JP2004053956A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】クリーニングブレードと転写材搬送ベルト又は中間転写体との間の当接ニップ部でビビリの発生を防止し、かつこの当接ニップ部の一部からトナーがすり抜けるのを防止して良好なクリーニングを行うことができるようにする。
【解決手段】ベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21は、潤滑性を有する無機微粒子としてフッ化カーボンを、クリーニングブレード21を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層21aを有しており、また、トナーとして、平均粒径4.5μmの不定形粉砕トナーを使用したことにより、クリーニングブレード21と転写材搬送ベルト4との間の当接ニップ部でビビリの発生を防止し、かつこの当接ニップ部の一部からトナーがすり抜けるのを防止して良好なクリーニングを行うことができる。
【選択図】 図3
【解決手段】ベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21は、潤滑性を有する無機微粒子としてフッ化カーボンを、クリーニングブレード21を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層21aを有しており、また、トナーとして、平均粒径4.5μmの不定形粉砕トナーを使用したことにより、クリーニングブレード21と転写材搬送ベルト4との間の当接ニップ部でビビリの発生を防止し、かつこの当接ニップ部の一部からトナーがすり抜けるのを防止して良好なクリーニングを行うことができる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、転写材搬送体や中間転写体上に残留した残留トナー等を除去するクリーニング装置を備えた、電子写真方式などによって画像形成を行う複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真方式でデジタル方式のフルカラー画像形成装置として、各色毎に応じて感光ドラムなどを有する画像形成部を複数設け、各感光ドラム上に形成された各色のトナー像を、供給される用紙などの転写材上に順次重ね合わせて転写してカラー画像を得る画像形成装置が実用化されている。
【0003】
この場合、転写材は無端循環運動する転写材搬送体としての転写材搬送ベルト上に静電気的に吸着された状態で載置されて、各画像形成部の転写部へ順次に搬送され、各感光ドラム上に形成された各色のトナー像がこの転写材上に順次重ね合わされて転写される。
【0004】
上記のような転写材搬送ベルトを有する画像形成装置では、転写材搬送ベルトはかぶりトナーや感光ドラム周りから落ちたトナー等で汚れる。このため転写材搬送ベルト上の汚れをクリーニングするために、クリーニング部材としてのクリーニングブレードを有するクリーニング装置が設けられており、このクリーニングブレードを所定の加圧力をもって搬送ベルトに当接させ、転写材搬送ベルト表面の汚れを掻き取ってクリーニングするようにしている。
【0005】
また、近年、電子写真方式でデジタル方式のフルカラー画像形成装置として、各色毎に応じて感光ドラムなどを有する画像形成部を複数設け、各感光ドラム上に形成された各色のトナー像を、中間転写体上に順次重ね合わせて転写した後、転写材に一括転写してカラー画像を得る画像形成装置も実用化されている。
【0006】
このような中間転写体を有する画像形成装置においても、中間転写体が残留トナーで汚染された場合は画像不良が発生することになるので、常にクリーニングを行う必要がある。
【0007】
このため、中間転写体のクリーニング手段としては、従来から幾多の提案がなされているが、ウレタンゴムなどの弾性材料からなるクリーニングブレードによって残留トナーを掻き落とすようなものが、その構成が簡単でコンパクトでかつ低コストであり、しかもトナー除去機能も優れているので広く実用化されている。クリーニングブレードのゴム材料としては、高硬度でしかも弾性に富み、耐磨耗性、機械的強度、耐油性、耐オゾン性、に卓越しているウレタンゴムが一般的に使われている。
【0008】
ところで、中間転写体を有する画像形成装置では、トナーが感光ドラム上から一度中間転写体上に転写されて、中間転写体上に転写されたトナー像が再び転写材に転写されるので、中間転写体に残された残留トナーは、現像装置でトナー像が形成された感光ドラムの中間転写体への転写後において感光ドラムをクリーニングするドラムクリーニング装置に到達する転写残トナーよりもかなり少ない。
【0009】
また、上記した転写材搬送ベルトを有する画像形成装置では、転写材搬送ベルト上に残された残トナーを除去するベルトクリーニング装置は、直接転写材搬送ベルト上にトナー像が転写されるわけではないので、クリーニングブレードに到達するトナー量はきわめて少ない。
【0010】
従って、上記した転写材搬送ベルトを有する画像形成装置の転写材搬送ベルトをクリーニングするベルトクリーニング装置のクリーニングブレード、及び中間転写体を有する画像形成装置の中間転写体をクリーニングするベルトクリーニング装置のクリーニングブレードにはトナー供給が少ないので、その当接ニップ部におけるトナー供給による転写材搬送ベルト又は中間転写体との間の滑り性確保が難しく、クリーニングブレードのビビリや捲れが問題となってきた。
【0011】
そこで、従来では、クリーニングブレードと転写材搬送ベルト又は中間転写体との間の滑り性をクリーニングブレード側で確保すべく、クリーニングブレードにナイロンをコートしてブレードエッジを高硬度化する、もしくはクリーニングブレード自体のゴムの架橋状態等を改良して高硬度化させる等の方法がとられてきた。
【0012】
また、トナーに関しては、現像効率の向上、ドットの再現性の向上という面から、より小粒径のトナーが製品化されてきている。
【0013】
更に、定着でのオイル塗布ムラの改善、定着器の小型化などの面からオイルレストナーの需要が高くなり、製品化されてきている。また、転写効率の向上や画像飛び散りの発生防止の向上などの面からは、トナーの球状化が求められるようになり、様々な重合法で製造された重合トナーが製品化されてきている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したように高画質化を図るためにトナーを小粒径化させることが必須となってきているが、これに反して上記したクリーニングブレードにナイロン材をコートしたものやクリーニングブレードのゴム硬度を硬くしたものは、クリーニングブレードのエッジがナイロン質となる。
【0015】
このため、例えば転写材搬送ベルト又は中間転写体がポリウレタンを有する場合には、前記クリーニングブレードとの親和性、追従性が奪われ、クリーニングブレードが当接する当接ニップ部において、その長手方向にクリーニングブレードが均一に当接することが難しくなる。
【0016】
これにより、長期の画像形成動作によって転写材搬送ベルト又は中間転写体をクリーニングするクリーニングブレードと転写材搬送ベルト又は中間転写体との間の当接ニップ部でビビリ(異常振動)が発生したり、この当接ニップ部の一部からトナーがすり抜けて転写材の汚れを招くなどのクリーニング不良が発生するおそれがあった。
【0017】
そこで本発明は、転写材搬送ベルト又は中間転写体をクリーニングするクリーニングブレードと転写ベルト又は中間転写体との間の当接ニップ部でビビリ(異常振動)の発生を防止し、かつこの当接ニップ部の一部からトナーがすり抜けるのを防止して良好なクリーニングを行うことができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、トナー像が担持される像担持体と、前記像担持体の転写部位に転写材を担持搬送して、前記転写材上にトナー像を転写させる移動自在な転写材搬送体と、前記転写材搬送体表面に残留した残トナーを除去すべく、前記転写材搬送体に当接自在に設けた弾性材からなるクリーニング部材と、を備えた画像形成装置において、前記トナー像を形成するトナーは、平均粒径4.5〜7.5μmの不定形粉砕トナーであり、前記クリーニング部材は、少なくとも前記転写材搬送体と当接するエッジ部に、前記クリーニング部材を構成する弾性材中に無機微粒子を内包した表面層を有していることを特徴としている。
【0019】
また、請求項4に記載の発明は、トナー像が担持される像担持体と、前記像担持体の転写部位に転写材を担持搬送して、前記転写材上にトナー像を転写させる移動自在な転写材搬送体と、前記転写材搬送体表面に残留した残トナーを除去すべく、前記転写材搬送体に当接自在に設けた弾性材からなるクリーニング部材と、を備えた画像形成装置において、前記トナー像を形成するトナーは、平均粒径4.5〜7.5μmで、少なくともワックス成分を結着樹脂100質量部に対して1〜20質量部分散させ、形状計数SF−1が100〜140及びSF−2が100〜120の範囲内にある重合法で生成された略球形トナーであり、前記クリーニング部材は、少なくとも前記転写材搬送体と当接するエッジ部に、前記クリーニング部材を構成する弾性材中に無機微粒子を内包した表面層を有していることを特徴としている。
【0020】
また、請求項6に記載の発明は、トナー像が担持される像担持体と、前記像担持体に当接し、トナー像を1次転写部材により一時的に転写して担持する移動自在な中間転写体と、前記中間転写体上に転写されたトナー像を転写材に転写する2次転写部材と、前記中間転写体表面に残留した残トナーを除去すべく、前記中間転写体に当接自在に設けた弾性材からなるクリーニング部材と、を備えた画像形成装置において、前記トナー像を形成するトナーは、平均粒径4.5〜7.5μmの不定形粉砕トナーであり、前記クリーニング部材は、少なくとも前記中間転写体と当接するエッジ部に、前記クリーニング部材を構成する弾性材中に無機微粒子を内包した表面層を有していることを特徴としている。
【0021】
また、請求項9に記載の発明は、トナー像が担持される像担持体と、前記像担持体に当接し、トナー像を1次転写部材により一時的に転写して担持する移動自在な中間転写体と、前記中間転写体上に転写されたトナー像を転写材に転写する2次転写部材と、前記中間転写体表面に残留した残トナーを除去すべく、前記中間転写体に当接自在に設けた弾性材からなるクリーニング部材と、を備えた画像形成装置において、前記トナー像を形成するトナーは、平均粒径4.5〜7.5μmで、少なくともワックス成分を結着樹脂100質量部に対して1〜20質量部分散させ、形状計数SF−1が100〜140及びSF−2が100〜120の範囲内にある重合法で生成された略球形トナーであり、前記クリーニング部材は、少なくとも前記中間転写体と当接するエッジ部に、前記クリーニング部材を構成する弾性材中に無機微粒子を内包した表面層を有していることを特徴としている。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0023】
〈実施の形態1〉
図1は、本発明の実施の形態1に係るクリーニング装置を備えた画像形成装置(本実施の形態では、電子写真方式のフルカラー複写機)を示す概略構成図である。
【0024】
本画像形成装置(フルカラー複写機)60は、ブラック色のトナー像を形成する画像形成部Paと、マゼンタ色のトナー像を形成する画像形成部Pbと、イエロー色のトナー像を形成する画像形成部Pcと、シアン色のトナー像を形成する画像形成部Pdの4つの画像形成部(画像形成ユニット)が転写材搬送方向に沿って順に配置されている。各画像形成部Pa,Pb,Pc,Pdの下部には、支持ローラ6a,6bと駆動ローラ6cに無端ベルト状の転写材搬送ベルト4が掛け渡されて配置されている。
【0025】
転写材搬送ベルト4の下方には、用紙などの転写材Pを収納したカセット15a,15bが配置されており、カセット15a又は15b内に収納されている転写材Pは、給紙ローラ対9a又は9bによってその最上側より1枚ずつ給送される。
【0026】
各画像形成部Pa,Pb,Pc,Pdには、それぞれ像担持体としての感光ドラム1a,1b,1c,1dが設置されている。各感光ドラム1a,1b,1c,1dの周囲には、一次帯電器2a,2b,2c,2d、現像装置3a,3b,3c,3d、転写ブレード4a,4b,4c,4d、ドラムクリーニング装置5a,5b,5c,5dがそれぞれ設置されており、各感光ドラム1a,1b,1c,1dの上方には露光装置8が設置されている。
【0027】
各感光ドラム1a,1b,1c,1dは、図2に示すように、導電性基材1e上に感光層(電荷発生層1f、電荷輸送層1g)が積層され、更にその上にテフロン(登録商標)を含有した離型性層1hを被覆して構成されており、所定の周速(例えば300mm/sec)で回転駆動される。なお、図2では、感光ドラム1aを示したが感光ドラム1b,1c,1dも同様である。
【0028】
各感光ドラム1a,1b,1c,1dの転写部には、転写材搬送体としての無端ベルト状の転写材搬送ベルト4が当接している。転写材搬送ベルト4は、支持ローラ6a,6bと駆動ローラ6c間に張架されており、駆動ローラ6cの駆動によって矢印方向に回転(移動)される。転写ブレード4a,4b,4c,4dは、各転写部にて転写材搬送ベルト4を介して各感光ドラム1a,1b,1c,1dにそれぞれ当接している。また、転写材搬送ベルト4の外側の駆動ローラ6c近傍には、転写材搬送ベルト4表面に付着した残トナーなどを除去して回収するベルトクリーニング装置20が設置されている(本発明の特徴であるベルトクリーニング装置20の詳細については後述する)。
【0029】
また、転写材搬送ベルト4の転写材搬送方向に対して画像形成部Pdの下流側には、分離帯電器17と、搬送ベルト18を介して定着装置10が設置されている。定着装置10は、定着ニップ部を形成する定着ローラ11と加圧ローラ12を有しており、定着ローラ11と加圧ローラ12内にはそれぞれヒータ13,14が設置されている。
【0030】
各現像装置3a,3b,3c,3dは、現像バイアス電源(不図示)から印加される現像バイアスによって各感光ドラム1a,1b,1c,1d上に形成される静電潜像にトナーを付着させて、トナー像として現像(反転現像)する。各現像装置3a,3b,3c,3dには、それぞれブラックトナー、マゼンタトナー、イエロートナー、シアントナーが収納されている(本発明の特徴であるトナーの詳細については後述する)。
【0031】
次に、上記した本実施の形態の画像形成装置60による画像形成動作について説明する。
【0032】
画像形成動作開始信号が発せられると、所定のプロセススピードで回転駆動される画像形成部Pa,Pb,Pc,Pdの各感光ドラム1a,1b,1c,1dは前露光ランプ(不図示)による露光で除電された後に、それぞれ一次帯電器2a,2b,2c,2dによって一様に本実施の形態では負極性に帯電される。そして、露光装置8は、画像読み取り部(不図示)から入力されるカラー色分解された原稿画像の画像信号を光信号にそれぞれ変換し、変換された光信号であるレーザ光を、帯電された各感光ドラム1a,1b,1c,1d上にそれぞれ走査露光して、ブラック、マゼンタ、イエロー、シアンの各色成分に対応した静電潜像を形成する。
【0033】
そして、先ず感光ドラム1a上に形成された静電潜像に、感光ドラム1aの帯電極性(負極性)と同極性の現像バイアスが印加された現像装置3aによりブラックのトナーを付着させて、トナー像として可視像化する。
【0034】
一方、カセット15a又は15bに収納されている用紙などの転写材Pが給紙ローラ対9a又は9bによって1枚ずつ分離されてレジストローラ対16まで搬送される。そして、上記ブラックのトナー像の形成に合わせて所定のタイミングで、レジストローラ対16により斜行が補正された転写材Pが転写材搬送ベルト4上に搬送される。
【0035】
転写材Pは、駆動ローラ6aの駆動によって移動される転写材搬送ベルト4上に吸着バイアスが印加された吸着ローラ対7により静電吸着されて、画像形成部Paの転写部に搬送され、転写バイアス(トナーと逆極性(正極性))が印加された転写ブレード4aにより、ブラックのトナー像が転写材P上に転写される。この際、転写ブレード4aは、転写材Pと転写材搬送ベルト4を介して感光ドラム1aに所定の圧力で押圧されている。
【0036】
ブラックのトナー像が転写された転写材Pは、転写材搬送ベルト4上に吸着されて画像形成部Pb側に移動される。そして、画像形成部Pbの転写部においても、前記同様にして感光ドラム1bに形成されたマゼンタのトナー像が、転写材P上のブラックのトナー像上に重ね合わせて、転写バイアス(トナーと逆極性(正極性))が印加された転写ブレード4bにより転写される。
【0037】
以下、同様にして転写材P上に重畳転写されたブラック、マゼンタのトナー像上に、画像形成部Pc,Pdの感光ドラム1c,1dで形成されたイエロー、シアンのトナー像を、各転写部にて転写バイアス(トナーと逆極性(正極性))がそれぞれ印加された転写ブレード4c,4dにより順次重ね合わせて、フルカラーのトナー像を転写材P上に形成する。
【0038】
そして、フルカラーのトナー像が形成された転写材Pは、分離帯電器17により転写材搬送ベルト4上から分離されて搬送ベルト18を介して定着装置10に搬送され、定着装置10の定着ローラ11と加圧ローラ12間の定着ニップ部でフルカラーのトナー像を加熱、加圧して転写材P表面に熱定着した後に外部の排出トレイ19に排出して、一連の画像形成動作を終了する。
【0039】
なお、上記した各転写時において、感光ドラム1a,1b,1c,1d上に残留している転写残トナーは、ドラムクリーニング装置5a,5b,5c,5dのクリーニングブレードによって除去されて回収される。また、転写後に転写材搬送ベルト4上に付着した残トナーは、ベルトクリーニング装置20のクリーニングブレードによって除去されて回収される。
【0040】
次に、本発明の実施の形態におけるベルトクリーニング装置20について説明する。
【0041】
図3は、本実施の形態に係るベルトクリーニング装置20を示す概略断面図である。
【0042】
このベルトクリーニング装置20のクリーニング部材としてのクリーニングブレード21は、弾性を有するウレタンゴムを基材としたゴムブレードで構成されており、支持板22の一端側に固着されている。支持板22の他端側はクリーニング容器23に固着されている。クリーニングブレード21の先端エッジは、駆動ローラ6cに巻き付いている転写材搬送ベルト4の表面に、転写材搬送ベルト4の移動方向(回転方向)対してカウンタ方向に当接角度30°で当接圧25(g/cm)で当接するように設置されている。
【0043】
そして、本実施の形態では、クリーニングブレード21の転写材搬送ベルト4と当接する面側の先端エッジを含む表面には、クリーニングブレード21を構成するウレタンゴムに対して10wt%の潤滑性を有する無機微粒子が内包された表面層21aが形成されている。
【0044】
表面層21aを含むクリーニングブレード21の厚みは2mmであり、クリーニングブレード21の自由長は8mmである。また、支持板22は厚み1mmのTcSUS材で形成されている。
【0045】
なお、本実施の形態では、感光ドラム1a,1b,1c,1d上に残留している転写残トナーを除去するドラムクリーニング装置5a,5b,5c,5dのクリーニングブレードも、上記したベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21と同様の表面層を有している。
【0046】
また、本実施の形態で用いたトナー(現像剤)は磁性一成分トナーであり、現像剤のT/D比は8%である。また、磁性キャリアとしては、1キロエルステッドの磁界中の磁化量が100emu/cm3であり、かつ個数平均粒径が40μmであって、更に比抵抗が1013Ω・cmのものを使用し、単位質量当たりの平均電荷量が25μc/gであるトナーを用いた。本実施の形態1におけるトナーの詳細については、以下の実施例1〜12で述べる。
【0047】
次に、上記した本実施の形態に係る画像形成装置60において、以下に述べる実施例1〜12、及び比較例1〜9におけるトナーとベルトクリーニング装置20の上記表面層21aを有するクリーニングブレード21を用いた場合における、転写材搬送ベルト4のクリーニング性を調べた。
【0048】
具体的には、常温、常湿環境下において、画像比率10%の画像を2枚間欠で10万枚耐久画像形成して出力した際における、10万枚目までに得られた出力画像を目視により評価した。図4〜図6にその評価結果を示す。
【0049】
(実施例1)
実施例1におけるベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21は、潤滑性を有する無機微粒子としてフッ化カーボンを、クリーニングブレード21を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層21aを有している。また、トナーとしては、平均粒径4.5μmの不定形粉砕トナーを使用した。
