JP2004050867A - 建設機械における仕切り板構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】油圧ショベル1の後部に設けられるエンジンルーム13を、ファンシュラウド17の上面に取り付けられる仕切り板19を介して熱交換器室Cとエンジン室Eとに仕切ってエンジン室E側の冷却風が熱交換器室C側に逆流するのを防止するにあたり、仕切り板19に設けられる配管貫通孔を小さくできながらメンテナンス性を損なわないようにする。
【解決手段】仕切り板19を上下両板部24、25に二分割し、互いに対向する分割縁部に配管が遊嵌状に貫通する貫通孔20a、21a、22a、23aを形成して、下端縁まで至らない小さい貫通孔にできながらメンテナンス性のよい仕切り板とした。
【選択図】 図7
【解決手段】仕切り板19を上下両板部24、25に二分割し、互いに対向する分割縁部に配管が遊嵌状に貫通する貫通孔20a、21a、22a、23aを形成して、下端縁まで至らない小さい貫通孔にできながらメンテナンス性のよい仕切り板とした。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧ショベル等の建設機械の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来技術】
一般に、油圧ショベル等の建設機械の中には、機体フレーム上に、空気流入口が側面に形成され、天板(エンジンフード)がメンテナンスのため開閉できるように構成した建屋カバーが設けられ、該建屋カバー内には、動力源となるエンジンと、該エンジンおよび空気流入口とのあいだに位置してラジエータ等の熱交換器を配設し、空気流入口から流入した空気(冷却風)で熱交換器を冷却し、さらにエンジンの冷却をするよう冷却流路(冷却風路)が形成されているが、この場合、熱交換器を冷却した冷却風が空気流入口に逆流しないよう天板と熱交換器上端縁とのあいだに仕切り板を設けるようにしている。ところで前記熱交換器とエンジンとのあいだには配管が設けられ、そのため該配管を仕切り板を貫通するように構成する必要がある。そこで従来、特開2001−227343号公報に示されるようなものが提唱されている。このものは、熱交換器の上端部に下端部が止着される仕切り板を設け、該仕切り板に形成される配管の貫通を、仕切り板の下端縁まで開口する略∩形状をした切り欠き溝形状とし、そして配管を切り欠き溝の下端縁から挿入するようにして仕切り板を組込む一方、切り欠き溝の下側開口部分を、配管貫通部分も含めてゴム等の可撓質部材からなる板状の封止部材で封止するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが前記従来のものは、封止部材で切り欠き溝を封止する場合に、該封止部材は、封止機能を高くするためには切り欠き溝の下端縁にまで至るものとする必要があり、この結果、封止部材は熱交換器に直接接触するか直近位置にまで至る構造とならざるを得ないことになって熱による劣化が促進され、封止部材の耐久性が損なわれ、頻繁なメンテナンスが必要になるという問題があるだけでなく、切り欠き溝の存在により仕切り板の強度低下を招き、これを補うため肉厚の板材を採用する等の強度アップ対策を計る必要があり、これらに本発明の解決すべき課題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、建屋カバー内に形成されるエンジンルームにエンジンとラジエータ等の熱交換器とを配設してなる建設機械において、前記エンジンルームを、エンジンが配されるエンジン室と熱交換器が配される熱交換器室とで仕切る仕切り板を設けるにあたり、仕切り板は一対の板部に分割されたものとし、エンジン室と熱交換器室とのあいだに設けられる配管用の貫通孔は、互いに対向する分割縁で開口するように形成されていることを特徴とする建設機械における仕切り板構造である。そしてこのようにすることにより、貫通孔は分割縁で開口されることになって仕切り板の端縁にまで達することがなく、これによって貫通孔を封止する封止部材を熱交換器に直近するよう構造とする必要のない小さいものにできるうえ、熱劣化を防止でき、しかも仕切り板の強度低下を回避できることになる。
