JP2004051795A - 難黄変ポリウレタンフォーム - Google Patents

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Abstract

【課題】膨潤脆化を起こさないポリエーテルポリオールを使用すると共に、黄変現象を抑制するべく、有機スズ触媒およびフェノール系酸化防止剤の使用を制限し、汚染ガス等による黄変現象および水分による膨潤脆化を抑制し、下着用パッドや、医療用マット等の衛生上の問題から洗浄機会が多く、経時的な変色や膨潤脆化による商品力の低下が大きな問題となる部材に好適に使用され得る難黄変ポリウレタンフォームを提供する。
【解決手段】ポリオール100重量部におけるエチレンオキサイドの付加率が15重量部未満であるポリエーテルポリオールを使用し、触媒の一部として使用される有機スズ触媒を、その使用量が該ポリオール100重量部に対し、0.1重量部未満としたポリウレタンフォームを使用する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、難黄変ポリウレタンフォームに関し、更に詳細には、製造コストを低減し、二酸化窒素の如き、所謂NO等の汚染ガスによる黄変を大きく低減すると共に、加水分解による膨潤脆化等を抑制し、例えば日常的に洗浄により水分と接触する下着用パッド等に好適に使用し得る難黄変ポリウレタンフォームに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般にポリウレタンフォームは、その原料であるポリオールおよびイソシアネートの種類や、混合量を変えることで、様々な物性を発現し得る組成とすることが可能であり、優れた軽量性、クッション性、耐薬品性および耐水性を有する等の優れた性質を有している。しかし、光の照射等を受けた場合に、前記ポリウレタンフォーム自体の高分子構造に起因する変色や、フェノール系酸化防止剤等がNO等の汚染ガスと接触することでキノン構造に変化して発色するといった、所謂黄変現象を起こすことが知られている。このような黄変現象は、白色または有彩色とされているポリウレタンフォームの商品価値を下落させるものとして、従来から問題とされていた。
【0003】
【発明が解決すべき課題】
このような黄変現象を抑制する手段として、前記イソシアネートとして、高い黄変抑制性能を有する脂肪族イソシアネートを使用する、という方法が挙げられる。しかしこの方法の場合、前記脂肪族イソシアネートが通常使用される芳香族イソシアネートに較べて高価であるため、製造コストが増大してしまう問題が指摘される。また、前記脂肪族イソシアネートの使用においては、得られるポリウレタンフォームが水との接触により、膨潤および脆化等してしまう欠点も指摘される。この脆化現象は、アルカリ性溶液の使用により更に悪化するため、例えば、代表的なアルカリ性溶液である洗濯液との接触が考えられる衣服類の場合には、殊に注意が必要である。
【0004】
前述のコストの問題は、前記脂肪族イソシアネートに換えて芳香族イソシアネートを使用することで回避可能である。そして、前述のポリウレタンフォーム自体の高分子構造が変化することにより発生する黄変現象は、一般に用いられているフェノール系酸化防止剤等を、該ポリウレタンフォーム原料に混合することで回避可能である。しかしながら、前記フェノール系酸化防止剤は、前述の如くNO等の汚染ガスと接触することでキノン構造に変化して黄変現象を起こしてしまうため、該汚染ガスによる黄変現象の効果的な抑制はなし得なかった。
【0005】
【発明の目的】
この発明は、前述した従来技術に係る難黄変ポリウレタンフォームに関して内在していた欠点に鑑み、これを好適に解決すべく提案されたものであって、ポリオールとして、耐水性、すなわち加水分解による膨潤脆化を起こさないポリエーテルポリオールを使用すると共に、前記黄変現象を抑制するべく、有機スズ触媒およびフェノール系酸化防止剤の使用を制限することで、汚染ガス等による黄変現象および水分による膨潤脆化を抑制し、下着用パッドや、医療用マット等の衛生上の問題から洗浄機会が多く、経時的な変色や膨潤脆化による商品力の低下が大きな問題となる部材に好適に使用され得る難黄変ポリウレタンフォームを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため本願の発明に係る難黄変ポリウレタンフォームは、主原料であるポリオールおよびイソシアネートに対して、複数の触媒および酸化防止剤等の所要の副原料を混合して得たポリウレタンフォームにおいて、
