JP2004054075A - マイクロベンチの作製方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】窒化アルミニウム質焼結体を用いたマイクロベンチを、低コストで精度よく製造する方法を提供する。
【解決手段】本発明の作製方法は、窒化アルミニウム質焼結体表面を研磨する工程と、前記研磨された表面上の少なくとも一部分に、レーザー加工又はプラズマ放電加工によって、断面形状がV字もしくはU字型の溝を形成する工程と、前記V字もしくはU字型の溝を形成した面の少なくとも一部に研削により段差をつける工程と、前記V字もしくはU字型の溝を形成した面の少なくとも一部分に金属層を設ける工程と、前記窒化アルミニウム質焼結体を切断する工程とを経ることを特徴とする。さらに、前記V字もしくはU字型の溝を形成した面の少なくとも一部分に光導波路を形成する工程を経てもよい。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の作製方法は、窒化アルミニウム質焼結体表面を研磨する工程と、前記研磨された表面上の少なくとも一部分に、レーザー加工又はプラズマ放電加工によって、断面形状がV字もしくはU字型の溝を形成する工程と、前記V字もしくはU字型の溝を形成した面の少なくとも一部に研削により段差をつける工程と、前記V字もしくはU字型の溝を形成した面の少なくとも一部分に金属層を設ける工程と、前記窒化アルミニウム質焼結体を切断する工程とを経ることを特徴とする。さらに、前記V字もしくはU字型の溝を形成した面の少なくとも一部分に光導波路を形成する工程を経てもよい。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバと光デバイス(又は光ファイバ)を光結合させるために用いるマイクロベンチに関する。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバと光ファイバ、もしくは、光ファイバと光デバイスの光結合を行なうセルフアライメント機構として、V溝基板が使用されてきた。このV溝を利用して、光デバイス(又は光ファイバ)と光ファイバをコンパクトに結合させる基板をマイクロベンチと総称している。近年の光通信分野の著しい発展に伴い、光通信においては一層の情報の大容量化及び高速通信化が要求されている。そのため、大量の情報を短時間で送信できるよう信号の高周波化が進んでおり、マイクロベンチ上での光結合においても、信号波形を乱さず安定して通信できる技術が望まれている。また、通常光デバイスは使用時に大量の熱を発生するため、信号伝送の信頼性を保つためにも、マイクロベンチは効率よく放熱できることが重要である。このマイクロベンチを構成するV溝基板としては、セラミクス製のものやSi製のものが従来使用されており、前者はダイシング加工で、後者はダイシング加工とKOHによる異方性エッチングにより加工されてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
Si製のV溝付マイクロベンチは、異方性エッチングにより精度のよいV溝の形成が可能であるが、光デバイスを搭載する上で必要となる電極を形成する場合に、Siが半導体であるために、電極の下地に絶縁層を形成する必要があった。そのため、製造工程が多く高コストとなっている。さらに今後通信容量の増加に対応して信号の高周波化に伴い、信号波形の劣化が問題となる。
【0004】
セラミクス製のマイクロベンチは、セラミクスの材質によっては絶縁体であるとともに、高周波特性も良好である。しかし、ダイシングでV溝を形成していたため、ダイシングに使用するブレードの摩耗が激しく、溝の深さが徐々に浅くなっていくという問題がある。溝加工の精度は、光通信の信頼性に影響を与えるため、この点の改善が必要であった。
【0005】
前述のブレードの磨耗による問題を解決する方法として、特開2001−196607号公報では、窒化アルミニウムセラミクスを用い、高温中で金型を載せて加圧し形状を転写する方法でV溝を形成している。窒化アルミニウムセラミクスは熱伝導率が140W/mKと高く、光デバイスの発する熱を奪う能力が優れており、かつ絶縁材料であり、高周波特性も良好な材質である。さらに高温中で金型形状を転写させる方法はダイシングのようにブレードの摩耗による溝深さのばらつきも生じない方法として有効である。しかしながら、高温中で使用でき加圧しても変形しない金型の作製が必要であり、コスト面から、また技術的もに未だ改善の余地があった。
【0006】
したがって、本発明では、特性が優れている窒化アルミニウムを用いたマイクロベンチを低コストで精度良く製造する方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は下記構成よりなる。
本発明の第1の態様では、窒化アルミニウム質焼結体からなるマイクロベンチの作製方法において、窒化アルミニウム質焼結体表面を研磨する工程と、前記研磨された表面上の少なくとも一部分に、レーザー加工又はプラズマ放電加工によって、断面形状がV字もしくはU字型の溝を形成する工程と、前記V字もしくはU字型の溝を形成した面の少なくとも一部に研削により段差をつける工程と、前記V字もしくはU字型の溝を形成した面の少なくとも一部分に金属層を設ける工程と、前記窒化アルミニウム質焼結体を切断する工程とを経ることを特徴とするマイクロベンチの作製方法を提供する。これらの工程の組み合わせにより、マイクロベンチが作製できる。
【0008】
さらに、本発明では、前記V字もしくはU字型の溝を形成した面の少なくとも一部分に光導波路を形成する工程を経てもよい。この工程は、前記V字もしくはU字型の溝を形成した面の少なくとも一部分に金属層を設ける工程の後に行うことが好ましい。さらに光導波路を形成する工程を組合せることにより、V溝に合わせて搭載する光ファイバを直接、別途搭載する光デバイスに位置合わせするのではなく、光導波路を介して接続するマイクロベンチが作製できる。
【0009】
前記研磨表面上にV字もしくはU字型の溝を形成する工程は、窒素雰囲気中、水中及びKOH水溶液中のいずれかでレーザー加工によって実施することが好ましい。窒化アルミニウム質焼結体はレーザー照射による熱加工で先端が丸みをもったV溝を形成でき、そのレーザーの強度及び走査速度を調整することで、任意の深さの溝を得ることができる。また、窒化アルミニウム質焼結体は空気中でもレーザーで加工できるが、加工したV溝部に酸化したアルミニウム屑が付着してしまう。窒素雰囲気中、水中及びKOH水溶液中のいずれかに窒化アルミニウム質焼結体を配置してレーザー加工でV溝を形成すればアルミニウム屑が酸化せず、加工後の洗浄工程が容易になる。
【0010】
前記研磨表面上にV字もしくはU字型の溝を形成する工程は、プラズマ放電加工によって実施することが好ましい。真空チャンバー内を減圧し、その中でプラズマ放電によって熱で加工することで窒化アルミニウム質焼結体へ溝を形成することができる。その深さ及び形状は、放電用の電極形状及び投入電力、加工時間により任意に調節することができる。また低真空中ハロゲン系ガス雰囲気で、プラズマで分解したハロゲンガスと窒化アルミニウム質焼結体とを反応させた加工も可能である。
【0011】