【0050】
この場合においては、ベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21で転写材搬送ベルト4が良好にクリーニングされて、10万枚目まで良好な画像が得られた。
【0051】
上記の不定形粉砕トナーの製造法としては、例えば以下のような方法が挙げられる。
【0052】
構成材料をヘンシェルミキサー、ボールミル、V型ミキサー、他の混合器を用いた混合工程、熱ロールニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いた混練工程、混練物を冷却固化後、ジェットミル等の粉砕機を用いた粉砕工程、上記工程を少なくとも有する製造工程を経て製造されることが好ましい。更に必要により、粉砕物の分級工程を経ることも好ましい。
【0053】
これらの中でも、その製造工程に、少なくとも結着樹脂とその他組成物を溶融混練する工程とそれを微粉砕する粉砕工程とを有する製造工程が特に好ましい。
【0054】
溶融混練工程において、示差熱分析における吸熱ピークが120℃以下にある場合、結着樹脂中の磁性体、荷電制御剤の分散状態が本発明にとって好ましい状態になり、それを粉砕することによって、そのある特異な状態がそのままトナー表面に露出し、転写効率の向上に効果を得ることができる。
【0055】
(実施例2)
実施例2におけるベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21は、潤滑性を有する無機微粒子として酸化セリウムを、クリーニングブレード21を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層21aを有している。また、トナーとしては、平均粒径5.5μmの不定形粉砕トナーを使用した。
【0056】
この場合においては、ベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21で転写材搬送ベルト4が良好にクリーニングされて、10万枚目まで良好な画像が得られた。
【0057】
(実施例3)
実施例3におけるベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21は、潤滑性を有する無機微粒子としてフッ化カーボンを、クリーニングブレード21を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層21aを有している。また、トナーとしては、平均粒径6.5μmの不定形粉砕トナーを使用した。
【0058】
この場合においては、ベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21で転写材搬送ベルト4が良好にクリーニングされて、10万枚目まで良好な画像が得られた。
【0059】
(実施例4)
実施例4におけるベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21は、潤滑性を有する無機微粒子として酸化セリウムを、クリーニングブレード21を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層21aを有している。また、トナーとしては、平均粒径7.5μmの不定形粉砕トナーを使用した。
【0060】
この場合においては、ベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21で転写材搬送ベルト4が良好にクリーニングされて、10万枚目まで良好な画像が得られた。
【0061】
(比較例1)
比較例1におけるベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21は、潤滑性を有する無機微粒子として酸化セリウムを、クリーニングブレード21を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層21aを有している。また、トナーとしては、平均粒径4.0μmの不定形粉砕トナーを使用した。
【0062】
この場合においては、トナーの粒径が小さすぎたことにより、耐久画像形成途中の約1万枚目でクリーニングブレード21からのトナーのすり抜けが発生し、転写材搬送ベルト4が汚れることによって、転写材(紙)の裏面側(非トナー像担持面側)に汚れが発生し始めた。
【0063】
(比較例2)
比較例2におけるベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21は、潤滑性を有する無機微粒子としてフッ化カーボンを、クリーニングブレード21を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層21aを有している。また、トナーとしては、平均粒径8.5μmの不定形粉砕トナーを使用した。
【0064】
この場合においては、トナーの粒径が大きいことにより、現像効率が悪くなって、耐久画像形成途中の約5千枚目で画像の白抜けが発生し始めた。
【0065】
(比較例3)
比較例3におけるベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21は、フッ化カーボンを分散したナイロンコート層を表面層21aをとして構成した。また、トナーとしては、平均粒径6.5μmの不定形粉砕トナーを使用した。
【0066】
この場合においては、クリーニングブレード21は潤滑性を持っており、クリーニングブレード21のビビリや捲れは発生しなかったが、このナイロンコート層にはゴムのような転写材搬送ベルト4に対する追従性、親和性はない。
【0067】
このため、このクリーニングブレード21の転写材搬送ベルト4との当接ニップ部が長手方向で不均一となってトナーのすり抜けが発生し、約2万枚目で転写材搬送ベルト4が汚れることによって、転写材(紙)の裏面側(非トナー像担持面側)に汚れが発生し始めた。
【0068】
(実施例5)
実施例5におけるベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21は、潤滑性を有する無機微粒子としてフッ化カーボンを、クリーニングブレード21を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層21aを有している。また、トナーとしては、平均粒径4.5μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した不定形粉砕トナーを使用した。
【0069】
この場合においては、ベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21で転写材搬送ベルト4が良好にクリーニングされて、10万枚目まで良好な画像が得られた。
【0070】
上記のトナーに分散されたワックス成分としては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム等の石油系ワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体、ポリエチレンに代表されるポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワックス等、天然ワックス及びそれらの誘導体等で、誘導体には酸化物や、ビニルモノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物も含む。
【0071】
高級脂肪族アルコール等のアルコール;ステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸或いはその化合物;酸アミド、エステル、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物ワックス、動物ワックス等、示差熱分析における吸熱ピークを120℃以下に有しているものであればどれも用いることが可能である。
【0072】
これらの中でも、トナー中に、ポリオレフィンもしくはフィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックスもしくは石油系ワックスもしくは高級アルコールが含有される場合が特に好ましい。
【0073】
また、上記の中でも、トナー中に、ポリオレフィンもしくはフィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックスもしくは石油系ワックスが含有される場合がさらに好ましい。
【0074】
(実施例6)
実施例6におけるベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21は、潤滑性を有する無機微粒子として酸化セリウムを、クリーニングブレード21を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層21aを有している。また、トナーとしては、平均粒径5.5μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した不定形粉砕トナーを使用した。
【0075】
この場合においては、ベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21で転写材搬送ベルト4が良好にクリーニングされて、10万枚目まで良好な画像が得られた。
【0076】
(実施例7)
実施例7におけるベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21は、潤滑性を有する無機微粒子としてフッ化カーボンを、クリーニングブレード21を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層21aを有している。また、トナーとしては、平均粒径6.5μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した不定形粉砕トナーを使用した。
【0077】
この場合においては、ベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21で転写材搬送ベルト4が良好にクリーニングされて、10万枚目まで良好な画像が得られた。
【0078】
(実施例8)
実施例8におけるベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21は、潤滑性を有する無機微粒子として酸化セリウムを、クリーニングブレード21を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層21aを有している。また、トナーとしては、平均粒径7.5μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した不定形粉砕トナーを使用した。
【0079】
この場合においては、ベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21で転写材搬送ベルト4が良好にクリーニングされて、10万枚目まで良好な画像が得られた。
【0080】
(比較例4)
比較例4におけるベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21は、潤滑性を有する無機微粒子として酸化セリウムを、クリーニングブレード21を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層21aを有している。また、トナーとしては、平均粒径4.0μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した不定形粉砕トナーを使用した。
【0081】
この場合においては、トナーの粒径が小さすぎたことにより、耐久画像形成途中の約3万枚目でクリーニングブレード21からのトナーのすり抜けが発生し、転写材搬送ベルト4が汚れることによって、転写材(紙)の裏面側(非トナー像担持面側)に汚れが発生し始めた。
【0082】
(比較例5)
比較例5におけるベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21は、潤滑性を有する無機微粒子としてフッ化カーボンを、クリーニングブレード21を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層21aを有している。また、トナーとしては、平均粒径8.5μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した不定形粉砕トナーを使用した。
【0083】
この場合においては、トナーの粒径が大きいことにより、現像効率が悪くなって、耐久画像形成途中の約5千枚目で画像の白抜けが発生し始めた。
【0084】
(比較例6)
比較例6におけるベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21は、フッ化カーボンを分散したナイロンコート層を表面層21aをとして構成した。また、トナーとしては、平均粒径6.5μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した不定形粉砕トナーを使用した。
【0085】
この場合においては、クリーニングブレード21は潤滑性を持っており、クリーニングブレード21のビビリや捲れは発生しなかったが、このナイロンコート層にはゴムのような転写材搬送ベルト4に対する追従性、親和性はない。
【0086】
このため、このクリーニングブレード21の転写材搬送ベルト4との当接ニップ部が長手方向で不均一となってトナーのすり抜けが発生し、約4万枚目で転写材搬送ベルト4が汚れることによって、転写材(紙)の裏面側(非トナー像担持面側)に汚れが発生し始めた。
【0087】
(実施例9)
実施例9におけるベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21は、潤滑性を有する無機微粒子としてフッ化カーボンを、クリーニングブレード21を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層21aを有している。また、トナーとしては、平均粒径4.5μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した、形状係数SF−1が100〜140及びSF−2が100〜120の範囲内にある重合法で生成された略球形トナーを使用した。
【0088】
この場合においては、ベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21で転写材搬送ベルト4が良好にクリーニングされて、10万枚目まで良好な画像が得られた。
【0089】
上記の略球形トナーは、例えば単量体組成物を懸濁重合し直接的に製造することができる。
【0090】
例示すると、先ず重合性単量体、着色剤、極性樹脂、離型剤、帯電制御剤、重合開始剤、架橋剤などから成る重合性単量体組成物を、水系媒体中へ分散して重合性単主体組成物の粒子を生成させる。そして、この粒子の表面に極性樹脂を局在下させ、粒子中の重合性単量体を重合し、結着樹脂としてトナー粒子を形成させる。また、水系媒体中に水溶性重合開始剤を添加してトナー粒子表面を処理することにより、収率良く生成することができる。
【0091】
材料は重合性単量体としては、スチレン重合体、スチレン−アクリート共重合体、スチレン−メタクリレート共重合体などがある。極性樹脂としては、ポリエステル樹脂、スチレン共重合体などがある。
【0092】
着色剤としては、カーボンブラック、ジスアゾ系黄色顔料、キナクリドン系マゼンタ顔料、フタロシアニン系シアン顔料などがある。
【0093】
離型剤としては、DSC吸熱曲線における吸熱メインピーク値が120℃以下の低融点物質であるパラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、フィッシャートロピッシュワックス、アミドワックス、高級脂肪酸、高級アルコールエステルワックスなどがある。
【0094】
架橋剤としては、ジビニルベンゼン、カルボン酸エステル、ジビニルアニリンなどがある。
【0095】
帯電制御剤としては、ニグロシン染料、トリフェニルメタン染料等の正帯電性、合金属サリチル酸化合物、尿素誘導体、アゾ系染料等の負帯電性の制御剤などがある。重合開始剤としては、アゾ系や過酸化物系の重合開始剤などがある。
【0096】
また、上記のトナーの形状係数SF−1及びSF−2は(株)日立製作所製の走査型電子顕微鏡FE−SEM(S−800)を用い、100個のトナー粒子を無作為にサンプリングし、その画像情報をインターフェースを介してニレコ(株)製の画像解析装置(Luzex3)に導入して解析を行い、下式より算出し得られた値を形状係数SF−1及びSF−2と定義した。
【0097】
【数1】
【0098】
(実施例10)
実施例10におけるベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21は、潤滑性を有する無機微粒子として酸化セリウムを、クリーニングブレード21を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層21aを有している。また、トナーとしては、平均粒径5.5μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した、形状係数SF−1が100〜140及びSF−2が100〜120の範囲内にある重合法で生成された略球形トナーを使用した。
【0099】
この場合においては、ベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21で転写材搬送ベルト4が良好にクリーニングされて、10万枚目まで良好な画像が得られた。
【0100】
(実施例11)
実施例11におけるベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21は、潤滑性を有する無機微粒子としてフッ化カーボンを、クリーニングブレード21を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層21aを有している。また、トナーとしては、平均粒径6.5μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した、形状係数SF−1が100〜140及びSF−2が100〜120の範囲内にある重合法で生成された略球形トナーを使用した。
【0101】
この場合においては、ベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21で転写材搬送ベルト4が良好にクリーニングされて、10万枚目まで良好な画像が得られた。
【0102】
(実施例12)
実施例12におけるベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21は、潤滑性を有する無機微粒子として酸化セリウムを、クリーニングブレード21を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層21aを有している。また、トナーとしては、平均粒径7.5μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した、形状係数SF−1が100〜140及びSF−2が100〜120の範囲内にある重合法で生成された略球形トナーを使用した。
【0103】
この場合においては、ベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21で転写材搬送ベルト4が良好にクリーニングされて、10万枚目まで良好な画像が得られた。
【0104】
(比較例7)
比較例7におけるベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21は、潤滑性を有する無機微粒子として酸化セリウムを、クリーニングブレード21を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層21aを有している。また、トナーとしては、平均粒径4.0μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した、形状係数SF−1が100〜140及びSF−2が100〜120の範囲内にある重合法で生成された略球形トナーを使用した。
【0105】
この場合においては、トナーの粒径が小さすぎたことにより、耐久画像形成途中の約3千枚目でクリーニングブレード21からのトナーのすり抜けが発生し、転写材搬送ベルト4が汚れることによって、転写材(紙)の裏面側(非トナー像担持面側)に汚れが発生し始めた。
【0106】
(比較例8)