請求項2の発明は、請求項1において、貫通孔は、分割縁で二分されて開口するようになっていることを特徴とするものであり、また請求項3の発明は、請求項1において、貫通孔は、一方の板部に分割縁側が開口する状態で凹溝状に形成され、他方の板部の分割縁で開口を塞ぐようになっていることを特徴とするものであり、これらのようにすることで、分割縁で開口する貫通孔の形状についての設計の自由度が確保できるという利点がある。
また請求項4の発明は、請求項1乃至3において、両板部の互いに対向する分割縁部は、該分割縁部同志が互いに板厚方向にオーバーラップするよう延長部となっていることを特徴とするもので、このようにすることにより、分割縁部の封止が確実になる。
さらに請求項5の発明は、請求項4において、一方の板部の延長部は、他方の板部の板厚相当分だけ段差状に折曲されていることを特徴とするもので、このようにすることで、延長部がオーバーラップするものでありながら、分割される板部同士は面一状のものとすることができる。
さらにまた請求項6の発明は、請求項4乃至5において、オーバーラップしている延長部同士を緊締具を用いて着脱自在に緊締していることを特徴とするものであり、このようにしたものではオーバーラップする延長部同志が緊締されることになって仕切り板の強度アップが計れることになる。
また請求項7の発明は、請求項4乃至6において、延長部同士は面接触状態でオーバーラップしていることを特徴とするものであり、このようにすることで、二分割される仕切り板のさらなる強度アップが計れることになる。
一方、請求項8の発明は、請求項4乃至7において、両板部は、貫通孔対応部が延長部を中間に挟む状態で両側に分配されていることを特徴とするものであり、このようにすることで、仕切り板は、二分割された板部同志が中央よりで緊締されることになって強度アップに一段と寄与できることになる。
請求項9の発明は、請求項1乃至8において、両板部の分割縁とは逆側の縁部を折曲していることを特徴とするものであり、このようにすることで分割板部自体の強度アップも計れることになる。
請求項10の発明は、請求項1乃至9において、貫通孔は、スリットが形成された封止板を介して封止されることを特徴とするものであり、このようにすることにより貫通孔の簡単な封止ができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
次ぎに、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図中、1は油圧ショベルの下部走行体であって、該下部走行体1には、バケット等のアタッチメントを装着するためのブーム2を備えた上部旋回体3が旋回自在に装備されている。上部旋回体3を構成する機体フレーム4には、後述するようエンジン5を内装する建屋カバー6、そしてカウンターウエイト7が前後方向に順次配設された構成となっているが、これら構成は従来とおりであるのでその詳細は省略する。
【0006】
前記建屋カバー6は、何れも開閉自在な左右の側板8、9、中央天板10と、これら板8、10並びに9、10間に配設される左右の固定天板11、12とを備えて構成され、エンジンルーム13を覆蓋するようになっているが、中央天板10の左側半部は背高状に盛り上がった背高部10aとなっている。一方、左側側板8の上端部、左側固定天板11の略全体、そして中央天板10の左側端部にはエンジンルーム13内に冷却風を取り入れるための開口8a、11a、10bが開設されている。
【0007】
前記エンジンルーム13には、左側からターボチャージャー用のクーラ14、サイドバイサイド方式で前後に並設されるオイルクーラ15およびラジエータ16、外郭としてファンシュラウド17を備えた冷却ファン18、そして前記エンジン5等の各種部材装置が順次配設されるが、ファンシュラウド17と中央天板の背高部10aとのあいだに本発明が実施された仕切り板19が配設されることで、エンジンルームは前述したクーラ等の熱交換器を配した熱交換室Cとエンジンを配したエンジン室Eとに仕切られている。そして前記冷却ファン18が回転駆動することに伴い開口8a、11a、10bから熱交換室C内に流入した冷却風(外気)は、前記クーラ14、オイルクーラ15、ラジエータ16等を冷却した後、ファンシュラウド17を通過してエンジン室Eに流入してエンジン5等を冷却するようになっている。さらにこのものでは、ターボチャージャー用クーラ14には前後2本の配管20、21が、オイルクーラ15とラジエータ16とは各1本の配管22、23がそれぞれファンシュラウド17の上側を離間しながら通過する状態で配設されている。
