JP2004048250A - 無線基地局、ネットワーク加入制御方法、無線端末及び通信制御方法 - Google Patents

無線基地局、ネットワーク加入制御方法、無線端末及び通信制御方法 Download PDF

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中北 英明
Takeshi Saito
斉藤 健
Keiji Tsunoda
角田 啓治
Kiyoshi Toshimitsu
利光 清
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Abstract

【課題】各端末種別の無線端末に要求される通信品質を保証することを可能とした無線基地局を提供すること。
【解決手段】無線基地局1は、無線端末の端末種別ごとに、予め設定された最大加入台数を保持するとともに、当該種別の無線端末の現在加入台数を管理している。無線端末2は、無線ネットワークへの加入を要求する要求メッセージを、無線基地局2へ送信する。無線基地局1は、要求メッセージを受信すると、該要求メッセージを送信した該無線端末2の端末種別に対応する最大加入台数及び現在加入台数に基づいて、該無線端末2の無線ネットワークへの加入の許否を判定し、その判定結果を示す応答メッセージを該無線端末へ返信する。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線ネットワークにおける無線基地局、ネットワーク加入制御方法、無線端末及び通信制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のLAN(Local Area Network)技術の発達に伴い、オフィス環境では、PC(Personal Computer)間の有線接続を中心として、ネットワーク化が進行している。
【0003】
このような有線LANの普及の一方で、有線LANの一部分を無線で置換する無線LAN化も進んでいる。例えば、有線LANに無線基地局を接続し、この基地局へ複数の携帯型PCを無線で接続した場合を考える。この場合、携帯型PCから、有線LANにイーサネット(TM)接続されているデスクトップPCのファイルを編集すると、有線LANへ無線アクセスを行っていることになる。また、基地局と携帯型PCの部分を切り出してみると、その部分は無線LANを形成している。無線LANの利点は、伝送路として電波や赤外線などを利用するので配線敷設が不要なことと、ネットワークの新設やレイアウト変更が容易なことである。
【0004】
このような無線LANの導入は、IEEE802.11の標準化によって、拍車がかかっている。すなわち、これまで、伝送距離や指向性などの無線特性や、有限な資源である無線帯域を有効に活用するための通信政策や、また、メーカにとってはできるだけ抑えたい製造コストといった観点から、主に、2.4GHz帯や5GHz帯で、無線LANの標準化および研究開発が進められてきた。そして、IEEE802.11では、1997年に2.4GHz帯の無線LAN仕様を、1999年に5GHz帯の無線LAN仕様を、それぞれ完成させている。これらの周波数帯における無線ネットワークプロトコルは、基本的に時分割多重で複数端末を収容するものである。
【0005】
2.4GHz帯の無線LAN仕様では、その伝送速度には、1〜2Mbpsのものと11Mbpsのものとがあり、さらに20Mbpsを超える仕様が現在検討中である。最近、この2.4GHz帯仕様に準拠した製品が、各社から発売されるようになり、基地局や無線PCカードが、普及価格帯に入っている。なお、この2.4GHz帯では、Bluetooth(TM)という規格が、携帯電話業界や家電業界やPC業界を巻き込んで、あらゆる機器に搭載されようとしている。このBluetooth(TM)も無線システムであるが、1チップ5ドル程度という低コストと、幅広い業種の約2000社から賛同を得ていることと、製品化と直結した標準作成活動とから、世界的な普及が見込まれている。
【0006】
一方、5GHz帯の無線LAN仕様では、20〜30Mbpsの伝送速度を実現することができる。また、5GHz帯は2.4GHz帯とは異なり、現在はほぼ未使用な周波数帯域で、かつ、より高速な伝送速度が容易に見込まれるため、次世代の無線LAN仕様として、あるいはTVや映画などの映像コンテンツを通信するための仕様として、幅広く期待されている。1チップ35ドルという価格で2001年に初めて発売され、今後ますますLSI開発の競争が激しくなるものと見込まれている。
【0007】
なお、米国(IEEE)だけではなく、欧州ではHiperLAN2という規格が、また、日本では無線1394という独自の規格が、それぞれ策定されている。これら3つの規格は、通信プロトコルでいうところの物理レイヤ(PHYレイヤ)はほぼ共通で、MACレイヤの作りが異なるというものである。このようにして、5GHz帯も徐々に身近な存在となりつつある。
【0008】
以上のような状況から、無線機器が普及するに伴いこれらの技術の使用範囲はオフィス環境だけでなく、一般家庭にも拡大していくものと考えられる。特に、家庭内において配線敷設が不要となる点は、オフィス環境の場合よりもさらに大きな魅力となる可能性がある。また、AV(Audio Visual)データを通信できるという観点からは、むしろ家庭でのニーズの方が高いと予想される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
無線通信に使用しようとしている2.4GHz帯や5GHz帯の周波数帯では、空間形状や、他の機器から、影響を受ける可能性がある。特に、リアルタイム特性が要求されるコンテンツの場合には、エラーが生じたことや等しい時間間隔での再生が困難などの原因から、映像や音声が乱れてしまう可能性がある。
【0010】
前者の2.4GHz帯は、電子レンジや米国における携帯電話など、他の既存機器により使用されている。IEEE802.11b無線LANやBluetooth機器によるアドホックネットワークは、この周波数帯を使用するため、これら既存機器の影響を受ける可能性がある。また、これら2種類のネットワークが共存する場所では、お互いに干渉しあう可能性もある。
【0011】
後者の5GHz帯では、IEEE802.11a無線LANやHiperLAN2やARIB無線1394(TM)などの標準規格が策定され、2.4GHz帯よりも高速なアプリケーションの収容が主要な目標の一つとなっている。日本国内では、屋内使用のみに限定されているが、5.15GHzから5.25GHzにかけての100MHz幅が開放され、そこに20MHz幅のチャネル4本が使用可能である。欧州やアメリカなどでは、さらに使用可能な周波数帯域が存在する。
【0012】
無線通信は、有線による通信に比較して、途中の通信路においてビットエラーが発生しやすく、そのままでは、映像や音声の品質が劣化する。そこで、誤りを受信側で回復できるようにするための情報付加、例えばリードソロモン符号化などを行なってから送信するFEC(Forward Error Correction)技術や、あるいは受信側から受信確認を返してもらうようにして、この受信確認情報を受け取れなかったら再送を繰り返す再送技術などが用いられる。
【0013】
