JP2004052648A - 排気ガス再循環バルブ - Google Patents
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Abstract
【課題】排気ガス再循環バルブの駆動軸と弁軸との軸心を一致させるように連結して、弁体の開閉動作の作動性を向上させる。
【解決手段】排気ガスが連通する入口ポート30と出口ポート32とが形成された弁基部22と、前記弁基部22の上部に連結され、内部に駆動部26が配設されるハウジング24と、前記駆動部26の駆動作用下に回動し、軸線方向に沿って変位する駆動軸78と、前記駆動軸78の下端部に形成されるチャック部94と、前記チャック部94の内部に上端部が挿入されるとともに、下端部に弁座38を開閉する弁体84が連結される弁軸80と、前記チャック部94の外周に螺合され、螺合作用下にチャック部94を内周側へ押圧して前記弁軸80を固定する締付ナット96とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】排気ガスが連通する入口ポート30と出口ポート32とが形成された弁基部22と、前記弁基部22の上部に連結され、内部に駆動部26が配設されるハウジング24と、前記駆動部26の駆動作用下に回動し、軸線方向に沿って変位する駆動軸78と、前記駆動軸78の下端部に形成されるチャック部94と、前記チャック部94の内部に上端部が挿入されるとともに、下端部に弁座38を開閉する弁体84が連結される弁軸80と、前記チャック部94の外周に螺合され、螺合作用下にチャック部94を内周側へ押圧して前記弁軸80を固定する締付ナット96とを備える。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排気ガス再循環バルブに関し、一層詳細には、駆動源の作用下に変位する駆動軸と、弁座に着座・離間する弁軸とを確実に連結する連結機構を備えた排気ガス再循環バルブに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば、内燃機関から排出される有害成分を除去するために、排気ガス再循環バルブが用いられている。この排気ガス再循環バルブは、内燃機関から排出される排気ガスを吸気系に再循環させ、前記排気ガス中に含まれるNOx等の有害成分を減少させるために、前記内燃機関の吸気系と排気系とを連通させる機能を有する。
【0003】
図16に示すように、一般的に、排気ガス再循環バルブ1は、入力ポート2と出力ポート3とを連通する還流通路4を有するハウジング5と、前記ハウジング5の上部に連結されるモータハウジング6と、前記モータハウジング6の内部に設けられ、電気信号によって回転駆動するステップ式のモータ7と、前記モータ7の内部に螺合され、前記モータ7の回転運動を直線運動に変換するモータシャフト8と、前記モータシャフト8にジョイント9、およびスプリング10の一端部が保持されるスプリングホルダ11を介して一体的に連結されるバルブシャフト12と、前記バルブシャフト12の一端部に設けられ、モータ7の回転作用下に前記還流通路4内に設けられるバルブシート13を開閉するバルブ14とからなる。
【0004】
詳細には、前記モータシャフト8の一端部をジョイント9の連結孔15aに挿入して加締めるとともに、前記モータシャフト8の一端部に対峙するバルブシャフト12の一端部をスプリングホルダ11の連結孔15bに挿入して加締めている。そして、前記ジョイント9とスプリングホルダ11とを連結することにより前記モータシャフト8とバルブシャフト12とを軸線方向に沿って一体的に連結している。また、前記ジョイント9の連結孔15aの直径は、モータシャフト8の一端部が挿入可能なように該モータシャフト8の外周径より若干大きく形成されるとともに、前記スプリングホルダ11の連結孔15bの直径は、バルブシャフト12の一端部が挿入可能なように該バルブシャフト12の外周径より若干大きく形成されている。
【0005】
また、前記バルブシャフト12はハウジング5の内部に装着されたブッシュ16aによって軸線方向に沿って変位自在に支持され、前記モータシャフト8はモータハウジング6の内部に装着されたブッシュ16bによって軸線方向に沿って変位自在に支持されている。
【0006】
さらに、前記スプリング10は、バルブ14がバルブシート13に着座して弁閉状態となる方向に付勢してバルブシャフト12のもどり動作を保証している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術に係る排気ガス再循環バルブ1においては、バルブシャフト12の外周面に排気ガスによってカーボン等が付着するため、該バルブシャフト12が軸線方向に沿って変位する際にブッシュ16aとバルブシャフト12との間における摺動抵抗が大きくなり、前記バルブシャフト12を円滑に摺動させることが困難となる。
【0008】
そのため、バルブシャフト12を確実に弁閉状態とするためにスプリング10を設け、前記摺動抵抗に抗するように前記スプリング10のばね力を予め大きく設定している。そのため、部品点数が増大して構成が複雑化するとともに、バルブシャフト12を弁開させる際のモータ7の駆動力を前記スプリング10のばね力に打ち勝つように大きくする必要があるため、前記モータ7を大型化する必要があるという問題がある。
【0009】
さらに、モータシャフト8とバルブシャフト12とを別体構造とし、モータシャフト8とジョイント9とを連結する際、モータシャフト8の外周面とジョイント9の連結孔15aとの間にクリアランスがあるため、モータシャフト8が連結孔15aに挿入されジョイント9に加締められた状態において、前記ジョイント9がモータシャフト8の一端部に対して前記クリアランス分だけ半径方向に変位する可能性がある。その結果、モータシャフト8に対するジョイント9の半径方向への変位規制が不十分となる。
【0010】
また、スプリングホルダ11とバルブシャフト12とを連結する際、バルブシャフト12の外周面とスプリングホルダ11の連結孔15bとの間にも同様にクリアランスがある。そのため、バルブシャフト12が連結孔15bに挿入されスプリングホルダ11に加締められた状態において、前記バルブシャフト12がスプリングホルダ11に対して前記クリアランス分だけ半径方向に変位する可能性があるため、ジョイント9に連結されたスプリングホルダ11に対するバルブシャフト12の半径方向への変位規制が不十分となる。
【0011】
本発明は、前記の問題を考慮してなされたものであり、駆動軸の軸心と弁軸の軸心とを一致させる連結部を設けることにより、正確に弁体を弁座に対して着座させることが可能な排気ガス再循環バルブを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明は、排気ガスの循環通路と前記通路内に設けられる弁座とを有する弁基部と、
前記弁座に離間・着座することにより前記通路を開閉する弁体と、
前記弁体に一端部が連結される弁軸と、
前記弁基部と連結されるハウジングと、
前記ハウジング内部に配設され、電気信号により駆動する駆動部と、
前記駆動部の駆動作用下に軸線方向に沿って変位する駆動軸と、
前記弁軸と駆動軸とを一体的に連結する連結部と、
からなる排気ガス再循環バルブにおいて、
前記連結部を前記ハウジングの内部空間に配設するとともに、前記連結部には、前記駆動軸に対する前記弁軸の半径方向の変位を規制する変位規制手段を備えることを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、駆動部の駆動作用下に軸線方向に沿って変位する駆動軸に連結部を介して弁軸を一体的に連結し、前記弁軸の一端部に連結された弁体によって循環通路を開閉している。その際、前記連結部の変位規制手段によって駆動軸に対して弁軸の半径方向への変位が規制されているため、弁軸の軸心が駆動軸の軸心に対してずれることがない。従って、駆動軸の軸心と弁軸の軸心とが一致した状態になるため駆動軸に対する弁軸の倒れが発生することがなく、前記弁軸と一体的に連結された弁体をより正確に弁座に着座させることができる。その結果、排気ガスの高精度な流量制御を行うことができる。
【0014】
また、本発明は、前記連結部に、前記駆動軸または前記弁軸の端部に徐々に縮径するテーパ状に形成されるテーパ部と、前記テーパ部に対向する前記駆動軸または前記弁軸の端部に前記テーパ部に対応して内周面がテーパ状に形成される係合孔と、前記駆動軸と前記弁軸とを軸線方向に連結する連結手段と、を備える。
【0015】
このため、前記テーパ部を係合孔の内部に挿入することにより、駆動軸と弁軸との軸心を容易に、かつ確実に一致させることができる。
【0016】
さらに、本発明は、前記連結部に、前記駆動軸の一端部に形成され、前記弁軸が内部に挿入されるチャック部と、前記チャック部の外周に螺合されるナットと、を備える。この場合、前記ナットの螺合作用下に前記チャック部を内周側に押圧し、前記チャック部によって前記弁軸の外周面を把持することにより、連結部によって弁軸が駆動軸に一体的に連結されるとともに、駆動軸に対して弁軸を着脱する際に弁軸の外周径よりチャック部の内周径が大きく形成されているため簡便に弁軸の着脱を行うことができる。
【0017】
さらにまた、本発明によれば、前記連結部は、前記駆動軸および前記弁軸の端部に徐々にテーパ状に形成されるテーパ部と、前記テーパ部に対応して内周面がテーパ状に形成される係合孔が形成される結合部材と、前記駆動軸と前記弁軸とを軸線方向に連結する連結手段と、を備える。以上の構成において、前記テーパ部を結合部材の係合孔の内部にそれぞれ挿入することにより、結合部材を介して駆動軸と弁軸との軸心を容易に、かつ確実に一致させることができる。
【0018】
またさらに、本発明によれば、前記テーパ部または前記係合孔にセレーション溝を形成することにより、セレーション溝が形成されたテーパ部を係合孔に挿入した際、または、テーパ部をセレーション溝が形成された係合孔に挿入した際においてセレーション溝とテーパ面とが嵌合するため、駆動軸と弁軸との接触面積を減らし、弁軸からの伝熱面積を小さくすることができる。
【0019】
また、本発明によれば、前記連結部と内部に挿入される前記弁軸との間に軸線方向および/または半径方向にクリアランスを設けることにより、排気ガスの作用下に弁軸が高温になった際、前記クリアランスによって弁軸の熱が連結部に伝達することを防止することができる。
【0020】
さらにまた、本発明によれば、前記連結部に、内部に挿入された弁軸の外周面を露呈する孔部を有することにより、ハウジングの内部に流通する外気が孔部を介して弁軸の外周面に触れ、排気ガスによって高温になった弁軸が好適に冷却される。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明に係る排気ガス再循環バルブについて好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0022】
