JP2013248337A - 血液浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】血液ポンプを逆転させずに安全に返血可能で、他のポンプを追加装備する必要がなく、返血の全工程を自動化可能な血液浄化装置を提供する。
【解決手段】血液浄化要素7と、血液ポンプ8と、動脈側血液回路3へ接続された輸液ライン11と、第1閉塞手段13と、第2閉塞手段14と、第3閉塞手段15とを備え、血液ポンプは、チューブ受けとローラとの間隔や間隔変更速度の制御が可能な間隔制御手段を有しており、血液回路内の血液を輸液で押し出して返血する静脈側返血工程と、第1閉塞手段と第2閉塞手段を閉じ血液ポンプの送液動作を行ない血液回路内に輸液を導入し、第2閉塞手段と血液ポンプ間の血液回路内の輸液圧力を高める蓄圧工程と、第3閉塞手段を閉じ第1閉塞手段を開け、血液ポンプの送液を停止し、チューブの閉塞を解除して、輸液圧力を放圧させて血液を上流側へ返血する動脈側返血工程と、を行なわせる返血工程制御手段を具備している。
【選択図】図1

Description

本発明は、血液浄化装置に関し、とくに、血液浄化装置の血液回路中に残存する血液を患者に安全にかつ自動で返血することが可能な血液浄化装置に関する。
血液透析器、血液濾過器、血液透析濾過器などの血液浄化要素を用いて、血液を体外循環させて行なわれる血液浄化療法においては、血液浄化終了後に血液浄化要素を含む血液回路内に残留した血液を、患者の体内に戻す返血作業が必要となる。返血の方法としては、患者体内への空気や有害物質の流入を防ぐ観点から、血液回路内に注入した生理食塩液で残留した血液を押し出す生食置換返血法の安全性が高い。しかし、返血作業には熟練を要する上、多人数の患者に対しての処置が同時間帯に集中するため、安全で省力化にも対応できる装置の開発が必要であった。
従来から、返血機能を備えた血液浄化装置が種々提案されているが、それぞれに以下のような問題が残されている。例えば、特許文献1には、主配管に引き込んだ補液を、血液ポンプを逆転させて血液取出口へ送り込む動脈側返血工程を行なうようにした装置が提案されている。しかし、このような返血動作を行う装置は、返血の際に血液ポンプを逆転させることを前提としているが、意図せずに血液ポンプが逆転した場合には、患者側に望ましくない負担をかけるおそれがあるため、逆転可能な血液ポンプを用いること自体、安全上好ましくない。
また、特許文献2、3には、血液浄化装置の血液回路に接続される補液ラインに送液手段として補液ポンプを設け、血液ポンプは逆転させずに動脈側返血を可能にした装置が提案されている。しかし、このような血液浄化装置では、標準装備ではない補液ポンプを追加装備する必要があるため、コストアップは避けられない。
さらに、特許文献4には、返血を行なう前に、血液回路と輸液ラインとの繋ぎ替えを行い、血液ポンプの逆転を必要とせずに返血を行なうようにした装置が提案されている。しかし、このような血液浄化装置では、人手による返血準備作業が必要となり、自動化の程度が不十分であるという問題が残る。
特開平06−261938号公報 特開2004−049494号公報 特開2005−296187号公報 特開2011−194122号公報
そこで本発明の課題は、血液回路中に残存した血液を、血液ポンプを逆転させることなく安全に返血可能で、かつ、補液ポンプなどの他のポンプを追加装備する必要がなく安価に製作可能な、しかも、返血の全工程の自動化が可能な血液浄化装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る血液浄化装置は、
動脈側血液回路と静脈側血液回路から成る血液回路と、
血液回路内に設けられた血液浄化要素と、
動脈側血液回路に設けられた血液ポンプと、
輸液供給源から血液ポンプ上流の動脈側血液回路へ接続された輸液ラインと、
輸液ライン接続部上流の動脈側血液回路に設けられた第1閉塞手段と、
