JP2004042836A - 車両用前照灯装置 - Google Patents
車両用前照灯装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004042836A JP2004042836A JP2002205006A JP2002205006A JP2004042836A JP 2004042836 A JP2004042836 A JP 2004042836A JP 2002205006 A JP2002205006 A JP 2002205006A JP 2002205006 A JP2002205006 A JP 2002205006A JP 2004042836 A JP2004042836 A JP 2004042836A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- steering
- straight
- steering wheel
- light distribution
- steering position
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Lighting Device Outwards From Vehicle And Optical Signal (AREA)
Abstract
【課題】ハンドルの直進操舵位置検出直後に、ハンドルの操舵に連動して配光手段が可動されたときの違和感を低減する。
【解決手段】配光手段をハンドルの操舵に連動して可変させるものにおいて、ハンドルの直進操舵位置を判定すると共にハンドルの操舵方向と舵角とに基づきハンドルが直進操舵位置を通過してから元の直進操舵位置に戻ったか否かを判定する直進操舵位置判定手段53と、配光手段のオン・オフを判定するオン・オフ判定手段53と、配光手段を駆動するモータ14、24と、オン・オフ判定手段と直進操舵位置判定手段との判定結果に基づき、配光手段がオンした後に前記ハンドルが直進操舵位置を通過してからハンドルが元の直進操舵位置に初めて戻るまでの間は、ハンドルが元の直進操舵位置に初めて戻って直進操舵位置を通過した時以降の回転速度よりも遅い回転速度となるようにかつハンドルの舵角に応じた照射方向に配光手段が向けられるようにする。
【選択図】 図11
【解決手段】配光手段をハンドルの操舵に連動して可変させるものにおいて、ハンドルの直進操舵位置を判定すると共にハンドルの操舵方向と舵角とに基づきハンドルが直進操舵位置を通過してから元の直進操舵位置に戻ったか否かを判定する直進操舵位置判定手段53と、配光手段のオン・オフを判定するオン・オフ判定手段53と、配光手段を駆動するモータ14、24と、オン・オフ判定手段と直進操舵位置判定手段との判定結果に基づき、配光手段がオンした後に前記ハンドルが直進操舵位置を通過してからハンドルが元の直進操舵位置に初めて戻るまでの間は、ハンドルが元の直進操舵位置に初めて戻って直進操舵位置を通過した時以降の回転速度よりも遅い回転速度となるようにかつハンドルの舵角に応じた照射方向に配光手段が向けられるようにする。
【選択図】 図11
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用前照灯装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、車両用前照灯装置には、図1に示すように、車両1の前面の左右に配光手段としての可動リフレクタ4、5を有するヘッドランプ2、3を備え、この配光手段をハンドルの操舵に連動させて可変させる車両用前照灯装置が知られている。
【0003】
このものでは、ハンドルの操舵角と操舵方向とを検出し、舵角に応じた検出信号を出力するハンドル操舵角検出部と、ハンドル操舵角検出部からの検出信号が入力され、車両の直進状態に対応するハンドルの直進操舵位置を判定する直進操舵位置判定手段と、配光手段のオン・オフを判定するオン・オフ判定手段と、配光手段を駆動するモータとを備え、ハンドルの操舵に連動して配光をドライバーが視認するであろう方向に向け、視認性の向上を図っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このものでは、イグニッションスイッチがオンされてからハンドルの舵角量を検出するには、ハンドルが直進操舵位置にあるか否かを判定しなければならず、このハンドルの直進操舵位置を検出した後に配光手段がオンされたとき、ハンドルの操舵に連動して配光手段が舵角量に応じて急に可動されると、ドライバーの目が配光手段の可動速度に慣れていないため、ドライバーに違和感を与えるという問題がある。
【0005】
特に、配光手段の照明光全体の方向をハンドルの舵角に応じて変更させるものでは、ドライバーの受ける違和感が大きい。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、その目的とするところは、ハンドルの直進操舵位置を検出した後に、ハンドルの操舵に連動して配光手段が可動されたときの違和感を低減できる車両用前照灯装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の車両用前照灯装置は、車両前面の左右に配光手段を備え、該配光手段をハンドルの操舵に連動して可変させるものにおいて、
前記ハンドルの操舵角と操舵方向とを検出し、舵角に応じた検出信号を出力するハンドル操舵角検出部と、
前記ハンドル操舵角検出部からの検出信号が入力され、車両の直進状態に対応するハンドルの直進操舵位置を判定すると共に前記ハンドルの操舵方向と舵角とに基づき前記ハンドルが直進操舵位置を通過してから元の直進操舵位置に戻ったか否かを判定する直進操舵位置判定手段と、
前記配光手段のオン・オフを判定するオン・オフ判定手段と、
前記配光手段を駆動するモータと、
前記オン・オフ判定手段と前記直進操舵位置判定手段との判定結果に基づき、前記配光手段がオンした後に前記ハンドルが直進操舵位置を通過してから前記ハンドルが元の直進操舵位置に初めて戻るまでの間は、前記ハンドルが元の直進操舵位置に初めて戻って該直進操舵位置を通過した時以降の回転速度よりも遅い回転速度となるようにかつハンドルの舵角に応じた照射角度に前記配光手段が向けられるように前記モータを制御するモータ制御手段と、