無線通信では、変調方式と符号化率の組合せなどで、ビットレートを決定することができる。HDTVのような高精細なAVデータは、高ビットレートを必要とする。さらに、AVデータをリアルタイムで通信し、再生するためには、等時性(アイソクロナス性)も要求される。このため、できるだけ一定間隔で帯域を確保できるメカニズムが必要である。
【0014】
従来から、ネットワークが持つ帯域を、個々のアプリケーションが必要とする帯域分について予約するという資源予約の考え方がある。帯域を予約する方法の一例については特開2001−223716号公報などで開示されている。しかしながら個々のコネクションが資源予約のために申告する帯域を純粋に積算しこれから余剰資源を検出する方法では、全体のコネクション数と関連して発生するオーバヘッドや、個々のコネクションの伝送ビットレートの変動等の影響を受けることにより、上記等時性保証を含む通信品質を安定して提供することが難しい場合もある。特にネットワークが許容する帯域資源の上限に近い状況で使用される場合に発生しやすい。
【0015】
以上のように、複数の無線端末が存在する場合に、各無線端末の要求される通信品質を保証することは困難であった。
【0016】
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、各端末種別の無線端末に要求される通信品質を保証することを可能とした無線基地局、ネットワーク加入制御方法、無線端末及び通信制御方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数の無線端末の無線ネットワークへの加入を制御する無線基地局であって、無線端末の端末種別ごとに予め設定された、当該種別の無線端末が同時に前記無線ネットワークへ加入できる最大の台数を示す最大加入台数を記憶する第1の記憶手段と、無線端末の端末種別ごとに、当該種別の無線端末が現在前記無線ネットワークへ加入している台数を示す現在加入台数を記憶する第2の記憶手段と、無線端末から前記無線ネットワークへの加入を要求する要求メッセージを受信する手段と、前記要求メッセージを受信した場合に、該要求メッセージを送信した前記無線端末についての前記端末種別について前記第1の記憶手段に記憶されている前記最大加入台数と、該端末種別について前記第2の記憶手段に記憶されている前記現在加入台数とに基づいて、該要求メッセージに係る前記無線端末の前記無線ネットワークへの加入の許否を判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果を示す応答メッセージを、前記要求メッセージを送信した前記無線端末へ返信する手段とを備えたことを特徴とする。
【0018】
好ましくは、前記判定手段は、前記現在加入台数が前記最大加入台数に達していない場合には、前記無線端末の前記無線ネットワークへの加入を許可し、前記現在加入台数が前記最大加入台数に達している場合には、前記無線端末の前記無線ネットワークへの加入を拒否するようにしてもよい。この場合、それぞれの無線端末の種別について現在加入台数が予め設定された最大加入台数に達したときは、それ以降、当該種別の無線端末のネットワーク加入は許可しない。これによって、各端末種別の無線端末に要求される通信品質を保証することが可能になる。例えば、リアルタイム特性が要求されるAVデータを、受信側において高品質で再生できるように、無線通信を実現することができる。
【0019】
また、好ましくは、前記無線端末が送信する前記要求メッセージは、1又は複数の所定のパラメータの値を含むものであり、前記判定手段は、前記現在加入台数が前記最大加入台数に達している場合には、前記無線端末の前記無線ネットワークへの加入を拒否し、前記現在加入台数が前記最大加入台数に達していない場合には、前記要求メッセージに含まれる前記所定のパラメータの値をもとに、所定の判断基準に基づいて、前記無線端末の前記無線ネットワークへの加入の許否を判定するようにしてもよい。この場合、それぞれの無線端末の種別について現在加入台数が予め設定された最大加入台数に達したときは、それ以降、当該種別の無線端末のネットワーク加入は許可しないだけでなく、最大加入台数に達していないときであっても、無線端末が要求するパラメータを満足できないときは、やはり、ネットワーク加入を許可しない。これによって、各端末種別の無線端末に要求される通信品質を保証することが可能になる。例えば、リアルタイム特性が要求されるAVデータを、受信側において高品質で再生できるように、無線通信を実現することができる。
【0020】
例えば、AVデータを通信するような端末がネットワークに加入するときは、ビットレート、通信間隔やその揺れ、最大通信距離などを申請してもらうことによって、基地局が加入を許可するか否かを判断するようにしてもよい。このような制限や判断によって、ネットワークに加入したAVデータ端末に対して、AVデータの通信品質を保証することが可能になる。
【0021】
また、本発明は、複数の無線端末の無線ネットワークへの加入を制御する無線基地局におけるネットワーク加入制御方法であって、無線端末の端末種別ごとに予め設定された、当該種別の無線端末が同時に前記無線ネットワークへ加入できる最大の台数を示す最大加入台数を第1の記憶手段に記憶し、無線端末の端末種別ごとに、当該種別の無線端末が現在前記無線ネットワークへ加入している台数を示す現在加入台数を第2の記憶手段に記憶し、無線端末から前記無線ネットワークへの加入を要求する要求メッセージを受信し、前記要求メッセージを受信した場合に、該要求メッセージを送信した前記無線端末についての前記端末種別について前記第1の記憶手段に記憶されている前記最大加入台数と、該端末種別について前記第2の記憶手段に記憶されている前記現在加入台数とに基づいて、該要求メッセージに係る前記無線端末の前記無線ネットワークへの加入の許否を判定し、前記判定による判定結果を示す応答メッセージを、前記要求メッセージを送信した前記無線端末へ返信することを特徴とする。
【0022】
また、本発明は、複数の無線端末の無線ネットワークへの加入を制御する無線基地局としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、無線端末の端末種別ごとに予め設定された、当該種別の無線端末が同時に前記無線ネットワークへ加入できる最大の台数を示す最大加入台数を第1の記憶に記憶する機能と、無線端末の端末種別ごとに、当該種別の無線端末が現在前記無線ネットワークへ加入している台数を示す現在加入台数を第2の記憶手段に記憶する機能と、無線端末から前記無線ネットワークへの加入を要求する要求メッセージを受信する機能と、前記要求メッセージを受信した場合に、該要求メッセージを送信した前記無線端末についての前記端末種別について前記第1の記憶手段に記憶されている前記最大加入台数と、該端末種別について前記第2の記憶手段に記憶されている前記現在加入台数とに基づいて、該要求メッセージに係る前記無線端末の前記無線ネットワークへの加入の許否を判定する判定機能と、前記判定機能による判定結果を示す応答メッセージを、前記要求メッセージを送信した前記無線端末へ返信する機能とをコンピュータに実現させるためのプログラムである。
【0023】
