JP2004052668A - ウォーターポンプ - Google Patents
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Abstract
【課題】メカニカルシールから漏れてきた水滴がウォータポンプの前面又は外部へ排出、飛散しないようにすると共に、ベアリング内部へ浸入しないウォータポンプを提供すること。
【解決手段】ボデー12との間に空間15を画成するプレート17を設け、プレート17の外周部17aをボデー12に固着するとともに、内周部17bにメカニカルシール50を嵌入する嵌入孔17cを形成した。
【選択図】 図1
【解決手段】ボデー12との間に空間15を画成するプレート17を設け、プレート17の外周部17aをボデー12に固着するとともに、内周部17bにメカニカルシール50を嵌入する嵌入孔17cを形成した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はウォータポンプに関し、特に自動車用ウォータポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のウォータポンプには、例えば特開平2−45698号公報に開示されたものがある。このウォータポンプは、一端にインペラが配設されたシャフトと、有底円筒形状を呈し有底円筒形状の底部に貫通孔が形成されシャフトと結合されたプーリと、シャフトが挿通された略円筒状の支承部を有するボデーと、支承部の外周とプーリの内周との間に配設されたベアリングと、シャフトの外周面と支承部の内周面との間に画成された円筒状空間と、円筒状空間の一端側を封止するメカニカルシールと、円筒状空間の他端側に設けられ、メカニカルシールを経てインペラ側から漏れてきた水滴を、円筒状空間及びプーリに設けた水抜き穴を介して大気側へと排出するウォータポンプである。
【0003】
このウォータポンプは、エンジンに取り付けられ使用されている時、メカニカルシールからの微量な水漏れ、あるいはメカニカルシールの摺動部になんらかの原因で一時的に異物が噛み込み水漏れが発生した場合、プーリの前面の水抜き穴から外部(大気側)に水が漏れウォータポンプの外部に付着し不具合と誤認され、ウォータポンプが交換される可能性があった。また、プーリの前面の水抜き穴から水が漏れた場合、プーリは回転しているため漏れた水滴(LLC)がエンジン内に飛散しエンジン補機駆動ベルトまたは他のエンジンルーム内のゴム・樹脂製部品を水滴(LLC)が攻撃し、部品の作動不良を起こす可能性があった。また、プーリの前面に水抜き穴があり、ベアリングのシールゴムが硬化・摩耗していた場合にはメカニカルシールから漏れた水がベアリングに浸入し、ベアリングが回転不良を起こしウォータポンプが回転せず、エンジンが冷却できなくなり、オーバーヒートやエンジン始動不良の不具合を起こす懸念があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、メカニカルシールから漏れてきた水滴がウォータポンプの前面又は外部へ排出、飛散しないようにすると共に、ベアリング内部へ浸入しないようにすることを、その技術的課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記した技術的課題を解決するために請求項1の発明にて講じた技術的手段は、プーリと、該プーリが一端に固定されたシャフト部と、該シャフト部の他端に固定されたインペラと、該インペラ側に形成される水室と大気側とを区画し前記シャフト部が挿通された略円筒状の支承部を有するボデーと、前記支承部の外周と前記プーリの内周との間に配設され、前記プーリを回転可能に支承するベアリングと、前記水室から前記シャフトの一端側への水の漏れを防止するメカニカルシールとを備えたウォータポンプにおいて、前記ボデーとの間に空間を画成するプレートを設け、該プレートの外周部を前記ボデーに固着するとともに、内周部に前記メカニカルシールを嵌入する嵌入孔を形成したことである。
【0006】
上記した手段によれば、メカニカルシールから漏れてきた水滴はボデーの支承部の内周とシャフトの外周との間を通して大気側へ漏れ出して飛散しようとするが、水滴は空間に溜まるため外部への漏れ出し及び飛散を防止できる。
【0007】
