JP2004045585A - 画像処理装置のカバー開閉機構及び画像処理装置 - Google Patents

画像処理装置のカバー開閉機構及び画像処理装置 Download PDF

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宮川 尚吾
Kazunari Nishimoto
西本 一成
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Abstract

【課題】広範な回動範囲でカバー部材の緩衝効果を制御することができ、且つカバー部材に無用な負荷を与えない画像処理装置のカバー開閉機構を提供する。
【解決手段】画像処理装置のカバー部材を回動可能に開閉するカバー開閉機構において、画像処理を行うための装置本体18と、装置本体18に対して回動して該装置本体を開閉可能なカバー部材19と、カバー部材19の開閉に押圧負荷を付与するダンパー手段21とを有し、ダンパー手段21はカバー部材19が開閉する途中では該カバー部材19に押圧負荷を付与し、カバー部材19が開いた状態及び閉じた状態では該カバー部材19に押圧負荷を付与しないよう構成したことを特徴とする。
【選択図】  図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプリンタやファクシミリ、或いはスキャナ等の画像を記録、読み取り等の処理を行う画像処理装置のカバー部材開閉機構及びこれを備えた画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像処理装置にあっては、図7に示すように、装置本体100に対して開閉可能なカバー部材101を設けているものが多い。例えば、プリンタ等にあっては内部でシートがジャム(紙詰まり)した場合やプロセスカートリッジを着脱する場合にカバー部材101を開いて所定の処理を行う。
【0003】
このようなカバー部材101はジャム処理等を行うためには開いた状態で停止している必要があり、また閉じる際には急激に閉じられる衝撃が大きいために、ダンパー機構を持たせている。
【0004】
例えば、図7に示すように、カバー部材101の回動中心に捩りコイルバネ102を取り付け、カバー部材101を開いたときは捩りコイルバネ102の弾性力によってカバー部材101が開いた状態を維持し、閉じる場合には前記バネ102の付勢に抗して閉じることにより、急激に閉じられないようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記捩りコイルバネ102によるダンパー機構は構造簡単であるが、緩衝効果のあるストロークが限定されてしまう。また、捩りコイルバネ102の付勢力はカバー部材101を閉じるときに作用するため、カバー部材101の閉鎖時にはバネ102による負荷が常時かかってしまうという課題がある。
【0006】
これを解消するためにオイルダンパーを用いることも考えられるが、オイルダンパーは高価であり、コストアップとなってしまう課題がある。
【0007】
本発明は上記課題を解決するものであり、その目的は、広範な回動範囲でカバー部材の緩衝効果を制御することができ、且つカバー部材に無用な負荷を与えない画像処理装置のカバー開閉機構及びこれを備えた画像処理装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る代表的な構成は、画像処理装置のカバー部材を回動可能に開閉するカバー開閉機構において、画像処理を行うための装置本体と、前記装置本体に対して回動して該装置本体を開閉可能なカバー部材と、前記カバー部材の開閉に押圧負荷を付与するダンパー手段と、を有し、前記ダンパー手段は、前記カバー部材が開閉する途中では該カバー部材に押圧負荷を付与し、前記カバー部材が開いた状態及び閉じた状態では該カバー部材に押圧負荷を付与しないよう構成したことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕
次に本発明の一実施形態に係る画像処理装置について、図面を参照して具体的に説明する。尚、ここでは画像処理装置の一例としてプリンタを例示する。
【0010】
{装置全体構成}
図1は本実施形態に係るプリンタの断面説明図である。まず、プリンタの全体構成について概略説明する。
【0011】
本実施形態に係るプリンタは電子写真方式によって画像を形成するものであり、搬送手段によってシートSを画像形成手段へ搬送してトナー像を転写し、そのシートSを定着手段へ搬送してトナー定着した後、排出部へと排出するものである。
【0012】
