JP2004042876A - エッジと弾性体を利用した、自動車の制御・操縦の補助装置。 - Google Patents
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Abstract
【課題】凍結路面上の雪等の有無に関わらず、自動車の制動距離を短縮し、発進を円滑にし、方向性を安定させて、タイヤの摩擦力不足に伴う機動性低下を補う。
【解決手段】アーム3a・3bが下降するとフレーム2が凍結路面上の雪等を排斥またはその中に潜入して、エッジ1を氷層に接触作用させる。ここで生じた摩擦力ないし切削抵抗を車体に伝えて制動を補助する。エッジ1の作用中、本装置がレール11を移動する時の推進力を車体に伝えて発進を補助する。操舵と連動する直線の変向エッジが氷層に作用し、方向特性を車体に伝えて操舵を補助する(図なし・機構は図と類似)。エッジの作業・効果を、弾性体9による柔構造の昇降自在機構が援護して、能率面他の有用効果を持つ処に本装置の特徴がある。
【効果】任意の操作で本装置の性能を顕すことにより、冬季特有のタイヤの滑走・空転・横滑り等による事故等の発生を防止し、凍結路面の交通の安全に資する。
【選択図】図1
【解決手段】アーム3a・3bが下降するとフレーム2が凍結路面上の雪等を排斥またはその中に潜入して、エッジ1を氷層に接触作用させる。ここで生じた摩擦力ないし切削抵抗を車体に伝えて制動を補助する。エッジ1の作用中、本装置がレール11を移動する時の推進力を車体に伝えて発進を補助する。操舵と連動する直線の変向エッジが氷層に作用し、方向特性を車体に伝えて操舵を補助する(図なし・機構は図と類似)。エッジの作業・効果を、弾性体9による柔構造の昇降自在機構が援護して、能率面他の有用効果を持つ処に本装置の特徴がある。
【効果】任意の操作で本装置の性能を顕すことにより、冬季特有のタイヤの滑走・空転・横滑り等による事故等の発生を防止し、凍結路面の交通の安全に資する。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、凍結路面等における自動車の制御と操縦を、自動車本体の既存機構とは別の機構により、外援的に補助する装置に関する。寒冷地等の、いわゆる凍結路面・圧雪路面等においては、タイヤの摩擦力の低下に起因して自動車の機動性が総体的に低下し危険を伴うため、既存のタイヤ等を介さず、作業端のエッジにより摩擦抵抗ないしは、切削抵抗・反力等を生ぜしめ、これを車体に伝達してタイヤによる制動・発進・操舵等を外援し、自動車の性能・機能を回復させることを目的とする装置である。
制動は、バネ等の弾性体を控えた昇降自在機構の先端に取付けの全方向性のエッジプレートを凍結路面に柔軟かつ適正に加圧作用して、摩擦力ないし切削抵抗力等を能率良く発生させ、これを車体に伝達してタイヤによる制動を補助する。
発進は、そのエッジにより凍結路面を加圧したまま装置自体が車体据付レールを移動する機構により、タイヤによる発進加速初期を補助するものである。
方向性安定補助は、自動車の操舵角と連動して旋回する機構を介したバネ等の弾性体を控える昇降自在機構の先端部に取付けの変向エッジが、凍結路面から方向特性を得て、これを直接車体に伝えることにより、操舵タイヤの作用を補助するものであり、これには、制動補助機構を付属させる場合もある。
本装置は、車体の中心線上の底部に据付するが、特に、制動装置は車体重心の後方に設置することにより、中高速走行時の起動においては、減速すると共に、重心と作用点の関係から車体の向きを安定させる効果を生じ、例えば、ABS未装着車輌が中・高速から本装置で急制動をし、仮りにタイヤがロックしたとしても、安定性の高い減速ないしは停止が可能な設定であり、タイヤをロックさせない運転技術を併用すると、本装置による減速効果と併せて操舵も有効である。
制動補助の起動は、自動車のブレーキランプ回線に接続して後続車輌に制動操作を知らせると共に、咄嗟の判断でも迷わず確実に操作可能な形状のスイッチ付きのブレーキペダル等により操作する。また、ON・OFFの繰返し等の操作で、断続的に作用させ、制動調整等をしながら走行させることも可能な設定である。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車の仕様は、凍結路面であってもタイヤのみで制御・操縦する事を前提としていたため、絶対的に摩擦力が不足し、乾燥路面と比べて制動距離が長くなる等、運行全般にわたって自動車本来の機動性が低下する。
