JP2004053954A - 導波路型光デバイス - Google Patents

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高松 信博
Takashi Shioda
塩田 剛史
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鈴木 健司
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Abstract

【課題】高分子樹脂における水分の吸脱着による屈折率変化を抑制し、動作の信頼性が向上した導波路型光デバイスを提供する。
【解決手段】導波路型光デバイス1は、マッハツエンダー型TOスイッチ2をヒータ3上に配置して構成されている。マッハツエンダー型TOスイッチ2は、マッハツエンダー干渉計4上に熱光学位相シフタである加熱電極5を形成して成る。マッハツエンダー干渉計4は、クラッド層6中に所定の導波路パターンを成すようにコア層7を形成して成る。導波路部4を構成するコア層7およびクラッド層6の少なくとも一方は、高分子樹脂から成る。ヒータ3は、マッハツエンダー型TOスイッチ2の直下に配置され、60℃以上に加熱する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光スイッチ、光変調器などの光部品および光集積回路などのように光通信に用いられる導波路型光デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】
光通信システムの高度化、経済化に向けて、様々な光部品の研究開発が進められている。中でも、光導波路は、高密度光配線、導波路型光デバイス実現への基本技術として注目されている。
【0003】
一般に、光導波路の材料に対しては、導波路作製の容易性、屈折率の制御性、耐熱性、耐水耐湿性などが要求される。現在、光導波路の材料としては石英が最もよく利用されている。石英製光導波路は波長1.3μmで0.1dB/cm以下の低光損失を示す反面、製造プロセスが複雑、大面積化が困難などの問題点を有する。そのため、石英製光導波路では、経済性、汎用性に優れる導波路型光デバイスを得にくいという欠点がある。
【0004】
一方、高分子材料製光導波路は、スピンコート法による成膜プロセスを利用できるため、石英製光導波路と比較して、作製プロセスが簡単で、大面積化も容易である。さらに、高分子材料は石英に比べて10倍以上大きな熱光学(TO)効果(屈折率の温度依存性)を持つ場合が多く、TO効果を利用した導波路型光デバイスへの応用が特に有望である。たとえば、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)は、屈折率の温度依存性が−1.0×10−4/℃であり、石英の1×10−5/℃以下と比べて10倍以上大きいため、PMMA製光導波路をマッハツエンダー型TOスイッチへ応用した場合には、スイッチング電力は石英製光導波路に比べて1/100程度に大きく低減されることが知られている[ヒダ(Hida)ほか、IEEEフォトニクス テクノロジー レターズ(IEEE Photonics Technology
Letters)、第5巻、第782項(1993)]。
【0005】
しかしながら、PMMAは、熱変形温度が100℃程度と低いため[井出文雄著、”オプトエレクトロニクスと高分子“、第28項、共立出版(1995)]、動作時の加熱・冷却の繰り返しによってスイッチング特性が劣化する。このため、PMMAはTO効果を利用した導波路型光デバイスの形成に適しているとはいえない。また、PMMAは吸水率が約2%と大きく、屈折率が環境湿度によって大きく変化する。たとえば、光部品の最も基本的な要素である方向性結合器をPMMAを用いて形成した場合には、設置環境によって出射光の分岐比は大きく変化してしまう。
【0006】
このように、導波路型光デバイスとしては、耐熱性、耐水耐湿性を回避できるようなデバイス設計および高分子材料が必要である。
【0007】
耐熱性の優れた高分子材料としては、ポリイミドがよく知られており、半導体部品の層間絶縁膜、フレキシブル配線基板などに用いられている。しかしながら、通常のポリイミドは吸湿性が大きいだけでなく、光通信波長帯である近赤外域(1.3μm、1.55μm)の光透過性に劣る。
【0008】
そこで、ポリイミドの耐熱性を保持しつつ光学応用可能な材料として、フッ素置換基を導入したフッ素化ポリイミドが提案されている。フッ素化ポリイミドは近赤外域で透明であること(特開平3−72528号公報参照)、耐水耐湿性に優れることが明らかにされている。さらに、このフッ素化ポリイミドを共重合体として用い共重合比を制御することによって容易に屈折率を変えられること(特開平4−8734号公報参照)と、この屈折率制御を利用したフッ素化ポリイミド光導波路の形成法(特開平4−235505号公報および特願平4−235506号公報参照)も示されている。
