JP2004042516A - プリプレグおよび回路基板 - Google Patents

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江草 繁
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Abstract

【課題】本発明によれば、回路基板の板厚精度を向上することが可能であり、かつ金属箔との密着性に優れるプリプレグおよびそれを用いた回路基板を提供することである。
【解決手段】本発明のプリプレグは、硬化性樹脂とガラス繊維基材とで構成される第1層と、前記第1層の両面に設けられた第2層とを有するプリプレグであって、前記第2層は、硬化性樹脂と無機充填材とを含有する樹脂組成物で構成されるものであることを特徴とするものである。また、本発明の回路基板は、上述のプリプレグを1枚または2枚以上と、その片面または両面に金属箔を重ね合わせて加熱、加圧してなることを特徴とするものである。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリプレグおよび回路基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、回路基板用積層板や多層回路基板は、従来よりも高い周波数が使用されるようになってきている。そのため、回路基板用材料の物性に対する要求が一段と厳しくなっている。特に、回路の信号遅延に対する回路基板用材料の検討は従来から行われてきており、回路基板用材料の低誘電率化、回路基板成形後の板厚精度の高度化によるインピーダンスコントロールが可能な樹脂の開発が検討されている。
回路基板の板厚精度は、信号遅延と1倍の相関があるのに対して、回路基板用材料の誘電率は、信号遅延の平方根と相関がある。そのため、回路基板の板厚精度を向上することの方が信号遅延に対する問題に対処するのに有効な手段である。
【0003】
回路基板の板厚精度向上には、樹脂の金型外への流出(以下、フローアウトという)を減少させることが重要である。例えば、成形時における樹脂の最低溶融粘度を高くすることにより、フローアウトのコントロールが行われてきた。フローアウトをコントロールする方法として、例えばプリプレグに含浸する樹脂に無機充填材や高分子量樹脂等を添加することにより樹脂の粘度を上げる方法などがある。しかし、このような樹脂の粘度を高くする方法では、樹脂のガラス繊維基材への含浸性が低下することから、含浸時に繊維内ボイドの増加を招き、基板成形時に成形不良が生じるおそれがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、回路基板の板厚精度を向上することが可能であり、かつ金属箔との密着性に優れるプリプレグおよびそれを用いた回路基板を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(9)の本発明により達成される。
(1)硬化性樹脂とガラス繊維基材とで構成される第1層と、前記第1層の両面に設けられた第2層とを有するプリプレグであって、該第2層は、硬化性樹脂と無機充填材とを含有する樹脂組成物で構成されるものであることを特徴とするプリプレグ。
(2)前記無機充填材の含有量は、前記第2層を構成する硬化性樹脂100重量部に対して20〜250重量部である第(1)に記載のプリプレグ。
(3)前記無機充填材は、酸化物を含むものである第(1)または(2)に記載のプリプレグ。
(4)前記無機充填材は、平均粒径の異なる酸化物を含むものである第(1)ないし(3)のいずれかに記載のプリプレグ。
(5)前記酸化物は、シリカである第(3)または(4)に記載のプリプレグ。(6)前記無機充填材は、炭酸塩および/または水酸化物と、酸化物とを含むものである第(1)または(2)に記載のプリプレグ。
(7)前記第1層の硬化性樹脂の反応率は、前記第2層の硬化性樹脂の反応率よりも高いものである第(1)ないし(6)のいずれかに記載のプリプレグ。
(8)第(1)ないし(7)のいずれかに記載のプリプレグを1枚または2枚以上と、その片面または両面に金属箔を重ね合わせて加熱、加圧してなることを特徴とする回路基板。
(9)前記金属箔のプロファイル高さは、5μm以下である第(8)に記載の回路基板。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のプリプレグおよび回路基板について、詳細に説明する。
本発明のプリプレグは、硬化性樹脂とガラス繊維基材とで構成される第1層と、前記第1層の両面に設けられた第2層とを有するプリプレグであって、前記第2層は、硬化性樹脂と無機充填材とを含有する樹脂組成物で構成されるものであることを特徴とするものである。