上記した技術的課題を解決するために請求項2の発明にて講じた技術的手段は、請求項1の発明に加えて、前記ボデーに前記空間と前記大気側とを連通する連通孔を少なくとも1つ形成したことである。
【0008】
この手段によれば、メカニカルシールから漏れてきた水滴を連通孔から排出することができ、空間からオーバーフローしてベアリング側へ行くことを防止できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を、図1に基づいて説明する。
【0010】
図1において、ウォータポンプ10のボデー12は、締結手段13により、エンジンシリンダブロックなど(エンジンボデー)90に、ガスケット80などを介して、固定されている。ボデー12には、先端(左端)側に略円筒状の支承部12bを備える円錐形状の凹部12aが形成されている。支承部12b上にはベアリング14のインナーレースが外嵌され固定されている。また、ベアリング14のインナーレース右端面はボデー12の段部12cに隣接している。なお、インナーレース右端面と段部12cとの間には隙間があってもよい。
【0011】
ベアリング14のアウターレース上には、有底円筒状の円筒凹部26の外周壁26aが外嵌されている。円筒凹部26の中央には、シャフト部25が一体回転可能に形成されている。円筒凹部26の外周には、円筒凹部26及びシャフト部25をインサート成形した樹脂のプーリ20が形成されている。尚、円筒凹部26とシャフト部25及びプーリ20は、鋼板の板材をプレス成形等により一体形成してもよい。
【0012】
この円筒凹部26及びシャフト部25を一体化した回転体18は、鋼板の板材を円筒凹部26及びシャフト部25が同芯となるようにプレス成形される。その後、円筒凹部26及びシャフト部25は、耐蝕処理してもよく、又は耐蝕処理しなくてもよい。また、円筒凹部26の底部26bにはウォータポンプ10の組付時に使用する貫通孔26cが形成されている。
【0013】
シャフト部25の右端部には、インペラ30が一体回転可能に固定されている。インペラ30は基部30aと基部30aの右面の周縁部から突出した複数の羽根30b及び基部30aの中央部から右方向に突出する中空突起部30cが一体に形成される。この中空突起部30cを中空のシャフト部25の右端部に外嵌することにより、シャフト部25の右端部には、インペラ30が一体回転可能に固定される。なお、インペラ30は鋼板の板材をプレス成形した後、耐蝕処理してもよい。インペラ30は、エンジンシリンダブロック90などの内部に形成され且つ開口部がボデー12により閉塞された水室95内に配設される。水室95は、図示されないエンジン冷却水回路の構成要素となっている。
【0014】
ボデー12の水室95側には、ボデー12との間に空間15を画成するプレート17が設けられ、プレート17の外周部17aはボデー12に固着されるとともに、内周部17bにはメカニカルシール50が嵌入される嵌入孔17cが形成されている。凹部12aには空間15と大気側とを連通する水抜き孔(連通孔)16が形成されている。つまり、シャフト部25の外周面とボデー12の凹部12aの内周面及びプレート17の内周面との間に画成される空間15の一端側(水室95との境界部)の嵌入孔17cにメカニカルシール50が嵌入されており、このメカニカルシール50により、水室95内の冷却水がシャフト部25の一端側(大気側)に漏れないように、空間15と水室95とを液密的に隔離している。これにより、メカニカルシール50から漏れてきた水滴を空間15に溜めることができると共に貫通孔から排出することができるため、水滴が空間15からオーバーフローして、シャフト部25の外周面とボデー12の支承部12bの内周面との間を通ってベアリング14側へ行くことを防止できる。メカニカルシール50は、プレート17の嵌入孔17cに嵌入し液密的に固定される固定リング50aとシャフト部25に液密的に固定されて固定リング50aに対して相対回転可能且つ常時液密関係を確立すべく接触する回転リング50bとから構成される。
【0015】
次に本実施形態の作用について説明する。
【0016】
プーリ20のベルト係合面20bに係合されたベルト85を介して、図示しないエンジンの出力軸から伝達される回転力によりプーリ20が回転する。プーリ20の回転に伴って、プーリ20と一体成形されたシャフト部25も同一方向に回転する。そして、シャフト部25と一体となったインペラ30が、ボデー12により閉塞された水室95内で回転する。
