JP2004049496A - 自動返血装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】血液透析終了後、患者に返血を行う際に、汚染や医療ミスがなく、しかも医療従事者の負担とならないように、容易且つ簡便な操作のできる自動返血装置を提供する。
【解決手段】動脈側回路1と、静脈側回路10と、補液を行うための補液ライン5とを有し、前記動脈側回路は、動脈チャンバー4、送血手段3、気泡検出手段6とを有し、前記静脈側回路は、静脈チャンバー11、気泡検出手段12、および静脈側回路を開閉するための開閉手段13とを有し、前記補液ラインは、前記静脈チャンバー上部から分岐し、補液供給源7と、補液を回路に送液するための送液手段8とを有し、前記送血手段と前記送液手段と静脈側回路の開閉手段とは、これらの三者を連動して制御するための連動制御手段16によって、連絡されていることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】動脈側回路1と、静脈側回路10と、補液を行うための補液ライン5とを有し、前記動脈側回路は、動脈チャンバー4、送血手段3、気泡検出手段6とを有し、前記静脈側回路は、静脈チャンバー11、気泡検出手段12、および静脈側回路を開閉するための開閉手段13とを有し、前記補液ラインは、前記静脈チャンバー上部から分岐し、補液供給源7と、補液を回路に送液するための送液手段8とを有し、前記送血手段と前記送液手段と静脈側回路の開閉手段とは、これらの三者を連動して制御するための連動制御手段16によって、連絡されていることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、今まで人手で行ってきた血液透析やそれに関わる血液回収等の一連の操作をできるだけ自動化し、省力化や誤操作の防止が可能な血液透析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
血液透析装置は腎不全患者や薬物中毒患者の血液を浄化するための医療用機器である。血液透析療法の機構は、通常、血液透析器(ダイアライザー)、血液が循環する血液回路および透析液供給系の3つの部分から構成される。血管内と2カ所(シングルニードルの場合は穿刺針が1本になる)で直接接続した血液回路により体外循環を維持しつつ、血液を血液回路の中途に連結した血液透析器の中空糸内腔側のコンパートメントに流入させる
一方、血液透析器の中空糸外側のコンパートメントには、血液の流れと反対方向に透析液と称される電解質液を流入させる。血液透析器の両コンパートメントは透析膜と呼ばれる分離膜で隔てられ、血液と透析液が反対方向に流れる間に、分離膜の両側の濃度勾配に応じた物質の拡散移動が発生し、尿毒素や中毒物質の除去や不足物質の補充が行われる。一般に、上述の血液透析装置は体外循環の維持、透析液の安定供給、ならびに血液からの余剰な水分の除去を制御する装置等によって構成されている。
【0003】
従来の血液透析監視装置は、透析治療中の補液操作、血液透析(血液循環)や透析終了後の返血操作が別々の行程としてなされており、特に返血操作は刺入された穿刺針を血管から抜去し、患者体内に空気が注入されないように留意しながら、且つ返血する順序を間違わないように行わなくてはならなかった。そのため、医療従事者にとっては、精神的に負担となり、少なからぬ時間を返血操作に取られていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、血液透析終了後に返血操作に移行する際に、細菌汚染や接続・操作順序における操作ミス等の危険性があり、改善が望まれていた。従って、本発明は血液透析終了後、患者に返血を行う際に、汚染や医療ミスがなく、しかも医療従事者の負担とならないように、容易且つ簡便な操作のできる自動返血装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、血液透析器の上流側の動脈側(血液)回路と、同じく下流側の静脈側(血液)回路と、静脈側回路から分岐し、前記回路に補液を行うための補液ラインとを有し、前記動脈側回路は、穿刺手段を介して患者動脈と連絡される動脈側接続端と、血液透析器と接続するための透析器接続端と、前記の両端部の中間にそれぞれ設けられた動脈チャンバー、送血手段、気泡検出手段とを有し、前記静脈側回路は、血液透析器と接続するための透析器接続端と、穿刺手段を介して患者静脈と連絡される静脈側接続端と、前記両端部の中間部に設けられた静脈チャンバー、気泡検出手段、および静脈側回路を開閉するための開閉手段とを有し、前記補液ラインは、前記静脈チャンバー上部から分岐し、補液供給源と、補液を回路に送液するための送液手段とを有し、前記送血手段と前記送液手段と静脈側回路の開閉手段とは、これらの三者を連動して制御するための連動制御手段によって、連絡されていることを特徴とする自動返血装置によって上記課題を解決した。