図1において、参照符号20は、本発明の実施の形態に係る排気ガス再循環バルブを示す。
【0023】
排気ガス再循環バルブ20は、図1に示されるように、図示しない内燃機関から排出された排気ガスを吸気系に再循環させる通路が形成される弁基部22と、前記弁基部22の上部に連結される円筒状のハウジング24と、前記ハウジング24の内部に設けられる駆動部26と、前記駆動部26の駆動作用下に排気ガスの連通状態を相互に切り換える弁機構部28とからなる。
【0024】
前記弁基部22は、下面の略中央部に図示しない内燃機関の排気系と接続される入口ポート(循環通路)30が形成され、前記入口ポート30より離間し、図示しない内燃機関の吸気系に接続される出口ポート(循環通路)32が形成されている。なお、前記入口ポート30と出口ポート32は、前記入口ポート30の上部側に画成された弁孔(循環通路)34と、出口ポート32の上方に中央部に向かって円弧状に形成された再循環通路(循環通路)36とによって連通される。
【0025】
前記入口ポート30には、環状の弁座38が配設され、前記弁座38の略中央の連通孔40には、弁孔34および入口ポート30を挿通する弁軸80(後述する)の先端部が挿入される。
【0026】
前記弁基部22とハウジング24との接合面の略中央部には、前記弁軸80が挿通される孔部42を有する弁カバー44が前記弁孔34を閉塞するように挟持されている。なお、前記弁カバー44は金属製材料からなり、また、前記弁軸80と孔部42の軸心がそれぞれ一致するように装着されている。
【0027】
また、前記弁カバー44より外周側には、環状のガスケット46が前記弁基部22とハウジング24との間に挟持され、前記弁基部22の内部と前記ハウジング24の内部との気密を保持している。なお、前記弁基部22と前記ハウジング24とは、複数のねじ部材48を介して一体的に連結されている。
【0028】
前記弁基部22の上部に連結されるハウジング24の側面には、図示しない電源から駆動部26に電流を供給するための図示しないコネクタが接続されるコネクタ接続部50が形成されている。
【0029】
また、ハウジング24に画成される空間部52は、一側面側に外部と連通する開口部54を有するとともに、前記開口部54と対向する反対の側面には、冷却用通路56が形成され、前記開口部54と同様に外部と連通している。すなわち、開口部54および冷却用通路56を介して空間部52に常に外気が流入するため、排気ガスに晒されて高温となる弁軸80を冷却することができる。
【0030】
さらに、前記ハウジング24の上部には、ハウジングカバー58が図示しない固定手段を介して装着され、前記ハウジングカバー58の環状溝に装着されるシール部材60によってハウジング24の内部の気密を保持している。
【0031】
前記ハウジングカバー58の略中央部には、下方に向かって所定長だけ突出して突出部62が形成され、前記突出部62の内部のガイド孔64には後述する駆動軸78の一端部を軸線方向に支持する円筒状の第1ガイド部材66が装着されている。
【0032】
前記駆動部26には、例えば、ステッピングモータ68が採用され、前記ステッピングモータ68は、図示しない電源から供給される電流によって付勢・滅勢されるステータ70と、ハウジング24の内部の上下2箇所に装着された軸受72a、72bによって回動自在に支持され、図示しない電源から供給される電流の作用下に所定方向に回動する円筒状のロータ74とからなる。前記ロータ74の内部に形成されるねじ部76には、前記駆動軸78が軸線方向に沿って変位自在に螺合されている。
【0033】
なお、本実施の形態に係る排気ガス再循環バルブ20では、駆動部26として電流によって回転駆動するステッピングモータ68について説明しているが、前記ステッピングモータ68に限定されるものではなく、前記ステッピングモータ68の代わりに電流をコイルに供給することにより生じる励磁作用下に弁軸80を軸線方向に沿って直線的に変位させるソレノイドを採用してもよい。
【0034】
弁機構部28は、図1および図2に示されるように、ハウジング24の駆動部26の下方に形成される空間部52に配設され、前記ステッピングモータ68のロータ74に螺合されて軸線方向に沿って変位自在に設けられる駆動軸78と、前記駆動軸78に一体的に連結され、前記駆動軸78の変位作用下に弁座38に着座・離間する弁軸80と、前記駆動軸78と弁軸80とを一体的に連結する連結部82と、前記弁軸80の下端部に連結され、弁座38に着座・離間することにより連通孔40を開閉する弁体84とからなる。また、前記弁軸80の略中央部には半径外方向に拡径した拡径部86が形成され、前記拡径部86と弁カバー44の上面との間に弁軸80を弁座38から離間させる方向に付勢するばね部材88が介装されている。
【0035】
さらに、前記ばね部材88は、金属製材料から円盤状に形成され、略中央部の孔部に弁軸80が挿通されている。そのため、ばね部材88は、弁軸80の外周面とは摺接することがなく、弁カバー44の上面と、弁軸80の拡径部86の下面とに当接することにより、弁孔34に連通する排気ガスが弁カバー44の孔部42を介して漏出することを防止するシール機能を有している。なお、弁軸80が排気ガスに晒されて高温になった際においても、ばね部材88が金属製材料により形成されているため、耐久性が低下することがない。
【0036】
駆動軸78は、ロータ74のねじ部76に螺合されるとともに、ハウジングカバー58に装着された第1ガイド部材66と、ハウジング24の略中央部の貫通孔90に装着される円筒状の第2ガイド部材92とによって軸線方向に変位自在に支持されている。前記駆動軸78は、前記第1および第2ガイド部材66、92によって外周面を2箇所で支持されているため、前記駆動軸78の軸心と弁座38の連通孔40の軸心との軸線と直交する方向へのずれから定義される同芯度と、該駆動軸78の軸心と弁座38の上面に対する直交状態から定義される直角度とを高精度に保持することができる。そして、駆動軸78の前記同芯度および直角度を高精度に保持することにより、該駆動軸78に一体的に連結される弁軸80を弁座38に対して正確に着座させることができる。なお、前記駆動軸78は、図示しない回り止め手段によって回転方向に規制されているため、駆動部26の駆動作用下にロータ74に伴って駆動軸78が回動することが防止される。
【0037】
また、前記駆動軸78の下端部と弁軸80の上端部とを一体的に連結する連結部82は、前記駆動軸78の下端部に形成され、内部に弁軸80の上端部が挿入されるチャック部94と、前記チャック部94の内部に弁軸80が挿入された状態においてチャック部94の外周に螺合される締付ナット(ナット)96とからなる。
【0038】
チャック部94の外周径は、図2および図3に示されるように、前記駆動軸78の直径より若干拡径して形成されるとともに、前記チャック部94の内部には弁軸80が挿入される挿入孔98が形成されている。
【0039】
チャック部94の外周面の下方には、締付ナット96が螺合されるねじ部100が刻設され、前記ねじ部100から下端部に向かう外周面は、徐々に縮径するテーパ面102が形成されている。すなわち、チャック部94の内部に弁軸80を挿入し、該チャック部94の外周に下方から締付ナット96を螺合する際、テーパ面102によって締付ナット96をチャック部94の外周に容易に挿入することができる。
【0040】
また、チャック部94の下端部には、周方向に沿って所定角度離間して形成された複数のスリット104によって離間された複数の係止部106が形成され、前記係止部106の内周面は、前記弁軸80の外周面と略同一の直径で形成されているため、弁軸80がチャック部94の内部に挿入された際に弁軸80の外周面を保持することができる。前記複数のスリット104は、チャック部94の外周面に形成された前記スリット104より幅広な長孔状の複数の冷却用窓(孔部)105とそれぞれつながるように設けられている。
【0041】
図2に示されるように、前記挿入孔98の内周径Aは、挿入される弁軸80の外周径Bより若干大きく形成されているため(A>B)、弁軸80を挿入孔98に挿入した際、弁軸80の外周面と挿入孔98の内周面との間には所定間隔のクリアランス108が形成される。前記挿入孔98の上部には、内周面の直径が弁軸80と略同一の直径に縮径されて所定長だけ窪んだ係止溝110と、前記係止溝110よりさらに縮径されて所定長だけ窪んだ凹溝112とが形成される。
【0042】
すなわち、係止溝110の内周面を弁軸80の外周面と同一の直径とすることにより、前記係止溝110に挿入されて弁軸80の半径方向への変位が規制される変位規制手段となる。前記弁軸80の上面が係止溝110の頂部に当接して係止されることにより、弁軸80の軸線方向への変位が規制される。また、前記係止部106の直径より凹溝112の直径を小さくすることにより、弁軸80の上端部をチャック部94に挿入した際に該弁軸80が凹溝112の内部に進入することが防止される。
【0043】
また、円筒状に形成される締付ナット96の内部には、前記チャック部94のねじ部100に螺合される雌ねじ部114が上方に形成されるとともに、前記締付ナット96の下方は、挿通される弁軸80の外周径と略同一の直径に縮径されているため、弁軸80が挿通された際に該弁軸80の外周面を保持することができる。
【0044】
さらに、締付ナット96の雌ねじ部114が形成される部位の内周径を、チャック部94のねじ部100が形成される部位の外周径より若干小さく形成することにより、チャック部94に締付ナット96を螺合した際、該締付ナット96によってチャック部94が内周側に押圧される。
【0045】
さらにまた、図1に示されるように、前記連結部82を介して駆動軸78に一体的に連結される弁軸80は、下端部に弁座38を開閉する弁体84が一体的に連結され、前記弁体84は、弁基部22の入口ポート30の方向に向かって徐々に縮径するテーパ状に形成されている。それに対して弁体84が着座する弁座38の連通孔40は、前記弁体84とは反対に入口ポート30に向かって徐々に拡径するように形成されている。すなわち、前記弁体84が弁座38の連通孔40に着座することによって前記入口ポート30を閉塞することができる。
【0046】
本発明の実施の形態に係る排気ガス再循環バルブ20は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。先ず、駆動軸78と弁軸80とが連結された連結部82の組み付けについて説明する。
【0047】
