JP2004051099A - 液体紙容器用積層体 - Google Patents
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Abstract
【課題】バリア性や密着性に優れた液体紙容器用積層体を提供する。
【解決手段】少なくとも、最外層1、紙基材2、中間層3、および、最内層4を順次に積層した液体紙容器用積層体Aにおいて、上記の中間層3が、二軸延伸ポリプロピレンフィルムからなり、かつ、該二軸延伸ポリプロピレンフィルムの少なくとも一方の面に、プラズマ気相成長法によるケイ素、酸素、炭素、水素を膜組成成分として含有する酸化ケイ素の蒸着薄膜層12を形成した蒸着樹脂フィルム13からなり、更に、該蒸着樹脂フィルム13を構成する酸化ケイ素の蒸着薄膜層12の上に、エポキシ系樹脂を主成分とする組成物による熱硬化性樹脂被膜14を設け、更に、上記の最内層4に、ヒ−トシール性フィルム層を設けた構成からなることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】少なくとも、最外層1、紙基材2、中間層3、および、最内層4を順次に積層した液体紙容器用積層体Aにおいて、上記の中間層3が、二軸延伸ポリプロピレンフィルムからなり、かつ、該二軸延伸ポリプロピレンフィルムの少なくとも一方の面に、プラズマ気相成長法によるケイ素、酸素、炭素、水素を膜組成成分として含有する酸化ケイ素の蒸着薄膜層12を形成した蒸着樹脂フィルム13からなり、更に、該蒸着樹脂フィルム13を構成する酸化ケイ素の蒸着薄膜層12の上に、エポキシ系樹脂を主成分とする組成物による熱硬化性樹脂被膜14を設け、更に、上記の最内層4に、ヒ−トシール性フィルム層を設けた構成からなることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体紙容器用積層体に関し、更に詳しくは、中間層として、ガスバリア性を有する酸化ケイ素の蒸着薄膜層を形成した蒸着樹脂フィルムを積層し、特に、清涼飲料水や果汁飲料等の内容物を充填包装し、その保存性に優れた液体紙容器用積層体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、液体紙容器は、板紙を主体とする積層体であるため、使用後の廃棄性に優れ、例えば、牛乳では、ポリエチレン/紙/ポリエチレンで構成された紙容器が広く使用されている。
しかし、流通期間が短い牛乳では問題とならないが、清涼飲料水や果汁飲料水では、そのシェルフライフが問題となる。
すなわち、ポリエチレン/紙/ポリエチレンの構成では、内容物に対する保存性が充分でなく、容器内部からの透過によるフレーバーの減少や外部からの異臭の移行を防止できない。
【0003】
また、バリア性が不可欠な内容物を充填包装する液体紙容器を製造する液体紙容器用積層体の層構成としては、ガス透過性が実質的にほぼ0のアルミニウム箔を中間層として積層した積層体が主流を占め、日本酒、焼酎、ワイン等のアルコール飲料や保香性が要求される果汁飲料等を中心に広く流通している。
しかし、アルミニウム箔を積層した積層体製の液体紙容器は、バリア性は格段に優れているが、アルミニウム箔が再利用できないことや、その廃棄性に問題があり、現在、アルミニウム箔を使用しなくとも内容物の保存性に優れる液体紙容器の開発が急務となっている。
【0004】
例えば、有機系バリア材料として、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム(EVOH)やポリ塩化ビニリデン系多層フィルムを使用し、これを積層した積層体を製函してなる液体紙容器が提案されている。
しかし、これらの液体紙容器は何れも、バリア性においてはアルミニウム箔を積層した液体紙容器には及ばず、エチレン−ビニルアルコール共重合体の場合、これを液体紙容器用のバリア層として使用することについては、エチレン−ビニルアルコール共重体が水分を吸湿すると酸素バリア性が著しく低下するという性質を有しているため、現実的には、長期保存性が要求される内容物を充填包装するには使用できないのが現状である。
また、ポリ塩化ビニリデンの場合、これの焼却処理過程での塩素ガスの発生が問題となっている。
【0005】
また、真空蒸着法等の物理気相成長法によって形成される酸化ケイ素(SiOx)、酸化アルミニウム(A1Ox)、酸化マグネシウム(MgO)等の無機酸化物の蒸着薄膜層をプラスチックフィルム上に形成した蒸着樹脂フィルムをバリア性フィルムとして使用し、これを積層した積層体からなる液体紙容器は、この吸湿等によるバリア性の低下や、焼却処理過程での有毒ガスの発生の問題はなく、バリア性のレベルも、上記のエチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム(EVOH)やポリ塩化ビニリデンフィルムよりも優れており、紙容器用積層体を構成するバリア性フィルムとして近年注目されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の蒸着樹脂フィルムは、可撓性に劣り、屈曲や折り曲げ等、外部応力に対して耐性がないという問題点がある。
例えば、液体紙容器では、罫線部分でバリア性が極端に悪化し、容器全体のバリア性を格段に向上させることは困難な状況である。
【0007】
また、上記の蒸着樹脂フィルムは、有機物質であるプラスチックフィルム基材上に無機酸化物の蒸着薄膜層を物理的に付着させているため、無機酸化物の蒸着薄膜層と基材間の密着性はかなり悪く、特に、浸透性の強い内容物では、その保存中に、無機酸化物の蒸着薄膜層の一方、あるいは両方の界面で界面剥離が起き、液漏れ等の問題を起こすことがある。
更に、上記の蒸着樹脂フィルムは、その蒸着薄膜を形成する過程において、高温度下で処理されるため、耐熱性を有するプラスチック基材、例えば、ポリエステルやナイロン等の非ポリオレフィン系フィルムを基材として使用しなければならず、必然的に製造コストが高くなる問題があり、安価な内容物用の包装材料としては、低コスト化が必須である.
【0008】
ところで、上記の真空蒸着法等の物理気相成長法による蒸着樹脂フィルムの欠点を改良する手段として、プラズマ気相成長法(PECVD)等の化学気相成長法による蒸着樹脂フィルムに注目されるものである。
上記のプラズマ気相成長法(PECVD)等の化学気相成長法による蒸着樹脂フィルムは、まず、オルガノシロキサン系モノマーをプラズマ化し、基材上に化学的に無機酸化物の蒸着薄膜層を積層するため、基材と無機酸化物の蒸着薄膜層との密着は、真空蒸着法等の物理気相成長法による蒸着樹脂フィルムよりも優れており、また、可撓性や耐屈曲性が、真空蒸着法等の物理気相成長法による蒸着樹脂フィルムよりも格段に優れ、更に、真空蒸着法等の物理気相成長法による蒸着樹脂フィルムでは耐熱性を有する基材にしか適用できないが、プラズマ気相成長法(PECVD)等の化学気相成長法による場合は、耐熱性の劣るポリオレフィン系樹脂フィルム、例えば、二軸延伸ポリプロピレンやポリエチレンにも適用できるメリットがあるものである。
【0009】
しかし、プラズマ気相成長法(PECVD)等の化学気相成長法による無機酸化物の蒸着薄膜は、モノマー由来の炭素や水素含有不純物を膜組成中に含むため、真空蒸着法等の物理気相成長法による薄膜に比べて、表面の自由エネルギーが小さく、そのため、濡れ性が真空蒸着法等の物理気相成長法による薄膜のそれと比べてやや悪い点が指摘されている。
これを解決するために、たとえば、接着促進剤として、プライマーをコーティングしたり、あるいは、コロナ処理やプラズマ処理で表面物性を改良し、濡れ性を改善する方法が検討されているが、根本的な解決策は見出されていないのが現状である。
【0010】
また、バリア性は、例えば、無機酸化物の蒸着薄膜層の膜厚を厚くすることとによって、真空蒸着法等の物理気相成長法による無機酸化物の蒸着薄膜層並のバリア性を達成できることは判明しているが、現実的には、蒸着速度が遅くなり、生産コストの高騰を招き、現状では真空蒸着法等の物理気相成長法による無機酸化物の蒸着薄膜層よりもバリア性は悪いものである。
この傾向は、特に二軸延伸ポリプロピレン等の耐熱性のないポリオレフィン系樹脂フィルムで顕著である。
そこで、プラズマ気相成長法(PECVD)等の化学気相成長法による無機酸化物の蒸着薄膜層の利点を生かし、かつコスト的に有利なポリオレフィン系樹脂フィルムを基材として液体紙容器のバリア性フィルムとして使用する場合は、このバリア性と密着性の両方を改良する必要があるものである。
【0011】
次に、蒸着樹脂フィルムのバリア性を改善する方法として、同種あるいは異種の無機酸化物を2層以上形成する方法があるが、バリア性は改善できるが、可撓性や耐屈曲性は悪化してしまう。
また、例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂等の有機系のバリア性コーティング剤の薄膜を被覆する方法、アルコキシシラン化合物の加水分解物と有機成分との反応で得られる有機−無機ハイブリッド膜を被覆する方法、ポリシラザン等の無機質コーティング層で被覆する方法等が提案されているが、蒸着薄膜との密着性は依然として改善できず、また、可撓性や耐屈曲性、さらには、加工適性も必然的に悪くなるため、根本的な解決策は見出されていないものである。
【0012】
さらに、有機系プライマーコーティング剤を蒸着薄膜上に形成する方法も提案されている。
しかし、本材料の緩衝材的作用によって可撓性や耐屈曲性は改善できるが、ガスバリア性の向上には全く寄与しないものである。
そこで本発明は、プラズマ気相成長法(PECVD)等の化学気相成長法による無機酸化物の蒸着薄膜層の利点を生かして、長期保存を必要とする内容物等を充填包装し得る液体紙容器を製造するに有用なバリア性や耐内容物性を改善したポリオレフィン系樹脂フィルムを製造し、これを使用した液体紙容器用積層体を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明は、ガスバリア性を有するコーティング剤として、例えば、エポキシ−ポリアミン系のエポキシ系樹脂を主成分とする組成物による熱硬化性樹脂被膜に着目し、このエポキシ系樹脂を主成分とする組成物による熱硬化性樹脂被膜を蒸着樹脂フィルムの無機酸化物の蒸着薄膜層の面に形成すると、特に、プラズマ気相成長法(PECVD)等の化学気相成長法による無機酸化物の蒸着薄膜層の上に形成すると、そのバリア性のみならず、その無機酸化物の蒸着薄膜層との密着性が格段に向上し、更に、他の樹脂フィルムとの複合化を行っても、その性能には影響を及ぼさないことを見出して本発明を完成したものである。
【0014】
すなわち、本発明は、少なくとも、最外層、紙基材、中間層、および、最内層を順次に積層した液体紙容器用積層体において、上記の中間層が、二軸延伸ポリプロピレンフィルムからなり、かつ、該二軸延伸ポリプロピレンフィルムの少なくとも一方の面に、プラズマ気相成長法によるケイ素、酸素、炭素、水素を膜組成成分として含有する酸化ケイ素の蒸着薄膜層を形成した蒸着樹脂フィルムからなり、更に、該蒸着樹脂フィルムを構成する酸化ケイ素の蒸着薄膜層の上に、エポキシ系樹脂を主成分とする組成物による熱硬化性樹脂被膜を設け、更に、上記の最内層に、メタロセン触媒を用いて製造したポリエチレン層を設けた構成からなることを特徴とする液体紙容器用積層体に関するものである。
【0015】
而して、本発明においては、無機酸化物の蒸着薄膜層のハイバリア化と密着性を達成するための手段として、プラズマ気相成長法(PECVD)等の化学気相成長法による無機酸化物の蒸着薄膜層の上に、エポキシ系樹脂を有機系硬化剤で硬化させた熱熱硬化性樹脂被膜を形成することで、プラズマ気相成長法(PECVD)等の化学気相成長法による無機酸化物の蒸着薄膜層をさほど厚くしなくても、ポリオレフィン系樹脂フィルムのプラズマ気相成長法(PECVD)等の化学気相成長法による蒸着樹脂フィルムのバリア性が格段に向上し、バリア性改善の他に、更に、密着性が優れているので、可撓性や後加工適性も従来の無機酸化物の蒸着薄膜層の根本的問題を大幅に改善することができるという利点を有するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
上記の本発明について以下に図面等を用いて更に詳しく説明する。
図1は、本発明にかかる液体紙容器用積層体についてその層構成の概略を示す概略的断面図である。
【0017】
まず、本発明にかかる液体紙容器用積層体についてその一例を例示すると、本発明にかかる液体紙容器用積層体Aは、図1に示すように、少なくとも、最外層1、紙基材2、中間層3、および、最内層4を順次に積層した構成からなり、更に、上記の中間層3が、バリア性フィルム3aからなり、かつ、該バリア性フィルム3aが、二軸延伸ポリプロピレンフィルム11の少なくとも一方の面に、プラズマ気相成長法によるケイ素、酸素、炭素、水素を膜組成成分として含有する酸化ケイ素の蒸着薄膜層12を形成した蒸着樹脂フィルム13と、該蒸着樹脂フィルム13を構成する酸化ケイ素の蒸着薄膜層12の上に、エポキシ系樹脂を主成分とする組成物による熱硬化性樹脂被膜14とを設け、更に、上記の最内層4に、メタロセン触媒を用いて製造したポリエチレン層を設けた層構成からなるものである。
【0018】
上記の例示は、本発明にかかる液体紙容器用積層体についてその層構成の一例を例示するものであり、これによって本発明は限定されるものではない。
例えば、本発明においては、図示しないが、上記のような積層体の構成において、バリア性フィルムを構成する酸化ケイ素の蒸着薄膜層と接着剤層ないし接着性樹脂層の面は、紙基材の面、あるいは、最内層の面のいずれの面に対向させて積層してもよいものであるが、好ましくは、紙基材の面に対向させて積層することが望ましいものである。
また、例えば、本発明にかかる液体紙容器用積層体においては、図示しないが、液体紙容器の包装目的、充填包装する内容物、その流通経路、用途等によって、更に、他の基材を任意に積層して、種々の形態からなる積層材を設計して製造することができるものである。
【0019】
次に、本発明において、上記の本発明にかかる液体紙容器用積層体を使用し、これを製函してなる液体紙容器についてその一例を説明すると、図示しないが、まず、上記の図1に示す液体紙容器用積層体を使用し、該液体紙容器用積層体に、所望の液体紙容器の形状に合わせて、常法により、縦または横あるいは斜め等に折り罫を刻設すると共に打ち抜き加工して、糊代部等を有するブランクシートを製造する。
次に、常法により、上記で製造したブランクシートの端面に、内容物の浸透、液漏れ等を防止するために、例えば、スカイブ・ヘミング処理等を施して端面処理を行った後、糊代部の面に、上記のブランクシートの他方の端部の面を対向させて重ね合わせ、次いで、その層間に、例えば、フレーム処理、あるいは、ホットエアー処理等を行い、上記の糊代部および他方の端部の部分にある最内層あるいは最外層を構成する樹脂層を溶融し、その溶融面を介して、フレームシール、あるいは、ホットエアーシール等により胴貼りシールして、筒状のスリーブを製造する。
次に、上記で製造した筒状のスリーブを、内容物を充填するメーカー等に納入し、該筒伏のスリーブを内容物充填機に供給し、次いで、内容物の充填に先立って、まず、筒状のスリーブのボトムの内面をホットエアーにより炙り、その内面の最内層を構成する樹脂層を溶融させて、プレスシールを行って底シール部を形成して、上方に開口部を有する包装用容器を製造する。
しかる後、上記で製造した包装用容器の開口部から内容物を充填した後、トップの内面をホットエアーで灸り、その内面の最内層を構成する樹脂層を溶融させて、プレスシールを行って、例えば、屋根型トップシール部を形成して、内容物を充填包装した本発明にかかる液体紙容器用積層体を使用して製函してなる液体紙容器を製造するものである。
上記の例示は、本発明にかかる液体紙容器についてその一例を例示したものであり、これによって本発明は限定されるものではない。
例えば、本発明においては、図示しないが、本発明にかかる液体紙容器の形状としては、ゲーベルトップ型のもの、ブロック型のもの、筒状型のもの、その他等の任意の形状を取り得るものである。
【0020】
次に、本発明において、本発明にかかる液体紙容器用積層体、液体紙容器等を構成する材料、製造法等について更に詳しく説明すると、まず、本発明にかかる液体紙容器用積層体を構成する最外層としては、例えば、熱によって溶融し相互に融着し得る各種のヒートシール性を有するポリオレフィン系樹脂、その他等を使用することができる。
具体的には、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、メタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α−オレフィン共重合体、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテンポリマー、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、熱可塑性ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、その他等の樹脂を使用することができる。
而して、本発明においては、上記のような樹脂の1種ないし2種以上を使用し、これを押出機等を用いて溶融押出して、例えば、紙基材の一方の面に、アンカーコート剤層等を介して、溶融押出樹脂層を溶融押出積層することにより、あるいは、上記のような樹脂の1種ないし2種以上を使用し、予め、これから樹脂のフィルムないしシートを製造し、その樹脂のフィルムないしシートを、紙基材の一方の面にラミネート用接着剤層等を介してドライラミネート積層することにより、あるいは、上記の溶融押出樹脂層を介して溶融押出積層することにより、最外層を形成することができる。
なお、本発明において、最外層の厚さとしては、5〜200μm位、好ましくは、10〜100μm位が望ましいものである。
【0021】
次に、本発明において、本発明にかかる液体紙容器用積層体を構成する紙基材としては、これが紙容器を構成する基本素材となることから、賦型性、耐屈曲性、剛性、腰、強度等を有するものを使用することができ、例えば、強サイズ性の晒または未晒の紙基材、あるいは、純白ロール紙、クラフト紙、板紙、加工紙、その他等の各種の紙基材を使用することができる。
また、本発明において、上記の紙基材としては、坪量約80〜600g/m2位のもの、好ましくは、坪量的100〜450g/m2位のものを使用することができる。
【0022】
なお、本発明において、上記の紙基材には、所望の印刷絵柄を通常の印刷方式にて任意に形成することができるものである。
上記の印刷絵柄層としては、例えば、上記のバリア性塗布膜の上に、通常のグラビアインキ組成物、オフセットインキ組成物、凸版インキ組成物、スクリーンインキ組成物、その他のインキ組成物を使用し、例えば、グラビア印刷方式、オフセット印刷方式、凸版印刷方式、シルクスクリーン印刷方式、その他の印刷方式を使用し、例えば、文字、図形、絵柄、記号、その他からなる所望の印刷絵柄を形成することにより構成することができる。
