JP2004043660A - 酵素脱毛処理剤および酵素脱毛法 - Google Patents

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Abstract

【課題】脱毛工程における脱毛排液の汚濁負荷を大幅に削減して、品質良好な皮革および回収毛を収得できる獣毛の酵素脱毛処理技術を提供する。
【解決手段】ケラチン分解活性が70AKU以上であり、ケラチン分解活性に対するコラーゲン分解活性比が2以下であり且つケラチン分解活性に対するエラスチン分解活性比が4以下であるアルカリプロテアーゼを有効成分とする獣皮の酵素脱毛処理剤、並びに該酵素脱毛処理剤を原皮と接触させる皮革鞣製における酵素脱毛処理方法およびその後脱毛を回収する方法。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、獣皮の酵素脱毛処理剤、より詳しくは皮革鞣製の脱毛工程で用いられる酵素脱毛処理剤、およびこれを利用した獣皮の酵素脱毛処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
牛革などの皮革の鞣製作業は、準備工程、鞣し工程および仕上げ工程の三工程に大別できる。その準備工程は、製品革の種類、この準備工程に引続く鞣し工程などの種類などにより若干異なるが、一般には、原皮の水漬け、裏打ち、脱毛(石灰漬け)、分割、垢出し、再石灰漬け、脱灰・酵解の各工程からなっている。
【0003】
現在、上記皮革鞣製における獣皮の脱毛工程は、作業時間と工程を短縮できる点より、脱毛処理剤として高濃度の水酸化カルシウムと硫化物とを用いて、ドラムまたはパドル中で一貫作業により行われている(ヘアーバーン法、hair−burn法)。即ち、一般に保存のために塩蔵乾燥された原皮を吸水軟化して新鮮皮と似た状態に戻した後、脱毛促進剤としての硫化ナトリウムや硫化水素ナトリウムを添加した石灰乳の処理浴中に浸漬して、表皮組織を分解除去すると共に、毛を分解して処理浴中に溶解させている。
【0004】
しかしながら、この方法は毛を分解、溶解するものであるため、毛の回収ができない不利がある。また、一度利用した処理浴中には溶解毛およびこれに由来する多量のケラチン分解物などが含まれ、該処理浴は容易には再利用できず、廃棄せざるを得ない。しかもこの廃棄される処理液(排水)は、上記溶解毛およびケラチン分解物と共に、高濃度の水酸化カルシウムおよび硫化物を含み、汚濁負荷(BOD、COD、SSなど)が非常に高く、重大な環境汚染を招くものである。従って、この排水は、硫化水素発生などの危険がある硫化物の処理を含めた排水処理が必要であり、この排水処理には、過大な設備、コストなどが必要である。このように従来のヘアーバーン法は、高汚濁負荷の排水処理を要するという致命的欠点がある。
【0005】
近年、上記ヘアーバーン法の欠点である排水の汚濁負荷を軽減できる方法として、該ヘアーバーン法を基礎として、更に、毛幹部を脱毛処理剤による分解から保護する処置を組み込んだヘアーセーブ法が提唱されている。その代表的なものとしてはブレアー法〔Blair method, Leather, 1988(Feb): 23−26(1988)〕およびSIROLIME法〔Cranston,R.W., Davis,M.H., Scroggie,J.G.,:J.S.L.T.C., 70, 50−55(1986)〕が挙げられる。
【0006】
しかしながら、これらの提唱されている方法といえども、脱毛促進剤としての硫化物の使用は必須であり、その排水汚濁負荷の軽減効果は尚満足できるものではない。しかも、SIROLIME法では、利用する硫化水素ナトリウムおよび次亜塩素酸塩に由来して硫化水素ガスおよび塩素ガスが発生し、これらの処理が新たに必要となる欠点がある。またこれらの発生ガスは作業環境を悪化させる問題もある。
【0007】
他のヘアーセーブ法として、脱毛促進剤としての硫化物に代えて、チオグリコール酸(特許第1432630号公報)、チオ尿素ジオキシド(米国特許第5508195号明細書)などのジスルフィド結合切断物質を還元剤として利用して原皮を前処理した後、酵素(プロテアーゼ)を利用して脱毛する酵素ヘアーセーブ法も提案されている。
【0008】
