JP2004047966A - 半導体記憶装置およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の磁性体素子と、各素子の近傍に配置された少なくとも2系統の配線を有する半導体記憶装置において、上部配線に電流を流したときに発生する磁場が隣接する磁性体素子に及ぶ量を多くするため上部配線と磁性体素子を密着して配置することが可能な半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】磁性体素子1を構成する磁性体等の積層膜の磁性体素子以外の部分19を酸化し絶縁化することにより素子分離を行う。この積層膜は、磁性素子1が形成された磁性素子領域18と酸化物、窒化物もしくは酸窒化物からなる絶縁化領域19とから構成されている。その後、ビット線などの上部配線(B1、B2、B3)3を形成する。絶縁化領域19を形成する際にマスク17として用いられた導電材が上部配線3の一部となることにより、磁性体素子と上部配線を密着させて配置することが可能になる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁化状態を変化させることができ、その磁化状態を評価することによって記憶された情報を読み出すことのできる素子(以下、磁性体素子という)を記憶セルとして用いた半導体記憶装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来この種の半導体装置は、例えば、磁気抵抗素子を記憶素子として用いてメモリを構成するものがあった。磁気抵抗素子の例として、トンネル磁気抵抗(Tunneling Magnetoresistance)素子(以下、TMRという)と呼ばれるトンネル絶縁膜を2つの磁性体間に挟み、磁性体の磁化の状態によって変化するトンネル絶縁膜の抵抗によって情報を記憶する素子について説明する。図25に2000 IEEE International Solid−State Circuits Conference DIGEST OF TECHNICAL PAPERS (pp.128−129)で報告されたTMRの例を示す。図25に示すように、FeMn(10nm厚)からなる反強磁性体層101、CoFe(2.4nm厚)からなるピン層102、Al2 O3 からなるトンネル絶縁層103、NiFe(5nm厚)からなる強磁性体フリー層104が積層され、TMRの積層膜が形成されている。反強磁性体層101とフリー層104には電圧が印加できるように導体配線(図示しない)が接続されている。ピン層102の磁化方向は、反強磁性体層101により所定の方向に固定されている。フリー層104は、所定のある方向に磁化し易いように形成されており、その磁化方向は、外部から磁場を印加することにより変化させることができる。積層膜の水平方向のうち、磁化し易い方向を容易軸、容易軸に垂直で磁化し難い方向を困難軸と呼ぶ。フリー層104とピン層102との間に電圧を印加するとトンネル絶縁膜103を通して電流が流れるが、フリー層104とピン層102の磁化方向の関係により抵抗値が変化する。すなわち磁化方向が同じ場合は抵抗が低く、反対向きの場合は抵抗が高くなる。
【0003】
次に、図26を用いてTMRを不揮発性メモリの記憶素子として用いた例を示す。この例は、2000 IEEE International  Solid−State Circuits Conference DIGEST OF TECHNICAL PAPERS (pp.130−131) で報告されたものである。図26の例ではアレイ状に配置されたTMR107の上下に、交差する1 対の配線が設置される。上部配線(配線B(B1、B2、・・・)という)108は、TMR107のフリー層と接続されており、TMR107の反強磁性体層は、第3の配線109を介して下層に形成されたトランジスタ110のドレインに接続されている。第3の配線109は、その下層の下部配線(配線D(D1、D2、D3、・・・)という)111に接続されている。2つの配線B、Dに電流を流すことでそれらの交点に合成磁場が発生し、電流の方向によりフリー層の磁化方向を設定する。これによりTMR107の抵抗値を変化させることができる。データの読み出しは、読み出すTMR107に接続されたトランジスタ110を読み出しワード線(配線W(W1、W2、W3、・・・)という)112によりオン状態にして、配線BよりTMR107に電圧を印加し、流れる電流でTMRの抵抗値を評価することにより行う。
【0004】
TMRを素子分離してTMRの上部電極に配線を接続させる方法としては、リフトオフ、CMP(化学的機械的研磨;Chemical Mechanical Polishing) による頭出し、ビアホールを用いる方法などがある。リフトオフ法は、TMR用材料成膜後、リフトオフ用材料を成膜し、所望の形状にTMRを加工して素子分離した後全面に絶縁膜を形成し、その後リフトオフ用材料をエッチングすることによりリフトオフ材料上の絶縁膜を除去し、TMR上部に開口する方法である。この後上部配線材料を成膜し、加工する。CMPによる頭出しは、リフトオフ材料の代わりにTMR上に上部電極材料を形成し、TMRを所望の形状に加工して素子分離した後、全面に絶縁膜を形成し、CMPで全面を研磨して上部電極材料を表面に出す方法である。この後上部配線材料を成膜し、加工する。ビアホールによる方法はTMRを所望の形状に加工して素子分離した後、全面に絶縁膜を形成し、TMR上部を開口したレジストマスクを形成し、絶縁膜をエッチング除去してTMR上部に開口する方法である。このほかの素子分離方法として上部磁性体を酸化し、かつTMRを所望の形状に加工する方法がある。
【0005】
図27乃至図30は、特開2000−353791号公報にて開示された半導体記憶装置の製造方法を示す工程順の断面図、図31は、図30のZ−Z’線での断面図である。この半導体記憶装置は、P型シリコン基板120の表面に形成されたNMOSスイッチングトランジスタ121からなる回路を有しており、従来から知られたCMOSプロセスで製作される。まず、P型シリコン基板120の表面領域にN+領域122が形成され、素子分離のための絶縁領域123が形成される。ゲート領域となるポリシリコン層124が堆積され、N+領域122上とポリシリコン層124上に金属層125が形成される。伝導線126とプラグ導体128が、金属層125上に形成され、その後誘電材料127が充填される。下層配線は、高透磁率層131で囲まれた伝導金属層132とデジット線133とからなり、エッチストップ層129と二酸化シリコン層130に埋め込まれ、平坦化されている。誘電層134は、デジット線133および二酸化シリコン層130を覆って堆積され、伝導層135が誘電層134を覆って堆積される。誘電層134は、デジット線133と伝導層135との間に載置され、その間における電気的分離を行っている。誘電層134は、プラグ導体128を伝導層135に電気的に接続するために使用される窓136を伝導金属層132上に形成するために部分的にエッチングされる。窓136が形成された後、伝導層135が約50nmの厚さで誘電層134および伝導金属層132を覆うように堆積される。磁気メモリエレメントを伝導層135上に形成するために、伝導層135表面はCMPなどにより平坦化される(図27)。
【0006】
次に、複数の磁気エレメントブランケット層または磁気メモリブランケット層が磁気メモリエレメントのために物理的化学的堆積またはイオンビーム堆積法のいずれかで伝導層135の表面上に堆積される。磁気メモリエレメントを構成する底部磁性層140および上部磁性層142は、Ni、Feおよび/またはCoの合金のような磁気材料を用いる一方、底部磁性層140と上部磁性層142との間に介在している非磁性層141は、Al2 O3 またはCuのような材料を使用する。底部磁性層140は、例えば、硬磁性層として機能し、その磁化は固定されるのに対し、上部磁性層142の磁化方向は、自由である。非磁性層141は、次の方法により形成される。アルミニウム膜が底部磁性層140を覆って堆積され、その後そのアルミニウム膜は、RF生成酸素プラズマのような酸化源によって酸化される。別な方法では、アルミニウムが非磁性層140上に酸素とともに堆積され、その後酸化処理が加熱または非加熱のいずれかの酸素雰囲気中で実行される。磁気メモリエレメント中の層は、非常に薄く磁性層の厚さが0.3−20nmおよび非磁性層の厚さが0.3−10nmである。次に、マスキング層143が上部磁性層142を覆って堆積される(図28)。このマスキング層143をパターニングして得られるマスクパターンは、伝導金属層132上に形成され、これをマスクとして、誘電層134までエッチングされる。伝導層135は、磁気メモリエレメントおよびトランジスタ121をプラグ導体128を通して電気的に接続する。伝導層135は、誘電層134によってデジット線133からそれぞれ分離される。
【0007】
次に、新しいマスクパターンがマスキング層143上に形成される。そして、これをマスクとしてマスキング層143およびブランケット層140〜142が反応性イオンエッチング法を用いてエッチングされ、複数の磁気メモリエレメント144を電気的に画定するとともに複数の接触金属パッド(あるいは伝導線)145を形成する。複数の接触金属パッド145の形成に続いて、上部磁気層142の部分が酸化法または窒化法のいずれかを使用して誘電特性を含有する材料に変えられる。より詳しくは、上部磁気層142の選択領域は、絶縁材料に変えられ、不活性部分142bを形成する。上部磁気層142を誘電絶縁物に変化させる過程中、接触金属パッド145は、マスクとして働き、その結果、酸化または窒化後、複数の活性領域142aが画定され、新しい絶縁部分(不活性部分142b)が設けられる(図29)。別の方法として、酸化法または窒化法はブランケット層140〜142の露出部分を変化させるために用いられ、これによりこれらの部分を絶縁材料に変えるとともにそれらの部分を不活性にする。上部磁気層142の酸化または窒化が、図に示されたような磁気メモリエレメントまたはセル144を形成するために完了した後、誘電層146は、磁気メモリエレメント144および上部磁気層142の不活性部分142bを覆って堆積される。
【0008】
