装置の全体を示す説明図である。
【図5】本発明の第2実施例における積層コアの抜き出し工程を示しており、(A)はベース付近の薄板コア群を示す説明図であり、(B)は薄板コア群の積層方向を調整する状態を示す説明図であり、(C)は積層コアを抜き出す状態を示す説明図である。
【符号の説明】
10 プレス装置
14 コンベア(付勢手段)
20 薄板コア群
22 薄板コア
30 ベース(係止部材)
40 調整装置
42 駆動部
44 シャフト
50 抜き出し部材(抜き出し装置)
52 受け部材
60 積層コア
70 モニタカメラ(視覚装置)
80 制御装置
90 電磁石(吸引手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の厚みに薄板コアを積層して構成される積層コアを薄板コア群から抜き出す積層コア製造装置および積層コア製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
所定の厚みに積層して構成される積層コアを薄板コアを積層した薄板コア群から抜き出す積層コア製造装置として、実開平5−95185号公報に開示されているものが知られている。積層コア製造装置は、薄板コア群から積層コアを抜き出すため、薄板コア群の積層方向に沿った軸線と直交する方向に積層コアを押し出す切り出し刃と、薄板コア群を挟んで切り出し刃と反対側に設置されている受け刃とを備えている。
【0003】
切り出し刃は、薄板コア群の先頭から積層コアを構成する最後尾の薄板コアまでと当接し、薄板コア群から積層コアを押し出す。受け刃は、積層コアの最後尾の薄板コアの直後に位置する薄板コアが抜き出し対象の積層コアとともに抜き出されることを防止するため、少なくとも積層コアの最後尾の薄板コアの直後に位置する薄板コアを係止する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、薄板コアの板厚のばらつきが大きいと、切り出し刃が薄板コア群から積層コアを抜き出すときに失敗することがある。例えば、薄板コアの板厚方向における切り出し刃と受け刃との間隔が大きいと、積層コアの最後尾の薄板コアの直後に位置する薄板コアを受け刃が係止せず積層コアに続く薄板コアが積層コアとともに抜き出されることがある。逆に、薄板コアの板厚方向における切り出し刃と受け刃との間隔が小さいと、切り出し刃が押し出す薄板コアと受け刃が係止する薄板コアとが同じになり、薄板コアが破損することがある。
【0005】
特に、積層コアの渦電流損失を低減するために薄板コアの板厚を薄くすると、薄板コアの板厚方向における切り出し刃と受け刃との間隔を小さくする必要があるので、薄板コアの板厚のばらつきにより積層コアの抜き出しに失敗しやすくなる。
本発明の目的は、薄板コア群から積層コアだけを確実に抜き出す積層コア製造装置および積層コア製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1または7記載の積層コア製造装置によると、薄板コア群の積層方向の位置を薄板コアの板厚情報に基づき調整する。薄板コア群の積層方向の位置を調整すると、薄板コア群に含まれる積層コアの積層方向の位置が調整される。ここで薄板コア群の積層方向とは、薄板コアが積層されていく方向だけでなく、その反対方向も含んでいる。薄板コアの板厚がばらついても、抜き出し部材が積層コアの最後尾に位置する薄板コアと当接し、受け部材が積層コアに続く少なくとも1枚の薄板コアと当接する。したがって、積層コアに続く薄板コアが積層コアとともに薄板コア群から抜き出されることを防止する。また、積層コアの最後尾に位置する薄板コアが抜き出し部材と受け部材との間で挟持されることを防止し、薄板コアの破損を防止する。積層コアの抜き出し作業が中断されないので、製造装置を自動化することにより薄板コア群から連続して積層コアを抜き出すことができる。
【0007】
本発明の請求項2記載の積層コア製造装置によると、薄板コアの母材をプレスする前に取得した母材の板厚情報に基づき、一つの母材から形成された薄板コア群の積層方向の位置を調整する。したがって、母材毎に薄板コア群の積層方向の位置を調整する調整量を一定にすることができる。
【0008】
本発明の請求項3記載の積層コア製造装置によると、積層コアの最後尾に位置する薄板コアの板厚方向のほぼ中央部に抜き出し部材の当接端位置が調整される。したがって、積層コアに続く薄板コアと抜き出し部材が当接することを防止するとともに、薄板コア群から所定厚の積層コアを確実に抜き出すことができる。
