JP2004047895A - 化学気相成長装置および半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】反応室内に供給される処理用ガスの流量を安定させることのできる化学気相成長装置、および、それにより製造される半導体装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の化学気相成長装置は、処理用ガスを用いて基板11表面に薄膜13を形成する化学気相成長装置であって、反応室1と、ガス供給管4と、ガス供給バルブ5と、ガス廃棄管6と、ガス廃棄バルブ7と、ガス流量計9とを備えている。反応室1は、内部に基板11を保持可能である。ガス供給管4は、処理用ガスを反応室1内に導入するため、一端が反応室1に接続されている。ガス廃棄管6は、ガス供給バルブ7よりも上流側にてガス供給管4から分岐している。ガス流量計9は、ガス供給管4とガス廃棄管6との分岐部より上流側のガス供給管4部分の処理用ガスの流量を測定するためのものである。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の化学気相成長装置は、処理用ガスを用いて基板11表面に薄膜13を形成する化学気相成長装置であって、反応室1と、ガス供給管4と、ガス供給バルブ5と、ガス廃棄管6と、ガス廃棄バルブ7と、ガス流量計9とを備えている。反応室1は、内部に基板11を保持可能である。ガス供給管4は、処理用ガスを反応室1内に導入するため、一端が反応室1に接続されている。ガス廃棄管6は、ガス供給バルブ7よりも上流側にてガス供給管4から分岐している。ガス流量計9は、ガス供給管4とガス廃棄管6との分岐部より上流側のガス供給管4部分の処理用ガスの流量を測定するためのものである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化学気相成長装置およびそれを用いて製造された半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5は、従来の化学気相成長装置の構成を概略的に示す断面図である。
【0003】
図5を参照して、従来の化学気相成長装置は、反応室101と、液体材料供給装置102と、気化器103と、ガス供給管104と、ガス供給バルブ105と、ガス廃棄管106と、ガス廃棄バルブ107と、排気管108とを主に有している。
【0004】
反応室101は、その内部に基板111を保持可能である。液体材料供給装置102は気化器103に接続され、気化器103はガス供給管104に接続されている。ガス供給管104は反応室101に接続されている。このガス供給管104にはガス供給バルブ105が設けられている。ガス廃棄管106はガス供給バルブ105の上流側(つまり気化器103側)にてガス供給管104から分岐している。このガス廃棄管106には、ガス廃棄バルブ107が設けられている。排気管108は反応室101に接続されている。また、気化器103には通常、処理用ガスの気化量を制御する質量流量調節器112が備えられている。
【0005】
次に、従来の化学気相成長装置を用いた成膜行程について説明する。
まず反応室101内に基板111が保持される。液体材料供給装置102より供給された液体は気化器103および質量流量調節器112で一定のガス流量となるように気化され、気化された処理用ガスはガス供給管104を介して反応室101内へ導入される。反応室101内へ導入された処理用ガスは基板111の表面上で気相反応を起こし、それにより基板111の表面には薄膜113が形成される。気相反応後に残ったガスは、反応室101から排気管108を介して化学気相成長装置の外部へ排気される。
【0006】
通常、処理用ガス供給の初期段階では、オーバーシュートなどにより処理用ガスの流量制御が不安定となり、不安定な流量の処理用ガスが反応室101内に流れこむおそれがある。そこで、予めガス供給バルブ105が閉じられガス廃棄バルブ107が開かれることにより、処理用ガス供給の初期段階の処理用ガスがガス廃棄管106より一定時間廃棄される。そして一定時間廃棄後、オーバーシュートなどがなくなって、質量流量調節器112によりガス流量が安定化されたと判断された後に、ガス廃棄バルブ107が閉じられガス供給バルブ105が開かれて処理用ガスが反応室101内に導入される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の化学気相成長装置では、処理用ガス供給の初期段階においてどのくらいの時間廃棄すれば、オーバーシュートなどによるガス流量の不安定さが解消するかについては、経験的に判断されていた。しかし、一定時間廃棄され、オーバーシュートなどによるガス流量の不安定さが解消されているはずであるにもかかわらず、反応室101内に導入されるガス流量が不安定になる現象が観察された。本願発明者は、その理由を鋭意検討したところ、ガス供給管104内での再液化などにより反応室101内に導入されるガス流量が不安定になっていることを見出した。つまり、処理用ガス供給の初期段階では、ガス供給管104の温度や圧力の条件により、そのガス供給管104内を流れる処理用ガスが冷却されて液化する場合がある。その結果、反応室101内に導入されるガス流量が不安定になっていた。
【0008】
このように反応室101内に供給される処理用ガスの流量が安定しないと、その反応室101内で形成される薄膜の膜厚やドーパント濃度の再現性が悪化するという問題があった。
【0009】
そこで本発明の一の目的は、反応室内に供給される処理用ガスの流量を安定させることのできる化学気相成長装置を提供することである。
【0010】
