JP2004050880A - 鉄道車両用車輪 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ボス部103と曲板部102の接合部のうち、フランジ側ボス近傍曲線102aが、ボス大径端外周接続面103fの輪郭線に滑らかに接しており、フランジ側ボス近傍曲線102aの曲率半径は大きく、ほぼ平面に近い。このため、フランジ101に背面横圧が作用した場合でも、フランジ側ボス近傍曲線102aの部分には応力集中はほとんど発生せず、車輪の強度が向上し、安全率が高くなっている。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一体で圧延形成される鉄道車両用車輪の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鉄道車両用車輪において、軽量化をはかることは、鉄道車両の軽量化につながり、車両駆動用エネルギーの値が同じ場合には鉄道列車をより高速化することができる。また、同じ速度の場合には、使用エネルギー値は少なくて済み、省エネルギー化を達成することができる。このため、鉄道車両用車輪の軽量化は、鉄道技術の重要な課題の一つとなっている。
【0003】
しかし、鉄道車両用車輪は、単に軽量化のみを考慮すれば良いものではない。車輪にブレーキ、特に踏面ブレーキを作用させた場合に車輪に付加される高熱に伴う熱応力により、車輪の踏面又はフランジ面に割損等が生じると、列車事故等を引き起こすおそれがある。このため、熱応力に対する安全性が高いものでなければならない。
【0004】
従来の一体で圧延形成される鉄道車両用車輪の技術の一例として、特開平10−119503号公報に開示されたものが知られている。図8は、上記の特開平10−119503号公報における図1及び図2に図示された構成を合成したものである。図8に示す鉄道車両用車輪は、車輪中心線(軸心)Oよりも上部の半分が図示されている。この鉄道車両用車輪は、図においてハッチで示された車輪断面部分を、車輪中心線(軸心)Oの回りに回転させることによって形成される回転体となっている。また、この鉄道車両用車輪は、リム部301と板部302とボス部303を有している。リム部301は、フランジ301aと車輪踏面302bを有する部分である。また、ボス部303は、略円柱状の本体部303aの中央に、車軸取付孔303bが形成されている。板部302は、リム部301とボス部302を連結する部分であり、曲面板状に形成されており、フランジ側の輪郭線であるフランジ側曲線302aと、302aとは反対側の輪郭線である反フランジ側曲線302bのいずれもが曲線となっている。
【0005】
上記の特開平10−119503号公報に記載された発明は、図8における点A″から軸心Oにおろした垂線をLaとし、図8における点B″から軸心Oにおろした垂線をLbとし、図8における点Cから軸心Oにおろした垂線をLcとし、LaとLbの距離をδとし、LaとLcの距離をλとした場合に、λを5mm以上とし、δを40mm以上として鉄道車輪用車輪を構成する、としている。また、このように構成することにより、板部に発生する熱応力を低減させることができる、としている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の鉄道車両用車輪においては、以下に述べるような問題点があった。
【0007】
すなわち、フランジ301aには、図8において符号304で図示するような背面横圧と呼ばれる力が作用する場合がある。このような背面横圧が車輪に作用すると、板部302のボス部側の根本となる部分305又は306に、応力が集中し、安全性を低下させる、という問題があった。
【0008】
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、本発明の解決しようとする課題は、熱応力に対する安全性がより高く、軽量化をはかることができる一体圧延形の鉄道車両用車輪を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係る鉄道車両用車輪は、
一体で圧延形成される鉄道車両用車輪であって、
軸方向傾斜角度が12゜以上16゜以下程度となる略円錐面状のボス外周面を有する略円錐台状に形成され前記略円錐台の内部に同軸の略円柱状の車軸取付孔を有し、前記車軸取付孔の軸中心線が前記車輪回転中心線と合致するように設定され、前記略円錐台のボス小径端部には前記車輪回転中心線に垂直な平面となるボス小径端平面が形成され、前記略円錐台のボス大径端部の前記車軸取付孔の周囲には前記車輪回転中心線に垂直な平面となるボス大径端平面が形成され、当該ボス大径端平面の外周には当該ボス大径端平面に0゜以上8゜以下程度の角度範囲内で接続する曲面又は平面であるボス大径端外周接続面が形成されたボス部と、
車輪踏面とフランジを有し、前記鉄道車両用車輪の回転中心線を中心とする略円環状に形成され、前記鉄道車両用車輪の外周部分を構成するとともに軸方向長さがx1のリム部と、
略S字状断面を有し、当該略S字状断面を前記鉄道車両用車輪の回転中心線のまわりに回転させて得られる回転体であり、略皿状で投影形状が円形をなす形状に形成され、前記ボス部の前記ボス大径端部付近と、前記鉄道車両用車輪の前記車輪回転中心線と平行な方向における前記リム部の厚みの中央部付近を接合するように構成された曲板部を
備え、
前記曲板部の前記略S字状断面を構成する2つの曲面輪郭線のうち、前記フランジの側となるフランジ側曲面輪郭線における前記曲板部の表面が凹曲面となる箇所のうち前記リム部に近い方の箇所で、その箇所での前記曲面輪郭線の接線が前記車輪回転中心線に対して垂直となる箇所における前記曲板部の板厚中心位置を板厚第1中心位置とし、
前記曲板部の前記略S字状断面を構成する2つの曲面輪郭線のうち、前記フランジとは反対の側となる反フランジ側曲面輪郭線における前記曲板部の表面が凹曲面となる箇所のうち前記ボス部に近い方の箇所で、その箇所での前記曲面輪郭線の接線が前記車輪回転中心線に対して垂直となる箇所における前記曲板部の板厚中心位置を板厚第2中心位置としたとき、
前記フランジ側曲面輪郭線及び前記反フランジ側曲面輪郭線の曲率中心位置は、前記板厚第1中心位置から前記板厚第2中心位置に向かうにつれ、前記板厚第1中心位置付近では前記曲板部に関して前記フランジと同じ側となり、前記板厚第2中心位置付近では前記曲板部に関して前記フランジとは反対の側となり、
前記板厚第1中心位置から前記車輪回転中心線におろした垂線である第1垂線と、前記板厚第2中心位置から前記車輪回転中心線におろした垂線である第2垂線との間の距離である第1距離が0.544x1以上0.608x1以下程度であり、
前記リム部の前記厚みの中心位置であるリム厚中心位置から前記車輪回転中心線におろした垂線である第3垂線と前記第1垂線との距離である第2距離が0以上0.032x1以下程度であり、
前記ボス大径端平面から前記車輪回転中心線におろした垂線である第4垂線と前記第2垂線との距離である第3距離が0.096x1以上0.16x1以下程度であり、
前記板厚第1中心位置における前記車輪回転中心線と平行な方向における前記曲板部の厚さが0.096x1以上0.128x1以下程度であり、
前記板厚第2中心位置における前記車輪回転中心線と平行な方向における前記曲板部の厚さが0.128x1以上0.16x1以下程度であり、
前記反フランジ側曲面輪郭線を構成する部分のうち、前記ボス部に近い位置で凹曲面を形成する反フランジ側ボス近傍曲線は、前記ボス小径端平面から前記車輪回転中心線と平行で前記ボス大径端平面に向かう方向に沿う距離が0.72x1以上0.88x1以下程度となる前記ボス外周面上で前記ボス外周面に接するように接続し、
前記フランジ側曲面輪郭線を構成する部分のうち、前記ボス部に近い位置となるフランジ側ボス近傍曲線は、前記ボス大径端平面から前記車輪回転中心線と平行で前記ボス小径端平面に向かう方向に沿う距離が0.024x1以上0.056以下程度となる前記ボス大径端外周接続面上で前記ボス大径端外周接続面に接続すること
を特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項2に係る鉄道車両用車輪は、
一体で圧延形成される鉄道車両用車輪であって、
軸方向傾斜角度が12゜以上16゜以下程度となる略円錐面状のボス外周面を有する略円錐台状に形成され前記略円錐台の内部に同軸の略円柱状の車軸取付孔を有し、前記車軸取付孔の軸中心線が前記車輪回転中心線と合致するように設定され、前記略円錐台のボス小径端部には前記車輪回転中心線に垂直な平面となるボス小径端平面が形成され、前記略円錐台のボス大径端部の前記車軸取付孔の周囲には前記車輪回転中心線に垂直な平面となるボス大径端平面が形成され、当該ボス大径端平面の外周には当該ボス大径端平面に0゜以上8゜以下程度の角度範囲内で接続する曲面又は平面であるボス大径端外周接続面が形成されたボス部と、
車輪踏面とフランジを有し、前記鉄道車両用車輪の回転中心線を中心とする略円環状に形成され、前記鉄道車両用車輪の外周部分を構成するリム部と、
略S字状断面を有し、当該略S字状断面を前記鉄道車両用車輪の回転中心線のまわりに回転させて得られる回転体であり、略皿状で投影形状が円形をなす形状に形成され、前記ボス部の前記ボス大径端部付近と、前記鉄道車両用車輪の前記車輪回転中心線と平行な方向における前記リム部の厚みの中央部付近を接合するように構成された曲板部を
備え、
車輪半径をy1としたとき、
前記曲板部の前記略S字状断面を構成する2つの曲面輪郭線のうち、前記フランジの側となるフランジ側曲面輪郭線における前記曲板部の表面が凹曲面となる箇所のうち前記リム部に近い方の箇所で、その箇所での前記曲面輪郭線の接線が前記車輪回転中心線に対して垂直となる箇所における前記曲板部の板厚中心位置を板厚第1中心位置とし、
前記曲板部の前記略S字状断面を構成する2つの曲面輪郭線のうち、前記フランジとは反対の側となる反フランジ側曲面輪郭線における前記曲板部の表面が凹曲面となる箇所のうち前記ボス部に近い方の箇所で、その箇所での前記曲面輪郭線の接線が前記車輪回転中心線に対して垂直となる箇所における前記曲板部の板厚中心位置を板厚第2中心位置としたとき、
前記フランジ側曲面輪郭線及び前記反フランジ側曲面輪郭線の曲率中心位置は、前記板厚第1中心位置から前記板厚第2中心位置に向かうにつれ、前記板厚第1中心位置付近では前記曲板部に関して前記フランジと同じ側となり、前記板厚第2中心位置付近では前記曲板部に関して前記フランジとは反対の側となり、
前記板厚第1中心位置から前記車輪回転中心線におろした垂線である第1垂線と、前記板厚第2中心位置から前記車輪回転中心線におろした垂線である第2垂線との間の距離である第1距離が0.158y1以上0.177y1以下程度であり、
前記リム部の前記厚みの中心位置であるリム厚中心位置から前記車輪回転中心線におろした垂線である第3垂線と前記第1垂線との距離である第2距離が0以上0.0093y1以下程度であり、
前記ボス大径端平面から前記車輪回転中心線におろした垂線である第4垂線と前記第2垂線との距離である第3距離が0.0279y1以上0.0465y1以下程度であり、
前記板厚第1中心位置における前記車輪回転中心線と平行な方向における前記曲板部の厚さが0.0279y1以上0.0372y1以下程度であり、
前記板厚第2中心位置における前記車輪回転中心線と平行な方向における前記曲板部の厚さが0.0372y1以上0.0465y1以下程度であり、
前記反フランジ側曲面輪郭線を構成する部分のうち、前記ボス部に近い位置で凹曲面を形成する反フランジ側ボス近傍曲線は、前記ボス小径端平面から前記車輪回転中心線と平行で前記ボス大径端平面に向かう方向に沿う距離が0.209y1以上0.256y1以下程度となる前記ボス外周面上で前記ボス外周面に接するように接続し、
前記フランジ側曲面輪郭線を構成する部分のうち、前記ボス部に近い位置となるフランジ側ボス近傍曲線は、前記ボス大径端平面から前記車輪回転中心線と平行で前記ボス小径端平面に向かう方向に沿う距離が0.00697y1以上0.0163y1以下程度となる前記ボス大径端外周接続面上で前記ボス大径端外周接続面に接続すること
を特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項3に係る鉄道車両用車輪は、
一体で圧延形成される鉄道車両用車輪であって、
軸方向傾斜角度が12゜以上16゜以下程度となる略円錐面状のボス外周面を有する略円錐台状に形成され前記略円錐台の内部に同軸の略円柱状の車軸取付孔を有し、前記車軸取付孔の軸中心線が前記車輪回転中心線と合致するように設定され、前記略円錐台のボス小径端部には前記車輪回転中心線に垂直な平面となるボス小径端平面が形成され、前記略円錐台のボス大径端部の前記車軸取付孔の周囲には前記車輪回転中心線に垂直な平面となるボス大径端平面が形成され、当該ボス大径端平面の外周には当該ボス大径端平面に0゜以上8゜以下程度の角度範囲内で接続する曲面又は平面であるボス大径端外周接続面が形成されたボス部と、
