JP2004052658A - エンジンの始動装置、始動制御装置、始動システムおよび始動方法 - Google Patents

エンジンの始動装置、始動制御装置、始動システムおよび始動方法 Download PDF

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Abstract

【課題】静粛性、耐久性、小型化等を達成できるエンジンの始動装置を提供する。
【解決手段】少なくともエンジン始動に必要な必要回転数までエンジン出力軸(CR)を回転させ得るメインスタータ(Sm)と、このエンジン出力軸の回転開始当初または上記必要回転数よりも低い低回転数域でのみ実質的に機能して該メインスタータを補助するアシストスタータ(Sa)と、を備えることを特徴とするエンジンの始動装置。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐久性、静音性等に優れ、特に、アイドリングストップ後のエンジン始動性に優れた、エンジンの始動装置、始動制御装置、始動システムおよび始動方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近の環境問題意識の高揚に伴い、自動車等の燃費向上による排出ガス低減策が研究、開発の大きなテーマとされている。その一環として、自動車等のエンジンをアイドリング時に停止(いわゆるアイドリングストップ)させることが行われるようになってきた。特に、ゴー・ストップを繰り返す市街地走行時、このようなアイドリングストップは頻繁に行われる。
ここで問題となるのが、アイドリングストップ後の始動である。
従来、自動車エンジン等の始動は、走行当初の始動のみを想定して、ギヤ式スタータにより行ってきた。一般的なギヤ式スタータは、エンジン出力軸(クランクシャフト等)に連結された被駆動ギヤ(リングギヤ等)に、一時的にピニオンギヤを噛合させ、そのピニオンギヤをモータ駆動してクランクシャフト等を回転させるものである。
【0003】
このようなギヤ式スタータを用いて、前述のアイドリングストップ後の始動をも行うと、その度毎に、ギヤ鳴り等の不快音を頻繁に発生し得ることになり好ましくない。また、始動回数(使用頻度)が急激に増加することから、従来のままのギヤ式スタータでは、必ずしも十分な耐久性、信頼性等を保証し難い。
そこで、アイドリングストップする自動車等では、静粛性、信頼性に優れたベルト式スタータによりアイドリングストップ後のエンジン始動を行っている場合が多い。このベルト式スタータは、例えば、前記リングギヤ等とは別に設けられた被駆動プーリ(クランクプーリ等)を、ベルトおよびスタータプーリを介してモータ駆動し、クランクシャフト等を回転させるものである。
【0004】
ところで、ベルト式スタータの場合、その減速比は、ベルトが連架されたプーリ径比で決まるが、その減速比を大きくとることは通常、スペース的に難しい。勿論、ベルト式スタータの体格を大きくすることも、全体的な軽量小型化の要請に反するため、困難である。ベルト式スタータの替りに、電気自動車やハイブリット車等で使用される電動発電機(モータジェネレータ:MG)を使用した場合でも事情は同様である。このため、ベルト式スタータやMGのみで十分な始動トルクを得ることは難しい。しかも、エンジンの状態によってエンジンの始動に必要となるトルクは異なり、例えば、冷間時や高温時等では、温間時に比べてより大きな始動トルクが必要となる。このような場合の始動性をも確保するために、ベルト式スタータ等に、高減速比のギヤ式スタータ等が併設されるのが通常である。
そして、エンジン始動に必要となる始動トルクに応じて、両スタータを使い分けたり、両者を併用または協働させてエンジンを始動させる方法等が、例えば、特開平10−68374号公報、特開2001−152901号公報、特開2001−159384号公報、特開2001−107763号公報、特開2002−48036号公報等に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、両スタータを併設してエンジンを始動させる従来の場合、いずれも、出力トルクの大きなギヤ式スタータ単独でエンジン始動ができるようにされていた。
