JP2004046573A - チルト角算出方法、円筒パノラマ画像合成方法、ならびに円筒パノラマ画像合成処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

チルト角算出方法、円筒パノラマ画像合成方法、ならびに円筒パノラマ画像合成処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 Download PDF

Info

Publication number
JP2004046573A
JP2004046573A JP2002203797A JP2002203797A JP2004046573A JP 2004046573 A JP2004046573 A JP 2004046573A JP 2002203797 A JP2002203797 A JP 2002203797A JP 2002203797 A JP2002203797 A JP 2002203797A JP 2004046573 A JP2004046573 A JP 2004046573A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
images
tilt angle
cylindrical
corresponding points
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002203797A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Iida
飯田 崇
Naoki Chiba
千葉 直樹
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Electric Co Ltd filed Critical Sanyo Electric Co Ltd
Priority to JP2002203797A priority Critical patent/JP2004046573A/ja
Publication of JP2004046573A publication Critical patent/JP2004046573A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】この発明は、カメラを一定角度でチルトした状態でカメラをパンさせて撮影した複数の画像に基づいて、チルト角を自動的に算出することができるチルト角算出方法を提供することを目的とする。
【解決手段】カメラを一定角度でチルトした状態でカメラをパンさせて撮影した複数の画像に基づいて、チルト角を算出する方法であって、撮影された重なり部を有する2つの画像間の2組以上の対応点の座標値を求める第1ステップ、および上記2つの画像間の対応点が射影的に等しいことから導出される、パン角度とチルト角との関係式と、上記2つの画像間の2組以上の対応点の座標値とに基づいて、チルト角を求める第2ステップを備えている。
【選択図】 図9

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、チルト角算出方法、円筒パノラマ画像合成方法、ならびに円筒パノラマ画像合成処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像間で重なりを持つ複数の画像を貼り合わせて、広視野かつ高解像度の画像を作成する技術が活発に研究されている。古典的な手法では、衛星写真や航空写真の貼り合わせに使用されているが、最近では、実シーンを撮像した複数の静止画像を円筒面に投影し、貼り合わせることで1枚のパノラマ画像を作成する手法が注目されている( 文献[1] 参照) 。
【0003】
文献[1] :S.E.Chen,”Quick Time VR − An Image−Based Approach to VirtualEnvironment Navigation,” SIGGRAPH’95, pp. 29−38, 1995.
【0004】
これにより、三脚等を用いてカメラ運動をパンのみに制限して撮影した画像から、水平方向360度のパノラマ画像を合成することができる。この画像を用いて、ユーザは希望する視線方向の画像を対話的に表示し、臨場感のある仮想環境を体験することができる。
【0005】
従来の全方位を撮像可能なパノラマ合成手法として、カメラを自由に回転させて撮影した画像を球面に投影して貼り付ける手法がある( 文献[2] 参照) 。しかし、幾何変換パラメータが8つあり、自由度が高いため、単一色の壁や空など濃淡の変化の少ない画像を精度よく合成できないという問題がある。
【0006】
文献[2] :R. Szeliski and H. Y. Shum, ”Creating Full View Panoramic Image Mosaics and Environment Maps,”SIGGRAPH’97, pp. 251−258, 1997.
【0007】
一方、円筒パノラマ合成は、カメラ運動をパンのみに制限するため自由度は1つと少ない。そのため、濃淡の変化の少ない画像でも合成精度は高い。しかし、垂直方向の撮影範囲が制限されるという問題がある。ただし、円筒パノラマ合成を一定のチルト角を含んだままパンする場合に拡張するのは容易である。この際には、チルト角を求める必要がある。
【0008】
なお、一定のチルト角を含む撮影条件は、高い対象物を近くから見上げて撮影する場合や、高い場所からパノラマ風景を見下ろしながら撮影する場合に発生する。
【0009】
ところで、チルト角を求める従来の方法には、手動で求める方法と、自動で求める方法とがある。
【0010】
手動でチルト角を求める場合には、特殊な治具を使用する必要があり、試行錯誤を繰り返す必要がある。そのため、手間がかかるという問題がある。
【0011】
Szeliski( 上記文献[2] 参照) やSeo(文献[3] 参照) は自動でチルト角を算出する手法を提案している。
【0012】
文献[3] :Y. Seo,”A Multiple View Approach for Auto−calibration of a Rotating and Zooming Camera,”IECIE Trans. Inf. & Syst., Vol. E83−D, No.7,pp.1375−1385,2000.