を備えていることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係わる車両用前照灯装置の発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0009】
図2は車両用前照灯装置のブロック回路図である。この図2において、10は左ヘッドランプ照明装置、20は右ヘッドランプ照明装置、30はハンドルの舵角と操舵方向とを検出して、舵角に応じた検出信号を出力するハンドル舵角検出部(ステアリング操舵角検出部)、40は車速を検出する車速検出部、50は舵角検出部30の検出信号と車速検出部40の検出信号とに基づき左ヘッドランプ照明装置10、右ヘッドランプ照明装置20を配光制御する配光制御装置、60はこの配光制御装置50に電源を供給する電源回路、SW1はイグニッションスイッチ、SW2は配光手段をオンオフするヘッドランプスイッチ、Eはバッテリーである。
【0010】
右ヘッドランプ照明装置10は、図3に示すように、この例では、バルブ11、このバルブ11の後方に配置の配光手段としての可動リフレクタ12、固定リフレクタ13、可動リフレクタ12を左右方向へ回動駆動させる4相ステッピングモータ14を備えている。ステッピングモータ14は1ステップ回動する毎に可動リフレクタ12を0.17°ずつ回動させるものである。
【0011】
左ヘッドランプ照明装置10は、図3に示すように、灯具ハウジング15を有し、灯具ハウジング15には回動軸16が回動可能に設けられている。可動リフレクタ12はその回動軸16の下部に固定されている。
【0012】
回動軸16には、図3、図4に示すように、ハス歯ギヤ17が設けられ、ステッピングモータ14の出力軸14aにはウオームギヤ18が設けられ、ハス歯ギヤ17とウオームギヤ18とが噛み合わされて、ウオームギヤ18の回転がハス歯ギヤ17に伝達されるものとなっている。回動軸16にはこの回動軸16と一体に回動するスリーブ19が固定され、このスリーブ19には突起19Aが一体に形成されている。
【0013】
そのステッピングモータ14はブラケットBに固定され、このブラケットBは灯具ハウジング15に取り付けられている。ブラケットBの先端部には凹部Baが形成され、回動軸16、スリーブ19、突起19Aがこの凹部Ba内に配置されている。また、凹部Ba内には図5に示すように回動軸16が所定角度回動したときにその突起19Aが当接するストッパ面Bmが形成されている。
【0014】
その突起19Aがストッパ面Bmに当接することにより、可動リフレクタ12は図5に示す位置よりも左方向外側に向けて回動しないようになっている。ここでは、可動リフレクタ12は正面から左右へ35°以上回動しないようになっている。右ヘッドランプ照明装置20の構成は左ヘッドランプ照明装置と同様の構成であるので、その詳細な説明は省略する。配光制御装置50は、図2に示すように、ステッピングモータ14を駆動制御するモータ制御部51と、ステッピングモータ24を駆動制御するモータ制御部52と、このモータ制御部51、52を制御するCPU53とを有している。
【0015】
CPU53は、出力端子INAl、INBl、STlと出力端子INAr、INBr、STrとを有し、出力端子INAl、INBl、STlはモータ制御部51に接続され、出力端子INAr、INBr、STrはモータ制御部52に接続されている。
【0016】
モータ制御部51は、出力端子Φ1l、Φ2l、Φ3l、Φ4lを有し、これら出力端子Φ1l、Φ2l、Φ3l、Φ4lはステッピングモータ14の入力端子にそれぞれ接続されている。同様に、モータ制御部52は、出力端子Φ1r、Φ2r、Φ3r、Φ4rはステッピングモータ24の入力端子にそれぞれ接続されている。そして、図6に示すように、CPU53の出力端子ST1がHレベルのとき、出力端子INA1からパルス信号P1が出力され、出力端子INB1からパルス信号P1より位相が90°遅れたパルス信号P2が出力される。これにより、図6に示す駆動期間T1の間に、モータ制御部51の出力端子Φ1l、Φ2l、Φ3l、Φ4lからパルス信号PS1〜PS4が出力され、ステッピングモータ14が右回転される。
【0017】
逆に、出力端子INBlからパルス信号P2が先に出力され、出力端子INAlからパルス信号P2より位相が90°遅れたパルス信号P1が出力されると、モータ制御部51の出力端子Φ1l、Φ2l、Φ3l、Φ4lから図6に示す駆動期間T2の間に、パルス信号PS1〜PS4が出力され、ステッピングモータ14が左回転される。
【0018】
同様に、出力端子INAr、INBrからパルス信号P1、P2が出力されると、ステッピングモータ24が右回転、左回転される。ステッピングモータ24が右回転すると、可動リフレクタ22が外側に向けて回動され、ステッピングモータ24が左回転されると、可動リフレクタ22が内側に向けて回動される。また、CPU53の出力端子STl、STrがLレベルになるとステッピングモータ14、24の回転が停止される。その可動リフレクタ12の可動スピードは、通常60°/sec、すなわち、ステッピングモータ14、24の駆動周波数は350パルスパーセカンド(pps)とする。
【0019】
ハンドル舵角検出部30は、図7に示すように、ハンドルの操舵に連動して回転する回転板31と、この回転板31の回転方向及び操舵方向を検出するフォト検出手段32と、回転板31の原点スリット35を検出する第1フォトインタラプタ36とを備えている。ハンドルは時計方向及び反時計方向へ360°以上回転可能となっており、回転板31はハンドルシャフト(図示せず)に取り付けられている。
【0020】
回転板31には、図7に示すように、周縁に沿って等間隔に複数のスリット34が形成され、スリット34の内側に原点スリット35が形成されている。スリット34の幅L1は、図8に示すように、スリット34とスリット34との間の離間距離L2(=L1)と同一に設定され、原点スリット35の周方向の幅は、10個分のスリット34の幅(L1×20)に設定されている。
【0021】