【0008】
前記仕切り板19は、上下両板部24、25に二分割されるものであって、下側板部25の下端縁部25aがエンジン室E側に向けて折曲されてファンシュラウド17の上面にブラケット28を介して止着される構成となっており、また前後両端縁部25bが仕切り板19の高さ相当分まで高く設定され、上縁部25cが長く凹陥した略U字形をしたものであるが、該上縁部25cの前後両側には、前記各配管20〜23に対応した凹溝状の切り欠き25d〜25gが上縁を開口する状態で形成されている。さらに前後両端縁部25bの前後端縁には、下側板部25の板面に対して左右両側(熱交換器室C側およびエンジン室E側)にそれぞれ突出する板状のフランジ片26が固定されているが、該フランジ片26の突出量はエンジン室E側の方が少なくなっている。さらにフランジ片26は前後方向内方に向けて折曲された上端部26aを有しているが、該上端部26aには、熱交換器室C側縁が下側板部25の板面を少し越える位置までテーパ状に切り欠かれた傾斜縁部26bと該傾斜縁部26bから前後方向内方に向けてさらに突出する舌片部26cとが形成されている。
【0009】
一方、上側板部24は上端縁部24aがエンジン室E側に折曲され、前後両側縁部24bに前記各配管20〜23に対応した凹溝状の切り欠き24c〜24fが下側を開口する状態で形成されている。さらに上側板部24の下縁部24gは、前記下側板部25の上縁部25cに対して左右方向にオーバーラップ(重なり合う)するように設定されている。つまり、上側板部24の下端縁部24gは、下側板部25の凹陥状となった上端縁部25cの上端相当位置でエンジン室E側に板厚分だけ段差24hを有する状態で折曲されている。そして上側板部24は、下端縁部24gを下側板部25の上端縁部25cにオーバーラップする状態で組込み、該オーバーラップ部位をボルト27で固定することで一体的に止着されるが、この場合に、上側板部24は、上端縁部24aがフランジ片26の舌片部26cに上側からオーバーラップして上下両板部24、25の板面が略面一となるように設定されている。そしてこのようにして上下両板部24、25が一体化された場合に、該板部24、25間には、上下の切り欠き24c〜24f、25d〜25gによって配管20〜23を遊嵌状に貫通する貫通孔20a〜23aが形成される。因みに、本実施の形態では、隣接する貫通孔20a、22a同士、21a、23a同士は幅狭スリットを存する状態で連通しているが、連通しないようにすることもできる。
【0010】
さらに29は、前記配管20〜23が貫通した貫通孔20a〜23aを封止するための封止板であって、該封止板29には、配管20〜23が気密状に貫通するよう配管外径と同寸法か僅かに小さい寸法の貫通孔29aが穿設されると共に、配管20〜23を貫通孔29aに出し入れするためのスリット29bが形成されている。そして封止板29は、配管20〜23を貫通する状態で仕切り板19にエンジン側から当てがわれ、ビス30を用いて仕切り板19に止着されるようになっている。
【0011】
叙述の如く構成されたものにおいて、エンジンルームは、仕切り板19によって熱交換器室Cとエンジン室Eとに仕切られ、ファンの回転によって流入した冷却風は熱交換室Cでクーラ等の熱交換器を冷却した後、エンジン室Eに流入してエンジン19の冷却をすることになるが、該エンジン室Eに流入した冷却風は、仕切り板19によって仕切られて熱交換器室Cに逆流することがないようになっている。
【0012】
しかもこの場合に、仕切り板19には配管20、21、22、23が遊嵌状に貫通する大きさの貫通孔20a、21a、22a、23aを貫通することになって、従来のもののように下端縁まで開口した切り欠き溝ではない結果、これら貫通孔20a、21a、22a、23aの大きさが従来の切り欠き溝としたものよりも小さいものでよいうえ、貫通孔20a、21a、22a、23aの内周縁と配管20、21、22、23との隙間も小さいものとなって、該隙間を封止する封止板29を小さいものにでき、しかもファンシュラウド17に当るところまで長くする必要がないため、熱による影響を可及的に少ないものにできて熱劣化を遅延させ、耐久性をアップすることができる。
