JP2004051568A - 皮膚外用剤及び食品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】デコリン産生促進作用を有するカウレルパ ラセモサ(Caulerpa racemosa)藻類抽出物及びビロウ属(Livistona R. Br.)植物抽出物を皮膚外用剤に配合する。また、デコリン産生促進作用を有するカウレルパ ラセモサ(Caulerpa racemosa)藻類抽出物及びビロウ属(Livistona R. Br.)植物抽出物を食品に配合する。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、老化症状の防止或いは改善において、優れた効果を発揮する皮膚外用剤及び食品に関し、さらに詳しくは、カウレルパ ラセモサ(Caulerpa racemosa)藻類抽出物及びビロウ属(Livistona R. Br.)植物抽出物を含有する皮膚外用剤、並びにカウレルパ ラセモサ(Caulerpa racemosa)藻類抽出物及びビロウ属(Livistona R. Br.)植物抽出物を含有する食品に関する。
【0002】
【従来の技術】
加齢や紫外線等による真皮マトリックスの減少や変性は、シワや皮膚の弾性低下といった老化症状の重要な要因となっており、係る老化症状を改善するために従来の皮膚外用剤や食品の分野では、様々な有効成分の検討がなされてきた。従来の老化改善の有効成分としては、真皮マトリックスの構成成分であるコラーゲンやエラスチン等の産生促進剤や分解阻害剤などが知られており、近年では真皮マトリックス成分の分解に関与しているマトリックスメタロプロテアーゼの阻害剤に関する研究なども行われている。しかし、これらの有効成分は、副作用の点から配合が制限される場合や有効量を配合すると着色・不快臭といった問題が発生する場合があるなど安定性や効果の点から未だ十分なものは得られていないのが現状であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上記のような従来の問題点を解決し、老化症状の防止や改善に優れ、皮膚外用剤や食品等に応用可能な成分を提供することを目的に、真皮マトリックス構造を強化する成分であるデコリンに着目し検討を行った。
【0004】
デコリンは、プロテオグリカンの一種であり、ポリペプチド鎖に1本の糖鎖が共有結合した分子量約12万の複合糖質である。デコリンは、真皮線維芽細胞によって産生され、コラーゲン線維の生成過程においてコラーゲン同士の結合を調節する機能を持ち、真皮マトリックス構造の支持に大きな役割を果たしている。このため、真皮線維芽細胞におけるデコリン産生を促進する成分は、真皮マトリックス構造を強化し、シワや皮膚の弾性低下といった老化症状の防止や改善に非常に有効であると考えられた。
【0005】
従って、本発明の課題は、デコリン産生を促進する成分を見出し、老化症状の防止や改善に優れた効果を発揮する皮膚外用剤及び食品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明者らは、真皮線維芽細胞におけるデコリン産生の促進効果に基づき、広く種々の成分について検討を行った。その結果、カウレルパ ラセモサ(Caulerpa racemosa)藻類抽出物及びビロウ属(Livistona R. Br.)植物抽出物を併用することにより、優れたデコリン産生促進作用が発揮されることを見出し、さらに検討を加え、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、カウレルパ ラセモサ(Caulerpa racemosa)藻類抽出物及びビロウ属(LivistonaR. Br.)植物抽出物を含有し、老化症状の防止や改善に優れた効果を発揮する皮膚外用剤及び食品を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明で用いるカウレルパ ラセモサ(Caulerpa racemosa)藻類抽出物の出発原料となるカウレルパ ラセモサ(Caulerpa racemosa)藻類は、緑藻綱(Chlorophyceae)イワヅタ科(Caurelpaceae)イワヅタ属(Caulerpa)に属する海藻であり、本州の太平洋南部,九州,南西諸島,太平洋熱帯域,インド洋に広く分布しており、ウミブドウやシーグレープ(Sea Grapes)と言われる場合もある。