比較例8におけるベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21は、潤滑性を有する無機微粒子としてフッ化カーボンを、クリーニングブレード21を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層21aを有している。また、トナーとしては、平均粒径8.5μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した、形状係数SF−1が100〜140及びSF−2が100〜120の範囲内にある重合法で生成された略球形トナーを使用した。
【0107】
この場合においては、トナーの粒径が大きいことにより、現像効率が悪くなって、耐久画像形成途中の約7千枚目で画像の白抜けが発生し始めた。
【0108】
(比較例9)
比較例9におけるベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21は、フッ化カーボンを分散したナイロンコート層を表面層21aとして構成した。また、トナーとしては、平均粒径6.5μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した、形状係数SF−1が100〜140及びSF−2が100〜120の範囲内にある重合法で生成された略球形トナーを使用した。
【0109】
この場合においては、クリーニングブレード21は潤滑性を持っており、クリーニングブレード21のビビリや捲れは発生しなかったが、このナイロンコート層にはゴムのような転写材搬送ベルト4に対する追従性、親和性はない。
【0110】
このため、このクリーニングブレード21の転写材搬送ベルト4との当接ニップ部が長手方向で不均一となってトナーのすり抜けが発生し、約1万枚目で転写材搬送ベルト4が汚れることによって、転写材(紙)の裏面側(非トナー像担持面側)に汚れが発生し始めた。
【0111】
このように、上記の実施例1〜4及び比較例1〜3の評価結果から明らかなように、トナーとして、平均粒径4.5〜7.5μmの不定形粉砕トナーを用い、かつ潤滑性を有する無機微粒子としてフッ化カーボンまたは酸化セリウムを、クリーニングブレード21を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層21aを有するクリーニングブレード21を、転写材搬送ベルト4表面に当接してクリーニングを行うことにより、トナーのすり抜けを防止するとともに、クリーニングブレード21のビビリや捲れを防止して、良好なクリーニングを長期にわたって安定して行うことができる。
【0112】
また、上記の実施例5〜8及び比較例4〜6の評価結果から明らかなように、トナーとして、平均粒径4.5〜7.5μmのワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した不定形粉砕トナーを用い、かつ潤滑性を有する無機微粒子としてフッ化カーボンまたは酸化セリウムを、クリーニングブレード21を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層21aを有するクリーニングブレード21を、転写材搬送ベルト4表面に当接してクリーニングを行うことにより、トナーのすり抜けを防止するとともに、クリーニングブレード21のビビリや捲れを防止して、良好なクリーニングを長期にわたって安定して行うことができる。
【0113】
また、上記の実施例9〜12及び比較例7〜9の評価結果から明らかなように、トナーとして、平均粒径4.5〜7.5μmでワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した、形状係数SF−1が100〜140及びSF−2が100〜120の範囲内にある重合法で生成された略球形トナーを用い、かつ潤滑性を有する無機微粒子としてフッ化カーボンまたは酸化セリウムを、クリーニングブレード21を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層21aを有するクリーニングブレード21を、転写材搬送ベルト4表面に当接してクリーニングを行うことにより、トナーのすり抜けを防止するとともに、クリーニングブレード21のビビリや捲れを防止して、良好なクリーニングを長期にわたって安定して行うことができる。
【0114】
〈実施の形態2〉
図7は、本発明の実施の形態2に係る画像形成装置を示す概略構成図である。本実施の形態における画像形成装置は、中間転写体として中間転写ベルトを有し、フルカラー画像形成可能なレーザプリンタ等の画像形成装置である。
【0115】
本画像形成装置は、像担持体としての感光ドラム31を備えている。感光ドラム31の周囲には、感光ドラム31の回転方向(反時計方向)に沿って感光ドラム31の表面を負極性に一様に帯電する帯電ローラ32、入力される画像信号に基づいて感光ドラム31を走査露光Lして静電潜像を形成する露光装置(レーザ走査ユニット)36、感光ドラム31上の静電潜像にトナーを付着させて現像する現像装置33、感光ドラム31上に形成されたトナー像が1次転写される中間転写体としての無端ベルト状の中間転写ベルト34、感光ドラム31上に残留した残留トナーを除去・回収するドラムクリーニング装置35が設置されている。
【0116】
感光ドラム31は、本実施の形態ではアルミニウム等からなる導電性のドラム基体上に感光層を塗布して構成されており、駆動装置(不図示)によって矢印方向(反時計方向)に所定のプロセススピード(周速)で回転駆動され、その回転過程において帯電ローラ32により負極性に一様に所定電位に帯電される。
【0117】
現像装置33は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーをそれぞれ収納した現像器33a,33b,33c,33dを備えており、これらの現像器33a,33b,33c,33dは回転自在な回転体33Aに搭載されている(本発明の特徴であるトナーの詳細については後述する)。現像装置33は、回転体33Aの回転駆動によって、露光装置36の露光によって感光ドラム31上に形成される静電潜像の現像に供される色の現像器が感光ドラム31表面に対向する現像位置に移動して配置され、静電潜像にトナーを付着させてトナー像として現像(可視像化)する。
【0118】
中間転写ベルト34は、テンションローラ38、駆動ローラ39、2次転写対向ローラ40間に張架されており、駆動ローラ39の駆動によって矢印方向に回転(移動)される。中間転写ベルト34は、1次転写ローラ37による押圧によって感光ドラム31に当接して1次転写ニップ部N1が形成される。
【0119】
1次転写ローラ37は、金属の芯金とそれを覆った低抵抗(105Ω・cm以下)の弾性体で構成されている。また、中間転写ベルト34は、主にゴム材料あるいは樹脂材料で構成されており、例えば、ゴム材からなる基層(ゴム層)の上に中抵抗の表層をコートして構成されている。ゴム層には、伸縮防止のために金属の芯体を埋め込んでもよい。
【0120】
2次転写対向ローラ40は、中間転写ベルト34を介して2次転写ローラ41と当接して2次転写ニップ部N2を形成している。2次転写ローラ41は、中間転写ベルト34(2次転写対向ローラ40)に対して接離自在である。また、中間転写ベルト34表面のテンションローラ38と2次転写対向ローラ40間には、中間転写ベルト34表面に残った転写残トナーなどを除去して回収するベルトクリーニング装置42が当接・離間自在に設置されている(本発明の特徴であるベルトクリーニング装置42の詳細については後述する)。
【0121】
また、2次転写ニップ部N2の転写材搬送方向に対して下流側には、搬送ベルト43を介して定着装置44が設置されている。
【0122】
次に、上記した本実施の形態の画像形成装置による画像形成動作について説明する。
【0123】
画像形成動作開始信号が発せられると、感光ドラム31を駆動装置(不図示)により所定のプロセススピードで矢印方向(反時計方向)に回転駆動し、所定の帯電バイアスが印加された帯電ローラ32により、負極性の所定電位に均一に帯電する。
【0124】
そして、帯電された感光ドラム31上に露光装置36によりレーザ光による走査露光Lを行ない、目的のカラー画像の第1の色成分像(本実施の形態ではイエロー成分像)に対応した静電潜像を形成する。そして、現像装置33の現像器33aを、回転体33Aの回転によって感光ドラム31と対向する現像位置に移動させ、この静電潜像を第1色目であるイエロートナーにより現像して顕像化する。
【0125】
そして、感光ドラム31上に形成担持された前記第1色目のイエロートナー画像は、1次転写ニップ部N1を通過する過程で、1次転写ローラ37による押圧力と、1次転写バイアス(トナーの帯電極性と逆極性のバイアス)が印加されたこの1次転写ローラ37によって形成される電界とによって、中間転写ベルト34の外周面に1次転写されていく。この際、2次転写ローラ41は、2次転写ニップ部N2にて中間転写ベルト34(2次転写対向ローラ40)から離間している。また、中間転写ベルト34上にイエロートナー像が1次転写された後に、中間転写ベルト34に1次転写されないで感光ドラム31上に残った1次転写残トナーは、ドラムクリーニング装置35のクリーニングブレードによって除去され回収される。
【0126】
上述のようにして1色目のイエロートナー像の1次転写が終了すると、回転体33Aが回転して次の現像器が感光ドラム31と対向する現像位置に移動して、イエローの場合と同様にしてマゼンタ、シアン、ブラックの各色について、静電潜像の形成、現像、1次転写動作を順次行ない、中間転写ベルト34上で4色のトナー像を順次重ね合わせてフルカラーのトナー像を形成する。
【0127】
以下、同様にしてマゼンタ現像器33b、シアン現像器33c、ブラック現像器33dにより、感光ドラム1上にそれぞれ形成担持された第2色目のマゼンタトナー画像、第3色目のシアントナー画像、第4色目のブラックトナー画像が順次中間転写ベルト34上に重畳転写され、目的のカラー画像に対応したフルカラートナー画像が形成される。
【0128】
そして、離間状態にあった2次転写ローラ41を中間転写ベルト34に加圧して2次転写ニップ部N2を形成し、中間転写ベルト34上のフルカラー画像の先端が2次転写ニップ部N2に到達すると、このタイミングに合わせてカセット47内の用紙などの転写材Pがピックアップローラ48により1枚ずつ給紙され、レジストローラ(不図示)等を介して2次転写ニップ部N2に搬送される。
【0129】
そして、2次転写ローラ41に2次転写バイアス(トナーの帯電極性と逆極性のバイアス)を印加することにより、転写材Pの表面に中間転写ベルト34上に担持されたフルカラーのトナー像が一括して転写(2次転写)される。
【0130】
そして、フルカラーのトナー画像が転写された転写材Pは、搬送ベルト43を介して定着装置44に搬送されて、定着装置44の定着ローラ44aと加圧ローラ44b間の定着ニップ部N3で挟持搬送され、この定着ニップ部N3でフルカラーのトナー画像が加熱加圧されて転写材P上に定着された後、排出ローラ49を介して外部に排出される。
【0131】
なお、上記2次転写動作終了後において、離間状態にあったベルトクリーニング装置42を中間転写ベルト34に接触させ、中間転写ベルト34上に2次転写されずに残った2次転写残トナーを除去して回収する。
【0132】
また、上記した本実施の形態に係る画像形成装置70は、感光ドラム31表面に隣接して濃度検知センサ50が配置されており、制御装置(CPU)53は、濃度検知センサ50から入力される濃度情報に基づいて画像濃度制御を行う。更に、画像形成装置70内には、記憶装置51が設置されており、記憶装置51には、感光ドラム31の使用状況を明確化できる情報、例えば感光ドラム31の回転時間、帯電ローラ32にバイアスを印加した時間、露光装置36の露光時間等が記録される。
【0133】
上述した画像形成装置70では、4色のトナーを重ねて色を再現するため、使用する環境の変化、プリント枚数等の諸条件によって画像濃度が変動すると、本来の正しい色調が得られなくなってしまう。
【0134】
更に、過多の画像濃度増加は、トナーの乗り量が多すぎることによるトナーの飛び散りを引き起こす。このトナーの飛び散りとは、感光ドラム31、中間転写ベルト34或いは転写材P等において、空気による圧力、電磁気力等による作用がトナーを担持する力に勝り、トナー像が崩れて広がった状態である。トナーの飛び散りが生じると静電潜像が再現されなくなり、非常に見栄の悪い画像が出力されることになる。
【0135】
上記画像形成装置では、4色の色重ねを行うため、トナーは飛び散り易くなる。即ち、このフルカラー画像形成可能な画像形成装置においては、白黒画像形成装置と異なり、わずかな濃度の変動も許されない。
【0136】
このため、感光ドラム31上に濃度検知用トナー像(バッチ)を試験的にそれぞれ形成し、それらの濃度を感光ドラム1に隣接させて配置した光学式の濃度検知センサ50で検出し、制御装置53は、濃度検知センサ50から入力される濃度情報に基づいて、現像バイアス等の画像形成条件にフィードバックをかける画像濃度制御を行う。濃度制御の実行は、例えば画像形成枚数が100枚に達する毎に行う。
【0137】
濃度検知センサ50は、不図示のLEDの発光素子とフォトダイオードの受光素子で構成されており、発光素子からの赤外光を感光ドラム31上の上記濃度検知用トナー像(バッチ)に、感光ドラム31に対して45°の角度で照射させ、そこからの乱反射光を感光ドラム31に対して垂直になるように配置した受光素子で測定することによりバッチの濃度を検知する。
【0138】
また、トナーの飛散等によって濃度検知センサ50が汚れると、濃度制御の精度が低下する。このため、濃度検知センサ50は、なるべくトナーの飛散の影響が少ない位置に配置するのが好ましい。具体的には、図7に示した画像形成装置70のように、感光ドラム31を挟んで現像装置33と反対の位置に配置するのがよい。
【0139】
また、上記濃度検知用トナー像(バッチ)が乱れるのを防止するため、感光ドラム31と中間転写ベルト34を離間する機構を設けて、濃度制御の実行時には、感光ドラム31と中間転写ベルト34を離間するようにしてもよい。
【0140】
そして、本実施の形態に係る画像形成装置70においても、実施の形態1と同様のベルトクリーニング装置42のクリーニング部材としてのクリーニングブレード45を有し、更に、実施の形態1と同様のトナーを用いた。
【0141】
即ち、このベルトクリーニング装置42のクリーニング部材としてのクリーニングブレード45は、弾性を有するウレタンゴムを基材としたゴムブレードで構成されている。クリーニングブレード45は、支持板(不図示)の一端側に固着されており、支持板の他端側はクリーニング容器(不図示)に固着されている。
【0142】
クリーニングブレード45の先端エッジは、中間転写ベルト34の表面に、中間転写ベルト34の移動方向(回転方向)対してカウンタ方向に当接角度30°で当接圧25(g/cm)で当接するように設置されている。
【0143】
そして、クリーニングブレード45の中間転写ベルト34と当接する面側の先端エッジを含む表面には、図3に示した実施の形態1と同様に、クリーニングブレード45を構成するウレタンゴムに対して10wt%の潤滑性を有する無機微粒子が内包された表面層(不図示)が形成されている。表面層を含むクリーニングブレード45の厚みは2mmであり、クリーニングブレード45の自由長は8mmである。
【0144】
なお、本実施の形態では、感光ドラム31上に残留している転写残トナーを除去するドラムクリーニング装置35のクリーニングブレードも、上記したベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45と同様の表面層を有している。
【0145】
また、本実施の形態で用いた現像剤も、実施の形態1と同様に磁性一成分トナーであり、現像剤のT/D比は8%である。また、磁性キャリアとしては、1キロエルステッドの磁界中の磁化量が100emu/cm3であり、かつ個数平均粒径が40μmであって、更に比抵抗が1013Ω・cmのものを使用し、単位質量当たりの平均電荷量が25μc/gであるトナーを用いた。本実施の形態2におけるトナーの詳細については、以下の実施例13〜24で述べる。
【0146】
次に、上記した本実施の形態に係る画像形成装置70において、以下に述べる実施例13〜24、及び比較例10〜18におけるトナーとベルトクリーニング装置42の上記表面層を有するクリーニングブレード45を用いた場合における、中間転写ベルト34のクリーニング性を調べた。
【0147】
具体的には、常温、常湿環境下において、画像比率10%の画像を2枚間欠で10万枚耐久画像形成して出力した際における、10万枚目までに得られた出力画像を目視により評価した。図8にその評価結果を示す。
【0148】
(実施例13)
実施例13におけるベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45は、潤滑性を有する無機微粒子としてフッ化カーボンを、クリーニングブレード45を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層を有している。また、トナーとしては、平均粒径4.5μmの不定形粉砕トナーを使用した。
【0149】
この場合においては、ベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45で中間転写ベルト34が良好にクリーニングされて、10万枚目まで良好な画像が得られた。
【0150】
(実施例14)
実施例14におけるベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45は、潤滑性を有する無機微粒子として酸化セリウムを、クリーニングブレード45を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層を有している。また、トナーとしては、平均粒径5.5μmの不定形粉砕トナーを使用した。
【0151】
この場合においては、ベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45で中間転写ベルト34が良好にクリーニングされて、10万枚目まで良好な画像が得られた。
【0152】
(実施例15)
実施例15におけるベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45は、潤滑性を有する無機微粒子としてフッ化カーボンを、クリーニングブレード45を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層を有している。また、トナーとしては、平均粒径6.5μmの不定形粉砕トナーを使用した。
【0153】
この場合においては、ベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45で中間転写ベルト34が良好にクリーニングされて、10万枚目まで良好な画像が得られた。
【0154】
(実施例16)
実施例16におけるベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45は、潤滑性を有する無機微粒子として酸化セリウムを、クリーニングブレード45を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層を有している。また、トナーとしては、平均粒径7.5μmの不定形粉砕トナーを使用した。
【0155】
この場合においては、ベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45で中間転写ベルト34が良好にクリーニングされて、10万枚目まで良好な画像が得られた。
【0156】
(比較例10)
比較例10におけるベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45は、潤滑性を有する無機微粒子として酸化セリウムを、クリーニングブレード45を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層を有している。また、トナーとしては、平均粒径4.0μmの不定形粉砕トナーを使用した。
【0157】
この場合においては、トナーの粒径が小さすぎたことにより、耐久画像形成途中の約2万枚目でクリーニングブレード45からのトナーのすり抜けが発生し、中間転写ベルト34が汚れることによって、転写材(紙)の裏面側(非トナー像担持面側)に汚れが発生し始めた。
【0158】
(比較例11)
比較例11におけるベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45は、潤滑性を有する無機微粒子としてフッ化カーボンを、クリーニングブレード45を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層を有している。また、トナーとしては、平均粒径8.5μmの不定形粉砕トナーを使用した。