また、本発明の第2の態様では、窒化アルミニウム質焼結体からなるマイクロベンチの作製方法において、プラズマ放電焼結法によりV字もしくはU字型の溝を形成した窒化アルミニウム質焼結体母材を形成する工程と、前記V字もしくはU字型の溝が形成された窒化アルミニウム質焼結体母材を研磨する工程と、前記V字もしくはU字型の溝を形成した面の少なくとも一部に研削により段差をつける工程と、前記V字もしくはU字型の溝を形成した面の少なくとも一部分に金属層を設ける工程と、前記窒化アルミニウム質焼結体母材を切断する工程とを経ることを特徴とするマイクロベンチの作製方法が提供される。これらの工程の組み合わせによりマイクロベンチを作製できる。
【0012】
特にプラズマ放電焼結法でV溝あるいはU溝を形成した窒化アルミニウム質焼結体を形成する工程は、カーボンなどからなる炉に窒化アルミニウム粉末を投入し、溝を転写するための突起を形成した型を当てて、高温下でプラズマ放電焼結させる。そのため、比較的安価なカーボンなどで型を作製でき経済的であるとともに、粉末状態の窒化アルミニウムに型をあてるため、型の変形や摩耗、破壊が生じ難い。
【0013】
さらに、上記の方法では、前記V字もしくはU字型の溝を形成した面の少なくとも一部に光導波路を形成する工程を組み合わせて実施してもよい。この工程は、前記V字もしくはU字型の溝を形成した面の少なくとも一部分に金属層を設ける工程の後に行うことが好ましい。光導波路を形成する工程の組み合わせにより、V溝に合わせて搭載する光ファイバを直接、別途搭載する光デバイスに位置合わせするのでなく、光導波路を介して接続するマイクロベンチが作製できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図1は本発明のV溝又はU溝付マイクロベンチの作製手順を示す一例の図である。第1の工程(a)はマイクロベンチを作製するために準備した加工前の窒化アルミニウム質焼結体1を示している。マイクロベンチに搭載する光デバイスにはレーザーダイオードのように発熱の大きなものもある。そのため、使用する窒化アルミニウム質焼結体は熱伝導率が120W/mK以上のものが好ましい。また、窒化アルミニウム質焼結体はY2O3などの添加剤を含んでいても良く、さらには焼結前のグリーンシートにあらかじめスクリーン印刷などにより配線用の金属層を形成したり、さらには上下面間を導通させるビアホールが必要に応じて形成してあっても良い。そして前記配線層とビアホールを組合せた積層基板であっても良い。ビアホールが形成してある場合は、別途光通信用のバタフライ型パッケージにボールグリッドアレイ(BGA)のように取付けることができる。さらにはマイクロベンチの外周に沿って垂直あるいは階段状に立ち上がる枠とその上に蓋をつけ、裏面のビアホールに応じた位置にはんだボールを取付けることで、超小型BGAパッケージとすることも可能となる。
【0015】
図1中、第2の工程(b)は、準備した窒化アルミニウム質焼結体1の上下面を研磨して必要とされる厚みにする工程である。マイクロベンチにおいて、窒化アルミニウム質焼結体1を研磨する方法は、研削、ラッピング、ポリッシング、ミラーポリッシングなど金属層の形成方法に応じた面粗度を得られる方法であれば、いずれの方法でも構わない。例えば、金属層の形成方法が蒸着法による薄膜形成の場合、面粗度が大きいと凹凸部にかみ込んだ汚れが金属層の密着強度を低下させる可能性があるので、ラッピング程度以上に面粗度の小さい加工方法を採用することが好ましい。特に光デバイスの搭載位置決め用アライメントマークを形成する場合は、面粗度により直線が得られない可能性があるため、ポリッシング程度以上に面粗度の小さい加工方法を採用することが好ましい。また金属層の形成方法が、スクリーン印刷による厚膜形成の場合、金属ペースト中のガラスフイラーと基板との接合で密着強度が決まるため、ミラーポリッシングのような面粗度の非常に小さい方法よりもラッピング程度の面粗度の方が、アンカー効果が得られるため好ましい。
【0016】
図1中、第3の工程(c)はマイクロベンチにV字もしくはU字型の溝を形成する工程である。溝は光ファイバの位置決めを行なうためのガイドの働きをなし、図中では1個のマイクロベンチに対して溝が1本しか形成されていないが、例えばレーザーダイオードアレイのようにファイバを複数束ねたリボンファイバを位置決めする場合は、溝を複数本並列に形成する。溝を形成する方法は、図5に示すレーザー加工、図6に示すプラズマ放電加工の方法がある。
【0017】
レーザー加工でV溝もしくはU溝を形成する場合は、図5のように、窒化アルミニウム質焼結体1をKOH水溶液8に浸し、レーザー光6を集束レンズ7を介して窒化アルミニウム質焼結体1に照射して行う。溝を形成する場合は、レーザーの光路内にミラーを設置して走査させるか、被加工物である窒化アルミニウム質焼結体を走査させる。このとき、KOH水溶液8の代わりに水等を使用しても構わない。さらに、加工室内を窒素雰囲気にして行うことができる。このとき、アルミニウム屑を酸化させない目的で雰囲気を選択すればよいため、窒素雰囲気以外にも不活性ガス雰囲気等も使用できる。しかし、ガス単体やガスの循環装置の設備に関する費用を考えると、経済面から窒素雰囲気が好ましい。また、V字もしくはU字型の溝を形成するのに使用するレーザーは、YAGレーザーや、CO2レーザー、それらの2次高調波等窒化アルミニウム質焼結体に吸収される波長域で、熱加工を実施する上で十分な強度が得られるものであれば、いかなる種類、波長のものでも構わない。
【0018】
また、図6に示すように、V字もしくはU字型の溝を形成するのに使用するプラズマ放電加工は、窒化アルミニウム質焼結体1を加工ステージに載置し、対向させた加工用電極9に高周波電源10から電力を供給し、加工用電極9の先端にプラズマを発生させる。発生させたプラズマの高温に窒化アルミニウム質焼結体1を触れさせることで熱加工によりV溝もしくはU溝2の形成を実施するため、その加工用電極9の形状は、板状電極は、板状電極の先端を、溝の形状を相似的に小さくした形にしておくことが好ましい。また電極先端を針状にし、溝の形成位置に沿って電極あるいは基板を走査させてもよい。さらには加工チャンバー内部をハロゲン系又はハロゲン化合物ガスを含んだガス雰囲気としてやり、電極先端で発生したプラズマで分解し、分解されたハロゲンを基板に反応させることで溝形状に加工してもよい。針状電極を走査させる場合は、針状電極の内部を管状にし、管内部からハロゲン系ガスを微量ずつ吹き出させる方法でも構わない。さらにこれらの方法は、マイクロベンチの段差部の加工にも応用することが可能である。
【0019】
図1中、第4の工程(d)はマイクロベンチの一部に段差部3を形成する工程である。この段差部3は光デバイスを搭載したり、光導波路を形成する際に溝に合わせて搭載された光ファイバのコアとデバイス及び導波路のコア位置を調整するために形成されるもので、その深さはデバイスに応じて決まる。マイクロベンチにおいて、V字もしくはU字型の溝を形成した面の少なくとも一部に研削により段差をつける方法は、研削砥石での加工が簡便であるが、ダイシング用の薄いブレードで、ブレード厚み分をピッチオフセットさせながら複数回走査させて形成しても構わない。また、段差をつける部分に穴をあけた窒化アルミニウムのグリーンシートを積層したものでも構わない。
【0020】