前記ポリオールとして、該ポリオール100重量部におけるエチレンオキサイドの付加率(オキシエチレン単位)が15重量部未満であるポリエーテルポリオールを使用し、
前記触媒の一部として使用される有機スズ触媒を、その使用量が前記ポリオール100重量部に対し、0.1重量部未満とすることを特徴とする。従って、水分に接触した際に生じる膨潤脆化と、黄変現象とが抑制される
【0007】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る難黄変ポリウレタンフォームにつき、好適な実施例を挙げて以下説明する。本願の発明者は、ポリウレタンフォームを構成する主原料の1つであるポリオールとして、水分による加水分解による膨潤および脆化といった劣化が少ないポリエーテルポリオールを使用し、更にそのエチレンオキサイドの付加率(オキシエチレン単位)を該ポリオール100重量部に対して15重量部未満に設定すると共に、通常触媒の一部として好適に使用されている有機スズ触媒の混合量を該ポリオール100重量部に対して0.1重量部未満とすることで、例えば洗濯等による脆化と、汚染ガスによる黄変とを効果的に抑制し得る難黄変ポリウレタンフォームが得られることを知見したものである。
【0008】
また酸化防止剤として、一般的に採用されるフェノール系酸化防止剤に換えて、アルキル亜リン酸エステルの如き加水分解性エステルを採用することで、より良好な耐黄変性が発現することも確認した。なお、本発明においては、水分との接触による膨潤脆化の度合いを表す指標として、後述([0021]以降)する所定条件による洗濯後の膨潤脆化状態による評価を採用した。更に、前記ポリエーテルポリオールの末端1級水酸基(以下、OHで表す)を、20重量部未満に設定することによっても、前記黄変を効果的に抑制し得ることも併せて確認した。
【0009】
本発明の好適な実施例に係る難黄変ポリウレタンフォームは、主原料であるポリエーテルポリオールおよびイソシアネートと、重合開始剤としての触媒、黄変防止のための酸化防止剤、発泡剤、整泡剤および架橋剤等の添加物とを混合することで製造されるものである。また必要に応じて、前記添加物として、可塑剤、鎖延長剤、難燃剤、老化防止剤または充填剤等が使用される。
【0010】
前記ポリオールとして使用されるポリエーテルポリオールは、エーテル結合により高分子化されたポリオールであり、その構造上、加水分解され難い。従って、洗濯等の行為により水分と接触した場合に発生する加水分解により膨潤脆化する等の耐水性の低下は、エステル系ポリオールに比べて殆ど生じない。また、本発明に係るポリエーテルポリオールの場合、該ポリオール鎖の中のグリコール成分を結合させる物質の1つであり、かつ親水性の高いエチレンオキサイドの付加率、すなわちオキシエチレン単位の前記ポリエーテルポリオール100重量部に対して15重量部未満と設定している。
【0011】
前記エチレンオキサイドは、その付加率が多い場合には、ポリウレタンフォームの親水性が高くなり、ウレタン骨格が吸水膨潤するといった作用を引き起こし、このため前記膨潤脆化が大きくなってしまう。従って、前記エチレンオキサイドの付加率を15重量部未満と設定することにより、前記耐水性はより高いものとなり、後述([0021]以降)する膨潤脆化評価に係る実験において、衣類、下着用途の実用に耐えられる、といった結果を得ている。そして、前記エチレンオキサイドの付加率が15重量部以上の場合、前記耐水性が悪化し、膨潤脆化を充分に抑制できなくなってしまう。
【0012】
また前記膨潤脆化を抑えるために、前記ポリエーテルポリオールにおける末端1級OHの含有率は20重量部に設定される。前記末端1級OHは、その含有量が多い場合には、エチレンオキサイドの付加率が多い場合と同じく、ポリウレタンフォームの親水性が高ってしまうため、前記膨潤脆化が大きくなってしまう。具体的には、前記エチレンオキサイドの付加率が15重量部以上となった場合と同様の結果となる。そして、前記エチレンオキサイドの付加率および末端1級OHの含有量が、何れもその限界量以上なった際には、前記膨潤脆化が相乗的に悪化してしまう。
【0013】