【0017】
いま、水室95内には冷却水が満たされているので、インペラ30の回転による遠心力によって、インペラ30は、水室95の中心付近にある冷却水を、インペラ30の外周方向へと運ぶ。このように、インペラ30の中心から外側に向かって、遠心力によるポンプ作用が発生する。これにより、水室95内におけるインペラ30の回転中心付近とその外周側との間には圧力差が生じ、冷却水がインペラ30の回転中心付近に設けられる吸込ポート95aから水室95内へと吸い込まれる。そして、インペラ30のポンプ作用により外周側へ圧送され、外周側に設けられた図示しない吐出口からエンジンの被冷却各部へと供給され、冷却水が循環する。
【0018】
上記したように、本実施形態においては、メカニカルシール50はシャフト部25の外周面とプレート17の貫通孔17cの間に配設されており、メカニカルシール50から漏れてきた水滴は、シャフト部25の外周面と支承部12bの内周面の間及び貫通孔26cを通して大気側へ漏れ出そうとするが、ボデー12とプレート14との間に画成される空間15に溜められてウォータポンプ外部に漏れ出ることはない。これにより、外部からウォータポンプ10の水漏れと誤認されれず、水漏れ不具合としてウォータポンプ10を交換されることがない。また、漏れた水滴(LLC)がエンジン内に飛散しエンジン補機駆動ベルトまたは他のエンジンルーム内のゴム・樹脂製部品を水滴(LLC)が攻撃し、部品の作動不良を起こす懸念がなくなる。また、ボデー12の凹部12aには空間15とウォータポンプ外部とを連通する水抜き孔(連通孔)16が形成されているため、メカニカルシール50から漏れてきた水滴は連通孔16から排出することができ、空間15からオーバーフローしてシャフト部25の外周面と支承部12bの内周面の間を通してベアリング14側へ行くことを防止できる。このため、ベアリングが回転不良を起こしウォータポンプが回転せず、エンジンが冷却できなくなり、オーバーヒートやエンジン始動不良の不具合を起こす懸念がなくなる。
【0019】
【発明の効果】
以上のように、請求項1の発明にて講じた技術的手段によれば、メカニカルシールから漏れてきた水滴は円筒状空間を介して外部へ漏れ出し飛散しようとするが、水滴は空間に溜まるため外部への漏れ出し飛散を防止できる。
【0020】
また、請求項2の発明にて講じた技術的手段によれば、メカニカルシールから漏れてきた水滴を連通孔から排出することができ、空間からオーバーフローしてベアリング側へ行くことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係わるウォータポンプの縦断面図である。
【符号の説明】
10・・・ウォータポンプ
12・・・ボデー
12b・・・支承部
14・・・ベアリング
16・・・貫通孔
17・・・プレート
17a・・・外周部
17b・・・内周部
17c・・・嵌入孔
20・・・プーリ
25・・・シャフト部
30・・・インペラ
50・・・メカニカルシール
95・・・水室
【発明の属する技術分野】
本発明はウォータポンプに関し、特に自動車用ウォータポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のウォータポンプには、例えば特開平2−45698号公報に開示されたものがある。このウォータポンプは、一端にインペラが配設されたシャフトと、有底円筒形状を呈し有底円筒形状の底部に貫通孔が形成されシャフトと結合されたプーリと、シャフトが挿通された略円筒状の支承部を有するボデーと、支承部の外周とプーリの内周との間に配設されたベアリングと、シャフトの外周面と支承部の内周面との間に画成された円筒状空間と、円筒状空間の一端側を封止するメカニカルシールと、円筒状空間の他端側に設けられ、メカニカルシールを経てインペラ側から漏れてきた水滴を、円筒状空間及びプーリに設けた水抜き穴を介して大気側へと排出するウォータポンプである。
【0003】