【0013】
これは、キャリブレーション問題と呼ばれ、チルト角だけでなく、カメラ間の相対的な3つの回転角や焦点距離などのカメラの内部パラメータを求める手法である。しかし、これらの手法はカメラ間の相対的なチルト角しか求めていない。
そのため、カメラをチルト角一定のままパンしたときのチルト角は求まらない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、カメラを一定角度でチルトした状態でカメラをパンさせて撮影した複数の画像に基づいて、チルト角を自動的に算出することができるチルト角算出方法を提供することを目的とする。
【0015】
また、この発明は、カメラを一定角度でチルトした状態でカメラをパンさせて撮影した複数の画像から円筒パノラマ画像を合成できる円筒パノラマ画像合成方法および円筒パノラマ画像合成処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この発明によるチルト角算出方法は、カメラを一定角度でチルトした状態でカメラをパンさせて撮影した複数の画像に基づいて、チルト角を算出する方法であって、撮影された重なり部を有する2つの画像間の2組以上の対応点の座標値を求める第1ステップ、および上記2つの画像間の対応点が射影的に等しいことから導出される、パン角度とチルト角との関係式と、上記2つの画像間の2組以上の対応点の座標値とに基づいて、チルト角を求める第2ステップを備えていることを特徴とする。
【0017】
第1ステップとしては、たとえば、撮影された重なり部を有する2つの画像間の重なり部を抽出するステップ、一方の画像における他方の画像との重なり部分から、両画像間のオプティカルフローによる追跡に有効な複数の部分画像を特徴点として抽出するステップ、および上記一方の画像上の各特徴点に対応する上記他方の画像上の点を、両画像間のオプティカルフローに基づいて追跡するステップを備えているものが用いられる。
【0018】
この発明による円筒パノラマ画像合成方法は、カメラを一定角度でチルトした状態でカメラをパンさせて撮影した複数の画像から円筒パノラマ画像を合成する円筒パノラマ画像合成方法であって、撮像された複数の画像からチルト角を算出する第1ステップ、得られたチルト角を考慮して各画像を円筒面投影画像に変換する第2ステップ、得られた各円筒面投影画像を接合する第3ステップを備えており、第1ステップは、撮影された重なり部を有する2つの画像間の2組以上の対応点の座標値を求めるステップ、および上記2つの画像間の対応点が射影的に等しいことから導出される、パン角度とチルト角との関係式と、上記2つの画像間の2組以上の対応点の座標値とに基づいて、チルト角を求めるステップを備えていることを特徴とする。
【0019】
撮影された重なり部を有する2つの画像間の2組以上の対応点の座標値を求めるステップとしては、たとえば、撮影された重なり部を有する2つの画像間の重なり部を抽出するステップ、一方の画像における他方の画像との重なり部分から、両画像間のオプティカルフローによる追跡に有効な複数の部分画像を特徴点として抽出するステップ、および上記一方の画像上の各特徴点に対応する上記他方の画像上の点を、両画像間のオプティカルフローに基づいて追跡するステップを備えていることを特徴とする。
【0020】
この発明による記録媒体は、カメラを一定角度でチルトした状態でカメラをパンさせて撮影した複数の画像から円筒パノラマ画像を合成するための円筒パノラマ画像合成処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、撮像された複数の画像からチルト角を算出する第1ステップ、得られたチルト角を考慮して各画像を円筒面投影画像に変換する第2ステップ、得られた各円筒面投影画像を接合する第3ステップをコンピュータに実行させるための円筒パノラマ画像合成処理プログラムを記録しており、第1ステップは、撮影された重なり部を有する2つの画像間の2組以上の対応点の座標値を求めるステップ、および上記2つの画像間の対応点が射影的に等しいことから導出される、パン角度とチルト角との関係式と、上記2つの画像間の2組以上の対応点の座標値とに基づいて、チルト角を求めるステップを備えていることを特徴とする。
【0021】
撮影された重なり部を有する2つの画像間の2組以上の対応点の座標値を求めるステップは、撮影された重なり部を有する2つの画像間の重なり部を抽出するステップ、一方の画像における他方の画像との重なり部分から、両画像間のオプティカルフローによる追跡に有効な複数の部分画像を特徴点として抽出するステップ、および上記一方の画像上の各特徴点に対応する上記他方の画像上の点を、両画像間のオプティカルフローに基づいて追跡するステップを備えている。
【0022】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態について説明する前に、この発明の実施の形態で用いられるオプティカルフローの算出方法について説明しておく。
【0023】
まず、従来のオプティカルフローの算出方法について説明する。
【0024】
〔1〕従来のオプティカルフローの算出方法の説明
2枚の画像からオプティカルフローを計算し、得られたオプティカルフローに基づいて、2枚の画像間での位置合わせを行う技術が知られている。従来のオプテカルフローの算出方法について説明する。
【0025】
(1)Lucas−Kanade法
従来から、動画像における運動物体の見かけの速度場(オプティカルフロー)を計算する手法が数多く提案されている。中でも局所勾配法であるLucas−Kanade法は、最も良い手法の一つである。その理由は、処理が高速、実装が容易、結果が信頼度を持つことである。
【0026】
Lucas−Kanade法の詳細については、文献[4] を参照のこと。
文献[4] : B.Lucas and T.Kanade,”An Iterative Image Registration Technique with an Application to Stereo Vision,”In Seventh International Joint Conference on Artificial Intelligence(IJCAI−81), pp. 674−979, 1981.
【0027】
以下に、Lucas−Kanade法の概要を述べる。ある時刻tの画像座標p=(x,y)の濃淡パターンI(x,y,t)が、ある微小時間後(δt)に座標(x+δx,y+δy)に、その濃淡分布を一定に保ったまま移動した時、次のオプティカルフロー拘束式(1)が成り立つ。
【0028】
【数1】
Figure 2004046573
【0029】
2次元画像でオプティカルフロー{v=(δx/δt,δy/δt)=(u,v)}を計算するには、未知パラメータ数が2個であるので、もう一個拘束式が必要である。Lucas とKanade( 金出) は、同一物体の局所領域では、同一のオプティカルフローを持つと仮定した。
【0030】
例えば、画像上の局所領域ω内で、オプティカルフローが一定であるとすると、最小化したい濃淡パターンの二乗誤差Eは、
0 (p)=I(x,y,t),
1 (p+v)=I(x+u,y+v,t+δt)
と書き改めると、次式(2)で定義できる。
【0031】
【数2】
Figure 2004046573
【0032】
ここで、vが微少な場合には、テーラー展開の2次以上の項を無視できるので、次式(3)の関係が成り立つ。
【0033】
【数3】
Figure 2004046573
【0034】
ここで、g(p)は、I1 (p)の一次微分である。
