JP2004050224A - クランク軸の偏心量変更機構およびクロス加工工具の駆動装置 - Google Patents

クランク軸の偏心量変更機構およびクロス加工工具の駆動装置 Download PDF

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Abstract

【課題】クランク軸偏心部外周に設けた偏心ブシュの角度位相を変え、偏心ブシュに一方端側を嵌合したコネクティングロッドの移動量を変更するとき、スライドモーションの位相が変わらない偏心量変更機構を提供する。
【解決手段】偏心量変更手段を、偏心部外周に内周が回転可能に嵌合し内周円に対し外周円が偏心した小偏心ブシュ2と、小偏心ブシュ外周に内周が回転可能に嵌合し内周円に対し外周円が偏心した大偏心ブシュ3と、大偏心ブシュ外周に内周が回転可能に嵌合し内周円に対し外周円が同心の同心ブシュ4と、同心ブシュを偏心部の偏心方向にのみ移動可能に規制する同心ブシュ案内手段とで構成し、かつ同心ブッシュ外周にコネクティングロッド142を嵌合の上、小偏心ブシュと大偏心ブシュとを相反する方向へ関連的に回動して同心ブシュを偏心部偏心方向に変位しクランク軸1の回転に伴うコネクティングロッドの移動量を変更するようにした。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
クランク軸の偏心部外周に、偏心ブシュを介して一方端側の連結穴を嵌合し、他方端がクランク軸の回転とともに往復移動する往復動部材(例えばコネクティングロッド)の移動量を、偏心ブシュの角度位相を変えることで変更するクランク軸の偏心量変更機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、偏心部外周に偏心ブシュを介して一方端側の連結穴を嵌合し、他方端がクランク軸の回転とともに往復移動する往復動部材(例えばコネクティングロッド)の移動量を、クランク軸の偏心部外周に嵌合の偏心ブシュの角度位相を変えることで変更するクランク軸の偏心量変更機構が種々知られている。その1例として、プレス機械のスライドストローク変換装置が、特許公報特公平6−86035号(以下、従来技術Aという)に開示されている。
【0003】
この従来技術Aのプレス機械のストローク変換装置は、その請求項の記載によると、回転軸の偏心部に嵌合された偏心シーブと、この偏心シーブに一端が嵌合されて前記回転軸と直交する方向に延びる長さを有し、前記回転軸の回転と共に往復動する往復動部材とを含んで構成されたプレス機械において、前記偏心シーブを軸方向に移動自在とし、この偏心シーブに第1、第2歯部を設け、前記回転軸に偏心シーブの一方向への移動により第1歯部と噛合する第3歯部を設けるとともに、前記往復動部材に第3歯部から軸方向にずれかつ偏心シーブの他方向への移動により第2歯部と噛合する第4歯部を設け、かつ、第1、第2、第3、第4歯部のそれぞれを円周方向に等ピッチで並設したものである。
【0004】
この従来技術Aの作用は、従来技術Aの構造を示す正面断面図の図12およびその側面図の図13(A)において、クランク軸303の偏心部303Aに嵌合された偏心シーブ308を軸方向に移動させて、偏心シーブ308の第1歯部327とクランク軸303の第3歯部332とを噛合させると、偏心シーブ308はクランク軸303に連結され、また偏心シーブ308の第2歯部328とコンロッド310の第4歯部333とを噛合させると、偏心シーブ308はコンロッド310に連結される。偏心シーブ308をクランク軸303に連結したときとコンロッド310に連結したときとでは、クランク軸303を回転させたときのスライドストロークが変化することとなり、偏心シーブ308の軸方向移動だけでスライドストロークの変換を容易に行えるものである。
【0005】
また、第13図(B)では偏心シーブ308を左移動させてコンロッド310に連結し、これにより偏心シーブ308をクランク軸303の偏心部303Aから切り離した後、クランク軸303を180°回転させ、この後、偏心シーブ308を第12図の通り右移動させて偏心部303Aに連結し、次いでクランク軸303をさらに180°回転させたものである。これにより偏心シーブ308の中心P301はクランク軸303の中心P300に対しE303の偏心量となる。この場合、クランク軸303を最初に回転させる角度を180°としたが、第1、第2、第3、第4歯部327,328,332,333は円周方向に等ピッチで多数並設されているため、クランク軸303を最初に回転させる角度を180°以外の角度とすることもでき、180°以外の角度に回転させればE303以外の偏心量を得られることになり、従って、多数のスライドストロークに変換できるものである。
【0006】
また、従来、クロス加工工具を先端に保持した移動体の移動量を変更するクロス加工工具の駆動装置として、トランスファプレス機によるプレス加工工程のうち、上下移動可能な芯金パンチにより下降端位置で位置決めされたワークに、そのワーク軸線に対して垂直方向から加工するクロス加工工程において、クロス加工工具を進退移動させる図14に示すクロス加工工具の駆動装置(以下、従来技術Bという)が知られている。
【0007】