次に、エッチストップ層147が誘電層146上に堆積され、さらに二酸化シリコン層148がエッチストップ層147上に堆積される。次に、図示はしないがマスクが二酸化シリコン層148上にパターン化されて形成され、ビット線149のためのトレンチを形成する。このマスクに従って、二酸化シリコン層148は、エッチストップ層147までエッチングされ、ビット線149を埋め込むためのトレンチを作る。次に、パーマロイ層150は、二酸化シリコン層148上およびトレンチ中に堆積される。パーマロイ層150は、不等方性エッチングによってエッチングされ、トレンチの側壁にパーマロイ層150のみを残すとともに二酸化シリコン層148およびトレンチの底部にパーマロイ層150を残す。パーマロイ層150を形成した後、ビット線149となる電気的に伝導性である層が伝導線(接触金属パッド145)の表面上にパーマロイ層150を介して堆積される。すなわちAl,WもしくはCuのような金属がビット線149を形成するために、トレンチ内に充填される。次に、二酸化シリコン層148上の不必要な材料が除去され、そして二酸化シリコン層148およびビット線149の表面が平面な表面に研磨される。最後に、パーマロイ層151は二酸化シリコン層148およびビット線149上に堆積されパターン化される(図30、図31)。パーマロイ層150、151は、ビット線149を包み込み、それによりビット線149中のビット電流によって発生した磁界は、磁気メモリエレメント144に集中し、他の磁気メモリエレメントの中の情報を保護するために遮蔽する。2系統の配線とトランジスタを用いる動作方法は前述と同様である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のメモリ構造では大容量化が困難であったり、大きな書き込み電流が必要であり、低消費電力化が困難であった。
以下、その理由を説明する。TMRの磁化状態を変化させるため配線に電流を流して磁場を発生させる。磁場の大きさは配線からの距離に反比例する。このため配線とTMRはできるだけ接近させたい。リフトオフ法は接近させることができるが微細化が難しい技術であり、大容量化は困難である。ビアホールを開ける方法は、TMR上の絶縁膜の厚さだけ距離が離れるため、書き込み電流を小さくすることが難しい。CMPによりTMRの頭出しを行う方法は、研磨量のウエハ面内ばらつきをみこんでTMR自体を研磨してしまわないように上部電極を残す必要がある。このためこの厚さの分、配線とTMRが離れてしまい、書き込み電流を小さくすることが難しい。図27〜21に示した手法では、接触金属パッド145の厚さの分だけ配線とTMRの距離は離れてしまい、書き込み電流を小さくすることが難しい。また、接触金属パッド145の形成後に誘電層146、エッチストップ層147を形成しているにもかかわらず、図30において接触金属パッド145上のみこれらの層が無くなっており、実際には、誘電層146堆積後のCMPとエッチング、エッチストップ層147堆積後のCMP等の手法を用いるなどしたものと推定されるが、このような手法を用いる場合、接触金属パッド145は十分の厚さに形成しておく必要がある。
【0010】
このように、従来の技術では大容量化、低消費電力化が困難であるという問題があった。
本発明の目的は、TMRなどの磁性素子と配線を接近させて配置でき、大容量化、低消費電力化が可能な半導体記憶装置およびその製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明によれば、第1の導電体配線と、前記第1の導電体配線の上層にこれと交差して敷設された第2の導電体配線と、前記第1、第2の導電体配線の交差部に配置された磁性素子と、を備え、前記磁性素子の磁化状態を評価することのできる半導体記憶装置において、隣り合う前記磁性素子の間は、前記磁性素子を構成する膜の高抵抗化変換物、または、前記磁性素子を構成する膜と該膜の少なくとも上下の一方に形成された導電性膜との高抵抗化変換物により、少なくとも一部の膜厚においては素子間の全領域に渡って、充填されていることを特徴とする半導体記憶装置、が提供される。
そして、好ましくは、前記磁性素子上には上部電極が形成されており、前記第2の導電体配線は前記上部電極の上面および少なくとも対向する2側面に接して形成される。
また、上記の目的を達成するため、本発明によれば、第1の導電体配線と、前記第1の導電体配線の上層にこれと交差して敷設された第2の導電体配線と、前記第1、第2の導電体配線の交差部に配置された磁性素子と、を備え、隣り合う前記磁性素子の間には、前記磁性素子を構成する少なくとも一部の膜と該膜に隣接されて配置された導電体との合成材料の酸化物または窒化物または酸窒化物からなる絶縁化領域が形成されていることを特徴とする半導体記憶装置、が提供される。
また、上記の目的を達成するため、本発明によれば、下層導電膜の表面が露出した平坦面上に、磁性素子形成膜を堆積する工程と、前記磁性素子形成膜上にアレイ状にマスクを形成する工程と、前記マスクにて保護されていない領域の前記磁性素子形成膜を酸化、窒化または酸窒化して前記マスク下に孤立した磁性素子を形成する工程と、を有することを特徴とする半導体記憶装置の製造方法、が提供される。
【0012】
[作用]
従来の、例えば、図27〜図31に示す方法では、TMRなどの磁性素子を形成する膜(ブランケット膜)を2回エッチングして磁性素子間を取り除き、さらに磁性素子を形成する膜の絶縁化処理によって個々の磁性素子セルのパターンを画定するようにしているので、また、凹凸のある面上でのリソグラフィが必要となるので、微細化が困難で大容量化に不向きであった。本発明によれば、平坦面での1回のリソグラフィにより磁性素子のパターンの画定が可能であり、微細化に適したプロセスにより磁性素子を形成することができる。そして、磁性素子形成後に平坦面に磁性素子の電極(マスク)を突出させることが可能であるため、磁性素子電極を包み込むように上部配線を形成することが可能であり、これにより、配線と磁性素子とを近接させて配置することができる。その結果、書き込み電流を小さくすることができるという効果が得られ、半導体記憶装置の大容量化および低消費電力化が実現できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1には、本発明の第1の実施の形態として半導体記憶装置の要部平面図が示されている。図1に示すように、半導体記憶装置は、複数の磁性素子1と、各磁性素子の近傍に2系統の書き込み用の配線A(A−1〜A−3)2および配線B(B−1〜B−3)3とを有している。2系統の書き込み用の配線A2および配線B3の方向は異なっている。図2(a)、(b)には、図1の配線A方向(X−X′)の断面および配線B方向(Y−Y′)の断面がそれぞれ示されている。図2の下層、上層には電気的な回路が形成されており、この図で説明する半導体記憶装置と電気的に接続され動作を制御するが、その部分は省略されている。本発明の実施の形態で説明する半導体記憶装置では配線A2と配線B3が交差しており、TMRなどの磁性素子1は、その交差部に配置される。本発明の実施の形態では、配線Aと配線Bに挟まれた位置にあり、配線Bと磁性素子1の上部および配線Aと磁性素子1の下部とはそれぞれ電気的に接続されている。配線B3(B‐2)は、配線A2と同層の引き出し線2aとビアホール4を介して接続されている。図3には、本発明の実施の形態で説明する磁性素子部分の断面図が示されている。
【0014】
次に、図1乃至図3を参照しながら半導体記憶装置の製造方法について説明する。半導体基板(図示しない)上にトランジスタ等の素子や配線を形成した後、下層配線との電気的接続を行うプラグを内蔵し、表面をCMPなどにより平坦化した絶縁膜5を形成する。その後絶縁膜5の全面にエッチストップ膜6、絶縁膜7を形成し、配線を配置する部分の絶縁膜7を除去し、さらに配線部分に露出したエッチストップ膜6も除去し、プラグ表面が除去部に現れるようにする(図2参照)。次に、導電体膜8と導電体酸化防止膜9をスパッタ法により成膜する。配線部以外の配線材料をCMPなどにより除去し、配線A2となる導電体膜8および導電体酸化防止膜9を残す。図1および図2の配線A2は、図3の導電体膜8および導電体酸化防止膜9の積層物に相当する。続けて導電体膜10、トンネル膜11、磁性素子下層膜12、磁性素子形成膜13、磁性素子上層膜14、トンネル膜15、導電体膜16、酸化が進行し難い金属などからなるマスク材料層(17)を順次形成する。磁性素子下層膜12は、磁性素子(13)の特性を良好にするために挿入する場合がある。磁性素子上層膜14は、磁性素子形成膜13表面を保護するため磁性素子上に形成される場合がある。磁性素子形成膜13は、磁化状態の変化により特性が変わる原理をもつ部分である。その後、マスク材料層を所望の形状に加工してマスク17を形成する。このとき、磁性素子形成膜13の手前まで加工してもよい。
【0015】
次に、全面を酸素プラズマなどにより処理し、マスク17で覆われていない部分の導電体膜10、トンネル膜11、磁性素子下層膜12、磁性素子形成膜13、磁性素子上層膜14、トンネル膜15、導電体膜16を絶縁化する(図3参照)。これにより磁性素子形成膜13と磁性素子形成膜13より下に形成された材料とが絶縁化された絶縁化領域19と、絶縁化領域19で分離され孤立した磁性素子領域18〔図1の磁性素子1(C1)に相当する〕が形成される。絶縁化は、導電体膜10まで完全に行わなくてもセル間の漏れ電流が回路動作上問題ない程度の高抵抗状態でもよい。次に、配線A2と同層に形成される引き出し線2aの、磁性素子領域18より上部に形成される配線B3との接続部の絶縁化領域19を除去して引き出し線2aの表面を露出させるビアホール4を形成する〔図1、図2(b)参照〕。
次に、セルアレイの外領域の絶縁化領域19を部分的に除去して絶縁膜7を露出させる。次いで、全面にエッチストップ膜21と絶縁膜22を形成し、これを平坦化する。次に、絶縁膜22に配線Bの形状に合わせた溝を形成し、且つ露出したエッチストップ膜21も除去する。マスク17の表面絶縁化物を除去した後、配線Bの材料を成膜する。配線部以外の配線材料をCMPなどにより除去することにより配線B3が形成される。この後、さらに前述の工程を繰り返して配線や磁性素子を多層に形成することもできる。
【0016】
配線Bの成膜前のエッチングストップ膜21の除去は、マスク17上面の一部の領域およびビアホールを含む領域でもよい。この場合、断面構造は図4に示すようになる。図4(a)は、図1のX−X′線に沿う断面図、図4(b)は、図1のY−Y′線に沿う断面図である。