このため、ギヤ式スタータは、その出力確保の観点から、自ずと小型化には限界があった。また、アイドリングストップ後の始動の際にも、ギヤ式スタータを使用することを考慮すると、制御方法の相違による頻度の差こそあれ、ギヤ式スタータには、従来以上に高信頼性等が要求されることとなる。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものである。つまり、ベルト式スタータ等のように高減速比と小型化との両立を図るのが難しいスタータでエンジン始動を主に行う場合に、その始動性を確保しつつ、全体的な小型化、静粛性、信頼性等を確保できるエンジンの始動装置、始動制御装置、始動システムおよび始動方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究し、試行錯誤を重ねた結果、ベルト式スタータ等に併設されるスタータを、ほとんど回転させずに、ベルト式スタータ等の補助としてのみ用いることを思いつき、本発明を完成するに至った。
(エンジンの始動装置:請求項1)
すなわち、本発明のエンジンの始動装置は、少なくともエンジン始動に必要な必要回転数までエンジン出力軸を回転させ得るメインスタータと、該エンジン出力軸の回転開始当初または該必要回転数よりも低い低回転数域でのみ実質的に機能して該メインスタータを補助するアシストスタータと、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明のエンジンの始動装置では、メインスタータが主にエンジン始動を担うが、このメインスタータのみではエンジン出力軸を始動回転させる際にトルク不足となる場合がある。このとき、アシストスタータがこのメインスタータを補助することにより、メインスタータによる円滑なエンジン始動性が担保される。
ここで、アシストスタータは、それ単独によるエンジン始動性を確保する必要がなく、その分、アシストスタータの小型化を図れる。
このアシストスタータは、エンジン出力軸の回転開始当初またはエンジン始動に必要な必要回転数よりも低い低回転数域でのみ実質的に機能するものであるから、摺動部等(例えば、モータのブラシや整流子等)での摩耗がほとんどなく、優れた耐久性が確保される。
【0009】
さらに、このアシストスタータが、例えばギヤ式スタータからなる場合でも、そのギヤ式スタータがほとんど回転等しないから、ギヤ鳴り等の異音の発生も抑制、防止される。特に、メインスタータがベルト式スタータや電動発電機(MG)等であれば、始動装置全体として、一層静粛性に優れたものとなる(請求項5)。
なお、本発明の始動装置は、運転開始時のエンジン始動(または、冷間時のエンジン始動)のみならず、アイドリングストップ後のエンジンの始動を行う場合に好適である(請求項6)。
【0010】
ところで、アシストスタータは、より具体的にいうと、次のようなものである。
前記アシストスタータは、例えば、前記エンジン出力軸の回転開始当初に、該出力軸を実質的に回転させない範囲の回転トルクを該出力軸に印加し前記メインスタータの回転負荷を軽減するトルク軽減手段である(請求項2)。
エンジンを始動させるために、エンジン出力軸を回転させる際、その回転開始当初に大きなトルク(回転開始トルク)が必要となる。これは各摺動部が動き出す際に、各部に大きな静止摩擦力が作用して最初の乗越トルクが大きいことに起因する。逆に、この回転開始当初以降は、各摺動部の摩擦力は静止摩擦力よりも相当小さな動摩擦力に替り、また慣性も作用することから、エンジン出力軸の回転継続に必要なトルク(回転継続トルク)は小さくて済む。従って、エンジン出力軸の回転開始当初さえ、アシストスタータ(トルク軽減手段)が作用してメインスタータの回転負荷が軽減されれば、仮にメインスタータが低減速比で出力トルクの小さいものであったとしても、メインスタータのみでエンジン始動が可能となる。なお、ここでいう乗越トルクとは、エンジン出力軸の回転開始に必要な回転開始トルクである。より厳密にいうなら、単に静止摩擦力を乗越えるのみならず、圧縮力等にも抗してエンジン出力軸の回転を継続させられるトルクである。この乗越トルクには、低温乗越トルクと高温乗越トルクとがあり、通常、低温乗越トルクが高温乗越トルクより大きい。
【0011】
ところで前述のトルク軽減手段は、具体的には、種々のアクチュエータやギヤ式スタータ等である。アクチュエータは回転運動するものに限らず、直線運動するものでも良い。エンジン出力軸の回転開始当初の僅かな領域で回転トルクを印加できるものであれば足るからである。
ギヤ式スタータの場合、従来から使用されているギヤ式スタータを流用しても良いし、専用のギヤ式スタータでも良い。いずれにしても実質的に回転させないので、ギヤ式スタータの耐久性、信頼性等が問題となることはない。なお、従来のギヤ式スタータを使用しつつ、そのスタータを実質的に回転させないためには、例えば、そのスタータに印加する電圧を制御すれば良い。ギヤ式スタータの駆動源は直流モータでも交流モータでも良いが、バッテリーを電源とするなら、直流モータの方が取扱い易い。このとき、前述したように、実質的に回転しないから、ブラシ摩耗等をほとんど考慮する必要もない。