しかしながら、酵素ヘアーセーブ法に用いられるプロテアーゼについての研究は殆どなされていない。一般に知られているプロテアーゼは、総じてケラチン分解活性が低く、その利用では、上記還元剤を用いる前処理を行ったところで、脱毛処理を十分には行い得ない。しかも、通常のプロテアーゼは、毛の分解に有効に働くケラチン分解活性よりも、真皮成分であるコラーゲン、エラスチンなどの分解活性の方がかなり大きく、そのためこれらを利用して獣毛の脱毛処理を行うと、真皮の分解による銀面への悪影響、例えば皮革の風合い低下、革質の劣化、皮革の強度低下などが著しくなり、品質良好な皮革製品は得られない問題がある。
【0009】
本発明者らは、先に特定の酵素を利用した実用的な獣毛の酵素脱毛方法を確立した(特開2001−164300号)。この方法は、ケラチン分解活性の高い酵素の利用に基づいて、銀面への悪影響を及ぼさずに脱毛処理を行い得るものではあったが、尚、低濃度ではあるが硫化物の併用を伴うものであり、この硫化物による排水汚濁負荷の軽減効果の点で尚改善される余地があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、硫化物などの脱毛促進剤もチオグリコール酸、チオ尿素ジオキシドなどの還元剤も一切使用することなく、それ故、脱毛排液の汚濁負荷を顕著に軽減でき、しかも品質良好な皮革製品を提供できると共に、毛も回収利用することができる、作業性のよい獣皮の脱毛処理技術を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記目的を達成するために引き続き鋭意研究を重ねた結果、新たに、獣毛の脱毛処理に有効なアルカリプロテアーゼを見出し、この酵素を利用して上記目的に合致する改良された酵素脱毛処理技術を確立することに成功した。本発明はこの知見を基礎として完成されている。
【0012】
本発明の要旨は、下記項1−7にある。
項1.   ケラチン分解活性が70AKU以上であり、ケラチン分解活性に対するコラーゲン分解活性比が2以下であり且つケラチン分解活性に対するエラスチン分解活性比が4以下であるアルカリプロテアーゼを有効成分とする獣皮の酵素脱毛処理剤。
項2.   アルカリプロテアーゼが、放線菌由来のものである項1に記載の酵素脱毛処理剤。
項3.   アルカリプロテアーゼが、ノカルディオプシス エスピー(Nocardiopsis sp.)TOA−1株(FERM P−18676)の産生するものである項1に記載の酵素脱毛処理剤。
項4.   皮革鞣製の脱毛工程に用いられるものである項1に記載の酵素脱毛処理剤。
項5.   項1に記載の酵素脱毛処理剤を原皮と接触させることを特徴とする獣皮の酵素脱毛処理方法。
項6.   接触が、原皮重量1g当たり酵素力価15−150APU/gのアルカリプロテアーゼを用いて、浴比1:2−5、温度20−30℃、pH9−11および時間10−24時間の条件で実施される項5に記載の酵素脱毛処理方法。
項7.   項1に記載の酵素脱毛処理剤を原皮と接触させ、次いで脱毛を回収することを特徴とする皮革鞣製における毛の回収方法。
【0013】
本発明酵素脱毛処理剤を利用した本発明方法は、従来行われているヘアーバーン法と比べて、水酸化カルシウムの使用量を実に約1/10以下に減少させることができる。また硫化物などの脱毛促進剤乃至還元剤は用いる必要がない。従って、本発明方法では、脱毛排液の汚濁負荷(BOD、COD、スラッジ量(SS)など)を大幅に低減することができる。また本発明の酵素脱毛処理方法では、獣毛を溶解させることなく回収することができる利点もある。このことは、脱毛排液中の毛蛋白分解物量を大幅に低減できることを意味している。例えば、実施例に示す本発明方法によれば、ヘアーバーン法に比して、脱毛排液中のCODを約50%削減でき、BODを約26%削減でき、SSを99%以下に削減でき、また全窒素を約70%削減できる。
【0014】
本発明方法は、脱毛排液処理面でも非常に有利である。例えば、活性汚泥処理における汚泥の使用量を大幅に軽減できる利点がある。排液処理の作業操作もより簡便なものとすることができ、この排液処理に要する費用を削減することができ、排液処理に伴われる危険も非常に軽減することができる。特に、この排液処理は、特別の設備などを必要とせず、従来既存の装置を利用して充分に実施可能である。更に、本発明方法では、脱毛のための特別な機械的手段なども不要である。
【0015】