【0159】
この場合においては、トナーの粒径が大きいことにより、現像効率が悪くなって、耐久画像形成途中の約5千枚目で画像の白抜けが発生し始めた。
【0160】
(比較例12)
比較例12におけるベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45は、フッ化カーボンを分散したナイロンコート層を表面層として構成した。また、トナーとしては、平均粒径6.5μmの不定形粉砕トナーを使用した。
【0161】
この場合においては、クリーニングブレード45は潤滑性を持っており、クリーニングブレードのビビリや捲れは発生しなかったが、このナイロンコート層にはゴムのような中間転写ベルト34に対する追従性、親和性はない。
【0162】
このため、このクリーニングブレード45の中間転写ベルト34との当接ニップ部が長手方向で不均一となってトナーのすり抜けが発生し、約4万枚目で中間転写ベルト34が汚れることによって、転写材(紙)の裏面側(非トナー像担持面側)に汚れが発生し始めた。
【0163】
(実施例17)
実施例17におけるベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45は、潤滑性を有する無機微粒子としてフッ化カーボンを、クリーニングブレード45を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層を有している。また、トナーとしては、平均粒径4.5μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した不定形粉砕トナーを使用した。
【0164】
この場合においては、ベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45で中間転写ベルト34が良好にクリーニングされて、10万枚目まで良好な画像が得られた。
【0165】
(実施例18)
実施例18におけるベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45は、潤滑性を有する無機微粒子として酸化セリウムを、クリーニングブレード45を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層を有している。また、トナーとしては、平均粒径5.5μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した不定形粉砕トナーを使用した。
【0166】
この場合においては、ベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45で中間転写ベルト34が良好にクリーニングされて、10万枚目まで良好な画像が得られた。
【0167】
(実施例19)
実施例19におけるベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45は、潤滑性を有する無機微粒子としてフッ化カーボンを、クリーニングブレード45を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層を有している。また、トナーとしては、平均粒径6.5μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した不定形粉砕トナーを使用した。
【0168】
この場合においては、ベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45で中間転写ベルト34が良好にクリーニングされて、10万枚目まで良好な画像が得られた。
【0169】
(実施例20)
実施例20におけるベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45は、潤滑性を有する無機微粒子として酸化セリウムを、クリーニングブレード45を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層を有している。また、トナーとしては、平均粒径7.5μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した不定形粉砕トナーを使用した。
【0170】
この場合においては、ベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45で中間転写ベルト34が良好にクリーニングされて、10万枚目まで良好な画像が得られた。
【0171】
(比較例13)
比較例13におけるベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45は、潤滑性を有する無機微粒子として酸化セリウムを、クリーニングブレード45を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層を有している。また、トナーとしては、平均粒径4.0μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した不定形粉砕トナーを使用した。
【0172】
この場合においては、トナーの粒径が小さすぎたことにより、耐久画像形成途中の約5万枚目でクリーニングブレード45からのトナーのすり抜けが発生し、中間転写ベルト34が汚れることによって、転写材(紙)の裏面側(非トナー像担持面側)に汚れが発生し始めた。
【0173】
(比較例14)
比較例14におけるベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45は、潤滑性を有する無機微粒子としてフッ化カーボンを、クリーニングブレード45を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層を有している。また、トナーとしては、平均粒径8.5μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した不定形粉砕トナーを使用した。
【0174】
この場合においては、トナーの粒径が大きいことにより、現像効率が悪くなって、耐久画像形成途中の約5千枚目で画像の白抜けが発生し始めた。
【0175】
(比較例15)
比較例15におけるベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45は、フッ化カーボンを分散したナイロンコート層を表面層として構成した。また、トナーとしては、平均粒径6.5μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した不定形粉砕トナーを使用した。
【0176】
この場合においては、クリーニングブレード45は潤滑性を持っており、クリーニングブレード45のビビリや捲れは発生しなかったが、このナイロンコート層にはゴムのような中間転写ベルト34に対する追従性、親和性はない。
【0177】
このため、このクリーニングブレード45の中間転写ベルト34との当接ニップ部が長手方向で不均一となってトナーのすり抜けが発生し、約6万枚目で中間転写ベルト34が汚れることによって、転写材(紙)の裏面側(非トナー像担持面側)に汚れが発生し始めた。
【0178】
(実施例21)
実施例21におけるベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45は、潤滑性を有する無機微粒子としてフッ化カーボンを、クリーニングブレード45を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層を有している。また、トナーとしては、平均粒径4.5μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した、形状係数SF−1が100〜140及びSF−2が100〜120の範囲内にある重合法で生成された略球形トナーを使用した。
【0179】
この場合においては、ベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45で中間転写ベルト34が良好にクリーニングされて、10万枚目まで良好な画像が得られた。
【0180】
(実施例22)
実施例22におけるベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45は、潤滑性を有する無機微粒子として酸化セリウムを、クリーニングブレード45を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層を有している。また、トナーとしては、平均粒径5.5μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した、形状係数SF−1が100〜140及びSF−2が100〜120の範囲内にある重合法で生成された略球形トナーを使用した。
【0181】
この場合においては、ベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45で中間転写ベルト34が良好にクリーニングされて、10万枚目まで良好な画像が得られた。
【0182】
(実施例23)
実施例23におけるベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45は、潤滑性を有する無機微粒子としてフッ化カーボンを、クリーニングブレード45を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層を有している。また、トナーとしては、平均粒径6.5μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した、形状係数SF−1が100〜140及びSF−2が100〜120の範囲内にある重合法で生成された略球形トナーを使用した。
【0183】
この場合においては、ベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45で中間転写ベルト34が良好にクリーニングされて、10万枚目まで良好な画像が得られた。
【0184】
(実施例24)
実施例24におけるベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45は、潤滑性を有する無機微粒子として酸化セリウムを、クリーニングブレード45を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層を有している。また、トナーとしては、平均粒径7.5μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した、形状係数SF−1が100〜140及びSF−2が100〜120の範囲内にある重合法で生成された略球形トナーを使用した。
【0185】
この場合においては、ベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45で中間転写ベルト34が良好にクリーニングされて、10万枚目まで良好な画像が得られた。
【0186】
(比較例16)
比較例16におけるベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45は、潤滑性を有する無機微粒子として酸化セリウムを、クリーニングブレード45を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層を有している。また、トナーとしては、平均粒径4.0μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した、形状係数SF−1が100〜140及びSF−2が100〜120の範囲内にある重合法で生成された略球形トナーを使用した。
【0187】
この場合においては、トナーの粒径が小さすぎたことにより、耐久画像形成途中の約1万枚目でクリーニングブレード45からのトナーのすり抜けが発生し、中間転写ベルト34が汚れることによって、転写材(紙)の裏面側(非トナー像担持面側)に汚れが発生し始めた。
【0188】
(比較例17)
比較例17におけるベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45は、潤滑性を有する無機微粒子としてフッ化カーボンを、クリーニングブレード45を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層を有している。また、トナーとしては、平均粒径8.5μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した、形状係数SF−1が100〜140及びSF−2が100〜120の範囲内にある重合法で生成された略球形トナーを使用した。
【0189】
この場合においては、トナーの粒径が大きいことにより、現像効率が悪くなって、耐久画像形成途中の約7千枚目で画像の白抜けが発生し始めた。
【0190】
(比較例18)
比較例18におけるベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45は、フッ化カーボンを分散したナイロンコート層を表面層として構成した。また、トナーとしては、平均粒径6.5μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した、形状係数SF−1が100〜140及びSF−2が100〜120の範囲内にある重合法で生成された略球形トナーを使用した。
【0191】
この場合においては、クリーニングブレード45は潤滑性を持っており、クリーニングブレード45のビビリや捲れは発生しなかったが、このナイロンコート層にはゴムのような中間転写ベルト34に対する追従性、親和性はない。
【0192】
このため、このクリーニングブレード45の中間転写ベルト34との当接ニップ部が長手方向で不均一となってトナーのすり抜けが発生し、約2.5万枚目で中間転写ベルト34が汚れることによって、転写材(紙)の裏面側(非トナー像担持面側)に汚れが発生し始めた。
【0193】
このように、上記の実施例13〜16及び比較例10〜12の評価結果から明らかなように、トナーとして、平均粒径4.5〜7.5μmの不定形粉砕トナーを用い、かつ潤滑性を有する無機微粒子としてフッ化カーボンまたは酸化セリウムを、クリーニングブレード45を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層を有するクリーニングブレード45を、中間転写ベルト34表面に当接してクリーニングを行うことにより、トナーのすり抜けを防止するとともに、クリーニングブレード45のビビリや捲れを防止して、良好なクリーニングを長期にわたって安定して行うことができる。
【0194】
また、上記の実施例17〜20及び比較例13〜15の評価結果から明らかなように、トナーとして、平均粒径4.5〜7.5μmのワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した不定形粉砕トナーを用い、かつ潤滑性を有する無機微粒子としてフッ化カーボンまたは酸化セリウムを、クリーニングブレード45を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層を有するクリーニングブレード45を、中間転写ベルト34表面に当接してクリーニングを行うことにより、トナーのすり抜けを防止するとともに、クリーニングブレード45のビビリや捲れを防止して、良好なクリーニングを長期にわたって安定して行うことができる。
【0195】
また、上記の実施例21〜24及び比較例16〜18の評価結果から明らかなように、トナーとして、平均粒径4.5〜7.5μmでワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した、形状係数SF−1が100〜140及びSF−2が100〜120の範囲内にある重合法で生成された略球形トナーを用い、かつ潤滑性を有する無機微粒子としてフッ化カーボンまたは酸化セリウムを、クリーニングブレード45を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層を有するクリーニングブレード45を、中間転写ベルト34表面に当接してクリーニングを行うことにより、トナーのすり抜けを防止するとともに、クリーニングブレード45のビビリや捲れを防止して、良好なクリーニングを長期にわたって安定して行うことができる。
【0196】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、転写材搬送体又は中間転写体との当接ニップ部から残トナーのすり抜けを防止するとともに、転写材搬送体又は中間転写体に当接するクリーニング部材のビビリや捲れを防止して、良好なクリーニングを長期にわたって安定して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る画像形成装置を示す概略構成図。
【図2】本発明の実施の形態1に係る画像形成装置の感光ドラムの層構成を示す断面図。
【図3】本発明の実施の形態1に係る画像形成装置のベルトクリーニング装置のクリーニングブレードを示す概略断面図。
【図4】本発明の実施の形態1において、実施例1〜4及び比較例1〜3におけるトナーとベルトクリーニング装置のクリーニングブレードを用いた場合における、転写材搬送ベルトのクリーニング性の評価結果を示す図。
【図5】本発明の実施の形態1において、実施例5〜8及び比較例4〜6におけるトナーとベルトクリーニング装置のクリーニングブレードを用いた場合における、転写材搬送ベルトのクリーニング性の評価結果を示す図。
【図6】本発明の実施の形態1において、実施例9〜12及び比較例7〜9におけるトナーとベルトクリーニング装置のクリーニングブレードを用いた場合における、転写材搬送ベルトのクリーニング性の評価結果を示す図。
【図7】本発明の実施の形態2に係る画像形成装置を示す概略構成図。
【図8】本発明の実施の形態2において、実施例13〜24及び比較例10〜18におけるトナーとベルトクリーニング装置のクリーニングブレードを用いた場合における、中間転写ベルトのクリーニング性の評価結果を示す図。
【符号の説明】
1a,1b,1c,1d、31 感光ドラム(像担持体)
2a,2b,2c,2d 一次帯電器
3a,3b,3c,3d、33 現像装置
4 転写材搬送ベルト(転写材搬送体)
5a,5b,5c,5d、35 ドラムクリーニング装置
8、36 露光装置
10、44 定着装置
11、44a 定着ローラ
12、44b 加圧ローラ
20、42 ベルトクリーニング装置
21、45 クリーニングブレード(クリーニング部材)
21a 表面層
22 支持板
23 クリーニング容器
32 帯電ローラ
33a,33b,33c,33d 現像器
34 中間転写ベルト(中間転写体)
60、70 画像形成装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、転写材搬送体や中間転写体上に残留した残留トナー等を除去するクリーニング装置を備えた、電子写真方式などによって画像形成を行う複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真方式でデジタル方式のフルカラー画像形成装置として、各色毎に応じて感光ドラムなどを有する画像形成部を複数設け、各感光ドラム上に形成された各色のトナー像を、供給される用紙などの転写材上に順次重ね合わせて転写してカラー画像を得る画像形成装置が実用化されている。
【0003】
この場合、転写材は無端循環運動する転写材搬送体としての転写材搬送ベルト上に静電気的に吸着された状態で載置されて、各画像形成部の転写部へ順次に搬送され、各感光ドラム上に形成された各色のトナー像がこの転写材上に順次重ね合わされて転写される。
【0004】
上記のような転写材搬送ベルトを有する画像形成装置では、転写材搬送ベルトはかぶりトナーや感光ドラム周りから落ちたトナー等で汚れる。このため転写材搬送ベルト上の汚れをクリーニングするために、クリーニング部材としてのクリーニングブレードを有するクリーニング装置が設けられており、このクリーニングブレードを所定の加圧力をもって搬送ベルトに当接させ、転写材搬送ベルト表面の汚れを掻き取ってクリーニングするようにしている。
【0005】
また、近年、電子写真方式でデジタル方式のフルカラー画像形成装置として、各色毎に応じて感光ドラムなどを有する画像形成部を複数設け、各感光ドラム上に形成された各色のトナー像を、中間転写体上に順次重ね合わせて転写した後、転写材に一括転写してカラー画像を得る画像形成装置も実用化されている。
【0006】
このような中間転写体を有する画像形成装置においても、中間転写体が残留トナーで汚染された場合は画像不良が発生することになるので、常にクリーニングを行う必要がある。
【0007】