図2および図3に示されるように、予め弁軸80に締付ナット96の雌ねじ部114が上方となるように該締付ナット96を挿通させた状態で、弁軸80の上端部をチャック部94の挿入孔98に挿入する。その際、チャック部94の下端部がスリット104によって挿入孔98より開口している状態にあるため、弁軸80を容易に挿入することができる。そして、挿入された弁軸80が係止溝110に挿入され、その上面に当接して係止される。前記弁軸80の外周面と挿入孔98の内周面との間には所定間隔のクリアランス108(図2参照)が形成されるともに、弁軸80の上面と凹溝112との間には同様にクリアランス116(図2参照)が形成されている。
【0048】
次に、弁軸80に挿通された締付ナット96をチャック部94の外周まで変位させ、チャック部94のねじ部100に締付ナット96を螺合する。その際、締付ナット96を螺回することによりチャック部94の係止部106が半径内方向に押圧されるため、前記係止部106の内周面によって弁軸80の外周面が押圧され、弁軸80がチャック部94の内部で固定された状態となる。
【0049】
すなわち、前記チャック部94に挿入された弁軸80は、係止溝110に係止されることにより、該弁軸80の軸線方向に対する変位が確実に規制される。また、前記弁軸80の上端部が、該弁軸80の外周径と同一直径に内周径が形成された係止溝110に挿入されるとともに、締付ナット96による締付作用下に弁軸80の外周面が係止部106の内周面によって押圧されて把持されるため、該弁軸80の半径方向に対する変位が確実に規制される。すなわち、前記係止部106および締付ナット96は、弁軸80の半径方向への変位を規制する変位規制手段として機能する。その結果、駆動軸78の軸心に対して弁軸80の軸心を一致させた状態で強固に連結することができる。
【0050】
次に、上記のように連結された連結部82を有する排気ガス再循環バルブ20の動作並びに作用効果について説明する。
【0051】
図1は、弁体84が弁座38の連通孔40に着座して、入口ポート30と出口ポート32との連通が遮断された弁閉状態を示している。
【0052】
このような弁閉状態において、ハウジング24のコネクタ接続部50に接続された図示しないコネクタを介して図示しない電源よりステッピングモータ68に電流が供給される。
【0053】
前記電流がステータ70に供給されることにより前記ステータ70が励磁され、その励磁作用下にロータ74が所定方向に回動する。そして、前記ロータ74の中心に螺合された駆動軸78が該ロータ74の回動作用下に軸線方向に沿って上方に変位する。すなわち、ロータ74の回転運動が駆動軸78の軸線に沿った直線運動に変換される。なお、その際、前記駆動軸78は、第1および第2ガイド部材66、92のガイド作用下に軸線方向に沿って変位し、前記第1および第2ガイド部材66、92によって弁座38に対して前記駆動軸78の軸心と弁座38の連通孔40の軸心との軸線と直交する方向へのずれから定義される同芯度と、該駆動軸78の軸心と弁座38の上面に対する直交状態から定義される直角度が高精度に保持されているため、軸線方向に沿って高精度に変位することができる。
【0054】
そして、前記駆動軸78に連結部82を介して一体的に連結された弁軸80も一体的に軸線方向に沿って上方に変位し、前記弁軸80の弁体84が上方に変位して弁座38から離間することにより、入口ポート30と出口ポート32とが連通孔40を介して連通した弁開状態となる。
【0055】
その結果、入口ポート30から流入する排気ガスが弁孔34、再循環通路36を介して出口ポート32から排出される。
【0056】
その際、高温の排気ガスが連通する弁孔34に設けられている弁軸80は、金属製材料から形成されているため排気ガスの作用下に高温となるが、前記ハウジング24の空間部52の開口部54および冷却用通路56から流入する外気によって弁軸80の上部が冷却されるため、該弁軸80の温度を好適に低下させることができる。
【0057】
次に、前記ステッピングモータ68に供給される電流の特性を前記とは逆転させることにより、弁開する際とは反対方向に前記ロータ74が回動し、駆動軸78が前記回動作用下に下方に変位し、連結部82を介して前記駆動軸78に連結された弁軸80がばね部材88のばね力に抗して下方に変位する。その結果、弁軸80と一体的に連結された弁体84が弁座38に着座し、連通孔40を閉塞することにより入口ポート30と出口ポート32との連通状態が遮断された弁閉状態となる。なお、前記弁軸80は、駆動軸78のチャック部94に挿入され締付ナット96によって該駆動軸78と一体的に連結されているため、駆動軸78に対する弁軸80との同芯度と、該弁軸80の弁座38の上面に対する直角度とが高精度に保持され、弁軸80を弁座38の連通孔40に対して正確に着座させることができる。
【0058】
以上により本実施の形態では、前記弁軸80の上端部を駆動軸78の下端部に設けられたチャック部94の係止溝110に挿入するとともに、チャック部94の係止部106によって弁軸80の外周面を押圧して把持することにより、駆動軸78に対する弁軸80の半径方向の変位が確実に規制される。そのため、駆動軸78に対する弁軸80のがたつきが阻止され、弁軸80の同芯度および直角度が高精度に保持される。その結果、弁座38に対して弁軸80および弁体84がそれに伴って直交状態に保持され、弁体84を弁座38に対して正確に着座させることができるため、高精度な流量制御をすることができる。
【0059】
また、弁軸80を挿入する際、チャック部94の挿入孔98がスリット104によって開口している状態であるため弁軸80を簡便に挿入することができる。
【0060】
さらに、弁軸80がチャック部94に挿入された際、弁軸80の外周面とチャック部94との間に所定間隔のクリアランス108が設けられるとともに、弁軸80の上面と凹溝112との間にも所定間隔のクリアランス116が設けられているため、弁軸80が排気ガスによって高温となった際、前記駆動軸78と弁軸80との間に設けられた前記クリアランス108、116によって弁軸80から駆動軸78に熱が伝達されることを防止することができる。
【0061】
さらにまた、弁軸80が配設される空間部52に連通する開口部54および冷却用通路56をハウジング24の側面に形成することにより、排気ガスによって高温となった弁軸80の温度を外部から流入する外気によって好適に低下させることができる。その際、連結部82の冷却用窓105を介して弁軸80が表面に露呈しているため、前記冷却用窓105を介して弁軸80の熱が外部に放熱されるとともに、前記冷却用窓105を介して弁軸80の外周面が外気に触れることにより、好適に弁軸80が冷却される。
【0062】
さらにまた、弁軸80の拡径部86と弁カバー44との間にばね部材88を介装することにより、弁カバー44の孔部42と弁軸80の外周面との間から漏出した排気ガスが空間部52に進入することを防止することができる。
【0063】
次に、本発明の他の実施の形態に係る排気ガス再循環バルブ120を図5に示す。なお、以下の説明において、本発明の実施の形態に係る排気ガス再循環バルブ20と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0064】
この本発明の他の実施の形態に係る排気ガス再循環バルブ120では、図5に示されるように、弁軸80の先端部に連結される弁体122を入口ポート30に向かって徐々に拡径するテーパ状に形成している点で本発明の実施の形態に係る排気ガス再循環バルブ20と相違している。
【0065】
すなわち、ステッピングモータ68の回転作用下に駆動軸78と弁軸80とが一体的に上方に変位した際、弁体122が弁座38に着座して弁閉状態となり、反対に駆動軸78と弁軸80とがばね部材88のばね力に抗して一体的に下方に変位した際、弁体122が弁座38から離間して弁開状態となる。そのため、駆動部26による駆動力が作用していない際、ばね部材88のばね力によって弁体122が常に弁閉状態に保持されている。
【0066】
次に、本実施の形態に適用される連結部の変形例について説明する。
【0067】
図6および図7に示されるように、第1変形例に係る連結部150は、駆動軸78aの下端部に縮径した第1小径部152が形成されるとともに、前記対向する弁軸80aの上端部に前記第1小径部152と略同一直径に縮径された第2小径部154が形成される。前記第1小径部152と第2小径部154とを一体的に外周から囲繞するように連結部材156を巻き付け、前記連結部材156の両端部を締付ねじ158で締付けることにより、駆動軸78aの下端部と弁軸80aの上端部とを一体的に連結している。
【0068】
前記連結部材156は、板状材により略均一な厚さに形成され、前記連結部材156の第1小径部152と第2小径部154を囲繞する外周面には、外周面から内周面へと貫通する冷却用窓(孔部)105a(図7参照)が周方向に沿って所定角度離間して複数形成されている。なお、前記駆動軸78aの下面と弁軸80aの上面との間には、駆動軸78aと弁軸80aとが連結された状態において所定間隔のクリアランス160が設けられている。
【0069】
このような構成とすることにより、前記駆動軸78aの第1小径部152と、弁軸80aの第2小径部154とに連結部材156を巻き付けて、前記連結部材156の両端部を締付ねじ158で締付けることにより、連結部材156の内周面によって第1および第2小径部152、154の外周面が押圧されるため、この押圧作用下に駆動軸78aと弁軸80aとを一体的に強固に連結することができる。
【0070】
また、前記駆動軸78aに対して弁軸80aの第2小径部154の段部が連結部材156の下面によって軸線方向に係合されているため、駆動軸78aに対する弁軸80aの軸線方向に沿った変位が確実に規制される。なお、第1小径部152と前記第2小径部154とが連結部材156によってそれぞれの外周面を内周方向に押圧されているため、第1小径部152と第2小径部154とが一体的に連結され、駆動軸78aに対する弁軸80aの半径方向への変位が確実に規制される。その結果、前記駆動軸78aに対する弁軸80aの軸線方向および半径方向へのがたつきが阻止され、駆動軸78aの軸心と弁軸80aの軸心とを一致させることができるため、駆動軸78aに対する弁軸80aの同芯度および直角度が高精度に保持される。これにより、弁座38に対して弁軸80aおよび弁体84を直交状態に保持することができるため、弁体84を弁座38に対して正確に着座させることができ、より高精度な流量制御をすることができる。
【0071】
さらに、弁軸80aが排気ガスに晒されて高温となった際、前記駆動軸78aと弁軸80aとの間に設けられたクリアランス160によって弁軸80aから駆動軸78aに熱が伝達されることを防止することができる。