静脈側血液回路に設けられた第2閉塞手段と、
輸液ラインに設けられた第3閉塞手段と、を備えた血液浄化装置であって、
前記血液ポンプは、
内周側壁が円弧状に形成されるとともに、前記血液回路の一部を構成する弾性チューブを保持するチューブ受けと、該チューブ受けの内周側壁との間で前記弾性チューブを押圧変形可能な複数のローラを有し該複数のローラをチューブ受けに対し回動させることにより前記弾性チューブ内の流体を送液する回転体と、から成るチューブポンプであって、
前記チューブ受けと前記ローラとの間隔を、前記チューブ受けと前記ローラとにより前記弾性チューブを閉塞させる状態と、該弾性チューブの閉塞状態を完全に解除する状態との間の中間間隔への一時的な制御と、前記チューブ受けと前記ローラとの間隔を変更する速度の制御のいずれか一方の制御または両方の制御が可能な間隔制御手段を有しており、
前記血液浄化装置は、
返血時に、
第1閉塞手段を閉じるとともに血液ポンプの送液動作を行なって輸液を導入することにより、輸液ラインの接続部よりも下流の血液回路内の血液を輸液で押し出して返血する静脈側返血工程と、
第1閉塞手段と第2閉塞手段を閉じるとともに血液ポンプの送液動作を行なって、血液回路内に輸液を導入することにより、第2閉塞手段と血液ポンプとの間の血液回路内の輸液の圧力を高める蓄圧工程と、
第3閉塞手段を閉じるとともに第1閉塞手段を開け、かつ、血液ポンプの送液を停止するとともに弾性チューブの閉塞を解除することにより、蓄圧工程で高めた第2閉塞手段と血液ポンプとの間の血液回路内の輸液の圧力を放圧させて血液を上流側へ輸液で押し出して返血する動脈側返血工程と、
を行なわせる返血工程制御手段を具備していることを特徴とするものからなる。
このような本発明に係る血液浄化装置においては、返血工程制御手段による制御により、補液ポンプなどの他のポンプを追加装備することなく、返血の全工程の自動化が可能になる。すなわち、静脈側返血工程においては、第1閉塞手段を閉じて患者の動脈側穿刺部に至る血液回路を閉じ(このとき、第2閉塞手段および第3閉塞手段は開放されている)、血液ポンプを血液体外循環の場合と同じ正方向に回転させて輸液ラインから血液回路内に輸液を導入することにより、輸液ラインの接続部よりも下流の血液回路内の血液を輸液で押し出して患者の静脈側へ返血することができる。そして、動脈側返血工程に入る前に実行される蓄圧工程においては、第1閉塞手段を閉じたまま第2閉塞手段も閉じ、その状態で血液ポンプの送液動作(正転)を行なって血液回路内にさらに輸液を導入することにより、血液ポンプと第2閉塞手段との間の血液回路内の輸液の圧力が高められる。このように蓄圧された状態にて、動脈側返血工程において、第3閉塞手段を閉じて輸液の導入が停止されるとともに、第1閉塞手段を開けて患者の動脈側穿刺部に至る血液回路の閉塞が解除され、かつ、血液ポンプの送液(正転動作)を停止するとともに血液ポンプにおける弾性チューブの閉塞を解除することにより、血液ポンプ設置部位が単なる開放された血液回路の一部と同等の状態とされ、上記蓄圧工程で高められた血液ポンプと第2閉塞手段との間の血液回路内の輸液の圧力が、患者の動脈側穿刺部に至る血液回路の方向に向けて放圧され、この放圧により血液回路内に(動脈側血液回路内に)残存していた血液が上流側へ(患者の動脈側穿刺部に至る血液回路の方向に向けて)輸液で押し出されて患者の動脈側へ返血される。このような返血のための一連の動作が、返血工程制御手段により所定の順序で制御される第1〜第3閉塞手段の動作制御、血液ポンプの正転動作制御、および、弾性チューブの閉塞、閉塞解除制御によって、自動で行われることになる。この返血のための全工程において、血液ポンプの逆転は不要であるから、逆転に伴う安全性阻害の問題は発生しない。
