JP2004048924A - Vcm及びvcmの組立て方法並びにこれを用いた磁気ディスク装置 - Google Patents

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神田 博之
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Abstract

【課題】磁気的な特性のバラツキによって推力の変化を生じないようにしたVCMを提供するとともに、このようなVCMを簡単な方法で精度良く組立てるVCMの組立方法を提供し、さらにこのようなVCMを用いて安価に高性能な磁気ディスク装置を提供する。
【解決手段】回動中心7と、回動中心7の半径方向に設けられたシャーシの位置決め穴30と、位置決め治具36とによりVCM用のマグネット6が磁気的に位置決めされる。位置決め治具36はピボット軸の軸心に設けられた中心穴7aに対応して回動中心を拾う位置決めピン31と回動中心に対し半径方向でコイル9の外側で所定の位置に設けられたシャーシの位置決めの穴30に対応する回り止めピン32及びこれらの間に配置された2本の支持アーム33、スペーサ34、ホルダー35、導体37により構成される。
【選択図】  図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パーソナルコンピュータなどに用いられる揺動型のVCM(Voice Coil Motor)及びVCMの組立て方法並びにこれを用いた磁気ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の磁気ディスク装置におけるVCM(Voice Coil Motor)は、例えば、特開平5−266609号公報や、特開2001−344916号公報に見られるように、シャーシに対して下ヨーク、永久磁石、コイル、上ヨーク、トップカバーが積層構造になっているとともに薄型化を実現できるように前記シャーシの一部や、前記カバーの一部に、穴を設けて、厚みを低減できるように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年、パーソナルコンピュータは一層小型化され、性能も向上しており、磁気ディスク装置に要求される性能も高まっている。つまり、小型で大容量、高速の磁気ディスク装置が望まれている。
【0004】
しかしながら、上記従来のVCMや磁気ディスク装置においては、以下に述べる問題があった。すなわち、VCMや、磁気ディスク装置の小型・薄型化が更に求められる中、従来の構成では、VCMの回動範囲においてその推力の発生源であるマグネット自身の磁気的な位置精度を高めるように構成されていないため、VCMの回動範囲で、その推力が変化するという問題があった。
【0005】
更に詳しく述べると、例えば1つのマグネットが下側のヨークに固定されており、マグネットとヨークの機械的な寸法のみによって位置決めされている。これらのVCMにおいては、マグネットの磁気的な位置関係及び着磁による磁気的なバラツキなどが考慮されずに機械的な位置関係で組立てられる。つまり、これらに示す磁気的な特性のバラツキによって推力の変化が生じてしまい、VCMに流す電流値や、電流波形などを、ファームウェア(Firmware)などによって調整することで推力の変化を防止していた。このために、コストが増加したり、VCMの特性を制限して用いたりしてVCMの特性が向上しにくい、更には、VCMの消費電力が大きくなるなどの問題があった。
【0006】
本発明は上記従来の問題を解決するもので、磁気的な特性のバラツキによって推力の変化を生じないようにしたVCMを提供するとともに、このようなVCMを簡単な方法で精度良く組立てるVCMの組立方法を提供し、さらにこのようなVCMを用いて安価に高性能な磁気ディスク装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1記載のVCMは、一対のヨークと少なくとも片方の前記ヨークに取り付けられた面内2極に着磁されたマグネットを有し、前記一対のヨークの間に設けられる磁気ギャップ内に回動可能に支持され、一端に磁気ヘッドを有し、他端に前記磁気ギャップに配置されるコイルを有する揺動型のVCMにおいて、前記マグネットが磁気的に位置決めされるように構成したものである。この構成により、回動中心に対して、回動範囲において磁気的に所要の位置関係でマグネットを配置することができ、これにより、回動範囲において所要の磁気的な位置関係が実現でき、推力の変化を低減できる。
【0008】