また、凍結路面は、降雪の後などは交通事故が頻発しており、特に交差点付近は顕著で、これにはタイヤの摩擦力不足による制動距離の長短が密接に関係する。
タイヤは、タイヤと凍結路面との間に、氷ないし圧雪層の形成を余儀なくされるという本質的な構造的欠点と云うべき性質を持ち、摩擦力がその層と凍結路面との関係に陥ると、摩擦力は極端に減少して制動距離が極めて長くなる。元より、凍結路面においてはタイヤによる急制動が実質的には効かない状態であり、除雪の雪山、吹雪等、夏場に比べて見通しが悪く、運転者の判断上の危険要素も重なるため、本来ならば、自動車の性能が夏場以上に向上して然るべきものである。
ABSは高度な制御技術であり、性能効果等は最適と評され、路面状況によっては有用な装置であるが、この、タイヤの本質的欠点をそのままに、雪道に必要な運転技術を機械的に効率良く処理しただけのものとも評せ、制動距離の最短が希求される場合等には、例え、相当の距離等が有ったとしてもこの極端な摩擦力不足から危難回避不能に陥る場合があることは否めない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
凍結路面は、タイヤの摩擦力の低下によりスリップが発生しやすく、制動距離を始めとする自動車の本来機能が低下して、冬季特有の事故等の危険性が高まる。
このため、凍結路面の性質の違いや、タイヤの摩擦力を著しく低下させる積雪等の有無にも影響されずに、凍結路面に相応の氷層が存在るするという条件が整えば、自動車の制御・操縦を確実に補助でき、環境にも配慮した機構の装置を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明による自動車の機能補助の装置は、エッジ(adge)即ち、金属その他の硬質素材の鋭い縁・角、いわゆる刃となる部分を、適正加圧と相当深度で凍結路面の表層に作用させると、その作用の方向によっては、強い摩擦力ないしは切削抵抗と確実な方向特性を得られるので、この効果の活用と環境が均衡する合理性をもって、凍結路面等におけるタイヤの摩擦力不足に伴う自動車の機動性の低下を回復させて、本来の性能に近づけるものである。
制動の補助機能は、弾性を控える昇降自在のアームと、マンホール・線路・段差等の路上障害の回避機能や雪等の排除機能等のあるエッジフレームと、排雪機能等のある直線・曲線エッジの複合構成によるエッジプレート等の相互作用によって、凍結路面上の積雪を排除、または、その積雪に潜入して、常に、直接に、氷の表層に到達作用することが可能となり、凍結路面上の積雪状況等の弊害的影響を受けずに、ほぼ安定した効果を車体に伝えることができる。
発進加速初期の補助機能は、そのエッジを凍結路面に加圧したまま、車体に固定したレールに添って装置を移動させることで推進力が得られて発進の補助が可能となる。
方向性安定の補助は、操舵角と連動する直線エッジの作用により、前輪の横滑りや、路面にハンドルを取られる現象を防いで、方向性安定の補助をすることが可能となる。
何れの装置も弾性体のバネ等による弾性を控えた、いわゆる柔構造であり、制動補助は三点支持機構と相俟って、エッジが凍結路面の凹凸変化に順応作用してエッジ効果を高能率で得ると共に、自動車の挙動等で路面に過剰な負荷をかけない機構を備えていることを特徴とし、その弾性ないしは柔構造・使用頻度・作用深度・作用対象等から、環境レベルの問題発生を予定しない。
【0005】
【発明の実施の形態】凍結路面においては、タイヤの摩擦力不足に起因して自動車の機動性が総体的に低下する。さらに、凍結路面上の積雪等の影響を受けて摩擦力が著しく低下し、制動距離が極端に長くなる。このため、エッジと弾性体を利用してタイヤの性能を補助でき、環境を損なうことの無い装置を提供するものである。車輌の諸条件により装置の形状・部材配置・機構・駆動・動力源・動力伝達方法等を異にし、4WD車輌には発進補助機能は不要等、多種多様な形態となる。ここでは、小排気量の車輌の装置について以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。(細部の機構部分は省略する。)
【0006】
