JP2004035363A - 酸素発生方法及び酸素発生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】安定且つ一定流量の酸素発生効果を得ると共に小型の装置で酸素の発生を可能とする。
【解決手段】酸素発生原料と触媒との反応により酸素を発生する方法において、触媒を超微粉末にして純水中に混合し、加熱融合させてコロイド状とし、更に酸素発生装置を酸素発生原料Bと、上記のコロイド状とした触媒Aをそれぞれ別の区画の部屋2、3に収容した酸素発生部材1に対し、酸素マスク11を設けた酸素吸引部材10を着脱自在とし、酸素吸引部材の装着時に酸素発生原料を収容した部屋と触媒を収容した部屋が連通して収容物同士が反応するようにする。
【選択図】 図1
【解決手段】酸素発生原料と触媒との反応により酸素を発生する方法において、触媒を超微粉末にして純水中に混合し、加熱融合させてコロイド状とし、更に酸素発生装置を酸素発生原料Bと、上記のコロイド状とした触媒Aをそれぞれ別の区画の部屋2、3に収容した酸素発生部材1に対し、酸素マスク11を設けた酸素吸引部材10を着脱自在とし、酸素吸引部材の装着時に酸素発生原料を収容した部屋と触媒を収容した部屋が連通して収容物同士が反応するようにする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、酸素発生方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
酸素の吸入を目的とする機器は各種あるが、大別すると酸素をボンベなどの容器に高圧圧縮貯蔵し、必要に応じてこれを噴出させ利用するものと、化学反応を利用して酸素を発生させ、これを利用するものとの2種存する。
【0003】
この発明の酸素発生方法は後者に属するものである。化学反応による酸素発生のための原料(以下、「酸素発生原料」と称する。)として一般的に使用されているものは過酸化水素水(H2O2) 又は過炭酸ナトリウムであり、これらを水溶液中にて解離させ、分離した過酸化水素又は過炭酸ナトリウムより酸素ガスを取り出している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
酸素発生原料として過酸化水素水又は過炭酸ナトリウムを使用した前記の酸素ガス吸引は比較的安価で安全であり、且つ保持が容易であるという利点をもっている。
【0005】
ところで、酸素発生に必要な材料、原料として、上記の酸素発生原料・水・触媒の3点は欠かせないが、従来技術においてはこの内の「水」は外部よりその都度調達していた。図5は従来の酸素発生方法に用いる装置を示すものであるが、酸素を発生させる反応容器30に対して水を供給する水タンク31を用意しなくてはならないので、使用場所が限定され、緊急あるいは安直な使用の妨げとなっていた。ちなみに、従来技術においては水の必要量は過炭酸ソーダ/酸素ガス総量10リットル・100gに対して500ccが基本とされており、その量は決して少なくなかった。
【0006】
一方、過炭酸ナトリウムの粒子による酸素の発生は、過酸化水素の分解反応を利用しているため反応の再現性に安定性がなく、そのため流出する酸素量も不安定となった。更に、従来技術においては触媒として電解二酸化マンガン、天然岩塩、硫化ナトリウムの粉体を混合して使用していた。このように触媒は粉体であるため、各成分粒子の大きさが不均一であり、それゆえに酸素発生原料との融合にバラつきが生じて、安定的な酸素を発生することに難点があった。図6はこの場合の酸素流量の変化を示すグラフである。グラフの縦軸は水量、横軸は経過時間を示すが、ここから明らかなように酸素流量は急激にピークに達した後に急激に減少し、吸引の目的に照らして好ましくないことはいうまでもない。
【0007】
又、従来の酸素発生方法の化学変化では反応環境温度の影響を受ける。このことは過炭酸ナトリウムや過酸化水素水を分離して酸素を取り出す方式の宿命ともいえ(通常反応環境温度が10℃変化すると反応速度は2倍となる)、このため、日常生活温度領域にて使用する場合改良の余地があった。
【0008】