この従来技術Bのクロス加工工具の駆動装置において、フレーム400に回転可能に支承されたカム軸401には、図示しないスライドの駆動回転軸により同期回転され、設定のカムライズのカム溝402aが形成された溝カム402が一体的に止着されている。また、フレーム400背面に設けられた取着台403の下側にブラケット404、上側にブラケット405とが取着され、ブラケット404に挿通された揺動基軸406にカムレバー407が揺動可能に軸支されている。このカムレバー407の一端部には、カムフォロア408がカム溝402a内で転動可能に軸支され、他端部には駒409が螺着されている。この駒409には、揺動軸410により揺動可能に軸支された継手411を介してロッド412が螺着されている。ブラケット405に挿通された揺動基軸415にL字状の作動レバー416が揺動可能軸支されている。この作動レバー416の一端部には、ロッド412に螺着された継手413が揺動軸414により揺動可能に軸支され、他端部は、先端に図示しないクロス加工工具を取着して進退移動可能な作動桿417に係合されている。
【0008】
そして、この従来技術Bの作用は、溝カム402が回転すると、カム溝402aの小径曲線部と大径曲線部との半径差で得られるカムライズにより、カムフォロア408を介してカムレバー407が揺動し、駒409、継手411、ロッド412、継手413を介して作動レバー416が揺動することで、プレススライドが下死点位置で停留中に、作動桿417とともにクロス加工工具を進退移動させるものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記のとおり、従来技術Aのプレス機械のストローク変換装置は、偏心シーブの軸方向移動だけでスライド移動量の変換を容易に行える。また、クランク軸303を最初に回転させる角度を180°以外の角度に回転させればE303以外の偏心量を得られることになり、多数のスライド移動量を得ることができるものである。しかしながら、任意の移動量を得るその他の場合には、スライドモーションの位相が変化するという問題がある。そのため、スライド移動量の変換を行うごとに他の付属装置の位相を変更する必要があるという問題があった。
【0010】
また、上記のとおり、作動桿417の移動量は溝カム402のカムライズにより固定であるため調整できない、したがって、ワークの板厚が厚くなり、作動桿417の先端に取り着けたトリミング用クロス加工工具の移動量を大きくしたいときに大きくできないという問題、および、クロス加工工具の切り刃が摩耗し再研削研削した場合に、切り刃がワークに届かなくなるという問題があった。
【0011】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、従来技術Aにおいては、偏心シーブの軸方向移動だけでスライド移動量の変換を容易に行えるがスライドモーションの位相が変化するという問題を解決しようとするものである。また、従来技術Bにおいては、作動桿417の移動量は溝カム402のカムライズにより固定であるため調整できないという問題を解決しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載のクランク軸の偏心量変更機構は、クランク軸の偏心部外周に、偏心ブシュを含む偏心量変更手段を介して、一方端側の連結穴が嵌合しクランク軸に対し垂直方向へ伸びた他方端側がクランク軸の回転とともに往復移動する往復動部材の移動量を、偏心量変更手段の角度位相を変えることで変更するクランク軸の偏心量変更機構であって、偏心量変更手段は偏心部外周に内周が相対回転可能に嵌合し内周円に対し外周円が偏心している小偏心ブシュと、この小偏心ブシュ外周に内周が相対回転可能に嵌合し内周円に対し外周円が偏心している大偏心ブシュと、この大偏心ブシュ外周に内周が相対回転可能に嵌合し内周円に対し外周円が同心である同心ブシュと、同心ブシュを偏心部の偏心方向にのみ移動可能に規制する同心ブシュ案内手段とからなり、かつ同心ブッシュ外周に往復動部材連結穴を嵌合して構成し、小偏心ブシュと大偏心ブシュとを相反する方向へ関連的に回動して角度位相を変えたとき、同心ブシュが偏心部の偏心方向に変位し、クランク軸の回転に伴う往復動部材の移動量が変更されるようにしたものである。
【0013】
上記目的を達成するために、本発明の請求項2に記載のクランク軸の偏心量変更機構は、クランク軸の偏心部外周に、偏心ブシュを含む偏心量変更手段を介して、一方端側の連結穴を嵌合した往復動部材の前記クランク軸に対し垂直方向へ伸びた他方端側に連結されたスライドのクランク軸の回転に伴う往復移動量を、偏心量変更手段の角度位相を変えることで変更するプレス機において、偏心量変更手段は偏心部外周に内周が相対回転可能に嵌合し内周円に対し外周円が偏心している小偏心ブシュと、この小偏心ブシュ外周に内周が相対回転可能に嵌合し内周円に対し外周円が偏心している大偏心ブシュと、この大偏心ブシュ外周に内周が相対回転可能に嵌合し内周円に対し外周円が同心である同心ブシュと、この同心ブシュを偏心部の偏心方向にのみ移動可能に規制する同心ブシュ案内手段とからなり、かつ同心ブッシュ外周に往復動部材連結穴を嵌合して構成し、小偏心ブシュと大偏心ブシュとを相反する方向へ関連的に回動して角度位相を変えたとき、同心ブシュが偏心部偏心方向に変位しクランク軸心に対する偏心量が変更され、クランク軸の回転に伴うスライドの往復移動量が変更されるようにしたものである。
【0014】
上記目的を達成するために、本発明の請求項3に記載のクランク軸の偏心量変更機構は、同心ブシュ案内手段は、同心ブシュに設けた半径方向の摺動面を有する凸部に係合しクランク軸偏心方向の摺動面を有する溝をクランク軸の偏心部近傍に設け、同心ブシュを偏心方向へのみ移動可能に案内するようにしたものである。
【0015】