図1は、電動機4が回転し、機構8によって内臓ナットをシャフト6に固着させる同調回転を伝えると同時に、機構5がその回転を受けてシャフトを移動し、加圧アーム4を介してトーションバー2にねじりモーメントを発生させる圧力が加えられる。これにより、その加圧アーム4と一体のリンク機構のアーム3aと連動アーム3bが同時に下降し、三支点支持によりエッジフレーム2を凍結路面に均等加圧することによりエッジプレート1が摩擦力等を得る機構である。この支持機構と路上障害物回避等ができる形状のガード12・エッジフレーム2・エッジプレート1により、凍結路面上の積雪等の影響を受けず、また、バネの弾性と三支点支持機構によりエッジプレート1が路面の凹凸変化等に順応し、間断無く摩擦力等を得ることが可能であると共に環境を壊すことが無い装置である。発進加速初期の補助は、エッジプレート1の加圧後、機構5内臓歯車をドライブシャフト6の歯車付きナットと同調回転させることでシャフト6に固着した状態にし、レール11と一体の機構8の内臓ナットの回転を停止にすると、シャフト6の回転を受けて、一体の8・11を除く装置全体がレール11を移動して推進力が得られる機構である。図2の方向性安定装置は、自動車の操舵機構と連動して旋回支点ベアリング10を支点に、旋回レール11に添って旋回し、変向エッジ1が凍結路面を加圧して方向特性を得るもので、伝動断続機構を要しないダイレクトドライブ方式の加圧機構による。
【0007】
本装置の装着対象としている「自動車」とは、自動車の一切を指すものではなく、ゴムタイヤを用いた四輪以上の車輌で、例えば、軽自動車・小型自動車・普通自動車・大型自動車・緊急自動車・その他等を指し、一般公道の車道走行を認められていないレジャー目的車輌を始めとして、限定的な区域内で特殊な作業等を目的とする車輌等を除いた概念で用いたものである。
【0008】
【発明の効果】
凍結路面上に相応の氷の層ないし圧雪が存在すれば、その他の状況には影響を受けずに、本装置のエッジが安定した摩擦力等を得てタイヤによる自動車の性能を補助することが可能で、自動車の冬季の機動性が相当程度まで回復する。
制動補助装置の後部一点据付方式は、いわゆる片効き等による新たな危険の発生を防止すると共に、車体重心点と作用点の関係からなる車体の向きの立て直し効果等、車体挙動の安定と安全制動効果を意図した設定である。
この制御・操縦補助装置にかかる副次的効果として、制動性の向上は、冬季特有のスリップ事故等の危険を確実に減少させ、発進加速初期の補助機能及び、方向性安定装置は、交通の安全と円滑・事故防止に資する。必要な時に限り、凍結路面に限って作用させる装置であるから、本体のブレーキ故障など、緊急避難的な非常事態での起動は例外として、道路構造物を損傷することは無く、環境レベルの問題は生じない。ただ、ブラックアイスバーンと云われる凍結路面には相応の道路損傷を予定する。しかし、この場合は運転者が危険を予め認識し、極めて慎重な低速運転をするのが通例であるから、エッジを磨滅させることを承知した上での起動は、ごく限られたところの危難回避に終止する。また、心理面への波及効果として、本装置装着車輌がある程度混在することで、冬季の安全運転・制動距離の意識レベルが更に高まり、追突回避から車間距離を十分に空ける傾向が新たに現われて交通の安全を助長する。さらに、初冬または春先における乾燥路面において、スタッドレスタイヤは夏タイヤに比べて制動性能等が劣り、極限域においては、その危険性も認められているため、本装置がタイヤの交換の時期を遅らせ、または、早めさせ、より安全で経済的な交通を実現する効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(前提)自動車の前部は、図面の左側である。
(A)制動・発進装置を最大加圧とした場合の側面図である。
(B)その平面図である。
【図2】(前提)自動車の前部は、図面の左側である。
(A)方向性安定補助装置を最大加圧とした場合の側面図である。
(B)その平面図である。
【図3】部材の概要図
(A)伝動断続機構の加圧時における歯車配置図
(B)伝動断続機構の移動時における歯車配置図
(C)エッジフレームとエッジプレートの縦断面図
なお、矢印は、雪等の排出の状態を表す。
(D)変向エッジの横断面図
なお、矢印は、雪等の排出の状態を表す。
【符号の説明】
図1 2図
1 エッジプレート 1 直線エッジ
2 エッジフレーム 2 エッジフレーム
3a アーム 3a アーム
b 連動アーム b 連動アーム
4 加圧アーム 4 加圧アーム