従来、過炭酸ナトリウムや過酸化水素水の分解を早くする触媒として、二酸化マンガン粉末が使用されている。触媒機能は対象化合物との接触によって作用するものであるが、反応速度の決定は単位量の触媒では表面積に比例するものとなる。この場合、通常使用されている二酸化マンガンはその粉末化作業が機械的に行われており、分子レベルでの化学反応に対しては粒度の均一性に極めて欠けている。このことが、触媒反応の経時変化での不均一をもたらし、酸素流出量の不安定さを増加させることになっている。
【0009】
以上、酸素ガス吸入を目的として酸素発生原料に過酸化水素水又は過炭酸ナトリウムを用いた酸素ガス発生方法の既存の方法の欠点を検証したが、この発明による酸素ガス発生方法はこれらの欠点を解決すべく開発されたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
即ち、この発明の酸素発生方法は酸素発生原料と触媒との反応により酸素を発生する方法において、触媒を超微粉末にして純水中に混合し、加熱融合させてコロイド状としたことを特長とする。この場合、酸素発生原料として過酸化水素水を使用し、触媒は少なくとも天然マンガン、酸化コバルト、硫化ナトリウム、天然岩塩、電解二酸化マンガンを含むことが望ましい。又、酸素発生原料として過炭酸ナトリウムを使用することも可能である。
【0011】
上記構成からなるこの発明の酸素発生方法中、酸素発生原料として過酸化水素水を使用した場合には、酸素発生に要する水を外部から調達する必要がなく、このため酸素発生方法を実施する装置の使用場所を限定されず、安直に使用できることが可能となる。
【0012】
又、触媒として粉体を直接用いず、触媒を超微粉末にして純水中に混合し、加熱融合させてコロイド状とすることにより、各粒子が均一となり触媒としての安定性が高まり、必要流量の酸素を安定的に得ることができる。
【0013】
一方、触媒に二酸化マンガン粉体を使用せず、電解二酸化マンガンを使用し、更に天然マンガン、コバルトを加えることにより酸素発生の安定化をはかり、化学反応による熱の発生を抑制することができる。
【0014】
尚、本願明細書においては酸素発生原料と、超微粉末にして純水中に混合し、加熱融合させてコロイド状とした触媒をそれぞれ別の区画の部屋に収容した酸素発生部材に対し、酸素マスクを設けた酸素吸引部材を着脱自在とし、酸素吸引部材の装着時に酸素発生原料を収容した部屋と触媒を収容した部屋が連通して収容物同士が反応するようにしたことを特長とする酸素発生装置を、以上の酸素発生方法を実施するための装置の一例として開示する。
【0015】
【発明の実施の形態】
先ず、この発明の酸素発生方法の特長部分であるコロイド状の触媒の製造の実施例について説明する。
(1) 電解二酸化マンガン、天然マンガン、コバルト、硫化ナトリウム、天然岩塩、有機酸素を一定割合比率を定めて、超微粒粉体化する。尚、この実施例では白金も使用している。
【0016】
この場合の300ccのコロイド状の触媒を作る際の純粋以外の触媒の配合例を下記すれば次の通りである。
【0017】
天然マンガン 25g
酸化コパルト 5g
硫化ナトリウム 100g
天然岩塩 120g
電解二酸化マンガン 40g
自金 3g
(2) これらを純水に入れて攪拌溶解させ、約100時間煮沸する。この際、沈殿しないように一定時間毎に攪拌し、一定量まで溶液が減少すればその都度純水で希釈する。
(3) 以上の行程を繰り返す過程で沈殿がおさまり完全に溶解し、うすいピンク色の液体となる。
【0018】
図4は以上の結果得られたコロイド状の触媒を過酸化水素水と反応させ、流量計で流量の経時変化を記録したグラフである。グラフの縦軸は水量、横軸は経過時間を示すが、ここから明らかなように酸素流量は終始一定しており、吸引の目的に照らして好ましい結果が得られることがわかる。
【0019】
又、図7は水分量と発生熱の関係を示すグラフであり、縦軸は発生熱の温度、横軸は水分量を示す。同様に図8は酸素発生原料として過炭酸ナトリウムを使用し、粉体状の触媒を使用した従来技術を用いて、同量の酸素流量を得るための水分量と発生熱の関係を示すグラフであるが、この発明の場合においては水分量と発生熱が際立って少ないことがわかる。
【0020】
次に、この発明の酸素発生方法を実施するために酸素発生装置の実施例について説明する。図1乃至図3は酸素発生装置を示す図である。この酸素発生装置は酸素発生原料Bと、コロイド状の触媒Aをそれぞれ別の区画の部屋3、2に収容したカセット化した酸素発生部材1と、酸素マスク11を設けた酸素吸引部材10の組み合わせからなり、必要に応じてこれらを着脱する構成からなる。