図1中、第5の工程(e)はメタライズ(金属層4の形成)の工程である。金属層4は、マイクロベンチにデバイスを搭載する時に使用するアライメントマークとして用いられる他、搭載されるデバイスがレーザーダイオードのように電気信号の入出力が必要な場合に、電気信号用の配線として用いられる。マイクロベンチにおいて、V字もしくはU字型の溝を形成した面の少なくとも一部分に金属層を設ける方法は、蒸着、スクリーン印刷などいかなる方法でも構わないが、レーザーダイオードなどの光デバイスの位置決め用アライメントマークとして使用する場合は、精度が要求されるため、半導体製造プロセスに用いられるフォトリソグラフィ技術を適用することが好ましい。
【0021】
図1中、第6の工程(f)は切断工程である。マイクロベンチの作製においては、1個ずつ個別に作製することも可能であるが、本発明においては、生産性を向上させ低コストプロセスとする目的で、図1に示したように1枚の基板上に複数個のマイクロベンチを作製し、最後に切断により分離する。マイクロベンチにおいて、V字もしくはU字型の溝を形成し、段差加工、金属層及び光導波路の形成が行なわれた基板を切断する方法は、ダイシング、スライシングのいずれかの方法が好ましいが、要求される寸法精度によってはレーザー切断や、手割りなどいかなる方法でも構わない。
【0022】
図2は本発明のV溝又はU溝と光導波路付マイクロベンチの作製手順を示す一例の図である。第1の工程(a)から第5の工程(e)までは前述の図1と同様の工程である。第6の工程(f)は光導波路5を形成する工程である。光ファイバとデバイスの間に光導波路を形成すると、ファイバとデバイスの1対1対応以外の機能を設けられる。例えば、複数のレーザーダイオードから1本の光ファイバに異なる波長の信号光を合波することや、導波路途中にバンドパスフィルタを挿入し、発振光と受信光を分離できる、FTTH(Fiber To The Home)で使用される各家庭での信号受発振デバイスなどの作製が可能となる。マイクロベンチにおいて、V字もしくはU字型の溝を形成した面の少なくとも一部に形成される光導波路は、シリカ製でもポリマー製でも構わない。シリカ製の導波路を形成する場合は、火炎堆積法や化学的気相合成法(CVD法)などの一般的な手法を用い、導波路のコアの部分には不純物を添加して、屈折率を変える。またポリマー製の導波路を形成する場合は、スピンコート法やスプレー塗布により均一厚みに塗布し、導波路のコア部分には屈折率の異なる別組成のポリマーを塗布するか、コア上部のみをマスクで開口し、添加物を浸透させる方法などを用いることができる。その後の切断工程(g)は、図1中の切断工程(f)と同様である。
【0023】
図3は、本発明の第2の態様のV溝又はU溝付マイクロベンチの作製手順を示す一例である。第1の工程(a)はプラズマ放電焼結法でV溝又はU溝付窒化アルミニウム質焼結体1を形成する工程である。カーボンなどでできているプラズマ放電焼結炉内に、粒径0.1〜20μmの窒化アルミニウム粉末を投入し、V字もしくはU字型の溝を転写するための突起を形成したカーボンなどの型を当てて、高温下でプラズマ放電焼結させる。第1の工程(a)に続く、(b)、(d)〜(f)の工程は、上記図1の(b)、(d)〜(f)の場合とそれぞれ同様である。
【0024】
図4は本発明のV溝又はU溝と光導波路付マイクロベンチの作製手順を示す一例である。第1の工程(a)から第4の工程(e)は図3に記載の方法と同様であり、第5の工程(f)及び第6の工程(g)は、図2に記載の(f)及び(g)の方法とそれぞれ同様である。
【0025】
なお本発明のマイクロベンチの作製方法は、窒化アルミニウム焼結体又は窒化アルミニウム焼結体母材を用意する工程から始まり、切断の工程が最後であり、金属層の形成工程はその直前となるが、それ以外の工程は上記手順に限定されるものではなく、その工程が前後しても構わない。例えば、第1の態様においては、深めのV溝又はU溝と段差を形成した後に、窒化アルミニウム質焼結体表面を研磨してもよい。また、第2の態様においては、研磨と段差形成の工程を入れ替えてもよい。
【0026】
[実施例1]
熱伝導率が170W/mKで寸法が60mm×40mm×1.1mmの窒化アルミニウム質焼結体焼き上がり基板を準備した。この基板を厚みが0.9mmになるまで遊離砥粒方式のラッピング法で研磨を行なった。研磨後の基板は、YAGレーザーの加工室内でKOH水溶液中に浸漬し、基板の60mmの辺に平行に5mmピッチでそれぞれV字型の7本溝を形成した。加工条件は次のとおりである。YAGレーザーはパワー1W、発振周波数4kHzで発振させ、基板は5mm/sで走査した。
【0027】
V溝加工後の基板は、幅5mmの研削砥石を取付けた研削加工機を使用して、溝に垂直方向に基板表面から0.3mmの深さで10mmピッチの段差部分を形成した。段差を形成した基板は、フォトリソグラフィ技術と真空蒸着法により段差面にレーザーダイオード搭載用のアライメントマークを形成した。アライメントマークを形成した基板は、同時に形成したダイシングマークに合わせて、10mm×5mmの形状に切り出した。
【0028】
作製したマイクロベンチは、V溝も深さ50μmに揃い、良好に仕上がった。得られたマイクロベンチを評価するため、図7に示すように、V溝2にシングルモードファイバ(光ファイバ11)を合わせて樹脂固定し、レーザーダイオード13をアライメントマークに合わせて搭載した。レーザーダイオード13と光ファイバ11を搭載したマイクロベンチ12は、別途作製したメタルパッケージ16中の電子冷却素子15上に搭載した。レーザーダイオード13からメタルパッケージ16に金ワイヤーで電気的に接合し、レーザーダイオード13を発振させたところ、光ファイバ11の逆の先端から高強度の光信号が観察され、レーザーダイオード13及び光ファイバ11の位置合わせに成功していることが確認できた。
【0029】
[実施例2]
異なった2種類の配置でビアホールが形成された、主として窒化アルミニウム粉末からなるグリーンシートに、スクリーン印刷法によりW厚膜配線を形成し、積層して焼成した窒化アルミニウム質焼結体基板を準備した。この基板は熱伝導率が170W/mKで寸法が60mm×60mm×0.8mmであった。
【0030】
この基板のデバイス搭載面側のみを厚みが0.7mmになるまでポリッシング法で研磨を行なった。研磨後の基板を真空チャンバ内のステージ上に載置し、チャンバ内を減圧し、先端が研がれた板状電極の先端にプラズマを発生させて溝の形成位置近傍に接近させV溝を形成した。V溝加工後の基板は、幅15mmの研削砥石を取付けた研削加工機を使用して、溝に垂直方向に基板表面から0.3mmの深さで30mmピッチの段差部分を形成した。段差を形成した基板は、段差部分に火炎堆積法によりシリカで下部クラッド層、コア、上部クラッド層を形成しY分岐型光導波路とした。コアにはSiO2以外の不純物を添加し、クラッド層との屈折率差を設けた。光導波路を形成した基板は、フォトリソグラフイ技術と真空蒸着法により段差面にレーザーダイオード搭載用のアライメントマークと、高周波信号配線を形成した。アライメントマークを形成した基板は、同時に形成したダイシングマークに合わせて、30mm×20mmの形状に切り出した。
【0031】