このウォータポンプは、エンジンに取り付けられ使用されている時、メカニカルシールからの微量な水漏れ、あるいはメカニカルシールの摺動部になんらかの原因で一時的に異物が噛み込み水漏れが発生した場合、プーリの前面の水抜き穴から外部(大気側)に水が漏れウォータポンプの外部に付着し不具合と誤認され、ウォータポンプが交換される可能性があった。また、プーリの前面の水抜き穴から水が漏れた場合、プーリは回転しているため漏れた水滴(LLC)がエンジン内に飛散しエンジン補機駆動ベルトまたは他のエンジンルーム内のゴム・樹脂製部品を水滴(LLC)が攻撃し、部品の作動不良を起こす可能性があった。また、プーリの前面に水抜き穴があり、ベアリングのシールゴムが硬化・摩耗していた場合にはメカニカルシールから漏れた水がベアリングに浸入し、ベアリングが回転不良を起こしウォータポンプが回転せず、エンジンが冷却できなくなり、オーバーヒートやエンジン始動不良の不具合を起こす懸念があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、メカニカルシールから漏れてきた水滴がウォータポンプの前面又は外部へ排出、飛散しないようにすると共に、ベアリング内部へ浸入しないようにすることを、その技術的課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記した技術的課題を解決するために請求項1の発明にて講じた技術的手段は、プーリと、該プーリが一端に固定されたシャフト部と、該シャフト部の他端に固定されたインペラと、該インペラ側に形成される水室と大気側とを区画し前記シャフト部が挿通された略円筒状の支承部を有するボデーと、前記支承部の外周と前記プーリの内周との間に配設され、前記プーリを回転可能に支承するベアリングと、前記水室から前記シャフトの一端側への水の漏れを防止するメカニカルシールとを備えたウォータポンプにおいて、前記ボデーとの間に空間を画成するプレートを設け、該プレートの外周部を前記ボデーに固着するとともに、内周部に前記メカニカルシールを嵌入する嵌入孔を形成したことである。
【0006】
上記した手段によれば、メカニカルシールから漏れてきた水滴はボデーの支承部の内周とシャフトの外周との間を通して大気側へ漏れ出して飛散しようとするが、水滴は空間に溜まるため外部への漏れ出し及び飛散を防止できる。
【0007】
上記した技術的課題を解決するために請求項2の発明にて講じた技術的手段は、請求項1の発明に加えて、前記ボデーに前記空間と前記大気側とを連通する連通孔を少なくとも1つ形成したことである。
【0008】
この手段によれば、メカニカルシールから漏れてきた水滴を連通孔から排出することができ、空間からオーバーフローしてベアリング側へ行くことを防止できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を、図1に基づいて説明する。
【0010】
図1において、ウォータポンプ10のボデー12は、締結手段13により、エンジンシリンダブロックなど(エンジンボデー)90に、ガスケット80などを介して、固定されている。ボデー12には、先端(左端)側に略円筒状の支承部12bを備える円錐形状の凹部12aが形成されている。支承部12b上にはベアリング14のインナーレースが外嵌され固定されている。また、ベアリング14のインナーレース右端面はボデー12の段部12cに隣接している。なお、インナーレース右端面と段部12cとの間には隙間があってもよい。
【0011】
ベアリング14のアウターレース上には、有底円筒状の円筒凹部26の外周壁26aが外嵌されている。円筒凹部26の中央には、シャフト部25が一体回転可能に形成されている。円筒凹部26の外周には、円筒凹部26及びシャフト部25をインサート成形した樹脂のプーリ20が形成されている。尚、円筒凹部26とシャフト部25及びプーリ20は、鋼板の板材をプレス成形等により一体形成してもよい。
【0012】
この円筒凹部26及びシャフト部25を一体化した回転体18は、鋼板の板材を円筒凹部26及びシャフト部25が同芯となるようにプレス成形される。その後、円筒凹部26及びシャフト部25は、耐蝕処理してもよく、又は耐蝕処理しなくてもよい。また、円筒凹部26の底部26bにはウォータポンプ10の組付時に使用する貫通孔26cが形成されている。
【0013】
シャフト部25の右端部には、インペラ30が一体回転可能に固定されている。インペラ30は基部30aと基部30aの右面の周縁部から突出した複数の羽根30b及び基部30aの中央部から右方向に突出する中空突起部30cが一体に形成される。この中空突起部30cを中空のシャフト部25の右端部に外嵌することにより、シャフト部25の右端部には、インペラ30が一体回転可能に固定される。なお、インペラ30は鋼板の板材をプレス成形した後、耐蝕処理してもよい。インペラ30は、エンジンシリンダブロック90などの内部に形成され且つ開口部がボデー12により閉塞された水室95内に配設される。水室95は、図示されないエンジン冷却水回路の構成要素となっている。
