JP2004051282A - リーラー枠替え監視システム - Google Patents

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JP2004051282A JP2002209238A JP2002209238A JP2004051282A JP 2004051282 A JP2004051282 A JP 2004051282A JP 2002209238 A JP2002209238 A JP 2002209238A JP 2002209238 A JP2002209238 A JP 2002209238A JP 2004051282 A JP2004051282 A JP 2004051282A
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Yoshiteru Hoshino
星野 義晃
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Abstract

【課題】走行シートを切断し、新コア5に巻付け連続的に巻き取るリーラー枠替え装置で、切断端が正常に接着したか、反って二重になり上巻きに凸状の型が発生したかの判定、ならびに巻き取り開始語の皺の巻き込みの発見を容易にし、点検すべき巻き取りの数を低減する監視システムを提供する。
【解決手段】切断端部が新コアに接着した時点の画像を巾方向全幅にわたって複数のカメラ12で撮影し、巾方向の位置を特定する画像を出力可能な状態で記録する。またカメラとしてCCDを受光素子とするカメラを採用する。また画像記録を巻き取りの枠替え情報として下流の工程に伝える。また本リーラー枠替え監視システムを備えたリーラーでポリエチレン溶融押し出し被覆写真印画紙用支持体を処理する。切断手段として、例えば、鬼歯7を採用する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リーラー枠替え監視システムに関し、更に詳しくは巻き取り中の巻き取りから、走行中のシートを瞬時に横方向に切断できる切断手段により切断し、新コアに巻き付けを開始し、走行シートを連続的に巻き取るリーラー枠替え装置において、切断後の走行シートの切断端部が該新コアに接着し、巻き付きを開始する際、シート端部が新コアの胴体に正常に接着しているか、または該胴体から反り返っている、或いは更に折れ重なっている状況を監視し、切断端部が正常に接着しているか、或いは反り返って二重になった結果、その上巻きに凸状の型が発生しているか否かの判定を容易にし、また走行シートの切断端部が該新コアに巻き付きを開始した直後に発生するテンションの不安定状態によって皺が発生してそのまま巻き込まれ、これに起因してその上巻きに生ずる型がしばらく続く故障の監視を容易にし、以て点検すべき巻き取りの数を低減することを可能にする監視するシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
巻き取り中の走行シートを横方向に切断できる切断手段により切断し、新コアに巻き付けを開始し、走行シートを連続的に巻き取るリーラー枠替え装置において、連続走行するシートの枠替えをする際、走行シートを新コアに巻き付け開始する際、折り重なってシートが巻き付き、その上巻きに凸状の型が生ずる故障が発生することがある。また走行シートの切断端部が該新コアに巻き付きを開始した直後に発生するテンションの不安定状態によって皺が発生してそのまま巻き込まれ、これに起因してその上巻きに生ずる波状の型がしばらく続く故障が発生することがある。この凸状の型、ならびに波状の型が認められなくなるのは、相当量の厚さになる多重巻き付け後であり、認められなくなる迄の下巻き部分は故障品として廃棄しなければならない。従って、全巻き取りをリワインダー処理して下巻き部分を点検するか、或いはスリッター工程で下巻き部分に達した時点で斜光を当てるなどして視認が可能になる速度まで、作業速度を下げて故障の有無を確認する必要があった。
【0003】
