JP2004051403A - 携帯式酸素発生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の携帯式酸素発生装置では粉末の触媒や同じく粉末の過炭酸ソーダを混ぜて水を加えることにより酸素を発生させていたので、発生した酸素共に粉塵が噴出し、酸素を吸引するためには大がかりなフィルタを取り付けなければならない。また、粉末は分子レベルで見れば大粒で、かつ粒径が一定ではないので酸素発生量が安定しない。更に使い捨てであるためコストが高くなる。
【解決手段】本体2に着脱自在のカートリッジ3内に、過酸化水素水5を封入すると共にコロイド状の触媒4を入れた。そして、カートリッジ3を本体2に装着すると隔膜33,34が破られて触媒4が過酸化水素水5注がれるようにした。
【選択図】 図3
【解決手段】本体2に着脱自在のカートリッジ3内に、過酸化水素水5を封入すると共にコロイド状の触媒4を入れた。そして、カートリッジ3を本体2に装着すると隔膜33,34が破られて触媒4が過酸化水素水5注がれるようにした。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯可能な容器内に過酸化水素水を封入し、該封入された過酸化水素水に触媒を作用させて過酸化水素水から酸素を遊離させる携帯式酸素発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の携帯式酸素発生装置として、例えば特開平5−31203号公報により、携帯することのできる伸縮自在の容器内に粉末状の過炭酸ソーダを封入し、この容器内に触媒が溶解された触媒水を注入し、過炭酸ソーダが溶解して発生する過酸化水素水を触媒により分解して酸素を遊離させるものが知られている。
【0003】
また、特開2000−140140号公報により、携帯可能な袋状容器を2室に区画し、一方に水を充填すると共に、他方に粉末状の過炭酸ソーダ及び粉末状の触媒を充填し、一方の水を他方に注水することにより酸素を発生させるようにしたものが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の携帯式酸素発生装置では、何れも粉末状の過炭酸ソーダに触媒を作用させて酸素を遊離させている。このように粉末状の過炭酸ソーダを用いると発生した酸素が容器から排気させる際に微量ではあるが粉末状の過炭酸ソーダが酸素と共に排出される。排気された酸素を吸引する場合には、酸素と共に排出される粉末を除去するため粉末除去状のフィルタを設けなければならない。
【0005】
また、過炭酸ソーダや触媒を粉末状態で用いると、粉末粒子を細かく粉砕しても、分子レベルで見れば大きな塊であり、かつ、同じく分子レベルでは粒子の大きさが均一ではない。そのため粒子径のバラツキにより反応速度が安定しないという不具合が生じる。
【0006】
なお、上記公報に記載された携帯式酸素発生装置は共に、酸素を発生させた後は装置全体を廃棄するように構成されており、一度の使用で捨てられてしまうフィルタその他部分にコストをかけることができない。また、反応を安定化するため過炭酸ソーダを可能な限り微粉末にすることが要求されるものの、フィルタにコストをかけることができないので、フィルタで過炭酸ソーダの微粉末を十分に除去できないという不具合が生じる。
【0007】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、上記の不具合を解消することのできる携帯式酸素発生装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明による携帯式酸素発生装置は、携帯可能な容器内に過酸化水素水を封入し、該封入された過酸化水素水に触媒を作用させて過酸化水素水から酸素を遊離させる携帯式酸素発生装置において、酸素発生装置の本体と、この本体に着脱自在のカートリッジとで構成され、このカートリッジ内に過酸化水素水と触媒とを隔膜を介して封入すると共に、カートリッジを本体に装着した際にこの隔膜の少なくとも一部を貫通させ、過酸化水素水と触媒とを接触させて酸素の発生を開始させる貫通機構を本体に設けたことを特徴とする。
【0009】