カウレルパ ラセモサ(Caulerpa racemosa)藻類には、カウレルパ ラセモサ(Caulerpa racemosa)以外に多数の変種が存在することが知られている。カウレルパ ラセモサ(Caulerpa racemosa)の変種としては、センナリヅタ(Caurelpa racemosa var. clavifera f. macrophysa),スリコギヅタ(Caurelpa racemosa var. laete−virens),ヒラエヅタ(Caurelpa racemosa var. lamourouxii),エツキヅタ(Caurelpa racemosavar. occidentalis),タカツキヅタ(Caurelpa racemosa var. peltata),コハギヅタ(Caurelpa racemosa var. uvifera),カウレルパ ラセモサ ツルビナタ(Caulerpa racemosa var. turbinata)などが知られている。
【0008】
また、本発明で用いるビロウ属(Livistona R. Br.)植物抽出物の出発原料となるビロウ属(Livistona R. Br.)植物は、亜熱帯地域に広く分布しているヤシ科の植物である。日本近郊では、中国、台湾北部から南西諸島を経て、九州から四国の南部まで分布している。海岸近くに生育し、扇形葉をもつ常緑の高木である。ビロウ属(Livistona R. Br.)植物としては、ビロウ(Livistona chinensis (Jacq.) R. Br. var. subglobosa (Hassk.) Becc.)、トウビロウ(Livistona chinensis R. Br.var. chinensis)、ジャワビロウ(Livistona rotundifolia Mart.)、オーストラリアビロウ(Livistona australis)、オガサワラビロウ(Livistona chinensis R. Br. var. boninensis Becc.)などが知られている。
【0009】
上記のカウレルパ ラセモサ(Caulerpa racemosa)藻類及びビロウ属(Livistona R. Br.)植物の抽出物を得る際は、カウレルパ ラセモサ(Caulerpa racemosa)藻類及びビロウ属(Livistona R. Br.)植物を生のまま、若しくは細切,乾燥,粉砕等の処理を行った後に抽出を行うことが好ましい。抽出は、抽出溶媒に浸漬するか、超臨界流体や亜臨界流体を用いた抽出方法でも行うことができる。抽出効率を上げるため、撹拌や抽出溶媒中でホモジナイズしてもよい。抽出温度としては、5℃程度から抽出溶媒の沸点以下の温度とするのが適切である。抽出時間は抽出溶媒の種類や抽出温度によっても異なるが、1時間〜14日間程度とするのが適切である。
【0010】
抽出溶媒としては、水の他、メタノール,エタノール,プロパノール,イソプロパノール等の低級アルコール、1,3−ブチレングリコール,プロピレングリコール,ジプロピレングリコール,グリセリン等の多価アルコール、エチルエーテル,プロピルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル,酢酸ブチル等のエステル類、アセトン,エチルメチルケトン等のケトン類などの溶媒を用いることができ、これらより1種又は2種以上を選択して用いる。また、生理食塩水,リン酸緩衝液,リン酸緩衝生理食塩水等を用いてもよい。さらに、水や二酸化炭素,エチレン,プロピレン,エタノール,メタノール,アンモニアなどの1種又は2種以上の超臨界流体や亜臨界流体を用いてもよい。
【0011】
