JP2004045962A - 中間転写体を用いる画像形成装置 - Google Patents

中間転写体を用いる画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】転写の際にトナー画像が、感光体と中間転写体に挟まれて受ける力に着目し、更にはこの時の感光体と中間転写体の位置関係に着目し、良好な転写性を得ることを目的とする。
【解決手段】転写材に転写する転写装置が、感光体から離れた位置にある基点と該感光体の中心軸とを結合する腕機構を移動させて、中間転写体に当接圧を加えるとき、該中間転写体と該感光体の中心軸を結ぶ線と、該腕機構に直交する抑圧力となる力の方向のなす角度が45度以下となる構成である。この時の、上記軸線方向に直交する分力F2と、中間転写体に生じる歪みの面積から概略算出した弾性率が、0.5〜50kgf/cmとなるような弾性層材料を中間転写体に使用する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真複写機やカラープリンターなどの機器に中間転写体を使用し、中間転写体にカラー画像を形成した後、このカラー画像を記録紙上に一括転写するカラーの画像形成装置の転写装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機やレーザービームプリンター等の電子写真装置、静電記録装置等のカラー画像形成装置において、原色のカラートナー像を転写紙上に順次転写する方式が従来より知られ、また、昨今では転写紙に順次原色のトナー像を転写する代わりに、中間転写体上に原色のカラートナー像を転写し、一括してこのカラー画像を転写紙に転写する方式が提案されるようになってきた。
【0003】
そして、上記中間転写体としては、ベルトナー支持ローラとを組み合わせた構造のものや、円筒ドラム状のもの等、様々な様式があり、各使用状況下に於て、各々機能しているものと思慮する。例えば、均一に接触し、トナー画像を転写させるのであるが、感光体上の第1のカラートナ一画像は中間転写体に転写され、感光体は次のカラートナ一画像を形成する。これらが先の第1のカラートナー像の上にさらに設けられるのであるから、先のカラートナー像を保持しつつ、このカラートナー像を転写可能にする条件がここにある。更には全原色のカラートナー像が中間転写体に転写された後に、一括して転写紙上に転写できなくてはならないから、トナ一画像の感光体上から転写体上への転写、および、転写体から転写紙上への転写において、トナ一画像に働く力関係、或いは感光体、中間転写体、転写紙、転写ローラの上記の関係における機能が、見かけ上同様であるはず、と類推される。従って、従来提案された構成においては、メカ構成上、電気構成上、適切な条件が付与されているものである。
【0004】
転写のために中間転写体の構成には弾性体層が含まれる。これは感光体や帯電ローラ、中間転写体の接触時におけるメカ的な構成を考慮すれば、その必要性の一部の説明が可能である。即ち、感光体等の接触部を捉えて見れば直線的に接触しているが、感光体や帯電ローラ、中間転写体の構成部分には円筒部分が含まれ、これは工業的にゼロの真直度の部材とすることはできず、これらを軸方向で併せたときには必ず歪のため間隙が空く。この間隙を力づくで埋め、感光体から中間転写体へのトナー像の転写を可能にするためには、そのいずれかに弾性層を設けなくてはならない。
【0005】
こうして従来より、弾性層を含む構成の中間転写体が提案されてきた。また、感光体側に弾性層を設けた例もある。
【0006】
弾性層の材料としては、例えば、ニトリルブタジエンゴム、クロロプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム系、フッ素ゴム系等、又、それらの発泡体も用いられる。
【0007】
又、導電性の付与はカーボンブラック各種、酸化チタン、酸化錫、等の金属酸化物、金属粉体等により達成される。これらは単独で或いは複合して機能するよう調製され、使用される。更には、単に金属酸化物等とするのではなく、アルカリ金属塩等と表現し導電性を付与し、同時に電気抵抗値が、環境の変動に影響されない、とする例もある(特開平6−35298号公報、北辰工業;但し、帯電ローラの例)。
