JP2004046680A - コミュニケーションパターン判定方法及びコミュニケーションパターン判定システム - Google Patents
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Abstract
【課題】ある人物に対して影響度を持つコミュニケータを判定する。
【解決手段】先ず、対象ユーザのメールアドレスを条件入力部3から入力する。コミュニケータ検索部4は、対象ユーザを含む電子メールを送信ログファイル1及び受信ログファイル2より検索する。コミュニケーションパターン判定部5は、コミュニケータ検索部4で検索された対象ユーザとコミュニケータとの電子メールの送受信数を先ず求める。次にコミュニケーションパターン判定部5は、対象ユーザからコミュニケータへの送信数の方が、コミュニケータから対象ユーザへの送信数より多いほど、対象ユーザに対するコミュニケータの影響度が大きいと判定し、この判定結果を表示部8に表示する。
【選択図】 図1
【解決手段】先ず、対象ユーザのメールアドレスを条件入力部3から入力する。コミュニケータ検索部4は、対象ユーザを含む電子メールを送信ログファイル1及び受信ログファイル2より検索する。コミュニケーションパターン判定部5は、コミュニケータ検索部4で検索された対象ユーザとコミュニケータとの電子メールの送受信数を先ず求める。次にコミュニケーションパターン判定部5は、対象ユーザからコミュニケータへの送信数の方が、コミュニケータから対象ユーザへの送信数より多いほど、対象ユーザに対するコミュニケータの影響度が大きいと判定し、この判定結果を表示部8に表示する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、対象ユーザへのコミュニケーション実績を参照して対象ユーザとコミュニケーション相手であるコミュニケータとの影響度を判定するコミュニケーションパターン判定システム及びコミュニケーションパターン判定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に企業での営業活動では、取引を行う際に相手会社の担当者との面識がない場合、何らかの手段を講じて接触を行う。例えば、A社の人物と交渉を行う際、その人物に人脈を持つ第三者に紹介してもらう、あるいは、その人物に関する情報を入手する、といった手段を用いることで交渉が円滑に進むことが多い。
また、同一企業内でも、あまり接触のない人物と接触を図る場合、例えば、その人物と親しい人物から事前に情報を入手する、といったことも日常的に行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような第三者として最適な人物を探し出すことができるとは必ずしも限らなかった。また、たとえ、このような第三者を探し出せたとしても、その第三者は対象となる人物に対してどの程度影響力があるのか、あるいはその人物とどの程度親しいかといったことは不確実である。従って、紹介してもらったりあるいは情報を入手しても、場合によっては期待したほどの効果が得られない場合もあった。
また、同一企業内においても、対象となる人物と親しい人物を探し出す場合、例えば、自分の同僚や上司に相談するといった方法をとっていた。しかしながら、このような方法であっても、探し出す人物を特定するためには得られる情報が確実ではない場合もあり、必ずしも最適な人物を探し出せるとは限らなかった。
【0004】
ところで、昨今、企業間あるいは企業内においても電子メールを用いてコミュニケーションを図ることが一般化している。例えば、企業間での取引を行う上で電子メールは重要なコミュニケーションツールとしての役割を持っている。また、企業内での連絡等でも電子メールがコミュニケーションツールとして広く用いられている。しかしながら、このような電子メールは、コミュニケーションツールとして活用は行われていても、そのコミュニケーションツールを用いて送受信者がどのような関係にあるかといったことは考慮されていなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前述の課題を解決するため、電子メールの送受信数に基づいて送受信者相互の影響度を検出できることに着目し、例えば、ある人物とコミュニケーションのある人物の影響度を出力するようにしたものである。即ち、本発明は次の構成を採用する。
【0006】
〈構成1〉
対象ユーザの送受信の相手となるコミュニケータの電子メールを管理するメールサーバにおいて、対象ユーザとコミュニケータ間の電子メール送受信数に基づいて、対象ユーザへの送受信の相手となるコミュニケータの対象ユーザへの影響度を判定するコミュニケーションパターン判定方法であって、対象ユーザとコミュニケータとの電子メールの送受信数を求め、対象ユーザからコミュニケータへの送信数の方が、コミュニケータから対象ユーザへの送信数より多いほど、対象ユーザに対するコミュニケータの影響度が大きいと判定することを特徴とするコミュニケーションパターン判定方法。
【0007】
〈構成2〉
対象ユーザへの電子メールが含まれる送信ログと対象ユーザからの電子メールが含まれる受信ログに基づいて、対象ユーザと電子メールにて送受信した相手であるコミュニケータを抽出するコミュニケータ検索部と、これらコミュニケータとの間の電子メール受信数と送信数に基づき対象ユーザの影響度を判定するコミュニケーションパターン判定部とを備えたことを特徴とするコミュニケーションパターン判定システム。
【0008】
〈構成3〉
構成2に記載のコミュニケーションパターン判定システムにおいて、対象ユーザからコミュニケータへの送信数の方が、コミュニケータから対象ユーザへの送信数より多いほど、対象ユーザに対するコミュニケータの影響度が高いと判定するコミュニケーションパターン判定部を備えたことを特徴とするコミュニケーションパターン判定システム。
【0009】
〈構成4〉
構成2または3に記載のコミュニケーションパターン判定システムにおいて、影響度を判定するための検索期間を入力する条件入力部と、条件入力部で入力された検索期間の電子メールからコミュニケータを検索するコミュニケータ検索部を備えたことを特徴とするコミュニケーションパターン判定システム。
【0010】
〈構成5〉
構成4に記載のコミュニケーションパターン判定システムにおいて、対象ユーザとコミュニケータとの影響度を画面表示出力するコミュニケーションパターン判定部を備えたことを特徴とするコミュニケーションパターン判定システム。
【0011】
〈構成6〉
構成5に記載のコミュニケーションパターン判定システムにおいて、コミュニケータを表示すると共に、検索期間における電子メールの送受信数の推移を表示するコミュニケーションパターン判定部を備えたことを特徴とするコミュニケーションパターン判定システム。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を具体例を用いて詳細に説明する。
《具体例》
〈構成〉
図1は、本発明のコミュニケーションパターン判定システムの具体例を示す構成図であるが、これに先立ち、本発明のコミュニケーションパターン判定システムを適用するメールシステムを説明する。
図2は、メールシステムの概念を示す構成図である。
図のシステムは、社内ユーザ端末101、社内メールサーバ102、社内ネットワーク103で構成された社内メールシステム100と、社外ユーザ端末201と、公衆ネットワーク202とからなる。社内ユーザ端末101は、社内ユーザがそれぞれ用いるメールの送受信可能な端末であり、例えば、通信機能を有するパーソナルコンピュータ等から構成され、複数設けられている。社内メールサーバ102は、社内ユーザ端末101間の電子メールの送受信や社内ユーザ端末101と社外ユーザ端末201間の電子メールの送受信を管理するサーバコンピュータであり、管理する全ての電子メールの情報を記録するサーバコンピュータである。社内ネットワーク103は、複数の社内ユーザ端末101と社内メールサーバ102とを接続するLAN(ローカル・エリア・ネットワーク)であり、その通信プロトコルとして、例えばインターネットと同様の通信プロトコルであるTCP/IPを用いた、いわゆるイントラネットが構成されている。
【0013】
社外ユーザ端末201は、社外ユーザが用いるメールの送受信が可能な端末であり、社内ユーザ端末101と同様に例えばパーソナルコンピュータから構成され、複数の社外ユーザ端末201が存在する。また、公衆ネットワーク202は、社外LANや公衆電話回線等の通信回線上に構成されるネットワークであり、例えば、インターネットといったネットワークである。
【0014】
次に、このようなメールシステムに適用される本発明のコミュニケーションパターン判定システムを図1を用いて説明する。
図1に示すコミュニケーションパターン判定システムは、受信ログファイル2、送信ログファイル1、条件入力部3、コミュニケータ検索部4、コミュニケーションパターン判定部5、コミュニケーションデータベース(コミュニケーションDB)6、従業員データベース(従業員DB)7、表示部8からなる。
【0015】