【0072】
さらにまた、連結部材156の冷却用窓105aを介して弁軸80aの外周面が外部に露呈しているため、前記冷却用窓105aを介して弁軸80aの熱が外部に放熱されるとともに、排気ガスに晒されて高温となった弁軸80aを空間部52(図1参照)に流入する外気によって好適に冷却することができる。
【0073】
図8および図9に示されるように、第2の変形例に係る連結部200は、駆動軸78bの下端部に下方に向かって徐々に縮径するテーパ状の第1テーパ部202が形成されるとともに、前記第1テーパ部202に対向する弁軸80bの上端部に前記第1テーパ部202に向かって徐々に縮径するテーパ状の第2テーパ部204が形成されるように構成してもよい。この場合、前記弁軸80bの上面には、連結用ねじ206が突出して設けられ、前記駆動軸78bの下面の前記連結用ねじ206に対峙する位置には、ねじ孔208が形成されている。
【0074】
また、前記第1および第2テーパ部202、204を一体的に連結する結合部材214は、内部に周方向に沿って所定角度毎にセレーション溝210が形成された係合孔212を有する。前記係合孔212の内周径は、駆動軸78bおよび弁軸80bの外周径より若干小さく形成される。なお、前記セレーション溝210は、転造加工、または切削加工等により形成されるが、特にこれらの加工方法に限定されるものではない。
【0075】
さらに、前記結合部材214の外周面には、所定角度離間して貫通した複数の冷却用窓(孔部)105bが形成されている。
【0076】
このような構成とすることにより、第1テーパ部202を結合部材214の一端部側の係合孔212に軽く圧入すると、第1テーパ部202がセレーション溝210に嵌合され、駆動軸78bと結合部材214が相互に嵌合される。そのため、駆動軸78bと弁軸80bとの接触面積、すなわち伝熱面積が小さくなり、熱伝達が阻止される。
【0077】
また、結合部材214の他端部側の係合孔212に弁軸80bを回転させながら挿入することにより、弁軸80bの上面の連結用ねじ206が駆動軸78bのねじ孔208に螺合される。前記弁軸80bが駆動軸78bに螺合されることにより、駆動軸78bと弁軸80bとが互いに引張されている状態になるため、駆動軸78bと弁軸80bとが結合部材214を介して軸線方向に規制された状態となる。
【0078】
その結果、結合部材214のセレーション溝210に嵌合された駆動軸78bに対して、連結用ねじ206を介して弁軸80bを一体的に連結させることにより該弁軸80bの軸線方向への変位が規制されるとともに、半径方向への変位も規制されているため、簡便に弁軸80bの駆動軸78bに対する同芯度および弁座38に対する直角度を高精度に維持することができる。
【0079】
また、駆動軸78bと弁軸80bとが連結用ねじ206で連結された際、該駆動軸78bの下面と該弁軸80bの上面とに所定間隔離間したクリアランス216が形成されているため、排気ガスによって高温となった弁軸80bから駆動軸78bに熱が伝達されることを防止することができる。
【0080】
さらに、結合部材214の冷却用窓105bを介して弁軸80bの外周面が外部に露呈しているため、前記冷却用窓105bを介して弁軸80bの熱が外部に放熱されるとともに、排気ガスに晒されて高温となった弁軸80bを空間部52(図1参照)に流入する外気によって好適に冷却することができる。
【0081】
なお、図10および図11に示されるように、第1および第2テーパ部202、204に対応して結合部材214aの内周面を略中央部に向かって徐々に縮径するテーパ状に形成するとともに、前記第1および第2テーパ部202、204の外周面にそれぞれ周方向に沿って所定角度毎にセレーション溝210aを形成して、駆動軸78bを結合部材214aに軽く圧入するとともに、弁軸80bに設けられた連結用ねじ206を前記駆動軸78bのねじ孔208に螺合することによって駆動軸78bと弁軸80bとを一体的に連結するようにしてもよい。
【0082】
図12および図13に示されるように、第3の変形例に係る連結部250は、駆動軸78cの下端部に下方に向かって徐々に拡径する結合部252の内部に嵌合孔(係合孔)254が形成され、前記嵌合孔254には、弁軸80cの上方に向かって徐々に縮径するテーパ状の第3テーパ部256が挿入される。前記第3テーパ部256の外周面には、周方向に沿って所定角度毎にセレーション溝258が形成されている。また、前記弁軸80cの上面には、連結用ねじ260が突出して設けられ、前記駆動軸78cの嵌合孔254の下面の前記連結用ねじ260に対峙する位置には、ねじ孔262が形成されている。
【0083】
また、前記結合部252の外周面には、所定角度離間して貫通した複数の冷却用窓(孔部)105cが形成されている。
【0084】
このような構成とすることにより、弁軸80cの第3テーパ部256を嵌合孔254に回転させながら挿入することにより、前記第3テーパ部256のテーパ面と、嵌合孔254の内部のセレーション溝258とが嵌合されて伝熱面積が小さくなり、熱伝達が阻止される。
【0085】
また、弁軸80cの上面の連結用ねじ260が駆動軸78cのねじ孔262に螺合されるため軸線方向に一体的に連結され、駆動軸78cに対して弁軸80cの軸線方向の変位が阻止される。その結果、結合部252のセレーション溝258に嵌合された弁軸80cに対して、連結用ねじ260を介して弁軸80cを一体的に連結させることにより、該弁軸80cの軸線方向への変位が規制されるとともに、半径方向への変位も規制されているため、簡便に弁軸80cの駆動軸78cに対する同芯度および弁座38に対する直角度を高精度に維持することができる。
【0086】
また、嵌合孔254に弁軸80cが連結用ねじ260で連結された際、該嵌合孔254と該弁軸80cの上面との間に所定間隔離間したクリアランス264が形成されているため、排気ガスによって高温となった弁軸80cから駆動軸78cに熱が伝達されることを防止することができる。
【0087】
さらに、結合部252の冷却用窓105cを介して弁軸80cの外周面が外部に露呈しているため、前記冷却用窓105cを介して弁軸80cの熱が外部に放熱されるとともに、排気ガスに晒されて高温となった弁軸80cを空間部52(図1参照)に流入する外気によって好適に冷却することができる。
【0088】
なお、図14および図15に示されるように、駆動軸78cの結合部252aの嵌合孔254の内周面に周方向に沿って所定角度毎にセレーション溝258aを形成して、弁軸80cの上方に向かって徐々に縮径するテーパ状の第3テーパ部256を回転させながら挿入し、前記弁軸80cの上面に突出して設けられる連結用ねじ260を駆動軸78cの嵌合孔254の下面のねじ孔262に螺合して、駆動軸78cと弁軸80cとを一体的に連結するようにしてもよい。
【0089】
【発明の効果】
本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0090】
すなわち、前記連結部の変位規制手段によって駆動軸に対する弁軸の半径方向への変位が規制されるため、実質的に弁軸が駆動軸に対して半径方向に変位することがない。弁軸が駆動軸に対して軸線方向および半径方向に密着把持されるため駆動軸と弁軸の軸心とを一致させることができ、この結果、前記弁軸と連結された弁体をより正確に弁座に着座させることができるため、高精度に排気ガスの流量制御を行うことができる。
【0091】
また、駆動軸と弁軸とを連結部を介して一体的に連結するとともに、前記駆動軸を支持するガイド部材を駆動軸側にのみ設けて支持することにより、弁軸が軸線方向に沿って変位する際の弁軸の弁基部側での摺動抵抗がなく、弁体をより一層円滑に変位させることができるとともに、弁軸を支持する部材が不要となるため構成が簡素化し、製造コストの低減を図ることができる。
【0092】
さらに、弁体を弁座より離間させて弁開状態とする際、前記弁体を着座方向に付勢するスプリングによる駆動負荷がないため、ステッピングモータを小型化することができる。
【0093】
さらにまた、前記連結部と、内部に挿入される前記弁軸との間に軸線方向および/または半径方向にクリアランス(部分的非接触部)を設けることにより、排気ガスの作用下に弁軸が高温になった際、前記クリアランスによって弁軸から連結部への熱伝達を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る排気ガス再循環バルブを示す要部縦断面図である。
【図2】図1における連結部の拡大断面図である。
【図3】図1における連結部の分解斜視図である。
【図4】図2のIV−IV線に沿った横断面図である。
【図5】本発明の他の実施の形態に係る排気ガス再循環バルブを示す要部縦断面図である。
【図6】第1変形例に係る連結部の縦断面図である。
【図7】図6のVII−VII線に沿った横断面図である。
【図8】第2変形例に係る連結部の縦断面図である。
【図9】第2変形例に係る連結部の分解斜視図である。
【図10】図8において駆動軸および弁軸にセレーション溝を形成した際の連結部の縦断面図である。
【図11】図9において駆動軸および弁軸にセレーション溝を形成した際の連結部の分解斜視図である。
【図12】第3変形例に係る連結部の縦断面図である。
【図13】第3変形例に係る連結部の分解斜視図である。
【図14】図12において嵌合孔の内部にセレーション溝を形成した際の連結部の縦断面図である。
【図15】図13において嵌合孔の内部にセレーション溝を形成した際の連結部の分解斜視図である。
【図16】従来技術に係る排気ガス再循環バルブを示す縦断面図である。
【符号の説明】
20、120…排気ガス再循環バルブ 22…弁基部
24…ハウジング 26…駆動部
28…弁機構部 34…弁孔
38…弁座 40…連通孔
42…孔部 44…弁カバー
58…ハウジングカバー 66…第1ガイド部材
68…ステッピングモータ 74…ロータ
78、78a〜78c…駆動軸 80、80a〜80c…弁軸
82、150、200、250…連結部 84、122…弁体
86…拡径部 88…ばね部材
92…第2ガイド部材 94…チャック部
96…締付ナット 98…挿入孔
106…係止部 110…係止溝
【発明の属する技術分野】
本発明は、排気ガス再循環バルブに関し、一層詳細には、駆動源の作用下に変位する駆動軸と、弁座に着座・離間する弁軸とを確実に連結する連結機構を備えた排気ガス再循環バルブに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば、内燃機関から排出される有害成分を除去するために、排気ガス再循環バルブが用いられている。この排気ガス再循環バルブは、内燃機関から排出される排気ガスを吸気系に再循環させ、前記排気ガス中に含まれるNOx等の有害成分を減少させるために、前記内燃機関の吸気系と排気系とを連通させる機能を有する。
