JP2004045877A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】転写手段としてイオン導電性の転写部材を使用し、安定した抵抗値制御を行い、紙間時間を長くせずに、トナー飛び散り、黒ポチ等の画像不良を回避し、環境の変化や画像形成速度、画像形成条件に適用できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】像担持体1に当接した転写部材17に転写バイアスを印加して、現像剤像を静電的に転写する画像形成装置において、転写部材17はイオン導電性を有するローラ形状であり、画像形成工程における前回転工程にて、転写部材17の抵抗値検知を行い、検知結果に基づいて、1枚目の記録材の転写バイアス電圧値を決定し、及び、複数の記録材上に連続して画像形成を行う場合、記録材間に、転写部材に所定電圧値を印加して、出力電流検知を複数回行い、検出電流平均値の、所定電流値に対する比率に応じて、転写部材17の抵抗値検知結果を補正し、補正値に基づいて、2枚目以降の転写バイアス電圧値を決定する。
【選択図】 図1
【解決手段】像担持体1に当接した転写部材17に転写バイアスを印加して、現像剤像を静電的に転写する画像形成装置において、転写部材17はイオン導電性を有するローラ形状であり、画像形成工程における前回転工程にて、転写部材17の抵抗値検知を行い、検知結果に基づいて、1枚目の記録材の転写バイアス電圧値を決定し、及び、複数の記録材上に連続して画像形成を行う場合、記録材間に、転写部材に所定電圧値を印加して、出力電流検知を複数回行い、検出電流平均値の、所定電流値に対する比率に応じて、転写部材17の抵抗値検知結果を補正し、補正値に基づいて、2枚目以降の転写バイアス電圧値を決定する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば複写機やLBP(レーザービームプリンタ)等とされる電子写真方式あるいは静電記録方式の画像形成装置に関し、特に、像担持体上の現像剤像(トナー像)を記録材(紙等)に静電的に転写可能な接触回転型の転写手段を備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、電子写真方式の複写機やLBP(レーザービームプリンタ)等の画像形成装置は、回転ドラム型を一般的とする像担持体としての電子写真感光体(以下「感光ドラム」と称す。)、及び、帯電、画像露光、現像の画像形成プロセス手段で目的の画像情報に対応した可転写画像としての現像剤像(トナー像)を形成し、このトナー像を転写手段で記録材側に転写し、更に記録材を定着手段に導入してトナー像を記録材面に永久固着像として熱定着させて画像形成物(コピー、プリント)として出力する。
【0003】
記録材に対するトナー像転写後、感光ドラムはその面上に残留した転写残トナーや紙粉等の残留付着汚染物が除去されクリーニングされて、繰り返し画像形成プロセスに提供される。
【0004】
感光ドラムから記録材へのトナー像の転写手段としては、記録材の搬送経路が簡便になると同時に安定的に搬送できる等の有利点があることから、感光ドラムに当接されて、電圧が印加され、感光ドラムとのニップ部である転写部において記録材を挟持搬送して感光ドラム側のトナー像を記録材側に静電的に転写させる接触回転型の転写部材、いわゆる転写ローラを用いた転写手段が近年多用されるようになった。
【0005】
転写ローラは、その抵抗値が、1×106〜1×1010(Ω)程度の値に調整されるが、近年提案されている転写ローラは、図8に示すように、導電性の芯金17bの外周面に弾性層17aを設け、この弾性層17aに導電性を付与させている。転写ローラ17はこの導電性を付与させる方法により、以下の2種類に大きく分けられる。即ち、
▲1▼電子導電性を有する転写ローラ
▲2▼イオン導電性を有する転写ローラ
である。
【0006】
▲1▼の転写ローラは、前記弾性層17aに導電性フィラーを分散させたものであり、例として、カーボンや金属酸化物等の導電性フィラーを分散させたEPDMローラやウレタンローラを挙げることができる。
【0007】
▲2▼の転写ローラは弾性層17aにイオン導電系の材料を含むもので、例として、NBRやウレタン等の材料自身に導電性を持たせたものや、界面活性剤を弾性層17aに分散させたものが挙げられる。
【0008】
▲1▼、▲2▼の転写ローラの物性的な違いとして、まず、ローラ厚み方向抵抗値の印加電圧依存性が大きく異なることが挙げられる。▲1▼の電子導電系の転写ローラは、印加する電圧が大きくなるほど基材内に分散された導電性フィラー同士の集中電界が生じやすいために抵抗値が小さくなる傾向があり、例えば1kV印加時の抵抗値に対して2kV印加時の抵抗値は20〜40%程度に小さく、更に3kV印加では2kV印加時抵抗値の30〜50%と、抵抗値の電圧依存性が非常に大きい。それに対して▲2▼のイオン導電系の転写ローラは、材料を構成するポリマー自身が導電性イオンを有しているために導電体としての均一性は高く、それゆえ電子導電系のような集中電界は生じにくいため、抵抗値の印加電圧依存率は70〜90%/(+1kV)程度と変化量が少なく、電子導電系のローラに比べて印加電圧に対する抵抗値安定性が高い。
【0009】
又、▲1▼の電子導電系ローラが、導電性フィラーの均一分散の困難さから、抵抗値の周方向分布や長手方向分布も大きく、更には外圧等による歪みや経時変化によっても大きな抵抗値変動が生じるのに対して、▲2▼のイオン導電系ローラは安定であり、製造上の品質バラツキも小さいことが知られている。
【0010】
尚、本明細書では、以下、上記抵抗値の周方向分布を、「周ムラ」と称す。ここでは、周ムラの定義として、周方向における最小抵抗値に対する最大抵抗値の比率で示す。又、長手方向分布は、以下、「長手ムラ」と称す。ここでの長手ムラの定義は、長手分割した各領域における平均抵抗値の最小値に対する最大値の比率で示される。
【0011】
ところで、転写ローラの抵抗値は雰囲気環境の温湿度や経時変化によって変動しやすいことが知られており、転写ローラの抵抗変動に起因する現像剤(トナー)の飛び散り、黒ポチ等の転写不良の発生を防止するために、転写ローラの抵抗値を測定し、その測定結果に基づいて転写ローラに印加する転写バイアスの印加電圧値を適正に制御する転写バイアス制御が採用されている。
【0012】
このような転写バイアス制御手段として、特開平2−123385号公報に開示されたATVC制御(Active Transfer Voltage Control)が多くの画像形成装置に採用されている。
【0013】
ATVC制御は、転写時転写ローラに印加する電圧を最適化する手段であり、上記転写不良の発生を防止するものである。通常、画像形成装置の前回転工程中に転写ローラから感光ドラムに所望の定電流を保持する電圧を印加することで転写ローラの抵抗を検知し、転写工程では転写バイアスとして前記保持電圧値に基づいた定電圧を転写ローラに印加することにより、様々な雰囲気環境に応じた適正な制御を行っている。
【0014】
尚、本明細書では、画像形成工程において、画像形成装置に外部からのプリント信号が送信されてから、1枚目の記録材の、現像剤像が転写される位置(転写部)に到来するまでの時間において、各画像形成手段が動作している時間帯を前回転と称す。
【0015】
上述のATVC制御等により、転写ローラ抵抗を正確に検知し、最適な転写バイアスの印加電圧値を決定するためには、転写ローラ1周分の抵抗値をモニターし、その平均値を得ると同時に、転写ローラ抵抗が電圧依存性を有するため、転写時に印加する電圧に近い値が発生するような定電流値の設定が必要とされている。そのために、ATVC制御等は画像形成プロセス上時間に余裕のある前回転工程中に行われるのが一般的である。
【0016】
ここで、▲1▼の電子導電性の転写ローラについて例を挙げると、周方向における最小抵抗値に対する最大抵抗値の比率で示された周ムラ1.5以下、又、長手分割した各領域における平均抵抗値の最小値に対する最大値の比率で示された長手ムラ2.0以下程度であり、測定上は良好な抵抗ムラを有する電子導電系の転写ローラにより、上述のATVC制御を用いて、ハーフトーン画像を出力したところ、転写電流過多による黒ポチ現象と、転写電流不足によるトナー飛び散り現象が同記録材内で発生した。
【0017】
これは、測定上は抵抗ムラが良好でも、ローラ表面の微小領域における抵抗ムラによって、転写バイアスの放電が発生し転写電流が集中して流れる領域と、逆に転写電流が流れない領域とが混在していたことに起因している。そして、印字速度が速いほどこの微小領域の抵抗ムラの画像影響が顕著になることが知られている。
【0018】
一方、▲2▼のイオン導電系の転写ローラは、電子導電系に比べて遥かに均一な電気伝導特性を有するため、微小領域における抵抗ムラもほとんどなく、上記転写電流の過不足領域の混在による不良画像が発生しないことが分かっている。
【0019】
従って、近年コンピュータの画像処理能力が向上するにつれ、ハーフトーン画像をプリントする需要も高まっており、イオン導電系転写ローラは今後のプリンタ市場における発展が期待されている。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記イオン導電系転写ローラは、電子導電系転写ローラに比べて安定した抵抗の電圧依存性、抵抗周ムラ特性等を有する反面、以下に述べる問題を抱えている。
【0021】
まず1つは、定電圧の継続印加における、ローラ基材内の電荷蓄積に起因する転写ローラ抵抗値上昇、いわゆる抵抗上昇ドリフトが生じ、これが定電圧転写バイアス制御上の問題となる場合が考えられる。