また、本発明の他の目的は、均一な膜厚やドーパント濃度を有する薄膜を備えた半導体装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の化学気相成長装置は、処理用ガスを用いて基板表面に薄膜を形成する化学気相成長装置であって、反応室と、ガス供給管と、ガス供給バルブと、ガス廃棄管と、ガス廃棄バルブと、ガス流量計とを備えている。反応室は、内部に基板を保持可能である。ガス供給管は、一端が反応室に接続されており、処理用ガスを反応室内に導入するためのものである。ガス供給バルブは、反応室内への処理用ガスの導入を制御するためのものである。ガス廃棄管は、ガス供給バルブよりも上流側にてガス供給管から分岐している。ガス廃棄バルブは、ガス廃棄管からの処理用ガスの廃棄を制御するためにガス廃棄管に設けられている。ガス流量計は、ガス供給管とガス廃棄管との分岐部より上流側のガス供給管部分の処理用のガス流量を測定するためのものである。
【0012】
本発明の化学気相成長装置によれば、ガス流量計は、ガス供給管とガス廃棄管との分岐部よりも上流側におけるガス供給管内の処理用ガスの流量を測定することができる。これにより、処理用ガス供給の初期段階でオーバーシュートおよび再液化などによりガス流量が不安定となっている時には、そのガス流量が不安定となっていることをガス流量計により測定し、それに基づいてガス流量計の下流にあるガス供給バルブを閉じた状態およびガス廃棄バルブを開いた状態に維持することにより、不安定な流量の処理用ガスを反応室内に供給することなく廃棄することができる。また、ガス流量が安定している時には、それをガス流量計により測定し、それに基づいてガス流量計の下流にあるガス供給バルブを開き、ガス廃棄バルブを閉じることにより、安定な流量の処理用ガスを廃棄せずに反応室内に供給することができる。
【0013】
このようにガス流量計を設けたことで、処理用ガス供給の初期段階での不安定な流量の処理用ガスを確実に廃棄でき反応室内に供給しないようにできるため、常に安定した流量の処理用ガスを反応室内に導入でき、それにより膜厚やドーパント濃度の均一性および再現性の良好な薄膜を形成することができる。
【0014】
本発明の化学気相成長装置において好ましくは、ガス流量計の流量の値によってガス供給バルブおよびガス廃棄バルブの各々の開閉を自動的に行う制御装置がさらに備えられている。
【0015】
この構成により、制御装置により予めガス供給バルブを閉じた状態およびガス廃棄バルブを開いた状態に制御されることにより、処理用ガス供給の初期段階の不安定な流量の処理用ガスを反応室内に供給することなく廃棄することができる。そして、ガス流量計の流量の値が所望の範囲で安定した後に、制御装置によりガス廃棄バルブが閉じられガス供給バルブが開かれるよう制御されるので、ガス供給管内のガス流量が安定した後に自動で処理用ガスが反応室内に導入される。したがって、膜厚やドーパント濃度の均一性および再現性が良好な薄膜が自動で形成される。
【0016】
本発明の化学気相成長装置において好ましくは、ガス供給管の他端に接続された気化器がさらに備えられている。制御装置はガス流量計の流量の値によって気化器で発生するガス流量の制御を自動的に行う。
【0017】
この構成により、ガス流量計の流量の値が所望の範囲に安定しない場合には、ガス流量計の流量の値が所望の範囲に安定するように、制御装置により気化器で発生するガス流量が制御される。したがって、ガス供給管内のガス流量が不安定な場合にも自動でガス流量が安定化される。
【0018】
本発明の化学気相成長装置において好ましくは、制御装置は、ガス流量計の流量の値に応じて、警報出力または装置停止の信号を出力可能である。
【0019】
この構成により、ガス流量計の流量の値が、予め設定された時間内に所望の範囲に安定しない場合には、制御装置により警報出力または装置停止の制御がなされるので、ガス流量の異常が直ちに発見され、不安定な流量の処理用ガスが廃棄され続けることが防止される。
【0020】
本発明の半導体装置膜は、上記の化学気相成長装置を用いて製造された薄膜を有する。
【0021】
これにより、薄膜の膜厚やドーパント濃度の均一性および再現性が良好な半導体装置を得ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
【0023】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における化学気相成長装置の構成を概略的に示す断面図である。
【0024】
図1を参照して、本実施の形態の化学気相成長装置は、反応室1と、液体材料供給装置2と、気化器3と、ガス供給管4と、ガス供給バルブ5と、ガス廃棄管6と、ガス廃棄バルブ7と、排気管8と、ガス流量計9とを主に有している。
【0025】
反応室1は、その内部に基板11を保持可能である。排気管8は反応室1に接続されていて、この排気管8から反応後の残ガスが排気可能とされている。液体材料供給装置2は気化器3に接続されていて、液体材料が気化器3に供給可能とされている。気化器3は質量流量調節器12を備えていて、処理用ガスの流量が一定になるように液体材料を気化できるよう構成されている。気化器3はガス供給管4に接続されている。ガス供給管4は、反応室1内に気化された処理用ガスを導入するために反応室1に接続されている。このガス供給管4には、反応室1内への反応ガスの導入を制御するためのガス供給バルブ5が設けられている。ガス廃棄管6は、ガス供給バルブ5よりも上流側(気化器3側)にてガス供給管4から分岐している。このガス廃棄管6には、ガス廃棄管6からの反応ガスの廃棄を制御するためのガス廃棄バルブ7が設けられている。
【0026】
本実施の形態において特に注目すべきは、ガス流量計9が備えられていることである。このガス流量計9は、気化器3とガス供給管4およびガス廃棄管6の分岐部との間におけるガス供給管4内のガス流量を測定するためのものである。なお、本明細書において、「上流側」とは、処理用ガスの流れに対して上流側であることを意味している。
【0027】
次に、本実施の形態の化学気相成長装置における薄膜形成工程について説明する。
【0028】