また、本発明は、無線ネットワークに加入する際に無線基地局に加入を要求する無線端末であって、無線ネットワークへ加入すべき場合に、該無線ネットワークを管理する無線基地局へ、該無線ネットワークへの加入を要求する旨、並びに端末の種別を示す情報、及び要求する最小限の帯域を示す最小ビットレートを示すパラメータ値と要求する周期的送信間隔に対する最大許容ジッタを示すパラメータ値と要求する最大送信距離を示すパラメータ値のうちの全部又は一部のパラメータ値を含む要求メッセージを送信する手段と、前記要求メッセージに応答して、前記無線基地局が、該要求メッセージに含まれる端末の種別について予め定められた同時加入可能とする端末数の上限数に基づく第1の加入条件を満たし且つ該要求メッセージに含まれる前記パラメータ値に基づく第2の加入条件を満たすために前記無線ネットワークへの加入を許可すると判定した場合に送信する、加入を許可する旨の応答メッセージを受信する手段とを備えたことを特徴とする。
【0024】
また、本発明は、無線ネットワークに加入する際に無線基地局に加入を要求する無線端末における通信制御方法であって、無線ネットワークへ加入すべき場合に、該無線ネットワークを管理する無線基地局へ、該無線ネットワークへの加入を要求する旨、並びに端末の種別を示す情報、及び要求する最小限の帯域を示す最小ビットレートを示すパラメータ値と要求する周期的送信間隔に対する最大許容ジッタを示すパラメータ値と要求する最大送信距離を示すパラメータ値のうちの全部又は一部のパラメータ値を含む要求メッセージを送信し、前記要求メッセージに応答して、前記無線基地局が、該要求メッセージに含まれる端末の種別について予め定められた同時加入可能とする端末数の上限数に基づく第1の加入条件を満たし且つ該要求メッセージに含まれる前記パラメータ値に基づく第2の加入条件を満たすために前記無線ネットワークへの加入を許可すると判定した場合に送信する、加入を許可する旨の応答メッセージを受信することを特徴とする。
【0025】
また、本発明は、無線端末に搭載されたコンピュータを機能させるためのプログラムであって、無線ネットワークへ加入すべき場合に、該無線ネットワークを管理する無線基地局へ、該無線ネットワークへの加入を要求する旨、並びに端末の種別を示す情報、及び要求する最小限の帯域を示す最小ビットレートを示すパラメータ値と要求する周期的送信間隔に対する最大許容ジッタを示すパラメータ値と要求する最大送信距離を示すパラメータ値のうちの全部又は一部のパラメータ値を含む要求メッセージを送信する機能と、前記要求メッセージに応答して、前記無線基地局が、該要求メッセージに含まれる端末の種別について予め定められた同時加入可能とする端末数の上限数に基づく第1の加入条件を満たし且つ該要求メッセージに含まれる前記パラメータ値に基づく第2の加入条件を満たすために前記無線ネットワークへの加入を許可すると判定した場合に送信する、加入を許可する旨の応答メッセージを受信する機能とをコンピュータに実現させるためのプログラムである。
【0026】
なお、装置に係る本発明は方法に係る発明としても成立し、方法に係る本発明は装置に係る発明としても成立する。
また、装置または方法に係る本発明は、コンピュータに当該発明に相当する手順を実行させるための(あるいはコンピュータを当該発明に相当する手段として機能させるための、あるいはコンピュータに当該発明に相当する機能を実現させるための)プログラムとしても成立し、該プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体としても成立する。
【0027】
本発明によれば、各端末種別の無線端末に要求される通信品質を保証することを可能とした無線基地局、ネットワーク加入制御方法、無線端末及び通信制御方法を提供することができる。
【0028】
また、本発明によれば、例えば、アプリケーションが要求する帯域よりも大きな帯域を無線通信区間に設定して、無線帯域を有効利用することができる。その設定は、受信側のデータ格納部に関する情報やエラー訂正能力に関する情報などを基にして行なうことによって、送信したコンテンツは確実に受信させることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら発明の実施の形態を説明する。
【0030】
図1に、本発明の一実施形態に係る無線ネットワーク・システムの構成例を示す。
【0031】
図1において、1は無線ネットワーク3を管理する無線基地局(以下、基地局と略記する)、2は基地局1に加入要求を行って許可を貰った後に無線ネットワーク3に加入する無線端末を示している。もちろん、図1の無線ネットワークにおいては、図示した2台の無線端末以外にも無線端末が存在し得ることを想定している。
【0032】
なお、無線ネットワークには特に限定はない。例えば、Bluetooth(TM)、IEEE802.11、HiperLAN2、ARIB無線1394(TM)などでもよい。
【0033】
図2に、本実施形態の基地局1の構成例を示す。図2に示されるように、基地局1は、無線端末2との通信を行うための通信部11、無線端末2からネットワーク加入要求(ネットワーク加入要求メッセージ)を受けた場合に所定の判断基準に基づいて許可または拒否を行うなどの無線ネットワークの管理を行うための無線ネットワーク管理部12を備えている。
【0034】
図3に、本実施形態の無線端末2の構成例を示す。図3に示されるように、無線端末2は、基地局1や無線端末2との通信を行うための通信部21、AVデータ転送時などの必要時に基地局1へネットワーク加入要求を行うための加入要求部22、AVデータに対する送信及び又は受信などの処理を行うためのAV処理部23とを備えている。
【0035】
図3の構成例は、無線端末が、AVデータの送信側及び又は受信側として動作する機能を有する場合の一例である。もちろん、図3のAV処理部23に加えて、またはAV処理部23の代わりに、他の所定の機能のための処理部を備えていてもよい。
【0036】
なお、以下では、無線端末2が一例としてAVデータの送信側及び又は受信側として動作する機能を有する場合に、そのような無線端末をAVデータ端末と呼んで説明することがある。
【0037】
図4に、本実施形態の加入要求時のシーケンス例を示す。
【0038】
通常、無線プロトコルでは、基地局1から、管理対象の無線ネットワークに関する情報がブロードキャストされている(S101)。この情報をもとに、無線端末2は、無線ネットワークを発見して、加入申請することができる。なお、S101は必須ではなく、基地局1からブロードキャストされた情報以外の情報をもとにしても構わない。
【0039】
無線端末2は、上記のネットワークに加入したいときあるいは加入すべきときは、基地局1に対して、ネットワーク加入要求を送信する(S102)。なお、ネットワーク加入要求には、所定のパラメータの値を記述するようにしてもよい。
【0040】
基地局1は、ネットワーク中の無線端末2からネットワーク加入要求を受信すると、該ネットワーク加入要求に対し、所定の判断基準に基づいて、許可するかまたは拒否するかについての加入判定を行う(S103)。なお、ネットワーク加入要求に無線端末2が所定のパラメータの値を記述する場合に、基地局1は、該所定のパラメータの値に基づいて、加入判定を行うようにしてもよい。
【0041】
しかして、基地局1は、許可または拒否を決定したならば、その許可または拒否に応じたネットワーク加入応答(ネットワーク加入応答メッセージ)を、要求元の無線端末2へ返す(S104)。なお、拒否の場合には、拒否の理由をネットワーク加入応答に記述してもよい。