また請求項2記載の磁気ディスク装置は、シャーシに格納された磁気ディスクと、磁気ヘッドと、前記請求項1記載のVCMとを備え、前記VCMのマグネットは、回動中心と前記回動中心の半径方向に設けられた前記シャーシの位置決め穴と磁界を発生する位置決め手段とにより磁気的に位置決めされるように構成したものである。この構成により、回動中心に対して、回動範囲において磁気的に所要の位置関係でマグネットを配置することができ、これにより、回動範囲において所要の磁気的な位置関係が実現でき、推力の変化を低減できる。これにより磁気ディスク装置のVCM推力のバラツキを低減することが可能になり、磁気ディスク装置のコスト低減ができる。
【0009】
また請求項3記載の磁気ディスク装置は、前記シャーシの位置決め穴は、前記コイルより外側に設けられるように構成したものである。この構成により、位置決め手段の位置を決定するピッチを大きく取ることができる。これによって、更なる位置精度の向上ができ、推力の変化をさらに低減することが可能となる。
【0010】
また請求項4記載の磁気ディスク装置は、前記位置決め手段の磁界により発生する力が、互いの位置関係が所要の関係にあるとき、回動方向に対して最も大きくなるように構成したものである。この構成により、マグネット自身が位置決め手段に対して倣うように位置が決まる。従ってマグネットの方からセルフアラインするので作業も容易に精度良くでき、さらにコストの低減も図れる。
【0011】
また請求項5記載の磁気ディスク装置は、前記位置決め手段の前記磁界を発生する手段は、前記マグネットの極ピッチに対して異なる関係としたものである。この構成により、マグネットの位置決めが、その磁気的センターに位置する場合に発生する力をバランスさせることができることによって位置決め精度を向上させることができる。
【0012】
また請求項6記載のVCMの組立て方法は、一対のヨークの少なくとも片方の前記ヨークに取り付けられたマグネットを面内2極に着磁する手順と、前記ヨークをシャーシに装着する手順と、前記一対のヨークの間に設けられる磁気ギャップ内に回動可能に支持され、一端に磁気ヘッドを有し、他端に前記磁気ギャップに配置されるコイルを有する揺動型のVCMの、回動中心と前記回動中心の半径方向に設けられた前記シャーシの位置決め穴とで位置決めされる位置決め治具を装着する手順と、前記位置決め治具により磁界を発生させる手順と、前記マグネットが磁気的に位置決めされる手順と、前記位置決めされた位置関係にて前記ヨークを固定する手順と、前記位置決め治具を前記シャーシより外し、前記磁気ギャップに配置される前記コイルを装着する手順を経て組立てられるようにしたものである。この手順により、回動中心に対して、回動範囲において磁気的に所要の位置関係でマグネットを配置することができる。これにより、回動範囲において所要の磁気的な位置関係が実現でき、推力の変化を低減でき、VCMの特性を確保できるとともに、簡単な方法で精度良くVCMを組立てることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0014】
図1は、本発明における磁気ディスク装置(以下HDDと略す)の分解斜視図である。図2は、本発明のHDDにおける要部断面図である。図3は、本発明のHDDの全体(回路基板部分を除く)を示す要部平面図である。図4は、本発明のVCM(Voice Coil Motor)の要部分解斜視図である。図5は、本発明における、位置決め治具についての斜視図である。図6は、位置決め治具の動作を説明する図である。図7は、位置決め方法の手順を示すフロー図である。
【0015】
図1乃至図3を用い本発明に係るHDDの構成を説明する。回路部分を除くHDDは、以下、HDA(Head Disk Assemble)と略す。HDA1は、上方が開口した概矩形箱状をしたアルミニウム製などのシャーシ2と、シャーシ2の上端開口部を塞ぐカバー3とを有している。また、HDA1内には、アルミニウムやガラスなどの非磁性基材上にスパッタリングなどによりCo−Cr系などの磁性材を付着させ、所要の潤滑材や保護膜などを形成した磁気記録媒体としてのディスク16、及び、ディスク16の下面にディスクを回転させるための回転軸16aが形成されている。
【0016】
スピンドルモータ(SPM)17は、ディスク16の回転軸16aを中央に設けられた軸受け部17aにて支持し回転させる。スピンドルモータ17の軸受けには、流体軸受けを用いており、モータの形態は周対向型のDDモータである。これにより、ディスク16を高い回転精度で回転できるようにしている。ディスク16の半径方向の振れについては、RRO(Repeatable Run−Out)及びNRRO(Non Repeatable Run−Out)などで規定された高精度の要求を満たすように設計されている。
【0017】
