JP2004048637A - ディジタル無線機の変調方式切り替え装置およびプログラム - Google Patents
ディジタル無線機の変調方式切り替え装置およびプログラム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】複数の変調方式を通信品質に応じて切り替え可能な、ディジタル無線機の変調方式切り替え装置およびその手順をコンピュータに実行させるプログラムを得ることを目的とする。
【解決手段】複数の変調方式のいずれかを用いて送信信号を変調する変調部16と、受信信号に付加された誤り訂正符号から、受信信号のビット誤りを検出して訂正すると共に受信信号のビット誤りを検出してビット誤り情報を出力するCRC誤り訂正回路14と、ビット誤り情報に基づいて変調部16が用いる変調方式を切り替える変調方式切り替え制御部17と、を有する変調方式切り替え装置、およびこれらの構成が実行する過程を含む手順を実行させるプログラムである。
【選択図】 図1
【解決手段】複数の変調方式のいずれかを用いて送信信号を変調する変調部16と、受信信号に付加された誤り訂正符号から、受信信号のビット誤りを検出して訂正すると共に受信信号のビット誤りを検出してビット誤り情報を出力するCRC誤り訂正回路14と、ビット誤り情報に基づいて変調部16が用いる変調方式を切り替える変調方式切り替え制御部17と、を有する変調方式切り替え装置、およびこれらの構成が実行する過程を含む手順を実行させるプログラムである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ディジタル無線機の変調方式切り替え装置およびディジタル無線機の変調方式切り替え手順をコンピュータに実行させるプログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ディジタル無線機の例として、PHS(Personal Handy Phone System)について説明する。図17は、例えば「やさしいパーソナルハンディホン」(電気通信協会)の第45頁から第46頁に記載された、従来のPHS無線機の変調方式切り替えを示す概念図である。図17では、通信中の通信品質を改善する例が示されている。図17において、51はPHS基地局であり、52はPHS端末である。
【0003】
次に、動作について説明する。
図18は、従来のPHS無線機の、通話中の通信品質改善のための通話チャネル(Tch)切替に必要な、無線機内部の閾値テーブルの一例を示した図である。外来妨害波による干渉及び電波伝搬環境の変動に対して、通話チャネル(Tch)の通信品質が劣化した場合、PHS端末52は、通信中の受信レベル(図18の横軸)及びCRC誤り検出に基づくFER(Frame Error Rate:図18の縦軸)をPHS端末52の内部で測定し、その情報に基づき、PHS端末52の内部であらかじめ持っている閾値テーブル(図18)に従い、通信品質の悪い場合(図18の斜線で示された部分の場合)には図17に示すように、Tchの使用スロットを(S2からS4へ)切り替えることにより、又は使用周波数を(f1からf2へ)切り替えること(Tch切り替え)により、通信品質を確保する。
【0004】
Tch切り替えは、通信品質が悪いと判定したPHS基地局51またはPHS端末52が主導して実施される。例えば、PHS端末52側で通信品質が悪いと判断された場合、PHS端末52側よりPHS基地局51に対し、Tch切り替え要求を行ない、その要求に対し、PHS基地局51で使用スロット又は使用周波数の切り替え条件を決定し、決定された切り替え条件で、PHS端末52側と同期が確立することを確認するための同期バーストの送受信を行ない、正常に送受信されたことを確認した後、Tch切り替え後の通信を再開する。
【0005】
PHS高度化技術で採用される各種変調方式においては、それぞれC/N対BER(Bit Error Rate)特性、伝送容量などが異なる。データ伝送で求められる通信回線のスループット向上のためには、伝送容量の大きい変調方式を適用すれば良いが、C/N対BER特性は伝送容量の小さい変調方式に比較して悪くなる。そのため、伝送容量の大きい変調方式は外来妨害波による干渉及び電波伝搬環境の変動に対しても弱く、通信品質が良好でないとその効果は小さい。従って、通信品質に応じて変調方式の切り替えを適宜実施し、通信回線のスループットを向上させることが必要になる。
【0006】
ディジタル無線機の例として、自動車・携帯電話システムについて説明する。上記したPHS無線機においてはCRC誤り検出のみを実施し、PHS基地局とPHS端末の無線区間での誤り訂正は基本的に実施されていない。それに対し、自動車・携帯電話システムでは、無線機の送信側から受信側、例えば基地局側から端末側への1方向で、誤り検出・訂正を行なうFEC(Forward Error Correction)と、誤り検出結果をもとに送信側にデータの再送要求を行なう、ARQ(Automatic Recovery Quotient)を組合せた誤り制御により、通信品質が劣化して発生するビット誤りを、誤り訂正回路の誤り訂正能力に準じて防ぐことにより通信品質を確保している。
【0007】
自動車・携帯電話システムで各種変調方式が採用される場合においても、上記PHS無線機と同様に、各種変調方式に対するC/N対BER特性、伝送容量などが異なる。データ伝送で求められる通信回線のスループット向上のためには、伝送容量の大きい変調方式を採用すれば良いが、C/N対BER特性は伝送容量の小さい変調方式に比較して悪くなる。そのため、伝送容量の大きい変調方式は、外来妨害波による干渉及び電波伝搬環境の変動に対しても弱く、通信品質が良好でないと、上記FEC、ARQを組合せた誤り制御を用いても、誤り訂正能力を超えたビット誤りが発生すればその効果は小さくなる。従って、通信品質に応じて変調方式切り替えを適宜実施し、通信回線のスループットを向上させることが必要になっている。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−269938公報
【非特許文献1】
小川圭祐(編著)、小林忠男(編著)「やさしいパーソナルハンディホン」電気通信協会、1995年2月、p45−46
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来のディジタル無線機の変調方式切り替えは以上のように構成されているので、変調方式が限定されており、通信品質状態により変調方式を切り替えて通信品質を確保することができないという課題があった。また、PHSシステムの場合、Tch切替実施中は、ユーザ情報を有する送信信号は破棄されていたため、PHS無線機を用いたデータ伝送では、破棄された信号を再送する必要があり、回線スループットが低下するという課題があった。更に、自動車・携帯電話システムの場合、無線機の誤り訂正能力以上のビット誤りがあると、誤り訂正が実施できず信号を再送する必要があり、回線スループットが低下するという課題があった。
【0010】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、複数の変調方式を通信品質に応じて切り替え可能な、ディジタル無線機の変調方式切り替え装置およびディジタル無線機の変調方式切り替えをコンピュータに実行させるためのプログラムを得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るディジタル無線機の変調方式切り替え装置は、複数の変調方式のいずれかを用いて送信信号を変調する変調部と、受信信号に付加された誤り訂正符号から受信信号のビット誤りを検出して訂正すると共に受信信号のビット誤りを検出してビット誤り情報を出力する誤り訂正回路と、ビット誤り情報に基づいて変調部が用いる変調方式を切り替える変調方式切り替え制御部と、を有するものである。
【0012】
この発明に係るディジタル無線機の変調方式切り替え装置は、複数の変調方式のいずれかを用いて送信信号を変調する変調部と、復調された受信信号の軟判定値を出力する軟判定値出力部と、上記軟判定値に基づいて上記変調部が用いる上記変調方式を切り替える変調方式切り替え制御部と、を有するものである。
【0013】
この発明に係るプログラムは、受信信号に付加された誤り訂正符号から上記受信信号のビット誤りを検出して訂正すると共に上記受信信号のビット誤りを検出してビット誤り情報を生成する誤り訂正手順と、上記ビット誤り情報に基づいて変調方式を切り替える変調方式切り替え制御手順とをコンピュータに実行させるためのものである。
【0014】
この発明に係るプログラムは、復調された受信信号の軟判定値を生成する軟判定値出力手順と、上記軟判定値に基づいて変調方式を切り替える変調方式切り替え制御手順とをコンピュータに実行させるためものである。
【0015】
この発明に係るプログラムは、受信信号に付加された誤り訂正符号から上記受信信号のビット誤りを検出して訂正すると共に、上記受信信号のビット誤りを検出してビット誤り情報を生成する誤り訂正手順と、復調された受信信号の軟判定値を生成する軟判定値出力手順と、上記ビット誤り情報および上記軟判定値に基づいて変調方式を切り替える変調方式切り替え制御手順とをコンピュータに実行させるためのものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による、ディジタル無線機の変調方式切り替え装置を適用した、PHS無線機の構成例を示す図である。図1において、11はTDMA/TDD(Time Division Multiple Access/Time Division Duplex)処理部であり、12はCRC(Cyclic Redundancy Check)エンコーダであり、13はCRCデコーダであり、14はCRC誤り訂正回路であり、16は変調部であり、17は変調方式切り替え制御部であり、18は復調部であり、21はRF(Radio Frequency)部であり、22はアンテナであり、23は受信レベル検出部であり、24はメモリであり、25はCPUである。
【0017】
次に、動作について説明する。
始めに、図1における送信信号の流れについて説明する。
ユーザ情報がTDMA/TDD処理部11に入力され、チャネルコーディング及びTDMAフレーム上へのマッピングが行なわれて、ユーザ情報を有する送信信号が生成される。チャネルコーディングの際に、CRCエンコーダ12によりフレーム誤り検出用のCRC符号が付加される。そして、TDMA/TDD処理部11からユーザ情報を有する送信信号(ベースバンド信号)が出力され、変調方式切り替え制御部17で指定された変調方式によって変調部16で変調され、変調された送信信号が変調部16からRF部21に入力される。入力された変調送信信号は、RF部21でRF周波数変換及び信号増幅を施されてアンテナ22より放射される。
【0018】
次に、図1における受信信号の流れについて説明する。
アンテナ22で受信されたRF受信信号は、RF部21で信号増幅及びIF周波数変換を施されて復調部18で復調され、復調された受信信号がTDMA/TDD処理部11へ入力される。入力された復調受信信号は復号され、復号された受信信号(復号信号)からユーザ情報が抽出されて、ユーザ情報がTDMA/TDD処理部11から出力される。
【0019】
従来のPHS無線機の変調方式切り替え方法では、TDMA/TDD処理部11の受信部にあるCRCデコーダ13が、送信側の相手方無線機で付加されたCRC符号からフレーム誤りの有無を検出し、受信レベル検出部23の検出結果と組み合わせ、メモリ24に格納されている図18の閾値テーブルに従い、通話チャネル(Tch)の使用スロット又は使用周波数を切り替える(Tch切替を実施する)。
【0020】
一方、この発明の実施の形態1によるPHS無線機の変調方式切り替え装置では、TDMA/TDD処理部11の受信部にあるCRC誤り訂正回路14は、送信側の相手方無線機で付加されたCRC符号から、フレーム誤りなし判定(後述する図6の、ステップST30に相当する)、フレーム内1ビット誤り検出・訂正(後述する図6の、ステップST50に相当する)及びフレーム内複数ビット誤り検出(後述する図6の、ステップST40に相当する)を行なう。