まず反応室1内に基板11が保持される。この基板11の上にガス供給管4より処理用ガスが導入され、薄膜13が形成される。たとえば、薄膜13としてシリコン酸化膜(SiO2)を形成する場合には、液体材料としてSi(OC2H5)4よりなるTEOS(Tetraethoxy silane)、H2Oよりなる水などが導入される。この処理用ガスが気相反応を生じることで、基板11の表面に薄膜13としてシリコン酸化膜が形成される。また、液体材料として、たとえばB(OC2H5)3よりなるTEB(Triethyl borate)やPO(OCH3)3よりなるTMPO(Trimethyl phosphate)がTEOSとともに用いられれば、薄膜13としてリン(P)やボロン(B)がドーパントされたシリコン酸化膜が形成される。TEOSによってシリコン酸化膜を形成する場合の反応は以下のとおりである。
【0029】
Si(OC2H5)4+2H2O→SiO2+4C2H5OH
反応後の残ガス(未反応の活性種を含む)は反応室1から排気管8へ導かれ、外部へ排気される。
【0030】
次に、本実施の形態における化学気相成長装置の操作について説明する。
予めガス供給バルブ5が閉じられガス廃棄バルブ7が開かれる。これにより、処理用ガス供給の初期段階で、オーバーシュートなどにより過大な流量となった処理用ガスが、ガス廃棄管6から一定時間廃棄される。そして、ガス流量計9の示すガス流量の値が所望の範囲で安定するまで、さらに処理用ガスが廃棄され続ける。そして、ガス流量計9の流量の値が所望の範囲で安定した後で、ガス廃棄バルブ7が閉じられガス供給バルブ5が開かれ、反応室1内へ処理用ガスが導入されて薄膜13が形成される。
【0031】
本実施の形態では、ガス流量計9によりガス流量を測定することができるため、オーバーシュートおよび再液化などがなくなって、ガス供給管4内のガス流量が安定したことをガス流量計9で確認した後に処理用ガスが反応室1に導入されるので、常に安定した流量の処理用ガスが導入され、膜厚やドーパント濃度の均一性および再現性が良好な薄膜13が形成される。
【0032】
また、この化学気相成長装置を用いることにより、膜厚やドーパント濃度が均一な高品質の薄膜13を基板11上に有する半導体装置が得られる。
【0033】
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2における化学気相成長装置の構成を概略的に示す断面図である。
【0034】
図2を参照して、本実施の形態の化学気相成長装置は、制御装置10をさらに有している。この制御装置10は、ガス流量計9と、ガス供給バルブ5と、ガス廃棄バルブ7とに接続されている。制御装置10は、ガス流量計9の値に応じてガス供給バルブ5とガス廃棄バルブ7との各々の開閉を制御するものである。
【0035】
なお、これ以外の構成については図1に示す実施の形態1の構成とほぼ同じであるため、同一の部材については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0036】
本実施の形態では、処理用ガス供給の初期段階での不安定な流量の処理用ガスを廃棄するため、予め制御装置10によりガス供給バルブ5が閉じられガス廃棄バルブ7が開かれるよう制御される。一定時間廃棄後、ガス流量計9の流量の値が所望の範囲で安定した後で、制御装置10によりガス廃棄バルブ7が閉じられガス供給バルブ5が開かれるよう制御されることにより、反応室1内に処理用ガスが導入される。
【0037】
したがって、ガス供給管4内のガス流量が安定した後に自動で処理用ガスが反応室1内に導入されるので、膜厚やドーパント濃度の再現性が良好な薄膜13が自動で形成される。
【0038】
また、この化学気相成長装置を用いることにより、膜厚やドーパント濃度が均一な高品質の薄膜13を基板11上に有する半導体装置が得られる。
【0039】
(実施の形態3)
図3は、本発明の実施の形態3における化学気相成長装置の構成を概略的に示す断面図である。
【0040】
図3を参照して、本実施の形態の化学気相成長装置は、制御装置10がさらに気化器3が備える質量流量調節器12に接続されている。制御装置10は、ガス流量計9の値に応じてガス供給バルブ5とガス廃棄バルブ7との各々の開閉を行うのに加えて、気化器3で気化される処理用ガスの流量制御を行うことが可能である。
【0041】
なお、これ以外の構成については図2に示す実施の形態2の構成とほぼ同じであるため、同一の部材については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0042】
この構成により、通常は実施の形態2と同様の操作が行われる。さらに、ガス流量計9の示すガス流量の値が、予め設定された時間内に所望の範囲に安定しない場合には、ガス流量計9の示すガス流量の値が所望の範囲に安定するように、制御装置10により質量流量調節器12が制御される。たとえば、ガス流量が9〜11cm3/minの範囲内になるように制御装置10が設定され、予め設定された時間を経過してもガス流量計9の示すガス流量の値が12cm3/minとなっている場合を考える。このとき、制御装置10から質量流量調節器12に、気化器3で発生させる処理用ガスの量を減少させる出力がされる。これにより、気化器3で発生させる処理用ガスの量が減少し、ガス流量計9の示すガス流量の値が9〜11cm3/minの範囲内となる。
【0043】
したがって、ガス供給管4内のガス流量が不安定な場合にも自動でガス流量が安定化される。
【0044】
また、この化学気相成長装置を用いることにより、膜厚やドーパント濃度が均一な高品質の薄膜13を基板上に有する半導体装置が得られる。
【0045】
(実施の形態4)
図4は、本発明の実施の形態4における化学気相成長装置の構成を概略的に示す断面図である。
【0046】
図4を参照して、制御装置10はガス流量計9の値に応じて警報出力または装置停止の信号を出力するよう構成されている。
【0047】