この他、リーラー部の前にアキュムレーターを設け、複数の上下、あるいは水平ロール群の間隔を拡げて走行中のシートを滞留させることにより、この間に停止状態にある新コアの胴体にシートの先端を極めて薄い粘着テープによりシート端部が折り返しが生じていない状態で接着し、リーラー作業を再開する方法がある。本法では折り重なってシートが巻き付くことは避けられるが、アキュムレーターは処理速度が高速になるに従って設置面積と設備費が過大になるので、およそ250m/minを超える高速マシンには実用的ではなくなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、アキュムレーターを必要とすることなく、巻き取り速度が高速であっても、巻き取り中の走行シートを幅方向に切断できる切断手段により切断し、新コアに巻き付けを開始し、走行シートの切断端部が折れ重ならないように走行シートを連続的に巻き取るリーラー枠替え装置において、切断後の走行シートの切断端部が該新コアに巻き付きを開始する際、シート端部が新コアの胴体に正常に接着しているか、または該胴体から反り返っている、或いは更にシート端部が折れ重なった状態で巻き取られている状況を監視でき、切断端部が正常に接着しているか、或いは反り返って二重になる可能性が高く、その上巻きに凸状の型が発生している巻き取りであるか否かの判定を容易にし、また、巻き付けを開始した直後に生じる走行シートのテンションが不安定になる期間に、テンションの不安定状態に起因して皺が発生し、そのまま巻き込まれる故障の有無を監視し、以て点検すべき巻き取りの数を低減することを可能にする監視システムを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、本発明のリーラー枠替え監視システムを発明するに到った。
即ち、本発明のリーラー枠替え監視システムは、巻き取り中の走行シートを幅方向に切断できる切断手段により切断し、新コアに巻き付けを開始し、走行シートを連続的に巻き取るリーラー枠替え装置において、新コアの胴体は粘着手段で被覆され、切断後の走行シートの切断端部が該新コアに接着し、巻き付きを開始する際、新コアに巻き付き開始したシートを巾方向全幅にわたって複数のカメラで監視し、画像を記録手段に記録するとともに、その記録を表示、または出力可能な状態で保管することを特徴とするリーラー枠替え監視システムである。
【0006】
また、本発明のリーラー枠替え監視システムにおいて使用される巾方向に複数個設置されるカメラが、CCDを受光素子とするカメラであって、記録手段に巾方向の位置を特定する画像を記録することを特徴とするリーラー枠替え監視システムである。
【0007】
また、本発明のリーラー枠替え監視システムは、巻き取り開始したシート端部、ならびに巻き取り開始後の下巻きの巻き取られる画像を記録し、該記録を巻き取りの枠替え情報として、下流の工程に伝える手段を備えていることを特徴とするリーラー枠替え監視システムである。
【0008】
また、本発明のリーラー枠替え監視システムは、走行するシートが、原紙の両面にポリオレフィン樹脂を溶融押し出しコーティングした写真印画紙用支持体であることを特徴とする写真印画紙用支持体リーラー枠替え監視システムである。
【0009】
また、本発明のリーラー枠替え監視システムにおいて使用される、走行中のシートを横方向に切断できる切断手段は、鬼歯であることを特徴とするリーラー枠替え監視システムである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の内容をさらに具体的に説明する。
即ち、本発明のリーラー枠替え監視システムは、巻き取り中の走行シートを幅方向に切断できる切断手段により切断し、新コアに巻き付けを開始し、走行シートを連続的に巻き取るリーラー枠替え装置において、新コアの胴体は粘着手段で被覆され、切断後の走行シートの切断端部が該新コアに接着し、巻き付きを開始する際、シート端部が新コアの胴体に正常に接着しているか、または該胴体から反り返っている、あるいは更にシート端部が折れ重なっている状況、ならびに走行シートがコアーに巻き付きを開始した直後に発生するのテンションの不安定に起因して発生する皺の巻き込みの有無を、シート巾方向全幅にわたって複数のカメラで監視し、画像を記録手段に記録するとともに、その記録を表示、または出力可能な状態で保管することにより、切断後の走行シートの切断端部が該新コアに接着し、巻き付きを開始する際、シート端部が新コアの胴体に正常に接着しているか、または該胴体から反り返ったシート端部が折れ重なった状態であるか、或いはその時点では反り返ってはいるが折れ重なってはいないものの、次の時点で折れ重なった状態で巻き取られる可能性が高い等の情報を、巾方向全幅にわたって接着前後数周巻き取られる間の任意の時点で観察できるようになった。