このため、中間転写体のクリーニング手段としては、従来から幾多の提案がなされているが、ウレタンゴムなどの弾性材料からなるクリーニングブレードによって残留トナーを掻き落とすようなものが、その構成が簡単でコンパクトでかつ低コストであり、しかもトナー除去機能も優れているので広く実用化されている。クリーニングブレードのゴム材料としては、高硬度でしかも弾性に富み、耐磨耗性、機械的強度、耐油性、耐オゾン性、に卓越しているウレタンゴムが一般的に使われている。
【0008】
ところで、中間転写体を有する画像形成装置では、トナーが感光ドラム上から一度中間転写体上に転写されて、中間転写体上に転写されたトナー像が再び転写材に転写されるので、中間転写体に残された残留トナーは、現像装置でトナー像が形成された感光ドラムの中間転写体への転写後において感光ドラムをクリーニングするドラムクリーニング装置に到達する転写残トナーよりもかなり少ない。
【0009】
また、上記した転写材搬送ベルトを有する画像形成装置では、転写材搬送ベルト上に残された残トナーを除去するベルトクリーニング装置は、直接転写材搬送ベルト上にトナー像が転写されるわけではないので、クリーニングブレードに到達するトナー量はきわめて少ない。
【0010】
従って、上記した転写材搬送ベルトを有する画像形成装置の転写材搬送ベルトをクリーニングするベルトクリーニング装置のクリーニングブレード、及び中間転写体を有する画像形成装置の中間転写体をクリーニングするベルトクリーニング装置のクリーニングブレードにはトナー供給が少ないので、その当接ニップ部におけるトナー供給による転写材搬送ベルト又は中間転写体との間の滑り性確保が難しく、クリーニングブレードのビビリや捲れが問題となってきた。
【0011】
そこで、従来では、クリーニングブレードと転写材搬送ベルト又は中間転写体との間の滑り性をクリーニングブレード側で確保すべく、クリーニングブレードにナイロンをコートしてブレードエッジを高硬度化する、もしくはクリーニングブレード自体のゴムの架橋状態等を改良して高硬度化させる等の方法がとられてきた。
【0012】
また、トナーに関しては、現像効率の向上、ドットの再現性の向上という面から、より小粒径のトナーが製品化されてきている。
【0013】
更に、定着でのオイル塗布ムラの改善、定着器の小型化などの面からオイルレストナーの需要が高くなり、製品化されてきている。また、転写効率の向上や画像飛び散りの発生防止の向上などの面からは、トナーの球状化が求められるようになり、様々な重合法で製造された重合トナーが製品化されてきている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したように高画質化を図るためにトナーを小粒径化させることが必須となってきているが、これに反して上記したクリーニングブレードにナイロン材をコートしたものやクリーニングブレードのゴム硬度を硬くしたものは、クリーニングブレードのエッジがナイロン質となる。
【0015】
このため、例えば転写材搬送ベルト又は中間転写体がポリウレタンを有する場合には、前記クリーニングブレードとの親和性、追従性が奪われ、クリーニングブレードが当接する当接ニップ部において、その長手方向にクリーニングブレードが均一に当接することが難しくなる。
【0016】
これにより、長期の画像形成動作によって転写材搬送ベルト又は中間転写体をクリーニングするクリーニングブレードと転写材搬送ベルト又は中間転写体との間の当接ニップ部でビビリ(異常振動)が発生したり、この当接ニップ部の一部からトナーがすり抜けて転写材の汚れを招くなどのクリーニング不良が発生するおそれがあった。
【0017】
そこで本発明は、転写材搬送ベルト又は中間転写体をクリーニングするクリーニングブレードと転写ベルト又は中間転写体との間の当接ニップ部でビビリ(異常振動)の発生を防止し、かつこの当接ニップ部の一部からトナーがすり抜けるのを防止して良好なクリーニングを行うことができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、トナー像が担持される像担持体と、前記像担持体の転写部位に転写材を担持搬送して、前記転写材上にトナー像を転写させる移動自在な転写材搬送体と、前記転写材搬送体表面に残留した残トナーを除去すべく、前記転写材搬送体に当接自在に設けた弾性材からなるクリーニング部材と、を備えた画像形成装置において、前記トナー像を形成するトナーは、平均粒径4.5〜7.5μmの不定形粉砕トナーであり、前記クリーニング部材は、少なくとも前記転写材搬送体と当接するエッジ部に、前記クリーニング部材を構成する弾性材中に無機微粒子を内包した表面層を有していることを特徴としている。
【0019】
また、請求項4に記載の発明は、トナー像が担持される像担持体と、前記像担持体の転写部位に転写材を担持搬送して、前記転写材上にトナー像を転写させる移動自在な転写材搬送体と、前記転写材搬送体表面に残留した残トナーを除去すべく、前記転写材搬送体に当接自在に設けた弾性材からなるクリーニング部材と、を備えた画像形成装置において、前記トナー像を形成するトナーは、平均粒径4.5〜7.5μmで、少なくともワックス成分を結着樹脂100質量部に対して1〜20質量部分散させ、形状計数SF−1が100〜140及びSF−2が100〜120の範囲内にある重合法で生成された略球形トナーであり、前記クリーニング部材は、少なくとも前記転写材搬送体と当接するエッジ部に、前記クリーニング部材を構成する弾性材中に無機微粒子を内包した表面層を有していることを特徴としている。
【0020】
また、請求項6に記載の発明は、トナー像が担持される像担持体と、前記像担持体に当接し、トナー像を1次転写部材により一時的に転写して担持する移動自在な中間転写体と、前記中間転写体上に転写されたトナー像を転写材に転写する2次転写部材と、前記中間転写体表面に残留した残トナーを除去すべく、前記中間転写体に当接自在に設けた弾性材からなるクリーニング部材と、を備えた画像形成装置において、前記トナー像を形成するトナーは、平均粒径4.5〜7.5μmの不定形粉砕トナーであり、前記クリーニング部材は、少なくとも前記中間転写体と当接するエッジ部に、前記クリーニング部材を構成する弾性材中に無機微粒子を内包した表面層を有していることを特徴としている。
【0021】
また、請求項9に記載の発明は、トナー像が担持される像担持体と、前記像担持体に当接し、トナー像を1次転写部材により一時的に転写して担持する移動自在な中間転写体と、前記中間転写体上に転写されたトナー像を転写材に転写する2次転写部材と、前記中間転写体表面に残留した残トナーを除去すべく、前記中間転写体に当接自在に設けた弾性材からなるクリーニング部材と、を備えた画像形成装置において、前記トナー像を形成するトナーは、平均粒径4.5〜7.5μmで、少なくともワックス成分を結着樹脂100質量部に対して1〜20質量部分散させ、形状計数SF−1が100〜140及びSF−2が100〜120の範囲内にある重合法で生成された略球形トナーであり、前記クリーニング部材は、少なくとも前記中間転写体と当接するエッジ部に、前記クリーニング部材を構成する弾性材中に無機微粒子を内包した表面層を有していることを特徴としている。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0023】
〈実施の形態1〉
図1は、本発明の実施の形態1に係るクリーニング装置を備えた画像形成装置(本実施の形態では、電子写真方式のフルカラー複写機)を示す概略構成図である。
【0024】
本画像形成装置(フルカラー複写機)60は、ブラック色のトナー像を形成する画像形成部Paと、マゼンタ色のトナー像を形成する画像形成部Pbと、イエロー色のトナー像を形成する画像形成部Pcと、シアン色のトナー像を形成する画像形成部Pdの4つの画像形成部(画像形成ユニット)が転写材搬送方向に沿って順に配置されている。各画像形成部Pa,Pb,Pc,Pdの下部には、支持ローラ6a,6bと駆動ローラ6cに無端ベルト状の転写材搬送ベルト4が掛け渡されて配置されている。
【0025】
転写材搬送ベルト4の下方には、用紙などの転写材Pを収納したカセット15a,15bが配置されており、カセット15a又は15b内に収納されている転写材Pは、給紙ローラ対9a又は9bによってその最上側より1枚ずつ給送される。
【0026】
各画像形成部Pa,Pb,Pc,Pdには、それぞれ像担持体としての感光ドラム1a,1b,1c,1dが設置されている。各感光ドラム1a,1b,1c,1dの周囲には、一次帯電器2a,2b,2c,2d、現像装置3a,3b,3c,3d、転写ブレード4a,4b,4c,4d、ドラムクリーニング装置5a,5b,5c,5dがそれぞれ設置されており、各感光ドラム1a,1b,1c,1dの上方には露光装置8が設置されている。
【0027】
各感光ドラム1a,1b,1c,1dは、図2に示すように、導電性基材1e上に感光層(電荷発生層1f、電荷輸送層1g)が積層され、更にその上にテフロン(登録商標)を含有した離型性層1hを被覆して構成されており、所定の周速(例えば300mm/sec)で回転駆動される。なお、図2では、感光ドラム1aを示したが感光ドラム1b,1c,1dも同様である。
【0028】
各感光ドラム1a,1b,1c,1dの転写部には、転写材搬送体としての無端ベルト状の転写材搬送ベルト4が当接している。転写材搬送ベルト4は、支持ローラ6a,6bと駆動ローラ6c間に張架されており、駆動ローラ6cの駆動によって矢印方向に回転(移動)される。転写ブレード4a,4b,4c,4dは、各転写部にて転写材搬送ベルト4を介して各感光ドラム1a,1b,1c,1dにそれぞれ当接している。また、転写材搬送ベルト4の外側の駆動ローラ6c近傍には、転写材搬送ベルト4表面に付着した残トナーなどを除去して回収するベルトクリーニング装置20が設置されている(本発明の特徴であるベルトクリーニング装置20の詳細については後述する)。
【0029】
また、転写材搬送ベルト4の転写材搬送方向に対して画像形成部Pdの下流側には、分離帯電器17と、搬送ベルト18を介して定着装置10が設置されている。定着装置10は、定着ニップ部を形成する定着ローラ11と加圧ローラ12を有しており、定着ローラ11と加圧ローラ12内にはそれぞれヒータ13,14が設置されている。
【0030】
各現像装置3a,3b,3c,3dは、現像バイアス電源(不図示)から印加される現像バイアスによって各感光ドラム1a,1b,1c,1d上に形成される静電潜像にトナーを付着させて、トナー像として現像(反転現像)する。各現像装置3a,3b,3c,3dには、それぞれブラックトナー、マゼンタトナー、イエロートナー、シアントナーが収納されている(本発明の特徴であるトナーの詳細については後述する)。
【0031】
次に、上記した本実施の形態の画像形成装置60による画像形成動作について説明する。
【0032】
画像形成動作開始信号が発せられると、所定のプロセススピードで回転駆動される画像形成部Pa,Pb,Pc,Pdの各感光ドラム1a,1b,1c,1dは前露光ランプ(不図示)による露光で除電された後に、それぞれ一次帯電器2a,2b,2c,2dによって一様に本実施の形態では負極性に帯電される。そして、露光装置8は、画像読み取り部(不図示)から入力されるカラー色分解された原稿画像の画像信号を光信号にそれぞれ変換し、変換された光信号であるレーザ光を、帯電された各感光ドラム1a,1b,1c,1d上にそれぞれ走査露光して、ブラック、マゼンタ、イエロー、シアンの各色成分に対応した静電潜像を形成する。
【0033】
そして、先ず感光ドラム1a上に形成された静電潜像に、感光ドラム1aの帯電極性(負極性)と同極性の現像バイアスが印加された現像装置3aによりブラックのトナーを付着させて、トナー像として可視像化する。
【0034】
一方、カセット15a又は15bに収納されている用紙などの転写材Pが給紙ローラ対9a又は9bによって1枚ずつ分離されてレジストローラ対16まで搬送される。そして、上記ブラックのトナー像の形成に合わせて所定のタイミングで、レジストローラ対16により斜行が補正された転写材Pが転写材搬送ベルト4上に搬送される。
【0035】
転写材Pは、駆動ローラ6aの駆動によって移動される転写材搬送ベルト4上に吸着バイアスが印加された吸着ローラ対7により静電吸着されて、画像形成部Paの転写部に搬送され、転写バイアス(トナーと逆極性(正極性))が印加された転写ブレード4aにより、ブラックのトナー像が転写材P上に転写される。この際、転写ブレード4aは、転写材Pと転写材搬送ベルト4を介して感光ドラム1aに所定の圧力で押圧されている。
【0036】
ブラックのトナー像が転写された転写材Pは、転写材搬送ベルト4上に吸着されて画像形成部Pb側に移動される。そして、画像形成部Pbの転写部においても、前記同様にして感光ドラム1bに形成されたマゼンタのトナー像が、転写材P上のブラックのトナー像上に重ね合わせて、転写バイアス(トナーと逆極性(正極性))が印加された転写ブレード4bにより転写される。
【0037】
以下、同様にして転写材P上に重畳転写されたブラック、マゼンタのトナー像上に、画像形成部Pc,Pdの感光ドラム1c,1dで形成されたイエロー、シアンのトナー像を、各転写部にて転写バイアス(トナーと逆極性(正極性))がそれぞれ印加された転写ブレード4c,4dにより順次重ね合わせて、フルカラーのトナー像を転写材P上に形成する。
【0038】
そして、フルカラーのトナー像が形成された転写材Pは、分離帯電器17により転写材搬送ベルト4上から分離されて搬送ベルト18を介して定着装置10に搬送され、定着装置10の定着ローラ11と加圧ローラ12間の定着ニップ部でフルカラーのトナー像を加熱、加圧して転写材P表面に熱定着した後に外部の排出トレイ19に排出して、一連の画像形成動作を終了する。
【0039】
なお、上記した各転写時において、感光ドラム1a,1b,1c,1d上に残留している転写残トナーは、ドラムクリーニング装置5a,5b,5c,5dのクリーニングブレードによって除去されて回収される。また、転写後に転写材搬送ベルト4上に付着した残トナーは、ベルトクリーニング装置20のクリーニングブレードによって除去されて回収される。
【0040】
次に、本発明の実施の形態におけるベルトクリーニング装置20について説明する。
【0041】
図3は、本実施の形態に係るベルトクリーニング装置20を示す概略断面図である。
【0042】
このベルトクリーニング装置20のクリーニング部材としてのクリーニングブレード21は、弾性を有するウレタンゴムを基材としたゴムブレードで構成されており、支持板22の一端側に固着されている。支持板22の他端側はクリーニング容器23に固着されている。クリーニングブレード21の先端エッジは、駆動ローラ6cに巻き付いている転写材搬送ベルト4の表面に、転写材搬送ベルト4の移動方向(回転方向)対してカウンタ方向に当接角度30°で当接圧25(g/cm)で当接するように設置されている。
【0043】
そして、本実施の形態では、クリーニングブレード21の転写材搬送ベルト4と当接する面側の先端エッジを含む表面には、クリーニングブレード21を構成するウレタンゴムに対して10wt%の潤滑性を有する無機微粒子が内包された表面層21aが形成されている。
【0044】
表面層21aを含むクリーニングブレード21の厚みは2mmであり、クリーニングブレード21の自由長は8mmである。また、支持板22は厚み1mmのTcSUS材で形成されている。
【0045】
なお、本実施の形態では、感光ドラム1a,1b,1c,1d上に残留している転写残トナーを除去するドラムクリーニング装置5a,5b,5c,5dのクリーニングブレードも、上記したベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21と同様の表面層を有している。
【0046】
また、本実施の形態で用いたトナー(現像剤)は磁性一成分トナーであり、現像剤のT/D比は8%である。また、磁性キャリアとしては、1キロエルステッドの磁界中の磁化量が100emu/cm3であり、かつ個数平均粒径が40μmであって、更に比抵抗が1013Ω・cmのものを使用し、単位質量当たりの平均電荷量が25μc/gであるトナーを用いた。本実施の形態1におけるトナーの詳細については、以下の実施例1〜12で述べる。
【0047】
次に、上記した本実施の形態に係る画像形成装置60において、以下に述べる実施例1〜12、及び比較例1〜9におけるトナーとベルトクリーニング装置20の上記表面層21aを有するクリーニングブレード21を用いた場合における、転写材搬送ベルト4のクリーニング性を調べた。
【0048】
具体的には、常温、常湿環境下において、画像比率10%の画像を2枚間欠で10万枚耐久画像形成して出力した際における、10万枚目までに得られた出力画像を目視により評価した。図4〜図6にその評価結果を示す。
【0049】
(実施例1)
実施例1におけるベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21は、潤滑性を有する無機微粒子としてフッ化カーボンを、クリーニングブレード21を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層21aを有している。また、トナーとしては、平均粒径4.5μmの不定形粉砕トナーを使用した。
【0050】
この場合においては、ベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21で転写材搬送ベルト4が良好にクリーニングされて、10万枚目まで良好な画像が得られた。
【0051】
上記の不定形粉砕トナーの製造法としては、例えば以下のような方法が挙げられる。
【0052】
構成材料をヘンシェルミキサー、ボールミル、V型ミキサー、他の混合器を用いた混合工程、熱ロールニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いた混練工程、混練物を冷却固化後、ジェットミル等の粉砕機を用いた粉砕工程、上記工程を少なくとも有する製造工程を経て製造されることが好ましい。更に必要により、粉砕物の分級工程を経ることも好ましい。
【0053】
これらの中でも、その製造工程に、少なくとも結着樹脂とその他組成物を溶融混練する工程とそれを微粉砕する粉砕工程とを有する製造工程が特に好ましい。
【0054】
溶融混練工程において、示差熱分析における吸熱ピークが120℃以下にある場合、結着樹脂中の磁性体、荷電制御剤の分散状態が本発明にとって好ましい状態になり、それを粉砕することによって、そのある特異な状態がそのままトナー表面に露出し、転写効率の向上に効果を得ることができる。
【0055】
(実施例2)
実施例2におけるベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21は、潤滑性を有する無機微粒子として酸化セリウムを、クリーニングブレード21を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層21aを有している。また、トナーとしては、平均粒径5.5μmの不定形粉砕トナーを使用した。
【0056】
この場合においては、ベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21で転写材搬送ベルト4が良好にクリーニングされて、10万枚目まで良好な画像が得られた。
【0057】
(実施例3)
実施例3におけるベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21は、潤滑性を有する無機微粒子としてフッ化カーボンを、クリーニングブレード21を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層21aを有している。また、トナーとしては、平均粒径6.5μmの不定形粉砕トナーを使用した。
【0058】
この場合においては、ベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21で転写材搬送ベルト4が良好にクリーニングされて、10万枚目まで良好な画像が得られた。
【0059】
(実施例4)
実施例4におけるベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21は、潤滑性を有する無機微粒子として酸化セリウムを、クリーニングブレード21を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層21aを有している。また、トナーとしては、平均粒径7.5μmの不定形粉砕トナーを使用した。
【0060】
この場合においては、ベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21で転写材搬送ベルト4が良好にクリーニングされて、10万枚目まで良好な画像が得られた。
【0061】
(比較例1)