【0021】
フレーム内複数ビット誤りを検出した場合は、さらに、受信側のPHS無線機が、外来妨害波による干渉及び電波伝搬環境の変動などにより、通信に使用している変調方式に必要な通信品質が確保されていないと判断し、送信側の相手方無線機に変調方式切り替え要求(又は指示)を通知し、受信側の自方無線機(PHS無線機)および送信側の相手方無線機の変調方式切り替え制御部17により、変調部16の変調方式の切り替えが実施される。例えば、通信中の変調方式が変調部16に示した16QAM(sixteen Quadrature Amplitude Modulation)である場合に、複数ビット誤りが検出されると、Tch切替と同様に使用スロット又は使用周波数を切り替えても通信品質が確保できていないと判断し、16QAMから8PSK(eight Phase Shift Keying)へ、8PSKからπ/4シフトQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)へ、π/4シフトQPSKからBPSK(Binary Phase Shift Keying)へと順次変調方式を切り替えていくことにより、外来妨害波による干渉及び電波伝搬環境の変動などに対しても通信品質を確保することを可能にする。
【0022】
ここで、CRC誤り訂正回路14について説明をする。
図5は、PHSのTch物理フォーマットを示す図である。図5において、Rは過渡応答用ランプタイムであり、SSはスタートシンボルであり、PRはプリアンブルであり、UWは同期ワードであり、CIはチャネル種別であり、SAはSACCH(付随制御チャネル)であり、TCHは通話チャネルであり、CRCは誤り検出用CRC符号である。図5に示すPHSのTch物理フォーマットにおいて、CRC符号は、CI、SA及びTCHの180ビット情報符号系列に対してCRCエンコーダにより16ビット付加される。CIより前のビットは無線機の間の同期の確立などに必要なビットである。ここで、情報符号系列(CI,SA,TCH)をP(X)とし、CRC生成多項式をG(X)とし、CRCをR(X)とすると、以下のようになる。
【0023】
P(X)およびG(X)はそれぞれ、
P(X)=a0 +a1 X1 +・・・+a179 X179 (1)
G(X)=1+X5 +X12+X16 (2)
と表現することができる。
【0024】
R(X)は、P(X)をG(X)で割った時の剰余であるから、その時の商をQ(X)とすると、
X16・P(X)=G(X)Q(X)+R(X) (3)
と表現することができる。一方、送信符号系列T(X)は、Tch情報符号系列、CRCの順に並べたものなので、
T(X)=X16・P(X)+R(X) (4)
と表現することができる。
【0025】
式(3)を式(4)に代入すると
ここで、式(5’)の第2項は、EXOR演算によりゼロとなるので、
T(X)=G(X)Q(X) (5)
と表現することができる。
式(5)により、T(X)が誤りなく送信された場合、生成多項式G(X)で割り切れる(後述する図6の、ステップST20でYESとなる)ことがわかる。
【0026】
次に、この送信符号系列T(X)に1ビット誤りE(X)が付加された場合を考える。この時、受信符号系列U(X)は、
U(X)=T(X)+E(X) (6)
と表現される。式(5)より、T(X)はG(X)で割り切れるため、U(X)をG(X)で割った時の剰余S(X)は、E(X)をG(X)で割った剰余に等しくなる。これは、誤りが付加された時、G(X)で割った剰余S(X)は、T(X)によらずE(X)だけによって決まることを意味する。
【0027】
kビット目(k=1,2,・・・,196)の1ビット誤りE(X)を、
Ek (X)=X196−k (7)
とおく。Ek (X)をG(X)で割った時の商をQk (X)、剰余をSk (X)とすると、
k≦180のとき
Ek (X)=G(X)Qk (X)+Sk (X) (8)
k>180のとき
Ek (X)=Sk (X) (∵Qk (X)=0) (8’)
と表現できる。
【0028】
また、式(7)よりEk (X)=X−1Ek−1 (X)が成り立つから、
Xk−1 Ek (X)=・・・=E1 (X) (9)
と表現できる。そして、式(8)、式(8’)、および式(9)より
Xk−1 Ek (X)=G(X)Q1 (X)+S1 (X) (10)
と表現できる。
【0029】
式(10)は、kビット目の誤りEk (X)を、(k−1)ビットだけシフトした情報列(CRC計算処理の後、(k−1)個の0を入力したもの)を、G(X)で割った剰余Sk (X)が、S1 (X)すなわち1ビット目の誤りの剰余に等しくなることを表している。従って、第1ビット誤りの時の剰余パターン(S1 (X)=0000110111100010)のみを記憶することにより、全ての単一ビット誤りがCRC計算処理の後、入力した0の個数で誤り位置を検出(後述する図6の、ステップST21でYESとなるkを検出)し、訂正することが可能である。
【0030】
CRC誤り訂正回路14による複数ビット誤り検出は、後述する図6に示す誤り検出フローに示されているように、送信符号系列T(X)がCRC生成多項式G(X)で割り切れず(図6のステップST20でNOとなり)、かつ、kビット誤りEk (X)でk=1〜196の全ての場合で、(k−1)ビットだけシフトした情報列剰余パターンがS1 (X)と一致しなかった場合(図6のステップST24で、YESとなる場合)となる。
【0031】
図6は、誤り検出フローを示す図である。
ステップST10で、k=1とする。ステップST11で受信側のCRCの計算を行ない、T(X)、G(X)、およびS(X)(S1 (X))を求める。ステップST20では、T(X)/G(X)の剰余S(X)が0に等しいか否かが判定され、等しい場合にはステップST30に進み、等しくない場合にはステップST21に進む。
【0032】
ステップST30では、ステップST20での判定結果が「T(X)/G(X)の剰余S(X)が0に等しい」ので、フレーム内誤りなしと判定する。
【0033】
ステップST21では、ステップST20での判定結果が「T(X)/G(X)の剰余S(X)が0に等しくない」ので、フレーム内1ビット誤りを検出するために、剰余Sk (X)=Sk (X)となるか否かが判定され、剰余Sk (X)がS1 (X)と等しい場合には、ステップST50に進み、剰余Sk (X)がS1 (X)と等しくない場合には、ステップST22に進む。
【0034】
ステップST50では、ステップST21での判定が「剰余Sk (X)がS1 (X)と等しい」ので、フレーム内の第kビットの誤りが検出されたと判断し、この第kビットの訂正を行なう。
【0035】
ステップST22では、第1ビット誤りの時の剰余パターン(Sk (X)=0000110111100010)を記憶しているCRC計算回路に0を入力し、S1 (X)を1ビットだけシフトする。ステップST23では、kを1増加させる。
【0036】
ステップST24では、kの値が196より大きいか否かを判定し、k>196の場合にはステップST40に進み、k≦196の場合にはステップST21に戻る。
【0037】
ステップST21−ステップST22−ステップST23−ステップST24−ステップST21のループは、ステップST21で剰余Sk (X)=S1 (X)となってステップST50に進むまで、k=1,2,3,...のSk (X)に対して繰り返され、k=196のSk (X)に対してもSk (X)=S1 (X)とならない場合(ステップST24でk>196となる場合)には、ステップST40に進む。
【0038】
ステップST40では、k=1から196の全てのkについてSk (X)=S1 (X)とならなかったので、フレーム内複数ビット誤りが生じていると判定して、複数ビット誤り情報を生成する。
【0039】
以上のように、この実施の形態1のディジタル無線機の変調方式切り替え装置は、複数の変調方式のいずれかを用いて送信信号を変調する変調部(16)と、受信信号に付加されたCRC符号から受信信号のフレーム内1ビット誤りを検出して訂正すると共に受信信号の複数ビット誤りを検出して複数ビット誤り情報を出力するCRC誤り訂正回路(14)と、複数ビット誤り情報に基づいて変調部(16)が用いる変調方式を切り替える変調方式切り替え制御部(17)とを有するものである。
【0040】
以上の説明では、この実施の形態1をPHS無線機を例にしたディジタル無線機の変調方式切り替え装置として説明したが、コンピュータに実行させるためのディジタル無線機の変調方式切り替えプログラムとしてこの実施の形態1を実施することもできる。
【0041】
図9は、この発明の実施の形態1のPHS無線機を例にしたディジタル無線機の、変調方式切り替えのフローチャートである。
【0042】
次に、動作について説明する。
ステップST60では、図6に示す誤り検出フローにしたがって、CRC誤り訂正回路14を用いて、送信側の相手方無線機で付加されたCRC符号により、フレーム誤りなし判定(図6のステップST30に相当する)、フレーム内1ビット誤り検出・訂正(図6のステップST50に相当する)及びフレーム内複数ビット誤り検出(図6のステップST40に相当する)を行ない、フレーム内複数ビット誤りが検出された場合には複数ビット誤り情報を生成する。
【0043】
ステップST80では、ステップST60で複数ビット誤り情報が生成された場合に、この複数ビット誤り情報に基づいて変調方式切り替え制御部17を用いて、変調部16の変調方式を切り替える。
【0044】
以上のように、この実施の形態1のPHS無線機を例にしたディジタル無線機の変調方式切り替えプログラムは、受信信号に付加されたCRC符号から上記受信信号のフレーム内1ビット誤りを検出して訂正すると共に、上記受信信号の複数ビット誤りを検出して、複数ビット誤り情報を生成するCRC誤り訂正手順(ステップST60)と、上記複数ビット誤り情報に基づいて変調方式を切り替える変調方式切り替え制御手順(ステップST80)とを有するものである。
【0045】
図16は、この発明の実施の形態1のPHS無線機を例にした、ディジタル無線機の変調方式切り替えのシーケンスである。
【0046】
次に、動作について説明する。
端末主導での、変調方式切り替えを実施する場合について説明する。通信中のビット誤り情報に基づき変調方式切り替えを行なう端末は、基地局に対して変調方式切り替え要求を行なう(図16の▲1▼に相当)。変調方式切り替え要求を受信した基地局は、端末に対して切り替え前の変調方式を用いて、変調方式切り替え指示を行ない、必要な情報を通知した後(図16の▲2▼に相当)、切り替え前の変調方式で同期バーストを送信し、端末側との無線同期状態を確認する(図16の▲3▼に相当)。
【0047】
端末は基地局からの変調方式切り替え指示に基づき、切り替え語の変調方式で無線同期用の同期バーストを送信し、基地局側で正常に受信されると(図16の▲4▼に相当)、さらに基地局より切り替え語の変調方式で同期バーストを送信し、端末側で正常に同期バーストを受信できれば、変調方式の切り替えは完了し、無線同期(レイヤ1)確立がされたことになる(図16の▲5▼に相当)。
【0048】
さらに、レイヤ2リンクの設定要求、および応答を行ない(図16の▲6▼,▲7▼に相当)、変調方式切り替え後の通信状態に移行する。
【0049】
ここで、基地局主導により変調方式が切り替えられる場合には、図16の▲1▼が不要となる。
【0050】
以上のように、この実施の形態1によれば、受信信号の1ビット誤りを検出して訂正すると共に、複数ビット誤りを検出して、この複数ビット誤りが検出された場合に、相手無線機との間の通信方式を切り替えて通信品質が良好となるようにしたので、外来妨害波による干渉および電波伝搬環境の変動に対して良好な通信品質を保つことができる効果が得られる。
【0051】
実施の形態2.
