JP2004045862A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】感光体の回転変動に応じた補正量を算出して、駆動モータのフィードフォワード制御を行うことができる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】コントローラ部16は、機構特性をもとにフィードバックループを形成し、外乱に対してゲイン制御を行う。一方、フィードフォワード制御部17は、電流指令値を格納するフィードフォワード用データ格納部18と、フィードフォワード用データ格納部18に格納された電流指令値に応じて補正量を出力するフィードフォワード制御回路19とを備えている。そして、フィードフォワード制御回路19は、フィードフォワード用データ格納部18に格納された電流指令値と、現在の回転位置情報とから補正値を生成する。駆動制御回路13は、生成された補正値をコントローラ部16から出力される駆動指令値に加算し、これを駆動モータ11へ出力する。
【選択図】 図9
【解決手段】コントローラ部16は、機構特性をもとにフィードバックループを形成し、外乱に対してゲイン制御を行う。一方、フィードフォワード制御部17は、電流指令値を格納するフィードフォワード用データ格納部18と、フィードフォワード用データ格納部18に格納された電流指令値に応じて補正量を出力するフィードフォワード制御回路19とを備えている。そして、フィードフォワード制御回路19は、フィードフォワード用データ格納部18に格納された電流指令値と、現在の回転位置情報とから補正値を生成する。駆動制御回路13は、生成された補正値をコントローラ部16から出力される駆動指令値に加算し、これを駆動モータ11へ出力する。
【選択図】 図9
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転する感光体の表面にレーザ光を走査して静電潜像パターンを形成する電子写真技術を用いた、デジタル複写機、ファクシミリ装置、レーザプリンタ、これらの機能を複合的に併せ持つデジタル複写機、およびレーザ走査装置を用いている印刷機などの画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、回転駆動する感光体の表面にレーザ光を走査して静電潜像パターンを形成する電子写真技術を用いた、デジタル複写機、ファクシミリ装置、レーザプリンタなどの画像形成装置が幅広く普及してきている。
このような画像形成装置においては、まず、レーザ光源から出力されたレーザ光をポリゴンミラーなどによって感光体の表面の長手方向に走査させ、形成する画像の1ライン相当のデータを感光体の表面に現像する。そして、感光体を一定速度で回転させながら、感光体の表面にライン状に順次現像を行い、画像を感光体の表面に形成する。
【0003】
しかし、実際にこのような画像形成処理を行う際には、画像形成装置の内部に備えられている種々の駆動部から発生する振動や、紙送り時の振動、また、感光体と転写ベルトの接触時の振動など数多くの要因から発生する振動の影響により感光体の回転速度に変動が生じてしまう。
このため、感光体の表面に現像される画像のライン間隔が一様にならなくなり、形成された画像の副走査方向(紙送り方向)に縞状に濃度ムラが現れてしまう。この現象はバンディングと呼ばれ、出力画像の品質低下を招く原因の一因となっている。
【0004】
従来、このバンディングを低減するための感光体の回転速度を一定に保つ方法が種々提案されている。
例えば、感光体の回転速度変動を抑制するために、感光体の軸上にフライホイールと呼ばれる慣性モーメントの大きな部材を付加することで回転運動の安定化をはかり、振動による回転速度ムラを抑える方法が知られている。この方法は、現状の多くの製品で使用されているが、十分な回転の安定化をはかるためには、フライホイールに数十Kgもの重量が必要となるため、装置全体の重量が増大してしまう。このため、感光体を取り外す際における安全性を確保することが困難となる。また、このような画像形成装置の小型化は物理的に実現することができない。
【0005】
特開平9−182488号公報では、フィードフォワード制御を用いて感光体の回転速度変動の低減を可能にする方法が提案されている。詳しくは、周期的な外乱に対して、あらかじめ回転体の速度変動からフィードフォワード用の制御データを生成し、この制御データをもとに外乱を取り除くように駆動装置を制御する方法である。
この他、感光体の回転速度および位置情報を検出し、この位置情報をもとに駆動装置を制御するフィードバック制御が、フライホイールを用いずに感光体の回転ムラを低減する方法として多くの画像形成装置に採用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、フィードバック制御を用いて外乱を十分に低減するためには、ハイゲイン設計が必要となる。しかし、機構の特性、剛性等の影響により、回転ムラ低減効果を十分に得るだけの高いゲインを保った制御設計を行うことは非常に難しい。
【0007】
本発明は、フィードバック制御と同時にフィードフォワード制御を行うことで、ゲインに対する制御設計に余裕を確保することができる画像形成装置を提供することを第1の目的とする。
そして、本発明は、回転ムラの位置情報を元に回転変動を求め、その回転変動に応じた補正量を算出するフィードフォワード制御を用いて回転駆動制御を行うことにより、回転ムラを減少させることができる画像形成装置を提供することを第2の目的とする。
【0008】
また、本発明は、カラー印刷時など複数のトナーを同一紙面上に転写形成する場合に発生する各色の位置ずれを考慮し、回転体の位置変動を補正することにより、各色の位置ずれを補正することができる画像形成装置を提供することを第3の目的とする。
