JP2004045108A - 特性検査方法及び真空引き装置 - Google Patents

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【課題】特性検査時間を短縮する特性検査方法及び真空引き装置を提供する。
【解決手段】真空引き工程73は、完成したコントロールバルブ2の特性検査を行う際の前工程であり、特性検査工程74は、コントロールバルブ2の特性を検査する工程である。真空引き工程73の前工程で、コントロールバルブ2を真空引き装置3の容器部12内のオイル11中に配する。そして、容器部12の出入口を扉で閉鎖して内部空間13を密閉状態にし、真空ポンプ53を間欠作動して容器部12の内部空間13に負圧を断続的に供給する。その後、特性検査工程74で、コントロールバルブ2の特性を検査する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばオートマチックトランスミッションで油圧を制御するのコントロールバルブの特性検査方法及びこれに用いられる真空引き装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、オートマチックトランスミッションのクラッチは、油圧で制御されており、この油圧を制御する際には、コントロールバルブが用いられている。このコントロールバルブの組立工程では、機能を確認する為の特性検査が行われている。
【0003】
すなわち、コントロールバルブを組み立てる際には、図3に示すように、スプール組立工程101において、成形されたスプールをオートマチックトランスミッションのブロックに組み付け、総組立工程102で、そのブロックに電磁弁などの他の部品を組み付けてコントロールバルブを完成させる。そして、特性検査工程103にて、当該コントロールバルブの特性を検査する。
【0004】
この特性検査を行う際には、その前工程としてコントロールバルブを容器部内のオイル中に配置して慣らし運転を行う。このとき、前記コントロールバルブの入力ポートから供給されたオイルが当該コントロールバルブ全体に行き渡るまでの時間を、慣らし運転モード時間として設定し、慣らし運転を行っていた。
【0005】
これにより、コントロールバルブ内のエアーを排出し、エアー混入時に生じ得る測定値のバラツキを防止していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような特性検査方法にあっては、コントロールバルブ内のエアーを抜くまでに、多大な時間を必要としていた。
【0007】
これにより、特性検査時間が長くなるという問題があった。
【0008】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、特性検査時間を短縮することができる特性検査方法及び真空引き装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明の請求項1記載の特性検査方法にあっては、油圧制御用のコントロールバルブの特性を検査する特性検査方法において、容器部内のオイル中にコントロールバルブを配置する配置工程と、前記容器部を密閉して該容器部の内部空間に負圧を断続的に供給する真空引き工程と、を検査工程の前工程で行う。
【0010】
すなわち、コントロールバルブの特性を検査する際には、検査対象となるコントロールバルブを、配置工程にて容器部内のオイル中にセットする。そして、真空引き工程において、前記容器部を密閉して負圧を断続的に供給する。すると、コントロールバルブ内からエアーが排出されるため、オイル中のコントロールバルブを慣らし運転して内部のエアーを排出する従来と比較して、排出時間の短縮化が図られる。そして、検査工程において、前記コントロールバルブの特性が検査される。
【0011】
また、請求項2の特性検査方法においては、前記容器部内のオイルの温度を、前記検査工程での特性試験温度と同一の温度に設定した。
【0012】
すなわち、コントロールバルブが配置されるオイルの温度は、検査工程での特性試験温度と同一の温度に設定されており、当該検査工程での特性検査への移行が速やかに行われる。
【0013】
そして、本発明の真空引き装置にあっては、油圧制御用のコントロールバルブをオイル中に配置して特性検査する際に用いられる真空引き装置において、前記オイル及び前記コントロールバルブを収容した状態で密閉される容器部と、該容器部の内部空間に負圧を断続的に供給する負圧供給手段と、を備えている。
【0014】
すなわち、この真空引き装置を利用してコントロールバルブの特性を検査する際には、容器部内のオイル中にコントロールバルブを配置し、この容器部を密閉する。そして、負圧供給手段によって、この容器部内に負圧を断続的に供給する。すると、コントロールバルブ内からエアーが排出されるため、オイル中のコントロールバルブを慣らし運転して内部のエアーを排出する従来と比較して、エアーの排出時間の短縮化が図られる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図に従って説明する。図1は、本実施の形態にかかる特性検査方法が採用されたコントロールバルブ組立工程1を示す図である。前記特性検査は、オートマチックトランスミッションで油圧を制御するコントロールバルブ2の特性を検査して機能を確認するものであり、この特性検査では、真空引き装置3が用いられている。
【0016】
該真空引き装置3は、前記コントロールバルブ2をオイル11中に配置して特性検査を行う装置であり、前記オイル11と前記コントロールバルブ2を収容可能な大きさに形成された容器部12を備えている。該容器部12は、前記コントロールバルブ2を出し入れする為の出入口を開閉する図外の扉を備えており、この扉で出入口を閉鎖した際には、内部空間13を密閉状態に維持できるように構成されている。