前記イソシアネートとしては、通常使用されているイソシアネート基を2個以上有する芳香族系、脂肪族系、脂環族系の各種イソシアネート化合物、更には、イソシアネート化合物を変性して得られる変性イソシアネートが使用可能であり、また該イソシアネートを2種類以上併用するようにしてもよい。具体的には、ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIと云う)、粗製ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート(以下、TDIと云う)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、P−フェニレンジイソシアネート(PPDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチレンジイソシアネート(TMXDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)等の芳香族イソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、シクロヘキシルジイソシアネート(CHDI)、水添化XDI(HXDI)、水添化MDI(H12MDI)等の脂環族イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、リシンジイソシアネート(LDI)、リシントリイソシアネート(LTI)等の脂肪族イソシアネート類が挙げられる。また、その変性体としてはイソシアネート化合物のウレタン変性体、2量体、3量体、カルボジイミド変性体、アロファネート変性体、ビューレット変性体、ウレア変性体またはプレポリマー等が挙げられる。そして、原料コストおよび耐水性の点から、芳香族系イソシアネートの使用が好適である。
【0014】
前記添加物の1つである重合開始剤の触媒としては、例えばジメチルシクロヘキシルアミン、N−メチルジシクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N−メチルモルフォリン、N−エチルモルフォリン、N−ジメチルベンジルアミン等の非反応型モノアミン、トリエチレンジアミン、テトラメチルヘキサメチレンジアミン、ビスジメチルアミノエチルエーテル、テトラメチルプロパンジアミン、ジメチルアミノエチルモルフォリン、テトラメチルエチレンジアミン、ジアゾビシクロウンデセン、2−メチル−1,4−ジアゾ(2,2,2)ビシクロオクタン等の非反応型ジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ペンタメチルジプロピレントリアミン等の非反応型トリアミン、ジメチルエタノールアミン、N−トリオキシエチレン−N,N−ジメチルアミン、N,N−ジメチル−N−ヘキサノールアミン等の反応型アミンまたはこれらの有機酸塩といった、所謂アミン系触媒が好適に使用される。この他、TEDA(トリエチレンジアミン)系、DBU(ジアザビシクロウンヂゼン)系またはイミダゾール系といった、所謂強樹脂化触媒またはその弱酸塩類を使用することも可能である。
【0015】
また、得られるポリウレタンフォームの発泡安定性を得るために、前記アミン系触媒と併用して好適に使用される有機スズ触媒については、その使用により黄変現象の発現が大きくなるため、全く使用しないことが望ましい。この場合、通常状態で前記ポリエーテルポリオール100重量部に対して、0.1重量部以上使用される前記有機スズ触媒の代わりとして、前記アミン系触媒が該ポリエーテルポリオール100重量部に対して、少なくとも0.5重量部以上使用される。この代替により、有機スズ触媒が発現する発泡安定性を確保しつつ、かつ該触媒による黄変現象の抑制を効果的になし得る。なお、前記有機スズ触媒については、その使用量が前記ポリエーテルポリオール100重量部に対して、0.1重量部未満であれば、得られるポリウレタンフォームの黄変性が大きく悪化しないことが確認されている。
【0016】
得られるポリウレタンフォームの黄変現象を抑制するために混合される酸化防止剤としては、リン酸エステル、亜リン酸エステルまたは次亜リン酸エステルといったアルキル亜リン酸エステルの如き加水分解性エステルが好適に使用可能である。前記加水分解性エステルは、それ自体は中性〜弱酸性域を示すもの、具体的には、20℃においてpHが6.5〜7.4の範囲内となる物質である。そして、ポリウレタンフォーム原料に混合された後、該原料のpHが酸性域(pH5〜6以下)に至るまでの間に、該原料の発泡反応に悪影響を及ぼさない程度の加水分解速度を有している。