また、本発明の回路基板は、上述のプリプレグを1枚または2枚以上と、その片面または両面に金属箔を重ね合わせて加熱、加圧してなることを特徴とするものである。
【0007】
以下、プリプレグについて説明する。
本発明のプリプレグでは、硬化性樹脂とガラス繊維基材とで構成される第1層を有する。これにより、プリプレグに要求される基本的な特性を充足することができる。
前記硬化性樹脂としては、例えばノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂等のフェノール樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、メラミン樹脂等を挙げることができる。
これらの中でもビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂から選ばれる1種以上が好ましい。これにより、半田耐熱性を向上することができる。
【0008】
前記ガラス繊維基材としては、例えばガラス織布、ガラス不織布等が挙げられる。
前記ガラス繊維基材の通気度は、特に限定されないが、20cm/cm/sec以下であることが好ましい。通気度が20cm/cm/secを越えるものを使用すると、ガラス繊維基材を形成する糸の拡がりが不充分であるため、樹脂ワニスが繊維に含浸し難くなり、ストランドボイドが生じる場合がある。通気度は、その数値が大きいほど繊維間の隙間が大きく、表面から裏面へ一定圧の空気の流通量が大きいことを意味し、その数値が小さいほど繊維間の隙間が小さく、一定圧の空気の流通量が小さいことを意味する。
前記通気度は、JIS R3420に準拠した方法で測定することができる。また、ガラス繊維基材の通気度を上記範囲とするには、公知の開繊処理を行えばよい。また、本発明で用いるガラス繊維基材は、更に、収束剤除去処理されることが好ましい。かかる処理を行うことで樹脂ワニスの含浸性が更に向上し、確実なボイドレスを図ることができる。ここで、開繊処理とは、高圧のウオータージェット等によりガラス繊維基材を構成している経糸および緯糸をほぐし、経糸および緯糸の糸の幅を拡げる処理をいい、収束剤除去処理とは、通常のガラス繊維基材を織るときに使用されるバインダーや糊剤等を取り除き、例えば、0.1重量%のように一定以下までに低減する処理をいう。
【0009】
前記第1層を形成する方法は、例えば樹脂組成物を前記ガラス繊維基材に含浸する方法が挙げられる。前記樹脂ワニスを前記基材に含浸させる方法は、例えば基材を樹脂ワニスに浸漬する方法、各種コーターによる塗布する方法、スプレーによる吹き付ける方法等が挙げられる。これらの中でも、基材を樹脂ワニスに浸漬する方法が好ましい。これにより、基材に対する樹脂組成物の含浸性を向上することができる。なお、基材を樹脂ワニスに浸漬する場合、通常の含浸塗布設備を使用することができる。
前記樹脂ワニスに用いられる溶媒は、前記樹脂組成物に対して良好な溶解性を示すことが望ましいが、悪影響を及ぼさない範囲で貧溶媒を使用しても構わない。良好な溶解性を示す溶媒としては、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
前記樹脂ワニスの固形分は、特に限定されないが、前記樹脂ワニスの40〜80重量%が好ましく、特に50〜65重量%が好ましい。これにより、樹脂ワニスの基材への含浸性を更に向上できる。
前記基材に前記樹脂組成物を含浸させ、所定温度、例えば80〜200℃等で乾燥させることによりプリプレグを得ることが出来る。
【0010】
本発明のプリプレグは、前記第1層の両面に設けられた第2層を有し、該第2層は、硬化性樹脂と無機充填材とを含有する樹脂組成物で構成されるものである。
本発明のプリプレグにおける第2層で用いられる硬化性樹脂は、例えばノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂等のフェノール樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、メラミン樹脂等を挙げることができる。
これらの中でもビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂から選ばれる1種以上が好ましい。これにより、半田耐熱性を向上することができる。
第1層で用いられる硬化性樹脂と、第2層で用いられる硬化性樹脂とは、同じ種類のものでも異なった種類のもので良いが、界面の密着性等の点で同じ種類の硬化性樹脂を用いることが好ましい。