【0021】
この実施例においては酸素発生部材1の部屋2と3は仕切り4によって区画されており、この仕切りは外力により容易に破壊されるよう構成される。そして、酸素発生部材1に酸素吸引部材10を装着した際に、酸素マスク11に連通する酸素吸引部材のパイプ12が酸素発生部材内へ挿入されることにより、その先端により上記仕切り4を押圧破壊するよう構成している。図3はこの場合の酸素発生部材1の詳細を示す図である。パイプ12により破壊された仕切り4は破壊箇所Xにおいて部屋3と2が連通し、酸素発生原料Bにコロイド状の触媒Aが接触することにより反応が開始され酸素が発生し、この酸素はパイプ内に流出する。
【0022】
一方、上記パイプ12には、異物の濾過と通気抵抗を付与することにより酸素マスク11に向かって流出する酸素の圧力調整を行うためのフィルター13、14が設けられ、一定流量の酸素が取り出される。
【0023】
【発明の効果】
以上の構成よりなるこの発明は次の特有の効果を奏する。
(1) 触媒をコロイド状にすることにより、各粒子がより均一になり触媒としての安定性をさらに高めることができ、安定且つ一定流量の酸素発生効果を得ることができる。
(2) 又、触媒成分構成に天然マンガン、コバルトを加えることにより、酸素発生の安定化と共に化学反応による熱の発生が抑制されことが出来、酸素発生装置が高温になることが防止される。
(3) 酸素発生に必要な水分をコロイド状触媒水で補うことにより、酸素発生原料として過酸化水素水を使用した場合は外部の水を使用しないで酸素の発生を行うことが可能となり、このことにより容器容量を小さくすることができるので、小型の酸素発生装置が実現される。
(4) 上記(3) の効果に関連して、酸素発生装置の反応部分を使い捨てのカセット化した酸素発生部材とすることが可能となり、水を一々調達しなくても酸素吸引部材を酸素発生部材に装着するだけで自動的に酸素が供給される酸素発生装置が実現され、日常の使用はもとより緊急用に常備するのに最適な酸素発生装置となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の酸素発生装置の使用前の一部切り欠き側面図。
【図2】この発明の酸素発生装置の使用状態の一部切り欠き側面図。
【図3】同上、要部の一部切り欠き側面図。
【図4】この発明の酸素発生方法における酸素の流量を示すグラフ。
【図5】従来技術の酸素発生方法を実施した装置の一部切り欠き側面図。
【図6】従来技術の酸素発生方法の酸素の流量を示すグラフ。
【図7】この発明の酸素発生方法における水分量と発生熱の関係を示すグラフ。
【図8】従来技術の酸素発生方法における水分量と発生熱の関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1 酸素発生部材
2 (区画された)部屋
3 (区画された)部屋
10 酸素吸入部材
11 酸素マスク
A 酸素発生原料
B コロイド状の触媒
【発明の属する技術分野】
この発明は、酸素発生方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
酸素の吸入を目的とする機器は各種あるが、大別すると酸素をボンベなどの容器に高圧圧縮貯蔵し、必要に応じてこれを噴出させ利用するものと、化学反応を利用して酸素を発生させ、これを利用するものとの2種存する。
【0003】
この発明の酸素発生方法は後者に属するものである。化学反応による酸素発生のための原料(以下、「酸素発生原料」と称する。)として一般的に使用されているものは過酸化水素水(H2O2) 又は過炭酸ナトリウムであり、これらを水溶液中にて解離させ、分離した過酸化水素又は過炭酸ナトリウムより酸素ガスを取り出している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
酸素発生原料として過酸化水素水又は過炭酸ナトリウムを使用した前記の酸素ガス吸引は比較的安価で安全であり、且つ保持が容易であるという利点をもっている。
【0005】