【0006】
なお、本願において、(回路の)上流側、下流側とは、血液回路を患者の動脈・静脈と連絡して、通常に血液透析処置を行った場合の流路方向(動脈→静脈側)を基準としている。
【0007】
上記の構成において、本発明の自動返血装置は、血液透析透析処理の際に、補液ラインの送液手段を駆動、または停止し、且つ送血手段を駆動させることで、補液の有り無しで血液透析を行うことが可能となり、また送血手段や送液手段の流量を連動制御(調節)することで、血液透析処理の行程から返血行程に自動的に移行させることができる。透析処理から返血行程に移行する場合でも、本発明の構成によれば、血液透析→返血操作の際に、患者体内からの穿刺針の抜去操作や回路の脱着操作を行わなくて良いため、抜去順序や脱着部位におけるミスを防止できる。
【0008】
また、送血手段と補液ラインの送液手段の各流量、および静脈側回路の開閉手段を連動制御することによって、回路内の血液や補液の流れ方向や流路をコントロールすることが可能となる。その結果、血液透析処理から返血操作への移行も容易で、且つ迅速・確実に行うことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
さらに本発明において、以下に記載するような種々の実施形態によって、特有の効果を得ることができる。即ち、前記連動制御手段によって、各行程や状況に応じて、送血手段と送液手段の両者の流量(流速)が実質的に等しくし、或いは多くし、或いは少なくなるように連動制御することが可能な前記の自動返血装置である。上記の構成によって、返血の方向や順序、返血形態(動・静脈同時、または一方ずつ順番に返血する)を自由に変更することができ、貴重な血液を無駄にしないで回収できる。
【0010】
前記補液ラインにおいて、前記補液ライン分岐部と送液手段との間に圧力計測手段を設けた前記のいずれかに記載された自動返血装置である。補液ラインの上記部位に圧力計測手段を設けることによって、異常な圧力増加や現在の送液状態を防止、または推測することができ、有効である。
【0011】
【実施例】
以下、図面によって、本発明の1つの実施形態をより詳細に説明する。図1〜5は自動返血装置の大まかな構成・配置と、各行程や各状態での血液や補液の流路や方向を示す。図1は補液を行わないで、血液透析を行っている状態を示す概略図である。図1において、動脈側(血液)回路1は、動脈側接続端Aから始り、血液透析器2に接続されている透析器接続端(図示せず)で終わっている。動脈側回路1には、上流側から順に気泡センサ6、血液ポンプ3、動脈チャンバー4が設けられている。
【0012】
静脈側(血液)回路10は、透析器2接続端(図示せず)から始り、静脈側接続端Vで終わっている。静脈側回路10には、上流側から順に静脈チャンバ11、気泡センサ12、開閉手段であるクランプ13が設けられている。静脈チャンバ11の上部には、補液ライン5が分岐しており、静脈チャンバー11を介して、静脈側血液回路に補液を行うことができるようになっている。
【0013】
補液ライン5は、補液供給源となる補液容器7から始まり、静脈チャンバー接続部(図示せず)で終わる。その中間部には(補液ラインの)上流側から順に送液手段である補液ポンプ8、補液ラインの圧力を計測する圧力センサ9が設けられている。
【0014】
そして、補液ポンプ8と血液ポンプ3は、連絡路17によって制御装置16と連絡され、制御装置16によって、前記両ポンプは駆動、停止だけではなく、それぞれの送液量(流速)が所定の値、または両ポンプの送液量の比率が所定の値になるように連動制御される。さらに、制御装置16は静脈側回路10に装着したクランプ13の開閉と、上記両ポンプの駆動・停止、流量調整が連動制御できるように、連絡路17によって、連絡されている。
【0015】
以下、各行程やその行程における血液回路の送血、送液の状態について、簡単に説明する。図1は補液操作なしで血液透析を行っている状態を示す。補液ポンプ8は停止しており、血液ポンプ3のみが回転している。クランプ13は開放している。補液ポンプ8が停止しているため、動脈接続端Aから動脈側回路1に流入した血液は、図1の矢印で示すように、血液透析器2を通過して、静脈側回路10を通り、静脈側接続端Vから患者に返戻される。
【0016】