車輪踏面とフランジを有し、前記鉄道車両用車輪の回転中心線を中心とする略円環状に形成され、前記鉄道車両用車輪の外周部分を構成するリム部と、
略S字状断面を有し、当該略S字状断面を前記鉄道車両用車輪の回転中心線のまわりに回転させて得られる回転体であり、略皿状で投影形状が円形をなす形状に形成され、前記ボス部の前記ボス大径端部付近と、前記鉄道車両用車輪の前記車輪回転中心線と平行な方向における前記リム部の厚みの中央部付近を接合するように構成された曲板部を
備え、
前記曲板部の前記略S字状断面を構成する2つの曲面輪郭線のうち、前記フランジの側となるフランジ側曲面輪郭線における前記曲板部の表面が凹曲面となる箇所のうち前記リム部に近い方の箇所で、その箇所での前記曲面輪郭線の接線が前記車輪回転中心線に対して垂直となる箇所における前記曲板部の板厚中心位置を板厚第1中心位置とし、
前記曲板部の前記略S字状断面を構成する2つの曲面輪郭線のうち、前記フランジとは反対の側となる反フランジ側曲面輪郭線における前記曲板部の表面が凹曲面となる箇所のうち前記ボス部に近い方の箇所で、その箇所での前記曲面輪郭線の接線が前記車輪回転中心線に対して垂直となる箇所における前記曲板部の板厚中心位置を板厚第2中心位置としたとき、
前記フランジ側曲面輪郭線及び前記反フランジ側曲面輪郭線の曲率中心位置は、前記板厚第1中心位置から前記板厚第2中心位置に向かうにつれ、前記板厚第1中心位置付近では前記曲板部に関して前記フランジと同じ側となり、前記板厚第2中心位置付近では前記曲板部に関して前記フランジとは反対の側となり、
前記板厚第1中心位置から前記車輪回転中心線におろした垂線である第1垂線と、前記板厚第2中心位置から前記車輪回転中心線におろした垂線である第2垂線との間の距離である第1距離が68ミリメートル以上76ミリメートル以下程度であり、
前記リム部の前記厚みの中心位置であるリム厚中心位置から前記車輪回転中心線におろした垂線である第3垂線と前記第1垂線との距離である第2距離が0ミリメートル以上4ミリメートル以下程度であり、
前記ボス大径端平面から前記車輪回転中心線におろした垂線である第4垂線と前記第2垂線との距離である第3距離が12ミリメートル以上20ミリメートル以下程度であり、
前記板厚第1中心位置における前記車輪回転中心線と平行な方向における前記曲板部の厚さが12ミリメートル以上16ミリメートル以下程度であり、
前記板厚第2中心位置における前記車輪回転中心線と平行な方向における前記曲板部の厚さが16ミリメートル以上20ミリメートル以下程度であり、
前記反フランジ側曲面輪郭線を構成する部分のうち、前記ボス部に近い位置で凹曲面を形成する反フランジ側ボス近傍曲線は、前記ボス小径端平面から前記車輪回転中心線と平行で前記ボス大径端平面に向かう方向に沿う距離が90ミリメートル以上110ミリメートル以下程度となる前記ボス外周面上で前記ボス外周面に接するように接続し、
前記フランジ側曲面輪郭線を構成する部分のうち、前記ボス部に近い位置となるフランジ側ボス近傍曲線は、前記ボス大径端平面から前記車輪回転中心線と平行で前記ボス小径端平面に向かう方向に沿う距離が3ミリメートル以上7ミリメートル以下程度となる前記ボス大径端外周接続面上で前記ボス大径端外周接続面に接続すること
を特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項4に係る鉄道車両用車輪は、
一体で圧延形成される鉄道車両用車輪であって、
軸方向傾斜角度が11゜以上15゜以下程度となる略円錐面状のボス外周面を有する略円錐台状に形成され前記略円錐台の内部に同軸の略円柱状の車軸取付孔を有し、前記車軸取付孔の軸中心線が前記車輪回転中心線と合致するように設定され、前記略円錐台のボス小径端部には前記車輪回転中心線に垂直な平面となるボス小径端平面が形成され、前記略円錐台のボス大径端部の前記車軸取付孔の周囲には前記車輪回転中心線に垂直な平面となるボス大径端平面が形成され、当該ボス大径端平面の外周には当該ボス大径端平面に0゜以上11゜以下程度の角度範囲内で接続する曲面又は平面であるボス大径端外周接続面が形成されたボス部と、
車輪踏面とフランジを有し、前記鉄道車両用車輪の回転中心線を中心とする略円環状に形成され、前記鉄道車両用車輪の外周部分を構成するとともに軸方向長さがx2のリム部と、
略S字状断面を有し、当該略S字状断面を前記鉄道車両用車輪の回転中心線のまわりに回転させて得られる回転体であり、略皿状で投影形状が円形をなす形状に形成され、前記ボス部の前記ボス大径端部付近と、前記鉄道車両用車輪の前記車輪回転中心線と平行な方向における前記リム部の厚みの中央部付近を接合するように構成された曲板部を
備え、
前記曲板部の前記略S字状断面を構成する2つの曲面輪郭線のうち、前記フランジとは反対の側となる反フランジ側曲面輪郭線における前記曲板部の表面が凹曲面となる箇所のうち前記リム部に近い方の箇所で、その箇所での前記曲面輪郭線の接線が前記車輪回転中心線に対して垂直となる箇所における前記曲板部の板厚中心位置を板厚第1中心位置とし、
前記曲板部の前記略S字状断面を構成する2つの曲面輪郭線のうち、前記フランジの側となるフランジ側曲面輪郭線における前記曲板部の表面が凹曲面となる箇所のうち前記ボス部に近い方の箇所で、その箇所での前記曲面輪郭線の接線が前記車輪回転中心線に対して垂直となる箇所における前記曲板部の板厚中心位置を板厚第2中心位置としたとき、
前記フランジ側曲面輪郭線及び前記反フランジ側曲面輪郭線の曲率中心位置は、前記板厚第1中心位置から前記板厚第2中心位置に向かうにつれ、前記板厚第1中心位置付近では前記曲板部に関して前記フランジとは反対の側となり、前記板厚第2中心位置付近では前記曲板部に関して前記フランジと同じ側となり、
前記板厚第1中心位置から前記車輪回転中心線におろした垂線である第1垂線と、前記板厚第2中心位置から前記車輪回転中心線におろした垂線である第2垂線との間の距離である第1距離が0.624x2以上0.696x2以下程度であり、
前記リム部の前記厚みの中心位置であるリム厚中心位置から前記車輪回転中心線におろした垂線である第3垂線と前記第1垂線との距離である第2距離が0以上0.032x2以下程度であり、
前記ボス大径端平面から前記車輪回転中心線におろした垂線である第4垂線と前記第2垂線との距離である第3距離が0.128x2以上0.192x2以下程度であり、
前記板厚第1中心位置における前記車輪回転中心線と平行な方向における前記曲板部の厚さが0.16x2以上0.208x2以下程度であり、
前記板厚第2中心位置における前記車輪回転中心線と平行な方向における前記曲板部の厚さが0.176x2以上0.224x2以下程度であり、
前記フランジ側曲面輪郭線を構成する部分のうち、前記ボス部に近い位置で凹曲面を形成するフランジ側ボス近傍曲線は、前記ボス小径端平面から前記車輪回転中心線と平行で前記ボス大径端平面に向かう方向に沿う距離が0.72x2以上0.88x2以下程度となる前記ボス外周面上で前記ボス外周面に接するように接続し、
前記フランジ側曲面輪郭線を構成する部分のうち、前記ボス部に近い位置となる反フランジ側ボス近傍曲線は、前記ボス大径端平面から前記車輪回転中心線と平行で前記ボス小径端平面に向かう方向に沿う距離が0.024x2以上0.056x2以下程度となる前記ボス大径端外周接続面上で前記ボス大径端外周接続面に接続すること
を特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項5に係る鉄道車両用車輪は、
一体で圧延形成される鉄道車両用車輪であって、
軸方向傾斜角度が11゜以上15゜以下程度となる略円錐面状のボス外周面を有する略円錐台状に形成され前記略円錐台の内部に同軸の略円柱状の車軸取付孔を有し、前記車軸取付孔の軸中心線が前記車輪回転中心線と合致するように設定され、前記略円錐台のボス小径端部には前記車輪回転中心線に垂直な平面となるボス小径端平面が形成され、前記略円錐台のボス大径端部の前記車軸取付孔の周囲には前記車輪回転中心線に垂直な平面となるボス大径端平面が形成され、当該ボス大径端平面の外周には当該ボス大径端平面に0゜以上11゜以下程度の角度範囲内で接続する曲面又は平面であるボス大径端外周接続面が形成されたボス部と、
車輪踏面とフランジを有し、前記鉄道車両用車輪の回転中心線を中心とする略円環状に形成され、前記鉄道車両用車輪の外周部分を構成するリム部と、
略S字状断面を有し、当該略S字状断面を前記鉄道車両用車輪の回転中心線のまわりに回転させて得られる回転体であり、略皿状で投影形状が円形をなす形状に形成され、前記ボス部の前記ボス大径端部付近と、前記鉄道車両用車輪の前記車輪回転中心線と平行な方向における前記リム部の厚みの中央部付近を接合するように構成された曲板部を
備え、
車輪半径をy2としたとき、
前記曲板部の前記略S字状断面を構成する2つの曲面輪郭線のうち、前記フランジとは反対の側となる反フランジ側曲面輪郭線における前記曲板部の表面が凹曲面となる箇所のうち前記リム部に近い方の箇所で、その箇所での前記曲面輪郭線の接線が前記車輪回転中心線に対して垂直となる箇所における前記曲板部の板厚中心位置を板厚第1中心位置とし、
前記曲板部の前記略S字状断面を構成する2つの曲面輪郭線のうち、前記フランジの側となるフランジ側曲面輪郭線における前記曲板部の表面が凹曲面となる箇所のうち前記ボス部に近い方の箇所で、その箇所での前記曲面輪郭線の接線が前記車輪回転中心線に対して垂直となる箇所における前記曲板部の板厚中心位置を板厚第2中心位置としたとき、
前記フランジ側曲面輪郭線及び前記反フランジ側曲面輪郭線の曲率中心位置は、前記板厚第1中心位置から前記板厚第2中心位置に向かうにつれ、前記板厚第1中心位置付近では前記曲板部に関して前記フランジとは反対の側となり、前記板厚第2中心位置付近では前記曲板部に関して前記フランジと同じ側となり、
前記板厚第1中心位置から前記車輪回転中心線におろした垂線である第1垂線と、前記板厚第2中心位置から前記車輪回転中心線におろした垂線である第2垂線との間の距離である第1距離が0.181y2以上0.202y2以下程度であり、
前記リム部の前記厚みの中心位置であるリム厚中心位置から前記車輪回転中心線におろした垂線である第3垂線と前記第1垂線との距離である第2距離が0以上0.0093y2以下程度であり、
前記ボス大径端平面から前記車輪回転中心線におろした垂線である第4垂線と前記第2垂線との距離である第3距離が0.0372y2以上0.0558y2以下程度であり、
前記板厚第1中心位置における前記車輪回転中心線と平行な方向における前記曲板部の厚さが0.0465y2以上0.0605y2以下程度であり、
前記板厚第2中心位置における前記車輪回転中心線と平行な方向における前記曲板部の厚さが0.0511y2以上0.0651y2以下程度であり、
前記フランジ側曲面輪郭線を構成する部分のうち、前記ボス部に近い位置で凹曲面を形成するフランジ側ボス近傍曲線は、前記ボス小径端平面から前記車輪回転中心線と平行で前記ボス大径端平面に向かう方向に沿う距離が0.209y2以上0.256y2以下程度となる前記ボス外周面上で前記ボス外周面に接するように接続し、
前記フランジ側曲面輪郭線を構成する部分のうち、前記ボス部に近い位置となる反フランジ側ボス近傍曲線は、前記ボス大径端平面から前記車輪回転中心線と平行で前記ボス小径端平面に向かう方向に沿う距離が0.00697y2以上0.0163y2以下程度となる前記ボス大径端外周接続面上で前記ボス大径端外周接続面に接続すること
を特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項6に係る鉄道車両用車輪は、
一体で圧延形成される鉄道車両用車輪であって、
軸方向傾斜角度が11゜以上15゜以下程度となる略円錐面状のボス外周面を有する略円錐台状に形成され前記略円錐台の内部に同軸の略円柱状の車軸取付孔を有し、前記車軸取付孔の軸中心線が前記車輪回転中心線と合致するように設定され、前記略円錐台のボス小径端部には前記車輪回転中心線に垂直な平面となるボス小径端平面が形成され、前記略円錐台のボス大径端部の前記車軸取付孔の周囲には前記車輪回転中心線に垂直な平面となるボス大径端平面が形成され、当該ボス大径端平面の外周には当該ボス大径端平面に0゜以上11゜以下程度の角度範囲内で接続する曲面又は平面であるボス大径端外周接続面が形成されたボス部と、
車輪踏面とフランジを有し、前記鉄道車両用車輪の回転中心線を中心とする略円環状に形成され、前記鉄道車両用車輪の外周部分を構成するリム部と、
略S字状断面を有し、当該略S字状断面を前記鉄道車両用車輪の回転中心線のまわりに回転させて得られる回転体であり、略皿状で投影形状が円形をなす形状に形成され、前記ボス部の前記ボス大径端部付近と、前記鉄道車両用車輪の前記車輪回転中心線と平行な方向における前記リム部の厚みの中央部付近を接合するように構成された曲板部を