エッチストップ膜21を除去した後、全面に磁性体膜を堆積しエッチバックにより平坦部を除去し続いて導電性膜を堆積しその平坦部を除去することで側壁部分に磁性体を配置した配線Bを形成することもできる。あるいは、磁性体膜と、磁性体膜を導電性膜から分離するための絶縁膜との積層膜、もしくは、磁性体膜とバリアメタルとなる導電膜との積層膜を形成し、エッチバックにより平坦部を除去し続いて導電性膜を堆積しその平坦部を除去するようにすることもできる。図2に示した半導体記憶装置に対しても絶縁膜22側壁に磁性体膜を形成することができる。
【0017】
磁性素子の周辺絶縁化を行った後、続けて絶縁化領域19を一部除去することも可能である。その場合、除去されるものが絶縁物のため再付着物があってもショートは発生しない。隣接配線どうしの絶縁性を高めるため、配線Bを形成した後、配線B形状を残し絶縁膜22、エッチストップ膜21を除去し、絶縁化領域19の一部または全部を除去してもよい。この際にも絶縁物の除去のため再付着物があってもショートは発生しない。この場合、絶縁物の除去後絶縁膜をあらためて堆積し、磁性素子1間、配線B間を充填する。また、磁性素子周囲の絶縁化を容易にするため、マスク17の形成後酸素原子や窒素原子を含む材料をイオン注入したり、イオン、ラジカル、オゾンの高温雰囲気中に曝してもよい。また絶縁化し易い材料(シリコン、ジルコン、セリウム、ハフニウムなど)を注入してから絶縁化してもよい。また、磁性素子間の磁気的結合を小さくするため、マスク17形成後に、絶縁化処理を経た後に強磁性特性を持つことのない原子をイオン注入や原子を含む材料を成膜して高温拡散、イオン(原子や分子)を当てて押し込むなどの手法を用いて膜内に導入してもよい。このための材料としては、常磁性乃至反強磁性体材料であるAl、Cr、反磁性材料であるCuなどが挙げられる。高温拡散乃至押し込む手法は、絶縁化し易い材料の導入の際にイオン注入法に代えて用いてもよい。配線材料としてはAlやCuおよびこれらの化合物がある。
【0018】
磁性素子1の下部にある配線が絶縁化しないように配線上面に設ける導電体酸化防止膜9は、酸化が進行し難い導電性材料TiN、Alを用いて形成することができる。導電体膜8自体が酸化し難い導電性材料ないし酸化が進行し難い材料であるとき、導電体酸化防止膜9の形成を省略することができる。また、磁性素子1の上下に設けるトンネル膜は、3nm程度のSiOやAlなどにより形成される。トンネル膜は、省略することもできるが、電流はトンネル現象で流れるためこの膜を設けたことにより磁性素子動作に問題が生じることはない。また2種類以上の誘電率の積層構造トンネル膜を挟むことで磁性素子1に非線形特性を持たせることもできる。磁性素子上下の配線間の絶縁性を上げるために磁性素子の上下に設ける絶縁化する導電性材料にはアモルファスシリコンやZrなどを用いることができる。これらの導電性膜の全部または一部は省略可能であるが、これらを用いる場合は、磁性素子1部分は電流を流し、絶縁化された部分は絶縁体となる。磁性素子1周辺を酸化するマスクは導電体材料の場合、TiN、Au、Al、Al合金、Pt、Irなどの酸化し難い材料ないし酸化が進行し難い材料、Ru、Inなどの酸化しても導電性のある材料が望ましい。絶縁化後にマスク材料は除去してもよい。また絶縁体でもよく、この場合素子周辺絶縁化処理後除去する。磁性素子形成膜13の材料は、酸化もしくは窒化して絶縁体になる原子で構成されているものが望ましく、反強磁性体ではFeMnやNiMnなどがある。
【0019】
次に、この半導体記憶装置の使用方法について説明する。配線A−1と配線B−1の交点およびその近傍にある磁性素子の磁化状態を変化させる場合、書き込み用の配線A−1、B−1に電流を流し、磁性素子に合成磁場を与える。2つの書き込み配線に流す電流の量、電流方向および配線方向により合成磁場の大きさ、方向を設定し、磁性素子を所望の磁化状態にする。磁性素子としては前述のTMRのような磁気抵抗素子、磁気光学素子などがある。また、設定された状態を読み出すにはこの磁性素子に電気的、工学的、力学的変化を与え、応答を検知することで行う。電圧、電流の印加を行う場合は書き込み配線を読み出しに兼用する。光を与え反射波の強度の相違を検知してもよい。
このような半導体記憶装置においては、書き込みの磁場を発生する磁性素子上部の配線と磁性素子との距離を非常に近接させることができる。このため書き込み電流を小さくすることができ、低消費電力化を図ることができるという効果がもたらされる。
【0020】
(第2の実施の形態)
図5には、本発明の第2の実施の形態で説明する半導体記憶装置の要部断面図が示されている。本実施の形態の半導体記憶装置の平面図は、第1の実施の形態の図1と同様であり、図5は、図1のX‐X′線に沿う断面図に相当する。図5に示すように、本実施の形態の半導体記憶装置は、複数の磁性素子1と、各素子の上下に2系統の書き込み用の配線A2(A−2)、配線B3(B−1〜B−3)とを有する。2系統の書き込み用の配線A、Bの敷設方向は異なる。図5の下層、上層には電気的な回路が形成されており、図示された磁性素子と電気的に接続されて動作を制御するがこの図では省略されている。
本実施の形態の半導体記憶装置では配線A2と配線B3が交差しており、磁性素子1は、その交差部に配置される。本実施の形態では配線Aと配線Bに挟まれた位置にあり、配線B3と磁性素子1の上部および配線A2と磁性素子1の下部とはそれぞれ電気的に接続されている。磁性素子部分は、第1の実施の形態と同様である。
【0021】
次に、製造方法について説明する。絶縁化処理までは第1の実施の形態と同様である。絶縁化処理の後、マスク(図2の17)を除去し、配線Bの材料を成膜する。配線B3を所望の形状に形成した後、引き続き配線部以外の絶縁化領域19を途中まで除去する。その後全面に絶縁膜22を形成し、その後、平坦化する。
このような半導体記憶装置においては、第1の実施の形態の特徴に加えて絶縁化領域を一部除去しているため、メモリセル(磁性素子)間の漏れ電流を小さくできるという効果がもたらされる。この半導体装置の使用方法は、第1の実施の形態と同様である。
【0022】
配線B3の成膜前に絶縁性のエッチングストップ膜21を形成し、磁性素子1上面の一部の領域およびビアホールを含む領域を除去してもよい。この場合の断面構造は、図6に示すようになる。図6(a)は、図1のX−X′線に沿う断面図に相当し、図6(b)は、図1のY−Y′線に沿う断面図に相当する。配線B3を形成した後、全面に磁性体膜、または、配線Bから磁性体膜を分離するための絶縁膜と磁性体膜との積層膜、または、バリアメタルとなる導電膜と磁性体膜との積層膜とを形成し、エッチバックにより平坦部を除去することで側壁部分に磁性体を配置した配線Bを形成することもできる。
この磁性体膜の形成は、図5に示された半導体記憶装置に対しても行うことができる。この場合、磁性体膜の堆積は、絶縁化領域19の一部除去の前後のいずれで行ってもよい。
【0023】
(第3の実施の形態)
図7には、本発明の第3の実施の形態で説明する半導体記憶装置の配線構造の要部断面図が示されている。半導体記憶装置の配線は、第1の配線膜25と第2の配線膜26とを有する。2つの配線膜は一部または全部が接し、接している部分の配線膜の配線方向は実質的に一致している(すなわち、平行な配線を密接させる)。このような配線構造は、必要な部分を厚くする配線に適しており、例えば、半導体記憶装置に適用した場合、これに用いる配線の全部もしくは磁性素子上の前後の部分を厚くする。そして、配線方向に電流を流した場合、2つの配線を密着させることで1つの厚い配線と見なせることになり、その結果、磁性素子近傍に多量の電流が流れて大きな磁場が与えられることになる。この配線構造は、第1の実施の形態や第2の実施の形態に用いた半導体記憶装置の配線構造に用いることができる(図2および図5)。また、後述の実施例(図31など)の配線構造にも適用できる。
【0024】
次に、本実施の形態における半導体記憶装置の製造方法について説明する。半導体記憶装置は、半導体基板(図示しない)上にトランジスタ等の素子や配線を形成した後、下層配線との電気的接続を行うプラグを内蔵し、表面をCMP などにより平坦化した絶縁膜5を形成する。その後、絶縁膜全面に第1の配線膜25を形成するための導電膜を堆積しこれを所望の形状に加工して第1の配線25を形成した後、全面に絶縁膜27を形成する。全体を平坦化し、第1の配線25を表面に出す。全面にエッチストップ膜28、絶縁膜29を形成し、第2の配線26を配置する部分の絶縁膜29を除去し、さらに配線部分に露出したエッチストップ膜28も除去する。全面に第2の配線26の材料を堆積し、配線部分以外の配線材料をCMPなどにより除去することにより第2の配線26を絶縁膜29に埋め込み形成する。
このような半導体記憶装置において、第1の配線膜を薄く形成できるため、厚い膜を一度に加工しようとした場合に比べ微細な加工が実現できるという効果がもたらされる。
【0025】
(第4の実施の形態)
図8には、本発明の第4の実施の形態としての要部断面図が示されている。本実施の形態は、磁性素子1を構成する所望の形状をもつ磁性素子領域18とこれに隣接する絶縁化領域19と所望の形状に加工された導電体配線30とを有する。磁性素子領域18の一面と導電体配線30の一面が接している。絶縁化領域19には磁性素子領域18の材料と導電体配線30の材料の合成材料の酸化物または窒化物または酸窒化物が含まれる。絶縁化領域19を形成する手法としては、酸素、および/または、窒素のプラズマ乃至ラジカルとの接触、それらの元素のイオン注入若しくは酸化性乃至窒化性雰囲気との接触が挙げられる。以下の第5〜第8の実施の形態についても同様である。
【0026】
(第5の実施の形態)
図9には、本発明の第5の実施の形態としての要部断面図が示されている。本実施の形態は、磁性素子1を構成する所望の形状をもつ磁性素子領域18とこれに隣接する絶縁化領域19と化合物膜31とを有する。化合物膜31が磁性素子領域18と絶縁化領域19との境界近傍に配置され、化合物膜31の一面の少なくとも一部が絶縁化領域19と接し、絶縁化領域19には磁性素子領域18の材料と化合物膜31の材料の合成材料の酸化物または窒化物または酸窒化物が含まれる。
【0027】
(第6の実施の形態)