受信ログファイル2は、社内ユーザ端末101宛に送信された電子メールを全て履歴として格納するファイルである。送信ログファイル1は、社内ユーザ端末101から送信される全ての電子メールを履歴として格納するファイルである。また、これら送信ログファイル1及び受信ログファイル2は、社内メールサーバ102のメールの送受信によって更新されるログファイルであり、社内メールサーバ102上に構成されている。
条件入力部3は、影響度の判定対象となる対象ユーザや、その電子メールの検索期間、また、どのような影響度のデータを検索するかといった条件を入力するための機能部である。尚、この条件入力部3は、具体的には社内ユーザ端末101上のブラウザと、社内メールサーバ102に設けられた社内ユーザ端末101との通信機能(図示せず)によって構成されているものである。コミュニケータ検索部4は、条件入力部3から入力された条件に基づいて送信ログファイル1及び受信ログファイル2を検索し、対象ユーザとその通信相手であるコミュニケータを抽出する機能部である。
【0016】
コミュニケーションパターン判定部5は、コミュニケータ検索部4で抽出されたコミュニケータと対象ユーザとの電子メールの受信数と送信数に基づき、コミュニケータの対象ユーザへの影響度を判定する機能部である。即ち、対象ユーザからコミュニケータへの送信数の方が、コミュニケータから対象ユーザへの送信数より多いほど、対象ユーザに対するコミュニケータの影響度が高いと判定する機能を有している。また、コミュニケーションパターン判定部5は、判定した影響度に基づいて、対象ユーザとコミュニケータとの影響度を表す画面を作成し、この画面表示データを表示部8に出力する機能を有している。
【0017】
コミュニケーションデータベース6は、コミュニケータ検索部4が検索したコミュニケータの情報を1レコードとして格納するデータベースであり、そのフィールドとして、「当方アドレス」「先方アドレス」「メール本文フッタ」「送信回数」「受信回数」「コミュニケーションパターン」といった情報が格納される。尚、これらフィールドの情報については動作の項で後述する。
従業員データベース7は、社内ユーザ端末101を操作する社内ユーザのメールアドレスと氏名と所属する組織名の情報を格納するデータベースである。
表示部8は、例えば社内ユーザ端末101のディスプレイであり、コミュニケーションパターン判定部5から出力されたコミュニケーションマップを表示する機能を有している。
【0018】
尚、上記送信ログファイル1、受信ログファイル2、コミュニケータ検索部4〜コミュニケーションデータベース6は、社内メールサーバ102上に実装される機能部である。また、従業員データベース7は、社内ネットワーク103に接続された従業員の情報を管理するためのサーバに実装されるものである。そして、コミュニケータ検索部4、コミュニケーションパターン判定部5は、それぞれの機能に対応したソフトウェアと、これらソフトウェアを実行するためのプロセッサやメモリ等のハードウェアから構成されている。
【0019】
また、本システムの各構成は、社内メールサーバ102上に実装される構成に限定されるものではなく、社内ネットワーク103上に接続され、相互に通信が可能であれば、例えば独立した複数のコンピュータで構成される等、どのような実装状態であってもよい。
【0020】
〈動作〉
図3は、具体例の全体の動作を示すフローチャートである。
先ず、コミュニケーションパターン判定システムは、条件入力部3により、社内ユーザ端末101から入力された検索条件を取得する(ステップS1)。ここで、検索条件としては、「対象ユーザ」「検索期間」「コミュニケーションパターン」の3通りである。
【0021】
図4は、検索条件エントリー画面の説明図である。
このエントリー画面は、社内ユーザ端末101のブラウザによって表示されるWebページであり、本システムを利用する場合に最初の画面である。ここで、「検索する条件を指定してください」のテキストボックスは、検索対象となる対象ユーザを指定する部分である。また、ここでの対象ユーザは、例えば、個人のメールアドレスであるが、これ以外にも、氏名、会社名、ドメイン等も対象ユーザとして扱うものとする。また、図中の、「検索期間を指定して下さい」は、影響度の判定するための検索期間を入力するテキストボックスである。更に、「コミュニケーションパターンを指定してください」は、影響度の指定であり、該当する影響度のチェックボックスをオンにすることによって指定が行われる。尚、受信報告、送信報告とは、対象ユーザとコミュニケータとの間で電子メールがほとんど一方向(受信のみ、送信のみ)といったパターンを指している。そして、Webページ上の「送信」ボタンを押下することにより、以上の検索条件が社内ユーザ端末101から社内メールサーバ102に対して送信される。
【0022】
以下、対象ユーザとして、社外ユーザであるabcd社の鈴木○○さん(メールアドレス:suzuki@abcd.co.jp)が指定されたとして説明を行う。
【0023】
条件入力部3で検索条件が取得されると、コミュニケータ検索部4は、送信ログファイル1及び受信ログファイル2から、対象ユーザが含まれる送信ログ及び受信ログを抽出する(ステップS2、3)。尚、この送信ログ/受信ログ抽出処理の説明に先立ち、送信ログ作成処理及び受信ログ作成処理を説明する。
【0024】
図5は、送信ログ作成処理のフローチャートである。
例えば、この処理は、社内メールサーバ102において、社内ユーザからメール送信が発生する毎に行われるものである。先ず、対象となる送信メールのヘッダ情報中のFromフィールド(送信元アドレスを示すフィールド)と、Toフィールド(送信先アドレスを示すフィールド)の情報を読み込む(ステップS101、S102)。また、ここで、Toフィールドに複数のメールアドレスが存在した場合は、一つ一つのメールアドレスに対して読み込みを行う。そして、このような電子メールの「Message−ID」「送信先アドレス」「送信元アドレス」「送信日時」の情報を一つの送信ログとして送信ログファイル1に出力する(ステップS103)。そして、Toフィールドに複数のメールアドレスが存在し、読み込まれていないメールアドレスが存在するかを判定し(ステップS104)、存在した場合は、ステップS102に戻って他のメールアドレスの読み込みを実行する。また、ステップS104において、Toフィールドの全てのメールアドレスを送信ログとして出力した場合は、その電子メールにおける送信ログ作成処理を終了する。
【0025】
図6は、受信ログ作成処理のフローチャートである。
この場合も、上述した送信ログ作成処理と同様に、社内ユーザ宛のメールが受信される毎に行われる。先ず、対象となる受信メールのメッセージID(Message−ID)、Fromフィールド(送信元アドレスを示すフィールド)、Toフィールド(送信先アドレスを示すフィールド)、受信日時の各フィールドの情報を読み込む(ステップS201)。尚、ここで、Toフィールドに、社内ユーザ以外のメールアドレスが存在した場合は無視する。
次に、メール本文中のフッタ情報を抽出する(ステップS202)。即ち、ビジネスメールでは、一般に、メール本文のフッタ(最後の部分)に署名として発信人の所属や氏名を記載することが慣習化している。従って、このような署名情報を抽出することで発信人の情報を抽出することができる。また、このフッタ情報は、例えば、メール本文の最後の行から空白行までの部分を抽出し、これを署名情報とする、といったようにメール本文のレイアウト情報に基づいて抽出する。また、この場合、返信メールで元のメッセージを示す部分(例えば行頭に“>”といった記号が付与されている)は除外する、といった処理を行う。
【0026】
ステップS202において、メール本文のフッタを抽出すると、この受信メールの受信ログとして、「Message−ID」「送信元アドレス」「送信先アドレス」「受信日時」「メール本文ヘッダ」の情報を一つのレコードとして受信ログファイル2に保存する(ステップS203)。
【0027】
尚、このような送信ログ、受信ログ作成処理において、ヘッダ情報中のCCフィールドやBCCフィールド中のアドレスは処理対象から除外する。これは、これらのフィールドに指定されたアドレスに対しては、このメールは参考程度であると送信者が判断したと慣習上みなすことができるからである。
【0028】
次に、このような送信ログ、受信ログ作成処理によって、逐次送信ログファイル1及び受信ログファイル2が更新されている状態での送信ログ及び受信ログ抽出処理(図3のステップS2、S3)を説明する。
【0029】
図7は、送信ログ抽出処理を示すフローチャートである。