【0014】
ボデー12の水室95側には、ボデー12との間に空間15を画成するプレート17が設けられ、プレート17の外周部17aはボデー12に固着されるとともに、内周部17bにはメカニカルシール50が嵌入される嵌入孔17cが形成されている。凹部12aには空間15と大気側とを連通する水抜き孔(連通孔)16が形成されている。つまり、シャフト部25の外周面とボデー12の凹部12aの内周面及びプレート17の内周面との間に画成される空間15の一端側(水室95との境界部)の嵌入孔17cにメカニカルシール50が嵌入されており、このメカニカルシール50により、水室95内の冷却水がシャフト部25の一端側(大気側)に漏れないように、空間15と水室95とを液密的に隔離している。これにより、メカニカルシール50から漏れてきた水滴を空間15に溜めることができると共に貫通孔から排出することができるため、水滴が空間15からオーバーフローして、シャフト部25の外周面とボデー12の支承部12bの内周面との間を通ってベアリング14側へ行くことを防止できる。メカニカルシール50は、プレート17の嵌入孔17cに嵌入し液密的に固定される固定リング50aとシャフト部25に液密的に固定されて固定リング50aに対して相対回転可能且つ常時液密関係を確立すべく接触する回転リング50bとから構成される。
【0015】
次に本実施形態の作用について説明する。
【0016】
プーリ20のベルト係合面20bに係合されたベルト85を介して、図示しないエンジンの出力軸から伝達される回転力によりプーリ20が回転する。プーリ20の回転に伴って、プーリ20と一体成形されたシャフト部25も同一方向に回転する。そして、シャフト部25と一体となったインペラ30が、ボデー12により閉塞された水室95内で回転する。
【0017】
いま、水室95内には冷却水が満たされているので、インペラ30の回転による遠心力によって、インペラ30は、水室95の中心付近にある冷却水を、インペラ30の外周方向へと運ぶ。このように、インペラ30の中心から外側に向かって、遠心力によるポンプ作用が発生する。これにより、水室95内におけるインペラ30の回転中心付近とその外周側との間には圧力差が生じ、冷却水がインペラ30の回転中心付近に設けられる吸込ポート95aから水室95内へと吸い込まれる。そして、インペラ30のポンプ作用により外周側へ圧送され、外周側に設けられた図示しない吐出口からエンジンの被冷却各部へと供給され、冷却水が循環する。
【0018】
上記したように、本実施形態においては、メカニカルシール50はシャフト部25の外周面とプレート17の貫通孔17cの間に配設されており、メカニカルシール50から漏れてきた水滴は、シャフト部25の外周面と支承部12bの内周面の間及び貫通孔26cを通して大気側へ漏れ出そうとするが、ボデー12とプレート14との間に画成される空間15に溜められてウォータポンプ外部に漏れ出ることはない。これにより、外部からウォータポンプ10の水漏れと誤認されれず、水漏れ不具合としてウォータポンプ10を交換されることがない。また、漏れた水滴(LLC)がエンジン内に飛散しエンジン補機駆動ベルトまたは他のエンジンルーム内のゴム・樹脂製部品を水滴(LLC)が攻撃し、部品の作動不良を起こす懸念がなくなる。また、ボデー12の凹部12aには空間15とウォータポンプ外部とを連通する水抜き孔(連通孔)16が形成されているため、メカニカルシール50から漏れてきた水滴は連通孔16から排出することができ、空間15からオーバーフローしてシャフト部25の外周面と支承部12bの内周面の間を通してベアリング14側へ行くことを防止できる。このため、ベアリングが回転不良を起こしウォータポンプが回転せず、エンジンが冷却できなくなり、オーバーヒートやエンジン始動不良の不具合を起こす懸念がなくなる。
【0019】
【発明の効果】
以上のように、請求項1の発明にて講じた技術的手段によれば、メカニカルシールから漏れてきた水滴は円筒状空間を介して外部へ漏れ出し飛散しようとするが、水滴は空間に溜まるため外部への漏れ出し飛散を防止できる。