ところで、酸素発生に必要な材料、原料として、上記の酸素発生原料・水・触媒の3点は欠かせないが、従来技術においてはこの内の「水」は外部よりその都度調達していた。図5は従来の酸素発生方法に用いる装置を示すものであるが、酸素を発生させる反応容器30に対して水を供給する水タンク31を用意しなくてはならないので、使用場所が限定され、緊急あるいは安直な使用の妨げとなっていた。ちなみに、従来技術においては水の必要量は過炭酸ソーダ/酸素ガス総量10リットル・100gに対して500ccが基本とされており、その量は決して少なくなかった。
【0006】
一方、過炭酸ナトリウムの粒子による酸素の発生は、過酸化水素の分解反応を利用しているため反応の再現性に安定性がなく、そのため流出する酸素量も不安定となった。更に、従来技術においては触媒として電解二酸化マンガン、天然岩塩、硫化ナトリウムの粉体を混合して使用していた。このように触媒は粉体であるため、各成分粒子の大きさが不均一であり、それゆえに酸素発生原料との融合にバラつきが生じて、安定的な酸素を発生することに難点があった。図6はこの場合の酸素流量の変化を示すグラフである。グラフの縦軸は水量、横軸は経過時間を示すが、ここから明らかなように酸素流量は急激にピークに達した後に急激に減少し、吸引の目的に照らして好ましくないことはいうまでもない。
【0007】
又、従来の酸素発生方法の化学変化では反応環境温度の影響を受ける。このことは過炭酸ナトリウムや過酸化水素水を分離して酸素を取り出す方式の宿命ともいえ(通常反応環境温度が10℃変化すると反応速度は2倍となる)、このため、日常生活温度領域にて使用する場合改良の余地があった。
【0008】
従来、過炭酸ナトリウムや過酸化水素水の分解を早くする触媒として、二酸化マンガン粉末が使用されている。触媒機能は対象化合物との接触によって作用するものであるが、反応速度の決定は単位量の触媒では表面積に比例するものとなる。この場合、通常使用されている二酸化マンガンはその粉末化作業が機械的に行われており、分子レベルでの化学反応に対しては粒度の均一性に極めて欠けている。このことが、触媒反応の経時変化での不均一をもたらし、酸素流出量の不安定さを増加させることになっている。
【0009】
以上、酸素ガス吸入を目的として酸素発生原料に過酸化水素水又は過炭酸ナトリウムを用いた酸素ガス発生方法の既存の方法の欠点を検証したが、この発明による酸素ガス発生方法はこれらの欠点を解決すべく開発されたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
即ち、この発明の酸素発生方法は酸素発生原料と触媒との反応により酸素を発生する方法において、触媒を超微粉末にして純水中に混合し、加熱融合させてコロイド状としたことを特長とする。この場合、酸素発生原料として過酸化水素水を使用し、触媒は少なくとも天然マンガン、酸化コバルト、硫化ナトリウム、天然岩塩、電解二酸化マンガンを含むことが望ましい。又、酸素発生原料として過炭酸ナトリウムを使用することも可能である。
【0011】
上記構成からなるこの発明の酸素発生方法中、酸素発生原料として過酸化水素水を使用した場合には、酸素発生に要する水を外部から調達する必要がなく、このため酸素発生方法を実施する装置の使用場所を限定されず、安直に使用できることが可能となる。
【0012】
又、触媒として粉体を直接用いず、触媒を超微粉末にして純水中に混合し、加熱融合させてコロイド状とすることにより、各粒子が均一となり触媒としての安定性が高まり、必要流量の酸素を安定的に得ることができる。
【0013】
一方、触媒に二酸化マンガン粉体を使用せず、電解二酸化マンガンを使用し、更に天然マンガン、コバルトを加えることにより酸素発生の安定化をはかり、化学反応による熱の発生を抑制することができる。
【0014】
尚、本願明細書においては酸素発生原料と、超微粉末にして純水中に混合し、加熱融合させてコロイド状とした触媒をそれぞれ別の区画の部屋に収容した酸素発生部材に対し、酸素マスクを設けた酸素吸引部材を着脱自在とし、酸素吸引部材の装着時に酸素発生原料を収容した部屋と触媒を収容した部屋が連通して収容物同士が反応するようにしたことを特長とする酸素発生装置を、以上の酸素発生方法を実施するための装置の一例として開示する。
【0015】
【発明の実施の形態】
先ず、この発明の酸素発生方法の特長部分であるコロイド状の触媒の製造の実施例について説明する。