フォト検出手段32は、一対の第2フォトインタラプタ33、43とから構成されており、第2フォトインタラプタ33は図9に示すように発光ダイオード33Dとこの発光ダイオード33Dの光を受光するフォトダイオード33Fとを有している。発光ダイオード33Dはコ字状の保持部材37の上板37Aに設けられ、フォトダイオード33Fは保持部材37の下板37Bに設けられ、発光ダイオード33D及びフォトダイオード33Fは相対向して回転板31のスリット34を挟む位置に配置されている。そして、フォトダイオード33Fは発光ダイオード33Dの光を受光するとHレベルの信号を出力し、その光が遮光されるとLレベルの信号を出力するようになっている。すなわち、第2フォトインタラプタ33はスリット34を検出する毎にHレベルの第2検出信号Ga(図10参照)を出力するようになっている。
【0022】
第2フォトインタラプタ43は、発光ダイオード43Dとこの発光ダイオード43Dの光を受光するフォトダイオード43Fとを有している。発光ダイオード43Dは上板37Aに設けられ、フォトダイオード43Fは下板37Bに設けられていて、発光ダイオード43D及びフォトダイオード43Fは相対向して回転板31のスリット34を挟む位置に配置されている。そして、フォトダイオード43Fは発光ダイオード43Dの光を受光するとHレベルの信号を出力し、その光が遮光されるとLレベルの信号を出力するようになっている。すなわち、第2フォトインターラプタ43はスリット34を検出する毎にHレベルの第2検出信号Gbを出力するようになっている。また、フォトダイオード33Fとフォトダイオード43Fとの間の離間距離L3は図8に示すようにスリット34の幅L1の1/2に設定されている。発光ダイオード33Dと発光ダイオード43Dとの離間距離もL3に設定されている。
【0023】
そして、回転板31が時計方向へ回転していくと(図7参照)、第2フォトインタラプタ33、43が相対的に左方向へ移動していくことにより、図10に示すように、第2フォトインタラプタ33の検出信号Gaの出力時点は第2フォトインタラプタ43の検出信号Gbの出力時点より早くなる。すなわち、フォトダイオード33Fの出力がLレベルからHレベルとなる時点が、フォトダイオード43Fの出力がLレベルからHレベルとなる時点よりも1/4周期早くなる。
【0024】
逆に、回転板31が反時計方向へ回転していくと(図7参照)、第2フォトインタラプタ33、43が相対的に右方向へ移動していくことにより、図10に示すように、第2フォトインタラプタ43の検出信号Gbの出力時点が第2フォトインタラプタ33の検出信号Gaの出力時点より早くなる。
【0025】
すなわち、フォトダイオード43Fの出力がLレベルからHレベルとなる時点が、フォトダイオード33Fの出力がLレベルからHレベルとなる時点より1/4周期早くなる。すなわち、フォトダイオード43FのH、Lレベルの繰り返し周期の位相がフォトダイオード33Fの繰り返し周期の位相より90°進むことになる。従って、第2フォトインタラプタ33、43の第2検出信号Ga、Gbの出力周期(H、Lレベルの繰り返し周期)の位相を比較することにより回転板31の回転方向がわかり、第2検出信号Ga、Gbの数すなわちパルス数から回転板31の回転角(舵角量)が分かることになる。
【0026】
第1フォトインタラプタ36は、発光ダイオード36Dとこの発光ダイオード36Dの光を受光するフォトダイオード36Fとを有している。発光ダイオード36Dは上板37Aに設けられ、フォトダイオード36Fは下板37Bに設けられていて、発光ダイオード36D及びフォトダイオード36Fは相対向して回転板31の原点スリット35を挟む位置に配置されている。そして、フォトダイオード36Fは発光ダイオード36Dの光を受光するとHレベルの信号を出力し、その光が遮光されるとLレベルの信号を出力するようになっている。
【0027】
ハンドルの原点位置(ハンドルの直進操舵位置)にハンドルが位置しているとき、すなわち、ハンドルが操舵されていないとき、回転板31は図7に示す位置に位置しており、第1フォトインタラプタ36は図9に示すように原点スリット35を検出してHレベルの第1検出信号Gcを出力するようになっている。このとき、図8に示すように、フォトダイオード43Fの受光面はスリット34aの左縁部によって半分ほど隠れる状態となっている。また、フォトダイオード36Fとフォトダイオード33Fとは回転板31の回転中心位置から延びた直線上に位置している。
【0028】
次に、本発明に係わる車両用前照灯装置の作用を図11に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
【0029】
イグニッションスイッチSW1をオンすると、電源回路60から配光制御装置50に電源が投入され、マイクロコンピュータ53が作動を開始する。すると、まず、メインフローチャートの割り込み処理実行周期設定が実行され(S.1)、これにより、その割り込み周期が2.8msに設定される。
【0030】
次いで、CPU53は、可動リフレクタ12、22をセンター位置(可動リフレクタ12、22を基準照射軸方向)に合わせるためのイニシャライズ処理が終了したか否かを判断する(S.2)。このイニシャライズ処理は、2.8ms毎の割り込み処理の実行中に行われる。この割り込み処理の詳細、イニシャライズ処理の詳細については、説明を割愛する。
【0031】
イニシャライズ処理が終了すると、CPU53は直進操舵位置検出が終了したか否かを判断する(S.3)。直進操舵位置検出処理が終了していないときには、CPU53は車両の直進操舵位置検出処理を実行し(S.4)、これを繰り返す。次いで、CPU53は、ヘッドランプスイッチSW1がオンされたか否かを判断する(S.5)。ヘッドランプスイッチSW1がオフのときには、可動リフレクタ12、22の照射軸を基準照射軸方向(例えば、正面方向)に向けて設定する(S.6)。
【0032】
CPU53は、ヘッドランプスイッチSW1がオンのときには、操舵角と操舵方向とを判断する処理を行う(S.7)。次いで、CPU53は、ハンドルの操舵方向と舵角とに基づきハンドルが直進操舵位置を通過してから元の直進操舵位置に初めて戻ったか否かを判定する(S.8)。
【0033】
例えば、図7に示すように、ハンドルが原点位置を通過してから右回り方向に回動され、その後、ハンドルが左回り方向に回動されて初めてハンドルが原点位置を通過したか否かを判断する。ハンドルの回転方向が右回り方向であるか否かは検出信号Ga、Gbの出力時点により判断される。また、原点位置を通過したか否かは検出信号Gcにより判断される。
【0034】