さらに、本発明は、回転変動の周波数特性波形にピーク変動が現れる場合に、バンディングに大きな影響を与えてしまうことを考慮して、ピーク変動が生じる周波数成分の回転変動を抑制し、バンディングに対する影響を低減することができる画像形成装置を提供することを第4の目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明では、駆動信号に基づいて回転駆動する回転駆動装置の動力により回転する感光体を備えた画像形成装置において、前記感光体の回転位置を検出する位置検出手段と、前記位置検出手段により検出された回転位置に基づいて前記感光体の回転速度の変動量である回転変動量を算出する回転変動量算出手段と、前記回転変動量算出手段により算出された回転変動量に基づいて、前記感光体の回転変動量を減衰させるように補正する補正値を算出する補正値算出手段と、前記補正値算出手段により算出された補正値を前記駆動信号に付加する付加手段と、を備えることにより前記第1、第2および第3の目的を達成する。
【0010】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明において、前記感光体の回転変動量の周波数成分を算出する周波数成分算出手段と、前記周波数成分算出手段により算出された回転変動量の周波数成分から回転変動量が所定のしきい値より大きい値の周波数を検出する周波数検出手段と、を備え、前記補正値算出手段は、前記周波数検出手段により検出された周波数の帯域を通過させるバンドパスフィルタを用いて、前記周波数検出手段により検出された周波数に対応する前記感光体の変動量を補正する補正値を算出することにより前記第4の目的を達成する。
【0011】
請求項3記載の発明では、請求項2記載の発明において、前記周波数検出手段により複数の周波数が検出された場合、前記補正値算出手段は、前記周波数検出手段により検出された複数の周波数の帯域を通過させるバンドパスフィルタを複数用いて、前記周波数検出手段により検出された複数の周波数の各々に対応する前記感光体の変動量を補正する補正値を算出し、前記付加手段は、前記補正値算出手段により算出された補正値を合成したものを前記駆動信号に付加することにより前記第4の目的を達成する。
請求項4記載の発明では、請求項1、請求項2または請求項3記載の発明において、前記補正値算出手段は、前記感光体の回転動作開始時に補正値を算出することにより前記第1、第2および第3の目的を達成する。
【0012】
請求項5記載の発明では、請求項1、請求項2、請求項3または請求項4記載の発明において、現在の回転変動量と前記位置検出手段により検出された回転位置に基づいて算出された前回の回転変動量との差を検出する変動量差検出手段を備え、前記付加手段は、前記変動量差検出手段により現在の回転変動量と前回の回転変動量とに所定の値を超える差が検出された場合、前記補正値を前記駆動信号に付加することを中断することにより前記第1、第2および第3の目的を達成する。
請求項6記載の発明では、請求項5記載の発明において、前記付加手段は、前記変動量差検出手段により現在の回転変動量と前回の回転変動量とに所定の値を超える差が検出されない場合、再び前記付加手段により算出された補正値を前記駆動信号に付加することにより前記第1、第2および第3の目的を達成する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の画像形成装置における好適な実施の形態について、図1から図10を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示した断面図である。
図1に示すように、この画像形成装置は、感光体1、転写ベルト2、転写ベルト駆動ローラ3、ベルトプーリ4、感光体回転軸5、帯電器6、レーザ光源7、現像装置8およびクリーニングユニット9を備えている。
【0014】
画像形成装置は、潜像体である感光体1を中央に備え、この感光体1の周囲には、感光体1の表面を一様に帯電するスコロトロンなどによる帯電器6が配設されている。なお、感光体1は、感光体回転軸5を軸として回転駆動するようになっている。
さらに、感光体1の周囲には、感光体1に静電潜像を形成するレーザ光源7、感光体1の静電潜像を現像し感光体1にトナー像を形成させる現像装置8、感光体1に残ったトナーを除去するクリーニングユニット9が配設されている。
また、感光体1のトナー像を転写する転写ベルト2と感光体1とが接触面10で接触するようになっている。この転写ベルト2は、転写ベルト駆動ローラ3および滑車の役割をするベルトプーリ4によって支持されて回転するようになっている。
【0015】
次に、画像形成装置における画像出力動作について説明する。
はじめに、画像形成装置は、回転動作をしながら帯電器6を用いて感光体1の表面を帯電させる。この帯電器6は、スコロトロン帯電器を用いており、感光体1に対向するメッシュ状のグリッド電極にグリッド電圧を印加することにより、感光体1の表面の帯電電位を制御することができる。
次に、画像形成装置は、レーザ光源7から感光体1の表面にレーザ光を照射することにより静電潜像を形成し、この静電潜像に現像装置8を用いてトナーを付着させ、感光体1の表面にトナー像を形成する。
【0016】
画像形成装置は、このトナー像を接触面10を介して感光体1から転写ベルト2へ転写する。そして、トナー像の転写後、クリーニングユニット9を用いて感光体1の表面に残存したトナーを除去する。
次に、画像形成装置は、転写ベルト2に転写されたトナー像を出力用の紙媒体などに転写して画像出力を形成する。