作製したマイクロベンチは、V溝も深さ80μmに揃い、良好に仕上がった。得られたマイクロベンチを評価するために、図8に示すように、V溝2にシングルモードファイバ(光ファイバ11)を合わせて樹脂固定し、アライメントマークに合わせてY分岐で5本に分かれた光導波路5先端に5種類の波長のレーザーダイオード13を搭載した。マイクロベンチ12に形成した配線とレーザーダイオード13とを金ワイヤで結線し、結線を保護するようにシリコーン系樹脂でポッティングを施した。マイクロベンチ12全体を樹脂モールド18で1個のデバイスとし、裏面通じたビアホールに相応する箇所にはんだボール17を付け、超小型のボールグリッドアレイ型パッケージに仕上げた。5つのレーザーダイオード13を発振させたところ、光ファイバ11の逆の先端から5種類の波長の光信号が高強度に観察されレーザーダイオード13及び光ファイバ11の位置合わせに成功していることが確認できた。
【0032】
[実施例3]
粒径約0.6μmの窒化アルミニウム粉末を準備し、炉内が直径50mm高さ3mmのプラズマ放電焼結炉に投入した。炉の上側の蓋には、断面形状が高さ80μmの正三角形をなす突起を2列機械加工で形成したものを準備した。炉の温度を約1750℃に加熱し、15MPaの圧力を加えながら、25V、750Aを電極に印加し放電させた。
【0033】
プラズマ放電焼結法で作製したV溝付窒化アルミニウム質焼結体素材の溝が形成されていない側の面を研削、ラッピング、ポリッシング、ミラーポリッシングの順に研磨し、厚み0.5mm、表面粗さRa0.02μmに仕上げた。研磨後の基板は、幅5mmの研削砥石を取付けた研削加工機を使用して、溝に垂直方向に基板表面から0.3mmの深さで10mmピッチの段差部分を形成した。段差を形成した基板は、金属層を設ける工程として、フォトリソグラフィ技術と真空蒸着法により段差面にレーザーダイオード搭載用のアライメントマークを形成した。アライメントマークを形成した基板は、同時に形成したダイシングマークに合わせて、8mm×4mmの形状に切り出した。
【0034】
作製したマイクロベンチは、V溝も深さ80μmに揃い、良好に仕上がった。得られたマイクロベンチを評価するため、V溝にシングルモードファイバを合わせて樹脂固定し、レーザーダイオードをアライメントマークに合わせて搭載した。レーザーダイオードとファイバを搭載したマイクロベンチは、別途作製したメタルパッケージ中の電子冷却素子上に搭載した。レーザーダイオードからメタルパッケージに金ワイヤーで電気的に接合し、レーザーダイオードを発振させたところ、ファイバの逆の先端から高強度の光信号が観察され、レーザーダイオード及び光ファイバの位置合わせに成功していることが確認できた。
【0035】
[実施例4]
実施例3と同様の手法で形成したV溝付窒化アルミニウム質焼結体の、溝の無い側の面を研磨し、V溝側の面に研削により段差を設けた。段差を形成した基板は、段差部分にポリイミド高分子塗布により下部クラッド層、コア、上部クラッド層を形成し光導波路とした。Y字型になっており、二又の一方がV溝に揃うように形成した。光導波路を形成した基板は、導波路のY分岐部にダイシングによりフィルター挿入用の溝を形成した。ダイシングで溝入れ加工した基板は、フォトリソグラフィ技術と真空蒸着法により段差面にレーザーダイオード及びフォトダイオード搭載用のアライメントマークと、高周波信号配線を形成した。アライメントマークを形成した基板は、同時に形成したダイシングマークに合わせて、30mm×15mmの形状に切り出した。
【0036】
切り出したマイクロベンチ12には、図9に示すように、アライメントマークに合わせて波長1.3μmを発振するレーザーダイオード13とそのモニタ用フォトダイオード14、そして波長1.55μmをモニタするフォトダイオード14を搭載した。その後、ダイシング溝に1.55μm波長を透過する波長フィルタ19を、V溝2には光ファイバ11を挿入し固定し、各デバイスをマイクロベンチ12に形成した配線と結線し、光通信用平面導波路ハイブリッド型光集積回路を作製した。
【0037】
作製した光集積回路のファイバの先に1.55μm波長を発振するレーザーと1.3μm波長をモニタするフォトダイオードを取付けて、光集積回路のテストを行なった。その結果、レーザーダイオードが発した1.3μm波長の信号光は、波長フィルタ19で反射されて光ファイバ11を介し、良好に発振できていることが確認できた。また光ファイバ11から入射した1.55μm波長の信号光は波長フィルタ19を通過してフォトダイオード14で良好に検知できることを確認した。
【0038】
【発明の効果】
本発明の作製方法によれば、高周波特性が良好で放熱性のよい材料である、窒化アルミニウム質焼結体を用いて、溝加工を繰り返し行うことができる。ブレードや特殊な金型を使用せずに溝加工できるため、常に加工精度がよく、低コストである。窒化アルミニウム質焼結体の特性を生かすことができかつ加工精度がよいため、得られるマイクロベンチは低コストであるのみならず、優れた性能を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】V溝又はU溝付マイクロベンチの作製工程を説明するための図である。
【図2】V溝又はU溝と光導波路付マイクロベンチの作製工程を説明するための図である。
【図3】V溝又はU溝付マイクロベンチの別の作製工程を説明するための図である。
【図4】V溝又はU溝と光導波路付マイクロベンチの別の作製工程を説明するための図である。
【図5】レーザー加工によるV溝又はU溝形成方法を説明するための図である。
【図6】プラズマ放電加工によるV溝又はU溝形成方法を説明するための図である。
【図7】実施例1で製造したV溝付マイクロベンチの概略図である。
【図8】実施例2で製造したV溝と光導波路付マイクロベンチの概略図である。
【図9】実施例4で製造したV溝と光導波路付マイクロベンチの概略図である。
【符号の説明】
1 窒化アルミニウム質焼結体
2 V溝もしくはU溝
3 段差部
4 金属層
5 光導波路
6 レーザー光
7 収束レンズ
8 KOH水溶液
9 加工用電極
10 高周波電源
11 光ファイバ
12 マイクロベンチ
13 レーザーダイオード
14 フォトダイオード
15 電子冷却素子
16 メタルパッケージ
17 はんだボール
18 モールド樹脂
19 波長フィルタ
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバと光デバイス(又は光ファイバ)を光結合させるために用いるマイクロベンチに関する。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバと光ファイバ、もしくは、光ファイバと光デバイスの光結合を行なうセルフアライメント機構として、V溝基板が使用されてきた。このV溝を利用して、光デバイス(又は光ファイバ)と光ファイバをコンパクトに結合させる基板をマイクロベンチと総称している。近年の光通信分野の著しい発展に伴い、光通信においては一層の情報の大容量化及び高速通信化が要求されている。そのため、大量の情報を短時間で送信できるよう信号の高周波化が進んでおり、マイクロベンチ上での光結合においても、信号波形を乱さず安定して通信できる技術が望まれている。また、通常光デバイスは使用時に大量の熱を発生するため、信号伝送の信頼性を保つためにも、マイクロベンチは効率よく放熱できることが重要である。このマイクロベンチを構成するV溝基板としては、セラミクス製のものやSi製のものが従来使用されており、前者はダイシング加工で、後者はダイシング加工とKOHによる異方性エッチングにより加工されてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