図10には、本発明の第6の実施の形態としての要部断面図が示されている。本実施の形態は、磁性素子1を構成する所望の形状をもつ磁性素子領域18とこれに隣接する絶縁化領域19と所望の形状を持つ磁性体膜32と導電体配線30とを有し、磁性素子領域18と導電体配線30が対向して配置され、導電体配線30のもう一方の面が磁性体膜32と対向して配置されている。絶縁化領域19は磁性素子領域18の材料を含む酸化物または窒化物または酸窒化物である。導電体配線30は導電体でもよい。また、磁性素子領域18と磁性体膜32の形状を自己整合的に形成することで相似形にしてもよい。
導電体配線30は、磁性素子領域18と接していてもよい。また、両者間に薄い絶縁膜(トンネル絶縁膜)が介在していてもよい。第7、第8の実施の形態についても同様である。
【0028】
(第7の実施の形態)
図11には、本発明の第7の実施の形態としての要部断面図が示されている。本実施の形態は、磁性素子1を構成する所望の形状をもつ磁性素子領域18とこれに隣接する絶縁化領域19と導電体配線30と一対の磁性体膜33とを有する。導電体配線30と磁性素子領域18および絶縁化領域19が対向して配置され、磁性体膜33と導電体配線30の側面とが対向して配置されている。また、絶縁化領域19は磁性素子領域18の材料を含む酸化物または窒化物または酸窒化物により構成される。磁性体膜33端部と絶縁化領域19との距離は20nm以下にすることも、接することも可能である。また、磁性体膜33端部と磁性素子領域18との距離を自己整合的に決定することも可能である。
【0029】
(第8の実施の形態)
図12には、本発明の第8の実施の形態としての要部断面図が示されている。本実施の形態は、磁性素子1を構成する所望の形状をもつ磁性素子領域18とこれに隣接する絶縁化領域19と導電体配線30と一対の磁性体膜34、35とを有する。導電体配線30と磁性素子領域18および絶縁化領域19が対向して配置され、磁性体膜34と磁性体膜35が並行して磁性素子領域18と導電体配線30の間に配置され、磁性素子領域18の中心が磁性体膜34と磁性体膜35の隙間に配置されている。また、絶縁化領域19は磁性素子領域18の材料を含む酸化物または窒化物または酸窒化物により構成される。
【0030】
【実施例】
(第1の実施例)
図13乃至図16を参照して、本発明の第1の実施例を説明する。
図13は、本発明の第1の実施例の半導体記憶装置の平面図、図14は、図13のX−X′線とY−Y′線での断面図である。図15は、この実施例の半導体記憶装置の製造工程断面図である。この実施例の半導体記憶装置は、ワード線(W1、W2、W3)50、ビット線(B1、B2、B3)51、磁性素子としてのTMR(C1)52を有し、TMR52は、ワード線50とビット線51の交差部のワード線50上に形成される。ビット線51とTMR52の上部磁性体およびワード線50とTMR52の下部磁性体とはそれぞれ電気的に接続されている。図16にTMR(C1)の断面図を示す。図16に示すように、FeMn(10nm厚)からなる反強磁性体層101、CoFe(2.4nm厚)からなるピン層102、Al2 O3 からなるトンネル絶縁層103、NiFe(5nm厚)からなるフリー層104が積層され、TMRの積層膜が形成されている。反強磁性体層とフリー層には電圧が印加できるように導体配線(Taからなる上部電極105および下部電極106)が接続されている。ピン層の磁化方向は、反強磁性体層により所定の方向に固定されている。フリー層は、所定のある方向に磁化し易いように形成されており、その磁化方向は、外部から磁場を印加することにより変化させることができる。積層膜の水平方向のうち、磁化し易い方向を容易軸、容易軸に垂直で磁化し難い方向を困難軸と呼ぶ。フリー層とピン層との間に電圧を印加するとトンネル絶縁膜を通して電流が流れるが、フリー層とピン層の磁化方向の関係により抵抗値が変化する。すなわち磁化方向が同じ場合は抵抗が低く、反対向きの場合は抵抗が高くなる。
【0031】
次に、半導体記憶装置の製造方法について説明する。シリコン基板(図示しない)上にトランジスタ等の素子や配線を形成した後、シリコン酸化膜54をプラズマCVD法により形成し、CMPにより平坦化する。図14は、シリコン基板上に形成されたシリコン酸化膜54に被覆された配線53から上の構造を図示する。半導体基板に形成された素子や配線と接続された配線53は、その上層に形成されたTMRに接続される。この配線53と磁性素子との電気的接続を達成するために、シリコン酸化膜54に配線53の表面を露出する接続孔をフォトリソグラフィ技術とドライエッチング技術で形成し、シリコン酸化膜54表面と接続孔内部にタングステン(W)を堆積させ、再度CMPにより接続孔以外のWを除去してプラグ55を形成する。その後、シリコン酸化膜54全面にシリコン窒化膜56、シリコン酸化膜57を形成し、配線を配置する部分のシリコン酸化膜57をフォトリソグラフィ技術とドライエッチング技術で除去し〔図15(a)〕、さらに、配線部分に露出したシリコン窒化膜56もドライエッチングで除去して、プラグ55表面が除去部に現れるようにする。レジストをアッシング除去した後Ti(10nm)、TiN(30nm)、AlSiCu(200nm)をスパッタ法により連続して成膜して配線材料層58を形成する〔図15(b)〕。配線部以外の配線材料をCMPにより除去し、配線部にAlSiCuを50nm残してワード線50およびこれと同層の引き出し線50a(図13参照)を形成する。
【0032】
次に、Ta(10nm)、FeMn(10nm)、CoFe(2.4nm)、Al(1.5nm)をスパッタ法で成膜した後、酸素雰囲気中に保管してAlを酸化する。その後、NiFe(5nm)、Ta(10nm)およびマスク64となるAl(20nm)をスパッタ法により形成する。フォトリソグラフィ技術により、レジストをTMR52の形状の0.5μm×0.8μmの長方形に残す。その後ドライエッチング技術によりAl、Taを加工する〔図15(c)〕。レジストをアッシング除去した後、全面を酸素プラズマ処理し、Alで覆われていない部分のNiFe、CoFe、FeMn、Taを酸化する。これにより絶縁化領域である磁性材料酸化物膜59で分離され孤立したTMR52が形成される〔図15(d)〕。
【0033】
次に、下層の引き出し線50aの接続部となる領域の磁性材料酸化物膜59をフォトリソグラフィ技術とイオンミリング技術により除去して、引き出し線50aの表面を露出させるビアホール60を形成する〔図14(b)参照〕。全面にシリコン窒化膜61を20nm、シリコン酸化膜62を400nmの膜厚に堆積し、CMP技術により平坦化する〔図15(e)〕。フォトリソグラフィ技術、ドライエッチング技術によりシリコン酸化膜62にビット線51形状の溝を形成し、露出したシリコン窒化膜61も除去する。レジストをアッシング除去した後、イオンミリングによりマスク64とTMRの上部電極であるTa膜の表面酸化物を除去した後、Ti(10nm)、TiN(30nm)、AlSiCu(600nm)をスパッタ法により連続して成膜する。次に、配線部以外の配線材料をCMPにより除去することによりビット線51を形成する〔図15(f)〕。この後、シリコン酸窒化膜を形成してボンディングパッド部を開口するか、さらに前述の工程を繰り返して配線やTMR(磁性素子)を多層に形成することもできる。
【0034】
隣接セル間の漏れ電流を小さくするためTMRの周辺酸化を行った後、続けて磁性材料酸化物膜59を一部除去することも可能である。この場合除去されるものが酸化物であるため再付着物があってもショートは発生しない。隣接配線どうしの絶縁性を高めるため、ビット線を形成した後、シリコン酸化膜62およびシリコン窒化膜61を除去した上、ビット線で覆われていない磁性材料酸化物膜59を一部または全部除去してもよい。この場合酸化物の除去のため再付着物があってもショートは発生しない。除去後シリコン酸化膜を堆積し、TMR間を充填する。TMR周囲の酸化を容易にするため、Al、Ta加工後酸素原子を含む材料をイオン注入したり、酸素イオン、酸素ラジカル、オゾンの高温雰囲気中に保管してもよい。また酸化しやすいシリコン、ジルコン、セリウム、ハフニウムをイオン注入してから酸化してもよい。また周辺の磁性の影響を小さくするため、Al、Ta加工後に、絶縁化処理後に強磁性特性を持つことのない原子をイオン注入または原子を含む材料を成膜して高温拡散、あるいはイオンを当てて押し込むことで膜内に導入してもよい。配線材料としてはAlCuやCuなどを用いてもよい。下部配線が酸化しにくいように下部配線上面にTiNが残るようにしたりAlが表面層となるようにしてもよい。また下部配線を形成した後、全面に3nm程度のSiOやAlの絶縁薄膜を形成してもよい。TMR部分では電流はトンネル現象で流れるため問題にはならない。
【0035】
2種類以上の誘電率の積層構造を挟むことで磁性素子に非線形特性を持たせることもできる。下部配線と接続しない部分でも磁性材料酸化物膜を除去しても良い。TMR上下配線間の絶縁性を上げるため、磁性素子材料とともに全面にアモルファスシリコンやZrなどの導電性材料を堆積してもよい。これらはTMR部分は電流を流し、酸化された部分は絶縁体となる。TMR周辺酸化のマスクは導電体材料の場合、TiN、Al、Pt、Irなどの酸化しにくい材料、Ru、Inなどの酸化しても導電性のある材料が望ましい。酸化後にマスク材料は除去してもよい。また絶縁体でもよく、この場合周辺酸化処理後ドライエッチング技術により除去する。TMRは反強磁性体層がトンネル膜の上側にある構造でもよく、また反強磁性層がない構造でもよい。磁性体材料は酸化して絶縁体になる原子で構成されている物が望ましく、反強磁性体ではFeMnやNiMnなどである。磁気抵抗素子としては磁性体の磁気抵抗効果を用いたAMRや、1対の磁性体のあいだに導電体薄膜を挟んだGMRとよばれる素子でもよい。ビット線、ワード線の上下関係は交換可能である。
【0036】
次に、この半導体記憶装置の使用方法について述べる。この半導体記憶装置は、TMRを記憶素子とした、不揮発性メモリを構成している。まず、データの書き込みについて説明する。ワード線W1に電流を流し、ビット線B1にデータに相当する方向の電流を流すと、交差点にあるTMRには合成磁場が印加され、ビット線の電流方向に従ってフリー層が磁化される。電流を止めた後も、また電源を切ったあともフリー層は強誘電体であるため磁化方向は保持され、不揮発性メモリとして動作する。