上記インキ組成物について、インキ組成物を構成するビヒクルとしては、例えば、ポリエチレン系樹脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、フッ化ビニリデン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アルキッド系樹脂、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、熱硬化型ポリ(メタ)アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、キシリレン系樹脂、マレイン酸樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース、アセチルブチルセルロース、エチルオキシエチルセルロースなどの繊維素系樹脂、塩化ゴム、環化ゴムなどのゴム系樹脂、石油系樹脂、ロジン、カゼインなどの天然樹脂、アマニ油、大豆油などの油脂類、その他の樹脂の1種ないし2種以上の混合物を使用することができる。
本発明において、上記のようなビヒクルの1種ないし2種以上を主成分とし、これに、染料・顔料などの着色剤の1種ないし2種以上を加え、さらに必要ならば、充填剤、安定剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの光安定剤、分散剤、増粘剤、乾燥剤、滑剤、帯電防止剤、架橋剤、その他の添加剤を任意に添加し、溶剤、希釈剤などで充分に混練してなる各種の形態からなるインキ組成物を使用することができる。
【0023】
次に、本発明において、本発明にかかる液体紙容器用積層体を構成するバリア性フィルムについて説明すると、まず、バリア性フィルムを構成する基材フィルムとしては、これに化学式SiOxCyHz(ただし、式中xは、1.0〜1.4の数を表し、yは、0.1〜1.0の数を表し、zは、0.1〜1.0の数を表す。)で表されるプラズマ化学気相成長法による酸化ケイ素を主体とする蒸着薄膜層を設けることから、機械的、物理的、化学約、その他等において優れた性質を有する樹脂のフィルムないしシートを使用することができる。
具体的には、本発明において、基材フィルムとしては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリルル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ塩化ビニル樹脂、フッ素系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂、その他等の各種の樹脂のフィルムないしシートを使用することができる。
なお、本発明においては、特に、ポリプロピレン系樹脂のフィルムないしシートを使用することが好ましいものである。
【0024】
本発明にかかるポリプロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合によるポリプロピレンホモポリマー、プロピレンを主成分としてα−オレフィンをランダム、あるいはブロック共重合させたプロピレン−α−オレフィン共重合体が使用できる。
なお、α−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、1,4−ヘキサジエン等が挙げられる。
この他にも、無水マレイン酸等のカルボン酸でグラフト変性されたα−オレフィンも挙げられる。
【0025】
本発明において使用する二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、上記のポリプロピレン系樹脂を単独で製膜化する方法、2種以上の異なるポリプロピレン系樹脂をインフレーション法、Tダイ法により多層共押出して製膜する方法、あるいは、製膜化する前に2種以上のポリプロピレン系樹脂を混合して製膜化する方法等により、ポリプロピレン系樹脂フィルムを製造し、更に、例えば、テンター方式、あるいは、チューブラー方式等を利用して2軸方向に延伸してなるポリプロピレン系樹脂フィルムを使用することができる。
本発明において、ポリプロピレン系樹脂フィルムの膜厚としては、5〜100μm位、より好ましくは、10〜50μm位が望ましい。
【0026】
なお、上記のポリプロピレン系樹脂の製膜化に際して、例えば、フィルムの加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離型性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度、その他等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等を添加することができ、その添加量としては、極く微量から数十%まで、その目的に応じて、任意に添加することができる。
上記において、一般的な添加剤としては、例えば、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、帯電防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、染料、顔料等の着色剤、その他等を使用することができ、更には、改質用樹脂等も使用することがてきる。
【0027】
また、本発明において、上記の二軸延伸ポリプロピレンフィルムの表面には、後述する無機酸化物の蒸着膜との密接着性等を向上させるために、必要に応じて、予め、所望の表面処理層を設けることができるものである。
本発明において、上記の表面処理層としては、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、化学薬品等を用いて処理する酸化処理、その他等の前処理を任意に施し、例えば、コロナ処理層、オゾン処理層、プラズマ処理層、酸化処理層、その他等を形成して設けることができる。
上記の表面前処理は、二軸延伸ポリプロピレンフィルムと後述する無機酸化物の蒸着膜との密接着性等を改善するための方法として実施するものであるが、上記の密接着性を改善する方法として、その他、例えば、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの表面に、予め、プライマーコート剤層、アンダーコート剤層、アンカーコート剤層、接着剤層、あるいは、蒸着アンカーコート剤層等を任意に形成して、表面処理層とすることもできる。
上記の前処理のコー卜剤層としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエチレンあるいはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂あるいはその共重合体ないし変性樹脂、セルロース系樹脂、その他等をビヒクルの主成分とする樹脂組成物を使用することができる。
【0028】
次に、本発明において、本発明にかかる液体紙容器用積層体を構成するバリア性フィルムを形成するプラズマ化学気相成長法による酸化ケイ素の蒸着薄膜層について説明すると、かかる酸化ケイ素の蒸着薄膜層としては、例えば、化学気相成長法等を用いて、その1層からなる単層膜あるいは2層以上からなる多層膜または複合膜を形成して製造することができるものである。
而して、その酸化ケイ素の蒸着薄膜層の膜構成は、化学式SiOxCyHz(ただし、式中xは、1.0〜1.4の数を表し、yは、0.1〜1.0の数を表し、zは、0.1〜1.0の数を表す。)で表されるプラズマ化学気相成長法による酸化ケイ素を主体とする蒸着薄膜層からなるものである。
【0029】
本発明において、上記の化学気相成長法による酸化ケイ素の蒸着薄膜層について更に説明すると、かかる化学気相成長法による酸化ケイ素の蒸着薄膜層としては、例えば、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長去(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)等を用いて、酸化ケイ素を主体とする蒸着膜を形成して構成することができる。
本発明においては、具体的には、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの一方の面に、有機ケイ素化合物等の蒸着用モノマーガスを原料とし、キャリヤーガスとして、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガスを使用し、更に、酸素供給ガスとして、酸素ガス等を使用し、低温プラズマ発生装置等を利用する低温プラズマ化学気相成長法を用いて酸化ケイ素を主体とする酸化ケイ素の蒸着薄膜層を形成することができる。
上記において、低温プラズマ発生装置としては、例えば、高周波プラズマ、パルス波プラズマ、マイクロ波プラズマ等の発生装置を使用することができ、而して、本発明においては、高活性の安定したプラズマを得るためには、高周波プラズマ方式による発生装置を使用することが望ましい。
【0030】
具体的に、上記の低温プラズマ化学気相成長法による酸化ケイ素の蒸着薄膜層の形成法についてその一例を例示して説明すると、図2は、上記のプラズマ化学気相成長法による酸化ケイ素の蒸着薄膜層の形成法についてその概要を示す低温プラズマ化学気相成長装置の概略的構成図である。
上記の図2に示すように、本発明においては、プラズマ化学気相成長装置21の真空チャンバー22内に配置された巻き出しロール23から基材フィルム11を繰り出し、更に、該基材フィルム11を、補助ロール24を介して所定の速度で冷却・電極ドラム25周面上に搬送する。
而して、本発明においては、ガス供給装置26、27および、原料揮発供給装置28等から酸素ガス、不活性ガス、有機ケイ素化合物等の蒸着用モノマーガス、その他等を供給し、それらからなる蒸着用混合ガス組成物を調整しながら原料供給ノズル29を通して真空チャンバー22内に該蒸着用混合ガス組成物を導入し、そして、上記の冷却・電極ドラム25周面上に搬送された基材フィルム11の上に、グロー放電プラズマ30によってプラズマを発生させ、これを照射して、酸化ケイ素を主体とする蒸着膜を製膜化する。
本発明においては、その際に、冷却・電極ドラム25は、真空チャンバー22の外に配置されている電源31から所定の電力が印加されており、また、冷却・電極ドラム25の近傍には、マグネット32を配置してプラズマの発生が促進されている。
次いで、上記で酸化ケイ素を主体とする蒸着膜を形成した基材フィルム11は、補助ロール33を介して巻き取りロール34に巻き取って、本発明にかかるプラズマ化学気相成長法による酸化ケイ素を主体とする蒸着薄膜層を形成することができるものである。
なお、図中、35は、真空ポンプを表す。
上記の例示は、その一例を例示するものであり、これによって本発明は限定されるものではないことは言うまでもないことである。
図示しないが、本発明においては、酸化ケイ素を主体とする蒸着薄膜層としては、酸化ケイ素を主体とする蒸着薄膜層の1層だけではなく、その2層あるいはそれ以上を積層した多層膜の状態でもよく、また、使用する材料も1種または2種以上の混合物で使用し、また、異種の材質で混合した酸化ケイ素を主体とする蒸着薄膜層を構成することもできる。
【0031】
上記において、真空チャンバー内を真空ポンプにより減圧し、真空度1×10−1〜1×10−8Tor r位、好ましくは、真空度1×10−3〜1×10−7Torr位に調製することが望ましいものである。
また、原料揮発供給装置においては、原料である有機ケイ素化合物を揮発させ、ガス供給装置から供給される酸素ガス、不活性ガス等と混合させ、この混合ガスを原料供給ノズルを介して真空チャンバー内に導入されるものである。
この場合、混合ガス中の有機ケイ素化合物の含有量は、1〜40%位、酸素ガスの含有量は、10〜70%位、不活性ガスの含有量は、10〜60%位の範囲とすることができ、例えば、有機ケイ素化合物と酸素ガスと不活性ガスとの混合比を1:6:5〜1:17:14程度とすることができる。
一方、冷却・電極ドラムには、電源から所定の電圧が印加されているため、真空チャンバー内の原料供給ノズルの開口部と冷却・電極ドラムとの近傍でグロー放電プラズマが生成され、このグロー放電プラズマは、混合ガス中の1つ以上のガス成分から導出されるものであり、この状態において、基材フィルムを一定速度で搬送させ、グロー放電プラブマによって、冷却・電極ドラム周面上の基材フィルムの上に、酸化ケイ素を主体とする蒸着膜を形成することができるものである。
なお、このときの真空チャンバー内の真空度は、1×10−1〜1×10−4Torr位、好ましくは、真空度1×10−1〜1×10−2Torr位に調整することが望ましく、また、基材フィルムの搬送速度は、10〜300m/分位、好ましくは、50〜150m/分位に調製することが望ましいものである。
【0032】
また、上記のプラズマ化学気相成長装置において、酸化ケイ素を主体とする蒸着薄膜層の形成は、基材フィルムの上に、プラズマ化した原料ガスを酸素ガスで酸化しながら化学式SiOxの形で薄膜状に形成されるので、当該形成される酸化ケイ素を主体とする蒸着薄膜層は、緻密で、隙間の少ない、可撓性に富む連続層となるものであり、従って、酸化ケイ素を主体とする蒸着薄膜層のバリア性は、従来の真空蒸着法等によって形成される酸化ケイ素等の無機酸化物の蒸着薄膜層と比較し、はるかに高いものとなり、更に、薄い膜厚で十分なバリア性を得ることができるものである。
また、本発明においては、SiOxプラズマにより基材フィルムの表面が清浄化され、基材フィルムの表面に極性基やフリーラジカル等が発生するので、形成される酸化ケイ素を主体とする蒸着膜と基材フィルムとの密接着性が高いものとなるという利点を有するものである。
更に、上記のように酸化ケイ素を主体とする蒸着膜の形成時の真空度は、1×10−1〜1×10−4Torr位、好ましくは、1×10−1〜1×10−2Torr位に調製することから、従来の真空蒸着法により酸化ケイ素等の無機酸化物の蒸着膜を形成する時の真空度、1×10−4〜1×10−5Torr位に比較して低真空度であることから、基材フィルムを原反交換時の真空状態設定時間を短くすることができ、真空度を安定しやすく、製膜プロセスが安定するものである。
【0033】
本発明において、有機ケイ素化合物等の蒸着モノマーガスを使用して形成される酸化ケイ素を主体とする蒸着薄膜層は、有機ケイ素化合物等の蒸着モノマーガスと酸素ガス等とが化学反応し、その反応物が、基材フィルムの一方の面に密接着し、緻密な、柔軟性等に富む薄膜を形成するものであり、通常、化学式SiOx(ただし、xは、0〜2の数を表す。)で表される酸化ケイ素を主体とする連続状の薄膜である。
而して、上記の酸化ケイ素を主体とする蒸着薄膜層としては、透明性、バリア性等の点から、化学式SiOx(ただし、xは、1.3〜1.9の数を表す。)で表される酸化ケイ素を主体とする蒸着薄膜層であることが好ましいものである。
上記において、xの値は、蒸着モノマーガスと酸素ガスのモル比、プラズマのエネルギー等により変化するが、一般的に、xの値が小さくなればガス透過度は小さくなるが、膜自身が黄色性を帯び、透明性が悪くなる。
【0034】
而して、上記の酸化ケイ素を主体とする蒸着膜は、酸化ケイ素を主体とし、これに、更に、炭素、更には、水素、ケイ素または酸素の1種類、または、その2種類以上の元素からなる化合物の少なくとも1種類を化学結合等により含有する蒸着膜からなることを特徴とするものであり、少なくとも、化学式SiOxCyHz(ただし、式中xは、1.0〜1.4の数を表し、yは、0.1〜1.0の数を表し、zは、0.1〜1.0の数を表す。)で表されるプラズマ化学気相成長法による酸化ケイ素を主体とする蒸着薄膜層からなるものである。
例えば、C−H結合を有する化合物、Si−H結合を有する化合物、または、炭素単位がグラファイト状、ダイヤモンド状、フラーレン状等になっている場合、更に、原料の有機ケイ素化合物やそれらの誘導体を化学結合等によって含有する場合があるものである。
具体例を挙げると、CH3部位を持つハイドロカーボン、SiH3シリル、 SiH2シリレン等のハイドロシリカ、SiH2OHシラノール等の水酸基誘導体等を挙げることができる。
上記以外でも、蒸着過程の条件等を変化させることにより、酸化ケイ素を主体とする蒸着薄膜層中に含有される化合物の種類、量等を変化させることができる。而して、上記の化合物が、酸化ケイ素を主体とする蒸着薄膜層中に含有する含有量としては、0.1〜50%位、好ましくは、5〜20%位が望ましいものである。
上記において、含有率が、0.1%未満であると、酸化ケイ素を主体とする蒸着膜の耐衝撃性、延展性、柔軟性等が不十分となり、曲げなどにより、擦り傷、クラック等が発生し易く、高いバリア性を安定して維持することが困難になり、また、50%を越えると、バリア性が低下して好ましくないものである。
更に、本発明においては、酸化ケイ素を主体とする蒸着薄膜層において、上記の化合物の含有量が、酸化ケイ素を主体とする蒸着薄膜層の表面から深さ方向に向かって減少させることが好ましく、これにより、酸化ケイ素を主体とする蒸着薄膜層の表面においては、上記の化合物等により耐衝撃性等を高められ、他方、基材フィルムとの界面においては、上記の化合物の含有量が少ないために、基材フィルムと酸化ケイ素を主体とする蒸着膜との密接着性が強固なものとなるという利点を有するものである。
【0035】
而して、本発明において、上記の酸化ケイ素を主体とする蒸着薄膜層について、例えば、X線光電子分光装置(X−ray Photoelectron Spectroscopy、XPS)、二次イオン質量分析装置(Secondary Ion Mass Spectroscopy、SIMS)等の表面分析装置を用い、深さ方向にイオンエッチングする等して分析する方法を利用して、酸化ケイ素を主体とする蒸着薄膜層の元素分析を行うことより、上記のような物性を確認することができる。
また、本発明において、上記の酸化ケイ素を主体とする蒸着薄膜層の膜厚としては、膜厚50〜4000Å位であることが望ましく、具体的には、その膜厚としては、100〜1000Å位が望ましく、而して、上記において、1000Å、更には、4000Åより厚くなると、その膜にクラック等が発生し易くなるので好ましくなく、また、100Å、更には、50Å未満であると、バリア性の効果を奏することが困難になることから好ましくないものである。
上記において、その膜厚は、例えば、株式会社理学製の蛍光X線分析装置(機
種名、RIX2000型)を用いて、ファンダメンタルパラメーター法で測定することができる。
また、上記において、上記の酸化ケイ素を主体とする蒸着薄膜層の膜厚を変更する手段としては、蒸着膜の体積速度を大きくすること、すなわち、モノマーガスと酸素ガス量を多くする方法や蒸着する速度を遅くする方法等によって行うことができる。
【0036】
次に、上記において、酸化ケイ素の蒸着薄膜層を形成する有機ケイ素化合物等の蒸着用モノマーガスとしては、例えば、1.1.3.3−テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ビニルトリメチルシラン、メチルトリメチルシラン、ヘキサメチルジシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フェニルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、その他等を使用することができる。