先ず、コミュニケータ検索部4は、検索条件として指定された検索期間の情報(検索期間開始日と検索期間終了日の情報)を取得する(ステップS301)。次に、この検索期間に一致する送信ログを送信ログファイル1から1レコードずつ取り出す(ステップS302)。次に、その電子メールの「送信先アドレス」「送信元アドレス」の組み合わせレコードがコミュニケーションデータベース6中に「先方アドレス」「当方アドレス」の組み合わせとして既に存在するかを判定する(ステップS303)。ステップS303において、その組み合わせがコミュニケーションデータベース6中に存在しない場合は、新規レコードを作成する(ステップS304)。ここで、コミュニケーションデータベース6において、1レコードを形成する情報としては、「当方アドレス(送信ログの場合は送信元アドレス)」「先方アドレス(送信ログの場合は送信先アドレス)」「メール本文フッタ」「送信回数」「受信回数」「コミュニケーションパターン」である。従って、新規の送信ログ抽出の場合、送信回数は1、受信回数は0となる。尚、送信ログ抽出の場合、メール本文フッタは特に抽出せず、また、コミュニケーションパターンは判定しないため、これらフィールドは空となる。
【0030】
一方、ステップS303において、「送信先アドレス」「送信元アドレス」の組み合わせレコードがコミュニケーションデータベース6中に「先方アドレス」「当方アドレス」の組み合わせとして既に存在した場合は、該当レコードの送信回数に“1”を加算し、コミュニケーションデータベース6を更新する(ステップS305)。
そして、このような処理を送信ログファイル1中の全てのメールに対して行う。即ち、ステップS306において、全てのメールを検索した場合は送信ログ抽出処理を終了し、そうでない場合はステップS302に戻って、上記の処理を繰り返す。
【0031】
図8は、受信ログ抽出処理を示すフローチャートである。
先ず、上述した送信ログ抽出処理と同様に、検索条件として指定された検索期間の情報(集計期間開始日と集計期間終了日の情報)を取得する(ステップS401)。次に、この集計期間に一致する受信ログを受信ログファイル2から1レコードずつ取り出す(ステップS402)。次に、その受信ログの「当方アドレス(受信ログの場合は送信先アドレス)」「先方アドレス(受信ログの場合は送信元アドレス)」の組み合わせレコードはコミュニケーションデータベース6中に既に存在するかを判定する(ステップS403)。ステップS403において、その組み合わせがコミュニケーションデータベース6中に存在しない場合は、新規レコードを作成する(ステップS404)。従って、新規の受信ログ抽出の場合、送信回数は0、受信回数は1となる。尚、コミュニケーションパターンは受信ログ抽出処理では判定しないため、コミュニケーションパターンのフィールドは空である。
【0032】
一方、ステップS403において、「当方アドレス」「先方アドレス」の組み合わせレコードがコミュニケーションデータベース6中に既に存在した場合は、該当レコードの受信回数に“1”を加算し、また、メール本文フッタを最新の情報に更新する(ステップS405)。
そして、このような処理を送信ログファイル1中の全てのメールに対して行う。即ち、ステップS406において、全てのメールを検索した場合は受信ログ抽出処理を終了し、そうでない場合はステップS402に戻って、上記の処理を繰り返す。
【0033】
次に、コミュニケーションパターン判定部5は、コミュニケーションデータベース6中に格納された送信ログ、受信ログの情報に基づいて、コミュニケーションパターンの判定を行う(ステップS4)。
図9は、コミュニケーションパターン判定処理を示すフローチャートである。
先ず、コミュニケーションパターン判定部5は、コミュニケーションデータベース6から、データを1レコードずつ抽出する(ステップS501)。このデータには、上述したように、「当方アドレス」「先方アドレス」「メール本文フッタ」「送信回数」「受信回数」「コミュニケーションパターン」が一つのレコードとなっているため、そのうち、「送信回数」と「受信回数」のフィールドのデータを取り出す(ステップS502)。
【0034】
次に、そのデータが「送信回数」<「受信回数」であるかを判定する(ステップS503)。そうであった場合は、送信回数が0でないかを判定する(ステップS504)。このステップS504において「送信回数」≠0であった場合は、「受信回数」≦「送信回数」×1.05かを判定する(ステップS505)。尚、ここで「送信回数」に1.05を乗じているのは、判定の誤差を吸収するためである。ここでは、そのための値として5%としているが、これは条件に応じて適宜選択することが可能である。
【0035】
ステップS505において、その条件を満たしていた場合、即ち、送信回数≒受信回数であった場合は、そのコミュニケーションパターンは「対等」であると判断する(ステップS506)。また、ステップS505において条件を満たしていない場合、即ち、「受信回数」>「送信回数」×1.05であった場合は、送信回数<受信回数で「影響力大」と判定する(ステップS507)。また、ステップS504において、送信回数=0であった場合は、「報告受信」即ち、受信のみを行っているコミュニケーションパターンであると判定する(ステップS508)。尚、このステップS504においても、「送信回数」が全くないか否かを判定するのではなく、例えば、送信回数が受信回数の5%以下といったように、特定の範囲内である場合に「報告受信」であると判定するようにしてもよい。
【0036】
更に、上記のステップS503において、「送信回数」<「受信回数」ではなかった場合、即ち、「送信回数」が「受信回数」以上の値であった場合は、「送信回数」=「受信回数」であるかを判定する(ステップS509)。このステップS509において、そうであった場合、そのコミュニケーションパターンは「対等」と判定する(ステップS510)。一方、ステップS509において、「送信回数」=「受信回数」ではなかった場合は、先ず、「受信回数」≠0であるかを判定する(ステップS511)。そうであった場合は、「送信回数」≦「受信回数」×1.05であるかを判定する(ステップS512)。尚、ここで「受信回数」に1.05を乗じているのは、ステップS505と同様の理由である。
【0037】
ステップS512において、その条件を満たしていた場合、即ち、送信回数≒受信回数であった場合は、そのコミュニケーションパターンは「対等」であると判断する(ステップS513)。また、ステップS512において条件を満たしていない場合、即ち、「送信回数」>「受信回数」×1.05であった場合は、受信回数<送信回数で「影響力小」と判定する(ステップS514)。また、ステップS511において、受信回数=0であった場合は、「報告送信」即ち、送信のみを行っているコミュニケーションパターンであると判定する(ステップS515)。尚、このステップS511においても、「受信回数」が全くないか否かを判定するのではなく、例えば、受信回数が送信回数の5%以下といったように、特定の範囲内である場合に「報告送信」であると判定するようにしてもよい。
【0038】
次に、コミュニケーションパターン判定部5は、このようにして判定したコミュニケーションパターンを、コミュニケーションデータベース6に格納する(ステップS516)。そして、このような処理をコミュニケーションデータベース6に格納されている全てのレコードに対して行う。即ち、ステップS517において、最後のレコードであるかを判定し、そうでなかった場合は、ステップS501に戻って、上記の処理を繰り返す。
このような処理により、全てのコミュニケーションのパターンが判定される。
【0039】
次に、コミュニケーションパターン判定部5は、判定したコミュニケーションパターンに基づいて、コミュニケータの順位付けを行い(図3のステップS5)、その順位付けした判定結果画面のデータを出力する(図3のステップS6)。
図10は、コミュニケータの判定結果画面データ出力処理を示すフローチャートである。
先ず、コミュニケーションパターン判定部5は、指定されたコミュニケーションパターンのコミュニケータとして、コミュニケーションパターンが「影響度大」と「対等」の当方アドレスのレコードを一つずつ取得する(ステップS601)。次に、取得した当方アドレスのコミュニケータの送信回数と受信回数を取得する(ステップS602)。そして、従業員データベース7の情報に従って、当方アドレスの氏名と組織名を抽出する(ステップS603)。次に、コミュニケーションデータベース6の全てのレコードを検索したかを判定し(ステップS604)、全てのレコードを検索していない場合はステップS601に戻って、上記の処理を繰り返す。
【0040】
ステップS604において、全レコードの検索が終了すると、コミュニケーションパターン判定部5は、指定されたコミュニケーションパターンによる順位付けを行う(ステップS605)。この場合は、影響度が大きいコミュニケータや対等な関係のコミュニケータであるほど上位となるよう順位付けを行う。ここでは、影響度の場合、コミュニケーションパターンが「影響度大」である度合いが最も多いコミュニケータが最も影響度が大きいとする。即ち、「受信数−送信数」の値が最も大きいコミュニケータが最も影響度が大であることになる。尚、このような判定方法以外にも、例えば「受信数/送信数」の値が最も大きいほど影響度大であると判定するようにしてもよい。
【0041】
次に、コミュニケーションパターン判定部5は、上記ステップS605で付与した順位付けに従ってコミュニケーションマップ画面の表示データを作成する。即ち、この場合は、影響度が大きいコミュニケータや対等な関係のコミュニケータであるほど上位となるよう画面表示データを出力する(ステップS606)。この画面表示データは表示部8によって表示される(図3のステップS7)。