酸素の担体として過酸化水素水を用いているので、従来の不具合であった過炭酸ソーダの粉末の微粒子が酸素と共に排出されることがない。そのため、発生した酸素を吸気に用いる場合であっても高性能なフィルタを用いる必要がない。また、過酸化水素水と触媒とをカートリッジ内に封入し、携帯式酸素発生装置の本体に着脱自在とすれば、酸素を発生させた後、カートリッジのみを交換するだけで本体を再利用することができる。
【0010】
なお、カートリッジは本体にセットするまで過酸化水素水と触媒とが接触しないように隔膜で隔絶する必要があるが、本体にセットする前に何らかの原因で隔膜が破損すると過酸化水素水から酸素が遊離してしまい、本体にカートリッジをセットしたときには既に酸素が放出された状態が生じるおそれがある。そこで、上記隔膜を所定の間隔を設けて対向する2枚の膜材で構成し、いずれか一方の隔膜が破損しても、他方の隔膜によって過酸化水素水と触媒とが接触しないようにすることが望ましい。なお、隔膜の厚みを単に厚くしたり、2枚の隔膜を間に空間を設けずに用いたのでは、カートリッジを本体にセットする際に貫通機構による隔膜の貫通に大きな力が必要になる。ところが、上記構成では2枚の膜材を間に空間が設けられるようにして用いるので、貫通機構によって隔膜を貫通する際に大きな力は必要ない。
【0011】
ところで、上記触媒としてコロイド状のものを用いれば、触媒の分子の大きさが一定でバラツキがないコロイド状の触媒によって、過酸化水素水中の過酸化水素水から酸素が遊離する反応が安定して行われる。
【0012】
上記コロイド状の触媒は少なくとも二酸化マンガン、硫化ナトリウム、焼塩を水に添加して加熱することにより生成することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1を参照して、1は本発明による携帯式の酸素発生装置である。この酸素発生装置1は繰り返し使用することのできる本体2と、この本体2に着脱することができ、酸素を発生させるごとに新しいものと交換するカートリッジ3とから構成されている。
【0014】
図2及び図3を参照して、本体2には上部に開閉自在の蓋体21が形成されており、この蓋体21を上方に跳ね上げて開けると酸素の吹き出し口22が露出するように構成されている。また、この本体2の下部には貫通機構である切刃23が形成されている。そして、切刃23の上方にはシールリング24が取り付けられており、本体2にカートリッジ3をセットし、カートリッジ3内で酸素が発生した際に、その酸素が本体2の切刃23とカートリッジ3の内周面との間を通って漏れ出ないようにしている。なお、25は係合爪であり、カートリッジ3を本体2にセットした際に、カートリッジ3の外周面に形成されている係合溝31に係合して、カートリッジ3が本体2から簡単に外れないようにしている。
【0015】
カートリッジ3は本体2にセットするまでは上面に保護キャップ30が取り付けられており、カートリッジ3を本体2にセットする際には保護キャップ30を取り外してカートリッジ3を本体2の下方からセットする。
【0016】
カートリッジ3内には過酸化水素水5とコロイド状の触媒液4とが2枚の隔膜33,34で隔絶された状態で封入されている。なお、触媒液4の上面は隔膜33,34と同じ材質の膜材で形成された封止膜32で外部に漏れ出ないように封止されている。
【0017】
これら隔膜33,34及び封止膜32は共にアルミ箔にナイロンその他の樹脂フィルムが積層された膜材により形成されている。そのため、カートリッジ3を本体2にセットすると、切刃23が封止膜32の周囲を切断し、続いて隔膜33,34も同様にして切断する。すると切断された部分を介して隔膜33,34は上下方向に貫通するので、触媒液4は下方の過酸化水素水5に流れ落ち、両者はカートリッジ内で混合される。
【0018】
すると、過酸化水素水5から酸素が遊離する。その遊離した酸素は、図4に示すように、本体の2の切刃23で囲まれた部分に多数開設された酸素取り入れ口である貫通口から本体2の内部へと入る。本体2の内部には発泡ウレタンがフィルタとして充填されており、過酸化水素水5の飛沫等が仮に貫通口28から本体2内に侵入しても、発泡ウレタンからなるフィルタが飛沫を捕捉し、吹き出し口22から飛沫が出ることを防止し、同時に吹き出し口22から過酸化水素水や触媒液がオーバーフローすることを防止している。
【0019】