【0042】
ネットワーク加入応答を受信した無線端末2は、該ネットワーク加入応答の内容を参照することによって、許可または拒否(あるいはその理由や制限など)を知ることになる。そして、無線端末2は、許可または拒否に応じて、次のアクションを取ることができる。例えば、許可であれば、該ネットワークを介して所望のデータ転送を試みるなどである。また、例えば、拒否であれば、しばらく待ってからあらためてネットワーク加入要求を出す、あるいは、ネットワーク加入要求に所定のパラメータの値を記入することとなっている場合に、パラメータの値を変えてネットワーク加入要求を出し直す、あるいはネットワーク加入要求を拒否された旨をユーザに呈示するなどである。
【0043】
なお、ネットワーク加入要求を許可された無線端末2が当該ネットワークから脱退する方法については、種々のバリエーションが可能である。例えば、無線端末2が、基地局1からネットワーク加入要求を許可された後で該ネットワークから脱退する場合に、基地局1へネットワーク脱退通知を行うものとしてもよい。また、基地局1は、ネットワーク加入中の無線端末に関して一定時間通信が行われなかった場合に当該無線端末がネットワークから脱退したものとみなすようにしてもよい。また、基地局1は、所定の条件が成立した場合に、ネットワーク加入中の無線端末の全部又は一部を強制的に脱退させるものとし、脱退させる無線端末2にネットワーク脱退指令を出すようにしてもよい。また、それらの方法を複数併用するようにしてもよい。
【0044】
以下、本実施形態の無線ネットワーク管理について、ネットワーク加入を中心に説明する。
【0045】
本実施形態では、予め端末の種別を分類しておき、端末の種別ごとに、ネットワーク加入要求に対する許否を決定する。
【0046】
図5に、基地局1が無線端末2からのネットワーク加入要求を受けた場合に、許可と拒否のいずれを行うかを判断する処理手順の一例を示す。
【0047】
図5に示されるように、基地局1は、ある無線端末2からのネットワーク加入要求に係る端末種別を参照し、第1の種別ならば(ステップS1)、第1の種別の端末用の加入制御を行い(ステップS2)、第2の種別ならば(ステップS3)、第2の種別の端末用の加入制御を行い(ステップS4)、第3の種別ならば(ステップS5)、第3の種別の端末用の加入制御を行う(ステップS6)。
【0048】
基地局1は、ネットワーク加入要求を許可することを決定した場合には、要求元の無線端末2へ、許可を示す応答を返す。一方、拒否することを決定した場合には、拒否を示す応答を返す。
【0049】
種別の定め方には種々のバリエーションが可能である。例えば、第1の種別を動画像データを送受信する端末、第2の種別を動画像データを送受信しないが静止画データを送受信する端末、第3の種別を動画像データも静止画データも送受信しない端末、とする分類例である。あるいは、例えば、第1の種別を高速のAVデータを送受信する端末、第2の種別を低速のAVデータを送受信する端末、第3の種別をそれ以外の端末、とする分類例などである。あるいは、例えば、無線端末が必要とするビットレートに応じて分類する方法もある。あるいは、例えば、アプリケーションの種別を端末種別とする方法もある。
【0050】
また、第1の方法による分類と第2の方法による分類との組合せによって、種別を設定するようにしてもよい。分類の仕方を3種類以上用いる場合も同様である。
【0051】
第1の種別の端末用の加入制御の内容と、第2の種別の端末用の加入制御の内容と、第3の種別の端末用の加入制御の内容とは、同一であってもよいし、異なるものであってもよい。
【0052】
なお、図5の例は、3種類の端末種別を設けた場合の例であるが、もちろん、端末の種別が2種類や4種類以上の場合も同様である。
【0053】
各加入制御の内容の一例は、当該種別の端末について同時にネットワーク加入できる端末数の上限数(以下、最大加入台数と呼ぶ)nを予め定めておき、当該種別の加入数がこの最大加入台数nに達した時点で、当該種別については以降は新たな加入を認めないような制御を行うことである。なお、無線ネットワークに何らかの理由で定まる固有の上限数Nが存在する場合には、この最大加入台数nは固有の上限数Nよりも小さい値に設定するのが望ましい。図6に、3種類の端末種別ごとに、その同時加入数を管理する管理テーブルの一例を示す。
【0054】
この場合、基地局1は、ネットワーク加入要求を出した端末に許可を出しても、その端末の種別についての現在の加入数に1を加えて得た数が最大加入台数nを越えなければ(あるいは、その端末の種別についての現在の加入数が最大加入台数nに満たなければ)、許可することと決定し、許可を出すと、その端末の種別についての現在の加入数に1を加えて得た数が最大加入台数nを超過することになれば(あるいは、その端末の種別についての現在の加入数が最大加入台数nに等しければ)、拒否することと決定する。
【0055】
各加入制御の内容の他の例は、まず、上記と同様に、当該種別の端末について、同時にネットワーク加入できる端末数の最大加入台数nを予め定めておくとともに、この条件をクリアした場合に、他の条件を満たすかどうか判断し、他の条件を満たすときに、はじめて、ネットワーク加入を許可するものである。
【0056】
上記の他の条件の一例としては、例えば、ネットワーク加入要求に係る、最小ビットレート、最大許容ジッタ、最大送信距離などパラメータの値のすべてが、予めパラメータごとに定められた基準値を満足するものである、という条件である。ここで、最小ビットレートは、当該AVデータ端末が必要とする最小限の帯域である。また、AVデータ通信は定期的タイミングで行われる必要があるが、最大許容ジッタは、そのタイミングのジッタに対する最大許容値を示すものである。また、最大送信距離は、当該AVデータ端末が望む送信距離の最大値である。図7に、3種類の端末種別ごとに、その同時加入数及び各パラメータの基準値を管理する管理テーブルの一例を示す。
【0057】
図6や図7の例では、その管理テーブルに現在加入数をも併せて管理しているが、図6や図7のその管理テーブルとは別に、端末の種別とその現在加入数との対応を管理するようにしてもよい。
【0058】
なお、上記の各パラメータは、何らかの方法で判別できるものとする。例えば、ネットワーク加入要求に、当該無線端末2の要求する各パラメータの値が記述されるものとしてもよい。
【0059】
また、端末の種別も、何らかの方法で判別できるものとする。例えば、ネットワーク加入要求に、端末の種別を示す情報が記述されるものとしてもよい。
【0060】
図8に、ある種別の端末からの無線ネットワーク加入について、基地局1が許可すべきか拒否すべきかを判断する際のより詳細な手順の一例を示す。
【0061】
基地局1では、AVデータ端末の種別の端末の現在加入数を管理している。
【0062】
基地局1は、AVデータ端末2からネットワーク加入要求を受け、当該ネットワーク加入要求に係る端末の種別がAVデータ端末の種別(例えば、図5の第1の種別)であると判断された場合(例えば、図5のステップS1)、まず、現在加入数が最大加入台数nに達しているか否かを調べる。そして、現在加入数が最大加入台数nに達していれば(ステップS11)、当該ネットワーク加入要求を拒否する。