上記目的を達成するために、本発明の請求項4に記載のクランク軸の偏心量変更機構は、偏心部外周と小偏心ブシュ内周との間、小偏心ブシュ外周と大偏心ブシュ内周との間、大偏心ブシュ外周と同心ブシュ内周との間、同心ブシュ外周と往復動部材連結穴との間、および同心ブシュに設けた凸部とクランク軸の偏心部近傍に設けた溝との間の少なくとも1つの間には摩擦低減手段を設けたものである。
【0016】
上記目的を達成するために、本発明の請求項5に記載のクロス加工工具の駆動装置は、機台上に回転可能に軸支されたクランク軸の偏心部外周に、偏心ブシュを含む偏心量変更手段を介して一方端側の連結穴が嵌合された往復動部材の、クランク軸に対し垂直方向へ伸びた他方端側にトッグルリンクを連結し、クランク軸の回転運動が変換されたトッグルリンクの屈曲運動により往復動する、先端に加工工具を保持した移動体の移動量を、偏心量変更手段の角度位相を変えることにより変更するクロス加工工具の駆動装置であって、偏心量変更手段は、偏心部外周に内周が相対回転可能に嵌合し内周円に対し外周円が偏心している小偏心ブシュと、この小偏心ブシュ外周に内周が相対回転可能に嵌合し内周円に対し外周円が偏心している大偏心ブシュと、この大偏心ブシュ外周に内周が相対回転可能に嵌合し内周円に対し外周円が同心である同心ブシュと、同心ブシュを偏心部の偏心方向にのみ移動可能に規制する同心ブシュ案内手段とからなり、かつ同心ブシュの外周に往復動部材の一方端側の連結穴を嵌合して構成し、小偏心ブシュと大偏心ブシュとを相反する方向へ関連的に回動して角度位相を変えたとき、トッグルリンクの屈曲量が変更され、この屈曲運動により往復動する移動体の移動量が変更されるようにしたものである。
【0017】
上記目的を達成するために、本発明の請求項6に記載のクロス加工工具の駆動装置は、同心ブシュ案内手段は、同心ブシュに設けた半径方向の摺動面を有する凸部に係合しクランク軸偏心方向の摺動面を有する溝をクランク軸の偏心部近傍に設け、同心ブシュを偏心方向へのみ移動可能に案内するようにしたものである。
【0018】
上記目的を達成するために、本発明の請求項7に記載のクロス加工工具の駆動装置は、偏心部外周と小偏心ブシュ内周との間、小偏心ブシュ外周と大偏心ブシュ内周との間、大偏心ブシュ外周と同心ブシュ内周との間、同心ブシュ外周と往復動部材連結穴との間、および同心ブシュに設けた凸部とクランク軸の偏心部近傍に設けた溝との間の少なくとも1つの間には摩擦低減手段を設けたものである。
【0019】
上記請求項1に係る課題解決手段による作用は次のとおりである。すなわち、小偏心ブシュを所定量回動すれば、同心ブシュがクランク軸偏心部の偏心方向にのみ移動可能であり、かつ大偏心ブシュ外周はこの同心ブシュ内周に嵌合されているから、大偏心ブシュは斜面の特性により小偏心ブシュとは逆方向へ回動する。その結果、クランク軸の偏心部外周に嵌合した大小の偏心ブシュの角度位相を変えることで、位相を変えることなく往復動部材の移動量を変更することができる。
【0020】
上記請求項2に係る課題解決手段による作用は次のとおりである。すなわち、プレス機において、クランク軸の偏心部外周に嵌合した大小の偏心ブシュの角度位相を変えることで、スライドモーションの位相を変えることなくコネクティングロッドすなわちスライドの移動量を変更することができる。
【0021】
上記請求項3に係る課題解決手段による作用は次のとおりである。すなわち、クランク軸偏心方向の摺動面を有する凸部を同心ブシュに設け、それに係合するクランク軸偏心方向の溝をクランク軸偏心部近傍に設けたので、簡単な構造で同心ブシュはクランク軸偏心方向へのみ移動可能となる。
【0022】
上記請求項4に係る課題解決手段による作用は次のとおりである。すなわち、クランク軸偏心部外周と小偏心ブシュの内周との間、小偏心ブシュ外周と大偏心ブシュ内周との間、大偏心ブシュの外周と同心ブシュ内周との間、同心ブシュ外周と往復動部材連結穴との間、および同心ブシュに設けた凸部と同心ブシュ案内手段の溝との間の少なくとも1つの間には摩擦低減手段を設けたので、小偏心ブシュ、大偏心ブシュの回動および同心ブシュの偏心部偏心方向への往復動が小さい力で可能となる。
【0023】
上記請求項5に係る課題解決手段による作用は次のとおりである。すなわち、トッグルリンクの屈曲運動により往復動する移動体の移動量を変更するクランク軸の偏心量変更機構を有するクロス加工工具の駆動装置において、クランク軸の偏心部外周に嵌合した大小の偏心ブシュの角度位相を変えることで、クランク軸の回転に伴う往復動部材の移動量を変更し、これに連結のトッグルリンクの屈曲運動により往復動する移動体の移動量を変更することが可能となる。
【0024】
上記請求項6に係る課題解決手段による作用は次のとおりである。すなわち、クランク軸偏心方向の摺動面を有する凸部を同心ブシュに設け、それに係合するクランク軸偏心方向の溝をクランク軸偏心部近傍に設けたので、簡単な構造で同心ブシュはクランク軸偏心方向へのみ移動可能となる。
【0025】
上記請求項7に係る課題解決手段による作用は次のとおりである。すなわち、クランク軸偏心部外周と小偏心ブシュの内周との間、小偏心ブシュ外周と大偏心ブシュ内周との間、大偏心ブシュの外周と同心ブシュ内周との間、同心ブシュ外周と往復動部材連結穴との間、および同心ブシュに設けた凸部と同心ブシュ案内手段の溝との間の少なくとも1つの間には摩擦低減手段を設けたので、小偏心ブシュ、大偏心ブシュの回動および同心ブシュの偏心部偏心方向への往復動が小さい力で可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明のクランク軸の偏心量変更機構に係る第1実施例、および、クロス加工工具の駆動装置に係る第2実施例の形態について順に説明する。