備え、
前記曲板部の前記略S字状断面を構成する2つの曲面輪郭線のうち、前記フランジとは反対の側となる反フランジ側曲面輪郭線における前記曲板部の表面が凹曲面となる箇所のうち前記リム部に近い方の箇所で、その箇所での前記曲面輪郭線の接線が前記車輪回転中心線に対して垂直となる箇所における前記曲板部の板厚中心位置を板厚第1中心位置とし、
前記曲板部の前記略S字状断面を構成する2つの曲面輪郭線のうち、前記フランジの側となるフランジ側曲面輪郭線における前記曲板部の表面が凹曲面となる箇所のうち前記ボス部に近い方の箇所で、その箇所での前記曲面輪郭線の接線が前記車輪回転中心線に対して垂直となる箇所における前記曲板部の板厚中心位置を板厚第2中心位置としたとき、
前記フランジ側曲面輪郭線及び前記反フランジ側曲面輪郭線の曲率中心位置は、前記板厚第1中心位置から前記板厚第2中心位置に向かうにつれ、前記板厚第1中心位置付近では前記曲板部に関して前記フランジとは反対の側となり、前記板厚第2中心位置付近では前記曲板部に関して前記フランジと同じ側となり、
前記板厚第1中心位置から前記車輪回転中心線におろした垂線である第1垂線と、前記板厚第2中心位置から前記車輪回転中心線におろした垂線である第2垂線との間の距離である第1距離が78ミリメートル以上87ミリメートル以下程度であり、
前記リム部の前記厚みの中心位置であるリム厚中心位置から前記車輪回転中心線におろした垂線である第3垂線と前記第1垂線との距離である第2距離が0ミリメートル以上4ミリメートル以下程度であり、
前記ボス大径端平面から前記車輪回転中心線におろした垂線である第4垂線と前記第2垂線との距離である第3距離が16ミリメートル以上24ミリメートル以下程度であり、
前記板厚第1中心位置における前記車輪回転中心線と平行な方向における前記曲板部の厚さが20ミリメートル以上26ミリメートル以下程度であり、
前記板厚第2中心位置における前記車輪回転中心線と平行な方向における前記曲板部の厚さが22ミリメートル以上28ミリメートル以下程度であり、
前記フランジ側曲面輪郭線を構成する部分のうち、前記ボス部に近い位置で凹曲面を形成するフランジ側ボス近傍曲線は、前記ボス小径端平面から前記車輪回転中心線と平行で前記ボス大径端平面に向かう方向に沿う距離が90ミリメートル以上110ミリメートル以下程度となる前記ボス外周面上で前記ボス外周面に接するように接続し、
前記フランジ側曲面輪郭線を構成する部分のうち、前記ボス部に近い位置となる反フランジ側ボス近傍曲線は、前記ボス大径端平面から前記車輪回転中心線と平行で前記ボス小径端平面に向かう方向に沿う距離が3ミリメートル以上7ミリメートル以下程度となる前記ボス大径端外周接続面上で前記ボス大径端外周接続面に接続すること
を特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0016】
(1)第1実施形態
図1は、本発明の第1実施形態である鉄道車両用車輪の構成を示す断面図である。図1に示すように、この鉄道車両用車輪100は、車輪中心線(軸心)104よりも上部の半分が図示されている。この鉄道車両用車輪は、図においてハッチで示された車輪断面部分を、車輪中心線(軸心)104の回りに回転させることによって形成される回転体となっている。
【0017】
この鉄道車両用車輪100は、リム部101と、曲板部102と、ボス部103を有している。
【0018】
リム部101は、フランジ101aと車輪踏面102bを有する部分である。リム部101の詳細な構成については後述する。
【0019】
図2は、図1に示す鉄道車両用車輪におけるボス部のさらに詳細な構成を示す拡大断面図である。ボス部103は、ボス本体部103aと、車軸取付孔103bを有している。ボス本体部103aは、図における点P1よりも下方の部分を指しており、略円錐台状に形成されている。この略円錐台状の部分の外面である略円錐面103cは、軸方向傾斜角度θ1を有している。軸方向傾斜角度θ1は、12゜以上16゜以下程度となる角度、例えば14゜に設定されている。以下、この略円錐面103cを、「ボス外周面」という。
【0020】
車軸取付孔103bは、略円錐台状のボス本体部103aの内部に設けられており、ボス本体部103bと同軸の略円柱状の空間である。車軸取付孔103bの軸中心線は、車輪回転中心線104と合致するように設定されている。
【0021】
また、略円錐台状のボス本体部103aの図における右端部の外径(車輪回転中心線104からの径。後述する半径L2。)は、ボス本体部103aの図における左端部の外径(車輪回転中心線104からの径。後述する点P1までの径。)よりも小さくなっている。以下、ボス本体部103aの図における右端部を、「ボス小径端部」という。このボス小径端部には、車輪回転中心線104に垂直となる平面103dが形成されている。以下、この平面103dを、「ボス小径端平面」という。ボス小径端平面103dの上端は、曲率半径が10ミリメートル程度の円弧103gを介して、ボス外周面103cに接続している。
【0022】
ボス外周面103cの開始位置と車輪回転中心線(図1の104を参照)の距離L2は、第1実施形態では123ミリメートルとなっている。この距離の値は、この値に限定されるものではなく、適宜に設定可能である。この場合、リム部101の軸方向長さをx1(図1参照)とし、x1の値を125ミリメートルに設定した場合には、距離L2は、x1に対する比率で表すと、例えば0.984x1となっている。また、車輪半径の値をy1(図1参照)とし、y1の値を430ミリメートルに設定した場合には、距離L2は、y1に対する比率で表すと、例えば0.286y1となっている。
【0023】
また、略円錐台状のボス本体部103aの図における左端部の外径(車輪回転中心線104からの径)は、ボス本体部103aの図における右端部の外径(車輪回転中心線104からの径)よりも大きくなっている。以下、ボス本体部103aの図における左端部を、「ボス大径端部」という。このボス大径端部の車軸取付孔103bの周囲には、車輪回転中心線104に垂直となる平面103eが形成されている。以下、この平面103eを、「ボス大径端平面」という。
【0024】
このボス大径端平面103eの外周には、ボス大径端平面103eに点P2で接続する面103fが形成されている。以下、この面103fを、「ボス大径端外周接続面」という。ボス大径端外周接続面103fは、ボス大径端平面103eの外周の位置P2においてボス大径端平面103eに角度θ2で接続している。この角度θ2は、0゜以上8゜以下程度の角度範囲内となる角度、例えば6゜に設定されている。
【0025】
図3は、図2におけるボス大径端平面103eとボス大径端外周接続面103fの接続の例を示す概念図である。ボス大径端平面103eとボス大径端外周接続面103fとの位置P2での接続は、図3(A)に示すように、ボス大径端外周接続面103fの曲率中心が、ボス大径端外周接続面103fの左側(フランジ側)の外部の点となるような場合、すなわち凹曲面であってもよいし、図3(B)に示すように、ボス大径端外周接続面103f´が平面であってもよいし、図3(C)に示すように、ボス大径端外周接続面103f″の曲率中心が、ボス大径端外周接続面103f″の右側(反フランジ側)の点となるような場合、すなわち凸曲面であってもよい。図3(A)の場合の曲率半径R2は、例えば450ミリメートル以上の値に設定されている。ボス大径端外周接続面103fは、点P2から点P1までの部分である。
【0026】
点P2と車輪回転中心線(図1の104を参照)の距離L1は、第1実施形態では123ミリメートルとなっている。この距離の値は、この値に限定されるものではなく、適宜に設定可能である。この場合、リム部101の軸方向長さをx1(図1参照)とし、x1の値を125ミリメートルに設定した場合には、距離L2は、x1に対する比率で表すと、例えば0.984x1となっている。また、車輪半径の値をy1(図1参照)とし、y1の値を430ミリメートルに設定した場合には、距離L2は、y1に対する比率で表すと、例えば0.286y1となっている。
【0027】
また、図2に示すように、ボス外周面103cの輪郭線を左上方へ延長し、この延長線がボス大径端外周接続面103fと交わる点が点P1となる。したがって、ボス部103は、点P1とボス外周面103cよりも車輪回転中心線104に近い部分となる。
【0028】
ボス大径端外周接続面103fは、点P1において、曲板部102のフランジ側の輪郭線であるフランジ側ボス近傍曲線102aと接続する。この場合、フランジ側ボス近傍曲線102aの曲率中心と、ボス大径端外周接続面103fの輪郭線の曲率中心の位置は一致している。したがって、フランジ側ボス近傍曲線102aと、ボス大径端外周接続面103fの輪郭線は、点P1で滑らかに接している。
【0029】
点P1は、リム部101の軸方向長さをx1(図1参照)とし、x1の値を125ミリメートルに設定した場合には、ボス大径端平面103eから車輪回転中心線104と平行でボス小径端平面103dに向かう方向(x1方向)に沿う距離L6が3ミリメートル以上で7ミリメートル以下程度となる位置となっている。すなわち、x1に対する比率で表すと、点P1についての、ボス大径端平面103eから車輪回転中心線104と平行でボス小径端平面103dに向かう方向(x1方向)に沿う距離L6は、0.024x1以上で0.056x1以下程度となる値となっている。また、車輪半径の値をy1(図1参照)とし、y1の値を430ミリメートルに設定した場合には、距離L6は、y1に対する比率で表すと、0.00697y1以上で0.0163y1以下程度となる値となっている。
【0030】
また、点P1と車輪回転中心線(図1の104を参照)の距離は、第1実施形態では163ミリメートルとなっている。したがって、大径端部である点P1における半径は、小径端部の半径の値L2(123ミリメートル)よりも大きな値となっている。点P1と車輪回転中心線(図1の104を参照)の距離の値は、この値に限定されるものではなく、160ミリメートル以上で166ミリメートル以下程度に設定可能である。この場合、リム部101の軸方向長さをx1(図1参照)とし、x1の値を125ミリメートルに設定した場合には、点P1と車輪回転中心線(図1の104を参照)の距離の値は、x1に対する比率で表すと、1.28x1以上で1.328x1以下程度となっている。また、車輪半径の値をy1(図1参照)とし、y1の値を430ミリメートルに設定した場合には、点P1と車輪回転中心線(図1の104を参照)の距離は、y1に対する比率で表すと、0.372y1以上で0.386y1以下程度の値となっている。
【0031】
また、フランジ側ボス近傍曲線102aは、点P1から点P3までの部分である。点P3において、凹曲面輪郭線(凹曲面を形成する輪郭線)であるフランジ側ボス近傍曲線102aは、凸曲面輪郭線(凸曲面を形成する輪郭線)102bと接する。点P3における接線は、車輪回転中心線104に対して垂直となっている。
【0032】
また、ボス外周面103cは、点P6において、曲板部102の反フランジ側の輪郭線である反フランジ側ボス近傍曲線102cと接続する。この場合、反フランジ側ボス近傍曲線102cと、ボス外周面103cの輪郭線は、点P6で滑らかに接している。
【0033】
点P6は、リム部101の軸方向長さをx1(図1参照)とし、x1の値を125ミリメートルに設定した場合には、ボス小径端平面103dから車輪回転中心線104と平行でボス大径端平面103eに向かう方向(x1方向)に沿う距離L5が90ミリメートル以上で110ミリメートル以下程度となる位置となっている。すなわち、x1に対する比率で表すと、ボス小径端平面103dから車輪回転中心線104と平行でボス大径端平面103eに向かう方向(x1方向)に沿う距離L5は、0.72x1以上で0.88x1以下程度となる位置となっている。また、車輪半径の値をy1(図1参照)とし、y1の値を430ミリメートルに設定した場合には、距離L5は、y1に対する比率で表すと、0.209y1以上で0.256y1以下程度となる位置となっている。
【0034】
また、反フランジ側ボス近傍曲線102cは、点P6から点P4までの部分である。点P4において、凹曲面輪郭線(凹曲面を形成する輪郭線)である反フランジ側ボス近傍曲線102cは、凹曲面輪郭線(凹曲面を形成する輪郭線)102dと接する。点P4における接線は、車輪回転中心線104に対して垂直となっている。
【0035】
上記した点P3と点P4は、それぞれ、車輪回転中心線(図1の104を参照)からの距離が等しくなっており、点P3と点P4を結んだ線分の中点が点P5となっている。この点P5は、この位置における曲板部102の板厚の中心位置となっている。以下、点P5を、「板厚第2中心位置」という。