【0009】
しかし、このようなフッ素化ポリイミドについても、吸水率は0.2〜0.7%であってPMMAと比べては小さいものの、方向性結合器の特性やマッハツエンダー干渉計の特性に対する水分の影響は無視できないという欠点がある(特開平4−190202号公報参照)。特に、これらの材料で光スイッチ等のTOスイッチを作製した場合、加熱電極による通電加熱によって水分の吸脱着が起こるため屈折率が大きく変化し、TO効果による屈折率変化を上回り、TOスイッチがうまく機能しないことがある。
【0010】
図10は、フッ素化ポリイミドを用いたマッハツエンダー型光スイッチにおける吸水率と位相シフト量との関係を示すグラフである。図10のグラフによると、吸水率が上昇するとともに位相シフト量は増大し、吸湿によってドリフト現象が起こっていることがわかる。しかし、フッ素化ポリイミドを用いたマッハツエンダー型光スイッチのような導波路型光デバイスにおいて、吸湿特性を改善するような改善方法、および吸湿特性が改善されたTOスイッチのような導波路型光デバイスは知られていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
高分子樹脂を用いた導波路型光デバイスにおいては、高分子樹脂による水分の吸脱着が起こらないようにするための装置設計をすることが課題となっている。特に、加熱電極を備えたTOスイッチなどの導波路型光デバイスにおいては、加熱電極を使用して通電加熱することによる水分の吸脱着が起こらないようにするための装置設計をすることが課題となっている。
【0012】
すなわち、高分子樹脂における水分の吸脱着による屈折率変化を抑制し、正常な動作をする光スイッチ等の導波路型光デバイスの開発が必要とされている。そのためには、高分子樹脂における水分の吸脱着による屈折率変化抑制機能の開発とともに、その抑制機能を有する導波路型光デバイスの開発が必要である。
【0013】
本発明の目的は、高分子樹脂における水分の吸脱着による屈折率変化を抑制し、動作の信頼性が向上した導波路型光デバイスを提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、クラッド層中に所定の導波路パターンを成すようにコア層を形成して成る導波路部を有し、前記コア層および前記クラッド層の少なくとも一方は高分子樹脂から成る光学素子と、
前記高分子樹脂における水分の吸脱着を抑制する抑制手段とを備えたことを特徴とする導波路型光デバイスである。
【0015】
また本発明は、前記抑制手段は、前記光学素子の温度を60℃以上に加熱することを特徴とする。
【0016】
また本発明は、前記抑制手段は、前記光学素子を囲む空間を密閉し、この密閉空間を減圧状態に保持することを特徴とする。
【0017】
また本発明は、前記抑制手段は、前記光学素子を囲む空間を密閉し、この密閉空間に乾燥気体を充填したことを特徴とする。
【0018】
本発明に従えば、抑制手段によって導波路部を構成する高分子樹脂における水分の吸脱着が抑制される。これによって、高分子樹脂が水分を吸湿または脱着することによる屈折率の変化が抑制され、これに伴ってドリフト現象による位相シフトも抑制され、導波路型光デバイスの誤動作が低減し、動作の信頼性が向上した導波路型光デバイスを実現することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的に説明する。本発明に適用できるクラッド用およびコア用の高分子材料については、導波路型光デバイスが安定した性能を発揮する材料であれば特に問わない。すなわち前述したように、1)導波路材料が近赤外域、特に波長1.3μmおよび1.55μm付近で透明であること、2)熱変形温度が大きく、容易に変形しないことが望まれる。さらに、熱光学効果を利用した導波路型光デバイスの場合には、クラッド材料およびコア材料それぞれの熱光学定数と耐熱性もまた重要となる。
【0020】
図1は、本発明の第1実施形態である導波路型光デバイス1の概略を示す平面図である。導波路型光デバイス1は、光学素子であるマッハツエンダー型TOスイッチ2を、抑制手段であるヒータ3上に配置して構成されている。マッハツエンダー型TOスイッチ2は、図2(a)に示すように、マッハツエンダー干渉計4上に、熱光学位相シフタである加熱電極5を形成して成る。マッハツエンダー干渉計4は、後述する基板上に形成されたクラッド6層中に所定の導波路パターンを成すようにコア層7を形成して成る。マッハツエンダー干渉計4を構成するコア層7およびクラッド層6の少なくとも一方は、高分子樹脂から成る。
【0021】