【0027】
まず、クランク軸の偏心量変更機構に係る第1実施例について、図1〜図5を参照して説明する。図1は本発明のクランク軸の偏心量変更機構をスライド駆動部に組み込んだプレス機の一部断面で示した正面図である。図2は本発明のクランク軸の偏心量変更機構部を示す正面図であって、偏心量が最大のときを示す。図3は図2におけるA−A断面図を示すである。図4は、図2において大小の偏心部材の角度位相を変え偏心量を所定量変更したときを示す。図5は本発明の概念を示す模式図である。
【0028】
図1、2、3に基づきプレス機に組み込んだ本発明のクランク軸の偏心量変更機構について説明する。床上にプレス機のベッド152が設置され、その上にフレーム151が固定されている。フレーム151の上部前後方向には、前壁151Aおよび後壁151Bにクランク軸1が軸受け1b、1bにより回転自在に軸支されている。このクランク軸1は、図示しない駆動モータにより図示しないクラッチブレーキを介して回転駆動される。
【0029】
クランク軸1に設けられた偏心量e1の偏心部1aの外周には、ころ軸受け5Aを介して内周円に対し外周円がe2偏心している小偏心ブシュ2が回転自在に嵌合され、この小偏心ブシュ2の外周にはころ軸受け5Bを介して内周円に対し外周円がe3偏心している大偏心ブシュ3が回転自在に嵌合されている。さらに、この大偏心ブシュ3の外周にはころ軸受け5Cを介して内周円に対し外周円が同心である同心ブシュ4が回転自在に嵌合されている。
【0030】
さらに、この同心ブシュ4の外周には、コネクティングロッド142の一方端側に設けられた連結穴142aが回転自在に嵌合されている。クランク軸1に対し垂直方向へ伸びたこのコネクティングロッド142の他方端には、フランジ144が図示しないボルトにより脱着可能に取着されている。フランジ144にはクランク軸の偏心方向にねじ穴が設けられており、このねじ穴に係合して、フレーム151の側壁151C、151Cに上下動可能に案内されたスライド150を揺動自在に懸架する、先端が球状のコネクションねじ143が、長さを調整可能に取着されている。
【0031】
一方、同心ブシュ4の一方の側面には、両面にクランク軸偏心部1aの偏心方向に摺動面を有する同心ブシュ凸部4a、4aが、クランク軸1を挟み対峙して設けられている。また、クランク軸1の偏心部1aの近傍には鍔部1cが設けられ、この鍔部1cには同心ブシュ4凸部4a、4aの両摺動面に係合して両面に摺動面を有する案内溝1d、1dが、クランク軸1を挟み対峙して設けら、同心ブシュ4のクランク軸1に対する垂直方向への移動を、偏心部1aの偏心方向に限定している。
【0032】
また、偏心部1aには、小偏心ブシュ2、大偏心ブシュ3、同心ブシュ4およびコネクティングロッド142の一方端側を、クランク軸1の鍔部1cとともに挟んで、鍔部1cに対峙して円板7が偏心部1aに固定されており、コネクティングロッド142の軸方向の移動を規制している。また、この円板7には偏心部1a外周と同心の円弧状長穴7aが、偏心部1a偏心方向の位置を起点に図示の反時計方向へ90°の範囲に、小偏心ブシュ2側面に対向して穿孔され、この長穴7aを挿通してハンドル2Aが小偏心ブシュ2側面にねじ込まれ固定されている。そしてこのハンドル2Aの中間部にはナット2Bが螺着されており、このナット2Bを締結することにより小偏心ブシュ2は円板7を介してクランク軸1に固定することができる。
【0033】
また、円板7には偏心部1a外周とほぼ同心に円弧状の大きめの逃がし長穴7bが、偏心部1a偏心方向の位置を起点に図示の時計方向へ90°の範囲に、大偏心ブシュ3側面に対向して穿孔され、この長穴7bを挿通してハンドル3Aが大偏心ブシュ3側面にねじ込まれ固定されている。ここで、長穴7a、7bは反時計方向、時計方向へ穿孔したが、逆の方向へ穿孔してもよい。
【0034】
実施例1のプレス機に組み込まれたクランク軸の偏心量変更機構は、以上のように構成されているが、その作用について図を基に以下説明する。
【0035】
図2は、小偏心ブシュ2および大偏心ブシュ3それぞれの内周円に対する外周円の偏心方向が、ともにクランク軸偏心部1aの偏心方向と同じ角度位相である場合を示す。すなわち、クランク軸1の軸心をP0、偏心部1aの外周円中心をP1、小偏心ブシュ2の外周円の中心をP2、大偏心ブシュ3の外周円の中心をP3とすると、P0,P1,P2,P3が下方へ一直線に位置している。このときスライド150は下死点に位置している。
【0036】
このとき、同心ブシュ4のクランク軸1の軸心P0に対する偏心量e(以下同心ブシュ4の偏心量eという)は、偏心部1aの偏心量をe1、小偏心ブシュ2の偏心量をe2および大偏心ブシュ3の偏心量をe3とすると、これらの和である。すなわち、同心ブシュ4の偏心量e=e1+e2+e3である。このとき、クランク軸1が回転すると、同心ブシュ4の外周に一方端側の連結穴142aで嵌合されたコネクティングロッド142は、この他方端に懸架され、フレーム151の側壁151C、151Cに上下動可能に案内されたスライド150とともに、移動量2eで往復動する。
【0037】