カウレルパ ラセモサ(Caulerpa racemosa)藻類及びビロウ属(Livistona R. Br.)植物の上記溶媒による抽出物は、そのままでも使用することができるが、濃縮,乾固した物を水や極性溶媒に再度溶解したり、或いはこれらの生理作用を損なわない範囲で脱色,脱臭,脱塩等の精製処理を行ったり、カラムクロマトグラフィー等による分画処理を行った後に用いてもよい。カウレルパ ラセモサの前記抽出物やその処理物及び分画物は、各処理及び分画後に凍結乾燥し、用時に溶媒に溶解して用いることもできる。また、リポソーム等のベシクルやマイクロカプセル等に内包させて用いることもできる。
【0012】
本発明に係るカウレルパ ラセモサ(Caulerpa racemosa)藻類抽出物及びビロウ属(Livistona R. Br.)植物抽出物を含有する皮膚外用剤は、使用方法に応じて、ローション,乳液,ゲル,クリーム,軟膏剤,粉末,顆粒等の種々の剤型で提供することができる。なお、必要に応じて、通常皮膚外用剤に配合される油性成分,保湿剤,粉体,色素,乳化剤,可溶化剤,洗浄剤,紫外線吸収剤,増粘剤,薬剤,香料,樹脂,防菌防黴剤,植物抽出物,アルコール類等を適宜配合することができ、本発明の効果を損なわない範囲において、他のデコリン産生促進剤との併用も可能である。
【0013】
また、本発明に係るカウレルパ ラセモサ(Caulerpa racemosa)藻類抽出物及びビロウ属(Livistona R. Br.)植物抽出物を含有する食品は、使用方法に応じて、ガムやキャンディーのような口腔用組成物、かまぼこ,ちくわ等の水産練り製品、ソーセージ,ハム等の畜産製品、洋菓子類、和菓子類、生麺,ゆで麺等の麺類、ソース,しょう油,たれなどの調味料、漬け物、総菜、清涼飲料水等一般的な飲食品の剤型とすることができる。その際、食品に一般的に用いられる各種成分、例えば、砂糖,練乳,小麦粉,ショートニング,食塩,ブドウ糖,鶏卵,バター,マーガリン,水飴,カルシウム,鉄分,調味料,香辛料等を適宜配合することができ、本発明の効果を損なわない範囲において、他のデコリン産生促進剤との併用も可能である。
【0014】
【実施例】
さらに実施例により、本発明の特徴について詳細に説明する。まず、本発明に係るカウレルパ ラセモサ(Caulerpa racemosa)藻類抽出物の調製方法を示す。
【0015】
[調製方法1]
1kgのカウレルパ ラセモサ(Caulerpa racemosa)藻類をホモジナイザーによって粉砕し、得られた懸濁液をろ過してろ液を回収し、凍結した。凍結後に溶解し、濾過により不溶物を取り除き、得られたろ液を凍結乾燥し、カウレルパ ラセモサ(Caulerpa racemosa)藻類抽出物を得た。
【0016】
[調製方法2]
1kgのカウレルパ ラセモサ(Caulerpa racemosa)藻類に50重量%エタノール水溶液を10リットル加え、室温で7日間浸漬した。抽出液をろ過して回収し、溶媒を除去した後、カウレルパ ラセモサ(Caulerpa racemosa)藻類抽出物を得た。
【0017】
[調製方法3]
カウレルパ ラセモサ(Caulerpa racemosa)藻類の乾燥粉砕物1kgにメタノールを9リットル加え、室温で7日間浸漬した。抽出液をろ過して回収し、溶媒を除去した後、カウレルパ ラセモサ(Caulerpa racemosa)藻類抽出物を得た。
【0018】
[調製方法4]
超臨界抽出装置にカウレルパ ラセモサ(Caulerpa racemosa)藻類を投入し、40℃において15MPaの気圧下で二酸化炭素の超臨界流体によって抽出した。抽出物を回収し、カウレルパ ラセモサ(Caulerpa
racemosa)藻類抽出物を得た。
【0019】
次に、本発明に係るビロウ属(Livistona R. Br.)植物抽出物の調製方法を示す。
【0020】
[調製方法5]
ビロウ属(Livistona R. Br.)植物の乾燥粉砕物1kgに50重量%エタノール水溶液を10リットル加え、室温で7日間浸漬した。抽出液をろ過して回収し、溶媒を除去した後、ビロウ属(Livistona R. Br.)植物抽出物を得た。
【0021】
[調製方法6]
