JP2004044444A - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

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Kenichi Sato
佐藤 健一
Yoshiyuki Otake
大嶽 佳幸
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Abstract

【課題】排気浄化触媒12の劣化状態によらず、排気エミッションの悪化を防止する。
【解決手段】触媒9上流側の空燃比センサ25の信号に基づいて燃料噴射弁7による燃料噴射量に対する空燃比フィードバック補正係数(ALPHA)を演算する。また、触媒9下流側の空燃比センサ26の信号に基づいて空燃比フィードバック補正係数に対する補正値(PHOS)を演算する。そして、下流側空燃比センサ26の信号のリッチ・リーンの反転周期が一定となるように、前記補正値(PHOS)演算用のゲイン(ΔI)を補正する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の空燃比制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関の空燃比制御装置の従来例として、次のようなものがある(特開平2−30915号公報参照)。
すなわち、機関の排気通路に配置される排気浄化触媒の上流側及び下流側にそれぞれ空燃比センサを設けている。そして、上流側空燃比センサの信号に基づいて、空燃比が目標空燃比(理論空燃比)になるように空燃比フィードバック補正係数を演算し、機関への燃料供給量を空燃比フィードバック補正係数により補正することで空燃比を制御するようにしている。また、下流側空燃比センサの信号に基づいて、上流側空燃比センサのばらつきや劣化による制御空燃比のシフトを補正することにより、空燃比が常に最適値になるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の技術は、下流側空燃比センサがリッチ検出とリーン検出とを繰り返すことが前提となるが、リッチ・リーンの反転周期は排気浄化触媒の劣化度合により変化する。すなわち、触媒が劣化していない状態(例えば新品状態)では、触媒のO2(酸素)ストレージ機能により、リッチ・リーンの反転周期が比較的長いが、触媒が劣化した状態(例えば長距離走行後)では、O2ストレージ機能の低下により、リッチ・リーンの反転周期が短くなる。
【0004】
また、この反転周期は、排気エミッションとも密接な関係にある。すなわち、反転する毎にリッチ、リーンを繰り返し、リッチのときはCO及びHCの排出量が増加し、リーンのときはNOxの排出量が増加することになるので、反転周期が短くなるほど、CO、HC、NOxの排出量が増加して、排気エミッションが悪化する。
【0005】
従って、触媒が劣化していない状態でリッチ・リーンの反転周期を比較的短く設定して、制御空燃比補正の精度を上げようとすると、触媒が劣化した状態でリッチ・リーンの反転周期が極端に短くなり、排気エミッションの悪化を招いてしまう。
本発明の課題は、従来の技術において、触媒の劣化状態と関係なく、下流側空燃比センサによるフィードバックを実施する構成のため、触媒劣化後に排気エミッションの悪化を招いているという問題を解消することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明は、下流側空燃比センサの信号に基づいて機関への燃料供給量に対する補正値を演算して制御する場合に、下流側空燃比センサの信号のリッチ・リーンの反転周期が一定となるように、前記補正値算出用のゲインを補正する。
【0007】
【発明の効果】
本発明によれば、触媒の劣化状態によらず、下流側空燃比センサの信号のリッチ・リーンの反転周期が一定となるように制御されるので、排気エミッションの悪化を防止できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施形態を示す内燃機関(以下エンジンという)のシステム図である。
エンジン1の各気筒の燃焼室2には、エアクリーナ3から、吸気通路4によりスロットル弁5、マニホールド部6を経て空気が吸入される。マニホールド部6(又は燃焼室2)には、各気筒毎に燃料噴射弁7が設けられている。
【0009】
燃料噴射弁7は、ソレノイドに通電されて開弁し、通電停止されて閉弁する電磁式燃料噴射弁(インジェクタ)であって、後述するエンジンコントロールユニット(以下ECUという)20からの駆動パルス信号により通電されて開弁し、図示しない燃料ポンプから圧送されてプレッシャレギュレータにより所定圧力に調整された燃料を噴射供給する。従って、駆動パルス信号のパルス幅により燃料噴射量が制御される。