本発明において、上記のような有機ケイ素化合物の中でも、1.1.3.3−テトラメチルジシロキサン、または、ヘキサメチルジシロキサンを原料として使用することが、その取り扱い性、形成された連続膜の特性等から、特に、好ましい原料である。
また、上記において、不活性ガスとしては、例えば、アルゴンガス、ヘリウムガス等を使用することができる。
【0037】
次に、本発明において、本発明にかかる液体紙容器用積層体を構成するバリア性フィルムを形成するエポキシ系樹脂を主成分とする組成物による熱硬化性樹脂被膜について説明すると、まず、エポキシ系樹脂としては、末端にエポキシ基を有する分子量が300〜10,000程度のオリゴマー性樹脂であり、製造原料の種類によって、グリシジルエーテル型、グリシジルエステル型、グリシジルアミン型、その他等を使用することができる。
上記のグリシジルアミン型は、分子中に窒素原子を有するが、その他のエポキシ系樹脂は、窒素原子を持たない。
また、上記のグリシジルアミン型は、安定性が悪く、硬化剤との反応の段階でゲル化し易い問題があり、安定性の高いグリシジルエーテル型あるいはグリシジルエステル型を使用することが望ましい。
【0038】
上記において、上記のエポキシ系樹脂の中で、グリシジルエーテル型は、アルコール性水酸基を有するアルコール類あるいはフェノール類、また、グリシジルエステル型は、カルボン酸を官能基として有する活性水素含有化合物類をエピクロルヒドリンあるいはジクロルヒドリンでエポキシ化して得られる。
通常、アルカリ存在下で反応を行い、一回の反応でエポキシ化する方法や二回以上の反応を経てエポキシ化する。
上記の反応には、三級アミン、四級アミン、トリフェニルホスフィン等の触媒を使同することもできる。
他の方法としては、二重結合を有する化合物を過酸化水素もしくは過酸で液相酸化する方法、二重結合を有する化合物を空気酸化する方法、イリド化合物を用いる方法等があるが、これらに限定されるものではない。
【0039】
また、上記の反応は、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応では、ビスフェノールA 1モルに対して、エピクロルヒドリンは2モル以上を必要とするものである。
上記の反応温度は、5〜150℃の範囲で行うのが一般的であるが、これに限定されるものではない。
また、反応溶媒としては、原料が溶解する溶媒であればよいが、好ましくは、アルコール類が望ましい。
上記のアルコール類としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール等の低級アルコールの他に、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール等のグリコールエーテル類、また、多価アルコール類も使用できる。
【0040】
本発明においては、上記のようにして得られるグリシジルエーテル型エポキシ樹脂としては、その基本骨格から、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、臭素化ビスフェノールA型、水添ビスフェノールA型、ビスフェノールS型、ビスフェノールAF型、ビフェニル型、ナフタレン型、フルオレン型の分子中にエポキシ基を2個有する二官能エポキシ樹脂、フェノールノボラック型、オルソクレゾールノボラック型、DPPノボラック型、トリス・ヒドロキシフェニルメタン型、テトラフェニロールエタン型の分子中にエポキシ基を3個以上有する多官能エポキシ樹脂がある。
【0041】
また、これらの芳香族エポキシ樹脂の他に、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の2価以上の脂肪族アルコール類をエピクロルヒドリン、あるいはジクロルヒドリンでエポキシ化した脂肪族エポキシ樹脂も使用できる。
【0042】
更にまた、グリシジルエステル型エポキシ樹脂としては、分子中に、カルボキシル基(−COOH)を2個以上有する芳香族、あるいは脂肪族カルボン酸とエピクロルヒドリンあるいはジクロルヒドリンとの反応で得ることができる。
上記の芳香族では、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸のエポキシ化物等がある。
これらのエポキシ樹脂は、1種類のエポキシ樹脂、あるいは2種以上のエポキシ樹脂を混合して使用してもよい。
上記のエポキシ樹脂の分子量は、300〜10,000(数平均分子量)、重合度(n)は、0.1〜20、エポキシ当量は、100〜10,000g/eq、粘度は、20〜40,000ps(25℃)である。
【0043】
次に、本発明において、エポキシ系樹脂と反応させる硬化剤としては、例えば、重付加型ポリアミン、重付加型酸無水物、重付加型ポリフェノール、重付加型ポリメルカプタン、重付加型イソシアネート、重付加型有機酸、触媒型硬化剤、縮合型硬化剤、その他等を使用することができる。
【0044】
上記の硬化剤の中で、反応性に富むポリアミン系硬化剤や有機酸やその誘導体(エステル、酸無水物)が広く使用されているが、特に限定されるものではない。上記において、ポリアミンとしては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、メタキシリレンジアミン、イソホロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ジアミノジフェニルメタン等の未変性ポリアミン、ポリアミド、ケチミン、エポキシ変性体(エポキシアダクト)等の変性ポリアミン、有機酸誘導体としては、シュウ酸、フタル酸、マレイン酸、ヘキサヒドロフタル酸、ピロメリット酸、シクロペンタジエンメチルマレイン酸、ドデシルコハク酸、ジクロルマレイン酸、クロレンジック酸、あるいはこれらのエステル体、無水物体等があるが、これらに限定されるものではない。
【0045】
なお、本発明においては、反応を促進する三級アミン等を極く少量添加してもよい。
これらの硬化剤は、1種あるいは2種以上の硬化剤を組み合わせてエポキシ系樹脂を硬化させる。
而して、硬化剤とエポキシ樹脂の反応により、樹脂被膜中に三次元架橋構造が形成され、エポキシ系樹脂の物性、特に、機械的強変、電気的特性、耐熱性、耐薬品性、接着性、並びにガス遮断性を効果的に改善することができる。
【0046】
上記のエポキシ樹脂の硬化反応は、溶媒中で行う。
上記において、使用可能な溶媒としては、エポキシ樹脂と硬化剤が可溶化する溶媒であれば使用可能であり、例えば、脂肪族炭化水素系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、あるいはアルコール系溶媒が使用できる。
溶媒は、単独、あるいは2種以上の溶媒を混合してもよい。
アルコール系溶媒では、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等の低級アルコールの他に、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール等のグリコールエーテル類、また、多価アルコール類も使用できる。
【0047】
上記の硬化反応は、常温で、あるいは加温しながら行う。
本発明においては、概ね、50℃〜150℃の範囲で行うが、温度が高すぎるとゲル化反応が起こり、硬化反応後のコーティング性が悪くなる。
なお、必要に応じて、窒素気流を反応容器に導入し、酸素ガスの影響を除く。
また、硬化剤の添加量は、エポキシ系樹脂のエポキシ基の数で任意に選択されるが、酸無水物の場合は、触媒的効果も有するので、0.1〜0.5エポキシ当量が一般的である。
ただし、硬化剤の量は、三次元構造を決定し、硬化膜の物性に影響を及ぼす因子なので、その量には注意を払う必要がある。
【0048】
なお、上記で硬化剤で硬化させたエポキシ系樹脂は、ややもろいという欠点がある。
特に、本発明では、被膜を形成する披着材が蒸着フィルムの蒸着なので、曲げ弾性係数が大きい樹脂被膜は効果が少ない。
可撓性を付与する方法としては次の方法があるが、これらの方法に限定されるものではない。
例えば、可塑削を添加し、硬化物中に未反応物として長鎖伏の化合物を残存させる方法がある。
上記の可塑剤としては、ジブチルフタレート、有機酸のエチレングリコールのエステル、テトラヒドロフルフリルアルコールのエチレンオキシド付加物等を使用することができる。
次に、硬化時に長鎖状化合物をエポキシ基とが反応するような物質(可撓性付与剤)を添加する方法がある。
更に、希釈剤を使用する方法があり、而して、希釈剤としては、ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ジグリシジルエーテル、ブタンジオールグリシジルエーテル等を使用することができる。
また、充填剤を使用する方法があり、而して、充填剤としては、マイカ粉末、シリカまたは石英粉末、炭酸カルシウム、アルミナ、ケイ酸ジルコニウム、酸化鉄、ガラス粉末等を使用することができる。
更にまた、プラスチック樹脂を添加する方法があり、而して、プラスチック樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酸変性ポリオレフィン、ポリアミド、その他等を使用することができる。
【0049】
次に、本発明において、エポキシ系樹脂を主成分とする組成物を前述の酸化ケイ素の蒸着薄膜層の面にコーティングする方法としては、例えば、エポキシ系樹脂を主成分とする組成物を、必要ならば、溶媒に希釈して蒸着樹脂フィルムを構成する酸化ケイ素の蒸着薄膜層の面にコーティングして、接着剤層ないし接着性樹脂層を形成することができる。
上記において、使用する溶媒は、アルコール系溶媒が最も好ましいが、酢酸エチル、メチルエチルケトンの他、水/アルコール混合溶媒で中に分散させてコーティングを行ってもよい。
必要に応じて、乳化剤等も使用する。
【0050】
上記において、コーティング方法としては、公知のコーティング法で行うことができる。
例えば、ダイレクトグラビアロール法、グラビアロール法、エアドクタコート法、ロッドコート法、キスコート法、リバースロール法、フォンテン法、トランスファーロール法等の方法の他、スプレーコート法、ディップコート法も使用できる。
上記において、そのコート量は、0.1〜50μm、好ましくは、0.5〜5μm(乾燥状態)が望ましい。
本発明において、ガスバリア性は、上記のコート量の厚みに依存するが、あまりコート量が多いと透明性や柔軟性、可撓性が悪くなるので好ましくない。
【0051】
次に、本発明において、本発明にかかる液体紙容器用積層体を構成する最内層について説明すると、かかる最内層としては、前述の最外層と同様に、例えば、熱によって溶融し相互に融着し得る各種のヒートシール性を有するポリオレフィン系樹脂、その他等を使用することができる。
具体的には、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、メタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α−オレフィン共重合体、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重体、エチレン−メタクリル酸重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテンポリマー、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、熱可塑性ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、その他等の樹脂を使用することができる。
而して、本発明においては、上記のような樹脂の1種ないし2種以上を使用し、これを押出機等を用いて溶融押出して、例えば、バリア性フィルムの一方の面に、アンカーコート剤層等を介して、溶融押出樹脂層を溶融押出積層することにより、あるいは、上記のような樹脂の1種ないし2種以上を使用し、予め、これから樹脂のフィルムないしシートを製造し、その樹脂のフィルムないしシートをバリア性フィルムの一方の面にラミネート用接着剤層等を介してドライラミネート積層することにより、あるいは、上記の溶融押出樹脂層等を用いて積層する溶融押出積層法等により、最内層を形成することができる。
なお、本発明において、最内層の厚さとしては、5〜200μm位、好ましくは、10〜100μm位が望ましいものである。
【0052】
なお、上記のアンカーコート剤層等を介して積層する溶融押出積層法において使用する溶融押出樹脂は、ポリオレフィン系樹脂であり、かつ、溶融押出積層法で熱接着性を具備する樹脂であればその種類は任意に選択することができる。
例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリイソブチルメタクリレート、アイオノマー等があるが、これらに限定されるものではない。
本発明において、最内層の膜厚としては、10〜300μm位、好ましくは、20〜100μm位が望ましい。
【0053】
次に、本発明において、上記のような材料を使用して本発明にかかる液体紙容器用積層体を製造する方法について説明すると、かかる方法としては、通常の包装材料をラミネートする方法、例えば、ウェットラミネーション法、ドライラミネーション法、無溶剤型ドライラミネーション法、押出ラミネーション法、Tダイ押出成形法、共押出ラミネーション法、インフレーション法、共押出インフレーション法、その他等で行うことができる。
而して、本発明においては、上記の積層を行う際に、必要ならば、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、その他等の前処理を任意に施すことができ、また、例えば、イソシアネート系(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系、有機チタン系等のアンカーコート剤、あるいは、ポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、ポリ酢酸ビニル系、セルロース系、その他等のラミネート用接着剤等の公知のアンカーコート剤、ラミネート用接着剤等を任意に使用することができる。
【0054】
本発明において、本発明にかかる液体紙容器用積層体を製造する方法について、具体的に述べると、例えば、ラミネート用接着剤によるラミネート用接着剤層を介して積層するドライラミネーション法、あるいは、溶融押出接着性樹脂による溶融押出樹脂層を介して積層する押出ラミネーション法などで行うことができる。
上記において、ラミネート用接着剤としては、例えば、1液、あるいは2液型の硬化ないし非硬化タイプのビニル系、(メタ)アクリル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリウレタン系、エポキシ系、ゴム系、その他などの溶剤型、水性型、あるいは、エマルジョン型などのラミネート用接着剤を使用することができる。
上記ラミネート用接着剤のコーティング法としては、例えば、ダイレクトグラビアロールコート法、グラビアロールコート法、キスコート法、リバースロールコート法、フォンテン法、トランスファーロールコート法、その他の方法で塗布することができる。
そのコーティング層としては、好ましくは0.1〜10g/m2(乾燥状態)位、より好ましくは1〜5g/ m2(乾燥状態)位である。
なお、上記ラミネート用接着剤には、例えば、シランカップリング剤などの接着促進剤を任意に添加することができる。
【0055】
また、上記において、溶融押出接着性樹脂としては、前述のヒートシール性樹脂層を形成するヒートシール性樹脂を同様に使用することができ、具体的には、例えば、低密度ポリエチレン、特に、線状低密度ポリエチレン、酸変性ポリエチレンまたはポリプロピレン等を使用することが好ましい。
上記の溶融押出接着性樹脂による溶融押出樹脂層の膜厚は、好ましくは5〜100μm位、さらに好ましくは、10〜50μm位である。
なお、本発明において、上記の積層を行う際に、より強固な接着強度を得る必要がある場合には、アンカーコート剤などの接着改良剤などをコートすることもできる。
上記アンカーコート剤としては、例えば、アルキルチタネートなどの有機チタン系アンカーコート剤、イソシアネート系アンカーコート剤、ポリエチレンイミン系アンカーコート剤、ポリブタジエン系アンカーコート剤、その他の水性または油性の各種のアンカーコート剤を使用することができる。
本発明においては、上記アンカーコート剤を、ロールコート、グラビアコート、ナイフコート、ディップコート、スプレイコート、その他のコーティング法でコーティングし、溶剤、希釈剤などを乾燥して、アンカーコート剤層を形成することができる。
上記アンカーコート剤の塗布量としては、0.1〜5g/m2(乾燥状態)が好ましい。
【0056】
次にまた、本発明において、本発明にかかる液体紙容器用積層体を使用し、これを製函してなる液体紙容器としては、例えば、ブリックタイプ、フラットタイプあるいはゲーベルトップタイプ等の液体用紙容器等を製造することができる。
また、その形状は、角形容器、丸形等の円筒伏の紙缶等のいずれのものでも製造することができる。
更に、本発明において、本発明にかかる液体紙容器には、例えば、各種の飲食品、接着剤、粘着剤等の化学品、化粧品、医薬品等の雑貨品、その他等の種々の物品を充填包装することができるものである。
而して、本発明において、本発明にかかる液体紙容器は、特に、例えば、酒、果汁飲料等のジュース、ミネラルウォーター、醤油、ソース、スープ等の液体調味料、あるいは、カレー、シチュー、スープ、その他等の種々の液体飲食物を充填包装する包装用容器として有用なものである。
【0057】
【実施例】
上記の本発明について実施例を挙げて更に具体的に説明する。
実施例において、酸素透過度の測定、酸化ケイ素の蒸着薄膜層の膜厚の測定、および、酸化ケイ素の蒸着薄膜層の元素組成分析は、それぞれ、下記のようにして測定した。
(酸素透過度の測定)
これは、本発明にかかる液体紙容器用積層体について、その酸素透過度を、温度23℃、湿度90%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製の測定機[機種名、オクストラン(OXTRAN)〕にて測定した。
(酸化ケイ素の蒸着薄膜層の膜厚の測定)
これは、蒸着樹脂フィルムについて、蛍光X線分析装置(株式会社理学製、機
種名、RIX 3000)を用いて、ファンダメンタルパラメータ法で測定した。
(酸化ケイ素の蒸着薄膜層の元素組成分析)
これは、蒸着樹脂フィルムについて、エスカ(ESCA)を用いて、酸化ケイ素の蒸着薄膜層の組成分析を行って測定した。
ケイ素と酸素については、組成比率(Si:O比率)を正確に測定した。
【0058】
次に、蒸着樹脂フィルムについては、下記のとおり製造した。
(蒸着樹脂フィルムの製造例1)
厚さ20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(二村化学株式会社製、製品名,FOK、片面コロナ処理品、OPP)のコロナ処理面に、PECVD法で酸化ケイ素の蒸着薄膜層を形成して、蒸着樹脂フィルムを製造した。
ガス組成は、ヘキサメチルジシロキサン/酸素ガス/ヘリウム=1/10/10(単位:slm)とした。