CPU53は、ハンドルが直進操舵位置を通過してから元の直進操舵位置に戻っていないときには、ステッピングモータの回転速度を低速に設定して(S.9)、舵角に応じた照射軸方向に可動リフレクタ12、22が向けられるようにモータ制御部51、52を制御する(S.11)。
【0035】
CPU53は、S.8において、ハンドルが直進操舵位置を通過してから元の直進操舵位置に初めて戻ったときには、ステッピングモータ10、20の回転速度を高速に設定して(S.10)、ハンドルの舵角に応じて可動リフレクタ12、22の照射軸方向を設定する処理(S.11)を行う。
【0036】
従って、この発明の実施の形態によれば、CPU53は、オン・オフ判定手段と直進操舵位置判定手段との判定結果に基づき、配光手段がオンした後にハンドルが直進操舵位置を通過してからハンドルが元の直進操舵位置に初めて戻るまでの間は、ハンドルが元の直進操舵位置に初めて戻って直進操舵位置を通過した時以降の回転速度よりも遅い回転速度となるようにかつハンドルの舵角に応じた照射角度に配光手段が向けられるようにモータを制御するモータ制御手段として機能し、その結果、目が慣れるまでの間は可動リフレクター12、22がゆっくりと舵角に応じて可動され、目が慣れた後は可動リフレクター12、22が舵角に応じて目標とする照射軸方向に素早く可動されることになる。
【0037】
以上、発明の実施の形態では、可動リフレクタ12、22を用いてハンドルの舵角に連動して、可動リフレクタ12、22の照射軸方向を変更する構成としたが、図12に示すように、ロービーム用の灯具ユニット70をヘッドランプ2、3の灯具ハウジング15内に組み込む構成としても良い。
【0038】
この灯具ユニット70は、図13に示すように、ベース部71と可動ユニット部72とを有する。ベース部71には取り付け部71A、71B、モータ73が設けられている。そのベース部71は各ヘッドランプ2、3の灯具ハウジング内部に固定されている。可動ユニット部72にはハウジング74が設けられ、ハウジング74内には、固定リフレクタ(図示を略す)、バルブ(図示を略す)が設けられている。
【0039】
モータ73には出力軸75が設けられ、可動ユニット部72は出力軸75の進退により、図14に示すように、回転軸76を支軸として水平方向に可動される。なお、その図13、図14において、77はソケット部、78はレンズ部である。そのモータ73には、ステッピングモータを用いることができるが、ステッピングモータに限られるものではない。
【0040】
この発明の実施の形態によれば、灯具ユニット70の可動ユニット部72全体がハンドルの舵角に応じて可動され、照明光全体の方向がハンドルの舵角に応じて変更される。
【0041】
なお、ここでは、ロービーム用の灯具ユニット70を可動させる構成としたが、ロービームとハイビームとの両方を有する2灯式の灯具ユニット70を用い、ハイビームからロービームに切り替えたときに、ハンドルの舵角に応じて灯具ユニット70を可動させる構成とすることもできる。
【0042】
更に、ヘッドランプ2、3のハウジング内に既設のロービームとは別個に追加点灯用の灯具ユニット70を設け、この灯具ユニット70を可動させる構成とすることもできる。
【0043】
【発明の効果】
本発明に係わる車両用前照灯装置は、以上説明したように構成したので、ハンドルの直進操舵位置の検出後に、ハンドルの操舵に連動して配光手段が可動されたときの違和感を低減できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両前部に設けられているヘッドランプの説明図である。
【図2】本発明の実施の形態に係わる前照灯制御回路の一例を示すブロック回路図である。
【図3】本発明の実施の形態に係わる可動リフレクタの構造を示す側面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係わる可動リフレクタの構造を示す平面図である。
【図5】図4に示す可動リフレクタの可動状態の一例を示す説明図であって、その照射軸が斜め35°方向に向いている状態を示している。
【図6】本発明の実施の形態に係わる可動リフレクタ駆動用のステッピングモータに印加されるパルスの説明図である。
【図7】本発明に係わるハンドル舵角検出部の回転板の構成を示す平面図である。
【図8】図7に示す回転板のスリットとフォトダイオードとの関係を展開して示す部分拡大図である。
【図9】回転板とフォトダイオードとの位置関係を拡大して示す側面図である。
【図10】ハンドル舵角検出部から出力される検出信号の一例を示す説明図である。
【図11】本発明の実施の形態に係わる車両用前照灯装置の作用を説明するためのフローチャートである。
【図12】車両前部に設けられているヘッドランプの他の例を示す説明図である。
【図13】配光手段の他の例を示す斜視図である。
【図14】図13に示す配光手段の平面図である。
【符号の説明】
1…車両
14、24…ステッピングモータ(モータ)
30…ハンドル操舵角検出部
51、52…モータ制御部(モータ制御手段)
53…CPU(直進操舵位置判定手段、オンオフ判定手段、モータ制御手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用前照灯装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、車両用前照灯装置には、図1に示すように、車両1の前面の左右に配光手段としての可動リフレクタ4、5を有するヘッドランプ2、3を備え、この配光手段をハンドルの操舵に連動させて可変させる車両用前照灯装置が知られている。
【0003】
このものでは、ハンドルの操舵角と操舵方向とを検出し、舵角に応じた検出信号を出力するハンドル操舵角検出部と、ハンドル操舵角検出部からの検出信号が入力され、車両の直進状態に対応するハンドルの直進操舵位置を判定する直進操舵位置判定手段と、配光手段のオン・オフを判定するオン・オフ判定手段と、配光手段を駆動するモータとを備え、ハンドルの操舵に連動して配光をドライバーが視認するであろう方向に向け、視認性の向上を図っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このものでは、イグニッションスイッチがオンされてからハンドルの舵角量を検出するには、ハンドルが直進操舵位置にあるか否かを判定しなければならず、このハンドルの直進操舵位置を検出した後に配光手段がオンされたとき、ハンドルの操舵に連動して配光手段が舵角量に応じて急に可動されると、ドライバーの目が配光手段の可動速度に慣れていないため、ドライバーに違和感を与えるという問題がある。