なお、各行程において、構成は同じであり、以下は各行程における血液回路やラインの流れを説明するものであり、見易くするために、図2〜5から制御装置16と連絡路17の表示を省略しているが、補液ポンプ8と血液ポンプ3とクランプ13は常に連動制御されており、それによって流路の規制や選択が実現されている。また、液の流れ方向は図に記入した矢印によって、示される。
【0017】
次に、補液行程について説明する。血液透析中に患者の血圧低下などの理由によって、急速に補液を行う必要になった場合、補液ポンプ8の流速(送液量)と血液ポンプ3の流速を合計した送液量が、静脈が受入れるのにあまり負担にならないように調整する。これは、制御装置16が各ポンプの流速に基いて制御を行う。そして、血液ポンプ3で送血されてきた血液と、補液ポンプ8で送液された補液が静脈チャンバ11で合流して、静脈側接続端Vから患者に返戻される。クランプ13は制御装置16によって開放されている。
【0018】
次に、返血行程について説明する。返血行程は、その方法によっても、制御が異なってくるが、ここでは代表的なもののみ説明する。その一例としては、先ず補液ライン分岐部から下流側の血液回路に充填している血液を先に返血し(図3)、次に補液ライン分岐部から下流側の血液回路に充填している血液を戻す(図4)態様のものがある。
【0019】
図3では、血液ポンプ3が停止され、補液ポンプ8のみが駆動している。また、クランプ13は開放されているため、補液ポンプ8によって、送液された補液は静脈チャンバ11を通って、静脈側接続端Vから患者に返戻される。
【0020】
静脈チャンバ11の下流側に残っていた血液が回収されたら、今度はチャンバ11の上流側に残った血液を回収するモードに移行する。このとき、制御装置16によって、クランプ13を閉止し、血液ポンプと補液ポンプの流速を等しくすることによって、補液ラインを流れたのと同じ量の液が動脈側回路1にも流れることになる。それによって、チャンバ11の上流側に残った血液は動脈側接続端Aから回収できる。
【0021】
また、別の例として図5に示すような態様のものもある。即ち、補液ポンプ8の流速を血液ポンプ3の流速よりも大きくすることによって、チャンバ11の上流側、下流側に残っている血液を同時に患者に戻すこともできる。即ち、補液ポンプの送液量のうち、血液ポンプと等しいだけの液量がチャンバ11下流側の血液回路に流れ、残り(余剰)の液量がチャンバ上流側の血液回路を流れ、患者に返血される。この方法であれば、動脈側接続端Aと静脈側接続端Vとから同時に返血できるため、操作を短時間で済ませることができる。
【0022】
【発明の効果】
本発明に係る自動返血装置によれば、血液透析中の補液操作や透析終了後の返血操作において、汚染や誤操作がなく安全であり、且つ人手のかかる操作が自動化でき、業務の効率化、省力化が可能となる。また、操作が自動化、簡便化されることから、従来のように従事者の経験や熟練も特に必要としない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動返血装置の一例を示す概略図であって、行程が血液透析処理中であるもの。
【図2】図1において、血液透析中に補液を行っている状態を示す概略図。
【図3】本発明の自動返血装置の一例であって、自動返血行程の1つの実施形態を示す概略図。
【図4】本発明の自動返血装置の一例であって、自動返血行程の別の実施形態を示す概略図。
【図5】本発明の自動返血装置の一例であって、動脈側回路と静脈側回路とを同時に返血する実施形態を示す概略図。
【符号の説明】
1.動脈側血液回路
2.血液透析器
3.血液ポンプ
4.動脈チャンバー
5.補液ライン
6.気泡センサ
7.補液容器
8.補液ポンプ
10.静脈側血液回路
11.静脈チャンバ
12.気泡センサ
13.クランプ
16.制御装置
17.連絡路
A.動脈側接続端
B.静脈側接続端
【発明の属する技術分野】
本発明は、今まで人手で行ってきた血液透析やそれに関わる血液回収等の一連の操作をできるだけ自動化し、省力化や誤操作の防止が可能な血液透析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
血液透析装置は腎不全患者や薬物中毒患者の血液を浄化するための医療用機器である。血液透析療法の機構は、通常、血液透析器(ダイアライザー)、血液が循環する血液回路および透析液供給系の3つの部分から構成される。血管内と2カ所(シングルニードルの場合は穿刺針が1本になる)で直接接続した血液回路により体外循環を維持しつつ、血液を血液回路の中途に連結した血液透析器の中空糸内腔側のコンパートメントに流入させる