なお、これ以外の構成については図2に示す実施の形態2の構成とほぼ同じであるため、同一の部材については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0048】
この構成により、通常は実施の形態2と同様の操作が行われる。さらに、ガス流量計9の示すガス流量の値が、予め設定された時間内に所望の範囲に安定しない場合には、たとえばブザーによる警報出力の信号が出力されることにより、ガス流量の異常が直ちに発見され、不安定な流量の処理用ガスが廃棄され続けることが防止される。
【0049】
また、この化学気相成長装置を用いることにより、膜厚やドーパント濃度が均一な高品質の薄膜13を基板11上に有する半導体装置が得られる。
【0050】
実施の形態1において、液体材料としてTEOS,TEBおよびTMPOによりドーパントされたシリコン酸化膜が形成される場合について示したが、これらに限定されるものではなく、他の種類の薄膜が形成される場合でもよい。
【0051】
実施の形態4において、制御装置10によりブザーによる警報出力の信号が出力される場合について示したが、ガス流量の異常が直ちに発見され、不安定な流量の処理用ガスが廃棄され続けることが防止されるための出力または装置停止の信号が出力されるものであればよい。
【0052】
以上に開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正や変形を含むものと意図される。
【0053】
【発明の効果】
以上のように、本発明の化学気相成長装置によれば、ガス流量計は、ガス供給管とガス廃棄管との分岐部よりも上流側におけるガス供給管内の処理用ガスの流量を測定することができる。これにより、処理用ガス供給の初期段階でオーバーシュートおよび再液化などによりガス流量が不安定となっている時には、そのガス流量が不安定となっていることをガス流量計により測定し、それに基づいてガス流量計の下流にあるガス供給バルブを閉じた状態およびガス廃棄バルブを開いた状態に維持することにより、不安定な流量の処理用ガスを反応室内に供給することなく廃棄することができる。また、ガス流量が安定している時には、それをガス流量計により測定し、それに基づいてガス流量計の下流にあるガス供給バルブを開き、ガス廃棄バルブを閉じることにより、安定な流量の処理用ガスを廃棄せずに反応室内に供給することができる。
【0054】
このようにガス流量計を設けたことで、処理用ガス供給の初期段階での不安定な流量の処理用ガスを確実に廃棄でき反応室内に供給しないようにできるため、常に安定した流量の処理用ガスを反応室内に導入でき、それにより膜厚やドーパント濃度の均一性および再現性の良好な薄膜を形成することができる。
【0055】
本発明の化学気相成長装置において好ましくは、ガス流量計の流量の値によってガス供給バルブおよびガス廃棄バルブの各々の開閉を自動的に行う制御装置がさらに備えられている。この構成により、制御装置により予めガス供給バルブを閉じた状態およびガス廃棄バルブを開いた状態に制御されることにより、処理用ガス供給の初期段階の不安定な流量の処理用ガスを反応室内に供給することなく廃棄することができる。そして、ガス流量計の流量の値が所望の範囲で安定した後に、制御装置によりガス廃棄バルブが閉じられガス供給バルブが開かれるよう制御されるので、ガス供給管内のガス流量が安定した後に自動で処理用ガスが反応室内に導入される。したがって、膜厚やドーパント濃度の均一性および再現性が良好な薄膜が自動で形成される。
【0056】
本発明の化学気相成長装置において好ましくは、ガス供給管の他端に接続された気化器がさらに備えられている。制御装置はガス流量計の流量の値によって気化器で発生するガス流量の制御を自動的に行う。この構成により、ガス流量計の流量の値が所望の範囲に安定しない場合には、ガス流量計の流量の値が所望の範囲に安定するように、制御装置により気化器で発生するガス流量が制御される。したがって、ガス供給管内のガス流量が不安定な場合にも自動でガス流量が安定化される。
【0057】
本発明の化学気相成長装置において好ましくは、制御装置は、ガス流量計の流量の値に応じて、警報出力または装置停止の信号を出力可能である。この構成により、ガス流量計の流量の値が、予め設定された時間内に所望の範囲に安定しない場合には、制御装置により警報出力または装置停止の制御がなされるので、ガス流量の異常が直ちに発見され、不安定な流量の処理用ガスが廃棄され続けることが防止される。
【0058】
本発明の半導体装置膜は、上記の化学気相成長装置を用いて製造された薄膜を有する。これにより、薄膜の膜厚やドーパント濃度の均一性および再現性が良好な半導体装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における化学気相成長装置の構成を概略的に示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態2における化学気相成長装置の構成を概略的に示す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態3における化学気相成長装置の構成を概略的に示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態4における化学気相成長装置の構成を概略的に示す断面図である。
【図5】従来の化学気相成長装置の構成を概略的に示す断面図である。
【符号の説明】
1,101 反応室、2,102 液体材料供給装置、3,103 気化器、4,104 ガス供給管、5,105 ガス供給バルブ、6,106 ガス廃棄管、7,107 ガス廃棄バルブ、8,108 排気管、9 ガス流量計、10制御装置、11,111 基板、12,112 質量流量調節器、13,113 薄膜。
【発明の属する技術分野】
本発明は、化学気相成長装置およびそれを用いて製造された半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5は、従来の化学気相成長装置の構成を概略的に示す断面図である。