【0005】
特に、配光手段の照明光全体の方向をハンドルの舵角に応じて変更させるものでは、ドライバーの受ける違和感が大きい。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、その目的とするところは、ハンドルの直進操舵位置を検出した後に、ハンドルの操舵に連動して配光手段が可動されたときの違和感を低減できる車両用前照灯装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の車両用前照灯装置は、車両前面の左右に配光手段を備え、該配光手段をハンドルの操舵に連動して可変させるものにおいて、
前記ハンドルの操舵角と操舵方向とを検出し、舵角に応じた検出信号を出力するハンドル操舵角検出部と、
前記ハンドル操舵角検出部からの検出信号が入力され、車両の直進状態に対応するハンドルの直進操舵位置を判定すると共に前記ハンドルの操舵方向と舵角とに基づき前記ハンドルが直進操舵位置を通過してから元の直進操舵位置に戻ったか否かを判定する直進操舵位置判定手段と、
前記配光手段のオン・オフを判定するオン・オフ判定手段と、
前記配光手段を駆動するモータと、
前記オン・オフ判定手段と前記直進操舵位置判定手段との判定結果に基づき、前記配光手段がオンした後に前記ハンドルが直進操舵位置を通過してから前記ハンドルが元の直進操舵位置に初めて戻るまでの間は、前記ハンドルが元の直進操舵位置に初めて戻って該直進操舵位置を通過した時以降の回転速度よりも遅い回転速度となるようにかつハンドルの舵角に応じた照射角度に前記配光手段が向けられるように前記モータを制御するモータ制御手段と、
を備えていることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係わる車両用前照灯装置の発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0009】
図2は車両用前照灯装置のブロック回路図である。この図2において、10は左ヘッドランプ照明装置、20は右ヘッドランプ照明装置、30はハンドルの舵角と操舵方向とを検出して、舵角に応じた検出信号を出力するハンドル舵角検出部(ステアリング操舵角検出部)、40は車速を検出する車速検出部、50は舵角検出部30の検出信号と車速検出部40の検出信号とに基づき左ヘッドランプ照明装置10、右ヘッドランプ照明装置20を配光制御する配光制御装置、60はこの配光制御装置50に電源を供給する電源回路、SW1はイグニッションスイッチ、SW2は配光手段をオンオフするヘッドランプスイッチ、Eはバッテリーである。
【0010】
右ヘッドランプ照明装置10は、図3に示すように、この例では、バルブ11、このバルブ11の後方に配置の配光手段としての可動リフレクタ12、固定リフレクタ13、可動リフレクタ12を左右方向へ回動駆動させる4相ステッピングモータ14を備えている。ステッピングモータ14は1ステップ回動する毎に可動リフレクタ12を0.17°ずつ回動させるものである。
【0011】
左ヘッドランプ照明装置10は、図3に示すように、灯具ハウジング15を有し、灯具ハウジング15には回動軸16が回動可能に設けられている。可動リフレクタ12はその回動軸16の下部に固定されている。
【0012】
回動軸16には、図3、図4に示すように、ハス歯ギヤ17が設けられ、ステッピングモータ14の出力軸14aにはウオームギヤ18が設けられ、ハス歯ギヤ17とウオームギヤ18とが噛み合わされて、ウオームギヤ18の回転がハス歯ギヤ17に伝達されるものとなっている。回動軸16にはこの回動軸16と一体に回動するスリーブ19が固定され、このスリーブ19には突起19Aが一体に形成されている。
【0013】
そのステッピングモータ14はブラケットBに固定され、このブラケットBは灯具ハウジング15に取り付けられている。ブラケットBの先端部には凹部Baが形成され、回動軸16、スリーブ19、突起19Aがこの凹部Ba内に配置されている。また、凹部Ba内には図5に示すように回動軸16が所定角度回動したときにその突起19Aが当接するストッパ面Bmが形成されている。
【0014】
その突起19Aがストッパ面Bmに当接することにより、可動リフレクタ12は図5に示す位置よりも左方向外側に向けて回動しないようになっている。ここでは、可動リフレクタ12は正面から左右へ35°以上回動しないようになっている。右ヘッドランプ照明装置20の構成は左ヘッドランプ照明装置と同様の構成であるので、その詳細な説明は省略する。配光制御装置50は、図2に示すように、ステッピングモータ14を駆動制御するモータ制御部51と、ステッピングモータ24を駆動制御するモータ制御部52と、このモータ制御部51、52を制御するCPU53とを有している。
【0015】
CPU53は、出力端子INAl、INBl、STlと出力端子INAr、INBr、STrとを有し、出力端子INAl、INBl、STlはモータ制御部51に接続され、出力端子INAr、INBr、STrはモータ制御部52に接続されている。
【0016】
モータ制御部51は、出力端子Φ1l、Φ2l、Φ3l、Φ4lを有し、これら出力端子Φ1l、Φ2l、Φ3l、Φ4lはステッピングモータ14の入力端子にそれぞれ接続されている。同様に、モータ制御部52は、出力端子Φ1r、Φ2r、Φ3r、Φ4rはステッピングモータ24の入力端子にそれぞれ接続されている。そして、図6に示すように、CPU53の出力端子ST1がHレベルのとき、出力端子INA1からパルス信号P1が出力され、出力端子INB1からパルス信号P1より位相が90°遅れたパルス信号P2が出力される。これにより、図6に示す駆動期間T1の間に、モータ制御部51の出力端子Φ1l、Φ2l、Φ3l、Φ4lからパルス信号PS1〜PS4が出力され、ステッピングモータ14が右回転される。
【0017】
逆に、出力端子INBlからパルス信号P2が先に出力され、出力端子INAlからパルス信号P2より位相が90°遅れたパルス信号P1が出力されると、モータ制御部51の出力端子Φ1l、Φ2l、Φ3l、Φ4lから図6に示す駆動期間T2の間に、パルス信号PS1〜PS4が出力され、ステッピングモータ14が左回転される。