【0009】
本発明の請求項4または5記載の積層コア製造装置によると、視覚装置またはセンサが検出する情報に基づき、積層コアの最後尾に位置する薄板コアの板厚方向のほぼ中央部に抜き出し部材の当接端位置が調整される。抜き出し部材の当接端位置が積層コアの最後尾に位置する薄板コアの中央部に確実に調整されるので、積層コアに続く薄板コアと抜き出し部材が当接することを防止するとともに、薄板コア群から所定厚の積層コアを確実に抜き出すことができる。
【0010】
本発明の請求項6記載の積層コア製造装置によると、抜き出し部材が積層コアを抜き出すときに抜き出し方向と反対方向に受ける抵抗値の大きさが所定値以上であれば、抵抗値の大きさが所定値よりも小さくなるように薄板コア群の積層方向の位置を調整する。抵抗値が大きいと、抜き出し部材と受け部材とが同じ薄板コアを挟持していることを示している。所定値より小さい抵抗値になるように薄板コア群の積層方向の位置を調整することにより、抜き出し部材と受け部材とが同じ薄板コアを挟持することを防止できる。
【0011】
本発明の請求項8記載の積層コア製造装置によると、薄板コア群の積層方向の位置を薄板コアの板厚情報に基づき調整するので、薄板コアの板厚がばらついても、抜き出し部材が積層コアの最後尾に位置する薄板コアと当接する。さらに、吸引手段が、積層コアに続く少なくとも1枚の薄板コア、あるいは積層コアの最後尾に位置する薄板コアおよび積層コアに続く少なくとも1枚の薄板コアを吸引する。薄板コア群を挟んで抜き出し部材と反対側に薄板コアを係止する受け部材を用いることなく、積層コアとともに積層コアに続く薄板コアが積層コアとともに抜き出されることを防止する。積層コアの抜き出し作業が中断されないので、製造装置を自動化することにより薄板コア群から連続して積層コアを抜き出すことができる。
【0012】
本発明の請求項9または10記載の積層コア製造装置によると、係止部材および抜き出し部材の積層方向の位置、あるいは受け部材の積層方向の位置を薄板コアの板厚情報に基づき調整する。つまり、受け部材が薄板コア群と当接する積層方向の位置を調整する。受け部材が積層コアを構成する薄板コアと当接せず、積層コアに続く薄板コアと当接するので、積層コアに続く薄板コアが積層コアとともに薄板コア群から抜き出されることを防止するとともに、積層コアの最後尾に位置する薄板コアが抜き出し部材と受け部材との間で挟持されることを防止する。積層コアの抜き出し作業が中断されないので、製造装置を自動化することにより薄板コア群から連続して積層コアを抜き出すことができる。
【0013】
本発明の請求項11記載の積層コア製造方法によると、薄板コアの板厚情報に基づき、抜き出し部材および受け部材の少なくとも一方の薄板コア群に対する積層方向の相対位置を調整する。つまり、薄板コア群に対し抜き出し部材または受け部材の積層方向の位置を調整するか、あるいは抜き出し部材および受け部材に対し薄板コア群の積層方向の位置を調整する。薄板コアの板厚がばらついても、抜き出し部材が積層コアの最後尾に位置する薄板コアと当接し、受け部材が積層コアに続く少なくとも1枚の薄板コアと当接する。したがって、積層コアに続く薄板コアが積層コアとともに薄板コア群から抜き出されることを防止するとともに、積層コアの最後尾に位置する薄板コアが抜き出し部材と受け部材との間で挟持されることを防止する。積層コアの抜き出し作業が中断されないので、製造装置を自動化することにより薄板コア群から連続して積層コアを抜き出すことができる。
【0014】
本発明の請求項12記載の積層コア製造方法によると、母材をプレスして薄板コアを形成する前に母材に記録されている板厚情報を取得し、この板厚情報に基づき一つの母材から形成された薄板コア群の積層方向の移動量を調整する。したがって、母材毎に薄板コア群の積層方向の調整量を一定にすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を示す複数の実施例を図に基づいて説明する。
(第1実施例)
本発明の第1実施例による積層コア製造装置を図4に示す。プレス装置10は、薄板状の母材から図3に示す略T字状の薄板コア22を打ち抜く。母材はロール状に巻かれており、母材製造時の板厚情報がバーコードまたは2次元コード等により母材に記録されている。プレス装置10で母材を打ち抜く前に、図示しない読み取り装置により母材に記録されている板厚情報を読みとっておく。読みとった板厚情報は、図1に示す制御装置80に送出される。制御装置80は、特許請求の範囲に記載した調整装置の一部を構成している。