図2は、この発明の実施の形態2によるディジタル無線機の変調方式切り替え装置を適用した、PHS無線機の構成例を示す図である。図2において、19は軟判定値出力部(詳細は後述する)である。その他の構成要素は、図1に示された装置の構成要素と等しい。この実施の形態2によるディジタル無線機の変調方式切り替え装置を適用したPHS無線機では、図2に示すように変調方式切り替え制御部17の切り替え情報として、図1に示したCRC誤り訂正回路14の複数ビット誤り情報ではなく、復調部18の軟判定値出力部19からの軟判定値を用いている。
【0052】
次に、動作について説明する。
まず、軟判定値について説明する。
図7は、PHS無線機の変調方式として用いられているπ/4シフトQPSKの信号空間配置及び位相遷移を示す図である。送信側の無線機の変調方式がπ/4シフトQPSKである場合、送信側の無線機の信号空間配置及び位相遷移は図7にしめされたものとなる。π/4シフトQPSK変調信号の送信データ対位相変化量は、送信データ「00,01,11,10」の変化に対し、それぞれ、「π/4,3π/4,5π/4,7π/4」となる。
【0053】
図8は、信号のC/N劣化がある場合の、π/4シフトQPSKの信号空間配置及び位相変化量を示す図である。送信側の無線機の送信出力が空間放射されて伝搬し、外来妨害波による干渉及び電波伝搬環境の変動などによる、信号のC/N劣化がない場合には、π/4シフトQPSKの信号空間配置及び位相変化量は図7に示す理想的な状態となる。これに対して、実環境では前記要因によるC/N劣化により、図8に示すように信号空間配置及び位相変化量は理想的な状態からずれる。このずれ量にはC/N劣化量が大きく影響し、例えば、図8において、基準点から本来遷移すべき点(送信データ)「01」に変化するはずのところを、実際にはC/N劣化によって図8に示された実際の遷移点(斜線で描かれた丸印)に変化して、この実際の遷移点が「11」と判定されてビット誤りとなる可能性が大きくなる。
【0054】
軟判定値は、復調部18において図8に示す送信データの空間配置及び位相遷移を表すディジタル信号系列であり、この軟判定値を用いて復調部18の復調信号出力を最終判断する。
【0055】
従って、軟判定値を観測することで、送信データに対して基準点から本来遷移すべき点と、実際の遷移点がどれだけ離れているかを判断し、C/N劣化量を復調部18の内部で把握し、軟判定値出力部19より変調方式切り替え制御部17に軟判定値を通知して、変調方式の切り替えを実施する。
【0056】
例えば、通信中の変調方式が変調部16に示したπ/4シフトQPSKである場合、変調方式切り替え制御部17は、軟判定値出力部19からの軟判定値に基づいて、送信データに対して基準点から本来遷移すべき点と大きく離れているか否か、すなわち、ビット誤り発生又はその可能性があるか否かを判断し、ビット誤り発生又はその可能性があると判断した場合、変調部16の変調方式をπ/4シフトQPSKからBPSKへ変調方式を切り替えることにより、外来妨害波による干渉及び電波伝搬環境の変動などに対して、通信品質を確保することを可能にする。
【0057】
以上のように、この実施の形態2のディジタル無線機の変調方式切り替え装置は、複数の変調方式のいずれかを用いて送信信号を変調する変調部(16)と、復調された受信信号の軟判定値を出力する軟判定値出力部(19)と、軟判定値に基づいて変調部(16)が用いる変調方式を切り替える変調方式切り替え制御部(17)とを有するものである。
【0058】
以上の説明では、この実施の形態2をPHS無線機を例にしたディジタル無線機の変調方式切り替え装置として説明したが、コンピュータに実行させるためのディジタル無線機の変調方式切り替えをプログラムとしてこの実施の形態2を実施することもできる。
【0059】
図10は、この発明の実施の形態2のPHS無線機を例にした、ディジタル無線機の変調方式切り替えのフローチャートである。
【0060】
次に、動作について説明する。
ステップST70では、軟判定値出力部19を用いて復調された受信信号の軟判定値を生成する。ステップST80では、変調方式切り替え制御部17を用いて、ステップST80で生成された軟判定値に基づいて変調部16の変調方式を切り替える。
【0061】
以上のように、この実施の形態2のディジタル無線機の変調方式切り替えは、復調された受信信号の軟判定値を生成する軟判定値出力手順(ステップST70)と、軟判定値に基づいて変調方式を切り替える変調方式切り替え制御手順(ステップST80)とを有するものである。
【0062】
以上のように、この実施の形態2によれば、軟判定値によってビット誤りの発生またはビット誤りの可能性の有無を判定して、相手無線機との間の通信方式を切り替えて通信品質が良好となるようにしたので、外来妨害波による干渉および電波伝搬環境の変動に対して、良好な通信品質を保つことができる効果が得られる。
【0063】
実施の形態3.
図3は、この発明の実施の形態3によるディジタル無線機の変調方式切り替え装置を適用した、PHS無線機の構成例を示す図である。図3に示された装置の構成要素は、図2に示された装置の構成要素と等しい。この実施の形態3によるディジタル無線機の変調方式切り替え装置を適用したPHS無線機では、図3に示すように変調方式切り替え制御部17の切り替え情報として、図1に示したCRC誤り訂正回路14の複数ビット誤り情報および復調部18の軟判定値出力部19からの軟判定値を用いている。
【0064】
次に、動作について説明する。
例えば、通信中の変調方式が変調部16に示した16QAMである場合、複数ビット誤りを検出し、Tch切替と同様に使用スロット又は使用周波数を切り替えた後でも通信品質が確保できていないと判断されたときは、16QAMから8PSKへ、8PSKからπ/4シフトQPSKへと順次変調方式を切り替えていくことにより、外来妨害波による干渉及び電波伝搬環境の変動などに対しても通信品質を確保することを可能とする。更に、切り替え実施後のπ/4シフトQPSK変調方式で、外来妨害波による干渉及び電波伝搬環境の変動などが軽減され、軟判定値出力部19の軟判定値より、送信データに対して基準点からの本来遷移すべき点から離れることがない、すなわち、C/N劣化量が少ないと判断された場合、π/4シフトQPSKから8PSKへ、8PSKから16QAMへと順次切り替えていくことにより回線スループットを向上させ、かつ、通信品質を確保することを可能とする。
【0065】
以上のように、この実施の形態3のPHS無線機を例にしたディジタル無線機の変調方式切り替え装置は、複数の変調方式のいずれかを用いて送信信号を変調する変調部(16)と、受信信号に付加されたCRC符号から受信信号のフレーム内1ビット誤りを検出して訂正すると共に、受信信号の複数ビット誤りを検出して複数ビット誤り情報を出力するCRC誤り訂正回路(14)と、複数ビット誤り情報に基づいて変調部(16)が用いる変調方式を切り替える変調方式切り替え制御部(17)と、復調された受信信号の軟判定値を出力する軟判定値出力部(19)とを有し、変調方式切り替え制御部(17)が、複数ビット誤り情報および軟判定値に基づいて変調部(16)が用いる変調方式を切り替えるものである。
【0066】
以上の説明では、この実施の形態3をPHS無線機を例にしたディジタル無線機の変調方式切り替え装置として説明したが、コンピュータに実行させるためのディジタル無線機の変調方式切り替えプログラムとしてこの実施の形態3を実施することもできる。
【0067】
図11は、この発明の実施の形態3のPHS無線機を例にした、ディジタル無線機の変調方式切り替えのフローチャートである。
【0068】
次に、動作について説明する。
ステップST60は図9に示された実施の形態1のステップST60と等しく、ステップST70は図10に示された実施の形態2のステップST70と等しい。ステップST80では、ステップST60で複数ビット誤り情報が生成された場合に、この複数ビット誤り情報に基づいて変調方式切り替え制御部17を用いて変調部16の変調方式を切り替えると共に、ステップST70で生成された軟判定値に基づいて変調部16の変調方式を切り替える。
【0069】
以上のように、この実施の形態3のPHS無線機を例にした、コンピュータに実行させるためのディジタル無線機の変調方式切り替えプログラムは、受信信号に付加されたCRC符号から上記受信信号のフレーム内1ビット誤りを検出して訂正すると共に、受信信号の複数ビット誤りを検出して複数ビット誤り情報を生成するCRC誤り訂正手順(ステップST60)と、復調された受信信号の軟判定値を生成する軟判定値出力手順(ステップST70)と、複数ビット誤り情報および軟判定値に基づいて変調方式を切り替える変調方式切り替え制御手順(ステップST80)とを有するものである。
【0070】
以上のように、この実施の形態3によれば、受信信号の1ビット誤りを検出して訂正すると共に、複数ビット誤りを検出して、この複数ビット誤りが検出された場合に相手無線機との間の通信方式を切り替えて通信品質が良好となるようにし、かつ軟判定値によってビット誤りの発生またはビット誤りの可能性の有無を判定して、相手無線機との間の通信方式を切り替えて通信品質が良好となるようにしたので、回線スループットを向上させながら通信品質を確保することができる効果が得られる。
【0071】
実施の形態4.