また、このようなトルク軽減手段は、エンジン出力軸を直接回転させる必要がないから、アクチュエータであれ、ギヤ式スタータであれ、非常に小型化できる。特に、モータを利用したものであれば、エンジン出力軸の回転開始当初にロック電流を流すことにより、小型化しつつ大きな出力トルクを得ることもできる。
【0012】
次に、前記アシストスタータは、前記エンジン出力軸を停止位置から前記メインスタータによるエンジン始動が可能となる所定位置まで該出力軸を角変位させる角変位手段でも良い(請求項3)。
エンジン出力軸の停止位置により、その回転開始トルクが異なる。例えば、エンジンが圧縮行程中であれば、エンジン出力軸を回転させるのにより大きなトルクが要求される。そこで、メインスタータによるエンジン出力軸の回転が容易となる位置まで、一旦、アシストスタータ(角変位手段)がエンジン出力軸を少し回転(角変位)させる。
これにより、メインスタータはエンジン出力軸の回転開始当初に必要となる回転負荷が軽減されてエンジン出力軸の回転を行い易くなる。このとき、アシストスタータは、エンジン出力軸の停止位置に応じて、エンジン出力軸を正回転させても、逆回転させるものでも良い。
もっとも、回転開始トルクが低減する位置にエンジン出力軸を回転させる場合に限らず、逆に、アシストスタータでエンジン出力軸を回転させて、エンジンの圧縮行程を進め、そこで一時的な着火、爆発を生じさせてエンジン始動を行うことも可能である。この場合のメインスタータは、燃料噴射装置、点火装置およびそれらの制御装置で構成されることとなる。
なお、エンジン出力軸の停止位置等は、例えば、角度位置毎に異なる値が検出されるようにした、バーコードや磁気抵抗を、エンジン出力軸と共に回転する部材に環状に配設し、それを検出器で検出することで行える。また、この角変位手段として、前述のアクチュエータやギヤ式スタータ等を使用できるのは、トルク軽減手段の場合と同様である。
【0013】
さらに、前記アシストスタータは、前記エンジン出力軸を前記低回転数域でのみ回転させる低速スタータであっても良い(請求項4)。
前述したように、エンジン始動の際、エンジン出力軸の回転開始当初に大きなトルクが必要となる。そこで、アシストスタータがその低回転数域でのみエンジン出力軸を回転させると、それ以降はメインスタータによってエンジン出力軸の始動回転を継続させることが容易となる。このとき、アシストスタータは、エンジン出力軸の回転開始当初の低回転数域でしか使用されないため、耐久性等がさほど問題とはならず、小型化もできる。より小型化しつつ高トルクを得るために、この場合のアシストスタータは、減速比を大きくできるギヤ式スタータが好ましい。なお、低速スタータに使用されるモータ自体は、高速タイプであっても良い。
【0014】
(エンジンの始動制御装置:請求項7)
本発明は、上記エンジンの始動装置としてのみならず、エンジンの始動制御装置としても把握できる。
すなわち、本発明は、少なくともエンジン始動に必要な必要回転数までエンジン出力軸を回転させ得るメインスタータを補助するアシストスタータへの通電を制御して、該エンジン出力軸の回転開始当初または該必要回転数よりも低い低回転数域でのみ該アシストスタータを実質的に作動させることを特徴とするエンジンの始動制御装置としても良い。
【0015】
(エンジンの始動システム:請求項8)
また、本発明は、上記した以外に、エンジンの始動システムとしても把握できる。
すなわち、本発明は、少なくともエンジン始動に必要な必要回転数までエンジン出力軸を回転させ得るメインスタータと、該メインスタータを補助するアシストスタータと、該アシストスタータへの通電を制御して該エンジン出力軸の回転開始当初または該必要回転数よりも低い低回転数域でのみ該アシストスタータを実質的に作動させる始動制御装置と、からなることを特徴とするエンジンの始動システムとしても良い。
【0016】
(エンジンの始動方法:請求項9)
また、本発明は、上記した以外に、エンジンの始動方法としても把握できる。
すなわち、本発明は、少なくともエンジン始動に必要な必要回転数までエンジン出力軸を回転させ得るメインスタータを補助するアシストスタータへの通電を制御して、該エンジン出力軸の回転開始当初または該必要回転数よりも低い低回転数域でのみ該アシストスタータを実質的に作動させることを特徴とするエンジンの始動方法としても良い。
【0017】
なお、「エンジンの始動装置」について説明した内容は、上記エンジンの始動制御装置、始動システムおよび始動方法のいずれについても、適宜、該当する。
本発明でいうエンジンは、その始動にスタータを必要とするものである限り、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、ロータリエンジン等、その種類は問わない。また、そのエンジンが搭載される車両等は自動車に限らず、二輪車、特殊車両等でも良い。