ディスク16に対して情報の記録または、再生を行う磁気ヘッド12は、磁気ヘッド12を支持するサスペンション10の先に、図示しないジンバルばねに取り付けられて、ロードビーム(図示せず)により付勢力が伝達されるようになっている。磁気ヘッド12には、図示しないスライダーに書込み用の薄膜ヘッドと、読出し用のGMRヘッドとが取り付けられている。また、スライダーは所要の形状を持たせたABS(Air Bearing Surface)面を持つ負圧スライダーにしてある。
【0018】
サスペンション10は、ピボット軸受け7によりディスク16のトラック方向(半径方向)に対して回動自在に支持されている。アクチュエータ19は、サスペンション10とコイルアーム8とで構成されている。アクチュエータ19は、VCM20により回動および位置決めされ磁気ヘッド12を所要のトラック方向に移動または位置決めされるようになっている。ディスク16の外周側には、アクチュエータ19の待避位置にランプ18が設けられており、HDDの動作停止の際に、アクチュエータ19を待避位置にアンロードし、HDDの非動作時に、アクチュエータ19を待避位置に保持する。磁気ヘッド12を電気的にヘッドアンプ14に接続するフレキシブル基板(FPC)15等が収納されている。
【0019】
シャーシ2の下面には、モータなどの動作等を制御する駆動回路や、読出し/書込み回路、HDC(Hard Disk Controller)などが実装された回路基板(図示せず)が固定され、これによりHDDが構成される。このHDDは、CSS(Contact Start Stop)の形態でなくロード/アンロード機構の形態をとっている。ディスク16は、HDDが動作又は非動作のとき、スピンドルモータ17により回転又は停止する。ディスク16の表面には、図示していないが、データおよびサーボ情報が記録されるトラックが同心円状に配置されている。トラックは、更に細かな(512Byte単位など)セクターに分割されている。また、トラック位置によって線記録密度がほぼ一定になるようにゾーンビット記録をするようになっている。
【0020】
図2において、コイルアーム8とサスペンション10とは、ピボット軸受け7に回動自在に支持されており、ピボット軸受け7に対してそれぞれが反対の位置関係に配置されている。また、サスペンション10の先端部には、ランプ18に待避するためのタブ11が設けられている。タブ11は、待避位置に移動したときに、ランプ18により保持される部分であり、ランプ18に接触する凸部が形成されている(図示せず)。これは、ランプ18との摩擦を低減してコンタミネーション(汚染)の防止とディスク16上から待避位置または、逆の移動の際に磁気ヘッド12の姿勢が変化してディスク16との接触を防止するためである。
【0021】
本実施形態におけるHDA(Head Disk Assemble)においては、1プラッター1ヘッドと称され、ディスク16の上面のみを記録面とし、1つの磁気ヘッドを用いる形態としている。磁気ヘッド12は、図示しない回路基板からデータをディスク16に記録、またディスク16に記録されたデータの読み出しを行う。記録については、16bit−17bitの変調方式を用いてByte単位でコードの変換を行い記憶容量の向上と記録・再生の特性の向上を行っている。これらの信号は、ヘッドアンプ14に接続されているFPC15を介して磁気ヘッド12との間で授受される。
【0022】
磁気ヘッド12は、スライダー(図示せず)に取り付けられ、サスペンション10により与えられる付勢力によりディスク16に付勢されている。スライダーは前述のように所要の形状を持たせたABS面を持つ負圧スライダーにしてあり、ディスク16の回転により発生する空気流の流入により、所要の正圧及び負圧を生じ非常にわずかな浮上量(10〜30nm)にて安定して浮動するようになっている。
【0023】
VCM20は、コイル9と、上ヨーク4、下ヨーク5、マグネット6とから構成されている。アクチュエータ19のコイルアーム8に固定されたコイル9の下端面には、所定の空隙を介してマグネット6が対向配置されている。マグネット6は、下ヨーク5に固定されている。コイル9の上方には、所定の空隙を介して上ヨーク4が対向配置されている。この構成により磁気回路を形成し、コイルアーム8を、上ヨーク4とマグネット6とに挟まれた空間に配置してあるので、コイル9が回動可能となっている。マグネット6は、エネルギー積の高いNd−Fe系の焼結製のもので、表面をNiなどによる防錆処理し面内を2極に着磁して用いている。
【0024】
ランプ18は、タブ11に対応する斜面、平面などから形成される複合平面(図示せず)を有しており、アンロード時のサスペンション10の揺動に伴うタブ11の運動方向、すなわちディスク16の径方向外側に向けて、上記複合平面が配置されて、シャーシ2に固定されている。なお、アクチュエータ19とVCM20とランプ18とで、ロード/アンロード機構を構成している。