更に、本発明酵素脱毛処理方法では、獣毛は毛根から脱毛されて、処理皮革には、黒ずみの原因となる毛根跡が残らない。また、処理革表面(銀面)は、平滑美麗であり、酵素の使用に伴われる、例えば風合い低下、強度低下などの悪影響はみられず、軟らかい仕上がりとなる。更に、化粧品としてのコラーゲンの原料として用いられるフレッシング屑および床皮にも硫化物が含まれない利点がある。これらのことを加味すると、本発明脱毛処理方法は、排水処理負荷の軽減はもとより、品質良好な皮革製品および回収毛が得られる点より、実用的に非常に優れたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明酵素脱毛処理剤および該脱毛処理剤を用いた脱毛処理方法につき、順次詳述する。
【0017】
本発明酵素脱毛処理剤は、その有効成分としてケラチン分解活性が70AKU以上であり、ケラチン分解活性に対するコラーゲン分解活性比が2以下であり且つケラチン分解活性に対するエラスチン分解活性比が4以下であるアルカリプロテアーゼを含むことを必須とする。特に好ましいアルカリプロテアーゼは、ケラチン分解活性が120AKU以上のものを挙げることができる。
【0018】
上記ケラチン分解活性(AKU)は、次に示す測定法により測定される。即ち、シグマ社製のKeratin Azureを細かく粉砕したもの0.04gを含む100 mmol/Lホウ砂−炭酸ナトリウム緩衝液(pH10.5)3mLにカゼイン分解活性25APU/mLに調製した酵素溶液1mLを混合し、35℃で60分間緩速攪拌反応させた後、分解に伴って遊離する色素を吸光度595 nmで測定することにより求められる。ここで、1AKUは、上記反応条件下において、1時間に吸光度595 nmを0.001増加させる酵素量と定義する。
【0019】
尚、上記酵素溶液のカゼイン分解活性(力価; APU/mL)は、次に示す測定法により測定される。即ち、ハマルステンの乳製カゼイン1%を含む100mmol/Lホウ砂−炭酸ナトリウム緩衝液(pH10.5)1mLを酵素溶液1mlと混合し、35℃で10分間反応させた後、7.2%トリクロロ酢酸溶液2mLを加えて反応を停止させ、35℃で20分間放置し、次に濾紙(ADVANTEC, No.6, TOYO社製)で濾過し、濾液中の蛋白分解物をフォリン法により測定することにより求められる。該測定法において、1分間に1μgのチロシンを遊離する酵素量を1APUとする。
【0020】
また、上記ケラチン分解活性に対比してその相対比で示されるコラーゲン分解活性(ACU/mL)およびエラスチン分解活性(AEU/mL)は、それぞれ以下の測定法により求められるものである。即ち、コラーゲンType I(SIGMA社製)またはエラスチン(SIGMA社製)を2%含む100mmol/Lホウ砂−炭酸ナトリウム緩衝液(pH10.5)1mLにカゼイン分解活性50APU/mLに調製した酵素溶液1mLを混合し、35℃で2時間緩速攪拌反応させた後、7.2%トリクロル酢酸溶液2mLを加えて反応を停止させ、35℃で20分間放置する。次に、濾紙(ADVANTEC, No.6, TOYO社製)で濾過し、濾液中の蛋白分解物をフォリン法により測定し、660 nmにおける吸光度の増加量(反応0時間の660nm測定値を基準としてそれに対する増加量を算出)を求める。ここで、1ACUおよび1AEUは、上記反応条件下において、1時間に吸光度660nmを0.001増加させる酵素量と定義する。
【0021】
上記ケラチン分解活性を基準としてその相対比で示されるコラーゲン分解活性およびエラスチン分解活性は、本酵素のケラチンに対する特異性乃至選択性を示すものである。即ち、これらコラーゲン分解活性およびエラスチン分解活性相対比の値が小さい程、該酵素はコラーゲンおよびエラスチンへの作用が小さく、従ってケラチン特異的であることを示している。
【0022】
かかる特性を有する酵素、即ち、特定のケラチン分解活性と、該ケラチン分解活性に対するコラーゲン分解活性およびエラスチン分解活性相対比を満たす酵素は、その利用によって、本発明所期の優れた脱毛処理効果を奏し得る。その理由としては、次のように考えられる。
【0023】