5 歯車式伝動断続機構 5 ドライブシャフト
6 ねじ溝あるドライブシャフト 6 加圧ナット
7 歯車式伝動断続機構の縦溝付きシャフト 7 トーションバー
8 歯車式伝動断続機構 8 電動機
9 トーションバー 9 スライドレール
10 電動機 10 旋回支点ベアリング
11 スライドレール 11 旋回レール
12 エッジフレームカード
【発明の属する技術分野】
この発明は、凍結路面等における自動車の制御と操縦を、自動車本体の既存機構とは別の機構により、外援的に補助する装置に関する。寒冷地等の、いわゆる凍結路面・圧雪路面等においては、タイヤの摩擦力の低下に起因して自動車の機動性が総体的に低下し危険を伴うため、既存のタイヤ等を介さず、作業端のエッジにより摩擦抵抗ないしは、切削抵抗・反力等を生ぜしめ、これを車体に伝達してタイヤによる制動・発進・操舵等を外援し、自動車の性能・機能を回復させることを目的とする装置である。
制動は、バネ等の弾性体を控えた昇降自在機構の先端に取付けの全方向性のエッジプレートを凍結路面に柔軟かつ適正に加圧作用して、摩擦力ないし切削抵抗力等を能率良く発生させ、これを車体に伝達してタイヤによる制動を補助する。
発進は、そのエッジにより凍結路面を加圧したまま装置自体が車体据付レールを移動する機構により、タイヤによる発進加速初期を補助するものである。
方向性安定補助は、自動車の操舵角と連動して旋回する機構を介したバネ等の弾性体を控える昇降自在機構の先端部に取付けの変向エッジが、凍結路面から方向特性を得て、これを直接車体に伝えることにより、操舵タイヤの作用を補助するものであり、これには、制動補助機構を付属させる場合もある。
本装置は、車体の中心線上の底部に据付するが、特に、制動装置は車体重心の後方に設置することにより、中高速走行時の起動においては、減速すると共に、重心と作用点の関係から車体の向きを安定させる効果を生じ、例えば、ABS未装着車輌が中・高速から本装置で急制動をし、仮りにタイヤがロックしたとしても、安定性の高い減速ないしは停止が可能な設定であり、タイヤをロックさせない運転技術を併用すると、本装置による減速効果と併せて操舵も有効である。
制動補助の起動は、自動車のブレーキランプ回線に接続して後続車輌に制動操作を知らせると共に、咄嗟の判断でも迷わず確実に操作可能な形状のスイッチ付きのブレーキペダル等により操作する。また、ON・OFFの繰返し等の操作で、断続的に作用させ、制動調整等をしながら走行させることも可能な設定である。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車の仕様は、凍結路面であってもタイヤのみで制御・操縦する事を前提としていたため、絶対的に摩擦力が不足し、乾燥路面と比べて制動距離が長くなる等、運行全般にわたって自動車本来の機動性が低下する。
また、凍結路面は、降雪の後などは交通事故が頻発しており、特に交差点付近は顕著で、これにはタイヤの摩擦力不足による制動距離の長短が密接に関係する。
タイヤは、タイヤと凍結路面との間に、氷ないし圧雪層の形成を余儀なくされるという本質的な構造的欠点と云うべき性質を持ち、摩擦力がその層と凍結路面との関係に陥ると、摩擦力は極端に減少して制動距離が極めて長くなる。元より、凍結路面においてはタイヤによる急制動が実質的には効かない状態であり、除雪の雪山、吹雪等、夏場に比べて見通しが悪く、運転者の判断上の危険要素も重なるため、本来ならば、自動車の性能が夏場以上に向上して然るべきものである。
ABSは高度な制御技術であり、性能効果等は最適と評され、路面状況によっては有用な装置であるが、この、タイヤの本質的欠点をそのままに、雪道に必要な運転技術を機械的に効率良く処理しただけのものとも評せ、制動距離の最短が希求される場合等には、例え、相当の距離等が有ったとしてもこの極端な摩擦力不足から危難回避不能に陥る場合があることは否めない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
凍結路面は、タイヤの摩擦力の低下によりスリップが発生しやすく、制動距離を始めとする自動車の本来機能が低下して、冬季特有の事故等の危険性が高まる。