【0063】
これに対して、現在加入数が最大加入台数nに達していなければ(ステップS11)、図7の管理テーブルの該当する種別に対する各パラメータの基準値を参照して、他の条件をクリアするかどうかのチェックに移る。
【0064】
しかして、当該ネットワーク加入要求に係る、最小ビットレートが実現できないか(ステップS12)、定期的な通信タイミングに対する最大許容ジッタが満足できないか(ステップS13)、または最大送信距離を達成できないならば(ステップS14)、当該ネットワーク加入要求を拒否する。
【0065】
一方、当該ネットワーク加入要求に係る、最小ビットレートが実現でき(ステップS12)、かつ、定期的な通信タイミングに対する最大許容ジッタが満足でき(ステップS13)、かつ、最大送信距離を達成できるならば(ステップS14)、当該ネットワーク加入要求を許可する。
【0066】
なお、ステップS12では、当該ネットワーク加入要求に係る最小ビットレートが、対応する基準値以下であれば、実現できると判断される。また、ステップS13では、当該ネットワーク加入要求に係る最大許容ジッタが、対応する基準値以下であれば、満足できると判断される。また、ステップS14では、当該ネットワーク加入要求に係る最大送信距離が、対応する基準値以下であれば、達成できると判断される。
【0067】
基地局1は、拒否することを決定した場合には、要求元のAVデータ端末2へ、拒否を示すネットワーク加入応答メッセージを返す。
【0068】
一方、基地局1は、ネットワーク加入要求を許可することを決定した場合には、要求元のAVデータ端末2へ、許可を示すネットワーク加入応答メッセージを返す。また、当該端末の種別について、対応する現在加入数を1増加する。
【0069】
なお、基地局1は、当該端末の種別について、いずれかの無線端末2が脱退されるものとして扱われることになった場合に、対応する現在加入数を1減少することになる。
【0070】
ところで、端末の種別ごとに、現在加入中の無線端末の識別子を保持するようにしてもよい。この場合には、基地局1は、ある無線端末2に対して許可を出した場合に、該無線端末2の種別に対応する機器リストに、その識別子を保持するとともに、基地局1が実際に保持している特定の種別の機器リストに保持されている識別子を持つ(該特定の種別としての)無線端末2について脱退がなされるものとして扱われることになった場合に、該種別の機器リストから該識別子を削除するようにすればよい。
【0071】
なお、図8は、一例であり、必ずしも、最小ビットレート、最大許容ジッタ、最大送信距離の順番で、判定しなくてもよい。ただし、基本的には、重要な順に判定するのが望ましい。また、最小ビットレート、最大許容ジッタ、最大送信距離を並列に判定してもよい。
【0072】
また、図8は、一例であり、最小ビットレート、最大許容ジッタ、最大送信距離の全部又は一部に加えてあるいは代えて、それら以外の項目を判定に使用する形態も可能である。例えば、AVデータ端末の使用するアプリケーション種別を提示させ、予め設定されたアプリケーション種別のみを有するAVデータ端末の加入を許可するようにしてもよい。
【0073】
また、全ての判定条件の組合せがテーブル化されて、ネットワーク加入要求を受けたとき、該テーブルを参照することで判定を下すような方法も可能である。
【0074】
このようにAVデータ端末について管理を行い、ネットワーク加入に制約を加えることによって、AVデータ通信の品質を保証することが可能である。
【0075】
また、AVデータ端末以外の各種端末についても、同様に、当該端末の種別に応じた判定方法を用いることにより、当該種別の端末の要求する所定の通信品質を保証することが可能になる。
【0076】
図9(a)に、図8の手順例において端末種別と最小ビットレートと最大許容ジッタと最大送信距離がネットワーク加入要求に記述されるものとした場合における、該ネットワーク加入要求メッセージに含まれる情報の一例を示す。
【0077】
「フレーム種別」は、ネットワーク加入要求メッセージの無線フレームであることを示す。このフレーム種別によって、基地局1は、ネットワーク加入要求メッセージであることを識別する。
【0078】
「端末種別」は、これまでの説明における端末の種別である。例えば、これによって、上記のAVデータ端末であることが示される。
【0079】
また、前述の「最小ビットレート」、「最大許容ジッタ」、「最大送信距離」が含まれている。
【0080】
なお、図9(a)に示した情報以外の情報が、ネットワーク加入要求メッセージに含まれてもよい。
【0081】
例えば、図9(b)に示すように、「アプリケーション種別」を含んでもよい。このアプリケーション種別は、例えば、MPEG2アプリケーションなのか、DVアプリケーションなのか、などを示すことが可能である。
【0082】
また、例えば、AVデータ端末が実装しているFEC(Forward Error Correction)の方式や能力が含まれてもよく、このFECに関する情報が、基地局1が管理する無線ネットワーク内で利用可能か否かにも基づいて、ネットワーク加入要求に対する許否を判定することも可能である。
【0083】
図10は、無線プロトコルとしてIEEE802.11を使用した場合のネットワーク加入要求のパケット構成例を示す。
【0084】
IEEE802.11では、ネットワーク加入要求メッセージとして、Association Requestフレームを用いて、基地局1へのAssociationを要求する。このとき、Capability Informationフィールドが重要な役割を果たす。図9のフレーム種別に相当する情報は、図10のヘッダ部内に記述される。図9の端末種別に相当する情報については、Capability Informationフィールド内のCFPollableあるいはCF Poll RequestあるいはPrivacyといったサブフィールドで、帯域を予約するような端末を識別することが可能である。図9の最大許容ジッタ、最大送信距離、アプリケーション種別などの情報は、予約領域(Reservation)を使用すれば、基地局に通知することが可能である。この予約領域を、より細かく端末識別するのに使用しても良い。
【0085】
図11(a)は、無線プロトコルとしてIEEE802.11を使用した場合のネットワーク加入要求に対するネットワーク加入応答メッセージのパケット構成例を示す。
【0086】
IEEE802.11では、Association Responseフレームを用いて、無線端末2へのネットワーク加入応答メッセージとする。
【0087】
このネットワーク加入応答メッセージには、判定結果が含まれている。基本的には、Statusフィールドに判定結果が含まれ、例えば、図11(b)のようなコーディングによって、加入が許可された場合におけるその旨、または加入が拒否された場合における拒否理由が示される。
【0088】
なお、図11(b)は、図8の手順例に対応するものである。また、図11(b)で示した以外の拒否理由がStatusフィールドに含まれてもよい。
【0089】
なお、図11(b)は、拒否理由を唯一としてコーディングした例であるが、例えば、ビットマップなどによって、拒否された場合における各拒否理由の有無を通知するようにしてもよい。