【0035】
誤差Eが最小になるのは、Eのvに対する微分値が0の時であるので、次式(4)の関係が成り立つ。
【0036】
【数4】
Figure 2004046573
【0037】
故にオプティカルフローvは次式(5)で求められる。
【0038】
【数5】
Figure 2004046573
【0039】
更に、次式(6)に示すように、ニュートン・ラフソン的な反復演算によって精度良く求めることができる。
【0040】
【数6】
Figure 2004046573
【0041】
(2)階層的推定法
Lucas−Kanade法を含む勾配法の最も大きな問題点は、良好な初期値が必要なために、大きな動きに対しては適用できないことである。そこで、従来からピラミッド階層構造型に数段回の解像度の異なる画像を作成して解決する方法が提案されている。
【0042】
これは、まず、2枚の連続した画像から、予めそれぞれの画像の数段階の解像度の異なる画像を作成する。次に、最も解像度の低い画像間において、おおまかなオプティカルフローを計算する。そして、この結果を参考にして、一段解像度の高い画像間においてより精密なオプティカルフローを計算する。この処理を最も解像度の高い画像間まで順次繰り返す。
【0043】
図4は原画像を、図3は図4の原画像より解像度の低い画像を、図2は図3の低解像度画像より解像度の低い画像を、図1は図2の低解像度画像より解像度の低い画像を、それぞれ示している。図1〜図4において、Sは、1つのパッチを示している。
【0044】
図1の画像(階層1の画像)、図2の画像(階層2の画像)、図3の画像(階層3の画像)および図4の画像(階層4の画像)の順番で段階的にオプティカルフローが求められる。図1〜図4において矢印は、パッチ毎に求められたオプティカルフローベクトルを示している。
【0045】
しかしながら、ここでの問題点は、実画像では、十分な模様(テクスチャ)を含む領域が少なく、信頼性のあるオプティカルフローが得られないことにある。
【0046】
次に、この実施の形態で採用されるオプティカルフロー推定方法について説明する。
【0047】
〔2〕この実施の形態で採用されるオプティカルフロー推定方法についての説明この実施の形態で採用されるオプティカルフロー推定方法は、ピラミッド階層型に数段回の解像度の異なる画像を作成して、オプティカルフローを段階的に計算する階層的推定を前提としている。オプティカルフローの計算方法は、Lucas−Kanade法等の勾配法に従う。つまり、階層構造化した勾配法によるオプティカルフロー推定法を前提としている。ここでは、勾配法としてLucas−Kanade法が用いられている。
【0048】
この実施例で採用されるオプティカルフロー推定方法の特徴は、階層構造化したLucas−Kanade法によるオプティカルフロー推定法の各段階において得られたオプティカルフローを、膨張処理によって補完することにある。以下、これについて詳しく説明する。
【0049】
Lucas−Kanade法の長所の一つは、追跡結果が信頼性を持つことである。Tomasiと Kanade とは、ある領域の追跡可能性が、以下のように微分画像から算出できることを示した(C.Tomasi and T.Kanade,”Shape and Motion from Image Streams: a Factorization method−Part 3 Detection and Tracking of Point Features ,”CMU−CS−91−132, Carnegie Mellon University, 1991.) 。
【0050】
ある領域画像ωの垂直・水平方向の微分の2乗を要素に持つ次式(7)の2×2の係数行列Gから、その固有値を計算することで、その領域の追跡可能性を決定することができる。
【0051】
【数7】
Figure 2004046573
【0052】
この行列Gの固有値が両方とも大きい場合には、その領域は直交方向に変化を持ち、一意の位置決めが可能である。従って、小さい方の固有値λmin と、追跡後の領域間の濃淡残差Eから、追跡結果の信頼度γを次式(8)によって得ることができる。
【0053】
【数8】
Figure 2004046573
【0054】
本発明者らは、オプティカルフローの同一階層内で信頼度の高い結果を用いて、信頼度の低い領域を補間する方法を開発した。これは、一段階粗い階層での結果を、追跡の初期値だけに用いて、着目している現段階の階層の結果には何も利用しない。代わりに、テクスチャの少ない領域のオプティカルフローはその周囲のオプティカルフローに近い値を持つと仮定し、モルフォロジー処理によりフロー場を補完するものである。
【0055】
図5にフローベクトルの膨張処理の様子を示す。
【0056】
左図は、フローベクトルの信頼度のマップを濃淡で表したものである。ここで、黒ければ黒い程信頼度が高いとする。
【0057】
まず、得られたフローをしきい値処理する。白い部分は、結果の信頼度が低いために、しきい値処理されたものである。
【0058】
次に、2値画像でのモルフォロジー演算による穴埋め処理を模して、フロー場において結果の膨張処理を次のように行う。ある領域i,jのフローベクトルu(i,j)は、その4近傍のフローベクトルから信頼度γに応じて重み付けを行って次式(9)のように計算できる。
【0059】
【数9】
Figure 2004046573
【0060】
この処理を、しきい値処理されたすべての信頼度の低い領域が埋まるまで、繰り返す。この補完処理を、各階層において行う。なお、ある領域i,jのフローベクトルu(i,j)を、その8近傍のフローベクトルから信頼度γに応じて重み付けを行って算出するようにしてもよい。
【0061】
図6(a)は、ある階層の画像に対してしきい値処理されたオプティカルフローを示し、図6(b)は補完後のオプティカルフローを示している。図6(a)において、矢印はしきい値処理によって信頼度が高いと判定されたオプティカルフローベクトルであり、×印は信頼度が低いとされた部分を示している。
【0062】
〔3〕円筒パノラマ画像合成装置についての説明
【0063】
この実施の形態では、図7に示すように、カメラ1を垂直方向に所定角度回転(チルト)させたまま水平回転(パン)させながら撮影された画像から円筒パノラマ画像を合成する円筒パノラマ画像合成装置について説明する。チルト角Ψは一定である。図7において、2は撮像対象物を示している。また、O−XYZは世界座標系を示している。ただし、Oは視点である。
【0064】
図8は、円筒パノラマ画像合成を実現するための装置を示している。
【0065】
円筒パノラマ画像合成は、パーソナルコンピュータ(以下PCという)によって実現される。
【0066】
PC10には、ディスプレイ21、マウス22およびキーボード23が接続されている。PC10は、CPU11、メモリ12、ハードディスク13、CD−ROMのようなリムーバブルディスクのドライブ(ディスクドライブ)14を備えている。
【0067】
ハードディスク13には、OS(オペレーティングシステム)等の他、円筒パノラマ画像合成を行なうための画像合成処理プログラムが格納されている。画像合成処理プログラムは、例えば、それが格納されたCD−ROM20を用いて、ハードディスク13にインストールされる。また、ハードディスク13には、図7に示すように、カメラ1を垂直方向に所定角度回転(チルト)させたまま水平回転(パン)させながら撮影された複数の画像が予め格納されているものとする。
【0068】
〔4〕CPU11によって行なわれる円筒パノラマ画像合成処理手順の説明