メインスタータやアシストスタータの配置は問わない。例えば、メインスタータがベルト式スタータの場合はエンジン前方に設けられ、アシストスタータがギヤ式スタータの場合はエンジン後方に設けられる。なお、このベルト式スタータは、スタータ専用ベルトで駆動されても、他の補機類と兼用のベルトで駆動されても、タイミングベルト等で駆動されても良い。
【0018】
ギヤ式スタータは、従来のギヤ式スタータと同構造でも良いが、アシストスタータ専用の構造であっても良い。例えば、エンジン出力軸の回転開始当初のみで使用されるギヤ式スタータは実質的に回転しないことから、通常設けられるワンウェイクラッチ等がなくても良い。また、そのギヤ式スタータは、必ずしもエンジン出力軸を継続的に回転させる必要がないことから、ピニオンギヤの歯は、最初に噛合う数枚のみあり、他の歯が欠歯したものでも良い。この場合なら、必ずしも、ピニオンギヤを飛出し式としなくても良い。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態であるエンジンの始動システムの全体模式図を図1に示す。
この始動システムは、4気筒レシプロガソリンエンジンE(以降、単に「エンジンE」という。)の前方に配設されたメインスタータSmと、その後方に配設されたアシストスタータSaと、これらの電源となるバッテリ(直流電源)と、バッテリからメインスタータSmへの通電を切替えるメイン側リレーRmと、アシストスタータSaへの通電を切替えるアシスト側リレーRaと、メイン側リレーRmおよびアシスト側リレーRaの作動を制御する始動コントローラC(始動制御装置)と、それらを接続する配線とからなる。
【0020】
メインスタータSmは、ベルト式スタータである。つまり、直流モータを駆動源とし、その前端側に設けられた減速機の出力軸にスタータプーリPsが取付けられている。このスタータプーリPsとエンジンEのクランクシャフトCR(エンジン出力軸)の前端部に取付けられたクランクプーリPcとの間にはVベルトが懸架されている。これらによりエンジンEのクランクシャフトCRが始動回転させられる。
【0021】
アシストスタータSaは、通常のギヤ式スタータである。つまり、直流モータを駆動源とし、その前端側(エンジンEの後端側)に設けられた減速機の出力軸には、マグネットスイッチ(アシスト側リレーRaを兼ねる)によって進退可能とされたピニオンギヤが取付けられている。このピニオンギヤは、始動時にエンジンEの後端側へ飛出して、エンジンEのクランクシャフトCRの後端部に取付けられたリングギヤに噛合する。このピニオンギヤとリングギヤとにより、クランクシャフトCRに少なくとも回転トルクが付与される。
【0022】
始動コントローラCは、車両運転開始時のエンジンEの始動制御のみならず、車両運転中のアリドリングストップ後の始動制御(エコラン制御)をも行う。さらに、本実施形態の始動コントローラCは、上記の各リレーの切替制御のみならず、アシストスタータSaへ印加する電圧をも制御する。
次に、この始動システム中の始動コントローラCによる始動制御について、図2のフローチャートを用いて説明する。
イグニッションスイッチ等の始動スイッチをONにする信号が入力されると(ステップS1)、始動コントローラCは、先ず、アシスト側リレーRaをONにする(ステップS2)。このとき、始動コントローラCは、アシストスタータSaへの印加電圧を低めに制御して(ステップS3)、アシストスタータSaへの通電を開始する(ステップS4)。
【0023】
ちなみに、アシストスタータSaは従来と同様のスタータであることから、アシスト側リレーRaはマグネットスイッチ内に内蔵されており、アシスト側リレーRaのONによりそのマグネットスイッチ自体もONとなる。そして、前述のピニオンギヤが電磁駆動されたレバーにより押出されて飛出し、リングギヤへ噛合する。
ここで、アシストスタータSaに通常のバッテリ電圧(例えば、12V)を印加すると、それ単独でエンジンEの始動が可能となる。しかし、ここでは、電圧制御により、アシストスタータSaが回転を開始しない程度の電圧を印加している。このため、極短時間(通常、数ms)の間、アシストスタータSaにはロック電流が流れ、アシストスタータSaは、その印加電圧に比例したトルクをリングギヤ、ひいてはクランクシャフトCRに出力する。
【0024】