【0003】
図16に示すように、一般的に、排気ガス再循環バルブ1は、入力ポート2と出力ポート3とを連通する還流通路4を有するハウジング5と、前記ハウジング5の上部に連結されるモータハウジング6と、前記モータハウジング6の内部に設けられ、電気信号によって回転駆動するステップ式のモータ7と、前記モータ7の内部に螺合され、前記モータ7の回転運動を直線運動に変換するモータシャフト8と、前記モータシャフト8にジョイント9、およびスプリング10の一端部が保持されるスプリングホルダ11を介して一体的に連結されるバルブシャフト12と、前記バルブシャフト12の一端部に設けられ、モータ7の回転作用下に前記還流通路4内に設けられるバルブシート13を開閉するバルブ14とからなる。
【0004】
詳細には、前記モータシャフト8の一端部をジョイント9の連結孔15aに挿入して加締めるとともに、前記モータシャフト8の一端部に対峙するバルブシャフト12の一端部をスプリングホルダ11の連結孔15bに挿入して加締めている。そして、前記ジョイント9とスプリングホルダ11とを連結することにより前記モータシャフト8とバルブシャフト12とを軸線方向に沿って一体的に連結している。また、前記ジョイント9の連結孔15aの直径は、モータシャフト8の一端部が挿入可能なように該モータシャフト8の外周径より若干大きく形成されるとともに、前記スプリングホルダ11の連結孔15bの直径は、バルブシャフト12の一端部が挿入可能なように該バルブシャフト12の外周径より若干大きく形成されている。
【0005】
また、前記バルブシャフト12はハウジング5の内部に装着されたブッシュ16aによって軸線方向に沿って変位自在に支持され、前記モータシャフト8はモータハウジング6の内部に装着されたブッシュ16bによって軸線方向に沿って変位自在に支持されている。
【0006】
さらに、前記スプリング10は、バルブ14がバルブシート13に着座して弁閉状態となる方向に付勢してバルブシャフト12のもどり動作を保証している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術に係る排気ガス再循環バルブ1においては、バルブシャフト12の外周面に排気ガスによってカーボン等が付着するため、該バルブシャフト12が軸線方向に沿って変位する際にブッシュ16aとバルブシャフト12との間における摺動抵抗が大きくなり、前記バルブシャフト12を円滑に摺動させることが困難となる。
【0008】
そのため、バルブシャフト12を確実に弁閉状態とするためにスプリング10を設け、前記摺動抵抗に抗するように前記スプリング10のばね力を予め大きく設定している。そのため、部品点数が増大して構成が複雑化するとともに、バルブシャフト12を弁開させる際のモータ7の駆動力を前記スプリング10のばね力に打ち勝つように大きくする必要があるため、前記モータ7を大型化する必要があるという問題がある。
【0009】
さらに、モータシャフト8とバルブシャフト12とを別体構造とし、モータシャフト8とジョイント9とを連結する際、モータシャフト8の外周面とジョイント9の連結孔15aとの間にクリアランスがあるため、モータシャフト8が連結孔15aに挿入されジョイント9に加締められた状態において、前記ジョイント9がモータシャフト8の一端部に対して前記クリアランス分だけ半径方向に変位する可能性がある。その結果、モータシャフト8に対するジョイント9の半径方向への変位規制が不十分となる。
【0010】
また、スプリングホルダ11とバルブシャフト12とを連結する際、バルブシャフト12の外周面とスプリングホルダ11の連結孔15bとの間にも同様にクリアランスがある。そのため、バルブシャフト12が連結孔15bに挿入されスプリングホルダ11に加締められた状態において、前記バルブシャフト12がスプリングホルダ11に対して前記クリアランス分だけ半径方向に変位する可能性があるため、ジョイント9に連結されたスプリングホルダ11に対するバルブシャフト12の半径方向への変位規制が不十分となる。
【0011】
本発明は、前記の問題を考慮してなされたものであり、駆動軸の軸心と弁軸の軸心とを一致させる連結部を設けることにより、正確に弁体を弁座に対して着座させることが可能な排気ガス再循環バルブを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明は、排気ガスの循環通路と前記通路内に設けられる弁座とを有する弁基部と、
前記弁座に離間・着座することにより前記通路を開閉する弁体と、
前記弁体に一端部が連結される弁軸と、
前記弁基部と連結されるハウジングと、
前記ハウジング内部に配設され、電気信号により駆動する駆動部と、
前記駆動部の駆動作用下に軸線方向に沿って変位する駆動軸と、
前記弁軸と駆動軸とを一体的に連結する連結部と、
からなる排気ガス再循環バルブにおいて、
前記連結部を前記ハウジングの内部空間に配設するとともに、前記連結部には、前記駆動軸に対する前記弁軸の半径方向の変位を規制する変位規制手段を備えることを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、駆動部の駆動作用下に軸線方向に沿って変位する駆動軸に連結部を介して弁軸を一体的に連結し、前記弁軸の一端部に連結された弁体によって循環通路を開閉している。その際、前記連結部の変位規制手段によって駆動軸に対して弁軸の半径方向への変位が規制されているため、弁軸の軸心が駆動軸の軸心に対してずれることがない。従って、駆動軸の軸心と弁軸の軸心とが一致した状態になるため駆動軸に対する弁軸の倒れが発生することがなく、前記弁軸と一体的に連結された弁体をより正確に弁座に着座させることができる。その結果、排気ガスの高精度な流量制御を行うことができる。
【0014】
また、本発明は、前記連結部に、前記駆動軸または前記弁軸の端部に徐々に縮径するテーパ状に形成されるテーパ部と、前記テーパ部に対向する前記駆動軸または前記弁軸の端部に前記テーパ部に対応して内周面がテーパ状に形成される係合孔と、前記駆動軸と前記弁軸とを軸線方向に連結する連結手段と、を備える。
【0015】
このため、前記テーパ部を係合孔の内部に挿入することにより、駆動軸と弁軸との軸心を容易に、かつ確実に一致させることができる。
【0016】
さらに、本発明は、前記連結部に、前記駆動軸の一端部に形成され、前記弁軸が内部に挿入されるチャック部と、前記チャック部の外周に螺合されるナットと、を備える。この場合、前記ナットの螺合作用下に前記チャック部を内周側に押圧し、前記チャック部によって前記弁軸の外周面を把持することにより、連結部によって弁軸が駆動軸に一体的に連結されるとともに、駆動軸に対して弁軸を着脱する際に弁軸の外周径よりチャック部の内周径が大きく形成されているため簡便に弁軸の着脱を行うことができる。
【0017】
さらにまた、本発明によれば、前記連結部は、前記駆動軸および前記弁軸の端部に徐々にテーパ状に形成されるテーパ部と、前記テーパ部に対応して内周面がテーパ状に形成される係合孔が形成される結合部材と、前記駆動軸と前記弁軸とを軸線方向に連結する連結手段と、を備える。以上の構成において、前記テーパ部を結合部材の係合孔の内部にそれぞれ挿入することにより、結合部材を介して駆動軸と弁軸との軸心を容易に、かつ確実に一致させることができる。
【0018】
またさらに、本発明によれば、前記テーパ部または前記係合孔にセレーション溝を形成することにより、セレーション溝が形成されたテーパ部を係合孔に挿入した際、または、テーパ部をセレーション溝が形成された係合孔に挿入した際においてセレーション溝とテーパ面とが嵌合するため、駆動軸と弁軸との接触面積を減らし、弁軸からの伝熱面積を小さくすることができる。
【0019】
また、本発明によれば、前記連結部と内部に挿入される前記弁軸との間に軸線方向および/または半径方向にクリアランスを設けることにより、排気ガスの作用下に弁軸が高温になった際、前記クリアランスによって弁軸の熱が連結部に伝達することを防止することができる。
【0020】
さらにまた、本発明によれば、前記連結部に、内部に挿入された弁軸の外周面を露呈する孔部を有することにより、ハウジングの内部に流通する外気が孔部を介して弁軸の外周面に触れ、排気ガスによって高温になった弁軸が好適に冷却される。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明に係る排気ガス再循環バルブについて好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0022】
図1において、参照符号20は、本発明の実施の形態に係る排気ガス再循環バルブを示す。
【0023】
排気ガス再循環バルブ20は、図1に示されるように、図示しない内燃機関から排出された排気ガスを吸気系に再循環させる通路が形成される弁基部22と、前記弁基部22の上部に連結される円筒状のハウジング24と、前記ハウジング24の内部に設けられる駆動部26と、前記駆動部26の駆動作用下に排気ガスの連通状態を相互に切り換える弁機構部28とからなる。
【0024】
前記弁基部22は、下面の略中央部に図示しない内燃機関の排気系と接続される入口ポート(循環通路)30が形成され、前記入口ポート30より離間し、図示しない内燃機関の吸気系に接続される出口ポート(循環通路)32が形成されている。なお、前記入口ポート30と出口ポート32は、前記入口ポート30の上部側に画成された弁孔(循環通路)34と、出口ポート32の上方に中央部に向かって円弧状に形成された再循環通路(循環通路)36とによって連通される。
【0025】
前記入口ポート30には、環状の弁座38が配設され、前記弁座38の略中央の連通孔40には、弁孔34および入口ポート30を挿通する弁軸80(後述する)の先端部が挿入される。
【0026】
前記弁基部22とハウジング24との接合面の略中央部には、前記弁軸80が挿通される孔部42を有する弁カバー44が前記弁孔34を閉塞するように挟持されている。なお、前記弁カバー44は金属製材料からなり、また、前記弁軸80と孔部42の軸心がそれぞれ一致するように装着されている。
【0027】
また、前記弁カバー44より外周側には、環状のガスケット46が前記弁基部22とハウジング24との間に挟持され、前記弁基部22の内部と前記ハウジング24の内部との気密を保持している。なお、前記弁基部22と前記ハウジング24とは、複数のねじ部材48を介して一体的に連結されている。
【0028】
前記弁基部22の上部に連結されるハウジング24の側面には、図示しない電源から駆動部26に電流を供給するための図示しないコネクタが接続されるコネクタ接続部50が形成されている。