【0010】
エンジン1の各燃焼室2には点火栓8が設けられており、これにより火花点火して混合気を着火燃焼させる。
エンジン1の各燃焼室2からの排気は、排気通路9へ排出される。また、排気の一部はEGR通路10によりEGR弁11を介して吸気系へ還流される。
一方、排気通路9には、排気浄化触媒12が設けられている。排気浄化触媒12としては、通常、排気中のCO、HCの酸化とNOxの還元とを行う三元触媒を用いる。
【0011】
ECU20は、CPU、ROM、RAM、A/D変換器及び入出力インターフェイス等を含んで構成されるマイクロコンピュータを備え、各種センサからの入力信号を受け、後述のごとく演算処理して、燃料噴射弁7の作動を制御する。
前記各種センサとしては、エンジン1のクランク軸又はカム軸回転よりクランク角度と共にエンジン回転数Neを検出可能なクランク角センサ21、吸気通路4にて吸入空気流量Qaを検出するエアフローメータ22、スロットル弁5の開度TVOを検出するスロットルセンサ23、エンジン1の冷却水温Twを検出する水温センサ24が設けられている。
【0012】
また、排気通路9の排気浄化触媒12の上流側及び下流側には、それぞれ、排気中の酸素濃度に感応して、排気空燃比のリッチ・リーンに応じた信号を出力する空燃比センサ25、26が設けられている。尚、空燃比センサ25、26としては、ストイキ空燃比を境として出力が変化するタイプのものでもよいし、空燃比を広域でリニアに検出できるタイプのものでもよい。
【0013】
ここにおいて、ECU20は、前記各種センサからの信号を入力しつつ、後述する図2〜図5のフローチャートに従って、燃料噴射弁7による燃料噴射量を制御することで、空燃比を制御する。
図2は燃料噴射量(Ti)演算ルーチンを示し、所定時間毎に又はエンジン回転に同期して実行される。
【0014】
S1では、エアフローメータ22からの信号によって検出された吸入空気流量Qaとクランク角センサ21からの信号によって算出されたエンジン回転数Neとに基づいて、単位回転当たりのシリンダ吸入空気量に対応するストイキ相当の基本燃料噴射量Tpを次式により演算する。
Tp=K×Qa/Ne   但し、Kは定数。
【0015】
S2では、エンジン運転状態(エンジン回転数及び負荷)に基づいて、燃空比補正係数TFBYAを設定する。ここで、目標空燃比をストイキとする場合は、TFBYA=1に設定する。
S3では、後述する図3の空燃比フィードバック補正係数(ALPHA)演算ルーチンにより演算されている空燃比フィードバック補正係数ALPHAを読込む。
【0016】
S4では、基本燃料噴射量Tpに燃空比補正係数TFBYA及び空燃比フィードバック補正係数ALPHAを乗じて、最終的な燃料噴射量Tiを次式により演算する。
Ti=Tp×TFBYA×ALPHA
尚、実際には、水温補正、過渡補正、電圧補正など、各種補正が加わるが、ここでは省略した。
【0017】
このようにして、燃料噴射量Tiが演算されると、エンジン回転同期の所定の燃料噴射タイミングにて、燃料噴射量Tiに対応するパルス幅をもつ駆動パルス信号が燃料噴射弁7に与えられて燃料噴射が行われる。
図3は空燃比フィードバック補正係数(ALPHA)演算ルーチンを示し、所定時間毎に実行される。本ルーチンが空燃比フィードバック補正係数演算手段に相当する。
【0018】
S11では、上流側空燃比センサ25の出力電圧V1を読込んで、ストイキ相当のスライスレベル電圧SLと比較し、V1<SLの場合は上流側リーンと判定してS12へ進み、V1>SLの場合は上流側リッチと判定してS16へ進む。
〔上流側リーンの場合〕
S12では、リッチからリーンへの反転直後か否かを判定し、反転直後の場合は比例制御(実際はステップ制御)のためS13へ進む。
【0019】
S13では、後述する図4のステップ分補正値(PHOS)演算ルーチンにより演算されているステップ分補正値PHOSを読込む。
次のS14では、現在の空燃比フィードバック補正係数ALPHAに、所定のステップ分P、ここでは特にステップ分Pにステップ分補正値PHOSを加算補正した値(P+PHOS)を加算して、空燃比フィードバック補正係数ALPHAを次式のごとく増大側に更新し、本ルーチンを終了する。
【0020】
ALPHA=ALPHA+(P+PHOS)
上流側リーンであるが、反転直後でない場合は、S12から、積分制御のためS15へ進む。