図4は、図2において小偏心ブシュ2および大偏心ブシュ3の角度位相を変え偏心量を所定量変更したときを示す。両偏心ブシュ2、3の回動について説明する。まず、スライド150の下部に支えを入れて下降しないように上下位置を固定する。そして、フランジ144とコネクティングロッド142とを締結しているボルトを外し、フランジ144とコネクティングロッド142との縁を切る。つぎに、ハンドル2Aに締結のナット2Bを緩めて偏心ブシュ2を回動可能にし、ハンドル2Aを小偏心ブシュ2とともに反時計方向へα回転する。
【0038】
すなわち、小偏心ブシュ2を偏心部1aの外周円中心P1を中心に反時計方向M1へα回転すると、小偏心ブシュ2の中心P2はP2αに向かって移動し、同心ブシュ凸部4a、4aと案内溝1d、1dとにより径方向への移動を偏心部1aの偏心方向に規制されている同心ブシュ4の中心位置P3(大偏心ブシュ3の外周円の中心位置)の偏心部1a偏心方向への移動M2に合わせて、大偏心ブシュ3は、小偏心ブシュ2の外周円中心P2の移動過程位置P2αを中心に時計方向M3へ回転し位置決めされる。
【0039】
すなわち、小偏心ブシュ2が偏心部1aの外周円中心P1を中心に反時計方向M1へα回転すると、小偏心ブシュ2の回転に従い次第に肉厚化する部分の外周面2aが、大偏心ブシュ3の次第に肉薄化する部分の内周面3aを加圧する。このとき大偏心ブシュ3の内周面3aに対応する外周面3bには、径方向への移動を偏心部1aの偏心方向に限定されている同心ブシュ4の内周に嵌合しているため、同心ブシュ4の内周面4bから反力として逆向きの力が加圧される。
【0040】
この大偏心ブシュ3の次第に肉薄化する部分、すなわちミクロ的にテーパー状部分への両面からの加圧により、斜面の特性から、大偏心ブシュ3には加圧部分から肉厚の厚い方向への分力が発生し、大偏心ブシュ3は小偏心ブシュ2の外周中心P2を中心に回されようとする。このとき、それぞれの転動面には摩擦力が発生するが、各転動面にはころがり軸受け5A、5B、5C、…が設けられ摩擦力が小さくされているので、この摩擦力に打ち勝ち大偏心ブシュ3は時計方向へ回動することとなる。
【0041】
これとは逆に、大偏心ブシュ3を時計方向へ回動すれば、同じように小偏心ブシュ2は反時計方向へ回動することができる。このように、一方の偏心ブシュを回動すれば他方の偏心ブシュも回動することができる。
【0042】
このとき、回動面、摺動面の摩擦抵抗が小さければ小さいほど軽い力でこれらの回動を行うことができる。また、ハンドル2Aとハンドル3Aを同時に逆方向へ回せば、確実に両偏心ブッシュを回転させることができる。本実施例では、摺動面はころ軸受けを使用したが、静圧軸受けにすればさらに回動面、摺動面の摩擦抵抗を小さくすることができる。
【0043】
つぎに、回動後はナット2Bを締結することにより小偏心ブシュ2を、円板7を介してクランク軸1に固定する。さらに、コネクションねじ143を回し長さを調整しつつ、フランジ144をコネクティングロッド142の他方端にボルトにより取着する。以上の手順により、同心ブシュ4の中心位置、すなわちコネクティングロッド142の一方端側に設けられた連結穴142aの中心位置P3は、たえず偏心部1aの偏心方向にあって、クランク軸1の軸心P0との距離を変化させることができる。すなわち、上下死点の位相変化なしにスライド150のストローク変更をすることができる。
【0044】
図5を基に、図4における同心ブシュ4の偏心量eの式を求める。小偏心ブシュ2を偏心部1aの外周円中心P1を中心に反時計方向へα回転すると、小偏心ブシュ2の外周円の中心P2は、P1を中心に反時計方向へα回転した位置P2αに位置変更する。このとき大偏心ブシュ3の外周円の中心(同心ブシュ4の中心位置)P3は、たえず偏心部1aの偏心方向(X軸線下方向)にあるから、P3の移動後の位置をP3αとすると、三角形P1,P2α、P3αにおいて、(P1)(P3α)=exとすると、(P1)(P2α)=e2、(P2α)(P3α)=e3、∠(P2α)(P1)(P3α)=αであるから、exは三角形の性質からe2、e3、αを関数とする式で表すことができる。従って、同心ブシュ4の中心P3の回動後の位置P3αは、クランク軸1の軸心P0から偏心部1aの偏心方向へe1+exの偏心位置になる。ここでは偏心量を求めることが目的ではないので、このexを求める式は省略する。
【0045】
このように、本発明のクランク軸の偏心量変更機構を組み込んだプレス機において、クランク軸1の偏心部外周に嵌合した大小の偏心ブシュ2、3の角度位相を変えることで、スライドモーションの位相を変えることなく、コネクティングロッド142およびスライド150の移動量を変更することができる。このとき移動量の変化量は、図2における同心ブシュ4のP0に対する偏心量e=(e1+e2+e3)と、図4における同心ブシュ4のP0に対する偏心量eα=(e1+ex)との差の2倍である。
【0046】
ここで、コネクティングロッドすなわちスライドの移動量を変更すると、移動量の変化分の1/2だけ上下死点の位置が変わるが、コネクティングロッド142の他方端に取着のコネクションねじ143のねじ込み量を、この移動量の変化量だけ調整することにより、上死点または下死点を同じにすることができる。
【0047】
この実施例では、小偏心ブシュ2および大偏心ブシュ3の内周円に対する外周円の偏心方向が、クランク軸1の偏心部1aの偏心方向と同じ角度位相である場合を図示したが、小偏心ブシュ2を偏心部1aの外周円中心P1を中心に回転角αを90°以上にすることも、長穴7a、7bの長さを変えることにより可能である。この場合の同心ブシュ4のP0に対する偏心位置P3αもe1+exで表すことができる。
【0048】