【0022】
抵抗上昇ドリフトは、108〜1010Ω程度のイオン導電性中抵抗部材において顕著な現象であり、このような中抵抗部材に数kVの定電圧を印加した場合、図9に示すように、転写ローラ17の弾性層17aを構成している、抵抗成分と共にコンデンサ成分を併せ持つイオン導電性ポリマーに徐々に電荷が蓄積されて電流が流れにくくなる、つまり定電圧印加経過時間とともに抵抗値が徐々に上昇していく現象である。
【0023】
定電圧転写制御方式を用いた画像形成装置においては、前回転工程中における所定時間でATVC制御を行った上で、記録材が転写部を通過中に印加するための適正な定電圧値を決定し、連続プリントの際には幾数枚目の記録材においても記録材転写中には最初に決定した定電圧値印加を繰り返すという制御が代表的である。
【0024】
しかし、上に述べた抵抗上昇ドリフトが顕著な場合は、連続プリント中において転写ローラ抵抗値が徐々に上昇するために連続転写枚数が重なっていくに連れて転写電流値が適正値から徐々に低下し、転写電流不足に起因するトナー飛び散りが記録材上に発現する場合がある。
【0025】
従来例である転写ローラ17はイオン導電系スポンジゴム(NBR基材)の弾性ゴム17aと芯金17bから構成される。転写ローラ17の抵抗値は、N/N環境(23.5℃、60%RH)測定で、2kV印加時で回転最初のローラ1周の平均抵抗値が3×108(Ω)であり、上記の方法で定義された抵抗周ムラは1.2である。そして、N/N環境における平均抵抗値の電圧依存率は、表1に示すように1〜4kVの電圧範囲において+1kV増に対し80〜95%の範囲に入る。
【0026】
【表1】
【0027】
この転写ローラ17を使用した画像形成装置で、従来の定電圧転写制御によって連続プリントした場合の、転写電流値の推移を図10に示す。このように、プリント枚数が増えるに従って、転写電流が下がり、適正値から離れていくことがわかる。
【0028】
次に、転写ローラ周辺の温度や湿度の影響によるローラ基材内のイオン導電性ポリマーの導電特性変化に起因する転写ローラ抵抗値変動、いわゆる抵抗値環境変動が定電圧転写制御上の問題となる場合が考えられる。
【0029】
イオン導電系転写ローラの導電性は、基材に含まれる導電性有機イオンの活性状態が反映されるため、雰囲気環境の温湿度により大きな変動を受けやすく、低温低湿である場合に導電性が低い、つまり抵抗値が高いことが一般的である。又、イオン導電系は電子導電系よりも抵抗値環境変動率が大きいことが知られている。
【0030】
例えば、先に述べた従来例のイオン導電系転写ローラを含んだ画像形成装置を、低温低湿環境(15℃/10%RH)にて電源を入れた直後、上記ATVC制御を利用した定電圧転写制御によりハーフトーン画像を連続プリントした場合は、画像形成装置全体が冷えている状態である前回転工程中に、転写ローラ抵抗検知を行うために、抵抗値検知結果としては高抵抗状態を検出する。それに伴って最適転写電流を流すための転写プリントバイアスとして高電圧印加を決定するが、上記抵抗値環境変動率が大きい場合、機内昇温等の影響によって転写ローラ抵抗が徐々に下降する。つまり抵抗下降ドリフトが生じるために、図11に示すように、連続転写枚数が重なっていくに連れて転写電流値が適正値から徐々に上昇し、転写電流過多に起因する黒ポチ等が記録材上に発現する場合がある。
【0031】
又、両面プリント、あるいは多重プリントを連続して行った場合、記録材が一度定着ユニットを通過したのち、熱を持った状態で再度転写部を通過するために、転写ローラが温められて、更に抵抗が低下し、上記の現象は顕著となる。
【0032】
又、上記のような抵抗上昇ドリフトと抵抗下降ドリフトが複合する状態も考えられる。この場合、連続プリント中における転写電流は、最適値に対して低い状態が続いたり高い状態が続いたりするため、連続プリントした際、トナー飛び散りが発現する記録材や、黒ポチが発現する記録材が出力される可能性があった。
【0033】
従来のATVC制御方式では、連続プリント中の記録材と記録材の画像形成の間隔である記録材間(以下、「紙間」と呼ぶ)を延長し、前回転工程中と同様の制御を行うことで、連続プリント中に転写ローラ抵抗が変化してもその都度で適正な定電圧値を印加でき、上記問題を解決することが可能であるが、連続プリント時のスループットの低下が著しく実用的でなかった。
【0034】
特に、最近では、記録材として薄紙から厚紙まで多様な種類の印字への要求も高まり、記録材の種類によっては、転写ローラの抵抗変化に敏感に反応するものもあるため、連続プリント中にも常に最適な転写バイアス制御を行う必要性が生じてきた。
【0035】
従って、本発明の目的は、転写手段として抵抗ムラを少なくしたイオン導電性の転写部材を使用しても、常に、安定した抵抗値制御を行い、紙間時間を長くすることなく、トナー飛び散り、黒ポチ等の画像不良を回避し、広い範囲で、環境の変化や画像形成速度、記録材の種類等の画像形成条件に適用できる画像形成装置を提供することである。
【0036】
【課題を解決するための手段】
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、像担持体に現像剤像を形成担持させ、該像担持体に当接した接触回転型の転写部材に転写バイアスを印加することによって、前記像担持体と前記転写部材との間の転写ニップ部にて挟持搬送させた記録材に前記現像剤像を静電的に転写する画像形成装置において、
前記転写部材はイオン導電性を有するローラ形状であり、画像形成工程における前回転工程にて、前記転写部材の抵抗値検知を行い、該抵抗値検知結果に基づいて、1枚目の記録材の挟持搬送中における前記転写バイアスの印加電圧値を決定し、
及び、複数の記録材上に連続して画像形成を行う場合、1枚毎の記録材の画像形成間である記録材間に、前記転写部材に対して所定電圧値である記録材間定電圧を印加して、出力電流検知を複数回行い、該検出電流平均値の、所定電流値に対する比率に応じて、前記転写部材の抵抗値検知結果を補正し、該補正値に基づいて、2枚目以降の記録材の挟持搬送中における前記転写バイアスの印加電圧値を決定することを特徴とする画像形成装置を提供する。
【0037】
本発明の一実施態様によると、前記転写部材の抵抗値検知は、前記前回転工程中の所定時間にて、前記転写部材に定電流を保持する定電圧を印加することにより検知し、更に、前記記録材間における前記転写部材に対する前記記録材間定電圧の前記所定電圧値は、前記前回転工程中の所定時間にて前記転写部材に印加した前記定電流を保持する電圧値に基づいた定電圧値であり、
前記記録材間の前記抵抗値検知結果を補正するための前記所定電流値は、前記前回転工程中の所定時間にて前記転写部材に印加した前記定電流の電流値である。
【0038】
本発明の他の実施態様によると、前記転写部材の抵抗値検知は、前記前回転工程中の所定時間にて、前記転写部材に定電流を保持する定電圧を印加することにより検知し、更に、1枚目と2枚目の前記記録材間における前記転写部材に対する前記記録材間定電圧の前記所定電圧値は、前記前回転工程中の所定時間にて前記転写部材に印加した前記定電流を保持する電圧値に基づいた定電圧値であり、1枚目と2枚目との記録材間の前記抵抗値検知結果を補正するための前記所定電流値は、前記前回転工程中の所定時間にて前記転写部材に印加した前記定電流の電流値であり、
3枚目以降の連続画像形成においては、n枚目と(n−1)枚目の前記記録材間における前記転写部材に対する前記記録材間定電圧の前記所定電圧値は、(n−1)枚目と(n−2)枚目の記録材間における前記転写部材の抵抗値検知結果の補正値に基づいた定電圧値であり、
n枚目と(n−1)枚目の前記記録材間の前記抵抗値検知結果を補正するための前記所定電流値は、(n−1)枚目と(n−2)枚目の記録材間における前記複数回の出力電流検知の前記検出電流平均値である。
【0039】
本発明の他の実施態様によると、前記転写部材の抵抗値検知は、前記前回転工程中の所定時間にて、前記転写部材に定電流を保持する定電圧を印加することにより検知し、更に、前記記録材間における前記転写部材に対する前記記録材間定電圧の前記所定電圧値は、前記現像剤像の帯電極性と同極性の所定定電圧値であり、
前記記録材間の前記抵抗値検知結果を補正するための前記所定電流値は、前記前回転工程中において、前記所定定電圧値である定電圧を前記転写部材に印加した時の電流値である。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
【0041】
実施例1
図1に実施例1における画像形成装置を示す。本実施例の画像形成装置は転写手段である転写ローラ17を有し、転写ローラ17はイオン導電系スポンジゴム(NBR基材)の弾性ゴム17aと芯金17bとで構成される。そして、抵抗値がN/N環境(23.5℃、60%RH)測定で、電源18からの2kV印加時で回転最初のローラ1周の平均抵抗値が3×108(Ω)であり、抵抗値の従来例と同様に定義される周ムラは1.2、N/N環境における平均抵抗値の電圧依存率は、従来例の説明にも使用した表1に示すものと同様に1〜4kVの電圧範囲において+1kV増に対し80〜95%の範囲に入るものを使用した。
【0042】
尚、本発明においては、転写部材は、イオン導電性のものを含めば、他の材料で構成してもよく、又、ATVC制御が有効とされるために、以下の(a)、(b)の条件を満たすものについて、特に、効果がある。
【0043】
(a)抵抗値の周ムラは、周分布における最小抵抗値Rminと最大抵抗値Rmaxとの関係は以下の数式を満たす。
Rmax/Rmin≦1.3
【0044】