【0020】
また、請求項2の発明にて講じた技術的手段によれば、メカニカルシールから漏れてきた水滴を連通孔から排出することができ、空間からオーバーフローしてベアリング側へ行くことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係わるウォータポンプの縦断面図である。
【符号の説明】
10・・・ウォータポンプ
12・・・ボデー
12b・・・支承部
14・・・ベアリング
16・・・貫通孔
17・・・プレート
17a・・・外周部
17b・・・内周部
17c・・・嵌入孔
20・・・プーリ
25・・・シャフト部
30・・・インペラ
50・・・メカニカルシール
95・・・水室
Claims (2)
- プーリと、
該プーリが一端に固定されたシャフト部と、
該シャフト部の他端に固定されたインペラと、
該インペラ側に形成される水室と大気側とを区画し前記シャフト部が挿通された略円筒状の支承部を有するボデーと、
前記支承部の外周と前記プーリの内周との間に配設され、前記プーリを回転可能に支承するベアリングと、
前記水室から前記シャフトの一端側への水の漏れを防止するメカニカルシールとを備えたウォータポンプにおいて、
前記ボデーとの間に空間を画成するプレートを設け、該プレートの外周部を前記ボデーに固着するとともに、内周部に前記メカニカルシールを嵌入する嵌入孔を形成したことを特徴とするウォータポンプ。 - 前記ボデーに前記空間と前記大気側とを連通する連通孔を少なくとも1つ形成したことを特徴とする請求項1に記載のウォータポンプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002211315A JP2004052668A (ja) | 2002-07-19 | 2002-07-19 | ウォーターポンプ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002211315A JP2004052668A (ja) | 2002-07-19 | 2002-07-19 | ウォーターポンプ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004052668A true JP2004052668A (ja) | 2004-02-19 |
Family
ID=31934591
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002211315A Pending JP2004052668A (ja) | 2002-07-19 | 2002-07-19 | ウォーターポンプ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004052668A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101051751B1 (ko) | 2009-10-27 | 2011-07-26 | 주식회사 지엔원 | 워터펌프용 샤프트와 허브의 조립 구조 |
KR101054323B1 (ko) * | 2009-04-30 | 2011-08-04 | 주식회사 지엔원 | 에어갭조정이 가능한 전자식 워터펌프 |
-
2002
- 2002-07-19 JP JP2002211315A patent/JP2004052668A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101054323B1 (ko) * | 2009-04-30 | 2011-08-04 | 주식회사 지엔원 | 에어갭조정이 가능한 전자식 워터펌프 |
KR101051751B1 (ko) | 2009-10-27 | 2011-07-26 | 주식회사 지엔원 | 워터펌프용 샤프트와 허브의 조립 구조 |
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Legal Events
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060613 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20061114 |