【0069】
図9は、CPU11によって行なわれる円筒パノラマ画像合成処理の全体的な処理手順を示している。
【0070】
円筒パノラマ画像合成処理では、画像読み込み処理(ステップ1)、重なり部の抽出処理(ステップ2)、特徴点抽出処理(ステップ3)、特徴点追跡処理(ステップ4)、チルト角の算出処理(ステップ5)、チルト角を考慮した円筒面投影変換処理(ステップ6)および画像接合処理(ステップ7)が行なわれる。
【0071】
以下、これらの各ステップについて説明する。
【0072】
〔4.1〕画像読み込み処理(ステップ1)の説明
ステップ1では、ユーザによって指定された接合されるべき複数の撮像画像がメモリに読み込まれる。
【0073】
〔4.2〕重なり部の抽出処理(ステップ2)の説明
ステップ2では、重なり部を有する2枚の撮像画像(第1画像A1及び第2画像A2)の重なり部が抽出される。この処理は、たとえば、SSD法(Sum of Squared Difference)、正規化相互相関法に基づいて行われる。
【0074】
(a)SSD法の説明
SSD法では、まず、重なり部を抽出すべき2枚の画像A1、A2それぞれについて、原画像より解像度の低い画像I1 ,I2 が生成される。2枚の低解像度画像I1 ,I2 の重なり部分ω(サイズ:M×N)が、次式(10)に示すように画素あたりの2乗誤差Eを用いて求められる。画像間の移動量(d)が可能な範囲で変化せしめられ、Eが最も小さい移動量(d)から、重なり部が抽出される。
【0075】
【数10】
Figure 2004046573
【0076】
(b)正規化相互相関法の説明
正規化相互相関法では、まず、重なり部を抽出すべき2枚の画像A1、A2それぞれについて、原画像より解像度の低い画像I1 ,I2 が生成される。2枚の低解像度画像I1 ,I2 の重なり部分ω(サイズ:M×N)が、次式(11)に示すように正規化相互相関係数Cを用いて求められる。画像間の移動量(d)が可能な範囲で変化せしめられ、Cが最も大きな移動量(d)から、重なり部が抽出される。
【0077】
【数11】
Figure 2004046573
【0078】
式(11)において、I1  ̄、I2  ̄は、第1画像を固定させ、第2画像をdだけ移動させたときの、両画像の重なり部における各画像それぞれの濃淡値の平均である。また、σ1 、σ2 は、第1画像I1 を固定させ、第2画像I2 をdだけ移動させたときの、両画像の重なり部における各画像それぞれの濃淡値の分散である。
【0079】
〔4.3〕特徴点抽出処理(ステップ3)の説明
ステップ3では、まず、第1画像A1における第2画像A2との重なり部分から、追跡に有効な複数の部分画像(矩形領域)が特徴点として抽出される。ただし、各特徴点は互いに重ならないように抽出される。具体的には、上述した固有値λmin (式(8)参照)の高い部分が特徴点として抽出される。
【0080】
〔4.4〕特徴点追跡処理(ステップ4)の説明
ステップ4では、抽出された第1画像A1上の特徴点に対応する第2画像A2上の位置が追跡される。
【0081】
具体的には、まず、本出願人が開発したオプティカルフロー推定方法(上記〔2〕のこの実施の形態で採用されるオプティカルフロー推定方法)によって、適当なサイズ(例えば、13×13)のパッチ毎のオプティカルフローベクトルが求められる。第1画像A1上の特徴点に対応する第2画像A2上の位置は、第1画像A1上の特徴点の4近傍のパッチのフローベクトルから線形補間により画素単位以下で求められる。これにより、第1画像A1と第2画像A2との重なり部において、両画像の対応点の座標が得られる。
【0082】
ここでは、重なり部を有する各組の画像毎に両画像の対応点(特徴点)の座標が得られたものとする。
【0083】
〔4.5〕チルト角の算出処理(ステップ5)の説明
ステップ5では、ステップ4で得られた対応点(特徴点)の座標に基づいて、チルト角が算出される。
【0084】
まず、2つの画像間の2以上の対応点(特徴点)に基づいて、チルト角を算出する方法について説明する。
【0085】
図10に示すように、3次元空間上の点Pを、1台のカメラでチルト角Ψを一定としてかつパン角度φだけ離れた2つの位置において撮像したとき、チルト角Ψはそれらのカメラ位置の関係から求まる。
【0086】
点Pを各撮像画像I1 、I2 に投影し、世界座標系O−XYZで表した点    P1 =(X1,1,1 T およびP2 =(X2,2,2 T は次のように表記できる。
【0087】
まず、点P1 は、次のように表せる。図11に示すように、世界座標系O−XYZをΨ度チルトした座標系を第1のカメラ座標系O−U1 1 1 とする。このとき、世界座標系の点P1 は、この点を第1のカメラ座標系で表した点p1 =(u1,1,−f)T およびX軸周りの回転行列RX を用いて次式(12)のように表記できる。
【0088】
【数12】
Figure 2004046573
【0089】
ただし、(u1,1 )は点p1 を画像座標で表した点の座標であり、fは焦点距離を表している。
【0090】
この式(12)は、各要素を表示すると、次式(13)のように表記できる。
【0091】
【数13】
Figure 2004046573
【0092】
一方、点P2 は、次のように表せる。図12に示すように、世界座標系O−XYZをΨ度チルトしたまま、さらにφ度パンした座標系を第2のカメラ座標系O−U2 2 2 とする。このとき、世界座標系の点P2 は、この点を第2のカメラ座標系で表した点p2 =(u2,2,−f)T 、X軸周りの回転行列RX およびY軸周りの回転行列RY を用いて次式(14)のように表記できる。
【0093】
【数14】
Figure 2004046573
【0094】
ただし、(u2,2 )は画像座標(u1,1 )に対応する画像I2 上の画像座標である。なお、対応する画像座標(u1,1 )と(u2,2 )としては、図9のステップ2、3、4によって得られた対応点(特徴点)が用いられる。また、焦点距離fはユーザによって与えられる既知の定数である。
【0095】
この式(14)は、各要素を表示すると、次式(15)のように表記できる。
【0096】
【数15】
Figure 2004046573
【0097】
点P1 と点P2 とは、射影的に等しいので、次式(16)が成り立つ。
【0098】
【数16】
Figure 2004046573
【0099】
ただし、kは0でない定数である。式(16)は、P1 とP2 の各要素間の比が等しいことを表しているので、係数kを削除して次式(17)のように整理できる。
【0100】
【数17】
Figure 2004046573
【0101】
上記式(13)および(15)を、上記式(17)に代入すると、次式(18)が得られる。
【0102】
【数18】
Figure 2004046573
【0103】
上記式(18)は、チルト角Ψに関して、次式(19)および(20)のように整理できる。
【0104】
【数19】
Figure 2004046573
【0105】
【数20】
Figure 2004046573
【0106】
ここで、
11=(f2 −v1 2 ) sinφ
12=f(v1 +v2 ) sinφ
13=(u1 2 −u2 1 ) cosφ
14=f(u2 −u1 ) cosφ
21=f(v1 +v2 )( cosφ−1)
22=(v1 2 −f2 )( cosφ−1)
23=−fusinφ
24=−u vsinφ
1 =(f2 +u1 2 ) sinφ
2 =f(vcosφ−v2 