(b)1〜4kVの電圧範囲内における任意のn[kV]印加時の平均抵抗値Rave[n]と、n+1[kV]印加時の平均抵抗値Rave[n+1]との関係は以下の数式を満たす。つまり、平均抵抗値の電圧依存率が70%以上の転写ローラであればよい。
Rave[n+1]/Rave[n]≧0.7
【0045】
又、転写ローラ電圧制御は、ATVC制御による抵抗検知を利用した転写定電圧印加制御手段を基本とする制御を用いた。以下に、片面印字の画像形成プロセスについて説明する。
【0046】
(1)片面印字の画像形成プロセス:図1は、本実施例に基づく画像形成装置の概略断面図であり、像担持体として、矢印方向に回転する感光ドラム1が用いられ、光導電層1aを有する周知のものである。
【0047】
尚、感光ドラム1に作用し、画像形成手段としての、帯電された感光ドラム1上を露光し静電潜像を形成するための潜像形成手段、該静電潜像を所定の現像剤にて可視画像化して現像剤像(トナー像)とする現像手段、及び該トナー像の転写後の残留トナーを除去するクリーニング手段は図示されていない。
【0048】
本実施例にては感光ドラム1上に形成したトナー像は、転写位置へは、マイナス荷電状態で到達するように構成している。
【0049】
上記感光ドラム1のトナー像に同期して搬送される記録材Pは、本画像形成装置下部のカセット又は給紙台2等の自動給紙機構の中底板3上に収積されており、中底板3はばね4により上方に押し上げられ、分離爪5により記録材Pの高さが一定に保たれている。上記記録材Pは、円周の一部を切欠いた給紙ローラ7が1回転することにより、上記カセット2から一枚ずつ送り出される。送り出された記録材Pは、ガイド板8、9に案内され、レジスト部13に至る。
【0050】
そして、トナー像の転写位置到達と同期してレジスト部13に設置されたレジストローラ13aが駆動され、記録材Pは感光ドラム1に至る。そして、記録材Pの非印字面に転写ローラ17にてトナー像と逆極性の転写電流が所定制御により加えられ、ドラム1上のトナー像を記録材P上に転写する。
【0051】
詳細な転写制御については次の(2)の項で述べる。転写後、記録材Pは感光ドラム1から分離され、定着手段19に搬送され、転写トナー像を定着して機外に搬出される。
【0052】
(2)転写バイアス制御:転写工程においては基本的にATVC制御を用いた定電圧印加転写制御を採用している。本実施例1における転写ローラ抵抗検知値補正制御のフローチャートを図2に、又、このフローチャートに従って連続プリントした場合の転写ローラ電流の推移を図3に示す。
【0053】
まず、ステップS1のプリント信号受信後、ステップS2の前回転時において、記録材Pが転写ニップ部に到達する以前の所定タイミングにて、ステップS3でローラ抵抗検知用転写電流I0の定電流制御したときの出力電圧値を、転写ローラ17の1周分についてサンプリングした平均値V0を、転写ローラ抵抗値の代用として検知し、それに基づいて転写バイアスの印加電圧値を決定する、いわゆる転写ローラ抵抗値検知による制御を行う。
【0054】
ステップS4で、1枚目の転写時、つまり最初の記録材Pが感光ドラム1と転写ローラ17とのニップ部に到達した時に、ステップS3の転写ローラ抵抗検出制御により求められたV0に基づいた印加電圧値Vtの転写バイアスが定電圧印加され、感光ドラム1上のトナー像が記録材P上に転写される。
【0055】
次に、連続画像形成(連続プリント)時の1枚毎の記録材の画像形成の時間間隔である記録材間(紙間)であるステップS5、S6、S7において、転写ローラ抵抗値検知補正制御を行う。
【0056】
紙間では、ステップS5で、記録材間定電圧(紙間バイアス)として、ステップS3で決定した定電圧値V0を印加し、ステップS6で、この電圧が立ち上がった時点から複数回の転写電流値のサンプリングを行う。本実施例ではローラ半周分で10点サンプリングをしているが、サンプリング数は紙間時間が延長されない範囲で2点以上、好ましくは5点以上検出できればよい。サンプリング終了後、その平均値をI0’とする。そして、ステップS7で、前回転時の定電流制御時の設定電流値I0に対する比率の逆数C(=I0/I0’)をV0に反映させることによりローラ抵抗検知値補正電圧V01(=V0×C)として次の記録材Pに印加する転写バイアスの定電圧値Vt’をV0’に基づいて決定する。
【0057】
以後のステップS9の連続プリント時においても同様に、紙間バイアスV0印加時の転写電流値と定電流制御時の設定電流値I0との比率によりV0を補正して、補正値V0’に基づいて転写定電圧値Vt’を決定することにより、図3に示すように、転写ローラ17に流れる転写電流は、プリント枚数を重ねても適正転写電流に安定していることから、転写時の電流値を最適値付近に保持できるため、従来の課題であった転写不良を防止できた。
【0058】
ここで、上述の制御で連続プリント時の転写ローラ抵抗検知値が補正できるのは、イオン導電系転写ローラ17の抵抗周ムラ安定性と、印加電圧に対する抵抗安定性に拠るところが大きく、紙間バイアスV0印加時の転写電流検出時間がローラ1周分より短くても平均電流値I0’の誤差は少なく、電流比率分を反比例補正することで精密な電圧V0の補正が可能となるからである。
【0059】
本実施例に述べた補正制御に関しては、抵抗周ムラ1.3以下、抵抗値の電圧依存率が+1kV増に対し70%以上好ましくは80%の範囲に入るもの、つまり20%以内の変動であれば精密補正が可能である。抵抗周ムラが大きい場合は上記転写電流検出時間を長くとらないと誤差が大きく、抵抗の電圧依存性が大きい場合は反比例補正のような簡単な補正は難しい。
【0060】
以上説明したように、イオン導電系転写ローラを使用し、ATVC制御を行う画像形成装置において、前回転工程中に定電流制御による転写ローラ抵抗検知を行い、連続プリント時、紙間バイアスV0印加時の転写ローラ電流検知を行い、その平均値と定電流制御時の設定電流値との比率により、定電流制御電圧V0の補正をしたうえで、補正値V0’に基づいた転写バイアスを印加することにより、連続プリント時の転写電流値の最適化が可能となり、良好な画像を提供できた。
【0061】
尚、本実施例においては片面連続プリント時の転写ローラ抵抗上昇ドリフトについて、本発明の説明をしたが、機内昇温や両面プリント時など、転写ローラ抵抗下降ドリフトが現れる場合においても同様な効果があることは言うまでもない。
【0062】
又、本実施例において、紙間バイアス値としてプリント前回転工程中の定電流制御電圧V0を印加した場合の補正を示したが、これに限らずV0に基づいた定電圧値、例えばV0/2を紙間中に印加しても同様の効果がある。ただしこの場合には、紙間中の検出電流平均値I0’とI0/2との比率を求めることによって、然るべきV0補正ができる。
【0063】
実施例2
次に本発明の実施例2について説明する。
【0064】
実施例1で述べた制御を備える画像形成装置において、転写ローラ抵抗上昇ドリフトあるいは下降ドリフトにより、初期抵抗値に対して大きく差が開いた場合、例えば連続プリント中の紙間バイアスV0印加時の検知電流平均値I0’が定電流制御時の設定電流値I0に対して半分にまで小さくなった場合、つまりI0/I0’=2であるとき、実施例1によると、補正値V0’=V0×I0/I0’=V0×2となり、V0の2倍が補正値V0’となり、V0が1kV以上であるときは、補正値V0’は2kV以上ということになる。
【0065】
このように、V0とV0’の差が1kVを超えるような場合、抵抗値の電圧依存性が影響して抵抗値補正の誤差が生じてくるため、記録材Pに対する最適転写電流値から外れてくる可能性がある。
【0066】
そこで、本実施例2における転写ローラ抵抗検知値補正制御のフローチャートを図4に、又、このフローチャートに従って連続プリントした場合の転写ローラ電流の推移を図5に示す。
【0067】
図4に示すように、実施例1と同様に、連続プリント時、記録材間(紙間)にて転写ローラ電流平均値を求めるが、このとき印加する定電圧値は、前回の紙間において補正された転写ローラ抵抗検知結果を反映した電圧値、つまり(n−1)枚目とn枚目との間の紙間であるなら、(n−2)枚目と(n−1)枚目との紙間で補正されて求められた電圧値V0(n−1)であるところが実施例1と異なる。
【0068】
こうした本実施例の転写バイアス制御について説明する。
【0069】
前回転から1枚目転写までの図4のステップS1〜S4までの工程については、実施例1の図2に示すステップS1〜S4までと同様であるが、ここでは、前回転時の転写ローラ抵抗値検知によって決定された定電圧をV01(実施例1ではV0)とした。
【0070】
そして、連続プリント時1枚目の転写工程終了後の紙間においても、ステップS5〜S10にて、実施例1と同様の工程を行う。即ち、ステップS5にて紙間バイアスとして前回転工程中に決定した定電流制御電圧V01を印加したうえで、ステップS6にて間時間が延長しない範囲で転写ローラ平均電流I01(実施例1のI0’と同値)を求め、ステップS7にて定電流制御時の設定電流値I0との比率によりV01を補正し、補正値V02(実施例1のV0’)を求める。そして、ステップS8にて2枚目の記録材PにはV02に基づいた転写電圧値Vt2を印加する。
【0071】
その後、ステップS9において連続転写枚数が3枚以上の場合は、(n−1)枚目とn枚目との紙間では、紙間バイアスとしてステップS11にて、(n−2)枚目と(n−1)枚目との紙間で補正されて求められた電圧値V0(n−1)を印加したうえで、ステップS12にて紙間平均電流I0nを求め、ステップS13にて前回の紙間平均電流I0(n−1)との比率から、V0n=V0(n−1)×I0(n−1)/I0nにより、V0(n−1)を補正してV0nを求める。そして、n枚目の記録材Pにおいて、ステップS14にてV0nに基づく転写バイアスVtnを印加する。