S15では、現在の空燃比フィードバック補正係数ALPHAに、所定の積分分I(<<P)を加算して、空燃比フィードバック補正係数ALPHAを微小量増大側に更新し(ALPHA=ALPHA+I)、本ルーチンを終了する。
【0021】
〔上流側リッチの場合〕
S16では、リーンからリッチへの反転直後か否かを判定し、反転直後の場合は比例制御(実際はステップ制御)のためS17へ進む。
S17では、後述する図4のステップ分補正値(PHOS)演算ルーチンにより演算されているステップ分補正値PHOSを読込む。
【0022】
次のS18では、現在の空燃比フィードバック補正係数ALPHAから、所定のステップ分P、ここでは特にステップ分Pからステップ分補正値PHOSを減算補正した値(P−PHOS)を減算して、空燃比フィードバック補正係数ALPHAを次式のごとく減少側に更新し、本ルーチンを終了する。
ALPHA=ALPHA−(P−PHOS)
上流側リッチであるが、反転直後でない場合は、S16から、積分制御のためS19へ進む。
【0023】
S19では、現在の空燃比フィードバック補正係数ALPHAから、所定の積分分I(<<P)を減算して、空燃比フィードバック補正係数ALPHAを微小量減少側に更新し(ALPHA=ALPHA−I)、本ルーチンを終了する。
このようにして、図6に示すように、上流側空燃比センサ25の出力電圧V1の変化に従って、空燃比フィードバック補正係数ALPHAが増減設定され、リッチ時には空燃比フィードバック補正係数ALPHAが減少せしめられて、燃料噴射量Tiが減少側に補正され、逆にリーン時には空燃比フィードバック補正係数ALPHAが増大せしめられて、燃料噴射量Tiが増大側に補正されることで、目標空燃比(ストイキ)に制御される。ここでのステップ分補正値PHOSの効果については後述する。
【0024】
図4はステップ分補正値(PHOS)演算ルーチンを示し、所定時間毎に実行される。本ルーチンが空燃比フィードバック補正係数に対する補正値(ステップ分補正値PHOS)の演算手段に相当する。
S21では、下流側空燃比センサ26の出力電圧V2を読込んで、ストイキ相当のスライスレベル電圧SLと比較し、V2<SLの場合は下流側リーンと判定してS22へ進み、V2>SLの場合は下流側リッチと判定してS26へ進む。
【0025】
〔下流側リーンの場合〕
S22では、リッチからリーンへの反転直後か否かを判定し、反転直後の場合はステップ制御のためS23へ進む。
S23では、現在のステップ分補正値PHOSに所定のステップ分ΔPを加算して、ステップ分補正値PHOSを増大側に更新し(PHOS=PHOS+ΔP)、本ルーチンを終了する。
【0026】
下流側リーンであるが、反転直後でない場合は、S22から、積分制御のためS24へ進む。
S24では、エアフローメータ22により検出される吸入空気流量Qaに基づいて、図7及び図8のテーブルを参照し、基本積分分ΔI及び積分分補正係数KHOSmを検索する。
【0027】
図7のテーブルは、ROM上に設けられ、排気流量相当値である吸入空気流量Qaの領域毎に、基本積分分ΔIを予め記憶させたもので、吸入空気流量Qaが大きくなるほど基本積分分ΔIが小さくなるようにしてある。
図8のテーブルは、書換え可能なRAM上に設けられ、排気流量相当値である吸入空気流量Qaの領域毎に、積分分補正係数KHOSmを記憶させたもので、学習前の初期状態では全てKHOSm=1となっている。尚、このRAMに対してはバックアップ電源回路を設けてエンジンキーOFF後も記憶内容を保持している。
【0028】
次のS25では、現在のステップ分補正値PHOSに、所定の積分分ΔI(<<ΔP)、ここでは特に基本積分分ΔIに補正係数KHOSmを乗じた値(ΔI×KHOSm)を加算して、ステップ分補正値PHOSを次式のごとく微小量増大側に更新し、本ルーチンを終了する。
PHOS=PHOS+ΔI×KHOSm
従って、下流側リーンの場合、ステップ分補正値PHOSは次第に増大されて、プラスの値となり、図3のフローのS14での上流側リーン時の空燃比フィードバック補正係数ALPHAの増大側へ更新が増強される一方、S18での上流側リッチ時の空燃比フィードバック補正係数ALPHAの減少側への更新が抑制されることから、制御空燃比をリッチ側にシフトすることができる。
【0029】
〔下流側リッチの場合〕
S26では、リーンからリッチへの反転直後か否かを判定し、反転直後の場合はステップ制御のためS27へ進む。
S27では、現在のステップ分補正値PHOSから所定のステップ分ΔPを減算して、ステップ分補正値PHOSを次式のごとく減少側に更新し(PHOS=PHOS−ΔP)、本ルーチンを終了する。
【0030】