【0008】
従来の例では、導電性の付与と言えば、上記の様な物質の粉体粒子を適当量、弾性体構成物質中に分散させ、所定の抵抗値に調整していた。しかし、従来例では、指摘していない物質に於ても、中間転写体として所定の導電性(或いは、抵抗性)を求める事は可能である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上述の画像形成装置においては、像担持体上のトナー画像の中間転写体上への転写、及び中間転写体上のトナー画像の転写紙上への転写に不具合が生ずる場合がある。
【0010】
即ち感光体と中間転写体の間でのトナー画像の転写時に両者の中心軸上に圧接の力がかかり、感光体上のトナー画像は、中間転写体と感光体との間に挟まれ、ストレートに押圧されるので両者の表面性の影響を受けやすい。そこで、従来から中間転写体の表面に離型性の表面層を設け、感光体表面からのトナー像の転写は勿論、さらに、転写紙上へのトナー画像の転写が効率よく行われる工夫がされている。
【0011】
しかし、中間転写体の離型性を高めれば、トナー像の感光体表面との付着力が優勢になり、感光体上から中間転写体上へのトナー画像の転写が阻害されるため、トータルな転写効率は低下することになる。逆に、離型性を低めて、感光体上からの転写が効率よく行われるようにすれば、中間転写体表面との付着力が優勢となって中間転写体から転写紙への転写が十分に行われない場合もある。
【0012】
このことはトナーの転写の問題を中間転写体表面の離型性・粘着性にのみ着目し、単に表面状態の化学的な適性化する事で解決しようとするもので、具体的には離型性に優れた材料を用いた表面層を形成する、乃至は非粘着性の表面層を形成する、と言った表現の提案となって出てきている。
【0013】
(本提案の目的)
したがって、本提案は単に離型性に優れた材料構成の中間転写体の表面性を形成することで、上記の問題を解決するものではなく、転写の際にトナー画像が、感光体と中間転写体に挟まれて受ける力に着目し、更にはこの時の感光体と中間転写体の位置関係に着目し、上記問題の解決目的としたものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、像担持体である感光体上に形成されたトナー像を中間転写体上に転写し、単数または複数のトナー像を形成転写後、転写材に転写する転写装置が該感光体から離れた位置にある基点と該感光体の中心軸とを結合する腕機構を移動させて、該感光体を該中間転写体に当接押圧する構成の画像形成装置において、該中間転写体とこれと当接する該感光体ドラムの中心軸とを結ぶ線と、該腕機構に直交する押圧力となる力の方向のなす角度が45度以下とすることで生ずる、該中間転写体上の該当接端部の歪み膨らみが、該端部の極近傍で生ずる様にしたものである。ここで、上記の事が、よりうまく行く様に材料的な手段も併せて行うようにしている。例えば、中間転写体とこれと当接する該感光体ドラムの回転方向が、該腕機構に直交する押圧力となる力の方向の、該中間転写体と該感光体ドラムの中心軸とを結ぶ線方向の分力Flに直交する分力F2の方向と一致するようにし、中間転写体とこれと当接する該感光体ドラムの位置関係は該分力F2がゼロでない位置関係である様にする。又、中間転写体の該弾性層の弾性率Eが、当接部位の該分力F2方向に対する凹み歪の面墳と該分力F2の関係から概略算出した値の0.5<E<50(kgf/cm)に相当するような弾性材料、中間転写体の構成とすることで達成される。
【0015】
ここで、要点となる部分について従来の場合と本案の場合とを比較説明する。
【0016】
従来の中間転写体と例えば感光体ドラムとの当接押圧部位は通常感光体ドラムの方が中間転写体よりも硬く半径も小さい。感光体ドラムが押圧した中間転写体は凹み、この部分の面積は元より広がる(図2−2)。
【0017】