また、本発明に係る血液浄化装置においては、上記返血のための一連の動作において、血液ポンプのチューブ受けとローラとの間隔制御に関して、中間間隔への一時的な制御、間隔変更速度の制御のいずれか一方、または両方の制御が可能な間隔制御手段を有する血液ポンプが用いられているので、とくに動脈側返血工程における返血動作がより適切なものとされる。例えば、上記中間間隔への一時的な制御を行うことにより、ローラによって閉塞されていた弾性チューブを少し開放してその状態に一時的に停止させることにより、あるいは、上記間隔変更速度の制御を行うことにより、閉塞されていた弾性チューブを緩やかに開放することにより、蓄圧工程で蓄圧されていた血液ポンプと第2閉塞手段との間の圧力が、患者の動脈側穿刺部に至る血液回路の方向に向けて急激な変化を伴うことなく緩やかに放圧されるようになり、患者への負荷の急激な変化を伴わない、より安全な返血を行うことができるようになる。すなわち、血液ポンプの逆転を伴わない本発明における返血動作が、安全性に関して、より進化したものとされる。さらに、このような緩やかに放圧される状態では、蓄圧されていた血液回路内の圧力低下挙動を適切に測定することが可能になるので、例えば、仮に急激な圧力の低下が認められた場合には、動脈側穿刺部の抜針などの異常と判断して警報や注意報を出すようにすること等も可能になり、さらに安全性が高めることが可能になる。
上記本発明に係る血液浄化装置においては、上記蓄圧工程における血液ポンプの送液動作を、上記蓄圧が行われる血液回路内に設けられた圧力検出手段による検出圧力が予め設定された圧力に至るまで、あるいは血液ポンプの送液動作開始から予め設定された時間が経過するまで行なうように構成されている構造とすることができる。このように構成すれば、蓄圧される圧力を制御することが可能になるので、より高精度に所望の蓄圧を行うことが可能になり、その所望の蓄圧状態に至るまでの動作も容易に自動化することが可能になる。
また、上記動脈側返血工程における圧力の放圧を、上記蓄圧が行われる血液回路内に設けられた圧力検出手段による検出圧力が予め設定された圧力に至るまで、あるいは圧力の放圧開始から予め設定された時間が経過するまで行なうように構成された構造とすることができる。このように構成すれば、より高精度に所望の放圧を行うことが可能になり、該放圧に伴う動脈側への返血動作もより適切に行うことが可能になるとともに、その所望の放圧状態に至るまでの動作も容易に自動化することが可能になる。また、動脈側返血工程の完了を容易に認識することが可能になる。
また、上記蓄圧が行われる血液回路内に圧力計測手段が設けられ、上記静脈側返血工程と蓄圧工程との間で、第1閉塞手段を開け、第2閉塞手段と第3閉塞手段を閉じるとともに血液ポンプによる弾性チューブの閉塞を解除して、蓄圧される血液回路内の蓄圧前の圧力を測定する蓄圧前圧力測定工程を行なうように構成されている構造とすることができる。このように構成すれば、従来は血液ポンプの脈動などの影響を受けずに患者の動脈圧に極めて近い圧力を測定することは困難であったが、血液ポンプの作動を停止し弾性チューブの閉塞を解除した状態で蓄圧前圧力を測定することで、蓄圧前圧力測定を正確に行うことができ、それ以降の蓄圧工程や動脈側返血工程での制御の精度を向上できる。
また、上記動脈側返血工程における圧力低下挙動に応じて、血液ポンプの弾性チューブの閉塞を解除する速度、および/または、第1閉塞手段の開放速度を制御するように構成されている構造とすることもできる。このように構成すれば、蓄圧された圧力の開放を制御することで、動脈側への自動返血の安全性をより高めることが可能になる。この蓄圧された圧力の開放の制御は、血液ポンプの弾性チューブの閉塞の解除速度、第1閉塞手段の開放速度の制御のいずれによっても可能であり、両方によっても可能である。さらに、動脈側返血工程における1回あたりの返血量の制御が望まれる場合には、その制御に寄与することが可能になる。
本発明において使用される、血液回路内残存血液押出用の輸液としては、最も安全性が高い生理食塩液を用いることが好ましいが、透析液を用いることも可能である。