図4は、この発明の実施の形態4によるディジタル無線機の変調方式切り替え装置を適用した、PHS無線機の構成例を示す図である。図4において、15は送信信号蓄積部である。その他の構成要素は、図3に示された装置の構成要素と等しい。この実施の形態4によるディジタル無線機の変調方式切り替え装置を適用したPHS無線機は、実施の形態3によるディジタル無線機の変調方式切り替え装置を適用したPHS無線機に、送信信号蓄積部15を加えたものである。また、この実施の形態4は、実施の形態1、実施の形態2の無線機に、送信信号蓄積部15を加えたものでもよい。
【0072】
次に、動作について説明する。
図4に示すように、TDMA/TDD処理部11の内部に送信信号蓄積部15を設け、Tch切替及び変調方式切り替え期間中に今までは送信されずに破棄されていた送信信号を蓄積し、Tch切替及び変調方式切り替え後に送信することにより、回線スループットを向上させることを可能とする。
【0073】
以上のように、この実施の形態4のPHS無線機を例にしたディジタル無線機の変調方式切り替え装置は、実施の形態1〜実施の形態3の無線機に加えて、変調方式切り替え期間中の送信信号を蓄積する送信信号蓄積部(15)をさらに有するものである。
【0074】
以上の説明では、この実施の形態4をPHS無線機を例にしたディジタル無線機の変調方式切り替え装置として説明したが、コンピュータに実行させるためのディジタル無線機の変調方式切り替えプログラムとしてこの実施の形態4を実施することもできる。
【0075】
図12は、この発明の実施の形態4のPHS無線機を例にしたディジタル無線機の、変調方式切り替えのフローチャートである。この実施の形態4のPHS無線機の変調方式切り替えは、図11に示された実施の形態3の無線機の変調方式切り替えにステップST90を追加したものであるが、図9に示された実施の形態1の無線機の変調方式切り替えおよび図10に示された実施の形態2の無線機の変調方式切り替えにステップST90を追加したものでもよい。
【0076】
次に、動作について説明する。
ステップST60、ステップST70およびステップST80は、図11に示す実施の形態3の無線機の変調方式切り替えのステップST60、ステップST70およびステップST80と等しい。ステップST90では、送信信号蓄積部15を用いてTch切替及び変調方式切り替え期間中に送信されずに今までは破棄されていた送信信号を蓄積する。
【0077】
以上のように、この実施の形態4のPHS無線機を例にしたディジタル無線機の変調方式切り替えは、実施の形態1〜実施の形態3の無線機の変調方式切り替えに加えて、変調方式切り替え期間中の送信信号を蓄積する送信信号蓄積手順(ステップST90)をさらに有するものである。
【0078】
以上のように、この実施の形態4によれば、Tch切り替えおよび変調方式切り替え期間中に今までは送信されずに破棄されていた送信信号を蓄積して、Tch切り替えおよび変調方式切り替え後に送信するようにしたので、回線スループットを向上させる効果が得られる。
【0079】
実施の形態5.
図13は、この発明の実施の形態5によるディジタル無線機の変調方式切り替え装置を適用した、自動車・携帯電話用無線機の構成例を示す図である。図13において、31はTDMA処理部であり、32は誤り訂正符号器であり、33は誤り訂正復号器であり、34は誤り訂正回路である。その他の構成要素は、図4に示された構成要素と等しい。この実施の形態5によるディジタル無線機の変調方式切り替え装置を適用した自動車・携帯電話用無線機は、実施の形態4によるディジタル無線機の変調方式切り替え装置を適用したPHS無線機の、TDMA/TDD処理部11をDMA処理部31に、CRCエンコーダ12を誤り訂正符号器32に、CRCデコーダ13を誤り訂正復号器33に、CRC誤り訂正回路14を誤り訂正回路34に置換えたものである。また、この実施の形態5の無線機は、実施の形態1〜実施の形態3の無線機において、TDMA/TDD処理部11をDMA処理部31に、CRCエンコーダ12を誤り訂正符号器32に、CRCデコーダ13を誤り訂正復号器33に、CRC誤り訂正回路14を誤り訂正回路34に置換えたものである。
【0080】
次に、動作について説明する。
図14は、この発明の実施の形態5の自動車・携帯電話用無線機を例にした、ディジタル無線機の変調方式切り替え装置のビット誤り検出フローを示す図である。ステップST12で、図6のステップST10〜ステップST11に相当する誤り検出のための計算が行われる。ステップST25において、ビット誤りが発生したか否かが判定され、ビット誤りが発生していない場合にはステップST31に進み、ビット誤りが発生した場合にはステップST26に進む。
【0081】
ステップST26では、図6のステップST21〜ステップST24に相当する、ビット誤りが訂正可能であるか否かの判定が行われる。ステップST26において、誤り訂正が可能である場合には、ステップST41に進みこの誤りの訂正を行なう。
【0082】
ステップST26において、誤り訂正が不可能である場合には、訂正を断念しステップST51に進む。
【0083】
図15は、この発明の実施の形態5の自動車・携帯電話用無線機を例にした、ディジタル無線機の変調方式切り替え装置の動作を示すフローチャートである。この実施の形態5の自動車・携帯電話用無線機の変調方式切り替え装置の動作は、図12に示された実施の形態4においてステップST60をステップST61に変更したものであるが、図9に示された実施の形態1および図11に示された実施の形態2のステップST60をステップST61に変更したものでもよい。
【0084】
ステップST61では、図14に示された誤り検出フローに従って、誤り訂正回路34を用いて、送信側の相手方無線機で付加された誤り訂正符号により、ビット誤りなし判定(図14のステップST31に相当する)、ビット誤り検出・訂正(図14のステップST51に相当する)及びビット誤り検出(図14のステップST41に相当する)を行ない、ビット誤りが検出された場合にはビット誤り情報を生成する。
【0085】
図15のステップST70、ステップST80およびステップST90は、図12に示す実施の形態4のステップST70、ステップST80およびステップST90と等しい。
【0086】
ステップST80では、ステップST61で複数ビット誤り情報が生成された場合に、この複数ビット誤り情報に基づいて変調方式切り替え制御部17を用いて変調部16の変調方式を切り替えると共に、ステップST70で生成された軟判定値に基づいて変調部16の変調方式を切り替える。
【0087】
例えば、通信中の変調方式が変調部16に示した16QAMである場合、誤り訂正回路34の誤り訂正能力以上のビット誤りが発生し、通信品質が確保できていないと判断されたとき(即ち図14のST51に該当する)は、16QAMから8PSKへ、8PSKからπ/4シフトQPSKへと順次変調方式を切り替えていくことで、外来妨害波による干渉及び電波伝搬環境の変動などに対して、通信品質を確保することを可能とする。さらに、切り替え実施後のπ/4シフトQPSK変調方式で、外来妨害波による干渉及び電波伝搬環境の変動などが軽減され、軟判定値出力部19からの軟判定値により、送信データに対して基準点から本来遷移すべきでない点へずれていない、すなわち、C/N劣化量が少ないと判断された場合、π/4シフトQPSKから8PSKへ、8PSKから16QAMへと順次切り替えていくことで回線スループットを向上させ、かつ、通信品質を確保することを可能とする。
【0088】
さらに、ステップST90において、変調方式切り替え期間中に送信されずに今までは破棄されていた送信信号を蓄積し、変調方式切り替え後に送信することにより回線スループットを向上させることを可能とする。
【0089】
以上のように、この実施の形態5の自動車・携帯電話用無線機を例にしたディジタル無線機の変調方式切り替え装置は、実施の形態1〜実施の形態4のPHS無線機以外のディジタル無線機に対しても、同様に適用できることを示す。
【0090】
以上の説明では、この実施の形態5を自動車・携帯電話用無線機を例にしたディジタル無線機の変調方式切り替え装置として説明したが、コンピュータに実行させるためのディジタル無線機の変調方式切り替えプログラムとしてこの実施の形態5を実施することもできる。
【0091】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、受信信号のビット誤りを検出して訂正すると共にビット誤りを検出して、このビット誤りが検出された場合に相手無線機との間の通信方式を切り替えて通信品質が良好となるようにしたので、外来妨害波による干渉および電波伝搬環境の変動に対して良好な通信品質を保つことができる効果がある。
【0092】
この発明によれば、軟判定値によってビット誤りの発生またはビット誤りの可能性の有無を判定して、相手無線機との間の通信方式を切り替えて通信品質が良好となるようにしたので、外来妨害波による干渉および電波伝搬環境の変動に対して良好な通信品質を保つことができる効果がある。
【0093】
この発明によれば、受信信号のビット誤りを検出して訂正すると共にビット誤りを検出して、このビット誤りが検出された場合に相手無線機との間の通信方式を切り替えて通信品質が良好となるようにし、かつ軟判定値によってビット誤りの発生またはビット誤りの可能性の有無を判定して、相手無線機との間の通信方式を切り替えて通信品質が良好となるようにしたので、回線スループットを向上させながら通信品質を確保することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1によるディジタル無線機の変調方式切り替え装置を適用した、PHS無線機の構成例を示す図である。
【図2】この発明の実施の形態2によるディジタル無線機の変調方式切り替え装置を適用した、PHS無線機の構成例を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態3によるディジタル無線機の変調方式切り替え装置を適用した、PHS無線機の構成例を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態4によるディジタル無線機の変調方式切り替え装置を適用した、PHS無線機の構成例を示す図である。
【図5】PHSの、Tch物理フォーマットを示す図である。
【図6】この発明の実施の形態1によるディジタル無線機の、誤り検出フローを示す図である。
【図7】π/4シフトQPSKの、信号空間配置及び位相遷移を示す図である。
【図8】信号のC/N劣化がある場合の、π/4シフトQPSKの信号空間配置及び位相変化量を示す図である。
【図9】この発明の実施の形態1のPHS無線機の、変調方式切り替えのフローチャートである。
【図10】この発明の実施の形態2のPHS無線機の、変調方式切り替えのフローチャートである。
【図11】この発明の実施の形態3のPHS無線機の、変調方式切り替えのフローチャートである。
【図12】この発明の実施の形態4のPHS無線機の、変調方式切り替えのフローチャートである。
【図13】この発明の実施の形態5によるディジタル無線機の、変調方式切り替え装置を適用した、自動車・携帯電話用無線機の構成例を示す図である。
【図14】この発明の実施の形態5によるディジタル無線機の、誤り検出フローを示す図である。
【図15】この発明の実施の形態5の自動車・携帯電話用無線機の、変調方式切り替えのフローチャートである。
【図16】この発明の実施の形態1のPHS無線機の、変調方式切り替えのシーケンスである。