また、巻き付きを開始した直後に生じる走行シートのテンションが不安定になる期間に、テンションの不安定状態に起因して皺が発生し、そのまま巻き込まれる故障の有無も監視出来るようになった。その結果、これまでの如く全巻き取りをリワインダー処理して下巻き部分を点検するか、或いはスリッター工程で下巻き部分に達した時点で、斜光を当てるなどして視認が可能になる速度まで作業速度を下げて故障の有無を確認する必要がなく、新コアの胴体から反り返ったシート端部が折れ重なった状態で巻き取られている、またはその可能性が高い巻き取り、ならびに明らかに皺が発生している巻き取りのみをリワインダー処理して下巻き部分を点検するか、或いはスリッター工程で下巻き部分に達した時点で、斜光を当てるなどして視認が可能になる速度まで作業速度を下げて故障の有無を確認すれば充分であり、その他の巻き取りについてはリワインダー処理することなく仕上げ工程で製品化することが可能になり、最後まで定常作業速度で仕上げ作業が出来るようになったので、作業効率が向上した。
【0011】
本発明における新コアの胴体表面に設ける粘着手段は、特に限定されないが、コアの材質が紙である場合はターレットに取り付けた新コアに、水溶性粘着剤を塗布する粘着手段でもよい。コアの材質がプラスチックである場合は、該プラスチックと接着可能な粘着剤を同様に塗布するする粘着手段でもよいが、巻き取るシートが原紙の両面にポリオレフィン樹脂を溶融押し出しコーティングした写真印画紙用支持体である場合は、新コアの胴体に、両面粘着テープを格子状、あるいはスパイラル状に巻き付けた粘着手段であることが好ましい。
【0012】
また、本発明のリーラー枠替え監視システムにおける巾方向全幅にわたって監視できる複数のカメラとしてCCDを受光素子とするカメラを採用することにより、走行シートの走行速度が高速で、視認観察が不可能な場合でも、速度に追随して撮影することが可能になり、電子的デジタル情報として蓄積することが可能になるので、画像観察に至る時間が短縮され、かつ画像の編集作業も容易になる。
本発明における複数のカメラは巻き取りが開始されたシート端部の全幅を分担して設置され、各々のカメラの画像が巻き取りのどの部分に対応するか判るようになっている。カメラによる撮影開始時間は切断手段による切断開始時と走行速度より計算され、新コアが回転して巻き取りが開始されたシート端部が撮影される位置とカメラの撮影時点とが同調することが好ましい。CCDカメラの場合は、複数齣を撮影し、複数枚の画像を監視して、シート端部の反り返りの程度を詳細に分類、評価することも可能になる。
また、記録手段に巾方向の位置を特定する画像を記録することにより、欠陥箇所の特定が容易になり、欠陥箇所の点検、確認、ならびにその除去作業の効率が改善される。
さらに、画像を記録する記憶装置の記憶容量を大きくすることにより、巻き付け開始よりテンションが安定するまでの数十回程度の下巻きの状態を撮影、記録し、その後画像を監視することにより、皺の巻き込みの有無を判定することが可能になり、皺の巻き込みが確認された巻き取りのみ故障部分を除去すればよくなるので、作業効率が改善される。
【0013】
また、本発明のリーラー枠替え監視システムにおける、反り返ったシート端部が折れ重なった状態で巻き取られた画像を記録した画像記録を巻き取りの枠替え情報として、下流の工程に伝えることができるので、情報伝達を手書き、或いは口頭など他の方法で行う場合と比較して情報伝達の精度が向上する。情報伝達の手段としては画像を編集して出力し、カードとして巻き取りに貼付する方法や、バーコード化したラベルを貼付したり、あるいは電子的デジタル情報を仕上げ工程、あるいはスリット工程に送信する方法などがあげられる。
【0014】
また、本発明のリーラー枠替え監視システムは如何なる走行シートにも適応可能であるが、中でも高平滑性を要求されるコート紙、アート紙、PPC用紙などの紙である場合有効であり、特に走行シートが原紙の両面にポリオレフィン樹脂を溶融押し出しコーティングした写真印画紙用支持体の場合に有効である。
すなわち、写真印画紙は特に高度の平滑性が要求されるので、後工程において、全ての巻き取りの下巻き全幅にわたって詳細な点検をするという作業から解放され、特定の巻き取りの、特定の箇所の下巻きについてのみ特に監視を強化することが可能となるので、品質保証上の利益が大きい。
【0015】
また、本発明のリーラー枠替え監視システムにおける走行中のシートを横方向に切断できる切断手段としては、ロールスリッターが幅方向に高速走行して切断する手段や、スリッターが中央部より両幅方向に高速走行して切断する手段、さらには刃台を設けたギロチンカッターなど、如何なる切断手段も採用可能である。