【0029】
また、ハウジング24に画成される空間部52は、一側面側に外部と連通する開口部54を有するとともに、前記開口部54と対向する反対の側面には、冷却用通路56が形成され、前記開口部54と同様に外部と連通している。すなわち、開口部54および冷却用通路56を介して空間部52に常に外気が流入するため、排気ガスに晒されて高温となる弁軸80を冷却することができる。
【0030】
さらに、前記ハウジング24の上部には、ハウジングカバー58が図示しない固定手段を介して装着され、前記ハウジングカバー58の環状溝に装着されるシール部材60によってハウジング24の内部の気密を保持している。
【0031】
前記ハウジングカバー58の略中央部には、下方に向かって所定長だけ突出して突出部62が形成され、前記突出部62の内部のガイド孔64には後述する駆動軸78の一端部を軸線方向に支持する円筒状の第1ガイド部材66が装着されている。
【0032】
前記駆動部26には、例えば、ステッピングモータ68が採用され、前記ステッピングモータ68は、図示しない電源から供給される電流によって付勢・滅勢されるステータ70と、ハウジング24の内部の上下2箇所に装着された軸受72a、72bによって回動自在に支持され、図示しない電源から供給される電流の作用下に所定方向に回動する円筒状のロータ74とからなる。前記ロータ74の内部に形成されるねじ部76には、前記駆動軸78が軸線方向に沿って変位自在に螺合されている。
【0033】
なお、本実施の形態に係る排気ガス再循環バルブ20では、駆動部26として電流によって回転駆動するステッピングモータ68について説明しているが、前記ステッピングモータ68に限定されるものではなく、前記ステッピングモータ68の代わりに電流をコイルに供給することにより生じる励磁作用下に弁軸80を軸線方向に沿って直線的に変位させるソレノイドを採用してもよい。
【0034】
弁機構部28は、図1および図2に示されるように、ハウジング24の駆動部26の下方に形成される空間部52に配設され、前記ステッピングモータ68のロータ74に螺合されて軸線方向に沿って変位自在に設けられる駆動軸78と、前記駆動軸78に一体的に連結され、前記駆動軸78の変位作用下に弁座38に着座・離間する弁軸80と、前記駆動軸78と弁軸80とを一体的に連結する連結部82と、前記弁軸80の下端部に連結され、弁座38に着座・離間することにより連通孔40を開閉する弁体84とからなる。また、前記弁軸80の略中央部には半径外方向に拡径した拡径部86が形成され、前記拡径部86と弁カバー44の上面との間に弁軸80を弁座38から離間させる方向に付勢するばね部材88が介装されている。
【0035】
さらに、前記ばね部材88は、金属製材料から円盤状に形成され、略中央部の孔部に弁軸80が挿通されている。そのため、ばね部材88は、弁軸80の外周面とは摺接することがなく、弁カバー44の上面と、弁軸80の拡径部86の下面とに当接することにより、弁孔34に連通する排気ガスが弁カバー44の孔部42を介して漏出することを防止するシール機能を有している。なお、弁軸80が排気ガスに晒されて高温になった際においても、ばね部材88が金属製材料により形成されているため、耐久性が低下することがない。
【0036】
駆動軸78は、ロータ74のねじ部76に螺合されるとともに、ハウジングカバー58に装着された第1ガイド部材66と、ハウジング24の略中央部の貫通孔90に装着される円筒状の第2ガイド部材92とによって軸線方向に変位自在に支持されている。前記駆動軸78は、前記第1および第2ガイド部材66、92によって外周面を2箇所で支持されているため、前記駆動軸78の軸心と弁座38の連通孔40の軸心との軸線と直交する方向へのずれから定義される同芯度と、該駆動軸78の軸心と弁座38の上面に対する直交状態から定義される直角度とを高精度に保持することができる。そして、駆動軸78の前記同芯度および直角度を高精度に保持することにより、該駆動軸78に一体的に連結される弁軸80を弁座38に対して正確に着座させることができる。なお、前記駆動軸78は、図示しない回り止め手段によって回転方向に規制されているため、駆動部26の駆動作用下にロータ74に伴って駆動軸78が回動することが防止される。
【0037】
また、前記駆動軸78の下端部と弁軸80の上端部とを一体的に連結する連結部82は、前記駆動軸78の下端部に形成され、内部に弁軸80の上端部が挿入されるチャック部94と、前記チャック部94の内部に弁軸80が挿入された状態においてチャック部94の外周に螺合される締付ナット(ナット)96とからなる。
【0038】
チャック部94の外周径は、図2および図3に示されるように、前記駆動軸78の直径より若干拡径して形成されるとともに、前記チャック部94の内部には弁軸80が挿入される挿入孔98が形成されている。
【0039】
チャック部94の外周面の下方には、締付ナット96が螺合されるねじ部100が刻設され、前記ねじ部100から下端部に向かう外周面は、徐々に縮径するテーパ面102が形成されている。すなわち、チャック部94の内部に弁軸80を挿入し、該チャック部94の外周に下方から締付ナット96を螺合する際、テーパ面102によって締付ナット96をチャック部94の外周に容易に挿入することができる。
【0040】
また、チャック部94の下端部には、周方向に沿って所定角度離間して形成された複数のスリット104によって離間された複数の係止部106が形成され、前記係止部106の内周面は、前記弁軸80の外周面と略同一の直径で形成されているため、弁軸80がチャック部94の内部に挿入された際に弁軸80の外周面を保持することができる。前記複数のスリット104は、チャック部94の外周面に形成された前記スリット104より幅広な長孔状の複数の冷却用窓(孔部)105とそれぞれつながるように設けられている。
【0041】
図2に示されるように、前記挿入孔98の内周径Aは、挿入される弁軸80の外周径Bより若干大きく形成されているため(A>B)、弁軸80を挿入孔98に挿入した際、弁軸80の外周面と挿入孔98の内周面との間には所定間隔のクリアランス108が形成される。前記挿入孔98の上部には、内周面の直径が弁軸80と略同一の直径に縮径されて所定長だけ窪んだ係止溝110と、前記係止溝110よりさらに縮径されて所定長だけ窪んだ凹溝112とが形成される。
【0042】
すなわち、係止溝110の内周面を弁軸80の外周面と同一の直径とすることにより、前記係止溝110に挿入されて弁軸80の半径方向への変位が規制される変位規制手段となる。前記弁軸80の上面が係止溝110の頂部に当接して係止されることにより、弁軸80の軸線方向への変位が規制される。また、前記係止部106の直径より凹溝112の直径を小さくすることにより、弁軸80の上端部をチャック部94に挿入した際に該弁軸80が凹溝112の内部に進入することが防止される。
【0043】
また、円筒状に形成される締付ナット96の内部には、前記チャック部94のねじ部100に螺合される雌ねじ部114が上方に形成されるとともに、前記締付ナット96の下方は、挿通される弁軸80の外周径と略同一の直径に縮径されているため、弁軸80が挿通された際に該弁軸80の外周面を保持することができる。
【0044】
さらに、締付ナット96の雌ねじ部114が形成される部位の内周径を、チャック部94のねじ部100が形成される部位の外周径より若干小さく形成することにより、チャック部94に締付ナット96を螺合した際、該締付ナット96によってチャック部94が内周側に押圧される。
【0045】
さらにまた、図1に示されるように、前記連結部82を介して駆動軸78に一体的に連結される弁軸80は、下端部に弁座38を開閉する弁体84が一体的に連結され、前記弁体84は、弁基部22の入口ポート30の方向に向かって徐々に縮径するテーパ状に形成されている。それに対して弁体84が着座する弁座38の連通孔40は、前記弁体84とは反対に入口ポート30に向かって徐々に拡径するように形成されている。すなわち、前記弁体84が弁座38の連通孔40に着座することによって前記入口ポート30を閉塞することができる。
【0046】
本発明の実施の形態に係る排気ガス再循環バルブ20は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。先ず、駆動軸78と弁軸80とが連結された連結部82の組み付けについて説明する。
【0047】
図2および図3に示されるように、予め弁軸80に締付ナット96の雌ねじ部114が上方となるように該締付ナット96を挿通させた状態で、弁軸80の上端部をチャック部94の挿入孔98に挿入する。その際、チャック部94の下端部がスリット104によって挿入孔98より開口している状態にあるため、弁軸80を容易に挿入することができる。そして、挿入された弁軸80が係止溝110に挿入され、その上面に当接して係止される。前記弁軸80の外周面と挿入孔98の内周面との間には所定間隔のクリアランス108(図2参照)が形成されるともに、弁軸80の上面と凹溝112との間には同様にクリアランス116(図2参照)が形成されている。
【0048】
次に、弁軸80に挿通された締付ナット96をチャック部94の外周まで変位させ、チャック部94のねじ部100に締付ナット96を螺合する。その際、締付ナット96を螺回することによりチャック部94の係止部106が半径内方向に押圧されるため、前記係止部106の内周面によって弁軸80の外周面が押圧され、弁軸80がチャック部94の内部で固定された状態となる。
【0049】
すなわち、前記チャック部94に挿入された弁軸80は、係止溝110に係止されることにより、該弁軸80の軸線方向に対する変位が確実に規制される。また、前記弁軸80の上端部が、該弁軸80の外周径と同一直径に内周径が形成された係止溝110に挿入されるとともに、締付ナット96による締付作用下に弁軸80の外周面が係止部106の内周面によって押圧されて把持されるため、該弁軸80の半径方向に対する変位が確実に規制される。すなわち、前記係止部106および締付ナット96は、弁軸80の半径方向への変位を規制する変位規制手段として機能する。その結果、駆動軸78の軸心に対して弁軸80の軸心を一致させた状態で強固に連結することができる。
【0050】
次に、上記のように連結された連結部82を有する排気ガス再循環バルブ20の動作並びに作用効果について説明する。
【0051】
図1は、弁体84が弁座38の連通孔40に着座して、入口ポート30と出口ポート32との連通が遮断された弁閉状態を示している。
【0052】
このような弁閉状態において、ハウジング24のコネクタ接続部50に接続された図示しないコネクタを介して図示しない電源よりステッピングモータ68に電流が供給される。
【0053】