とすると、上記式(19)および(20)は、次式(21)のように書き換えることができる。
【0107】
【数21】
Figure 2004046573
【0108】
ただし、係数a11,a12…,a24およびb1 ,b2 は定数であり、上記のように、パン角φ、焦点距離f、対応する画像座標(u1,1 ),(u2,2 )から求まる。上記式(21)からわかるように、パン角φはチルト角Ψに依存する変数であるが、チルト角の初期値をΨ=0として反復的に求めることができる。
【0109】
つまり、上記式(19)からパン角φを反復的に求めることができる。上記式(19)をパン角φに関して整理すると、次式(22)が求まる。
【0110】
【数22】
Figure 2004046573
【0111】
対応する特徴点座標(u1,1 ),(u2,2 )および焦点距離fは既知であり、未知数はチルト角Ψおよびパン角φである。このため、上記式(22)はチルト角Ψが求まれば、パン角φが求まることを意味している。そこで、次式(23)を用いて、チルト角の初期値をΨ0 =0としてパン角φi (i=0,1,2,…)を計算する。
【0112】
【数23】
Figure 2004046573
【0113】
そして、パン角とチルト角の一方を固定して、他方を求めることを繰り返すことで、パン角を精度よく求めることができる。
【0114】
ところで、上記式(21)は2画像間のすべての対応する点に対して成り立つので、次式(24)のように表すことができる。
【0115】
【数24】
Figure 2004046573
【0116】
ただし、n≧2は点の対応の組数を表す。求めたいのは、チルト角Ψであり、上記式(24)の列ベクトルXから求まる。列ベクトルXは最小2乗法で求まる。
【0117】
最後に、列ベクトルXで求まった三角関数からチルト角Ψを計算する。ここで、チルト角Ψに関する三角関数は4つ(sinΨ、 sinΨ cosΨ、 sinΨおよび cosΨ)あるが、この実施の形態では sinΨからΨを求める。これは次の理由による。実際の撮影条件を考慮すると、チルト角はおよそ−45度から45度の間の値である。このような場合には、上記4つの三角関数の中で、 sinΨが最も線形に近いからである。
【0118】
図13は、チルト角の計算処理手順を示している。
【0119】
ここでは、チルト角およびパン角をΨi 、φi (i=0,1,2,…)で表すことにする。
【0120】
まず、i=0とするとともに、チルト角の初期値Ψ0 を0とする(ステップ11)。そして、Ψi を上記式(23)に代入して、パン角φi を求める(ステップ12)。次に、得られたパン角φi を上記式(24)に代入して、チルト角Ψi+1 を算出する(ステップ13)。
【0121】
そして、iが予め定められた所定値N(たとえば、20)に達しているか否かを判別する(ステップ14)。iがNに達していなければ、iを1だけインクリメント(i=i+1)した後(ステップ15)、ステップ12に戻る。
【0122】
このようにして、ステッブ12〜ステップ13の処理が所定回繰り返され、ステップ14において、iがNに達すると、処理を終了する。最後に求まったチルト角Ψが、2つの画像間の対応点から得られたチルト角とする。
【0123】
重なり部を有する画像が複数組存在する場合には、各組毎にそれらの対応点を用いてチルト角を算出し、各組毎に得られたチルト角の平均値をチルト角とする。
【0124】
なお、重なり部を有する1組の画像の対応点からのみチルト角を算出するようにしてもよい。この場合には、図9のステップ1〜4の処理では、重なり部を有する1組の画像の対応点のみを抽出すればよい。
【0125】
〔4.6〕チルト角を考慮した円筒面投影変換処理(ステップ6)の説明
ステップ6では、各撮影画像を円筒面に投影する。カメラの焦点距離をf画素とすると、図14に示すように、視点OからΨ度チルトして撮影した画像I上の点P(u,v)は、次式(25)を用いて、X−Z平面に垂直で半径fの円筒面上の点C=(x,y)に投影される。なお、円筒面上の座標系xyは、Z軸と円筒面との交点を原点とし、垂直方向にy座標を、円筒面の周方向にx軸を取った座標系である。また、x,yの各座標値の単位は画素単位である。
【0126】
【数25】
Figure 2004046573
【0127】
ステップ6では、上記式(25)を用いて、各撮影画像を円筒面画像に変換する。
【0128】
〔4.7〕画像接合処理(ステップ7)の説明
ステップ7では、円筒面投影変換された各画像が接合される。
【0129】
図15は、画像接合処理手順を示している。
説明の便宜上、ここでは、重なり部を有する2枚の円筒面投影変換画像(第1画像B1及び第2画像B2)を接合する場合について説明する。
【0130】
第1画像B1と第2画像B2との重なり部の抽出処理が行われる(ステップ21)。この重なり部の抽出処理は、図9のステップ2の処理と同様であるので、その説明を省略する。
【0131】
次に、特徴点抽出処理が行われる(ステップ22)。つまり、第1画像B1における第2画像B2との重なり部分から、追跡に有効な複数の部分画像(矩形領域)が特徴点として抽出される。この特徴点抽出処理は、図9のステップ3の処理と同様であるので、その説明を省略する。
【0132】
次に、特徴点追跡処理が行われる(ステップ23)。つまり、抽出された第1画像B1上の特徴点に対する第2画像B2上の位置が追跡される。この特徴点追跡処理は、図9のステップ4の処理と同様であるので、その説明を省略する。
【0133】
次に、幾何学変換行列の算出処理が行なわれる(ステップ24)。第1画像B1に第2画像B2を接合する場合には、上記ステップ23で求められた第1画像B1と第2画像B2との対応点の座標に基づいて、第2画像B2内の各画素の座標を第1画像B1上の座標に変換するための幾何変換行列(幾何変換係数)を算出する。
【0134】
なお、第2画像B2に第1画像B1を接合する場合には、第1画像B1内の各画素の座標を第2画像B2上の座標に変換するための幾何変換行列(幾何変換係数)を算出すればよい。
【0135】
幾何変換行列としては、2次元平行移動のための行列または2次元剛体変換行列が用いられる。
【0136】
この段階では、第2画像B2内の各画素の座標を第1画像B1上の座標に変換しないが、第2画像B2内の各画素の座標(x,y,1)を第1画像B1の座標(x’,y’,1)に変換する式は、次式(26)または次式(27)で表される。
【0137】
【数26】
Figure 2004046573
【0138】
【数27】
Figure 2004046573
【0139】
上記式(26)は、幾何変換行列として2次元平行移動のための行列を用いた場合の変換式を示し、上記式(27)は、幾何変換行列として2次元剛体変換行列を用いた場合の変換式を示している。
【0140】
上記式(26)において、(tx ,ty )は平行移動量を示し、kは零でない任意の定数を示している。また、上記式(27)において、(tx ,ty )は平行移動量を示し、θは回転角を示し、kは零でない任意の定数を示している。
【0141】
次に、画素値調合の重み(画素値調合係数)を算出する(ステップ25)。
【0142】
この実施の形態のように、1台のカメラをチルト角を一定してパンさせて複数の画像を撮像した場合には、自動露出調整機能が動作することにより、画像間の明るさが異なってしまう。
【0143】
そこで、接合されるべき第1画像B1と第2画像B2とが重なる領域では、各画像の画素値を調合する処理を後処理として行なう。画素値調合処理は、両画像の重なり領域の画素値を画像間で滑らかに変化させることにより、明るさの差異を目立たなくさせる処理である。また、この処理は、同時に、幾何変換による合成誤差も目立たなくさせることができる。