蒸着速度は、80m/minで行ったところ、酸化ケイ素の蒸着薄膜層の膜厚は、150Åであった。
蒸着樹脂フィルムの酸化ケイ素の蒸着薄膜層の面は、グロー放電プラズマ処理装置を用いて、酸素プラズマで表面処理を行った。
蒸着薄膜層の表面張力は、プラズマ処理前が、37dyn、処理後は、67dynであった。
【0059】
(蒸着樹脂フィルムの製造例2)
厚さ20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡株式会社製、製品名、P2601、片面コロナ処理品、OPP)のコロナ処理面に、PECVD法で酸化ケイ素の蒸着薄膜層を形成して、蒸着樹脂フィルムを製造した。
ガス組成は、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン/酸素ガス/ヘリウム=1/8/8(単位:slm)とした。
蒸着速度は、90m/minで行ったところ、酸化ケイ素の蒸着薄膜層の膜厚は、160Åであった。
蒸着樹脂フィルムの酸化ケイ素の蒸着薄膜層の面は、グロー放電プラズマ処理装置を用いて、酸素プラズマで表面処理を行った。
蒸着薄膜層の表面張力は、プラズマ処理前が、35dyn、処理後は、69dynであった。
【0060】
次に、エポキシ系樹脂を主成分とする組成物を下記のようにして調製した。
(エポキシ系樹脂を主成分とする組成物の調製例1)
510gのビスフェノールAのグリシジルエーテル誘導体を反応容器に入れ、2Lの1−エトキシ−2−プロパノールを加え、窒素ガスを導入しながら、マグネチックスターラーで攪拌し、80℃で徐々に溶解した。
溶解後、温度を80℃に維持したまま、83gのトリエチレンテトラミンを1Lのn−プロパノール溶液に添加し、マグネチックスターラーで攪拌しながら、エポキシ樹脂を硬化させた。
反応は1時間行い、反応終了後、温度を120℃に上げ、過剰の溶媒を減圧下で留去し、ポリアミンを付加重合させたエポキシ樹脂の5%溶液(n−プロパノール)からなるエポキシ系樹脂を主成分とする組成物を調整した。
【0061】
(エポキシ系樹脂を主成分とする組成物の調製例2)
550gの1,4−ブタンジオールのグリシジルエーテル誘導体を反応容器に入れ、1Lの2−ブトキシエタノールを加え、窒素ガスを導入しながら、マグネチックスターラーで攪拌し、65℃で徐々に溶解した。
溶解後、温度を100℃に上げ、55gのヘキサヒドロフタル酸無水物を0.7Lのn−プロパノール溶液に添加し、マグネチックスターラーで攪拌しながら、エポキシ樹脂を硬化させた。
反応は10時間行い、反応終了後、温度を130℃に上げ、過剰の溶媒を減圧下で留去し、硬化剤を付加重合させたエポキシ樹脂の7%溶液(n−プロパノール)からなるエポキシ系樹脂を主成分とする組成物を調整した。
【0062】
実施例1
上記の(蒸着樹脂フィルムの製造例1)で製造した蒸着樹脂フィルムの酸化ケイ素(SiOx)蒸着薄膜の面に、上記の(エポキシ系樹脂を主成分とする組成物の調製例1)で製造した組成物をグラビアコート法で0.2g/m2(乾燥重量)のコート量でコーティングし、次いで、80℃で48時間熱硬化を行って、熱硬化性樹脂被膜を形成した。
次に、上記で熱硬化性樹脂被膜を形成した蒸着樹脂フィルムの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP20)の面に、ポリエステルウレタン系接着剤(大日精化工業株式会社製、商品名、E−304/C−75N、溶媒:酢酸エチル、DL)を4g/m2〈乾燥重量)のコート量でコーティングし、次いで、そのコート面に、厚さ60μmの低密度ポリエチレンフィルム(大日本樹脂株式会社製、商品名、SKL、片面コロナ処理、LDPE60)のコロナ処理面を対向させて、該LDPE60を積層した。
次いで、上記で製造した積層フィルムの蒸着樹脂フィルムの熱硬化性樹脂被膜の面に、その両面に厚さ20μmの低密度ポリエチレンフィルム層(LDPE20)を有する紙基材の一方の低密度ポリエチレンフィルム(LDPE20)の面を対向させ、その層間に、押出ラミネーション法により、厚さ25μmの低密度ポリエチレン(住友化学工業株式会社製、商品名、スミカセンL430、LDPE25)を溶融押出して積層した。
なお、上記熱硬化性樹脂被膜面には、アンカーコート剤(武田薬品工業株式会社製、商品名、A3200/A3012、AC)をコーティングした。
層構成として、外側から内側に向かって、LDPE20/紙320g/m2/LDPE20/LDPE25/AC/熱硬化性樹脂被膜/SiOx/OPP/DL/LDPE60からなる液体紙容器用積層体を作製した。
【0063】
実施例2
上記の(蒸着樹脂フィルムの製造例2)で製造した蒸着樹脂フィルムの酸化ケイ素(SiOx)蒸着薄膜の面に、上記の(エポキシ系樹脂を主成分とする組成物の調製例2)で製造した組成物を厚さ0.4g/m2のコート量(乾燥重量)でグラビアコート法でコーティングし、次いで、90℃で48時間熱硬化を行って、熱硬化性樹脂被膜を形成した。
次に、上記熱硬化性樹脂被膜を形成した蒸着樹脂フィルムの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP20)の面にアンカーコート剤(東洋モートン株式会社製、商品名、EL−510、AC)を0.5g/m2(乾燥重量)のコート量でコーティングし、次いで、そのコート面に、厚さ60μmの低密度ポリエチレンフィルム(大日本樹脂株式会社製、商品名、SKL、片面コロナ処理、LDPE60)のコロナ処理面を対向させ、その層間に、厚さ20μmの低密変ポリエチレン(住友化学工業株式会社製、商品名、スミカセンL430、LDPE20)を溶融押出して積層した。
次いで、上記で製造した積層フィルムの蒸着樹脂フィルムの熱硬化性樹脂被膜面に、その両面に厚さ20μmの低密度ポリエチレンフィルム層(LDPE20)を有する紙基材の一方の低密度ポリエチレンフィルム層の面を対向させ、その層間に、押出ラミネーション法により、厚さ25μmの低密度ポリエチレン層(住友化学工業株式会社製、商品名、スミカセンL430、LDPE25)を溶融押出して積層した。
なお、上記熱硬化性樹脂被膜面には、アンカーコート剤(武田薬品工業株式会社製、商品名、A3200/A3012、AC)をコーティングした。
層構成として、外側から内側に向かって、LDPE20/紙320g/m2/LDPE20/LDPE25/AC/熱硬化性樹脂被膜/SiOx/OPP/AC/LDPE20/LDPE60からなる液体紙容器用積層体を作製した。
【0064】
実施例3
上記の実施例1において、蒸着樹脂フィルムの積層面を反対方向にし、さらに、熱硬化性樹脂被膜面に、厚さ20μmの 二軸延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡株式会社製、商品名、P2261、両面コロナ処理品、OPP20)を、ドライラミネーション法(DL)により貼り合わせ、それ以外は上記の実施例1と同様にして,層構成として、外側から内側に向かって、LDPE20/紙320g/m2/LDPE20/LDPE25/AC/OPP/SiOx/熱硬化性樹脂被膜/DL/OPP20/DL/LDPE60からなる液体紙容器用積層体を作製した。
【0065】
実施例4
上記の実施例3において使用した二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP20)の代わりに、厚さ50μmの高密度ポリエチレンフィルム(タマポリ株式会社製、商品名、HS30、両面コロナ処理品、HDPE50)を使用した以外は実施例3と同じ方法で積層し、層構成として、外側から内側に向かって、LDPE20/紙320g/m2/LDPE20/LDPE25/AC/OPP/SiOx/熱硬化性樹脂被膜/DL/HDPE50/DL/LDPE60からなる液体紙容器用積層体を作製した。
【0066】
比較例1
上記の実施例1において、熱硬化性樹脂被膜を形成せずに、それ以外は上記の実施例1と同様にして,層構成として、外側から内側に向かって、LDPE20/紙320g/m2/LDPE20/LDPE25/AC/SiOx/OPP/DL/LDPE60からなる液体紙容器用積層体を作製した。
【0067】
比較例2
上記の実施例2において、熱硬化性樹脂被膜を形成せずに、それ以外は上記の実施例2と同様にして,層構成として、外側から内側に向かって、LDPE20/紙320g/m2/LDPE20/LDPE25/AC/SiOx/OPP/AC/LDPE20/LDPE60からなる液体紙容器用積層体を作製した。
【0068】
比較例3
中間バリア層として、物理気相成長法によりシリカ(PVD−SiOx)を蒸着した厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱化学株式会社製、商品名、テックバリアH、PET12)を使用し、該蒸着面にポリエステルウレタン系接着剤(大日精化工業株式会社製、商品名、E−304/C−75N、DL)を4g/m2(乾燥重量)のコート量でコーティングし、該コート面に、厚さ60μmの低密度ポリエチレンフィルム(大日本樹脂株式会社製、商品名、SKL、片面コロナ処理、LDPE60)のコロナ処理面を対向させて該LDPE60を貼り合わせ、次いで、上記のPET12の面に、その両面に厚さ20μmの低密度ポリエチレンフィルム層(LDPE20)を有する紙基材の一方の低密度ポリエチレンフィルム層の面を対向させ、その層間に、押出ラミネーション法により、厚さ25μmの低密度ポリエチレン(住友化学工業株式会社製、商品名、スミカセンL430、LDPE25)を溶融押出して積層した。
なお、上記のPET12の面には、アンカーコート剤(武田薬品工業株式会社製、商品名、A3200/A3012、AC)をコーティングした。
層構成として、外側から内側に向かって、LDPE20/紙320g/m2/LDPE20/LDPE25/AC/PET12/PVD−SiOx/DL/LDPE60からなる液体紙容器用積層体を作製した。
【0069】
比較例4
中間バリア層として、物理気相成長法により酸化アルミニウム(PVD− Al2O3)を蒸着した厚さ12μm のポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋メタライジング株式会社製、PET12)を使用し、その他は比較例3と同じ方法で積層し、層構成として、外側から内側に向かって、LDPE20/紙320g/m2/LDPE20/LDPE25/AC/PET12/PVD−Al2O3/DL/LDPE60からなる液体紙容器用積層体を作製した。
【0070】
比較例5
基材として二軸延伸ポリプロピレンフィルム(二村化学株式会社製、商品名、FOK、片面コロナ処理品、OPP)を使用して、これを電子線照射加熱方式物理気相成長装置の送り出しロールに装着し、真空チャンバー内の真空度を3.0×10−6mbar、冷却ドラム温度を−10℃とし、反応ガスに酸素を用いて、粒状一酸化ケイ素(SiO)をターゲットとして、厚さ500Åのケイ素酸化物薄膜を該OPP上に形成したものを中間バリア層とした。
該中間バリア層を使用し、その他は比較例4と同じ方法で積層し、層構成として、外側から内側に向かって、LDPE20/紙320g/m2/LDPE20/LDPE25/AC/OPP/SiO/DL/LDPE60からなる液体紙容器用積層体を作製した。
【0071】
試験例
上記の実施例1〜4、および、比較例1〜5で製造した液体紙容器用積層体を使用し、まず、その酸素透過度測定した後、その液体容器用積層体を使用し、これに罫線入れ打抜き機で打抜き加工を行い、液体紙容器用のブランクシートを作製した。
このブランクシートは、次に、フレームシール機でサイドシールを行い、スリーブを作製し、ホットエア方式の充填成形機で一辺が70mm角、高さが135mmの500mL容の液体紙容器を作製した。
内容物は充填せず、製缶した容器の胴体部から酸素透過度測定用サンプルを採取し、酸素透過度測定を行った。
製缶時の成形温度は、ボトム温度、トップ温度とも260〜320℃であった。
【0072】
上記の酸素透過度測定結果について表1に示す。
【表1】
【0073】
上記の表1に示す結果から明らかなように、化学気相成長法による酸化ケイ素蒸着の蒸着面に熱硬化性樹脂被膜を形成した実施例1〜4の積層体は、何れも製缶前の酸素透過度が2cc/m2・day・atm以下という優れた酸素バリア性を示した。
また、熱硬化性樹脂被膜を形成しなかった比較例1、2の積層体は酸素バリアはやや悪化し、5cc/m2・day・atm以下であった。
物理気相成長法による酸化ケイ素を蒸着した比較例3の積層体の酸素バリア性は、製缶前では実施例とほぼ同等であったが、製缶後ではかなり悪化した。
この傾向は、物理気相成長法による酸化アルミニウムを蒸着した比較例4の積層体も同様であり、このことから、化学気相成長法による酸化ケイ素蒸着膜の後加工適性が良好なことを裏付ける結果となった。
また、物理気相成長法による酸化ケイ素を蒸着した比較例5の積層体では、製缶前後ともに、酸素透過度が50cc/m2・day・atm以上となり、使用に耐えないレベルのバリア性しか達成できなかった。
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明は、ガスバリア性を有するコーティング剤として、例えば、エポキシ−ポリアミン系のエポキシ系樹脂を主成分とする組成物による熱硬化性樹脂被膜に着目し、このエポキシ系樹脂を主成分とする組成物による熱硬化性樹脂被膜を蒸着樹脂フィルムの無機酸化物の蒸着薄膜層の面に形成すると、特に、プラズマ気相成長法(PECVD)等の化学気相成長法による無機酸化物の蒸着薄膜層の上に形成すると、そのバリア性のみならず、その無機酸化物の蒸着薄膜層との密着性が格段に向上し、更に、他の樹脂フィルムとの複合化を行っても、その性能には影響を及ぼさないというものである。
また、本発明においては、無機酸化物の蒸着薄膜層のハイバリア化と密着性を達成するための手段として、プラズマ気相成長法(PECVD)等の化学気相成長法による無機酸化物の蒸着薄膜層の上に、エポキシ系樹脂を有機系硬化剤で硬化させた熱硬化性樹脂被膜を形成することで、プラズマ気相成長法(PECVD)等の化学気相成長法による無機酸化物の蒸着薄膜層をさほど厚くしなくても、バリア性が格段に向上し、バリア性改善の他に、更に、密着性が優れているので、可撓性や後加工適性も従来の無機酸化物の蒸着薄膜層の根本的問題を大幅に改善することができるという利点を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる液体紙容器用積層体についてその層構成の一例の層構成を示す概略的断面図である。
【図2】プラズマ化学気相成長装置についてその概要を示す概略的構成図である。
【符号の説明】
A 積層材
1 最外層
2 紙基材
3 中間層
4 最内層
3a バリア性フィルム
11 二軸延伸ポリプロピレンフィルム
12 酸化ケイ素の蒸着薄膜層
13 蒸着樹脂フィルム
14 熱硬化性樹脂被膜
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体紙容器用積層体に関し、更に詳しくは、中間層として、ガスバリア性を有する酸化ケイ素の蒸着薄膜層を形成した蒸着樹脂フィルムを積層し、特に、清涼飲料水や果汁飲料等の内容物を充填包装し、その保存性に優れた液体紙容器用積層体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、液体紙容器は、板紙を主体とする積層体であるため、使用後の廃棄性に優れ、例えば、牛乳では、ポリエチレン/紙/ポリエチレンで構成された紙容器が広く使用されている。
しかし、流通期間が短い牛乳では問題とならないが、清涼飲料水や果汁飲料水では、そのシェルフライフが問題となる。
すなわち、ポリエチレン/紙/ポリエチレンの構成では、内容物に対する保存性が充分でなく、容器内部からの透過によるフレーバーの減少や外部からの異臭の移行を防止できない。
【0003】
また、バリア性が不可欠な内容物を充填包装する液体紙容器を製造する液体紙容器用積層体の層構成としては、ガス透過性が実質的にほぼ0のアルミニウム箔を中間層として積層した積層体が主流を占め、日本酒、焼酎、ワイン等のアルコール飲料や保香性が要求される果汁飲料等を中心に広く流通している。
しかし、アルミニウム箔を積層した積層体製の液体紙容器は、バリア性は格段に優れているが、アルミニウム箔が再利用できないことや、その廃棄性に問題があり、現在、アルミニウム箔を使用しなくとも内容物の保存性に優れる液体紙容器の開発が急務となっている。
【0004】
例えば、有機系バリア材料として、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム(EVOH)やポリ塩化ビニリデン系多層フィルムを使用し、これを積層した積層体を製函してなる液体紙容器が提案されている。
しかし、これらの液体紙容器は何れも、バリア性においてはアルミニウム箔を積層した液体紙容器には及ばず、エチレン−ビニルアルコール共重合体の場合、これを液体紙容器用のバリア層として使用することについては、エチレン−ビニルアルコール共重体が水分を吸湿すると酸素バリア性が著しく低下するという性質を有しているため、現実的には、長期保存性が要求される内容物を充填包装するには使用できないのが現状である。
また、ポリ塩化ビニリデンの場合、これの焼却処理過程での塩素ガスの発生が問題となっている。
【0005】
また、真空蒸着法等の物理気相成長法によって形成される酸化ケイ素(SiOx)、酸化アルミニウム(A1Ox)、酸化マグネシウム(MgO)等の無機酸化物の蒸着薄膜層をプラスチックフィルム上に形成した蒸着樹脂フィルムをバリア性フィルムとして使用し、これを積層した積層体からなる液体紙容器は、この吸湿等によるバリア性の低下や、焼却処理過程での有毒ガスの発生の問題はなく、バリア性のレベルも、上記のエチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム(EVOH)やポリ塩化ビニリデンフィルムよりも優れており、紙容器用積層体を構成するバリア性フィルムとして近年注目されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の蒸着樹脂フィルムは、可撓性に劣り、屈曲や折り曲げ等、外部応力に対して耐性がないという問題点がある。
例えば、液体紙容器では、罫線部分でバリア性が極端に悪化し、容器全体のバリア性を格段に向上させることは困難な状況である。
【0007】
また、上記の蒸着樹脂フィルムは、有機物質であるプラスチックフィルム基材上に無機酸化物の蒸着薄膜層を物理的に付着させているため、無機酸化物の蒸着薄膜層と基材間の密着性はかなり悪く、特に、浸透性の強い内容物では、その保存中に、無機酸化物の蒸着薄膜層の一方、あるいは両方の界面で界面剥離が起き、液漏れ等の問題を起こすことがある。
更に、上記の蒸着樹脂フィルムは、その蒸着薄膜を形成する過程において、高温度下で処理されるため、耐熱性を有するプラスチック基材、例えば、ポリエステルやナイロン等の非ポリオレフィン系フィルムを基材として使用しなければならず、必然的に製造コストが高くなる問題があり、安価な内容物用の包装材料としては、低コスト化が必須である.