前記電流がステータ70に供給されることにより前記ステータ70が励磁され、その励磁作用下にロータ74が所定方向に回動する。そして、前記ロータ74の中心に螺合された駆動軸78が該ロータ74の回動作用下に軸線方向に沿って上方に変位する。すなわち、ロータ74の回転運動が駆動軸78の軸線に沿った直線運動に変換される。なお、その際、前記駆動軸78は、第1および第2ガイド部材66、92のガイド作用下に軸線方向に沿って変位し、前記第1および第2ガイド部材66、92によって弁座38に対して前記駆動軸78の軸心と弁座38の連通孔40の軸心との軸線と直交する方向へのずれから定義される同芯度と、該駆動軸78の軸心と弁座38の上面に対する直交状態から定義される直角度が高精度に保持されているため、軸線方向に沿って高精度に変位することができる。
【0054】
そして、前記駆動軸78に連結部82を介して一体的に連結された弁軸80も一体的に軸線方向に沿って上方に変位し、前記弁軸80の弁体84が上方に変位して弁座38から離間することにより、入口ポート30と出口ポート32とが連通孔40を介して連通した弁開状態となる。
【0055】
その結果、入口ポート30から流入する排気ガスが弁孔34、再循環通路36を介して出口ポート32から排出される。
【0056】
その際、高温の排気ガスが連通する弁孔34に設けられている弁軸80は、金属製材料から形成されているため排気ガスの作用下に高温となるが、前記ハウジング24の空間部52の開口部54および冷却用通路56から流入する外気によって弁軸80の上部が冷却されるため、該弁軸80の温度を好適に低下させることができる。
【0057】
次に、前記ステッピングモータ68に供給される電流の特性を前記とは逆転させることにより、弁開する際とは反対方向に前記ロータ74が回動し、駆動軸78が前記回動作用下に下方に変位し、連結部82を介して前記駆動軸78に連結された弁軸80がばね部材88のばね力に抗して下方に変位する。その結果、弁軸80と一体的に連結された弁体84が弁座38に着座し、連通孔40を閉塞することにより入口ポート30と出口ポート32との連通状態が遮断された弁閉状態となる。なお、前記弁軸80は、駆動軸78のチャック部94に挿入され締付ナット96によって該駆動軸78と一体的に連結されているため、駆動軸78に対する弁軸80との同芯度と、該弁軸80の弁座38の上面に対する直角度とが高精度に保持され、弁軸80を弁座38の連通孔40に対して正確に着座させることができる。
【0058】
以上により本実施の形態では、前記弁軸80の上端部を駆動軸78の下端部に設けられたチャック部94の係止溝110に挿入するとともに、チャック部94の係止部106によって弁軸80の外周面を押圧して把持することにより、駆動軸78に対する弁軸80の半径方向の変位が確実に規制される。そのため、駆動軸78に対する弁軸80のがたつきが阻止され、弁軸80の同芯度および直角度が高精度に保持される。その結果、弁座38に対して弁軸80および弁体84がそれに伴って直交状態に保持され、弁体84を弁座38に対して正確に着座させることができるため、高精度な流量制御をすることができる。
【0059】
また、弁軸80を挿入する際、チャック部94の挿入孔98がスリット104によって開口している状態であるため弁軸80を簡便に挿入することができる。
【0060】
さらに、弁軸80がチャック部94に挿入された際、弁軸80の外周面とチャック部94との間に所定間隔のクリアランス108が設けられるとともに、弁軸80の上面と凹溝112との間にも所定間隔のクリアランス116が設けられているため、弁軸80が排気ガスによって高温となった際、前記駆動軸78と弁軸80との間に設けられた前記クリアランス108、116によって弁軸80から駆動軸78に熱が伝達されることを防止することができる。
【0061】
さらにまた、弁軸80が配設される空間部52に連通する開口部54および冷却用通路56をハウジング24の側面に形成することにより、排気ガスによって高温となった弁軸80の温度を外部から流入する外気によって好適に低下させることができる。その際、連結部82の冷却用窓105を介して弁軸80が表面に露呈しているため、前記冷却用窓105を介して弁軸80の熱が外部に放熱されるとともに、前記冷却用窓105を介して弁軸80の外周面が外気に触れることにより、好適に弁軸80が冷却される。
【0062】
さらにまた、弁軸80の拡径部86と弁カバー44との間にばね部材88を介装することにより、弁カバー44の孔部42と弁軸80の外周面との間から漏出した排気ガスが空間部52に進入することを防止することができる。
【0063】
次に、本発明の他の実施の形態に係る排気ガス再循環バルブ120を図5に示す。なお、以下の説明において、本発明の実施の形態に係る排気ガス再循環バルブ20と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0064】
この本発明の他の実施の形態に係る排気ガス再循環バルブ120では、図5に示されるように、弁軸80の先端部に連結される弁体122を入口ポート30に向かって徐々に拡径するテーパ状に形成している点で本発明の実施の形態に係る排気ガス再循環バルブ20と相違している。
【0065】
すなわち、ステッピングモータ68の回転作用下に駆動軸78と弁軸80とが一体的に上方に変位した際、弁体122が弁座38に着座して弁閉状態となり、反対に駆動軸78と弁軸80とがばね部材88のばね力に抗して一体的に下方に変位した際、弁体122が弁座38から離間して弁開状態となる。そのため、駆動部26による駆動力が作用していない際、ばね部材88のばね力によって弁体122が常に弁閉状態に保持されている。
【0066】
次に、本実施の形態に適用される連結部の変形例について説明する。
【0067】
図6および図7に示されるように、第1変形例に係る連結部150は、駆動軸78aの下端部に縮径した第1小径部152が形成されるとともに、前記対向する弁軸80aの上端部に前記第1小径部152と略同一直径に縮径された第2小径部154が形成される。前記第1小径部152と第2小径部154とを一体的に外周から囲繞するように連結部材156を巻き付け、前記連結部材156の両端部を締付ねじ158で締付けることにより、駆動軸78aの下端部と弁軸80aの上端部とを一体的に連結している。
【0068】
前記連結部材156は、板状材により略均一な厚さに形成され、前記連結部材156の第1小径部152と第2小径部154を囲繞する外周面には、外周面から内周面へと貫通する冷却用窓(孔部)105a(図7参照)が周方向に沿って所定角度離間して複数形成されている。なお、前記駆動軸78aの下面と弁軸80aの上面との間には、駆動軸78aと弁軸80aとが連結された状態において所定間隔のクリアランス160が設けられている。
【0069】
このような構成とすることにより、前記駆動軸78aの第1小径部152と、弁軸80aの第2小径部154とに連結部材156を巻き付けて、前記連結部材156の両端部を締付ねじ158で締付けることにより、連結部材156の内周面によって第1および第2小径部152、154の外周面が押圧されるため、この押圧作用下に駆動軸78aと弁軸80aとを一体的に強固に連結することができる。
【0070】
また、前記駆動軸78aに対して弁軸80aの第2小径部154の段部が連結部材156の下面によって軸線方向に係合されているため、駆動軸78aに対する弁軸80aの軸線方向に沿った変位が確実に規制される。なお、第1小径部152と前記第2小径部154とが連結部材156によってそれぞれの外周面を内周方向に押圧されているため、第1小径部152と第2小径部154とが一体的に連結され、駆動軸78aに対する弁軸80aの半径方向への変位が確実に規制される。その結果、前記駆動軸78aに対する弁軸80aの軸線方向および半径方向へのがたつきが阻止され、駆動軸78aの軸心と弁軸80aの軸心とを一致させることができるため、駆動軸78aに対する弁軸80aの同芯度および直角度が高精度に保持される。これにより、弁座38に対して弁軸80aおよび弁体84を直交状態に保持することができるため、弁体84を弁座38に対して正確に着座させることができ、より高精度な流量制御をすることができる。
【0071】
さらに、弁軸80aが排気ガスに晒されて高温となった際、前記駆動軸78aと弁軸80aとの間に設けられたクリアランス160によって弁軸80aから駆動軸78aに熱が伝達されることを防止することができる。
【0072】
さらにまた、連結部材156の冷却用窓105aを介して弁軸80aの外周面が外部に露呈しているため、前記冷却用窓105aを介して弁軸80aの熱が外部に放熱されるとともに、排気ガスに晒されて高温となった弁軸80aを空間部52(図1参照)に流入する外気によって好適に冷却することができる。
【0073】
図8および図9に示されるように、第2の変形例に係る連結部200は、駆動軸78bの下端部に下方に向かって徐々に縮径するテーパ状の第1テーパ部202が形成されるとともに、前記第1テーパ部202に対向する弁軸80bの上端部に前記第1テーパ部202に向かって徐々に縮径するテーパ状の第2テーパ部204が形成されるように構成してもよい。この場合、前記弁軸80bの上面には、連結用ねじ206が突出して設けられ、前記駆動軸78bの下面の前記連結用ねじ206に対峙する位置には、ねじ孔208が形成されている。
【0074】
また、前記第1および第2テーパ部202、204を一体的に連結する結合部材214は、内部に周方向に沿って所定角度毎にセレーション溝210が形成された係合孔212を有する。前記係合孔212の内周径は、駆動軸78bおよび弁軸80bの外周径より若干小さく形成される。なお、前記セレーション溝210は、転造加工、または切削加工等により形成されるが、特にこれらの加工方法に限定されるものではない。
【0075】
さらに、前記結合部材214の外周面には、所定角度離間して貫通した複数の冷却用窓(孔部)105bが形成されている。
【0076】
このような構成とすることにより、第1テーパ部202を結合部材214の一端部側の係合孔212に軽く圧入すると、第1テーパ部202がセレーション溝210に嵌合され、駆動軸78bと結合部材214が相互に嵌合される。そのため、駆動軸78bと弁軸80bとの接触面積、すなわち伝熱面積が小さくなり、熱伝達が阻止される。
【0077】
また、結合部材214の他端部側の係合孔212に弁軸80bを回転させながら挿入することにより、弁軸80bの上面の連結用ねじ206が駆動軸78bのねじ孔208に螺合される。前記弁軸80bが駆動軸78bに螺合されることにより、駆動軸78bと弁軸80bとが互いに引張されている状態になるため、駆動軸78bと弁軸80bとが結合部材214を介して軸線方向に規制された状態となる。