Si製のV溝付マイクロベンチは、異方性エッチングにより精度のよいV溝の形成が可能であるが、光デバイスを搭載する上で必要となる電極を形成する場合に、Siが半導体であるために、電極の下地に絶縁層を形成する必要があった。そのため、製造工程が多く高コストとなっている。さらに今後通信容量の増加に対応して信号の高周波化に伴い、信号波形の劣化が問題となる。
【0004】
セラミクス製のマイクロベンチは、セラミクスの材質によっては絶縁体であるとともに、高周波特性も良好である。しかし、ダイシングでV溝を形成していたため、ダイシングに使用するブレードの摩耗が激しく、溝の深さが徐々に浅くなっていくという問題がある。溝加工の精度は、光通信の信頼性に影響を与えるため、この点の改善が必要であった。
【0005】
前述のブレードの磨耗による問題を解決する方法として、特開2001−196607号公報では、窒化アルミニウムセラミクスを用い、高温中で金型を載せて加圧し形状を転写する方法でV溝を形成している。窒化アルミニウムセラミクスは熱伝導率が140W/mKと高く、光デバイスの発する熱を奪う能力が優れており、かつ絶縁材料であり、高周波特性も良好な材質である。さらに高温中で金型形状を転写させる方法はダイシングのようにブレードの摩耗による溝深さのばらつきも生じない方法として有効である。しかしながら、高温中で使用でき加圧しても変形しない金型の作製が必要であり、コスト面から、また技術的もに未だ改善の余地があった。
【0006】
したがって、本発明では、特性が優れている窒化アルミニウムを用いたマイクロベンチを低コストで精度良く製造する方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は下記構成よりなる。
本発明の第1の態様では、窒化アルミニウム質焼結体からなるマイクロベンチの作製方法において、窒化アルミニウム質焼結体表面を研磨する工程と、前記研磨された表面上の少なくとも一部分に、レーザー加工又はプラズマ放電加工によって、断面形状がV字もしくはU字型の溝を形成する工程と、前記V字もしくはU字型の溝を形成した面の少なくとも一部に研削により段差をつける工程と、前記V字もしくはU字型の溝を形成した面の少なくとも一部分に金属層を設ける工程と、前記窒化アルミニウム質焼結体を切断する工程とを経ることを特徴とするマイクロベンチの作製方法を提供する。これらの工程の組み合わせにより、マイクロベンチが作製できる。
【0008】
さらに、本発明では、前記V字もしくはU字型の溝を形成した面の少なくとも一部分に光導波路を形成する工程を経てもよい。この工程は、前記V字もしくはU字型の溝を形成した面の少なくとも一部分に金属層を設ける工程の後に行うことが好ましい。さらに光導波路を形成する工程を組合せることにより、V溝に合わせて搭載する光ファイバを直接、別途搭載する光デバイスに位置合わせするのではなく、光導波路を介して接続するマイクロベンチが作製できる。
【0009】
前記研磨表面上にV字もしくはU字型の溝を形成する工程は、窒素雰囲気中、水中及びKOH水溶液中のいずれかでレーザー加工によって実施することが好ましい。窒化アルミニウム質焼結体はレーザー照射による熱加工で先端が丸みをもったV溝を形成でき、そのレーザーの強度及び走査速度を調整することで、任意の深さの溝を得ることができる。また、窒化アルミニウム質焼結体は空気中でもレーザーで加工できるが、加工したV溝部に酸化したアルミニウム屑が付着してしまう。窒素雰囲気中、水中及びKOH水溶液中のいずれかに窒化アルミニウム質焼結体を配置してレーザー加工でV溝を形成すればアルミニウム屑が酸化せず、加工後の洗浄工程が容易になる。
【0010】
前記研磨表面上にV字もしくはU字型の溝を形成する工程は、プラズマ放電加工によって実施することが好ましい。真空チャンバー内を減圧し、その中でプラズマ放電によって熱で加工することで窒化アルミニウム質焼結体へ溝を形成することができる。その深さ及び形状は、放電用の電極形状及び投入電力、加工時間により任意に調節することができる。また低真空中ハロゲン系ガス雰囲気で、プラズマで分解したハロゲンガスと窒化アルミニウム質焼結体とを反応させた加工も可能である。
【0011】
また、本発明の第2の態様では、窒化アルミニウム質焼結体からなるマイクロベンチの作製方法において、プラズマ放電焼結法によりV字もしくはU字型の溝を形成した窒化アルミニウム質焼結体母材を形成する工程と、前記V字もしくはU字型の溝が形成された窒化アルミニウム質焼結体母材を研磨する工程と、前記V字もしくはU字型の溝を形成した面の少なくとも一部に研削により段差をつける工程と、前記V字もしくはU字型の溝を形成した面の少なくとも一部分に金属層を設ける工程と、前記窒化アルミニウム質焼結体母材を切断する工程とを経ることを特徴とするマイクロベンチの作製方法が提供される。これらの工程の組み合わせによりマイクロベンチを作製できる。
【0012】
特にプラズマ放電焼結法でV溝あるいはU溝を形成した窒化アルミニウム質焼結体を形成する工程は、カーボンなどからなる炉に窒化アルミニウム粉末を投入し、溝を転写するための突起を形成した型を当てて、高温下でプラズマ放電焼結させる。そのため、比較的安価なカーボンなどで型を作製でき経済的であるとともに、粉末状態の窒化アルミニウムに型をあてるため、型の変形や摩耗、破壊が生じ難い。
【0013】
さらに、上記の方法では、前記V字もしくはU字型の溝を形成した面の少なくとも一部に光導波路を形成する工程を組み合わせて実施してもよい。この工程は、前記V字もしくはU字型の溝を形成した面の少なくとも一部分に金属層を設ける工程の後に行うことが好ましい。光導波路を形成する工程の組み合わせにより、V溝に合わせて搭載する光ファイバを直接、別途搭載する光デバイスに位置合わせするのでなく、光導波路を介して接続するマイクロベンチが作製できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図1は本発明のV溝又はU溝付マイクロベンチの作製手順を示す一例の図である。第1の工程(a)はマイクロベンチを作製するために準備した加工前の窒化アルミニウム質焼結体1を示している。マイクロベンチに搭載する光デバイスにはレーザーダイオードのように発熱の大きなものもある。そのため、使用する窒化アルミニウム質焼結体は熱伝導率が120W/mK以上のものが好ましい。また、窒化アルミニウム質焼結体はY2O3などの添加剤を含んでいても良く、さらには焼結前のグリーンシートにあらかじめスクリーン印刷などにより配線用の金属層を形成したり、さらには上下面間を導通させるビアホールが必要に応じて形成してあっても良い。そして前記配線層とビアホールを組合せた積層基板であっても良い。ビアホールが形成してある場合は、別途光通信用のバタフライ型パッケージにボールグリッドアレイ(BGA)のように取付けることができる。さらにはマイクロベンチの外周に沿って垂直あるいは階段状に立ち上がる枠とその上に蓋をつけ、裏面のビアホールに応じた位置にはんだボールを取付けることで、超小型BGAパッケージとすることも可能となる。
【0015】