【0008】
ところで、上記の真空蒸着法等の物理気相成長法による蒸着樹脂フィルムの欠点を改良する手段として、プラズマ気相成長法(PECVD)等の化学気相成長法による蒸着樹脂フィルムに注目されるものである。
上記のプラズマ気相成長法(PECVD)等の化学気相成長法による蒸着樹脂フィルムは、まず、オルガノシロキサン系モノマーをプラズマ化し、基材上に化学的に無機酸化物の蒸着薄膜層を積層するため、基材と無機酸化物の蒸着薄膜層との密着は、真空蒸着法等の物理気相成長法による蒸着樹脂フィルムよりも優れており、また、可撓性や耐屈曲性が、真空蒸着法等の物理気相成長法による蒸着樹脂フィルムよりも格段に優れ、更に、真空蒸着法等の物理気相成長法による蒸着樹脂フィルムでは耐熱性を有する基材にしか適用できないが、プラズマ気相成長法(PECVD)等の化学気相成長法による場合は、耐熱性の劣るポリオレフィン系樹脂フィルム、例えば、二軸延伸ポリプロピレンやポリエチレンにも適用できるメリットがあるものである。
【0009】
しかし、プラズマ気相成長法(PECVD)等の化学気相成長法による無機酸化物の蒸着薄膜は、モノマー由来の炭素や水素含有不純物を膜組成中に含むため、真空蒸着法等の物理気相成長法による薄膜に比べて、表面の自由エネルギーが小さく、そのため、濡れ性が真空蒸着法等の物理気相成長法による薄膜のそれと比べてやや悪い点が指摘されている。
これを解決するために、たとえば、接着促進剤として、プライマーをコーティングしたり、あるいは、コロナ処理やプラズマ処理で表面物性を改良し、濡れ性を改善する方法が検討されているが、根本的な解決策は見出されていないのが現状である。
【0010】
また、バリア性は、例えば、無機酸化物の蒸着薄膜層の膜厚を厚くすることとによって、真空蒸着法等の物理気相成長法による無機酸化物の蒸着薄膜層並のバリア性を達成できることは判明しているが、現実的には、蒸着速度が遅くなり、生産コストの高騰を招き、現状では真空蒸着法等の物理気相成長法による無機酸化物の蒸着薄膜層よりもバリア性は悪いものである。
この傾向は、特に二軸延伸ポリプロピレン等の耐熱性のないポリオレフィン系樹脂フィルムで顕著である。
そこで、プラズマ気相成長法(PECVD)等の化学気相成長法による無機酸化物の蒸着薄膜層の利点を生かし、かつコスト的に有利なポリオレフィン系樹脂フィルムを基材として液体紙容器のバリア性フィルムとして使用する場合は、このバリア性と密着性の両方を改良する必要があるものである。
【0011】
次に、蒸着樹脂フィルムのバリア性を改善する方法として、同種あるいは異種の無機酸化物を2層以上形成する方法があるが、バリア性は改善できるが、可撓性や耐屈曲性は悪化してしまう。
また、例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂等の有機系のバリア性コーティング剤の薄膜を被覆する方法、アルコキシシラン化合物の加水分解物と有機成分との反応で得られる有機−無機ハイブリッド膜を被覆する方法、ポリシラザン等の無機質コーティング層で被覆する方法等が提案されているが、蒸着薄膜との密着性は依然として改善できず、また、可撓性や耐屈曲性、さらには、加工適性も必然的に悪くなるため、根本的な解決策は見出されていないものである。
【0012】
さらに、有機系プライマーコーティング剤を蒸着薄膜上に形成する方法も提案されている。
しかし、本材料の緩衝材的作用によって可撓性や耐屈曲性は改善できるが、ガスバリア性の向上には全く寄与しないものである。
そこで本発明は、プラズマ気相成長法(PECVD)等の化学気相成長法による無機酸化物の蒸着薄膜層の利点を生かして、長期保存を必要とする内容物等を充填包装し得る液体紙容器を製造するに有用なバリア性や耐内容物性を改善したポリオレフィン系樹脂フィルムを製造し、これを使用した液体紙容器用積層体を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明は、ガスバリア性を有するコーティング剤として、例えば、エポキシ−ポリアミン系のエポキシ系樹脂を主成分とする組成物による熱硬化性樹脂被膜に着目し、このエポキシ系樹脂を主成分とする組成物による熱硬化性樹脂被膜を蒸着樹脂フィルムの無機酸化物の蒸着薄膜層の面に形成すると、特に、プラズマ気相成長法(PECVD)等の化学気相成長法による無機酸化物の蒸着薄膜層の上に形成すると、そのバリア性のみならず、その無機酸化物の蒸着薄膜層との密着性が格段に向上し、更に、他の樹脂フィルムとの複合化を行っても、その性能には影響を及ぼさないことを見出して本発明を完成したものである。
【0014】
すなわち、本発明は、少なくとも、最外層、紙基材、中間層、および、最内層を順次に積層した液体紙容器用積層体において、上記の中間層が、二軸延伸ポリプロピレンフィルムからなり、かつ、該二軸延伸ポリプロピレンフィルムの少なくとも一方の面に、プラズマ気相成長法によるケイ素、酸素、炭素、水素を膜組成成分として含有する酸化ケイ素の蒸着薄膜層を形成した蒸着樹脂フィルムからなり、更に、該蒸着樹脂フィルムを構成する酸化ケイ素の蒸着薄膜層の上に、エポキシ系樹脂を主成分とする組成物による熱硬化性樹脂被膜を設け、更に、上記の最内層に、メタロセン触媒を用いて製造したポリエチレン層を設けた構成からなることを特徴とする液体紙容器用積層体に関するものである。
【0015】
而して、本発明においては、無機酸化物の蒸着薄膜層のハイバリア化と密着性を達成するための手段として、プラズマ気相成長法(PECVD)等の化学気相成長法による無機酸化物の蒸着薄膜層の上に、エポキシ系樹脂を有機系硬化剤で硬化させた熱熱硬化性樹脂被膜を形成することで、プラズマ気相成長法(PECVD)等の化学気相成長法による無機酸化物の蒸着薄膜層をさほど厚くしなくても、ポリオレフィン系樹脂フィルムのプラズマ気相成長法(PECVD)等の化学気相成長法による蒸着樹脂フィルムのバリア性が格段に向上し、バリア性改善の他に、更に、密着性が優れているので、可撓性や後加工適性も従来の無機酸化物の蒸着薄膜層の根本的問題を大幅に改善することができるという利点を有するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
上記の本発明について以下に図面等を用いて更に詳しく説明する。
図1は、本発明にかかる液体紙容器用積層体についてその層構成の概略を示す概略的断面図である。
【0017】
まず、本発明にかかる液体紙容器用積層体についてその一例を例示すると、本発明にかかる液体紙容器用積層体Aは、図1に示すように、少なくとも、最外層1、紙基材2、中間層3、および、最内層4を順次に積層した構成からなり、更に、上記の中間層3が、バリア性フィルム3aからなり、かつ、該バリア性フィルム3aが、二軸延伸ポリプロピレンフィルム11の少なくとも一方の面に、プラズマ気相成長法によるケイ素、酸素、炭素、水素を膜組成成分として含有する酸化ケイ素の蒸着薄膜層12を形成した蒸着樹脂フィルム13と、該蒸着樹脂フィルム13を構成する酸化ケイ素の蒸着薄膜層12の上に、エポキシ系樹脂を主成分とする組成物による熱硬化性樹脂被膜14とを設け、更に、上記の最内層4に、メタロセン触媒を用いて製造したポリエチレン層を設けた層構成からなるものである。
【0018】
上記の例示は、本発明にかかる液体紙容器用積層体についてその層構成の一例を例示するものであり、これによって本発明は限定されるものではない。
例えば、本発明においては、図示しないが、上記のような積層体の構成において、バリア性フィルムを構成する酸化ケイ素の蒸着薄膜層と接着剤層ないし接着性樹脂層の面は、紙基材の面、あるいは、最内層の面のいずれの面に対向させて積層してもよいものであるが、好ましくは、紙基材の面に対向させて積層することが望ましいものである。
また、例えば、本発明にかかる液体紙容器用積層体においては、図示しないが、液体紙容器の包装目的、充填包装する内容物、その流通経路、用途等によって、更に、他の基材を任意に積層して、種々の形態からなる積層材を設計して製造することができるものである。
【0019】
次に、本発明において、上記の本発明にかかる液体紙容器用積層体を使用し、これを製函してなる液体紙容器についてその一例を説明すると、図示しないが、まず、上記の図1に示す液体紙容器用積層体を使用し、該液体紙容器用積層体に、所望の液体紙容器の形状に合わせて、常法により、縦または横あるいは斜め等に折り罫を刻設すると共に打ち抜き加工して、糊代部等を有するブランクシートを製造する。
次に、常法により、上記で製造したブランクシートの端面に、内容物の浸透、液漏れ等を防止するために、例えば、スカイブ・ヘミング処理等を施して端面処理を行った後、糊代部の面に、上記のブランクシートの他方の端部の面を対向させて重ね合わせ、次いで、その層間に、例えば、フレーム処理、あるいは、ホットエアー処理等を行い、上記の糊代部および他方の端部の部分にある最内層あるいは最外層を構成する樹脂層を溶融し、その溶融面を介して、フレームシール、あるいは、ホットエアーシール等により胴貼りシールして、筒状のスリーブを製造する。
次に、上記で製造した筒状のスリーブを、内容物を充填するメーカー等に納入し、該筒伏のスリーブを内容物充填機に供給し、次いで、内容物の充填に先立って、まず、筒状のスリーブのボトムの内面をホットエアーにより炙り、その内面の最内層を構成する樹脂層を溶融させて、プレスシールを行って底シール部を形成して、上方に開口部を有する包装用容器を製造する。
しかる後、上記で製造した包装用容器の開口部から内容物を充填した後、トップの内面をホットエアーで灸り、その内面の最内層を構成する樹脂層を溶融させて、プレスシールを行って、例えば、屋根型トップシール部を形成して、内容物を充填包装した本発明にかかる液体紙容器用積層体を使用して製函してなる液体紙容器を製造するものである。
上記の例示は、本発明にかかる液体紙容器についてその一例を例示したものであり、これによって本発明は限定されるものではない。
例えば、本発明においては、図示しないが、本発明にかかる液体紙容器の形状としては、ゲーベルトップ型のもの、ブロック型のもの、筒状型のもの、その他等の任意の形状を取り得るものである。
【0020】
次に、本発明において、本発明にかかる液体紙容器用積層体、液体紙容器等を構成する材料、製造法等について更に詳しく説明すると、まず、本発明にかかる液体紙容器用積層体を構成する最外層としては、例えば、熱によって溶融し相互に融着し得る各種のヒートシール性を有するポリオレフィン系樹脂、その他等を使用することができる。
具体的には、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、メタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α−オレフィン共重合体、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテンポリマー、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、熱可塑性ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、その他等の樹脂を使用することができる。
而して、本発明においては、上記のような樹脂の1種ないし2種以上を使用し、これを押出機等を用いて溶融押出して、例えば、紙基材の一方の面に、アンカーコート剤層等を介して、溶融押出樹脂層を溶融押出積層することにより、あるいは、上記のような樹脂の1種ないし2種以上を使用し、予め、これから樹脂のフィルムないしシートを製造し、その樹脂のフィルムないしシートを、紙基材の一方の面にラミネート用接着剤層等を介してドライラミネート積層することにより、あるいは、上記の溶融押出樹脂層を介して溶融押出積層することにより、最外層を形成することができる。
なお、本発明において、最外層の厚さとしては、5〜200μm位、好ましくは、10〜100μm位が望ましいものである。
【0021】
次に、本発明において、本発明にかかる液体紙容器用積層体を構成する紙基材としては、これが紙容器を構成する基本素材となることから、賦型性、耐屈曲性、剛性、腰、強度等を有するものを使用することができ、例えば、強サイズ性の晒または未晒の紙基材、あるいは、純白ロール紙、クラフト紙、板紙、加工紙、その他等の各種の紙基材を使用することができる。
また、本発明において、上記の紙基材としては、坪量約80〜600g/m2位のもの、好ましくは、坪量的100〜450g/m2位のものを使用することができる。
【0022】
なお、本発明において、上記の紙基材には、所望の印刷絵柄を通常の印刷方式にて任意に形成することができるものである。
上記の印刷絵柄層としては、例えば、上記のバリア性塗布膜の上に、通常のグラビアインキ組成物、オフセットインキ組成物、凸版インキ組成物、スクリーンインキ組成物、その他のインキ組成物を使用し、例えば、グラビア印刷方式、オフセット印刷方式、凸版印刷方式、シルクスクリーン印刷方式、その他の印刷方式を使用し、例えば、文字、図形、絵柄、記号、その他からなる所望の印刷絵柄を形成することにより構成することができる。
上記インキ組成物について、インキ組成物を構成するビヒクルとしては、例えば、ポリエチレン系樹脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、フッ化ビニリデン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アルキッド系樹脂、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、熱硬化型ポリ(メタ)アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、キシリレン系樹脂、マレイン酸樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース、アセチルブチルセルロース、エチルオキシエチルセルロースなどの繊維素系樹脂、塩化ゴム、環化ゴムなどのゴム系樹脂、石油系樹脂、ロジン、カゼインなどの天然樹脂、アマニ油、大豆油などの油脂類、その他の樹脂の1種ないし2種以上の混合物を使用することができる。
本発明において、上記のようなビヒクルの1種ないし2種以上を主成分とし、これに、染料・顔料などの着色剤の1種ないし2種以上を加え、さらに必要ならば、充填剤、安定剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの光安定剤、分散剤、増粘剤、乾燥剤、滑剤、帯電防止剤、架橋剤、その他の添加剤を任意に添加し、溶剤、希釈剤などで充分に混練してなる各種の形態からなるインキ組成物を使用することができる。
【0023】
次に、本発明において、本発明にかかる液体紙容器用積層体を構成するバリア性フィルムについて説明すると、まず、バリア性フィルムを構成する基材フィルムとしては、これに化学式SiOxCyHz(ただし、式中xは、1.0〜1.4の数を表し、yは、0.1〜1.0の数を表し、zは、0.1〜1.0の数を表す。)で表されるプラズマ化学気相成長法による酸化ケイ素を主体とする蒸着薄膜層を設けることから、機械的、物理的、化学約、その他等において優れた性質を有する樹脂のフィルムないしシートを使用することができる。
具体的には、本発明において、基材フィルムとしては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリルル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ塩化ビニル樹脂、フッ素系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂、その他等の各種の樹脂のフィルムないしシートを使用することができる。
なお、本発明においては、特に、ポリプロピレン系樹脂のフィルムないしシートを使用することが好ましいものである。
【0024】
本発明にかかるポリプロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合によるポリプロピレンホモポリマー、プロピレンを主成分としてα−オレフィンをランダム、あるいはブロック共重合させたプロピレン−α−オレフィン共重合体が使用できる。
なお、α−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、1,4−ヘキサジエン等が挙げられる。
この他にも、無水マレイン酸等のカルボン酸でグラフト変性されたα−オレフィンも挙げられる。
【0025】
本発明において使用する二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、上記のポリプロピレン系樹脂を単独で製膜化する方法、2種以上の異なるポリプロピレン系樹脂をインフレーション法、Tダイ法により多層共押出して製膜する方法、あるいは、製膜化する前に2種以上のポリプロピレン系樹脂を混合して製膜化する方法等により、ポリプロピレン系樹脂フィルムを製造し、更に、例えば、テンター方式、あるいは、チューブラー方式等を利用して2軸方向に延伸してなるポリプロピレン系樹脂フィルムを使用することができる。
本発明において、ポリプロピレン系樹脂フィルムの膜厚としては、5〜100μm位、より好ましくは、10〜50μm位が望ましい。
【0026】