ここでのマッハツエンダー干渉計4は、図2(b)に示されるように、2つの方向性結合器9を直列に接続して構成されている。方向性結合器9は、図2(c)に示されるように、並列に形成される2本の導波路で構成されており、各導波路は、それぞれ入力導波路と結合導波路と出力導波路とを有する。入力導波路間の距離と出力導波路間の距離とはほぼ同じであり、結合導波路間の距離は入力導波路間および出力導波路間の距離より短く形成されている。
【0022】
ヒータ3は、マッハツエンダー型光スイッチ2の直下に配置され、電源8によって動作してマッハツエンダー型光スイッチ2を60℃以上に加熱する。
【0023】
図3は、第1実施形態の変形例である導波路型光デバイス1aの概略を示す平面図である。この導波路型光デバイス1aは、光学素子として、マッハツエンダー型TOスイッチ2に代えて、マッハツエンダー型TOスイッチ2aを用いて構成されている。マッハツエンダー型TOスイッチ2aは、図4(a)に示すように、マッハツエンダー干渉計4a上に熱光学位相シフタである加熱電極5を形成して成る。マッハツエンダー干渉計4aは、後述する基板上に形成されたクラッド6層中に所定の導波路パターンを成すようにコア層7を形成して成る。マッハツエンダー型光スイッチ4aを構成するコア層7およびクラッド層6の少なくとも一方は、高分子樹脂から成る。
【0024】
マッハツエンダー干渉計4aは、図4(b)に示されるように、2つのマルチモードインターフェイス導波路(Multimode Interference導波路、以下「MMI導波路」という。)10を直列に接続して構成されている。MMI導波路10は、図4(c)に示されるように、1つの結合導波路と、結合導波路に光を導く2本の入力導波路と、結合導波路からの光を出力する2本の出力導波路とで構成されている。入力導波路間の距離と出力導波路間の距離とはほぼ同じである。
【0025】
ヒータ3は、マッハツエンダー型光スイッチ2aの直下に配置され、電源8によって動作してマッハツエンダー型光スイッチ2aを60℃以上に加熱する。
【0026】
導波路型光デバイス1,1aでは、光学素子であるマッハツエンダー型TOスイッチ2,2aを加熱するヒータ3を、光学素子の直下に配置することで、光学素子を60℃以上に加熱することを可能にしている。マッハツエンダー型TOスイッチ2,2aのいずれの場合においても、マッハツエンダー型TOスイッチ2,2aの温度を上昇させると、高分子材料における水分の吸湿による吸水率が小さくなることが、図5に示す樹脂温度と吸水率の関係を示すグラフからわかっている。そこで、導波路型光デバイス1,1aでは、高分子樹脂の樹脂温度を上昇させることによって、高分子樹脂内の微量な水分を除去し、かつ加熱電極5を使用して通電加熱することによる高分子樹脂における水分の吸脱着も抑制している。
【0027】
図6は、本発明の第2実施形態である導波路型光デバイス11の概略を示す斜視図である。導波路型光デバイス11は、マッハツエンダー型TOスイッチ2を密閉されたハウジング12内に収納し、ハウジング12内を真空状態または減圧状態に保持して構成されている。製造手順は、まずマッハツエンダー型TOスイッチ2をハウジング12内に収納し、ハウジング12の一側部に設けられた真空引き用丸孔13から図示しない真空装置を用いて脱気してハウジング12内を減圧する。これによって、ハウジング12内は絶乾状態となり、マッハツエンダー型TOスイッチ2を構成する高分子樹脂内の水分が除去される。その後、真空引き用丸孔13を封止し、たとえばハーメチックシール(GTMS;Glass to
Metal Seal)によってハウジング12内を密閉して、ハウジング12内を真空状態または減圧状態に保持する。
【0028】
導波路型光デバイス11は、ハウジング12の対向する側部にそれぞれ光ファイバから成る入射側導光路14および出射側導光路15を備える。入射側導光路14は、マッハツエンダー型TOスイッチ2の2つの入力導波路のうちの一方に連結されている。出射側導光路15は、マッハツエンダー型TOスイッチ2の2つの出力導波路のうちの一方に連結されている。なお、出射側導光路15を2つ設けて、2つの出力導波路にそれぞれ出射側導光路15を連結してもよい。
【0029】
入射側導光路14からの入射光は、マッハツエンダー型TOスイッチ2の2本の導波路のうち一方の導波路(たとえば図2(a)において上側の導波路)に入射される。入射光は、2本の導波路がくびれて近接した部分(図2(a)において左側の結合導波路部分)で干渉によって、他方の導波路(図2(a)において下側の導波路)にも伝わる。2本の導波路を進む光は、加熱によって制御され、2本の導波路が再びくびれて近接した部分(図2(a)において右側の結合導波路部分)で干渉し、2本の導波路に別れて進行する。各導波路からの出射光は、出射側導光路15から出力される。