これは当接する圧力の大きさと、圧力に対応してどれだけ歪むかの問題であり、中間転写体側の弾性層の性質に大きく絡んでくる。押圧力に抗して歪みが少なければ、ニップ幅も小さく、中間転写体のニップ両端の歪み膨らみも小さいものとなる。従って、ここに中間転写体の弾性層の材料を検討する意味がある。本件では、検討により、弾性層を含む中間転写体としての弾性率を中間転写体の該弾性層の弾性率Eが、当接部位の該分力F2方向に対する歪の面積と該分力F2の関係から概略算出した値の0.5<E<50(kgf/cm)に相当するもの、として求めており、該当する材料を選別している。また、弾性層の上に表面層を被覆することは、弾性層のみで制御仕切れない大きな歪みの発生をこれにより調整することが可能である。ここに、上記中間転写体の弾性率としての意味がある。適正な歪みであれば、図2−2の11、12の関係は適正であるが、大きく凹んで12側が異常に大きくなる歪みの場合は、感光体と中間転写体の間に存在するトナー像は視覚により認知されるズレの発生をみる(中間転写体の半径r1、感光体の半径r2の時、r1>r2とすると、その当接部位では11<12となっている)。
【0018】
また、中間転写体の端部における歪み膨らみから、図1−3で示したトナー像の感光体側表面と、中間転写体側表面との接し方を微細に考察すると、感光体表面からトナー像が転移するには、中間転写体側の接する面積が大きいほど、安定して保持されるものと考えられるから、該歪み膨らみは大きい程条件がよい。ただし、材料に起因する因子は考慮しない(図1−3のS1、S2でS1<S2となる)。
【0019】
しかし、押圧による過剰な凹みは色ズレの原因にもつながり、また、本来感光体上に静電的に付着していたトナー像を押潰し、トナーそのものに起因する粘着によって、トナー像の転写がうまく行かない場合がある。そこで、この凹みは大きくしたくないが、上記の中間転写体の端部の歪み膨らみは適度に大きくしたい、という条件が求められる。
【0020】
本案の場合、力のかかる方向が感光体と中間転写体の軸を結ぶ線上よりも回転方向上流側から下流側に向かっている為、当接した中間転写体の弾性層の歪み膨らみは回転方向上流側において優勢になっている(図1のグループ)。
【0021】
この為、上記説明した従来例(図2−1、2−2)よりも、同じ大きさの押圧力がかかっている場合でも1方で必要な歪み膨らみが得られるので、当接押圧の中心部位の凹みは不必要な大きさにならない。
【0022】
感光体ドラムと中間転写体とが、接して離れる場面をミクロな状態を想定して考えて見る。接する手前Aではトナー像は感光体ドラム表面に付着する力f1が支配的である。感光体ドラムと中間転写体が圧接している領域Bでは、圧接して感光体ドラム表面により強く付着した力f2と中間転写体側に付着しようとする力f3が括抗しているかに見える。しかし、中間転写体表面は当接時の歪によって伸びており、従って、より広い面積でトナー像と付着しているので、f3>f2として潜在している。両者が離れようとする瞬間の部位Cでは、感光体ドラム表面に付着する力は圧接により少し変化したf1′と中間転写体に付着しようとする力f4と前述した中間転写体の歪みの元に戻る力f6(極、緩速なら静的な力で均衡するが、速く動くと加速度依存の力が付加される)が感光体ドラム上に付着したトナー像に働き(f<f4+f5)、更に離れた地点Dでは中間転写体に付着する力f4が支配的になる(図1−2、1−4)。
【0023】
上記の歪みから元に戻るときの力f5の働く速さは、感光体上からトナー像を引き剥がすのに寄与していると想定している。速い場合には中間転写体の微小に伸びた部位で捕捉されるトナー画像は、その伸びが元に戻ることによって中間転写体表面に速く落ち着くことになり、阻害要因があったとしてもそれが影響する余地は少ない。しかし、戻りが遅いと感光体と中間転写体が離れる点に回転移動しても両者はまだ近接しているため、トナー像の中間転写体表面への移動を乱す要因の入る余地がある。
【0024】