このように、本発明によれば、血液回路中に残存した血液を、血液ポンプを逆転させることなく安全に返血可能で、かつ、返血の全工程を自動化できる血液浄化装置を、補液ポンプなどの他のポンプを追加装備することなく安価に実現できる。
本発明の一実施態様に係る血液浄化装置の機器系統図で、該血液浄化装置における静脈側返血工程の動作状態を示す図である。 図1の血液浄化装置における蓄圧工程の動作状態を示す要部機器系統図である。 図1の血液浄化装置における動脈側返血工程の動作状態を示す要部機器系統図である。 図1の血液浄化装置における血液ポンプの概略正面図である。 図4の血液ポンプの作動状態および詳細構成を示す図で、図4(A)は図4のA−A線に沿う断面図でチューブ閉塞状態を示す図、図4(B)は図4(A)のB−Bに沿う断面図、図4(C)は図4(A)の部分断面図でチューブ開放状態を示す図である。 図1の血液浄化装置における蓄圧工程後の動脈側返血工程において、血液ポンプのチューブ開放前後の圧力差と返血量の関係を計算によって求めた一例を示すグラフである。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施態様に係る血液浄化装置を示しており、とくに、該血液浄化装置における静脈側返血工程の動作状態を示している。図1において、1は血液浄化装置全体を示しており、血液浄化装置1は、患者の動脈側穿刺部2へと接続される動脈側血液回路3と患者の静脈側穿刺部4へと接続される静脈側血液回路5から成る血液回路6を有している。また、血液浄化装置1は、この血液回路6内に設けられた血液浄化要素7と、動脈側血液回路3に設けられた血液ポンプ8と、輸液9を貯留した輸液供給源10から血液ポンプ8上流の動脈側血液回路3へ接続された輸液ライン11と、輸液ライン接続部12の上流の動脈側血液回路3に設けられた第1閉塞手段13と、静脈側血液回路5に設けられた第2閉塞手段14と、輸液ライン11に設けられた第3閉塞手段15とを備えている。血液浄化要素7は、例えば、血液透析器、血液濾過器、血液透析濾過器などからなり、本実施態様では血液透析器に構成されて、透析時には、血液回路6内を体外循環される血液に対して給排される透析液16を用いて血液透析が行われるようになっている。
また、本実施態様では、動脈側血液回路3と静脈側血液回路5に、それぞれ、ドリップチャンバ17、18が設けられており、これらドリップチャンバ17、18の設置部位で、圧力センサ19、20により、動脈側血液回路3内の圧力と静脈側血液回路5内の圧力が測定できるようになっている。
上記血液ポンプ8は、いわゆるチューブポンプに構成されており、図4、図5に詳細な構造を示すように、内周側壁が円弧状に形成されるとともに、血液回路6の一部を構成する弾性変形可能な弾性チューブ21を保持するチューブ受け22を有しており、チューブ受け22は、チューブ受けの固定部22aとチューブ受けの可動部22bとで構成されている。また、血液ポンプ8は、チューブ受け22の内周側壁との間でチューブ21を押圧変形可能な複数のローラ23(図示例では、一対のローラ)を有し該複数のローラ23をチューブ受け22に対し回動させることにより(つまり、ローラ23によって閉塞またはそれに近い状態にされたチューブ21の押圧変形位置を回動方向に移動させることにより)チューブ21内の流体を送液する回転体としてのロータ24を備えており、ロータ24はロータ駆動用モータ25によって所定の正回転方向(上記の送液方向)に回転駆動されるようになっている。