一方、血液透析器の中空糸外側のコンパートメントには、血液の流れと反対方向に透析液と称される電解質液を流入させる。血液透析器の両コンパートメントは透析膜と呼ばれる分離膜で隔てられ、血液と透析液が反対方向に流れる間に、分離膜の両側の濃度勾配に応じた物質の拡散移動が発生し、尿毒素や中毒物質の除去や不足物質の補充が行われる。一般に、上述の血液透析装置は体外循環の維持、透析液の安定供給、ならびに血液からの余剰な水分の除去を制御する装置等によって構成されている。
【0003】
従来の血液透析監視装置は、透析治療中の補液操作、血液透析(血液循環)や透析終了後の返血操作が別々の行程としてなされており、特に返血操作は刺入された穿刺針を血管から抜去し、患者体内に空気が注入されないように留意しながら、且つ返血する順序を間違わないように行わなくてはならなかった。そのため、医療従事者にとっては、精神的に負担となり、少なからぬ時間を返血操作に取られていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、血液透析終了後に返血操作に移行する際に、細菌汚染や接続・操作順序における操作ミス等の危険性があり、改善が望まれていた。従って、本発明は血液透析終了後、患者に返血を行う際に、汚染や医療ミスがなく、しかも医療従事者の負担とならないように、容易且つ簡便な操作のできる自動返血装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、血液透析器の上流側の動脈側(血液)回路と、同じく下流側の静脈側(血液)回路と、静脈側回路から分岐し、前記回路に補液を行うための補液ラインとを有し、前記動脈側回路は、穿刺手段を介して患者動脈と連絡される動脈側接続端と、血液透析器と接続するための透析器接続端と、前記の両端部の中間にそれぞれ設けられた動脈チャンバー、送血手段、気泡検出手段とを有し、前記静脈側回路は、血液透析器と接続するための透析器接続端と、穿刺手段を介して患者静脈と連絡される静脈側接続端と、前記両端部の中間部に設けられた静脈チャンバー、気泡検出手段、および静脈側回路を開閉するための開閉手段とを有し、前記補液ラインは、前記静脈チャンバー上部から分岐し、補液供給源と、補液を回路に送液するための送液手段とを有し、前記送血手段と前記送液手段と静脈側回路の開閉手段とは、これらの三者を連動して制御するための連動制御手段によって、連絡されていることを特徴とする自動返血装置によって上記課題を解決した。
【0006】
なお、本願において、(回路の)上流側、下流側とは、血液回路を患者の動脈・静脈と連絡して、通常に血液透析処置を行った場合の流路方向(動脈→静脈側)を基準としている。
【0007】
上記の構成において、本発明の自動返血装置は、血液透析透析処理の際に、補液ラインの送液手段を駆動、または停止し、且つ送血手段を駆動させることで、補液の有り無しで血液透析を行うことが可能となり、また送血手段や送液手段の流量を連動制御(調節)することで、血液透析処理の行程から返血行程に自動的に移行させることができる。透析処理から返血行程に移行する場合でも、本発明の構成によれば、血液透析→返血操作の際に、患者体内からの穿刺針の抜去操作や回路の脱着操作を行わなくて良いため、抜去順序や脱着部位におけるミスを防止できる。
【0008】
また、送血手段と補液ラインの送液手段の各流量、および静脈側回路の開閉手段を連動制御することによって、回路内の血液や補液の流れ方向や流路をコントロールすることが可能となる。その結果、血液透析処理から返血操作への移行も容易で、且つ迅速・確実に行うことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
さらに本発明において、以下に記載するような種々の実施形態によって、特有の効果を得ることができる。即ち、前記連動制御手段によって、各行程や状況に応じて、送血手段と送液手段の両者の流量(流速)が実質的に等しくし、或いは多くし、或いは少なくなるように連動制御することが可能な前記の自動返血装置である。上記の構成によって、返血の方向や順序、返血形態(動・静脈同時、または一方ずつ順番に返血する)を自由に変更することができ、貴重な血液を無駄にしないで回収できる。
【0010】
前記補液ラインにおいて、前記補液ライン分岐部と送液手段との間に圧力計測手段を設けた前記のいずれかに記載された自動返血装置である。補液ラインの上記部位に圧力計測手段を設けることによって、異常な圧力増加や現在の送液状態を防止、または推測することができ、有効である。
【0011】
【実施例】