なお、上記のポリプロピレン系樹脂の製膜化に際して、例えば、フィルムの加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離型性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度、その他等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等を添加することができ、その添加量としては、極く微量から数十%まで、その目的に応じて、任意に添加することができる。
上記において、一般的な添加剤としては、例えば、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、帯電防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、染料、顔料等の着色剤、その他等を使用することができ、更には、改質用樹脂等も使用することがてきる。
【0027】
また、本発明において、上記の二軸延伸ポリプロピレンフィルムの表面には、後述する無機酸化物の蒸着膜との密接着性等を向上させるために、必要に応じて、予め、所望の表面処理層を設けることができるものである。
本発明において、上記の表面処理層としては、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、化学薬品等を用いて処理する酸化処理、その他等の前処理を任意に施し、例えば、コロナ処理層、オゾン処理層、プラズマ処理層、酸化処理層、その他等を形成して設けることができる。
上記の表面前処理は、二軸延伸ポリプロピレンフィルムと後述する無機酸化物の蒸着膜との密接着性等を改善するための方法として実施するものであるが、上記の密接着性を改善する方法として、その他、例えば、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの表面に、予め、プライマーコート剤層、アンダーコート剤層、アンカーコート剤層、接着剤層、あるいは、蒸着アンカーコート剤層等を任意に形成して、表面処理層とすることもできる。
上記の前処理のコー卜剤層としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエチレンあるいはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂あるいはその共重合体ないし変性樹脂、セルロース系樹脂、その他等をビヒクルの主成分とする樹脂組成物を使用することができる。
【0028】
次に、本発明において、本発明にかかる液体紙容器用積層体を構成するバリア性フィルムを形成するプラズマ化学気相成長法による酸化ケイ素の蒸着薄膜層について説明すると、かかる酸化ケイ素の蒸着薄膜層としては、例えば、化学気相成長法等を用いて、その1層からなる単層膜あるいは2層以上からなる多層膜または複合膜を形成して製造することができるものである。
而して、その酸化ケイ素の蒸着薄膜層の膜構成は、化学式SiOxCyHz(ただし、式中xは、1.0〜1.4の数を表し、yは、0.1〜1.0の数を表し、zは、0.1〜1.0の数を表す。)で表されるプラズマ化学気相成長法による酸化ケイ素を主体とする蒸着薄膜層からなるものである。
【0029】
本発明において、上記の化学気相成長法による酸化ケイ素の蒸着薄膜層について更に説明すると、かかる化学気相成長法による酸化ケイ素の蒸着薄膜層としては、例えば、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長去(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)等を用いて、酸化ケイ素を主体とする蒸着膜を形成して構成することができる。
本発明においては、具体的には、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの一方の面に、有機ケイ素化合物等の蒸着用モノマーガスを原料とし、キャリヤーガスとして、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガスを使用し、更に、酸素供給ガスとして、酸素ガス等を使用し、低温プラズマ発生装置等を利用する低温プラズマ化学気相成長法を用いて酸化ケイ素を主体とする酸化ケイ素の蒸着薄膜層を形成することができる。
上記において、低温プラズマ発生装置としては、例えば、高周波プラズマ、パルス波プラズマ、マイクロ波プラズマ等の発生装置を使用することができ、而して、本発明においては、高活性の安定したプラズマを得るためには、高周波プラズマ方式による発生装置を使用することが望ましい。
【0030】
具体的に、上記の低温プラズマ化学気相成長法による酸化ケイ素の蒸着薄膜層の形成法についてその一例を例示して説明すると、図2は、上記のプラズマ化学気相成長法による酸化ケイ素の蒸着薄膜層の形成法についてその概要を示す低温プラズマ化学気相成長装置の概略的構成図である。
上記の図2に示すように、本発明においては、プラズマ化学気相成長装置21の真空チャンバー22内に配置された巻き出しロール23から基材フィルム11を繰り出し、更に、該基材フィルム11を、補助ロール24を介して所定の速度で冷却・電極ドラム25周面上に搬送する。
而して、本発明においては、ガス供給装置26、27および、原料揮発供給装置28等から酸素ガス、不活性ガス、有機ケイ素化合物等の蒸着用モノマーガス、その他等を供給し、それらからなる蒸着用混合ガス組成物を調整しながら原料供給ノズル29を通して真空チャンバー22内に該蒸着用混合ガス組成物を導入し、そして、上記の冷却・電極ドラム25周面上に搬送された基材フィルム11の上に、グロー放電プラズマ30によってプラズマを発生させ、これを照射して、酸化ケイ素を主体とする蒸着膜を製膜化する。
本発明においては、その際に、冷却・電極ドラム25は、真空チャンバー22の外に配置されている電源31から所定の電力が印加されており、また、冷却・電極ドラム25の近傍には、マグネット32を配置してプラズマの発生が促進されている。
次いで、上記で酸化ケイ素を主体とする蒸着膜を形成した基材フィルム11は、補助ロール33を介して巻き取りロール34に巻き取って、本発明にかかるプラズマ化学気相成長法による酸化ケイ素を主体とする蒸着薄膜層を形成することができるものである。
なお、図中、35は、真空ポンプを表す。
上記の例示は、その一例を例示するものであり、これによって本発明は限定されるものではないことは言うまでもないことである。
図示しないが、本発明においては、酸化ケイ素を主体とする蒸着薄膜層としては、酸化ケイ素を主体とする蒸着薄膜層の1層だけではなく、その2層あるいはそれ以上を積層した多層膜の状態でもよく、また、使用する材料も1種または2種以上の混合物で使用し、また、異種の材質で混合した酸化ケイ素を主体とする蒸着薄膜層を構成することもできる。
【0031】
上記において、真空チャンバー内を真空ポンプにより減圧し、真空度1×10−1〜1×10−8Tor r位、好ましくは、真空度1×10−3〜1×10−7Torr位に調製することが望ましいものである。
また、原料揮発供給装置においては、原料である有機ケイ素化合物を揮発させ、ガス供給装置から供給される酸素ガス、不活性ガス等と混合させ、この混合ガスを原料供給ノズルを介して真空チャンバー内に導入されるものである。
この場合、混合ガス中の有機ケイ素化合物の含有量は、1〜40%位、酸素ガスの含有量は、10〜70%位、不活性ガスの含有量は、10〜60%位の範囲とすることができ、例えば、有機ケイ素化合物と酸素ガスと不活性ガスとの混合比を1:6:5〜1:17:14程度とすることができる。
一方、冷却・電極ドラムには、電源から所定の電圧が印加されているため、真空チャンバー内の原料供給ノズルの開口部と冷却・電極ドラムとの近傍でグロー放電プラズマが生成され、このグロー放電プラズマは、混合ガス中の1つ以上のガス成分から導出されるものであり、この状態において、基材フィルムを一定速度で搬送させ、グロー放電プラブマによって、冷却・電極ドラム周面上の基材フィルムの上に、酸化ケイ素を主体とする蒸着膜を形成することができるものである。
なお、このときの真空チャンバー内の真空度は、1×10−1〜1×10−4Torr位、好ましくは、真空度1×10−1〜1×10−2Torr位に調整することが望ましく、また、基材フィルムの搬送速度は、10〜300m/分位、好ましくは、50〜150m/分位に調製することが望ましいものである。
【0032】
また、上記のプラズマ化学気相成長装置において、酸化ケイ素を主体とする蒸着薄膜層の形成は、基材フィルムの上に、プラズマ化した原料ガスを酸素ガスで酸化しながら化学式SiOxの形で薄膜状に形成されるので、当該形成される酸化ケイ素を主体とする蒸着薄膜層は、緻密で、隙間の少ない、可撓性に富む連続層となるものであり、従って、酸化ケイ素を主体とする蒸着薄膜層のバリア性は、従来の真空蒸着法等によって形成される酸化ケイ素等の無機酸化物の蒸着薄膜層と比較し、はるかに高いものとなり、更に、薄い膜厚で十分なバリア性を得ることができるものである。
また、本発明においては、SiOxプラズマにより基材フィルムの表面が清浄化され、基材フィルムの表面に極性基やフリーラジカル等が発生するので、形成される酸化ケイ素を主体とする蒸着膜と基材フィルムとの密接着性が高いものとなるという利点を有するものである。
更に、上記のように酸化ケイ素を主体とする蒸着膜の形成時の真空度は、1×10−1〜1×10−4Torr位、好ましくは、1×10−1〜1×10−2Torr位に調製することから、従来の真空蒸着法により酸化ケイ素等の無機酸化物の蒸着膜を形成する時の真空度、1×10−4〜1×10−5Torr位に比較して低真空度であることから、基材フィルムを原反交換時の真空状態設定時間を短くすることができ、真空度を安定しやすく、製膜プロセスが安定するものである。
【0033】
本発明において、有機ケイ素化合物等の蒸着モノマーガスを使用して形成される酸化ケイ素を主体とする蒸着薄膜層は、有機ケイ素化合物等の蒸着モノマーガスと酸素ガス等とが化学反応し、その反応物が、基材フィルムの一方の面に密接着し、緻密な、柔軟性等に富む薄膜を形成するものであり、通常、化学式SiOx(ただし、xは、0〜2の数を表す。)で表される酸化ケイ素を主体とする連続状の薄膜である。
而して、上記の酸化ケイ素を主体とする蒸着薄膜層としては、透明性、バリア性等の点から、化学式SiOx(ただし、xは、1.3〜1.9の数を表す。)で表される酸化ケイ素を主体とする蒸着薄膜層であることが好ましいものである。
上記において、xの値は、蒸着モノマーガスと酸素ガスのモル比、プラズマのエネルギー等により変化するが、一般的に、xの値が小さくなればガス透過度は小さくなるが、膜自身が黄色性を帯び、透明性が悪くなる。
【0034】
而して、上記の酸化ケイ素を主体とする蒸着膜は、酸化ケイ素を主体とし、これに、更に、炭素、更には、水素、ケイ素または酸素の1種類、または、その2種類以上の元素からなる化合物の少なくとも1種類を化学結合等により含有する蒸着膜からなることを特徴とするものであり、少なくとも、化学式SiOxCyHz(ただし、式中xは、1.0〜1.4の数を表し、yは、0.1〜1.0の数を表し、zは、0.1〜1.0の数を表す。)で表されるプラズマ化学気相成長法による酸化ケイ素を主体とする蒸着薄膜層からなるものである。
例えば、C−H結合を有する化合物、Si−H結合を有する化合物、または、炭素単位がグラファイト状、ダイヤモンド状、フラーレン状等になっている場合、更に、原料の有機ケイ素化合物やそれらの誘導体を化学結合等によって含有する場合があるものである。
具体例を挙げると、CH3部位を持つハイドロカーボン、SiH3シリル、 SiH2シリレン等のハイドロシリカ、SiH2OHシラノール等の水酸基誘導体等を挙げることができる。
上記以外でも、蒸着過程の条件等を変化させることにより、酸化ケイ素を主体とする蒸着薄膜層中に含有される化合物の種類、量等を変化させることができる。而して、上記の化合物が、酸化ケイ素を主体とする蒸着薄膜層中に含有する含有量としては、0.1〜50%位、好ましくは、5〜20%位が望ましいものである。
上記において、含有率が、0.1%未満であると、酸化ケイ素を主体とする蒸着膜の耐衝撃性、延展性、柔軟性等が不十分となり、曲げなどにより、擦り傷、クラック等が発生し易く、高いバリア性を安定して維持することが困難になり、また、50%を越えると、バリア性が低下して好ましくないものである。
更に、本発明においては、酸化ケイ素を主体とする蒸着薄膜層において、上記の化合物の含有量が、酸化ケイ素を主体とする蒸着薄膜層の表面から深さ方向に向かって減少させることが好ましく、これにより、酸化ケイ素を主体とする蒸着薄膜層の表面においては、上記の化合物等により耐衝撃性等を高められ、他方、基材フィルムとの界面においては、上記の化合物の含有量が少ないために、基材フィルムと酸化ケイ素を主体とする蒸着膜との密接着性が強固なものとなるという利点を有するものである。
【0035】
而して、本発明において、上記の酸化ケイ素を主体とする蒸着薄膜層について、例えば、X線光電子分光装置(X−ray Photoelectron Spectroscopy、XPS)、二次イオン質量分析装置(Secondary Ion Mass Spectroscopy、SIMS)等の表面分析装置を用い、深さ方向にイオンエッチングする等して分析する方法を利用して、酸化ケイ素を主体とする蒸着薄膜層の元素分析を行うことより、上記のような物性を確認することができる。
また、本発明において、上記の酸化ケイ素を主体とする蒸着薄膜層の膜厚としては、膜厚50〜4000Å位であることが望ましく、具体的には、その膜厚としては、100〜1000Å位が望ましく、而して、上記において、1000Å、更には、4000Åより厚くなると、その膜にクラック等が発生し易くなるので好ましくなく、また、100Å、更には、50Å未満であると、バリア性の効果を奏することが困難になることから好ましくないものである。
上記において、その膜厚は、例えば、株式会社理学製の蛍光X線分析装置(機
種名、RIX2000型)を用いて、ファンダメンタルパラメーター法で測定することができる。
また、上記において、上記の酸化ケイ素を主体とする蒸着薄膜層の膜厚を変更する手段としては、蒸着膜の体積速度を大きくすること、すなわち、モノマーガスと酸素ガス量を多くする方法や蒸着する速度を遅くする方法等によって行うことができる。
【0036】
次に、上記において、酸化ケイ素の蒸着薄膜層を形成する有機ケイ素化合物等の蒸着用モノマーガスとしては、例えば、1.1.3.3−テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ビニルトリメチルシラン、メチルトリメチルシラン、ヘキサメチルジシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フェニルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、その他等を使用することができる。
本発明において、上記のような有機ケイ素化合物の中でも、1.1.3.3−テトラメチルジシロキサン、または、ヘキサメチルジシロキサンを原料として使用することが、その取り扱い性、形成された連続膜の特性等から、特に、好ましい原料である。
また、上記において、不活性ガスとしては、例えば、アルゴンガス、ヘリウムガス等を使用することができる。
【0037】
次に、本発明において、本発明にかかる液体紙容器用積層体を構成するバリア性フィルムを形成するエポキシ系樹脂を主成分とする組成物による熱硬化性樹脂被膜について説明すると、まず、エポキシ系樹脂としては、末端にエポキシ基を有する分子量が300〜10,000程度のオリゴマー性樹脂であり、製造原料の種類によって、グリシジルエーテル型、グリシジルエステル型、グリシジルアミン型、その他等を使用することができる。
上記のグリシジルアミン型は、分子中に窒素原子を有するが、その他のエポキシ系樹脂は、窒素原子を持たない。
また、上記のグリシジルアミン型は、安定性が悪く、硬化剤との反応の段階でゲル化し易い問題があり、安定性の高いグリシジルエーテル型あるいはグリシジルエステル型を使用することが望ましい。
【0038】
上記において、上記のエポキシ系樹脂の中で、グリシジルエーテル型は、アルコール性水酸基を有するアルコール類あるいはフェノール類、また、グリシジルエステル型は、カルボン酸を官能基として有する活性水素含有化合物類をエピクロルヒドリンあるいはジクロルヒドリンでエポキシ化して得られる。
通常、アルカリ存在下で反応を行い、一回の反応でエポキシ化する方法や二回以上の反応を経てエポキシ化する。
上記の反応には、三級アミン、四級アミン、トリフェニルホスフィン等の触媒を使同することもできる。
他の方法としては、二重結合を有する化合物を過酸化水素もしくは過酸で液相酸化する方法、二重結合を有する化合物を空気酸化する方法、イリド化合物を用いる方法等があるが、これらに限定されるものではない。
【0039】
また、上記の反応は、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応では、ビスフェノールA 1モルに対して、エピクロルヒドリンは2モル以上を必要とするものである。