感光体ドラムを中間転写体に当接させる力を付与し、これを感光体ドラムと中間転写体の中心軸を結ぶ線方向の分力と、これに直交する分力に分解する。すると、中心軸を結ぶ線分方向の分力は本案で提案する力のかけ方をする以前の力と同様であると考えられるから、それなりの効果のあることが推測される。
【0025】
上記力で直交する分力によって、当接し押圧されたときに生ずる中間転写体側の凹みは、かかる分力のために回転の上流側から下流側にずれる。感光体から離れた位置にある基点Pと該感光体の中心軸とを結合する腕機構を円運動で移動させて、該中間転写体に当接押圧させる構成で、このときの該中間転写体とこれと当接する該感光体ドラムの中心軸とを結ぶ線と、該腕機構に直交する押圧力となる力の方向とのなす角度をいろいろに設定して検討したところ、該角度が45度以下で転写性のよい結果が得られることがわかった。
【0026】
元来、該中心線方向の分力によって、従来のトナー像の転写の結果が得られているのであり、この方向の力が更に大きくなるような条件は望ましくない。また、該中心線方向の分カF1に直交する分力F2は、押圧凹みの部位を凹み端部方向に押し、変形させるが、この変形も使用する材料、処方等によって、限度があるため、ここでは、望ましい範囲として、両分力の比F2/F1が0.8以内とし、所与の力のかけ方をし更に望ましい範囲を提示した。
【0027】
ここに弾性層としての材料選択に意味がある。
【0028】
本案ではその1つとして、前述の作用が有効に起こるものとして、ガラス転移点が急激に変化する材料を提案している。
【0029】
形状記憶樹脂としてはポリウレタン系のもの(三菱重工業)、ポリノボルネン系のもの(日本ゼオン)、トランスポリイソプレン系(クラレ)等あるが、使用する系の関係からウレタン系が温度設計がしやすく、所望の材料の入手が可能である。但し、40〜45度の比較的高いガラス転移点の設定でも利用可能な系であれば、ポリノボルネン系にも適用可能なグレードはある。
【0030】
ここで、中間転写体の弾性率Eを弾性層の材料の選別の1手段としているが、中間転写体そのものか、又は、その材料で構成した評価シートに感光体ドラムを約5kgfで押圧し、当接跡から凹み面積を概算して適合する弾性率の範囲(0.5<E<50(kgf/cm))の材料を求めている。本案の実施形態に掲げる材料構成はこうして選別されたものである。
【0031】
図3−1、3−2より、分力F2は当接の凹部を一方に偏する作用を有するが、このときの作用方向と感光体の回転方向が逆であると、分力F2の反対方向の力として働き、本案所定の目的を達成しない。このため、同方向であることが望ましいのである。
【0032】
また、分力F2がゼロとなる、感光体と中間転写体との位置関係は本案の腕機構における感光体軸に働く力のモーメントの方向が感光体の軸と中間転写体の軸を結ぶ方向に等しく、従って、分力F2によるズリ応力が働かない。
【0033】
なおトナー像に働きかける力に関連して、トナー像の残電荷に起因する電界を打ち消す電界をかける方法は数例の先願があるが、本例では当然考慮すべきこととしている。例えば、1次転写バイアスはトナーとは逆極性(+)で+2kV〜+5kVがかけられる。
【0034】
次に中間転写体上に中間転写されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の単層又は複層は転写紙に一括転写される。
【0035】
なお、トナー像の有する電荷と逆極性のバイアスをここで適正に印加する事は転写の妨げとならない。
【0036】
当初より記述している様に、所定の導電性を付与する為に導電剤を添加・分散して構成をなしている。導電剤が、弾性層を構成する材料に添加されれば、単一材料の密度とは異なっていき、見掛け上密度は大きくなる。
【0037】
一方密度が大きくなる時、同一材料系では弾性係数が大きくなる傾向があるので、同じ押圧条件のとき、歪量は小さく、感光体上のトナー像を転写するとき不利に働く。
【0038】