【0072】
例えば、2枚目と3枚目の紙間では、紙間バイアスとして、1枚目と2枚目との紙間で定められた2枚目の転写バイアスを決定するための電圧値V02を印加したうえで、紙間平均電流I02を求め、前回の紙間平均電流I01との比率から、V03=V02×I01/I02により、V02を補正してV03を求める。そして、3枚目の記録材Pにおいて、V03に基づく転写バイアスVt3を印加する。
【0073】
つまり、3枚目以降では、n枚目の転写バイアスの印加電圧値を決定するためには、n−1枚目とn枚目との紙間で決定したV0(n−1)を印加したうえで転写ローラ抵抗検知値補正制御を行う。そして、その補正は、(n−1)枚目と(n−2)枚目の紙間平均電流値I0(n−1)を用いて行われる。
【0074】
上記の補正制御を施すことにより、各紙間における転写ローラ電流値は、前回転工程中の定電流制御時の設定電流値I0(n−1)付近から大きく外れることはないため、決定される補正係数は最小限に抑えられ、転写ローラ抵抗の電圧依存性が多少悪くても抵抗検知値の精密な補正が可能となる。
【0075】
その結果、図5に示すように、転写ローラ17に流れる転写電流は、プリント枚数を重ねても適正転写電流に安定していることから、転写時の電流値を最適値付近に保持できるため、従来の課題であった転写不良を防止できた。
【0076】
本実施例2の場合、転写ローラ抵抗値の電圧依存率が+1kV増に対し70%以上の範囲に入るもの、つまり30%以内の変動であれば精密補正が可能であった。
【0077】
実施例3
次に、本発明の実施例3について説明する。実施例1、2と異なるのは、紙間バイアスとして印加する定電圧は、現像剤(トナー)と同極性の電圧、つまり記録材Pの転写工程にて印加する電圧とは逆極性の所定定電圧値であることを特徴とし、その他の制御は実施例1にならう。
【0078】
従来例に記載のとおり、抵抗上昇ドリフト現象は、イオン導電ポリマーのコンデンサ成分に電荷が蓄積することに起因する。本実施例3では、紙間バイアスとして転写プリントバイアスとは逆極性のバイアスを印加することにより、蓄積された電荷が相殺され、抵抗上昇ドリフトを抑制する効果があることを利用した。
【0079】
しかしながら、短い紙間時間で逆バイアスを印加して連続プリントを行っても、電荷の蓄積を完全には相殺しきれず、転写ローラ抵抗検知値の補正なしでは、従来ほどではないが徐々に抵抗が上昇していく。
【0080】
本実施例3における転写ローラ抵抗検知値補正制御のフローチャートを図6に、このフローチャートに従って連続プリントした場合の転写ローラ電流の推移を図7に示す。
【0081】
まず実施例1と同様に、ステップS2のプリント前回転時において、ステップS3にてローラ抵抗検知用転写電流I0の定電流制御したときの定電流制御電圧平均値V0を求めたのち、1枚目の記録材Pが感光ドラム転写ローラとのニップ部に到達するまでの間、ステップS4にて転写ローラ17にはマイナス荷電状態のトナーと同極性のバイアスとして本実施例ではVC=−1kVを印加し、ステップS5でこの電圧が立ち上がった時点から複数回の転写ローラ電流値をサンプリングした平均値をICとしてCPUに格納する。
【0082】
尚、紙間バイアスとなる転写バイアスと逆極性の電圧ICは、トナーと同極性の電圧なら、この数値に限定されず、又、正極性のトナーを用いる画像形成装置においては、マイナス極性のバイアスとされることはいうまでもない。
【0083】
ステップS6の1枚目の転写時には上記転写ローラ抵抗検知制御により求められたV0に基づいた印加電圧値Vtの転写バイアスが定電圧印加され、感光ドラム1上のトナー像が記録材P上に転写される。
【0084】
次に、連続プリント時の紙間において、転写ローラ抵抗検知値補正制御を行う。紙間では、ステップS7にて紙間バイアスとして、転写バイアスの逆バイアスである所定定電圧VCを印加し、ステップS8にて、この電圧が立ち上がった時点から複数回の転写ローラ電流値のサンプリングを行う。サンプリング終了後、ステップS9にて、その平均値をIC’とし、CPUに格納していた逆バイアス電流値ICに対する比率の逆数C(=IC/IC’)をV0に反映させることによりローラ抵抗検知値補正電圧V0’(=V0×C)として次のステップS10にて記録材P’に印加する定電圧値Vt’をV0’に基づいて決定する。
【0085】
以後の連続プリント時においても同様に、紙間バイアスVC印加時の転写ローラ電流値IC’と1枚目先端手前でのバイアス電流値ICとの比率によりV0を補正して、補正値V0’に基づいて転写定電圧値Vt’を決定することにより、図7に示すように、抵抗上昇ドリフト現象自体を緩和させつつ、転写ローラ抵抗検知値の補正を行うことができた。
【0086】
又、本実施例のように、紙間にてトナーと同極性のバイアスを印加することによる副次的な効果として、通紙中に転写ローラに付着する汚れトナーを紙間中に感光ドラムを介して不図示のクリーニング容器内に排出するという転写ローラクリーニングを積極的に行える。又、紙先端余白部まで転写バイアスの逆バイアスを印加することにより、紙先端の感光ドラムに対する分離性が向上するため、ドラム分離不良によるジャム等の弊害を防止することが可能となる。
【0087】
実施例1〜3に説明したように、イオン導電性転写ローラを用いた画像形成装置において、連続画像形成を行う場合、1枚毎の紙間において、前回転時における抵抗値検知結果の補正制御を行うことによって、連続プリント中に転写ローラ抵抗が変動した場合においても、紙間時間を延長させることなく、転写ローラ抵抗検知値の補正をすることが可能となり、各記録材について最適な転写バイアスを印加することができるため、良好な画像品質を提供できる。
【0088】
尚、本発明においては、転写ローラ抵抗検知手段としてATVC制御を備える画像形成装置について述べたが、これに限らず、定電圧制御時の出力電流値からのフィードバックによる擬似的な定電流制御、いわゆるPTVC制御(Programable Transfer Voltage Control)等、転写ローラ抵抗値を見積もるための制御を備える画像形成装置であれば、上記に述べた同等の効果が得られる。
【0089】
以上に説明した画像形成装置の構成部品の寸法、材質、形状、及びその相対位置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0090】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、イオン導電系転写ローラを使用し、ATVC制御を行う画像形成装置において、前回転工程にて、転写部材の抵抗値検知を行い、抵抗値検知結果に基づいて、1枚目の記録材の挟持搬送中における転写バイアスの印加電圧値を決定し、及び、複数の記録材上に連続して画像形成を行う場合、1枚毎の記録材の画像形成間である記録材間に、転写部材に対して所定電圧値である記録材間定電圧を印加して、出力電流検知を複数回行い、検出電流平均値の、所定電流値に対する比率に応じて、転写部材の抵抗値検知結果を補正し、補正値に基づいて、2枚目以降の記録材の挟持搬送中における前記転写バイアスの印加電圧値を決定するので、紙間時間を延長させることなく、連続プリント時の転写電流値の最適化が可能となり、良好な画像を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の転写手段の関係部分を示す概略構成図である。
【図2】本発明に係る転写バイアス制御方法の実施例1を示すフローチャートである。
【図3】本発明に係る転写バイアス制御方法の実施例1による転写部材に流れる電流の変化を示すグラフである。
【図4】本発明に係る転写バイアス制御方法の実施例2を示すフローチャートである。
【図5】本発明に係る転写バイアス制御方法の実施例2による転写部材に流れる電流の変化を示すグラフである。
【図6】本発明に係る転写バイアス制御方法の実施例3を示すフローチャートである。
【図7】本発明に係る転写バイアス制御方法の実施例3による転写部材に流れる電流の変化を示すグラフである。
【図8】本発明に係る転写ローラと感光ドラムの一例を示す斜視図である。
【図9】転写部材の抵抗上昇ドリフトの様子を示す説明図である。
【図10】従来の転写バイアス制御による転写部材に流れる電流の変化の一例を示すグラフである。
【図11】従来の転写バイアス制御による転写部材に流れる電流の変化の他の例を示すグラフである。
【符号の説明】
1 感光ドラム(像担持体)
17 転写ローラ(転写部材)
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば複写機やLBP(レーザービームプリンタ)等とされる電子写真方式あるいは静電記録方式の画像形成装置に関し、特に、像担持体上の現像剤像(トナー像)を記録材(紙等)に静電的に転写可能な接触回転型の転写手段を備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、電子写真方式の複写機やLBP(レーザービームプリンタ)等の画像形成装置は、回転ドラム型を一般的とする像担持体としての電子写真感光体(以下「感光ドラム」と称す。)、及び、帯電、画像露光、現像の画像形成プロセス手段で目的の画像情報に対応した可転写画像としての現像剤像(トナー像)を形成し、このトナー像を転写手段で記録材側に転写し、更に記録材を定着手段に導入してトナー像を記録材面に永久固着像として熱定着させて画像形成物(コピー、プリント)として出力する。