【0078】
その結果、結合部材214のセレーション溝210に嵌合された駆動軸78bに対して、連結用ねじ206を介して弁軸80bを一体的に連結させることにより該弁軸80bの軸線方向への変位が規制されるとともに、半径方向への変位も規制されているため、簡便に弁軸80bの駆動軸78bに対する同芯度および弁座38に対する直角度を高精度に維持することができる。
【0079】
また、駆動軸78bと弁軸80bとが連結用ねじ206で連結された際、該駆動軸78bの下面と該弁軸80bの上面とに所定間隔離間したクリアランス216が形成されているため、排気ガスによって高温となった弁軸80bから駆動軸78bに熱が伝達されることを防止することができる。
【0080】
さらに、結合部材214の冷却用窓105bを介して弁軸80bの外周面が外部に露呈しているため、前記冷却用窓105bを介して弁軸80bの熱が外部に放熱されるとともに、排気ガスに晒されて高温となった弁軸80bを空間部52(図1参照)に流入する外気によって好適に冷却することができる。
【0081】
なお、図10および図11に示されるように、第1および第2テーパ部202、204に対応して結合部材214aの内周面を略中央部に向かって徐々に縮径するテーパ状に形成するとともに、前記第1および第2テーパ部202、204の外周面にそれぞれ周方向に沿って所定角度毎にセレーション溝210aを形成して、駆動軸78bを結合部材214aに軽く圧入するとともに、弁軸80bに設けられた連結用ねじ206を前記駆動軸78bのねじ孔208に螺合することによって駆動軸78bと弁軸80bとを一体的に連結するようにしてもよい。
【0082】
図12および図13に示されるように、第3の変形例に係る連結部250は、駆動軸78cの下端部に下方に向かって徐々に拡径する結合部252の内部に嵌合孔(係合孔)254が形成され、前記嵌合孔254には、弁軸80cの上方に向かって徐々に縮径するテーパ状の第3テーパ部256が挿入される。前記第3テーパ部256の外周面には、周方向に沿って所定角度毎にセレーション溝258が形成されている。また、前記弁軸80cの上面には、連結用ねじ260が突出して設けられ、前記駆動軸78cの嵌合孔254の下面の前記連結用ねじ260に対峙する位置には、ねじ孔262が形成されている。
【0083】
また、前記結合部252の外周面には、所定角度離間して貫通した複数の冷却用窓(孔部)105cが形成されている。
【0084】
このような構成とすることにより、弁軸80cの第3テーパ部256を嵌合孔254に回転させながら挿入することにより、前記第3テーパ部256のテーパ面と、嵌合孔254の内部のセレーション溝258とが嵌合されて伝熱面積が小さくなり、熱伝達が阻止される。
【0085】
また、弁軸80cの上面の連結用ねじ260が駆動軸78cのねじ孔262に螺合されるため軸線方向に一体的に連結され、駆動軸78cに対して弁軸80cの軸線方向の変位が阻止される。その結果、結合部252のセレーション溝258に嵌合された弁軸80cに対して、連結用ねじ260を介して弁軸80cを一体的に連結させることにより、該弁軸80cの軸線方向への変位が規制されるとともに、半径方向への変位も規制されているため、簡便に弁軸80cの駆動軸78cに対する同芯度および弁座38に対する直角度を高精度に維持することができる。
【0086】
また、嵌合孔254に弁軸80cが連結用ねじ260で連結された際、該嵌合孔254と該弁軸80cの上面との間に所定間隔離間したクリアランス264が形成されているため、排気ガスによって高温となった弁軸80cから駆動軸78cに熱が伝達されることを防止することができる。
【0087】
さらに、結合部252の冷却用窓105cを介して弁軸80cの外周面が外部に露呈しているため、前記冷却用窓105cを介して弁軸80cの熱が外部に放熱されるとともに、排気ガスに晒されて高温となった弁軸80cを空間部52(図1参照)に流入する外気によって好適に冷却することができる。
【0088】
なお、図14および図15に示されるように、駆動軸78cの結合部252aの嵌合孔254の内周面に周方向に沿って所定角度毎にセレーション溝258aを形成して、弁軸80cの上方に向かって徐々に縮径するテーパ状の第3テーパ部256を回転させながら挿入し、前記弁軸80cの上面に突出して設けられる連結用ねじ260を駆動軸78cの嵌合孔254の下面のねじ孔262に螺合して、駆動軸78cと弁軸80cとを一体的に連結するようにしてもよい。
【0089】
【発明の効果】
本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0090】
すなわち、前記連結部の変位規制手段によって駆動軸に対する弁軸の半径方向への変位が規制されるため、実質的に弁軸が駆動軸に対して半径方向に変位することがない。弁軸が駆動軸に対して軸線方向および半径方向に密着把持されるため駆動軸と弁軸の軸心とを一致させることができ、この結果、前記弁軸と連結された弁体をより正確に弁座に着座させることができるため、高精度に排気ガスの流量制御を行うことができる。
【0091】
また、駆動軸と弁軸とを連結部を介して一体的に連結するとともに、前記駆動軸を支持するガイド部材を駆動軸側にのみ設けて支持することにより、弁軸が軸線方向に沿って変位する際の弁軸の弁基部側での摺動抵抗がなく、弁体をより一層円滑に変位させることができるとともに、弁軸を支持する部材が不要となるため構成が簡素化し、製造コストの低減を図ることができる。
【0092】
さらに、弁体を弁座より離間させて弁開状態とする際、前記弁体を着座方向に付勢するスプリングによる駆動負荷がないため、ステッピングモータを小型化することができる。
【0093】
さらにまた、前記連結部と、内部に挿入される前記弁軸との間に軸線方向および/または半径方向にクリアランス(部分的非接触部)を設けることにより、排気ガスの作用下に弁軸が高温になった際、前記クリアランスによって弁軸から連結部への熱伝達を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る排気ガス再循環バルブを示す要部縦断面図である。
【図2】図1における連結部の拡大断面図である。
【図3】図1における連結部の分解斜視図である。
【図4】図2のIV−IV線に沿った横断面図である。
【図5】本発明の他の実施の形態に係る排気ガス再循環バルブを示す要部縦断面図である。
【図6】第1変形例に係る連結部の縦断面図である。
【図7】図6のVII−VII線に沿った横断面図である。
【図8】第2変形例に係る連結部の縦断面図である。
【図9】第2変形例に係る連結部の分解斜視図である。
【図10】図8において駆動軸および弁軸にセレーション溝を形成した際の連結部の縦断面図である。
【図11】図9において駆動軸および弁軸にセレーション溝を形成した際の連結部の分解斜視図である。
【図12】第3変形例に係る連結部の縦断面図である。
【図13】第3変形例に係る連結部の分解斜視図である。
【図14】図12において嵌合孔の内部にセレーション溝を形成した際の連結部の縦断面図である。
【図15】図13において嵌合孔の内部にセレーション溝を形成した際の連結部の分解斜視図である。
【図16】従来技術に係る排気ガス再循環バルブを示す縦断面図である。
【符号の説明】
20、120…排気ガス再循環バルブ 22…弁基部
24…ハウジング 26…駆動部
28…弁機構部 34…弁孔
38…弁座 40…連通孔
42…孔部 44…弁カバー
58…ハウジングカバー 66…第1ガイド部材
68…ステッピングモータ 74…ロータ
78、78a〜78c…駆動軸 80、80a〜80c…弁軸
82、150、200、250…連結部 84、122…弁体
86…拡径部 88…ばね部材
92…第2ガイド部材 94…チャック部
96…締付ナット 98…挿入孔
106…係止部 110…係止溝
Claims (7)
- 排気ガスの循環通路と前記通路内に設けられる弁座とを有する弁基部と、
前記弁座に離間・着座することにより前記通路を開閉する弁体と、
前記弁体に一端部が連結される弁軸と、
前記弁基部と連結されるハウジングと、
前記ハウジング内部に配設され、電気信号により駆動する駆動部と、
前記駆動部の駆動作用下に軸線方向に沿って変位する駆動軸と、
前記弁軸と駆動軸とを一体的に連結する連結部と、
からなる排気ガス再循環バルブにおいて、
前記連結部を前記ハウジングの内部空間に配設するとともに、前記連結部には、前記駆動軸に対する前記弁軸の半径方向の変位を規制する変位規制手段を備えることを特徴とする排気ガス再循環バルブ。 - 請求項1記載の排気ガス再循環バルブにおいて、
前記連結部は、前記駆動軸または前記弁軸の端部に徐々に縮径するテーパ状に形成されるテーパ部と、
前記テーパ部に対向する前記駆動軸または前記弁軸の端部に前記テーパ部に対応して内周面がテーパ状に形成される係合孔と、
前記駆動軸と前記弁軸とを軸線方向に連結する連結手段と、
を備えることを特徴とする排気ガス再循環バルブ。 - 請求項1記載の排気ガス再循環バルブにおいて、
前記連結部は、前記駆動軸の一端部に形成され、前記弁軸が内部に挿入されるチャック部と、
前記チャック部の外周に螺合されるナットと、
を備え、
前記ナットの螺合作用下に前記チャック部を内周側に押圧し、前記チャック部によって前記弁軸の外周面を把持することを特徴とする排気ガス再循環バルブ。 - 請求項1記載の排気ガス再循環バルブにおいて、
前記連結部は、前記駆動軸および前記弁軸の端部に徐々にテーパ状に形成されるテーパ部と、
前記テーパ部に対応して内周面がテーパ状に形成される係合孔が形成される結合部材と、
前記駆動軸と前記弁軸とを軸線方向に連結する連結手段と、
を備えることを特徴とする排気ガス再循環バルブ。 - 請求項2または4記載の排気ガス再循環バルブにおいて、
前記テーパ部または前記係合孔にはセレーション溝が形成されることを特徴とする排気ガス再循環バルブ。 - 請求項1記載の排気ガス再循環バルブにおいて、
前記連結部の内部には挿入される前記弁軸との間に軸線方向および/または半径方向にクリアランスが設けられることを特徴とする排気ガス再循環バルブ。 - 請求項1記載の排気ガス再循環バルブにおいて、
前記連結部は、内部に挿入された弁軸の外周面を露呈する孔部を有することを特徴とする排気ガス再循環バルブ。
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- 2002-07-19 JP JP2002210489A patent/JP2004052648A/ja not_active Withdrawn
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