ビロウ属(Livistona R. Br.)植物の乾燥粉砕物1kgに水を9リットル加え、90℃にて6時間還流して抽出した。抽出液をろ過して回収し、溶媒を除去した後、ビロウ属(Livistona R. Br.)植物抽出物を得た。
【0022】
[調製方法7]
ビロウ属(Livistona R. Br.)植物の乾燥粉砕物1kgにメタノールを9リットル加え、室温で7日間浸漬した。抽出液をろ過して回収し、溶媒を除去した後、ビロウ属(Livistona R. Br.)植物抽出物を得た。
【0023】
[調製方法8]
超臨界抽出装置にビロウ属(Livistona R. Br.)植物を投入し、40℃において15MPaの気圧下で二酸化炭素の超臨界流体を用いて抽出した。抽出物を回収し、ビロウ属(Livistona R. Br.)植物抽出物を得た。
【0024】
次に、カウレルパ ラセモサ(Caulerpa racemosa)藻類抽出物及びビロウ属(Livistona R. Br.)植物抽出物の真皮線維芽細胞におけるデコリン産生促進作用について示す。評価には、カウレルパ ラセモサ(Caulerpa racemosa)から調製方法1によって得られたカウレルパ ラセモサ抽出物を試料1として用い、ビロウ(Livistonachinensis (Jacq.) R. Br. var. subglobosa (Hassk.) Becc.)の実から調製方法5によって得られたビロウ抽出物を試料2として用いた。
【0025】
評価は、以下の手順で行った。正常ヒト真皮線維芽細胞を1ウェル当たり2.0×104個となるように96穴マイクロプレートに播種した。播種培地には、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)に1%のウシ胎児血清を添加したものを用いた。24時間培養後、試料1及び試料2を表1に示すそれぞれの濃度で添加した試験培地(No.1〜9)に交換し、さらに24時間培養した。培養後に培養上清中に分泌されたデコリン産生量をELISA法(Enzyme−linked immunosorbent assay)により定量した。また、ブランクとして、試料が無添加の培地を用い、ブランクでのデコリン産生量をELISA法により定量した。評価結果を、ブランクでのデコリン産生量を100とした場合の相対値にて表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
表1より、試料1を0.02mg/mL若しくは0.01mg/mLそれぞれ単独で添加した試験培地(No.1,No.2)或いは試料2を0.05mg/mL若しくは0.1mg/mLそれぞれ単独で添加した試験培地(No.3,No.4)においては、有意なデコリン産生促進作用は認められなかったが、試料1及び試料2を併用して添加した試験培地(No.5〜9)においては、有意なデコリン産生促進作用が認められた。特に、試料1を0.01mg/mL,試料2を0.05mg/mL添加した試験培地(No.8)、及び試料1を0.01mg/mL,試料2を0.1mg/mL添加した試験培地(No.9)においては、ブランクと比較して、危険率1%未満で有意なデコリン産生促進作用が認められた。このことから、カウレルパ ラセモサ(Caulerpa racemosa)藻類抽出物及びビロウ属(Livistona R. Br.)植物抽出物を併用することにより、低濃度の添加で優れたデコリン産生促進作用が発揮されることが明らかとなった。
【0028】
続いて、本発明に係るカウレルパ ラセモサ(Caulerpa racemosa)藻類抽出物及びビロウ属(Livistona R. Br.)植物抽出物を含有する皮膚外用剤、並びにカウレルパ ラセモサ(Caulerpa racemosa)藻類抽出物及びビロウ属(Livistona R. Br.)植物抽出物を含有する食品の実施例の処方を示す。
【0029】
[実施例1〜6]クリーム
(1)スクワラン 10.0(重量%)
(2)ステアリン酸 2.0
(3)水素添加パーム核油 0.5
(4)水素添加大豆リン脂質 0.1
(5)セタノール 3.6