【0003】
図5を参照して、従来の化学気相成長装置は、反応室101と、液体材料供給装置102と、気化器103と、ガス供給管104と、ガス供給バルブ105と、ガス廃棄管106と、ガス廃棄バルブ107と、排気管108とを主に有している。
【0004】
反応室101は、その内部に基板111を保持可能である。液体材料供給装置102は気化器103に接続され、気化器103はガス供給管104に接続されている。ガス供給管104は反応室101に接続されている。このガス供給管104にはガス供給バルブ105が設けられている。ガス廃棄管106はガス供給バルブ105の上流側(つまり気化器103側)にてガス供給管104から分岐している。このガス廃棄管106には、ガス廃棄バルブ107が設けられている。排気管108は反応室101に接続されている。また、気化器103には通常、処理用ガスの気化量を制御する質量流量調節器112が備えられている。
【0005】
次に、従来の化学気相成長装置を用いた成膜行程について説明する。
まず反応室101内に基板111が保持される。液体材料供給装置102より供給された液体は気化器103および質量流量調節器112で一定のガス流量となるように気化され、気化された処理用ガスはガス供給管104を介して反応室101内へ導入される。反応室101内へ導入された処理用ガスは基板111の表面上で気相反応を起こし、それにより基板111の表面には薄膜113が形成される。気相反応後に残ったガスは、反応室101から排気管108を介して化学気相成長装置の外部へ排気される。
【0006】
通常、処理用ガス供給の初期段階では、オーバーシュートなどにより処理用ガスの流量制御が不安定となり、不安定な流量の処理用ガスが反応室101内に流れこむおそれがある。そこで、予めガス供給バルブ105が閉じられガス廃棄バルブ107が開かれることにより、処理用ガス供給の初期段階の処理用ガスがガス廃棄管106より一定時間廃棄される。そして一定時間廃棄後、オーバーシュートなどがなくなって、質量流量調節器112によりガス流量が安定化されたと判断された後に、ガス廃棄バルブ107が閉じられガス供給バルブ105が開かれて処理用ガスが反応室101内に導入される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の化学気相成長装置では、処理用ガス供給の初期段階においてどのくらいの時間廃棄すれば、オーバーシュートなどによるガス流量の不安定さが解消するかについては、経験的に判断されていた。しかし、一定時間廃棄され、オーバーシュートなどによるガス流量の不安定さが解消されているはずであるにもかかわらず、反応室101内に導入されるガス流量が不安定になる現象が観察された。本願発明者は、その理由を鋭意検討したところ、ガス供給管104内での再液化などにより反応室101内に導入されるガス流量が不安定になっていることを見出した。つまり、処理用ガス供給の初期段階では、ガス供給管104の温度や圧力の条件により、そのガス供給管104内を流れる処理用ガスが冷却されて液化する場合がある。その結果、反応室101内に導入されるガス流量が不安定になっていた。
【0008】
このように反応室101内に供給される処理用ガスの流量が安定しないと、その反応室101内で形成される薄膜の膜厚やドーパント濃度の再現性が悪化するという問題があった。
【0009】
そこで本発明の一の目的は、反応室内に供給される処理用ガスの流量を安定させることのできる化学気相成長装置を提供することである。
【0010】
また、本発明の他の目的は、均一な膜厚やドーパント濃度を有する薄膜を備えた半導体装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の化学気相成長装置は、処理用ガスを用いて基板表面に薄膜を形成する化学気相成長装置であって、反応室と、ガス供給管と、ガス供給バルブと、ガス廃棄管と、ガス廃棄バルブと、ガス流量計とを備えている。反応室は、内部に基板を保持可能である。ガス供給管は、一端が反応室に接続されており、処理用ガスを反応室内に導入するためのものである。ガス供給バルブは、反応室内への処理用ガスの導入を制御するためのものである。ガス廃棄管は、ガス供給バルブよりも上流側にてガス供給管から分岐している。ガス廃棄バルブは、ガス廃棄管からの処理用ガスの廃棄を制御するためにガス廃棄管に設けられている。ガス流量計は、ガス供給管とガス廃棄管との分岐部より上流側のガス供給管部分の処理用のガス流量を測定するためのものである。
【0012】
本発明の化学気相成長装置によれば、ガス流量計は、ガス供給管とガス廃棄管との分岐部よりも上流側におけるガス供給管内の処理用ガスの流量を測定することができる。これにより、処理用ガス供給の初期段階でオーバーシュートおよび再液化などによりガス流量が不安定となっている時には、そのガス流量が不安定となっていることをガス流量計により測定し、それに基づいてガス流量計の下流にあるガス供給バルブを閉じた状態およびガス廃棄バルブを開いた状態に維持することにより、不安定な流量の処理用ガスを反応室内に供給することなく廃棄することができる。また、ガス流量が安定している時には、それをガス流量計により測定し、それに基づいてガス流量計の下流にあるガス供給バルブを開き、ガス廃棄バルブを閉じることにより、安定な流量の処理用ガスを廃棄せずに反応室内に供給することができる。
【0013】
このようにガス流量計を設けたことで、処理用ガス供給の初期段階での不安定な流量の処理用ガスを確実に廃棄でき反応室内に供給しないようにできるため、常に安定した流量の処理用ガスを反応室内に導入でき、それにより膜厚やドーパント濃度の均一性および再現性の良好な薄膜を形成することができる。
【0014】
本発明の化学気相成長装置において好ましくは、ガス流量計の流量の値によってガス供給バルブおよびガス廃棄バルブの各々の開閉を自動的に行う制御装置がさらに備えられている。
【0015】