走行中のシートを横方向に切断できる切断手段として、特に走行シートが厚紙の中でも切断が困難である上記写真印画紙用支持体を横方向に確実に切断することを可能に手段として、通常厚さに伴って切断が困難になる厚紙を横方向に確実に切断することを容易にする三角形鋸状の歯が並ぶ鬼歯を採用することが設備費用も考慮に入れて有利である。
その他の切断方法としては、前述のアキュムレーターが設置されている場合はロータリーカッターを用いて幅方向に一直線に切断する方法があるが、処理速度が高速になるに従って設置面積と設備費が過大になるので、高速マシンには実用的ではない。テープを巻き付けて切断する方法も一部の抄紙機などでは用いられているが、厚紙では切断端が不揃いになり、皺、捩れなどによりシートが3層に重なることがある。一方鬼歯で切断する場合は最大2層になるのみであるので、その上巻きに生ずる型の深さ上でも有利である。
【0016】
【実施例】
次に、本発明の実施例を図1、図2、および図3を用いてさらに詳細に説明する。ただし、これらに限定されるものではない。
【0017】
実施例1
原紙の両面にポリオレフィン樹脂を溶融押し出しコーティングするコーターヘッドを2基備えたポリオレフィン樹脂溶融押し出しコーターのリーラー部に、枠替え時に新たに巻き付けを開始する新コア5に走行シートを接触、接着させるスプライスロール6と、胴体表面が予め粘着手段11で被覆されたロール替え用新コア5の接着部の下流、至近部に走行シートを巾方向全幅にわたって瞬時に切断する鬼歯7よりなる切断装置を設けた。鬼歯7には切断端を新コアに押さえつけて接着を強固にするため、鬼歯の刃先から裏面全幅にわたって薄く、弾力性を有し、かつ滑りやすい押しつけ用滑りシート10を設けた。また、切断後の走行シートの切断端部が予め粘着手段11で被覆された新コア5に接着し、巻き付きを開始する際、シート端部が新コア5の胴体に正常に接着しているか、または該胴体から反り返っている、或いは更に折れ重なっている状況を、巾方向全幅にわたって撮影することが出来るように、複数の、CCDを受光素子とするカメラ12を幅方向直線上に設けた。各カメラは抜けがないように、隣接するカメラの画像が少々だぶるように配置した。各カメラの位置は、ディスプレー14上の特定の位置と操作側端部との距離が特定可能な位置に設置した。また、各カメラが撮影した画像を出力可能な状態で保管する記録装置13を設けた。また画像記録を映像化して監視するディスプレー14を設け、表示画面を出力する出力装置15を併設した。また記録装置13にはカッティングと撮影を同調させる演算機能を持たせた。さらに記録装置13には編集機能を搭載し、出力装置15よりカード仕様で画像記録を出力する機能を付与した。
【0018】
実施参考例1
原紙の両面にポリオレフィン樹脂を溶融押し出しコーティングした写真印画紙用支持体を製造するために、坪量が150g/cm、JIS−P−8119で測定したベックの平滑度が200秒以上である原紙を用いて、上記ポリオレフィン樹脂溶融押し出しコーターにより、コーティング速度250m/minで、裏面には高密度ポリエチレン樹脂60部、低密度ポリエチレン樹脂40部よりなる混合ポリエチレン樹脂を厚さが25μになるように、面質はマット面に仕上げるため粗面クーリングロールを用いてコーティングした。表面には酸化チタンを15%含有する低密度ポリエチレン樹脂を厚さ25μになるように、面質はグロッシー面に仕上げるため鏡面クーリングロールを用いてコーティングした。
【0019】
6000mコーティングした時点で、予め両面粘着テープで被覆された新コアの上流に設置され、両面にポリエチレン樹脂をコーティングした写真印画紙用支持体を下方に押し下げるスプライスロールを作動させて、予め写真印画紙用支持体の走行速度に表面速度を同調させた新コアに接近させ、接触する直前に回転軸に取り付けた鬼歯を作動させて走行する写真印画紙用支持体を巾方向全幅にわたって瞬時に切断し、同時に切断端を新コアに接着させた。
【0020】
また、写真印画紙用支持体が鬼歯を通過して切断端が新コアに接着した直後の切断部の画像をCCDを受光素子とするカメラで写真印画紙用支持体の巾方向全幅にわたって撮影し、その画像を出力可能な状態で保管する記録装置に記録した。