図1中、第2の工程(b)は、準備した窒化アルミニウム質焼結体1の上下面を研磨して必要とされる厚みにする工程である。マイクロベンチにおいて、窒化アルミニウム質焼結体1を研磨する方法は、研削、ラッピング、ポリッシング、ミラーポリッシングなど金属層の形成方法に応じた面粗度を得られる方法であれば、いずれの方法でも構わない。例えば、金属層の形成方法が蒸着法による薄膜形成の場合、面粗度が大きいと凹凸部にかみ込んだ汚れが金属層の密着強度を低下させる可能性があるので、ラッピング程度以上に面粗度の小さい加工方法を採用することが好ましい。特に光デバイスの搭載位置決め用アライメントマークを形成する場合は、面粗度により直線が得られない可能性があるため、ポリッシング程度以上に面粗度の小さい加工方法を採用することが好ましい。また金属層の形成方法が、スクリーン印刷による厚膜形成の場合、金属ペースト中のガラスフイラーと基板との接合で密着強度が決まるため、ミラーポリッシングのような面粗度の非常に小さい方法よりもラッピング程度の面粗度の方が、アンカー効果が得られるため好ましい。
【0016】
図1中、第3の工程(c)はマイクロベンチにV字もしくはU字型の溝を形成する工程である。溝は光ファイバの位置決めを行なうためのガイドの働きをなし、図中では1個のマイクロベンチに対して溝が1本しか形成されていないが、例えばレーザーダイオードアレイのようにファイバを複数束ねたリボンファイバを位置決めする場合は、溝を複数本並列に形成する。溝を形成する方法は、図5に示すレーザー加工、図6に示すプラズマ放電加工の方法がある。
【0017】
レーザー加工でV溝もしくはU溝を形成する場合は、図5のように、窒化アルミニウム質焼結体1をKOH水溶液8に浸し、レーザー光6を集束レンズ7を介して窒化アルミニウム質焼結体1に照射して行う。溝を形成する場合は、レーザーの光路内にミラーを設置して走査させるか、被加工物である窒化アルミニウム質焼結体を走査させる。このとき、KOH水溶液8の代わりに水等を使用しても構わない。さらに、加工室内を窒素雰囲気にして行うことができる。このとき、アルミニウム屑を酸化させない目的で雰囲気を選択すればよいため、窒素雰囲気以外にも不活性ガス雰囲気等も使用できる。しかし、ガス単体やガスの循環装置の設備に関する費用を考えると、経済面から窒素雰囲気が好ましい。また、V字もしくはU字型の溝を形成するのに使用するレーザーは、YAGレーザーや、CO2レーザー、それらの2次高調波等窒化アルミニウム質焼結体に吸収される波長域で、熱加工を実施する上で十分な強度が得られるものであれば、いかなる種類、波長のものでも構わない。
【0018】
また、図6に示すように、V字もしくはU字型の溝を形成するのに使用するプラズマ放電加工は、窒化アルミニウム質焼結体1を加工ステージに載置し、対向させた加工用電極9に高周波電源10から電力を供給し、加工用電極9の先端にプラズマを発生させる。発生させたプラズマの高温に窒化アルミニウム質焼結体1を触れさせることで熱加工によりV溝もしくはU溝2の形成を実施するため、その加工用電極9の形状は、板状電極は、板状電極の先端を、溝の形状を相似的に小さくした形にしておくことが好ましい。また電極先端を針状にし、溝の形成位置に沿って電極あるいは基板を走査させてもよい。さらには加工チャンバー内部をハロゲン系又はハロゲン化合物ガスを含んだガス雰囲気としてやり、電極先端で発生したプラズマで分解し、分解されたハロゲンを基板に反応させることで溝形状に加工してもよい。針状電極を走査させる場合は、針状電極の内部を管状にし、管内部からハロゲン系ガスを微量ずつ吹き出させる方法でも構わない。さらにこれらの方法は、マイクロベンチの段差部の加工にも応用することが可能である。
【0019】
図1中、第4の工程(d)はマイクロベンチの一部に段差部3を形成する工程である。この段差部3は光デバイスを搭載したり、光導波路を形成する際に溝に合わせて搭載された光ファイバのコアとデバイス及び導波路のコア位置を調整するために形成されるもので、その深さはデバイスに応じて決まる。マイクロベンチにおいて、V字もしくはU字型の溝を形成した面の少なくとも一部に研削により段差をつける方法は、研削砥石での加工が簡便であるが、ダイシング用の薄いブレードで、ブレード厚み分をピッチオフセットさせながら複数回走査させて形成しても構わない。また、段差をつける部分に穴をあけた窒化アルミニウムのグリーンシートを積層したものでも構わない。
【0020】
図1中、第5の工程(e)はメタライズ(金属層4の形成)の工程である。金属層4は、マイクロベンチにデバイスを搭載する時に使用するアライメントマークとして用いられる他、搭載されるデバイスがレーザーダイオードのように電気信号の入出力が必要な場合に、電気信号用の配線として用いられる。マイクロベンチにおいて、V字もしくはU字型の溝を形成した面の少なくとも一部分に金属層を設ける方法は、蒸着、スクリーン印刷などいかなる方法でも構わないが、レーザーダイオードなどの光デバイスの位置決め用アライメントマークとして使用する場合は、精度が要求されるため、半導体製造プロセスに用いられるフォトリソグラフィ技術を適用することが好ましい。
【0021】
図1中、第6の工程(f)は切断工程である。マイクロベンチの作製においては、1個ずつ個別に作製することも可能であるが、本発明においては、生産性を向上させ低コストプロセスとする目的で、図1に示したように1枚の基板上に複数個のマイクロベンチを作製し、最後に切断により分離する。マイクロベンチにおいて、V字もしくはU字型の溝を形成し、段差加工、金属層及び光導波路の形成が行なわれた基板を切断する方法は、ダイシング、スライシングのいずれかの方法が好ましいが、要求される寸法精度によってはレーザー切断や、手割りなどいかなる方法でも構わない。
【0022】
図2は本発明のV溝又はU溝と光導波路付マイクロベンチの作製手順を示す一例の図である。第1の工程(a)から第5の工程(e)までは前述の図1と同様の工程である。第6の工程(f)は光導波路5を形成する工程である。光ファイバとデバイスの間に光導波路を形成すると、ファイバとデバイスの1対1対応以外の機能を設けられる。例えば、複数のレーザーダイオードから1本の光ファイバに異なる波長の信号光を合波することや、導波路途中にバンドパスフィルタを挿入し、発振光と受信光を分離できる、FTTH(Fiber To The Home)で使用される各家庭での信号受発振デバイスなどの作製が可能となる。マイクロベンチにおいて、V字もしくはU字型の溝を形成した面の少なくとも一部に形成される光導波路は、シリカ製でもポリマー製でも構わない。シリカ製の導波路を形成する場合は、火炎堆積法や化学的気相合成法(CVD法)などの一般的な手法を用い、導波路のコアの部分には不純物を添加して、屈折率を変える。またポリマー製の導波路を形成する場合は、スピンコート法やスプレー塗布により均一厚みに塗布し、導波路のコア部分には屈折率の異なる別組成のポリマーを塗布するか、コア上部のみをマスクで開口し、添加物を浸透させる方法などを用いることができる。その後の切断工程(g)は、図1中の切断工程(f)と同様である。
【0023】
図3は、本発明の第2の態様のV溝又はU溝付マイクロベンチの作製手順を示す一例である。第1の工程(a)はプラズマ放電焼結法でV溝又はU溝付窒化アルミニウム質焼結体1を形成する工程である。カーボンなどでできているプラズマ放電焼結炉内に、粒径0.1〜20μmの窒化アルミニウム粉末を投入し、V字もしくはU字型の溝を転写するための突起を形成したカーボンなどの型を当てて、高温下でプラズマ放電焼結させる。第1の工程(a)に続く、(b)、(d)〜(f)の工程は、上記図1の(b)、(d)〜(f)の場合とそれぞれ同様である。