また、クランク軸1偏心部1a、小偏心ブシュ2、および大偏心ブシュ3それぞれの偏心量e1、e2、e3を仮に同じくδとすると、図2に示すα=0°の位置関係から図示しないα=90°の位置関係までの間で、クランク軸1の軸心P0に対する同心ブシュ4の中心位置P3の偏心量は3δからδまで変化する。
【0049】
つぎに、クランク軸の偏心量変更機構を組み込んだクロス加工工具の駆動装置について第2実施例として、図6〜図12を参照して説明する。
【0050】
図6は、本発明のクランク軸の偏心量変更機構を組み込んだクロス加工工具の駆動装置を備えたプレス機の正面図であって、フレーム252上部に取り着けられた駆動モータ256によりベルト、フライホイール、歯車を介してフレーム252に軸支された主軸255が回転させられ、この主軸255に取り着けられたカム254、254に従動するカムローラ258、258がスライド253と一体で上下動する。スライド253の下面には工程ごとにパンチが取り着けられた上台257が取り着けられている。
【0051】
主軸255の左端にはベベルギヤを介して連結されたサイド軸261がフレーム252の側面に上下に軸支されている。このサイド軸261の途中にはトランスファ装置260の駆動カム260Bが取り着けられ、主軸255と同期してトランスファバー260Aを左右に往復動させ、スライド253の下降により成形された図示しないワークWを順次次の工程へ搬送する。サイド軸261の下端には図示しないベベルギヤを介してボトム軸262が連結され、このボトム軸262の右端には回転位置検出器264が取り着けられ、付属ユニットの動作開始用の信号を出力する。
【0052】
フレーム252中央にはボルスタ面252Aが設けられ、このボルスタ面252A上面には上台のパンチと対向する複数のダイが装着された下台263が取り着けられている。ボルスタ面252A下方のフレーム252前面には、所定の工程位置にクロス加工工具の駆動装置220が取り着けられ、トランスファ装置260で搬送されてきたワークWに対し、回転位置検出器264から出力された信号に基づき所定のタイミングで前後方向からクロス加工工具を進退させトリミングや穴明け加工を行う。
【0053】
図7はこのクロス加工工具の駆動装置220の側面図で、加工工具231A、231Bが中立の位置にあるときを示す。図8は、図7において加工工具231A、231Bが前進端の位置にあるときを示す。図9は、図7において加工工具231A、231Bが後進端の位置にあるときを示す。図10は、図8におけるB−B矢視断面を示す。図11は、図10においてC−C矢視断面を示す。実施例2のクランク軸の偏心量変更機構は、実施例1のクランク軸の偏心量変更機構と同一であり、実施例1と同一機能のものについては同一の番号を付す。
【0054】
図6〜11において、フレーム252前面に取り着けられた支持台221の上に伸びた軸受取着板222、222には、偏心部1aを有するクランク軸1がワーク搬送方向に平行に軸支されている。また、支持台221にはクランク軸1と同軸にサーボモータ241が取り着けられ、クランク軸1の一方端とサーボモータ241の出力軸はカップリング248により連結されている。
【0055】
クランク軸1に設けられた偏心量e1の偏心部1aの外周には、ころ軸受け5Aを介して内周円に対し外周円がe2偏心している小偏心ブシュ2が回転自在に嵌合され、この小偏心ブシュ2の外周にはころ軸受け5Bを介して内周円に対し外周円がe3偏心している大偏心ブシュ3が回転自在に嵌合されている。さらに、この大偏心ブシュ3の外周にはころ軸受け5Cを介して内周円に対し外周円が同心である同心ブシュ4が回転自在に嵌合されている。
【0056】
さらに、この同心ブシュ4の外周には、連接棒242の一方端側に設けられた連結穴242aが回転自在に嵌合され、クランク軸1に対し垂直方向へ伸びたこの連接棒242の他方端側には揺動軸243が止着されている。この揺動軸243には、支持台221上に取り着けられた軸受脚板223に止着された揺動基軸244を中心に揺動する揺動リンク245の一方端と、先端にクロス加工工具231A、231Bを取り着けダイ内に保持されたワークWに向かって往復動する作動桿225の後端部に止着された直動軸246を中心に遊動する誘導リンク247の一方端とが回動可能に連結されている。
【0057】
作動桿225の先端に取り着けられたクロス加工工具231A、231Bの間には、スライド253の下死点において、スライド253と一体で上下動する芯金パンチ233が下降端でワークWを保持して待機している。芯金パンチ233には、クロス加工工具231A、231Bと協働でワークWをトリミング加工する切り刃233a、233bが、クロス加工工具231A、231Bの切り刃と対向して、作動桿225の移動方向両面に形成されている。
【0058】
以上、クランク軸の偏心量変更機構を組み込んだクロス加工工具の駆動装置220の構造について説明したが、次に、クロス加工工具の駆動装置220の作用について説明する。このクロス加工工具の駆動装置220に組み込んだクランク軸の偏心量変更機構は、実施例1と作用方向が上下逆であるが、構造が同じであるので詳細は省略する。
【0059】
図7〜11において、クランク軸の偏心量変更機構は、小偏心ブシュ2および大偏心ブシュ3の内周円に対する外周円の偏心方向が、ともにクランク軸1の偏心部1aの偏心方向と同じ角度位相であり、P0,P1,P2,P3が一直線に位置している。このとき、同心ブシュ4のP0に対する偏心量eはe1+e2+e3であり、揺動軸243は揺動基軸244を中心に移動量がほぼ2eで往復揺動する。
【0060】