【0090】
次に、AVデータ端末2間でAVデータ転送を行う場合を例にとって説明する。
【0091】
なお、AVデータを送信する側の無線端末をAVデータ端末T、AVデータを受信する側の無線端末をAVデータ端末Rと呼んで説明するものとする。
【0092】
図12に、この場合のシーケンスの一例を示す。
【0093】
図4と同様に、基地局1から、管理対象の無線ネットワークに関する情報がブロードキャストされている(S31)。
【0094】
AVデータ端末Rがネットワーク加入要求を出す(S32)。
【0095】
基地局1は、該ネットワーク加入要求を受けて、加入判定を行う(S33)。ここでは、許可することに決定されたものとする。この場合、基地局1は、許可を示すネットワーク加入応答をAVデータ端末2へ返す(S34)。
【0096】
AVデータ端末Tについても、同様にして、ネットワーク加入要求、加入判定、許可のネットワーク加入応答がなされたものとする(S35〜S37)。
【0097】
なお、上記のS32〜S34の一連の手続きと、S35〜S37の一連の手続きの順序は問わない。また、S32〜S34の一連の手続きと、S35〜S37の一連の手続きとが並行して行われてもよい。
【0098】
以上によって、AVデータ端末TとAVデータ端末Rとがネットワークに加入することができ、これによって、AVデータ端末TとAVデータ端末Rとの間のAVデータ転送が可能になる。
【0099】
続いて、AVデータ端末Tが、AVデータ端末RとのAVデータ通信を要求するAV通信要求を、AVデータ端末Rに対して送信する(S38)。このAV通信要求には、例えば、ビットレートや1周期内のネットワーク占有時間などの情報が含まれる。
【0100】
このAV通信要求を受信したAVデータ端末Rは、該AV通信要求に含まれる上記のような情報に基づいて、該要求に対する許否を判定するなどの受付制御を行う(S39)。
【0101】
そして、AVデータ端末Rは、許可するときは、基地局1に対して、ネットワークの定期的な使用に対する許可を求めるべく、AVデータ通信を行う旨のAV通信通知を送信する(S40)。AVデータは、ほぼ一定間隔での通信が要求され、間隔の揺れ(ジッタ)に対して制限が存在することが多い。
【0102】
このAV通信通知を受信した基地局1は、ネットワークの使用状況等に基づいて、使用の許否を判定するなどの受付制御を行う(S41)。
【0103】
そして、基地局1は、使用許可するときは、その旨のAV通信応答をAVデータ端末Rへ返す(S42)。
【0104】
基地局1から使用許可のAV通信応答を受信したAVデータ端末Rは、AV通信応答をAVデータ端末Tへ返す(S43)。AVデータ端末Tは、このAV通信応答を受けた後、AVデータ端末RとAVデータ通信することが可能となる。
【0105】
なお、AV通信応答には、例えば、AVデータ通信が許可されたこと、並びに、どの定期的タイミングで、どのようなビットレートで、どの程度の時間、ネットワークを占有するかなどの情報が記述されるようにしてもよい。この場合、AVデータ端末T,Rは、このAV通信応答を受けることによって、AVデータ通信が許可されたこと、並びに、どの定期的タイミングで、どのようなビットレートで、どの程度の時間、ネットワークを占有するかなどの情報を知ることができる。
【0106】
しかして、AVデータ端末TとAVデータ端末Rとの間で、所望のAVデータの転送が行われる(S44)。
【0107】
図13に、シーケンスの他の例を示す。
【0108】
図13は、AVデータ端末T,Rが無線ネットワークへ加入するまでのS51〜S57については図12のS31〜S37と同様であるが、図12と比較して、AVデータ通信を開始するための手順が異なる。図12では、受付制御を、S39とS41に分けて、それぞれ、AVデータ端末Rと基地局1が行ったが、図13では、それら受付制御を基地局1がS59で行うようにしたものである。
【0109】
すなわち、この場合、AVデータ端末Tは、AVデータ端末RとのAVデータ通信を要求すべく、かつ、ネットワークの定期的な使用に対する許可を求めるべく、AV通信要求を、AVデータ端末Rではなく、基地局1に対して送信する(S58)。このAV通信要求には、前述のように、例えば、ビットレートや1周期内のネットワーク占有時間などの情報が含まれる。
【0110】
このAV通信要求を受信した基地局1は、該AV通信要求に含まれる上記のような情報や、ネットワークの使用状況等に基づいて、該要求に対する許否を判定するなどの受付制御を行う(S59)。
【0111】
そして、基地局1は、使用許可するときは、AVデータ端末TとAVデータ端末Rの双方に対してそれぞれ、その旨のAV通信応答を返す(S60,S61)。
【0112】
その後、AVデータ端末TとAVデータ端末Rとの間で、所望のAVデータの転送が行われる(S62)。
【0113】
ここで、図14を参照しながらAVデータ通信における帯域予約について説明する。
【0114】
無線フレームは、周期Tのサイクルで繰り返されている。IEEE802.11では、基地局1よりビーコンが定期的に送信され、このようなサイクルが形成される。
【0115】
第1のAVデータ通信(図14のA)は、サイクルCより、低いビットレートで、最大許容ジッタがΔtで、加入が認められて、通信することが可能となっている。一方、第2のAVデータ通信(図14のB)は、高いビットレートで加入が認められ、サイクルC2より、周期Tのサイクルで通信されている。
【0116】
このようなAVデータ通信は、基地局1で管理されていて、これをベースに、AVデータ端末2のネットワーク加入が判断される。
【0117】
図14のように、AVデータ端末2でも、ビットレートが異なる場合が想定できる。このため、それぞれのビットレートの端末数を管理してもよく、その情報をネットワーク加入時の判定に使用してもよい。
【0118】
図12や図13を用いて説明したように、AVデータ通信を行う前には、通信相手のAVデータ端末2または基地局1と、AVデータ通信のための準備を行う。この準備には、さまざまなプロトコルが使用され得る。IEEE1394の場合、AV/Cプロトコルが使用されているので、これを無線フレームに載せて利用してもよい。また、RTSP、SIP、H.245、H.323などのプロトコルを利用して、同様に、帯域や定期的タイミングを予約することも考えられる。
【0119】
図15は、図12や図13の場合において、AV/Cコマンドプロトコルを利用した例である。
【0120】
AVデータ通信したいAVデータ端末Tは、AV/C Requestメッセージを送信するが、これは無線フレームにのせられる(S71)。このメッセージが、図12のS38や図13のS58のAV通信要求に相当する。なお、IEEE802.11プロトコルを利用する場合は、このRequestメッセージフレームに対して、受信確認のAckが返される(S72)。
【0121】
受信した側(図12の場合はAVデータ端末R、図13の場合は基地局1)では、AV/Cプロトコルで利用するレジスタ空間に、帯域などの情報が設定される(S73)。そして、AVデータ端末Tへ、Responseを返す(S74)。このメッセージが、図12のS43や図13のS60のAV通信要求に相当する。
【0122】