【0003】
記録材に対するトナー像転写後、感光ドラムはその面上に残留した転写残トナーや紙粉等の残留付着汚染物が除去されクリーニングされて、繰り返し画像形成プロセスに提供される。
【0004】
感光ドラムから記録材へのトナー像の転写手段としては、記録材の搬送経路が簡便になると同時に安定的に搬送できる等の有利点があることから、感光ドラムに当接されて、電圧が印加され、感光ドラムとのニップ部である転写部において記録材を挟持搬送して感光ドラム側のトナー像を記録材側に静電的に転写させる接触回転型の転写部材、いわゆる転写ローラを用いた転写手段が近年多用されるようになった。
【0005】
転写ローラは、その抵抗値が、1×106〜1×1010(Ω)程度の値に調整されるが、近年提案されている転写ローラは、図8に示すように、導電性の芯金17bの外周面に弾性層17aを設け、この弾性層17aに導電性を付与させている。転写ローラ17はこの導電性を付与させる方法により、以下の2種類に大きく分けられる。即ち、
▲1▼電子導電性を有する転写ローラ
▲2▼イオン導電性を有する転写ローラ
である。
【0006】
▲1▼の転写ローラは、前記弾性層17aに導電性フィラーを分散させたものであり、例として、カーボンや金属酸化物等の導電性フィラーを分散させたEPDMローラやウレタンローラを挙げることができる。
【0007】
▲2▼の転写ローラは弾性層17aにイオン導電系の材料を含むもので、例として、NBRやウレタン等の材料自身に導電性を持たせたものや、界面活性剤を弾性層17aに分散させたものが挙げられる。
【0008】
▲1▼、▲2▼の転写ローラの物性的な違いとして、まず、ローラ厚み方向抵抗値の印加電圧依存性が大きく異なることが挙げられる。▲1▼の電子導電系の転写ローラは、印加する電圧が大きくなるほど基材内に分散された導電性フィラー同士の集中電界が生じやすいために抵抗値が小さくなる傾向があり、例えば1kV印加時の抵抗値に対して2kV印加時の抵抗値は20〜40%程度に小さく、更に3kV印加では2kV印加時抵抗値の30〜50%と、抵抗値の電圧依存性が非常に大きい。それに対して▲2▼のイオン導電系の転写ローラは、材料を構成するポリマー自身が導電性イオンを有しているために導電体としての均一性は高く、それゆえ電子導電系のような集中電界は生じにくいため、抵抗値の印加電圧依存率は70〜90%/(+1kV)程度と変化量が少なく、電子導電系のローラに比べて印加電圧に対する抵抗値安定性が高い。
【0009】
又、▲1▼の電子導電系ローラが、導電性フィラーの均一分散の困難さから、抵抗値の周方向分布や長手方向分布も大きく、更には外圧等による歪みや経時変化によっても大きな抵抗値変動が生じるのに対して、▲2▼のイオン導電系ローラは安定であり、製造上の品質バラツキも小さいことが知られている。
【0010】
尚、本明細書では、以下、上記抵抗値の周方向分布を、「周ムラ」と称す。ここでは、周ムラの定義として、周方向における最小抵抗値に対する最大抵抗値の比率で示す。又、長手方向分布は、以下、「長手ムラ」と称す。ここでの長手ムラの定義は、長手分割した各領域における平均抵抗値の最小値に対する最大値の比率で示される。
【0011】
ところで、転写ローラの抵抗値は雰囲気環境の温湿度や経時変化によって変動しやすいことが知られており、転写ローラの抵抗変動に起因する現像剤(トナー)の飛び散り、黒ポチ等の転写不良の発生を防止するために、転写ローラの抵抗値を測定し、その測定結果に基づいて転写ローラに印加する転写バイアスの印加電圧値を適正に制御する転写バイアス制御が採用されている。
【0012】
このような転写バイアス制御手段として、特開平2−123385号公報に開示されたATVC制御(Active Transfer Voltage Control)が多くの画像形成装置に採用されている。
【0013】
ATVC制御は、転写時転写ローラに印加する電圧を最適化する手段であり、上記転写不良の発生を防止するものである。通常、画像形成装置の前回転工程中に転写ローラから感光ドラムに所望の定電流を保持する電圧を印加することで転写ローラの抵抗を検知し、転写工程では転写バイアスとして前記保持電圧値に基づいた定電圧を転写ローラに印加することにより、様々な雰囲気環境に応じた適正な制御を行っている。
【0014】
尚、本明細書では、画像形成工程において、画像形成装置に外部からのプリント信号が送信されてから、1枚目の記録材の、現像剤像が転写される位置(転写部)に到来するまでの時間において、各画像形成手段が動作している時間帯を前回転と称す。
【0015】
上述のATVC制御等により、転写ローラ抵抗を正確に検知し、最適な転写バイアスの印加電圧値を決定するためには、転写ローラ1周分の抵抗値をモニターし、その平均値を得ると同時に、転写ローラ抵抗が電圧依存性を有するため、転写時に印加する電圧に近い値が発生するような定電流値の設定が必要とされている。そのために、ATVC制御等は画像形成プロセス上時間に余裕のある前回転工程中に行われるのが一般的である。
【0016】
ここで、▲1▼の電子導電性の転写ローラについて例を挙げると、周方向における最小抵抗値に対する最大抵抗値の比率で示された周ムラ1.5以下、又、長手分割した各領域における平均抵抗値の最小値に対する最大値の比率で示された長手ムラ2.0以下程度であり、測定上は良好な抵抗ムラを有する電子導電系の転写ローラにより、上述のATVC制御を用いて、ハーフトーン画像を出力したところ、転写電流過多による黒ポチ現象と、転写電流不足によるトナー飛び散り現象が同記録材内で発生した。
【0017】
これは、測定上は抵抗ムラが良好でも、ローラ表面の微小領域における抵抗ムラによって、転写バイアスの放電が発生し転写電流が集中して流れる領域と、逆に転写電流が流れない領域とが混在していたことに起因している。そして、印字速度が速いほどこの微小領域の抵抗ムラの画像影響が顕著になることが知られている。
【0018】
一方、▲2▼のイオン導電系の転写ローラは、電子導電系に比べて遥かに均一な電気伝導特性を有するため、微小領域における抵抗ムラもほとんどなく、上記転写電流の過不足領域の混在による不良画像が発生しないことが分かっている。
【0019】
従って、近年コンピュータの画像処理能力が向上するにつれ、ハーフトーン画像をプリントする需要も高まっており、イオン導電系転写ローラは今後のプリンタ市場における発展が期待されている。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記イオン導電系転写ローラは、電子導電系転写ローラに比べて安定した抵抗の電圧依存性、抵抗周ムラ特性等を有する反面、以下に述べる問題を抱えている。
【0021】
まず1つは、定電圧の継続印加における、ローラ基材内の電荷蓄積に起因する転写ローラ抵抗値上昇、いわゆる抵抗上昇ドリフトが生じ、これが定電圧転写バイアス制御上の問題となる場合が考えられる。
【0022】
抵抗上昇ドリフトは、108〜1010Ω程度のイオン導電性中抵抗部材において顕著な現象であり、このような中抵抗部材に数kVの定電圧を印加した場合、図9に示すように、転写ローラ17の弾性層17aを構成している、抵抗成分と共にコンデンサ成分を併せ持つイオン導電性ポリマーに徐々に電荷が蓄積されて電流が流れにくくなる、つまり定電圧印加経過時間とともに抵抗値が徐々に上昇していく現象である。
【0023】
定電圧転写制御方式を用いた画像形成装置においては、前回転工程中における所定時間でATVC制御を行った上で、記録材が転写部を通過中に印加するための適正な定電圧値を決定し、連続プリントの際には幾数枚目の記録材においても記録材転写中には最初に決定した定電圧値印加を繰り返すという制御が代表的である。
【0024】
しかし、上に述べた抵抗上昇ドリフトが顕著な場合は、連続プリント中において転写ローラ抵抗値が徐々に上昇するために連続転写枚数が重なっていくに連れて転写電流値が適正値から徐々に低下し、転写電流不足に起因するトナー飛び散りが記録材上に発現する場合がある。
【0025】
従来例である転写ローラ17はイオン導電系スポンジゴム(NBR基材)の弾性ゴム17aと芯金17bから構成される。転写ローラ17の抵抗値は、N/N環境(23.5℃、60%RH)測定で、2kV印加時で回転最初のローラ1周の平均抵抗値が3×108(Ω)であり、上記の方法で定義された抵抗周ムラは1.2である。そして、N/N環境における平均抵抗値の電圧依存率は、表1に示すように1〜4kVの電圧範囲において+1kV増に対し80〜95%の範囲に入る。
【0026】
【表1】
【0027】
この転写ローラ17を使用した画像形成装置で、従来の定電圧転写制御によって連続プリントした場合の、転写電流値の推移を図10に示す。このように、プリント枚数が増えるに従って、転写電流が下がり、適正値から離れていくことがわかる。
【0028】
次に、転写ローラ周辺の温度や湿度の影響によるローラ基材内のイオン導電性ポリマーの導電特性変化に起因する転写ローラ抵抗値変動、いわゆる抵抗値環境変動が定電圧転写制御上の問題となる場合が考えられる。
【0029】
イオン導電系転写ローラの導電性は、基材に含まれる導電性有機イオンの活性状態が反映されるため、雰囲気環境の温湿度により大きな変動を受けやすく、低温低湿である場合に導電性が低い、つまり抵抗値が高いことが一般的である。又、イオン導電系は電子導電系よりも抵抗値環境変動率が大きいことが知られている。
【0030】