【0025】
VCM20の構成について図4を用いて更に詳しく説明する。図4において、マグネット6は、面内2極に着磁されており、上面が、S極となっている6Sと、N極となっている6N及びその間に挟まれているニュートラルゾーンと呼ばれる6aとから成り立っている。マグネット6は、下ヨーク5に対して嫌気性の接着剤などを用いて固定される。マグネット6の上方には、コイル9、上ヨーク4が空隙を持って配置される。下ヨーク5は、シャーシ2に設けられた取付け穴2aに嵌入され、下ヨーク5に設けられた貫通穴5aを通しシャーシ2上の取付け用のねじ穴21に対して、ねじ22により下側より取り付けられるようにしてある。取付け穴21と貫通穴5aは、下ヨーク5がアクチュエータ19の回動する面と平行の面内に適当な隙間が設けられるように構成されている。シャーシ2に設けられた位置決め用の穴30は、ピボット軸受け7に対してその半径方向で、コイル9の外側に配置されている。形状は、ピボット軸受け7に対してその半径方向が長い長穴にしている。これらの隙間や、穴の形状などについては適宜その寸法を設定することができ、HDA(Head Disk Assemble)を構成した時には、図示しないが適当なシール及び薄膜状フィルム等により、空隙を封止して外気からの粉塵等の混入を防ぐようにされる。
【0026】
次にHDDについて、その動作を説明する。まず、図示していない回路基板に搭載された駆動回路への駆動信号により、スピンドルモータ17が駆動され、それに連れてディスク16が所定の回転速度で回転する。本実施形態においては、所定の回転速度を3,000S−1(3,000 revolution per second)としてある。ランプ18に退避していた磁気ヘッド12がVCM20によりピボット軸を中心に回動し磁気ヘッド12をディスク16面へとロードする。ディスク16の回転により発生した空気流が、スライダーとディスク16との間を通る。これにより、スライダーは、サスペンション10の付勢力に抗して、ディスク16との間で非常にわずかな浮上量(10〜30nm)にて安定して浮動する。これにより磁気ヘッド12のロードが完了する。続いて、トラック情報などを読み取り、アクワイヤーと呼ばれるトラック認識などの一連の動作が行われる。
【0027】
次にVCMの動作について説明する。VCM20はコイル9に通電されると、マグネット6からの磁束とコイル9の電流とによってフレミングの左手の法則に従って推力が発生する。コイル9は、マグネット6が固定されているのでその反作用として推力を発生しコイル9を保持しているコイルアーム8を有するアクチュエータ19をピボット軸に対して回動させる。これにより、アクチュエータ19はコイル9への通電量に応じた角度で回動される。サスペンション10に支持された磁気ヘッド12は、ディスク16の半径方向に沿って、ディスク16上を浮上状態で移動し、所望のトラック上に位置決めされディスク16に対して情報の記録、再生が行われる。
【0028】
VCM20への推力は、ピボット軸受け7の回動中心に対するマグネット6の取付精度により影響される。つまり、コイル9に対して鎖交する磁束の影響を受けるからである。これは、推力の発生が磁束B×電流I×長さLの法則(磁束×電流×長さ 則)によるためであり、その主要因がマグネット6の取付精度によるものと考えられる。マグネット6の取付精度の低下によって、推力が回動方向の位置によって変化したり、推力が全体に不足したりすることがある。これらに対しては、回動方向の位置つまり、トラックの位置に対してコイル9に流す電流値を調整したり、サーボループのゲイン調整などをHDAごとに行ったり、ファームウェア(Firmware)などに電流調整などのステップを入れることなどで対応していた。
【0029】
従来、マグネット6の取付精度を低下させている要因としては、下ヨーク5のシャーシ2への取付け位置精度、下ヨーク5に対するマグネット6の位置精度、着磁時の位置精度などが結果として考えられている。また、上ヨーク4及び下ヨーク5自身の大きさについては位置精度に影響されないような大きさにしている。しかし、位置精度の持つ意味としては、ピボット軸に対して所要の位置にマグネット6を配置することではなく、所要の位置関係に磁気的にマグネット6を配置することに意味がある。
【0030】
次に図5を用いて所要の位置関係に磁気的にマグネットを配置することを説明する。図5において位置決め治具36はピボット軸の軸心に設けられた中心穴7aに対応して回動中心を拾う位置決めピン31と回動中心に対し半径方向でコイル9の外側で所定の位置に設けられたシャーシ2の位置決めの穴30に対応する回り止めピン32及びこれらの間に配置された2本の支持アーム33、スペーサ34、ホルダー35、導体37により構成されている。位置決めピン31は、工具鋼などの丸棒を焼き入れ研磨して先端部分にはテーパを付けて中心穴7aに対して挿入しやすくしかも精度良く回動中心が拾えるようにしてある。回り止めピン32も位置決めピン31と同様に作られるが、回動方向に対する幅が規制される形状であれば丸棒に限定されない。図5は角棒で例示している。