【0037】
次に、データの読み出しについて説明する。ビット線B1をフローティングにし、積分回路に接続する。ワード線W1に0.5V程度を印加する。その他の配線は接地する。W1とB1の交差点にあるTMRは磁化方向により抵抗値が変わっているため、積分回路に流れ込む電流量が異なる。ある時間積分した後、基準電圧と比較することで磁化方向を判別し、書き込まれていたデータを読み出すことができる。
この実施例では、上部配線の電流がTMR上部電極のTaにも流れるため、書き込み電流と磁性素子であるTMRのフリー層を近接して配置させることができる。本例の場合は両者を密着させることができる。
【0038】
(第2の実施例)
次に、図17乃至図19を参照して第2の実施例を説明する。
図17は、本発明の第2の実施例の半導体記憶装置の平面図、図18は、図17のX−X′線とY−Y′線での断面図である。図19は、この実施例の半導体記憶装置の製造工程断面図である。
この実施例の半導体記憶装置は、図17に示すように、書き込みワード線(WW1、WW2)70、読み出しワード線71、引き出し線72、ビット線(BW1、BW2、BW3)51、TMR52を有し、TMR52は、書き込みワード線70とビット線51の交差部に形成される。ビット線51とTMR52の上部磁性体および読み出しワード線71と引き出し線72とTMR52の下部磁性体とはそれぞれ電気的に接続されている。図示されていないが各セルの読み出しワード線71は、MOSトランジスタのドレインに接続されている。ソースは、接地され、ゲートは、トランジスタをオン、オフする制御線に接続されている。TMR52の構造は、図16と同じである。
【0039】
次に、半導体記憶装置の製造方法について説明する。図18は、書き込みワード線70、読み出しワード線71を含む最上層の配線の層から上の構造を図示する。シリコン基板(図示しない)上にトランジスタ等の素子を形成し、書き込みワード線70、読み出しワード線71を形成した後、シリコン酸化膜54をプラズマCVD法により形成し、CMPにより平坦化する。シリコン酸化膜54に配線との接続孔をフォトリソグラフィ技術とドライエッチング技術で形成し、この接続孔の内部を含めてシリコン酸化膜54上の全面にタングステン(W)を堆積し、再度CMPにより接続孔以外のWを除去してプラグ55を形成する。その後全面にシリコン窒化膜56、シリコン酸化膜57を形成し、配線を配置する部分のシリコン酸化膜57をフォトリソグラフィ技術とドライエッチング技術で除去し、さらに、配線部分に露出したシリコン窒化膜56もドライエッチングで除去し、プラグ55表面が除去部に現れるようにする。レジストをアッシング除去した後Ti(10nm)、TiN(30nm)、AlSiCu(200nm)をスパッタ法により連続して成膜して配線材料層58を形成する〔図19(a)〕。
【0040】
次に、配線部以外の配線材料をCMPにより除去し、配線部にAlSiCuを50nm残して引き出し線72、72a〔図17、図18(b)参照〕を形成する。さらに、Ta(10nm)、FeMn(10nm)、CoFe(2.4nm)、Al(1.5nm)をスパッタ法で成膜した後、酸素プラズマによりAlを酸化する。その後、NiFe(5nm)、Ta(10nm)およびマスク64となるAl(20nm)をスパッタ法により成膜する。さらに、フォトリソグラフィ技術により、Al膜上にレジスト膜を形成すべきTMR52の形状に形成する。その後ドライエッチング技術によりAl、Taを加工してマスク64を形成する〔図19(b)〕。レジスト膜をアッシング除去した後、全面を酸素プラズマ処理し、Alで覆われていない部分のNiFe、CoFe、FeMn、Taを酸化する。これにより絶縁化領域である磁性材料酸化物膜59で分離され孤立したTMR52が形成される。次に、引き出し線72aの接続部となる部分の磁性材料酸化物膜59をフォトリソグラフィ技術とイオンミリング技術を用いて除去し、引き出し線72aの表面を露出させてビアホール60を形成する〔図18(b)参照〕。
【0041】
レジスト膜をアッシング除去した後にイオンミリング処理によりマスク64とTa膜の表面酸化物を除去した後、全面にTiN(20nm)、AlSiCu(50nm)を形成し、フォトリソグラフィ技術とドライエッチング技術によりビット線51形状に加工し、第1配線層63を形成する〔図19(c)〕。さらに、磁性材料酸化物膜59のNiFe、CoFe、とFeMnの一部分の酸化部分をアルゴン、塩素を主成分とするエッチングガスにより除去する。この際オーバーエッチングしても再付着物は酸化物なのでTMR内のトンネル膜が側壁でショートすることはない。全面にシリコン酸化膜74を形成し〔図19(d)〕、配線が表面に出るまでCMPにより平坦化する。その後全面にシリコン窒化膜61を20nm、シリコン酸化膜62を400nm形成する〔図19(e)〕。フォトリソグラフィ技術、ドライエッチング技術によりシリコン酸化膜62にビット線51形状の溝を形成し、露出したシリコン窒化膜61も除去する。レジストをアッシング除去した後、Ti(10nm)、TiN(30nm)、AlSiCu(600nm)をスパッタ法により連続して成膜する。配線部以外の配線材料をCMPにより除去することにより厚いビット線51の第2配線層73を形成する。第2配線層73および第1配線層63は、ビット線51を構成する〔図19(f)〕。この実施例に対しても第1の実施例で説明した手法を適用することができる。
【0042】
次に、この半導体記憶装置の使用方法について説明する。この半導体記憶装置は、TMRを記憶素子とした不揮発性メモリを構成している。まず、データの書き込みについて説明する。C1のTMRに書き込みを行う場合、書き込みワード線WW1に電流を流し、ビット線BW1にデータに相当する方向の電流を流すと、交差点にあるTMR(C1)には合成磁場が印加され、ビット線の電流方向に従ってフリー層が磁化される。電流を止めた後も、また電源を切ったあともフリー層は強誘電体であるため磁化方向は保持され、不揮発性メモリとして動作する。
次に、データの読み出しについて説明する。WW1とBW1の交点のセルのMOSトランジスタのみをオン状態に設定し、BW1に電流を注入すると、TMRは磁化方向により抵抗値が変わっているため、生起される電圧が異なる。この値を基準電圧と比較することで磁化方向を判別し、書き込まれていたデータを読み出すことができる。
【0043】
この実施例では、上部配線の電流がTMR上部電極のTaにも流れるため、書き込み電流とTMRのフリー層を近接して配置させることができる。さらにTMR材料酸化部分の一部が除去されているため、隣接TMR間に流れる漏れ電流を小さくできる。
【0044】
(第3の実施例)
図20(a)は、本発明の第3の実施例の半導体記憶装置の主要部の断面図であり、図20(b)は図20(a)のX−X’線での断面図である。本半導体記憶装置は、ワード線50、ビット線51、TMR52を有し、TMR52はワード線50とビット線51の交差部のワード線50上に形成される。ビット線51とTMR52の上部磁性体、およびワード線50とTMR52の下部磁性体とはそれぞれ電気的に接続されている。
次に製造方法について説明する。シリコン基板上にトランジスタ等の素子や配線を形成した後、シリコン酸化膜54をプラズマCVD法により形成し、化学機械研磨(CMP)により平坦化する。図20(a)、(b)にはその後に形成されたシリコン酸化膜57、ワード線50から上の状態が図示されている。シリコン酸化膜54上にシリコン酸化膜57をプラズマCVD法により堆積し、CMPにより平坦化した後その一部をフォトリソグラフィ技術とドライエッチング技術によりエッチングし、配線を埋め込むための深さ300nm程度の溝を形成する。その後、Ta(10nm)、NiFe(10nm)、Ta(5nm)、Cu(400nm)を全面にスパッタリング成膜し、再度CMPにより配線部以外のCu等を除去してワード線50を形成する。続けて、Ta(10nm),NiFe(2nm),FeMn(10nm),CoFe(2.4nm),Al(1.5 nm)をスパッタ法で成膜した後、酸素雰囲気中に保管しAlを酸化する。その後、NiFe(5nm),Ta(10nm) 、およびマスク64となるAl(20nm),TiN(20nm)をスパッタ法により形成する。フォトリソグラフィ技術により、レジストをTMR52の形状の0.5μmx0.8μmの長方形に残す。その後ドライエッチング技術により、TiN,AlおよびTaの途中までを加工する。レジストをアッシング除去した後、250℃程度で全面を酸素プラズマ処理し、Alで覆われていない部分のTaの残り,NiFe,CoFe,FeMn,Taを酸化して絶縁化領域65を形成する。Taは酸化とともにNiFeに拡散し、混合酸化物が形成される。これによりTMR材料の絶縁化領域65で分離され孤立したTMR52が形成される。次にワード線50より0.1μm程度広い形になるようフォトリソグラフィ技術とミリングによりNiFe,AlO, CoFe,FeMn, NiFe,Ta の酸化物(絶縁化領域)を加工する。このとき、図示していないが後の工程で上部配線との接続のためのビアホールを同時に開口する。全面に、Ti(10nm)、TiN(30nm)、AlSiCu(500nm)、 Ta(10nm)、NiFe(8nm)、Ta(20nm)をスパッタ法により連続して成膜する。配線部以外の配線材料をエッチングしてビット線51を形成する。このとき磁性体酸化膜は加工されにくいため、NiFe酸化物表面で加工が止まる。次に全面にTa(10nm)、NiFe(10nm)、Ta(10nm)をスパッタ法により成膜する。続けて全面をエッチバックすることでビット線51側面にTa/NiFe/Taを残す。
絶縁化すべき領域(65)上に残す材料としてTaに代え酸化しやすいシリコン、ジルコン、セリウム、ハフニウムを用いてもよい。
本実施例では、ワード線、ビット線周囲を磁性体が取り囲むため、電流により発生する磁場が効率よくTMRに与えられる。また、これらの配線周囲の磁性体先端はフリー層と同層の絶縁化領域上近傍に位置することになるため、従来例に比べフリー層近くに配置でき、より小さい電流で書き込みを行うことができる。
【0045】
(第4の実施例)