【0042】
図11は、コミュニケーションマップ表示画面の一例を示す説明図である。
図示のWebページは、先方メールアドレス「suzuki@abcd.co.jp」の「鈴木○○」氏に対して影響度が大であるコミュニケータの情報と、先方メールアドレス「takagi@abcd.co.jp」の「高木○○」氏に対して対等の関係にあるコミュニケータの情報を示すものである。
ここで、コミュニケータは影響度の順番に表示されており、「鈴木○○」氏に対して最も影響度が大きいのは、「木村○○」氏(当方メールアドレス:kimura@xyz.co.jp)であることが分かる。
【0043】
このような表示画面において、更に、上記検索依頼ユーザから詳細表示が指示された場合は、詳細表示処理が起動される。尚、この詳細表示の指定手段として、図11に示すWebページにおいて、先方メールアドレスをクリックした場合に起動されるよう構成したり、あるいは、別途Webページ上に「詳細表示」ボタンを設け、このボタンが押下された場合に起動する、といった構成でもよい。この詳細表示処理では、受信数−送信数の値につき、対象ユーザとコミュニケータとを結ぶ線の太さを予め決めておき、受信数−送信数の値に応じた太さの線として表示を行う。先ず、コミュニケーションパターン判定部5は、コミュニケーションデータベース6よりコミュニケータの送信回数と受信回数を取得する。そして、受信数−送信数を計算し、この値に応じて線の太さを計算し、計算結果の描画出力を表示部8に出力する。
【0044】
図12は、詳細表示の説明図である。
図示のように、対象ユーザを中心として全てのコミュニケータが表示され、かつ、対象ユーザへの影響度の大きさが、対象ユーザとコミュニケータとを結ぶ線の太さで表されている。また、対象ユーザとコミュニケータとを結ぶ線上には影響度を示す値であるコミュニケータの受信数−送信数の値が表示されている。これにより、検索依頼ユーザは、その影響度を視覚的に判断することができる。尚、図示例では、コミュニケータが3人の場合であるが、更にコミュニケータが多い場合は、対象ユーザを中心とする放射線状にコミュニケータを配置する。あるいは、上位何人かのコミュニケータのみを表示するといった表示方法でもよい。
【0045】
尚、上記詳細表示において、更に検索期間におけるコミュニケーション傾向を示すようにしてもよい。この場合は、例えば、図11に示すWebページ上に「傾向詳細表示」ボタンといった指定手段を設け、このボタンが押下されることで、表示が行われるようにする。
図13は、傾向詳細表示の一例を示す説明図である。
この場合、上述した図7、図8の送信、受信ログ抽出処理において、コミュニケーションデータベース6のレコードに送信日時、受信日時のフィールドを加える。そして、コミュニケーションパターン判定部5は、傾向詳細表示が指定された場合は、コミュニケーションデータベース6中の送信日時、受信日時に基づいて、指定期間内の日付に対応した送信数及び受信数をグラフ表示するよう画面データを出力する。図中、実線が受信数の推移であり、点線が送信数の推移を表している。
【0046】
このような表示を行うことにより、例えば、小林○○氏は影響度が2番目に大きいが、最近では逆に影響度が小さくなっているということが分かる。逆に、田村○○氏は、最近、急に影響度が大きくなっているということが分かる。
また、傾向詳細表示として、図示のように受信数と送信数のグラフではなく、「受信数−送信数」あるいは「受信数/送信数」の値を示すようにしてもよい。
【0047】
更に、上記具体例において、図11に示すような検索結果画面の表示後においても、検索期間を変更できるような手段を設けてもよい。例えば、図11の検索結果画面において、Webページ上に「過去ログ全て」あるいは「過去半年」や「過去3ヶ月」といったように期間指定できるような手段を設ける。そして、ここで、期間が変更された場合は、コミュニケータ検索部4〜コミュニケーションデータベース6を用いて上述した処理が行われ、新たな表示が行われるよう構成してもよい。
【0048】
以上の具体例では、対象ユーザが社外(ユーザの組織外の人物)である場合を説明したが、対象ユーザを社内の人物として本システムを利用することも可能である。例えば、自分にとって苦手な上司といった人物に対して接触を図る場合等にその人物に対する影響度の大きい人物や影響度が対等な人物を調査する、といった使い方が考えられる。
このような場合においても、検索条件の入力方法は、上述した社外の人物と同様である。但し、対象ユーザは社内の人物であるため、メールアドレスではなく、氏名による指定であっても可能である。即ち、従業員データベース7を用いて氏名からメールアドレスを抽出することによって処理を行うことができる。また、コミュニケータの検索処理において、対象ユーザは同一組織内の人物であるため、特にメール本文フッタによりユーザの所属等を抽出する必要はなく、従業員データベース7により特定することができる。更に、検索結果の出力画面も図10の検索結果画面とほぼ同様であるが、先方メールアドレスのメールフッタではなく氏名と組織名が表示されることになる。そして、詳細画面の表示内容についても上述した例と同様である。
【0049】
更に、対象ユーザとして自分自身を指定し、自分にとってのコミュニケーション傾向を認識するためのツールとして用いることもできる。この場合の本システムの動作は、上記の対象ユーザが社内の人物である場合と同様である。また、この場合は、対象ユーザが自分自身である場合の認証処理を付加し、本人確認がなされた場合は、指定した日時のメールを表示するよう構成してもよい。この場合、社内メールサーバ102へのリンク手段を設け、ある日時の指定により、メール本文を取得し、これを表示するよう構成する。そして、図13に示すようなコミュニケーション傾向詳細表示画面において、グラフ表示されているある日付に相当するポイントを指定することにより、該当するメール本文を表示する、といった構成とする。このように、対象ユーザとして自分自身を指定することにより、あるコミュニケータに対しては影響力が弱いといった自分自身の弱点となる部分を認識するといったことも可能である。
【0050】
このように、本システムでは、対象ユーザとしてどのような人物であっても対象とすることができる。
尚、本システムにおいて、対象ユーザとして自分自身以外の同一組織内ユーザを指定する場合は、本システムの濫用を避けるため、システム管理者あるいは管理職等による承認を必要とする、といったように運用にある程度の制限を設けるようにしてもよい。
【0051】
【発明の効果】
以上のように、本発明のコミュニケーションパターン判定方法及びシステムによれば、対象ユーザと、この対象ユーザとの通信相手であるコミュニケータとの電子メールの送受信数に基づいて、対象ユーザからコミュニケータへの送信数の方が、コミュニケータから対象ユーザへの送信数より多いほど、対象ユーザに対するコミュニケータの影響度が大きいと判定するようにしたので、対象ユーザへの影響度が大きい人物や対等の関係の人物を容易かつ確実に知ることができる。その結果、例えば、影響度が大きい人物や対等の関係の人物を間に介して対象ユーザと接触することにより、対象ユーザとの交渉を円滑に進める、といったことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコミュニケーションパターン判定システムの具体例を示す構成図である。
【図2】メールシステムの概念を示す構成図である。
【図3】具体例の全体の動作を示すフローチャートである。
【図4】検索条件エントリー画面の説明図である。
【図5】送信ログ作成処理のフローチャートである。
【図6】受信ログ作成処理のフローチャートである。
【図7】送信ログ抽出処理を示すフローチャートである。
【図8】受信ログ抽出処理を示すフローチャートである。
【図9】コミュニケーションパターン判定処理を示すフローチャートである。
【図10】コミュニケータの判定結果画面データ出力処理を示すフローチャートである。
【図11】コミュニケーションマップ表示画面の一例を示す説明図である。
【図12】詳細表示の説明図である。
【図13】傾向詳細表示の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 送信ログファイル
2 受信ログファイル
3 条件入力部
4 コミュニケータ検索部
5 コミュニケーションパターン判定部
6 コミュニケーションデータベース
8 表示部
【発明の属する技術分野】
本発明は、対象ユーザへのコミュニケーション実績を参照して対象ユーザとコミュニケーション相手であるコミュニケータとの影響度を判定するコミュニケーションパターン判定システム及びコミュニケーションパターン判定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に企業での営業活動では、取引を行う際に相手会社の担当者との面識がない場合、何らかの手段を講じて接触を行う。例えば、A社の人物と交渉を行う際、その人物に人脈を持つ第三者に紹介してもらう、あるいは、その人物に関する情報を入手する、といった手段を用いることで交渉が円滑に進むことが多い。