従って、初期の目的から外れる事になる為、今度は見掛け密度を小さくする工夫をする事になる。即ち、材料をもっと軟らかい/弾性係数の小さいものを新たに選択するか、例えば、気泡を含む構成層とする事で見掛け密度を小さくする事になるのである。即ち、実際系では導電剤の分散量、発泡率が所定範囲の機能を得る為の決定要素になっている。
【0039】
所定の転写プロセスに於て必要とされる、中間転写体の電気抵抗値は多くの従来例、実験例で概略範囲が予想できるので、これに対して必要な導電剤の添加量を概略決めて、弾性層形成樹脂あるいはエラストマー等に添加分散し、弾性層を形成するが、もし、発泡状態で使用する必要がある場合には、発泡状態を含めた見掛けの密度に対する見掛けの弾性係数からトナー像の転写性を概算予測する事になる。なお、これらの値は測定により得られるものであるから、最終形状、使用状態で有効な範囲は定められる。
【0040】
しかし、前述する様に、採用する転写プロセスの条件による因子の影響も大きいので、幾つかのプロセスからの算定・測定範囲を総合した範囲設定となる。
【0041】
ほぼ一定の当接圧力範囲内での中間転写体の歪みの生じ方をみると、概略圧力が大きいと歪みが大きい事はフックの法則により自明である。ところが、本案の系は複層構成であり、一律には決まらない部分がある。歪むという事は変形を生ずると言うことであるが、表層と弾性層の硬さ或いは弾性係数が異なる場合、例えば、表層の方が硬い場合には歪みの主体は弾性層にあり、表層の形状変形には時間がかかるものと考えられる。この場合、弾性層の変形に即応して表層の変化が起こりうる程度の表層の硬さであれば、その変形により生じた被転写部材(感光体)との接触面積は比較的大きなものになり、中間転写体を被転写部材に当接させるのに加えた力等に対する単位面積当たりの力(これを当接圧とする)は小さくなる。
【0042】
上記の様に、複層で表層の方が硬い状態で効果を得ようとする場合の設計としては歪みの生ずるのは弾性層主体で、表層はその変形を早く戻そうとする構成が望ましい事になる。換言すれば、表層は弾性層の歪み変形に抵抗しうる弾性係数の材料であり、弾性層の材料は充分な歪みを生ずるにたる弾性係数の材料・構造である事が望ましい。勿論、調整用に若干の導電材等を弾性層に添加する場合には混入量により、主材樹脂(エラストマー等)の元来の弾性係数から若干ずれる事が予想されるので、実験値を含めて適用範囲を決める事になる。
【0043】
弾性層を特に、発泡体で採用する場合は通常樹脂・エラストマーの軟質の発泡体では最初の形成後、型のパーティングラインやバリ等を研磨等加工する事が余りにも軟らかいが為に採算の合う加工ペースにのりにくいものと推察できる。このため、硬さを犠牲にしてある程度硬度のある条件で譲歩せざるを得ない。
【0044】
ところが、所定の形状記憶樹脂等であれば、型形成後Tgガラス転移点以下の極く低温で研磨等の加工作業をする事が可能であり、Tg以上の温度が所定の弾性係数をもち、それが通常樹脂等の場合には加工不可能な硬さであっても、目的追及が可能である。
【0045】
装置に組み込まれ、使用される環境では所定の弾性係数をしめす中間転写体としてあれば良いわけであるからTgガラス転移点の範囲が5〜30度程度に形状記憶樹脂として材料設計されたものを採用すればよい。
【0046】
以下、より具体的な実施系・実験系でさらに説明する。
【0047】
まず、導電材を分散した弾性体の上層に抵抗調整と表面離型性を考慮した表面層を塗布し、全体として電子写真プロセスに必要な耐圧性、導電性等を付与した構成になっている。
【0048】
中間転写体の構成材料を調整するために、公知の方法を用いることができるのは言うまでもない。バインダー成分がゴムまたはエラストマーの場合にはロールミル、ニーダー、バンバリーミキサーが用いられ、液状の場合にはボールミル、ビーズミル、ホモジナイザー、ペイントシェイカー、ナノマイザー、もしくはそれらに類する装置を用いて分散できるものである。
【0049】
本発明に用いる中間転写体は、例えば、円筒形状の導電性基体上に本案で請求の特殊なエラストマー、前記のゴム、発泡体でも歪の制御が本案に沿ったものであれば、使用可能であり、これに所定の表面層が形成されるものである。
【0050】