【0016】
母材から打ち抜かれた薄板コア22は、図4に示す搬送シュート12を通り付勢手段としてのコンベア14に送られる。薄板コア22は搬送レール16に支持されながら、コンベア14により係止部材としてのベース30側に送られる。ベース30側に送られた薄板コア22はベース30に係止され、ベース30側から積層されていく。積層された薄板コア22は薄板コア群20を形成している。
図1に示す調整装置40は、駆動部42およびシャフト44を有している。シャフト44は駆動部42の駆動力によりベース30から薄板コア群20側に突出可能である。
【0017】
抜き出し部材50は図示しない駆動部とともに抜き出し装置を構成しており、薄板コア群20の先頭から所定厚みの積層コア60を構成する薄板コア22と当接している。抜き出し部材50は、薄板コア群20の積層方向の軸線と直交する図1の上下方向に駆動される。受け部材52は、薄板コア群20を挟んで抜き出し部材50と反対側に設置されており、積層コア60に続く少なくとも1枚の薄板コア22と当接している。受け部材52と抜き出し部材50との積層方向の間隔は、ほぼ1枚の薄板コア22の板厚から2枚の薄板コア22よりも小さい板厚の間で設定されている。第1実施例では、受け部材52と抜き出し部材50との積層方向の間隔は、ほぼ1枚の薄板コア22の板厚に設定されている。
図3に示す視覚装置としてのモニタカメラ70は、所定の厚みに積層された積層コア60の最後尾に位置する薄板コア22の板厚方向の中央部を検出する。
【0018】
図1および図3に示す制御装置80は、プレス装置10で薄板コア22を打ち抜く前に読み取り装置が母材から読みとった板厚情報、ならびにモニタカメラ70が検出する積層コア60の最後尾に位置する薄板コア22の板厚方向の中央部の位置を視覚情報として入力する。制御装置80は、これら板厚情報および視覚情報に基づき、シャフト44の突き出し量を制御する。図1および図3では制御装置80を一つで示しているが、調整装置40、抜き出し装置のそれぞれに制御装置を設置してもよい。
【0019】
次に、積層コア60の製造方法について説明する。
(1)まず、プレス装置10で母材をプレスし薄板コア22を形成する前に母材の板厚情報を読み取り装置により読み取り、読み取り装置から制御装置80に送出しておく。制御装置80は、この板厚情報に基づき、積層コア60の最後尾に位置する薄板コア22の板厚方向の中央部に抜き出し部材50の当接端位置がくるようにシャフト44の突出量を算出する。
(2)母材から板厚情報を取得した後、プレス装置10により母材から薄板コア22の打ち抜きを開始する。
【0020】
(3)図1の(B)に示すように、調整装置40の駆動部42は、制御装置80が算出した突出量になるように薄板コア群20に向けシャフト44を突出させる。すると、図2に示すように、積層コア60の最後尾に位置する薄板コア22の板厚方向の中央部に抜き出し部材50の当接端が設定され、積層コア60に続く薄板コア22の板厚方向の中央部に受け部材52の当接端が設定される。
【0021】
(4)制御装置80は、抜き出し装置の駆動部42を制御し、図1の(C)に示すように抜き出し部材50を上方に移動させることにより薄板コア群20から積層コア60を抜き出す。積層コア60に続く薄板コア22は受け部材52により係止されているので、薄板コア群20に留まっている。
(5)図1の(C)に示すように薄板コア群20から抜き出された積層コア60は、図示しない装置により薄板コア群20から取り出される。
【0022】
プレス装置10で母材を打ち抜いて形成された薄板コア22はコンベア14に搬送されてベース30側に送られてくるので、次の積層コア60を抜き出すため、上記(4)および(5)の工程を繰り返す。一つの母材を加工し終わったら次の母材をセットし、上記(1)の工程から開始する。
【0023】
上記(1)から(5)の工程において、(1)は薄板コア22の板厚情報を得る情報取得工程であり、(2)はプレス工程であり、(3)は薄板コア群20の積層方向の位置を調整する調整工程であり、(4)および(5)は薄板コア群20から積層コア60を抜き出す抜き出し工程である。
【0024】