この構成により、制御装置により予めガス供給バルブを閉じた状態およびガス廃棄バルブを開いた状態に制御されることにより、処理用ガス供給の初期段階の不安定な流量の処理用ガスを反応室内に供給することなく廃棄することができる。そして、ガス流量計の流量の値が所望の範囲で安定した後に、制御装置によりガス廃棄バルブが閉じられガス供給バルブが開かれるよう制御されるので、ガス供給管内のガス流量が安定した後に自動で処理用ガスが反応室内に導入される。したがって、膜厚やドーパント濃度の均一性および再現性が良好な薄膜が自動で形成される。
【0016】
本発明の化学気相成長装置において好ましくは、ガス供給管の他端に接続された気化器がさらに備えられている。制御装置はガス流量計の流量の値によって気化器で発生するガス流量の制御を自動的に行う。
【0017】
この構成により、ガス流量計の流量の値が所望の範囲に安定しない場合には、ガス流量計の流量の値が所望の範囲に安定するように、制御装置により気化器で発生するガス流量が制御される。したがって、ガス供給管内のガス流量が不安定な場合にも自動でガス流量が安定化される。
【0018】
本発明の化学気相成長装置において好ましくは、制御装置は、ガス流量計の流量の値に応じて、警報出力または装置停止の信号を出力可能である。
【0019】
この構成により、ガス流量計の流量の値が、予め設定された時間内に所望の範囲に安定しない場合には、制御装置により警報出力または装置停止の制御がなされるので、ガス流量の異常が直ちに発見され、不安定な流量の処理用ガスが廃棄され続けることが防止される。
【0020】
本発明の半導体装置膜は、上記の化学気相成長装置を用いて製造された薄膜を有する。
【0021】
これにより、薄膜の膜厚やドーパント濃度の均一性および再現性が良好な半導体装置を得ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
【0023】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における化学気相成長装置の構成を概略的に示す断面図である。
【0024】
図1を参照して、本実施の形態の化学気相成長装置は、反応室1と、液体材料供給装置2と、気化器3と、ガス供給管4と、ガス供給バルブ5と、ガス廃棄管6と、ガス廃棄バルブ7と、排気管8と、ガス流量計9とを主に有している。
【0025】
反応室1は、その内部に基板11を保持可能である。排気管8は反応室1に接続されていて、この排気管8から反応後の残ガスが排気可能とされている。液体材料供給装置2は気化器3に接続されていて、液体材料が気化器3に供給可能とされている。気化器3は質量流量調節器12を備えていて、処理用ガスの流量が一定になるように液体材料を気化できるよう構成されている。気化器3はガス供給管4に接続されている。ガス供給管4は、反応室1内に気化された処理用ガスを導入するために反応室1に接続されている。このガス供給管4には、反応室1内への反応ガスの導入を制御するためのガス供給バルブ5が設けられている。ガス廃棄管6は、ガス供給バルブ5よりも上流側(気化器3側)にてガス供給管4から分岐している。このガス廃棄管6には、ガス廃棄管6からの反応ガスの廃棄を制御するためのガス廃棄バルブ7が設けられている。
【0026】
本実施の形態において特に注目すべきは、ガス流量計9が備えられていることである。このガス流量計9は、気化器3とガス供給管4およびガス廃棄管6の分岐部との間におけるガス供給管4内のガス流量を測定するためのものである。なお、本明細書において、「上流側」とは、処理用ガスの流れに対して上流側であることを意味している。
【0027】
次に、本実施の形態の化学気相成長装置における薄膜形成工程について説明する。
【0028】
まず反応室1内に基板11が保持される。この基板11の上にガス供給管4より処理用ガスが導入され、薄膜13が形成される。たとえば、薄膜13としてシリコン酸化膜(SiO2)を形成する場合には、液体材料としてSi(OC2H5)4よりなるTEOS(Tetraethoxy silane)、H2Oよりなる水などが導入される。この処理用ガスが気相反応を生じることで、基板11の表面に薄膜13としてシリコン酸化膜が形成される。また、液体材料として、たとえばB(OC2H5)3よりなるTEB(Triethyl borate)やPO(OCH3)3よりなるTMPO(Trimethyl phosphate)がTEOSとともに用いられれば、薄膜13としてリン(P)やボロン(B)がドーパントされたシリコン酸化膜が形成される。TEOSによってシリコン酸化膜を形成する場合の反応は以下のとおりである。
【0029】
Si(OC2H5)4+2H2O→SiO2+4C2H5OH
反応後の残ガス(未反応の活性種を含む)は反応室1から排気管8へ導かれ、外部へ排気される。
【0030】
次に、本実施の形態における化学気相成長装置の操作について説明する。
予めガス供給バルブ5が閉じられガス廃棄バルブ7が開かれる。これにより、処理用ガス供給の初期段階で、オーバーシュートなどにより過大な流量となった処理用ガスが、ガス廃棄管6から一定時間廃棄される。そして、ガス流量計9の示すガス流量の値が所望の範囲で安定するまで、さらに処理用ガスが廃棄され続ける。そして、ガス流量計9の流量の値が所望の範囲で安定した後で、ガス廃棄バルブ7が閉じられガス供給バルブ5が開かれ、反応室1内へ処理用ガスが導入されて薄膜13が形成される。
【0031】
本実施の形態では、ガス流量計9によりガス流量を測定することができるため、オーバーシュートおよび再液化などがなくなって、ガス供給管4内のガス流量が安定したことをガス流量計9で確認した後に処理用ガスが反応室1に導入されるので、常に安定した流量の処理用ガスが導入され、膜厚やドーパント濃度の均一性および再現性が良好な薄膜13が形成される。
【0032】
また、この化学気相成長装置を用いることにより、膜厚やドーパント濃度が均一な高品質の薄膜13を基板11上に有する半導体装置が得られる。
【0033】