比較例1におけるベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21は、潤滑性を有する無機微粒子として酸化セリウムを、クリーニングブレード21を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層21aを有している。また、トナーとしては、平均粒径4.0μmの不定形粉砕トナーを使用した。
【0062】
この場合においては、トナーの粒径が小さすぎたことにより、耐久画像形成途中の約1万枚目でクリーニングブレード21からのトナーのすり抜けが発生し、転写材搬送ベルト4が汚れることによって、転写材(紙)の裏面側(非トナー像担持面側)に汚れが発生し始めた。
【0063】
(比較例2)
比較例2におけるベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21は、潤滑性を有する無機微粒子としてフッ化カーボンを、クリーニングブレード21を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層21aを有している。また、トナーとしては、平均粒径8.5μmの不定形粉砕トナーを使用した。
【0064】
この場合においては、トナーの粒径が大きいことにより、現像効率が悪くなって、耐久画像形成途中の約5千枚目で画像の白抜けが発生し始めた。
【0065】
(比較例3)
比較例3におけるベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21は、フッ化カーボンを分散したナイロンコート層を表面層21aをとして構成した。また、トナーとしては、平均粒径6.5μmの不定形粉砕トナーを使用した。
【0066】
この場合においては、クリーニングブレード21は潤滑性を持っており、クリーニングブレード21のビビリや捲れは発生しなかったが、このナイロンコート層にはゴムのような転写材搬送ベルト4に対する追従性、親和性はない。
【0067】
このため、このクリーニングブレード21の転写材搬送ベルト4との当接ニップ部が長手方向で不均一となってトナーのすり抜けが発生し、約2万枚目で転写材搬送ベルト4が汚れることによって、転写材(紙)の裏面側(非トナー像担持面側)に汚れが発生し始めた。
【0068】
(実施例5)
実施例5におけるベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21は、潤滑性を有する無機微粒子としてフッ化カーボンを、クリーニングブレード21を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層21aを有している。また、トナーとしては、平均粒径4.5μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した不定形粉砕トナーを使用した。
【0069】
この場合においては、ベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21で転写材搬送ベルト4が良好にクリーニングされて、10万枚目まで良好な画像が得られた。
【0070】
上記のトナーに分散されたワックス成分としては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム等の石油系ワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体、ポリエチレンに代表されるポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワックス等、天然ワックス及びそれらの誘導体等で、誘導体には酸化物や、ビニルモノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物も含む。
【0071】
高級脂肪族アルコール等のアルコール;ステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸或いはその化合物;酸アミド、エステル、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物ワックス、動物ワックス等、示差熱分析における吸熱ピークを120℃以下に有しているものであればどれも用いることが可能である。
【0072】
これらの中でも、トナー中に、ポリオレフィンもしくはフィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックスもしくは石油系ワックスもしくは高級アルコールが含有される場合が特に好ましい。
【0073】
また、上記の中でも、トナー中に、ポリオレフィンもしくはフィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックスもしくは石油系ワックスが含有される場合がさらに好ましい。
【0074】
(実施例6)
実施例6におけるベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21は、潤滑性を有する無機微粒子として酸化セリウムを、クリーニングブレード21を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層21aを有している。また、トナーとしては、平均粒径5.5μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した不定形粉砕トナーを使用した。
【0075】
この場合においては、ベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21で転写材搬送ベルト4が良好にクリーニングされて、10万枚目まで良好な画像が得られた。
【0076】
(実施例7)
実施例7におけるベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21は、潤滑性を有する無機微粒子としてフッ化カーボンを、クリーニングブレード21を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層21aを有している。また、トナーとしては、平均粒径6.5μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した不定形粉砕トナーを使用した。
【0077】
この場合においては、ベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21で転写材搬送ベルト4が良好にクリーニングされて、10万枚目まで良好な画像が得られた。
【0078】
(実施例8)
実施例8におけるベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21は、潤滑性を有する無機微粒子として酸化セリウムを、クリーニングブレード21を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層21aを有している。また、トナーとしては、平均粒径7.5μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した不定形粉砕トナーを使用した。
【0079】
この場合においては、ベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21で転写材搬送ベルト4が良好にクリーニングされて、10万枚目まで良好な画像が得られた。
【0080】
(比較例4)
比較例4におけるベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21は、潤滑性を有する無機微粒子として酸化セリウムを、クリーニングブレード21を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層21aを有している。また、トナーとしては、平均粒径4.0μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した不定形粉砕トナーを使用した。
【0081】
この場合においては、トナーの粒径が小さすぎたことにより、耐久画像形成途中の約3万枚目でクリーニングブレード21からのトナーのすり抜けが発生し、転写材搬送ベルト4が汚れることによって、転写材(紙)の裏面側(非トナー像担持面側)に汚れが発生し始めた。
【0082】
(比較例5)
比較例5におけるベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21は、潤滑性を有する無機微粒子としてフッ化カーボンを、クリーニングブレード21を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層21aを有している。また、トナーとしては、平均粒径8.5μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した不定形粉砕トナーを使用した。
【0083】
この場合においては、トナーの粒径が大きいことにより、現像効率が悪くなって、耐久画像形成途中の約5千枚目で画像の白抜けが発生し始めた。
【0084】
(比較例6)
比較例6におけるベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21は、フッ化カーボンを分散したナイロンコート層を表面層21aをとして構成した。また、トナーとしては、平均粒径6.5μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した不定形粉砕トナーを使用した。
【0085】
この場合においては、クリーニングブレード21は潤滑性を持っており、クリーニングブレード21のビビリや捲れは発生しなかったが、このナイロンコート層にはゴムのような転写材搬送ベルト4に対する追従性、親和性はない。
【0086】
このため、このクリーニングブレード21の転写材搬送ベルト4との当接ニップ部が長手方向で不均一となってトナーのすり抜けが発生し、約4万枚目で転写材搬送ベルト4が汚れることによって、転写材(紙)の裏面側(非トナー像担持面側)に汚れが発生し始めた。
【0087】
(実施例9)
実施例9におけるベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21は、潤滑性を有する無機微粒子としてフッ化カーボンを、クリーニングブレード21を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層21aを有している。また、トナーとしては、平均粒径4.5μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した、形状係数SF−1が100〜140及びSF−2が100〜120の範囲内にある重合法で生成された略球形トナーを使用した。
【0088】
この場合においては、ベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21で転写材搬送ベルト4が良好にクリーニングされて、10万枚目まで良好な画像が得られた。
【0089】
上記の略球形トナーは、例えば単量体組成物を懸濁重合し直接的に製造することができる。
【0090】
例示すると、先ず重合性単量体、着色剤、極性樹脂、離型剤、帯電制御剤、重合開始剤、架橋剤などから成る重合性単量体組成物を、水系媒体中へ分散して重合性単主体組成物の粒子を生成させる。そして、この粒子の表面に極性樹脂を局在下させ、粒子中の重合性単量体を重合し、結着樹脂としてトナー粒子を形成させる。また、水系媒体中に水溶性重合開始剤を添加してトナー粒子表面を処理することにより、収率良く生成することができる。
【0091】
材料は重合性単量体としては、スチレン重合体、スチレン−アクリート共重合体、スチレン−メタクリレート共重合体などがある。極性樹脂としては、ポリエステル樹脂、スチレン共重合体などがある。
【0092】
着色剤としては、カーボンブラック、ジスアゾ系黄色顔料、キナクリドン系マゼンタ顔料、フタロシアニン系シアン顔料などがある。
【0093】
離型剤としては、DSC吸熱曲線における吸熱メインピーク値が120℃以下の低融点物質であるパラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、フィッシャートロピッシュワックス、アミドワックス、高級脂肪酸、高級アルコールエステルワックスなどがある。
【0094】
架橋剤としては、ジビニルベンゼン、カルボン酸エステル、ジビニルアニリンなどがある。
【0095】
帯電制御剤としては、ニグロシン染料、トリフェニルメタン染料等の正帯電性、合金属サリチル酸化合物、尿素誘導体、アゾ系染料等の負帯電性の制御剤などがある。重合開始剤としては、アゾ系や過酸化物系の重合開始剤などがある。
【0096】
また、上記のトナーの形状係数SF−1及びSF−2は(株)日立製作所製の走査型電子顕微鏡FE−SEM(S−800)を用い、100個のトナー粒子を無作為にサンプリングし、その画像情報をインターフェースを介してニレコ(株)製の画像解析装置(Luzex3)に導入して解析を行い、下式より算出し得られた値を形状係数SF−1及びSF−2と定義した。
【0097】
【数1】
【0098】
(実施例10)
実施例10におけるベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21は、潤滑性を有する無機微粒子として酸化セリウムを、クリーニングブレード21を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層21aを有している。また、トナーとしては、平均粒径5.5μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した、形状係数SF−1が100〜140及びSF−2が100〜120の範囲内にある重合法で生成された略球形トナーを使用した。
【0099】
この場合においては、ベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21で転写材搬送ベルト4が良好にクリーニングされて、10万枚目まで良好な画像が得られた。
【0100】
(実施例11)
実施例11におけるベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21は、潤滑性を有する無機微粒子としてフッ化カーボンを、クリーニングブレード21を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層21aを有している。また、トナーとしては、平均粒径6.5μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した、形状係数SF−1が100〜140及びSF−2が100〜120の範囲内にある重合法で生成された略球形トナーを使用した。
【0101】
この場合においては、ベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21で転写材搬送ベルト4が良好にクリーニングされて、10万枚目まで良好な画像が得られた。
【0102】
(実施例12)
実施例12におけるベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21は、潤滑性を有する無機微粒子として酸化セリウムを、クリーニングブレード21を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層21aを有している。また、トナーとしては、平均粒径7.5μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した、形状係数SF−1が100〜140及びSF−2が100〜120の範囲内にある重合法で生成された略球形トナーを使用した。
【0103】
この場合においては、ベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21で転写材搬送ベルト4が良好にクリーニングされて、10万枚目まで良好な画像が得られた。
【0104】
(比較例7)
比較例7におけるベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21は、潤滑性を有する無機微粒子として酸化セリウムを、クリーニングブレード21を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層21aを有している。また、トナーとしては、平均粒径4.0μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した、形状係数SF−1が100〜140及びSF−2が100〜120の範囲内にある重合法で生成された略球形トナーを使用した。
【0105】
この場合においては、トナーの粒径が小さすぎたことにより、耐久画像形成途中の約3千枚目でクリーニングブレード21からのトナーのすり抜けが発生し、転写材搬送ベルト4が汚れることによって、転写材(紙)の裏面側(非トナー像担持面側)に汚れが発生し始めた。
【0106】
(比較例8)
比較例8におけるベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21は、潤滑性を有する無機微粒子としてフッ化カーボンを、クリーニングブレード21を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層21aを有している。また、トナーとしては、平均粒径8.5μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した、形状係数SF−1が100〜140及びSF−2が100〜120の範囲内にある重合法で生成された略球形トナーを使用した。
【0107】
この場合においては、トナーの粒径が大きいことにより、現像効率が悪くなって、耐久画像形成途中の約7千枚目で画像の白抜けが発生し始めた。
【0108】
(比較例9)
比較例9におけるベルトクリーニング装置20のクリーニングブレード21は、フッ化カーボンを分散したナイロンコート層を表面層21aとして構成した。また、トナーとしては、平均粒径6.5μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した、形状係数SF−1が100〜140及びSF−2が100〜120の範囲内にある重合法で生成された略球形トナーを使用した。
【0109】
この場合においては、クリーニングブレード21は潤滑性を持っており、クリーニングブレード21のビビリや捲れは発生しなかったが、このナイロンコート層にはゴムのような転写材搬送ベルト4に対する追従性、親和性はない。
【0110】
このため、このクリーニングブレード21の転写材搬送ベルト4との当接ニップ部が長手方向で不均一となってトナーのすり抜けが発生し、約1万枚目で転写材搬送ベルト4が汚れることによって、転写材(紙)の裏面側(非トナー像担持面側)に汚れが発生し始めた。
【0111】
このように、上記の実施例1〜4及び比較例1〜3の評価結果から明らかなように、トナーとして、平均粒径4.5〜7.5μmの不定形粉砕トナーを用い、かつ潤滑性を有する無機微粒子としてフッ化カーボンまたは酸化セリウムを、クリーニングブレード21を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層21aを有するクリーニングブレード21を、転写材搬送ベルト4表面に当接してクリーニングを行うことにより、トナーのすり抜けを防止するとともに、クリーニングブレード21のビビリや捲れを防止して、良好なクリーニングを長期にわたって安定して行うことができる。
【0112】
また、上記の実施例5〜8及び比較例4〜6の評価結果から明らかなように、トナーとして、平均粒径4.5〜7.5μmのワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した不定形粉砕トナーを用い、かつ潤滑性を有する無機微粒子としてフッ化カーボンまたは酸化セリウムを、クリーニングブレード21を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層21aを有するクリーニングブレード21を、転写材搬送ベルト4表面に当接してクリーニングを行うことにより、トナーのすり抜けを防止するとともに、クリーニングブレード21のビビリや捲れを防止して、良好なクリーニングを長期にわたって安定して行うことができる。
【0113】
また、上記の実施例9〜12及び比較例7〜9の評価結果から明らかなように、トナーとして、平均粒径4.5〜7.5μmでワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した、形状係数SF−1が100〜140及びSF−2が100〜120の範囲内にある重合法で生成された略球形トナーを用い、かつ潤滑性を有する無機微粒子としてフッ化カーボンまたは酸化セリウムを、クリーニングブレード21を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層21aを有するクリーニングブレード21を、転写材搬送ベルト4表面に当接してクリーニングを行うことにより、トナーのすり抜けを防止するとともに、クリーニングブレード21のビビリや捲れを防止して、良好なクリーニングを長期にわたって安定して行うことができる。