【図17】従来のPHS無線機の、変調方式切り替えを示す概念図である。
【図18】従来のPHS無線機の、変調方式切り替えのTch切替に必要な無線機内部の閾値テーブルの一例を示した図である。
【符号の説明】
11 TDMA/TDD処理部、12 CRCエンコーダ、13 CRCデコーダ、14 CRC誤り訂正回路、15 送信信号蓄積部、16 変調部、17変調方式切り替え制御部、18 復調部、19 軟判定値出力部、21 RF部、22 アンテナ、23 受信レベル検出部、24 メモリ、25 CPU、31 TDMA処理部、32 誤り訂正符号器、33 誤り訂正復号器、34 誤り訂正回路。
【発明の属する技術分野】
この発明は、ディジタル無線機の変調方式切り替え装置およびディジタル無線機の変調方式切り替え手順をコンピュータに実行させるプログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ディジタル無線機の例として、PHS(Personal Handy Phone System)について説明する。図17は、例えば「やさしいパーソナルハンディホン」(電気通信協会)の第45頁から第46頁に記載された、従来のPHS無線機の変調方式切り替えを示す概念図である。図17では、通信中の通信品質を改善する例が示されている。図17において、51はPHS基地局であり、52はPHS端末である。
【0003】
次に、動作について説明する。
図18は、従来のPHS無線機の、通話中の通信品質改善のための通話チャネル(Tch)切替に必要な、無線機内部の閾値テーブルの一例を示した図である。外来妨害波による干渉及び電波伝搬環境の変動に対して、通話チャネル(Tch)の通信品質が劣化した場合、PHS端末52は、通信中の受信レベル(図18の横軸)及びCRC誤り検出に基づくFER(Frame Error Rate:図18の縦軸)をPHS端末52の内部で測定し、その情報に基づき、PHS端末52の内部であらかじめ持っている閾値テーブル(図18)に従い、通信品質の悪い場合(図18の斜線で示された部分の場合)には図17に示すように、Tchの使用スロットを(S2からS4へ)切り替えることにより、又は使用周波数を(f1からf2へ)切り替えること(Tch切り替え)により、通信品質を確保する。
【0004】
Tch切り替えは、通信品質が悪いと判定したPHS基地局51またはPHS端末52が主導して実施される。例えば、PHS端末52側で通信品質が悪いと判断された場合、PHS端末52側よりPHS基地局51に対し、Tch切り替え要求を行ない、その要求に対し、PHS基地局51で使用スロット又は使用周波数の切り替え条件を決定し、決定された切り替え条件で、PHS端末52側と同期が確立することを確認するための同期バーストの送受信を行ない、正常に送受信されたことを確認した後、Tch切り替え後の通信を再開する。
【0005】
PHS高度化技術で採用される各種変調方式においては、それぞれC/N対BER(Bit Error Rate)特性、伝送容量などが異なる。データ伝送で求められる通信回線のスループット向上のためには、伝送容量の大きい変調方式を適用すれば良いが、C/N対BER特性は伝送容量の小さい変調方式に比較して悪くなる。そのため、伝送容量の大きい変調方式は外来妨害波による干渉及び電波伝搬環境の変動に対しても弱く、通信品質が良好でないとその効果は小さい。従って、通信品質に応じて変調方式の切り替えを適宜実施し、通信回線のスループットを向上させることが必要になる。
【0006】
ディジタル無線機の例として、自動車・携帯電話システムについて説明する。上記したPHS無線機においてはCRC誤り検出のみを実施し、PHS基地局とPHS端末の無線区間での誤り訂正は基本的に実施されていない。それに対し、自動車・携帯電話システムでは、無線機の送信側から受信側、例えば基地局側から端末側への1方向で、誤り検出・訂正を行なうFEC(Forward Error Correction)と、誤り検出結果をもとに送信側にデータの再送要求を行なう、ARQ(Automatic Recovery Quotient)を組合せた誤り制御により、通信品質が劣化して発生するビット誤りを、誤り訂正回路の誤り訂正能力に準じて防ぐことにより通信品質を確保している。
【0007】
自動車・携帯電話システムで各種変調方式が採用される場合においても、上記PHS無線機と同様に、各種変調方式に対するC/N対BER特性、伝送容量などが異なる。データ伝送で求められる通信回線のスループット向上のためには、伝送容量の大きい変調方式を採用すれば良いが、C/N対BER特性は伝送容量の小さい変調方式に比較して悪くなる。そのため、伝送容量の大きい変調方式は、外来妨害波による干渉及び電波伝搬環境の変動に対しても弱く、通信品質が良好でないと、上記FEC、ARQを組合せた誤り制御を用いても、誤り訂正能力を超えたビット誤りが発生すればその効果は小さくなる。従って、通信品質に応じて変調方式切り替えを適宜実施し、通信回線のスループットを向上させることが必要になっている。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−269938公報
【非特許文献1】
小川圭祐(編著)、小林忠男(編著)「やさしいパーソナルハンディホン」電気通信協会、1995年2月、p45−46
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来のディジタル無線機の変調方式切り替えは以上のように構成されているので、変調方式が限定されており、通信品質状態により変調方式を切り替えて通信品質を確保することができないという課題があった。また、PHSシステムの場合、Tch切替実施中は、ユーザ情報を有する送信信号は破棄されていたため、PHS無線機を用いたデータ伝送では、破棄された信号を再送する必要があり、回線スループットが低下するという課題があった。更に、自動車・携帯電話システムの場合、無線機の誤り訂正能力以上のビット誤りがあると、誤り訂正が実施できず信号を再送する必要があり、回線スループットが低下するという課題があった。
【0010】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、複数の変調方式を通信品質に応じて切り替え可能な、ディジタル無線機の変調方式切り替え装置およびディジタル無線機の変調方式切り替えをコンピュータに実行させるためのプログラムを得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るディジタル無線機の変調方式切り替え装置は、複数の変調方式のいずれかを用いて送信信号を変調する変調部と、受信信号に付加された誤り訂正符号から受信信号のビット誤りを検出して訂正すると共に受信信号のビット誤りを検出してビット誤り情報を出力する誤り訂正回路と、ビット誤り情報に基づいて変調部が用いる変調方式を切り替える変調方式切り替え制御部と、を有するものである。
【0012】
この発明に係るディジタル無線機の変調方式切り替え装置は、複数の変調方式のいずれかを用いて送信信号を変調する変調部と、復調された受信信号の軟判定値を出力する軟判定値出力部と、上記軟判定値に基づいて上記変調部が用いる上記変調方式を切り替える変調方式切り替え制御部と、を有するものである。
【0013】
この発明に係るプログラムは、受信信号に付加された誤り訂正符号から上記受信信号のビット誤りを検出して訂正すると共に上記受信信号のビット誤りを検出してビット誤り情報を生成する誤り訂正手順と、上記ビット誤り情報に基づいて変調方式を切り替える変調方式切り替え制御手順とをコンピュータに実行させるためのものである。
【0014】
この発明に係るプログラムは、復調された受信信号の軟判定値を生成する軟判定値出力手順と、上記軟判定値に基づいて変調方式を切り替える変調方式切り替え制御手順とをコンピュータに実行させるためものである。
【0015】
この発明に係るプログラムは、受信信号に付加された誤り訂正符号から上記受信信号のビット誤りを検出して訂正すると共に、上記受信信号のビット誤りを検出してビット誤り情報を生成する誤り訂正手順と、復調された受信信号の軟判定値を生成する軟判定値出力手順と、上記ビット誤り情報および上記軟判定値に基づいて変調方式を切り替える変調方式切り替え制御手順とをコンピュータに実行させるためのものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による、ディジタル無線機の変調方式切り替え装置を適用した、PHS無線機の構成例を示す図である。図1において、11はTDMA/TDD(Time Division Multiple Access/Time Division Duplex)処理部であり、12はCRC(Cyclic Redundancy Check)エンコーダであり、13はCRCデコーダであり、14はCRC誤り訂正回路であり、16は変調部であり、17は変調方式切り替え制御部であり、18は復調部であり、21はRF(Radio Frequency)部であり、22はアンテナであり、23は受信レベル検出部であり、24はメモリであり、25はCPUである。
【0017】
次に、動作について説明する。
始めに、図1における送信信号の流れについて説明する。
ユーザ情報がTDMA/TDD処理部11に入力され、チャネルコーディング及びTDMAフレーム上へのマッピングが行なわれて、ユーザ情報を有する送信信号が生成される。チャネルコーディングの際に、CRCエンコーダ12によりフレーム誤り検出用のCRC符号が付加される。そして、TDMA/TDD処理部11からユーザ情報を有する送信信号(ベースバンド信号)が出力され、変調方式切り替え制御部17で指定された変調方式によって変調部16で変調され、変調された送信信号が変調部16からRF部21に入力される。入力された変調送信信号は、RF部21でRF周波数変換及び信号増幅を施されてアンテナ22より放射される。
【0018】
次に、図1における受信信号の流れについて説明する。
アンテナ22で受信されたRF受信信号は、RF部21で信号増幅及びIF周波数変換を施されて復調部18で復調され、復調された受信信号がTDMA/TDD処理部11へ入力される。入力された復調受信信号は復号され、復号された受信信号(復号信号)からユーザ情報が抽出されて、ユーザ情報がTDMA/TDD処理部11から出力される。
【0019】
従来のPHS無線機の変調方式切り替え方法では、TDMA/TDD処理部11の受信部にあるCRCデコーダ13が、送信側の相手方無線機で付加されたCRC符号からフレーム誤りの有無を検出し、受信レベル検出部23の検出結果と組み合わせ、メモリ24に格納されている図18の閾値テーブルに従い、通話チャネル(Tch)の使用スロット又は使用周波数を切り替える(Tch切替を実施する)。
【0020】
一方、この発明の実施の形態1によるPHS無線機の変調方式切り替え装置では、TDMA/TDD処理部11の受信部にあるCRC誤り訂正回路14は、送信側の相手方無線機で付加されたCRC符号から、フレーム誤りなし判定(後述する図6の、ステップST30に相当する)、フレーム内1ビット誤り検出・訂正(後述する図6の、ステップST50に相当する)及びフレーム内複数ビット誤り検出(後述する図6の、ステップST40に相当する)を行なう。
【0021】