なお、カラー画像出力を形成する場合には、各色(ブラック、イエロー、シアン、マゼンタ)のトナー像を順次形成し、転写ベルト2をカラー数の回数分回転させて転写ベルト2の表面でカラー画像を重ね合わせるようにする。
このようにして、画像形成装置において出力画像を形成することができる。
【0017】
次に、画像形成装置における感光体1の回転制御機構について説明する。
図2は、本実施の形態に係る画像形成装置における感光体1の回転制御機構の概略構成を示した図である。
図2に示すように、回転制御機構は、感光体1、感光体1を駆動させる駆動モータ11、感光体1の回転位置および速度を検出するエンコーダ12、エンコーダ12の検出結果に基づいて駆動モータ11を制御する駆動制御回路13、エンコーダ12の検出結果に基づいて感光体1の回転変動を検出する回転変動検出回路14、および回転変動検出回路14の出力データを処理するデータ処理回路15を備えている。
【0018】
ここで、回転変動検出回路14における感光体1の回転変動を検出する方法について図3を参照して説明する。
回転変動検出回路14は、エンコーダ12の出力であるパルス信号を受信し、これから、一定間隔のサンプリング周期におけるパルス信号をカウントし、このカウントデータを図示しない記憶部に格納する。なお、ここでは、回転変動検出回路14に備えられた図示しない発振器を用いてサンプリングタイミング信号を発生させ、このサンプリングタイミング信号の発振間隔をサンプリング周期とする。
【0019】
一定時間(例えば、100サンプリング周期など)パルス信号をカウントした後、回転変動検出回路14は、1サンプリング周期におけるパルス信号の平均値を算出する。図3に示す例では、各周期のパルス信号のカウント数、24、25、28、22・・・をもとに、1サンプリング周期におけるパルス信号の平均値:24を算出する。
さらに、回転変動検出回路14は、平均値を算出すると、この平均値と、各周期のパルス信号のカウント数を比較して、差分値を算出する。例では、各周期のパルス信号の差分値:0、1、3、−2・・・が算出される。
そして、回転変動検出回路14は、ここで算出した平均値および差分値を図示しない記憶部に格納する。
【0020】
次に、回転変動検出回路14は、記憶部に格納した差分値をデータ処理回路15へ出力する。
データ処理回路15は、この差分値にFFT(高速フーリエ変換)処理を施し、回転変動の周波数ごとの変動値データを生成する。
図4に、生成した回転変動の周波数ごとの変動値データのグラフを示す。図4のグラフは、縦軸に感光体1の回転変動量、横軸に周波数を示している。このグラフから、波形のピークを示している周波数において、感光体1の回転変動量が大きくなっていることが判断できる。
【0021】
また、回転変動検出回路14は、エンコーダ12の回転開始位置、またはエンコーダ12にマーキングされたホームポジションを基準として、前述した各周期のパルス信号のカウント数の累積値を算出し、この累積値を図示しない記憶部に格納する。
そして、回転変動検出回路14は、記憶部に格納した累積値を平均値および差分値と同様にデータ処理回路15へ出力する。
データ処理回路15は、この累積値および差分値をもとに位置変動データの補完処理を行う。詳しくは、図5に示すような、縦軸に差分値、横軸に累積値を示すグラフに、回転変動検出回路14におけるサンプリング結果をプロットする。
【0022】
次に、データ処理回路15は、このプロットしたデータ間をスプライン曲線や直線などを用いて補完処理を施す。この補完処理により得られた補完値から、サンプリング周期において検出されたなったパルス信号のカウント数、つまりエンコーダ12の全ての位置における回転変動量を求めることができ、エンコーダ12の位置に対する回転変動情報を生成することができる。
上述したエンコーダ12の位置変動補完処理をデータ処理回路15は、感光体1の回転数分繰り返す。 図6は、この位置変動補完処理の結果得られたエンコーダ12の位置変動データのグラフを示した図である。図6のグラフは、縦軸にエンコーダ12の回転変動量、横軸にエンコーダ12の位置を示している。このグラフから、全ての位置におけるエンコーダ12の変動量のデータが存在していることが判断できる。
【0023】
データ処理回路15は、図6に示すような位置変動データ結果にローパスフィルタを用いて高周波成分を除去する処理を施し、図7に示すような位置変動データを得る。この高周波成分除去処理は、フィードフォワード制御による回転ムラ低減効果は低周波側での効果が大きくなり、高周波帯になるほど位相のずれ合わせが難しくなってしまうことを根拠に行われる。
さらに、データ処理回路15は、この位置変動データ結果をもとに、複数回転時の位置データの積算処理を施し、エンコーダ12の回転位置(回転角度)に対するエンコーダ12の回転変動量を算出する。
【0024】
図8に、エンコーダ12の回転変動量の算出結果のグラフを示す。図8のグラフは、縦軸にエンコーダ12の回転変動量、横軸にエンコーダ12の回転位置を示している。このグラフから、エンコーダ12の回転変動量の回転位置に対する周期性の有無を確認することができる。周期性を有する場合には、波形にピークが現れ、一方、周期性がない場合には、波形は平均化されピークは現れない。
データ処理回路15は、上述したエンコーダ12の回転変動量の算出結果をもとに、エンコーダ12の回転変動量が算出結果と逆位相になるデータを回転位置ごとに生成する。そして、このデータを駆動モータ11に与える電流指令値に変換し、この電流指令値を駆動制御回路13に出力する。
【0025】
図9は、駆動制御回路13の概略構成を示した図である。
図9に示すように、駆動制御回路13は、感光体1の回転位置情報をもとにフィードバック制御を行うコントローラ部16と、その制御出力である駆動指令値にフィードフォワード分の制御値を与えるフィードフォワード制御部17とにより構成される。