【0036】
板厚第2中心位置P5から車輪回転中心線(図1の104を参照)におろした垂線を「第2垂線」とし、ボス大径端平面103eから車輪回転中心線(図1の104を参照)におろした垂線を「第4垂線」とし、第2垂線と第4垂線の距離を「第3距離」とすると、第1実施形態では、第3距離は、12ミリメートル以上20ミリメートル以下程度の値、例えば16ミリメートルとなっている。
【0037】
この第3距離は、リム部101の軸方向長さをx1(図1参照)とし、x1の値を125ミリメートルに設定した場合には、x1に対する比率で表すと、0.096x1以上で0.16x1以下程度となる位置となっている。また、車輪半径の値をy1(図1参照)とし、y1の値を430ミリメートルに設定した場合には、第3距離は、y1に対する比率で表すと、0.0279y1以上で0.0465y1以下程度となる位置となっている。
【0038】
また、板厚第2中心位置P5と車輪回転中心線(図1の104を参照)の距離は、第1実施形態では198ミリメートルとなっている。この距離の値は、この値に限定されるものではなく、195ミリメートル以上201ミリメートル以下程度であればよい。この場合、リム部101の軸方向長さをx1(図1参照)とし、x1の値を125ミリメートルに設定した場合には、x1に対する比率で表すと、1.56x1以上で1.608x1以下程度となる位置となっている。車輪半径の値をy1(図1参照)とし、y1の値を430ミリメートルに設定した場合には、板厚第2中心位置P5と車輪回転中心線(図1の104を参照)の距離は、y1に対する比率で表すと、0.453y1以上で0.468y1以下程度となっている。
【0039】
また、板厚第2中心位置P5における曲板部102の板厚、すなわち、車輪回転中心線(図1の104を参照)と平行な方向における曲板部102の厚さ(点P3と点P4の距離)は、16ミリメートル以上20ミリメートル以下程度となっている。この板厚は、リム部101の軸方向長さをx1(図1参照)とし、x1の値を125ミリメートルに設定した場合には、x1に対する比率で表すと、0.128x1以上で0.16x1以下程度となる位置となっている。また、車輪半径の値をy1(図1参照)とし、y1の値を430ミリメートルに設定した場合には、この板厚は、y1に対する比率で表すと、0.0372y1以上で0.0465y1以下程度となる値となっている。
【0040】
次に、リム部101とその付近について、さらに詳細に説明する。図4は、図1に示す鉄道車両用車輪におけるリム部のさらに詳細な構成を示す拡大断面図である。図4に示すように、リム部101は、断面が略四角形をなす円環状に構成されており、その上部に、フランジ101aと車輪踏面102bを有している。また、リム部101の両側面101cと101dは、車輪回転中心線(図1の104を参照)に対して垂直な平面となっている。
【0041】
図4における点P12は、車輪径、例えば図1に示す車輪半径y1が定義される車輪踏面101b上の位置であり、リム部101のフランジ方側面101cから点P12までの距離L7は、例えば65ミリメートル程度の値となっている。また、点P12からリム部101の反フランジ方側面101dまでの距離L8は、例えば60ミリメートル程度の値となっている。また、フランジ101aの高さL9は、例えば26〜27ミリメートル程度の値となっている。
【0042】
リム部101のフランジ方側面101cの下端は、曲率半径が10ミリメートル程度の円弧101gを介して、リム部101のフランジ方底面101eに接続している。また、フランジ方底面101eの下端点P10には、曲板部102のフランジ側の輪郭線であるフランジ側リム近傍曲線102eが接している。
【0043】
フランジ側リム近傍曲線102eは、点P10から点P7までの部分である。点P7において、凹曲面輪郭線(凹曲面を形成する輪郭線)であるフランジ側リム近傍曲線102eは、凹曲面輪郭線(凹曲面を形成する輪郭線)102gと接する。点P7における接線は、車輪回転中心線104に対して垂直となっている。
【0044】
リム部101の反フランジ方側面101dの下端は、曲率半径が10ミリメートル程度の円弧101hを介して、リム部101の反フランジ方底面101fに接続している。また、反フランジ方底面101fの下端点P11には、曲板部102の反フランジ側の輪郭線である反フランジ側リム近傍曲線102fが接している。
【0045】
反フランジ側リム近傍曲線102fは、点P11から点P8までの部分である。点P8において、凹曲面輪郭線(凹曲面を形成する輪郭線)であるフランジ側リム近傍曲線102fは、凸曲面輪郭線(凸曲面を形成する輪郭線)102hと接する。点P8における接線は、車輪回転中心線104に対して垂直となっている。
【0046】
上記した点P7と点P8は、それぞれ、車輪回転中心線(図1の104を参照)からの距離が等しくなっており、点P7と点P8を結んだ線分の中点が点P9となっている。この点P9は、この位置における曲板部102の板厚の中心位置となっている。以下、点P9を、「板厚第1中心位置」という。板厚第1中心位置P9と車輪回転中心線(図1の104を参照)の距離は、第1実施形態では311ミリメートルとなっている。この距離の値は、この値に限定されるものではなく、308ミリメートル以上314ミリメートル以下程度であればよい。この場合、リム部101の軸方向長さをx1(図1参照)とし、x1の値を125ミリメートルに設定した場合には、この距離の値は、x1に対する比率で表すと、2.464x1以上で2.512x1以下程度となる値となっている。また、車輪半径の値をy1(図1参照)とし、y1の値を430ミリメートルに設定した場合には、板厚第1中心位置P9と車輪回転中心線(図1の104を参照)の距離は、y1に対する比率で表すと、0.716y1以上で0.731y1以下程度となっている。
【0047】
リム部101に図示する点P13は、リム部101の厚みの中心位置となっている。以下、点P13を、「リム厚中心位置」という。したがって、リム部101のフランジ方側面101cからリム厚中心位置P13までの距離は、(L7+L8)/2となっている。
【0048】
第1実施形態においては、リム部101のフランジ方側面101cから板厚第1中心位置P9までの距離は、リム部101のフランジ方側面101cからリム厚中心位置P13までの距離と等しくなっている。すなわち、板厚第1中心位置P9から車輪回転中心線(図1の104を参照)におろした垂線を「第1垂線」とし、リム厚中心位置P13から車輪回転中心線(図1の104を参照)におろした垂線を「第3垂線」とし、第1垂線と第3垂線の距離を「第2距離」とすると、第2距離が零であることを示している。
【0049】
この第2距離の値は、零に限定されるものではなく、0ミリメートル以上4ミリメートル以下程度であればよい。この場合、リム部103の軸方向長さをx1(図1参照)とし、x1の値を125ミリメートルに設定した場合には、x1に対する比率で表すと、第2距離は、0以上で0.032x1以下程度となっている。また、車輪半径の値をy1(図1参照)とし、y1の値を430ミリメートルに設定した場合には、第2距離は、y1に対する比率で表すと、0以上で0.0093y1以下程度となる値となっている。
【0050】
また、この場合、リム厚中心位置P13に対し、板厚第1中心位置P9が、相対的にリム厚中心位置P13よりも図の右側(ボス小径端平面103dの側、又は反フランジ側)となるようにしてもよいし、リム厚中心位置P13に対し、板厚第1中心位置P9が、相対的にリム厚中心位置P13よりも図の左側(ボス大径端平面103eの側、又はフランジ側)となるようにしてもよい。
【0051】
また、板厚第1中心位置P9における曲板部102の板厚、すなわち、車輪回転中心線(図1の104を参照)と平行な方向における曲板部102の厚さ(点P7と点P8の距離)は、12ミリメートル以上16ミリメートル以下程度となっている。この板厚は、リム部101の軸方向長さをx1(図1参照)とし、x1の値を125ミリメートルに設定した場合には、x1に対する比率で表すと、0.096x1以上で0.128x1以下程度となる位置となっている。また、車輪半径の値をy1(図1参照)とし、y1の値を430ミリメートルに設定した場合には、この板厚は、y1に対する比率で表すと、0.0279y1以上で0.0372y1以下程度となる値となっている。
【0052】
次に、曲板部102について、さらに詳細に説明する。図5は、図1に示す鉄道車両用車輪における曲板部の詳細な構成を示す断面図である。図5に示すように、曲板部102は、略S字状断面を有し、当該略S字状断面を車輪回転中心線104のまわりに回転させて得られる回転体であり、略皿状で投影形状が円形をなす形状に形成されている。この曲板部102は、ボス部103のボス大径端部(図5の左端部)付近に接合されている。また、曲板部102は、リム部101の厚みの中央部付近に接合されている。
【0053】
曲板部102の略S字状断面を構成する2つの曲面輪郭線のうち、フランジ101aの側となるフランジ側曲面輪郭線は、フランジ側ボス近傍曲線102aと、凸曲面輪郭線102bと、凹曲面輪郭線102gと、フランジ側リム近傍曲線102eを有して構成されている。凸曲面輪郭線102bと、凹曲面輪郭線102gは、点P14において滑らかに接している。
【0054】
また、曲板部102の略S字状断面を構成する2つの曲面輪郭線のうち、フランジ101aとは反対の側となる反フランジ側曲面輪郭線は、反フランジ側ボス近傍曲線102cと、凹曲面輪郭線102dと、凸曲面輪郭線102hと、反フランジ側リム近傍曲線102fを有して構成されている。凹曲面輪郭線102dと、凸曲面輪郭線102hは、点P15において滑らかに接している。
【0055】
また、板厚第1中心位置P9から車輪回転中心線104におろした垂線である第1垂線の足の点P9´と、板厚第2中心位置P5から車輪回転中心線104におろした垂線である第2垂線の足の点P5´との間の距離である第1距離L10は、68ミリメートル以上76ミリメートル以下程度となっている。この第1距離L10は、リム部101の軸方向長さをx1(図1参照)とし、x1の値を125ミリメートルに設定した場合には、x1に対する比率で表すと、0.544x1以上で0.608x1以下程度となる値となっている。また、車輪半径の値をy1(図1参照)とし、y1の値を430ミリメートルに設定した場合には、第1距離L10は、y1に対する比率で表すと、0.158y1以上で0.177y1以下程度となる値となっている。
【0056】
上記した第1実施形態の鉄道車両用車輪100によれば、以下のような利点がある。
【0057】
a)図8に示す従来の鉄道車両用車輪においては、板部302のボス部側の根本は、ボス部のほぼ中央付近に接合しており、フランジ側の根本部305は、ある短い曲率半径を有する凹曲面となっている。これに対し、第1実施形態の鉄道車両用車輪100においては、ボス部103と曲板部102の接合部のうち、特に、フランジ側ボス近傍曲線102aが、ボス大径端外周接続面103fの輪郭線に滑らかに接している。またフランジ側ボス近傍曲線102aの曲率半径は大きく、ほぼ平面といってもよい。このため、図1において、輪重F1と横圧F2が作用した場合、又は輪重F1と背面横圧F3が作用した場合であっても、フランジ側ボス近傍曲線102aの部分には応力集中はかなり小さい。このため、車輪の強度は、図8に示す従来例よりも向上し、安全率が高くなっている。
【0058】
b)車輪の熱応力に対する安全性を考慮すると、図8に示す従来の鉄道車両用車輪におけるδの値を大きな値に設定することが望ましい。しかし、図8に示す従来の鉄道車両用車輪においては、板部302のボス部側の根本は、ボス部のほぼ中央付近に接合しており、δの値を大きくとることは困難である。δの値をあまり大きくすると、リム部に比べてボス部が大きく突出することになり、鉄道車両用車輪としては問題が多くなる。しかし、第1実施形態の鉄道車両用車輪100においては、曲板部102の板厚第2中心位置P5が、ボス大径端部(図の左端部)に近接するように設定されているため、上記のδに相当する第1距離L10の値を、68〜76ミリメートルと、大きな値にすることができる。このため、車輪の熱応力に対する安全性は、図8に示す従来例よりも高くなっている。
【0059】
c)曲板部102の形状により、車輪の軽量化についても、図8に示す従来例の場合と同等以上に確保されている。
【0060】
(2)第2実施形態
本発明は、上記した第1実施形態以外の構成によっても実現可能である。図6は、本発明の第2実施形態である鉄道車両用車輪の構成を示す断面図である。また、図7は、図6、7に示す鉄道車両用車輪における各部の詳細な構成を示す断面図である。図6、7に示すように、この鉄道車両用車輪200は、車輪中心線(軸心)204よりも上部の半分が図示されている。この鉄道車両用車輪は、図においてハッチで示された車輪断面部分を、車輪中心線(軸心)204の回りに回転させることによって形成される回転体となっている。