また、巻き付け開始よりテンションが安定するまでの間に皺の巻き込みが発生しているか否かの判定を目的に下巻き回数30回までの状態を撮影、記録した。記録密度は実寸1cm当たり100ドットであった。
【0021】
直ちに高精細度プラズマディスプレー上で実寸、ならびに5倍拡大映像により点検したところ、異常は認められなかったので正常品である旨記した記録、ならびに画像記録と共に次工程であるスリッター工程に送付し、同時にその旨を巻き取り番号と共に次工程に送信した。
【0022】
同様にして合計50本の写真印画紙用支持体の巻き取りを製造した。その結果10番巻き取りでは操作側より150cmの位置に三角形鋸状切断端の1個がやや反り返っていたので、位置とその状況、ならびに折れ重なっている可能性があるので監視強化を依頼する旨記した記録カードを巻き取りに貼付し、その旨を画像記録と共に次工程であるリワインダー工程に送信した。
【0023】
また、40番巻き取りでは操作側より30cmの部分の鋸状切断端の1個がやや反り返っており、かつ駆動側より45cmの部分の1個が90゜以上反り返っていたので、後者は折れ重なっている可能性が極めて高い故、それぞれの位置とその状況、ならびに後者については特に監視を強化するよう依頼する旨記した記録カードを巻き取りに貼付し、その旨を画像記録と共に次工程であるリワインダー工程に送信した。
【0024】
1番巻き取りを含めその他の48本は異常は認められなかったので正常品である旨記した記録ならびに画像記録と共に次工程である包装工程に送信した。
【0025】
リワインダー工程では作業標準に従って全巻き取りの画像記録を高精細度プラズマディスプレー上で実寸、ならびに5倍拡大映像で表示した。位置を確認のうえ10番巻き取りについては以下の作業を行った。
【0026】
即ち、鋸状切断端の折れ重なりに起因する凹型が発生している場合、最も長いもので最下巻きの紙端部より40回重ね巻きした部分より軽度の型が発生し始めるものがあるので、10番巻き取りは最初500m/minの定常速度で作業を行い、残り巻き回数が50回に達した時点で作業速度を20m/minに減速し、斜光を用いて視認監視しつつリワインダー作業を行った。その結果異常は認められなかったので、接着部の影響が避けられない最下巻き回数5回分を残して製品化した。
【0027】
40番巻き取りは、スリッター工程で2本の巻き取りにスリットする際、最初500m/minの定常速度で作業を行い、残り巻き回数が50回に達した時点で作業速度を20m/minに減速し、斜光を用いて視認監視しつつスリッター作業を行った。その結果前者の箇所には異常は認められなかったので接着部の影響が避けられない最下巻き回数5回分を残して製品化したが、後者の箇所では最下巻き回数35回を残して鋸状切断端の折れ重なりに起因する凹型の発生が認められたので一旦停機し、凹型の発生が認められた部分から下巻き部分を廃棄して製品化した。
【0028】
1番巻き取りを含めその他の48本は異常は認められなかったので、500m/minの定常速度で仕上げ作業を行い、最下巻き回数5回を残して製品化した。
【0029】
実施参考例2
実施参考例1において、表面の面質を鏡面より微粒面にするため、クーリングロールを微粒面用クーリングロールに変更した以外は全く同様にして合計50本の写真印画紙用支持体の巻き取りを製造した。その結果5番巻き取りでは鋸状切断端の1個がやや反り返っていたので、位置とその状況、ならびに折れ重なっている可能性がある故監視強化を依頼する旨記した記録と共に次工程であるリワインダー工程に送信した。
リワインダー工程では5番巻き取りは500m/minの定常速度で作業を行い、残り巻き回数が50回に達した時点で作業速度を20m/minに減速し、斜光を用いて視認監視しつつスリッター作業を行った。その結果異常は認められなかったので、最下巻き回数5回を残して全量製品化した。
【0030】
また、20番巻き取りでは操作側より30cmの部分の鋸状切断端の1個がやや反り返っており、かつ駆動側より45cmの部分の1個が90゜以上反り返っていたので、後者は折れ重なっている可能性が極めて高い故、それぞれの位置とその状況、ならびに後者については特に監視を強化するようを依頼する旨記した記録と共に次工程であるスリッター工程に送信した。
【0031】
スリッター工程で2本の巻き取りにスリットする際、500m/minの定常速度で作業を行い、残り巻き回数が50回に達した時点で作業速度を20m/minに減速し、斜光を用いて視認監視しつつスリッター作業を行った。その結果前者の箇所には異常は認められなかったので最下巻き回数5回を残して全量製品化したが、後者の箇所では最下巻き回数35回を残して鋸状切断端の折れ重なりに起因する凹型の発生が認められたので一旦停機し、凹型の発生が認められた部分から下巻き部分を廃棄して製品化した。