【0013】
そのうえ、これら貫通孔20a、21a、22a、23aは、上下板部24、25によって二分割される状態で形成されているため、貫通孔20a、21a、22a、23aから配管20、21、22、23を外したい場合に、下側板部25から上側板部24を分離すればよいことになってメンテナンス性に優れたものとなる。
【0014】
そのうえこれら貫通孔20a、21a、22a、23aを二分割構成とする場合に、貫通孔20a、21a、23aのように上下板部24、25に半円弧状に二分割される構成としても良く、また貫通孔22aのように下側(一方の)板部25に上側が開口するよう凹溝形にし、上側(他方の)板部24でその開口を塞ぐ構成としても良く、これら何れの構成にすることもできる。
【0015】
しかもこのものでは、上下板部24、25は、互いに対向する分割縁部同士、つまり下側板部の上縁部25cが上側板部24の下縁部24gとが面接触状態でオーバーラップするよう延長構造となっており、そしてこのオーバーラップ部を緊着する構成になっているため、上側板部24の下側板部24への固定が簡単にできながら、仕切り板19全体の強度アップが計れるという利点がある。そのうえこのオーバーラップ部は、上側板部下縁部24gが段差部24hを存した構成になっているので、さらなる強度アップと共に、仕切り板19が二分割板構造でありながら、上下板面を面一状にできることになる。
【0016】
また上下両板部24、25は、分割縁部とは反対側の端縁部24a、25aが折曲されてたL字構造になっているため、板部24、25自体を含めた仕切り板19の強度アップも計れることになる。さらにこのものでは、配管貫通部が仕切り板19の前後両側に寄った配置となり、そしてそのあいだに挟まれる中央部が前述した面接触状態のオーバーラップ部となり、ここをボルト緊締する構造になっていて強度アップに寄与している。
【図面の簡単な説明】
【図1】油圧ショベルの一部を切り欠いた平面図である。
【図2】油圧ショベルの建屋カバー部の斜視図である。
【図3】エンジンルームを熱交換器室側から見た斜視図である。
【図4】エンジンルームをエンジン室側から見た斜視図である。
【図5】上側板部を描いたものであって、(A)は正面図、(B)は平面図、(C)はA−A断面図、(D)は斜視図である。
【図6】下側板部を描いたものであって、(A)は正面図、(B)は底面図、(C)はは斜視図である。
【図7】仕切り板を描いたものであって、(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は要部斜視図、(D)はA−A拡大断面図である。
【図8】封止材の斜視図である。
【符号の説明】
6 建屋カバー
10 中央天板
13 エンジンルーム
14 ターボチャージャー用クーラ
15 オイルクーラ
16 ラジエータ
19 仕切り板
20、21、22、23 配管
20a、21a、22a、23a 貫通孔
24 上側板部
25 下側板部
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧ショベル等の建設機械の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来技術】
一般に、油圧ショベル等の建設機械の中には、機体フレーム上に、空気流入口が側面に形成され、天板(エンジンフード)がメンテナンスのため開閉できるように構成した建屋カバーが設けられ、該建屋カバー内には、動力源となるエンジンと、該エンジンおよび空気流入口とのあいだに位置してラジエータ等の熱交換器を配設し、空気流入口から流入した空気(冷却風)で熱交換器を冷却し、さらにエンジンの冷却をするよう冷却流路(冷却風路)が形成されているが、この場合、熱交換器を冷却した冷却風が空気流入口に逆流しないよう天板と熱交換器上端縁とのあいだに仕切り板を設けるようにしている。ところで前記熱交換器とエンジンとのあいだには配管が設けられ、そのため該配管を仕切り板を貫通するように構成する必要がある。そこで従来、特開2001−227343号公報に示されるようなものが提唱されている。