この触媒液は過酸化水素水に接触すると過酸化水素水から酸素ガスを遊離させるものである。例えば、本発明では耐熱性のガラス容器に純水を適量注ぎ、そこに過酸化水素を分解する触媒である二酸化マンガンと、逆に過酸化水素水の分解を阻止する負触媒として作用する硫化ナトリウム、及び焼塩を入れ、加熱器で加熱しながら攪拌機で撹拌し、加熱器による加熱で沸騰させるが、純水が蒸発して水量が減少すると定期的に純水を補給して一定の水量以下に減少しないようにした。
【0020】
このように攪拌機で撹拌しながら沸騰させると、沈殿成分が無くなり薄いピンク色のコロイド溶液となった触媒4が得られる。その後加熱器から容器を外し自然冷却させる。触媒4の温度が少なくとも70℃以下まで冷却されると、過酸化水素水を分解する有機酵素であるカタラーゼやペルオキシダーゼを加えて過酸化水素水の分解速度を調節する。なお、コロイド状の触媒4の原料として上記物質の他に、白金、コバルト等を添加してもよい。
【0021】
生成されたコロイド状の触媒4を過酸化水素水に混ぜると、マンガンや有機酵素の作用により過酸化水素水が分解され酸素が気泡となって遊離するが、負触媒が含有されているため酸素は短時間で勢いよく発生するのではなく、長時間(20分程度)にわたって一定の発生速度で安定して酸素が発生する。なお、この酸素の発生速度は触媒4に含有されるマンガンや有機触媒の量と負触媒の量との比率を適宜調節すればよい。
【0022】
上記製法により生成し触媒4を用いて過酸化水素水から酸素を分離発生させた際の酸素発生速度の時間変化を図5に示す。触媒4を過酸化水素水5に注ぐと直ちに酸素の発生が開始され、酸素発生速度は急速に上昇する。但し、酸素発生速度が約V(リットル/分)になると負触媒の作用によりそれ以上酸素発生速度は上昇しない。反応熱による温度上昇との影響により酸素発生速度はその後多少変動するが、酸素発生開始からT(分)経過するまで酸素発生速度はVに維持される。
【0023】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明は、過酸化水素水とコロイド状の触媒を用いているので、酸素と共に微少な粉塵が噴出せず、噴出した酸素は吸気に適している。また、過酸化水素水とコロイド状の触媒とは共に液状であるため互いに均一に混ざり合い、過酸化水素水からの酸素の遊離が安定する。
【0024】
更に、過酸化水素水とコロイド状の触媒とをカートリッジに封入し、装置本体に対して交換できるようにしたので、装置本体を繰り返し使用することができ経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示す斜視図
【図2】本体とカートリッジの状態を示す図
【図3】カートリッジの内部構造を示す図
【図4】本体底面の貫通口の状態を示す図
【図5】酸素の噴出量の変化を示す図
【符号の説明】
2 本体
3 カートリッジ
4 触媒
5 過酸化水素水
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯可能な容器内に過酸化水素水を封入し、該封入された過酸化水素水に触媒を作用させて過酸化水素水から酸素を遊離させる携帯式酸素発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の携帯式酸素発生装置として、例えば特開平5−31203号公報により、携帯することのできる伸縮自在の容器内に粉末状の過炭酸ソーダを封入し、この容器内に触媒が溶解された触媒水を注入し、過炭酸ソーダが溶解して発生する過酸化水素水を触媒により分解して酸素を遊離させるものが知られている。
【0003】
また、特開2000−140140号公報により、携帯可能な袋状容器を2室に区画し、一方に水を充填すると共に、他方に粉末状の過炭酸ソーダ及び粉末状の触媒を充填し、一方の水を他方に注水することにより酸素を発生させるようにしたものが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の携帯式酸素発生装置では、何れも粉末状の過炭酸ソーダに触媒を作用させて酸素を遊離させている。このように粉末状の過炭酸ソーダを用いると発生した酸素が容器から排気させる際に微量ではあるが粉末状の過炭酸ソーダが酸素と共に排出される。排気された酸素を吸引する場合には、酸素と共に排出される粉末を除去するため粉末除去状のフィルタを設けなければならない。
【0005】
また、過炭酸ソーダや触媒を粉末状態で用いると、粉末粒子を細かく粉砕しても、分子レベルで見れば大きな塊であり、かつ、同じく分子レベルでは粒子の大きさが均一ではない。そのため粒子径のバラツキにより反応速度が安定しないという不具合が生じる。