第1実施例では、母材の板厚情報に基づき、薄板コア群20の積層方向の位置を調整することにより、積層コア60の最後尾に位置する薄板コア22の板厚方向のほぼ中央部に抜き出し部材50の当接端位置が設定される。受け部材52は積層方向に1枚の薄板コア22の板厚分抜き出し部材50から離れているので、積層コア60に続く薄板コア22の板厚方向のほぼ中央部に受け部材52の当接端位置が設定される。
【0025】
積層コア60の最後尾に位置する薄板コア22が抜き出し部材50と受け部材52との間に挟持されることを防止するとともに、受け部材52が積層コア60に続く薄板コア22を確実に係止する。したがって、積層コア60の渦電流損失を低減するために薄板コア22の板厚を薄くしても、薄板コア22を破損することなく薄板コア群20から確実に積層コア60を抜き出すことができる。積層コア60の抜き出し工程を中断することなく、連続して積層コア60を製造することができる。したがって、積層コア製造装置の自動化に適している。
【0026】
また、抜き出し部材50が積層コア60を抜き出すときに積層コア60が抜き出し方向と反対方向に受ける抵抗の大きさを検出する検出装置を設置し、検出装置が検出する抵抗値が所定値以上であれば、受け部材52と抜き出し部材50とが同じ薄板コア22を挟持していると判断し、調整装置40により薄板コア群20の積層方向の位置を調整することも可能である。積層コア60が抜き出し方向と逆方向に受ける抵抗の大きさを検出する検出装置を用いることにより、抜き出し部材50と受け部材52とが同じ薄板コア22を挟持することを確実に防止する。積層コア60の抜き出し工程で薄板コア22が破損することを防止するので、積層コア60の製造が中断することを防止する。
【0027】
第1実施例では、ベース30、抜き出し部材50および受け部材52に対し、シャフト44の突出量を調整し薄板コア群20の積層方向の位置を調整した。これに対し、薄板コア22の板厚情報に基づき受け部材52の積層方向の位置を調整してもよい。また、薄板コア22の板厚情報に基づき、受け部材52に対しベース30および抜き出し部材50の積層方向の位置を調整してもよい。この場合、ベース30および抜き出し部材50を図1の右方向である薄板コア群20の付勢方向に移動してもよい。
【0028】
(第2実施例)
本発明の第2実施例を図5に示す。第1実施例と実質的に同一部分に同一符号を付す。第2実施例においても、第1実施例と同様に薄板コア22の板厚情報に基づき薄板コア群20の積層方向の位置を調整する。
第2実施例では、第1実施例の受け部材52に代え、吸引手段として電磁石90を用いている。電磁石90は薄板コア群20に対し抜き出し部材50と同じ側に設置されている。制御装置80は、抜き出し部材50が積層コア60を抜き出すときに電磁石90への通電をオンし、それ以外のとき電磁石90への通電をオフする。電磁石90は、積層コア60に続く薄板コア22、あるいは積層コア60の最後尾に位置する薄板コア22および積層コア60に続く薄板コア22を磁力で吸引する。
【0029】
薄板コア群20に対し抜き出し部材50と同じ側に電磁石90が設置されているので、抜き出し部材50が薄板コア群20から積層コア60を抜き出すとき、積層コア60の最後尾に位置する薄板コア22が部材間に挟持されることを確実に防止する。電磁石90に代え永久磁石を用いることも可能である。
【0030】
以上説明した上記複数の実施例では、母材をプレス加工する前に母材に記録した板厚情報を読みとり、この板厚情報に基づき薄板コア群20の積層方向の位置を調整した。他の方法として、母材の板厚情報を計測するなどして予め入手し、入手した板厚情報に基づき操作者が駆動部42を制御する制御装置80にシャフト44の突出量を入力してもよい。
また、ベース30側に薄板コア群20を付勢する付勢手段として、コンベア14以外に、薄板コア22を重力方向に積層し重力でベース30に薄板コア群20を付勢してもよい。
【0031】
積層コア60の最後尾に位置する薄板コア22の板厚方向の中央部を検出するモニタカメラ70に代え、積層コア60に走査光線を照射し、積層コア60から反射する反射光線を入力して薄板コア22の境界を検出するセンサを用い、積層コア60の最後尾に位置する薄板コア22の板厚方向の中央部を検出してもよい。
【0032】
積層コア60の積層方向の調整量は、抜き出し部材50の当接端位置が積層コア60の最後尾に位置する薄板コア22の中央部になるように設定されることが望ましい。最後尾に位置する薄板コア22の中央部に限らず、抜き出し部材50が積層コア60の最後尾に位置する薄板コア22に確実に当接し、積層コア60に続く薄板コア22と当接しない範囲内で薄板コア群20の積層方向の位置が調整されればよい。