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2における化学気相成長装置の構成を概略的に示す断面図である。
【0034】
図2を参照して、本実施の形態の化学気相成長装置は、制御装置10をさらに有している。この制御装置10は、ガス流量計9と、ガス供給バルブ5と、ガス廃棄バルブ7とに接続されている。制御装置10は、ガス流量計9の値に応じてガス供給バルブ5とガス廃棄バルブ7との各々の開閉を制御するものである。
【0035】
なお、これ以外の構成については図1に示す実施の形態1の構成とほぼ同じであるため、同一の部材については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0036】
本実施の形態では、処理用ガス供給の初期段階での不安定な流量の処理用ガスを廃棄するため、予め制御装置10によりガス供給バルブ5が閉じられガス廃棄バルブ7が開かれるよう制御される。一定時間廃棄後、ガス流量計9の流量の値が所望の範囲で安定した後で、制御装置10によりガス廃棄バルブ7が閉じられガス供給バルブ5が開かれるよう制御されることにより、反応室1内に処理用ガスが導入される。
【0037】
したがって、ガス供給管4内のガス流量が安定した後に自動で処理用ガスが反応室1内に導入されるので、膜厚やドーパント濃度の再現性が良好な薄膜13が自動で形成される。
【0038】
また、この化学気相成長装置を用いることにより、膜厚やドーパント濃度が均一な高品質の薄膜13を基板11上に有する半導体装置が得られる。
【0039】
(実施の形態3)
図3は、本発明の実施の形態3における化学気相成長装置の構成を概略的に示す断面図である。
【0040】
図3を参照して、本実施の形態の化学気相成長装置は、制御装置10がさらに気化器3が備える質量流量調節器12に接続されている。制御装置10は、ガス流量計9の値に応じてガス供給バルブ5とガス廃棄バルブ7との各々の開閉を行うのに加えて、気化器3で気化される処理用ガスの流量制御を行うことが可能である。
【0041】
なお、これ以外の構成については図2に示す実施の形態2の構成とほぼ同じであるため、同一の部材については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0042】
この構成により、通常は実施の形態2と同様の操作が行われる。さらに、ガス流量計9の示すガス流量の値が、予め設定された時間内に所望の範囲に安定しない場合には、ガス流量計9の示すガス流量の値が所望の範囲に安定するように、制御装置10により質量流量調節器12が制御される。たとえば、ガス流量が9〜11cm3/minの範囲内になるように制御装置10が設定され、予め設定された時間を経過してもガス流量計9の示すガス流量の値が12cm3/minとなっている場合を考える。このとき、制御装置10から質量流量調節器12に、気化器3で発生させる処理用ガスの量を減少させる出力がされる。これにより、気化器3で発生させる処理用ガスの量が減少し、ガス流量計9の示すガス流量の値が9〜11cm3/minの範囲内となる。
【0043】
したがって、ガス供給管4内のガス流量が不安定な場合にも自動でガス流量が安定化される。
【0044】
また、この化学気相成長装置を用いることにより、膜厚やドーパント濃度が均一な高品質の薄膜13を基板上に有する半導体装置が得られる。
【0045】
(実施の形態4)
図4は、本発明の実施の形態4における化学気相成長装置の構成を概略的に示す断面図である。
【0046】
図4を参照して、制御装置10はガス流量計9の値に応じて警報出力または装置停止の信号を出力するよう構成されている。
【0047】
なお、これ以外の構成については図2に示す実施の形態2の構成とほぼ同じであるため、同一の部材については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0048】
この構成により、通常は実施の形態2と同様の操作が行われる。さらに、ガス流量計9の示すガス流量の値が、予め設定された時間内に所望の範囲に安定しない場合には、たとえばブザーによる警報出力の信号が出力されることにより、ガス流量の異常が直ちに発見され、不安定な流量の処理用ガスが廃棄され続けることが防止される。
【0049】
また、この化学気相成長装置を用いることにより、膜厚やドーパント濃度が均一な高品質の薄膜13を基板11上に有する半導体装置が得られる。
【0050】
実施の形態1において、液体材料としてTEOS,TEBおよびTMPOによりドーパントされたシリコン酸化膜が形成される場合について示したが、これらに限定されるものではなく、他の種類の薄膜が形成される場合でもよい。
【0051】
実施の形態4において、制御装置10によりブザーによる警報出力の信号が出力される場合について示したが、ガス流量の異常が直ちに発見され、不安定な流量の処理用ガスが廃棄され続けることが防止されるための出力または装置停止の信号が出力されるものであればよい。
【0052】
以上に開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正や変形を含むものと意図される。
【0053】
【発明の効果】
以上のように、本発明の化学気相成長装置によれば、ガス流量計は、ガス供給管とガス廃棄管との分岐部よりも上流側におけるガス供給管内の処理用ガスの流量を測定することができる。これにより、処理用ガス供給の初期段階でオーバーシュートおよび再液化などによりガス流量が不安定となっている時には、そのガス流量が不安定となっていることをガス流量計により測定し、それに基づいてガス流量計の下流にあるガス供給バルブを閉じた状態およびガス廃棄バルブを開いた状態に維持することにより、不安定な流量の処理用ガスを反応室内に供給することなく廃棄することができる。また、ガス流量が安定している時には、それをガス流量計により測定し、それに基づいてガス流量計の下流にあるガス供給バルブを開き、ガス廃棄バルブを閉じることにより、安定な流量の処理用ガスを廃棄せずに反応室内に供給することができる。