本発明酵素脱毛処理方法において処理対象とする原皮は、表皮と真皮(乳頭層および網状層からなる)の2層から構成されており、獣毛は、表皮が真皮の中に陥没して形成された毛包中に、その底部より表皮表面に対して斜行して伸びる構造を有している。また、該獣毛は、皮膚上に露出している部分を毛幹、毛包に囲まれている部分を毛根、および毛根底部の膨らんだ部分を毛球と区別されている。本発明酵素脱毛処理方法によれば、利用する特定の酵素が、上記の通り高いケラチン分解活性を有することに基づいて、ケラチンを主要構成蛋白とする獣毛、とくにその毛根底部に作用して、これを分解、脱毛させると考えられる。一方、真皮は、鞣製後に革となる重要な部分であり、その外側の乳頭層はコラーゲン線維とエラスチン線維との交絡した構造をとっている。本発明酵素脱毛処理方法によれば、利用する酵素は、表皮を構成する細胞構造に作用して、これを分解消失(剥離)し、該表皮のすぐ内側の真皮(乳頭層)に及ぶことはあるものの、ケラチン分解活性に比して低いコラーゲン分解活性およびエラスチン分解活性を有することに基づいて、該乳頭層の分解は実質的に行わず、それ故、処理後に得られる銀面の風合い低下、革質劣化、皮革の強度低下などを伴わないものと考えられる。
【0024】
本発明酵素脱毛処理方法に好適に利用される上記特性を有するアルカリプロテアーゼとしては、放線菌起源のものを例示できる。その代表例としては、本発明者らが見出した好アルカリ性ノカルディオプシス エスピー TOA−1株の産出するもの(特願2002−161009)を挙げることができる。以下、このTOA−1株の産生するアルカリプロテアーゼを「本酵素」という。
【0025】
該TOA−1株は、日本国茨城県つくば市東1丁目1番3号の経済産業省産業技術総合研究所 特許微生物寄託センターに、平成14年1月16日に、Nocardiopsis sp. TOA−1なる表示で寄託されており、その寄託番号はFERM P−18676である。
【0026】
上記菌の培養および所望アルカリプロテアーゼの採取は、常法に従い実施することができる。例えば上記菌は好アルカリ性放線菌であるため、その培養は通常の培地に適当なアルカリを添加したアルカリ域で行われる。培地に用いられる炭素源、窒素源、他の無機塩などの栄養源は、この種の酵素生産菌の培養に慣用される通常のものでよい。例えば炭素源としては、グルコース、可溶性デンプン、セルロースなどを例示できる。窒素源としては、硝酸塩、アンモニウム塩などの無機物、尿素、ペプトン、乾燥酵母、酵母エキス、スキムミルク、大豆粉、コーンスチープリカー、カゼイン、肉エキス、アミノ酸などを例示できる。他の無機塩としては、マグネシウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、リン酸塩などを例示できる。これらの栄養源は、それぞれに属するものを1種単独で用いてもよく、また2種以上併用することもできる。それらの組合せも任意である。培地に添加されるアルカリとしては、例えば0.5−2%程度の濃度の炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどの炭酸塩の水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、アンモニア水などを例示できる。培地のpHは、通常8−11程度とするのが好ましい。培養は、20−40℃程度、好ましくは30−35℃程度の温度下に、2−7日間、好気的に、攪拌または振盪しながら行うことができる。所望の酵素は、主として培養液中に分泌、蓄積される。
【0027】
本酵素の培養液からの採取・精製は、該酵素の理化学的性質などを利用した常法に従い容易に実施できる。例えば、濾過、遠心分離などにより菌体を除去して粗酵素液を得ることができる。該粗酵素液は更に常法に従い、例えば塩析、有機溶媒沈殿法、限外濾過、ゲル濾過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィーなどにより精製することができる。特に好ましい精製方法の一つとしては、まず培養濾液に80%飽和硫安を添加して塩析を行い、得られた沈殿を緩衝液に溶解し、次いで例えばCM−Toyopearl 650M(東ソー社製)、DEAE−Toyopearl I 650M(同社製)などによるイオン交換クロマトグラフィーを行う方法を例示できる。この方法により、SDS電気泳動的に均一な精製酵素を得ることができる。
【0028】
かくして得られる酵素は、次の性質を有している。
(1)  作用および基質特異性
蛋白質およびペプチドに作用し、ペプチド結合をエンド型の機作により切断して低分子量オリゴペプチドおよびアミノ酸を生成する。また、ケラチンなどの不溶性蛋白質に対しても強力な活性を示す。
(2)  最適pHおよび安定pH