【0017】
前記容器部12には、内部に貯留されたオイル11を循環させる循環経路21が接続されており、該循環経路21は、内部のオイル11を流出する流出路22と、該流出路22からのオイル11を貯留する保温タンク23と、該保温タンク23内のオイル11を前記容器部12へ流入させる流入路24とによって構成されている。
【0018】
前記保温タンク23は、貯留されたオイル11を設定温に保持するように構成されており、図外の加熱装置や冷却装置を備えている。前記設定温は、本実施の形態において50℃に設定されており、前記コントロールバルブ2の特性を検査する際の特性試験温度と同一の温度に設定されている。
【0019】
前記流出路22には、ポンプ31が設けられており、該ポンプ31によって前記容器部12内のオイル11を、前記保温タンク23との間で環流できるように構成されている。これにより、前記容器部12内に貯留されたオイル11を、前記特性試験温度と同一の温度に保てるように構成されている。
【0020】
また、前記容器部12からは、前記コントロールバルブ2の電磁弁41に接続されたハーネス42や、容器部12内の測定器に接続されたハーネスが外部へ延出するように構成されており(図示省略)、前記電磁弁41からのハーネス42は、制御信号を出力する電源43に接続されるとともに、前記測定器のハーネスは、図外の計測機器に接続されている。
【0021】
そして、前記容器部12には、貯留されたオイル11の上部空間51に連通した排気路52が接続されている。該排気路52は、真空ポンプ53に接続されており、前記容器部12内の前記上部空間51の空気を掻き出して、容器部12の内部空間13に負圧を供給できるように構成されている。
【0022】
この真空ポンプ53には、制御装置61が接続されており、該制御装置61は、図1中の真空引き条件62に示すように、前記真空ポンプ53を所定時間作動させて前記内部空間13の圧力を所定圧である−92KPaまで減圧した後、前記真空ポンプ53を所定時間停止して、前記内部空間13の圧力を前記所定圧より高い大気圧に戻す真空引きサイクルを、3回繰り返すように構成されている。これにより、真空引き圧を脈動化するように構成されており、前記内部空間13に、負圧を断続的に供給する本発明の負圧供給手段が構成されている。
【0023】
前記コントロールバルブ組立工程1は、スプール組立工程71と、総組立工程72と、真空引き工程73と、特性検査工程74とからなり、各工程71〜74の順に実施されるように構成されている。前記スプール組立工程71では、成形されたスプールを、オートマチックトランスミッションのブロックに組み付ける工程であり、前記総組立工程72は、そのブロックに、電磁弁41などの他の部品を組み付けてコントロールバルブ2を完成させる工程である。また、前記真空引き工程73は、完成したコントロールバルブ2の特性検査を行う際の前工程であり、前記特性検査工程74は、前記コントロールバルブ2を作動して、その特性を検査する工程である。
【0024】
前記真空引き工程73の前工程には、前記コントロールバルブ2を前記真空引き装置3における容器部12内のオイル11中に配置する配置工程(図示省略)が設けられており、前記コントロールバルブ2の容器部12内へのセットが完了した際に、前記真空引き工程73が行われる。
【0025】
該真空引き工程73では、先ず前記容器部12の出入口を扉で閉鎖して、内部空間13を密閉状態にする。そして、前記制御装置61からの制御信号により前記真空ポンプ53を間欠作動し、前記容器部12の内部空間13に負圧を断続的に供給する。このとき、前記環流経路21のポンプ31を作動し、前記保温タンク23にて50℃に保たれたオイル11を、前記容器部12と保温タンク23間で環流させることによって、容器部12内のオイル11を特性試験温度と同一の温度に保つようにする。また、前記コントロールバルブ2の電磁弁41を通電状態にすることで、電磁弁41のコイルを予め暖めておく。これらによって、コントロールバルブ2自体を保温することができ、特性検査時の測定値の安定化が図られるように構成されている。
【0026】
そして、前記特性検査工程74において、このコントロールバルブ2の電磁弁41へ制御信号を出力して、当該コントロールバルブ2を作動させるとともに、図外の計測機器で、このコントロールバルブ2の特性を検査する。
【0027】
以上の構成にかかる本実施において、コントロールバルブ2の特性を検査する際には、検査対象となるコントロールバルブ2を、真空引き装置3における容器部12内のオイル11中にセットする。そして、真空引き工程73において、前記容器部12を密閉して−92KPaの負圧を3回断続的に供給する。
【0028】
すると、コントロールバルブ2に形成された複雑な形状の通流路からエアーが強制的に排出され、コントロールバルブ2内のエアーを除去するとともに、当該コントロールバルブ2内にオイル11を充満させることができる。これにより、オイル11中でコントロールバルブ2を慣らし運転して内部のエアーを排出する従来と比較して、エアーの排出時間の短縮化を図ることができる。そして、後工程である特性検査工程74において、前記コントロールバルブ2の特性を検査する。
【0029】
このように、コントロールバルブ2内のエアーを抜くまでに多大な時間を要した従来と比較して、特性検査工程74へ移行するまでの時間を短くすることができ、特性検査時間を短縮することができる。また、コントロールバルブ2内のエアーを、より確実に除去することができるので、特性検査工程74での測定値の安定化を図ることができる。
【0030】
ここで、図2は、前述した真空引きによる効果を確認する為の実験を示す図であり、図2の(a)には、真空引きによるエアー抜き試験に用いられた装置の模式図が示されている。
【0031】