(6)親油型モノステアリン酸グリセリン 2.0
(7)グリセリン 10.0
(8)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(9)アルギニン(20重量%水溶液) 15.0
(10)精製水 41.5
(11)カルボキシビニルポリマー(1重量%水溶液) 15.0
(12)表2記載のカウレルパ ラセモサ藻類抽出物 0.1
(13)表3記載のビロウ属植物抽出物 0.1
製法:(1)〜(6)の油相成分を80℃にて加熱溶解する。一方(7)〜(11)の水相成分を80℃にて加熱溶解する。これに前記油相成分を攪拌しながら加え、ホモジナイザーにより均一に乳化する。乳化終了後、冷却を開始し、40℃にて(12)と(13)を加え、均一に混合する。
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】
[実施例7]化粧水
(1)エタノール 15.0(重量%)
(2)ポリオキシエチレン(40E.O.)硬化ヒマシ油 0.3
(3)香料 0.1
(4)カウレルパ ラセモサ抽出物[調製方法1] 0.25
(5)ビロウ抽出物(実)[調製方法1] 0.25
(6)精製水 83.88
(7)クエン酸 0.02
(8)クエン酸ナトリウム 0.1
(9)ヒドロキシエチルセルロース 0.1
製法:(1)に(2)〜(5)を溶解する。溶解後、(6)〜(8)を順次添加した後、十分に攪拌し、(9)を加え、均一に混合する。
【0033】
製法:(1)〜(6)の油相成分を80℃にて加熱溶解する。一方(7)〜(10)の水相成分を80℃にて加熱溶解する。これに前記油相成分を攪拌しながら加え、ホモジナイザーにより均一に乳化する。乳化終了後、冷却を開始し、(11)〜(13)を順次加え、均一に混合する。
【0034】
製法:(1)〜(6)の水相成分を混合し、75℃にて加熱溶解する。一方、(7)〜(14)の油相成分を混合し、75℃にて加熱溶解する。次いで、上記水相成分に油相成分を添加して予備乳化を行った後、ホモミキサーにて均一に乳化する。乳化終了後に冷却を開始し、50℃にて(15)を加える。さらに40℃まで冷却し、(16)と(17)を加え、均一に混合する。
【0035】
[実施例10]水性ジェル
(1)カルボキシビニルポリマー 0.5(重量%)
(2)精製水 86.65
(3)水酸化ナトリウム(10重量%水溶液) 0.5
(4)エタノール 10.0
(5)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(6)香料 0.1
(7)エツキヅタ抽出物[調製方法4] 0.01
(8)ポリオキシエチレン(60E.O.)硬化ヒマシ油 0.1
(9)グリセリン 2.0
(10)カウレルパ ラセモサ抽出物[調製方法3] 0.01
(11)ビロウ抽出物(実)[調製方法1] 0.01
(12)オガサワラビロウ抽出物(根)[調製方法3] 0.01
(13)ヒラエヅタ抽出物[調製方法1] 0.01
製法:(1)を(2)に加え、均一に攪拌した後、(3)を加える。均一に攪拌した後,(4)に予め溶解した(5)を加える。均一に攪拌した後、予め混合しておいた(6)〜(8)を加える。均一に攪拌した後、(9)〜(13)を順次加え、均一に混合する。
【0036】
[実施例11]クレンジング料
(1)スクワラン 81.9(重量%)
(2)イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル 15.0
(3)精製水 3.096
(4)カウレルパ ラセモサ抽出物[調製方法4] 0.002
(5)ビロウ抽出物(実)[調製方法1] 0.002
製法:(1)と(2)を均一に溶解する。これに、(3)〜(5)を順次加え、均一に混合する。
【0037】
[実施例12]洗顔フォーム
(1)ステアリン酸 16.0(重量%)
(2)ミリスチン酸 16.0
(3)親油型モノステアリン酸グリセリン 2.0
(4)グリセリン 20.0
(5)水酸化ナトリウム 7.5
(6)ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 1.0