【0144】
この実施の形態では、各画像の重心からの距離に基づいて両画像の重なり領域の画素値を調合する。
【0145】
まず、第1画像の重心位置G1 を求める。また、第2画像を第1画像に接合した合成画像上で、第2画像の重心位置G2 を、接合のために使用される変換式(上記式(26)式または上記式(27)式)に基づいて求める。
【0146】
次に、第1画像の4頂点(4隅)の位置をそれぞれ求める。また、第2画像を第1画像に接合した合成画像上で、第2画像の4頂点の位置を、接合に使用される変換式(上記式(26)式または上記式(27)式)に基づいて求める。これにより、合成画像上における第1画像の4頂点の位置および第2画像の4頂点の位置が分かるので、合成画像上において第1画像と第2画像との重なり領域を抽出する。
【0147】
合成画像上での第1画像と第2画像との重なり領域内の各画素(画素値調合対象画素)から第1画像と第2画像のそれぞれの画像の重心位置G1 、G2 までの距離に応じて、当該画素値調合対象画素の画素値の重みを決定する。この重みは、画素値調合対象画素から重心までの距離が近い方の画像の画素値を大きくするように決定する。
【0148】
つまり、合成画像上での第1画像と第2画像との重なり領域内の画素値調合対象画素の座標から、合成画像上での第1画像の重心位置G1 までのユークリッド距離をd1 、合成画像上での第2画像の重心位置G2 までのユークリッド距離をd2 とすると、画素値調合対象画素における第1画像の画素値に対する重みw1 および第2画像の画素値に対する重みw2 は、次式(28)で表される。
【0149】
【数28】
Figure 2004046573
【0150】
各画素値調合対象画素に対して式(25)に基づいて重みw1 およびw2 を算出し、画素値調合対象画素に対する重みw1 およびw2 のテーブル(重みテーブル)を作成する。
【0151】
次に、画像を合成する(ステップ26)。
【0152】
つまり、上記式(26)または上記式(27)を用いて第2画像を第1画像の座標系に描画する。
【0153】
この際、ステップ25で得られた重みテーブルに基づいて、第1画像と第2画像の重なり領域の画素値P1 、P2 を画素調合する。すなわち、次式(29)により、各画素値調合対象画素の画素値Pi を算出する。
【0154】
【数29】
Figure 2004046573
【0155】
〔2〕画像接合処理の変形例の説明
【0156】
図9のステップ7の画像接合処理の変形例について説明する。
【0157】
ここでは、図9のステップ1〜4によって、重なり部を有する画像の各組み合わせ毎に、それらに対応する特徴点が抽出されているものとする。
【0158】
図16は、画像接合処理の変形例の処理手順を示している。
【0159】
上述したように、図15で示した画像接合処理では、第1の円筒投影変換画像B1と第2の円筒投影変換画像B2との対応点を、第1の円筒投影変換画像B1と第2の円筒投影変換画像B2に対して、ステップ21の重なり部抽出処理、ステップ22の特徴点抽出処理およびステップ23の特徴点追跡処理を行なうことによって求めている。そして、得られた第1の円筒投影変換画像B1と第2の円筒投影変換画像B2との対応点の座標に基づいて、幾何変換行列を算出している。
【0160】
これに対して、この変形例では、チルト角を算出するために図9のステップ 1〜4によって求められた対応点(特徴点)を利用して、第1の円筒投影変換画像B1と第2の円筒投影変換画像B2との対応点を求める。
【0161】
つまり、チルト角を算出するために求められた第1画像A1と第2画像A2との対応点(第1画像A1上の特徴点と第2画像上の特徴点)を、上記式(25)を用いて円筒面上の座標に変換する(ステップ31)。そして、得られた第1画像A1上の特徴点の円筒面上の座標と、それに対応する第2画像A2上の特徴点の円筒面上の座標とを、第1の円筒投影変換画像B1と第2の円筒投影変換画像B2との対応点として、幾何変換行列を求める(ステップ32)。
【0162】
この後、図9のステップ6で得られた円筒投影変換画像に対して、次のような処理が行なわれる。つまり、図15のステップ25と同様な方法により、画素値調合の重みを算出し(ステップ33)、最後に図15のステップ26と同様な方法により、画像を合成する(ステップ34)。
【0163】
【発明の効果】
この発明によれば、カメラを一定角度でチルトした状態でカメラをパンさせて撮影した複数の画像に基づいて、チルト角を自動的に算出できるようになる。
【0164】
また、この発明によれば、カメラを一定角度でチルトした状態でカメラをパンさせて撮影した複数の画像から円筒パノラマ画像を合成できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、階層的推定法を説明するための図であって、階層1の画像を示す模式図である。
【図2】図2は、階層的推定法を説明するための図であって、階層2の画像を示す模式図である。
【図3】図3は、階層的推定法を説明するための図であって、階層3の画像を示す模式図である。
【図4】図4は、階層的推定法を説明するための図であって、階層4の画像を示す模式図である。
【図5】図5は、実施の形態で採用されるオプティカルフロー推定方法において行われる膨張処理を説明するための模式図である。
【図6】図6(a)は、ある階層の画像に対してしきい値処理されたオプティカルフローの例を示す模式図であり、図6(b)は、補完後のオプティカルフローを示す模式図である。
【図7】カメラ1を垂直方向に回転(チルト)したまま水平回転(パン)して撮影対象物を撮影する様子を示す模式図である。
【図8】円筒パノラマ画像合成を実現するためのパーソナルコンピュータの構成を示すブロック図である。
【図9】CPU11によって行なわれる円筒パノラマ画像合成処理の全体的な処理手順を示すフローチャートである。
【図10】3次元空間上の点Pを、1台のカメラでチルト角Ψを一定としてかつパン角度φだけ離れた2つの位置において撮像したときの、画像の配置例を示す模式図である。
【図11】第1のカメラ座標系と世界座標系との関係を示す模式図である。
【図12】第2のカメラ座標系と世界座標系との関係を示す模式図である。
【図13】チルト角の計算処理手順を示すフローチャートである。
【図14】チルト角を考慮した円筒面投影変換処理を説明するための模式図である。
【図15】画像接合処理手順を示すフローチャートである。
【図16】画像接合処理の変形例の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
11 CPU
12 メモリ
13 ハードディスク

Claims (6)

  1. カメラを一定角度でチルトした状態でカメラをパンさせて撮影した複数の画像に基づいて、チルト角を算出する方法であって、
    撮影された重なり部を有する2つの画像間の2組以上の対応点の座標値を求める第1ステップ、および
    上記2つの画像間の対応点が射影的に等しいことから導出される、パン角度とチルト角との関係式と、上記2つの画像間の2組以上の対応点の座標値とに基づいて、チルト角を求める第2ステップ、
    を備えていることを特徴とするチルト角算出方法。
  2. 第1ステップは、
    撮影された重なり部を有する2つの画像間の重なり部を抽出するステップ、一方の画像における他方の画像との重なり部分から、両画像間のオプティカルフローによる追跡に有効な複数の部分画像を特徴点として抽出するステップ、および