具体的には、装置下部にシートSを積載収納するシートカセット1が装填されており、画像形成に際してはシートSが給送ローラ2で給送されるとともに、分離ローラ対3によって1枚ずつに分離給送され、更に搬送ローラ対4及びレジストローラ対5で画像形成手段へと搬送される。
【0013】
本実施形態の画像形成手段(画像処理手段)は電子写真感光体である感光体ドラム6や現像器(図示せず)等を一体的にカートリッジ化したプロセスカートリッジ7が装置本体に着脱可能に装填されている。そして、前記シート搬送と同期して感光体ドラム6にレーザスキャナ8から画信号に応じた露光を行うことで感光体ドラム6に静電潜像を形成し、該潜像を現像器によってトナー現像して可視像化する。そのトナー像を搬送されるシートSを挟んで転写ローラ9へ転写バイアス印加することでシートSに転写して画像形成する。
【0014】
上記のようにしてトナー像が転写されたシートSは搬送ベルト10によって搬送ガイド11でガイドされつつ定着手段12へと搬送される。定着手段12は内部にヒータ(図示せず)を内蔵した定着ローラ12aと、該定着ローラ12aにシートSを押圧して駆動回転する加圧ローラ12bとで構成され、両ローラ12a,12b間をシートが通過する際に加熱、加圧することでトナー像をシートSに永久定着する。
【0015】
上記トナー定着されたシートSは搬送ローラ13a,13b及び排出ローラ対14によって装置上部の排出部15へ排出される。
【0016】
また、本実施形態のプリンタはオプションによって両面搬送ユニット16が装着可能である。シートSの両面に記録を行う場合には、前記定着手段12を通過して表面側に画像記録されたシートを排出ローラ対14及び搬送ローラ13b,13cを逆転駆動してスイッチバックすることで両面搬送ユニット16へ搬送し、これを再度画像形成部へ搬送してシート裏面側に記録を行った後に排出部15へ排出する。
【0017】
尚、図1において、17は搬送ローラ等の各部材の駆動制御するための電装基板を有する電装ユニットである。
【0018】
{カバー開閉機構}
前記プロセスカートリッジ7の着脱、或いはシートのジャム処理のために、装置本体18に対してカバー部材19が開閉可能になっており、この開閉はダンパー手段によって緩衝効果が得られるようになっている。
【0019】
次にダンパー手段を有するカバー開閉機構について、図2乃至図4を参照して説明する。尚、図2はカバー部材を開いた状態におけるダンパー構成の説明図であり、図3はカバー部材の閉じる途中におけるダンパー構成の説明図、図4はカバー部材を閉じた状態におけるダンパー構成の説明図である。また、それぞれの図の(a)はダンパー手段の側面模式説明図であり、(b)はダンパー手段の斜視説明図、(c)はダンパー手段の平面説明図である。
【0020】
カバー部材19は、図2(a)に示すように、装置本体18に対して回動軸20を中心に回動することで開口部21を開閉可能であり、このカバー部材19の回動元部にダンパー手段21が設けられている。
【0021】
ダンパー手段21はカバー部材19の開閉に押圧負荷を付与するものである。そのために、カバー部材19のアーム部19aに円弧状であって一定の厚さを有するブレーキ板部材22が一体的に形成されている。また、装置本体18には前記ブレーキ板部材22を挟む位置に固定部材23と、回転体としての押圧コロ24とが設けられている。そして、前記押圧コロ24はバネ25によってブレーキ板部材22を固定部材23に所定の力で押圧可能となっている。
【0022】
前記ブレーキ板部材22はカバー部材19が回動したときに固定部材23と押圧コロ24の圧接部(以下「負荷付与部」という)を通過するように、カバー部材19の回動軸20を中心とする円弧形状に形成されている。
【0023】
そして、前記カバー部材19を開くときのブレーキ板部材22の先端側端部(以下「先端部」という)には先細となるテーパ部22aが形成され、他方側端部(以下「後端部」という)には面取り部(本実施形態ではC面取り部)22bが形成されている。
【0024】
また、前記ブレーキ板部材22は所定長さであって、カバー部材を閉じた状態及び開いた状態では前記負荷付与部にかからないようになっている。具体的には、カバー部材19を開いた状態ではブレーキ板部材後端部が前記負荷付与部よりもカバー部材開き側に位置し(図2参照)、カバー部材19を閉じた状態ではブレーキ板部材先端部が前記負荷付与部よりもカバー部材閉じ側に位置する(図4参照)。
【0025】