コントローラ部16は、機構特性をもとにフィードバックループを形成し、外乱に対してゲイン制御を行う。
一方、フィードフォワード制御部17は、データ処理回路15から出力された電流指令値を格納するフィードフォワード用データ格納部18と、フィードフォワード用データ格納部18に格納された電流指令値に応じて補正量を出力するフィードフォワード制御回路19とを備えている。ここでは、エンコーダ12の回転位置情報に相当する電流指令値を周期的な外乱の計測値として用いる。
【0026】
フィードフォワード制御回路19は、フィードフォワード用データ格納部18に格納された電流指令値と、現在の回転位置情報とから補正値を生成する。この補正値の生成は、画像形成装置の始動時に行うようにする。
そして、駆動制御回路13は、生成された補正値をコントローラ部16から出力される駆動指令値に加算し、これを駆動モータ11へ出力する。
このように、フィードバック制御と並行して回転位置変動データをもとにフィードフォワード制御を行うことにより、回転ムラを低減する回転駆動制御を行うことができ、バンディングを抑制した画像を形成することができる。
【0027】
本実施の形態では、上述したようなフィードフォワード制御を行う際に、回転変動測定時の回転変動データと現在の回転変動データとの比較を行い、現在の回転変動データが回転変動測定時の回転変動データより大きくなった場合(例えば、回転変動率が10%を超えた時など)、フィードフォワード制御による制御動作を中断し、フィードバック制御のみで駆動モータ11の駆動制御を行う。
また、フィードバック制御動作の中断後も、フィードフォワード制御回路19における補正値の生成処理を継続し、回転変動に周期性が確認できた場合に、フィードフォワード制御による動作を再開する。
【0028】
また、本実施の形態では、データ処理回路15において、位置変動データ結果にローパスフィルタを用いて高周波成分を除去する処理を施しているが、この位置変動データ結果から、回転変動のピークが大きい周波数を検出し、検出した周波数を含む帯域が通過可能であるバンドパスフィルタを用いて特定の周波数における回転変動データを求めるようにしてもよい。
ピーク周波数の検出は、図10に示すように、特定のしきい値(例えば、しきい値:10など)を設定し、このしきい値を基準にして行う。なお、このしきい値は任意の値に設定可能とする。
また、ピーク周波数を抽出する際に、しきい値を超えた周波数が複数検出された場合には、バンドパスフィルタを複数用いるようにする。または、フィルタの設定を変更し繰り返し行うようにする。このようにして、複数の周波数での回転ムラを位置変動データから作成し、その合成したデータをもとに、フィードフォワード制御回路19において補正値を生成するようにしてもよい。
【0029】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、感光体の回転変動量から補正値を算出することにより、複雑な制御設計を用いずに、かつ、効果的にバンディングに起因する感光体の回転変動を抑制することができる。
請求項2記載の発明によれば、所定の回転変動量を有する周波数を検出することにより、回転ムラへの影響が大きい回転変動に対して適切に補正を行うことができ、他の周波数帯への影響を最小限にし、かつ、効率的に回転変動の低減をはかることができる。
請求項3記載の発明によれば、複数のバンドパスフィルタを用いることにより、ピークを複数含むような回転変動量においても、適切な補正値を算出することができる。
請求項4記載の発明によれば、感光体の回転動作開始時に補正値を算出することにより、速やかに算出した補正値を駆動信号に反映することができる。
請求項5および請求項6記載の発明によれば、現在の回転変動量と前回の回転変動量とに所定の値を超える差が検出された場合、補正値を駆動信号に付加することを中断することにより、適切な駆動制御信号を発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示した断面図である。
【図2】本実施の形態に係る画像形成装置における感光体の回転制御機構の概略構成を示した図である。
【図3】回転変動検出回路における感光体の回転変動を検出する方法を説明するための図である。
【図4】回転変動の周波数ごとの変動値データのグラフを示した図である。
【図5】位置変動データの補完処理を説明するための図である。
【図6】エンコーダの位置変動データのグラフを示した図である。
【図7】高周波成分除去処理後の位置変動データのグラフを示した図である。
【図8】エンコーダの回転変動量の算出結果のグラフを示した図である。
【図9】本実施の形態に係る画像形成装置における駆動制御回路の概略構成を示した図である。
【図10】回転変動の周波数ごとの変動値データのグラフを示した図である。
【符号の説明】
1 感光体
2 転写ベルト
3 転写ベルト駆動ローラ
4 ベルトプーリ
5 感光体回転軸
6 帯電器
7 レーザ光源
8 現像装置
9 クリーニングユニット
10 接触面
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転する感光体の表面にレーザ光を走査して静電潜像パターンを形成する電子写真技術を用いた、デジタル複写機、ファクシミリ装置、レーザプリンタ、これらの機能を複合的に併せ持つデジタル複写機、およびレーザ走査装置を用いている印刷機などの画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、回転駆動する感光体の表面にレーザ光を走査して静電潜像パターンを形成する電子写真技術を用いた、デジタル複写機、ファクシミリ装置、レーザプリンタなどの画像形成装置が幅広く普及してきている。