なお、弾性層と表面層の中間に接着を考慮した、または、弾性層からのブリードを防止することを考慮した中間層を設けることは本案の追及するところの妨げとならない。
【0051】
【発明の実施の形態】
以下、実施形態・比較例により、本案の内容を具体的に説明するが、その意図するところは例示する実施形態に限るものではない。
【0052】
[実施形態第1]
図4−1、4−2は一般的な中間転写体の構成を示す。導電性の芯金(180mmφ、長さ320mm、厚さ5mmのアルミニウム製円筒状ローラー)に約5mmの弾性層が被覆されており、これには導電性粒子状物質が、所定量分散され、導電性を付与されている。ちなみに、本実施形態では、ニトリルブタジエンゴム(NBR)100重量部に導電性カーボンブラックを10重量部、其のほか、加硫剤等適量分散したものを弾性体層材料として用意している。表層はフッ素系樹脂であり、ここでは4フッ化エチレン−パーフロロアルキルフビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)とシリコーン樹脂粉末を1;1配合物を使用した。
【0053】
図3−1で示す様に中間転写体と感光体の軸を結ぶ線を想定し、基点Pとした腕機構を中間転写体側に移動させ感光体との当接位置に設定後、更に該腕機構を移動して感光体ドラムを介して、回転の上流より下流に向けて力Fをかける構成になっている。このとき感光体ドラムを介して該腕機構の移動によってかけるこの力の中間転写体と感光体の軸を結ぶ線の方向の分力F1、これに直交する分力F2としたとき、F2がF1より大きくならないように該腕機構の固定位置を設定した。このとき、F1の大きさが、概略5kgfであるように調整している。以下の実施形態は、上記範囲内で、条件設定したものである。
【0054】
上記の該腕機構の固定位置を上記直交方向の分力F2が、軸線の方向の分力Flに対し、実施形態1のサンプルを用いて、13−r1<14<13の範囲で、該腕機構により、中間転写体にかかる力の方向と該感光体と該中間転写体の軸方向の分力とのなす角度が45度以下となるように、該腕機構の腕長さ14を各種設定して、上記角度が10度、25度、40度の例を実施形態1−1、1−2、1−3とした。
【0055】
また、該腕機構の腕長さ以外は上記例と同様とし、13−(r1+r2)<14<13−r1の範囲で、上記角度が、60度と80度となる条件を設定し、これらを比較例1−1、1−2とした。
【0056】
[実施形態第2]
また、実施形態1の部材構成で13<14<13+r1の範囲で、該腕機構により、中間転写体にかかる力の方向と該感光体と該中間転写体の軸方向の分力とのなす角度が45度以下となるように、該腕機構の腕長さ14を各種設定して、上記角度が10度、25度、40度の例を実施形態2−1、2−2、2−3とした。
【0057】
また、該腕機構の腕長さ以外は上記例と同様とし、13+r1<14<13+(r1+r2)の範囲で、上記角度が、60度と80度となる条件を設定し、これらを比較例2−1、2−2とした。
【0058】
上記、比較例の場合、その位置関係によって、中間転写体と感光体の軸を結ぶ線において、回転の上流より下流に向けてかける力の方向(これは感光体ドラムを中間転写体に押し付ける時アームに働く力のモーメントの方向として理解される)が逆転する。図3−1、3−2参照。
【0059】
このため、請求項2の内容が必要とされる。方向を度外視し、回転方向とF2の方向が逆方向である場合には、前記したように、所定の作用を減ずることになり、この点の補正を要する。
【0060】
更に以上記述した例、及び類型による中間転写体を電子写真カラープリンターの転写装置に組み込み、評価に供した。図5は上記装置の概略図である。本実施形態では、像担持体として負帯電性のOPCからなる感光体ドラムを用い、現像剤として負帯電性のトナーを用いたカラーの画像形成装置について述べる。感光体ドラムに付与された負極性に帯電したトナーは、感光体ドラムの表面に潜像の電位により保持され、感光体ドラム上に潜像がトナー像として形成される。
【0061】