【0030】
導波路型光デバイス11では、マッハツエンダー型TOスイッチ2を真空状態または減圧状態のハウジング12内に収納することによって、高分子樹脂内の微量な水分を除去し、かつ加熱電極5を使用して通電加熱することによる高分子樹脂における水分の吸脱着も抑制している。
【0031】
また、第2実施形態の変形例として、マッハツエンダー型TOスイッチ2に代えて、マッハツエンダー型TOスイッチ2aを密閉されたハウジング12内に収納し、ハウジング12内を真空状態または減圧状態に保持して構成してもよい。製造手順は、導波路型光デバイス11の場合と同様である。
【0032】
また、本発明の第3実施形態として、上記の第2実施形態においてハウジング12内に、乾燥気体を封止して、導波路型光デバイスを構成してもよい。
【0033】
さらに、本発明の第4実施形態として、上記の第1〜第3実施形態において、光学素子として、マッハツエンダー型TOスイッチ2,2aに代えて、マッハツエンダー干渉計4,4a、方向性結合器9またはMMI導波路10を使用して、導波路型光デバイスを構成してもよい。つまり、基板上に形成されたクラッド層中に所定の導波路パターンを成すようにコア層を形成して成る導波路部を有する光学素子であれば、その光学素子を用いて同様に本発明の導波路型光デバイスを構成することができる。
【0034】
以下、本発明の光導波路デバイスについてより詳細に説明する。図7は、マッハツエンダー干渉計4,4aの一般的な作製工程を示す工程図である。最初に、図7(a)に示すように基板21を準備し、この基板21上に図7(b)に示すように、高分子樹脂を用いて下部クラッド層22を形成する。次に、下部クラッド層22上に、図7(c)に示すように下部クラッド層22よりも屈折率の大きなコア層23を、高分子樹脂を用いて形成する。
【0035】
次に、コア層23上に、図7(d)に示すように、フォトリソグラフィー法によってマッハツエンダー干渉計のコアパターンに対応した位置にマスクパターン24を形成する。マスクパターン24が形成されたコア層23に対して、図7(e)に示すようにRIE法を用いてエッチングを行い、エッチング後にマスクパターン24を除去し、図7(f)に示すようなマッハツエンダー干渉計のコアパターン25を形成する。最後に、図7(g)に示すように、コアパターン25を覆うように上部クラッド層26を形成する。このような作製方法によって、高分子導波路によるマッハツエンダー干渉計が形成される。
【0036】
また、マスクパターン24を、方向性結合器のコアパターンに対応する位置に形成すれば高分子導波路による方向性結合器を形成することができ、MMI導波路のコアパターンに対応する位置に形成すれば高分子導波路によるMMI導波路を形成することができる。
【0037】
方向性結合器は、導波路型光デバイスを構成する要素の中で、最も重要、かつ基本的なものの1つである。方向性結合器単体では出射光を任意の比率で分岐させる光部品として用いられ、その分岐比は相互作用長を変えることによって制御できる。
【0038】
また、マッハツエンダー干渉計は導波路型光デバイスを構成する基本光回路であり、位相シフタとの組み合わせによって種々の光部品として利用できる。たとえば図7(h)に示すように、マッハツエンダー干渉計の上部クラッド層26上に、リフトオフ用レジストを塗布し、露光、現像過程を経て、加熱用電極(熱光学位相シフタ)のレジストパターン27をネガ型形状に厚さ約1μmに形成する。
【0039】
次に、加熱用電極の密着性を高めるために、酸素ガスのプラズマによってエッチング処理することによって、上部クラッド層26の表面に幅約1μmの深さの溝を多数形成する。このとき、溝の内面は粗面化される。
【0040】
次に、抵抗加熱真空蒸着あるいはスパッタ蒸着によって、図7(i)に示すように、金属膜28を厚さ約0.1mmに形成する。このとき、レジストパターン27が残っているので、金属膜28は上部クラッド層26の表面の溝に一部が埋込まれたように形成される。これによって、金属膜28の密着性が向上する。
【0041】
その後、リフトオフ用溶媒でレジストパターン27を流すことによって、加熱用電極5のパターン以外の金属膜28を除去し、図7(j)に示すように加熱用電極(熱光学位相シフタ)5を形成する。このような作製方法によって、高分子導波路によるマッハツエンダー型TOスイッチ2,2aが形成される。
【0042】
上述した第1実施形態である導波路型光デバイス1,1aは、このようにした作製されたマッハツエンダー型TOスイッチ2,2aの基板21直下にヒータ3を配置して作製した。また、上述した第2実施形態である導波路型光デバイス11,11aは、このようにした作製されたマッハツエンダー型TOスイッチ2,2aをハウジング12内に収納し、真空装置を用いて絶乾状態にし、ハーメチックシール等で密閉して真空状態または減圧状態で保持して作製した。さらに、上述した第3実施形態である導波路型光デバイスは、第2実施形態におけるハウジング12内に不活性気体(アルゴン、窒素等)を封止することによって作製した。