    上記一方の画像上の各特徴点に対応する上記他方の画像上の点を、両画像間のオプティカルフローに基づいて追跡するステップ、
    を備えていることを特徴とする請求項1に記載のチルト角算出方法。
  3. カメラを一定角度でチルトした状態でカメラをパンさせて撮影した複数の画像から円筒パノラマ画像を合成する円筒パノラマ画像合成方法であって、
    撮像された複数の画像からチルト角を算出する第1ステップ、得られたチルト角を考慮して各画像を円筒面投影画像に変換する第2ステップ、得られた各円筒面投影画像を接合する第3ステップを備えており、
    第1ステップは、撮影された重なり部を有する2つの画像間の2組以上の対応点の座標値を求めるステップ、および上記2つの画像間の対応点が射影的に等しいことから導出される、パン角度とチルト角との関係式と、上記2つの画像間の2組以上の対応点の座標値とに基づいて、チルト角を求めるステップを備えていることを特徴とする円筒パノラマ画像合成方法。
  4. 撮影された重なり部を有する2つの画像間の2組以上の対応点の座標値を求めるステップは、
    撮影された重なり部を有する2つの画像間の重なり部を抽出するステップ、 一方の画像における他方の画像との重なり部分から、両画像間のオプティカルフローによる追跡に有効な複数の部分画像を特徴点として抽出するステップ、および
    上記一方の画像上の各特徴点に対応する上記他方の画像上の点を、両画像間のオプティカルフローに基づいて追跡するステップ、
    を備えていることを特徴とする請求項3に記載の円筒パノラマ画像合成方法。
  5. カメラを一定角度でチルトした状態でカメラをパンさせて撮影した複数の画像から円筒パノラマ画像を合成するための円筒パノラマ画像合成処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
    撮像された複数の画像からチルト角を算出する第1ステップ、得られたチルト角を考慮して各画像を円筒面投影画像に変換する第2ステップ、得られた各円筒面投影画像を接合する第3ステップをコンピュータに実行させるための円筒パノラマ画像合成処理プログラムを記録しており、
    第1ステップは、撮影された重なり部を有する2つの画像間の2組以上の対応点の座標値を求めるステップ、および上記2つの画像間の対応点が射影的に等しいことから導出される、パン角度とチルト角との関係式と、上記2つの画像間の2組以上の対応点の座標値とに基づいて、チルト角を求めるステップを備えていることを特徴とする、円筒パノラマ画像合成処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  6. 撮影された重なり部を有する2つの画像間の2組以上の対応点の座標値を求めるステップは、
    撮影された重なり部を有する2つの画像間の重なり部を抽出するステップ、 一方の画像における他方の画像との重なり部分から、両画像間のオプティカルフローによる追跡に有効な複数の部分画像を特徴点として抽出するステップ、および
    上記一方の画像上の各特徴点に対応する上記他方の画像上の点を、両画像間のオプティカルフローに基づいて追跡するステップ、
    を備えていることを特徴とする請求項5に記載の円筒パノラマ画像合成処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
JP2002203797A 2002-07-12 2002-07-12 チルト角算出方法、円筒パノラマ画像合成方法、ならびに円筒パノラマ画像合成処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 Pending JP2004046573A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002203797A JP2004046573A (ja) 2002-07-12 2002-07-12 チルト角算出方法、円筒パノラマ画像合成方法、ならびに円筒パノラマ画像合成処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002203797A JP2004046573A (ja) 2002-07-12 2002-07-12 チルト角算出方法、円筒パノラマ画像合成方法、ならびに円筒パノラマ画像合成処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004046573A true JP2004046573A (ja) 2004-02-12

Family

ID=31709570

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002203797A Pending JP2004046573A (ja) 2002-07-12 2002-07-12 チルト角算出方法、円筒パノラマ画像合成方法、ならびに円筒パノラマ画像合成処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004046573A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007183949A (ja) * 2006-01-09 2007-07-19 Samsung Electronics Co Ltd イメージマッチング速度とブレンディング方法を改善したパノラマ映像提供方法および装置
EP1892150A2 (en) 2006-08-21 2008-02-27 Sanyo Electric Co., Ltd. Image processor and vehicle surrounding visual field support device
JP2013186853A (ja) * 2012-03-12 2013-09-19 Casio Comput Co Ltd 画像処理装置、画像処理方法及びプログラム
US8768098B2 (en) 2006-09-27 2014-07-01 Samsung Electronics Co., Ltd. Apparatus, method, and medium for generating panoramic image using a series of images captured in various directions
JP2015201153A (ja) * 2014-03-31 2015-11-12 株式会社Jvcケンウッド 画像処理装置、画像処理方法、プログラム及びカメラ
CN105620365A (zh) * 2016-02-26 2016-06-01 东南(福建)汽车工业有限公司 一种倒驻车时的辅助全景影像显示方法
JP2017021430A (ja) * 2015-07-07 2017-01-26 Kddi株式会社 パノラマビデオデータの処理装置、処理方法及びプログラム
US9813620B2 (en) 2014-03-31 2017-11-07 JVC Kenwood Corporation Image processing apparatus, image processing method, program, and camera

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007183949A (ja) * 2006-01-09 2007-07-19 Samsung Electronics Co Ltd イメージマッチング速度とブレンディング方法を改善したパノラマ映像提供方法および装置