【0061】
この鉄道車両用車輪200は、リム部201と、曲板部202と、ボス部203を有している。
【0062】
リム部201は、フランジ201aと車輪踏面202bを有する部分である。リム部201の詳細な構成については後述する。
【0063】
図6、7に示すように、ボス部203は、ボス本体部203aと、車軸取付孔203bを有している。ボス本体部203aは、図における点P51よりも下方の部分を指しており、略円錐台状に形成されている。この略円錐台状の部分の外面である略円錐面203cは、軸方向傾斜角度θ51を有している。軸方向傾斜角度θ51は、11゜以上15゜以下程度となる角度、例えば13゜に設定されている。以下、この略円錐面203cを、「ボス外周面」という。
【0064】
車軸取付孔203bは、略円錐台状のボス本体部203aの内部に設けられており、ボス本体部203bと同軸の略円柱状の空間である。車軸取付孔203bの軸中心線は、車輪回転中心線204と合致するように設定されている。
【0065】
また、略円錐台状のボス本体部203aの図における右端部の外径(車輪回転中心線204からの径。後述する半径L52。)は、ボス本体部203aの図における左端部の外径(車輪回転中心線204からの径。後述する点P51までの径。)よりも小さくなっている。以下、ボス本体部203aの図における左端部を、「ボス小径端部」という。このボス小径端部には、車輪回転中心線204に垂直となる平面203dが形成されている。以下、この平面203dを、「ボス小径端平面」という。ボス小径端平面203dの上端は、曲率半径が10ミリメートル程度の円弧203gを介して、ボス外周面203cに接続している。
【0066】
ボス外周面203cの開始位置と車輪回転中心線204の距離L52は、第2実施形態では123ミリメートルとなっている。この距離の値は、この値に限定されるものではなく、適宜に設定可能である。この場合、リム部201の軸方向長さをx2(図6参照)とし、x2の値を125ミリメートルに設定した場合には、距離L52は、x2に対する比率で表すと、例えば0.984x2となっている。また、車輪半径の値をy2(図6参照)とし、y2の値を430ミリメートルに設定した場合には、距離L52は、y2に対する比率で表すと、例えば0.286y2となっている。
【0067】
また、略円錐台状のボス本体部203aの図における右端部の外径(車輪回転中心線204からの径)は、ボス本体部203aの図における左端部の外径(車輪回転中心線204からの径)よりも大きくなっている。以下、ボス本体部203aの図における右端部を、「ボス大径端部」という。このボス大径端部の車軸取付孔203bの周囲には、車輪回転中心線204に垂直となる平面203eが形成されている。以下、この平面203eを、「ボス大径端平面」という。
【0068】
このボス大径端平面203eの外周には、ボス大径端平面203eに点P52で接続する面203fが形成されている。以下、この面203fを、「ボス大径端外周接続面」という。ボス大径端外周接続面203fは、ボス大径端平面203eの外周の位置P52においてボス大径端平面203eに角度θ52で接続している。この角度θ52は、0゜以上11゜以下程度の角度範囲内となる角度、例えば9゜に設定されている。
【0069】
ボス大径端平面203eとボス大径端外周接続面203fの接続については図示はしていないが、上記した第1実施形態の図3の場合とまったく同様である。すなわち、ボス大径端平面203eとボス大径端外周接続面203fとの位置P52での接続は、ボス大径端外周接続面203fの曲率中心が、ボス大径端外周接続面203fの右側(反フランジ側)の外部の点となるような場合、すなわち凹曲面であってもよいし、ボス大径端外周接続面203fが平面であってもよいし、ボス大径端外周接続面203fの曲率中心が、ボス大径端外周接続面203fの左側(フランジ側)の点となるような場合、すなわち凸曲面であってもよい。図6、7の場合は、凹曲面であり、その曲率半径は、例えば380ミリメートル以上の値に設定されている。ボス大径端外周接続面203fは、点P52から点P51までの部分である。
【0070】
点P52と車輪回転中心線204の距離L51は、第2実施形態では123ミリメートルとなっている。この距離の値は、この値に限定されるものではなく、適宜に設定可能である。この場合、リム部201の軸方向長さをx2(図6参照)とし、x2の値を125ミリメートルに設定した場合には、距離L51は、x2に対する比率で表すと、例えば0.984x2となっている。車輪半径の値をy2(図6参照)とし、y2の値を430ミリメートルに設定した場合には、距離L51は、y2に対する比率で表すと、例えば0.286y2となっている。
【0071】
また、図7に示すように、ボス外周面203cの輪郭線を右上方へ延長し、この延長線がボス大径端外周接続面203fと交わる点が点P51となる。したがって、ボス部203は、点P51とボス外周面203cよりも車輪回転中心線204に近い部分となる。
【0072】
ボス大径端外周接続面203fは、点P51において、曲板部202のフランジ側の輪郭線である反フランジ側ボス近傍曲線202aと接続する。この場合、反フランジ側ボス近傍曲線202aの曲率中心と、ボス大径端外周接続面203fの輪郭線の曲率中心の位置は一致している。したがって、反フランジ側ボス近傍曲線202aと、ボス大径端外周接続面203fの輪郭線は、点P51で滑らかに接している。
【0073】
点P51は、リム部201の軸方向長さをx2(図6参照)とし、x2の値を125ミリメートルに設定した場合には、ボス大径端平面203eから車輪回転中心線204と平行でボス小径端平面203dに向かう方向(x2方向)に沿う距離が3ミリメートル以上で7ミリメートル以下程度となる値となっている。すなわち、x2に対する比率で表すと、点P51についての、ボス大径端平面203eから車輪回転中心線204と平行でボス小径端平面203dに向かう方向(x2方向)に沿う距離は、0.024x2以上で0.056x2以下程度となる値となっている。また、車輪半径の値をy2(図6参照)とし、y2の値を430ミリメートルに設定した場合には、点P51についての、ボス大径端平面203eから車輪回転中心線204と平行でボス小径端平面203dに向かう方向(x2方向)に沿う距離は、y2に対する比率で表すと、0.00697y2以上で0.0163y2以下程度の値となっている。
【0074】
また、点P51と車輪回転中心線204の距離は、第2実施形態では153ミリメートルとなっている。したがって、大径端部である点P51における半径は、小径端部の半径の値L52(123ミリメートル)よりも大きな値となっている。点P51と車輪回転中心線204の距離の値は、この値に限定されるものではなく、150ミリメートル以上で156ミリメートル以下程度に設定可能である。この場合、リム部201の軸方向長さをx2(図6参照)とし、x2の値を125ミリメートルに設定した場合には、点P51と車輪回転中心線204の距離の値は、1.2x2以上で1.248x2以下程度となる値となっている。また、車輪半径の値をy2(図6参照)とし、y2の値を430ミリメートルに設定した場合には、点P51と車輪回転中心線204の距離は、y2に対する比率で表すと、0.348y2以上で0.363y2以下程度の値となっている。
【0075】
また、反フランジ側ボス近傍曲線202aは、点P51から点P53までの部分である。点P53において、凹曲面輪郭線(凹曲面を形成する輪郭線)である反フランジ側ボス近傍曲線202aは、凸曲面輪郭線(凸曲面を形成する輪郭線)202bと接する。点P53における接線は、車輪回転中心線204に対して垂直となっている。
【0076】
また、ボス外周面203cは、点P56において、曲板部202のフランジ側の輪郭線であるフランジ側ボス近傍曲線202cと接続する。この場合、フランジ側ボス近傍曲線202cと、ボス外周面203cの輪郭線は、点P56で滑らかに接している。
【0077】
点P56は、リム部201の軸方向長さをx2(図6参照)とし、x2の値を125ミリメートルに設定した場合には、ボス小径端平面203dから車輪回転中心線204と平行でボス大径端平面203eに向かう方向(x2方向)に沿う距離が90ミリメートル以上で110ミリメートル以下程度となる位置となっている。すなわち、x2に対する比率で表すと、点P56についての、ボス小径端平面203dから車輪回転中心線204と平行でボス大径端平面203eに向かう方向(x2方向)に沿う距離は、0.72x2以上で0.88x2以下程度となる値となっている。また、車輪半径の値をy2(図6参照)とし、y2の値を430ミリメートルに設定した場合には、点P56についての、ボス小径端平面203dから車輪回転中心線204と平行でボス大径端平面203eに向かう方向(x2方向)に沿う距離は、y2に対する比率で表すと、0.209y2以上で0.256y2以下程度の値となっている。
【0078】
また、フランジ側ボス近傍曲線202cは、点P56から点P54までの部分である。点P54において、凹曲面輪郭線(凹曲面を形成する輪郭線)であるフランジ側ボス近傍曲線202cは、凹曲面輪郭線(凹曲面を形成する輪郭線)202dと接する。点P54における接線は、車輪回転中心線204に対して垂直となっている。
【0079】
上記した点P53と点P54は、それぞれ、車輪回転中心線204からの距離が等しくなっており、点P53と点P54を結んだ線分の中点が点P55となっている。この点P55は、この位置における曲板部202の板厚の中心位置となっている。以下、点P55を、「板厚第2中心位置」という。
【0080】
板厚第2中心位置P55から車輪回転中心線204におろした垂線を「第2垂線」とし、ボス大径端平面203eから車輪回転中心線204におろした垂線を「第4垂線」とし、第2垂線と第4垂線の距離を「第3距離」とすると、第2実施形態では、第3距離は、16ミリメートル以上24ミリメートル以下程度の値、例えば20ミリメートルとなっている。
【0081】
この第3距離は、リム部201の軸方向長さをx2(図6、7参照)とし、x2の値を125ミリメートルに設定した場合には、x2に対する比率で表すと、0.128x2以上で0.192x2以下程度となる値となっている。また、車輪半径の値をy2(図6参照)とし、y2の値を430ミリメートルに設定した場合には、第3距離は、y2に対する比率で表すと、0.0372y2以上で0.0558y2以下程度の値となっている。
【0082】
また、板厚第2中心位置P55と車輪回転中心線204の距離は、第2実施形態では169ミリメートルとなっている。この距離の値は、この値に限定されるものではなく、166ミリメートル以上172ミリメートル以下程度であればよい。この場合、リム部201の軸方向長さをx2(図6参照)とし、x2の値を125ミリメートルに設定した場合には、この距離の値は、1.328x2以上で1.376x2以下程度となる値となっている。車輪半径の値をy2(図6参照)とし、y2の値を430ミリメートルに設定した場合には、板厚第2中心位置P55と車輪回転中心線204の距離は、y2に対する比率で表すと、0.386y2以上で0.4y2以下程度となっている。
【0083】
また、板厚第2中心位置P55における曲板部202の板厚、すなわち、車輪回転中心線204と平行な方向における曲板部202の厚さ(点P53と点P54の距離)は、22ミリメートル以上28ミリメートル以下程度となっている。この板厚は、リム部201の軸方向長さをx2(図6参照)とし、x2の値を125ミリメートルに設定した場合には、x2に対する比率で表すと、0.176x2以上で0.224x2以下程度となる位置となっている。また、車輪半径の値をy2(図6参照)とし、y2の値を430ミリメートルに設定した場合には、この板厚は、y2に対する比率で表すと、0.0511y2以上で0.0651y2以下程度の値となっている。
【0084】
次に、リム部201とその付近について、さらに詳細に説明する。図7に示すように、リム部201は、断面が略四角形をなす円環状に構成されており、その上部に、フランジ201aと車輪踏面202bを有している。また、リム部201の両側面201cと201dは、車輪回転中心線204に対して垂直な平面となっている。
【0085】
図7における点P62は、車輪径、例えば図6に示す車輪半径y2が定義される車輪踏面201b上の位置であり、リム部201のフランジ方側面201cから点P62までの距離L57は、例えば65ミリメートル程度の値となっている。また、点P62からリム部201の反フランジ方側面201dまでの距離L58は、例えば60ミリメートル程度の値となっている。また、フランジ201aの高さL59は、例えば26〜27ミリメートル程度の値となっている。