ここでカバー部材の開閉と上記ダンパー手段21の作用について説明する。まず、図2に示すカバー部材19を開いた状態では、ブレーキ板部材22の後端が固定部材23と押圧コロ24の圧接部に所定圧で当接し、且つブレーキ板部材22は所定の厚さを有しているためにカバー部材19の自重のみでは前記圧接部に入り込むことはない。このため、カバー部材19は開いた状態に維持され、この状態でジャム処理やプロセスカートリッジの交換等を行うことができる。
【0026】
また、カバー部材19を開いた状態では前述のようにブレーキ板部材22は負荷付与部にかかっていないため、これによって負荷を受けない。
【0027】
次にジャム処理等が終了し、ユーザがカバー部材19を閉じる方向へ押し下げると、ブレーキ板部材22が固定部材23と押圧コロ24の間に入り込む。このとき、面取り部22bが形成してあるために大きな力を必要としない。そのままカバー部材19を閉じていくと、図3に示すように、ブレーキ板部材22は押圧コロ24によって押圧負荷を受け、且つ固定部材23から摺動負荷を受ける。この負荷により、カバー部材19を閉じる場合に緩衝効果が得られる。
【0028】
前記緩衝効果はブレーキ板部材22の厚さ、押圧コロ24を付勢するバネ25の強さ、或いは固定部材23の材質(摩擦係数)等により最適な値に設定することができる。
【0029】
前記のようにしてカバー部材19が閉じられると、図4に示すように、ブレーキ板部材22は負荷付与部から外れるために押圧コロ24による負荷は受けない。従って、閉じた状態が長期間続いてもカバー部材19に負荷はかからず、変形等の不都合は生じない。
【0030】
一方、カバー部材19を開くときは、ブレーキ板部材22の先端部にテーパ部22aが形成されているためにブレーキ板部材22はスムーズに固定部材23と押圧コロ24の間に入り込み、そのまま開くことができる。
【0031】
尚、前記ダンパー手段21による緩衝効果はブレーキ板部材22の長さを適宜設計することにより、広範な回動範囲でも簡単に得ることができる。
【0032】
〔他の実施形態〕
次に他の実施形態について説明する。尚、ここでは前述した実施形態と異なる部分のみを説明し、同一機能を有する部材については同一符号を付す。
【0033】
まず、ダンパー手段21の他例について説明すると、前述した実施形態ではブレーキ板部材22は先端部から後端部まで均一の厚さを有する部材を用いた例を示したが、図5に示すように、ブレーキ板部材22の厚さを先端部が厚く後端部へ向かうに従って徐々に薄くなるように構成してもよい。このように構成すると、カバー部材19を閉じるときに負荷付与部で与えられる負荷が徐々に大きくなり、カバー部材19の閉鎖時に重量感を付与することができる。
【0034】
また、図6(a)に示すように、ブレーキ板部材22の所定箇所に押圧コロ24が入り込むことが可能な孔部(或いは凹部)26を設けてもよい。このようにすると、カバー部材19の開閉途中で押圧コロ24(或いは固定部材23に形成した突起)が孔部(或いは凹部)26に入り込むことでカバー部材19を一旦停止させることが可能となる。
【0035】
また、前述した実施形態ではブレーキ板部材22を固定部材23と押圧コロ24で挟持押圧することで押圧負荷と摺動負荷を付与するようにしたが、図6(b)に示すように、2個の押圧コロ24によってブレーキ板部材22を挟持押圧するようにしてもよい。この場合、ブレーキ板部材22に付与される負荷は摺動負荷がなくなり押圧負荷のみとなる。一般に摺動負荷は摺動する部材の材質(摩擦係数)に依存するため、ブレーキ板部材22又は固定部材23の材質が限定されることがあるが、前記のように押圧負荷のみで緩衝効果を与えるようにすれば押圧力(バネ25の強さ)を設定するだけで緩衝負荷を規定することができ、ブレーキ板部材22の材質の自由度が増すようになる。
【0036】
また、ダンパー手段によって負荷を受けながら開閉するカバー部材は、装置のカバーや扉に限定する必要はなく、回動して開閉する部材であれば装置内部の部材であっても適用可能である。
【0037】
また、前述した実施形態では画像処理装置としてプリンタを例示したが、ファクシミリや複写機等の他の画像形成装置、更には画像形成装置のみならず、搬送手段によって原稿を搬送し、画像処理手段として原稿を読み取る画像読取手段を有するスキャナ等の画像読取装置であっても、前記カバー開閉機構は好適に用いることができる。
【0038】
【発明の効果】
本発明は前述したダンパー手段を有するカバー開閉機構により、広範な回動範囲でカバー部材の緩衝効果を制御することができ、且つカバー部材に無用な負荷を与えないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るプリンタの断面説明図である。
【図2】カバー部材を開いた状態におけるダンパー構成の説明図である。