図21(a)は、本発明の第4の実施例の半導体記憶装置の主要部の断面図であり、図21(b)は図21(a)のX−X’線での断面図である。本実施例の半導体記憶装置はワード線50、ビット線51、TMR52を有し、TMR52はワード線50とビット線51の交差部のワード線50上に形成される。ビット線51とTMR52の上部磁性体、およびワード線50とTMR52の下部磁性体とはそれぞれ電気的に接続されている。
次に製造方法について説明する。シリコン基板上にトランジスタ等の素子や配線を形成後、シリコン酸化膜54をプラズマCVD法により形成し、化学機械研磨(CMP)により平坦化する。図21(a)、(b)にはその後に形成されるワード線50から上の状態が図示されている。Ti (10nm)、AlCu(300nm)、Ta(10nm),IrMn(10nm),CoFe(2.4nm),Al(1.5 nm)をスパッタ法で成膜した後、酸素雰囲気中に保管しAlを酸化する。その後、NiFe(5nm),Ta(10nm)をスパッタ法により成膜する。フォトリソグラフィ技術とドライエッチング技術により、Ta,NiFe,AlO,CoFe,IrMn,Ta,AlCu,Tiをワード線50の形状に加工する。全面にシリコン酸化膜57を成膜し、CMPで平坦化後エッチバックによりワード線50の表面を露出させる。このときオーバーエッチングしてもワード線50の側面には絶縁物のサイドウォールが形成されるのみである。マスク64となるAl(20nm),TiN(10nm)を全面にスパッタ法で成膜した後、レジストをTMR52の形状の0.5μmx0.8μmの長方形に残す。その後ドライエッチング技術により、TiN,Al,Taを加工してマスク64を形成する。レジストをアッシング除去後、全面にTa(3nm)を成膜し、250℃程度で全面を酸素プラズマ処理し、Alで覆われていない部分のTa,NiFeを酸化する。Taは酸化とともにNiFeに拡散し、混合酸化物からなる絶縁化領域65が形成される。これによりTMR材料の絶縁化領域65で分離されたTMR52が形成される。次に図示していないが後の工程で上部配線との接続のためのビアホールをあける部分の酸化物をフォトリソグラフィ技術とミリング技術を用いて除去する。次にSiN(20nm)、SiO(300nm)をプラズマCVD法で堆積して絶縁膜66を形成する。TMR上のSiO、SiN、TaOを除去してコンタクトホールを形成すると共にビアホール上のSiO、SiNを除去し、さらに全面に、Ti(10nm)、TiN(30nm)、AlSiCu(500nm)、 Ta(10nm)、NiFe(8nm)、Ta(20nm)をスパッタ法により連続して成膜する。配線部以外の配線材料をエッチングしてビット線51を形成し、続けて絶縁膜66を選択的にエッチングする。このときSiO中でSiNとの選択比が大きくなる加工条件に変更し、SiNで加工を終了する。次に全面にTa(10nm)、NiFe(10nm)、Ta(10nm)をスパッタ法により成膜する。続けて全面をエッチバックすることでビット線51側面にTa/NiFe/Taを残す。
マスク形成後に絶縁化すべき領域上に成膜する材料としてTaに代え酸化しやすいシリコン、ジルコン、セリウム、ハフニウムを用いてもよい。
本実施例では、TMRとビット線との間に厚い絶縁膜66を挟んだとしても、配線側面に形成した磁性体の先端を酸化領域に十分近づけることができ、書き込み電流を小さくすることが可能となる。また磁性体先端と絶縁化領域の間に絶縁膜であるSiNを挟むことができるため、絶縁化領域の抵抗が低くても上下配線の絶縁性を確保できる。
【0046】
(第5の実施例)
図22は、本発明の第5の実施例の半導体記憶装置の断面図である。本実施例の半導体記憶装置はワード線50、ビット線51、TMR52を有し、TMR52はワード線50とビット線51の交差部のワード線50上に形成される。ビット線51とTMR52の上部磁性体、およびワード線50とTMR52の下部磁性体とはそれぞれ電気的に接続されている。
次に本実施例の半導体記憶装置の製造方法について説明する。半導体装置はシリコン基板上にトランジスタ等の素子や配線を形成後、シリコン酸化膜54をプラズマCVD法により形成し、CMPにより平坦化する。図22(a)、(b)にはその後に形成されるワード線50から上の状態が図示されている。シリコン酸化膜54上にTi(10nm)、AlCu(300nm)、Ta(10nm),IrMn(10nm),CoFe(2.4nm),Al(1.5 nm)をスパッタ法で成膜した後、酸素雰囲気中に保管しAlを酸化する。その後、NiFe(5nm),Ta(10nm)をスパッタ法により形成する。フォトリソグラフィ技術とドライエッチング技術により、Ta,NiFe,AlO,CoFe,IrMn,Ta,AlCu,Tiをワード線50の形状に加工する。全面にシリコン酸化膜57を成膜し、CMPで平坦化後エッチバックによりワード線50表面を露出させる。このときオーバーエッチングするとワード線50の側面にはサイドウォールが形成される。マスク64となるAl(20nm),TiN(20nm)を全面にスパッタ法で成膜した後、レジストをTMR52の形状の0.5μmx0.8μmの楕円形に残す。その後ドライエッチング技術により、TiN,AlおよびTaの一部を除去して楕円形状のマスク64を形成する。レジストをアッシング除去した後、230℃程度で全面を酸素プラズマ処理し、Alで覆われていない部分のTaの残り,NiFe,CoFeを酸化して絶縁化領域65を形成する。Taは酸化とともにNiFeに拡散し、混合酸化物が形成される。これによりTMR材料の絶縁化領域65で分離されたTMR52が形成される。次に図示していないが後の工程で上部配線との接続のためのビアホールをあける部分の酸化物をフォトリソグラフィ技術とミリング技術を用いて除去する。さらに全面に、Ta(10nm)、AlCu(500nm)、 Ta(10nm)、NiFe(8nm)、Ta(20nm)をスパッタ法により連続して成膜する。配線部以外の配線材料をエッチングしてビット線51を形成する。このとき配線幅はTMR52の幅より狭くする。マスク64は最上層のTiNによりエッチングが妨げられ残る。次に全面にTa(10nm)、NiFe(10nm)、Ta(10nm)をスパッタ法により成膜する。続けて全面をエッチバックすることでビット線51側面とマスク64側面にTa/NiFe/Taを残す。
本実施例では、磁性体素子に非常に近く、また自己整合的にマスクの側面に磁性体を形成できるため、磁性体素子に効率的に磁場を与えることができ、書き込み電流を小さくすることができる。
【0047】
(第6の実施例)
図23(a)は、本発明の第6の実施例の半導体記憶装置の主要部の平面図であり、図23(b)は図23(a)のX−X’線での断面図である。本実施例の半導体記憶装置はワード線50、ビット線51、TMR52を有し、TMR52はワード線50とビット線51の交差部のワード線50上に形成される。ビット線51とTMR52の上部磁性体、およびワード線50とTMR52の下部磁性体とはそれぞれ電気的に接続されている。
次に本実施例の半導体記憶装置の製造方法について説明する。シリコン基板上にトランジスタ等の素子や配線を形成後、シリコン酸化膜54をプラズマCVD法により形成し、CMPにより平坦化する。図23(b)にはその後に形成されるワード線50から上の状態が図示されている。シリコン酸化膜54上にTi(10nm)、AlCu(300nm)、Ta(10nm),PtMn(10nm),CoFe(2.4nm),Al(1.5 nm)をスパッタ法で成膜した後、酸素雰囲気中に保管しAlを酸化する。その後、NiFe(5nm),Ta(10nm)をスパッタ法により形成する。フォトリソグラフィ技術とドライエッチング技術により、Ta,NiFe,AlO,CoFe,PtMn,Ta,AlCu,Tiをワード線50の形状に加工する。全面にシリコン酸化膜57を成膜し、CMPで平坦化後エッチバックによりワード線50表面を露出させる。このときオーバーエッチングしてもワード線50の側面にはサイドウォールが形成されるのみである。マスク64となるAl(50nm),Ta(5nm),NiFe(5nm),Ta(5nm)を全面にスパッタ法で成膜した後、レジストをTMR52の形状の0.5μmx0.8μmの楕円形に残す。その後ドライエッチング技術により、Ta,NiFe,Ta,AlおよびTaの一部を除去して楕円形状のマスク64を形成する。レジストをアッシング除去した後、230℃程度で全面を酸素プラズマ処理し、Alで覆われていない部分のTaの残り,NiFeを酸化して絶縁化領域65を形成する。Taは酸化とともにNiFeに拡散し、混合酸化物が形成される。これによりTMR材料の絶縁化領域65で分離されたTMR52が形成される。次に図示していないが後の工程で上部配線との接続のためのビアホールをあける部分の酸化物をフォトリソグラフィ技術とミリング技術を用いて除去する。次にSiN(20nm)、SiO(400nm)をプラズマCVD法で堆積して絶縁膜66を形成する。次にビット線形状に溝状に絶縁膜66を除去し、マスク64の一部を露出させる。そして全面に、Ti(10nm)、TiN(30nm)、Cu(500nm)をスパッタ法により連続して成膜する。配線部以外の配線材料をCMPで除去しビット線51を形成する。ビット線はマスク部分で分断されており、ビット線を流れる電流はマスク64のAl層を通過する。
本実施例では、配線上にTMRと同形状の磁性体を形成でき、この磁性体により配線電流磁場が上部に広がるのを抑制し、磁性体素子に効率よく磁場を与えることができる。
【0048】
(第7の実施例)
図24(a)は、本発明の第7の実施例の半導体記憶装置の主要部の平面図であり、図24(b)は図24(a)のX−X’線での断面図である。本実施例の半導体記憶装置はワード線50、ビット線51、TMR52を有し、TMR52はワード線50とビット線51の交差部のワード線50上に形成される。ビット線51とTMR52の上部磁性体、およびワード線50とTMR52の下部磁性体とはそれぞれ電気的に接続されている。