【0114】
〈実施の形態2〉
図7は、本発明の実施の形態2に係る画像形成装置を示す概略構成図である。本実施の形態における画像形成装置は、中間転写体として中間転写ベルトを有し、フルカラー画像形成可能なレーザプリンタ等の画像形成装置である。
【0115】
本画像形成装置は、像担持体としての感光ドラム31を備えている。感光ドラム31の周囲には、感光ドラム31の回転方向(反時計方向)に沿って感光ドラム31の表面を負極性に一様に帯電する帯電ローラ32、入力される画像信号に基づいて感光ドラム31を走査露光Lして静電潜像を形成する露光装置(レーザ走査ユニット)36、感光ドラム31上の静電潜像にトナーを付着させて現像する現像装置33、感光ドラム31上に形成されたトナー像が1次転写される中間転写体としての無端ベルト状の中間転写ベルト34、感光ドラム31上に残留した残留トナーを除去・回収するドラムクリーニング装置35が設置されている。
【0116】
感光ドラム31は、本実施の形態ではアルミニウム等からなる導電性のドラム基体上に感光層を塗布して構成されており、駆動装置(不図示)によって矢印方向(反時計方向)に所定のプロセススピード(周速)で回転駆動され、その回転過程において帯電ローラ32により負極性に一様に所定電位に帯電される。
【0117】
現像装置33は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーをそれぞれ収納した現像器33a,33b,33c,33dを備えており、これらの現像器33a,33b,33c,33dは回転自在な回転体33Aに搭載されている(本発明の特徴であるトナーの詳細については後述する)。現像装置33は、回転体33Aの回転駆動によって、露光装置36の露光によって感光ドラム31上に形成される静電潜像の現像に供される色の現像器が感光ドラム31表面に対向する現像位置に移動して配置され、静電潜像にトナーを付着させてトナー像として現像(可視像化)する。
【0118】
中間転写ベルト34は、テンションローラ38、駆動ローラ39、2次転写対向ローラ40間に張架されており、駆動ローラ39の駆動によって矢印方向に回転(移動)される。中間転写ベルト34は、1次転写ローラ37による押圧によって感光ドラム31に当接して1次転写ニップ部N1が形成される。
【0119】
1次転写ローラ37は、金属の芯金とそれを覆った低抵抗(105Ω・cm以下)の弾性体で構成されている。また、中間転写ベルト34は、主にゴム材料あるいは樹脂材料で構成されており、例えば、ゴム材からなる基層(ゴム層)の上に中抵抗の表層をコートして構成されている。ゴム層には、伸縮防止のために金属の芯体を埋め込んでもよい。
【0120】
2次転写対向ローラ40は、中間転写ベルト34を介して2次転写ローラ41と当接して2次転写ニップ部N2を形成している。2次転写ローラ41は、中間転写ベルト34(2次転写対向ローラ40)に対して接離自在である。また、中間転写ベルト34表面のテンションローラ38と2次転写対向ローラ40間には、中間転写ベルト34表面に残った転写残トナーなどを除去して回収するベルトクリーニング装置42が当接・離間自在に設置されている(本発明の特徴であるベルトクリーニング装置42の詳細については後述する)。
【0121】
また、2次転写ニップ部N2の転写材搬送方向に対して下流側には、搬送ベルト43を介して定着装置44が設置されている。
【0122】
次に、上記した本実施の形態の画像形成装置による画像形成動作について説明する。
【0123】
画像形成動作開始信号が発せられると、感光ドラム31を駆動装置(不図示)により所定のプロセススピードで矢印方向(反時計方向)に回転駆動し、所定の帯電バイアスが印加された帯電ローラ32により、負極性の所定電位に均一に帯電する。
【0124】
そして、帯電された感光ドラム31上に露光装置36によりレーザ光による走査露光Lを行ない、目的のカラー画像の第1の色成分像(本実施の形態ではイエロー成分像)に対応した静電潜像を形成する。そして、現像装置33の現像器33aを、回転体33Aの回転によって感光ドラム31と対向する現像位置に移動させ、この静電潜像を第1色目であるイエロートナーにより現像して顕像化する。
【0125】
そして、感光ドラム31上に形成担持された前記第1色目のイエロートナー画像は、1次転写ニップ部N1を通過する過程で、1次転写ローラ37による押圧力と、1次転写バイアス(トナーの帯電極性と逆極性のバイアス)が印加されたこの1次転写ローラ37によって形成される電界とによって、中間転写ベルト34の外周面に1次転写されていく。この際、2次転写ローラ41は、2次転写ニップ部N2にて中間転写ベルト34(2次転写対向ローラ40)から離間している。また、中間転写ベルト34上にイエロートナー像が1次転写された後に、中間転写ベルト34に1次転写されないで感光ドラム31上に残った1次転写残トナーは、ドラムクリーニング装置35のクリーニングブレードによって除去され回収される。
【0126】
上述のようにして1色目のイエロートナー像の1次転写が終了すると、回転体33Aが回転して次の現像器が感光ドラム31と対向する現像位置に移動して、イエローの場合と同様にしてマゼンタ、シアン、ブラックの各色について、静電潜像の形成、現像、1次転写動作を順次行ない、中間転写ベルト34上で4色のトナー像を順次重ね合わせてフルカラーのトナー像を形成する。
【0127】
以下、同様にしてマゼンタ現像器33b、シアン現像器33c、ブラック現像器33dにより、感光ドラム1上にそれぞれ形成担持された第2色目のマゼンタトナー画像、第3色目のシアントナー画像、第4色目のブラックトナー画像が順次中間転写ベルト34上に重畳転写され、目的のカラー画像に対応したフルカラートナー画像が形成される。
【0128】
そして、離間状態にあった2次転写ローラ41を中間転写ベルト34に加圧して2次転写ニップ部N2を形成し、中間転写ベルト34上のフルカラー画像の先端が2次転写ニップ部N2に到達すると、このタイミングに合わせてカセット47内の用紙などの転写材Pがピックアップローラ48により1枚ずつ給紙され、レジストローラ(不図示)等を介して2次転写ニップ部N2に搬送される。
【0129】
そして、2次転写ローラ41に2次転写バイアス(トナーの帯電極性と逆極性のバイアス)を印加することにより、転写材Pの表面に中間転写ベルト34上に担持されたフルカラーのトナー像が一括して転写(2次転写)される。
【0130】
そして、フルカラーのトナー画像が転写された転写材Pは、搬送ベルト43を介して定着装置44に搬送されて、定着装置44の定着ローラ44aと加圧ローラ44b間の定着ニップ部N3で挟持搬送され、この定着ニップ部N3でフルカラーのトナー画像が加熱加圧されて転写材P上に定着された後、排出ローラ49を介して外部に排出される。
【0131】
なお、上記2次転写動作終了後において、離間状態にあったベルトクリーニング装置42を中間転写ベルト34に接触させ、中間転写ベルト34上に2次転写されずに残った2次転写残トナーを除去して回収する。
【0132】
また、上記した本実施の形態に係る画像形成装置70は、感光ドラム31表面に隣接して濃度検知センサ50が配置されており、制御装置(CPU)53は、濃度検知センサ50から入力される濃度情報に基づいて画像濃度制御を行う。更に、画像形成装置70内には、記憶装置51が設置されており、記憶装置51には、感光ドラム31の使用状況を明確化できる情報、例えば感光ドラム31の回転時間、帯電ローラ32にバイアスを印加した時間、露光装置36の露光時間等が記録される。
【0133】
上述した画像形成装置70では、4色のトナーを重ねて色を再現するため、使用する環境の変化、プリント枚数等の諸条件によって画像濃度が変動すると、本来の正しい色調が得られなくなってしまう。
【0134】
更に、過多の画像濃度増加は、トナーの乗り量が多すぎることによるトナーの飛び散りを引き起こす。このトナーの飛び散りとは、感光ドラム31、中間転写ベルト34或いは転写材P等において、空気による圧力、電磁気力等による作用がトナーを担持する力に勝り、トナー像が崩れて広がった状態である。トナーの飛び散りが生じると静電潜像が再現されなくなり、非常に見栄の悪い画像が出力されることになる。
【0135】
上記画像形成装置では、4色の色重ねを行うため、トナーは飛び散り易くなる。即ち、このフルカラー画像形成可能な画像形成装置においては、白黒画像形成装置と異なり、わずかな濃度の変動も許されない。
【0136】
このため、感光ドラム31上に濃度検知用トナー像(バッチ)を試験的にそれぞれ形成し、それらの濃度を感光ドラム1に隣接させて配置した光学式の濃度検知センサ50で検出し、制御装置53は、濃度検知センサ50から入力される濃度情報に基づいて、現像バイアス等の画像形成条件にフィードバックをかける画像濃度制御を行う。濃度制御の実行は、例えば画像形成枚数が100枚に達する毎に行う。
【0137】
濃度検知センサ50は、不図示のLEDの発光素子とフォトダイオードの受光素子で構成されており、発光素子からの赤外光を感光ドラム31上の上記濃度検知用トナー像(バッチ)に、感光ドラム31に対して45°の角度で照射させ、そこからの乱反射光を感光ドラム31に対して垂直になるように配置した受光素子で測定することによりバッチの濃度を検知する。
【0138】
また、トナーの飛散等によって濃度検知センサ50が汚れると、濃度制御の精度が低下する。このため、濃度検知センサ50は、なるべくトナーの飛散の影響が少ない位置に配置するのが好ましい。具体的には、図7に示した画像形成装置70のように、感光ドラム31を挟んで現像装置33と反対の位置に配置するのがよい。
【0139】
また、上記濃度検知用トナー像(バッチ)が乱れるのを防止するため、感光ドラム31と中間転写ベルト34を離間する機構を設けて、濃度制御の実行時には、感光ドラム31と中間転写ベルト34を離間するようにしてもよい。
【0140】
そして、本実施の形態に係る画像形成装置70においても、実施の形態1と同様のベルトクリーニング装置42のクリーニング部材としてのクリーニングブレード45を有し、更に、実施の形態1と同様のトナーを用いた。
【0141】
即ち、このベルトクリーニング装置42のクリーニング部材としてのクリーニングブレード45は、弾性を有するウレタンゴムを基材としたゴムブレードで構成されている。クリーニングブレード45は、支持板(不図示)の一端側に固着されており、支持板の他端側はクリーニング容器(不図示)に固着されている。
【0142】
クリーニングブレード45の先端エッジは、中間転写ベルト34の表面に、中間転写ベルト34の移動方向(回転方向)対してカウンタ方向に当接角度30°で当接圧25(g/cm)で当接するように設置されている。
【0143】
そして、クリーニングブレード45の中間転写ベルト34と当接する面側の先端エッジを含む表面には、図3に示した実施の形態1と同様に、クリーニングブレード45を構成するウレタンゴムに対して10wt%の潤滑性を有する無機微粒子が内包された表面層(不図示)が形成されている。表面層を含むクリーニングブレード45の厚みは2mmであり、クリーニングブレード45の自由長は8mmである。
【0144】
なお、本実施の形態では、感光ドラム31上に残留している転写残トナーを除去するドラムクリーニング装置35のクリーニングブレードも、上記したベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45と同様の表面層を有している。
【0145】
また、本実施の形態で用いた現像剤も、実施の形態1と同様に磁性一成分トナーであり、現像剤のT/D比は8%である。また、磁性キャリアとしては、1キロエルステッドの磁界中の磁化量が100emu/cm3であり、かつ個数平均粒径が40μmであって、更に比抵抗が1013Ω・cmのものを使用し、単位質量当たりの平均電荷量が25μc/gであるトナーを用いた。本実施の形態2におけるトナーの詳細については、以下の実施例13〜24で述べる。
【0146】
次に、上記した本実施の形態に係る画像形成装置70において、以下に述べる実施例13〜24、及び比較例10〜18におけるトナーとベルトクリーニング装置42の上記表面層を有するクリーニングブレード45を用いた場合における、中間転写ベルト34のクリーニング性を調べた。
【0147】
具体的には、常温、常湿環境下において、画像比率10%の画像を2枚間欠で10万枚耐久画像形成して出力した際における、10万枚目までに得られた出力画像を目視により評価した。図8にその評価結果を示す。
【0148】
(実施例13)
実施例13におけるベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45は、潤滑性を有する無機微粒子としてフッ化カーボンを、クリーニングブレード45を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層を有している。また、トナーとしては、平均粒径4.5μmの不定形粉砕トナーを使用した。
【0149】
この場合においては、ベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45で中間転写ベルト34が良好にクリーニングされて、10万枚目まで良好な画像が得られた。
【0150】
(実施例14)
実施例14におけるベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45は、潤滑性を有する無機微粒子として酸化セリウムを、クリーニングブレード45を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層を有している。また、トナーとしては、平均粒径5.5μmの不定形粉砕トナーを使用した。
【0151】
この場合においては、ベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45で中間転写ベルト34が良好にクリーニングされて、10万枚目まで良好な画像が得られた。
【0152】
(実施例15)
実施例15におけるベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45は、潤滑性を有する無機微粒子としてフッ化カーボンを、クリーニングブレード45を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層を有している。また、トナーとしては、平均粒径6.5μmの不定形粉砕トナーを使用した。
【0153】
この場合においては、ベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45で中間転写ベルト34が良好にクリーニングされて、10万枚目まで良好な画像が得られた。
【0154】
(実施例16)
実施例16におけるベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45は、潤滑性を有する無機微粒子として酸化セリウムを、クリーニングブレード45を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層を有している。また、トナーとしては、平均粒径7.5μmの不定形粉砕トナーを使用した。
【0155】
この場合においては、ベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45で中間転写ベルト34が良好にクリーニングされて、10万枚目まで良好な画像が得られた。
【0156】
(比較例10)
比較例10におけるベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45は、潤滑性を有する無機微粒子として酸化セリウムを、クリーニングブレード45を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層を有している。また、トナーとしては、平均粒径4.0μmの不定形粉砕トナーを使用した。
【0157】
この場合においては、トナーの粒径が小さすぎたことにより、耐久画像形成途中の約2万枚目でクリーニングブレード45からのトナーのすり抜けが発生し、中間転写ベルト34が汚れることによって、転写材(紙)の裏面側(非トナー像担持面側)に汚れが発生し始めた。
【0158】
(比較例11)
比較例11におけるベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45は、潤滑性を有する無機微粒子としてフッ化カーボンを、クリーニングブレード45を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層を有している。また、トナーとしては、平均粒径8.5μmの不定形粉砕トナーを使用した。
【0159】
この場合においては、トナーの粒径が大きいことにより、現像効率が悪くなって、耐久画像形成途中の約5千枚目で画像の白抜けが発生し始めた。
【0160】
(比較例12)
比較例12におけるベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45は、フッ化カーボンを分散したナイロンコート層を表面層として構成した。また、トナーとしては、平均粒径6.5μmの不定形粉砕トナーを使用した。
【0161】
この場合においては、クリーニングブレード45は潤滑性を持っており、クリーニングブレードのビビリや捲れは発生しなかったが、このナイロンコート層にはゴムのような中間転写ベルト34に対する追従性、親和性はない。
【0162】
このため、このクリーニングブレード45の中間転写ベルト34との当接ニップ部が長手方向で不均一となってトナーのすり抜けが発生し、約4万枚目で中間転写ベルト34が汚れることによって、転写材(紙)の裏面側(非トナー像担持面側)に汚れが発生し始めた。
【0163】
(実施例17)
実施例17におけるベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45は、潤滑性を有する無機微粒子としてフッ化カーボンを、クリーニングブレード45を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層を有している。また、トナーとしては、平均粒径4.5μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した不定形粉砕トナーを使用した。
【0164】
この場合においては、ベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45で中間転写ベルト34が良好にクリーニングされて、10万枚目まで良好な画像が得られた。
【0165】
(実施例18)
実施例18におけるベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45は、潤滑性を有する無機微粒子として酸化セリウムを、クリーニングブレード45を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層を有している。また、トナーとしては、平均粒径5.5μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した不定形粉砕トナーを使用した。
【0166】
この場合においては、ベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45で中間転写ベルト34が良好にクリーニングされて、10万枚目まで良好な画像が得られた。
【0167】
(実施例19)
実施例19におけるベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45は、潤滑性を有する無機微粒子としてフッ化カーボンを、クリーニングブレード45を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層を有している。また、トナーとしては、平均粒径6.5μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した不定形粉砕トナーを使用した。
【0168】
この場合においては、ベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45で中間転写ベルト34が良好にクリーニングされて、10万枚目まで良好な画像が得られた。
【0169】
(実施例20)