(7)精製水 37.0
(8)センナリヅタ抽出物[調製方法1] 0.25
(9)ビロウ抽出物(葉)[調製方法1] 0.25
製法:(1)〜(4)の油相成分を80℃にて加熱溶解する。一方(5)〜(7)の水相成分を80℃にて加熱溶解し、油相成分と均一に混合撹拌する。冷却を開始し、40℃にて(8)と(9)を加え、均一に混合する。
【0038】
[実施例13]メイクアップベースクリーム
(1)スクワラン 10.0(重量%)
(2)セタノール 2.0
(3)グリセリントリ−2−エチルヘキサン酸エステル 2.5
(4)親油型モノステアリン酸グリセリル 1.0
(5)プロピレングリコール 11.0
(6)ショ糖脂肪酸エステル 1.3
(7)精製水 70.5
(8)酸化チタン 1.0
(9)ベンガラ 0.1
(10)黄酸化鉄 0.4
(11)香料 0.1
(12)カウレルパ ラセモサ抽出物[調製方法2] 0.05
(13)ビロウ抽出物(根)[調製方法1] 0.05
製法:(1)〜(4)の油相成分を混合し、75℃にて加熱溶解する。一方、(5)〜(7)の水相成分を混合し、75℃にて加熱溶解し、これに(8)〜(10)の顔料を加え、ホモミキサーにて均一に分散させる。この水相成分に前記油相成分を加え、ホモミキサーにて乳化する。乳化終了後に冷却を開始し、40℃にて(11)〜(13)の成分を加え、均一に混合する。
【0039】
製法:(1)〜(6)の油相成分を混合し、75℃にて加熱溶解する。一方、(7)〜(10)の水相成分を混合し、75℃にて加熱溶解し、これに(11)〜(15)の顔料を加え、ホモミキサーにて均一に分散する。油相成分を加え、乳化を行う。乳化終了後に冷却を開始し、40℃にて(16)〜(18)の成分を順次加え、均一に混合する。
【0040】
製法:(5)と(6)を(11)の一部に溶解して50℃とし、50℃に加熱した(4)に撹拌しながら徐々に加える。これを混合した後、70℃にて加熱溶解した(1)〜(3)に均一に分散する。これに(7)〜(10)を(11)の残部に70℃にて加熱溶解したものを撹拌しながら加え、ホモミキサーにて乳化する。乳化終了後に冷却を開始し、40℃にて(12)と(13)を加え、均一に混合する。
【0041】
[実施例16]ヘアートニック
(1)エタノール 50.0(重量%)
(2)精製水 49.8998
(3)センナリヅタ抽出物[調製方法3] 0.0001
(4)ビロウ抽出物(実)[調製方法1] 0.0001
(5)香料 0.1
製法:(1)〜(5)の成分を混合,均一化する。
【0042】
[実施例17]パック
(1)精製水 70.8(重量%)
(2)ポリビニルアルコール 12.0
(3)エタノール 10.0
(4)グリセリン 5.0
(5)ポリエチレングリコール(平均分子量1000) 2.0
(6)ビロウ抽出物(実)[調製方法1] 0.05
(7)ヒラエヅタ抽出物[調製方法3] 0.05
(8)香料 0.1
製法:(2)と(3)を混合し、80℃に加温した後、80℃に加温した(1)に溶解する。均一に溶解した後、(4)〜(5)を加え、攪拌しながら冷却を開始する。40℃まで冷却し、(6)〜(8)を加え、均一に混合する。
【0043】
製法:(1)〜(6)の油相成分を混合し、75℃にて加熱溶解後する。一方、(7)〜(10)の水相成分を75℃にて加熱溶解し、前記油相成分を加え、ホモミキサーにて乳化する。乳化終了後に冷却を開始し、40℃にて(11)〜(13)の成分を加え、均一に混合する。
【0044】
[実施例19]入浴剤
(1)香料 0.3(重量%)
(2)カウレルパ ラセモサ抽出物[調製方法1] 0.25
(3)ビロウ抽出物(実)[調製方法1] 0.25
(4)炭酸水素ナトリウム 50.0
(5)硫酸ナトリウム 49.2
製法:(1)〜(5)を均一に混合する。
【0045】
[実施例20]飲料
(1)カウレルパ ラセモサ藻類抽出物 5.0(重量%)
(2)エリスリトール 1.0
(3)クエン酸 0.1
(4)ビロウ抽出物(実)[調製方法1] 0.005
(5)精製水 93.895
製法:(1)〜(5)を均一に混合する。