上記の反応温度は、5〜150℃の範囲で行うのが一般的であるが、これに限定されるものではない。
また、反応溶媒としては、原料が溶解する溶媒であればよいが、好ましくは、アルコール類が望ましい。
上記のアルコール類としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール等の低級アルコールの他に、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール等のグリコールエーテル類、また、多価アルコール類も使用できる。
【0040】
本発明においては、上記のようにして得られるグリシジルエーテル型エポキシ樹脂としては、その基本骨格から、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、臭素化ビスフェノールA型、水添ビスフェノールA型、ビスフェノールS型、ビスフェノールAF型、ビフェニル型、ナフタレン型、フルオレン型の分子中にエポキシ基を2個有する二官能エポキシ樹脂、フェノールノボラック型、オルソクレゾールノボラック型、DPPノボラック型、トリス・ヒドロキシフェニルメタン型、テトラフェニロールエタン型の分子中にエポキシ基を3個以上有する多官能エポキシ樹脂がある。
【0041】
また、これらの芳香族エポキシ樹脂の他に、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の2価以上の脂肪族アルコール類をエピクロルヒドリン、あるいはジクロルヒドリンでエポキシ化した脂肪族エポキシ樹脂も使用できる。
【0042】
更にまた、グリシジルエステル型エポキシ樹脂としては、分子中に、カルボキシル基(−COOH)を2個以上有する芳香族、あるいは脂肪族カルボン酸とエピクロルヒドリンあるいはジクロルヒドリンとの反応で得ることができる。
上記の芳香族では、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸のエポキシ化物等がある。
これらのエポキシ樹脂は、1種類のエポキシ樹脂、あるいは2種以上のエポキシ樹脂を混合して使用してもよい。
上記のエポキシ樹脂の分子量は、300〜10,000(数平均分子量)、重合度(n)は、0.1〜20、エポキシ当量は、100〜10,000g/eq、粘度は、20〜40,000ps(25℃)である。
【0043】
次に、本発明において、エポキシ系樹脂と反応させる硬化剤としては、例えば、重付加型ポリアミン、重付加型酸無水物、重付加型ポリフェノール、重付加型ポリメルカプタン、重付加型イソシアネート、重付加型有機酸、触媒型硬化剤、縮合型硬化剤、その他等を使用することができる。
【0044】
上記の硬化剤の中で、反応性に富むポリアミン系硬化剤や有機酸やその誘導体(エステル、酸無水物)が広く使用されているが、特に限定されるものではない。上記において、ポリアミンとしては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、メタキシリレンジアミン、イソホロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ジアミノジフェニルメタン等の未変性ポリアミン、ポリアミド、ケチミン、エポキシ変性体(エポキシアダクト)等の変性ポリアミン、有機酸誘導体としては、シュウ酸、フタル酸、マレイン酸、ヘキサヒドロフタル酸、ピロメリット酸、シクロペンタジエンメチルマレイン酸、ドデシルコハク酸、ジクロルマレイン酸、クロレンジック酸、あるいはこれらのエステル体、無水物体等があるが、これらに限定されるものではない。
【0045】
なお、本発明においては、反応を促進する三級アミン等を極く少量添加してもよい。
これらの硬化剤は、1種あるいは2種以上の硬化剤を組み合わせてエポキシ系樹脂を硬化させる。
而して、硬化剤とエポキシ樹脂の反応により、樹脂被膜中に三次元架橋構造が形成され、エポキシ系樹脂の物性、特に、機械的強変、電気的特性、耐熱性、耐薬品性、接着性、並びにガス遮断性を効果的に改善することができる。
【0046】
上記のエポキシ樹脂の硬化反応は、溶媒中で行う。
上記において、使用可能な溶媒としては、エポキシ樹脂と硬化剤が可溶化する溶媒であれば使用可能であり、例えば、脂肪族炭化水素系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、あるいはアルコール系溶媒が使用できる。
溶媒は、単独、あるいは2種以上の溶媒を混合してもよい。
アルコール系溶媒では、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等の低級アルコールの他に、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール等のグリコールエーテル類、また、多価アルコール類も使用できる。
【0047】
上記の硬化反応は、常温で、あるいは加温しながら行う。
本発明においては、概ね、50℃〜150℃の範囲で行うが、温度が高すぎるとゲル化反応が起こり、硬化反応後のコーティング性が悪くなる。
なお、必要に応じて、窒素気流を反応容器に導入し、酸素ガスの影響を除く。
また、硬化剤の添加量は、エポキシ系樹脂のエポキシ基の数で任意に選択されるが、酸無水物の場合は、触媒的効果も有するので、0.1〜0.5エポキシ当量が一般的である。
ただし、硬化剤の量は、三次元構造を決定し、硬化膜の物性に影響を及ぼす因子なので、その量には注意を払う必要がある。
【0048】
なお、上記で硬化剤で硬化させたエポキシ系樹脂は、ややもろいという欠点がある。
特に、本発明では、被膜を形成する披着材が蒸着フィルムの蒸着なので、曲げ弾性係数が大きい樹脂被膜は効果が少ない。
可撓性を付与する方法としては次の方法があるが、これらの方法に限定されるものではない。
例えば、可塑削を添加し、硬化物中に未反応物として長鎖伏の化合物を残存させる方法がある。
上記の可塑剤としては、ジブチルフタレート、有機酸のエチレングリコールのエステル、テトラヒドロフルフリルアルコールのエチレンオキシド付加物等を使用することができる。
次に、硬化時に長鎖状化合物をエポキシ基とが反応するような物質(可撓性付与剤)を添加する方法がある。
更に、希釈剤を使用する方法があり、而して、希釈剤としては、ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ジグリシジルエーテル、ブタンジオールグリシジルエーテル等を使用することができる。
また、充填剤を使用する方法があり、而して、充填剤としては、マイカ粉末、シリカまたは石英粉末、炭酸カルシウム、アルミナ、ケイ酸ジルコニウム、酸化鉄、ガラス粉末等を使用することができる。
更にまた、プラスチック樹脂を添加する方法があり、而して、プラスチック樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酸変性ポリオレフィン、ポリアミド、その他等を使用することができる。
【0049】
次に、本発明において、エポキシ系樹脂を主成分とする組成物を前述の酸化ケイ素の蒸着薄膜層の面にコーティングする方法としては、例えば、エポキシ系樹脂を主成分とする組成物を、必要ならば、溶媒に希釈して蒸着樹脂フィルムを構成する酸化ケイ素の蒸着薄膜層の面にコーティングして、接着剤層ないし接着性樹脂層を形成することができる。
上記において、使用する溶媒は、アルコール系溶媒が最も好ましいが、酢酸エチル、メチルエチルケトンの他、水/アルコール混合溶媒で中に分散させてコーティングを行ってもよい。
必要に応じて、乳化剤等も使用する。
【0050】
上記において、コーティング方法としては、公知のコーティング法で行うことができる。
例えば、ダイレクトグラビアロール法、グラビアロール法、エアドクタコート法、ロッドコート法、キスコート法、リバースロール法、フォンテン法、トランスファーロール法等の方法の他、スプレーコート法、ディップコート法も使用できる。
上記において、そのコート量は、0.1〜50μm、好ましくは、0.5〜5μm(乾燥状態)が望ましい。
本発明において、ガスバリア性は、上記のコート量の厚みに依存するが、あまりコート量が多いと透明性や柔軟性、可撓性が悪くなるので好ましくない。
【0051】
次に、本発明において、本発明にかかる液体紙容器用積層体を構成する最内層について説明すると、かかる最内層としては、前述の最外層と同様に、例えば、熱によって溶融し相互に融着し得る各種のヒートシール性を有するポリオレフィン系樹脂、その他等を使用することができる。
具体的には、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、メタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α−オレフィン共重合体、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重体、エチレン−メタクリル酸重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテンポリマー、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、熱可塑性ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、その他等の樹脂を使用することができる。
而して、本発明においては、上記のような樹脂の1種ないし2種以上を使用し、これを押出機等を用いて溶融押出して、例えば、バリア性フィルムの一方の面に、アンカーコート剤層等を介して、溶融押出樹脂層を溶融押出積層することにより、あるいは、上記のような樹脂の1種ないし2種以上を使用し、予め、これから樹脂のフィルムないしシートを製造し、その樹脂のフィルムないしシートをバリア性フィルムの一方の面にラミネート用接着剤層等を介してドライラミネート積層することにより、あるいは、上記の溶融押出樹脂層等を用いて積層する溶融押出積層法等により、最内層を形成することができる。
なお、本発明において、最内層の厚さとしては、5〜200μm位、好ましくは、10〜100μm位が望ましいものである。
【0052】
なお、上記のアンカーコート剤層等を介して積層する溶融押出積層法において使用する溶融押出樹脂は、ポリオレフィン系樹脂であり、かつ、溶融押出積層法で熱接着性を具備する樹脂であればその種類は任意に選択することができる。
例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリイソブチルメタクリレート、アイオノマー等があるが、これらに限定されるものではない。
本発明において、最内層の膜厚としては、10〜300μm位、好ましくは、20〜100μm位が望ましい。
【0053】
次に、本発明において、上記のような材料を使用して本発明にかかる液体紙容器用積層体を製造する方法について説明すると、かかる方法としては、通常の包装材料をラミネートする方法、例えば、ウェットラミネーション法、ドライラミネーション法、無溶剤型ドライラミネーション法、押出ラミネーション法、Tダイ押出成形法、共押出ラミネーション法、インフレーション法、共押出インフレーション法、その他等で行うことができる。
而して、本発明においては、上記の積層を行う際に、必要ならば、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、その他等の前処理を任意に施すことができ、また、例えば、イソシアネート系(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系、有機チタン系等のアンカーコート剤、あるいは、ポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、ポリ酢酸ビニル系、セルロース系、その他等のラミネート用接着剤等の公知のアンカーコート剤、ラミネート用接着剤等を任意に使用することができる。
【0054】
本発明において、本発明にかかる液体紙容器用積層体を製造する方法について、具体的に述べると、例えば、ラミネート用接着剤によるラミネート用接着剤層を介して積層するドライラミネーション法、あるいは、溶融押出接着性樹脂による溶融押出樹脂層を介して積層する押出ラミネーション法などで行うことができる。
上記において、ラミネート用接着剤としては、例えば、1液、あるいは2液型の硬化ないし非硬化タイプのビニル系、(メタ)アクリル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリウレタン系、エポキシ系、ゴム系、その他などの溶剤型、水性型、あるいは、エマルジョン型などのラミネート用接着剤を使用することができる。
上記ラミネート用接着剤のコーティング法としては、例えば、ダイレクトグラビアロールコート法、グラビアロールコート法、キスコート法、リバースロールコート法、フォンテン法、トランスファーロールコート法、その他の方法で塗布することができる。
そのコーティング層としては、好ましくは0.1〜10g/m2(乾燥状態)位、より好ましくは1〜5g/ m2(乾燥状態)位である。
なお、上記ラミネート用接着剤には、例えば、シランカップリング剤などの接着促進剤を任意に添加することができる。
【0055】
また、上記において、溶融押出接着性樹脂としては、前述のヒートシール性樹脂層を形成するヒートシール性樹脂を同様に使用することができ、具体的には、例えば、低密度ポリエチレン、特に、線状低密度ポリエチレン、酸変性ポリエチレンまたはポリプロピレン等を使用することが好ましい。
上記の溶融押出接着性樹脂による溶融押出樹脂層の膜厚は、好ましくは5〜100μm位、さらに好ましくは、10〜50μm位である。
なお、本発明において、上記の積層を行う際に、より強固な接着強度を得る必要がある場合には、アンカーコート剤などの接着改良剤などをコートすることもできる。
上記アンカーコート剤としては、例えば、アルキルチタネートなどの有機チタン系アンカーコート剤、イソシアネート系アンカーコート剤、ポリエチレンイミン系アンカーコート剤、ポリブタジエン系アンカーコート剤、その他の水性または油性の各種のアンカーコート剤を使用することができる。
本発明においては、上記アンカーコート剤を、ロールコート、グラビアコート、ナイフコート、ディップコート、スプレイコート、その他のコーティング法でコーティングし、溶剤、希釈剤などを乾燥して、アンカーコート剤層を形成することができる。
上記アンカーコート剤の塗布量としては、0.1〜5g/m2(乾燥状態)が好ましい。
【0056】
次にまた、本発明において、本発明にかかる液体紙容器用積層体を使用し、これを製函してなる液体紙容器としては、例えば、ブリックタイプ、フラットタイプあるいはゲーベルトップタイプ等の液体用紙容器等を製造することができる。
また、その形状は、角形容器、丸形等の円筒伏の紙缶等のいずれのものでも製造することができる。
更に、本発明において、本発明にかかる液体紙容器には、例えば、各種の飲食品、接着剤、粘着剤等の化学品、化粧品、医薬品等の雑貨品、その他等の種々の物品を充填包装することができるものである。
而して、本発明において、本発明にかかる液体紙容器は、特に、例えば、酒、果汁飲料等のジュース、ミネラルウォーター、醤油、ソース、スープ等の液体調味料、あるいは、カレー、シチュー、スープ、その他等の種々の液体飲食物を充填包装する包装用容器として有用なものである。
【0057】
【実施例】
上記の本発明について実施例を挙げて更に具体的に説明する。
実施例において、酸素透過度の測定、酸化ケイ素の蒸着薄膜層の膜厚の測定、および、酸化ケイ素の蒸着薄膜層の元素組成分析は、それぞれ、下記のようにして測定した。
(酸素透過度の測定)
これは、本発明にかかる液体紙容器用積層体について、その酸素透過度を、温度23℃、湿度90%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製の測定機[機種名、オクストラン(OXTRAN)〕にて測定した。
(酸化ケイ素の蒸着薄膜層の膜厚の測定)
これは、蒸着樹脂フィルムについて、蛍光X線分析装置(株式会社理学製、機
種名、RIX 3000)を用いて、ファンダメンタルパラメータ法で測定した。
(酸化ケイ素の蒸着薄膜層の元素組成分析)
これは、蒸着樹脂フィルムについて、エスカ(ESCA)を用いて、酸化ケイ素の蒸着薄膜層の組成分析を行って測定した。
ケイ素と酸素については、組成比率(Si:O比率)を正確に測定した。
【0058】
次に、蒸着樹脂フィルムについては、下記のとおり製造した。
(蒸着樹脂フィルムの製造例1)
厚さ20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(二村化学株式会社製、製品名,FOK、片面コロナ処理品、OPP)のコロナ処理面に、PECVD法で酸化ケイ素の蒸着薄膜層を形成して、蒸着樹脂フィルムを製造した。
ガス組成は、ヘキサメチルジシロキサン/酸素ガス/ヘリウム=1/10/10(単位:slm)とした。
蒸着速度は、80m/minで行ったところ、酸化ケイ素の蒸着薄膜層の膜厚は、150Åであった。
蒸着樹脂フィルムの酸化ケイ素の蒸着薄膜層の面は、グロー放電プラズマ処理装置を用いて、酸素プラズマで表面処理を行った。
蒸着薄膜層の表面張力は、プラズマ処理前が、37dyn、処理後は、67dynであった。