このような画像形成装置においては、まず、レーザ光源から出力されたレーザ光をポリゴンミラーなどによって感光体の表面の長手方向に走査させ、形成する画像の1ライン相当のデータを感光体の表面に現像する。そして、感光体を一定速度で回転させながら、感光体の表面にライン状に順次現像を行い、画像を感光体の表面に形成する。
【0003】
しかし、実際にこのような画像形成処理を行う際には、画像形成装置の内部に備えられている種々の駆動部から発生する振動や、紙送り時の振動、また、感光体と転写ベルトの接触時の振動など数多くの要因から発生する振動の影響により感光体の回転速度に変動が生じてしまう。
このため、感光体の表面に現像される画像のライン間隔が一様にならなくなり、形成された画像の副走査方向(紙送り方向)に縞状に濃度ムラが現れてしまう。この現象はバンディングと呼ばれ、出力画像の品質低下を招く原因の一因となっている。
【0004】
従来、このバンディングを低減するための感光体の回転速度を一定に保つ方法が種々提案されている。
例えば、感光体の回転速度変動を抑制するために、感光体の軸上にフライホイールと呼ばれる慣性モーメントの大きな部材を付加することで回転運動の安定化をはかり、振動による回転速度ムラを抑える方法が知られている。この方法は、現状の多くの製品で使用されているが、十分な回転の安定化をはかるためには、フライホイールに数十Kgもの重量が必要となるため、装置全体の重量が増大してしまう。このため、感光体を取り外す際における安全性を確保することが困難となる。また、このような画像形成装置の小型化は物理的に実現することができない。
【0005】
特開平9−182488号公報では、フィードフォワード制御を用いて感光体の回転速度変動の低減を可能にする方法が提案されている。詳しくは、周期的な外乱に対して、あらかじめ回転体の速度変動からフィードフォワード用の制御データを生成し、この制御データをもとに外乱を取り除くように駆動装置を制御する方法である。
この他、感光体の回転速度および位置情報を検出し、この位置情報をもとに駆動装置を制御するフィードバック制御が、フライホイールを用いずに感光体の回転ムラを低減する方法として多くの画像形成装置に採用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、フィードバック制御を用いて外乱を十分に低減するためには、ハイゲイン設計が必要となる。しかし、機構の特性、剛性等の影響により、回転ムラ低減効果を十分に得るだけの高いゲインを保った制御設計を行うことは非常に難しい。
【0007】
本発明は、フィードバック制御と同時にフィードフォワード制御を行うことで、ゲインに対する制御設計に余裕を確保することができる画像形成装置を提供することを第1の目的とする。
そして、本発明は、回転ムラの位置情報を元に回転変動を求め、その回転変動に応じた補正量を算出するフィードフォワード制御を用いて回転駆動制御を行うことにより、回転ムラを減少させることができる画像形成装置を提供することを第2の目的とする。
【0008】
また、本発明は、カラー印刷時など複数のトナーを同一紙面上に転写形成する場合に発生する各色の位置ずれを考慮し、回転体の位置変動を補正することにより、各色の位置ずれを補正することができる画像形成装置を提供することを第3の目的とする。
さらに、本発明は、回転変動の周波数特性波形にピーク変動が現れる場合に、バンディングに大きな影響を与えてしまうことを考慮して、ピーク変動が生じる周波数成分の回転変動を抑制し、バンディングに対する影響を低減することができる画像形成装置を提供することを第4の目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明では、駆動信号に基づいて回転駆動する回転駆動装置の動力により回転する感光体を備えた画像形成装置において、前記感光体の回転位置を検出する位置検出手段と、前記位置検出手段により検出された回転位置に基づいて前記感光体の回転速度の変動量である回転変動量を算出する回転変動量算出手段と、前記回転変動量算出手段により算出された回転変動量に基づいて、前記感光体の回転変動量を減衰させるように補正する補正値を算出する補正値算出手段と、前記補正値算出手段により算出された補正値を前記駆動信号に付加する付加手段と、を備えることにより前記第1、第2および第3の目的を達成する。
【0010】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明において、前記感光体の回転変動量の周波数成分を算出する周波数成分算出手段と、前記周波数成分算出手段により算出された回転変動量の周波数成分から回転変動量が所定のしきい値より大きい値の周波数を検出する周波数検出手段と、を備え、前記補正値算出手段は、前記周波数検出手段により検出された周波数の帯域を通過させるバンドパスフィルタを用いて、前記周波数検出手段により検出された周波数に対応する前記感光体の変動量を補正する補正値を算出することにより前記第4の目的を達成する。
【0011】
請求項3記載の発明では、請求項2記載の発明において、前記周波数検出手段により複数の周波数が検出された場合、前記補正値算出手段は、前記周波数検出手段により検出された複数の周波数の帯域を通過させるバンドパスフィルタを複数用いて、前記周波数検出手段により検出された複数の周波数の各々に対応する前記感光体の変動量を補正する補正値を算出し、前記付加手段は、前記補正値算出手段により算出された補正値を合成したものを前記駆動信号に付加することにより前記第4の目的を達成する。
請求項4記載の発明では、請求項1、請求項2または請求項3記載の発明において、前記補正値算出手段は、前記感光体の回転動作開始時に補正値を算出することにより前記第1、第2および第3の目的を達成する。