【0018】
同様に、出力端子INAr、INBrからパルス信号P1、P2が出力されると、ステッピングモータ24が右回転、左回転される。ステッピングモータ24が右回転すると、可動リフレクタ22が外側に向けて回動され、ステッピングモータ24が左回転されると、可動リフレクタ22が内側に向けて回動される。また、CPU53の出力端子STl、STrがLレベルになるとステッピングモータ14、24の回転が停止される。その可動リフレクタ12の可動スピードは、通常60°/sec、すなわち、ステッピングモータ14、24の駆動周波数は350パルスパーセカンド(pps)とする。
【0019】
ハンドル舵角検出部30は、図7に示すように、ハンドルの操舵に連動して回転する回転板31と、この回転板31の回転方向及び操舵方向を検出するフォト検出手段32と、回転板31の原点スリット35を検出する第1フォトインタラプタ36とを備えている。ハンドルは時計方向及び反時計方向へ360°以上回転可能となっており、回転板31はハンドルシャフト(図示せず)に取り付けられている。
【0020】
回転板31には、図7に示すように、周縁に沿って等間隔に複数のスリット34が形成され、スリット34の内側に原点スリット35が形成されている。スリット34の幅L1は、図8に示すように、スリット34とスリット34との間の離間距離L2(=L1)と同一に設定され、原点スリット35の周方向の幅は、10個分のスリット34の幅(L1×20)に設定されている。
【0021】
フォト検出手段32は、一対の第2フォトインタラプタ33、43とから構成されており、第2フォトインタラプタ33は図9に示すように発光ダイオード33Dとこの発光ダイオード33Dの光を受光するフォトダイオード33Fとを有している。発光ダイオード33Dはコ字状の保持部材37の上板37Aに設けられ、フォトダイオード33Fは保持部材37の下板37Bに設けられ、発光ダイオード33D及びフォトダイオード33Fは相対向して回転板31のスリット34を挟む位置に配置されている。そして、フォトダイオード33Fは発光ダイオード33Dの光を受光するとHレベルの信号を出力し、その光が遮光されるとLレベルの信号を出力するようになっている。すなわち、第2フォトインタラプタ33はスリット34を検出する毎にHレベルの第2検出信号Ga(図10参照)を出力するようになっている。
【0022】
第2フォトインタラプタ43は、発光ダイオード43Dとこの発光ダイオード43Dの光を受光するフォトダイオード43Fとを有している。発光ダイオード43Dは上板37Aに設けられ、フォトダイオード43Fは下板37Bに設けられていて、発光ダイオード43D及びフォトダイオード43Fは相対向して回転板31のスリット34を挟む位置に配置されている。そして、フォトダイオード43Fは発光ダイオード43Dの光を受光するとHレベルの信号を出力し、その光が遮光されるとLレベルの信号を出力するようになっている。すなわち、第2フォトインターラプタ43はスリット34を検出する毎にHレベルの第2検出信号Gbを出力するようになっている。また、フォトダイオード33Fとフォトダイオード43Fとの間の離間距離L3は図8に示すようにスリット34の幅L1の1/2に設定されている。発光ダイオード33Dと発光ダイオード43Dとの離間距離もL3に設定されている。
【0023】
そして、回転板31が時計方向へ回転していくと(図7参照)、第2フォトインタラプタ33、43が相対的に左方向へ移動していくことにより、図10に示すように、第2フォトインタラプタ33の検出信号Gaの出力時点は第2フォトインタラプタ43の検出信号Gbの出力時点より早くなる。すなわち、フォトダイオード33Fの出力がLレベルからHレベルとなる時点が、フォトダイオード43Fの出力がLレベルからHレベルとなる時点よりも1/4周期早くなる。
【0024】
逆に、回転板31が反時計方向へ回転していくと(図7参照)、第2フォトインタラプタ33、43が相対的に右方向へ移動していくことにより、図10に示すように、第2フォトインタラプタ43の検出信号Gbの出力時点が第2フォトインタラプタ33の検出信号Gaの出力時点より早くなる。
【0025】
すなわち、フォトダイオード43Fの出力がLレベルからHレベルとなる時点が、フォトダイオード33Fの出力がLレベルからHレベルとなる時点より1/4周期早くなる。すなわち、フォトダイオード43FのH、Lレベルの繰り返し周期の位相がフォトダイオード33Fの繰り返し周期の位相より90°進むことになる。従って、第2フォトインタラプタ33、43の第2検出信号Ga、Gbの出力周期(H、Lレベルの繰り返し周期)の位相を比較することにより回転板31の回転方向がわかり、第2検出信号Ga、Gbの数すなわちパルス数から回転板31の回転角(舵角量)が分かることになる。
【0026】
第1フォトインタラプタ36は、発光ダイオード36Dとこの発光ダイオード36Dの光を受光するフォトダイオード36Fとを有している。発光ダイオード36Dは上板37Aに設けられ、フォトダイオード36Fは下板37Bに設けられていて、発光ダイオード36D及びフォトダイオード36Fは相対向して回転板31の原点スリット35を挟む位置に配置されている。そして、フォトダイオード36Fは発光ダイオード36Dの光を受光するとHレベルの信号を出力し、その光が遮光されるとLレベルの信号を出力するようになっている。
【0027】
ハンドルの原点位置(ハンドルの直進操舵位置)にハンドルが位置しているとき、すなわち、ハンドルが操舵されていないとき、回転板31は図7に示す位置に位置しており、第1フォトインタラプタ36は図9に示すように原点スリット35を検出してHレベルの第1検出信号Gcを出力するようになっている。このとき、図8に示すように、フォトダイオード43Fの受光面はスリット34aの左縁部によって半分ほど隠れる状態となっている。また、フォトダイオード36Fとフォトダイオード33Fとは回転板31の回転中心位置から延びた直線上に位置している。
【0028】
次に、本発明に係わる車両用前照灯装置の作用を図11に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
【0029】