緩衝液としてHCl/KCl (pH1.0−1.5)、グリシン/NaCl/HCl (pH2.0−3.0)、酢酸 (pH4.0−5.0)、リン酸 (pH6.0−7.0)、トリス塩酸 (pH7.0−9.0)、グリシン/NaCl/NaOH (pH9.0−12.0)およびKCl/NaOH (pH12.0−13.0)を使用して、前記した活性測定法に準じて求めた本酵素の最適pHは、30℃において、カゼインを基質とした場合11.0−11.5であり、ケラチンを基質とした場合12.0以上である。
【0029】
同様に、本酵素を各pHの緩衝液中に30℃で24時間保持した後、その残存プロテアーゼ活性を測定することにより求めた本酵素の安定pH域は、1.5−12.0の広範囲に亘ることが確認された。
(3)  最適温度および安定温度
本酵素の最適温度は、カゼインを基質とした場合は70−75℃であり、ケラチンを基質とした場合は65−70℃である。また、本酵素を100 mmol/Lトリス塩酸緩衝液(pH7.0)に添加し、40−80℃の温度範囲で10分間保持した後、その残存プロテアーゼ活性を測定した結果、本酵素は60℃までは安定であることがわかる。なお、本酵素の温度安定性に関しては、カルシウム添加(10mM)の効果は認められない。
(4)  分子量
本酵素の分子量をSDS電気泳動法により測定した。その結果、分子量は約20,000であった。なお、後述する配列番号:2に記載のアミノ酸配列から算出した分子量は、19,150である。
(5)  等電点
本酵素の等電点を等電点電気泳動法により測定した。その結果、等電点は10.0以上であった。
(6)  阻害
一般的な酵素阻害剤であるPMSF(フェニルメタンスルフォニルフルオライド)、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)およびSSI(ストレプトマイセス ズブチリシン インヒビター)のそれぞれを所定濃度となるように50mmol/Lトリス塩酸緩衝液(pH9.0)に溶解し、本酵素を添加後30℃で30分間処理し、次いで、処理溶液より一定量を分取してその残存活性を測定した。その結果、本酵素はPMSFおよびSSIにより阻害され、EDTAによる阻害を受けなかった。このことから、本酵素はセリンプロテアーゼであることが判明した。
(7)  アミノ末端配列
本酵素のアミノ末端から25番目までの配列を、気相プロテインシークエンサー(島津製作所製、PPSQ−21)を用いて決定した。その結果、配列番号:2の1−25番目の配列が確認された。
(8)  塩基配列およびアミノ酸配列
本酵素の遺伝子およびアミノ酸の配列を、常法(例えば、J. Sambrook, E.F. Fritsch, T. Maniatis: Molecular Cloning. A Laboratory Manual, 2nd. ed. Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989など参照)に従い、使用機器、試薬キットなどのプロトコルに従い決定した。まず、精製酵素を尿素処理後、リシルエンドペプチダーゼ(和光純薬)により分解し、得られた断片のアミノ酸配列を気相プロテインシークエンサーで決定した。かくして得られたアミノ酸配列情報より、適当な2種のオリゴヌクレオチドプライマーをホスホアミダイト法により合成し、このプライマーを用いて、PCR(Biometra社製、T−Gradient Thermoblock 050−801)に従い遺伝子の増幅を行った。その結果、0.5kbp前後に特異的な増幅断片を認めた。この断片をプローブとして、本菌株TOA−1のゲノムライブラリーより、本酵素をコードする完全長の遺伝子をスクリーニングした。得られたクローンの塩基配列をジデオキシ法(F. Sanger et. al., Proc. Natl. Acad. Sci., 74, 5463−5467, 1977)を原理とするDNAシークエンサー(LICOR社製、LICOR−4000)により決定した。その塩基配列(564bp)を配列番号:1に示す。また、該塩基配列をもとにして決定されたアミノ酸配列(188アミノ酸)を配列番号:2に示す。
(9)  ケラチン特異性
本酵素は、特に優れたケラチン特異性を有することにより特徴づけられる。例えば、本酵素と市販の代表的アルカリプロテアーゼ(製品Aとする)とのケラチン分解活性、コラーゲン分解活性およびエラスチン分解活性を対比した結果を表1に示す。また、ケラチン分解活性を基準としてコラーゲン分解活性およびエラスチン分解活性の相対活性比を求めた結果を表2に示す。