なお、AV/Cプロトコルでは、基本的に100ms以内にResponseを返さないといけないが、それが困難な場合は、INTERIMを宣言して、正式なResponse発行を延期することができる(S76)。また、いずれのメッセージに対しても、IEEE802.11の場合は、受信確認のAckが返される(S75,S77)。
【0123】
このようにすれば、AVデータ通信する前の準備を行うことができる。
【0124】
ところで、ここまでは、基地局1は、ネットワーク加入要求に対して許可を出す場合には、常に制限のない許可を出すものとして説明したが、例えば、所定の条件が成立する場合には、制限付きの許可を出すようにしてもよい。この場合には、制限の内容をネットワーク加入応答に記述して、無線端末2に通知すればよい。制限とは、例えば、ネットワークが混雑している場合に、ネットワークに加入できる期間を限定するなど、種々のバリエーションが可能である。
【0125】
なお、以上の各機能は、ソフトウェアとして記述し適当な機構をもったコンピュータに処理させても実現可能である。
また、本実施形態は、コンピュータに所定の手段を実行させるための、あるいはコンピュータを所定の手段として機能させるための、あるいはコンピュータに所定の機能を実現させるためのプログラムとして実施することもできる。加えて該プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体として実施することもできる。
【0126】
なお、この発明の実施の形態で例示した構成は一例であって、それ以外の構成を排除する趣旨のものではなく、例示した構成の一部を他のもので置き換えたり、例示した構成の一部を省いたり、例示した構成に別の機能あるいは要素を付加したり、それらを組み合わせたりすることなどによって得られる別の構成も可能である。また、例示した構成と論理的に等価な別の構成、例示した構成と論理的に等価な部分を含む別の構成、例示した構成の要部と論理的に等価な別の構成なども可能である。また、例示した構成と同一もしくは類似の目的を達成する別の構成、例示した構成と同一もしくは類似の効果を奏する別の構成なども可能である。
また、この発明の実施の形態で例示した各種構成部分についての各種バリエーションは、適宜組み合わせて実施することが可能である。
また、この発明の実施の形態は、個別装置としての発明、関連を持つ2以上の装置についての発明、システム全体としての発明、個別装置内部の構成部分についての発明、またはそれらに対応する方法の発明等、種々の観点、段階、概念またはカテゴリに係る発明を包含・内在するものである。
従って、この発明の実施の形態に開示した内容からは、例示した構成に限定されることなく発明を抽出することができるものである。
【0127】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において種々変形して実施することができる。
【0128】
【発明の効果】
本発明によれば、各端末種別の無線端末に要求される通信品質を保証することを可能とした無線基地局、ネットワーク加入制御方法、無線端末及び通信制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る無線ネットワーク・システムの構成例を示す図
【図2】同実施形態に係る基地局の構成例を示す図
【図3】同実施形態に係る無線端末の構成例を示す図
【図4】加入要求時のシーケンス例を示す図
【図5】基地局がネットワーク加入要求を受けた場合の処理手順の一例を示すフローチャート
【図6】端末種別ごとに同時加入数を管理する管理テーブルの一例を示す図
【図7】端末種別ごとに同時加入数及びパラメータ値を管理する管理テーブルの一例を示す図
【図8】基地局がネットワーク加入要求を受けた場合のある端末種別についてのネットワーク加入判定処理手順の一例を示すフローチャート
【図9】ネットワーク加入要求フレームの一例を示す図
【図10】IEEE802.11によるネットワーク加入要求フレームの一例を示す図
【図11】IEEE802.11によるネットワーク加入応答フレームの一例を示す図
【図12】AVデータ通信のためのシーケンスの一例を示す図
【図13】AVデータ通信のためのシーケンスの他の例を示す図
【図14】AVデータ通信における帯域予約について説明するための図
【図15】AV/CプロトコルによるAVデータ通信設定のシーケンス例を示す図
【符号の説明】
1…基地局
2…無線端末
3…無線ネットワーク
11…通信部
12…無線ネットワーク管理部
21…通信部
22…加入要求部
23…AV処理

Claims (15)

  1. 複数の無線端末の無線ネットワークへの加入を制御する無線基地局であって、無線端末の端末種別ごとに予め設定された、当該種別の無線端末が同時に前記無線ネットワークへ加入できる最大の台数を示す最大加入台数を記憶する第1の記憶手段と、
    無線端末の端末種別ごとに、当該種別の無線端末が現在前記無線ネットワークへ加入している台数を示す現在加入台数を記憶する第2の記憶手段と、
    無線端末から前記無線ネットワークへの加入を要求する要求メッセージを受信する手段と、
    前記要求メッセージを受信した場合に、該要求メッセージを送信した前記無線端末についての前記端末種別について前記第1の記憶手段に記憶されている前記最大加入台数と、該端末種別について前記第2の記憶手段に記憶されている前記現在加入台数とに基づいて、該要求メッセージに係る前記無線端末の前記無線ネットワークへの加入の許否を判定する判定手段と、
    前記判定手段による判定結果を示す応答メッセージを、前記要求メッセージを送信した前記無線端末へ返信する手段とを備えたことを特徴とする無線基地局。
  2. 前記判定手段は、前記現在加入台数が前記最大加入台数に達していない場合には、前記無線端末の前記無線ネットワークへの加入を許可し、前記現在加入台数が前記最大加入台数に達している場合には、前記無線端末の前記無線ネットワークへの加入を拒否することを特徴とすることを特徴とする請求項1に記載の無線基地局。
  3. 前記無線端末が送信する前記要求メッセージは、1又は複数の所定のパラメータの値を含むものであり、
    前記判定手段は、
    前記現在加入台数が前記最大加入台数に達している場合には、前記無線端末の前記無線ネットワークへの加入を拒否し、
    前記現在加入台数が前記最大加入台数に達していない場合には、前記要求メッセージに含まれる前記所定のパラメータの値をもとに、所定の判断基準に基づいて、前記無線端末の前記無線ネットワークへの加入の許否を判定することを特徴とする請求項1に記載の無線基地局。
  4. 前記パラメータは、少なくとも、前記無線端末が要求する最小限の帯域を示す最小ビットレートを含み、
    前記判定手段は、前記現在加入台数が前記最大加入台数に達していない場合であっても、前記要求メッセージに前記パラメータとして含まれる前記最小ビットレートの値を満足できないときは、前記無線端末の前記無線ネットワークへの加入を拒否することを特徴とする請求項3に記載の無線基地局。
  5. 前記パラメータは、少なくとも、前記無線端末が要求する周期的送信間隔に対する最大許容ジッタを含み、
    前記判定手段は、前記現在加入台数が前記最大加入台数に達していない場合であっても、前記要求メッセージに前記パラメータとして含まれる前記最大許容ジッタの値を満足できないときは、前記無線端末の前記無線ネットワークへの加入を拒否することを特徴とする請求項3または4に記載の無線基地局。