【0012】
請求項5記載の発明では、請求項1、請求項2、請求項3または請求項4記載の発明において、現在の回転変動量と前記位置検出手段により検出された回転位置に基づいて算出された前回の回転変動量との差を検出する変動量差検出手段を備え、前記付加手段は、前記変動量差検出手段により現在の回転変動量と前回の回転変動量とに所定の値を超える差が検出された場合、前記補正値を前記駆動信号に付加することを中断することにより前記第1、第2および第3の目的を達成する。
請求項6記載の発明では、請求項5記載の発明において、前記付加手段は、前記変動量差検出手段により現在の回転変動量と前回の回転変動量とに所定の値を超える差が検出されない場合、再び前記付加手段により算出された補正値を前記駆動信号に付加することにより前記第1、第2および第3の目的を達成する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の画像形成装置における好適な実施の形態について、図1から図10を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示した断面図である。
図1に示すように、この画像形成装置は、感光体1、転写ベルト2、転写ベルト駆動ローラ3、ベルトプーリ4、感光体回転軸5、帯電器6、レーザ光源7、現像装置8およびクリーニングユニット9を備えている。
【0014】
画像形成装置は、潜像体である感光体1を中央に備え、この感光体1の周囲には、感光体1の表面を一様に帯電するスコロトロンなどによる帯電器6が配設されている。なお、感光体1は、感光体回転軸5を軸として回転駆動するようになっている。
さらに、感光体1の周囲には、感光体1に静電潜像を形成するレーザ光源7、感光体1の静電潜像を現像し感光体1にトナー像を形成させる現像装置8、感光体1に残ったトナーを除去するクリーニングユニット9が配設されている。
また、感光体1のトナー像を転写する転写ベルト2と感光体1とが接触面10で接触するようになっている。この転写ベルト2は、転写ベルト駆動ローラ3および滑車の役割をするベルトプーリ4によって支持されて回転するようになっている。
【0015】
次に、画像形成装置における画像出力動作について説明する。
はじめに、画像形成装置は、回転動作をしながら帯電器6を用いて感光体1の表面を帯電させる。この帯電器6は、スコロトロン帯電器を用いており、感光体1に対向するメッシュ状のグリッド電極にグリッド電圧を印加することにより、感光体1の表面の帯電電位を制御することができる。
次に、画像形成装置は、レーザ光源7から感光体1の表面にレーザ光を照射することにより静電潜像を形成し、この静電潜像に現像装置8を用いてトナーを付着させ、感光体1の表面にトナー像を形成する。
【0016】
画像形成装置は、このトナー像を接触面10を介して感光体1から転写ベルト2へ転写する。そして、トナー像の転写後、クリーニングユニット9を用いて感光体1の表面に残存したトナーを除去する。
次に、画像形成装置は、転写ベルト2に転写されたトナー像を出力用の紙媒体などに転写して画像出力を形成する。
なお、カラー画像出力を形成する場合には、各色(ブラック、イエロー、シアン、マゼンタ)のトナー像を順次形成し、転写ベルト2をカラー数の回数分回転させて転写ベルト2の表面でカラー画像を重ね合わせるようにする。
このようにして、画像形成装置において出力画像を形成することができる。
【0017】
次に、画像形成装置における感光体1の回転制御機構について説明する。
図2は、本実施の形態に係る画像形成装置における感光体1の回転制御機構の概略構成を示した図である。
図2に示すように、回転制御機構は、感光体1、感光体1を駆動させる駆動モータ11、感光体1の回転位置および速度を検出するエンコーダ12、エンコーダ12の検出結果に基づいて駆動モータ11を制御する駆動制御回路13、エンコーダ12の検出結果に基づいて感光体1の回転変動を検出する回転変動検出回路14、および回転変動検出回路14の出力データを処理するデータ処理回路15を備えている。
【0018】
ここで、回転変動検出回路14における感光体1の回転変動を検出する方法について図3を参照して説明する。
回転変動検出回路14は、エンコーダ12の出力であるパルス信号を受信し、これから、一定間隔のサンプリング周期におけるパルス信号をカウントし、このカウントデータを図示しない記憶部に格納する。なお、ここでは、回転変動検出回路14に備えられた図示しない発振器を用いてサンプリングタイミング信号を発生させ、このサンプリングタイミング信号の発振間隔をサンプリング周期とする。
【0019】
一定時間(例えば、100サンプリング周期など)パルス信号をカウントした後、回転変動検出回路14は、1サンプリング周期におけるパルス信号の平均値を算出する。図3に示す例では、各周期のパルス信号のカウント数、24、25、28、22・・・をもとに、1サンプリング周期におけるパルス信号の平均値:24を算出する。
さらに、回転変動検出回路14は、平均値を算出すると、この平均値と、各周期のパルス信号のカウント数を比較して、差分値を算出する。例では、各周期のパルス信号の差分値:0、1、3、−2・・・が算出される。
そして、回転変動検出回路14は、ここで算出した平均値および差分値を図示しない記憶部に格納する。
【0020】
次に、回転変動検出回路14は、記憶部に格納した差分値をデータ処理回路15へ出力する。
データ処理回路15は、この差分値にFFT(高速フーリエ変換)処理を施し、回転変動の周波数ごとの変動値データを生成する。
図4に、生成した回転変動の周波数ごとの変動値データのグラフを示す。図4のグラフは、縦軸に感光体1の回転変動量、横軸に周波数を示している。このグラフから、波形のピークを示している周波数において、感光体1の回転変動量が大きくなっていることが判断できる。