(1) 電解二酸化マンガン、天然マンガン、コバルト、硫化ナトリウム、天然岩塩、有機酸素を一定割合比率を定めて、超微粒粉体化する。尚、この実施例では白金も使用している。
【0016】
この場合の300ccのコロイド状の触媒を作る際の純粋以外の触媒の配合例を下記すれば次の通りである。
【0017】
天然マンガン 25g
酸化コパルト 5g
硫化ナトリウム 100g
天然岩塩 120g
電解二酸化マンガン 40g
自金 3g
(2) これらを純水に入れて攪拌溶解させ、約100時間煮沸する。この際、沈殿しないように一定時間毎に攪拌し、一定量まで溶液が減少すればその都度純水で希釈する。
(3) 以上の行程を繰り返す過程で沈殿がおさまり完全に溶解し、うすいピンク色の液体となる。
【0018】
図4は以上の結果得られたコロイド状の触媒を過酸化水素水と反応させ、流量計で流量の経時変化を記録したグラフである。グラフの縦軸は水量、横軸は経過時間を示すが、ここから明らかなように酸素流量は終始一定しており、吸引の目的に照らして好ましい結果が得られることがわかる。
【0019】
又、図7は水分量と発生熱の関係を示すグラフであり、縦軸は発生熱の温度、横軸は水分量を示す。同様に図8は酸素発生原料として過炭酸ナトリウムを使用し、粉体状の触媒を使用した従来技術を用いて、同量の酸素流量を得るための水分量と発生熱の関係を示すグラフであるが、この発明の場合においては水分量と発生熱が際立って少ないことがわかる。
【0020】
次に、この発明の酸素発生方法を実施するために酸素発生装置の実施例について説明する。図1乃至図3は酸素発生装置を示す図である。この酸素発生装置は酸素発生原料Bと、コロイド状の触媒Aをそれぞれ別の区画の部屋3、2に収容したカセット化した酸素発生部材1と、酸素マスク11を設けた酸素吸引部材10の組み合わせからなり、必要に応じてこれらを着脱する構成からなる。
【0021】
この実施例においては酸素発生部材1の部屋2と3は仕切り4によって区画されており、この仕切りは外力により容易に破壊されるよう構成される。そして、酸素発生部材1に酸素吸引部材10を装着した際に、酸素マスク11に連通する酸素吸引部材のパイプ12が酸素発生部材内へ挿入されることにより、その先端により上記仕切り4を押圧破壊するよう構成している。図3はこの場合の酸素発生部材1の詳細を示す図である。パイプ12により破壊された仕切り4は破壊箇所Xにおいて部屋3と2が連通し、酸素発生原料Bにコロイド状の触媒Aが接触することにより反応が開始され酸素が発生し、この酸素はパイプ内に流出する。
【0022】
一方、上記パイプ12には、異物の濾過と通気抵抗を付与することにより酸素マスク11に向かって流出する酸素の圧力調整を行うためのフィルター13、14が設けられ、一定流量の酸素が取り出される。
【0023】
【発明の効果】
以上の構成よりなるこの発明は次の特有の効果を奏する。
(1) 触媒をコロイド状にすることにより、各粒子がより均一になり触媒としての安定性をさらに高めることができ、安定且つ一定流量の酸素発生効果を得ることができる。
(2) 又、触媒成分構成に天然マンガン、コバルトを加えることにより、酸素発生の安定化と共に化学反応による熱の発生が抑制されことが出来、酸素発生装置が高温になることが防止される。
(3) 酸素発生に必要な水分をコロイド状触媒水で補うことにより、酸素発生原料として過酸化水素水を使用した場合は外部の水を使用しないで酸素の発生を行うことが可能となり、このことにより容器容量を小さくすることができるので、小型の酸素発生装置が実現される。
(4) 上記(3) の効果に関連して、酸素発生装置の反応部分を使い捨てのカセット化した酸素発生部材とすることが可能となり、水を一々調達しなくても酸素吸引部材を酸素発生部材に装着するだけで自動的に酸素が供給される酸素発生装置が実現され、日常の使用はもとより緊急用に常備するのに最適な酸素発生装置となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の酸素発生装置の使用前の一部切り欠き側面図。
【図2】この発明の酸素発生装置の使用状態の一部切り欠き側面図。
【図3】同上、要部の一部切り欠き側面図。
【図4】この発明の酸素発生方法における酸素の流量を示すグラフ。