【0032】
また、27番巻き取りでは下巻き2巻きより15巻きにかけて皺の巻き込みが認められたのでその旨を記した記録カードを巻き取りに貼付し、画像記録と共に次工程であるリワインダー工程に送信した。
【0033】
リワインダー工程では、27番巻き取りは最初1000m/minの定常速度で作業を行い、残り巻き回数が50回に達した時点で作業速度を20m/minに減速し、斜光を用いて視認監視しつつリワインダー作業を行った。その結果最下巻き回数20回を残して皺の巻き込みが認められた部分から下巻き部分を廃棄して製品化した。
【0034】
1番巻き取りを含めその他の48本は1番巻き取り同様高精細度プラズマディスプレー上で実寸、ならびに5倍拡大映像により点検したところ、異常は認められなかったので正常品である旨記した記録と共に次工程であるスリッター工程に送信した。スリッター工程では1000m/minの定常速度で作業を行い、最下巻き回数5回を残して製品化した。
【0035】
実施参考例3
ポリオレフィン樹脂溶融押し出しコーターに替えて、原紙の両面に水性塗工用組成物を塗工、乾燥するエアーナイフコーターヘッドと乾燥装置を2組備えたコーターを用いた以外は実施参考例1と同様にして、本発明のリーラー枠替え監視システムを備えたエアーナイフコーターを設置した。
【0036】
原紙の両面に印刷用コート層をコーティングしたコート紙を製造するために、坪量が80g/cmである上質紙を用いて、上記エアーナイフコーターにより、コーティング速度1500m/minで、下記の組成の水性塗工用組成物を固形分濃度16%として調液し、この水性塗工用組成物を乾燥塗工量15g/m となるように塗工、乾燥した。
沈降性炭酸カルシウム                   100部
ポリビニルアルコール(PVA117:クラレ製)       30部
【0037】
15000mコーティングした時点で、予め両面粘着テープで被覆された新コアの上流に設置され、両面に印刷層をコーティングしたコート紙を下方に押し下げるスプライスロールを作動させて、予めコート紙の走行速度に表面速度を同調させた新コアに接近させ、接触する直前に回転軸に取り付けた鬼歯を作動させて走行するコート紙を巾方向全幅にわたって瞬時に切断し、同時に切断端を新コアに接着させた。
【0038】
また、コート紙が鬼歯を通過して切断端が新コアに接着した直後の切断部の画像をCCDを受光素子とするカメラでコート紙の巾方向全幅にわたって撮影し、その画像を出力可能な状態で保管する記録装置に記録した。
また、巻き付け開始よりテンションが安定するまでの間に皺の巻き込みが発生しているか否かの判定を目的に下巻き回数30回までの状態を撮影、記録した。記録密度は実寸1cm当たり100ドットであった。
【0039】
直ちに高精細度プラズマディスプレー上で実寸、ならびに5倍拡大映像により点検したところ、異常は認められなかったので正常品である旨記した記録、ならびに画像記録と共に次工程であるスリッター工程に送付し、同時にその旨を巻き取り番号と共に次工程に送信した。
【0040】
同様にして合計50本のコート紙の巻き取りを製造した。その結果15番巻き取りでは操作側より150cmの位置に三角形鋸状切断端の1個が90゜以上反り返っていたので、折れ重なっている可能性が極めて高い故、特に監視を強化するよう依頼する旨記した記録カードを巻き取りに貼付し、その旨を画像記録と共に次工程であるリワインダー工程に送信した。
【0041】
また、45番巻き取りでは下巻き回数2回より15回にかけて皺の巻き込みが認められたのでその旨を記した記録カードを巻き取りに貼付し、画像記録と共に次工程であるリワインダー工程に送信した。
【0042】
1番巻き取りを含めその他の48本は異常は認められなかったので正常品である旨記した記録ならびに画像記録と共に次工程であるスリッター工程に送信した。
【0043】
リワインダー工程では作業標準に従って全巻き取りの画像記録を高精細度プラズマディスプレー上で実寸、ならびに5倍拡大映像で表示した。位置を確認のうえ15番巻き取りについては以下の作業を行った。
【0044】