また、上記血液ポンプ8におけるチューブ受けの可動部22bは、図5に示すように移動される。可動部22bは、正逆転可能なチューブ受け移動用モータ26の駆動により、歯車27、28を介して駆動源側の送りネジ29と可動部22b側の送りネジ30との相対位置を変更することによって、ローラ23から離れる方向とローラ23に近づく方向とに直線状に移動され、それによって可動部22bの位置が微調整できるようになっている。このチューブ受けの可動部22bの位置制御により、チューブ受け22の可動部22bとローラ23との間隔を、チューブ受け22とローラ23とによりチューブ21を閉塞させる状態の位置(図5(A)に示す位置)と、チューブ21の閉塞状態を解除する状態の位置(図5(C)に示す位置)との間で変更制御可能となっている。チューブ受け移動用モータ26は、実質的に無段階で任意の回転方向位置に駆動、停止制御可能なモータからなるので、上記図5(A)に示す位置と図5(C)に示す位置との間の任意の中間位置(中間間隔の位置)への一時的な制御が可能となっており、さらに、このチューブ受け22とローラ23との間隔を変更する際の速度(つまり、モータ26の駆動速度)も制御可能となっている。したがって、チューブ受けの可動部22bからチューブ受け移動用モータ26までの一連の機構は、本発明で言う間隔制御手段の一部を構成している(制御指令は、後述の制御手段によって行われる)。チューブ受け移動用モータ26としては、ステッピングモータやサーボモータ等からなるパルスモータを使用でき、このようなモータを使用することにより、可動部22bの上記中間間隔への一時的な停止や間隔変更の際の速度を、微調整をもって制御することが可能になる。
再び図1を参照して説明するに、上述のチューブ受け移動用モータ26の動作制御、前述の第1閉塞手段13、第2閉塞手段14、第3閉塞手段15の閉塞および閉塞解除の動作制御は、制御手段40によって行われる。したがって、制御手段40には、本発明で言う間隔制御手段と返血工程制御手段が組み込まれている。また、本実施態様では、制御手段40には、圧力センサ19、20から圧力検出信号が入力されるようになっている。
血液浄化装置1では、静脈側返血工程において、図1に示すように、制御手段40からの指令に基づいて、第1閉塞手段13が閉じられ(閉塞状態を黒塗りで表示する。以下同じ)、第2閉塞手段14、第3閉塞手段15が開けられる(開放状態を白抜きで表示する。以下同じ)。この状態で血液ポンプ8の正回転方向(矢印方向)の駆動による送液動作が行われて輸液(例えば、生理食塩液)が血液回路6内に導入され、この輸液の導入によって、輸液ライン11の接続部12よりも下流の血液回路6内の血液が導入されてきた輸液で押し出され、押し出された血液が静脈側穿刺部4を通して静脈側へと返血される。この静脈側への返血動作は従来行われてきたものと変わらない。
しかし本発明による血液浄化装置1では、次に、蓄圧工程が実行される。蓄圧工程においては、図2に示すように、制御手段40からの指令に基づいて、第1閉塞手段13と第2閉塞手段14が閉じられ、第3閉塞手段15は開けたままの状態とされ、血液ポンプ8の正回転方向(矢印方向)の駆動による送液動作が行われて,血液回路6内に輸液が導入されることにより、第2閉塞手段14と血液ポンプ8との間の血液回路6内の輸液の圧力が高められる。この蓄圧工程においては、蓄圧が行われる血液回路6内に設けられた圧力センサ19または20、あるいはそれらの両方による検出圧力が予め設定された圧力に至るまで、あるいは血液ポンプ8の送液動作開始から予め設定された時間が経過するまで行なうように制御されることが好ましい。このように制御すれば、蓄圧される圧力をより高精度に制御することが可能になり、その所望の蓄圧状態に至るまでの動作も容易に自動化することが可能になる。
なおこのとき、前述したように、静脈側返血工程と蓄圧工程との間で、一旦、第1閉塞手段13を開け、第2閉塞手段14と第3閉塞手段15を閉じるとともに血液ポンプ8による弾性チューブ21の閉塞をチューブ受けの可動部22bの移動により解除して、蓄圧される血液回路6内の蓄圧前の圧力を圧力センサ19によって測定する蓄圧前圧力測定工程を実行してもよい。蓄圧前圧力を測定することで、それ以降の蓄圧工程や動脈側返血工程での制御の精度を向上できる。