このものは、熱交換器の上端部に下端部が止着される仕切り板を設け、該仕切り板に形成される配管の貫通を、仕切り板の下端縁まで開口する略∩形状をした切り欠き溝形状とし、そして配管を切り欠き溝の下端縁から挿入するようにして仕切り板を組込む一方、切り欠き溝の下側開口部分を、配管貫通部分も含めてゴム等の可撓質部材からなる板状の封止部材で封止するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが前記従来のものは、封止部材で切り欠き溝を封止する場合に、該封止部材は、封止機能を高くするためには切り欠き溝の下端縁にまで至るものとする必要があり、この結果、封止部材は熱交換器に直接接触するか直近位置にまで至る構造とならざるを得ないことになって熱による劣化が促進され、封止部材の耐久性が損なわれ、頻繁なメンテナンスが必要になるという問題があるだけでなく、切り欠き溝の存在により仕切り板の強度低下を招き、これを補うため肉厚の板材を採用する等の強度アップ対策を計る必要があり、これらに本発明の解決すべき課題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、建屋カバー内に形成されるエンジンルームにエンジンとラジエータ等の熱交換器とを配設してなる建設機械において、前記エンジンルームを、エンジンが配されるエンジン室と熱交換器が配される熱交換器室とで仕切る仕切り板を設けるにあたり、仕切り板は一対の板部に分割されたものとし、エンジン室と熱交換器室とのあいだに設けられる配管用の貫通孔は、互いに対向する分割縁で開口するように形成されていることを特徴とする建設機械における仕切り板構造である。そしてこのようにすることにより、貫通孔は分割縁で開口されることになって仕切り板の端縁にまで達することがなく、これによって貫通孔を封止する封止部材を熱交換器に直近するよう構造とする必要のない小さいものにできるうえ、熱劣化を防止でき、しかも仕切り板の強度低下を回避できることになる。
請求項2の発明は、請求項1において、貫通孔は、分割縁で二分されて開口するようになっていることを特徴とするものであり、また請求項3の発明は、請求項1において、貫通孔は、一方の板部に分割縁側が開口する状態で凹溝状に形成され、他方の板部の分割縁で開口を塞ぐようになっていることを特徴とするものであり、これらのようにすることで、分割縁で開口する貫通孔の形状についての設計の自由度が確保できるという利点がある。
また請求項4の発明は、請求項1乃至3において、両板部の互いに対向する分割縁部は、該分割縁部同志が互いに板厚方向にオーバーラップするよう延長部となっていることを特徴とするもので、このようにすることにより、分割縁部の封止が確実になる。
さらに請求項5の発明は、請求項4において、一方の板部の延長部は、他方の板部の板厚相当分だけ段差状に折曲されていることを特徴とするもので、このようにすることで、延長部がオーバーラップするものでありながら、分割される板部同士は面一状のものとすることができる。
さらにまた請求項6の発明は、請求項4乃至5において、オーバーラップしている延長部同士を緊締具を用いて着脱自在に緊締していることを特徴とするものであり、このようにしたものではオーバーラップする延長部同志が緊締されることになって仕切り板の強度アップが計れることになる。
また請求項7の発明は、請求項4乃至6において、延長部同士は面接触状態でオーバーラップしていることを特徴とするものであり、このようにすることで、二分割される仕切り板のさらなる強度アップが計れることになる。
一方、請求項8の発明は、請求項4乃至7において、両板部は、貫通孔対応部が延長部を中間に挟む状態で両側に分配されていることを特徴とするものであり、このようにすることで、仕切り板は、二分割された板部同志が中央よりで緊締されることになって強度アップに一段と寄与できることになる。
請求項9の発明は、請求項1乃至8において、両板部の分割縁とは逆側の縁部を折曲していることを特徴とするものであり、このようにすることで分割板部自体の強度アップも計れることになる。
請求項10の発明は、請求項1乃至9において、貫通孔は、スリットが形成された封止板を介して封止されることを特徴とするものであり、このようにすることにより貫通孔の簡単な封止ができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