図5に示すように、画像形成装置は装置本体中央に感光体ドラムが配設され、その右に転写ドラムが、左に4つの現像器、例えば、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの現像剤を収容した現像装置が配設されている。
【0062】
中間転写体ドラムは前記実施形態の各例の1つである。該中間転写体の周囲には、導電性の吸着ローラ、除電ローラが配設される。装置本体上方には不図示の露光装置を構成するレーザードライバー、高速モーターにより回転駆動される多面鏡、レンズ、ミラーが配設される。
【0063】
画像形成装置は以上の構成であり、最初に露光装置からの信号に基づいた露光により、帯電手段により一様に帯電された感光体ドラム上に1色目の静電潜像が形成され、対応する現像器により現像され、感光体ドラム上に第1色目のトナー像が得られる。
【0064】
感光体ドラム上に形成された第1色目のトナー(例えばイエロートナー)画像が、感光体ドラムと中間転写体との新賦部を通過する過程で、中間転写体に印加される1次転写バイアスにより形成される電界により、中間転写体外周面に転写される。
【0065】
感光体ドラム上は、クリーニング装置により清掃され、以下、同様にマゼンタ、シアン、ブラックのトナー画像が順次中間転写体上に重ね転写される。
【0066】
中間転写体上の合成カラートナー画像は、転写ローラが中間転写体に当接されるとともに、給紙カセットから中間転写体と転写ローラとの当接ニップに所定のタイミングで転写紙が給紙され、同時に2次バイアスがバイアス電源から転写ローラに印加される。この2次転写バイアスにより中間転写体から最終的な画像担持体である転写紙に合成カラートナー画像は転写される。
【0067】
その後、転写紙は定着器を経由して加熱定着される。
【0068】
転写紙への画像転写後、中間転写体上のトナー転写残りは中間転写体クリーナーによりクリーニングされる。
【0069】
本案の目的とするところは、上記説明した過程の画像プロセス装置で、実施形態、比較例の実地検証された。
【0070】
すなわち中間転写体の適切な歪みと膨らみを当接部位の1方で主に生じさせる様な力が感光体ドラムの軸に掛かるような配置とし、また、上記変化が適切に起こりうる、材料を使用することによって、色ずれ等の問題もなく機能することが検証された。
【0071】
(結果考察)
各実施形態に於いては、本案の評価装置での当接圧力下で適度な歪を当接した端部で生じ、感光体ドラムから中間転写体への転写が適正に行われることが証明された。これに対し、比較例では、腕機構の位置関係が極端に外側、或いは内側であったため感光体と中間転写体軸に直交する分力が過大となり、所定の効果を得る事ができなかった。これは主に画像のズレとなって現われる傾向にあった。
【0072】
また、感光体上のトナー像の濃度に対する、中間転写体上のトナー像濃度の百分率、最終的に転写紙に転写されたときの転写紙上のトナー像の濃度の百分率で比較したところ、実施形態各例と比較例とでは概略5〜10ポイントの差異が見られた。なお、画像自体も、比較例の画像には筋状のムラもあり、装置構成上の差は中間転写体のみであることから、その原因は中間転写体であると推測された。
【0073】
【発明の効果】
以上、説明した様に、本出願にかかる発明によれば、像担持体である感光体上に形成されたトナー像を中間転写体上に転写し、単数または複数のトナー像を形成転写後、転写材に転写する転写装置が該感光体から離れた位置にある基点と該感光体の中心軸とを結合する腕機構を移動させて、該感光体を該中間転写体に当接押圧する構成の画像形成装置において、該中間転写体とこれと当接する該感光体ドラムの中心軸とを結ぶ線と、該腕機構に直交する抑圧力となる力の方向のなす角度が45度以下とすることで生ずる、該中間転写体上の該当接端部の歪み膨らみが、該端部の極近傍で生ずる様にしたものであり、また、例えば、中間転写体とこれと当接する該感光体ドラムの回転方向が、該腕機構に直交する押圧力となる力の方向の、該中間転写体と該感光体ドラムの中心軸とを結ぶ線方向の分力F1に直交する分力F2の方向と一致するようにし、中間転写体とこれと当接する該感光体ドラムの位置関係は該分力F2がゼロでない位置関係である様にする。