次に、動脈側返血工程が実行される。動脈側返血工程においては、図3に示すように、制御手段40からの指令に基づいて、第3閉塞手段15が閉じられるとともに第1閉塞手段13が開けられ、血液ポンプ8の正回転方向の駆動による送液動作が停止されるとともに、弾性チューブ21の閉塞がチューブ受けの可動部22bの移動により解除される。この状態では、蓄圧された血液回路6内が動脈側穿刺部2に向けて連通、開放されることになるので、上記蓄圧工程で高めた第2閉塞手段14と血液ポンプ8との間の血液回路6内の輸液の圧力が動脈側に向けて放圧され、動脈側血液回路3内の血液ポンプ8よりも上流側、とくに輸液ライン11の接続部12よりも上流側に残存していた血液が上流側の動脈側穿刺部2に向けて輸液で押し出され、動脈側への返血が行われる。すなわち、蓄圧された輸液の圧力を利用して、血液ポンプ8を逆転させることなく安全に動脈側へ返血される。しかも、輸液ポンプなどの追加装備も不要で、装置が安価に構成される。
この動脈側返血工程においては、前述したように、上記蓄圧された輸液の圧力の放圧を、上記蓄圧が行われる血液回路6内に設けられた圧力センサ19、20による検出圧力が予め設定された圧力に至るまで、あるいは圧力の放圧開始から予め設定された時間が経過するまで行なうように制御することもできる。このように制御すれば、より高精度に所望の放圧を行うことが可能になり、該放圧に伴う動脈側への返血動作もより円滑に行うことが可能になるとともに、その所望の放圧状態に至るまでの動作も容易に自動化することが可能になる。また、動脈側返血工程の完了を認識することが可能になる。
また、上記動脈側返血工程においては放圧に伴い蓄圧が行われた血液回路6内の圧力の低下が生じるが、急激な圧力変化が生じないようにするためには、圧力低下挙動に応じて(つまり、圧力センサ19や20の検出圧力の挙動に応じて)、前述の血液ポンプ8内の機構およびその制御により、血液ポンプ8の弾性チューブ21の閉塞を解除する速度をより適切な(例えば、より緩やかな)速度に制御する、および/または、第1閉塞手段13の開放速度をより適切に(例えば、より緩やかに)制御することが可能である。このように制御すれば、動脈側への自動返血の安全性をより高めることが可能になる。また、例えば、動脈側返血工程における1回あたりの返血量をより望ましい返血量に制御することも可能になる。
動脈側返血工程における1回あたりの返血量に関しては、上記放圧による血液回路6内の圧力降下量と相関関係が見られ、再現性が確認できる。すなわち、動脈側返血動作1回あたりの返血量は、血液浄化器および血液回路の特性と、蓄圧された圧力値と放圧後の圧力値との圧力差とで決定されると考えられる。血液浄化器と血液回路との組み合わせごとに、圧力降下量と返血量との相関を予め測定して決定しておくことで、動脈側返血工程における圧力の監視によって(上述の如く、返血時の圧力低下挙動の監視を行うことで)、例えば図6に一例を示すように、放圧のための開放前後の圧力差から、返血動作1回あたりの返血量を算出することが可能になる。これを利用して、望ましい返血量(例えば、5mL/回以上)に制御することも可能になる。
なお、上記実施態様で説明した構成は本発明の一形態を例示したものであり、本発明はそれによって限定されるものではなく、特許請求の範囲で規定した範囲に含まれる形態は、全て本発明の範囲に含まれる。
本発明は、とくに血液回路から動脈側への自動返血が望まれるすべての血液浄化装置に適用可能である。
1 血液浄化装置
2 動脈側穿刺部
3 動脈側血液回路
4 静脈側穿刺部
5 静脈側血液回路
6 血液回路
7 血液浄化要素
8 血液ポンプ
9 輸液
10 輸液供給源
11 輸液ライン
12 輸液ライン接続部
13 第1閉塞手段
14 第2閉塞手段
15 第3閉塞手段
16 透析液
17、18 ドリップチャンバ
19、20 圧力センサ
21 弾性チューブ
22 チューブ受け
22a チューブ受けの固定部
22b チューブ受けの可動部