下流側リッチであるが、反転直後でない場合は、S26から、積分制御のためS28へ進む。
S28では、エアフローメータ22により検出される吸入空気流量Qaに基づいて、図7及び図8のテーブルを参照し、基本積分分ΔI及び積分分補正係数KHOSmを検索する。
【0031】
次のS29では、現在のステップ分補正値PHOSから、所定の積分分ΔI(<<ΔP)、ここでは特に積分分ΔIを補正係数KHOSmを乗じた値(ΔI×KHOSm)を減算して、ステップ分補正値PHOSを次式のごとく微小量減少側に更新し、本ルーチンを終了する。
PHOS=PHOS−ΔI×KHOSm
従って、下流側リッチの場合、ステップ分補正値PHOSは次第に減少されて、マイナスの値となり、図3のフローのS14での上流側リーン時の空燃比フィードバック補正係数ALPHAの増大側へ更新が抑制される一方、S18での上流側リッチ時の空燃比フィードバック補正係数ALPHAの減少側への更新が増強されることから、制御空燃比をリーン側にシフトすることができる。
【0032】
このようにして、図6に示すように、下流側空燃比センサ26の出力電圧V2の変化に従って、ステップ分補正値PHOSが増減設定され、空燃比フィードバック補正係数ALPHAの設定に反映されることで、上流側空燃比センサ25のばらつきや劣化による制御空燃比のシフトを修正することにより、空燃比が常に最適に維持される。ここでのΔI、KHOSmの効果については後述する。
【0033】
図5は積分分補正係数(KHOSm)学習ルーチンを示し、所定の条件にて実行される。本ルーチンが空燃比フィードバック補正係数に対する補正値(ステップ分補正値PHOS)演算用のゲイン(ΔI)を補正するための補正係数(積分分補正係数KHOSm)を設定する手段に相当する。
S31では、下流側空燃比センサ26の出力電圧V2がスライスレベル電圧SLを下から上によぎって、リーン→リッチに変化したか否かを判定し、リーン→リッチ時の場合に、S32へ進む。
【0034】
S32では、計時用のタイマをスタートさせる。
次のS33では、カウント値nを1とし、また吸入空気流量積算値ΣQaをクリアして、S34へ進む。
S34では、エアフローメータ22により検出される吸入空気流量Qaをサンプリングし、これを積算して、吸入空気流量積算値ΣQaを求める(ΣQa=ΣQa+Qa)。
【0035】
S35では、下流側空燃比センサ26の出力電圧V2が再びスライスレベル電圧SLを下から上によぎって、リーン→リッチに変化したか否かを判定し、リーン→リッチ時でない場合は、S34へ戻り、吸入空気流量Qaの積算(ΣQaの算出)を続ける。リーン→リッチ時になった場合は、S36へ進む。
S36では、カウント値nが予め定めた値Aに達しているか否かを判定し、n<Aの場合は、S37へ進み、カウント値nをカウントアップして(n=n+1)、S34へ戻り、吸入空気流量Qaの積算(ΣQaの算出)を続ける。
【0036】
n=Aの場合、すなわち、リッチ・リーンの反転回数がA回に達した場合は、S38へ進む。
S38では、タイマをストップし、このときのタイマ値をT1として読込む。T1はリッチ・リーンの反転回数がA回に達するまでに要した時間である。
次のS39では、時間T1を回数Aで除することにより、平均値として、反転周期T2=T1/Aを求める。
【0037】
次のS40では、吸入空気流量積算値ΣQaを時間T1で除することにより、平均吸入空気流量Qa(ave) =ΣQa/T1を求める。
次のS41では、S39で検出した実際の反転周期T2と、予め定めた目標反転周期T0との比率をとり(T2/T0)、これに応じて、図9のテーブルを参照し、積分分補正係数KHOSを検索する。
【0038】
図9のテーブルは、ROM上に設けられている。ここで、T2/T0が1より大きく、実際の反転周期T2が目標反転周期T0に対して長すぎる場合、積分ゲインを大きくするように、積分分補正係数KHOSを1より大きく設定する。逆に、T2/T0が1より小さく、実際の反転周期T2が目標反転周期T0に対して短すぎる場合、積分ゲインを小さくするように、積分分補正係数KHOSを1より小さく設定する。
【0039】
次のS42では、図8の学習テーブル(吸入空気流量Qaに対応させて積分分補正係数KHOSmの学習値を記憶させたテーブル)を参照し、平均吸入空気流量Qa(ave) より、対応する現在の積分分補正係数KHOSmを読出す。
次のS43では、次式のごとく、現在の積分分補正係数KHOSmと今回の積分分補正係数KHOSとの加重平均をとって、積分分補正係数KHOSmを更新する。
【0040】
KHOSm=KHOSm×(1−a)+KHOS×a
但し、aは定数で、0<a<1である。