  6. 前記パラメータは、少なくとも、前記無線端末が要求する最大送信距離を含み、
    前記判定手段は、前記現在加入台数が前記最大加入台数に達していない場合であっても、前記要求メッセージに前記パラメータとして含まれる前記最大送信距離の値を満足できないときは、前記無線端末の前記無線ネットワークへの加入を拒否することを特徴とする請求項3ないし5のいずれか1項に記載の無線基地局。
  7. 前記判定手段は、前記現在加入台数が前記最大加入台数に達していない場合であって、かつ、前記要求メッセージに含まれる全ての前記パラメータの値を満足できる場合にのみ、前記無線端末の前記無線ネットワークへの加入を許可することを特徴とする請求項3ないし6のいずれか1項に記載の無線基地局。
  8. 前記判定手段により前記無線端末の前記無線ネットワークへの加入を許可すると判定された場合に、該無線端末についての前記端末種別について前記第2の記憶手段に記憶されている前記現在加入台数を1増加する手段を更に備えたことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の無線基地局。
  9. 前記無線ネットワークに加入中の前記無線端末が該無線ネットワークから脱退した場合に、該無線端末についての前記端末種別について前記第2の記憶手段に記憶されている前記現在加入台数を1減少する手段を更に備えたことを特徴とする請求項8に記載の無線基地局。
  10. 前記端末種別は、少なくとも、AVデータ端末の種別を含むことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の無線基地局。
  11. 複数の無線端末の無線ネットワークへの加入を制御する無線基地局におけるネットワーク加入制御方法であって、
    無線端末の端末種別ごとに予め設定された、当該種別の無線端末が同時に前記無線ネットワークへ加入できる最大の台数を示す最大加入台数を第1の記憶手段に記憶し、
    無線端末の端末種別ごとに、当該種別の無線端末が現在前記無線ネットワークへ加入している台数を示す現在加入台数を第2の記憶手段に記憶し、
    無線端末から前記無線ネットワークへの加入を要求する要求メッセージを受信し、
    前記要求メッセージを受信した場合に、該要求メッセージを送信した前記無線端末についての前記端末種別について前記第1の記憶手段に記憶されている前記最大加入台数と、該端末種別について前記第2の記憶手段に記憶されている前記現在加入台数とに基づいて、該要求メッセージに係る前記無線端末の前記無線ネットワークへの加入の許否を判定し、
    前記判定による判定結果を示す応答メッセージを、前記要求メッセージを送信した前記無線端末へ返信することを特徴とするネットワーク加入制御方法。
  12. 複数の無線端末の無線ネットワークへの加入を制御する無線基地局としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
    無線端末の端末種別ごとに予め設定された、当該種別の無線端末が同時に前記無線ネットワークへ加入できる最大の台数を示す最大加入台数を第1の記憶に記憶する機能と、
    無線端末の端末種別ごとに、当該種別の無線端末が現在前記無線ネットワークへ加入している台数を示す現在加入台数を第2の記憶手段に記憶する機能と、
    無線端末から前記無線ネットワークへの加入を要求する要求メッセージを受信する機能と、
    前記要求メッセージを受信した場合に、該要求メッセージを送信した前記無線端末についての前記端末種別について前記第1の記憶手段に記憶されている前記最大加入台数と、該端末種別について前記第2の記憶手段に記憶されている前記現在加入台数とに基づいて、該要求メッセージに係る前記無線端末の前記無線ネットワークへの加入の許否を判定する判定機能と、
    前記判定機能による判定結果を示す応答メッセージを、前記要求メッセージを送信した前記無線端末へ返信する機能とをコンピュータに実現させるためのプログラム。
  13. 無線ネットワークに加入する際に無線基地局に加入を要求する無線端末であって、
    無線ネットワークへ加入すべき場合に、該無線ネットワークを管理する無線基地局へ、該無線ネットワークへの加入を要求する旨、並びに端末の種別を示す情報、及び要求する最小限の帯域を示す最小ビットレートを示すパラメータ値と要求する周期的送信間隔に対する最大許容ジッタを示すパラメータ値と要求する最大送信距離を示すパラメータ値のうちの全部又は一部のパラメータ値を含む要求メッセージを送信する手段と、
    前記要求メッセージに応答して、前記無線基地局が、該要求メッセージに含まれる端末の種別について予め定められた同時加入可能とする端末数の上限数に基づく第1の加入条件を満たし且つ該要求メッセージに含まれる前記パラメータ値に基づく第2の加入条件を満たすために前記無線ネットワークへの加入を許可すると判定した場合に送信する、加入を許可する旨の応答メッセージを受信する手段とを備えたことを特徴とする無線端末。
  14. 無線ネットワークに加入する際に無線基地局に加入を要求する無線端末における通信制御方法であって、
    無線ネットワークへ加入すべき場合に、該無線ネットワークを管理する無線基地局へ、該無線ネットワークへの加入を要求する旨、並びに端末の種別を示す情報、及び要求する最小限の帯域を示す最小ビットレートを示すパラメータ値と要求する周期的送信間隔に対する最大許容ジッタを示すパラメータ値と要求する最大送信距離を示すパラメータ値のうちの全部又は一部のパラメータ値を含む要求メッセージを送信し、
    前記要求メッセージに応答して、前記無線基地局が、該要求メッセージに含まれる端末の種別について予め定められた同時加入可能とする端末数の上限数に基づく第1の加入条件を満たし且つ該要求メッセージに含まれる前記パラメータ値に基づく第2の加入条件を満たすために前記無線ネットワークへの加入を許可すると判定した場合に送信する、加入を許可する旨の応答メッセージを受信することを特徴とする通信制御方法。
  15. 無線端末に搭載されたコンピュータを機能させるためのプログラムであって、無線ネットワークへ加入すべき場合に、該無線ネットワークを管理する無線基地局へ、該無線ネットワークへの加入を要求する旨、並びに端末の種別を示す情報、及び要求する最小限の帯域を示す最小ビットレートを示すパラメータ値と要求する周期的送信間隔に対する最大許容ジッタを示すパラメータ値と要求する最大送信距離を示すパラメータ値のうちの全部又は一部のパラメータ値を含む要求メッセージを送信する機能と、
    前記要求メッセージに応答して、前記無線基地局が、該要求メッセージに含まれる端末の種別について予め定められた同時加入可能とする端末数の上限数に基づく第1の加入条件を満たし且つ該要求メッセージに含まれる前記パラメータ値に基づく第2の加入条件を満たすために前記無線ネットワークへの加入を許可すると判定した場合に送信する、加入を許可する旨の応答メッセージを受信する機能とをコンピュータに実現させるためのプログラム。
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