【図5】従来技術の酸素発生方法を実施した装置の一部切り欠き側面図。
【図6】従来技術の酸素発生方法の酸素の流量を示すグラフ。
【図7】この発明の酸素発生方法における水分量と発生熱の関係を示すグラフ。
【図8】従来技術の酸素発生方法における水分量と発生熱の関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1 酸素発生部材
2 (区画された)部屋
3 (区画された)部屋
10 酸素吸入部材
11 酸素マスク
A 酸素発生原料
B コロイド状の触媒
Claims (5)
- 酸素発生原料と触媒との反応により酸素を発生する方法において、触媒を超微粉末にして純水中に混合し、加熱融合させてコロイド状としたことを特長とする酸素発生方法。
- 酸素発生原料として過酸化水素水を使用し、触媒は少なくとも天然マンガン、酸化コバルト、硫化ナトリウム、天然岩塩、電解二酸化マンガンを含む請求項1記載の酸素発生方法。
- 酸素発生原料として過炭酸ナトリウムを使用し、触媒は少なくとも天然マンガン、酸化コバルト、硫化ナトリウム、天然岩塩、電解二酸化マンガンを含む請求項1記載の酸素発生方法。
- 酸素発生原料と、超微粉末にして純水中に混合し、加熱融合させてコロイド状とした触媒をそれぞれ別の区画の部屋に収容した酸素発生部材に対し、酸素マスクを設けた酸素吸引部材を着脱自在とし、酸素吸引部材の装着時に酸素発生原料を収容した部屋と触媒を収容した部屋が連通して収容物同士が反応するようにしたことを特長とする酸素発生装置。
- 酸素吸引部材において、酸素発生原料を収容した部屋と触媒を収容した部屋は破壊可能な仕切りにより区画され、酸素吸引部材の装着時に該部材の酸素マスクに連通するパイプが酸素発生部材内へ挿入されることにより、その先端により上記仕切りを押圧破壊する請求項4記載の酸素発生装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002197882A JP2004035363A (ja) | 2002-07-05 | 2002-07-05 | 酸素発生方法及び酸素発生装置 |
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JP2002197882A JP2004035363A (ja) | 2002-07-05 | 2002-07-05 | 酸素発生方法及び酸素発生装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1150142A (ja) * | 1997-07-28 | 1999-02-23 | Kawasaki Steel Corp | 降伏強さが低い構造用熱延鋼材の製造方法 |
JP2014527041A (ja) * | 2011-07-29 | 2014-10-09 | キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド | 2部分酸素発生系 |
CN110313437A (zh) * | 2019-07-04 | 2019-10-11 | 佛山顺德歌林美电子产品有限公司 | 一种养殖业制氧系统 |
CN110562928A (zh) * | 2019-09-18 | 2019-12-13 | 吉林大学 | 一种碱催化双氧水制氧的方法 |
-
2002
- 2002-07-05 JP JP2002197882A patent/JP2004035363A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014527041A (ja) * | 2011-07-29 | 2014-10-09 | キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド | 2部分酸素発生系 |
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CN110562928A (zh) * | 2019-09-18 | 2019-12-13 | 吉林大学 | 一种碱催化双氧水制氧的方法 |
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