小偏心ブシュ2を角度α回動した場合、実施例1と同様、同心ブシュ4の中心P3の位置P3αは、クランク軸1の軸心P0から偏心部1aの偏心方向へe1+exの偏心位置になる。
【0061】
図7において、クランク軸1の偏心部1aの偏心位置がほぼ左方にあって、作動桿225は中立位置にあり、作動桿225先端に取り着けのクロス加工工具231A、231Bはともに待機位置にあってワークWからわずかに離れている。回転位置検出器264の出力信号により、付属ユニットの動作開始用の信号が発せられると、サーボモータ241が駆動されクランク軸1が1回転する。
【0062】
まず図8に示すように、クランク軸1の偏心部1aの偏心位置が上方になり、作動桿225およびクロス加工工具231A、231Bが前進端の位置にくる。その結果、クロス加工工具231Aとワークの内側に待機の芯金パンチ233の切り刃233aとの協働により、ワークWの一方側がトリミングされる。
【0063】
つぎに、図9に示すように、クランク軸1の偏心部1aの偏心位置がほぼ下方になり、作動桿225およびクロス加工工具231A、231Bが後退端の位置にくる。その結果、クロス加工工具231Bとワークの内側に待機の芯金パンチ233の切り刃233bとの協働により、ワークWの他方側がトリミングされる。
【0064】
上記のように、クロス加工工具の駆動装置220にはクランク軸の偏心量変更機構が組み込まれ、クランク軸の偏心部1a外周に嵌合した小偏心ブシュ2および大偏心ブシュ3の角度位相を変えることで、クランク軸1の回転に伴う連接棒242の移動量を変更し、これに連結のトッグルリンク245、247の屈曲量を変え、先端にクロス加工工具231A、231Bを取り着けた作動桿225の往復移動量を変更することができる。その結果、ワークWの板厚が厚くなり移動量を大きくしたいときに大きくできないという問題、クロス加工工具231A、231Bの切り刃が摩耗し再研削研削した場合に切り刃がワークに届かなくなるという問題が解消し、ワークの板厚が厚くなってもトリミングができるようになり、また、クロス加工工具231A、231Bの切り刃を再研削しても再利用が可能となる。
【0065】
【発明の効果】
上述したように本発明のクランク軸の偏心量変更機構は、クランク軸の偏心部外周に嵌合した偏心部材の角度位相を変えることで、スライドモーションの位相を変えることなくコネクティングロッドを介しスライドの移動量を変更することができる。このとき、移動量の変化量の半分だけ上下死点の位置が変わるが、コネクションねじのねじ込み量を、この移動量の変化量の半分だけ調整することにより、上死点または下死点を同じくすることができる。したがって、プレス機において、高さが異なる他種類のワークに対して、最適なスライドの移動量かつ最適な回転速度で運転することが可能となり、生産効率を上げることができる。
【0066】
また、上述したようにクランク軸の偏心量変更機構を備えた本発明のクロス加工工具の駆動装置は、クランク軸の偏心部外周に嵌合した偏心部材の角度位相を変えることで、クランク軸の回転に伴う連接棒の移動量を変更し、これに連結のトッグルリンクの屈曲量を変え、先端にクロス加工工具を取り着けた作動桿の往復移動量を変更することができる。その結果、ワークの板厚が厚くなっても移動量を大きくすることでトリミングができるようになり、板厚の異なる多種のワークに対応できるようになるとともに、クロス加工工具の切り刃を再研削研削しても移動量を大きくすることで再利用が可能となるため経済性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクランク軸の偏心量変更機構をスライド駆動部に組み込んだプレス機を一部断面で示した正面図
【図2】本発明のクランク軸の偏心量変更機構部であって、偏心量が最大のときを示す正面図
【図3】図2におけるA−A断面図
【図4】図2において偏心部材の角度位相を変え偏心量を所定量変更したときを示す正面図
【図5】本発明のクランク軸の偏心量変更機構に関しその概念を示す模式図
【図6】本発明のクランク軸の偏心量変更機構を組み込んだクロス加工工具の駆動装置を備えたプレス機の正面図
【図7】本発明のクランク軸の偏心量変更機構を組み込んだクロス加工工具の駆動装置で、加工工具が中立の位置にあるときを一部断面で示す側面図
【図8】図7において加工工具が前進端の位置にあるときを示す側面図
【図9】図7において加工工具が後進端の位置にあるときを示す側面図
【図10】図8におけるB−B矢視断面図
【図11】図10におけるC−C矢視断面図
【図12】従来技術Aのプレス機械のストローク変換装置を示す正面断面図
【図13】従来技術Aにおいて偏心量の関係を示す側面図
【図14】従来技術Bのクロス加工工具の駆動装置を示す側面図
【符号の説明】
1 クランク軸
1a 偏心部
2 小偏心ブシュ
3 大偏心ブシュ
4 同心ブシュ
4a 同心ブシュ凸部
5A ころ軸受け
5B ころ軸受け
5C ころ軸受け
142 コネクティングロッド
142a 連結穴
143 コネクションねじ
150 スライド
220 クロス加工工具の駆動装置
225 作動桿
231A、231B クロス加工工具
233 芯金パンチ
241 サーボモータ
242 連接棒
243 揺動軸
245 揺動リンク
247 揺動リンク
253 スライド
P0 クランク軸の軸心
P1 偏心部外周円中心
P2 小偏心ブシュ外周円の中心
P3 大偏心ブシュ外周円の中心
e 同心ブシュの偏心量(同心ブシュ4のクランク軸軸心に対する偏心量)
e1 偏心部の偏心量
e2 小偏心ブシュの偏心量