【0024】
図4は本発明のV溝又はU溝と光導波路付マイクロベンチの作製手順を示す一例である。第1の工程(a)から第4の工程(e)は図3に記載の方法と同様であり、第5の工程(f)及び第6の工程(g)は、図2に記載の(f)及び(g)の方法とそれぞれ同様である。
【0025】
なお本発明のマイクロベンチの作製方法は、窒化アルミニウム焼結体又は窒化アルミニウム焼結体母材を用意する工程から始まり、切断の工程が最後であり、金属層の形成工程はその直前となるが、それ以外の工程は上記手順に限定されるものではなく、その工程が前後しても構わない。例えば、第1の態様においては、深めのV溝又はU溝と段差を形成した後に、窒化アルミニウム質焼結体表面を研磨してもよい。また、第2の態様においては、研磨と段差形成の工程を入れ替えてもよい。
【0026】
[実施例1]
熱伝導率が170W/mKで寸法が60mm×40mm×1.1mmの窒化アルミニウム質焼結体焼き上がり基板を準備した。この基板を厚みが0.9mmになるまで遊離砥粒方式のラッピング法で研磨を行なった。研磨後の基板は、YAGレーザーの加工室内でKOH水溶液中に浸漬し、基板の60mmの辺に平行に5mmピッチでそれぞれV字型の7本溝を形成した。加工条件は次のとおりである。YAGレーザーはパワー1W、発振周波数4kHzで発振させ、基板は5mm/sで走査した。
【0027】
V溝加工後の基板は、幅5mmの研削砥石を取付けた研削加工機を使用して、溝に垂直方向に基板表面から0.3mmの深さで10mmピッチの段差部分を形成した。段差を形成した基板は、フォトリソグラフィ技術と真空蒸着法により段差面にレーザーダイオード搭載用のアライメントマークを形成した。アライメントマークを形成した基板は、同時に形成したダイシングマークに合わせて、10mm×5mmの形状に切り出した。
【0028】
作製したマイクロベンチは、V溝も深さ50μmに揃い、良好に仕上がった。得られたマイクロベンチを評価するため、図7に示すように、V溝2にシングルモードファイバ(光ファイバ11)を合わせて樹脂固定し、レーザーダイオード13をアライメントマークに合わせて搭載した。レーザーダイオード13と光ファイバ11を搭載したマイクロベンチ12は、別途作製したメタルパッケージ16中の電子冷却素子15上に搭載した。レーザーダイオード13からメタルパッケージ16に金ワイヤーで電気的に接合し、レーザーダイオード13を発振させたところ、光ファイバ11の逆の先端から高強度の光信号が観察され、レーザーダイオード13及び光ファイバ11の位置合わせに成功していることが確認できた。
【0029】
[実施例2]
異なった2種類の配置でビアホールが形成された、主として窒化アルミニウム粉末からなるグリーンシートに、スクリーン印刷法によりW厚膜配線を形成し、積層して焼成した窒化アルミニウム質焼結体基板を準備した。この基板は熱伝導率が170W/mKで寸法が60mm×60mm×0.8mmであった。
【0030】
この基板のデバイス搭載面側のみを厚みが0.7mmになるまでポリッシング法で研磨を行なった。研磨後の基板を真空チャンバ内のステージ上に載置し、チャンバ内を減圧し、先端が研がれた板状電極の先端にプラズマを発生させて溝の形成位置近傍に接近させV溝を形成した。V溝加工後の基板は、幅15mmの研削砥石を取付けた研削加工機を使用して、溝に垂直方向に基板表面から0.3mmの深さで30mmピッチの段差部分を形成した。段差を形成した基板は、段差部分に火炎堆積法によりシリカで下部クラッド層、コア、上部クラッド層を形成しY分岐型光導波路とした。コアにはSiO2以外の不純物を添加し、クラッド層との屈折率差を設けた。光導波路を形成した基板は、フォトリソグラフイ技術と真空蒸着法により段差面にレーザーダイオード搭載用のアライメントマークと、高周波信号配線を形成した。アライメントマークを形成した基板は、同時に形成したダイシングマークに合わせて、30mm×20mmの形状に切り出した。
【0031】
作製したマイクロベンチは、V溝も深さ80μmに揃い、良好に仕上がった。得られたマイクロベンチを評価するために、図8に示すように、V溝2にシングルモードファイバ(光ファイバ11)を合わせて樹脂固定し、アライメントマークに合わせてY分岐で5本に分かれた光導波路5先端に5種類の波長のレーザーダイオード13を搭載した。マイクロベンチ12に形成した配線とレーザーダイオード13とを金ワイヤで結線し、結線を保護するようにシリコーン系樹脂でポッティングを施した。マイクロベンチ12全体を樹脂モールド18で1個のデバイスとし、裏面通じたビアホールに相応する箇所にはんだボール17を付け、超小型のボールグリッドアレイ型パッケージに仕上げた。5つのレーザーダイオード13を発振させたところ、光ファイバ11の逆の先端から5種類の波長の光信号が高強度に観察されレーザーダイオード13及び光ファイバ11の位置合わせに成功していることが確認できた。
【0032】
[実施例3]
粒径約0.6μmの窒化アルミニウム粉末を準備し、炉内が直径50mm高さ3mmのプラズマ放電焼結炉に投入した。炉の上側の蓋には、断面形状が高さ80μmの正三角形をなす突起を2列機械加工で形成したものを準備した。炉の温度を約1750℃に加熱し、15MPaの圧力を加えながら、25V、750Aを電極に印加し放電させた。
【0033】
プラズマ放電焼結法で作製したV溝付窒化アルミニウム質焼結体素材の溝が形成されていない側の面を研削、ラッピング、ポリッシング、ミラーポリッシングの順に研磨し、厚み0.5mm、表面粗さRa0.02μmに仕上げた。研磨後の基板は、幅5mmの研削砥石を取付けた研削加工機を使用して、溝に垂直方向に基板表面から0.3mmの深さで10mmピッチの段差部分を形成した。段差を形成した基板は、金属層を設ける工程として、フォトリソグラフィ技術と真空蒸着法により段差面にレーザーダイオード搭載用のアライメントマークを形成した。アライメントマークを形成した基板は、同時に形成したダイシングマークに合わせて、8mm×4mmの形状に切り出した。
【0034】
作製したマイクロベンチは、V溝も深さ80μmに揃い、良好に仕上がった。得られたマイクロベンチを評価するため、V溝にシングルモードファイバを合わせて樹脂固定し、レーザーダイオードをアライメントマークに合わせて搭載した。レーザーダイオードとファイバを搭載したマイクロベンチは、別途作製したメタルパッケージ中の電子冷却素子上に搭載した。レーザーダイオードからメタルパッケージに金ワイヤーで電気的に接合し、レーザーダイオードを発振させたところ、ファイバの逆の先端から高強度の光信号が観察され、レーザーダイオード及び光ファイバの位置合わせに成功していることが確認できた。
【0035】
[実施例4]
実施例3と同様の手法で形成したV溝付窒化アルミニウム質焼結体の、溝の無い側の面を研磨し、V溝側の面に研削により段差を設けた。段差を形成した基板は、段差部分にポリイミド高分子塗布により下部クラッド層、コア、上部クラッド層を形成し光導波路とした。Y字型になっており、二又の一方がV溝に揃うように形成した。光導波路を形成した基板は、導波路のY分岐部にダイシングによりフィルター挿入用の溝を形成した。ダイシングで溝入れ加工した基板は、フォトリソグラフィ技術と真空蒸着法により段差面にレーザーダイオード及びフォトダイオード搭載用のアライメントマークと、高周波信号配線を形成した。アライメントマークを形成した基板は、同時に形成したダイシングマークに合わせて、30mm×15mmの形状に切り出した。