イグニッションスイッチSW1をオンすると、電源回路60から配光制御装置50に電源が投入され、マイクロコンピュータ53が作動を開始する。すると、まず、メインフローチャートの割り込み処理実行周期設定が実行され(S.1)、これにより、その割り込み周期が2.8msに設定される。
【0030】
次いで、CPU53は、可動リフレクタ12、22をセンター位置(可動リフレクタ12、22を基準照射軸方向)に合わせるためのイニシャライズ処理が終了したか否かを判断する(S.2)。このイニシャライズ処理は、2.8ms毎の割り込み処理の実行中に行われる。この割り込み処理の詳細、イニシャライズ処理の詳細については、説明を割愛する。
【0031】
イニシャライズ処理が終了すると、CPU53は直進操舵位置検出が終了したか否かを判断する(S.3)。直進操舵位置検出処理が終了していないときには、CPU53は車両の直進操舵位置検出処理を実行し(S.4)、これを繰り返す。次いで、CPU53は、ヘッドランプスイッチSW1がオンされたか否かを判断する(S.5)。ヘッドランプスイッチSW1がオフのときには、可動リフレクタ12、22の照射軸を基準照射軸方向(例えば、正面方向)に向けて設定する(S.6)。
【0032】
CPU53は、ヘッドランプスイッチSW1がオンのときには、操舵角と操舵方向とを判断する処理を行う(S.7)。次いで、CPU53は、ハンドルの操舵方向と舵角とに基づきハンドルが直進操舵位置を通過してから元の直進操舵位置に初めて戻ったか否かを判定する(S.8)。
【0033】
例えば、図7に示すように、ハンドルが原点位置を通過してから右回り方向に回動され、その後、ハンドルが左回り方向に回動されて初めてハンドルが原点位置を通過したか否かを判断する。ハンドルの回転方向が右回り方向であるか否かは検出信号Ga、Gbの出力時点により判断される。また、原点位置を通過したか否かは検出信号Gcにより判断される。
【0034】
CPU53は、ハンドルが直進操舵位置を通過してから元の直進操舵位置に戻っていないときには、ステッピングモータの回転速度を低速に設定して(S.9)、舵角に応じた照射軸方向に可動リフレクタ12、22が向けられるようにモータ制御部51、52を制御する(S.11)。
【0035】
CPU53は、S.8において、ハンドルが直進操舵位置を通過してから元の直進操舵位置に初めて戻ったときには、ステッピングモータ10、20の回転速度を高速に設定して(S.10)、ハンドルの舵角に応じて可動リフレクタ12、22の照射軸方向を設定する処理(S.11)を行う。
【0036】
従って、この発明の実施の形態によれば、CPU53は、オン・オフ判定手段と直進操舵位置判定手段との判定結果に基づき、配光手段がオンした後にハンドルが直進操舵位置を通過してからハンドルが元の直進操舵位置に初めて戻るまでの間は、ハンドルが元の直進操舵位置に初めて戻って直進操舵位置を通過した時以降の回転速度よりも遅い回転速度となるようにかつハンドルの舵角に応じた照射角度に配光手段が向けられるようにモータを制御するモータ制御手段として機能し、その結果、目が慣れるまでの間は可動リフレクター12、22がゆっくりと舵角に応じて可動され、目が慣れた後は可動リフレクター12、22が舵角に応じて目標とする照射軸方向に素早く可動されることになる。
【0037】
以上、発明の実施の形態では、可動リフレクタ12、22を用いてハンドルの舵角に連動して、可動リフレクタ12、22の照射軸方向を変更する構成としたが、図12に示すように、ロービーム用の灯具ユニット70をヘッドランプ2、3の灯具ハウジング15内に組み込む構成としても良い。
【0038】
この灯具ユニット70は、図13に示すように、ベース部71と可動ユニット部72とを有する。ベース部71には取り付け部71A、71B、モータ73が設けられている。そのベース部71は各ヘッドランプ2、3の灯具ハウジング内部に固定されている。可動ユニット部72にはハウジング74が設けられ、ハウジング74内には、固定リフレクタ(図示を略す)、バルブ(図示を略す)が設けられている。
【0039】
モータ73には出力軸75が設けられ、可動ユニット部72は出力軸75の進退により、図14に示すように、回転軸76を支軸として水平方向に可動される。なお、その図13、図14において、77はソケット部、78はレンズ部である。そのモータ73には、ステッピングモータを用いることができるが、ステッピングモータに限られるものではない。
【0040】
この発明の実施の形態によれば、灯具ユニット70の可動ユニット部72全体がハンドルの舵角に応じて可動され、照明光全体の方向がハンドルの舵角に応じて変更される。
【0041】
なお、ここでは、ロービーム用の灯具ユニット70を可動させる構成としたが、ロービームとハイビームとの両方を有する2灯式の灯具ユニット70を用い、ハイビームからロービームに切り替えたときに、ハンドルの舵角に応じて灯具ユニット70を可動させる構成とすることもできる。
【0042】
更に、ヘッドランプ2、3のハウジング内に既設のロービームとは別個に追加点灯用の灯具ユニット70を設け、この灯具ユニット70を可動させる構成とすることもできる。
【0043】
【発明の効果】
本発明に係わる車両用前照灯装置は、以上説明したように構成したので、ハンドルの直進操舵位置の検出後に、ハンドルの操舵に連動して配光手段が可動されたときの違和感を低減できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両前部に設けられているヘッドランプの説明図である。
【図2】本発明の実施の形態に係わる前照灯制御回路の一例を示すブロック回路図である。
【図3】本発明の実施の形態に係わる可動リフレクタの構造を示す側面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係わる可動リフレクタの構造を示す平面図である。
【図5】図4に示す可動リフレクタの可動状態の一例を示す説明図であって、その照射軸が斜め35°方向に向いている状態を示している。
【図6】本発明の実施の形態に係わる可動リフレクタ駆動用のステッピングモータに印加されるパルスの説明図である。
【図7】本発明に係わるハンドル舵角検出部の回転板の構成を示す平面図である。
【図8】図7に示す回転板のスリットとフォトダイオードとの関係を展開して示す部分拡大図である。
【図9】回転板とフォトダイオードとの位置関係を拡大して示す側面図である。
【図10】ハンドル舵角検出部から出力される検出信号の一例を示す説明図である。