次ぎに、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図中、1は油圧ショベルの下部走行体であって、該下部走行体1には、バケット等のアタッチメントを装着するためのブーム2を備えた上部旋回体3が旋回自在に装備されている。上部旋回体3を構成する機体フレーム4には、後述するようエンジン5を内装する建屋カバー6、そしてカウンターウエイト7が前後方向に順次配設された構成となっているが、これら構成は従来とおりであるのでその詳細は省略する。
【0006】
前記建屋カバー6は、何れも開閉自在な左右の側板8、9、中央天板10と、これら板8、10並びに9、10間に配設される左右の固定天板11、12とを備えて構成され、エンジンルーム13を覆蓋するようになっているが、中央天板10の左側半部は背高状に盛り上がった背高部10aとなっている。一方、左側側板8の上端部、左側固定天板11の略全体、そして中央天板10の左側端部にはエンジンルーム13内に冷却風を取り入れるための開口8a、11a、10bが開設されている。
【0007】
前記エンジンルーム13には、左側からターボチャージャー用のクーラ14、サイドバイサイド方式で前後に並設されるオイルクーラ15およびラジエータ16、外郭としてファンシュラウド17を備えた冷却ファン18、そして前記エンジン5等の各種部材装置が順次配設されるが、ファンシュラウド17と中央天板の背高部10aとのあいだに本発明が実施された仕切り板19が配設されることで、エンジンルームは前述したクーラ等の熱交換器を配した熱交換室Cとエンジンを配したエンジン室Eとに仕切られている。そして前記冷却ファン18が回転駆動することに伴い開口8a、11a、10bから熱交換室C内に流入した冷却風(外気)は、前記クーラ14、オイルクーラ15、ラジエータ16等を冷却した後、ファンシュラウド17を通過してエンジン室Eに流入してエンジン5等を冷却するようになっている。さらにこのものでは、ターボチャージャー用クーラ14には前後2本の配管20、21が、オイルクーラ15とラジエータ16とは各1本の配管22、23がそれぞれファンシュラウド17の上側を離間しながら通過する状態で配設されている。
【0008】
前記仕切り板19は、上下両板部24、25に二分割されるものであって、下側板部25の下端縁部25aがエンジン室E側に向けて折曲されてファンシュラウド17の上面にブラケット28を介して止着される構成となっており、また前後両端縁部25bが仕切り板19の高さ相当分まで高く設定され、上縁部25cが長く凹陥した略U字形をしたものであるが、該上縁部25cの前後両側には、前記各配管20〜23に対応した凹溝状の切り欠き25d〜25gが上縁を開口する状態で形成されている。さらに前後両端縁部25bの前後端縁には、下側板部25の板面に対して左右両側(熱交換器室C側およびエンジン室E側)にそれぞれ突出する板状のフランジ片26が固定されているが、該フランジ片26の突出量はエンジン室E側の方が少なくなっている。さらにフランジ片26は前後方向内方に向けて折曲された上端部26aを有しているが、該上端部26aには、熱交換器室C側縁が下側板部25の板面を少し越える位置までテーパ状に切り欠かれた傾斜縁部26bと該傾斜縁部26bから前後方向内方に向けてさらに突出する舌片部26cとが形成されている。
【0009】
一方、上側板部24は上端縁部24aがエンジン室E側に折曲され、前後両側縁部24bに前記各配管20〜23に対応した凹溝状の切り欠き24c〜24fが下側を開口する状態で形成されている。さらに上側板部24の下縁部24gは、前記下側板部25の上縁部25cに対して左右方向にオーバーラップ(重なり合う)するように設定されている。つまり、上側板部24の下端縁部24gは、下側板部25の凹陥状となった上端縁部25cの上端相当位置でエンジン室E側に板厚分だけ段差24hを有する状態で折曲されている。そして上側板部24は、下端縁部24gを下側板部25の上端縁部25cにオーバーラップする状態で組込み、該オーバーラップ部位をボルト27で固定することで一体的に止着されるが、この場合に、上側板部24は、上端縁部24aがフランジ片26の舌片部26cに上側からオーバーラップして上下両板部24、25の板面が略面一となるように設定されている。そしてこのようにして上下両板部24、25が一体化された場合に、該板部24、25間には、上下の切り欠き24c〜24f、25d〜25gによって配管20〜23を遊嵌状に貫通する貫通孔20a〜23aが形成される。因みに、本実施の形態では、隣接する貫通孔20a、22a同士、21a、23a同士は幅狭スリットを存する状態で連通しているが、連通しないようにすることもできる。