e3 大偏心ブシュの偏心量

Claims (7)

  1. クランク軸の偏心部外周に、偏心ブシュを含む偏心量変更手段を介して、一方端側の連結穴を嵌合し前記クランク軸に対し垂直方向へ伸びた他方端側が前記クランク軸の回転とともに往復移動する往復動部材の移動量を、前記偏心量変更手段の角度位相を変えることで変更するクランク軸の偏心量変更機構であって、
    前記偏心量変更手段は前記偏心部外周に内周が相対回転可能に嵌合し内周円に対し外周円が偏心している小偏心ブシュと、この小偏心ブシュ外周に内周が相対回転可能に嵌合し内周円に対し外周円が偏心している大偏心ブシュと、この大偏心ブシュ外周に内周が相対回転可能に嵌合し内周円に対し外周円が同心である同心ブシュと、前記同心ブシュを前記偏心部の偏心方向にのみ移動可能に規制する同心ブシュ案内手段とからなり、かつ
    前記同心ブッシュ外周に前記往復動部材連結穴を嵌合して構成し、
    前記小偏心ブシュと前記大偏心ブシュとを相反する方向へ関連的に回動して角度位相を変えたとき、前記同心ブシュが前記偏心部の偏心方向に変位し、前記クランク軸の回転に伴う前記往復動部材の移動量が変更されるようにしたことを特徴とするクランク軸の偏心量変更機構。
  2. クランク軸の偏心部外周に、偏心ブシュを含む偏心量変更手段を介して、一方端側の連結穴を嵌合した往復動部材の前記クランク軸に対し垂直方向へ伸びた他方端側に連結されたスライドの前記クランク軸の回転に伴う往復移動量を、前記偏心量変更手段の角度位相を変えることで変更するプレス機において、
    前記偏心量変更手段は前記偏心部外周に内周が相対回転可能に嵌合し内周円に対し外周円が偏心している小偏心ブシュと、この小偏心ブシュ外周に内周が相対回転可能に嵌合し内周円に対し外周円が偏心している大偏心ブシュと、この大偏心ブシュ外周に内周が相対回転可能に嵌合し内周円に対し外周円が同心である同心ブシュと、
    この同心ブシュを前記偏心部の偏心方向にのみ移動可能に規制する同心ブシュ案内手段とからなり、かつ
    前記同心ブッシュ外周に前記往復動部材連結穴を嵌合して構成し、
    前記小偏心ブシュと前記大偏心ブシュとを相反する方向へ関連的に回動して角度位相を変えたとき、前記同心ブシュが前記偏心部偏心方向に変位し前記クランク軸心に対する偏心量が変更され、前記クランク軸の回転に伴う前記スライドの往復移動量が変更されるようにしたことを特徴とするクランク軸の偏心量変更機構。
  3. 前記同心ブシュ案内手段は、前記同心ブシュに設けた半径方向の摺動面を有する凸部に係合し前記クランク軸偏心方向の摺動面を有する溝を前記クランク軸の偏心部近傍に設け、前記同心ブシュを前記偏心方向へのみ移動可能に案内するようにしたことを特徴とする請求項1乃至2に記載のクランク軸の偏心量変更機構。
  4. 前記偏心部外周と前記小偏心ブシュ内周との間、前記小偏心ブシュ外周と前記大偏心ブシュ内周との間、前記大偏心ブシュ外周と前記同心ブシュ内周との間、前記同心ブシュ外周と前記往復動部材連結穴との間、および前記同心ブシュに設けた凸部と前記クランク軸の偏心部近傍に設けた溝との間の少なくとも1つの間には摩擦低減手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至3に記載のクランク軸の偏心量変更機構。
  5. 機台上に回転可能に軸支されたクランク軸の偏心部外周に、偏心ブシュを含む偏心量変更手段を介して一方端側の連結穴が嵌合された往復動部材の、前記クランク軸に対し垂直方向へ伸びた他方端側にトッグルリンクを連結し、前記クランク軸の回転運動が変換された前記トッグルリンクの屈曲運動により往復動する、先端に加工工具を保持した移動体の移動量を、前記偏心量変更手段の角度位相を変えることにより変更するクロス加工工具の駆動装置であって、
    前記偏心量変更手段は、前記偏心部外周に内周が相対回転可能に嵌合し内周円に対し外周円が偏心している小偏心ブシュと、この小偏心ブシュ外周に内周が相対回転可能に嵌合し内周円に対し外周円が偏心している大偏心ブシュと、この大偏心ブシュ外周に内周が相対回転可能に嵌合し内周円に対し外周円が同心である同心ブシュと、この同心ブシュを前記偏心部の偏心方向にのみ移動可能に規制する同心ブシュ案内手段とからなり、かつ前記同心ブシュの外周に前記往復動部材の一方端側の連結穴を嵌合して構成し、
    前記小偏心ブシュと前記大偏心ブシュとを相反する方向へ関連的に回動して角度位相を変えたとき、前記トッグルリンクの屈曲量が変更され、この屈曲運動により往復動する前記移動体の移動量が変更されるようにしたことを特徴とするクロス加工工具の駆動装置。
  6. 前記同心ブシュ案内手段は、前記同心ブシュに設けた半径方向の摺動面を有する凸部に係合し前記クランク軸偏心方向の摺動面を有する溝を前記クランク軸の偏心部近傍に設け、前記同心ブシュを前記偏心方向へのみ移動可能に案内するようにしたことを特徴とする請求項5に記載のクロス加工工具の駆動装置。
  7. 前記偏心部外周と前記小偏心ブシュ内周との間、前記小偏心ブシュ外周と前記大偏心ブシュ内周との間、前記大偏心ブシュ外周と前記同心ブシュ内周との間、前記同心ブシュ外周と前記往復動部材連結穴との間、および前記同心ブシュに設けた凸部と前記クランク軸の偏心部近傍に設けた溝との間の少なくとも1つの間には摩擦低減手段を設けたことを特徴とする請求項5、6に記載のクロス加工工具の駆動装置。
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