【図11】本発明の実施の形態に係わる車両用前照灯装置の作用を説明するためのフローチャートである。
【図12】車両前部に設けられているヘッドランプの他の例を示す説明図である。
【図13】配光手段の他の例を示す斜視図である。
【図14】図13に示す配光手段の平面図である。
【符号の説明】
1…車両
14、24…ステッピングモータ(モータ)
30…ハンドル操舵角検出部
51、52…モータ制御部(モータ制御手段)
53…CPU(直進操舵位置判定手段、オンオフ判定手段、モータ制御手段)
Claims (2)
- 車両前面の左右に配光手段を備え、該配光手段をハンドルの操舵に連動して可変させる車両用前照灯装置において、
前記ハンドルの操舵角と操舵方向とを検出し、舵角に応じた検出信号を出力するハンドル操舵角検出部と、
前記ハンドル操舵角検出部からの検出信号が入力され、車両の直進状態に対応するハンドルの直進操舵位置を判定すると共に前記ハンドルの操舵方向と舵角とに基づき前記ハンドルが直進操舵位置を通過してから元の直進操舵位置に戻ったか否かを判定する直進操舵位置判定手段と、
前記配光手段のオン・オフを判定するオン・オフ判定手段と、
前記配光手段を駆動するモータと、
前記オン・オフ判定手段と前記直進操舵位置判定手段との判定結果に基づき、前記配光手段がオンした後に前記ハンドルが直進操舵位置を通過してから前記ハンドルが元の直進操舵位置に初めて戻るまでの間は、前記ハンドルが元の直進操舵位置に初めて戻って該直進操舵位置を通過した時以降の回転速度よりも遅い回転速度となるようにかつハンドルの舵角に応じた照射方向に前記配光手段が向けられるように前記モータを制御するモータ制御手段と、
を備えていることを特徴とする車両用前照灯装置。 - 前記配光手段が、ベース部と可動ユニット部とからなり、ベース部に可動ユニット部駆動用のモータが設けられている灯具ユニットであることを特徴とする請求項1に記載の車両用前照灯装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002205006A JP2004042836A (ja) | 2002-07-15 | 2002-07-15 | 車両用前照灯装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002205006A JP2004042836A (ja) | 2002-07-15 | 2002-07-15 | 車両用前照灯装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004042836A true JP2004042836A (ja) | 2004-02-12 |
Family
ID=31710416
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002205006A Pending JP2004042836A (ja) | 2002-07-15 | 2002-07-15 | 車両用前照灯装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004042836A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010234850A (ja) * | 2009-03-30 | 2010-10-21 | Tokyu Car Corp | 鉄道車両用前照灯装置 |
-
2002
- 2002-07-15 JP JP2002205006A patent/JP2004042836A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010234850A (ja) * | 2009-03-30 | 2010-10-21 | Tokyu Car Corp | 鉄道車両用前照灯装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5301383B2 (ja) | 車両用前照灯装置 | |
US6623147B2 (en) | Vehicle lighting apparatus | |
US6634773B2 (en) | Vehicle lighting apparatus | |
US7036964B2 (en) | Vehicle headlamp apparatus and method of setting optical axis position thereof | |
US6761473B2 (en) | Vehicle lighting apparatus | |
JP2003260980A (ja) | 車両用照明装置 | |
JP2001270382A (ja) | 車両用前照灯配光制御システム | |
US6726349B2 (en) | Vehicle lighting apparatus | |
JP2004155232A (ja) | 車両用前照灯装置 | |
US6652110B2 (en) | Vehicle lighting apparatus | |
JP3994800B2 (ja) | 車両用前照灯システム | |
JP4333626B2 (ja) | 車両用前照灯装置 | |
JP2004042836A (ja) | 車両用前照灯装置 | |
JP2004330934A (ja) | 車両用照明装置 | |
JP4066720B2 (ja) | 車両用前照灯システム | |
JP2014010969A (ja) | 車両用前照灯 | |
JP4120277B2 (ja) | 車両用前照灯システム | |
JP2003159989A (ja) | 車両用前照灯システム | |
JP2003159990A (ja) | 車両用前照灯制御システム | |
JP6676346B2 (ja) | 車両用前照灯の配光制御システム | |
JP3227990U (ja) | 自動車 | |
JP2003159988A (ja) | 車両用前照灯システム | |
KR100301405B1 (ko) | 차량 전조등의 광조사폭 조절장치 | |
JP2684052B2 (ja) | 自動二輪車の前照灯照射方向制御方法および装置 | |
JP2004026095A (ja) | 車両用前照灯の配光制御装置 |