以下、図面によって、本発明の1つの実施形態をより詳細に説明する。図1〜5は自動返血装置の大まかな構成・配置と、各行程や各状態での血液や補液の流路や方向を示す。図1は補液を行わないで、血液透析を行っている状態を示す概略図である。図1において、動脈側(血液)回路1は、動脈側接続端Aから始り、血液透析器2に接続されている透析器接続端(図示せず)で終わっている。動脈側回路1には、上流側から順に気泡センサ6、血液ポンプ3、動脈チャンバー4が設けられている。
【0012】
静脈側(血液)回路10は、透析器2接続端(図示せず)から始り、静脈側接続端Vで終わっている。静脈側回路10には、上流側から順に静脈チャンバ11、気泡センサ12、開閉手段であるクランプ13が設けられている。静脈チャンバ11の上部には、補液ライン5が分岐しており、静脈チャンバー11を介して、静脈側血液回路に補液を行うことができるようになっている。
【0013】
補液ライン5は、補液供給源となる補液容器7から始まり、静脈チャンバー接続部(図示せず)で終わる。その中間部には(補液ラインの)上流側から順に送液手段である補液ポンプ8、補液ラインの圧力を計測する圧力センサ9が設けられている。
【0014】
そして、補液ポンプ8と血液ポンプ3は、連絡路17によって制御装置16と連絡され、制御装置16によって、前記両ポンプは駆動、停止だけではなく、それぞれの送液量(流速)が所定の値、または両ポンプの送液量の比率が所定の値になるように連動制御される。さらに、制御装置16は静脈側回路10に装着したクランプ13の開閉と、上記両ポンプの駆動・停止、流量調整が連動制御できるように、連絡路17によって、連絡されている。
【0015】
以下、各行程やその行程における血液回路の送血、送液の状態について、簡単に説明する。図1は補液操作なしで血液透析を行っている状態を示す。補液ポンプ8は停止しており、血液ポンプ3のみが回転している。クランプ13は開放している。補液ポンプ8が停止しているため、動脈接続端Aから動脈側回路1に流入した血液は、図1の矢印で示すように、血液透析器2を通過して、静脈側回路10を通り、静脈側接続端Vから患者に返戻される。
【0016】
なお、各行程において、構成は同じであり、以下は各行程における血液回路やラインの流れを説明するものであり、見易くするために、図2〜5から制御装置16と連絡路17の表示を省略しているが、補液ポンプ8と血液ポンプ3とクランプ13は常に連動制御されており、それによって流路の規制や選択が実現されている。また、液の流れ方向は図に記入した矢印によって、示される。
【0017】
次に、補液行程について説明する。血液透析中に患者の血圧低下などの理由によって、急速に補液を行う必要になった場合、補液ポンプ8の流速(送液量)と血液ポンプ3の流速を合計した送液量が、静脈が受入れるのにあまり負担にならないように調整する。これは、制御装置16が各ポンプの流速に基いて制御を行う。そして、血液ポンプ3で送血されてきた血液と、補液ポンプ8で送液された補液が静脈チャンバ11で合流して、静脈側接続端Vから患者に返戻される。クランプ13は制御装置16によって開放されている。
【0018】
次に、返血行程について説明する。返血行程は、その方法によっても、制御が異なってくるが、ここでは代表的なもののみ説明する。その一例としては、先ず補液ライン分岐部から下流側の血液回路に充填している血液を先に返血し(図3)、次に補液ライン分岐部から下流側の血液回路に充填している血液を戻す(図4)態様のものがある。
【0019】
図3では、血液ポンプ3が停止され、補液ポンプ8のみが駆動している。また、クランプ13は開放されているため、補液ポンプ8によって、送液された補液は静脈チャンバ11を通って、静脈側接続端Vから患者に返戻される。
【0020】
静脈チャンバ11の下流側に残っていた血液が回収されたら、今度はチャンバ11の上流側に残った血液を回収するモードに移行する。このとき、制御装置16によって、クランプ13を閉止し、血液ポンプと補液ポンプの流速を等しくすることによって、補液ラインを流れたのと同じ量の液が動脈側回路1にも流れることになる。それによって、チャンバ11の上流側に残った血液は動脈側接続端Aから回収できる。
【0021】
また、別の例として図5に示すような態様のものもある。即ち、補液ポンプ8の流速を血液ポンプ3の流速よりも大きくすることによって、チャンバ11の上流側、下流側に残っている血液を同時に患者に戻すこともできる。即ち、補液ポンプの送液量のうち、血液ポンプと等しいだけの液量がチャンバ11下流側の血液回路に流れ、残り(余剰)の液量がチャンバ上流側の血液回路を流れ、患者に返血される。この方法であれば、動脈側接続端Aと静脈側接続端Vとから同時に返血できるため、操作を短時間で済ませることができる。
【0022】
【発明の効果】