また、同一企業内でも、あまり接触のない人物と接触を図る場合、例えば、その人物と親しい人物から事前に情報を入手する、といったことも日常的に行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような第三者として最適な人物を探し出すことができるとは必ずしも限らなかった。また、たとえ、このような第三者を探し出せたとしても、その第三者は対象となる人物に対してどの程度影響力があるのか、あるいはその人物とどの程度親しいかといったことは不確実である。従って、紹介してもらったりあるいは情報を入手しても、場合によっては期待したほどの効果が得られない場合もあった。
また、同一企業内においても、対象となる人物と親しい人物を探し出す場合、例えば、自分の同僚や上司に相談するといった方法をとっていた。しかしながら、このような方法であっても、探し出す人物を特定するためには得られる情報が確実ではない場合もあり、必ずしも最適な人物を探し出せるとは限らなかった。
【0004】
ところで、昨今、企業間あるいは企業内においても電子メールを用いてコミュニケーションを図ることが一般化している。例えば、企業間での取引を行う上で電子メールは重要なコミュニケーションツールとしての役割を持っている。また、企業内での連絡等でも電子メールがコミュニケーションツールとして広く用いられている。しかしながら、このような電子メールは、コミュニケーションツールとして活用は行われていても、そのコミュニケーションツールを用いて送受信者がどのような関係にあるかといったことは考慮されていなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前述の課題を解決するため、電子メールの送受信数に基づいて送受信者相互の影響度を検出できることに着目し、例えば、ある人物とコミュニケーションのある人物の影響度を出力するようにしたものである。即ち、本発明は次の構成を採用する。
【0006】
〈構成1〉
対象ユーザの送受信の相手となるコミュニケータの電子メールを管理するメールサーバにおいて、対象ユーザとコミュニケータ間の電子メール送受信数に基づいて、対象ユーザへの送受信の相手となるコミュニケータの対象ユーザへの影響度を判定するコミュニケーションパターン判定方法であって、対象ユーザとコミュニケータとの電子メールの送受信数を求め、対象ユーザからコミュニケータへの送信数の方が、コミュニケータから対象ユーザへの送信数より多いほど、対象ユーザに対するコミュニケータの影響度が大きいと判定することを特徴とするコミュニケーションパターン判定方法。
【0007】
〈構成2〉
対象ユーザへの電子メールが含まれる送信ログと対象ユーザからの電子メールが含まれる受信ログに基づいて、対象ユーザと電子メールにて送受信した相手であるコミュニケータを抽出するコミュニケータ検索部と、これらコミュニケータとの間の電子メール受信数と送信数に基づき対象ユーザの影響度を判定するコミュニケーションパターン判定部とを備えたことを特徴とするコミュニケーションパターン判定システム。
【0008】
〈構成3〉
構成2に記載のコミュニケーションパターン判定システムにおいて、対象ユーザからコミュニケータへの送信数の方が、コミュニケータから対象ユーザへの送信数より多いほど、対象ユーザに対するコミュニケータの影響度が高いと判定するコミュニケーションパターン判定部を備えたことを特徴とするコミュニケーションパターン判定システム。
【0009】
〈構成4〉
構成2または3に記載のコミュニケーションパターン判定システムにおいて、影響度を判定するための検索期間を入力する条件入力部と、条件入力部で入力された検索期間の電子メールからコミュニケータを検索するコミュニケータ検索部を備えたことを特徴とするコミュニケーションパターン判定システム。
【0010】
〈構成5〉
構成4に記載のコミュニケーションパターン判定システムにおいて、対象ユーザとコミュニケータとの影響度を画面表示出力するコミュニケーションパターン判定部を備えたことを特徴とするコミュニケーションパターン判定システム。
【0011】
〈構成6〉
構成5に記載のコミュニケーションパターン判定システムにおいて、コミュニケータを表示すると共に、検索期間における電子メールの送受信数の推移を表示するコミュニケーションパターン判定部を備えたことを特徴とするコミュニケーションパターン判定システム。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を具体例を用いて詳細に説明する。
《具体例》
〈構成〉
図1は、本発明のコミュニケーションパターン判定システムの具体例を示す構成図であるが、これに先立ち、本発明のコミュニケーションパターン判定システムを適用するメールシステムを説明する。
図2は、メールシステムの概念を示す構成図である。
図のシステムは、社内ユーザ端末101、社内メールサーバ102、社内ネットワーク103で構成された社内メールシステム100と、社外ユーザ端末201と、公衆ネットワーク202とからなる。社内ユーザ端末101は、社内ユーザがそれぞれ用いるメールの送受信可能な端末であり、例えば、通信機能を有するパーソナルコンピュータ等から構成され、複数設けられている。社内メールサーバ102は、社内ユーザ端末101間の電子メールの送受信や社内ユーザ端末101と社外ユーザ端末201間の電子メールの送受信を管理するサーバコンピュータであり、管理する全ての電子メールの情報を記録するサーバコンピュータである。社内ネットワーク103は、複数の社内ユーザ端末101と社内メールサーバ102とを接続するLAN(ローカル・エリア・ネットワーク)であり、その通信プロトコルとして、例えばインターネットと同様の通信プロトコルであるTCP/IPを用いた、いわゆるイントラネットが構成されている。
【0013】
社外ユーザ端末201は、社外ユーザが用いるメールの送受信が可能な端末であり、社内ユーザ端末101と同様に例えばパーソナルコンピュータから構成され、複数の社外ユーザ端末201が存在する。また、公衆ネットワーク202は、社外LANや公衆電話回線等の通信回線上に構成されるネットワークであり、例えば、インターネットといったネットワークである。
【0014】
次に、このようなメールシステムに適用される本発明のコミュニケーションパターン判定システムを図1を用いて説明する。
図1に示すコミュニケーションパターン判定システムは、受信ログファイル2、送信ログファイル1、条件入力部3、コミュニケータ検索部4、コミュニケーションパターン判定部5、コミュニケーションデータベース(コミュニケーションDB)6、従業員データベース(従業員DB)7、表示部8からなる。
【0015】
受信ログファイル2は、社内ユーザ端末101宛に送信された電子メールを全て履歴として格納するファイルである。送信ログファイル1は、社内ユーザ端末101から送信される全ての電子メールを履歴として格納するファイルである。また、これら送信ログファイル1及び受信ログファイル2は、社内メールサーバ102のメールの送受信によって更新されるログファイルであり、社内メールサーバ102上に構成されている。
条件入力部3は、影響度の判定対象となる対象ユーザや、その電子メールの検索期間、また、どのような影響度のデータを検索するかといった条件を入力するための機能部である。尚、この条件入力部3は、具体的には社内ユーザ端末101上のブラウザと、社内メールサーバ102に設けられた社内ユーザ端末101との通信機能(図示せず)によって構成されているものである。コミュニケータ検索部4は、条件入力部3から入力された条件に基づいて送信ログファイル1及び受信ログファイル2を検索し、対象ユーザとその通信相手であるコミュニケータを抽出する機能部である。
【0016】
コミュニケーションパターン判定部5は、コミュニケータ検索部4で抽出されたコミュニケータと対象ユーザとの電子メールの受信数と送信数に基づき、コミュニケータの対象ユーザへの影響度を判定する機能部である。即ち、対象ユーザからコミュニケータへの送信数の方が、コミュニケータから対象ユーザへの送信数より多いほど、対象ユーザに対するコミュニケータの影響度が高いと判定する機能を有している。また、コミュニケーションパターン判定部5は、判定した影響度に基づいて、対象ユーザとコミュニケータとの影響度を表す画面を作成し、この画面表示データを表示部8に出力する機能を有している。
【0017】
コミュニケーションデータベース6は、コミュニケータ検索部4が検索したコミュニケータの情報を1レコードとして格納するデータベースであり、そのフィールドとして、「当方アドレス」「先方アドレス」「メール本文フッタ」「送信回数」「受信回数」「コミュニケーションパターン」といった情報が格納される。尚、これらフィールドの情報については動作の項で後述する。
従業員データベース7は、社内ユーザ端末101を操作する社内ユーザのメールアドレスと氏名と所属する組織名の情報を格納するデータベースである。
表示部8は、例えば社内ユーザ端末101のディスプレイであり、コミュニケーションパターン判定部5から出力されたコミュニケーションマップを表示する機能を有している。