更新された積分分補正係数KHOSmは、図8の学習テーブルの対応する吸入空気流量の領域に書込まれ、これにより本ルーチンが終了する。
従って、T2/T0が1より大きく、実際の反転周期T2が目標反転周期T0に対して長すぎる場合、積分ゲインを大きくするように、積分分補正係数KHOSmが1より大きく学習される。これにより、図5のフローのS25又はS29でのステップ分補正値PHOSの更新に際し、ステップ分補正値PHOSに加算又は減算される積分分(ΔI×KHOSm)が大きくなり、積分ゲインの増大により、反転周期T2が短くなるように制御されて、目標値に収束する。
【0041】
また、T2/T0が1より小さく、実際の反転周期T2が目標反転周期T0に対して短すぎる場合、積分ゲインを小さくするように、積分分補正係数KHOSmが1より小さく学習される。これにより、図5のフローのS25又はS29でのステップ分補正値PHOSの更新に際し、ステップ分補正値PHOSに加算又は減算される積分分(ΔI×KHOSm)が小さくなり、積分ゲインの減少により、反転周期T2が長くなるように制御されて、目標値に収束する。
【0042】
また、基本積分分ΔIについては、図7のテーブルに示したように、排気流量相当値である吸入空気流量Qaが大きくなるほど小さくなるようにしてある。これは、排気流量が大きくなるほど、触媒のO2ストレージの低下が早くなって、下流側空燃比センサ26のリッチ・リーンの反転周期が短くなるという事実に基づき、排気流量(吸入空気流量Qa)が大きくなるほど積分ゲインを小さくして、リッチ・リーンの反転周期の短縮化を抑制するためである。
【0043】
次に本発明の効果を図10により説明する。
図10(a)は、触媒劣化のない新品時の状態を示す。下流側空燃比センサ26の出力V2がスライスレベルを下回ると、空燃比はリーンであるため、下流側空燃比センサ26による補正値(PHOS)が燃料噴射量増大側すなわちプラス側にステップ的に増加し、その後積分分を加えて増加していく。次に、出力V2がスライスレベルを超えると、空燃比はリッチであるため、PHOSはマイナス側へ減少していく。このように、下流側空燃比センサ26の出力がスライスレベルを境に反転を繰り返すことで、平均的に、触媒を通過する排気ガスの空燃比がストイキになるように制御でき、排気ガスは平均的に最適な空燃比で触媒を通過することができる。
【0044】
但し、下流側空燃比センサ26の出力V2がスライスレベルよりも小さい場合、この状態では排気ガスの空燃比がリーンであるため、NOxの転換効率が低下して、NOxが排出される。一方、下流側空燃比センサ26の出力がスライスレベルよりも大きい場合、この状態では排気ガスの空燃比がリッチであるため、CO、HCの転換効率が低下して、CO、HCが排出される。
【0045】
次に、触媒が劣化した状態の図10(b)について説明する。触媒が劣化した場合、劣化していない場合に比べ、触媒の持つO2ストレージ量が低下するため、図10(b)に示すように、下流側空燃比センサ26の出力の反転周期が短くなり、単位時間当たりの反転回数が増える。反転回数が増えると、上述した、触媒通過排気ガスのリッチ及びリーンの頻度が増加することになり、排気エミッションがは悪化することになる。従って、触媒が劣化した場合、反転回数を抑えることで、排気エミッションの悪化を防止することができる。
【0046】
本発明は、上記に鑑みて、下流側空燃比センサ26の出力の反転周期をモニターし、必要以上に反転周期が長いときは、PHOSのゲインを小さくし、目標反転周期になるように制御することで、排気エミッションの悪化を防止することができる。
また、下流側空燃比センサ26の出力の反転周期は、触媒を通過する排気ガスの流量が大きいほど、触媒のO2ストレージの低下が早くなって、短くなるため、排気流量相当値である吸入空気流量Qaに応じてPHOSのゲインを予め補正することで、常に最適な空燃比制御を実現できる。
【0047】
本実施形態によれば、下流側空燃比センサ26の信号に基づいてエンジンへの燃料供給量に対する補正値(PHOS)を演算して制御する場合に、下流側空燃比センサ26の信号のリッチ・リーンの反転周期が一定となるように前記補正値(PHOS)演算用のゲイン(ΔI)を補正することにより、触媒の劣化状態によらず、リッチ・リーンの反転周期が一定となるように制御されるので、排気エミッションの悪化を防止できる。
【0048】