【0017】
また、前記加水分解性エステルは、ポリウレタンフォームの製造後に加水分解することにより、得られる該フォームに酸性域のpHを発現させる機能も有している。ここで云う「酸性域」とは、pH6以下、好ましくはpH5以下、更に好ましくはpH4以下を指す。このpHは、使用される酸化防止剤である加水分解性エステルのポリウレタンフォーム原料に対する混合量および解離定数により決定されるものである。前記混合量は、前記ポリエーテルポリオール100重量部に対して、少なくとも0.5重量部以上、好適には1.0重量部に設定される。この混合量が、前述の範囲以下であると、充分な黄変現象の抑制が不可能となってしまう。
【0018】
この他の添加物については、以下説明する。前記鎖延長剤としては、ジエチルトルエンジアミン、ジメチルチオトルエンジアミンなどの多価アミン等が、前記難燃剤としては、トリス−ジクロロプロピルホスフェート、トリス−クロロエチルホスフェート、ジブロモネオペンチルアルコール、トリブロモネオペンチルアルコール等が夫々挙げられる。前記架橋剤としては、従来公知のエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、グリセリン、トリメチローラプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アルコール類、ヘキサメチレンジアミン、ヒドラジン、ジエチルトルエンジアミン、ジエチレントリアミン等のアミン類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミノアルコール類が挙げられる。前記発泡剤としては、水、シクロペンタン、イソペンタン、ノルマルペンタン等の炭化水素類、ノナフロロブチルメチルエーテル、ノナフロロイソブチルメチルエーテル、ノナフロロブチルエチルエーテル、ノナフロロイソブチルエチルエーテル、ペンタフロロエチルメチルエーテルまたはヘプタフロロイソプロピルメチルエーテル等のハイドロフルオロカーボン類或いは液化炭酸ガス等が用いられる。前記整泡剤については、通常の発泡体の製造にて通常使用されている物質が使用可能である。例えば、ジメチルシロキサン系、ポリエーテルジメチルシロキサン系またはフェニルメチルシロキサン系等の各種整泡剤が挙げられる。
【0019】
前記難黄変ポリウレタンフォームの製造方法については、前述([0009])の如く、基本的に通常のポリウレタンフォームの製造方法と変わりがない。すなわち、主原料であるポリオールおよびイソシアネートと、複数の触媒および酸化防止剤等の所要の副原料とを混合することで製造される。そして前記酸化防止剤として、前述の加水分解性エステルを使用する場合には、該加水分解性エステルの加水分解による酸性域のpH発現前に前記各原料を発泡反応させてポリウレタンフォームを製造する必要がある。このようにすることにより、良好なフォームが形成されると共に、その後に前記加水分解性エステルの加水分解によって、酸性域のpHが発現されて、得られるポリウレタンフォームが難黄変性を具備するに至るものである。
【0020】
なお、本発明における黄変性については、後述([0024])する「汚染(NO)ガス暴露試験」で得られたΔYI(イエローインデックス)により評価するものとした。前記ΔYIは、ポリウレタンフォームの黄変性を評価する上で、一般的な指標だからである。また、通常、前記ΔYIが12以下であれば、通常の使用に問題がない水準として理解されていることから、該ΔYIが12以下の場合を、「難黄変性を有する」として評価するものとした。
【0021】
【実験例】
以下に、本発明に係る難黄変ポリウレタンフォームを製造する際の、触媒やポリオールの種類といった条件を変化させて得た難黄変ポリウレタンフォームの各物性値を測定した実験例を示す。なお、本発明に係る難黄変ポリウレタンフォームは、この実験例に限定されるものではない。
【0022】
(実験1) 有機スズ触媒の混合量と、黄変性との関係について
前記ポリウレタンフォームの原料である触媒としての有機スズ触媒の混合量を変化させ、以下の表1に記載の内容とした実施例1および2に係るポリウレタンフォームと、比較例1〜3に係るポリウレタンフォームを夫々製造し、汚染ガスに対する黄変性等を測定した。なお、使用した各原料および測定方法は、以下に述べる(以降に記載する実験2および実験3について関係するものも併記する)。