【0010】
さらに29は、前記配管20〜23が貫通した貫通孔20a〜23aを封止するための封止板であって、該封止板29には、配管20〜23が気密状に貫通するよう配管外径と同寸法か僅かに小さい寸法の貫通孔29aが穿設されると共に、配管20〜23を貫通孔29aに出し入れするためのスリット29bが形成されている。そして封止板29は、配管20〜23を貫通する状態で仕切り板19にエンジン側から当てがわれ、ビス30を用いて仕切り板19に止着されるようになっている。
【0011】
叙述の如く構成されたものにおいて、エンジンルームは、仕切り板19によって熱交換器室Cとエンジン室Eとに仕切られ、ファンの回転によって流入した冷却風は熱交換室Cでクーラ等の熱交換器を冷却した後、エンジン室Eに流入してエンジン19の冷却をすることになるが、該エンジン室Eに流入した冷却風は、仕切り板19によって仕切られて熱交換器室Cに逆流することがないようになっている。
【0012】
しかもこの場合に、仕切り板19には配管20、21、22、23が遊嵌状に貫通する大きさの貫通孔20a、21a、22a、23aを貫通することになって、従来のもののように下端縁まで開口した切り欠き溝ではない結果、これら貫通孔20a、21a、22a、23aの大きさが従来の切り欠き溝としたものよりも小さいものでよいうえ、貫通孔20a、21a、22a、23aの内周縁と配管20、21、22、23との隙間も小さいものとなって、該隙間を封止する封止板29を小さいものにでき、しかもファンシュラウド17に当るところまで長くする必要がないため、熱による影響を可及的に少ないものにできて熱劣化を遅延させ、耐久性をアップすることができる。
【0013】
そのうえ、これら貫通孔20a、21a、22a、23aは、上下板部24、25によって二分割される状態で形成されているため、貫通孔20a、21a、22a、23aから配管20、21、22、23を外したい場合に、下側板部25から上側板部24を分離すればよいことになってメンテナンス性に優れたものとなる。
【0014】
そのうえこれら貫通孔20a、21a、22a、23aを二分割構成とする場合に、貫通孔20a、21a、23aのように上下板部24、25に半円弧状に二分割される構成としても良く、また貫通孔22aのように下側(一方の)板部25に上側が開口するよう凹溝形にし、上側(他方の)板部24でその開口を塞ぐ構成としても良く、これら何れの構成にすることもできる。
【0015】
しかもこのものでは、上下板部24、25は、互いに対向する分割縁部同士、つまり下側板部の上縁部25cが上側板部24の下縁部24gとが面接触状態でオーバーラップするよう延長構造となっており、そしてこのオーバーラップ部を緊着する構成になっているため、上側板部24の下側板部24への固定が簡単にできながら、仕切り板19全体の強度アップが計れるという利点がある。そのうえこのオーバーラップ部は、上側板部下縁部24gが段差部24hを存した構成になっているので、さらなる強度アップと共に、仕切り板19が二分割板構造でありながら、上下板面を面一状にできることになる。
【0016】
また上下両板部24、25は、分割縁部とは反対側の端縁部24a、25aが折曲されてたL字構造になっているため、板部24、25自体を含めた仕切り板19の強度アップも計れることになる。さらにこのものでは、配管貫通部が仕切り板19の前後両側に寄った配置となり、そしてそのあいだに挟まれる中央部が前述した面接触状態のオーバーラップ部となり、ここをボルト緊締する構造になっていて強度アップに寄与している。
【図面の簡単な説明】
【図1】油圧ショベルの一部を切り欠いた平面図である。
【図2】油圧ショベルの建屋カバー部の斜視図である。
【図3】エンジンルームを熱交換器室側から見た斜視図である。
【図4】エンジンルームをエンジン室側から見た斜視図である。
【図5】上側板部を描いたものであって、(A)は正面図、(B)は平面図、(C)はA−A断面図、(D)は斜視図である。