【0036】
切り出したマイクロベンチ12には、図9に示すように、アライメントマークに合わせて波長1.3μmを発振するレーザーダイオード13とそのモニタ用フォトダイオード14、そして波長1.55μmをモニタするフォトダイオード14を搭載した。その後、ダイシング溝に1.55μm波長を透過する波長フィルタ19を、V溝2には光ファイバ11を挿入し固定し、各デバイスをマイクロベンチ12に形成した配線と結線し、光通信用平面導波路ハイブリッド型光集積回路を作製した。
【0037】
作製した光集積回路のファイバの先に1.55μm波長を発振するレーザーと1.3μm波長をモニタするフォトダイオードを取付けて、光集積回路のテストを行なった。その結果、レーザーダイオードが発した1.3μm波長の信号光は、波長フィルタ19で反射されて光ファイバ11を介し、良好に発振できていることが確認できた。また光ファイバ11から入射した1.55μm波長の信号光は波長フィルタ19を通過してフォトダイオード14で良好に検知できることを確認した。
【0038】
【発明の効果】
本発明の作製方法によれば、高周波特性が良好で放熱性のよい材料である、窒化アルミニウム質焼結体を用いて、溝加工を繰り返し行うことができる。ブレードや特殊な金型を使用せずに溝加工できるため、常に加工精度がよく、低コストである。窒化アルミニウム質焼結体の特性を生かすことができかつ加工精度がよいため、得られるマイクロベンチは低コストであるのみならず、優れた性能を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】V溝又はU溝付マイクロベンチの作製工程を説明するための図である。
【図2】V溝又はU溝と光導波路付マイクロベンチの作製工程を説明するための図である。
【図3】V溝又はU溝付マイクロベンチの別の作製工程を説明するための図である。
【図4】V溝又はU溝と光導波路付マイクロベンチの別の作製工程を説明するための図である。
【図5】レーザー加工によるV溝又はU溝形成方法を説明するための図である。
【図6】プラズマ放電加工によるV溝又はU溝形成方法を説明するための図である。
【図7】実施例1で製造したV溝付マイクロベンチの概略図である。
【図8】実施例2で製造したV溝と光導波路付マイクロベンチの概略図である。
【図9】実施例4で製造したV溝と光導波路付マイクロベンチの概略図である。
【符号の説明】
1 窒化アルミニウム質焼結体
2 V溝もしくはU溝
3 段差部
4 金属層
5 光導波路
6 レーザー光
7 収束レンズ
8 KOH水溶液
9 加工用電極
10 高周波電源
11 光ファイバ
12 マイクロベンチ
13 レーザーダイオード
14 フォトダイオード
15 電子冷却素子
16 メタルパッケージ
17 はんだボール
18 モールド樹脂
19 波長フィルタ
Claims (6)
- 窒化アルミニウム質焼結体からなるマイクロベンチの作製方法において、
窒化アルミニウム質焼結体表面を研磨する工程と、
前記研磨された表面上の少なくとも一部分に、レーザー加工又はプラズマ放電加工によって、断面形状がV字もしくはU字型の溝を形成する工程と、
前記V字もしくはU字型の溝を形成した面の少なくとも一部に研削により段差をつける工程と、
前記V字もしくはU字型の溝を形成した面の少なくとも一部分に金属層を設ける工程と、
前記窒化アルミニウム質焼結体を切断する工程とを経ることを特徴とするマイクロベンチの作製方法。 - さらに、前記V字もしくはU字型の溝を形成した面の少なくとも一部分に光導波路を形成する工程を経ることを特徴とする請求項1に記載のマイクロベンチの作製方法。
- 前記研磨された表面上にV字もしくはU字型の溝を形成する工程が、窒素雰囲気中、水中及びKOH水溶液中のいずれかでレーザー加工によって実施されることを特徴とする請求項1乃至2に記載のマイクロベンチの作製方法。
- 前記研磨された表面上にV字もしくはU字型の溝を形成する工程が、プラズマ放電加工によって実施されることを特徴とする請求項1乃至2に記載のマイクロベンチの作製方法。
- 窒化アルミニウム質焼結体からなるマイクロベンチの作製方法において、
プラズマ放電焼結法によりV字もしくはU字型の溝を形成した窒化アルミニウム質焼結体母材を形成する工程と、
前記V字もしくはU字型の溝が形成された窒化アルミニウム質焼結体母材を研磨する工程と、
前記V字もしくはU字型の溝を形成した面の少なくとも一部に研削により段差をつける工程と、
前記V字もしくはU字型の溝を形成した面の少なくとも一部分に金属層を設ける工程と、
前記窒化アルミニウム質焼結体母材を切断する工程とを経ることを特徴とするマイクロベンチの作製方法。 - さらに、前記V字もしくはU字型の溝を形成した面の少なくとも一部に光導波路を形成する工程を経ることを特徴とする請求項5に記載のマイクロベンチの作製方法。
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JP2002213440A Pending JP2004054075A (ja) | 2002-07-23 | 2002-07-23 | マイクロベンチの作製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004054075A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105642897A (zh) * | 2016-04-11 | 2016-06-08 | 西安赛隆金属材料有限责任公司 | 一种电子束选区熔化成形设备的冷却装置 |
KR102095249B1 (ko) * | 2018-12-03 | 2020-04-20 | 엠피닉스 주식회사 | 브이형 홈 안착형 마이크로 렌즈의 제조방법 |
WO2023176771A1 (ja) * | 2022-03-17 | 2023-09-21 | 住友電工オプティフロンティア株式会社 | 光ファイバ位置決め部品及び光ファイバ融着接続機 |
-
2002
- 2002-07-23 JP JP2002213440A patent/JP2004054075A/ja active Pending
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CN105642897A (zh) * | 2016-04-11 | 2016-06-08 | 西安赛隆金属材料有限责任公司 | 一种电子束选区熔化成形设备的冷却装置 |
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WO2023176771A1 (ja) * | 2022-03-17 | 2023-09-21 | 住友電工オプティフロンティア株式会社 | 光ファイバ位置決め部品及び光ファイバ融着接続機 |
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