【0031】
2本の支持アーム33は、非磁性体の絶縁体で作られており、支持アーム33内に導体37が通してある。導体37に対しては電源38により電流が流される。導体37はそれぞれ電源38より同じ電流が供給されるように、電気抵抗が同じとなるように作られているが、電源38を2つ用いてそれぞれに同じ電流値が供給されるように構成しても良い。スペーサ34及びホルダー35は、所要の強度を持った絶縁体で作られる。また、導体37に流す電流により発生するジュール熱についても考慮されており、本実施形態では熱伝導率の良いセラミックを用いてある。本実施形態においては2本の支持アーム33の間隔は、コイルS極とN極それぞれにおいてマグネット6の着磁された磁気的な中心の位置の間隔(極ピッチ)よりも広くなるように配置されている。
【0032】
図6は、図5に示した位置決め治具36の動作を説明するための図である。図6においては上から順に、2本の支持アーム33の位置、磁極、磁束分布が示されている。2本の支持アーム33の中間位置は、マグネット6のS極とN極の磁気的なセンターと異なる位置である。このとき、支持アーム33に対する力は内部に通してある導体37に対するフレミングの左手の法則により、磁束分布Bに従ってS極側では左向きの力50がかかり、N極側では右向きの力51がかかる。ここで、2本の支持アーム33の間隔はマグネット6の極ピッチよりも広く配置されているので、右向きの力51より左向きの力50の力が大きくなる。したがって、支持アーム33には左向きの力(正確には50と51との差に等しい大きさ)がかかることになる。そして、左向きの力と右向きの力が等しくなる位置が最も安定する位置になる。
【0033】
また、電流を逆向きに流したと仮定すると、上記の動作と同様にして作用を及ぼすが、右向きの力50’及び左向きの力51’の力のバランスから、磁極の中心に対して安定できなくなることが理解される。この場合、前述とは逆に2本の支持アーム33のピッチを、S極とN極の磁気的な中心の位置の間隔より狭くすることで同様の効果が得られ、この問題を解決することができる。これらの条件については、適宜選択することで同様の効果を奏することが容易に理解されよう。従って、この方法によれば、支持アーム33により磁気的に所要の位置に位置決めすることができる。この場合には、更にS極とN極の磁気的なバランスを含め、VCM20のコイル9にとって所要の位置関係とすることになる。更には、位置決め治具36を固定し、マグネット6の固定されている下ヨーク5をフリーにすることによって、下ヨーク5が位置決め治具36に対して所要の位置関係に倣うようにしてある。これにより、下ヨーク5が位置決め治具36に対してセルフアラインするのでこの状態でねじ22により下ヨーク5をシャーシ2に対して固定すればなお作業性が向上する。
【0034】
次に、図7を用いてVCMの組立て手順について説明する。図7は、本発明におけるVCM20の組立て手順を示すものである。まず、下ヨーク5とマグネット6とを接着し下ヨークASM(Assembly Module)とする手順40により未着磁の下ヨークASMを組立てる。マグネット6を着磁する手順41により、面内2極に着磁し下ヨークASMが完成する。
【0035】
この場合の着磁は、通常のパルス着磁で行われる。着磁ヨークには所要の位置決めが設けられている。着磁に関しての確認または検査は、マグネットビューワーや、Fluxメータなどを用い、着磁電圧を管理対象として行われる。次にピボット軸受け7が取り付けられたシャーシ2に下ヨークASMを装着する手順42、回動中心となるピボット軸受け7の中心とシャーシ2の位置決め穴30を拾い位置決め治具36をシャーシ2に装着し、通電する手順43により組立て準備が完了する。
【0036】
次に、前述の説明のように下ヨークASMが位置決め治具36に対してセルフアラインして所要の位置に位置決めされる。ねじ22により下ヨークASMをシャーシ2に固定する手順44、位置決め治具36をシャーシ2より外す手順45により下ヨークASMの組立てが完了する。その後にコイル9、アクチュエータ19を装着する手順46、上ヨーク4を組立てる手順47を経てVCM20の組立てが完了する。
【0037】
以上説明したようにVCM20の機械的な位置精度、下ヨーク5に対するマグネットの貼り付け位置誤差、着磁誤差などの誤差要因を含めVCM20の位置決めが容易にできる。これにより、コイル9に鎖交する磁束密度Bを安定化することができ、結果として推力の変動を防止することができる。これにより、VCM20さらには、VCM20を用いたHDDの特性向上や、コストの低減を図ることができる。