【0006】
なお、上記公報に記載された携帯式酸素発生装置は共に、酸素を発生させた後は装置全体を廃棄するように構成されており、一度の使用で捨てられてしまうフィルタその他部分にコストをかけることができない。また、反応を安定化するため過炭酸ソーダを可能な限り微粉末にすることが要求されるものの、フィルタにコストをかけることができないので、フィルタで過炭酸ソーダの微粉末を十分に除去できないという不具合が生じる。
【0007】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、上記の不具合を解消することのできる携帯式酸素発生装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明による携帯式酸素発生装置は、携帯可能な容器内に過酸化水素水を封入し、該封入された過酸化水素水に触媒を作用させて過酸化水素水から酸素を遊離させる携帯式酸素発生装置において、酸素発生装置の本体と、この本体に着脱自在のカートリッジとで構成され、このカートリッジ内に過酸化水素水と触媒とを隔膜を介して封入すると共に、カートリッジを本体に装着した際にこの隔膜の少なくとも一部を貫通させ、過酸化水素水と触媒とを接触させて酸素の発生を開始させる貫通機構を本体に設けたことを特徴とする。
【0009】
酸素の担体として過酸化水素水を用いているので、従来の不具合であった過炭酸ソーダの粉末の微粒子が酸素と共に排出されることがない。そのため、発生した酸素を吸気に用いる場合であっても高性能なフィルタを用いる必要がない。また、過酸化水素水と触媒とをカートリッジ内に封入し、携帯式酸素発生装置の本体に着脱自在とすれば、酸素を発生させた後、カートリッジのみを交換するだけで本体を再利用することができる。
【0010】
なお、カートリッジは本体にセットするまで過酸化水素水と触媒とが接触しないように隔膜で隔絶する必要があるが、本体にセットする前に何らかの原因で隔膜が破損すると過酸化水素水から酸素が遊離してしまい、本体にカートリッジをセットしたときには既に酸素が放出された状態が生じるおそれがある。そこで、上記隔膜を所定の間隔を設けて対向する2枚の膜材で構成し、いずれか一方の隔膜が破損しても、他方の隔膜によって過酸化水素水と触媒とが接触しないようにすることが望ましい。なお、隔膜の厚みを単に厚くしたり、2枚の隔膜を間に空間を設けずに用いたのでは、カートリッジを本体にセットする際に貫通機構による隔膜の貫通に大きな力が必要になる。ところが、上記構成では2枚の膜材を間に空間が設けられるようにして用いるので、貫通機構によって隔膜を貫通する際に大きな力は必要ない。
【0011】
ところで、上記触媒としてコロイド状のものを用いれば、触媒の分子の大きさが一定でバラツキがないコロイド状の触媒によって、過酸化水素水中の過酸化水素水から酸素が遊離する反応が安定して行われる。
【0012】
上記コロイド状の触媒は少なくとも二酸化マンガン、硫化ナトリウム、焼塩を水に添加して加熱することにより生成することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1を参照して、1は本発明による携帯式の酸素発生装置である。この酸素発生装置1は繰り返し使用することのできる本体2と、この本体2に着脱することができ、酸素を発生させるごとに新しいものと交換するカートリッジ3とから構成されている。
【0014】
図2及び図3を参照して、本体2には上部に開閉自在の蓋体21が形成されており、この蓋体21を上方に跳ね上げて開けると酸素の吹き出し口22が露出するように構成されている。また、この本体2の下部には貫通機構である切刃23が形成されている。そして、切刃23の上方にはシールリング24が取り付けられており、本体2にカートリッジ3をセットし、カートリッジ3内で酸素が発生した際に、その酸素が本体2の切刃23とカートリッジ3の内周面との間を通って漏れ出ないようにしている。なお、25は係合爪であり、カートリッジ3を本体2にセットした際に、カートリッジ3の外周面に形成されている係合溝31に係合して、カートリッジ3が本体2から簡単に外れないようにしている。
【0015】