フレーム内複数ビット誤りを検出した場合は、さらに、受信側のPHS無線機が、外来妨害波による干渉及び電波伝搬環境の変動などにより、通信に使用している変調方式に必要な通信品質が確保されていないと判断し、送信側の相手方無線機に変調方式切り替え要求(又は指示)を通知し、受信側の自方無線機(PHS無線機)および送信側の相手方無線機の変調方式切り替え制御部17により、変調部16の変調方式の切り替えが実施される。例えば、通信中の変調方式が変調部16に示した16QAM(sixteen Quadrature Amplitude Modulation)である場合に、複数ビット誤りが検出されると、Tch切替と同様に使用スロット又は使用周波数を切り替えても通信品質が確保できていないと判断し、16QAMから8PSK(eight Phase Shift Keying)へ、8PSKからπ/4シフトQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)へ、π/4シフトQPSKからBPSK(Binary Phase Shift Keying)へと順次変調方式を切り替えていくことにより、外来妨害波による干渉及び電波伝搬環境の変動などに対しても通信品質を確保することを可能にする。
【0022】
ここで、CRC誤り訂正回路14について説明をする。
図5は、PHSのTch物理フォーマットを示す図である。図5において、Rは過渡応答用ランプタイムであり、SSはスタートシンボルであり、PRはプリアンブルであり、UWは同期ワードであり、CIはチャネル種別であり、SAはSACCH(付随制御チャネル)であり、TCHは通話チャネルであり、CRCは誤り検出用CRC符号である。図5に示すPHSのTch物理フォーマットにおいて、CRC符号は、CI、SA及びTCHの180ビット情報符号系列に対してCRCエンコーダにより16ビット付加される。CIより前のビットは無線機の間の同期の確立などに必要なビットである。ここで、情報符号系列(CI,SA,TCH)をP(X)とし、CRC生成多項式をG(X)とし、CRCをR(X)とすると、以下のようになる。
【0023】
P(X)およびG(X)はそれぞれ、
P(X)=a0 +a1 X1 +・・・+a179 X179 (1)
G(X)=1+X5 +X12+X16 (2)
と表現することができる。
【0024】
R(X)は、P(X)をG(X)で割った時の剰余であるから、その時の商をQ(X)とすると、
X16・P(X)=G(X)Q(X)+R(X) (3)
と表現することができる。一方、送信符号系列T(X)は、Tch情報符号系列、CRCの順に並べたものなので、
T(X)=X16・P(X)+R(X) (4)
と表現することができる。
【0025】
式(3)を式(4)に代入すると
ここで、式(5’)の第2項は、EXOR演算によりゼロとなるので、
T(X)=G(X)Q(X) (5)
と表現することができる。
式(5)により、T(X)が誤りなく送信された場合、生成多項式G(X)で割り切れる(後述する図6の、ステップST20でYESとなる)ことがわかる。
【0026】
次に、この送信符号系列T(X)に1ビット誤りE(X)が付加された場合を考える。この時、受信符号系列U(X)は、
U(X)=T(X)+E(X) (6)
と表現される。式(5)より、T(X)はG(X)で割り切れるため、U(X)をG(X)で割った時の剰余S(X)は、E(X)をG(X)で割った剰余に等しくなる。これは、誤りが付加された時、G(X)で割った剰余S(X)は、T(X)によらずE(X)だけによって決まることを意味する。
【0027】
kビット目(k=1,2,・・・,196)の1ビット誤りE(X)を、
Ek (X)=X196−k (7)
とおく。Ek (X)をG(X)で割った時の商をQk (X)、剰余をSk (X)とすると、
k≦180のとき
Ek (X)=G(X)Qk (X)+Sk (X) (8)
k>180のとき
Ek (X)=Sk (X) (∵Qk (X)=0) (8’)
と表現できる。
【0028】
また、式(7)よりEk (X)=X−1Ek−1 (X)が成り立つから、
Xk−1 Ek (X)=・・・=E1 (X) (9)
と表現できる。そして、式(8)、式(8’)、および式(9)より
Xk−1 Ek (X)=G(X)Q1 (X)+S1 (X) (10)
と表現できる。
【0029】
式(10)は、kビット目の誤りEk (X)を、(k−1)ビットだけシフトした情報列(CRC計算処理の後、(k−1)個の0を入力したもの)を、G(X)で割った剰余Sk (X)が、S1 (X)すなわち1ビット目の誤りの剰余に等しくなることを表している。従って、第1ビット誤りの時の剰余パターン(S1 (X)=0000110111100010)のみを記憶することにより、全ての単一ビット誤りがCRC計算処理の後、入力した0の個数で誤り位置を検出(後述する図6の、ステップST21でYESとなるkを検出)し、訂正することが可能である。
【0030】
CRC誤り訂正回路14による複数ビット誤り検出は、後述する図6に示す誤り検出フローに示されているように、送信符号系列T(X)がCRC生成多項式G(X)で割り切れず(図6のステップST20でNOとなり)、かつ、kビット誤りEk (X)でk=1〜196の全ての場合で、(k−1)ビットだけシフトした情報列剰余パターンがS1 (X)と一致しなかった場合(図6のステップST24で、YESとなる場合)となる。
【0031】
図6は、誤り検出フローを示す図である。
ステップST10で、k=1とする。ステップST11で受信側のCRCの計算を行ない、T(X)、G(X)、およびS(X)(S1 (X))を求める。ステップST20では、T(X)/G(X)の剰余S(X)が0に等しいか否かが判定され、等しい場合にはステップST30に進み、等しくない場合にはステップST21に進む。
【0032】
ステップST30では、ステップST20での判定結果が「T(X)/G(X)の剰余S(X)が0に等しい」ので、フレーム内誤りなしと判定する。
【0033】
ステップST21では、ステップST20での判定結果が「T(X)/G(X)の剰余S(X)が0に等しくない」ので、フレーム内1ビット誤りを検出するために、剰余Sk (X)=Sk (X)となるか否かが判定され、剰余Sk (X)がS1 (X)と等しい場合には、ステップST50に進み、剰余Sk (X)がS1 (X)と等しくない場合には、ステップST22に進む。
【0034】
ステップST50では、ステップST21での判定が「剰余Sk (X)がS1 (X)と等しい」ので、フレーム内の第kビットの誤りが検出されたと判断し、この第kビットの訂正を行なう。
【0035】
ステップST22では、第1ビット誤りの時の剰余パターン(Sk (X)=0000110111100010)を記憶しているCRC計算回路に0を入力し、S1 (X)を1ビットだけシフトする。ステップST23では、kを1増加させる。
【0036】
ステップST24では、kの値が196より大きいか否かを判定し、k>196の場合にはステップST40に進み、k≦196の場合にはステップST21に戻る。
【0037】
ステップST21−ステップST22−ステップST23−ステップST24−ステップST21のループは、ステップST21で剰余Sk (X)=S1 (X)となってステップST50に進むまで、k=1,2,3,...のSk (X)に対して繰り返され、k=196のSk (X)に対してもSk (X)=S1 (X)とならない場合(ステップST24でk>196となる場合)には、ステップST40に進む。
【0038】
ステップST40では、k=1から196の全てのkについてSk (X)=S1 (X)とならなかったので、フレーム内複数ビット誤りが生じていると判定して、複数ビット誤り情報を生成する。
【0039】
以上のように、この実施の形態1のディジタル無線機の変調方式切り替え装置は、複数の変調方式のいずれかを用いて送信信号を変調する変調部(16)と、受信信号に付加されたCRC符号から受信信号のフレーム内1ビット誤りを検出して訂正すると共に受信信号の複数ビット誤りを検出して複数ビット誤り情報を出力するCRC誤り訂正回路(14)と、複数ビット誤り情報に基づいて変調部(16)が用いる変調方式を切り替える変調方式切り替え制御部(17)とを有するものである。
【0040】
以上の説明では、この実施の形態1をPHS無線機を例にしたディジタル無線機の変調方式切り替え装置として説明したが、コンピュータに実行させるためのディジタル無線機の変調方式切り替えプログラムとしてこの実施の形態1を実施することもできる。
【0041】
図9は、この発明の実施の形態1のPHS無線機を例にしたディジタル無線機の、変調方式切り替えのフローチャートである。
【0042】
次に、動作について説明する。
ステップST60では、図6に示す誤り検出フローにしたがって、CRC誤り訂正回路14を用いて、送信側の相手方無線機で付加されたCRC符号により、フレーム誤りなし判定(図6のステップST30に相当する)、フレーム内1ビット誤り検出・訂正(図6のステップST50に相当する)及びフレーム内複数ビット誤り検出(図6のステップST40に相当する)を行ない、フレーム内複数ビット誤りが検出された場合には複数ビット誤り情報を生成する。
【0043】
ステップST80では、ステップST60で複数ビット誤り情報が生成された場合に、この複数ビット誤り情報に基づいて変調方式切り替え制御部17を用いて、変調部16の変調方式を切り替える。
【0044】
以上のように、この実施の形態1のPHS無線機を例にしたディジタル無線機の変調方式切り替えプログラムは、受信信号に付加されたCRC符号から上記受信信号のフレーム内1ビット誤りを検出して訂正すると共に、上記受信信号の複数ビット誤りを検出して、複数ビット誤り情報を生成するCRC誤り訂正手順(ステップST60)と、上記複数ビット誤り情報に基づいて変調方式を切り替える変調方式切り替え制御手順(ステップST80)とを有するものである。
【0045】
図16は、この発明の実施の形態1のPHS無線機を例にした、ディジタル無線機の変調方式切り替えのシーケンスである。
【0046】
次に、動作について説明する。
端末主導での、変調方式切り替えを実施する場合について説明する。通信中のビット誤り情報に基づき変調方式切り替えを行なう端末は、基地局に対して変調方式切り替え要求を行なう(図16の▲1▼に相当)。変調方式切り替え要求を受信した基地局は、端末に対して切り替え前の変調方式を用いて、変調方式切り替え指示を行ない、必要な情報を通知した後(図16の▲2▼に相当)、切り替え前の変調方式で同期バーストを送信し、端末側との無線同期状態を確認する(図16の▲3▼に相当)。
【0047】
端末は基地局からの変調方式切り替え指示に基づき、切り替え語の変調方式で無線同期用の同期バーストを送信し、基地局側で正常に受信されると(図16の▲4▼に相当)、さらに基地局より切り替え語の変調方式で同期バーストを送信し、端末側で正常に同期バーストを受信できれば、変調方式の切り替えは完了し、無線同期(レイヤ1)確立がされたことになる(図16の▲5▼に相当)。
【0048】
さらに、レイヤ2リンクの設定要求、および応答を行ない(図16の▲6▼,▲7▼に相当)、変調方式切り替え後の通信状態に移行する。
【0049】
ここで、基地局主導により変調方式が切り替えられる場合には、図16の▲1▼が不要となる。
【0050】
以上のように、この実施の形態1によれば、受信信号の1ビット誤りを検出して訂正すると共に、複数ビット誤りを検出して、この複数ビット誤りが検出された場合に、相手無線機との間の通信方式を切り替えて通信品質が良好となるようにしたので、外来妨害波による干渉および電波伝搬環境の変動に対して良好な通信品質を保つことができる効果が得られる。
【0051】
実施の形態2.