【0059】
(蒸着樹脂フィルムの製造例2)
厚さ20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡株式会社製、製品名、P2601、片面コロナ処理品、OPP)のコロナ処理面に、PECVD法で酸化ケイ素の蒸着薄膜層を形成して、蒸着樹脂フィルムを製造した。
ガス組成は、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン/酸素ガス/ヘリウム=1/8/8(単位:slm)とした。
蒸着速度は、90m/minで行ったところ、酸化ケイ素の蒸着薄膜層の膜厚は、160Åであった。
蒸着樹脂フィルムの酸化ケイ素の蒸着薄膜層の面は、グロー放電プラズマ処理装置を用いて、酸素プラズマで表面処理を行った。
蒸着薄膜層の表面張力は、プラズマ処理前が、35dyn、処理後は、69dynであった。
【0060】
次に、エポキシ系樹脂を主成分とする組成物を下記のようにして調製した。
(エポキシ系樹脂を主成分とする組成物の調製例1)
510gのビスフェノールAのグリシジルエーテル誘導体を反応容器に入れ、2Lの1−エトキシ−2−プロパノールを加え、窒素ガスを導入しながら、マグネチックスターラーで攪拌し、80℃で徐々に溶解した。
溶解後、温度を80℃に維持したまま、83gのトリエチレンテトラミンを1Lのn−プロパノール溶液に添加し、マグネチックスターラーで攪拌しながら、エポキシ樹脂を硬化させた。
反応は1時間行い、反応終了後、温度を120℃に上げ、過剰の溶媒を減圧下で留去し、ポリアミンを付加重合させたエポキシ樹脂の5%溶液(n−プロパノール)からなるエポキシ系樹脂を主成分とする組成物を調整した。
【0061】
(エポキシ系樹脂を主成分とする組成物の調製例2)
550gの1,4−ブタンジオールのグリシジルエーテル誘導体を反応容器に入れ、1Lの2−ブトキシエタノールを加え、窒素ガスを導入しながら、マグネチックスターラーで攪拌し、65℃で徐々に溶解した。
溶解後、温度を100℃に上げ、55gのヘキサヒドロフタル酸無水物を0.7Lのn−プロパノール溶液に添加し、マグネチックスターラーで攪拌しながら、エポキシ樹脂を硬化させた。
反応は10時間行い、反応終了後、温度を130℃に上げ、過剰の溶媒を減圧下で留去し、硬化剤を付加重合させたエポキシ樹脂の7%溶液(n−プロパノール)からなるエポキシ系樹脂を主成分とする組成物を調整した。
【0062】
実施例1
上記の(蒸着樹脂フィルムの製造例1)で製造した蒸着樹脂フィルムの酸化ケイ素(SiOx)蒸着薄膜の面に、上記の(エポキシ系樹脂を主成分とする組成物の調製例1)で製造した組成物をグラビアコート法で0.2g/m2(乾燥重量)のコート量でコーティングし、次いで、80℃で48時間熱硬化を行って、熱硬化性樹脂被膜を形成した。
次に、上記で熱硬化性樹脂被膜を形成した蒸着樹脂フィルムの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP20)の面に、ポリエステルウレタン系接着剤(大日精化工業株式会社製、商品名、E−304/C−75N、溶媒:酢酸エチル、DL)を4g/m2〈乾燥重量)のコート量でコーティングし、次いで、そのコート面に、厚さ60μmの低密度ポリエチレンフィルム(大日本樹脂株式会社製、商品名、SKL、片面コロナ処理、LDPE60)のコロナ処理面を対向させて、該LDPE60を積層した。
次いで、上記で製造した積層フィルムの蒸着樹脂フィルムの熱硬化性樹脂被膜の面に、その両面に厚さ20μmの低密度ポリエチレンフィルム層(LDPE20)を有する紙基材の一方の低密度ポリエチレンフィルム(LDPE20)の面を対向させ、その層間に、押出ラミネーション法により、厚さ25μmの低密度ポリエチレン(住友化学工業株式会社製、商品名、スミカセンL430、LDPE25)を溶融押出して積層した。
なお、上記熱硬化性樹脂被膜面には、アンカーコート剤(武田薬品工業株式会社製、商品名、A3200/A3012、AC)をコーティングした。
層構成として、外側から内側に向かって、LDPE20/紙320g/m2/LDPE20/LDPE25/AC/熱硬化性樹脂被膜/SiOx/OPP/DL/LDPE60からなる液体紙容器用積層体を作製した。
【0063】
実施例2
上記の(蒸着樹脂フィルムの製造例2)で製造した蒸着樹脂フィルムの酸化ケイ素(SiOx)蒸着薄膜の面に、上記の(エポキシ系樹脂を主成分とする組成物の調製例2)で製造した組成物を厚さ0.4g/m2のコート量(乾燥重量)でグラビアコート法でコーティングし、次いで、90℃で48時間熱硬化を行って、熱硬化性樹脂被膜を形成した。
次に、上記熱硬化性樹脂被膜を形成した蒸着樹脂フィルムの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP20)の面にアンカーコート剤(東洋モートン株式会社製、商品名、EL−510、AC)を0.5g/m2(乾燥重量)のコート量でコーティングし、次いで、そのコート面に、厚さ60μmの低密度ポリエチレンフィルム(大日本樹脂株式会社製、商品名、SKL、片面コロナ処理、LDPE60)のコロナ処理面を対向させ、その層間に、厚さ20μmの低密変ポリエチレン(住友化学工業株式会社製、商品名、スミカセンL430、LDPE20)を溶融押出して積層した。
次いで、上記で製造した積層フィルムの蒸着樹脂フィルムの熱硬化性樹脂被膜面に、その両面に厚さ20μmの低密度ポリエチレンフィルム層(LDPE20)を有する紙基材の一方の低密度ポリエチレンフィルム層の面を対向させ、その層間に、押出ラミネーション法により、厚さ25μmの低密度ポリエチレン層(住友化学工業株式会社製、商品名、スミカセンL430、LDPE25)を溶融押出して積層した。
なお、上記熱硬化性樹脂被膜面には、アンカーコート剤(武田薬品工業株式会社製、商品名、A3200/A3012、AC)をコーティングした。
層構成として、外側から内側に向かって、LDPE20/紙320g/m2/LDPE20/LDPE25/AC/熱硬化性樹脂被膜/SiOx/OPP/AC/LDPE20/LDPE60からなる液体紙容器用積層体を作製した。
【0064】
実施例3
上記の実施例1において、蒸着樹脂フィルムの積層面を反対方向にし、さらに、熱硬化性樹脂被膜面に、厚さ20μmの 二軸延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡株式会社製、商品名、P2261、両面コロナ処理品、OPP20)を、ドライラミネーション法(DL)により貼り合わせ、それ以外は上記の実施例1と同様にして,層構成として、外側から内側に向かって、LDPE20/紙320g/m2/LDPE20/LDPE25/AC/OPP/SiOx/熱硬化性樹脂被膜/DL/OPP20/DL/LDPE60からなる液体紙容器用積層体を作製した。
【0065】
実施例4
上記の実施例3において使用した二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP20)の代わりに、厚さ50μmの高密度ポリエチレンフィルム(タマポリ株式会社製、商品名、HS30、両面コロナ処理品、HDPE50)を使用した以外は実施例3と同じ方法で積層し、層構成として、外側から内側に向かって、LDPE20/紙320g/m2/LDPE20/LDPE25/AC/OPP/SiOx/熱硬化性樹脂被膜/DL/HDPE50/DL/LDPE60からなる液体紙容器用積層体を作製した。
【0066】
比較例1
上記の実施例1において、熱硬化性樹脂被膜を形成せずに、それ以外は上記の実施例1と同様にして,層構成として、外側から内側に向かって、LDPE20/紙320g/m2/LDPE20/LDPE25/AC/SiOx/OPP/DL/LDPE60からなる液体紙容器用積層体を作製した。
【0067】
比較例2
上記の実施例2において、熱硬化性樹脂被膜を形成せずに、それ以外は上記の実施例2と同様にして,層構成として、外側から内側に向かって、LDPE20/紙320g/m2/LDPE20/LDPE25/AC/SiOx/OPP/AC/LDPE20/LDPE60からなる液体紙容器用積層体を作製した。
【0068】
比較例3
中間バリア層として、物理気相成長法によりシリカ(PVD−SiOx)を蒸着した厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱化学株式会社製、商品名、テックバリアH、PET12)を使用し、該蒸着面にポリエステルウレタン系接着剤(大日精化工業株式会社製、商品名、E−304/C−75N、DL)を4g/m2(乾燥重量)のコート量でコーティングし、該コート面に、厚さ60μmの低密度ポリエチレンフィルム(大日本樹脂株式会社製、商品名、SKL、片面コロナ処理、LDPE60)のコロナ処理面を対向させて該LDPE60を貼り合わせ、次いで、上記のPET12の面に、その両面に厚さ20μmの低密度ポリエチレンフィルム層(LDPE20)を有する紙基材の一方の低密度ポリエチレンフィルム層の面を対向させ、その層間に、押出ラミネーション法により、厚さ25μmの低密度ポリエチレン(住友化学工業株式会社製、商品名、スミカセンL430、LDPE25)を溶融押出して積層した。
なお、上記のPET12の面には、アンカーコート剤(武田薬品工業株式会社製、商品名、A3200/A3012、AC)をコーティングした。
層構成として、外側から内側に向かって、LDPE20/紙320g/m2/LDPE20/LDPE25/AC/PET12/PVD−SiOx/DL/LDPE60からなる液体紙容器用積層体を作製した。
【0069】
比較例4
中間バリア層として、物理気相成長法により酸化アルミニウム(PVD− Al2O3)を蒸着した厚さ12μm のポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋メタライジング株式会社製、PET12)を使用し、その他は比較例3と同じ方法で積層し、層構成として、外側から内側に向かって、LDPE20/紙320g/m2/LDPE20/LDPE25/AC/PET12/PVD−Al2O3/DL/LDPE60からなる液体紙容器用積層体を作製した。
【0070】
比較例5
基材として二軸延伸ポリプロピレンフィルム(二村化学株式会社製、商品名、FOK、片面コロナ処理品、OPP)を使用して、これを電子線照射加熱方式物理気相成長装置の送り出しロールに装着し、真空チャンバー内の真空度を3.0×10−6mbar、冷却ドラム温度を−10℃とし、反応ガスに酸素を用いて、粒状一酸化ケイ素(SiO)をターゲットとして、厚さ500Åのケイ素酸化物薄膜を該OPP上に形成したものを中間バリア層とした。
該中間バリア層を使用し、その他は比較例4と同じ方法で積層し、層構成として、外側から内側に向かって、LDPE20/紙320g/m2/LDPE20/LDPE25/AC/OPP/SiO/DL/LDPE60からなる液体紙容器用積層体を作製した。
【0071】
試験例
上記の実施例1〜4、および、比較例1〜5で製造した液体紙容器用積層体を使用し、まず、その酸素透過度測定した後、その液体容器用積層体を使用し、これに罫線入れ打抜き機で打抜き加工を行い、液体紙容器用のブランクシートを作製した。
このブランクシートは、次に、フレームシール機でサイドシールを行い、スリーブを作製し、ホットエア方式の充填成形機で一辺が70mm角、高さが135mmの500mL容の液体紙容器を作製した。
内容物は充填せず、製缶した容器の胴体部から酸素透過度測定用サンプルを採取し、酸素透過度測定を行った。
製缶時の成形温度は、ボトム温度、トップ温度とも260〜320℃であった。
【0072】
上記の酸素透過度測定結果について表1に示す。
【表1】
【0073】
上記の表1に示す結果から明らかなように、化学気相成長法による酸化ケイ素蒸着の蒸着面に熱硬化性樹脂被膜を形成した実施例1〜4の積層体は、何れも製缶前の酸素透過度が2cc/m2・day・atm以下という優れた酸素バリア性を示した。
また、熱硬化性樹脂被膜を形成しなかった比較例1、2の積層体は酸素バリアはやや悪化し、5cc/m2・day・atm以下であった。
物理気相成長法による酸化ケイ素を蒸着した比較例3の積層体の酸素バリア性は、製缶前では実施例とほぼ同等であったが、製缶後ではかなり悪化した。
この傾向は、物理気相成長法による酸化アルミニウムを蒸着した比較例4の積層体も同様であり、このことから、化学気相成長法による酸化ケイ素蒸着膜の後加工適性が良好なことを裏付ける結果となった。
また、物理気相成長法による酸化ケイ素を蒸着した比較例5の積層体では、製缶前後ともに、酸素透過度が50cc/m2・day・atm以上となり、使用に耐えないレベルのバリア性しか達成できなかった。
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明は、ガスバリア性を有するコーティング剤として、例えば、エポキシ−ポリアミン系のエポキシ系樹脂を主成分とする組成物による熱硬化性樹脂被膜に着目し、このエポキシ系樹脂を主成分とする組成物による熱硬化性樹脂被膜を蒸着樹脂フィルムの無機酸化物の蒸着薄膜層の面に形成すると、特に、プラズマ気相成長法(PECVD)等の化学気相成長法による無機酸化物の蒸着薄膜層の上に形成すると、そのバリア性のみならず、その無機酸化物の蒸着薄膜層との密着性が格段に向上し、更に、他の樹脂フィルムとの複合化を行っても、その性能には影響を及ぼさないというものである。
また、本発明においては、無機酸化物の蒸着薄膜層のハイバリア化と密着性を達成するための手段として、プラズマ気相成長法(PECVD)等の化学気相成長法による無機酸化物の蒸着薄膜層の上に、エポキシ系樹脂を有機系硬化剤で硬化させた熱硬化性樹脂被膜を形成することで、プラズマ気相成長法(PECVD)等の化学気相成長法による無機酸化物の蒸着薄膜層をさほど厚くしなくても、バリア性が格段に向上し、バリア性改善の他に、更に、密着性が優れているので、可撓性や後加工適性も従来の無機酸化物の蒸着薄膜層の根本的問題を大幅に改善することができるという利点を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる液体紙容器用積層体についてその層構成の一例の層構成を示す概略的断面図である。
【図2】プラズマ化学気相成長装置についてその概要を示す概略的構成図である。
【符号の説明】
A 積層材
1 最外層
2 紙基材
3 中間層
4 最内層
3a バリア性フィルム
11 二軸延伸ポリプロピレンフィルム
12 酸化ケイ素の蒸着薄膜層
13 蒸着樹脂フィルム
14 熱硬化性樹脂被膜
Claims (5)
- 少なくとも、最外層、紙基材、中間層、および、最内層を順次に積層した液体紙容器用積層体において、上記の中間層が、二軸延伸ポリプロピレンフィルムからなり、かつ、該二軸延伸ポリプロピレンフィルムの少なくとも一方の面に、プラズマ気相成長法によるケイ素、酸素、炭素、水素を膜組成成分として含有する酸化ケイ素の蒸着薄膜層を形成した蒸着樹脂フィルムからなり、更に、該蒸着樹脂フィルムを構成する酸化ケイ素の蒸着薄膜層の上に、エポキシ系樹脂を主成分とする組成物による熱硬化性樹脂被膜を設け、更に、上記の最内層に、ヒ−トシール性フィルム層を設けた構成からなることを特徴とする液体紙容器用積層体。
- 紙基材層、および、接着剤層を除く全ての熱可塑性樹脂層が、ポリオレフィン系樹脂層からなることを特徴とする上記の請求項1に記載する液体紙容器用積層体。
- 酸化ケイの蒸着薄膜層が、膜厚50Å〜250Åからなることを特徴とする上記の請求項1〜2のいずれか1項に記載する液体紙容器用積層体。
- エポキシ系樹脂を主成分とする組成物による熱硬化性樹脂被膜が、膜厚が0.1〜10μmからなり、かつ、少なくとも分子中にエポキシ基を2個以上有する有機系硬化剤で硬化させた被膜からなることを特徴とする上記の請求項1〜3のいずれか1項に記載する液体紙容器用積層体。
- 液体紙容器用積層体が、2.0cc/m2・day・atm以下(23℃/90%RH)の酸素透過度を有することを特徴とする上記の請求項1〜4のいずれか1項に記載する液体紙容器用積層体。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006088216A1 (ja) * | 2005-02-15 | 2006-08-24 | Nippon Paper-Pack Co., Ltd. | 液体紙容器用多層ポリオレフィンフィルム、それを用いた液体紙容器材料及び液体紙容器 |
JP2009274431A (ja) * | 2008-04-14 | 2009-11-26 | Dainippon Printing Co Ltd | 紙容器 |
JP2017214651A (ja) * | 2008-08-04 | 2017-12-07 | エージーシー フラット グラス ノース アメリカ,インコーポレイテッドAgc Flat Glass North America,Inc. | プラズマ源、及びプラズマ強化化学蒸着を利用して薄膜被覆を堆積させる方法 |
-
2002
- 2002-07-16 JP JP2002206525A patent/JP2004051099A/ja not_active Withdrawn
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