次に、本実施例の半導体記憶装置の製造方法について説明する。本実施例において、マスク64で覆われていない部分を酸化する工程までは図20(a)に示した第3の実施例と同じである。ただし、マスク材料はTiN(5nm),Al(20nm)とする。また、マスク64の平面形状は0.5μmx0.8μmの長方形でワード線とビット線に対して傾いている。次に図示していないが後の工程で上部配線との接続のためのビアホールをあける部分の絶縁物をフォトリソグラフィ技術とミリング技術を用いて除去する。次にマスク64のAl層を除去する。全面にNiFe(10nm)を堆積し、TMRをはさむ形状にパターニングしてNiFe膜67を形成する。全面に、Ta(10nm)、TiN(30nm)、AlSiCu(500nm)、 Ta(10nm)、NiFe(8nm)、Ta(20nm)をスパッタ法により連続して成膜する。配線部以外の配線材料をエッチングしてビット線51を形成する。次に全面にTa(10nm)、NiFe(10nm)、Ta(10nm)をスパッタ法により成膜する。続けて全面をエッチバックすることでビット線51側面にTa /NiFe/ Taを残すとともに、配線の外にはみ出たNiFeを除去する。
本実施例では、配線下部にも電流磁界集中用の磁性体が配置され、磁性体先端と磁性体素子を近づけることができるため、効率よく磁場を印加することができる
【0049】
以上好ましい実施例について説明したが、本発明は、上記各実施例に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施例は適宜変更され得るものである。例えば、実施例では、フリー層やピン層は単層の磁性体層であったが磁性体、導電体、磁性体を積層した積層フェリ構造であってもよい。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、上部書き込み線と磁性体素子を密着させて配置できる。また磁性体素子の加工が必要ないため素子同士を近接して配置することができる。これにより高集積、低消費電力の半導体記憶装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】半導体記憶装置を示す概略平面図。
【図2】図1のX−X′に沿う断面図とY−Y′線に沿う断面図。
【図3】本発明の第1の実施の形態の磁性素子の形成方法を説明するための断面図。
【図4】本発明の第1の実施の形態の変更例を説明するための、図1のX−X′線に沿う断面図と図1のY−Y′線に沿う断面図。
【図5】本発明の第2の実施の形態の半導体記憶装置を示す断面図。
【図6】本発明の第2の実施の形態の変更例を説明するための、図1のX−X′線に沿う断面図と図1のY−Y′線に沿う断面図。
【図7】本発明の第3の実施の形態を説明する半導体記憶装置の配線構造を示す断面図。
【図8】本発明の第4の実施の形態を説明する半導体記憶装置の配線構造を示す断面図。
【図9】本発明の第5の実施の形態を説明する半導体記憶装置の配線構造を示す断面図。
【図10】本発明の第6の実施の形態を説明する半導体記憶装置の配線構造を示す断面図。
【図11】本発明の第7の実施の形態を説明する半導体記憶装置の配線構造を示す断面図。
【図12】本発明の第8の実施の形態を説明する半導体記憶装置の配線構造を示す断面図。
【図13】本発明の第1の実施例の半導体記憶装置の概略平面図。
【図14】図13のX−X′線に沿う断面図とY−Y′線に沿う断面図。
【図15】本発明の第1の実施例の半導体記憶装置の製造工程断面図である。
【図16】本発明の第1の実施例の半導体記憶装置に用いるTMRの断面図。
【図17】本発明の第2の実施例の半導体記憶装置の概略平面図。
【図18】図17のX−X′線に沿う断面図とY−Y′線に沿う断面図。
【図19】本発明の第2の実施例の半導体記憶装置の製造工程断面図。
【図20】本発明の第3の実施例の半導体記憶装置の概略断面図。
【図21】本発明の第4の実施例の半導体記憶装置の概略断面図。
【図22】本発明の第5の実施例の半導体記憶装置の概略断面図。
【図23】本発明の第6の実施例の半導体記憶装置の概略平面図と断面図。
【図24】本発明の第7の実施例の半導体記憶装置の概略平面図と断面図。
【図25】従来の半導体記憶装置に用いるTMRを説明するための断面図。
【図26】従来の半導体記憶装置を示す概要斜視図。
【図27】従来の半導体記憶装置の製造工程断面図(その1)。
【図28】従来の半導体記憶装置の製造工程断面図(その1)。
【図29】従来の半導体記憶装置の製造工程断面図(その1)。
【図30】従来の半導体記憶装置の製造工程断面図(その1)。
【図31】図30のZ−Z’線に沿う断面図。
【符号の説明】
1 磁性素子
2 配線A
2a 引き出し線
3 配線B
4、60  ビアホール
5、7、22、27、29  絶縁膜
6、21、28  エッチストップ膜
8、10、16  導電体膜
9  導電体酸化防止膜
11、15  トンネル膜
12  磁性素子下層膜
13  磁性素子形成膜
14  磁性素子上層膜
17、64  マスク
18  磁性素子領域
19、65  絶縁化領域
25  第1の配線
26  第2の配線
30  導電体膜
31  化合物膜
32〜35  磁性体膜
50  ワード線
50a  引き出し線
51  ビット線
52  TMR
53  配線
54、57、62、74  シリコン酸化膜
55  プラグ
56、61  シリコン窒化膜
58  配線材料層
59  磁性材料酸化物膜
63  第1配線層
66  絶縁膜
67  NiFe膜
70  書き込みワード線
71  読み出しワード線
72、72a  引き出し線
73  第2配線層
101  反強磁性体層
102  ピン層
103  トンネル絶縁層
104  フリー層
105  下部電極
106  上部電極
107  TMR
108  上部配線
109  第3の配線
110  トランジスタ
111  下部配線
112  読み出しワード線
120  P型シリコン基板
121  NMOSスイッチングトランジスタ
122  N+領域
123  絶縁領域
124  ポリシリコン層
125  金属層
126  伝導線
127  誘電材料
128  プラグ導体
129、147  エッチストップ層
130、148  二酸化シリコン層
131  高透磁率層
132  伝導金属層
133  デジット線
134、146  誘電層
135  伝導層
136  窓
140  底部磁性層
141  非磁性層
142  上部磁性層
142a  活性領域
142b  不活性部分
143  マスキング層
144  磁気メモリエレメント
145  接触金属パッド
146,148  誘電層
149  ビット線
150、151  パーマロイ層

Claims (43)

  1. 第1の導電体配線と、前記第1の導電体配線の上層にこれと交差して敷設された第2の導電体配線と、前記第1、第2の導電体配線の交差部に配置された磁性素子と、を備え、前記磁性素子の磁化状態を評価することのできる半導体記憶装置において、隣り合う前記磁性素子の間の少なくとも一箇所は、前記磁性素子を構成する膜の高抵抗化変換物、または、前記磁性素子を構成する膜と該膜の少なくとも上下の一方に形成された導電性膜との高抵抗化変換物により、少なくとも一部の膜厚においては素子間の全領域に渡って、充填されていることを特徴とする半導体記憶装置。
  2. 第1の導電体配線と、前記第1の導電体配線の上層にこれと交差して敷設された第2の導電体配線と、前記第1、第2の導電体配線の交差部に配置された磁性素子と、を備え、前記磁性素子の磁化状態を評価することのできる半導体記憶装置において、隣り合う前記磁性素子の間の少なくとも一箇所は、前記磁性素子を構成する膜と該膜の少なくとも上下の一方に形成された導電性膜との高抵抗化変換物により、充填されていることを特徴とする半導体記憶装置。
  3. 前記高抵抗化変換物は、前記磁性素子を構成する膜、または、前記磁性素子を構成する膜および前記導電性膜の酸化物、窒化物または酸窒化物であることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体記憶装置。
  4. 前記高抵抗化変換物は、前記磁性素子の領域を画定する際にパターニングされていない膜の全膜から形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の半導体記憶装置。
  5. 前記磁性素子上には、前記高抵抗化変換物を形成する際のマスク体が前記磁性素子の上部電極の少なくとも一部として形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の半導体記憶装置。
  6. 前記マスク体が、窒化チタンまたはアルミニウムまたはアルミニウム合金または白金またはイリジウムまたは金またはルテニウムまたはインジウムにより形成されていることを特徴とする請求項5に記載の半導体記憶装置。
  7. 前記磁性素子上には上部電極が形成されており、前記第2の導電体配線は前記上部電極の上面および少なくとも対向する2側面に接して形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の半導体記憶装置。
  8. 前記第1の導電体配線の最上層は、この配線の主成分に比べて酸化が進行し難い導電材料からなることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の半導体記憶装置。
  9. 前記第1の導電体配線の最上層は、アルミニウムまたは窒化チタンにより形成されていることを特徴とする請求項8に記載の半導体記憶装置。
  10. 前記磁性素子とその下層、および/または、その上層に形成された配線との間にはトンネル絶縁膜が形成されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の半導体記憶装置。
  11. 前記トンネル絶縁膜は、誘電率の異なる複数の絶縁膜により構成されていることを特徴とする請求項10に記載の半導体記憶装置。
  12. 前記磁性素子を構成する膜の下層に形成された前記導電性膜の最上層、および/または、前記磁性素子を構成する膜の上層に形成された前記導電性膜の最下層はタンタル以外の酸化されて高抵抗値を示す材料により形成されていることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の半導体記憶装置。
  13. 前記酸化されて高抵抗値を示す材料がシリコンまたはジルコンであることを特徴とする請求項12に記載の半導体記憶装置。
  14. 前記高抵抗化変換物は、その全膜厚に及ぶことなく一部が除去され、その除去された空間が堆積絶縁物により充填されていることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の半導体記憶装置。