図2は、この発明の実施の形態2によるディジタル無線機の変調方式切り替え装置を適用した、PHS無線機の構成例を示す図である。図2において、19は軟判定値出力部(詳細は後述する)である。その他の構成要素は、図1に示された装置の構成要素と等しい。この実施の形態2によるディジタル無線機の変調方式切り替え装置を適用したPHS無線機では、図2に示すように変調方式切り替え制御部17の切り替え情報として、図1に示したCRC誤り訂正回路14の複数ビット誤り情報ではなく、復調部18の軟判定値出力部19からの軟判定値を用いている。
【0052】
次に、動作について説明する。
まず、軟判定値について説明する。
図7は、PHS無線機の変調方式として用いられているπ/4シフトQPSKの信号空間配置及び位相遷移を示す図である。送信側の無線機の変調方式がπ/4シフトQPSKである場合、送信側の無線機の信号空間配置及び位相遷移は図7にしめされたものとなる。π/4シフトQPSK変調信号の送信データ対位相変化量は、送信データ「00,01,11,10」の変化に対し、それぞれ、「π/4,3π/4,5π/4,7π/4」となる。
【0053】
図8は、信号のC/N劣化がある場合の、π/4シフトQPSKの信号空間配置及び位相変化量を示す図である。送信側の無線機の送信出力が空間放射されて伝搬し、外来妨害波による干渉及び電波伝搬環境の変動などによる、信号のC/N劣化がない場合には、π/4シフトQPSKの信号空間配置及び位相変化量は図7に示す理想的な状態となる。これに対して、実環境では前記要因によるC/N劣化により、図8に示すように信号空間配置及び位相変化量は理想的な状態からずれる。このずれ量にはC/N劣化量が大きく影響し、例えば、図8において、基準点から本来遷移すべき点(送信データ)「01」に変化するはずのところを、実際にはC/N劣化によって図8に示された実際の遷移点(斜線で描かれた丸印)に変化して、この実際の遷移点が「11」と判定されてビット誤りとなる可能性が大きくなる。
【0054】
軟判定値は、復調部18において図8に示す送信データの空間配置及び位相遷移を表すディジタル信号系列であり、この軟判定値を用いて復調部18の復調信号出力を最終判断する。
【0055】
従って、軟判定値を観測することで、送信データに対して基準点から本来遷移すべき点と、実際の遷移点がどれだけ離れているかを判断し、C/N劣化量を復調部18の内部で把握し、軟判定値出力部19より変調方式切り替え制御部17に軟判定値を通知して、変調方式の切り替えを実施する。
【0056】
例えば、通信中の変調方式が変調部16に示したπ/4シフトQPSKである場合、変調方式切り替え制御部17は、軟判定値出力部19からの軟判定値に基づいて、送信データに対して基準点から本来遷移すべき点と大きく離れているか否か、すなわち、ビット誤り発生又はその可能性があるか否かを判断し、ビット誤り発生又はその可能性があると判断した場合、変調部16の変調方式をπ/4シフトQPSKからBPSKへ変調方式を切り替えることにより、外来妨害波による干渉及び電波伝搬環境の変動などに対して、通信品質を確保することを可能にする。
【0057】
以上のように、この実施の形態2のディジタル無線機の変調方式切り替え装置は、複数の変調方式のいずれかを用いて送信信号を変調する変調部(16)と、復調された受信信号の軟判定値を出力する軟判定値出力部(19)と、軟判定値に基づいて変調部(16)が用いる変調方式を切り替える変調方式切り替え制御部(17)とを有するものである。
【0058】
以上の説明では、この実施の形態2をPHS無線機を例にしたディジタル無線機の変調方式切り替え装置として説明したが、コンピュータに実行させるためのディジタル無線機の変調方式切り替えをプログラムとしてこの実施の形態2を実施することもできる。
【0059】
図10は、この発明の実施の形態2のPHS無線機を例にした、ディジタル無線機の変調方式切り替えのフローチャートである。
【0060】
次に、動作について説明する。
ステップST70では、軟判定値出力部19を用いて復調された受信信号の軟判定値を生成する。ステップST80では、変調方式切り替え制御部17を用いて、ステップST80で生成された軟判定値に基づいて変調部16の変調方式を切り替える。
【0061】
以上のように、この実施の形態2のディジタル無線機の変調方式切り替えは、復調された受信信号の軟判定値を生成する軟判定値出力手順(ステップST70)と、軟判定値に基づいて変調方式を切り替える変調方式切り替え制御手順(ステップST80)とを有するものである。
【0062】
以上のように、この実施の形態2によれば、軟判定値によってビット誤りの発生またはビット誤りの可能性の有無を判定して、相手無線機との間の通信方式を切り替えて通信品質が良好となるようにしたので、外来妨害波による干渉および電波伝搬環境の変動に対して、良好な通信品質を保つことができる効果が得られる。
【0063】
実施の形態3.
図3は、この発明の実施の形態3によるディジタル無線機の変調方式切り替え装置を適用した、PHS無線機の構成例を示す図である。図3に示された装置の構成要素は、図2に示された装置の構成要素と等しい。この実施の形態3によるディジタル無線機の変調方式切り替え装置を適用したPHS無線機では、図3に示すように変調方式切り替え制御部17の切り替え情報として、図1に示したCRC誤り訂正回路14の複数ビット誤り情報および復調部18の軟判定値出力部19からの軟判定値を用いている。
【0064】
次に、動作について説明する。
例えば、通信中の変調方式が変調部16に示した16QAMである場合、複数ビット誤りを検出し、Tch切替と同様に使用スロット又は使用周波数を切り替えた後でも通信品質が確保できていないと判断されたときは、16QAMから8PSKへ、8PSKからπ/4シフトQPSKへと順次変調方式を切り替えていくことにより、外来妨害波による干渉及び電波伝搬環境の変動などに対しても通信品質を確保することを可能とする。更に、切り替え実施後のπ/4シフトQPSK変調方式で、外来妨害波による干渉及び電波伝搬環境の変動などが軽減され、軟判定値出力部19の軟判定値より、送信データに対して基準点からの本来遷移すべき点から離れることがない、すなわち、C/N劣化量が少ないと判断された場合、π/4シフトQPSKから8PSKへ、8PSKから16QAMへと順次切り替えていくことにより回線スループットを向上させ、かつ、通信品質を確保することを可能とする。
【0065】
以上のように、この実施の形態3のPHS無線機を例にしたディジタル無線機の変調方式切り替え装置は、複数の変調方式のいずれかを用いて送信信号を変調する変調部(16)と、受信信号に付加されたCRC符号から受信信号のフレーム内1ビット誤りを検出して訂正すると共に、受信信号の複数ビット誤りを検出して複数ビット誤り情報を出力するCRC誤り訂正回路(14)と、複数ビット誤り情報に基づいて変調部(16)が用いる変調方式を切り替える変調方式切り替え制御部(17)と、復調された受信信号の軟判定値を出力する軟判定値出力部(19)とを有し、変調方式切り替え制御部(17)が、複数ビット誤り情報および軟判定値に基づいて変調部(16)が用いる変調方式を切り替えるものである。
【0066】
以上の説明では、この実施の形態3をPHS無線機を例にしたディジタル無線機の変調方式切り替え装置として説明したが、コンピュータに実行させるためのディジタル無線機の変調方式切り替えプログラムとしてこの実施の形態3を実施することもできる。
【0067】
図11は、この発明の実施の形態3のPHS無線機を例にした、ディジタル無線機の変調方式切り替えのフローチャートである。
【0068】
次に、動作について説明する。
ステップST60は図9に示された実施の形態1のステップST60と等しく、ステップST70は図10に示された実施の形態2のステップST70と等しい。ステップST80では、ステップST60で複数ビット誤り情報が生成された場合に、この複数ビット誤り情報に基づいて変調方式切り替え制御部17を用いて変調部16の変調方式を切り替えると共に、ステップST70で生成された軟判定値に基づいて変調部16の変調方式を切り替える。
【0069】
以上のように、この実施の形態3のPHS無線機を例にした、コンピュータに実行させるためのディジタル無線機の変調方式切り替えプログラムは、受信信号に付加されたCRC符号から上記受信信号のフレーム内1ビット誤りを検出して訂正すると共に、受信信号の複数ビット誤りを検出して複数ビット誤り情報を生成するCRC誤り訂正手順(ステップST60)と、復調された受信信号の軟判定値を生成する軟判定値出力手順(ステップST70)と、複数ビット誤り情報および軟判定値に基づいて変調方式を切り替える変調方式切り替え制御手順(ステップST80)とを有するものである。
【0070】
以上のように、この実施の形態3によれば、受信信号の1ビット誤りを検出して訂正すると共に、複数ビット誤りを検出して、この複数ビット誤りが検出された場合に相手無線機との間の通信方式を切り替えて通信品質が良好となるようにし、かつ軟判定値によってビット誤りの発生またはビット誤りの可能性の有無を判定して、相手無線機との間の通信方式を切り替えて通信品質が良好となるようにしたので、回線スループットを向上させながら通信品質を確保することができる効果が得られる。
【0071】
実施の形態4.
図4は、この発明の実施の形態4によるディジタル無線機の変調方式切り替え装置を適用した、PHS無線機の構成例を示す図である。図4において、15は送信信号蓄積部である。その他の構成要素は、図3に示された装置の構成要素と等しい。この実施の形態4によるディジタル無線機の変調方式切り替え装置を適用したPHS無線機は、実施の形態3によるディジタル無線機の変調方式切り替え装置を適用したPHS無線機に、送信信号蓄積部15を加えたものである。また、この実施の形態4は、実施の形態1、実施の形態2の無線機に、送信信号蓄積部15を加えたものでもよい。
【0072】
次に、動作について説明する。
図4に示すように、TDMA/TDD処理部11の内部に送信信号蓄積部15を設け、Tch切替及び変調方式切り替え期間中に今までは送信されずに破棄されていた送信信号を蓄積し、Tch切替及び変調方式切り替え後に送信することにより、回線スループットを向上させることを可能とする。
【0073】
以上のように、この実施の形態4のPHS無線機を例にしたディジタル無線機の変調方式切り替え装置は、実施の形態1〜実施の形態3の無線機に加えて、変調方式切り替え期間中の送信信号を蓄積する送信信号蓄積部(15)をさらに有するものである。
【0074】
以上の説明では、この実施の形態4をPHS無線機を例にしたディジタル無線機の変調方式切り替え装置として説明したが、コンピュータに実行させるためのディジタル無線機の変調方式切り替えプログラムとしてこの実施の形態4を実施することもできる。
【0075】
図12は、この発明の実施の形態4のPHS無線機を例にしたディジタル無線機の、変調方式切り替えのフローチャートである。この実施の形態4のPHS無線機の変調方式切り替えは、図11に示された実施の形態3の無線機の変調方式切り替えにステップST90を追加したものであるが、図9に示された実施の形態1の無線機の変調方式切り替えおよび図10に示された実施の形態2の無線機の変調方式切り替えにステップST90を追加したものでもよい。
【0076】
次に、動作について説明する。
ステップST60、ステップST70およびステップST80は、図11に示す実施の形態3の無線機の変調方式切り替えのステップST60、ステップST70およびステップST80と等しい。ステップST90では、送信信号蓄積部15を用いてTch切替及び変調方式切り替え期間中に送信されずに今までは破棄されていた送信信号を蓄積する。
【0077】
以上のように、この実施の形態4のPHS無線機を例にしたディジタル無線機の変調方式切り替えは、実施の形態1〜実施の形態3の無線機の変調方式切り替えに加えて、変調方式切り替え期間中の送信信号を蓄積する送信信号蓄積手順(ステップST90)をさらに有するものである。
【0078】
以上のように、この実施の形態4によれば、Tch切り替えおよび変調方式切り替え期間中に今までは送信されずに破棄されていた送信信号を蓄積して、Tch切り替えおよび変調方式切り替え後に送信するようにしたので、回線スループットを向上させる効果が得られる。
【0079】
実施の形態5.