【0043】
なお、基板21として、任意の基板材料を用いることができるが、熱伝導率の大きなAl、Al合金、ステンレス、銅などの基板材料を用いることによって、導波路部であるマッハツエンダー型TOスイッチ2,2aを容易に加熱できるようになる。また、加熱電極である抵抗体薄膜形成用の材料としては、Ti、Cr、Al、金、銀、銅、白金、酸化スズ、およびこれらの混合物あるいはこれらの薄膜の積層体を用いることができる。
【0044】
引き続いて、いくつかの実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明する。なお、分子構造の異なる種々の高分子を導波路材料に用いた高分子導波路上に本発明を用いても導波路型光デバイスのドリフトが改善されることは明らかである。したがって、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0045】
[実施例1]
基板21として、シリコーンウエハを用いる。2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)と、2,2−ビス(トリフルオロメチル)−4, 4’ −ジアミノビフェニル(TFDB)との15wt%ポリアミド酸溶液をシリコーンウエハ21上にスピンコートした後、オーブン中380℃で加熱イミド化を行い、下部クラッド層22を形成した。
【0046】
次に、コア材料となる6FDAと4, 4’ −オキシジアニリン(ODA)との15wt%ポリアミド酸溶液を下部クラッド層22上にスピンコートし、同様に加熱イミド化を行い、コア層23を形成した。コア層23上へフォトレジストをスピンコートした後、マッハツエンダー干渉計のコアパターンをフォトリソグラフ法によってレジストに転写させた。次に、フォトレジストの現像を行うことにより、コア層23上にマッハツエンダー干渉計のマスクパターン24を形成した。マスクパターン24が形成されたコア層23に対して、RIE法を用いてエッチングを行い、マッハツエンダー干渉計のコアパターン25を形成した。
【0047】
次に、マッハツエンダー干渉計のコアパターン25上に、下部クラッド層22と同じ(6FDA/TFDB):(6FDA・4,4−ODA)の15wt%ポリアミド酸溶液をコア層22上にスピンコートし、同様に加熱イミド化させ、上部クラッド層26を形成した。
【0048】
上部クラッド層26にリフトオフ用レジストを厚み約2.0μmになるようにスピンコートし、90℃で約30分でプリベーク後、露光機により約110mJ/cm紫外光を照射し、現像することによって、上部クラッド層10上に線幅約40μmのネガ型状の加熱用電極(熱光学位相シフタ)のレジストパターン27を形成する。次に酸素ガスプラズマによって、約1μmエッチングを行い、表面の粗化および凹型形状を形成する。次に抵抗加熱真空蒸着機を用いて約0.1μm、クロム膜28を表面に堆積する。次に、リフトオフ用の溶媒を用いてレジストを除去し、加熱用電極5以外のクロム膜を除去する。このとき、レジストが除去しづらい場合には超音波洗浄機を用いる場合もある。このようにして線幅40μmの加熱用電極(熱光学位相シフタ)5を備えたマッハツエンダー型TOスイッチ2が得られた。形成したマッハツエンダー型TOスイッチ2をパッケージングする際に、基板21直下にヒータ3としてペルチェ素子を配置することで、光学素子であるマッハツエンダー型TOスイッチ2の温度を一定に保てるようにした。
【0049】
図8は、マッハツエンダー型TOスイッチ2の温度を25℃にした場合と、60℃にした場合のスイッチ特性を示すグラフである。図8(a)に示すように、温度を25℃にした場合は、加熱を開始した後も光強度の変動が確認された。一方、図8(b)に示すように、温度を60℃にした場合は、光強度の変動はほぼなく、安定したスイッチング動作をすることが確認された。
【0050】
[実施例2]
実施例1と同じ方法で加熱用電極(熱光学位相シフタ)5を備えたマッハツエンダー型TOスイッチ2を作製した後、パッケージングする際に図6に示すような真空維持装置(ハウジング12)を作成し、真空ポンプによってハウジング12内を真空にして絶乾状態にし、ハーメチックシールによって密閉した。
【0051】
図9は、ハウジング12内が大気圧である場合のスイッチ特性と真空状態にし絶乾状態である場合のスイッチ特性を示すグラフである。図9(a)に示すように、大気圧状態では加熱を開始した後も光強度の変動が確認された。一方、真空状態である場合は、光強度の変動はほぼなく、安定したスイッチング動作をすることが確認できた。なお、真空状態にした後、乾燥気体を充填し、封止した場合においても、光強度の変動はほぼなく、安定したスイッチング動作をすることが確認できた。