【0038】
以上に説明した本実施形態に対して、上ヨーク4にもマグネット6が配置される場合や本発明思想を基づいて適宜構成変更することも本発明の技術思想に含まれることは明らかである。
【0039】
【発明の効果】
以上に示した本実施形態の説明から明らかなように、本発明は、揺動型のVCMにおいて、回動中心と、回動中心の半径方向に設けられたシャーシの位置決め穴と、磁界を発生する位置決め手段とによりVCM用のマグネットが磁気的に位置決めされるように構成したものである。この構成によって、回動中心に対して、磁気的に所要の位置関係でマグネットを配置できることにより、コイルに鎖交する磁束密度を安定化することができ結果として推力の変動を防止することができる。これにより、VCM、さらには、VCMを用いたHDDの特性向上や、コストの低減を図ることができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態におけるHDDの分解斜視図
【図2】本発明の実施形態におけるHDDの要部断面図
【図3】本発明の実施形態におけるHDDの要部平面図
【図4】本発明の実施形態におけるVCMの要部分解斜視図
【図5】本発明の実施形態における位置決め治具の斜視図
【図6】本発明の実施形態における治具の動作を説明するための図
【図7】本発明の実施形態における位置決め手順を示すフロー図
【符号の説明】
1 HDA
2 シャーシ
2a 穴
3 カバー
4 上ヨーク
5 下ヨーク
5a 穴
6 マグネット
6a ニュートラルゾーン
6N N極
6S S極
7 ピボット軸受け
7a 中心穴
8 コイルアーム
9 コイル
10 サスペンション
11 タブ
12 磁気ヘッド
14 ヘッドアンプ
15 FPC(フレキシブル基板)
16 ディスク
16a 回転軸
17 スピンドルモータ
17a 軸受け部
18 ランプ
19 アクチュエータ
20 VCM
21 取付けねじ穴
22 ねじ
30 位置決め用の穴
31 位置決めピン
32 回り止めピン
33 支持アーム
34 スペーサ
35 ホルダー
36 位置決め治具
37 導体
38 電源
40〜48 組立て手順
50 左向きの力
50’ 右向きの力(電流の向きが逆)
51 右向きの力
51’ 左向きの力(電流の向きが逆)

Claims (6)

  1. 一対のヨークと少なくとも片方の前記ヨークに取り付けられた面内2極に着磁されたマグネットを有し、前記一対のヨークの間に設けられる磁気ギャップ内に回動可能に支持され、一端に磁気ヘッドを有し、他端に前記磁気ギャップに配置されるコイルを有する揺動型のVCMにおいて、前記マグネットが磁気的に位置決めされることを特徴とするVCM。
  2. シャーシに格納された磁気ディスクと、磁気ヘッドと、前記請求項1記載のVCMとを備え、前記VCMのマグネットは、回動中心と前記回動中心の半径方向に設けられた前記シャーシの位置決め穴と磁界を発生する位置決め手段とにより磁気的に位置決めされることを特徴とする磁気ディスク装置。
  3. 前記シャーシの位置決め穴は、前記コイルより外側に設けられることを特徴とする請求項2に記載の磁気ディスク装置。
  4. 前記位置決め手段の前記磁界により発生される力は、互いの位置関係が所要の関係にあるとき、前記回動方向に対して最も大きくなることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の磁気ディスク装置。
  5. 前記位置決め手段の前記磁界を発生する手段は、前記マグネットの極ピッチに対して異なる関係としたことを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の磁気ディスク装置。
  6. 一対のヨークの少なくとも片方の前記ヨークに取り付けられたマグネットを面内2極に着磁する手順と、前記ヨークをシャーシに装着する手順と、前記一対のヨークの間に設けられる磁気ギャップ内に回動可能に支持され、一端に磁気ヘッドを有し、他端に前記磁気ギャップに配置されるコイルを有する揺動型のVCMの、回動中心と前記回動中心の半径方向に設けられた前記シャーシの位置決め穴とで位置決めされる位置決め治具を装着する手順と、前記位置決め治具により磁界を発生させる手順と、前記マグネットが磁気的に位置決めされる手順と、前記位置決めされた位置関係にて前記ヨークを固定する手順と、前記位置決め治具を前記シャーシより外し、前記磁気ギャップに配置される前記コイルを装着する手順を経て組立てられることを特徴とするVCMの組立て方法。
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