実施例20におけるベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45は、潤滑性を有する無機微粒子として酸化セリウムを、クリーニングブレード45を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層を有している。また、トナーとしては、平均粒径7.5μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した不定形粉砕トナーを使用した。
【0170】
この場合においては、ベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45で中間転写ベルト34が良好にクリーニングされて、10万枚目まで良好な画像が得られた。
【0171】
(比較例13)
比較例13におけるベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45は、潤滑性を有する無機微粒子として酸化セリウムを、クリーニングブレード45を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層を有している。また、トナーとしては、平均粒径4.0μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した不定形粉砕トナーを使用した。
【0172】
この場合においては、トナーの粒径が小さすぎたことにより、耐久画像形成途中の約5万枚目でクリーニングブレード45からのトナーのすり抜けが発生し、中間転写ベルト34が汚れることによって、転写材(紙)の裏面側(非トナー像担持面側)に汚れが発生し始めた。
【0173】
(比較例14)
比較例14におけるベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45は、潤滑性を有する無機微粒子としてフッ化カーボンを、クリーニングブレード45を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層を有している。また、トナーとしては、平均粒径8.5μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した不定形粉砕トナーを使用した。
【0174】
この場合においては、トナーの粒径が大きいことにより、現像効率が悪くなって、耐久画像形成途中の約5千枚目で画像の白抜けが発生し始めた。
【0175】
(比較例15)
比較例15におけるベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45は、フッ化カーボンを分散したナイロンコート層を表面層として構成した。また、トナーとしては、平均粒径6.5μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した不定形粉砕トナーを使用した。
【0176】
この場合においては、クリーニングブレード45は潤滑性を持っており、クリーニングブレード45のビビリや捲れは発生しなかったが、このナイロンコート層にはゴムのような中間転写ベルト34に対する追従性、親和性はない。
【0177】
このため、このクリーニングブレード45の中間転写ベルト34との当接ニップ部が長手方向で不均一となってトナーのすり抜けが発生し、約6万枚目で中間転写ベルト34が汚れることによって、転写材(紙)の裏面側(非トナー像担持面側)に汚れが発生し始めた。
【0178】
(実施例21)
実施例21におけるベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45は、潤滑性を有する無機微粒子としてフッ化カーボンを、クリーニングブレード45を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層を有している。また、トナーとしては、平均粒径4.5μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した、形状係数SF−1が100〜140及びSF−2が100〜120の範囲内にある重合法で生成された略球形トナーを使用した。
【0179】
この場合においては、ベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45で中間転写ベルト34が良好にクリーニングされて、10万枚目まで良好な画像が得られた。
【0180】
(実施例22)
実施例22におけるベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45は、潤滑性を有する無機微粒子として酸化セリウムを、クリーニングブレード45を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層を有している。また、トナーとしては、平均粒径5.5μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した、形状係数SF−1が100〜140及びSF−2が100〜120の範囲内にある重合法で生成された略球形トナーを使用した。
【0181】
この場合においては、ベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45で中間転写ベルト34が良好にクリーニングされて、10万枚目まで良好な画像が得られた。
【0182】
(実施例23)
実施例23におけるベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45は、潤滑性を有する無機微粒子としてフッ化カーボンを、クリーニングブレード45を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層を有している。また、トナーとしては、平均粒径6.5μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した、形状係数SF−1が100〜140及びSF−2が100〜120の範囲内にある重合法で生成された略球形トナーを使用した。
【0183】
この場合においては、ベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45で中間転写ベルト34が良好にクリーニングされて、10万枚目まで良好な画像が得られた。
【0184】
(実施例24)
実施例24におけるベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45は、潤滑性を有する無機微粒子として酸化セリウムを、クリーニングブレード45を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層を有している。また、トナーとしては、平均粒径7.5μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した、形状係数SF−1が100〜140及びSF−2が100〜120の範囲内にある重合法で生成された略球形トナーを使用した。
【0185】
この場合においては、ベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45で中間転写ベルト34が良好にクリーニングされて、10万枚目まで良好な画像が得られた。
【0186】
(比較例16)
比較例16におけるベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45は、潤滑性を有する無機微粒子として酸化セリウムを、クリーニングブレード45を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層を有している。また、トナーとしては、平均粒径4.0μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した、形状係数SF−1が100〜140及びSF−2が100〜120の範囲内にある重合法で生成された略球形トナーを使用した。
【0187】
この場合においては、トナーの粒径が小さすぎたことにより、耐久画像形成途中の約1万枚目でクリーニングブレード45からのトナーのすり抜けが発生し、中間転写ベルト34が汚れることによって、転写材(紙)の裏面側(非トナー像担持面側)に汚れが発生し始めた。
【0188】
(比較例17)
比較例17におけるベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45は、潤滑性を有する無機微粒子としてフッ化カーボンを、クリーニングブレード45を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層を有している。また、トナーとしては、平均粒径8.5μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した、形状係数SF−1が100〜140及びSF−2が100〜120の範囲内にある重合法で生成された略球形トナーを使用した。
【0189】
この場合においては、トナーの粒径が大きいことにより、現像効率が悪くなって、耐久画像形成途中の約7千枚目で画像の白抜けが発生し始めた。
【0190】
(比較例18)
比較例18におけるベルトクリーニング装置42のクリーニングブレード45は、フッ化カーボンを分散したナイロンコート層を表面層として構成した。また、トナーとしては、平均粒径6.5μmで、ワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した、形状係数SF−1が100〜140及びSF−2が100〜120の範囲内にある重合法で生成された略球形トナーを使用した。
【0191】
この場合においては、クリーニングブレード45は潤滑性を持っており、クリーニングブレード45のビビリや捲れは発生しなかったが、このナイロンコート層にはゴムのような中間転写ベルト34に対する追従性、親和性はない。
【0192】
このため、このクリーニングブレード45の中間転写ベルト34との当接ニップ部が長手方向で不均一となってトナーのすり抜けが発生し、約2.5万枚目で中間転写ベルト34が汚れることによって、転写材(紙)の裏面側(非トナー像担持面側)に汚れが発生し始めた。
【0193】
このように、上記の実施例13〜16及び比較例10〜12の評価結果から明らかなように、トナーとして、平均粒径4.5〜7.5μmの不定形粉砕トナーを用い、かつ潤滑性を有する無機微粒子としてフッ化カーボンまたは酸化セリウムを、クリーニングブレード45を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層を有するクリーニングブレード45を、中間転写ベルト34表面に当接してクリーニングを行うことにより、トナーのすり抜けを防止するとともに、クリーニングブレード45のビビリや捲れを防止して、良好なクリーニングを長期にわたって安定して行うことができる。
【0194】
また、上記の実施例17〜20及び比較例13〜15の評価結果から明らかなように、トナーとして、平均粒径4.5〜7.5μmのワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した不定形粉砕トナーを用い、かつ潤滑性を有する無機微粒子としてフッ化カーボンまたは酸化セリウムを、クリーニングブレード45を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層を有するクリーニングブレード45を、中間転写ベルト34表面に当接してクリーニングを行うことにより、トナーのすり抜けを防止するとともに、クリーニングブレード45のビビリや捲れを防止して、良好なクリーニングを長期にわたって安定して行うことができる。
【0195】
また、上記の実施例21〜24及び比較例16〜18の評価結果から明らかなように、トナーとして、平均粒径4.5〜7.5μmでワックスを結着樹脂に対して10重量部分散した、形状係数SF−1が100〜140及びSF−2が100〜120の範囲内にある重合法で生成された略球形トナーを用い、かつ潤滑性を有する無機微粒子としてフッ化カーボンまたは酸化セリウムを、クリーニングブレード45を構成するウレタンゴムに対して10wt%の割合で内包した表面層を有するクリーニングブレード45を、中間転写ベルト34表面に当接してクリーニングを行うことにより、トナーのすり抜けを防止するとともに、クリーニングブレード45のビビリや捲れを防止して、良好なクリーニングを長期にわたって安定して行うことができる。
【0196】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、転写材搬送体又は中間転写体との当接ニップ部から残トナーのすり抜けを防止するとともに、転写材搬送体又は中間転写体に当接するクリーニング部材のビビリや捲れを防止して、良好なクリーニングを長期にわたって安定して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る画像形成装置を示す概略構成図。
【図2】本発明の実施の形態1に係る画像形成装置の感光ドラムの層構成を示す断面図。
【図3】本発明の実施の形態1に係る画像形成装置のベルトクリーニング装置のクリーニングブレードを示す概略断面図。
【図4】本発明の実施の形態1において、実施例1〜4及び比較例1〜3におけるトナーとベルトクリーニング装置のクリーニングブレードを用いた場合における、転写材搬送ベルトのクリーニング性の評価結果を示す図。
【図5】本発明の実施の形態1において、実施例5〜8及び比較例4〜6におけるトナーとベルトクリーニング装置のクリーニングブレードを用いた場合における、転写材搬送ベルトのクリーニング性の評価結果を示す図。
【図6】本発明の実施の形態1において、実施例9〜12及び比較例7〜9におけるトナーとベルトクリーニング装置のクリーニングブレードを用いた場合における、転写材搬送ベルトのクリーニング性の評価結果を示す図。
【図7】本発明の実施の形態2に係る画像形成装置を示す概略構成図。
【図8】本発明の実施の形態2において、実施例13〜24及び比較例10〜18におけるトナーとベルトクリーニング装置のクリーニングブレードを用いた場合における、中間転写ベルトのクリーニング性の評価結果を示す図。
【符号の説明】
1a,1b,1c,1d、31 感光ドラム(像担持体)
2a,2b,2c,2d 一次帯電器
3a,3b,3c,3d、33 現像装置
4 転写材搬送ベルト(転写材搬送体)
5a,5b,5c,5d、35 ドラムクリーニング装置
8、36 露光装置
10、44 定着装置
11、44a 定着ローラ
12、44b 加圧ローラ
20、42 ベルトクリーニング装置
21、45 クリーニングブレード(クリーニング部材)
21a 表面層
22 支持板
23 クリーニング容器
32 帯電ローラ
33a,33b,33c,33d 現像器
34 中間転写ベルト(中間転写体)
60、70 画像形成装置
Claims (10)
- トナー像が担持される像担持体と、前記像担持体の転写部位に転写材を担持搬送して、前記転写材上にトナー像を転写させる移動自在な転写材搬送体と、前記転写材搬送体表面に残留した残トナーを除去すべく、前記転写材搬送体に当接自在に設けた弾性材からなるクリーニング部材と、を備えた画像形成装置において、
前記トナー像を形成するトナーは、平均粒径4.5〜7.5μmの不定形粉砕トナーであり、前記クリーニング部材は、少なくとも前記転写材搬送体と当接するエッジ部に、前記クリーニング部材を構成する弾性材中に無機微粒子を内包した表面層を有している、
ことを特徴とする画像形成装置。 - 前記クリーニング部材を、前記転写材搬送体の移動方向に対してカウンタ方向に当接するように配置する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記不定形粉砕トナーは、少なくともワックス成分を結着樹脂100重量部に対して1〜20重量部分散させたトナーである、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。 - トナー像が担持される像担持体と、前記像担持体の転写部位に転写材を担持搬送して、前記転写材上にトナー像を転写させる移動自在な転写材搬送体と、前記転写材搬送体表面に残留した残トナーを除去すべく、前記転写材搬送体に当接自在に設けた弾性材からなるクリーニング部材と、を備えた画像形成装置において、
前記トナー像を形成するトナーは、平均粒径4.5〜7.5μmで、少なくともワックス成分を結着樹脂100質量部に対して1〜20質量部分散させ、形状計数SF−1が100〜140及びSF−2が100〜120の範囲内にある重合法で生成された略球形トナーであり、前記クリーニング部材は、少なくとも前記転写材搬送体と当接するエッジ部に、前記クリーニング部材を構成する弾性材中に無機微粒子を内包した表面層を有している、
ことを特徴とする画像形成装置。 - 前記クリーニング部材を、前記転写材搬送体の移動方向に対してカウンタ方向に当接するように配置する、
ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。 - トナー像が担持される像担持体と、前記像担持体に当接し、トナー像を1次転写部材により一時的に転写して担持する移動自在な中間転写体と、前記中間転写体上に転写されたトナー像を転写材に転写する2次転写部材と、前記中間転写体表面に残留した残トナーを除去すべく、前記中間転写体に当接自在に設けた弾性材からなるクリーニング部材と、を備えた画像形成装置において、
前記トナー像を形成するトナーは、平均粒径4.5〜7.5μmの不定形粉砕トナーであり、前記クリーニング部材は、少なくとも前記中間転写体と当接するエッジ部に、前記クリーニング部材を構成する弾性材中に無機微粒子を内包した表面層を有している、
ことを特徴とする画像形成装置。 - 前記クリーニング部材を、前記中間転写体の移動方向に対してカウンタ方向に当接するように配置する、
ことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。 - 前記不定形粉砕トナーは、少なくともワックス成分を結着樹脂100重量部に対して1〜20重量部分散させたトナーである、
ことを特徴とする請求項6又は7に記載の画像形成装置。 - トナー像が担持される像担持体と、前記像担持体に当接し、トナー像を1次転写部材により一時的に転写して担持する移動自在な中間転写体と、前記中間転写体上に転写されたトナー像を転写材に転写する2次転写部材と、前記中間転写体表面に残留した残トナーを除去すべく、前記中間転写体に当接自在に設けた弾性材からなるクリーニング部材と、を備えた画像形成装置において、
前記トナー像を形成するトナーは、平均粒径4.5〜7.5μmで、少なくともワックス成分を結着樹脂100質量部に対して1〜20質量部分散させ、形状計数SF−1が100〜140及びSF−2が100〜120の範囲内にある重合法で生成された略球形トナーであり、前記クリーニング部材は、少なくとも前記中間転写体と当接するエッジ部に、前記クリーニング部材を構成する弾性材中に無機微粒子を内包した表面層を有している、
ことを特徴とする画像形成装置。 - 前記クリーニング部材を、前記中間転写体の移動方向に対してカウンタ方向に当接するように配置する、
ことを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002211733A JP2004053956A (ja) | 2002-07-19 | 2002-07-19 | 画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002211733A JP2004053956A (ja) | 2002-07-19 | 2002-07-19 | 画像形成装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2004053956A true JP2004053956A (ja) | 2004-02-19 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004053956A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006184796A (ja) * | 2004-12-28 | 2006-07-13 | Fuji Xerox Co Ltd | ベルト搬送装置 |
US7695878B2 (en) | 2006-03-17 | 2010-04-13 | Ricoh Company Limited | Image forming apparatus, process cartridge and toner for use in the image forming apparatus |
-
2002
- 2002-07-19 JP JP2002211733A patent/JP2004053956A/ja active Pending
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