【0030】
【表1】
Figure 2004043660
【0031】
【表2】
Figure 2004043660
【0032】
これらの表に示される結果から、本酵素は市販酵素である製品Aと比較して、ケラチン分解活性が2倍高く、コラーゲン分解活性およびエラスチン分解活性は同等もしくは低く、ケラチンに対する特異性の高いことがわかる。従って、本酵素は市販酵素に比して、コラーゲンおよびエラスチンへの作用が少なく、獣毛処理に際して真皮への影響が小さいことがわかる。
【0033】
本発明酵素脱毛処理剤は、通常、上記特定酵素をpH調整剤と共に含む脱毛用処理液形態に調製される。ここで用いられるpH調整剤としては、得られる処理液のpHを皮革の脱毛処理に適した約9−11とするものであれば特に限定されない。一般には、水酸化カルシウムを用いるのが好ましい。処理液には、更にpH緩衝作用を持たせるためホウ酸などを加えることができる。なお、該処理液には、従来必須とされている脱毛促進剤としての硫化水素ナトリウム乃至チオグリコール酸などの還元剤を添加する必要はないが、これらの添加配合を禁止するものではない。
【0034】
本発明酵素脱毛用処理液における酵素、pH調整剤などの配合量(濃度)は、得られる処理液を適用する原皮の種類、脱毛処理の方法、条件などに応じて適宜決定でき、特に限定されるものではない。通常酵素は、原皮重量1gに対して約30−180APU程度、好ましくは約60−150APU程度の範囲から選ばれる。pH調整剤としての水酸化カルシウムは、約0.2−2%、好ましくは約0.4−1%の範囲から選ぶことができる。所定pHの調整に用いられるホウ酸は、約0.3−3%、好ましくは約0.6−1.5%の範囲から選ぶことができる。
【0035】
本発明酵素脱毛用処理液には、更に必要に応じて、通常この種の脱毛用処理液に添加配合されることの知られている界面活性剤などを適宜添加配合することができる。該界面活性剤としては、例えば、薬品浸透促進効果のある界面活性剤や脱脂効果のある界面活性剤など、具体的には「スプラランUF」(Zschimmer & Schwarz社製)などを挙げることができる。また該界面活性剤には、防腐効果をも奏し得る界面活性、具体的には「シスモランBH」(Bayer社製)なども含まれる。これらの界面活性剤などの添加配合量は、通常それらが用いられる量と特に異ならない。一般にはそれぞれ0.1−1%程度とされるのが普通である。
【0036】
上記の如くして調製される本発明酵素脱毛用処理液は、従来知られているドラムまたはパドルを用いた皮革鞣製の脱毛工程に利用して、これと原皮とを一般にはゆるやかに接触させることによって、本発明所期の脱毛処理を実施することができる。本発明はこのような本発明酵素脱毛処理剤を利用した獣毛の酵素脱毛処理方法を提供する。
【0037】
例えば、ドラムを用いた本発明酵素脱毛処理方法は、常法に従い予め水漬け処理した原皮に、本発明酵素脱毛処理剤を浴比1:2−5となる割合で使用して、温度20−30℃、pH9−11に調整しながら、10−24時間程度を要して実施される。
【0038】
上記で脱毛された処理革は、引続き、革を膨潤させるために消石灰液を用いた石灰漬け処理後、常法に従う鞣製処理の工程に供することができる。このように、本発明方法では、酵素脱毛処理後に石灰漬け(消石灰液のみ)を行うことによって、上記消石灰液を繰返し使用できる利点がある。
【0039】
また、本発明酵素脱毛処理によって得られる毛は、前述したように毛根から脱毛されており、従来技術にみられるような硫化物を使用したことに基づく分解、溶解、変質などは殆どなく、従って、これは例えば濾過などの操作により容易に脱毛処理液中より回収することができる。かくして回収された毛は、硫化物に曝されていないため、フェルト材料、ブラシ材料などの繊維材料として一般工業材料分野で有用であり、また化粧品原料、動物飼料などとしても期待できる。更に、本発明酵素脱毛処理によれば、フレッシング屑および床皮も硫化物に曝されていないので、これらもコラーゲン原料として化粧品分野でより有利に利用できる。
【0040】
本発明方法の適用できる皮革としては、牛を代表例として挙げることができ、その他、豚、ウマ、ヒツジ、ヤギなどであることもできる。
【0041】
本発明脱毛処理方法は、従来のこの種脱毛処理方法に比して、以下の如き優れた実用的価値を有している。