【0023】
使用した各原料は以下の通りである。
・ポリオールA:ポリエステルポリオール(商品名 GP3000;三洋化成製(オキシエチレン単位:0重量部、末端1級OH:0重量部))
・ポリオールB:ポリエステルポリオール(商品名 GP3030;三洋化成製(オキシエチレン単位:5重量部、末端1級OH:2重量部))
・ポリオールC:ポリエステルポリオール(商品名 FA225;三洋化成製(オキシエチレン単位:17重量部、末端1級OH:22重量部))
・ポリオールD:ポリエステルポリオール(商品名 FA226;三洋化成製(オキシエチレン単位:20重量部、末端1級OH:53重量部))
・ポリオールE:ポリエステルポリオール(商品名 SBUポリオール0350;住友バイエルウレタン製(オキシエチレン単位:22重量部、末端1級OH:55重量部))
・イソシアネート:トリレンジイソシアネート(商品名 TDI−80;住化バイエルウレタン製)
・アミン系触媒A:トリエチレンジアミン(商品名 DABCO 33LV;エアープロダクツジャパン製)
・アミン系触媒B:トリエチレンジアミン酸ブロック体(商品名 DABCO 8154;エアープロダクツジャパン製)
・有機スズ触媒A:スタナスオクトエート(商品名 DABCO T−9;エアープロダクツジャパン製)
・有機スズ触媒B:ジブチルチンジラウレート(商品名 DABCO T−12;エアープロダクツジャパン製
・酸化防止剤:ジイソデシルペンタエリスリトールジフォスファイド(商品名 WESTON600;GEスペシャリティケミカルズ製)
・整泡剤:シリコーン整泡剤(商品名 SH194;東レダウコーニング製)
・発泡剤:水
【0024】
使用した測定方法は以下の通りである。
・黄変性評価:以下の2つの試験を行ない、A.汚染(NO)ガス暴露試験で得られたΔYIが12以下の場合に、○:難黄変性を有する、×:難黄変性を有しない、として評価した。
A.汚染(NO)ガス暴露試験:密閉容器内に得られたポリウレタンフォームの試験片を載置すると共に、10ppmのNOガス雰囲気とし、5時間放置して、処理前後の該試験片の色差を色差計(商品名 SM−4;スガ試験機製)により測定し、ΔYI(イエローインデックス)で表した。
B.放置試験:日光に当たらない屋内に前記試験片を放置し、所定日数経過前後の該試験片の色差を前述の色差計により測定し、ΔYI(イエローインデックス)で表した。
・膨潤脆化評価:以下の、C.洗濯時膨潤脆化試験実施後の試験片の状態を目視で観察し、○:膨潤脆化が観察されない、△:多少の膨潤脆化が観察される、×:明らかな膨潤脆化が観察される、で評価した。
C.洗濯時膨潤脆化試験:洗剤(商品名 ウルトラアリエール;P&G製)を使用した5%溶液に対して、水温50℃、16時間の条件で浸漬と、温度100℃、8時間の条件での乾燥とからなる1サイクルを10回実施する。
・総合評価:前記黄変評価および膨潤脆化評価から、○:製品として好適に使用し得る、△:製品としての実用に耐える、×:製品としての実用に耐えない、の評価を行なった。
【0025】
【表1】
Figure 2004051795
【0026】
(実験1の結果)
実験1から得られる結果を上記の表1に併記する。この表1に記載の結果から、所要の酸化防止剤を使用した場合、前記有機スズ触媒の使用はポリオール100重量部に対して0.1重量部未満であれば、良好な難黄変性を備えるポリウレタンフォームが得られることが確認された。
【0027】
(実験2) 有機スズ触媒および酸化防止剤の使用と、黄変性との関係について
前記ポリウレタンフォームの原料である触媒である有機スズ触媒および酸化防止剤であるビスペンタエリスリトール−ジフォスファイド(加水分解性エステル)を以下の表2に記載の内容とした実施例3および4に係るポリウレタンフォームと、比較例4および5に係るポリウレタンフォームを夫々製造し、汚染ガスに対する黄変性等を測定した。なお、表2に記載した放置試験の結果から、図1に
酸化防止剤添加の効果(図1(a)参照)と、有機スズ触媒使用の影響(図1(b)参照)とを表す。
【0028】
【表2】
Figure 2004051795
【0029】
(実験2の結果)