【0018】
尚、上記送信ログファイル1、受信ログファイル2、コミュニケータ検索部4〜コミュニケーションデータベース6は、社内メールサーバ102上に実装される機能部である。また、従業員データベース7は、社内ネットワーク103に接続された従業員の情報を管理するためのサーバに実装されるものである。そして、コミュニケータ検索部4、コミュニケーションパターン判定部5は、それぞれの機能に対応したソフトウェアと、これらソフトウェアを実行するためのプロセッサやメモリ等のハードウェアから構成されている。
【0019】
また、本システムの各構成は、社内メールサーバ102上に実装される構成に限定されるものではなく、社内ネットワーク103上に接続され、相互に通信が可能であれば、例えば独立した複数のコンピュータで構成される等、どのような実装状態であってもよい。
【0020】
〈動作〉
図3は、具体例の全体の動作を示すフローチャートである。
先ず、コミュニケーションパターン判定システムは、条件入力部3により、社内ユーザ端末101から入力された検索条件を取得する(ステップS1)。ここで、検索条件としては、「対象ユーザ」「検索期間」「コミュニケーションパターン」の3通りである。
【0021】
図4は、検索条件エントリー画面の説明図である。
このエントリー画面は、社内ユーザ端末101のブラウザによって表示されるWebページであり、本システムを利用する場合に最初の画面である。ここで、「検索する条件を指定してください」のテキストボックスは、検索対象となる対象ユーザを指定する部分である。また、ここでの対象ユーザは、例えば、個人のメールアドレスであるが、これ以外にも、氏名、会社名、ドメイン等も対象ユーザとして扱うものとする。また、図中の、「検索期間を指定して下さい」は、影響度の判定するための検索期間を入力するテキストボックスである。更に、「コミュニケーションパターンを指定してください」は、影響度の指定であり、該当する影響度のチェックボックスをオンにすることによって指定が行われる。尚、受信報告、送信報告とは、対象ユーザとコミュニケータとの間で電子メールがほとんど一方向(受信のみ、送信のみ)といったパターンを指している。そして、Webページ上の「送信」ボタンを押下することにより、以上の検索条件が社内ユーザ端末101から社内メールサーバ102に対して送信される。
【0022】
以下、対象ユーザとして、社外ユーザであるabcd社の鈴木○○さん(メールアドレス:suzuki@abcd.co.jp)が指定されたとして説明を行う。
【0023】
条件入力部3で検索条件が取得されると、コミュニケータ検索部4は、送信ログファイル1及び受信ログファイル2から、対象ユーザが含まれる送信ログ及び受信ログを抽出する(ステップS2、3)。尚、この送信ログ/受信ログ抽出処理の説明に先立ち、送信ログ作成処理及び受信ログ作成処理を説明する。
【0024】
図5は、送信ログ作成処理のフローチャートである。
例えば、この処理は、社内メールサーバ102において、社内ユーザからメール送信が発生する毎に行われるものである。先ず、対象となる送信メールのヘッダ情報中のFromフィールド(送信元アドレスを示すフィールド)と、Toフィールド(送信先アドレスを示すフィールド)の情報を読み込む(ステップS101、S102)。また、ここで、Toフィールドに複数のメールアドレスが存在した場合は、一つ一つのメールアドレスに対して読み込みを行う。そして、このような電子メールの「Message−ID」「送信先アドレス」「送信元アドレス」「送信日時」の情報を一つの送信ログとして送信ログファイル1に出力する(ステップS103)。そして、Toフィールドに複数のメールアドレスが存在し、読み込まれていないメールアドレスが存在するかを判定し(ステップS104)、存在した場合は、ステップS102に戻って他のメールアドレスの読み込みを実行する。また、ステップS104において、Toフィールドの全てのメールアドレスを送信ログとして出力した場合は、その電子メールにおける送信ログ作成処理を終了する。
【0025】
図6は、受信ログ作成処理のフローチャートである。
この場合も、上述した送信ログ作成処理と同様に、社内ユーザ宛のメールが受信される毎に行われる。先ず、対象となる受信メールのメッセージID(Message−ID)、Fromフィールド(送信元アドレスを示すフィールド)、Toフィールド(送信先アドレスを示すフィールド)、受信日時の各フィールドの情報を読み込む(ステップS201)。尚、ここで、Toフィールドに、社内ユーザ以外のメールアドレスが存在した場合は無視する。
次に、メール本文中のフッタ情報を抽出する(ステップS202)。即ち、ビジネスメールでは、一般に、メール本文のフッタ(最後の部分)に署名として発信人の所属や氏名を記載することが慣習化している。従って、このような署名情報を抽出することで発信人の情報を抽出することができる。また、このフッタ情報は、例えば、メール本文の最後の行から空白行までの部分を抽出し、これを署名情報とする、といったようにメール本文のレイアウト情報に基づいて抽出する。また、この場合、返信メールで元のメッセージを示す部分(例えば行頭に“>”といった記号が付与されている)は除外する、といった処理を行う。
【0026】
ステップS202において、メール本文のフッタを抽出すると、この受信メールの受信ログとして、「Message−ID」「送信元アドレス」「送信先アドレス」「受信日時」「メール本文ヘッダ」の情報を一つのレコードとして受信ログファイル2に保存する(ステップS203)。
【0027】
尚、このような送信ログ、受信ログ作成処理において、ヘッダ情報中のCCフィールドやBCCフィールド中のアドレスは処理対象から除外する。これは、これらのフィールドに指定されたアドレスに対しては、このメールは参考程度であると送信者が判断したと慣習上みなすことができるからである。
【0028】
次に、このような送信ログ、受信ログ作成処理によって、逐次送信ログファイル1及び受信ログファイル2が更新されている状態での送信ログ及び受信ログ抽出処理(図3のステップS2、S3)を説明する。
【0029】
図7は、送信ログ抽出処理を示すフローチャートである。
先ず、コミュニケータ検索部4は、検索条件として指定された検索期間の情報(検索期間開始日と検索期間終了日の情報)を取得する(ステップS301)。次に、この検索期間に一致する送信ログを送信ログファイル1から1レコードずつ取り出す(ステップS302)。次に、その電子メールの「送信先アドレス」「送信元アドレス」の組み合わせレコードがコミュニケーションデータベース6中に「先方アドレス」「当方アドレス」の組み合わせとして既に存在するかを判定する(ステップS303)。ステップS303において、その組み合わせがコミュニケーションデータベース6中に存在しない場合は、新規レコードを作成する(ステップS304)。ここで、コミュニケーションデータベース6において、1レコードを形成する情報としては、「当方アドレス(送信ログの場合は送信元アドレス)」「先方アドレス(送信ログの場合は送信先アドレス)」「メール本文フッタ」「送信回数」「受信回数」「コミュニケーションパターン」である。従って、新規の送信ログ抽出の場合、送信回数は1、受信回数は0となる。尚、送信ログ抽出の場合、メール本文フッタは特に抽出せず、また、コミュニケーションパターンは判定しないため、これらフィールドは空となる。
【0030】
一方、ステップS303において、「送信先アドレス」「送信元アドレス」の組み合わせレコードがコミュニケーションデータベース6中に「先方アドレス」「当方アドレス」の組み合わせとして既に存在した場合は、該当レコードの送信回数に“1”を加算し、コミュニケーションデータベース6を更新する(ステップS305)。
そして、このような処理を送信ログファイル1中の全てのメールに対して行う。即ち、ステップS306において、全てのメールを検索した場合は送信ログ抽出処理を終了し、そうでない場合はステップS302に戻って、上記の処理を繰り返す。
【0031】
図8は、受信ログ抽出処理を示すフローチャートである。
先ず、上述した送信ログ抽出処理と同様に、検索条件として指定された検索期間の情報(集計期間開始日と集計期間終了日の情報)を取得する(ステップS401)。次に、この集計期間に一致する受信ログを受信ログファイル2から1レコードずつ取り出す(ステップS402)。次に、その受信ログの「当方アドレス(受信ログの場合は送信先アドレス)」「先方アドレス(受信ログの場合は送信元アドレス)」の組み合わせレコードはコミュニケーションデータベース6中に既に存在するかを判定する(ステップS403)。ステップS403において、その組み合わせがコミュニケーションデータベース6中に存在しない場合は、新規レコードを作成する(ステップS404)。従って、新規の受信ログ抽出の場合、送信回数は0、受信回数は1となる。尚、コミュニケーションパターンは受信ログ抽出処理では判定しないため、コミュニケーションパターンのフィールドは空である。
【0032】
一方、ステップS403において、「当方アドレス」「先方アドレス」の組み合わせレコードがコミュニケーションデータベース6中に既に存在した場合は、該当レコードの受信回数に“1”を加算し、また、メール本文フッタを最新の情報に更新する(ステップS405)。