又、中間転写体の該弾性層の弾性率Eが、当接部位の該分力F2方向に対する凹み歪の面積と該分力F2の関係から概略算出した値の0.5<E<50(kgf/cm)に相当するような弾性材料、中間転写体の構成とすることで達成される。以上により、トナー像の転写性に優れ、安定した転写装置を提供する事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】1は本件の中間転写体と感光体ドラムの押圧当接部位の力関係図。
2は本件の中間転写体と感光体ドラムの押圧当接部位トナーにかかる力関係図。
3は本件の中間転写体と感光体ドラムの押圧当接部位Cの膨らみ部に於けるトナー像微小片の曲がりに由来する表面S1、S2。
4は本件の中間転写体と感光体ドラムの抑圧当接部位Cの膨らみ部とその戻りの状態。
【図2】1は従来の力のかかる関係。
2は従来の力のかかる関係で当接凹みによる中間転写体表面の伸びの関係図。
【図3】1は感光体ドラムユニットがこれより離れた基点からアームで移動し、中間転写体を押し付ける構成でアーム軸が短い場合の参考例図。
2は感光体ドラムユニットがこれより離れた基点からアームで移動し、中間転写体を押し付ける構成でアーム軸が長い場合の参考例図。
【図4】1は中間転写体断面図。
2は中間転写体層構成図。
【図5】転写装置を含む画像形成装置の概略構成図。
【符号の説明】
1 中間転写体
2 感光体ドラム
3 画像露光
4 バイアス電源
5 マゼンタ色現像装置
6 イエロー色現像装置
7 シアン色現像装置
8 ブラック色現像装置
9 転写ローラ
10 転写紙
11 トナー
12 クリーナー
13 帯電器
14 当接による歪凹み
100 中間転写体の基体(アルミシリンダー)
101 中間転写体の弾性体層
102 中間転写体の表面層
A トナー像が感光体上にある状態
B トナー像が感光体と中間転写体に押圧された状態
C トナー像が中間転写体上にある状態
D トナー像が中間転写体上にある状態
f1 トナー像(粒子)が感光体に付着する力
f1 押圧後、トナー像(粒子)が感光体に付着する力
f2 押圧部位でトナー像(粒子)が感光体に付着する力
f3 押圧部位でトナー像(粒子)が中間転写体に付着する力
f4 押圧部からの離脱間際のトナー像(粒子)が中間転写体に付着する力
f4 トナー像(粒子)が中間転写体に付着する力
f5 中間転写体歪み膨らみの元に戻る力
f6 転写紙にかかる力の方向
P 腕機構の基点

Claims (4)

  1. 像担持体である感光体上に形成されたトナー像を中間転写体上に転写し、単数または複数のトナー像を形成転写後、転写材に転写する転写装置が該感光体から離れた位置にある基点と該感光体の中心軸とを結合する腕機構を移動させて、該感光体を該中間転写体に当接押圧する構成の画像形成装置において、該中間転写体とこれと当接する該感光体ドラムの中心軸とを結ぶ線と、該腕機構に直交する押圧力となる力の方向のなす角度が45度以下であることを特徴とする画像形成装置。
  2. 該中間転写体とこれと当接する該感光体ドラムの回転方向が、該腕機構に直交する押圧力となる力の方向の、該中間転写体と該感光体ドラムの中心軸とを結ぶ線方向の分力F1に直交する分力F2の方向と一致する事を特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 該中間転写体とこれと当接する該感光体ドラムの位置関係は該分力F2がゼロでない位置関係である事を特徴とする請求項1、2記載の画像形成装置。
  4. 該中間転写体の該弾性層の弾性率Eが、当接部位の該分力F2方向に対する凹み歪の面積と該分力F2の関係から概略算出した値の0.5<E<50(kgf/cm)に相当するものである請求項1、2、3記載の画像形成装置。
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