【0046】
[実施例21]キャンディー
(1)白糖 60.5(重量部)
(2)水飴 38.9
(3)カウレルパ ラセモサ抽出物[調製方法1] 0.25
(4)ビロウ抽出物(実)[調製方法1] 0.25
(5)香料 0.1
製法:(1)〜(2)を加熱混合均一化した後冷却し、70℃で(3)〜(5)の成分を添加し、混合均一化した後成型する。
【0047】
[実施例22]錠剤
(1)カウレルパ ラセモサ抽出物[調製方法1] 0.05(重量部)
(2)ビロウ抽出物(実)[調製方法1] 0.05
(3)ステアリン酸マグネシウム 0.005
(4)乳糖 0.2
製法:(1)〜(3)を打錠機にて打錠し、直径10mm、重量300mgの錠剤とした。
【0048】
[実施例23]散剤
(1)カウレルパ ラセモサ抽出物[調製方法1] 0.25(重量部)
(2)ビロウ抽出物(実)[調製方法1] 0.25
(3)還元乳糖 3.0
(4)大豆オリゴ糖 3.0
(5)エリスリトール 3.0
(6)デキストリン 81.0
(7)精製水 9.5
製法:(1)〜(7)を均一に混合攪拌し、スプレードライを行い散剤とする。
【0049】
本発明の実施例1〜6について使用試験を行い、シワ,タルミ,肌のハリの改善効果を評価した。その際、実施例2において、配合したカウレルパ ラセモサ(Caulerpa racemosa)藻類抽出物及びビロウ属(Livistona R. Br.)植物抽出物のそれぞれを精製水に代替したものを比較例1とし、ビロウ属(Livistona R. Br.)植物抽出物を精製水に代替しカウレルパ ラセモサ抽出物のみを単独で配合したものを比較例2とし、カウレルパ ラセモサ(Caulerpa racemosa)藻類抽出物を精製水に代替しビロウ抽出物のみを単独で配合したものを比較例3とし、これらの比較例についても同時に使用試験を行った。
【0050】
各試料について、シワ,タルミ,肌のハリの低下といった症状が顕著に認められる40〜60才代の男女パネラー20名を一群とし、ブラインドにて1カ月間使用させ、使用前後の皮膚状態の変化を観察して評価した。皮膚の症状の指標として、シワ,タルミ,肌のハリについて、「改善」,「やや改善」,「変化なし」の三段階で評価し、表3に各評価を得たパネラー数にて示した。
【0051】
【表4】
【0052】
表3より明らかなように、シワ,タルミ,肌のハリについて、カウレルパ ラセモサ(Caulerpa racemosa)藻類抽出物とビロウ属(Livistona R. Br.)植物抽出物のいずれも配合しなかった比較例1使用群においては、半数以上のパネラーに改善が認められなかった。また、カウレルパ ラセモサ藻類抽出物のみを単独で配合した比較例2使用群、及びビロウ抽出物のみを配合した比較例3使用群においては、一部のパネラーに改善が認められたが、明確な改善が認められたパネラーは全体の半数以下であった。これらの比較例使用群に対して、カウレルパ ラセモサ(Caulerpa racemosa)藻類抽出物及びビロウ属(Livistona R. Br.)植物抽出物を併用して配合した実施例使用群においては、7割以上のパネラーに明確な改善が認められた。
【0053】
以上のように、本発明の実施例においては、比較例よりも、シワ,タルミ,肌のハリの低下といった老化症状の改善に優れた効果を有していることが明らかとなった。
【0054】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明により、老化症状の防止や改善に優れた効果を発揮する皮膚外用剤及び食品を得ることが出来た。
Claims (2)
- カウレルパ ラセモサ(Caulerpa racemosa)藻類抽出物及びビロウ属(Livistona R. Br.)植物抽出物を含有する皮膚外用剤。
- カウレルパ ラセモサ(Caulerpa racemosa)藻類抽出物及びビロウ属(Livistona R. Br.)植物抽出物を含有する食品。
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