【0011】
前記第2層は、無機充填材を含有する。これにより、金属箔との密着性、層間の厚さ精度を向上することができる。
前記無機充填材としては、例えばタルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラス等のケイ酸塩、酸化チタン、アルミナ、シリカ、溶融シリカ等の酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト等の炭酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化物、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム等の硫酸塩または亜硫酸塩、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素等の窒化物等を挙げることができる。
【0012】
前記無機充填材の含有量は、特に限定されないが、第2層を構成する硬化性樹脂100重量部に対して20〜250重量部が好ましく、特に30〜200重量部が好ましい。含有量が前記下限値未満であると金属箔との密着性を向上する効果が低下する場合が有り、前記上限値を超えると樹脂の流動性が低下することにより成形性が低下する場合がある。
【0013】
前記無機充填材は、特に限定されないが、酸化物を含むことが好ましい。前記酸化物の中でもシリカおよび/または溶融シリカが好ましい。これにより、積層板の安定して良好な誘電特性を得ることができる。
また、メチル基、エチル基等の官能基を有するシリカ、エポキシシラン、アミノシラン、ウレイドシラン等でカップリング処理したシリカ(特に、平均粒子径が5〜30nm程度の微粉シリカ)を併用することができる。これにより、樹脂の流動性、内層回路への埋め込み性を向上することができる。
【0014】
前記酸化物の平均粒子径は、特に限定されないが、0.1〜10μmが好ましく、特に0.3〜5μmが好ましい。平均粒子径が前記下限値未満であると充填時の作業性が低下する場合が有り、前記上限値を超えると金属箔との密着性が低下する場合が有る。
また、前記酸化物は、特に限定されないが、平均粒子径の異なる酸化物を含むことが好ましい。これにより、層間の厚さ精度を特に向上することができる。
平均粒子径の異なる酸化物を含む場合としては、例えば平均粒子径0.1〜10μmの酸化物と、平均粒子径5〜30nmの酸化物とを組み合わせる場合等を挙げることができる。
この場合、平均粒子径の大きい酸化物と、小さい酸化物との重量比を5:1〜3:2の範囲で組み合わせることが好ましい。これにより、特に層間の厚さ精度を向上することができる。
【0015】
また、前記無機充填材は、特に限定されないが、炭酸塩および/または水酸化物と、酸化物とを含むことが好ましい。これにより、金属箔との密着性を特に向上することができる。
前記炭酸塩としては、炭酸カルシウムが特に好ましく、前記水酸化物としては、水酸化マグネシウムが特に好ましい。
前記炭酸塩の平均粒子径は、特に限定されないが、0.5〜3.0μmが好ましく、特に0.7〜2.0μmが好ましい。平均粒子径が前記下限値未満であると炭酸塩の入手が困難となる場合が有り、前記上限値を超えると金属箔との密着性を向上する効果が低下する場合が有る。
また、前記炭酸塩と、酸化物との併用比率は、特に限定されないが、重量比で10:1〜4:5の範囲で組み合わせることが好ましい。これにより、特に金属箔との密着性を向上することができる。
【0016】
前記水酸化物の平均粒子径は、特に限定されないが、1.0〜10.0μmが好ましく、特に2.0〜8.0μmが好ましい。平均粒子径が前記下限値未満であると水酸化物の入手が困難となる場合が有り、前記上限値を超えると金属箔との密着性を向上する効果が低下する場合が有る。
また、前記水酸化物と、酸化物との併用比率は、特に限定されないが、重量比で15:1〜4:5の範囲で組み合わせることが好ましい。これにより、特に金属箔との密着性を向上することができる。
なお、前記炭酸塩と、水酸化物と、酸化物とを併用しても構わない。
前記平均粒子径は、例えばレーザ回折式粒度分布測定装置(SALD−7000 (株)島津製作所)を用いて測定することができる。これは、粒子群にレーザ光を照射し、そこから発せられる回折・散乱光の強度分布パターンから計算によって粒度分布を求める方法である。
【0017】
前記第1層の硬化性樹脂の反応率は、特に限定されないが、前記第2層の硬化性樹脂の反応率よりも高いことが好ましい。これにより、回路基板の板厚精度を特に向上することができる。