【図6】下側板部を描いたものであって、(A)は正面図、(B)は底面図、(C)はは斜視図である。
【図7】仕切り板を描いたものであって、(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は要部斜視図、(D)はA−A拡大断面図である。
【図8】封止材の斜視図である。
【符号の説明】
6 建屋カバー
10 中央天板
13 エンジンルーム
14 ターボチャージャー用クーラ
15 オイルクーラ
16 ラジエータ
19 仕切り板
20、21、22、23 配管
20a、21a、22a、23a 貫通孔
24 上側板部
25 下側板部
Claims (10)
- 建屋カバー内に形成されるエンジンルームにエンジンとラジエータ等の熱交換器とを配設してなる建設機械において、前記エンジンルームを、エンジンが配されるエンジン室と熱交換器が配される熱交換器室とで仕切る仕切り板を設けるにあたり、仕切り板は一対の板部に分割されたものとし、エンジン室と熱交換器室とのあいだに設けられる配管用の貫通孔は、互いに対向する分割縁で開口するように形成されていることを特徴とする建設機械における仕切り板構造。
- 請求項1において、貫通孔は、分割縁で二分されて開口するようになっていることを特徴とする建設機械における仕切り板構造。
- 請求項1において、貫通孔は、一方の板部に分割縁側が開口する状態で凹溝状に形成され、他方の板部の分割縁で開口を塞ぐようになっていることを特徴とする建設機械における仕切り板構造。
- 請求項1乃至3において、両板部の互いに対向する分割縁部は、該分割縁部同志が互いに板厚方向にオーバーラップするよう延長部となっていることを特徴とする建設機械における仕切り板構造。
- 請求項4において、一方の板部の延長部は、他方の板部の板厚相当分だけ段差状に折曲されていることを特徴とする建設機械における仕切り板構造。
- 請求項4乃至5において、オーバーラップしている延長部同士を緊締具を用いて着脱自在に緊締していることを特徴とする建設機械における仕切り板構造。
- 請求項4乃至6において、延長部同士は面接触状態でオーバーラップしていることを特徴とする建設機械における仕切り板構造。
- 請求項4乃至7において、両板部は、貫通孔対応部が延長部を中間に挟む状態で両側に分配されていることを特徴とする建設機械における仕切り板構造。
- 請求項1乃至8において、両板部の分割縁とは逆側の縁部を折曲していることを特徴とする建設機械における仕切り板構造。
- 請求項1乃至9において、貫通孔は、スリットが形成された封止板を介して封止されることを特徴とする建設機械における仕切り板構造。
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JP2002207140A JP2004050867A (ja) | 2002-07-16 | 2002-07-16 | 建設機械における仕切り板構造 |
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JP2014181634A (ja) * | 2013-03-19 | 2014-09-29 | Yanmar Co Ltd | エンジン装置 |
JP2021188344A (ja) * | 2020-05-28 | 2021-12-13 | 株式会社クボタ | 作業機 |
-
2002
- 2002-07-16 JP JP2002207140A patent/JP2004050867A/ja active Pending
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JP2014181634A (ja) * | 2013-03-19 | 2014-09-29 | Yanmar Co Ltd | エンジン装置 |
JP2021188344A (ja) * | 2020-05-28 | 2021-12-13 | 株式会社クボタ | 作業機 |
JP7326221B2 (ja) | 2020-05-28 | 2023-08-15 | 株式会社クボタ | 作業機 |
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