例えば、先に述べた従来例のイオン導電系転写ローラを含んだ画像形成装置を、低温低湿環境(15℃/10%RH)にて電源を入れた直後、上記ATVC制御を利用した定電圧転写制御によりハーフトーン画像を連続プリントした場合は、画像形成装置全体が冷えている状態である前回転工程中に、転写ローラ抵抗検知を行うために、抵抗値検知結果としては高抵抗状態を検出する。それに伴って最適転写電流を流すための転写プリントバイアスとして高電圧印加を決定するが、上記抵抗値環境変動率が大きい場合、機内昇温等の影響によって転写ローラ抵抗が徐々に下降する。つまり抵抗下降ドリフトが生じるために、図11に示すように、連続転写枚数が重なっていくに連れて転写電流値が適正値から徐々に上昇し、転写電流過多に起因する黒ポチ等が記録材上に発現する場合がある。
【0031】
又、両面プリント、あるいは多重プリントを連続して行った場合、記録材が一度定着ユニットを通過したのち、熱を持った状態で再度転写部を通過するために、転写ローラが温められて、更に抵抗が低下し、上記の現象は顕著となる。
【0032】
又、上記のような抵抗上昇ドリフトと抵抗下降ドリフトが複合する状態も考えられる。この場合、連続プリント中における転写電流は、最適値に対して低い状態が続いたり高い状態が続いたりするため、連続プリントした際、トナー飛び散りが発現する記録材や、黒ポチが発現する記録材が出力される可能性があった。
【0033】
従来のATVC制御方式では、連続プリント中の記録材と記録材の画像形成の間隔である記録材間(以下、「紙間」と呼ぶ)を延長し、前回転工程中と同様の制御を行うことで、連続プリント中に転写ローラ抵抗が変化してもその都度で適正な定電圧値を印加でき、上記問題を解決することが可能であるが、連続プリント時のスループットの低下が著しく実用的でなかった。
【0034】
特に、最近では、記録材として薄紙から厚紙まで多様な種類の印字への要求も高まり、記録材の種類によっては、転写ローラの抵抗変化に敏感に反応するものもあるため、連続プリント中にも常に最適な転写バイアス制御を行う必要性が生じてきた。
【0035】
従って、本発明の目的は、転写手段として抵抗ムラを少なくしたイオン導電性の転写部材を使用しても、常に、安定した抵抗値制御を行い、紙間時間を長くすることなく、トナー飛び散り、黒ポチ等の画像不良を回避し、広い範囲で、環境の変化や画像形成速度、記録材の種類等の画像形成条件に適用できる画像形成装置を提供することである。
【0036】
【課題を解決するための手段】
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、像担持体に現像剤像を形成担持させ、該像担持体に当接した接触回転型の転写部材に転写バイアスを印加することによって、前記像担持体と前記転写部材との間の転写ニップ部にて挟持搬送させた記録材に前記現像剤像を静電的に転写する画像形成装置において、
前記転写部材はイオン導電性を有するローラ形状であり、画像形成工程における前回転工程にて、前記転写部材の抵抗値検知を行い、該抵抗値検知結果に基づいて、1枚目の記録材の挟持搬送中における前記転写バイアスの印加電圧値を決定し、
及び、複数の記録材上に連続して画像形成を行う場合、1枚毎の記録材の画像形成間である記録材間に、前記転写部材に対して所定電圧値である記録材間定電圧を印加して、出力電流検知を複数回行い、該検出電流平均値の、所定電流値に対する比率に応じて、前記転写部材の抵抗値検知結果を補正し、該補正値に基づいて、2枚目以降の記録材の挟持搬送中における前記転写バイアスの印加電圧値を決定することを特徴とする画像形成装置を提供する。
【0037】
本発明の一実施態様によると、前記転写部材の抵抗値検知は、前記前回転工程中の所定時間にて、前記転写部材に定電流を保持する定電圧を印加することにより検知し、更に、前記記録材間における前記転写部材に対する前記記録材間定電圧の前記所定電圧値は、前記前回転工程中の所定時間にて前記転写部材に印加した前記定電流を保持する電圧値に基づいた定電圧値であり、
前記記録材間の前記抵抗値検知結果を補正するための前記所定電流値は、前記前回転工程中の所定時間にて前記転写部材に印加した前記定電流の電流値である。
【0038】
本発明の他の実施態様によると、前記転写部材の抵抗値検知は、前記前回転工程中の所定時間にて、前記転写部材に定電流を保持する定電圧を印加することにより検知し、更に、1枚目と2枚目の前記記録材間における前記転写部材に対する前記記録材間定電圧の前記所定電圧値は、前記前回転工程中の所定時間にて前記転写部材に印加した前記定電流を保持する電圧値に基づいた定電圧値であり、1枚目と2枚目との記録材間の前記抵抗値検知結果を補正するための前記所定電流値は、前記前回転工程中の所定時間にて前記転写部材に印加した前記定電流の電流値であり、
3枚目以降の連続画像形成においては、n枚目と(n−1)枚目の前記記録材間における前記転写部材に対する前記記録材間定電圧の前記所定電圧値は、(n−1)枚目と(n−2)枚目の記録材間における前記転写部材の抵抗値検知結果の補正値に基づいた定電圧値であり、
n枚目と(n−1)枚目の前記記録材間の前記抵抗値検知結果を補正するための前記所定電流値は、(n−1)枚目と(n−2)枚目の記録材間における前記複数回の出力電流検知の前記検出電流平均値である。
【0039】
本発明の他の実施態様によると、前記転写部材の抵抗値検知は、前記前回転工程中の所定時間にて、前記転写部材に定電流を保持する定電圧を印加することにより検知し、更に、前記記録材間における前記転写部材に対する前記記録材間定電圧の前記所定電圧値は、前記現像剤像の帯電極性と同極性の所定定電圧値であり、
前記記録材間の前記抵抗値検知結果を補正するための前記所定電流値は、前記前回転工程中において、前記所定定電圧値である定電圧を前記転写部材に印加した時の電流値である。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
【0041】
実施例1
図1に実施例1における画像形成装置を示す。本実施例の画像形成装置は転写手段である転写ローラ17を有し、転写ローラ17はイオン導電系スポンジゴム(NBR基材)の弾性ゴム17aと芯金17bとで構成される。そして、抵抗値がN/N環境(23.5℃、60%RH)測定で、電源18からの2kV印加時で回転最初のローラ1周の平均抵抗値が3×108(Ω)であり、抵抗値の従来例と同様に定義される周ムラは1.2、N/N環境における平均抵抗値の電圧依存率は、従来例の説明にも使用した表1に示すものと同様に1〜4kVの電圧範囲において+1kV増に対し80〜95%の範囲に入るものを使用した。
【0042】
尚、本発明においては、転写部材は、イオン導電性のものを含めば、他の材料で構成してもよく、又、ATVC制御が有効とされるために、以下の(a)、(b)の条件を満たすものについて、特に、効果がある。
【0043】
(a)抵抗値の周ムラは、周分布における最小抵抗値Rminと最大抵抗値Rmaxとの関係は以下の数式を満たす。
Rmax/Rmin≦1.3
【0044】
(b)1〜4kVの電圧範囲内における任意のn[kV]印加時の平均抵抗値Rave[n]と、n+1[kV]印加時の平均抵抗値Rave[n+1]との関係は以下の数式を満たす。つまり、平均抵抗値の電圧依存率が70%以上の転写ローラであればよい。
Rave[n+1]/Rave[n]≧0.7
【0045】
又、転写ローラ電圧制御は、ATVC制御による抵抗検知を利用した転写定電圧印加制御手段を基本とする制御を用いた。以下に、片面印字の画像形成プロセスについて説明する。
【0046】
(1)片面印字の画像形成プロセス:図1は、本実施例に基づく画像形成装置の概略断面図であり、像担持体として、矢印方向に回転する感光ドラム1が用いられ、光導電層1aを有する周知のものである。
【0047】
尚、感光ドラム1に作用し、画像形成手段としての、帯電された感光ドラム1上を露光し静電潜像を形成するための潜像形成手段、該静電潜像を所定の現像剤にて可視画像化して現像剤像(トナー像)とする現像手段、及び該トナー像の転写後の残留トナーを除去するクリーニング手段は図示されていない。
【0048】
本実施例にては感光ドラム1上に形成したトナー像は、転写位置へは、マイナス荷電状態で到達するように構成している。
【0049】
上記感光ドラム1のトナー像に同期して搬送される記録材Pは、本画像形成装置下部のカセット又は給紙台2等の自動給紙機構の中底板3上に収積されており、中底板3はばね4により上方に押し上げられ、分離爪5により記録材Pの高さが一定に保たれている。上記記録材Pは、円周の一部を切欠いた給紙ローラ7が1回転することにより、上記カセット2から一枚ずつ送り出される。送り出された記録材Pは、ガイド板8、9に案内され、レジスト部13に至る。
【0050】
そして、トナー像の転写位置到達と同期してレジスト部13に設置されたレジストローラ13aが駆動され、記録材Pは感光ドラム1に至る。そして、記録材Pの非印字面に転写ローラ17にてトナー像と逆極性の転写電流が所定制御により加えられ、ドラム1上のトナー像を記録材P上に転写する。
【0051】
詳細な転写制御については次の(2)の項で述べる。転写後、記録材Pは感光ドラム1から分離され、定着手段19に搬送され、転写トナー像を定着して機外に搬出される。
【0052】
(2)転写バイアス制御:転写工程においては基本的にATVC制御を用いた定電圧印加転写制御を採用している。本実施例1における転写ローラ抵抗検知値補正制御のフローチャートを図2に、又、このフローチャートに従って連続プリントした場合の転写ローラ電流の推移を図3に示す。
【0053】