図13は、この発明の実施の形態5によるディジタル無線機の変調方式切り替え装置を適用した、自動車・携帯電話用無線機の構成例を示す図である。図13において、31はTDMA処理部であり、32は誤り訂正符号器であり、33は誤り訂正復号器であり、34は誤り訂正回路である。その他の構成要素は、図4に示された構成要素と等しい。この実施の形態5によるディジタル無線機の変調方式切り替え装置を適用した自動車・携帯電話用無線機は、実施の形態4によるディジタル無線機の変調方式切り替え装置を適用したPHS無線機の、TDMA/TDD処理部11をDMA処理部31に、CRCエンコーダ12を誤り訂正符号器32に、CRCデコーダ13を誤り訂正復号器33に、CRC誤り訂正回路14を誤り訂正回路34に置換えたものである。また、この実施の形態5の無線機は、実施の形態1〜実施の形態3の無線機において、TDMA/TDD処理部11をDMA処理部31に、CRCエンコーダ12を誤り訂正符号器32に、CRCデコーダ13を誤り訂正復号器33に、CRC誤り訂正回路14を誤り訂正回路34に置換えたものである。
【0080】
次に、動作について説明する。
図14は、この発明の実施の形態5の自動車・携帯電話用無線機を例にした、ディジタル無線機の変調方式切り替え装置のビット誤り検出フローを示す図である。ステップST12で、図6のステップST10〜ステップST11に相当する誤り検出のための計算が行われる。ステップST25において、ビット誤りが発生したか否かが判定され、ビット誤りが発生していない場合にはステップST31に進み、ビット誤りが発生した場合にはステップST26に進む。
【0081】
ステップST26では、図6のステップST21〜ステップST24に相当する、ビット誤りが訂正可能であるか否かの判定が行われる。ステップST26において、誤り訂正が可能である場合には、ステップST41に進みこの誤りの訂正を行なう。
【0082】
ステップST26において、誤り訂正が不可能である場合には、訂正を断念しステップST51に進む。
【0083】
図15は、この発明の実施の形態5の自動車・携帯電話用無線機を例にした、ディジタル無線機の変調方式切り替え装置の動作を示すフローチャートである。この実施の形態5の自動車・携帯電話用無線機の変調方式切り替え装置の動作は、図12に示された実施の形態4においてステップST60をステップST61に変更したものであるが、図9に示された実施の形態1および図11に示された実施の形態2のステップST60をステップST61に変更したものでもよい。
【0084】
ステップST61では、図14に示された誤り検出フローに従って、誤り訂正回路34を用いて、送信側の相手方無線機で付加された誤り訂正符号により、ビット誤りなし判定(図14のステップST31に相当する)、ビット誤り検出・訂正(図14のステップST51に相当する)及びビット誤り検出(図14のステップST41に相当する)を行ない、ビット誤りが検出された場合にはビット誤り情報を生成する。
【0085】
図15のステップST70、ステップST80およびステップST90は、図12に示す実施の形態4のステップST70、ステップST80およびステップST90と等しい。
【0086】
ステップST80では、ステップST61で複数ビット誤り情報が生成された場合に、この複数ビット誤り情報に基づいて変調方式切り替え制御部17を用いて変調部16の変調方式を切り替えると共に、ステップST70で生成された軟判定値に基づいて変調部16の変調方式を切り替える。
【0087】
例えば、通信中の変調方式が変調部16に示した16QAMである場合、誤り訂正回路34の誤り訂正能力以上のビット誤りが発生し、通信品質が確保できていないと判断されたとき(即ち図14のST51に該当する)は、16QAMから8PSKへ、8PSKからπ/4シフトQPSKへと順次変調方式を切り替えていくことで、外来妨害波による干渉及び電波伝搬環境の変動などに対して、通信品質を確保することを可能とする。さらに、切り替え実施後のπ/4シフトQPSK変調方式で、外来妨害波による干渉及び電波伝搬環境の変動などが軽減され、軟判定値出力部19からの軟判定値により、送信データに対して基準点から本来遷移すべきでない点へずれていない、すなわち、C/N劣化量が少ないと判断された場合、π/4シフトQPSKから8PSKへ、8PSKから16QAMへと順次切り替えていくことで回線スループットを向上させ、かつ、通信品質を確保することを可能とする。
【0088】
さらに、ステップST90において、変調方式切り替え期間中に送信されずに今までは破棄されていた送信信号を蓄積し、変調方式切り替え後に送信することにより回線スループットを向上させることを可能とする。
【0089】
以上のように、この実施の形態5の自動車・携帯電話用無線機を例にしたディジタル無線機の変調方式切り替え装置は、実施の形態1〜実施の形態4のPHS無線機以外のディジタル無線機に対しても、同様に適用できることを示す。
【0090】
以上の説明では、この実施の形態5を自動車・携帯電話用無線機を例にしたディジタル無線機の変調方式切り替え装置として説明したが、コンピュータに実行させるためのディジタル無線機の変調方式切り替えプログラムとしてこの実施の形態5を実施することもできる。
【0091】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、受信信号のビット誤りを検出して訂正すると共にビット誤りを検出して、このビット誤りが検出された場合に相手無線機との間の通信方式を切り替えて通信品質が良好となるようにしたので、外来妨害波による干渉および電波伝搬環境の変動に対して良好な通信品質を保つことができる効果がある。
【0092】
この発明によれば、軟判定値によってビット誤りの発生またはビット誤りの可能性の有無を判定して、相手無線機との間の通信方式を切り替えて通信品質が良好となるようにしたので、外来妨害波による干渉および電波伝搬環境の変動に対して良好な通信品質を保つことができる効果がある。
【0093】
この発明によれば、受信信号のビット誤りを検出して訂正すると共にビット誤りを検出して、このビット誤りが検出された場合に相手無線機との間の通信方式を切り替えて通信品質が良好となるようにし、かつ軟判定値によってビット誤りの発生またはビット誤りの可能性の有無を判定して、相手無線機との間の通信方式を切り替えて通信品質が良好となるようにしたので、回線スループットを向上させながら通信品質を確保することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1によるディジタル無線機の変調方式切り替え装置を適用した、PHS無線機の構成例を示す図である。
【図2】この発明の実施の形態2によるディジタル無線機の変調方式切り替え装置を適用した、PHS無線機の構成例を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態3によるディジタル無線機の変調方式切り替え装置を適用した、PHS無線機の構成例を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態4によるディジタル無線機の変調方式切り替え装置を適用した、PHS無線機の構成例を示す図である。
【図5】PHSの、Tch物理フォーマットを示す図である。
【図6】この発明の実施の形態1によるディジタル無線機の、誤り検出フローを示す図である。
【図7】π/4シフトQPSKの、信号空間配置及び位相遷移を示す図である。
【図8】信号のC/N劣化がある場合の、π/4シフトQPSKの信号空間配置及び位相変化量を示す図である。
【図9】この発明の実施の形態1のPHS無線機の、変調方式切り替えのフローチャートである。
【図10】この発明の実施の形態2のPHS無線機の、変調方式切り替えのフローチャートである。
【図11】この発明の実施の形態3のPHS無線機の、変調方式切り替えのフローチャートである。
【図12】この発明の実施の形態4のPHS無線機の、変調方式切り替えのフローチャートである。
【図13】この発明の実施の形態5によるディジタル無線機の、変調方式切り替え装置を適用した、自動車・携帯電話用無線機の構成例を示す図である。
【図14】この発明の実施の形態5によるディジタル無線機の、誤り検出フローを示す図である。
【図15】この発明の実施の形態5の自動車・携帯電話用無線機の、変調方式切り替えのフローチャートである。
【図16】この発明の実施の形態1のPHS無線機の、変調方式切り替えのシーケンスである。
【図17】従来のPHS無線機の、変調方式切り替えを示す概念図である。
【図18】従来のPHS無線機の、変調方式切り替えのTch切替に必要な無線機内部の閾値テーブルの一例を示した図である。
【符号の説明】
11 TDMA/TDD処理部、12 CRCエンコーダ、13 CRCデコーダ、14 CRC誤り訂正回路、15 送信信号蓄積部、16 変調部、17変調方式切り替え制御部、18 復調部、19 軟判定値出力部、21 RF部、22 アンテナ、23 受信レベル検出部、24 メモリ、25 CPU、31 TDMA処理部、32 誤り訂正符号器、33 誤り訂正復号器、34 誤り訂正回路。
Claims (8)
- 複数の変調方式のいずれかを用いて送信信号を変調する変調部と、
受信信号に付加された誤り訂正符号から、上記受信信号のビット誤りを検出して訂正すると共に、上記受信信号のビット誤りを検出してビット誤り情報を出力する誤り訂正回路と、
上記ビット誤り情報に基づいて上記変調部が用いる上記変調方式を切り替える変調方式切り替え制御部とを有することを特徴とする、ディジタル無線機の変調方式切り替え装置。 - 複数の変調方式のいずれかを用いて送信信号を変調する変調部と、
復調された受信信号の軟判定値を出力する軟判定値出力部と、
上記軟判定値に基づいて上記変調部が用いる上記変調方式を切り替える変調方式切り替え制御部とを有することを特徴とする、ディジタル無線機の変調方式切り替え装置。 - 復調された受信信号の軟判定値を出力する軟判定値出力部をさらに有し、
変調方式切り替え制御部が、ビット誤り情報および上記軟判定値に基づいて変調部が用いる変調方式を切り替えることを特徴とする、請求項1記載のディジタル無線機の変調方式切り替え装置。 - 変調方式切り替え期間中の送信信号を蓄積する送信信号蓄積部をさらに有することを特徴とする、請求項1乃至請求項3のうちのいずれか1項記載のディジタル無線機の変調方式切り替え装置。
- 受信信号に付加された誤り訂正符号から上記受信信号のビット誤りを検出して訂正すると共に、上記受信信号のビット誤りを検出してビット誤り情報を生成する誤り訂正手順と、
上記ビット誤り情報に基づいて変調方式を切り替える変調方式切り替え制御手順とをコンピュータに実行させるためのプログラム。 - 復調された受信信号の軟判定値を生成する軟判定値出力手順と、
上記軟判定値に基づいて変調方式を切り替える変調方式切り替え制御手順とをコンピュータに実行させるためのプログラム。 - 受信信号に付加された誤り訂正符号から上記受信信号のビット誤りを検出して訂正すると共に、上記受信信号のビット誤りを検出してビット誤り情報を生成する誤り訂正手順と、
復調された受信信号の軟判定値を生成する軟判定値出力手順と、
上記ビット誤り情報および上記軟判定値に基づいて変調方式を切り替える変調方式切り替え制御手順とをコンピュータに実行させるためのプログラム。 - 変調方式切り替え期間中の送信信号を蓄積する送信信号蓄積手順をさらにコンピュータに実行させるための、請求項5乃至請求項7のうちのいずれか1項記載のプログラム。
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