【0021】
また、回転変動検出回路14は、エンコーダ12の回転開始位置、またはエンコーダ12にマーキングされたホームポジションを基準として、前述した各周期のパルス信号のカウント数の累積値を算出し、この累積値を図示しない記憶部に格納する。
そして、回転変動検出回路14は、記憶部に格納した累積値を平均値および差分値と同様にデータ処理回路15へ出力する。
データ処理回路15は、この累積値および差分値をもとに位置変動データの補完処理を行う。詳しくは、図5に示すような、縦軸に差分値、横軸に累積値を示すグラフに、回転変動検出回路14におけるサンプリング結果をプロットする。
【0022】
次に、データ処理回路15は、このプロットしたデータ間をスプライン曲線や直線などを用いて補完処理を施す。この補完処理により得られた補完値から、サンプリング周期において検出されたなったパルス信号のカウント数、つまりエンコーダ12の全ての位置における回転変動量を求めることができ、エンコーダ12の位置に対する回転変動情報を生成することができる。
上述したエンコーダ12の位置変動補完処理をデータ処理回路15は、感光体1の回転数分繰り返す。 図6は、この位置変動補完処理の結果得られたエンコーダ12の位置変動データのグラフを示した図である。図6のグラフは、縦軸にエンコーダ12の回転変動量、横軸にエンコーダ12の位置を示している。このグラフから、全ての位置におけるエンコーダ12の変動量のデータが存在していることが判断できる。
【0023】
データ処理回路15は、図6に示すような位置変動データ結果にローパスフィルタを用いて高周波成分を除去する処理を施し、図7に示すような位置変動データを得る。この高周波成分除去処理は、フィードフォワード制御による回転ムラ低減効果は低周波側での効果が大きくなり、高周波帯になるほど位相のずれ合わせが難しくなってしまうことを根拠に行われる。
さらに、データ処理回路15は、この位置変動データ結果をもとに、複数回転時の位置データの積算処理を施し、エンコーダ12の回転位置(回転角度)に対するエンコーダ12の回転変動量を算出する。
【0024】
図8に、エンコーダ12の回転変動量の算出結果のグラフを示す。図8のグラフは、縦軸にエンコーダ12の回転変動量、横軸にエンコーダ12の回転位置を示している。このグラフから、エンコーダ12の回転変動量の回転位置に対する周期性の有無を確認することができる。周期性を有する場合には、波形にピークが現れ、一方、周期性がない場合には、波形は平均化されピークは現れない。
データ処理回路15は、上述したエンコーダ12の回転変動量の算出結果をもとに、エンコーダ12の回転変動量が算出結果と逆位相になるデータを回転位置ごとに生成する。そして、このデータを駆動モータ11に与える電流指令値に変換し、この電流指令値を駆動制御回路13に出力する。
【0025】
図9は、駆動制御回路13の概略構成を示した図である。
図9に示すように、駆動制御回路13は、感光体1の回転位置情報をもとにフィードバック制御を行うコントローラ部16と、その制御出力である駆動指令値にフィードフォワード分の制御値を与えるフィードフォワード制御部17とにより構成される。
コントローラ部16は、機構特性をもとにフィードバックループを形成し、外乱に対してゲイン制御を行う。
一方、フィードフォワード制御部17は、データ処理回路15から出力された電流指令値を格納するフィードフォワード用データ格納部18と、フィードフォワード用データ格納部18に格納された電流指令値に応じて補正量を出力するフィードフォワード制御回路19とを備えている。ここでは、エンコーダ12の回転位置情報に相当する電流指令値を周期的な外乱の計測値として用いる。
【0026】
フィードフォワード制御回路19は、フィードフォワード用データ格納部18に格納された電流指令値と、現在の回転位置情報とから補正値を生成する。この補正値の生成は、画像形成装置の始動時に行うようにする。
そして、駆動制御回路13は、生成された補正値をコントローラ部16から出力される駆動指令値に加算し、これを駆動モータ11へ出力する。
このように、フィードバック制御と並行して回転位置変動データをもとにフィードフォワード制御を行うことにより、回転ムラを低減する回転駆動制御を行うことができ、バンディングを抑制した画像を形成することができる。
【0027】
本実施の形態では、上述したようなフィードフォワード制御を行う際に、回転変動測定時の回転変動データと現在の回転変動データとの比較を行い、現在の回転変動データが回転変動測定時の回転変動データより大きくなった場合(例えば、回転変動率が10%を超えた時など)、フィードフォワード制御による制御動作を中断し、フィードバック制御のみで駆動モータ11の駆動制御を行う。
また、フィードバック制御動作の中断後も、フィードフォワード制御回路19における補正値の生成処理を継続し、回転変動に周期性が確認できた場合に、フィードフォワード制御による動作を再開する。
【0028】
また、本実施の形態では、データ処理回路15において、位置変動データ結果にローパスフィルタを用いて高周波成分を除去する処理を施しているが、この位置変動データ結果から、回転変動のピークが大きい周波数を検出し、検出した周波数を含む帯域が通過可能であるバンドパスフィルタを用いて特定の周波数における回転変動データを求めるようにしてもよい。
ピーク周波数の検出は、図10に示すように、特定のしきい値(例えば、しきい値:10など)を設定し、このしきい値を基準にして行う。なお、このしきい値は任意の値に設定可能とする。