即ち、鋸状切断端の折れ重なりに起因する凹型が発生している場合、最も長いもので最下巻きの紙端部より40回重ね巻きした部分より軽度の型が発生し始めるものがあるので、15番巻き取りは最初500m/minの定常速度で作業を行い、残り巻き回数が50回に達した時点で作業速度を20m/minに減速し、斜光を用いて視認監視しつつリワインダー作業を行った。その結果最下巻き回数25回を残して鋸状切断端の折れ重なりに起因する凹型の発生が認められたので一旦停機し、凹型の発生が認められた部分から下巻き部分を廃棄して製品化した。
【0045】
45番巻き取りは、最初500m/minの定常速度で作業を行い、残り巻き回数が50回に達した時点で作業速度を20m/minに減速し、斜光を用いて視認監視しつつリワインダー作業を行った。その結果最下巻き回数20回を残して皺の巻き込みが認められた部分から下巻き部分を廃棄して製品化した。
【0046】
1番巻き取りを含めその他の48本は異常は認められなかったので、500m/minの定常速度で仕上げ作業を行い、接着部の影響が避けられない最下巻き回数5回分を残して製品化した。
【0047】
比較参考例1
実施参考例1において、写真印画紙用支持体が鬼歯を通過して新コアに接着した直後の切断部の画像を撮影するCCDを受光素子とするカメラを使用しなかった他は実施参考例1と同様にして合計50本の写真印画紙用支持体の巻き取りを製造した。
【0048】
この場合、鋸状切断端の折れ重なりに起因する凹型が発生しているか否か、ならびに皺の巻き込みが発生しているか否か不明であるので、全巻き取りについてリワインダー工程にかけ、500m/minの定常速度で作業を行い、残り巻き回数が50回に達した時点で作業速度を20m/minに減速し、斜光を用いて視認監視しつつリワインダー作業を行なわなければならなかった。その結果15番巻き取り、ならびに45番巻き取りでは最下巻き回数が35回を残して鋸状切断端の折れ重なりに起因する凹型の発生が認められたので一旦停機し、凹型の発生が認められた部分から下巻き部分を廃棄して製品化した。
【0049】
上記の如く、本例では50巻き取り全巻き取りについて残り巻き回数が50回に達した時点で作業速度を20m/minに減速し、斜光を用いて視認監視しつつリワインダー作業を行なわなければならず、実施参考例1と比較して作業効率が著しく低下した。
【0050】
比較参考例2
実施参考例3において、コート紙が鬼歯を通過して新コアに接着した直後の切断部の画像を撮影するCCDを受光素子とするカメラを使用しなかった他は実施参考例2と同様にして合計50本のコート紙の巻き取りを製造した。
【0051】
この場合、鋸状切断端の折れ重なりに起因する凹型が発生しているか否か、ならびに皺の巻き込みが発生しているか否か不明であるので、全巻き取りについてリワインダー工程にかけ、500m/minの定常速度で作業を行い、残り巻き回数が50回に達した時点で作業速度を20m/minに減速し、斜光を用いて視認監視しつつリワインダー作業を行なわなければならなかった。その結果20番巻き取りでは最下巻き回数が35回を残して鋸状切断端の折れ重なりに起因する凹型の発生が認められたので一旦停機し、凹型の発生が認められた部分から下巻き部分を廃棄して製品化した。また35番巻き取りでは最下巻き回数20回を残して皺の巻き込みが認められたので、その部分から下巻き部分を廃棄して製品化した。
【0052】
上記の如く、本例では50巻き取り全巻き取りについて残り巻き回数が50回に達した時点で作業速度を20m/minに減速し、斜光を用いて視認監視しつつリワインダー作業を行なわなければならず、実施参考例3と比較して作業効率が著しく低下した。
【0053】
【発明の効果】
実施参考例1、および2と比較参考例1との比較、実施参考例3と比較参考例2との比較より明らかな如く、巻き取り中の走行シートを幅方向に切断できる切断手段により切断し、シート端部を新コアに巻き付けを開始し、走行シートを連続的に巻き取るリーラー枠替え装置において、新コアの胴体は粘着手段で被覆され、切断後の走行シートの切断端部が該新コアに接着し、巻き付きを開始する際、シート端部が新コアの胴体に正常に接着しているか、または該胴体から反り返っている、或いは更に折れ重なっている状況を、巾方向全幅にわたって複数のカメラで監視し、画像を記録手段に記録するとともに、その記録を表示、または出力可能な状態で保管し、その記録画像の点検することにより、走行シートを新コアに巻き付け開始する際、折り重なってシートが巻き付き、その上巻きに凸状の型が生ずる故障が発生している巻き取りの特定が容易になる。その結果特定の巻き取りについてのみリワインダー工程で点検のうえ故障部分を廃棄し、その他の巻き取りは後工程であるスリッター作業などにおいて点検作業の必要が無くなり、作業効率が向上する。