(a)硫化物を使用する必要がなく、従って、該硫化物による排水汚濁負荷を軽減できる、
(b)脱毛に要する水酸化カルシウムの使用量も低減でき、更に石灰漬けで利用する消石灰(水酸化カルシウム)は、これを繰り返し利用できるため、排水中への水酸化カルシウムの流出量を大幅に低減できる、
(c)脱毛した毛は実質的に処理液中に溶解せず、その大半を回収できるため、溶解毛およびこれに由来する蛋白質の排水中への混入を大幅に減少させ得る、
(d)得られる皮革は、ソフトであり、毛根跡が残らず、表面が美しく、明度の高い染色などを行い得る、
(e)鞣製における酵解工程をも省略して、歩留りの向上をはかり得る、
【0042】
【実施例】
以下、本発明を更に詳しく説明するため、本発明酵素脱毛処理剤に利用するアルカリプロテアーゼの製造例を参考例として挙げ、次いで本発明酵素脱毛処理方法の実施例を挙げる。尚、各例における%は原皮重量に対する重量%を示し、使用酵素における力価および活性測定法は特記しない限り前述したそれらに従うものである。
【0043】
【参考例1】粗酵素標品の調製
ノカルディオプシス エスピー TOA−1株(FERM P−18676)の前培養液を、スキムミルク0.5%、酵母エキス0.1%および別殺菌して添加した炭酸ナトリウム1.0%を含む培地(pH10.5)4000 mLを入れた小型ジャーファーメンタ―に植菌し、30℃、通気量1v/v/分、200回転/分で3日間培養した。培養終了後、培養液を8,000回転/分で10分間遠心分離して菌体を除去した。
【0044】
上記により、45APU/mLの粗酵素液約3,800 mLを得た。この粗酵素液に硫安粉末を80%飽和になるまで加え、一昼夜5℃で暗所に静置後、生じた沈殿を8,000回転/分で遠心分離して回収し、凍結乾燥した。上記により、15,100APU/gの粗酵素標品を8.9g得た。
【0045】
このもののケラチン分解活性は、72,500AKU/gであり、コラーゲン分解活性は、77,900ACU/gであり、エラスチン分解活性は、106,000AEU/gであった。これらのことから、本酵素のケラチン分解活性に対するコラーゲン分解活性比は1.08、エラスチン分解活性比は1.46と算出される。
【0046】
【実施例1】牛皮の脱毛処理
原皮として、北米産ステヤー皮27kg、国内産生皮27kg、キップ皮12kgおよびカーフ皮4.5kgを用いた。
【0047】
まず、各原皮を各々ドラム中で、浴比1:3、25℃で1時間水に浸した後、流水で10分間水洗した。次に、浴比1:3、脱脂目的の界面活性剤として「スプラランUF」(Zschimmer & Schwarz社)0.2%および炭酸ナトリウム0.2%を含む処理水中に上記で水洗した皮を25℃で一晩放置して水漬け処理を行った。処理後のpHは8付近であった。更に、浴比1:3、25℃で10分間、水中で攪拌しながら十分に水洗した後、以下に示す酵素脱毛処理を行った。
【0048】
即ち、消石灰0.5%、ホウ酸0.8%および「スプラランUF」0.1%を含む処理液(pH10.5)を用いて、上記で得られた処理皮を、浴比1:3、27℃、1時間処理した後、原皮重量1gに対して90APUのアルカリプロテアーゼ(参考例1で調製したもの)を上記処理液に加え、更に27℃で、1時間に1分間の緩速攪拌を16時間行い、脱毛処理を完結した。処理後のpHは9付近であった。
【0049】
また、処理液中に存在するマリモ状形態の脱毛を、フィルターで回収した。
【0050】
次いで、上記で得られた脱毛処理皮を、石灰漬け(浴比1:3、消石灰3%、25℃、20時間)後、分割、脱灰、浸酸、クロム鞣、シェービング、中和、再鞣、染色、加脂、馬掛け、乾燥、味取り、ミリングおよびネット張りの各工程に付して、皮革製品サンプルを得た。
【0051】
以上の結果、いずれの原皮を用いた場合も、毛は毛切れすることなく毛根より完全に全て脱毛されており、容易に回収できた。元の毛の量は、重量当たり、北米産ステヤー皮で6%、国内産生皮で7%、キップ皮で10%およびカーフ皮で10%であり、毛の回収量は各々95%以上であった。さらに、垢も完全に除去されており、浴中のpHは経時的に低下して行くため、銀面への過剰な反応も抑制され、革表面は美しかった。
【0052】
本酵素処理を採用して得られた皮革サンプル(本発明品)の外観を、従来のヘアーバーン法に従って脱毛処理(浴比1:3、硫化水素ナトリウム1.5%、硫化ナトリウム1.5%および消石灰3%を含む処理液使用、25℃、一晩浸漬)し、以降、同様にして得た皮革サンプル(比較品)と比較検討した。