まず、ステップS1のプリント信号受信後、ステップS2の前回転時において、記録材Pが転写ニップ部に到達する以前の所定タイミングにて、ステップS3でローラ抵抗検知用転写電流I0の定電流制御したときの出力電圧値を、転写ローラ17の1周分についてサンプリングした平均値V0を、転写ローラ抵抗値の代用として検知し、それに基づいて転写バイアスの印加電圧値を決定する、いわゆる転写ローラ抵抗値検知による制御を行う。
【0054】
ステップS4で、1枚目の転写時、つまり最初の記録材Pが感光ドラム1と転写ローラ17とのニップ部に到達した時に、ステップS3の転写ローラ抵抗検出制御により求められたV0に基づいた印加電圧値Vtの転写バイアスが定電圧印加され、感光ドラム1上のトナー像が記録材P上に転写される。
【0055】
次に、連続画像形成(連続プリント)時の1枚毎の記録材の画像形成の時間間隔である記録材間(紙間)であるステップS5、S6、S7において、転写ローラ抵抗値検知補正制御を行う。
【0056】
紙間では、ステップS5で、記録材間定電圧(紙間バイアス)として、ステップS3で決定した定電圧値V0を印加し、ステップS6で、この電圧が立ち上がった時点から複数回の転写電流値のサンプリングを行う。本実施例ではローラ半周分で10点サンプリングをしているが、サンプリング数は紙間時間が延長されない範囲で2点以上、好ましくは5点以上検出できればよい。サンプリング終了後、その平均値をI0’とする。そして、ステップS7で、前回転時の定電流制御時の設定電流値I0に対する比率の逆数C(=I0/I0’)をV0に反映させることによりローラ抵抗検知値補正電圧V01(=V0×C)として次の記録材Pに印加する転写バイアスの定電圧値Vt’をV0’に基づいて決定する。
【0057】
以後のステップS9の連続プリント時においても同様に、紙間バイアスV0印加時の転写電流値と定電流制御時の設定電流値I0との比率によりV0を補正して、補正値V0’に基づいて転写定電圧値Vt’を決定することにより、図3に示すように、転写ローラ17に流れる転写電流は、プリント枚数を重ねても適正転写電流に安定していることから、転写時の電流値を最適値付近に保持できるため、従来の課題であった転写不良を防止できた。
【0058】
ここで、上述の制御で連続プリント時の転写ローラ抵抗検知値が補正できるのは、イオン導電系転写ローラ17の抵抗周ムラ安定性と、印加電圧に対する抵抗安定性に拠るところが大きく、紙間バイアスV0印加時の転写電流検出時間がローラ1周分より短くても平均電流値I0’の誤差は少なく、電流比率分を反比例補正することで精密な電圧V0の補正が可能となるからである。
【0059】
本実施例に述べた補正制御に関しては、抵抗周ムラ1.3以下、抵抗値の電圧依存率が+1kV増に対し70%以上好ましくは80%の範囲に入るもの、つまり20%以内の変動であれば精密補正が可能である。抵抗周ムラが大きい場合は上記転写電流検出時間を長くとらないと誤差が大きく、抵抗の電圧依存性が大きい場合は反比例補正のような簡単な補正は難しい。
【0060】
以上説明したように、イオン導電系転写ローラを使用し、ATVC制御を行う画像形成装置において、前回転工程中に定電流制御による転写ローラ抵抗検知を行い、連続プリント時、紙間バイアスV0印加時の転写ローラ電流検知を行い、その平均値と定電流制御時の設定電流値との比率により、定電流制御電圧V0の補正をしたうえで、補正値V0’に基づいた転写バイアスを印加することにより、連続プリント時の転写電流値の最適化が可能となり、良好な画像を提供できた。
【0061】
尚、本実施例においては片面連続プリント時の転写ローラ抵抗上昇ドリフトについて、本発明の説明をしたが、機内昇温や両面プリント時など、転写ローラ抵抗下降ドリフトが現れる場合においても同様な効果があることは言うまでもない。
【0062】
又、本実施例において、紙間バイアス値としてプリント前回転工程中の定電流制御電圧V0を印加した場合の補正を示したが、これに限らずV0に基づいた定電圧値、例えばV0/2を紙間中に印加しても同様の効果がある。ただしこの場合には、紙間中の検出電流平均値I0’とI0/2との比率を求めることによって、然るべきV0補正ができる。
【0063】
実施例2
次に本発明の実施例2について説明する。
【0064】
実施例1で述べた制御を備える画像形成装置において、転写ローラ抵抗上昇ドリフトあるいは下降ドリフトにより、初期抵抗値に対して大きく差が開いた場合、例えば連続プリント中の紙間バイアスV0印加時の検知電流平均値I0’が定電流制御時の設定電流値I0に対して半分にまで小さくなった場合、つまりI0/I0’=2であるとき、実施例1によると、補正値V0’=V0×I0/I0’=V0×2となり、V0の2倍が補正値V0’となり、V0が1kV以上であるときは、補正値V0’は2kV以上ということになる。
【0065】
このように、V0とV0’の差が1kVを超えるような場合、抵抗値の電圧依存性が影響して抵抗値補正の誤差が生じてくるため、記録材Pに対する最適転写電流値から外れてくる可能性がある。
【0066】
そこで、本実施例2における転写ローラ抵抗検知値補正制御のフローチャートを図4に、又、このフローチャートに従って連続プリントした場合の転写ローラ電流の推移を図5に示す。
【0067】
図4に示すように、実施例1と同様に、連続プリント時、記録材間(紙間)にて転写ローラ電流平均値を求めるが、このとき印加する定電圧値は、前回の紙間において補正された転写ローラ抵抗検知結果を反映した電圧値、つまり(n−1)枚目とn枚目との間の紙間であるなら、(n−2)枚目と(n−1)枚目との紙間で補正されて求められた電圧値V0(n−1)であるところが実施例1と異なる。
【0068】
こうした本実施例の転写バイアス制御について説明する。
【0069】
前回転から1枚目転写までの図4のステップS1〜S4までの工程については、実施例1の図2に示すステップS1〜S4までと同様であるが、ここでは、前回転時の転写ローラ抵抗値検知によって決定された定電圧をV01(実施例1ではV0)とした。
【0070】
そして、連続プリント時1枚目の転写工程終了後の紙間においても、ステップS5〜S10にて、実施例1と同様の工程を行う。即ち、ステップS5にて紙間バイアスとして前回転工程中に決定した定電流制御電圧V01を印加したうえで、ステップS6にて間時間が延長しない範囲で転写ローラ平均電流I01(実施例1のI0’と同値)を求め、ステップS7にて定電流制御時の設定電流値I0との比率によりV01を補正し、補正値V02(実施例1のV0’)を求める。そして、ステップS8にて2枚目の記録材PにはV02に基づいた転写電圧値Vt2を印加する。
【0071】
その後、ステップS9において連続転写枚数が3枚以上の場合は、(n−1)枚目とn枚目との紙間では、紙間バイアスとしてステップS11にて、(n−2)枚目と(n−1)枚目との紙間で補正されて求められた電圧値V0(n−1)を印加したうえで、ステップS12にて紙間平均電流I0nを求め、ステップS13にて前回の紙間平均電流I0(n−1)との比率から、V0n=V0(n−1)×I0(n−1)/I0nにより、V0(n−1)を補正してV0nを求める。そして、n枚目の記録材Pにおいて、ステップS14にてV0nに基づく転写バイアスVtnを印加する。
【0072】
例えば、2枚目と3枚目の紙間では、紙間バイアスとして、1枚目と2枚目との紙間で定められた2枚目の転写バイアスを決定するための電圧値V02を印加したうえで、紙間平均電流I02を求め、前回の紙間平均電流I01との比率から、V03=V02×I01/I02により、V02を補正してV03を求める。そして、3枚目の記録材Pにおいて、V03に基づく転写バイアスVt3を印加する。
【0073】
つまり、3枚目以降では、n枚目の転写バイアスの印加電圧値を決定するためには、n−1枚目とn枚目との紙間で決定したV0(n−1)を印加したうえで転写ローラ抵抗検知値補正制御を行う。そして、その補正は、(n−1)枚目と(n−2)枚目の紙間平均電流値I0(n−1)を用いて行われる。
【0074】
上記の補正制御を施すことにより、各紙間における転写ローラ電流値は、前回転工程中の定電流制御時の設定電流値I0(n−1)付近から大きく外れることはないため、決定される補正係数は最小限に抑えられ、転写ローラ抵抗の電圧依存性が多少悪くても抵抗検知値の精密な補正が可能となる。
【0075】
その結果、図5に示すように、転写ローラ17に流れる転写電流は、プリント枚数を重ねても適正転写電流に安定していることから、転写時の電流値を最適値付近に保持できるため、従来の課題であった転写不良を防止できた。
【0076】
本実施例2の場合、転写ローラ抵抗値の電圧依存率が+1kV増に対し70%以上の範囲に入るもの、つまり30%以内の変動であれば精密補正が可能であった。
【0077】
実施例3
次に、本発明の実施例3について説明する。実施例1、2と異なるのは、紙間バイアスとして印加する定電圧は、現像剤(トナー)と同極性の電圧、つまり記録材Pの転写工程にて印加する電圧とは逆極性の所定定電圧値であることを特徴とし、その他の制御は実施例1にならう。
【0078】
従来例に記載のとおり、抵抗上昇ドリフト現象は、イオン導電ポリマーのコンデンサ成分に電荷が蓄積することに起因する。本実施例3では、紙間バイアスとして転写プリントバイアスとは逆極性のバイアスを印加することにより、蓄積された電荷が相殺され、抵抗上昇ドリフトを抑制する効果があることを利用した。
【0079】
しかしながら、短い紙間時間で逆バイアスを印加して連続プリントを行っても、電荷の蓄積を完全には相殺しきれず、転写ローラ抵抗検知値の補正なしでは、従来ほどではないが徐々に抵抗が上昇していく。
【0080】
本実施例3における転写ローラ抵抗検知値補正制御のフローチャートを図6に、このフローチャートに従って連続プリントした場合の転写ローラ電流の推移を図7に示す。