カートリッジ3は本体2にセットするまでは上面に保護キャップ30が取り付けられており、カートリッジ3を本体2にセットする際には保護キャップ30を取り外してカートリッジ3を本体2の下方からセットする。
【0016】
カートリッジ3内には過酸化水素水5とコロイド状の触媒液4とが2枚の隔膜33,34で隔絶された状態で封入されている。なお、触媒液4の上面は隔膜33,34と同じ材質の膜材で形成された封止膜32で外部に漏れ出ないように封止されている。
【0017】
これら隔膜33,34及び封止膜32は共にアルミ箔にナイロンその他の樹脂フィルムが積層された膜材により形成されている。そのため、カートリッジ3を本体2にセットすると、切刃23が封止膜32の周囲を切断し、続いて隔膜33,34も同様にして切断する。すると切断された部分を介して隔膜33,34は上下方向に貫通するので、触媒液4は下方の過酸化水素水5に流れ落ち、両者はカートリッジ内で混合される。
【0018】
すると、過酸化水素水5から酸素が遊離する。その遊離した酸素は、図4に示すように、本体の2の切刃23で囲まれた部分に多数開設された酸素取り入れ口である貫通口から本体2の内部へと入る。本体2の内部には発泡ウレタンがフィルタとして充填されており、過酸化水素水5の飛沫等が仮に貫通口28から本体2内に侵入しても、発泡ウレタンからなるフィルタが飛沫を捕捉し、吹き出し口22から飛沫が出ることを防止し、同時に吹き出し口22から過酸化水素水や触媒液がオーバーフローすることを防止している。
【0019】
この触媒液は過酸化水素水に接触すると過酸化水素水から酸素ガスを遊離させるものである。例えば、本発明では耐熱性のガラス容器に純水を適量注ぎ、そこに過酸化水素を分解する触媒である二酸化マンガンと、逆に過酸化水素水の分解を阻止する負触媒として作用する硫化ナトリウム、及び焼塩を入れ、加熱器で加熱しながら攪拌機で撹拌し、加熱器による加熱で沸騰させるが、純水が蒸発して水量が減少すると定期的に純水を補給して一定の水量以下に減少しないようにした。
【0020】
このように攪拌機で撹拌しながら沸騰させると、沈殿成分が無くなり薄いピンク色のコロイド溶液となった触媒4が得られる。その後加熱器から容器を外し自然冷却させる。触媒4の温度が少なくとも70℃以下まで冷却されると、過酸化水素水を分解する有機酵素であるカタラーゼやペルオキシダーゼを加えて過酸化水素水の分解速度を調節する。なお、コロイド状の触媒4の原料として上記物質の他に、白金、コバルト等を添加してもよい。
【0021】
生成されたコロイド状の触媒4を過酸化水素水に混ぜると、マンガンや有機酵素の作用により過酸化水素水が分解され酸素が気泡となって遊離するが、負触媒が含有されているため酸素は短時間で勢いよく発生するのではなく、長時間(20分程度)にわたって一定の発生速度で安定して酸素が発生する。なお、この酸素の発生速度は触媒4に含有されるマンガンや有機触媒の量と負触媒の量との比率を適宜調節すればよい。
【0022】
上記製法により生成し触媒4を用いて過酸化水素水から酸素を分離発生させた際の酸素発生速度の時間変化を図5に示す。触媒4を過酸化水素水5に注ぐと直ちに酸素の発生が開始され、酸素発生速度は急速に上昇する。但し、酸素発生速度が約V(リットル/分)になると負触媒の作用によりそれ以上酸素発生速度は上昇しない。反応熱による温度上昇との影響により酸素発生速度はその後多少変動するが、酸素発生開始からT(分)経過するまで酸素発生速度はVに維持される。
【0023】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明は、過酸化水素水とコロイド状の触媒を用いているので、酸素と共に微少な粉塵が噴出せず、噴出した酸素は吸気に適している。また、過酸化水素水とコロイド状の触媒とは共に液状であるため互いに均一に混ざり合い、過酸化水素水からの酸素の遊離が安定する。
【0024】
更に、過酸化水素水とコロイド状の触媒とをカートリッジに封入し、装置本体に対して交換できるようにしたので、装置本体を繰り返し使用することができ経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示す斜視図
【図2】本体とカートリッジの状態を示す図
【図3】カートリッジの内部構造を示す図
【図4】本体底面の貫通口の状態を示す図
【図5】酸素の噴出量の変化を示す図
【符号の説明】
2 本体
3 カートリッジ
4 触媒