本発明に係る自動返血装置によれば、血液透析中の補液操作や透析終了後の返血操作において、汚染や誤操作がなく安全であり、且つ人手のかかる操作が自動化でき、業務の効率化、省力化が可能となる。また、操作が自動化、簡便化されることから、従来のように従事者の経験や熟練も特に必要としない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動返血装置の一例を示す概略図であって、行程が血液透析処理中であるもの。
【図2】図1において、血液透析中に補液を行っている状態を示す概略図。
【図3】本発明の自動返血装置の一例であって、自動返血行程の1つの実施形態を示す概略図。
【図4】本発明の自動返血装置の一例であって、自動返血行程の別の実施形態を示す概略図。
【図5】本発明の自動返血装置の一例であって、動脈側回路と静脈側回路とを同時に返血する実施形態を示す概略図。
【符号の説明】
1.動脈側血液回路
2.血液透析器
3.血液ポンプ
4.動脈チャンバー
5.補液ライン
6.気泡センサ
7.補液容器
8.補液ポンプ
10.静脈側血液回路
11.静脈チャンバ
12.気泡センサ
13.クランプ
16.制御装置
17.連絡路
A.動脈側接続端
B.静脈側接続端
Claims (3)
- 血液透析器の上流側の動脈側(血液)回路と、同じく下流側の静脈側(血液)回路と、静脈側回路から分岐し、前記回路に補液を行うための補液ラインとを有し、前記動脈側回路は、穿刺手段を介して患者動脈と連絡される動脈側接続端と、血液透析器と接続するための透析器接続端と、前記の両端部の中間にそれぞれ設けられた動脈チャンバー、送血手段、気泡検出手段とを有し、前記静脈側回路は、血液透析器と接続するための透析器接続端と、穿刺手段を介して患者静脈と連絡される静脈側接続端と、前記両端部の中間部に設けられた静脈チャンバー、気泡検出手段、および静脈側回路を開閉するための開閉手段とを有し、前記補液ラインは、前記静脈チャンバー上部から分岐し、補液供給源と、補液を回路に送液するための送液手段とを有し、前記送血手段と前記送液手段と静脈側回路の開閉手段とは、これらの三者を連動して制御するための連動制御手段によって、連絡されていることを特徴とする自動返血装置。
- 前記連動制御手段によって、各行程や状況に応じて、送血手段と送液手段の両者の流量(流速)が実質的に等しくし、或いは多くし、或いは少なくなるように連動制御することが可能な請求項1記載の自動返血装置。
- 前記補液ラインにおいて、前記補液ライン分岐部と送液手段との間に圧力計測手段を設けた請求項1または3のいずれかに記載の自動返血装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002210315A JP2004049496A (ja) | 2002-07-18 | 2002-07-18 | 自動返血装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002210315A JP2004049496A (ja) | 2002-07-18 | 2002-07-18 | 自動返血装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004049496A true JP2004049496A (ja) | 2004-02-19 |
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JP2010119452A (ja) * | 2008-11-17 | 2010-06-03 | Nipro Corp | 血液浄化装置 |
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-
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- 2002-07-18 JP JP2002210315A patent/JP2004049496A/ja active Pending
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JP2009219666A (ja) * | 2008-03-17 | 2009-10-01 | Toray Medical Co Ltd | 血液透析装置における補液供給装置 |
JP2010119452A (ja) * | 2008-11-17 | 2010-06-03 | Nipro Corp | 血液浄化装置 |
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