23 ローラ
24 回転体としてのロータ
25 ロータ駆動用モータ
26 チューブ受け移動用モータ
27、28 歯車
29、30 送りネジ
40 制御手段

Claims (6)

  1. 動脈側血液回路と静脈側血液回路から成る血液回路と、
    血液回路内に設けられた血液浄化要素と、
    動脈側血液回路に設けられた血液ポンプと、
    輸液供給源から血液ポンプ上流の動脈側血液回路へ接続された輸液ラインと、
    輸液ライン接続部上流の動脈側血液回路に設けられた第1閉塞手段と、
    静脈側血液回路に設けられた第2閉塞手段と、
    輸液ラインに設けられた第3閉塞手段と、を備えた血液浄化装置であって、
    前記血液ポンプは、
    内周側壁が円弧状に形成されるとともに、前記血液回路の一部を構成する弾性チューブを保持するチューブ受けと、該チューブ受けの内周側壁との間で前記弾性チューブを押圧変形可能な複数のローラを有し該複数のローラをチューブ受けに対し回動させることにより前記弾性チューブ内の流体を送液する回転体と、から成るチューブポンプであって、
    前記チューブ受けと前記ローラとの間隔を、前記チューブ受けと前記ローラとにより前記弾性チューブを閉塞させる状態と、該弾性チューブの閉塞状態を完全に解除する状態との間の中間間隔への一時的な制御と、前記チューブ受けと前記ローラとの間隔を変更する速度の制御のいずれか一方の制御または両方の制御が可能な間隔制御手段を有しており、
    前記血液浄化装置は、
    返血時に、
    第1閉塞手段を閉じるとともに血液ポンプの送液動作を行なって輸液を導入することにより、輸液ラインの接続部よりも下流の血液回路内の血液を輸液で押し出して返血する静脈側返血工程と、
    第1閉塞手段と第2閉塞手段を閉じるとともに血液ポンプの送液動作を行なって、血液回路内に輸液を導入することにより、第2閉塞手段と血液ポンプとの間の血液回路内の輸液の圧力を高める蓄圧工程と、
    第3閉塞手段を閉じるとともに第1閉塞手段を開け、かつ、血液ポンプの送液を停止するとともに弾性チューブの閉塞を解除することにより、蓄圧工程で高めた第2閉塞手段と血液ポンプとの間の血液回路内の輸液の圧力を放圧させて血液を上流側へ輸液で押し出して返血する動脈側返血工程と、
    を行なわせる返血工程制御手段を具備していることを特徴とする血液浄化装置。
  2. 前記蓄圧工程における血液ポンプの送液動作を、前記蓄圧が行われる血液回路内に設けられた圧力検出手段による検出圧力が予め設定された圧力に至るまで、あるいは血液ポンプの送液動作開始から予め設定された時間が経過するまで行なうように構成されている、請求項1に記載の血液浄化装置。
  3. 前記動脈側返血工程における圧力の放圧を、前記蓄圧が行われる血液回路内に設けられた圧力検出手段による検出圧力が予め設定された圧力に至るまで、あるいは圧力の放圧開始から予め設定された時間が経過するまで行なうように構成された、請求項1または2に記載の血液浄化装置。
  4. 前記蓄圧が行われる血液回路内に圧力計測手段が設けられ、前記静脈側返血工程と蓄圧工程との間で、第1閉塞手段を開け、第2閉塞手段と第3閉塞手段を閉じるとともに血液ポンプによる弾性チューブの閉塞を解除して、蓄圧される血液回路内の蓄圧前の圧力を測定する蓄圧前圧力測定工程を行なうように構成されている、請求項1〜3のいずれかに記載の血液浄化装置。
  5. 前記動脈側返血工程における圧力低下挙動に応じて、血液ポンプの弾性チューブの閉塞を解除する速度、および/または、第1閉塞手段の開放速度を制御するように構成されている、請求項1〜4のいずれかに記載の血液浄化装置。
  6. 輸液として生理食塩液、または、透析液を用いる、請求項1〜5のいずれかに記載の血液浄化装置。
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