  15. 前記第1の導電体配線と前記第2の導電体配線との内の少なくとも一方は、平坦な領域に形成された導電体膜の一部を除去して形成された第1配線層と、前記第1配線層上に溝が形成された絶縁膜の該溝を埋め込んで形成された第2配線層と、を有していることを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の半導体記憶装置。
  16. 前記磁性素子が、FeMnまたはNiMnを主体とする金属材料を含んでいることを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載の半導体記憶装置。
  17. 第1の導電体配線と、前記第1の導電体配線の上層にこれと交差して敷設された第2の導電体配線と、前記第1、第2の導電体配線の交差部に配置された磁性素子と、を備え、前記磁性素子領域では磁性素子を構成する少なくとも一部の磁性体膜と導電体膜が接して形成され、隣り合う前記磁性素子の間もしくは前記磁性素子の少なくとも一辺に隣接して、前記磁性素子を構成する少なくとも一部の膜と前記導電体との合成材料の酸化物または窒化物または酸窒化物からなる絶縁化領域が形成されていることを特徴とする半導体記憶装置。
  18. 第1の導電体配線と、前記第1の導電体配線の上層にこれと交差して敷設された第2の導電体配線と、前記第1、第2の導電体配線の交差部に配置された磁性素子と、を備え、隣り合う前記磁性素子の間もしくは前記磁性素子の少なくとも一辺に隣接して絶縁化領域が形成された半導体記憶装置において、前記磁性素子と前記絶縁化領域との境界部上には酸化物または窒化物または酸窒化物が形成され、前記絶縁化領域が、前記酸化物または窒化物または酸窒化物を構成する元素と前記磁性素子を構成する少なくとも一部の膜との合成材料の酸化物または窒化物または酸窒化物から形成されていることを特徴とする半導体記憶装置。
  19. 前記導電体または前記酸化膜がタンタル、アルミニウム、シリコン、ジルコン、セリウム、ハフニウムの少なくとも一つを含む材料により構成されていることを特徴とする請求項17または18に記載の半導体記憶装置。
  20. 前記磁性素子の間の全領域に前記絶縁化領域が形成されていることを特徴とする請求項17から19のいずれかに記載の半導体記憶装置。
  21. 前記第1の導電体配線間上の少なくとも一部の領域には、前記絶縁化領域が形成されていないことを特徴とする請求項17から19のいずれかに記載の半導体記憶装置。
  22. 前記絶縁化領域においては、前記磁性素子を構成するすべての膜が絶縁化されていることを特徴とする請求項17から21のいずれかに記載の半導体記憶装置。
  23. 前記絶縁化領域においては、前記磁性素子を構成する膜の一部の膜が絶縁化され、前記磁性素子は前記第1の導電体配線方向に前記磁性素子を構成する膜の内の絶縁化されなかった膜により電気的に接続されていることを特徴とする請求項17から21のいずれかに記載の半導体記憶装置。
  24. 前記第1または前記第2の導電体配線の少なくとも一部の表面には、磁性体膜が形成されていることを特徴とする請求項17から23のいずれかに記載の半導体記憶装置。
  25. 前記第2の導電体配線の側面に形成されている磁性体膜が、前記絶縁化領域と接しているか20nm以下の距離を隔てて形成されていることを特徴とする請求項24に記載の半導体記憶装置。
  26. 前記第2の導電体配線の側面に形成されている磁性体膜が、膜堆積と異方性エッチングとにより形成されたものであることを特徴とする請求項24または25に記載の半導体記憶装置。
  27. 第1の導電体配線と、前記第1の導電体配線の上層にこれと交差して敷設された第2の導電体配線と、前記第1、第2の導電体配線の交差部に配置された磁性素子と、を備え、隣り合う前記磁性素子の間もしくは前記磁性素子の少なくとも一辺に隣接して、前記磁性素子を構成する少なくとも一部の膜を主成分として含む酸化物または窒化物または酸窒化物からなる絶縁化領域が形成され、前記第2の導電体配線の前記磁性素子と反対側の面に磁性体膜が形成され、前記磁性体膜が前記磁性素子の平面形状と相似であることを特徴とする半導体記憶装置。
  28. 前記第2の導電体配線と前記磁性素子との間に、前記磁性素子を挟むように一対の磁性体膜が形成されていることを特徴とする請求項24に記載の半導体記憶装置。
  29. 前記磁性素子が、FeMnまたはNiMnまたはIrMnまたはPtMnを主体とする金属材料を含んでいることを特徴とする請求項17乃至28のいずれかに記載の半導体記憶装置。
  30. 請求項1乃至29のいずれかに記載された構造が複数層積み重ねられていることを特徴とする半導体記憶装置。
  31. 平坦な領域に形成された導電体膜の一部を除去して形成された第1配線層と、前記第1配線層間に充填された第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜上に形成された、前記第1配線層の表面の少なくとも一部を露出させる溝を有する第2絶縁膜と、前記第2絶縁膜の前記溝に埋め込まれた第2配線層と、を有することを特徴とする半導体記憶装置。
  32. 下層導電膜の表面が露出した平坦面上に、磁性素子形成膜を堆積する工程と、前記磁性素子形成膜上にアレイ状にマスクを形成する工程と、前記マスクにて保護されていない領域の前記磁性素子形成膜を高抵抗化変換物に変換して前記マスク下に孤立した磁性素子を形成する工程と、を有することを特徴とする半導体記憶装置の製造方法。
  33. 下層導電膜の表面が露出した平坦面上に、少なくとも上下の一方に導電性膜を有する磁性素子形成膜を堆積する工程と、前記磁性素子形成膜上にアレイ状にマスクを形成する工程と、前記マスクにて保護されていない領域の前記磁性素子形成膜を前記導電性膜の少なくとも一部を含めて酸化、窒化または酸窒化して前記マスク下に孤立した磁性素子を形成する工程と、を有することを特徴とする半導体記憶装置の製造方法。
  34. 前記マスクにて保護されていない領域の前記磁性素子形成膜を酸化、窒化または酸窒化する工程は、前記マスクにて保護されていない領域の前記磁性素子形成膜に酸素原子、および/もしくは、窒素原子を含む材料をイオン注入するプロセス、並びに/または、それらの原子のイオン乃至ラジカル乃至オゾンを高温にて接触させるプロセスを含むことを特徴とする請求項33に記載の半導体記憶装置の製造方法。
  35. 前記マスクにて保護されていない領域の前記磁性素子形成膜を高抵抗化変換物に変換する工程、または、前記マスクにて保護されていない領域の前記磁性素子形成膜を酸化、窒化もしくは酸窒化する工程の前に、前記マスクにて保護されていない領域の前記磁性素子形成膜に、絶縁化しやすい原子を導入することを特徴とする請求項32乃至34のいずれかに記載の半導体記憶装置の製造方法。
  36. 前記絶縁化しやすい原子が、シリコン、ジルコン、セリウム、ハフニウムの中の1種または複数種であることを特徴とする請求項35に記載の半導体記憶装置の製造方法。
  37. 前記マスクにて保護されていない領域の前記磁性素子形成膜を高抵抗化変換物に変換する工程、または、前記マスクにて保護されていない領域の前記磁性素子形成膜を酸化、窒化もしくは酸窒化する工程の前に、前記マスクにて保護されていない領域の前記磁性素子形成膜に、前記マスクにて保護されていない領域に、高抵抗化処理、酸化、窒化もしくは酸窒化処理の後に強磁性材料となることのない原子を導入することを特徴とする請求項32乃至36のいずれかに記載の半導体記憶装置の製造方法。
  38. 前記絶縁化しやすい原子、または、前記強磁性材料に変換されることのない原子の導入方法が、イオン注入法、または、当該原子を含む膜を前記磁性素子形成膜上に形成し高温拡散もしくは表面に別の原子や分子をあてて膜成分を注入する方法であることを特徴とする請求項35乃至37のいずれかに記載の半導体記憶装置の製造方法。
  39. 前記マスクにて保護されていない領域の前記磁性素子形成膜を高抵抗化変換物に変換する工程、または、前記マスクにて保護されていない領域の前記磁性素子形成膜を酸化、窒化もしくは酸窒化する工程の後、酸素および/または窒素雰囲気中、高温にて保管する工程をさらに有することを特徴とする請求項32乃至38のいずれかに記載の半導体記憶装置の製造方法。
  40. 前記マスクにて保護されていない領域の前記磁性素子形成膜を高抵抗化変換物に変換する工程、または、前記マスクにて保護されていない領域の前記磁性素子形成膜を酸化、窒化もしくは酸窒化する工程の後、前記マスクを除去する工程をさらに有することを特徴とする請求項32乃至39のいずれかに記載の半導体記憶装置の製造方法。
  41. 前記マスクにて保護されていない領域の前記磁性素子形成膜を高抵抗化変換物に変換する工程、または、前記マスクにて保護されていない領域の前記磁性素子形成膜を酸化、窒化もしくは酸窒化する工程の後、形成された高抵抗化変換物、または、酸化物、窒化物もしくは酸窒化物の一部または全部を除去し、その除去された空間を堆積絶縁物にて充填する工程をさらに有することを特徴とする請求項32乃至40のいずれかに記載の半導体記憶装置の製造方法。
  42. 前記マスクにて保護されていない領域の前記磁性素子形成膜を高抵抗化変換物に変換する工程、または、前記マスクにて保護されていない領域の前記磁性素子形成膜を酸化、窒化もしくは酸窒化する工程の後、全面に絶縁膜を形成する工程と、該絶縁膜に配線溝を形成する工程と、該配線溝を導電性材料で埋め込んで前記磁性素子に電気的に接続された上層配線を形成する工程と、をさらに有することを特徴とする請求項32乃至40のいずれかに記載の半導体記憶装置の製造方法。
  43. 前記マスクにて保護されていない領域の前記磁性素子形成膜を高抵抗化変換物に変換する工程、または、前記マスクにて保護されていない領域の前記磁性素子形成膜を酸化、窒化もしくは酸窒化する工程の後、前記磁性素子に電気的に接続された上層配線を形成する工程と、該上層配線をマスクとして、前記高抵抗化変換物、または、酸化物、窒化物もしくは酸窒化物の一部を除去して絶縁化溝を形成する工程と、該絶縁化溝および前記上層配線間を埋め込む埋め込み絶縁膜を形成する工程と、をさらに有することを特徴とする請求項32乃至40のいずれかに記載の半導体記憶装置の製造方法。
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