また、薄板コア群20から積層コア60を抜き出す前に、積層コア60を溶接等で結合しておいてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における積層コアの抜き出し工程を示しており、(A)はベース付近の薄板コア群を示す説明図であり、(B)は薄板コア群の積層方向を調整する状態を示す説明図であり、(C)は積層コアを抜き出す状態を示す説明図である。
【図2】抜き出し部材と受け部材との位置を示す説明図である。
【図3】薄板コアの形状を示す正面図である。
【図4】第1実施例の積層コア製造装置の全体を示す説明図である。
【図5】本発明の第2実施例における積層コアの抜き出し工程を示しており、(A)はベース付近の薄板コア群を示す説明図であり、(B)は薄板コア群の積層方向を調整する状態を示す説明図であり、(C)は積層コアを抜き出す状態を示す説明図である。
【符号の説明】
10 プレス装置
14 コンベア(付勢手段)
20 薄板コア群
22 薄板コア
30 ベース(係止部材)
40 調整装置
42 駆動部
44 シャフト
50 抜き出し部材(抜き出し装置)
52 受け部材
60 積層コア
70 モニタカメラ(視覚装置)
80 制御装置
90 電磁石(吸引手段)
Claims (12)
- 薄板コアを積層した薄板コア群から、所定の厚みに前記薄板コアを積層して構成されている積層コアを抜き出す積層コア製造装置であって、
一方向に前記薄板コア群を付勢する付勢手段と、
前記付勢手段により付勢される前記薄板コア群の先頭を係止する係止部材と、
前記積層コアを構成する前記薄板コアと当接する抜き出し部材を有し、前記薄板コア群の積層方向に沿った軸線と直交する方向に前記抜き出し部材を移動することにより前記薄板コア群から前記積層コアを抜き出す抜き出し装置と、
前記薄板コア群を挟んで前記抜き出し部材と反対側に設置され、前記積層コアに続く少なくとも1枚の前記薄板コアと当接し、前記抜き出し部材の移動により前記薄板コア群から前記積層コアが抜き出されるとき、前記積層コアに続く前記薄板コアを係止する受け部材と、
前記薄板コア群の積層方向の位置を前記薄板コアの板厚情報に基づき調整する調整装置と、
を備えることを特徴とする積層コア製造装置。 - 板状の母材から前記薄板コアをプレスして形成するプレス装置と、前記母材に記録されている板厚情報を読み取り前記調整装置に送出する読み取り装置とを備えることを特徴とする請求項1記載の積層コア製造装置。
- 前記積層コアの最後尾に位置する前記薄板コアに前記抜き出し部材が当接する当接端位置が前記積層コアの最後尾に位置する前記薄板コアの板厚方向のほぼ中央部になるように、前記調整装置は前記薄板コア群の積層方向の位置を調整することを特徴とする請求項1または2記載の積層コア製造装置。
- 前記積層コアの最後尾の前記薄板コアの中央部を検出する視覚装置を備え、前記視覚装置が検出する視覚情報に基づき、前記当接端位置が前記積層コアの最後尾に位置する前記薄板コアの板厚方向のほぼ中央部になるように、前記調整装置は前記薄板コア群の積層方向の位置を調整することを特徴とする請求項3記載の積層コア製造装置。
- 前記積層コアの最後尾の前記薄板コアの中央部を検出するセンサを備え、前記センサが検出するセンサ情報に基づき、前記当接端位置が前記積層コアの最後尾に位置する前記薄板コアの板厚方向のほぼ中央部になるように、前記調整装置は前記薄板コア群の積層方向の位置を調整することを特徴とする請求項3記載の積層コア製造装置。
- 前記抜き出し部材が前記積層コアを抜き出すときに抜き出し方向と反対方向に前記抜き出し部材が受ける抵抗値を検出する検出装置を備え、前記検出装置が検出する抵抗値が所定値以上であると、抵抗値が所定値よりも小さくなるように前記調整装置は前記薄板コア群の積層方向の位置を調整することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項記載の積層コア製造装置。
- 前記積層コアの所定の厚みを基準値とし、前記抜き出し部材が抜き出す前記積層コアの厚みが極力前記基準値に近づくように、前記調整装置は前記薄板コア群の積層方向の位置を調整することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項記載の積層コア製造装置。