すなわち、この試験では、容器部12にオイル(ATF)11を半分程入れ、その中にエアー負圧用のシリンダー81を配置する。このシリンダー81は、下方開口状に形成されており、その開口部82が前記オイル11に接した状態で立設固定されている。
【0032】
そして、容器部12内の圧力を測定する真空度計85を確認しながら、真空ポンプ53及びバルブ86を制御して、内部空間13の真空度を調整する。これにより、図2の(b)に示すように、前記内部空間13の圧力を、予め設定された所定値まで減圧した後、該所定値より高い大気圧に戻す真空引きサイクルを3回繰り返す。
【0033】
このとき、減圧する前の第1ポイントP1において、図1の(a)に示すように、第1の高さ位置aにあった油面が、前記真空引きサイクルを1回終了した第2ポイントP2では、第2の高さ位置bまで上昇した。
【0034】
そして、前記真空引きサイクルを3回終了した第3ポイントP3においては、前記油面が、前記第2の高さ位置bよりさらに高い第3の高さ位置cまで上昇した。これにより、前記真空引きサイクルを1回行う場合よりも、複数回行う方が、エアー抜きをより確実に行えることを確認することができた。
【0035】
なお、この実験では、前述した真空引き工程73における真空度より低めの前記所定値で実験を行ったが、製造ラインで使用される大型の設備を使用して真空度を高めることにより、オイル11の充填度を更に向上することができる。
【0036】
そして、検査対象のコントロールバルブ2が配されるオイル11の温度は、特性検査工程74での特性試験温度と同一の温度に保たれている。このため、当該特性検査工程74での特性検査への移行を速やかに行うことができ、特性検査時間のさらなる短縮化を図ることができるとともに、測定値のさらなる安定化を図ることができる。
【0037】
一方、本実施の形態にあっては、前述の真空引き装置3を利用することによって、コントロールバルブ2がオイル11中に配置された容器部12を密閉するとともに、この状態で容器部12内へ負圧を断続的に供給することができる。よって、前記特性検査工程74の前工程において、コントロールバルブ2内のエアーの強制排除を実施することができる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の請求項1記載の特性検査方法にあっては、コントロールバルブがオイル中にセットされた容器部を密閉して負圧を断続的に供給することで、コントロールバルブ内のエアーを強制的に排出することができる。これにより、オイル中でコントロールバルブを慣らし運転して内部のエアーを排出する従来と比較して、エアーの排出時間の短縮化を図ることができる。
【0039】
したがって、コントロールバルブ内のエアーを抜くまでに多大な時間を要した従来と比較して、特性検査時間を短縮することができる。また、コントロールバルブ内のエアーを、より確実に除去することができるので、検査工程での測定値の安定化を図ることができる。
【0040】
また、請求項2の特性検査方法においては、コントロールバルブが配されるオイルの温度が、検査工程での特性試験温度と同一の温度に設定されている。このため、当該検査工程での特性検査へ速やかに移行することができ、特性検査時間のさらなる短縮化を図ることができる。
【0041】
そして、本発明の真空引き装置にあっては、コントロールバルブがオイル中に配置された容器部を密閉し、負圧供給手段によって負圧を断続的に供給することで、コントロールバルブ内のエアーを強制的に排出することができる。これにより、オイル中でコントロールバルブを慣らし運転して内部のエアーを排出する従来と比較して、エアーの排出時間の短縮化を図ることができる。
【0042】
したがって、コントロールバルブ内のエアーを抜くまでに多大な時間を要した従来と比較して、検査開始までの時間を短くすることができ、特性検査時間を短縮することができる。また、コントロールバルブ内のエアーを、より確実に除去することができるので、特性検査時での測定値の安定化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す工程図である。
【図2】同実施の形態の効果を確認する為の実験内容を示す説明図で、(a)は装置の模式図であり、(b)は内圧変化を示す図である。
【図3】従来例を示す工程図である。
【符号の説明】
2  コントロールバルブ
3  真空引き装置
11  オイル
12  容器部
13  内部空間
23  保温タンク
62  真空引き条件
73  真空引き工程
74  特性検査工程

Claims (3)

  1. 油圧制御用のコントロールバルブの特性を検査する特性検査方法において、
    容器部内のオイル中にコントロールバルブを配置する配置工程と、
    前記容器部を密閉して該容器部の内部空間に負圧を断続的に供給する真空引き工程と、
    を検査工程の前工程で行うことを特徴とする特性検査方法。
  2. 前記容器部内のオイルの温度を、前記検査工程での特性試験温度と同一の温度に設定したことを特徴とする請求項1記載の特性検査方法。
  3. 油圧制御用のコントロールバルブをオイル中に配置して特性検査する際に用いられる真空引き装置において、
    前記オイル及び前記コントロールバルブを収容した状態で密閉される容器部と、
    該容器部の内部空間に負圧を断続的に供給する負圧供給手段と、
    を備えたことを特徴とする真空引き装置。
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CN109357897A (zh) * 2018-09-27 2019-02-19 北京卫星环境工程研究所 航天器部组件级真空热试验控制系统

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