【0053】
その結果、いずれの原皮を用いた場合も、本発明品は、比較品に比して、革がより柔らかく面積も大きくなっており、染色ムラもなく鮮明に染色されていた。また、本発明品では、比較品に認められる耐熱性、引裂き強度などの低下は、認められなかった。
【0054】
また、上記本発明品と比較品とのそれぞれの製造における脱毛処理後の処理液(排水)の水質分析を以下の通り実施した。即ち、SSは、JIS環境庁告示第59号付表8の方法に従って分析した。T−Nは、JIS K0102−45.2の方法に従って測定した。CODは、JIS K0102−17の方法に従って測定した。BODはJIS K0102−21.注(14)および32.1の方法に従って測定した。
【0055】
得られた結果を、下記表3に示す。
【0056】
【表3】
Figure 2004043660
【0057】
表3に示される結果より明らかなとおり、本発明方法によれば、従来のヘアバーン法を採用する場合に比して、排水中のSSは99%削減でき、全窒素(T−N)は67%削減でき、CODは55%削減でき、またBODは26%削減できる。
【0058】
更に、従来のヘアバーン法では、硫化物の使用を必須とするために、その処理に、例えば一次濾過、塩酸による中和、凝集剤による凝集沈殿などの操作や、硫酸マンガンなどの酸化触媒による中和処理などが必要であり、しかもこれらの処理操作の間に、硫化水素が発生する危険があり、作業者の安全性にも問題がある。これに対して、本発明酵素脱毛処理方法では、硫化物を使用しないので、上記硫化物の処理は不要であり、この処理に伴われる労力、経費などをも軽減できる利点があり、作業者の安全性の面でも非常に優れた方法である。
【0059】
【実施例2】豚皮
豚皮原皮(5kg×5枚、計25kg)を流水で30分間水洗した後、「トリロン」(松本油脂製薬界面活性剤)0.4%および炭酸ナトリウム0.4%を含む水中に、一晩放置(浴比1:2、25℃)して水漬け処理を行った。次に、「トリロン」3%を含む水中に、浴比1:2、30℃、3時間浸して脱脂処理を十分に行った後、流水で十分に水洗し、その後、以下に示す酵素脱毛処理を行った。
【0060】
即ち、消石灰0.5%、ホウ酸0.8%および「スプラランUF」0.3%を含む処理液(pH10.5)を用いて、上記で得られた処理皮を、浴比1:3、27℃、1時間処理した後、原皮重量1gに対して120APUのアルカリプロテアーゼ(参考例1で調製したもの)を加え、27℃で、1時間に1分間の緩速攪拌を一夜続けて、脱毛処理を完結した。処理後のpHは9.3付近であった。
【0061】
以上の結果、毛は毛切れすることなく毛根より抜け、大部分が脱毛され、容易に回収できた。また、残毛も軽く引っ張るだけで簡単に脱毛できた。得られた脱毛処理皮は、石灰漬け後、牛皮と同工程で処理して皮革製品とした。
【0062】
【配列表】
Figure 2004043660
Figure 2004043660
Figure 2004043660
Figure 2004043660

Claims (7)

  1. ケラチン分解活性が70AKU以上であり、ケラチン分解活性に対するコラーゲン分解活性比が2以下であり且つケラチン分解活性に対するエラスチン分解活性比が4以下であるアルカリプロテアーゼを有効成分とする獣皮の酵素脱毛処理剤。
  2. アルカリプロテアーゼが、放線菌由来のものである請求項1に記載の酵素脱毛処理剤。
  3. アルカリプロテアーゼが、ノカルディオプシス エスピー(Nocardiopsis sp.)TOA−1株(FERM P−18676)の産生するものである請求項1に記載の酵素脱毛処理剤。
  4. 皮革鞣製の脱毛工程に用いられるものである請求項1に記載の酵素脱毛処理剤。
  5. 請求項1に記載の酵素脱毛処理剤を原皮と接触させることを特徴とする獣皮の酵素脱毛処理方法。
  6. 接触が、原皮重量1g当たり酵素力価15−150APUのアルカリプロテアーゼを用いて、浴比1:2−5、温度20−30℃、pH9−11および時間10−24時間の条件で実施される請求項5に記載の酵素脱毛処理方法。
  7. 請求項1に記載の酵素脱毛処理剤を原皮と接触させ、次いで脱毛を回収することを特徴とする皮革鞣製における毛の回収方法。
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