【0086】
リム部201のフランジ方側面201cの下端は、曲率半径が10ミリメートル程度の円弧201gを介して、リム部201のフランジ方底面201eに接続している。また、フランジ方底面201eの下端点P60には、曲板部202のフランジ側の輪郭線であるフランジ側リム近傍曲線202eが接している。
【0087】
フランジ側リム近傍曲線202eは、点P60から点P57までの部分である。点P57において、凹曲面輪郭線(凹曲面を形成する輪郭線)であるフランジ側リム近傍曲線202eは、凹曲面輪郭線(凹曲面を形成する輪郭線)202gと接する。点P57における接線は、車輪回転中心線204に対して垂直となっている。
【0088】
リム部201の反フランジ方側面201dの下端は、曲率半径が10ミリメートル程度の円弧201hを介して、リム部201の反フランジ方底面201fに接続している。また、反フランジ方底面201fの下端点P61には、曲板部202の反フランジ側の輪郭線である反フランジ側リム近傍曲線202fが接している。
【0089】
反フランジ側リム近傍曲線202fは、点P61から点P58までの部分である。点P58において、凹曲面輪郭線(凹曲面を形成する輪郭線)であるフランジ側リム近傍曲線202fは、凸曲面輪郭線(凸曲面を形成する輪郭線)202hと接する。点P58における接線は、車輪回転中心線204に対して垂直となっている。
【0090】
上記した点P57と点P58は、それぞれ、車輪回転中心線204からの距離が等しくなっており、点P57と点P58を結んだ線分の中点が点P59となっている。この点P59は、この位置における曲板部202の板厚の中心位置となっている。以下、点P59を、「板厚第1中心位置」という。板厚第1中心位置P59と車輪回転中心線204の距離は、第2実施形態では305ミリメートルとなっている。この距離の値は、この値に限定されるものではなく、302ミリメートル以上308ミリメートル以下程度であればよい。この場合、リム部201の軸方向長さをx2(図6参照)とし、x2の値を125ミリメートルに設定した場合には、x2に対する比率で表すと、この距離は、2.416x2以上で2.464x2以下程度となる値となっている。また、車輪半径の値をy2(図6参照)とし、y2の値を430ミリメートルに設定した場合には、板厚第1中心位置P59と車輪回転中心線204の距離は、y2に対する比率で表すと、0.702y2以上で0.716y2以下程度となっている。
【0091】
リム部201に図示する点P63は、リム部201の厚みの中心位置となっている。以下、点P63を、「リム厚中心位置」という。したがって、リム部201のフランジ方側面201cからリム厚中心位置P63までの距離は、(L57+L58)/2となっている。
【0092】
第2実施形態においては、リム部201のフランジ方側面201cから板厚第1中心位置P59までの距離は、リム部201のフランジ方側面201cからリム厚中心位置P63までの距離と等しくなっている。すなわち、板厚第1中心位置P59から車輪回転中心線204におろした垂線を「第1垂線」とし、リム厚中心位置P63から車輪回転中心線204におろした垂線を「第3垂線」とし、第1垂線と第3垂線の距離を「第2距離」とすると、第2距離が零であることを示している。
【0093】
この第2距離の値は、零に限定されるものではなく、0ミリメートル以上4ミリメートル以下程度であればよい。この場合、リム部201の軸方向長さをx2(図6参照)とし、x2の値を125ミリメートルに設定した場合には、x2に対する比率で表すと、第2距離は、0以上で0.032x2以下程度となっている。また、車輪半径の値をy2(図6参照)とし、y2の値を430ミリメートルに設定した場合には、第2距離は、y2に対する比率で表すと、0以上で0.0093y2以下程度の値となっている。
【0094】
また、この場合、リム厚中心位置P63に対し、板厚第1中心位置P59が、相対的にリム厚中心位置P63よりも図の右側(ボス大径端平面203eの側、又は反フランジ側)となるようにしてもよいし、リム厚中心位置P63に対し、板厚第1中心位置P59が、相対的にリム厚中心位置P63よりも図の左側(ボス小径端平面203dの側、又はフランジ側)となるようにしてもよい。
【0095】
また、板厚第1中心位置P59における曲板部202の板厚、すなわち、車輪回転中心線204と平行な方向における曲板部202の厚さ(点P57と点P58の距離)は、20ミリメートル以上26ミリメートル以下程度となっている。この板厚は、リム部201の軸方向長さをx2(図6参照)とし、x2の値を125ミリメートルに設定した場合には、x2に対する比率で表すと、0.16x2以上で0.208x2以下程度となる値となっている。また、車輪半径の値をy2(図6参照)とし、y2の値を430ミリメートルに設定した場合には、この板厚は、y2に対する比率で表すと、0.0465y2以上で0.0605y2以下程度の値となっている。
【0096】
次に、曲板部202について、さらに詳細に説明する。図7に示すように、曲板部202は、略S字状断面を有し、当該略S字状断面を車輪回転中心線204のまわりに回転させて得られる回転体であり、略皿状で投影形状が円形をなす形状に形成されている。この曲板部202は、ボス部203のボス大径端部(図7の右端部)付近に接合されている。また、曲板部202は、リム部201の厚みの中央部付近に接合されている。
【0097】
曲板部202の略S字状断面を構成する2つの曲面輪郭線のうち、フランジ201aの側となるフランジ側曲面輪郭線は、フランジ側ボス近傍曲線202cと、凹曲面輪郭線202dと、凸曲面輪郭線202gと、フランジ側リム近傍曲線202eを有して構成されている。凹曲面輪郭線202dと、凸曲面輪郭線202gは、点P64において滑らかに接している。
【0098】
また、曲板部202の略S字状断面を構成する2つの曲面輪郭線のうち、フランジ201aとは反対の側となる反フランジ側曲面輪郭線は、反フランジ側ボス近傍曲線202aと、凸曲面輪郭線202bと、凹曲面輪郭線202hと、反フランジ側リム近傍曲線202fを有して構成されている。凸曲面輪郭線202bと、凹曲面輪郭線202hは、点P65において滑らかに接している。
【0099】
また、板厚第1中心位置P59から車輪回転中心線204におろした垂線である第1垂線の足の点P59´と、板厚第2中心位置P55から車輪回転中心線204におろした垂線である第2垂線の足の点P55´との間の距離である第1距離L60は、78ミリメートル以上87ミリメートル以下程度となっている。この第1距離L60は、リム部201の軸方向長さをx2(図6参照)とし、x2の値を125ミリメートルに設定した場合には、x2に対する比率で表すと、0.624x2以上で0.696x2以下程度となる値となっている。また、車輪半径の値をy2(図6参照)とし、y2の値を430ミリメートルに設定した場合には、この第1距離L60は、y2に対する比率で表すと、0.181y2以上で0.202y2以下程度の値となっている。
【0100】
上記した第2実施形態の鉄道車両用車輪200によれば、以下のような利点がある。
【0101】
d)図8に示す従来の鉄道車両用車輪においては、板部302のボス部側の根本は、ボス部のほぼ中央付近に接合しており、反フランジ側の根本部306は、ある短い曲率半径を有する凹曲面となっている。これに対し、第2実施形態の鉄道車両用車輪200においては、ボス部203と曲板部202の接合部のうち、特に、反フランジ側ボス近傍曲線202aが、ボス大径端外周接続面203fの輪郭線に滑らかに接している。また反フランジ側ボス近傍曲線202aの曲率半径は大きく、ほぼ平面といってもよい。このため、図6において、輪重F4と横圧F5が作用した場合、又は輪重F4と背面横圧F6が作用した場合であっても、反フランジ側ボス近傍曲線202aの部分には応力集中はかなり小さい。このため、車輪の強度は、図8に示す従来例よりも向上し、安全率が高くなっている。
【0102】
e)車輪の熱応力に対する安全性を考慮すると、図8に示す従来の鉄道車両用車輪におけるδの値を大きな値に設定することが望ましい。しかし、図8に示す従来の鉄道車両用車輪においては、板部302のボス部側の根本は、ボス部のほぼ中央付近に接合しており、δの値を大きくとることは困難である。δの値をあまり大きくすると、リム部に比べてボス部が大きく突出することになり、鉄道車両用車輪としては問題が多くなる。しかし、第2実施形態の鉄道車両用車輪200においては、曲板部202の板厚第2中心位置P55が、ボス大径端部(図の右端部)に近接するように設定されているため、上記のδに相当する第1距離L60の値を、78〜87ミリメートルと、大きな値にすることができる。このため、車輪の熱応力に対する安全性は、図8に示す従来例よりも高くなっている。
【0103】
f)曲板部202の形状により、車輪の軽量化についても、図8に示す従来例の場合と同等以上に確保されている。
【0104】
なお、本発明は、上記した各実施形態に限定されるものではない。上記各実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0105】
例えば、上記した各実施形態においては、車輪半径y1又はy2として、430ミリメートル(車輪直径860ミリメートル)の場合を例に挙げたが、本発明は、この値には限定されず、他の値であってもよい。ボス本体部103a、203aの軸方向長さについても同様であり、上記の例では、ボス本体部103a、203aの軸方向長さが、それぞれ155ミリメートルである例を説明したが、これは他の値であってもよい。
【0106】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、以下のような利点がある。
【0107】
イ)従来の鉄道車両用車輪においては、板部302のボス部側の根本は、ボス部のほぼ中央付近に接合しており、フランジ側の根本部305は、ある短い曲率半径を有する凹曲面となっている。これに対し、本発明の鉄道車両用車輪においては、ボス部(103、203)と曲板部(102、202)の接合部のうち、特に、ボス部の大径端部に近い側の曲線(102a、202a)が、ボス大径端外周接続面(103f、203f)の輪郭線に滑らかに接している。また、ボス部の大径端部に近い側の曲線(102a、202a)の曲率半径は大きく、ほぼ平面といってもよい。このため、輪重(F1、F4)と横圧(F2、F5)が作用した場合、又は輪重(F1、F4)と背面横圧(F3、F6)が作用した場合であっても、ボス部の大径端部に近い側の曲線(102a、202a)の部分には応力集中はかなり小さい。このため、車輪の強度は、従来例よりも向上し、安全率が高くなっている。
【0108】
ロ)車輪の熱応力に対する安全性を考慮すると、従来の鉄道車両用車輪におけるδの値を大きな値に設定することが望ましい。しかし、従来の鉄道車両用車輪においては、板部302のボス部側の根本は、ボス部のほぼ中央付近に接合しており、δの値を大きくとることは困難である。δの値をあまり大きくすると、リム部に比べてボス部が大きく突出することになり、鉄道車両用車輪としては問題が多くなる。しかし、本発明の鉄道車両用車輪においては、曲板部(102、202)の板厚第2中心位置(P5、P55)が、ボス大径端部に近接するように設定されているため、上記のδに相当する第1距離(L10、L60)の値を大きな値にすることができる。このため、車輪の熱応力に対する安全性は、従来例よりも高くなっている。
【0109】
ハ)曲板部(102、202)の形状により、車輪の軽量化についても、来例の場合と同等以上に確保されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である鉄道構車両用車輪の構成を示す断面図である。
【図2】図1に示す鉄道車両用車輪におけるボス部のさらに詳細な構成を示す拡大断面図である。
【図3】図2におけるボス大径端平面とボス大径端外周接続面の接続の例を示す概念図である。
【図4】図1に示す鉄道車両用車輪におけるリム部のさらに詳細な構成を示す拡大断面図である。
【図5】図1に示す鉄道車両用車輪における曲板部の詳細な構成を示す断面図である。
【図6】本発明の第2実施形態である鉄道構車両用車輪の構成を示す断面図である。
【図7】図6に示す鉄道車両用車輪における各部の詳細な構成を示す断面図である。
【図8】従来の鉄道車両用車輪の一例の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
100 鉄道車両用車輪
101 リム部
101a フランジ
101b 車輪踏面
101c フランジ方側面
101d 反フランジ方側面
101e フランジ方底面
101f 反フランジ方底面