5 過酸化水素水
Claims (4)
- 携帯可能な容器内に過酸化水素水を封入し、該封入された過酸化水素水に触媒を作用させて過酸化水素水から酸素を遊離させる携帯式酸素発生装置において、酸素発生装置の本体と、この本体に着脱自在のカートリッジとで構成され、このカートリッジ内に過酸化水素水と触媒とを隔膜を介して封入すると共に、カートリッジを本体に装着した際にこの隔膜の少なくとも一部を貫通させ、過酸化水素水と触媒とを接触させて酸素の発生を開始させる貫通機構を本体に設けたことを特徴とする携帯式酸素発生装置。
- 上記隔膜を所定の間隔を設けて対向する2枚の膜材で構成したことを特徴とする請求項1記載の携帯式酸素発生装置。
- 上記触媒はコロイド状であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の携帯式酸素発生装置。
- 上記コロイド状の触媒は少なくとも二酸化マンガン、硫化ナトリウム、焼塩を水に添加して加熱することにより生成したことを特徴とする請求項1記載の携帯式酸素発生装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002209552A JP2004051403A (ja) | 2002-07-18 | 2002-07-18 | 携帯式酸素発生装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002209552A JP2004051403A (ja) | 2002-07-18 | 2002-07-18 | 携帯式酸素発生装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004051403A true JP2004051403A (ja) | 2004-02-19 |
Family
ID=31933364
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002209552A Pending JP2004051403A (ja) | 2002-07-18 | 2002-07-18 | 携帯式酸素発生装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004051403A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102641537A (zh) * | 2012-05-03 | 2012-08-22 | 陈子文 | 一种新型便捷式供氧装置 |
CN101757747B (zh) * | 2010-01-14 | 2013-05-22 | 西北农林科技大学 | 自动氧气发生器 |
JP2016503712A (ja) * | 2013-01-15 | 2016-02-08 | フィッシャー アンド ペイケル ヘルスケア リミテッド | 送気装置および方法ならびにそのためのガス発生カートリッジ |
WO2024128684A1 (ko) * | 2022-12-15 | 2024-06-20 | 이윤나 | 다용도로 사용할 수 있는 휴대용 산소발생 조성물 및 이를 이용한 사용방법 |
-
2002
- 2002-07-18 JP JP2002209552A patent/JP2004051403A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101757747B (zh) * | 2010-01-14 | 2013-05-22 | 西北农林科技大学 | 自动氧气发生器 |
CN102641537A (zh) * | 2012-05-03 | 2012-08-22 | 陈子文 | 一种新型便捷式供氧装置 |
JP2016503712A (ja) * | 2013-01-15 | 2016-02-08 | フィッシャー アンド ペイケル ヘルスケア リミテッド | 送気装置および方法ならびにそのためのガス発生カートリッジ |
WO2024128684A1 (ko) * | 2022-12-15 | 2024-06-20 | 이윤나 | 다용도로 사용할 수 있는 휴대용 산소발생 조성물 및 이를 이용한 사용방법 |
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