前記第1層の硬化性樹脂の反応率は、特に限定されないが、85%以上が好ましく、特に90%〜95%が好ましい。反応率が前記範囲内であると、第1層が板厚精度を特に向上することができる。
前記第2層の硬化性樹脂の反応率は、特に限定されないが、60%以下が好ましく、特に50〜20%が好ましい。反応率が前記範囲内であると、第2層が内層回路等の埋め込み性を特に向上することができる。
また、前記第1層と第2層の硬化性樹脂の反応率は、上記記載の反応率を有するものの組合せであることが特に好ましい。
【0018】
前記反応率は、例えば示差走査熱量測定(DSC)により求めることができる。すなわち、未反応の樹脂と、各層の樹脂双方についてDSCの反応による発熱ピークの面積を比較することにより、次式により求めることができる。なお、測定は昇温速度10℃/分、窒素雰囲気下で行うことができる。
反応率(%)=(1−樹脂の反応ピーク面積/未反応樹脂の反応ピーク面積)×100
反応率の制御は、加熱温度、加熱時間及び光や電子線等の照射など、種々の方法により制御できるが、加熱温度や加熱時間で制御することが、簡便で精度よく行える点で好ましい。
【0019】
次に、回路基板について説明する。
本発明の回路基板は、上記記載のプリプレグを1枚または2枚以上と、その片面または両面に金属箔を重ねて合わせて加熱、加圧してなることを特徴とするものである。
プリプレグ1枚のときは、その上下両面もしくは片面に金属箔を重ねる。また、プリプレグを2枚以上積層することもできる。プリプレグ2枚以上積層するときは、積層したプリプレグの最も外側の上下両面もしくは片面に金属箔を重ねる。次に、プリプレグと金属箔とを重ねたものを加熱、加圧することで回路基板を得ることができる。本発明の回路基板は、特に限定されないが、内層回路基板に使用した方が従来のプリプレグと比較して板厚精度への効果が大きいことから好ましい。
前記加熱する温度は、特に限定されないが、120〜220℃が好ましく、特に150〜200℃が好ましい。
また、前記加圧する圧力は、特に限定されないが、2〜5MPaが好ましく、特に2.5〜4.0MPaが好ましい。
前記金属箔を構成する金属としては、例えば銅または銅系合金、鉄または鉄系合金、アルミまたはアルミ系合金等が挙げられる。
【0020】
通常プリント回路板に使用される金属箔は、絶縁樹脂層との密着性を高めるため、樹脂層と接する面(マット面)にプロファイルを施しており、このプロファイルが大きいほど、密着性が高くなる。しかし、高周波領域での使用においてはこのプロファイルが回路表皮効果により信号伝送特性を低下させるため、金属箔のマット面がロープロファイル形状のもの、またはプロファイルのないものを使用することが好ましい。
本発明の回路基板で用いる金属箔のプロファイル高さは、特に限定されないが、5.0μm以下が好ましく、特に0.3〜3.0μmが好ましい。本発明では、上記金属箔とともに、金属箔と接する第2層の樹脂組成物に無機充填材を配合することにより、高周波域での信号特性および密着性を両立させることができる。
【0021】
【実施例】
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0022】
(実施例1)
1.第1層の樹脂ワニスの調製
エポキシ当量約450のビスフェノールA型エポキシ樹脂70重量部と、エポキシ当量約190のフェノールノボラック型エポキシ樹脂30重量部をメチルエチルケトン100重量部に溶解した。この溶液に、ジシアンジアミド3重量部と2−フェニル−4−メチルイミダゾール0.15重量部をジメチルホルムアミド20部溶解した溶液を加え、攪拌混合して第1層の樹脂ワニスを調製した。
【0023】
2.第2層の樹脂ワニスの調製
第1層の樹脂ワニスの樹脂組成物の固形分100重量部に対して、平均粒径1.0μmの球状溶融シリカ((株)アドマテックス製 SO−25R)50重量部を加え、攪拌混合して第2層の樹脂ワニスを調製した。
【0024】
3.プリプレグの作製
第1層の樹脂ワニスをガラス織布(厚さ0.1mm、日東紡績(株)製)100重量部にワニス固形分で80重量部含浸させて、150℃の乾燥炉で10分乾燥させ、樹脂組成物の含有量が最終のプリプレグの40重量%となる第1層を作製した。次いで、その両側に第2層の樹脂ワニスを塗工し、150℃の乾燥炉で2分乾燥させ、樹脂組成物の含有量がプリプレグの50重量%である第1層と第2層で構成されるプリプレグを作製した。
【0025】
4.反応率の測定