また、本実施形態によれば、上流側空燃比センサ25の信号に基づいて空燃比フィードバック補正係数(ALPHA)を演算する一方、下流側空燃比センサ26の信号に基づいて空燃比フィードバック補正係数に対する補正値(PHOS)を演算するいわゆるデュアル空燃比センサシステムに適用することで、上流側空燃比センサ25による制御空燃比のシフトの修正を十分に行うことができると共に、排気エミッションの悪化を防止できる。但し、本発明は、特開平5−1600号公報に示されるような、触媒下流側のみに空燃比センサを設置した構成の場合にも、効果を得ることができる。
【0049】
また、本実施形態によれば、下流側空燃比センサ26の信号のリッチ・リーンの反転周期(T2)と、予め定めた目標反転周期(T0)との比率に応じて、補正係数(積分分補正係数KHOS)を設定し、これにより前記補正値算出用のゲイン(ΔI)を補正することにより、特に、実際の反転周期の方が大きいときは、前記ゲイン(ΔI)を大側に補正し、実際の反転周期の方が大きいときは、前記ゲイン(ΔI)を小側に補正することにより、リッチ・リーンの反転周期を確実に略一定に制御できる。尚、比率を用いる代わりに偏差を用いても同等の効果が得られる。
【0050】
また、本実施形態によれば、前記補正係数(KHOS)は、排気流量(Qa)の領域毎に設定することで、排気流量の変化にかかわらず、リッチ・リーンの反転周期を確実に略一定に制御できる。
また、本実施形態によれば、前記ゲインの基本値(ΔI)は、排気流量(Qa)に応じて設定し、特に排気流量が大きいほど小さく設定することで、排気流量の変化による触媒のO2ストレージ能力の変化に確実に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すエンジンのシステム図
【図2】Ti演算ルーチンのフローチャート
【図3】ALPHA演算ルーチンのフローチャート
【図4】PHOS演算ルーチンのフローチャート
【図5】KHOSm学習ルーチンのフローチャート
【図6】ALPHA及びPHOSのタイムチャート
【図7】ΔI設定テーブルを示す図
【図8】KHOSm学習テーブルを示す図
【図9】KHOS設定テーブルを示す図
【図10】反転周期とエミッションとの関係を示す図
【符号の説明】
1 エンジン
4 吸気通路
7 燃料噴射弁
9 排気通路
12 排気浄化触媒
20 ECU
25 上流側空燃比センサ
26 下流側空燃比センサ

Claims (7)

  1. 排気通路の排気浄化触媒の下流側に設けられた空燃比センサと、この下流側空燃比センサの信号に基づいて機関への燃料供給量に対する補正値を演算する手段とを備える内燃機関の空燃比制御装置において、
    下流側空燃比センサの信号のリッチ・リーンの反転周期が一定となるように前記補正値演算用のゲインを補正する手段を設けたことを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
  2. 排気通路の排気浄化触媒の上流側に設けられた空燃比センサと、この上流側空燃比センサの信号に基づいて機関への燃料供給量に対する空燃比フィードバック補正係数を演算する手段と、を備え、
    前記補正値演算手段は、下流側空燃比センサの信号に基づいて空燃比フィードバック補正係数に対する補正値を演算することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  3. 前記ゲイン補正手段は、下流側空燃比センサの信号のリッチ・リーンの反転周期と、予め定めた目標反転周期との比率又は偏差に応じて、補正係数を設定し、これにより前記補正値演算用のゲインを補正することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  4. 前記ゲイン補正手段は、前記比率又は偏差から、実際の反転周期の方が大きいときは、前記ゲインを大側に補正し、実際の周期の方が小さいときは、前記ゲインを小側に補正することを特徴とする請求項3記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  5. 前記補正係数は、排気流量の領域毎に設定することを特徴とする請求項3又は請求項4記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  6. 前記ゲインの基本値は、排気流量に応じて設定することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  7. 前記ゲインの基本値は、排気流量が大きいほど小さく設定することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載の内燃機関の空燃比制御装置。
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