101g、101h 円弧
102 曲板部
102a フランジ側ボス近傍曲線
102b 凸曲面輪郭線
102c 反フランジ側ボス近傍曲線
102d 凹曲面輪郭線
102e フランジ側リム近傍曲線
102f 反フランジ側リム近傍曲線
102g 凹曲面輪郭線
102h 凸曲面輪郭線
103 ボス部
103a ボス本体部
103b 車軸取付孔
103c ボス外周面
103d ボス小径端平面
103e ボス大径端平面
103f ボス大径端外周接続面
103g 円弧
104 車輪回転中心線
200 鉄道車両用車輪
201 リム部
201a フランジ
201b 車輪踏面
201c フランジ方側面
201d 反フランジ方側面
201e フランジ方底面
201f 反フランジ方底面
201g、201h 円弧
202 曲板部
202a 反フランジ側ボス近傍曲線
202b 凸曲面輪郭線
202c フランジ側ボス近傍曲線
202d 凹曲面輪郭線
202e フランジ側リム近傍曲線
202f 反フランジ側リム近傍曲線
202g 凸曲面輪郭線
202h 凹曲面輪郭線
203 ボス部
203a ボス本体部
203b 車軸取付孔
203c ボス外周面
203d ボス小径端平面
203e ボス大径端平面
203f ボス大径端外周接続面
203g 円弧
204 車輪回転中心線
P5 板厚第2中心位置
P9 板厚第1中心位置
P13 リム厚中心位置
P55 板厚第2中心位置
P59 板厚第1中心位置
P63 リム厚中心位置
F1 輪重
F2 横圧
F3 背面横圧
F4 輪重
F5 横圧
F6 背面横圧
x1、x2 リム部軸方向長さ
y1、y2 車輪半径
Claims (6)
- 一体で圧延形成される鉄道車両用車輪であって、
軸方向傾斜角度が12゜以上16゜以下程度となる略円錐面状のボス外周面を有する略円錐台状に形成され前記略円錐台の内部に同軸の略円柱状の車軸取付孔を有し、前記車軸取付孔の軸中心線が前記車輪回転中心線と合致するように設定され、前記略円錐台のボス小径端部には前記車輪回転中心線に垂直な平面となるボス小径端平面が形成され、前記略円錐台のボス大径端部の前記車軸取付孔の周囲には前記車輪回転中心線に垂直な平面となるボス大径端平面が形成され、当該ボス大径端平面の外周には当該ボス大径端平面に0゜以上8゜以下程度の角度範囲内で接続する曲面又は平面であるボス大径端外周接続面が形成されたボス部と、
車輪踏面とフランジを有し、前記鉄道車両用車輪の回転中心線を中心とする略円環状に形成され、前記鉄道車両用車輪の外周部分を構成するとともに軸方向長さがx1のリム部と、
略S字状断面を有し、当該略S字状断面を前記鉄道車両用車輪の回転中心線のまわりに回転させて得られる回転体であり、略皿状で投影形状が円形をなす形状に形成され、前記ボス部の前記ボス大径端部付近と、前記鉄道車両用車輪の前記車輪回転中心線と平行な方向における前記リム部の厚みの中央部付近を接合するように構成された曲板部を
備え、
前記曲板部の前記略S字状断面を構成する2つの曲面輪郭線のうち、前記フランジの側となるフランジ側曲面輪郭線における前記曲板部の表面が凹曲面となる箇所のうち前記リム部に近い方の箇所で、その箇所での前記曲面輪郭線の接線が前記車輪回転中心線に対して垂直となる箇所における前記曲板部の板厚中心位置を板厚第1中心位置とし、
前記曲板部の前記略S字状断面を構成する2つの曲面輪郭線のうち、前記フランジとは反対の側となる反フランジ側曲面輪郭線における前記曲板部の表面が凹曲面となる箇所のうち前記ボス部に近い方の箇所で、その箇所での前記曲面輪郭線の接線が前記車輪回転中心線に対して垂直となる箇所における前記曲板部の板厚中心位置を板厚第2中心位置としたとき、
前記フランジ側曲面輪郭線及び前記反フランジ側曲面輪郭線の曲率中心位置は、前記板厚第1中心位置から前記板厚第2中心位置に向かうにつれ、前記板厚第1中心位置付近では前記曲板部に関して前記フランジと同じ側となり、前記板厚第2中心位置付近では前記曲板部に関して前記フランジとは反対の側となり、
前記板厚第1中心位置から前記車輪回転中心線におろした垂線である第1垂線と、前記板厚第2中心位置から前記車輪回転中心線におろした垂線である第2垂線との間の距離である第1距離が0.544x1以上0.608x1以下程度であり、
前記リム部の前記厚みの中心位置であるリム厚中心位置から前記車輪回転中心線におろした垂線である第3垂線と前記第1垂線との距離である第2距離が0以上0.032x1以下程度であり、
前記ボス大径端平面から前記車輪回転中心線におろした垂線である第4垂線と前記第2垂線との距離である第3距離が0.096x1以上0.16x1以下程度であり、
前記板厚第1中心位置における前記車輪回転中心線と平行な方向における前記曲板部の厚さが0.096x1以上0.128x1以下程度であり、
前記板厚第2中心位置における前記車輪回転中心線と平行な方向における前記曲板部の厚さが0.128x1以上0.16x1以下程度であり、
前記反フランジ側曲面輪郭線を構成する部分のうち、前記ボス部に近い位置で凹曲面を形成する反フランジ側ボス近傍曲線は、前記ボス小径端平面から前記車輪回転中心線と平行で前記ボス大径端平面に向かう方向に沿う距離が0.72x1以上0.88x1以下程度となる前記ボス外周面上で前記ボス外周面に接するように接続し、
前記フランジ側曲面輪郭線を構成する部分のうち、前記ボス部に近い位置となるフランジ側ボス近傍曲線は、前記ボス大径端平面から前記車輪回転中心線と平行で前記ボス小径端平面に向かう方向に沿う距離が0.024x1以上0.056以下程度となる前記ボス大径端外周接続面上で前記ボス大径端外周接続面に接続すること
を特徴とする鉄道車両用車輪。 - 一体で圧延形成される鉄道車両用車輪であって、
軸方向傾斜角度が12゜以上16゜以下程度となる略円錐面状のボス外周面を有する略円錐台状に形成され前記略円錐台の内部に同軸の略円柱状の車軸取付孔を有し、前記車軸取付孔の軸中心線が前記車輪回転中心線と合致するように設定され、前記略円錐台のボス小径端部には前記車輪回転中心線に垂直な平面となるボス小径端平面が形成され、前記略円錐台のボス大径端部の前記車軸取付孔の周囲には前記車輪回転中心線に垂直な平面となるボス大径端平面が形成され、当該ボス大径端平面の外周には当該ボス大径端平面に0゜以上8゜以下程度の角度範囲内で接続する曲面又は平面であるボス大径端外周接続面が形成されたボス部と、
車輪踏面とフランジを有し、前記鉄道車両用車輪の回転中心線を中心とする略円環状に形成され、前記鉄道車両用車輪の外周部分を構成するリム部と、
略S字状断面を有し、当該略S字状断面を前記鉄道車両用車輪の回転中心線のまわりに回転させて得られる回転体であり、略皿状で投影形状が円形をなす形状に形成され、前記ボス部の前記ボス大径端部付近と、前記鉄道車両用車輪の前記車輪回転中心線と平行な方向における前記リム部の厚みの中央部付近を接合するように構成された曲板部を
備え、
車輪半径をy1としたとき、
前記曲板部の前記略S字状断面を構成する2つの曲面輪郭線のうち、前記フランジの側となるフランジ側曲面輪郭線における前記曲板部の表面が凹曲面となる箇所のうち前記リム部に近い方の箇所で、その箇所での前記曲面輪郭線の接線が前記車輪回転中心線に対して垂直となる箇所における前記曲板部の板厚中心位置を板厚第1中心位置とし、
前記曲板部の前記略S字状断面を構成する2つの曲面輪郭線のうち、前記フランジとは反対の側となる反フランジ側曲面輪郭線における前記曲板部の表面が凹曲面となる箇所のうち前記ボス部に近い方の箇所で、その箇所での前記曲面輪郭線の接線が前記車輪回転中心線に対して垂直となる箇所における前記曲板部の板厚中心位置を板厚第2中心位置としたとき、
前記フランジ側曲面輪郭線及び前記反フランジ側曲面輪郭線の曲率中心位置は、前記板厚第1中心位置から前記板厚第2中心位置に向かうにつれ、前記板厚第1中心位置付近では前記曲板部に関して前記フランジと同じ側となり、前記板厚第2中心位置付近では前記曲板部に関して前記フランジとは反対の側となり、
前記板厚第1中心位置から前記車輪回転中心線におろした垂線である第1垂線と、前記板厚第2中心位置から前記車輪回転中心線におろした垂線である第2垂線との間の距離である第1距離が0.158y1以上0.177y1以下程度であり、
前記リム部の前記厚みの中心位置であるリム厚中心位置から前記車輪回転中心線におろした垂線である第3垂線と前記第1垂線との距離である第2距離が0以上0.0093y1以下程度であり、
前記ボス大径端平面から前記車輪回転中心線におろした垂線である第4垂線と前記第2垂線との距離である第3距離が0.0279y1以上0.0465y1以下程度であり、
前記板厚第1中心位置における前記車輪回転中心線と平行な方向における前記曲板部の厚さが0.0279y1以上0.0372y1以下程度であり、
前記板厚第2中心位置における前記車輪回転中心線と平行な方向における前記曲板部の厚さが0.0372y1以上0.0465y1以下程度であり、
前記反フランジ側曲面輪郭線を構成する部分のうち、前記ボス部に近い位置で凹曲面を形成する反フランジ側ボス近傍曲線は、前記ボス小径端平面から前記車輪回転中心線と平行で前記ボス大径端平面に向かう方向に沿う距離が0.209y1以上0.256y1以下程度となる前記ボス外周面上で前記ボス外周面に接するように接続し、
前記フランジ側曲面輪郭線を構成する部分のうち、前記ボス部に近い位置となるフランジ側ボス近傍曲線は、前記ボス大径端平面から前記車輪回転中心線と平行で前記ボス小径端平面に向かう方向に沿う距離が0.00697y1以上0.0163y1以下程度となる前記ボス大径端外周接続面上で前記ボス大径端外周接続面に接続すること
を特徴とする鉄道車両用車輪。 - 一体で圧延形成される鉄道車両用車輪であって、
軸方向傾斜角度が12゜以上16゜以下程度となる略円錐面状のボス外周面を有する略円錐台状に形成され前記略円錐台の内部に同軸の略円柱状の車軸取付孔を有し、前記車軸取付孔の軸中心線が前記車輪回転中心線と合致するように設定され、前記略円錐台のボス小径端部には前記車輪回転中心線に垂直な平面となるボス小径端平面が形成され、前記略円錐台のボス大径端部の前記車軸取付孔の周囲には前記車輪回転中心線に垂直な平面となるボス大径端平面が形成され、当該ボス大径端平面の外周には当該ボス大径端平面に0゜以上8゜以下程度の角度範囲内で接続する曲面又は平面であるボス大径端外周接続面が形成されたボス部と、
車輪踏面とフランジを有し、前記鉄道車両用車輪の回転中心線を中心とする略円環状に形成され、前記鉄道車両用車輪の外周部分を構成するリム部と、
略S字状断面を有し、当該略S字状断面を前記鉄道車両用車輪の回転中心線のまわりに回転させて得られる回転体であり、略皿状で投影形状が円形をなす形状に形成され、前記ボス部の前記ボス大径端部付近と、前記鉄道車両用車輪の前記車輪回転中心線と平行な方向における前記リム部の厚みの中央部付近を接合するように構成された曲板部を
備え、
前記曲板部の前記略S字状断面を構成する2つの曲面輪郭線のうち、前記フランジの側となるフランジ側曲面輪郭線における前記曲板部の表面が凹曲面となる箇所のうち前記リム部に近い方の箇所で、その箇所での前記曲面輪郭線の接線が前記車輪回転中心線に対して垂直となる箇所における前記曲板部の板厚中心位置を板厚第1中心位置とし、
前記曲板部の前記略S字状断面を構成する2つの曲面輪郭線のうち、前記フランジとは反対の側となる反フランジ側曲面輪郭線における前記曲板部の表面が凹曲面となる箇所のうち前記ボス部に近い方の箇所で、その箇所での前記曲面輪郭線の接線が前記車輪回転中心線に対して垂直となる箇所における前記曲板部の板厚中心位置を板厚第2中心位置としたとき、
前記フランジ側曲面輪郭線及び前記反フランジ側曲面輪郭線の曲率中心位置は、前記板厚第1中心位置から前記板厚第2中心位置に向かうにつれ、前記板厚第1中心位置付近では前記曲板部に関して前記フランジと同じ側となり、前記板厚第2中心位置付近では前記曲板部に関して前記フランジとは反対の側となり、
前記板厚第1中心位置から前記車輪回転中心線におろした垂線である第1垂線と、前記板厚第2中心位置から前記車輪回転中心線におろした垂線である第2垂線との間の距離である第1距離が68ミリメートル以上76ミリメートル以下程度であり、
前記リム部の前記厚みの中心位置であるリム厚中心位置から前記車輪回転中心線におろした垂線である第3垂線と前記第1垂線との距離である第2距離が0ミリメートル以上4ミリメートル以下程度であり、
前記ボス大径端平面から前記車輪回転中心線におろした垂線である第4垂線と前記第2垂線との距離である第3距離が12ミリメートル以上20ミリメートル以下程度であり、
前記板厚第1中心位置における前記車輪回転中心線と平行な方向における前記曲板部の厚さが12ミリメートル以上16ミリメートル以下程度であり、
前記板厚第2中心位置における前記車輪回転中心線と平行な方向における前記曲板部の厚さが16ミリメートル以上20ミリメートル以下程度であり、