【図3】カバー部材の閉じる途中におけるダンパー構成の説明図である。
【図4】カバー部材を閉じた状態におけるダンパー構成の説明図である。
【図5】ブレーキ板部材の厚さが変化する実施形態の説明図である。
【図6】(a)は孔部を有するブレーキ板部材の説明図、(b)はブレーキ板部材をコロ対で押圧する実施形態の説明図である。
【図7】
従来技術に係るカバー部材開閉機構の説明図である。
【符号の説明】
S    …シート
1    …シートカセット
2    …給送ローラ
3    …分離ローラ対
4    …搬送ローラ対
5    …レジストローラ対
6    …感光体ドラム
7    …プロセスカートリッジ
8    …レーザスキャナ
9    …転写ローラ
10    …搬送ベルト
11    …搬送ガイド
12    …定着手段
12a  …定着ローラ
12b  …加圧ローラ
13a,13b,13c …搬送ローラ
14    …排出ローラ対
15    …排出部
16    …両面搬送ユニット
17    …電装ユニット
18    …装置本体
19    …カバー部材
19a  …アーム部
20    …回動軸
21    …ダンパー手段
22    …ブレーキ板部材
22a  …テーパ部
22b  …面取り部
23    …固定部材
24    …押圧コロ
25    …バネ
26    …孔部

Claims (9)

  1. 画像処理装置のカバー部材を回動可能に開閉するカバー開閉機構において、
    画像処理を行うための装置本体と、
    前記装置本体に対して回動して該装置本体を開閉可能なカバー部材と、
    前記カバー部材の開閉に負荷を付与するダンパー手段と、
    を有し、
    前記ダンパー手段は、前記カバー部材が開閉する途中では該カバー部材に負荷を付与し、前記カバー部材が開いた状態及び閉じた状態では該カバー部材に負荷を付与しないよう構成したことを特徴とする画像処理装置のカバー開閉機構。
  2. 前記ダンパー手段は、前記カバー部材と一体的に回動するブレーキ板部材を押圧手段によって少なくとも片側から押圧することで負荷を付与するよう構成したことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置のカバー開閉機構。
  3. 前記押圧手段は前記ブレーキ板部材の少なくとも一方面側を回転体によって押圧することを特徴とする請求項2記載の画像処理装置のカバー開閉機構。
  4. 前記カバー部材を開く場合における前記ブレーキ板部材の回動先端部にテーパ部を設けたことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の画像処理装置のカバー開閉機構。
  5. 前記カバー部材を閉じる場合における前記ブレーキ板部材の回動先端部に面取り部を設けたことを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の画像処理装置のカバー開閉機構。
  6. 前記ダンパー手段は前記カバー部材を開いたときに該カバー部材の自重では閉じない負荷を付与することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の画像処理装置のカバー開閉機構。
  7. 前記ブレーキ板部材の厚さを一方側から他方側へ徐々に厚くなるように構成し、前記カバー部材を閉じるときに前記負荷が徐々に大きくなるように構成したことを特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれか1項に記載の画像処理装置のカバー開閉機構。
  8. 前記ブレーキ板部材に孔部または凹部を設け、該孔部または凹部に前記押圧手段が嵌入することにより前記カバー部材を停止可能に構成したことを特徴とする請求項2乃至請求項7のいずれか1項に記載の画像処理装置のカバー開閉機構。
  9. 装置本体に対して回動可能なカバー部材を有する画像処理装置において、
    画像処理を行うための画像処理手段と、
    前記画像処理手段を有する装置本体と、
    前記装置本体に対して回動して該装置本体を開閉可能なカバー部材と、
    を有し、
    前記カバー部材を回動可能に開閉するカバー開閉機構として、請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の画像処理装置のカバー開閉機構を備えたことを特徴とする画像処理装置。
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