このため、凍結路面の性質の違いや、タイヤの摩擦力を著しく低下させる積雪等の有無にも影響されずに、凍結路面に相応の氷層が存在るするという条件が整えば、自動車の制御・操縦を確実に補助でき、環境にも配慮した機構の装置を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明による自動車の機能補助の装置は、エッジ(adge)即ち、金属その他の硬質素材の鋭い縁・角、いわゆる刃となる部分を、適正加圧と相当深度で凍結路面の表層に作用させると、その作用の方向によっては、強い摩擦力ないしは切削抵抗と確実な方向特性を得られるので、この効果の活用と環境が均衡する合理性をもって、凍結路面等におけるタイヤの摩擦力不足に伴う自動車の機動性の低下を回復させて、本来の性能に近づけるものである。
制動の補助機能は、弾性を控える昇降自在のアームと、マンホール・線路・段差等の路上障害の回避機能や雪等の排除機能等のあるエッジフレームと、排雪機能等のある直線・曲線エッジの複合構成によるエッジプレート等の相互作用によって、凍結路面上の積雪を排除、または、その積雪に潜入して、常に、直接に、氷の表層に到達作用することが可能となり、凍結路面上の積雪状況等の弊害的影響を受けずに、ほぼ安定した効果を車体に伝えることができる。
発進加速初期の補助機能は、そのエッジを凍結路面に加圧したまま、車体に固定したレールに添って装置を移動させることで推進力が得られて発進の補助が可能となる。
方向性安定の補助は、操舵角と連動する直線エッジの作用により、前輪の横滑りや、路面にハンドルを取られる現象を防いで、方向性安定の補助をすることが可能となる。
何れの装置も弾性体のバネ等による弾性を控えた、いわゆる柔構造であり、制動補助は三点支持機構と相俟って、エッジが凍結路面の凹凸変化に順応作用してエッジ効果を高能率で得ると共に、自動車の挙動等で路面に過剰な負荷をかけない機構を備えていることを特徴とし、その弾性ないしは柔構造・使用頻度・作用深度・作用対象等から、環境レベルの問題発生を予定しない。
【0005】
【発明の実施の形態】凍結路面においては、タイヤの摩擦力不足に起因して自動車の機動性が総体的に低下する。さらに、凍結路面上の積雪等の影響を受けて摩擦力が著しく低下し、制動距離が極端に長くなる。このため、エッジと弾性体を利用してタイヤの性能を補助でき、環境を損なうことの無い装置を提供するものである。車輌の諸条件により装置の形状・部材配置・機構・駆動・動力源・動力伝達方法等を異にし、4WD車輌には発進補助機能は不要等、多種多様な形態となる。ここでは、小排気量の車輌の装置について以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。(細部の機構部分は省略する。)
【0006】
図1は、電動機4が回転し、機構8によって内臓ナットをシャフト6に固着させる同調回転を伝えると同時に、機構5がその回転を受けてシャフトを移動し、加圧アーム4を介してトーションバー2にねじりモーメントを発生させる圧力が加えられる。これにより、その加圧アーム4と一体のリンク機構のアーム3aと連動アーム3bが同時に下降し、三支点支持によりエッジフレーム2を凍結路面に均等加圧することによりエッジプレート1が摩擦力等を得る機構である。この支持機構と路上障害物回避等ができる形状のガード12・エッジフレーム2・エッジプレート1により、凍結路面上の積雪等の影響を受けず、また、バネの弾性と三支点支持機構によりエッジプレート1が路面の凹凸変化等に順応し、間断無く摩擦力等を得ることが可能であると共に環境を壊すことが無い装置である。発進加速初期の補助は、エッジプレート1の加圧後、機構5内臓歯車をドライブシャフト6の歯車付きナットと同調回転させることでシャフト6に固着した状態にし、レール11と一体の機構8の内臓ナットの回転を停止にすると、シャフト6の回転を受けて、一体の8・11を除く装置全体がレール11を移動して推進力が得られる機構である。図2の方向性安定装置は、自動車の操舵機構と連動して旋回支点ベアリング10を支点に、旋回レール11に添って旋回し、変向エッジ1が凍結路面を加圧して方向特性を得るもので、伝動断続機構を要しないダイレクトドライブ方式の加圧機構による。
【0007】
本装置の装着対象としている「自動車」とは、自動車の一切を指すものではなく、ゴムタイヤを用いた四輪以上の車輌で、例えば、軽自動車・小型自動車・普通自動車・大型自動車・緊急自動車・その他等を指し、一般公道の車道走行を認められていないレジャー目的車輌を始めとして、限定的な区域内で特殊な作業等を目的とする車輌等を除いた概念で用いたものである。