前記反フランジ側曲面輪郭線を構成する部分のうち、前記ボス部に近い位置で凹曲面を形成する反フランジ側ボス近傍曲線は、前記ボス小径端平面から前記車輪回転中心線と平行で前記ボス大径端平面に向かう方向に沿う距離が90ミリメートル以上110ミリメートル以下程度となる前記ボス外周面上で前記ボス外周面に接するように接続し、
前記フランジ側曲面輪郭線を構成する部分のうち、前記ボス部に近い位置となるフランジ側ボス近傍曲線は、前記ボス大径端平面から前記車輪回転中心線と平行で前記ボス小径端平面に向かう方向に沿う距離が3ミリメートル以上7ミリメートル以下程度となる前記ボス大径端外周接続面上で前記ボス大径端外周接続面に接続すること
を特徴とする鉄道車両用車輪。 - 一体で圧延形成される鉄道車両用車輪であって、
軸方向傾斜角度が11゜以上15゜以下程度となる略円錐面状のボス外周面を有する略円錐台状に形成され前記略円錐台の内部に同軸の略円柱状の車軸取付孔を有し、前記車軸取付孔の軸中心線が前記車輪回転中心線と合致するように設定され、前記略円錐台のボス小径端部には前記車輪回転中心線に垂直な平面となるボス小径端平面が形成され、前記略円錐台のボス大径端部の前記車軸取付孔の周囲には前記車輪回転中心線に垂直な平面となるボス大径端平面が形成され、当該ボス大径端平面の外周には当該ボス大径端平面に0゜以上11゜以下程度の角度範囲内で接続する曲面又は平面であるボス大径端外周接続面が形成されたボス部と、
車輪踏面とフランジを有し、前記鉄道車両用車輪の回転中心線を中心とする略円環状に形成され、前記鉄道車両用車輪の外周部分を構成するとともに軸方向長さがx2のリム部と、
略S字状断面を有し、当該略S字状断面を前記鉄道車両用車輪の回転中心線のまわりに回転させて得られる回転体であり、略皿状で投影形状が円形をなす形状に形成され、前記ボス部の前記ボス大径端部付近と、前記鉄道車両用車輪の前記車輪回転中心線と平行な方向における前記リム部の厚みの中央部付近を接合するように構成された曲板部を
備え、
前記曲板部の前記略S字状断面を構成する2つの曲面輪郭線のうち、前記フランジとは反対の側となる反フランジ側曲面輪郭線における前記曲板部の表面が凹曲面となる箇所のうち前記リム部に近い方の箇所で、その箇所での前記曲面輪郭線の接線が前記車輪回転中心線に対して垂直となる箇所における前記曲板部の板厚中心位置を板厚第1中心位置とし、
前記曲板部の前記略S字状断面を構成する2つの曲面輪郭線のうち、前記フランジの側となるフランジ側曲面輪郭線における前記曲板部の表面が凹曲面となる箇所のうち前記ボス部に近い方の箇所で、その箇所での前記曲面輪郭線の接線が前記車輪回転中心線に対して垂直となる箇所における前記曲板部の板厚中心位置を板厚第2中心位置としたとき、
前記フランジ側曲面輪郭線及び前記反フランジ側曲面輪郭線の曲率中心位置は、前記板厚第1中心位置から前記板厚第2中心位置に向かうにつれ、前記板厚第1中心位置付近では前記曲板部に関して前記フランジとは反対の側となり、前記板厚第2中心位置付近では前記曲板部に関して前記フランジと同じ側となり、
前記板厚第1中心位置から前記車輪回転中心線におろした垂線である第1垂線と、前記板厚第2中心位置から前記車輪回転中心線におろした垂線である第2垂線との間の距離である第1距離が0.624x2以上0.696x2以下程度であり、
前記リム部の前記厚みの中心位置であるリム厚中心位置から前記車輪回転中心線におろした垂線である第3垂線と前記第1垂線との距離である第2距離が0以上0.032x2以下程度であり、
前記ボス大径端平面から前記車輪回転中心線におろした垂線である第4垂線と前記第2垂線との距離である第3距離が0.128x2以上0.192x2以下程度であり、
前記板厚第1中心位置における前記車輪回転中心線と平行な方向における前記曲板部の厚さが0.16x2以上0.208x2以下程度であり、
前記板厚第2中心位置における前記車輪回転中心線と平行な方向における前記曲板部の厚さが0.176x2以上0.224x2以下程度であり、
前記フランジ側曲面輪郭線を構成する部分のうち、前記ボス部に近い位置で凹曲面を形成するフランジ側ボス近傍曲線は、前記ボス小径端平面から前記車輪回転中心線と平行で前記ボス大径端平面に向かう方向に沿う距離が0.72x2以上0.88x2以下程度となる前記ボス外周面上で前記ボス外周面に接するように接続し、
前記フランジ側曲面輪郭線を構成する部分のうち、前記ボス部に近い位置となる反フランジ側ボス近傍曲線は、前記ボス大径端平面から前記車輪回転中心線と平行で前記ボス小径端平面に向かう方向に沿う距離が0.024x2以上0.056x2以下程度となる前記ボス大径端外周接続面上で前記ボス大径端外周接続面に接続すること
を特徴とする鉄道車両用車輪。 - 一体で圧延形成される鉄道車両用車輪であって、
軸方向傾斜角度が11゜以上15゜以下程度となる略円錐面状のボス外周面を有する略円錐台状に形成され前記略円錐台の内部に同軸の略円柱状の車軸取付孔を有し、前記車軸取付孔の軸中心線が前記車輪回転中心線と合致するように設定され、前記略円錐台のボス小径端部には前記車輪回転中心線に垂直な平面となるボス小径端平面が形成され、前記略円錐台のボス大径端部の前記車軸取付孔の周囲には前記車輪回転中心線に垂直な平面となるボス大径端平面が形成され、当該ボス大径端平面の外周には当該ボス大径端平面に0゜以上11゜以下程度の角度範囲内で接続する曲面又は平面であるボス大径端外周接続面が形成されたボス部と、
車輪踏面とフランジを有し、前記鉄道車両用車輪の回転中心線を中心とする略円環状に形成され、前記鉄道車両用車輪の外周部分を構成するリム部と、
略S字状断面を有し、当該略S字状断面を前記鉄道車両用車輪の回転中心線のまわりに回転させて得られる回転体であり、略皿状で投影形状が円形をなす形状に形成され、前記ボス部の前記ボス大径端部付近と、前記鉄道車両用車輪の前記車輪回転中心線と平行な方向における前記リム部の厚みの中央部付近を接合するように構成された曲板部を
備え、
車輪半径をy2としたとき、
前記曲板部の前記略S字状断面を構成する2つの曲面輪郭線のうち、前記フランジとは反対の側となる反フランジ側曲面輪郭線における前記曲板部の表面が凹曲面となる箇所のうち前記リム部に近い方の箇所で、その箇所での前記曲面輪郭線の接線が前記車輪回転中心線に対して垂直となる箇所における前記曲板部の板厚中心位置を板厚第1中心位置とし、
前記曲板部の前記略S字状断面を構成する2つの曲面輪郭線のうち、前記フランジの側となるフランジ側曲面輪郭線における前記曲板部の表面が凹曲面となる箇所のうち前記ボス部に近い方の箇所で、その箇所での前記曲面輪郭線の接線が前記車輪回転中心線に対して垂直となる箇所における前記曲板部の板厚中心位置を板厚第2中心位置としたとき、
前記フランジ側曲面輪郭線及び前記反フランジ側曲面輪郭線の曲率中心位置は、前記板厚第1中心位置から前記板厚第2中心位置に向かうにつれ、前記板厚第1中心位置付近では前記曲板部に関して前記フランジとは反対の側となり、前記板厚第2中心位置付近では前記曲板部に関して前記フランジと同じ側となり、
前記板厚第1中心位置から前記車輪回転中心線におろした垂線である第1垂線と、前記板厚第2中心位置から前記車輪回転中心線におろした垂線である第2垂線との間の距離である第1距離が0.181y2以上0.202y2以下程度であり、
前記リム部の前記厚みの中心位置であるリム厚中心位置から前記車輪回転中心線におろした垂線である第3垂線と前記第1垂線との距離である第2距離が0以上0.0093y2以下程度であり、
前記ボス大径端平面から前記車輪回転中心線におろした垂線である第4垂線と前記第2垂線との距離である第3距離が0.0372y2以上0.0558y2以下程度であり、
前記板厚第1中心位置における前記車輪回転中心線と平行な方向における前記曲板部の厚さが0.0465y2以上0.0605y2以下程度であり、
前記板厚第2中心位置における前記車輪回転中心線と平行な方向における前記曲板部の厚さが0.0511y2以上0.0651y2以下程度であり、
前記フランジ側曲面輪郭線を構成する部分のうち、前記ボス部に近い位置で凹曲面を形成するフランジ側ボス近傍曲線は、前記ボス小径端平面から前記車輪回転中心線と平行で前記ボス大径端平面に向かう方向に沿う距離が0.209y2以上0.256y2以下程度となる前記ボス外周面上で前記ボス外周面に接するように接続し、
前記フランジ側曲面輪郭線を構成する部分のうち、前記ボス部に近い位置となる反フランジ側ボス近傍曲線は、前記ボス大径端平面から前記車輪回転中心線と平行で前記ボス小径端平面に向かう方向に沿う距離が0.00697y2以上0.0163y2以下程度となる前記ボス大径端外周接続面上で前記ボス大径端外周接続面に接続すること
を特徴とする鉄道車両用車輪。 - 一体で圧延形成される鉄道車両用車輪であって、
軸方向傾斜角度が11゜以上15゜以下程度となる略円錐面状のボス外周面を有する略円錐台状に形成され前記略円錐台の内部に同軸の略円柱状の車軸取付孔を有し、前記車軸取付孔の軸中心線が前記車輪回転中心線と合致するように設定され、前記略円錐台のボス小径端部には前記車輪回転中心線に垂直な平面となるボス小径端平面が形成され、前記略円錐台のボス大径端部の前記車軸取付孔の周囲には前記車輪回転中心線に垂直な平面となるボス大径端平面が形成され、当該ボス大径端平面の外周には当該ボス大径端平面に0゜以上11゜以下程度の角度範囲内で接続する曲面又は平面であるボス大径端外周接続面が形成されたボス部と、
車輪踏面とフランジを有し、前記鉄道車両用車輪の回転中心線を中心とする略円環状に形成され、前記鉄道車両用車輪の外周部分を構成するリム部と、
略S字状断面を有し、当該略S字状断面を前記鉄道車両用車輪の回転中心線のまわりに回転させて得られる回転体であり、略皿状で投影形状が円形をなす形状に形成され、前記ボス部の前記ボス大径端部付近と、前記鉄道車両用車輪の前記車輪回転中心線と平行な方向における前記リム部の厚みの中央部付近を接合するように構成された曲板部を
備え、
前記曲板部の前記略S字状断面を構成する2つの曲面輪郭線のうち、前記フランジとは反対の側となる反フランジ側曲面輪郭線における前記曲板部の表面が凹曲面となる箇所のうち前記リム部に近い方の箇所で、その箇所での前記曲面輪郭線の接線が前記車輪回転中心線に対して垂直となる箇所における前記曲板部の板厚中心位置を板厚第1中心位置とし、
前記曲板部の前記略S字状断面を構成する2つの曲面輪郭線のうち、前記フランジの側となるフランジ側曲面輪郭線における前記曲板部の表面が凹曲面となる箇所のうち前記ボス部に近い方の箇所で、その箇所での前記曲面輪郭線の接線が前記車輪回転中心線に対して垂直となる箇所における前記曲板部の板厚中心位置を板厚第2中心位置としたとき、
前記フランジ側曲面輪郭線及び前記反フランジ側曲面輪郭線の曲率中心位置は、前記板厚第1中心位置から前記板厚第2中心位置に向かうにつれ、前記板厚第1中心位置付近では前記曲板部に関して前記フランジとは反対の側となり、前記板厚第2中心位置付近では前記曲板部に関して前記フランジと同じ側となり、
前記板厚第1中心位置から前記車輪回転中心線におろした垂線である第1垂線と、前記板厚第2中心位置から前記車輪回転中心線におろした垂線である第2垂線との間の距離である第1距離が78ミリメートル以上87ミリメートル以下程度であり、
前記リム部の前記厚みの中心位置であるリム厚中心位置から前記車輪回転中心線におろした垂線である第3垂線と前記第1垂線との距離である第2距離が0ミリメートル以上4ミリメートル以下程度であり、
前記ボス大径端平面から前記車輪回転中心線におろした垂線である第4垂線と前記第2垂線との距離である第3距離が16ミリメートル以上24ミリメートル以下程度であり、
前記板厚第1中心位置における前記車輪回転中心線と平行な方向における前記曲板部の厚さが20ミリメートル以上26ミリメートル以下程度であり、
前記板厚第2中心位置における前記車輪回転中心線と平行な方向における前記曲板部の厚さが22ミリメートル以上28ミリメートル以下程度であり、
前記フランジ側曲面輪郭線を構成する部分のうち、前記ボス部に近い位置で凹曲面を形成するフランジ側ボス近傍曲線は、前記ボス小径端平面から前記車輪回転中心線と平行で前記ボス大径端平面に向かう方向に沿う距離が90ミリメートル以上110ミリメートル以下程度となる前記ボス外周面上で前記ボス外周面に接するように接続し、
前記フランジ側曲面輪郭線を構成する部分のうち、前記ボス部に近い位置となる反フランジ側ボス近傍曲線は、前記ボス大径端平面から前記車輪回転中心線と平行で前記ボス小径端平面に向かう方向に沿う距離が3ミリメートル以上7ミリメートル以下程度となる前記ボス大径端外周接続面上で前記ボス大径端外周接続面に接続すること
を特徴とする鉄道車両用車輪。
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