【0052】
以上のように、マッハツエンダー型TOスイッチ、マッハツエンダー干渉計、方向性結合器またはMMI導波路のような、クラッド層中に所定の導波路パターンを成すようにコア層を形成して成る導波路部を有する光学素子を含む導波路型光デバイスにおいて、光学素子を60℃以上に加熱することのできるヒータ3を設けること、もしくは光学素子をハウジング12内に収納して密閉し、真空状態に保つことまたは乾燥気体を封入することによって、光学素子を通電加熱することによる高分子樹脂の水分の吸脱着を防いでドリフトを抑制することができ、安定して動作する導波路型光デバイスを作製できる。
【0053】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、抑制手段によって導波路部を構成する高分子樹脂の水分の吸脱着が抑制されるので、高分子樹脂が水分を吸脱着することによる屈折率の変化が抑制され、これに伴ってドリフト現象による位相シフトも抑制され、導波路型光デバイスの誤動作が低減し、動作の信頼性が向上した導波路型光デバイスを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である導波路型光デバイス1の概略を示す平面図である。
【図2】導波路型光デバイス1を構成するマッハツエンダー型TOスイッチ2の構成を示す平面図である。
【図3】第1実施形態の変形例である導波路型光デバイス1aの概略を示す平面図である。
【図4】導波路型光デバイス1aを構成するマッハツエンダー型TOスイッチ2aの構成を示す平面図である。
【図5】高分子樹脂における樹脂温度と吸水率との関係を示すグラフである。
【図6】本発明の第2実施形態である導波路型光デバイス11の概略を示す斜視図である。
【図7】マッハツエンダー干渉計の一般的な作製工程を示す工程図である。
【図8】導波路型光デバイス1において、マッハツエンダー型TOスイッチ2の温度を25℃にした場合と、60℃にした場合のスイッチ特性を示すグラフである。
【図9】導波路型光デバイス11において、ハウジング12内が大気圧である場合のスイッチ特性と真空状態にし絶乾状態である場合のスイッチ特性を示すグラフである。
【図10】フッ素化ポリイミドを用いたマッハツエンダー型光スイッチにおける吸水率と位相シフト量との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1,1a,11 導波路型光デバイス
2,2a マッハツエンダー型TOスイッチ
3 ヒータ
4,4a マッハツエンダー干渉計
5 加熱電極
6 クラッド層
7 コア層
8 電極
9 方向性結合器
10 マルチモードインターフェイス回路(MMI導波路)
12 ハウジング
13 真空引き丸孔
21 基板
22 下部クラッド層
23 コア層
24 マスクパターン
25 コアパターン
26 上部クラッド層
27 レジストパターン
28 金属膜

Claims (4)

  1. クラッド層中に所定の導波路パターンを成すようにコア層を形成して成る導波路部を有し、前記コア層および前記クラッド層の少なくとも一方は高分子樹脂から成る光学素子と、
    前記高分子樹脂における水分の吸脱着を抑制する抑制手段とを備えたことを特徴とする導波路型光デバイス。
  2. 前記抑制手段は、前記光学素子の温度を60℃以上に加熱することを特徴とする請求項1記載の導波路型光デバイス。
  3. 前記抑制手段は、前記光学素子を囲む空間を密閉し、この密閉空間を減圧状態に保持することを特徴とする請求項1記載の導波路型光デバイス。
  4. 前記抑制手段は、前記光学素子を囲む空間を密閉し、この密閉空間に乾燥気体を充填したことを特徴とする請求項1記載の導波路型光デバイス。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006313072A (ja) * 2005-05-06 2006-11-16 Seikoh Giken Co Ltd 3軸光電界センサ
JP2011197700A (ja) * 2004-08-04 2011-10-06 Furukawa Electric Co Ltd:The 光回路装置
JP2012002916A (ja) * 2010-06-15 2012-01-05 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光導波路フィルム

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