JP4512584B2 (ja) * 2006-01-09 2010-07-28 三星電子株式会社 イメージマッチング速度とブレンディング方法を改善したパノラマ映像提供方法および装置
US8189031B2 (en) 2006-01-09 2012-05-29 Samsung Electronics Co., Ltd. Method and apparatus for providing panoramic view with high speed image matching and mild mixed color blending
EP1892150A2 (en) 2006-08-21 2008-02-27 Sanyo Electric Co., Ltd. Image processor and vehicle surrounding visual field support device
US7974444B2 (en) 2006-08-21 2011-07-05 Sanyo Electric Co., Ltd. Image processor and vehicle surrounding visual field support device
US8768098B2 (en) 2006-09-27 2014-07-01 Samsung Electronics Co., Ltd. Apparatus, method, and medium for generating panoramic image using a series of images captured in various directions
JP2013186853A (ja) * 2012-03-12 2013-09-19 Casio Comput Co Ltd 画像処理装置、画像処理方法及びプログラム
US9380206B2 (en) 2012-03-12 2016-06-28 Casio Computer Co., Ltd. Image processing apparatus that combines images
JP2015201153A (ja) * 2014-03-31 2015-11-12 株式会社Jvcケンウッド 画像処理装置、画像処理方法、プログラム及びカメラ
US9813620B2 (en) 2014-03-31 2017-11-07 JVC Kenwood Corporation Image processing apparatus, image processing method, program, and camera
JP2017021430A (ja) * 2015-07-07 2017-01-26 Kddi株式会社 パノラマビデオデータの処理装置、処理方法及びプログラム
CN105620365A (zh) * 2016-02-26 2016-06-01 东南(福建)汽车工业有限公司 一种倒驻车时的辅助全景影像显示方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3435084B2 (ja) オプティカルフロー推定方法および画像合成方法
US6486908B1 (en) Image-based method and system for building spherical panoramas
Snavely et al. Finding paths through the world's photos
US6044181A (en) Focal length estimation method and apparatus for construction of panoramic mosaic images
US6097854A (en) Image mosaic construction system and apparatus with patch-based alignment, global block adjustment and pair-wise motion-based local warping
US6018349A (en) Patch-based alignment method and apparatus for construction of image mosaics
Shum et al. Panoramic image mosaics
US5987164A (en) Block adjustment method and apparatus for construction of image mosaics
Peleg et al. Mosaicing on adaptive manifolds
US6157747A (en) 3-dimensional image rotation method and apparatus for producing image mosaics
US5986668A (en) Deghosting method and apparatus for construction of image mosaics
KR101195942B1 (ko) 카메라 보정 방법 및 이를 이용한 3차원 물체 재구성 방법
US6009190A (en) Texture map construction method and apparatus for displaying panoramic image mosaics
Davis Mosaics of scenes with moving objects
US6473536B1 (en) Image synthesis method, image synthesizer, and recording medium on which image synthesis program is recorded
JPH11509946A (ja) 視差依存技法を用いた画像結合のための方法とシステム
JP2003178298A (ja) 画像処理装置及び画像処理方法、記憶媒体、並びにコンピュータ・プログラム
JP3557168B2 (ja) レンズ歪み係数算出装置および算出方法、レンズ歪み係数算出プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
JP2001274973A (ja) 顕微鏡画像合成装置、顕微鏡画像合成方法、顕微鏡画像合成処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
JP2000155831A (ja) 画像合成方法、画像合成装置、画像合成プログラムを記録した記録媒体
JP2004046573A (ja) チルト角算出方法、円筒パノラマ画像合成方法、ならびに円筒パノラマ画像合成処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
JP3540696B2 (ja) 画像合成方法、画像合成装置、画像合成プログラムを記録した記録媒体
JP3548071B2 (ja) 中間画像合成方法、中間画像合成装置、中間画像合成プログラムを記録した記録媒体
Kang et al. Tour into the video: image-based navigation scheme for video sequences of dynamic scenes
Kawai et al. Panorama image interpolation for real-time walkthrough