また、ピーク周波数を抽出する際に、しきい値を超えた周波数が複数検出された場合には、バンドパスフィルタを複数用いるようにする。または、フィルタの設定を変更し繰り返し行うようにする。このようにして、複数の周波数での回転ムラを位置変動データから作成し、その合成したデータをもとに、フィードフォワード制御回路19において補正値を生成するようにしてもよい。
【0029】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、感光体の回転変動量から補正値を算出することにより、複雑な制御設計を用いずに、かつ、効果的にバンディングに起因する感光体の回転変動を抑制することができる。
請求項2記載の発明によれば、所定の回転変動量を有する周波数を検出することにより、回転ムラへの影響が大きい回転変動に対して適切に補正を行うことができ、他の周波数帯への影響を最小限にし、かつ、効率的に回転変動の低減をはかることができる。
請求項3記載の発明によれば、複数のバンドパスフィルタを用いることにより、ピークを複数含むような回転変動量においても、適切な補正値を算出することができる。
請求項4記載の発明によれば、感光体の回転動作開始時に補正値を算出することにより、速やかに算出した補正値を駆動信号に反映することができる。
請求項5および請求項6記載の発明によれば、現在の回転変動量と前回の回転変動量とに所定の値を超える差が検出された場合、補正値を駆動信号に付加することを中断することにより、適切な駆動制御信号を発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示した断面図である。
【図2】本実施の形態に係る画像形成装置における感光体の回転制御機構の概略構成を示した図である。
【図3】回転変動検出回路における感光体の回転変動を検出する方法を説明するための図である。
【図4】回転変動の周波数ごとの変動値データのグラフを示した図である。
【図5】位置変動データの補完処理を説明するための図である。
【図6】エンコーダの位置変動データのグラフを示した図である。
【図7】高周波成分除去処理後の位置変動データのグラフを示した図である。
【図8】エンコーダの回転変動量の算出結果のグラフを示した図である。
【図9】本実施の形態に係る画像形成装置における駆動制御回路の概略構成を示した図である。
【図10】回転変動の周波数ごとの変動値データのグラフを示した図である。
【符号の説明】
1 感光体
2 転写ベルト
3 転写ベルト駆動ローラ
4 ベルトプーリ
5 感光体回転軸
6 帯電器
7 レーザ光源
8 現像装置
9 クリーニングユニット
10 接触面
Claims (6)
- 駆動信号に基づいて回転駆動する回転駆動装置の動力により回転する感光体を備えた画像形成装置において、
前記感光体の回転位置を検出する位置検出手段と、
前記位置検出手段により検出された回転位置に基づいて前記感光体の回転速度の変動量である回転変動量を算出する回転変動量算出手段と、
前記回転変動量算出手段により算出された回転変動量に基づいて、前記感光体の回転変動量を減衰させるように補正する補正値を算出する補正値算出手段と、
前記補正値算出手段により算出された補正値を前記駆動信号に付加する付加手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 前記感光体の回転変動量の周波数成分を算出する周波数成分算出手段と、
前記周波数成分算出手段により算出された回転変動量の周波数成分から回転変動量が所定のしきい値より大きい値の周波数を検出する周波数検出手段と、を備え、
前記補正値算出手段は、前記周波数検出手段により検出された周波数の帯域を通過させるバンドパスフィルタを用いて、前記周波数検出手段により検出された周波数に対応する前記感光体の変動量を補正する補正値を算出することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。 - 前記周波数検出手段により複数の周波数が検出された場合、
前記補正値算出手段は、前記周波数検出手段により検出された複数の周波数の帯域を通過させるバンドパスフィルタを複数用いて、前記周波数検出手段により検出された複数の周波数の各々に対応する前記感光体の変動量を補正する補正値を算出し、
前記付加手段は、前記補正値算出手段により算出された補正値を合成したものを前記駆動信号に付加することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。 - 前記補正値算出手段は、前記感光体の回転動作開始時に補正値を算出することを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の画像形成装置。
- 現在の回転変動量と前記位置検出手段により検出された回転位置に基づいて算出された前回の回転変動量との差を検出する変動量差検出手段を備え、
前記付加手段は、前記変動量差検出手段により現在の回転変動量と前回の回転変動量とに所定の値を超える差が検出された場合、前記補正値を前記駆動信号に付加することを中断することを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3または請求項4記載の画像形成装置。 - 前記付加手段は、前記変動量差検出手段により現在の回転変動量と前回の回転変動量とに所定の値を超える差が検出されない場合、再び前記付加手段により算出された補正値を前記駆動信号に付加することを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
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-
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