実験2から得られる結果を上記の表2に併記すると共に、図1に示す。この表2の結果から、有機スズ触媒を使用しない場合は、酸化防止剤を使用しなくても、使用に耐える耐黄変性を達成し得ることが確認された。
【0030】
そして図1の結果から、以下のことが確認された。
▲1▼前記図1(a)は酸化防止剤使用・未使用の差を明確に表すグラフ図である。その縦軸が1.0となると、有機スズ触媒使用・未使用の間で差がないこととなり、その値が小さい程、該触媒未使用の耐黄変性効果が高いことを示すものである。すなわち、酸化防止剤を使用しない場合には、初期的(7日)には耐黄変性が高いが、経時変化により該耐黄変性が悪化してしまい、酸化防止剤未使用では長期間の安定的な使用が困難であることが確認された。
【0031】
▲2▼前記図1(b)は有機スズ触媒使用・未使用の差を明確に表すグラフ図である。その縦軸が1.0となると、酸化防止剤使用・未使用の間で差がないこととなり、その値が小さい程、該防止材未使用の耐黄変性効果が高いことを示すものである。すなわち、有機スズ触媒を使用しない場合には、経時的(30日)に耐黄変性が良好となっていき、従って、長期間の安定的な使用に好適であることが確認された。
【0032】
(実験3) ポリエーテルポリオールのオキシエチレン単位等と、黄変性との関係について
前記ポリウレタンフォームの原料であるポリエーテルポリオールのオキシエチレン単位等の含有量を、以下の表3に記載の如く変化させて得た実施例5〜7に係るポリウレタンフォームと、比較例6〜8に係るポリウレタンフォームを夫々製造し、汚染ガスに対する黄変性等を測定した。
【0033】
【表3】
Figure 2004051795
【0034】
(実験3の結果)
実験3から得られる結果を上記の表3に併記する。この表3に記載の結果から、エチレンオキサイドの付加率(オキシエチレン単位)が15重量部未満であれば、耐黄変性および膨潤脆化の双方が良好となることが確認された。
【0035】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明に係る難黄変ポリウレタンフォームによれば、ポリオールとして、加水分解を起こさず水分による脆化等を起こさないポリエーテルポリオールを使用し、黄変現象の原因となる有機スズ触媒およびフェノール系酸化防止剤の使用を制限することで、汚染ガス等による黄変現象および水分による膨潤脆化を抑制し、経時的な変色や膨潤脆化による商品力の低下が大きな問題となる部材に好適に使用される難黄変ポリウレタンフォームを製造し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実験2に係る結果を、時間を横軸とし、黄変性を表すイエローインデックスの比を縦軸として表したグラス図である。ここで図1(a)は、酸化防止剤使用・未使用の差を明確に表すグラフ図であり、図1(b)は、有機スズ触媒使用・未使用の差を明確に表すグラフ図である。

Claims (5)

  1. 主原料であるポリオールおよびイソシアネートに対して、複数の触媒および酸化防止剤等の所要の副原料を混合して得たポリウレタンフォームにおいて、
    前記ポリオールとして、該ポリオール100重量部におけるエチレンオキサイドの付加率(オキシエチレン単位)が15重量部未満であるポリエーテルポリオールを使用し、
    前記触媒の一部として使用される有機スズ触媒を、その使用量が前記ポリオール100重量部に対し、0.1重量部未満とすることで、
    黄変現象を抑制するようにした
    ことを特徴とする難黄変ポリウレタンフォーム。
  2. 前記ポリエーテルポリオールは、末端1級水酸基(OH)含有量が20重量部未満に設定される請求項1記載の難黄変ポリウレタンフォーム。
  3. 前記酸化防止剤として黄変の防止に寄与し、アルキル亜リン酸エステルの如き加水分解性エステルが使用される請求項1または2記載の難黄変ポリウレタンフォーム。
  4. 前記有機スズ触媒の代わりにアミン系触媒を使用する共に、その混合量が前記ポリオール100重量部に対して、少なくとも0.5重量部以上に設定されている請求項1〜3の何れかに記載の難黄変ポリウレタンフォーム。
  5. 前記イソシアネートとして、芳香族イソシアネートが使用される請求項1〜4の何れかに記載の難黄変ポリウレタンフォーム。
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