第1層の反応率の測定は、上記のようにガラス織布に樹脂ワニスを含浸し、150℃の乾燥炉で10分乾燥したものをサンプルとした。第2層の反応率の測定は、上記の方法で作製プリプレグの表面を削ることによりサンプルを得た。各層のサンプルについてDSC装置(TAインストルメント社製)により発熱ピークを測定し、160℃付近の硬化反応による発熱ピークの面積について、反応前の樹脂と各層の樹脂を比較して、前記式に従って反応率を算出した。その結果、第1層の反応率は90%、第2層の反応率は55%であった。
【0026】
5.積層板の作製
上記プリプレグを10枚重ね、上下に厚さ35μmのロープロファイル銅箔(三井金属鉱業(株)製 3EC−VLP−35)を重ねて、圧力40kgf/cm 、温度200℃で120分、220℃で60分加熱加圧成形を行い、厚さ1.0mmの両面銅張積層板を得た。
【0027】
(実施例2)
第2層の樹脂ワニスを以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
第1層の樹脂ワニスの樹脂組成物の固形分100重量部に対して、平均粒径1.0μmの球状溶融シリカ((株)アドマテックス製 SO−25R)50重量部を加え、更に樹脂組成物の固形分に対して平均粒径18nmの疎水処理された超微粒子シリカ(日本アエロジル(株)製 R−972)20重量部を加え、攪拌混合した(シリカの併用比:5:2)。第1層の反応率は90%、第2層の反応率は55%であった。
【0028】
(実施例3)
第2層の樹脂ワニスを以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
第1層の樹脂ワニスの樹脂組成物の固形分100重量部に対して、平均粒径1.2μmの炭酸カルシウム(日東粉化工業(株)製 NCC−1010)80重量部を加え、更に樹脂組成物の固形分に対して平均粒径18nmの疎水処理された超微粒子シリカ(日本アエロジル(株)製 R−972)20重量部を加え、攪拌混合した(炭酸カルシウムとシリカの併用比:8:2)。第1層の反応率は90%、第2層の反応率は55%であった。
【0029】
(実施例4)
第2層の樹脂ワニスを以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
第1層の樹脂ワニスの樹脂組成物の固形分100重量部に対して、平均粒径6.0μmの水酸化マグネシウム(昭和鉱業(株)製 フォートライトPC200)80重量部を加え、更に樹脂組成物の固形分に対して平均粒径18nmの疎水処理された超微粒子シリカ(日本アエロジル(株)製 R−972)20重量部を加え、攪拌混合した(水酸化マグネシウムとシリカの併用比:8:2)。第1層の反応率は90%、第2層の反応率は55%であった。
【0030】
(実施例5)
第1層および第2層の反応率を、以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
第1層の樹脂ワニスを用いて、ガラス織布(厚さ0.1mm、日東紡績(株)製)100重量部にワニス固形分で80重量部含浸させて、150℃の乾燥炉で12分乾燥させ、樹脂組成物の含有量が最終のプリプレグに対して40%の第1層を作成した。その両側に対して調製した第2層の樹脂ワニスを塗工し、150℃の乾燥炉で1分乾燥して第2層を作製し、樹脂組成物の含有量が50%のプリプレグを作製した。同様に反応率を測定した結果、第1層の反応率は92%、第2層の反応率は18%であった。
【0031】
(実施例6)
積層板に積層する金属箔を以下のように代えた以外は、実施例1と同様にした。
銅箔として、厚さ35μmのプロファイルがない銅箔(試作品)を使用した。
【0032】
(比較例1)
第2層の樹脂ワニスを用いることなく、第1層の樹脂ワニスのみでプリプレグを作製した以外は、実施例1と同様にした。第1層の樹脂ワニスをガラス織布(厚さ0.1mm、日東紡績(株)製)100重量部にワニス固形分で100重量部含浸させて、150℃の乾燥炉で10分乾燥させ、樹脂組成物の含有量が最終のプリプレグの50重量%となるプリプレグを作製した。
【0033】
(比較例2)
第1層および第2層ともに、実施例1で作製した第1層ワニスを用いた以外は、実施例1と同様にした。第1層、第2層ともに無機充填材が添加されていないプリプレグを得た。
【0034】
各実施例および比較例で得られた積層板について、次の評価を行った。評価項目を、内容と共に示す。得られた結果を表1に示す。
▲1▼ 両面銅張積層板の評価
銅箔密着性
銅箔密着性は、JIS C 6481に準じ、銅箔の引き剥がし強さを測定した。
【0035】
半田耐熱性