次に、始動コントローラCは、メイン側リレーRmをONにし(ステップS5)、メインスタータSmへの通電を開始する(ステップS6)。このときメインスタータSmへ印加される電圧は、バッテリ電圧である。そして、クランクシャフトCRが回転を開始し、最初の乗越しトルクを超えてその回転数が所定回転数(N)以上となると(ステップS7)、アシスト側リレーRaをOFFして(ステップS8)、アシストスタータSaへの通電を停止する(ステップS9)。これ以降、メインスタータSmのみによってクランクシャフトCRが始動回転(クランキング)され、その回転数が所定回転数(N)以上となってエンジンEが始動したとみなされると(ステップS10)、メイン側リレーRmをOFFして(ステップS11)、メインスタータSmへの通電を停止する(ステップS12)。こうして、エンジンEの始動が完了する。
この始動制御中の各リレーのON・OFF、各スタータへの印加電圧、クランクシャフトCRに付与される合成トルクおよびエンジン回転数等のタイムチャートを図3に示す。
【0025】
本実施形態の場合、従来のギヤ式スタータをアシストスタータSaとして、アイドリングストップ後の始動にも補助的に使用している。もっとも、そのギヤ式スタータはほとんど回転することがないため、ブラシ摩耗等、耐久性に関して問題が生じることはない。このギヤ式スタータはエンジンEの始動初期にトルクアシストするのみであるから、ギヤ音等の不快音をほとんど生じることもない。エンジンEは、主に、ベルト式スタータからなるメインスタータSmによって始動されるため、非常に静粛なエンジン始動が可能となる。
【0026】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態であるエンジンの始動システムの配線図およびタイムチャートを図4および図5にそれぞれ示す。
本実施形態は、アシストスタータSaを、上記第1実施形態で用いた従来のギヤ式スタータから、出力トルクの小さい小型のギヤ式スタータに替えたものである。このため、このアシストスタータSaへバッテリの全電圧を印加しても、それ単独でエンジンEを始動させることはできない。逆に言えば、第1実施形態のような、始動コントローラCによる、アシストスタータSaへの印加電圧の制御は不要となる。従って、本実施形態では、図4からも明らかなように、バッテリからアシストスタータSaへ直接電圧が印加される配線となっている。
このように、アシストスタータSaとして小型のギヤ式スタータを使用することにより、始動システムの軽量小型化と共に始動コントローラCや配線構造の簡素化が達成される。
【0027】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態であるエンジンの始動システムの配線図およびタイムチャートを図6および図7にそれぞれ示す。
本実施形態では、アシストスタータSaを第1実施形態と同様としつつも、そのアシストスタータSaへバッテリから直接電圧が印加されるように配線を変更した。また、エンジンEに、クランクシャフトCRのクランク角を検出するためのクランク角センサDを取付けた。このクランク角センサDによる検出信号は、始動コントローラCへ取込まれる。なお、このクランク角センサDは、例えば、磁気ピックアップにより構成できる。
始動コントローラCは、先ず、アシスト側リレーRaをONさせてアシストスタータSaを少し作動させる。これにより、クランクシャフトCRは回転を始める。しかし、予め設定しておいた所定位置までクランクシャフトCRが回転してクランク角センサDから検出信号を受取ると、始動コントローラCは、メイン側リレーRmをONさせ、その直後にアシスト側リレーRaをOFFにする。そして、メインスタータSmだけでエンジンEを始動させる。
【0028】
クランク角センサDによって検出される位置は、クランクシャフトCRを回転させるのに必要となるトルク(回転開始トルク)がほぼ最小となる位置である。ギヤ式スタータよりも減速比および出力トルクが小さなベルト式スタータ(メインスタータSm)であっても、その位置からならば、容易にエンジンを始動させることが可能である。また、このときアシストスタータSa(角変位手段)はクランクシャフトCRを高々数回転させる程度であるから、その耐久性や静粛性が問題となることはない。
なお、本実施形態では、メインスタータSmがベルト式スタータである場合を示したが、一時的にエンジンEを着火、爆発させることでメインスタータSmの替りをさせることも可能である。このときエンジンEの電子制御装置(ECU)は、始動コントローラCと連携して、エンジンEの燃料噴射弁の噴射時期や点火プラグの着火時期を、アシストスタータSaの回転に合わせて調整する。
【0029】
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態であるエンジンの始動システムの配線図およびタイムチャートを図8および図9にそれぞれ示す。