【0081】
まず実施例1と同様に、ステップS2のプリント前回転時において、ステップS3にてローラ抵抗検知用転写電流I0の定電流制御したときの定電流制御電圧平均値V0を求めたのち、1枚目の記録材Pが感光ドラム転写ローラとのニップ部に到達するまでの間、ステップS4にて転写ローラ17にはマイナス荷電状態のトナーと同極性のバイアスとして本実施例ではVC=−1kVを印加し、ステップS5でこの電圧が立ち上がった時点から複数回の転写ローラ電流値をサンプリングした平均値をICとしてCPUに格納する。
【0082】
尚、紙間バイアスとなる転写バイアスと逆極性の電圧ICは、トナーと同極性の電圧なら、この数値に限定されず、又、正極性のトナーを用いる画像形成装置においては、マイナス極性のバイアスとされることはいうまでもない。
【0083】
ステップS6の1枚目の転写時には上記転写ローラ抵抗検知制御により求められたV0に基づいた印加電圧値Vtの転写バイアスが定電圧印加され、感光ドラム1上のトナー像が記録材P上に転写される。
【0084】
次に、連続プリント時の紙間において、転写ローラ抵抗検知値補正制御を行う。紙間では、ステップS7にて紙間バイアスとして、転写バイアスの逆バイアスである所定定電圧VCを印加し、ステップS8にて、この電圧が立ち上がった時点から複数回の転写ローラ電流値のサンプリングを行う。サンプリング終了後、ステップS9にて、その平均値をIC’とし、CPUに格納していた逆バイアス電流値ICに対する比率の逆数C(=IC/IC’)をV0に反映させることによりローラ抵抗検知値補正電圧V0’(=V0×C)として次のステップS10にて記録材P’に印加する定電圧値Vt’をV0’に基づいて決定する。
【0085】
以後の連続プリント時においても同様に、紙間バイアスVC印加時の転写ローラ電流値IC’と1枚目先端手前でのバイアス電流値ICとの比率によりV0を補正して、補正値V0’に基づいて転写定電圧値Vt’を決定することにより、図7に示すように、抵抗上昇ドリフト現象自体を緩和させつつ、転写ローラ抵抗検知値の補正を行うことができた。
【0086】
又、本実施例のように、紙間にてトナーと同極性のバイアスを印加することによる副次的な効果として、通紙中に転写ローラに付着する汚れトナーを紙間中に感光ドラムを介して不図示のクリーニング容器内に排出するという転写ローラクリーニングを積極的に行える。又、紙先端余白部まで転写バイアスの逆バイアスを印加することにより、紙先端の感光ドラムに対する分離性が向上するため、ドラム分離不良によるジャム等の弊害を防止することが可能となる。
【0087】
実施例1〜3に説明したように、イオン導電性転写ローラを用いた画像形成装置において、連続画像形成を行う場合、1枚毎の紙間において、前回転時における抵抗値検知結果の補正制御を行うことによって、連続プリント中に転写ローラ抵抗が変動した場合においても、紙間時間を延長させることなく、転写ローラ抵抗検知値の補正をすることが可能となり、各記録材について最適な転写バイアスを印加することができるため、良好な画像品質を提供できる。
【0088】
尚、本発明においては、転写ローラ抵抗検知手段としてATVC制御を備える画像形成装置について述べたが、これに限らず、定電圧制御時の出力電流値からのフィードバックによる擬似的な定電流制御、いわゆるPTVC制御(Programable Transfer Voltage Control)等、転写ローラ抵抗値を見積もるための制御を備える画像形成装置であれば、上記に述べた同等の効果が得られる。
【0089】
以上に説明した画像形成装置の構成部品の寸法、材質、形状、及びその相対位置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0090】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、イオン導電系転写ローラを使用し、ATVC制御を行う画像形成装置において、前回転工程にて、転写部材の抵抗値検知を行い、抵抗値検知結果に基づいて、1枚目の記録材の挟持搬送中における転写バイアスの印加電圧値を決定し、及び、複数の記録材上に連続して画像形成を行う場合、1枚毎の記録材の画像形成間である記録材間に、転写部材に対して所定電圧値である記録材間定電圧を印加して、出力電流検知を複数回行い、検出電流平均値の、所定電流値に対する比率に応じて、転写部材の抵抗値検知結果を補正し、補正値に基づいて、2枚目以降の記録材の挟持搬送中における前記転写バイアスの印加電圧値を決定するので、紙間時間を延長させることなく、連続プリント時の転写電流値の最適化が可能となり、良好な画像を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の転写手段の関係部分を示す概略構成図である。
【図2】本発明に係る転写バイアス制御方法の実施例1を示すフローチャートである。
【図3】本発明に係る転写バイアス制御方法の実施例1による転写部材に流れる電流の変化を示すグラフである。
【図4】本発明に係る転写バイアス制御方法の実施例2を示すフローチャートである。
【図5】本発明に係る転写バイアス制御方法の実施例2による転写部材に流れる電流の変化を示すグラフである。
【図6】本発明に係る転写バイアス制御方法の実施例3を示すフローチャートである。
【図7】本発明に係る転写バイアス制御方法の実施例3による転写部材に流れる電流の変化を示すグラフである。
【図8】本発明に係る転写ローラと感光ドラムの一例を示す斜視図である。
【図9】転写部材の抵抗上昇ドリフトの様子を示す説明図である。
【図10】従来の転写バイアス制御による転写部材に流れる電流の変化の一例を示すグラフである。
【図11】従来の転写バイアス制御による転写部材に流れる電流の変化の他の例を示すグラフである。
【符号の説明】
1 感光ドラム(像担持体)
17 転写ローラ(転写部材)
Claims (6)
- 像担持体に現像剤像を形成担持させ、該像担持体に当接した接触回転型の転写部材に転写バイアスを印加することによって、前記像担持体と前記転写部材との間の転写ニップ部にて挟持搬送させた記録材に前記現像剤像を静電的に転写する画像形成装置において、
前記転写部材はイオン導電性を有するローラ形状であり、画像形成工程における前回転工程にて、前記転写部材の抵抗値検知を行い、該抵抗値検知結果に基づいて、1枚目の記録材の挟持搬送中における前記転写バイアスの印加電圧値を決定し、
及び、複数の記録材上に連続して画像形成を行う場合、1枚毎の記録材の画像形成間である記録材間に、前記転写部材に対して所定電圧値である記録材間定電圧を印加して、出力電流検知を複数回行い、該検出電流平均値の、所定電流値に対する比率に応じて、前記転写部材の抵抗値検知結果を補正し、該補正値に基づいて、2枚目以降の記録材の挟持搬送中における前記転写バイアスの印加電圧値を決定することを特徴とする画像形成装置。 - 前記転写部材の抵抗値検知は、前記前回転工程中の所定時間にて、前記転写部材に定電流を保持する定電圧を印加することにより検知することを特徴とする請求項1の画像形成装置。
- 前記記録材間における前記転写部材に対する前記記録材間定電圧の前記所定電圧値は、前記前回転工程中の所定時間にて前記転写部材に印加した前記定電流を保持する電圧値に基づいた定電圧値であり、
前記記録材間の前記抵抗値検知結果を補正するための前記所定電流値は、前記前回転工程中の所定時間にて前記転写部材に印加した前記定電流の電流値であることを特徴とする請求項2の画像形成装置。 - 1枚目と2枚目の前記記録材間における前記転写部材に対する前記記録材間定電圧の前記所定電圧値は、前記前回転工程中の所定時間にて前記転写部材に印加した前記定電流を保持する電圧値に基づいた定電圧値であり、1枚目と2枚目との記録材間の前記抵抗値検知結果を補正するための前記所定電流値は、前記前回転工程中の所定時間にて前記転写部材に印加した前記定電流の電流値であり、
3枚目以降の連続画像形成においては、n枚目と(n−1)枚目の前記記録材間における前記転写部材に対する前記記録材間定電圧の前記所定電圧値は、(n−1)枚目と(n−2)枚目の記録材間における前記転写部材の抵抗値検知結果の補正値に基づいた定電圧値であり、
n枚目と(n−1)枚目の前記記録材間の前記抵抗値検知結果を補正するための前記所定電流値は、(n−1)枚目と(n−2)枚目の記録材間における前記複数回の出力電流検知の前記検出電流平均値であることを特徴とする請求項2の画像形成装置。 - 前記記録材間における前記転写部材に対する前記記録材間定電圧の前記所定電圧値は、前記現像剤像の帯電極性と同極性の所定定電圧値であり、
前記記録材間の前記抵抗値検知結果を補正するための前記所定電流値は、前記前回転工程中において、前記所定定電圧値である定電圧を前記転写部材に印加した時の電流値であることを特徴とする請求項2の画像形成装置。 - 前記転写部材の厚み方向抵抗値について、
周分布における最小抵抗値Rminと最大抵抗値Rmaxとの関係は以下の数式を満たし、
Rmax/Rmin≦1.3
且つ、1〜4kVの電圧範囲内における任意のn[kV]印加時の平均抵抗値Rave[n]と、n+1[kV]印加時の平均抵抗値Rave[n+1]との関係は以下の数式を満たす、
Rave[n+1]/Rave[n]≧0.7
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかの項に記載の画像形成装置。
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