- 薄板コアを積層した薄板コア群から、所定の厚みに前記薄板コアを積層して構成されている積層コアを抜き出す積層コア製造装置であって、
一方向に前記薄板コア群を付勢する付勢手段と、
前記付勢手段により付勢される前記薄板コア群の先頭を係止する係止部材と、
前記積層コアに続く少なくとも1枚の前記薄板コア、あるいは前記積層コアの最後尾に位置する前記薄板コアおよび前記積層コアに続く少なくとも1枚の前記薄板コアを吸引する吸引手段と、
前記積層コアを構成する前記薄板コアと当接する抜き出し部材を有し、前記薄板コア群の積層方向に沿った軸線と直交する方向に前記抜き出し部材を移動することにより前記吸引手段の吸引力に抗し前記薄板コア群から前記積層コアを抜き出す抜き出し装置と、
前記薄板コア群の積層方向の位置を前記薄板コアの板厚情報に基づき調整する調整装置と、
を備えることを特徴とする積層コア製造装置。 - 薄板コアを積層した薄板コア群から、所定の厚みに前記薄板コアを積層して構成されている積層コアを抜き出す積層コア製造装置であって、
一方向に前記薄板コア群を付勢する付勢手段と、
前記付勢手段により付勢される前記薄板コア群の先頭を係止する係止部材と、
前記積層コアを構成する前記薄板コアと当接する抜き出し部材を有し、前記薄板コア群の積層方向に沿った軸線と直交する方向に前記抜き出し部材を移動することにより前記薄板コア群から前記積層コアを抜き出す抜き出し装置と、
前記薄板コア群を挟んで前記抜き出し部材と反対側に設置され、前記積層コアに続く少なくとも1枚の薄板コアと当接し、前記薄板コア群から前記積層コアが抜き出されるとき、前記積層コアに続く前記薄板コアを係止する受け部材と、
前記係止部材および前記抜き出し部材の積層方向の位置を、前記薄板コアの板厚情報に基づき調整する調整装置と、
を備えることを特徴とする積層コア製造装置。 - 薄板コアを積層した薄板コア群から、所定の厚みに前記薄板コアを積層して構成されている積層コアを抜き出す積層コア製造装置であって、
一方向に前記薄板コア群を付勢する付勢手段と、
前記付勢手段により付勢される前記薄板コア群の先頭を係止する係止部材と、
前記積層コアを構成する前記薄板コアと当接する抜き出し部材を有し、前記薄板コア群の積層方向に沿った軸線と直交する方向に前記抜き出し部材を移動することにより前記薄板コア群から前記積層コアを抜き出す抜き出し装置と、
前記薄板コア群を挟んで前記抜き出し部材と反対側に設置され、前記積層コアに続く少なくとも1枚の薄板コアと当接し、前記薄板コア群から前記積層コアが抜き出されるとき、前記積層コアに続く前記薄板コアを係止する受け部材と、
前記受け部材の積層方向の位置を、前記薄板コアの板厚情報に基づき調整する調整装置と、
を備えることを特徴とする積層コア製造装置。 - 薄板コアを積層した薄板コア群から、所定の厚みに前記薄板コアを積層して構成されている積層コアを抜き出す積層コア製造方法であって、
前記積層コアを構成する前記薄板コアと当接し、前記薄板コア群の積層方向に沿った軸線と直交する方向に移動することにより前記薄板コア群から前記積層コアを抜き出す抜き出し部材と、前記薄板コア群を挟んで前記抜き出し部材と反対側に設置され、前記積層コアに続く少なくとも1枚の前記薄板コアと当接し、前記抜き出し部材の移動により前記薄板コア群から前記積層コアが抜き出されるとき、前記積層コアに続く前記薄板コアを係止する受け部材とを用い、
前記薄板コアの板厚情報に基づき、前記抜き出し部材および前記受け部材の少なくとも一方の前記薄板コア群に対する積層方向の相対位置を調整することを特徴とする積層コア製造方法。 - 母材をプレスして前記薄板コアを形成するプレス工程と、前記プレス工程の前に前記母材に記録されている板厚情報を取得する情報取得工程とを含み、一つの母材からプレス形成された前記薄板コアからなる前記薄板コア群において、前記薄板コア群に対する前記抜き出し部材および前記受け部材の少なくとも一方の積層方向の相対位置を前記情報取得工程で得られる板厚情報に基づき調整することを特徴とする請求項11記載の積層コア製造方法。
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CN109346312A (zh) * | 2018-12-12 | 2019-02-15 | 全南群英达电子有限公司 | Mc01磁头铁芯片组自动叠片机 |
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