本実施形態は、アシストスタータSaを、上記第1実施形態等で用いた従来のギヤ式スタータから、電磁アクチュエータに替えたものである。この電磁アクチュエータは、従来のギヤ式スタータのように回転出力するものではなく、リニアモータのように直線出力するものである。この電磁アクチュエータをクランクシャフトCRの外周に配置することで、クランクシャフトCRに回転トルクを付与できる(トルク軽減手段)。勿論、言うまでもないが、極僅かな量を除いて、クランクシャフトCRを実質的に回転させることはできない。
このような電磁アクチュエータを用いれば、始動開始当初に付与する回転トルクを調整し易い。一例として、図9には、そこに印加する当初の電圧を直線的に増加させる場合を例示した。
【0030】
(その他)
上記第1実施形態では、アシストスタータSaをほとんど回転させない場合について説明したが、始動コントローラCによる電圧制御によりアシストスタータSaを低速回転させても良い。低速回転であるから、ギヤ式スタータの耐久性、静粛性等は実質的に問題とはならない。このときのアシストスタータSaが本発明でいう低速スタータに相当する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態であるエンジンの始動システムの概略を示す模式図である。
【図2】その始動コントローラによる始動制御を示すフローチャートである。
【図3】そのときのタイミングチャートである。
【図4】本発明の第2実施形態であるエンジンの始動システムの配線図である
【図5】そのときのタイミングチャートである。
【図6】本発明の第3実施形態であるエンジンの始動システムの配線図である
【図7】そのときのタイミングチャートである。
【図8】本発明の第4実施形態であるエンジンの始動システムの配線図である
【図9】そのときのタイミングチャートである。
【符号の説明】
Sm    メインスタータ
Sa    アシストスタータ
Rm    メイン側リレー
Ra    アシスト側リレー
C      始動コントローラ
E   エンジン
CR  クランクシャフト(エンジン出力軸)
Ps  スタータプーリ
Pc  クランクプーリ
B   ベルト

Claims (9)

  1. 少なくともエンジン始動に必要な必要回転数までエンジン出力軸を回転させ得るメインスタータと、
    該エンジン出力軸の回転開始当初または該必要回転数よりも低い低回転数域でのみ実質的に機能して該メインスタータを補助するアシストスタータと、
    を備えることを特徴とするエンジンの始動装置。
  2. 前記アシストスタータは、前記エンジン出力軸の回転開始当初に、該出力軸を実質的に回転させない範囲の回転トルクを該出力軸に印加し前記メインスタータの回転負荷を軽減するトルク軽減手段である請求項1に記載のエンジンの始動装置。
  3. 前記アシストスタータは、前記エンジン出力軸を停止位置から前記メインスタータによるエンジン始動が可能となる所定位置まで該出力軸を角変位させる角変位手段である請求項1に記載のエンジンの始動装置。
  4. 前記アシストスタータは、前記エンジン出力軸を前記低回転数域でのみ回転させる低速スタータである請求項1に記載のエンジンの始動装置。
  5. 前記メインスタータは、ベルト式スタータまたは電動発電機であり、
    前記アシストスタータは、ギヤ式スタータである請求項1〜4に記載のエンジンの始動装置。
  6. アイドリングストップ状態にあるエンジンの始動にも使用される請求項1〜5に記載のエンジンの始動装置。
  7. 少なくともエンジン始動に必要な必要回転数までエンジン出力軸を回転させ得るメインスタータを補助するアシストスタータへの通電を制御して、
    該エンジン出力軸の回転開始当初または該必要回転数よりも低い低回転数域でのみ該アシストスタータを実質的に作動させることを特徴とするエンジンの始動制御装置。
  8. 少なくともエンジン始動に必要な必要回転数までエンジン出力軸を回転させ得るメインスタータと、
    該メインスタータを補助するアシストスタータと、
    該アシストスタータへの通電を制御して該エンジン出力軸の回転開始当初または該必要回転数よりも低い低回転数域でのみ該アシストスタータを実質的に作動させる始動制御装置と、
    からなることを特徴とするエンジンの始動システム。
  9. 少なくともエンジン始動に必要な必要回転数までエンジン出力軸を回転させ得るメインスタータを補助するアシストスタータへの通電を制御して、
    該エンジン出力軸の回転開始当初または該必要回転数よりも低い低回転数域でのみ該アシストスタータを実質的に作動させることを特徴とするエンジンの始動方法。
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