【0008】
【発明の効果】
凍結路面上に相応の氷の層ないし圧雪が存在すれば、その他の状況には影響を受けずに、本装置のエッジが安定した摩擦力等を得てタイヤによる自動車の性能を補助することが可能で、自動車の冬季の機動性が相当程度まで回復する。
制動補助装置の後部一点据付方式は、いわゆる片効き等による新たな危険の発生を防止すると共に、車体重心点と作用点の関係からなる車体の向きの立て直し効果等、車体挙動の安定と安全制動効果を意図した設定である。
この制御・操縦補助装置にかかる副次的効果として、制動性の向上は、冬季特有のスリップ事故等の危険を確実に減少させ、発進加速初期の補助機能及び、方向性安定装置は、交通の安全と円滑・事故防止に資する。必要な時に限り、凍結路面に限って作用させる装置であるから、本体のブレーキ故障など、緊急避難的な非常事態での起動は例外として、道路構造物を損傷することは無く、環境レベルの問題は生じない。ただ、ブラックアイスバーンと云われる凍結路面には相応の道路損傷を予定する。しかし、この場合は運転者が危険を予め認識し、極めて慎重な低速運転をするのが通例であるから、エッジを磨滅させることを承知した上での起動は、ごく限られたところの危難回避に終止する。また、心理面への波及効果として、本装置装着車輌がある程度混在することで、冬季の安全運転・制動距離の意識レベルが更に高まり、追突回避から車間距離を十分に空ける傾向が新たに現われて交通の安全を助長する。さらに、初冬または春先における乾燥路面において、スタッドレスタイヤは夏タイヤに比べて制動性能等が劣り、極限域においては、その危険性も認められているため、本装置がタイヤの交換の時期を遅らせ、または、早めさせ、より安全で経済的な交通を実現する効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(前提)自動車の前部は、図面の左側である。
(A)制動・発進装置を最大加圧とした場合の側面図である。
(B)その平面図である。
【図2】(前提)自動車の前部は、図面の左側である。
(A)方向性安定補助装置を最大加圧とした場合の側面図である。
(B)その平面図である。
【図3】部材の概要図
(A)伝動断続機構の加圧時における歯車配置図
(B)伝動断続機構の移動時における歯車配置図
(C)エッジフレームとエッジプレートの縦断面図
なお、矢印は、雪等の排出の状態を表す。
(D)変向エッジの横断面図
なお、矢印は、雪等の排出の状態を表す。
【符号の説明】
図1 2図
1 エッジプレート 1 直線エッジ
2 エッジフレーム 2 エッジフレーム
3a アーム 3a アーム
b 連動アーム b 連動アーム
4 加圧アーム 4 加圧アーム
5 歯車式伝動断続機構 5 ドライブシャフト
6 ねじ溝あるドライブシャフト 6 加圧ナット
7 歯車式伝動断続機構の縦溝付きシャフト 7 トーションバー
8 歯車式伝動断続機構 8 電動機
9 トーションバー 9 スライドレール
10 電動機 10 旋回支点ベアリング
11 スライドレール 11 旋回レール
12 エッジフレームカード
Claims (2)
- 凍結路面における自動車の運転において、必要に応じて自動車の制御と操縦を外援的に補助するために、直線と曲線が複合・交錯する構成をもって、凍結路面上の積雪等を排斥ないしは、それに潜入して、凍結路面の氷の表層に接触作用できると共に、作用範囲の氷の層に対して深度差による多段の作用を為し、全方向性の摩擦抵抗ないしは、切削抵抗を得ることを可能にした、硬質素材のエッジ(edge)部を用いて形成された、作業端であるエッジプレートと、
そのエッジプレートを支持し、アジャスターによる設定角度調整・深度調整及び、部材自体の形状と機構による路上障害物の回避機能・除排雪機能・切削圧雪等の飛散防止機能並びに、後輪の横滑り防止機構等を備えると共に、部材自体に作業端であるエッジ部を備え、摩擦抵抗ないしは、切削抵抗を得ることを可能にしたエッジフレームと、
エッジフレームを支持し、車体本体に部材レールを介して支持される昇降自在機構で、エッジフレームを水平下降させる機能を有すが、その駆動・動力伝達機構部材に、弾性体を用いた構成を採り、走行中の車体と路面の間隔変動等に適正の負荷圧と耐力をもって、エッジプレートを間断無く凍結路面に作用させ、摩擦抵抗等を効率良く伝達させる機能と、緩衝機能を併せ持つことを特徴・要素とした柔構造の昇降自在機構及び、その伝動断続機構と、