そして、このような処理を送信ログファイル1中の全てのメールに対して行う。即ち、ステップS406において、全てのメールを検索した場合は受信ログ抽出処理を終了し、そうでない場合はステップS402に戻って、上記の処理を繰り返す。
【0033】
次に、コミュニケーションパターン判定部5は、コミュニケーションデータベース6中に格納された送信ログ、受信ログの情報に基づいて、コミュニケーションパターンの判定を行う(ステップS4)。
図9は、コミュニケーションパターン判定処理を示すフローチャートである。
先ず、コミュニケーションパターン判定部5は、コミュニケーションデータベース6から、データを1レコードずつ抽出する(ステップS501)。このデータには、上述したように、「当方アドレス」「先方アドレス」「メール本文フッタ」「送信回数」「受信回数」「コミュニケーションパターン」が一つのレコードとなっているため、そのうち、「送信回数」と「受信回数」のフィールドのデータを取り出す(ステップS502)。
【0034】
次に、そのデータが「送信回数」<「受信回数」であるかを判定する(ステップS503)。そうであった場合は、送信回数が0でないかを判定する(ステップS504)。このステップS504において「送信回数」≠0であった場合は、「受信回数」≦「送信回数」×1.05かを判定する(ステップS505)。尚、ここで「送信回数」に1.05を乗じているのは、判定の誤差を吸収するためである。ここでは、そのための値として5%としているが、これは条件に応じて適宜選択することが可能である。
【0035】
ステップS505において、その条件を満たしていた場合、即ち、送信回数≒受信回数であった場合は、そのコミュニケーションパターンは「対等」であると判断する(ステップS506)。また、ステップS505において条件を満たしていない場合、即ち、「受信回数」>「送信回数」×1.05であった場合は、送信回数<受信回数で「影響力大」と判定する(ステップS507)。また、ステップS504において、送信回数=0であった場合は、「報告受信」即ち、受信のみを行っているコミュニケーションパターンであると判定する(ステップS508)。尚、このステップS504においても、「送信回数」が全くないか否かを判定するのではなく、例えば、送信回数が受信回数の5%以下といったように、特定の範囲内である場合に「報告受信」であると判定するようにしてもよい。
【0036】
更に、上記のステップS503において、「送信回数」<「受信回数」ではなかった場合、即ち、「送信回数」が「受信回数」以上の値であった場合は、「送信回数」=「受信回数」であるかを判定する(ステップS509)。このステップS509において、そうであった場合、そのコミュニケーションパターンは「対等」と判定する(ステップS510)。一方、ステップS509において、「送信回数」=「受信回数」ではなかった場合は、先ず、「受信回数」≠0であるかを判定する(ステップS511)。そうであった場合は、「送信回数」≦「受信回数」×1.05であるかを判定する(ステップS512)。尚、ここで「受信回数」に1.05を乗じているのは、ステップS505と同様の理由である。
【0037】
ステップS512において、その条件を満たしていた場合、即ち、送信回数≒受信回数であった場合は、そのコミュニケーションパターンは「対等」であると判断する(ステップS513)。また、ステップS512において条件を満たしていない場合、即ち、「送信回数」>「受信回数」×1.05であった場合は、受信回数<送信回数で「影響力小」と判定する(ステップS514)。また、ステップS511において、受信回数=0であった場合は、「報告送信」即ち、送信のみを行っているコミュニケーションパターンであると判定する(ステップS515)。尚、このステップS511においても、「受信回数」が全くないか否かを判定するのではなく、例えば、受信回数が送信回数の5%以下といったように、特定の範囲内である場合に「報告送信」であると判定するようにしてもよい。
【0038】
次に、コミュニケーションパターン判定部5は、このようにして判定したコミュニケーションパターンを、コミュニケーションデータベース6に格納する(ステップS516)。そして、このような処理をコミュニケーションデータベース6に格納されている全てのレコードに対して行う。即ち、ステップS517において、最後のレコードであるかを判定し、そうでなかった場合は、ステップS501に戻って、上記の処理を繰り返す。
このような処理により、全てのコミュニケーションのパターンが判定される。
【0039】
次に、コミュニケーションパターン判定部5は、判定したコミュニケーションパターンに基づいて、コミュニケータの順位付けを行い(図3のステップS5)、その順位付けした判定結果画面のデータを出力する(図3のステップS6)。
図10は、コミュニケータの判定結果画面データ出力処理を示すフローチャートである。
先ず、コミュニケーションパターン判定部5は、指定されたコミュニケーションパターンのコミュニケータとして、コミュニケーションパターンが「影響度大」と「対等」の当方アドレスのレコードを一つずつ取得する(ステップS601)。次に、取得した当方アドレスのコミュニケータの送信回数と受信回数を取得する(ステップS602)。そして、従業員データベース7の情報に従って、当方アドレスの氏名と組織名を抽出する(ステップS603)。次に、コミュニケーションデータベース6の全てのレコードを検索したかを判定し(ステップS604)、全てのレコードを検索していない場合はステップS601に戻って、上記の処理を繰り返す。
【0040】
ステップS604において、全レコードの検索が終了すると、コミュニケーションパターン判定部5は、指定されたコミュニケーションパターンによる順位付けを行う(ステップS605)。この場合は、影響度が大きいコミュニケータや対等な関係のコミュニケータであるほど上位となるよう順位付けを行う。ここでは、影響度の場合、コミュニケーションパターンが「影響度大」である度合いが最も多いコミュニケータが最も影響度が大きいとする。即ち、「受信数−送信数」の値が最も大きいコミュニケータが最も影響度が大であることになる。尚、このような判定方法以外にも、例えば「受信数/送信数」の値が最も大きいほど影響度大であると判定するようにしてもよい。
【0041】
次に、コミュニケーションパターン判定部5は、上記ステップS605で付与した順位付けに従ってコミュニケーションマップ画面の表示データを作成する。即ち、この場合は、影響度が大きいコミュニケータや対等な関係のコミュニケータであるほど上位となるよう画面表示データを出力する(ステップS606)。この画面表示データは表示部8によって表示される(図3のステップS7)。
【0042】
図11は、コミュニケーションマップ表示画面の一例を示す説明図である。
図示のWebページは、先方メールアドレス「suzuki@abcd.co.jp」の「鈴木○○」氏に対して影響度が大であるコミュニケータの情報と、先方メールアドレス「takagi@abcd.co.jp」の「高木○○」氏に対して対等の関係にあるコミュニケータの情報を示すものである。
ここで、コミュニケータは影響度の順番に表示されており、「鈴木○○」氏に対して最も影響度が大きいのは、「木村○○」氏(当方メールアドレス:kimura@xyz.co.jp)であることが分かる。
【0043】
このような表示画面において、更に、上記検索依頼ユーザから詳細表示が指示された場合は、詳細表示処理が起動される。尚、この詳細表示の指定手段として、図11に示すWebページにおいて、先方メールアドレスをクリックした場合に起動されるよう構成したり、あるいは、別途Webページ上に「詳細表示」ボタンを設け、このボタンが押下された場合に起動する、といった構成でもよい。この詳細表示処理では、受信数−送信数の値につき、対象ユーザとコミュニケータとを結ぶ線の太さを予め決めておき、受信数−送信数の値に応じた太さの線として表示を行う。先ず、コミュニケーションパターン判定部5は、コミュニケーションデータベース6よりコミュニケータの送信回数と受信回数を取得する。そして、受信数−送信数を計算し、この値に応じて線の太さを計算し、計算結果の描画出力を表示部8に出力する。
【0044】
図12は、詳細表示の説明図である。
図示のように、対象ユーザを中心として全てのコミュニケータが表示され、かつ、対象ユーザへの影響度の大きさが、対象ユーザとコミュニケータとを結ぶ線の太さで表されている。また、対象ユーザとコミュニケータとを結ぶ線上には影響度を示す値であるコミュニケータの受信数−送信数の値が表示されている。これにより、検索依頼ユーザは、その影響度を視覚的に判断することができる。尚、図示例では、コミュニケータが3人の場合であるが、更にコミュニケータが多い場合は、対象ユーザを中心とする放射線状にコミュニケータを配置する。あるいは、上位何人かのコミュニケータのみを表示するといった表示方法でもよい。
【0045】