【0054】
このようにガス流量計を設けたことで、処理用ガス供給の初期段階での不安定な流量の処理用ガスを確実に廃棄でき反応室内に供給しないようにできるため、常に安定した流量の処理用ガスを反応室内に導入でき、それにより膜厚やドーパント濃度の均一性および再現性の良好な薄膜を形成することができる。
【0055】
本発明の化学気相成長装置において好ましくは、ガス流量計の流量の値によってガス供給バルブおよびガス廃棄バルブの各々の開閉を自動的に行う制御装置がさらに備えられている。この構成により、制御装置により予めガス供給バルブを閉じた状態およびガス廃棄バルブを開いた状態に制御されることにより、処理用ガス供給の初期段階の不安定な流量の処理用ガスを反応室内に供給することなく廃棄することができる。そして、ガス流量計の流量の値が所望の範囲で安定した後に、制御装置によりガス廃棄バルブが閉じられガス供給バルブが開かれるよう制御されるので、ガス供給管内のガス流量が安定した後に自動で処理用ガスが反応室内に導入される。したがって、膜厚やドーパント濃度の均一性および再現性が良好な薄膜が自動で形成される。
【0056】
本発明の化学気相成長装置において好ましくは、ガス供給管の他端に接続された気化器がさらに備えられている。制御装置はガス流量計の流量の値によって気化器で発生するガス流量の制御を自動的に行う。この構成により、ガス流量計の流量の値が所望の範囲に安定しない場合には、ガス流量計の流量の値が所望の範囲に安定するように、制御装置により気化器で発生するガス流量が制御される。したがって、ガス供給管内のガス流量が不安定な場合にも自動でガス流量が安定化される。
【0057】
本発明の化学気相成長装置において好ましくは、制御装置は、ガス流量計の流量の値に応じて、警報出力または装置停止の信号を出力可能である。この構成により、ガス流量計の流量の値が、予め設定された時間内に所望の範囲に安定しない場合には、制御装置により警報出力または装置停止の制御がなされるので、ガス流量の異常が直ちに発見され、不安定な流量の処理用ガスが廃棄され続けることが防止される。
【0058】
本発明の半導体装置膜は、上記の化学気相成長装置を用いて製造された薄膜を有する。これにより、薄膜の膜厚やドーパント濃度の均一性および再現性が良好な半導体装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における化学気相成長装置の構成を概略的に示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態2における化学気相成長装置の構成を概略的に示す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態3における化学気相成長装置の構成を概略的に示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態4における化学気相成長装置の構成を概略的に示す断面図である。
【図5】従来の化学気相成長装置の構成を概略的に示す断面図である。
【符号の説明】
1,101 反応室、2,102 液体材料供給装置、3,103 気化器、4,104 ガス供給管、5,105 ガス供給バルブ、6,106 ガス廃棄管、7,107 ガス廃棄バルブ、8,108 排気管、9 ガス流量計、10制御装置、11,111 基板、12,112 質量流量調節器、13,113 薄膜。
Claims (5)
- 処理用ガスを用いて基板表面に薄膜を形成する化学気相成長装置であって、
内部に前記基板を保持可能な反応室と、
一端が前記反応室に接続された、前記処理用ガスを前記反応室内に導入するためのガス供給管と、
前記反応室内への前記処理用ガスの導入を制御するためのガス供給バルブと、
前記ガス供給バルブよりも上流側にて前記ガス供給管から分岐したガス廃棄管と、
前記ガス廃棄管からの前記処理用ガスの廃棄を制御するために前記ガス廃棄管に設けられたガス廃棄バルブと、
前記ガス供給管と前記ガス廃棄管との分岐部より上流側の前記ガス供給管部分の処理用ガスの流量を測定するためのガス流量計とを備えた、化学気相成長装置。 - 前記ガス流量計の流量の値によって前記ガス供給バルブおよび前記ガス廃棄バルブの各々の開閉を自動的に行う制御装置をさらに備えた、請求項1に記載の化学気相成長装置。
- 前記ガス供給管の他端に接続された気化器をさらに備え、
前記制御装置は前記ガス流量計の流量の値によって前記気化器で発生するガス流量の制御を自動的に行うことを特徴とする、請求項2に記載の化学気相成長装置。 - 前記制御装置は、前記ガス流量計の流量の値に応じて、警報出力または装置停止の信号を出力可能であることを特徴とする、請求項2または3に記載の化学気相成長装置。
- 請求項1から4のいずれかの化学気相成長装置を用いて製造された薄膜を有する、半導体装置。
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JP2002205872A JP2004047895A (ja) | 2002-07-15 | 2002-07-15 | 化学気相成長装置および半導体装置 |
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JP2014521839A (ja) * | 2011-08-05 | 2014-08-28 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | 蒸気を処理するためのシステム及び方法 |
-
2002
- 2002-07-15 JP JP2002205872A patent/JP2004047895A/ja not_active Withdrawn
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