凍結路面における自動車の発進加速初期の段階において、昇降自在機構によりエッジプレートを下降して摩擦力等を得ながら、自動車本体に据付の部材レールに支持された昇降自在機構自体を、駆動機構によりレールに添って移動させ、これによって生じる推進力を車体に伝えて発進加速初期を補助する。この移動ないしは、反復移動させるための駆動機構及び伝動断続機構と、
各作業終了後の自動収納機構等を備え、自動車の凍結路面における制御と操縦を外援的に補助することを可能にした装置。 - 凍結路面における自動車の運転において、必要に応じて操舵タイヤによる方向安定性を補助するため、凍結路面に接触作用して方向特性と摩擦抵抗ないしは、切削抵抗等を得ることが可能な、硬質素材の直線エッジ(edge)部を用いて縦列構成によって形成された、作業端である変向エッジと、
変向エッジ部位に付属し、制動操作と連動した昇降自在機構に支持されて、変向エッジと共に凍結路面に作用して、タイヤによる制動を補助するための摩擦抵抗ないしは、切削抵抗を得ることが可能な、直線・曲線の横列構成によって形成された、作業端である制動エッジと、
変向エッジおよび制動エッジの昇降自在機構を共に支持し、アジャスターによる設定角度調整及び深度調整と、部材自体の形状による路上障害物の回避・排雪機能等を備えるエッジフレームと、
そのエッジフレームを支持し、自動車本体の操舵装置と連動して旋回可能な部材に支持される請求項1同様の、弾性体の介在を特徴・要素とする柔構造の昇降自在機構及び、その駆動機構、
等々の作業端、機能、伝達機構、駆動機構等を備え、弾性体の弾性等により変向エッジが適正の負荷圧と耐力をもって柔軟に凍結路面を加圧して、自動車本体の操舵操作に連動した方向性を間断無く凍結路面に伝達し、その反力を自動車本体に直接伝達してタイヤによる方向安定性を外援的に補助することができ、時には、制動エッジによる制動補助の併用も可能にした、自動車の制御・操縦を補助する装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002238656A JP2004042876A (ja) | 2002-07-15 | 2002-07-15 | エッジと弾性体を利用した、自動車の制御・操縦の補助装置。 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002238656A JP2004042876A (ja) | 2002-07-15 | 2002-07-15 | エッジと弾性体を利用した、自動車の制御・操縦の補助装置。 |
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ID=31712217
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JP2002238656A Pending JP2004042876A (ja) | 2002-07-15 | 2002-07-15 | エッジと弾性体を利用した、自動車の制御・操縦の補助装置。 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102139707A (zh) * | 2011-01-26 | 2011-08-03 | 中国人民解放军95989部队 | 一种拖挂设备的转向机构 |
CN105041208A (zh) * | 2015-08-21 | 2015-11-11 | 浙江省水利水电勘测设计院 | 一种轮式整体移运钻机装置 |
-
2002
- 2002-07-15 JP JP2002238656A patent/JP2004042876A/ja active Pending
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---|---|---|---|---|
CN102139707A (zh) * | 2011-01-26 | 2011-08-03 | 中国人民解放军95989部队 | 一种拖挂设备的转向机构 |
CN105041208A (zh) * | 2015-08-21 | 2015-11-11 | 浙江省水利水电勘测设计院 | 一种轮式整体移运钻机装置 |
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