また、巾方向全幅にわたって監視できる複数のカメラとしてCCDを受光素子とするカメラを採用することにより、作業速度が視認監視が不可能な高速である場合にも撮影した記録画像による点検が可能になり、また撮影より画像観察に至る時間が短く、しかも電子情報であるので画像の編集作業も容易になる。
また、反り返ったシート端部が折れ重なった状態で巻き取られた画像を記録し、該記録を巻き取りの枠替え情報として、下流の工程に伝えることにより、情報伝達を手書き、或いは口頭など他の方法で行う場合と比較して情報伝達の精度が向上する。
また、本発明のリーラー枠替え監視システムにおける、走行シートが原紙の両面にポリオレフィン樹脂を溶融押し出しコーティングした写真印画紙用支持体である場合、写真印画紙は特に高度の平滑性が要求されるので、後工程において、全ての巻き取りの下巻き全幅にわたって詳細な点検をするという従来の作業が不要になり、特定の巻き取りの、特定の箇所にの下巻きついてのみ特に監視を強化することが可能となるので、品質保証上の利益が大きい。
さらに走行中のシートを横方向に切断できる切断手段として、他の切断方法と比較して通常厚さに伴って切断が困難になる厚紙を横方向に確実に切断することが容易になる三角形鋸状の歯が並ぶ鬼歯を採用することにより、厚紙の中でも特に切断が困難である上記写真印画紙用支持体を横方向に確実に切断することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリーラー枠替え監視システムにおける、新コア、スプライスロール、ならびに走行シート切断用鬼歯切断装置の配置図の一例である。
【図2】本発明のリーラー枠替え監視システムにおける、新コア、ならびに走行シート切断用鬼歯切断装置の配置図の一例である。
【図3】本発明のリーラー枠替え監視システムにおける、切断後の走行シートの切断端部が該新コアに接着し、巻き付きを開始する際、シート端部が新コアの胴体に正常に接着しているか、または該胴体から反り返っている、或いは更に折れ重なっている状況を示す概念図。
【符号の説明】
1、2、3 ペーパーロール
4 巻き取り中のコア、および巻き取り
5 新コア
6 スプライスロール
7 鬼歯切断装置
8 ポリエチレン溶融押し出し被覆写真印画紙用支持体
9 鬼歯回転軸
10 押しつけ用滑りシート
11 粘着層
12 カメラ
13 撮影画像記録、再生装置
14 ディスプレー
15 出力装置
16 正常に接着している部分
17 反り返って接着している部分
18 折れ重なって接着している部分

Claims (5)

  1. 巻き取り中の走行シートを幅方向に切断できる切断手段により切断し、シート端部を新コアに巻き付けを開始し、走行シートを連続的に巻き取るリーラー枠替え装置において、新コアの胴体は粘着手段で被覆され、切断後の走行シートの切断端部が該新コアに接着し、巻き付きを開始する際、新コアに巻き付き開始したシートを巾方向全幅にわたって複数のカメラで監視し、画像を記録手段に記録するとともに、その記録を表示、または出力可能な状態で保管することを特徴とするリーラー枠替え監視システム。
  2. 該カメラがCCDを受光素子とするカメラであって、記録手段に巾方向の位置を特定する画像を記録することを特徴とする請求項1記載のリーラー枠替え監視システム。
  3. シート端部ならびに巻き取り開始後の下巻きの巻き取られる画像を記録し、該記録を巻き取りの枠替え情報として、下流の工程に伝える手段を備えていることを特徴とする請求項1または2記載のリーラー枠替え監視システム。
  4. 走行シートが、原紙の両面にポリオレフィン樹脂を溶融押し出しコーティングした写真印画紙用支持体であることを特徴とする請求項1、2または3記載のリーラー枠替え監視システム。
  5. 走行中のシートを横方向に切断できる切断手段が鬼歯であることを特徴とする請求項1、2、3または4記載のリーラー枠替え監視システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104555527A (zh) * 2014-12-03 2015-04-29 南宁市金装塑料彩印有限公司 吹膜机的自动卸料机构

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