半田耐熱性は、片面のみ銅箔をエッチングし、50×50mmのサイズに切断して3個の試験片を作製後、それぞれについて121℃、2.0気圧のプレッシャークッカー条件で2時間の吸湿処理を行った。続いて、260℃半田槽に120秒間浸せきした後、フクレ、ミーズリングの評価を1個の試験片毎に目視および光学顕微鏡により確認を行った。
【0036】
4層内層基板については、内層回路基板として、実施例1で得られた両面銅張り積層板を用い、これに信号伝送特性確認用の試験回路を作製した。この上下に実施例1で得られたプリプレグを各1枚重ね、更にその上下に厚さ18μmのプロファイルのない銅箔(試作品)を重ね、圧力40kgf/cm 、温度200℃で120分、220℃で60分加熱加圧成形を行い、4層回路基板を得た。
【0037】
▲2▼ 4層回路基板の評価
層間厚さ
層間厚さは、サイズ500×500mmの基板について碁盤目状に測定点を36点設定し、マイクロセクションにてサンプルを作製し、測長機能付き顕微鏡にて層間厚さを測定した。そのバラツキ(標準偏差σ)を求めた。
【0038】
信号伝送損失
高周波領域での信号伝送損失は、ネットワークアナライザーを使用し、信号伝送特性確認用の試験回路(配線長1m)にて1GHz、5GHzでの伝送損失を測定した。
【0039】
成形性
成形性は、サイズ500×500mmの基板について回路部の空隙ボイドの有無、その他の異常はみられないか目視および光学顕微鏡により確認を行った。各符号は、以下の通りである。
◎:ボイド無し
○:ボイド若干有るが、実用可能レベル
△:ボイド若干有り、実用不可
×:ボイド有り
【0040】
内層回路密着性
内層回路密着性は、内層銅箔とプリプレグの界面における密着性をJIS C 6481に準じ、引き剥がし強さを測定した。
【0041】
銅箔密着性
銅箔密着性は、JIS C 6481に準じ、銅箔の引き剥がし強さを測定した。
【0042】
半田耐熱性
半田耐熱性は、前記両面銅張積層板の評価方法と同じ方法で行った。
【0043】
フローアウト
フローアウトは、4層回路基板を成形したときのフローアウト(はみ出し部分)の長さを測定した。
【0044】
【表1】
Figure 2004042516
【0045】
表1から明らかなように、実施例1〜6は、層間の厚さのバラツキが小さく、回路基板の板厚精度が向上したことが確認された。更に、銅箔密着性に優れており、金属箔との密着性が向上していることが確認された。
また、実施例1〜4および6は、成形性に特に優れており、内層回路の埋込性に優れていることが確認された。
また、実施例6は、特に高周波での信号特性に優れていた。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、回路基板の板厚精度を向上することが可能であり、かつ金属箔との密着性に優れるプリプレグおよびそれを用いた回路基板を提供することができる。
また、特定の無機充填材を用いた場合、特に金属箔との密着性を向上することができる。
また、第1層、第2層を構成する硬化性樹脂が特定の反応率を有する場合、特に板厚精度と内層回路の埋込性の両方に優れることができる。

Claims (9)

  1. 硬化性樹脂とガラス繊維基材とで構成される第1層と、
    前記第1層の両面に設けられた第2層とを有するプリプレグであって、
    該第2層は、硬化性樹脂と無機充填材とを含有する樹脂組成物で構成されるものであることを特徴とするプリプレグ。
  2. 前記無機充填材の含有量は、前記第2層を構成する硬化性樹脂100重量部に対して20〜250重量部である請求項1に記載のプリプレグ。
  3. 前記無機充填材は、酸化物を含むものである請求項1または2に記載のプリプレグ。
  4. 前記無機充填材は、平均粒径の異なる酸化物を含むものである請求項1ないし3のいずれかに記載のプリプレグ。
  5. 前記酸化物は、シリカである請求項3または4に記載のプリプレグ。
  6. 前記無機充填材は、炭酸塩および/または水酸化物と、酸化物とを含むものである請求項1または2に記載のプリプレグ。
  7. 前記第1層の硬化性樹脂の反応率は、前記第2層の硬化性樹脂の反応率よりも高いものである請求項1ないし6のいずれかに記載のプリプレグ。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載のプリプレグを1枚または2枚以上と、その片面または両面に金属箔を重ね合わせて加熱、加圧してなることを特徴とする回路基板。
  9. 前記金属箔のプロファイル高さは、5μm以下である請求項8に記載の回路基板。
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