尚、上記詳細表示において、更に検索期間におけるコミュニケーション傾向を示すようにしてもよい。この場合は、例えば、図11に示すWebページ上に「傾向詳細表示」ボタンといった指定手段を設け、このボタンが押下されることで、表示が行われるようにする。
図13は、傾向詳細表示の一例を示す説明図である。
この場合、上述した図7、図8の送信、受信ログ抽出処理において、コミュニケーションデータベース6のレコードに送信日時、受信日時のフィールドを加える。そして、コミュニケーションパターン判定部5は、傾向詳細表示が指定された場合は、コミュニケーションデータベース6中の送信日時、受信日時に基づいて、指定期間内の日付に対応した送信数及び受信数をグラフ表示するよう画面データを出力する。図中、実線が受信数の推移であり、点線が送信数の推移を表している。
【0046】
このような表示を行うことにより、例えば、小林○○氏は影響度が2番目に大きいが、最近では逆に影響度が小さくなっているということが分かる。逆に、田村○○氏は、最近、急に影響度が大きくなっているということが分かる。
また、傾向詳細表示として、図示のように受信数と送信数のグラフではなく、「受信数−送信数」あるいは「受信数/送信数」の値を示すようにしてもよい。
【0047】
更に、上記具体例において、図11に示すような検索結果画面の表示後においても、検索期間を変更できるような手段を設けてもよい。例えば、図11の検索結果画面において、Webページ上に「過去ログ全て」あるいは「過去半年」や「過去3ヶ月」といったように期間指定できるような手段を設ける。そして、ここで、期間が変更された場合は、コミュニケータ検索部4〜コミュニケーションデータベース6を用いて上述した処理が行われ、新たな表示が行われるよう構成してもよい。
【0048】
以上の具体例では、対象ユーザが社外(ユーザの組織外の人物)である場合を説明したが、対象ユーザを社内の人物として本システムを利用することも可能である。例えば、自分にとって苦手な上司といった人物に対して接触を図る場合等にその人物に対する影響度の大きい人物や影響度が対等な人物を調査する、といった使い方が考えられる。
このような場合においても、検索条件の入力方法は、上述した社外の人物と同様である。但し、対象ユーザは社内の人物であるため、メールアドレスではなく、氏名による指定であっても可能である。即ち、従業員データベース7を用いて氏名からメールアドレスを抽出することによって処理を行うことができる。また、コミュニケータの検索処理において、対象ユーザは同一組織内の人物であるため、特にメール本文フッタによりユーザの所属等を抽出する必要はなく、従業員データベース7により特定することができる。更に、検索結果の出力画面も図10の検索結果画面とほぼ同様であるが、先方メールアドレスのメールフッタではなく氏名と組織名が表示されることになる。そして、詳細画面の表示内容についても上述した例と同様である。
【0049】
更に、対象ユーザとして自分自身を指定し、自分にとってのコミュニケーション傾向を認識するためのツールとして用いることもできる。この場合の本システムの動作は、上記の対象ユーザが社内の人物である場合と同様である。また、この場合は、対象ユーザが自分自身である場合の認証処理を付加し、本人確認がなされた場合は、指定した日時のメールを表示するよう構成してもよい。この場合、社内メールサーバ102へのリンク手段を設け、ある日時の指定により、メール本文を取得し、これを表示するよう構成する。そして、図13に示すようなコミュニケーション傾向詳細表示画面において、グラフ表示されているある日付に相当するポイントを指定することにより、該当するメール本文を表示する、といった構成とする。このように、対象ユーザとして自分自身を指定することにより、あるコミュニケータに対しては影響力が弱いといった自分自身の弱点となる部分を認識するといったことも可能である。
【0050】
このように、本システムでは、対象ユーザとしてどのような人物であっても対象とすることができる。
尚、本システムにおいて、対象ユーザとして自分自身以外の同一組織内ユーザを指定する場合は、本システムの濫用を避けるため、システム管理者あるいは管理職等による承認を必要とする、といったように運用にある程度の制限を設けるようにしてもよい。
【0051】
【発明の効果】
以上のように、本発明のコミュニケーションパターン判定方法及びシステムによれば、対象ユーザと、この対象ユーザとの通信相手であるコミュニケータとの電子メールの送受信数に基づいて、対象ユーザからコミュニケータへの送信数の方が、コミュニケータから対象ユーザへの送信数より多いほど、対象ユーザに対するコミュニケータの影響度が大きいと判定するようにしたので、対象ユーザへの影響度が大きい人物や対等の関係の人物を容易かつ確実に知ることができる。その結果、例えば、影響度が大きい人物や対等の関係の人物を間に介して対象ユーザと接触することにより、対象ユーザとの交渉を円滑に進める、といったことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコミュニケーションパターン判定システムの具体例を示す構成図である。
【図2】メールシステムの概念を示す構成図である。
【図3】具体例の全体の動作を示すフローチャートである。
【図4】検索条件エントリー画面の説明図である。
【図5】送信ログ作成処理のフローチャートである。
【図6】受信ログ作成処理のフローチャートである。
【図7】送信ログ抽出処理を示すフローチャートである。
【図8】受信ログ抽出処理を示すフローチャートである。
【図9】コミュニケーションパターン判定処理を示すフローチャートである。
【図10】コミュニケータの判定結果画面データ出力処理を示すフローチャートである。
【図11】コミュニケーションマップ表示画面の一例を示す説明図である。
【図12】詳細表示の説明図である。
【図13】傾向詳細表示の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 送信ログファイル
2 受信ログファイル
3 条件入力部
4 コミュニケータ検索部
5 コミュニケーションパターン判定部
6 コミュニケーションデータベース
8 表示部
Claims (6)
- 対象ユーザの送受信の相手となるコミュニケータの電子メールを管理するメールサーバにおいて、前記対象ユーザと前記コミュニケータ間の電子メール送受信数に基づいて、前記コミュニケータの前記対象ユーザへの影響度を判定するコミュニケーションパターン判定方法であって、
前記対象ユーザと前記コミュニケータとの電子メールの送受信数を求め、
前記対象ユーザから前記コミュニケータへの送信数の方が、当該コミュニケータから前記対象ユーザへの送信数より多いほど、前記対象ユーザに対する前記コミュニケータの影響度が大きいと判定することを特徴とするコミュニケーションパターン判定方法。 - 対象ユーザへの電子メールが含まれる送信ログと対象ユーザからの電子メールが含まれる受信ログに基づいて、前記対象ユーザが電子メールにて送受信した相手であるコミュニケータを抽出するコミュニケータ検索部と、
当該これらコミュニケータとの間の電子メール受信数と送信数に基づき当該対象ユーザの影響度を判定するコミュニケーションパターン判定部とを備えたことを特徴とするコミュニケーションパターン判定システム。 - 請求項2に記載のコミュニケーションパターン判定システムにおいて、
前記対象ユーザから前記コミュニケータへの送信数の方が、当該コミュニケータから前記対象ユーザへの送信数より多いほど、前記対象ユーザに対する前記コミュニケータの影響度が高いと判定するコミュニケーションパターン判定部を備えたことを特徴とするコミュニケーションパターン判定システム。 - 請求項2または3に記載のコミュニケーションパターン判定システムにおいて、
影響度を判定するための検索期間を入力する条件入力部と、
前記条件入力部で入力された検索期間の電子メールからコミュニケータを検索するコミュニケータ検索部を備えたことを特徴とするコミュニケーションパターン判定システム。 - 請求項4に記載のコミュニケーションパターン判定システムにおいて、
対象ユーザとコミュニケータとの影響度を画面表示出力するコミュニケーションパターン判定部を備えたことを特徴とするコミュニケーションパターン判定システム。 - 請求項5に記載のコミュニケーションパターン判定システムにおいて、
コミュニケータを表示すると共に、検索期間における電子メールの送受信数の推移を表示するコミュニケーションパターン判定部を備えたことを特徴とするコミュニケーションパターン判定システム。
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---|---|---|---|
JP2002205282A JP2004046680A (ja) | 2002-07-15 | 2002-07-15 | コミュニケーションパターン判定方法及びコミュニケーションパターン判定システム |
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Publications (1)
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